(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109086
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】電気接続箱、及び、製造方法
(51)【国際特許分類】
H02G 3/16 20060101AFI20230731BHJP
H01R 11/01 20060101ALI20230731BHJP
H01R 31/08 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
H02G3/16
H01R11/01 B
H01R31/08 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010482
(22)【出願日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 昌洋
(72)【発明者】
【氏名】倉田 翔
(72)【発明者】
【氏名】安藤 大吾
【テーマコード(参考)】
5G361
【Fターム(参考)】
5G361BA02
5G361BA03
5G361BC01
5G361BC02
(57)【要約】
【課題】製造コストが削減されるとともに、小型化が図れる電気接続箱、及び、製造方法を提供すること。
【解決手段】電気接続箱1は、電子部品が収容される内部空間を有して、複数の電源系統のうち対応する電源系統とそれぞれ接続される電源用バスバ31,32,33,34と、電源系統とは接続されていない予備用バスバ35と、を備え、複数の電源用バスバ31,32,33,34、及び、予備用バスバ35は、接続部品を介して互いに接続可能に構成される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が収容される内部空間を有する電気接続箱であって、
複数の電源系統のうち対応する前記電源系統とそれぞれ接続される電源用バスバと、
前記電源系統とは接続されていない予備用バスバと、を備え、
前記複数の電源用バスバ、及び、前記予備用バスバは、
接続部品を介して互いに接続可能に構成される、
電気接続箱。
【請求項2】
請求項1に記載の電気接続箱であって、
前記予備用バスバは、
前記複数の電源用バスバの間に配置される、
電気接続箱。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の電気接続箱と、前記接続部品と、を備えた電気接続箱の製造方法であって、
前記複数の電源用バスバのうち少なくとも一の前記電源用バスバと、前記予備用バスバと、を前記接続部品によって接続する工程を含む、
製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接続箱、及び、製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子部品を保持可能なブロックが収容されて、車両に搭載される電気接続箱が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。このような電気接続箱は、搭載される車両の車種やグレード等の違いによって回路を拡張することがある(例えば、特許文献2を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-7425号公報
【特許文献2】特開2003-87943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した従来の電気接続箱の中には、車両の各種電源系統と接続されるものがある。このような電気接続箱においては、各種電源系統毎に回路拡張用の予備用の区画が設けられているため、電気接続箱の部品点数が増大するとともに、電気接続箱が大型化する傾向にあった。つまり、従来の電気接続箱には、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述した状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、製造コストが削減されるとともに、小型化が図れる電気接続箱、及び、製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係る電気接続箱は、下記を特徴としている。
【0007】
電子部品が収容される内部空間を有する電気接続箱であって、
複数の電源系統のうち対応する前記電源系統とそれぞれ接続される電源用バスバと、
前記電源系統とは接続されていない予備用バスバと、を備え、
前記複数の電源用バスバ、及び、前記予備用バスバは、
接続部品を介して互いに接続可能に構成される、
電気接続箱であること。
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明に係る製造方法は、下記を特徴としている。
【0009】
上記電気接続箱と、前記接続部品と、を備えた電気接続箱の製造方法であって、
前記複数の電源用バスバのうち少なくとも一の前記電源用バスバと、前記予備用バスバと、を前記接続部品によって接続する工程を含む、
製造方法であること。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る電気接続箱製造方法について以下に述べる。
従来の電気接続箱は、回路拡張に対応できるように、複数の電源系統毎に予備用のスペース(即ち、区画)が設けられている。ここで、本構成の電気接続箱は、複数の電源用バスバによって各電源系統用の区画が画成され、同様に、予備用バスバによって予備用(即ち、回路拡張用)の区画が画成される。つまり、複数の電源系統用の区画(即ち、電源用バスバ)に対して、一の予備用の区画(即ち、予備用バスバ)が備えられていればよい。このように、本構成の電気接続箱は、従来の電気接続箱に比べて、予備用の区画を縮小(即ち、予備用バスバの部品点数を削減)できるとともに、一の予備用の区画(即ち、一の予備用バスバ分のスペース)を確保すればよい。つまり、本構成の電気接続箱は、製造コストが削減されるとともに、小型化が図れる。
更に別の効果として、本構成の電気接続箱は、接続部品によって電源用バスバと予備用バスバとを接続できるため、接続作業が容易となる。
【0011】
なお、本発明に係る製造方法についても電気接続箱と同様の作用・効果を奏し得る。
【0012】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る電気接続箱の斜視図である(アッパーカバーの図示は省略)。
【
図2】
図2は、
図1に示す電気接続箱の要部分解斜視図である(アッパーカバーの図示は省略)。
【
図4】
図4は、ヒューズを取り外した
図3に相当する図であって、各種電源系統の区画及び予備区画について説明する概略図である。
【
図5】
図5は、
図4に相当する図であって、電源用バスバ及び予備用バスバについて説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態>
以下、説明の便宜上、
図1~
図5に示すように、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」及び「下」を定義する。「前後方向」、「左右方向」及び「上下方向」は、互いに直交している。電気接続箱1の車両搭載時において、「前後方向」、「左右方向」及び「上下方向」は、それぞれ、車両の前後方向、左右方向及び上下方向に対応している。また、電気接続箱1の内部に面する側を「内」側と呼び、電気接続箱1の外部に面する側を「外」側と呼ぶ。
【0015】
まず、本実施形態に係る電気接続箱1の概要について
図1及び
図2を参照して説明する。電気接続箱1は、典型的には、車両に搭載されて、ヒューズFやショートピンP(
図2及び
図3参照)を保持するブロックB(
図3~
図5参照)が収容される。電気接続箱1は、フレーム11と、フレーム11の下端開口を塞ぐようにフレーム11の下方に組み付けられるロアカバー12と、フレーム11の上端開口を塞ぐようにフレーム11の上方に組み付けられるアッパーカバー(図示省略)と、により構成される。電気接続箱1を構成する上記3つの部品は全て、樹脂成形体である。以下、電気接続箱1を構成するフレーム11、ロアカバー12、及びアッパーカバーについて順に説明する。
【0016】
はじめに、フレーム11について説明する。フレーム11は、
図2に示すように、上下方向に延びる略矩形筒状の側壁部111を備える。側壁部111は、電気接続箱1の側面の外観の大部分を構成する。側壁部111の下端部における周方向の複数箇所(本例では、4箇所)の外面には、それぞれ、上下方向に延びる貫通孔を含む被係止部112が一体に設けられている。被係止部112は、ロアカバー12をフレーム11に組み付ける機能を有する。なお、側壁部111の上端部における外面に、アッパーカバーをフレーム11に組み付ける機能を有する被係止部(図示省略)が設けられる。
【0017】
図3~
図5に示すように、フレーム11には、ヒューズFやショートピンPを保持するブロックBが組み付けられている。ブロックBには、各電源系統と接続される接続部21~24が設けられ、更に、電源用バスバ31~34及び予備用バスバ35が組み付けられる。
【0018】
具体的には、接続部21には、電源用バスバ31が接続されるとともに、例えば車両に搭載されるオルタネータ(図示省略)と接続される。これにより、電源用バスバ31は、オルタネータ系統の導電部として機能する(
図5参照)。つまり、ブロックBの左右方向右側領域は、オルタネータ系統の区画S1として活用される(
図4参照)。
【0019】
同様に、接続部22には、電源用バスバ32が接続されるとともに、例えば車両に搭載されるバッテリ(図示省略)と接続される。これにより、電源用バスバ32は、バッテリ系統の導電部として機能する(
図5参照)。つまり、ブロックBの左右方向略中央領域且つ前後方向前側領域は、バッテリ系統の区画S2として活用される(
図4参照)。
【0020】
同様に、接続部23,24には、電源用バスバ33,34がそれぞれ接続されるとともに、例えばオルタネータ及びバッテリ以外の電源系統(以下、「その他電源系統」という。)と接続される。これにより、電源用バスバ33,34は、その他電源系統の導電部として機能する(
図5参照)。つまり、ブロックBの左右方向左側領域は、その他電源系統の区画S3として活用される(
図4参照)。なお、その他電源系統とは、車両に搭載されるオルタネータ及びバッテリ以外の電源系統の中から適宜選択される。
【0021】
予備用バスバ35は、電源用バスバ31~34の間に配置される(
図5参照)。つまり、ブロックBの左右方向略中央領域且つ前後方向後側領域は、接続部21~24(即ち、各電源系統)と接続されていない予備用の区画S4として活用される(
図4参照)。換言すると、予備用の区画S4は、各電源系統の区画S1~S3と隣接するように位置している。
【0022】
また、ブロックBには、ヒューズFが挿入可能な複数のヒューズ挿入部25が設けられている(
図5参照)。更に、ブロックBには、ショートピンPを挿入可能なピン挿入部26~28が設けられている(
図5参照)。所定の電源系統において回路拡張が必要な場合、対応する電源用バスバ31~34を予備用バスバ35に接続させるべく、対応するピン挿入部26~28にショートピンPが挿入される(これについては以下に詳述する。)。
【0023】
次に、ロアカバー12について説明する。ロアカバー12は、
図2に示すように、電気接続箱1の下側側面の外観の大部分を構成する環状の側壁部121と、側壁部121の環状の下端開口を塞ぐとともに電気接続箱1の底面の外観の大部分を構成する底壁部122と、を一体に備える。側壁部121の環状の上端縁部は、フレーム11の側壁部111の環状の下端縁部に対応する形状を有し、側壁部111の環状の下端縁部と嵌合可能となっている。側壁部121の上端部における周方向の複数箇所(本例では、4箇所)の外面には、それぞれ、フレーム11の複数の被係止部112に対応して、上方に延びる係止片123が一体に設けられている。
【0024】
次に、アッパーカバーについて説明する。アッパーカバーは、例えば、電気接続箱1の上側側面の外観の大部分を構成する環状の側壁部と、側壁部の環状の上端開口を塞ぐとともに電気接続箱1の上面の外観の大部分を構成する上壁部と、を一体に備える。側壁部の環状の下端縁部は、フレーム11の側壁部111の環状の上端縁部に対応する形状を有し、側壁部111の環状の上端縁部と嵌合可能となる。側壁部における周方向の外面には、それぞれ、フレーム11の複数の被係止部に対応して、係止部が設けられる。
【0025】
以上、電気接続箱1を構成するフレーム11、ロアカバー12、及びアッパーカバーについて説明した。次いで、本発明の実施形態に係る電気接続箱1の製造方法について説明する。
【0026】
電気接続箱を製造するには、「フレーム11へのロアカバー12の組み付け」、並びに、「フレーム11へのブロックBの組み付け、及び、ブロックBへのヒューズF(ショートピンP)の挿入」を行う必要がある。「フレーム11へのロアカバー12の組み付け」と「フレーム11へのブロックBの組み付け、及び、ブロックBへのヒューズF(ショートピンP)の挿入」との順番の前後は問わない。
【0027】
まず、フレーム11へのロアカバー12の組み付けについて説明する。フレーム11にロアカバー12を組み付けるためには、まず、ロアカバー12の複数の係止片123(
図2参照)を、下方からフレーム11の被係止部112(
図2参照)の貫通孔にそれぞれ挿入し、この状態から、ロアカバー12の側壁部121の環状の上端縁部をフレーム11の側壁部111の環状の下端縁部に嵌合させ、且つ、複数の係止片123を複数の被係止部112に係止させる。これにより、フレーム11へのロアカバー12の組み付けが完了する。
【0028】
次に、フレーム11へのブロックBの組み付け、及び、ブロックBへのヒューズF(ショートピンP)の収容について説明する。フレーム11にブロックBを組み付けるためには、例えば、フレーム11の側壁部111の内面に設けられた被係止部(図示省略)にブロックBに設けられた係止部(図示省略)を係止させることによって組み付けられる。そして、電気接続箱1が搭載される車両に合わせて、各電源系統用の区画S1~S3のヒューズ挿入部25にヒューズFを挿入・収容する。なお、フレーム11及びブロックBは、一体に形成されていてもよく、一体に形成されている場合、フレーム11へのブロックBの組み付け作業は省略される。
【0029】
ここで、電気接続箱1が搭載される車両によっては、所定の電源系統の拡張が必要な場合がある。このような場合、予備用の区画S4を使用するために、上記所定の電源用バスバ31~34を予備用バスバ35と接続させる必要がある。つまり、対応するピン挿入部26~28にショートピンPを挿入・収容する。換言すると、上記所定の電源用バスバ31~34と、予備用バスバ35と、をショートピンPによって接続する。
【0030】
具体的には、例えば、拡張が必要な電源系統がオルタネータ系統である場合、ピン挿入部26にショートピンPを挿入・収容すると、電源用バスバ31と予備用バスバ35とが接続される。同様に、拡張が必要な電源系統がバッテリ系統である場合、ピン挿入部27にショートピンPを挿入・収容すると、電源用バスバ32と予備用バスバ35とが接続される。同様に、拡張が必要な電源系統がその他電源系統である場合、ピン挿入部28にショートピンPを挿入・収容すると、電源用バスバ33,34と予備用バスバ35とが接続される。このようにして、拡張が必要な所定の電源系統の拡張が行われる。
【0031】
なお、電源系統の拡張が不要な場合、ショートピンPは、ピン挿入部26~28に挿入・収容されない。また、本例では、接続部品としてショートピンPが採用されているが、これに限られるものではなく、接続部品として例えば電線が採用されてもよい。
【0032】
次に、フレーム11へのアッパーカバーの組み付けについて説明する。このためには、アッパーカバーの側壁部の環状の下端縁部をフレーム11の側壁部111の環状の上端縁部に嵌合させ、且つ、アッパーカバーの複数の係止部をフレーム11の複数の被係止部112に係止させる。これにより、フレーム11へのアッパーカバーの組み付けが完了する(図示省略)。
【0033】
電気接続箱1の組み付け完了状態では、複数の係止片123と複数の被係止部112との係止により、ロアカバー12がフレーム11から下方へ分離することが防止される。同様に、アッパーカバーの複数の係止部とフレーム11の複数の被係止部との係止により、アッパーカバーがフレーム11から上方へ分離することが防止される。
【0034】
<作用・効果>
本実施形態に係る電気接続箱1について以下に述べる。従来の電気接続箱は、回路拡張に対応できるように、複数の電源系統毎に予備用のスペース(即ち、区画)が設けられている。ここで、本実施形態に係る電気接続箱1は、複数の電源用バスバ31~34によって各電源系統用の区画S1~S3が画成され、同様に、予備用バスバ35によって予備用(即ち、回路拡張用)の区画S4が画成される。つまり、複数の電源系統用の区画S1~S3(即ち、電源用バスバ31~34)に対して、一の予備用の区画S4(即ち、予備用バスバ35)が備えられていればよい。このように、本実施形態に係る電気接続箱1は、従来の電気接続箱に比べて、予備用の区画S4を縮小(即ち、予備用バスバ35の部品点数を削減)できるとともに、一の予備用の区画S4(即ち、一の予備用バスバ35分のスペース)を確保すればよい。つまり、本実施形態に係る電気接続箱1は、製造コストが削減されるとともに、小型化が図れる。
更に別の効果として、本実施形態に係る電気接続箱1によれば、ショートピンPによって電源用バスバ31~34と予備用バスバ35とを接続できるため、接続作業が容易となる。
【0035】
更に、本実施形態に係る電気接続箱1によれば、予備用バスバ35は、複数の電源用バスバ31~34の間に配置される。これにより、本実施形態に係る電気接続箱1は、電源用バスバ31~34を予備用バスバ35に接続する場合、電源用バスバ31~34と予備用バスバ35との接続が容易になるため、接続作業が容易となる。
【0036】
更に、本実施形態に係る製造方法によれば、例えば少なくとも一の電源系統(例えば、オルタネータやバッテリ等)に拡張が必要な場合、ショートピンPによって該当する電源用バスバ31~34を予備用バスバ35に接続できる。このように、本実施形態に係る製造方法によって製造される電気接続箱1は、従来の電気接続箱に比べて、予備用の区画S4を縮小(即ち、予備用バスバ35の部品点数を削減)できるとともに、一の予備用の区画S4(即ち、予備用バスバ35分のスペース)を確保すればよい。つまり、本実施形態に係る製造方法は、電気接続箱1の製造コストが削減されるとともに、小型化が図れる。
【0037】
<他の形態>
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0038】
ここで、上述した本発明に係る電気接続箱、及び、製造方法の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[3]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
電子部品(ヒューズF)が収容される内部空間を有する電気接続箱(1)であって、
複数の電源系統のうち対応する前記電源系統とそれぞれ接続される電源用バスバ(31~34)と、
前記電源系統とは接続されていない予備用バスバ(35)と、を備え、
前記複数の電源用バスバ(31~34)、及び、前記予備用バスバ(35)は、
接続部品(ショートピンP)を介して互いに接続可能に構成される、
電気接続箱(1)。
[2]
上記[1]に記載の電気接続箱(1)において、
前記予備用バスバ(35)は、
前記複数の電源用バスバ(31~34)の間に配置される、
電気接続箱(1)。
[3]
上記[1]又は上記[2]に記載の電気接続箱(1)と、前記接続部品(ショートピンP)と、を備えた電気接続箱(1)の製造方法であって、
前記複数の電源用バスバ(31~34)のうち少なくとも一の前記電源用バスバと、前記予備用バスバ(35)と、を前記接続部品(ショートピンP)によって接続する工程を含む、
製造方法。
【0039】
上記[1]の構成の電気接続箱について以下に述べる。従来の電気接続箱は、回路拡張に対応できるように、複数の電源系統毎に予備用のスペース(即ち、区画)が設けられている。ここで、本構成の電気接続箱は、複数の電源用バスバによって各電源系統用の区画が画成され、同様に、予備用バスバによって予備用(即ち、回路拡張用)の区画が画成される。つまり、複数の電源系統用の区画(即ち、電源用バスバ)に対して、一の予備用の区画(即ち、予備用バスバ)が備えられていればよい。このように、本構成の電気接続箱は、従来の電気接続箱に比べて、予備用の区画を縮小(即ち、予備用バスバの部品点数を削減)できるとともに、一の予備用の区画(即ち、一の予備用バスバ分のスペース)を確保すればよい。つまり、本構成の電気接続箱は、製造コストが削減されるとともに、小型化が図れる。
更に別の効果として、本構成の電気接続箱は、接続部品によって電源用バスバと予備用バスバとを接続できるため、接続作業が容易となる。
【0040】
上記[2]の構成の電気接続箱によれば、予備用バスバは、複数の電源用バスバの間に配置される。これにより、本構成の電気接続箱は、電源用バスバを予備用バスバに接続する場合、何れの電源用バスバと予備用バスバとの接続が容易になるため、接続作業が容易となる。
【0041】
上記[3]の製造方法によれば、例えば少なくとも一の電源系統に拡張が必要な場合、接続部品によって該当する電源用バスバを予備用バスバに接続できる。このように、本構成の製造方法によって製造される電気接続箱は、従来の電気接続箱に比べて、予備用の区画を縮小(即ち、予備用バスバの部品点数を削減)できるとともに、一の予備用の区画(即ち、予備用バスバ分のスペース)を確保すればよい。つまり、本構成の製造方法は、電気接続箱の製造コストが削減されるとともに、小型化が図れる。
【符号の説明】
【0042】
1 電気接続箱
11 フレーム
12 ロアカバー
21,22,23,24 接続部
25 ヒューズ挿入部
26,27,28 ピン挿入部
31,32,33,34 電源用バスバ
35 予備用バスバ
111,121 側壁部
112 被係止部
122 底壁部
123 係止片
B ブロック
F ヒューズ
P ショートピン
S1,S2,S3,S4 区画