(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109084
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】区画スタンド
(51)【国際特許分類】
E04H 17/14 20060101AFI20230731BHJP
【FI】
E04H17/14 102Z
E04H17/14 102A
E04H17/14 103Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010475
(22)【出願日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000133928
【氏名又は名称】株式会社テラモト
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】松村 洸平
【テーマコード(参考)】
2E142
【Fターム(参考)】
2E142AA01
2E142DD06
2E142DD09
2E142DD13
2E142DD23
2E142HH01
2E142HH13
2E142JJ01
(57)【要約】
【課題】様々な広さやレイアウトに区画された空間を形成するのに適した区画スタンドを提供する。
【解決手段】区画スタンドA1は、地面に載置される支持脚と、当該支持脚2に連結された区画体1と、を備え、区画体1は、全体として鉛直方向z、および水平方向である第1方向xがなす平面に沿うように配置されており、支持脚2は、区画体1における第1方向一方側x1および第1方向他方側x2に連結され、且つ鉛直方向zおよび第1方向xの双方に直交する第2方向yの一方側(第2方向一方側y1)に延出する一対の第1脚部21と、区画体1における第1方向一方側x1および第1方向他方側x2に連結され、且つ第2方向yの他方側(第2方向他方側y2)に延出する一対の第2脚部22と、を含み、一対の第2脚部22は、鉛直方向zに見て区画体1と重なり合うように折り畳み可能である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に載置される支持脚と、当該支持脚に連結された区画体と、を備え、
前記区画体は、全体として鉛直方向、および水平方向である第1方向がなす平面に沿うように配置されており、
前記支持脚は、前記区画体における前記第1方向の一方側および他方側に連結され、且つ前記鉛直方向および前記第1方向の双方に直交する第2方向の一方側に延出する一対の第1脚部と、前記区画体における前記第1方向の一方側および他方側に連結され、且つ前記第2方向の他方側に延出する一対の第2脚部と、を含み、
前記一対の第2脚部は、前記鉛直方向に見て前記区画体と重なり合うように折り畳み可能である、区画スタンド。
【請求項2】
前記一対の第1脚部の各々の下端、および前記一対の第2脚部の各々の下端には、キャスタが設けられている、請求項1に記載の区画スタンド。
【請求項3】
前記一対の第1脚部、および前記一対の第2脚部のいずれかには、地面を押圧可能な一対の第1押圧部が設けられている、請求項2に記載の区画スタンド。
【請求項4】
前記一対の第1脚部、前記一対の第2脚部、および前記区画体における前記第1方向の両端付近、のいずれかには、地面を押圧可能な一対の第2押圧部が設けられている、請求項3に記載の区画スタンド。
【請求項5】
前記第2押圧部は、ねじ構造により前記鉛直方向に位置調整可能である、請求項4に記載の区画スタンド。
【請求項6】
前記各キャスタは、前記鉛直方向に見て、前記区画体から前記第2方向に離れた端部寄りに位置する、請求項2ないし5のいずれかに記載の区画スタンド。
【請求項7】
前記区画体は、前記第2方向への風の通過を許容する通風構造を備える、請求項1ないし6のいずれかに記載の区画スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間を区画するための区画スタンドに関し、特に屋外に配置して屋外用の喫煙スペースとして利用するのに適した区画スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋外における喫煙スペースの提供を目的とした折り畳み可能な喫煙ブースが提案されている(たとえば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載された喫煙ブースは、側面部と天井部により所定空間を取り囲むフレームと、フレームの側面部および天井部にそれぞれ張設されたシート材とを備えて構成されている。フレームの側面部は、垂直方向の回動軸周りに相互折り畳み回動可能に連結された複数の側面フレームによって構成されている。各側面フレームは、パイプにより形成された略矩形枠状部分と、この枠状部分の対角に張られた斜パイプとによって、トラス構造とされている。このような構成によれば、側面フレームを展開した状態において、比較的に広い内部空間を形成することが可能である。
【0003】
しかしながら、上記従来の喫煙ブースにおいては、トラス構造を有する複数の側面フレームを備えた構成とされているため、フレーム全体として大掛かりな構造となって重量が嵩んでいた。そのため、折り畳むことが可能であっても、折り畳み状態での収納や移設を容易に行うことができなかった。また、上記従来の喫煙ブースは、内部空間の大きさが一定であるので、喫煙スペースの広さやレイアウトのバリエーションを選択することが出来なかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、様々な広さやレイアウトに区画された空間を形成するのに適した区画スタンドを提供することを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明によって提供される区画スタンドは、地面に載置される支持脚と、当該支持脚に連結された区画体と、を備え、前記区画体は、全体として鉛直方向、および水平方向である第1方向がなす平面に沿うように配置されており、前記支持脚は、前記区画体における前記第1方向の一方側および他方側に連結され、且つ前記鉛直方向および前記第1方向の双方に直交する第2方向の一方側に延出する一対の第1脚部と、前記区画体における前記第1方向の一方側および他方側に連結され、且つ前記第2方向の他方側に延出する一対の第2脚部と、を含み、前記一対の第2脚部は、前記鉛直方向に見て前記区画体と重なり合うように折り畳み可能である。
【0008】
好ましい実施の形態においては、前記一対の第1脚部の各々の下端、および前記一対の第2脚部の各々の下端には、キャスタが設けられている。
【0009】
好ましい実施の形態においては、前記一対の第1脚部、および前記一対の第2脚部のいずれかには、地面を押圧可能な一対の第1押圧部が設けられている。
【0010】
好ましい実施の形態においては、前記一対の第1脚部、前記一対の第2脚部、および前記区画体における前記第1方向の両端付近、のいずれかには、地面を押圧可能な一対の第2押圧部が設けられている。
【0011】
好ましい実施の形態においては、前記第2押圧部は、ねじ構造により前記鉛直方向に位置調整可能である。
【0012】
好ましい実施の形態においては、前記各キャスタは、前記鉛直方向に見て、前記区画体から前記第2方向に離れた端部寄りに位置する。
【0013】
好ましい実施の形態においては、前記区画体は、前記第2方向への風の通過を許容する通風構造を備える。
【0014】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係る区画スタンドの一例を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す区画スタンドを背面側から見た斜視図である。
【
図4】
図3のIV-IV線に沿う部分拡大断面図である。
【
図5】
図1に示す区画スタンドにおいて一対の第2脚部を折り畳んだ状態を表す斜視図である。
【
図6】
図1に示す区画スタンドにおいて一対の第2脚部を折り畳んだ状態を表す平面図である。
【
図7】第1押圧部および第2押圧部の動作を説明するための図である。
【
図8】
図1に示す区画スタンドの配置の一例を示す平面図である。
【
図9】
図1に示す区画スタンドの配置の一例を示す平面図である。
【
図10】
図1に示す区画スタンドの配置の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。以下の説明における「第1」、「第2」等の用語は、単にラベルとして用いたものであり、必ずしもそれらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0017】
図1~
図6は、本発明に係る区画スタンドの一例を示す。本実施形態の区画スタンドA1は、区画体1および支持脚2を備えている。区画スタンドA1は、たとえば当該区画スタンドA1を複数組み合わせて配置することにより、屋外空間を種々の広さやレイアウトに区画するのに使用するものである。
【0018】
なお、区画スタンドA1の説明において、
図1における図中上下方向を「鉛直方向z」と呼ぶ。
図1~
図3において鉛直方向zに対して直交する水平方向(図中左右方向)を「第1方向x」と呼ぶ。鉛直方向zおよび第1方向xの双方に対して直交する方向を「第2方向y」と呼ぶ。また、区画スタンドA1の説明においては、便宜上、
図1において図中上側を「鉛直方向一方側z1」と呼び、図中上側を「鉛直方向他方側z2」と呼ぶ。
図1、
図3等において、第1方向xの一方側(
図3における図中右側)を「第1方向一方側x1」と呼び、第1方向xの他方側(
図3における図中左側)を「第1方向他方側x2」と呼ぶ。
図1、
図3等において、第2方向yの一方側(
図3における図中上側)を「第2方向一方側y1」と呼び、第2方向yの他方側(
図3における図中下側)を「第2方向他方側y2」と呼ぶ。
【0019】
図1~
図3に示すように、本実施形態の区画体1は、フレーム11およびメッシュシート12を含む。フレーム11は、薄板鋼板や薄板鋼板からなるパイプ材等をねじ止めや溶接などにより適宜連結した構成を有する。フレーム11は、一対のメイン支柱111、上部支柱112、中間支柱113、下部支柱114、複数のベース支柱115、複数のシート取付金具116および複数の連結具117を有する。
【0020】
一対のメイン支柱111は、第1方向xの両端(第1方向一方側x1端および第1方向他方側x2端)に配置されており、各々が鉛直方向zに長状に延びている。上部支柱112は、両端が一対のメイン支柱111の上端(鉛直方向一方側z1端)に連結されており、第1方向xに延びている。中間支柱113は、両端が一対のメイン支柱111の鉛直方向zにおける中間に連結されており、第1方向xに延びている。下部支柱114は、両端が一対のメイン支柱111の下端(鉛直方向他方側z2端)に連結されており、第1方向xに延びている。複数のベース支柱115の各々は、両端が中間支柱113および下部支柱114に連結されており、鉛直方向zに延びている。複数のベース支柱115は、第1方向xにおいて間隔を隔てて配置されている。
【0021】
複数のシート取付金具116は、一対のメイン支柱111、上部支柱112および中間支柱113それぞれの適所に設けられており、メッシュシート12をねじ止めするための部位である。複数の連結具117は、区画スタンドA1を複数組み合わせて配置する際に、隣接する区画スタンドA1どうしをつなぐために使用される。複数の連結具117は、一対のメイン支柱111の適所に配置されており、メイン支柱111と各メイン支柱111とが環状をなしている。互いに隣接する各区画スタンドA1の連結具117に面ファスナーや紐を通して掛け止めることで、隣接する区画スタンドA1をつなぐことができる。
【0022】
なお、本発明の区画スタンドは、図示した例と異なり、複数の連結具117を具備しない構成としてもよい。連結具117を具備しない場合、互いに隣接する区画スタンドA1をつなぐ際には、隣接する区画スタンドA1において近接配置されたメイン支柱111どうしに面ファスナーや紐を通して掛け止める。このようにして、隣接する区画スタンドA1をつなぐことができる。
【0023】
メッシュシート12は、通気性に優れたシート素材(たとえばメッシュターポリン)からなり、適宜、たとえば案内表示や広告などが印刷により描画されている。メッシュシート12は、略矩形状をなしており、周縁部が複数のシート取付金具116に固定されることで、鉛直方向zおよび第1方向xがなす平面に沿うように張設されている。
【0024】
上記構成の区画体1(フレーム11およびメッシュシート12)は、全体として鉛直方向zよび第1方向xがなす平面に沿うように配置されている。フレーム11における複数のベース支柱115の隣接相互間においては、第2方向yに風が通り抜けることが可能である。また、メッシュシート12においては、第2方向yへの風の通過を許容する。上記の間隔を隔てて配置された複数のベース支柱115、およびメッシュシート12は、本発明の「通風構造」の一例に相当する。
【0025】
支持脚2は、地面に載置されて区画体1を支持する部材である。支持脚2は、区画体1の下部に連結されている。支持脚2は、一対の第1脚部21および一対の第2脚部22、複数のキャスタ23、一対の第1押圧部24、一対の第2押圧部25および一対のロック機構26を備えて構成されている。
【0026】
一対の第1脚部21は、区画体1における第1方向一方側x1および第1方向他方側x2に連結されている。具体的には、一対の第1脚部21は、フレーム11における一対のメイン支柱111の下部にそれぞれ連結固定されている。各第1脚部21は、メイン支柱111(区画体1)から第2方向一方側y1に延出している。第1脚部21は、たとえば薄板鋼板や薄板鋼板からなるパイプ材等により構成されている。第1脚部21の大部分は、所定厚さを有するプレート状とされている。
【0027】
一対の第2脚部22は、区画体1における第1方向一方側x1および第1方向他方側x2に連結されている。具体的には、一対の第2脚部22は、フレーム11における一対のメイン支柱111の下部にそれぞれ連結されている。各第2脚部22は、メイン支柱111(区画体1)から第2方向他方側y2に延出している。第2脚部22は、たとえば薄板鋼板や薄板鋼板からなるパイプ材等により構成されている。第2脚部22の大部分は、所定厚さを有するプレート状とされている。
【0028】
図3~
図5に示すように、各第2脚部22は、メイン支柱111(区画体1)に対して蝶番221を介して連結されている。第2脚部22は、メイン支柱111(区画体1)に対して鉛直方向zに沿う軸線周りに回動可能である。一対の第2脚部22の各々は、
図1~
図3に示した区画体1から第2方向他方側y2に延出する状態(第1状態)と、
図5、
図6に示した折り畳んだ状態(第2状態)と、をとることが可能である。一対の第2脚部22は、鉛直方向zに見て区画体1と重なり合うように折り畳み可能である。
【0029】
図1~
図4に示すように、複数のキャスタ23は、一対の第1脚部21および一対の第2脚部22それぞれに対応して1つずつ配置されている。キャスタ23は、一対の第1脚部21および一対の第2脚部22の各々の下端に設けられている。各キャスタ23は、鉛直方向zに見て、第1脚部21あるいは第2脚部22において、区画体1から離れた端部寄りに配置されている。詳細な図示説明は省略するが、各キャスタ23には、当該キャスタ23の回転を規制するためのストッパ(図示略)が設けられている。当該ストッパは、キャスタ23が回転自在な解除状態と、キャスタ23の回転を規制するロック状態とに切り替え可能とされている。
【0030】
一対の第1押圧部24は、地面を押圧することが可能な構造部である。本実施形態では、一対の第1押圧部24は、一対の第1脚部21それぞれに対応して1つずつ設けられている。
図4に示すように、第1押圧部24は、シャフト241、シャフト受け242および押え板243を含んで構成される。シャフト受け242は、第1脚部21の下部(鉛直方向他方側z2の端部)寄りに取り付けられており、シャフト241を鉛直方向zに沿って移動可能に支持するガイド部材である。押え板243は、シャフト受け242の上部に配置されており、環状をなしている。この押え板243は、第2方向yに沿う水平軸線周りに揺動可能であるとともに、シャフト241が嵌挿されている。
【0031】
図7に示すように、シャフト241が鉛直方向他方側z2に押し下げられると、当該シャフト241の下端が地面Grに押し付けられる。このとき、押え板243も揺動して下方に移動し、この押え板243にシャフト241が係止される。そして、シャフト241(第1押圧部24)が地面Grに押し付けられた状態が維持される。また、押え板243とシャフト受け242との間には、たとえば圧縮コイルばねなどの図示しない弾性部材が介装されている。
図7に示した状態から押え板243を引き上げると、押え板243によるシャフト241の係止が開放され、上記弾性部材の弾性復元力によりシャフト241が上方(鉛直方向一方側z1)に移動し、
図4に示した状態に戻る。なお、シャフト241を鉛直方向他方側z2に押し下げる操作は、シャフト241を靴底で踏み込むことで容易に行うことが可能である。
【0032】
一対の第2押圧部25は、地面を押圧することが可能な構造部である。本実施形態では、一対の第2押圧部25は、区画体1における第1方向x両端のメイン支柱111の下部に設けられている。
図4に示すように、第2押圧部25は、ボルト251、プレート252および固定ナット253を含んで構成される。ボルト251は、メイン支柱111の下端部に形成された図示しないねじ穴に螺合している。プレート252は、ボルト251の下端に取り付けられている。このような構成により、本実施形態において、第2押圧部25は、ねじ構造により鉛直方向zに位置調整可能である。
【0033】
図7に示すように、ボルト251を回して鉛直方向他方側z2に進出させると、当該ボルト251の下端に設けられたプレート252が地面Grに押し付けられる。ここで、固定ナット253を回してメイン支柱111の下端部に当接させると、ボルト251の回転が防止され、プレート252(第2押圧部25)が地面Grに押し付けられた状態が維持される。
【0034】
一対のロック機構26は、一対の第2脚部22について、区画体1から第2方向他方側y2に延出する状態(第1状態)と折り畳んだ状態(第2状態)とをそれぞれ維持するためのものである。
図1、
図2に示すように、ロック機構26は、たとえばフック261、レバー262、フック受け263、固定ロッド264およびロッド受け265を有する。フック受け263は、第2脚部22における第2方向一方側y1寄りに取り付けられている。フック261は、第1脚部21に設けられており、フック受け263に係止可能である。レバー262は、第1脚部21に設けられており、フック261に連係している。固定ロッド264は、第2脚部22の適所に設けられている。ロッド受け265は、区画体1(フレーム11の下部支柱114)の適所に設けられている。
【0035】
図1、
図2に示すように、一対の第2脚部22が区画体1から第2方向他方側y2に延出する開いた状態(第1状態)にあるとき、フック261をフック受け263に係止させることで、一対の第2脚部22が開いた状態(第1状態)は適切に維持される。また、レバー262を第1脚部21から起こすとフック261のフック受け263への係止が解除される。そして、
図5に示すように、一対の第2脚部22は折り畳んだ状態(第2状態)となる。このとき、固定ロッド264はロッド受け265に係合(いずれも図示略)しており、一対の第2脚部22の折り畳んだ状態(第2状態)は適切に維持される。
【0036】
上記構成の区画スタンドA1の大きさは特に限定さない。区画スタンドA1の寸法の一例を挙げると、区画スタンドA1の高さ(鉛直方向zの寸法)は、180~200cm程度であり、第1方向xの寸法は、80~100cm程度であり、第2方向yの寸法(一対の第2脚部22が開いた状態)は、50~70cm程度である。
【0037】
次に、区画スタンドA1の使用例および作用について説明する。
【0038】
本実施形態の区画スタンドA1は、たとえば屋外において建物の外壁に隣接して配置することで、区画された空間を形成するために用いられる。
図8~
図10はそれぞれ、複数の区画スタンドA1の配置例を示す平面図である。
図8は、平面視において建物の外壁Waが凹んだ部分を有する場合における区画スタンドA1の配置例である。同図において、複数の区画スタンドA1は、外壁Waの凹み部分を区画するように直線状に配置されている。
図8に示すように、周囲の通行人の通行等の妨げにならない場合、各区画スタンドA1における一対の第2脚部22は、開いた状態(第1状態)とされる。複数の区画スタンドA1と外壁Waとで囲まれた内側空間Sは、たとえば屋外用の喫煙スペースとして利用することができる。図中右端の区画スタンドA1と、その右側に位置する外壁Waとの間に適当な隙間Gaを設けておくことで、この隙間Gaを通じて、複数の区画スタンドA1と外壁Waとで囲まれた内側空間Sへの出入りが可能である。
【0039】
図9は、平面視において建物の外壁Waが段形状を有する場合における区画スタンドA1の配置例である。同図において、複数の区画スタンドA1は、外壁Waの段形状部を区画するように、L字状に配置されている。同図において図中左右方向に直線状に配置された複数の区画スタンドA1の各々において、一対の第2脚部22は、開いた状態(第1状態)とされる。また、同図における右端に位置し、図中上下方向に並んで配置された各区画スタンドA1は、上記の図中左右方向に直線状に配置された複数の区画スタンドA1に対して屈曲した配置レイアウトである。このような場合、同図中右端に並んで配置された各区画スタンドA1において、一対の第2脚部22は、折り畳んだ状態(第2状態)とされる。これにより、複数の区画スタンドA1と外壁Waとで囲まれた内側空間Sを適切に形成することができる。複数の区画スタンドA1と外壁Waとで囲まれた内側空間Sは、たとえば屋外用の喫煙スペースとして利用することができる。図中右端下方に位置する区画スタンドA1と、その下側に位置する外壁Waとの間に適当な隙間Gaを設けておくことで、この隙間Gaを通じて、複数の区画スタンドA1と外壁Waとで囲まれた内側空間Sへの出入りが可能である。
【0040】
図10は、平面視において建物の外壁Waが一直線状である場合における区画スタンドA1の配置例である。同図において、複数の区画スタンドA1は、外壁Waの一部を囲うように、C字状に配置されている。同図において図中左右方向に直線状に配置された複数の区画スタンドA1の各々において、一対の第2脚部22は、折り畳んだ状態(第2状態)とされる。これにより、これら図中左右方向に直線状に配置された複数の区画スタンドA1の周囲において、通行人の通行等の妨げになることは防止される。また、同図における左端に位置し、図中上下方向に並んで配置された各区画スタンドA1、および同図における右端に位置する区画スタンドA1は、上記の図中左右方向に直線状に配置された複数の区画スタンドA1に対して屈曲した配置レイアウトである。このような場合、同図中左右両端に配置された各区画スタンドA1において、一対の第2脚部22は、折り畳んだ状態(第2状態)とされる。これにより、複数の区画スタンドA1と外壁Waとで囲まれた内側空間Sを適切に形成することができる。複数の区画スタンドA1と外壁Waとで囲まれた内側空間Sは、たとえば屋外用の喫煙スペースとして利用することができる。図中右端に位置する区画スタンドA1と、その下側に位置する外壁Waとの間に適当な隙間Gaを設けておくことで、この隙間Gaを通じて、複数の区画スタンドA1と外壁Waとで囲まれた内側空間Sへの出入りが可能である。
【0041】
本実施形態の区画スタンドA1は、区画体1およびこれを支持する支持脚2を備える。区画体1は、全体として鉛直方向zよび第1方向xがなす平面に沿うように配置されている。支持脚2は、一対の第1脚部21および一対の第2脚部22を含む。一対の第1脚部21は、区画体1における第1方向一方側x1および第1方向他方側x2に連結されており、区画体1から第2方向一方側y1に延出している。一対の第2脚部22は、区画体1における第1方向一方側x1および第1方向他方側x2に連結されており、区画体1から第2方向他方側y2に延出している。また、一対の第2脚部22は、鉛直方向zに見て区画体1と重なり合うように折り畳み可能である。このような構成によれば、一対の第2脚部22が区画体1から第2方向他方側y2に延出する開いた状態とすることで、区画スタンドA1を安定して自立させることができる。一方、一対の第2脚部22を鉛直方向zに見て区画体1と重なり合うように折り畳んだ状態とすることで、
図9、
図10等に示したように、複数の区画スタンドA1を用いて様々な広さやレイアウトに区画された空間を形成することができる。
【0042】
一対の第1脚部21の各々の下端、および一対の第2脚部22の各々の下端には、キャスタ23が設けられている。このような構成によれば、区画スタンドA1の運搬、設置、移設等の際に、区画スタンドA1を容易に移動させることができる。
【0043】
本実施形態において、一対の第1脚部21には、地面Grを押圧可能な一対の第1押圧部24が設けられている。このような構成によれば、区画スタンドA1をより安定して自立させることができる。また、一対の第2脚部22を折り畳んだ状態においても、一対の第1押圧部24により地面Grを押圧することで、区画スタンドA1を安定して自立させることができる。
【0044】
本実施形態において、区画体1における第1方向x両端には、地面Grを押圧可能な一対の第2押圧部25が設けられている。このような構成によれば、区画スタンドA1をさらに安定して自立させることができる。また、一対の第2脚部22を折り畳んだ状態においても、一対の第1押圧部24および一対の第2押圧部25により地面Grを押圧することで、区画スタンドA1をより安定して自立させることができる。
【0045】
本実施形態では、第2押圧部25は、ねじ構造により鉛直方向zに位置調整可能である。このような構成によれば、各キャスタ23、各第1押圧部24、各第2押圧部25を適切に地面Grに接地させることができる。
【0046】
各キャスタ23は、鉛直方向zに見て、第1脚部21あるいは第2脚部22において、区画体1から離れた端部寄りに配置されている。このような構成によれば、区画スタンドA1の自立姿勢が安定し、区画スタンドA1を移動させる際においても転倒を防止することができる。また、一対の第1押圧部24や一対の第2押圧部25との相互作用により、区画スタンドA1をより安定して自立させることが可能である。
【0047】
区画体1は、第2方向yへの風の通過を許容する部位(複数のベース支柱115、およびメッシュシート12)を備える。このような構成によれば、区画スタンドA1を屋外で使用する際において、強風等による不用意な転倒を防止することができる。
【0048】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。本発明に係る区画スタンドの各部の具体的な形状や材質なども、上記実施形態に限定されるものではない。
【0049】
上記実施形態では、一対の第1押圧部24が一対の第1脚部21に設けられていたが、第1押圧部24を一対の第2脚部22に設けてもよい。一対の第2押圧部25については、一対の第1脚部21、一対の第2脚部22、および区画体1における第1方向xの両端付近のいずれかに設けられていればよい。
【符号の説明】
【0050】
A1 :区画スタンド
1 :区画体
11 :フレーム
111 :メイン支柱
112 :上部支柱
113 :中間支柱
114 :下部支柱
115 :ベース支柱(通風構造)
116 :シート取付金具
117 :連結具
12 :メッシュシート(通風構造)
2 :支持脚
21 :第1脚部
22 :第2脚部
221 :蝶番
23 :キャスタ
24 :第1押圧部
241 :シャフト
242 :シャフト受け
243 :押え板
25 :第2押圧部
251 :ボルト
252 :プレート
253 :固定ナット
26 :ロック機構
261 :フック
262 :レバー
263 :フック受け
264 :固定ロッド
265 :ロッド受け
Ga :隙間
Gr :地面
S :内側空間
Wa :外壁
x :第1方向
x1 :第1方向一方側
x2 :第1方向他方側
y :第2方向
y1 :第2方向一方側
y2 :第2方向他方側
z :鉛直方向
z1 :鉛直方向一方側
z2 :鉛直方向他方側