(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109103
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】電極材料、電気化学セルおよび電極材料の製造方法
(51)【国際特許分類】
C25B 11/032 20210101AFI20230731BHJP
H01M 4/86 20060101ALI20230731BHJP
H01M 4/88 20060101ALI20230731BHJP
H01M 8/0656 20160101ALI20230731BHJP
C25B 1/04 20210101ALI20230731BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20230731BHJP
C25B 9/23 20210101ALI20230731BHJP
C25B 11/052 20210101ALI20230731BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20230731BHJP
【FI】
C25B11/032
H01M4/86 M
H01M4/88 H
H01M8/0656
C25B1/04
C25B9/00 A
C25B9/23
C25B11/052
H01M8/10 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010516
(22)【出願日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】504145342
【氏名又は名称】国立大学法人九州大学
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 広重
(72)【発明者】
【氏名】田中 孝明
(72)【発明者】
【氏名】平尾 和輝
【テーマコード(参考)】
4K011
4K021
5H018
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
4K011AA12
4K011AA23
4K011BA04
4K011DA01
4K021AA01
4K021BA02
4K021DB18
4K021DB31
4K021DB43
4K021DB53
5H018AA06
5H018BB01
5H018BB06
5H018CC06
5H018DD10
5H018EE18
5H018HH02
5H018HH03
5H018HH04
5H018HH05
5H126BB06
5H127AA06
5H127BA02
5H127BA15
(57)【要約】
【課題】性能を向上することができる電極材料、電気化学セルおよび電極材料の製造方法を提供する。
【解決手段】電極材料は、拡散層と、撥水層と、中間層とを備える。拡散層は、ガス透過性を有する。中間層は、拡散層と撥水層との間に位置する。撥水層は、被覆率が50%以上80%以下であり、連続被覆長さの平均が700nm以上1200nm以下である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス透過性を有する拡散層と、
撥水層と、
前記拡散層と前記撥水層との間に位置する中間層と
を備え、
前記撥水層は、被覆率が50%以上80%以下であり、連続被覆長さの平均が700nm以上1200nm以下である
電極材料。
【請求項2】
前記撥水層は、前記中間層側に位置する第1撥水層と、該第1撥水層を挟んで前記中間層の反対側に位置し、前記第1撥水層よりも空隙率が小さい第2撥水層とを有する
請求項1に記載の電極材料。
【請求項3】
前記撥水層は、表面に10面積%以上70面積%以下の非導電部を有する
請求項1または2に記載の電極材料。
【請求項4】
前記撥水層を挟んで前記中間層の反対側に位置する触媒層をさらに備える
請求項1~3のいずれか1つに記載の電極材料。
【請求項5】
イオン伝導性を有する電解質層と、
該電解質層を挟んで対向する第1電極および第2電極と
を備え、
前記第1電極および/または前記第2電極は、請求項1~4のいずれか1つに記載の電極材料を有する
電気化学セル。
【請求項6】
ガス透過性を有する拡散層と、撥水層と、前記拡散層と前記撥水層との間に位置する中間層とを備える電極材料の製造方法であって、
60体積部以上のバインダと1体積部以上35体積部以下の導電性材料とを含有する撥水層材料を乾燥させる工程と、
乾燥させた前記撥水層材料を、中間層材料および拡散層材料とともに積層させて、加圧するとともに焼成する工程と
を含む、電極材料の製造方法。
【請求項7】
前記撥水層材料が、20体積部以下の前記導電性材料を含有する
請求項6に記載の電極材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、電極材料、電気化学セルおよび電極材料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、単一の電気化学セルで水電解と発電とを可逆的に切り替える技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-41578号公報
【特許文献2】特開2018-78098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、例えば、水電解および発電に寄与する電極材料の性能向上に改善の余地があった。
【0005】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、性能を向上することができる電極材料、電気化学セルおよび電極材料の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る電極材料は、拡散層と、撥水層と、中間層とを備える。拡散層は、ガス透過性を有する。中間層は、拡散層と撥水層との間に位置する。撥水層は、被覆率が50%以上80%以下であり、連続被覆長さの平均が700nm以上1200nm以下である。
【0007】
実施形態の一態様に係る電気化学セルは、電解質層、第1電極および第2電極を備える。電解質層は、イオン伝導性を有する。第1電極および第2電極は、電解質層を挟んで対向する。第1電極および/または第2電極は、上記に記載の電極材料を有する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、性能を向上することができる電極材料、電気化学セルおよび電極材料の製造方法が提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る電極材料の概略を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る電気化学セルの概略を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る電気化学セルを備える発電・水素発生装置の概略を示す図である。
【
図4】
図4は、変形例に係る電極材料の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する電極材料、電気化学セルおよび電極材料の製造方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
<実施形態>
図1は、実施形態に係る電極材料の概略を示す図である。
図1に示すように、電極材料1は、拡散層2、中間層3および撥水層4を備える。
【0012】
拡散層2は、ガス透過性を有する。拡散層2は、例えば、電子伝導性を有するカーボンペーパーであってよい。
【0013】
中間層3は、拡散層2と撥水層4との間に位置する。中間層3は、例えば、拡散層2と撥水層4との密着性を高めることができる。中間層3は、例えば、拡散層2と撥水層4との中間のガス透過性を有する。中間層3は、例えば、拡散層2と撥水層4との中間の撥水性を有してもよい。
【0014】
撥水層4は、撥水性を有する。撥水層4は、導電性材料と撥水性材料とを含有する。導電性材料は、例えば、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、カーボンナノチューブその他の炭素材料を用いることができる。撥水性材料は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフッ素樹脂を用いることができる。
【0015】
撥水層4は、被覆率が50%以上80%以下であり、連続被覆長さの平均が700nm以上1200nm以下である。被覆率、および、連続被覆長さの平均を上記したようにそれぞれ規定することにより、撥水層4における適度なガス透過性と撥水性とを両立させることが可能となることから、電極材料1の性能を向上することができる。
【0016】
ここで、「被覆率」、「連続被覆長さ」は、撥水層4の断面をSEM(Scanning Electron Microscope)で観察した結果に基づいて算出することができる。具体的には、被覆率は、撥水層4の第1面40から所定の範囲(例えば、1μm)を撮影したSEM画像を、所定の明度(例えば、明度50%)以上と、所定の明度未満との二値化画像に変換することで空隙が位置する箇所と位置しない箇所とを特定し、撮影範囲に対し、空隙が位置しない箇所の面積割合を算出した値をいう。また、連続被覆長さは、撥水層4の第1面40に沿う方向の全長に対し、空隙が位置しない箇所が連続する最大長さをいう。かかる連続被覆長さを、第1面40からの距離が異なる複数の箇所(例えば、1ピクセル間隔で20箇所)においてそれぞれ算出し、その値を平均することで連続被覆長さの平均が得られる。なお、撥水層4のSEM画像を撮影する際、撥水層4に金属の蒸着またはスパッタは行わない。
【0017】
また、撥水層4は、表面に10面積%以上70面積%以下の非導電部を含んでもよい。ここで、撥水層4の表面とは、第1面40である。非導電部は、第1面40のSEM画像を、二値化画像に変換することでチャージアップされた箇所とチャージアップされていない箇所とを特定したときに、チャージアップされた箇所をいう。第1面40の総面積に対するチャージアップされた箇所の面積割合を算出して得られる、第1面40における非導電部の面積割合を上記した範囲とすることにより、例えば、撥水層4の機械的強度を高めることができる。
【0018】
また、電極材料1は、触媒層5をさらに備えてもよい。触媒層5は、例えば、酸素還元触媒および/または酸素発生触媒を含有する。酸素還元触媒は、例えば、触媒層5に供給された酸素を還元し、水を生成する。酸素還元触媒としては、例えば、白金(Pt)を使用することができる。酸素還元触媒は、例えば、担体に担持された担持触媒であってもよい。担体は、例えば、炭素材料であってもよく、SnO2その他の導電性酸化物であってもよい。
【0019】
酸素発生触媒は、例えば、触媒層5に供給された水を用いて酸素を発生させる。酸素発生触媒としては、例えば、イリジウム酸化物(IrOX)を使用することができる。酸素発生触媒は、例えば、触媒粒子として単体で用いられてもよく、担体に担持された担持触媒であってもよい。担体は、例えば、炭素材料であってもよく、SnO2その他の導電性酸化物であってもよい。
【0020】
また、触媒層5は、例えば、水素酸化触媒および/または水素発生触媒を含有してもよい。水素酸化触媒は、例えば、触媒層5に供給された水素を用いて水を生成する。また、水素発生触媒は、例えば、触媒層5に供給された水を分解し、水素を発生させる。かかる水素酸化触媒および/または水素発生触媒としては、例えば、白金(Pt)を使用することができる。水素酸化触媒および/または水素発生触媒は、例えば、触媒粒子として単体で用いられてもよく、担体に担持された担持触媒であってもよい。担体は、例えば、炭素材料であってもよく、SnO2その他の導電性酸化物であってもよい。
【0021】
図2は、実施形態に係る電気化学セルの概略を示す図である。以下、電気化学セルを単にセルという場合がある。
図2に示すように、セル10は、電解質層6、第1電極7および第2電極8を備える。第1電極7および第2電極8は、電解質層6を挟んで対向している。
【0022】
電解質層6は、イオン伝導性を有する電解質を含有する。イオン伝導性を有する電解質としては、例えば、固体高分子電解質、高分子ゲル電解質、無機固体電解質などを使用することができる。固体高分子電解質としては、例えば、プロトン(H+)伝導性を有する電解質、すなわち酸性の電解質であるナフィオン(登録商標)などのパーフルオロスルホン酸系の電解質を含有してもよい。また、電解質層6は水を含有してもよい。なお、電解質層6は緻密質であり、水素(H2)や酸素(O2)などの気体を基本的に通さない。電解質層6は、さらにバインダを含有してもよい。
【0023】
第1電極7は、拡散層2a、中間層3a、撥水層4aおよび触媒層5aを備える。拡散層2a、中間層3aおよび撥水層4aは、例えば、
図1に示す電極材料1が有する拡散層2、中間層3および撥水層4であってもよい。
【0024】
また、触媒層5aは、例えば、
図1に示す電極材料1が有する触媒層5であってもよい。触媒層5aは、例えば、酸素還元触媒および/または酸素発生触媒を含有する。触媒層5aは、発電時には拡散層2a側から供給された酸素を還元し、水を生成する。また、触媒層5aは、水電解時には電解質層6を介して供給された水を分解し、酸素を発生させる。
【0025】
第2電極8は、拡散層2b、中間層3b、撥水層4bおよび触媒層5bを備える。拡散層2b、中間層3bおよび撥水層4bは、例えば、
図1に示す電極材料1が有する拡散層2、中間層3および撥水層4であってもよい。
【0026】
また、触媒層5bは、例えば、
図1に示す電極材料1が有する触媒層5であってもよい。触媒層5bは、例えば、水素酸化触媒および/または水素発生触媒を含有する。触媒層5bは、例えば、発電時には拡散層2bを介して供給された水素を酸化し、水を生成する。また、触媒層5bは、例えば、水電解時には電解質層6を介して供給された水を分解し、水素を発生させる。
【0027】
図2に示すセル10は、発電・水素発生装置として可逆的に使用することができる。
図3は、実施形態に係る電気化学セルを備える発電・水素発生装置の概略を示す図である。
【0028】
図3に示すように、発電・水素発生装置100は、セル10と、水槽11と、酸素ガス流路12と、水素ガス流路13と、リード線14a,14bとを備える。
【0029】
水槽11は、水で満たされている。電解質層6の内部は、水槽11に面することにより湿潤している。水槽11の内部は、加圧されてもよい。水槽11の内部を適度に加圧することにより、例えば、セル10における電極反応が促進される。また、水槽11は、水を水槽11に供給、または水槽11から排出する流路と接続されていてもよい。
【0030】
また、水槽11は、電解液で満たされてもよい。電解液としては、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)等の塩基を含む水溶液、塩酸(HCl)、硫酸(H2SO4)等の酸を含む水溶液を使用することができる。電解液は、電解質層6が有する電解質の性質(プロトン伝導性または水酸化物イオン伝導性)に応じ、適宜選択できる。
【0031】
水電解モードでは、リード線14a,14bを介して第1電極7および第2電極8に電圧を印加する。その結果、触媒層5bで発生した水素ガスは、水素ガス流路13から外部へ排出される。
【0032】
一方、発電モードでは、外部から水素ガス流路13を介して供給される水素ガスを利用して発電する。触媒層5aで生成された余剰な水は、電解質層6を介して水槽11に排出され、触媒層5aおよび電解質層6の内部は適度な湿潤状態を維持することができる。
【0033】
<変形例>
図4は、変形例に係る電極材料の概略を示す図である。
図4に示すように、電極材料1は、撥水層4が第1撥水層41および第2撥水層42を有する点で
図1に示す電極材料1と相違する。
【0034】
第1撥水層41は、中間層3側に位置する。第2撥水層42は、第1撥水層41を挟んで中間層3の反対側に位置する。
【0035】
第2撥水層42は、例えば、第1撥水層41よりもフッ素含有率が高くてもよい。これにより、電極材料1は、拡散層2側から離れるにしたがって撥水性が高まることから、電極材料1の内部において、触媒層5での触媒反応に寄与する水およびガスを円滑に流動させることができる。このため、電極材料1の性能を向上することができる。
【0036】
第1撥水層41は、例えば、中間層3と第2撥水層42との中間のガス拡散性を有してもよい。これにより、電極材料1の性能をさらに向上することができる。このようなガス拡散性の違いは、第1撥水層41の空隙率を、中間層3の空隙率と第2撥水層42の空隙率との中間の空隙率とすることで実現できる。すなわち、第1撥水層41の空隙率を中間層3の空隙率より小さくし、さらに第2撥水層42の空隙率を第1撥水層41の空隙率より小さくすればよい。たとえば、中間層3の空隙率は50%~85%、第1撥水層41の空隙率は30%~70%、第2撥水層42の空隙率は10%~40%であってもよい。また、このようなガス拡散性の違いは、第1撥水層41の空隙の大きさを、中間層3の空隙の大きさと第2撥水層42の空隙の大きさとの中間の大きさとすることでも実現できる。
【0037】
各層の空隙率および空隙の大きさは、中間層3および撥水層4の断面をSEMで観察した結果に基づいて算出することができる。空隙の大きさは、たとえば断面における空隙の円相当径の平均値で評価してもよい。第2撥水層42より高いガス拡散性を有する第1撥水層41は、第2撥水層42よりフッ素含有率が高くてもよい。第1撥水層41および第2撥水層42のうち少なくともいずれか一方は、中間層3より高いフッ素含有率を有してもよい。
【0038】
<電極材料の作製>
電極材料1は、例えば、以下のように作製することができる。
【0039】
(1)バインダと導電性材料とを含有する撥水層材料を調製する。撥水層材料は、例えば、60体積部以上のバインダと、1体積部以上35体積部以下の導電性材料とを含有する。撥水層材料中、バインダを60体積部以上とすることで、撥水層4の機械的強度を高めることができる。撥水層材料に含まれる導電性材料は、20体積部以下でもよい。バインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)であってもよい。また、撥水層材料は、例えば、NMP(N-メチルピロリドン)、トルエンなどの溶媒と撥水性材料とを含有してもよい。なお、上記の体積割合は、撥水層材料中の固形成分に対する各材料の体積割合である。
【0040】
(2)上記(1)で得た撥水層材料を塗布し、乾燥させる。
【0041】
(3)上記(2)で乾燥させた撥水層材料を、中間層材料および拡散層材料とともに積層させて、加圧するとともに焼成する。これにより、拡散層2、中間層3および撥水層4を備える電極材料1が得られる。第1撥水層41および第2撥水層42を有する撥水層4は、たとえば撥水性材料の種類、含有量が異なる2種の撥水層材料を調製し、これらの撥水層材料を上記(2)で重ねて塗布、乾燥させることで作製してもよい。
【0042】
なお、触媒層5は、上記(3)と同時に作製してもよく、上記(3)とは別の工程で作製してもよい。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、
図2に示す発電・水素発生装置100は、セル10に代えて、複数のセル10を有するセルスタックを備えてもよい。また、第1電極7および第2電極8は、リード線14a,14bと電気的に接続するための集電体をそれぞれ有していてもよい。
【0044】
以上のように、実施形態に係る電極材料1は、拡散層2と、撥水層4と、中間層3とを備える。拡散層2は、ガス透過性を有する。中間層3は、拡散層2と撥水層4との間に位置する。撥水層4は、被覆率が50%以上80%以下であり、連続被覆長さの平均が700nm以上1200nm以下である。これにより、電極材料1の性能を向上することができる。
【0045】
また、実施形態に係る電気化学セルは、電解質層6、第1電極7および第2電極8を備える。電解質層6は、イオン伝導性を有する。第1電極7および第2電極8は、電解質層6を挟んで対向する。第1電極7および/または第2電極8は、上記に記載の電極材料1を有する。これにより、セル10の性能を向上することができる。
【0046】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本開示のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 電極材料
2 拡散層
3 中間層
4 撥水層
5 触媒層
6 電解質層
7 第1電極
8 第2電極
10 セル
11 水槽
12 酸素ガス流路
13 水素ガス流路
100 発電・水素発生装置