(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109113
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】リハビリメニュー決定支援装置、そのシステム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20230731BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010530
(22)【出願日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】517304691
【氏名又は名称】株式会社Kitahara Medical Strategies International
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 悠介
(72)【発明者】
【氏名】小阪 勇気
(72)【発明者】
【氏名】北原 茂実
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】従来の装置では、リハビリ計画装置等が提示するリハビリメニューが活用されていない問題があった。
【解決手段】一実施の形態にかかるリハビリメニュー決定支援装置は、個別情報を有する参照患者を過去情報から取得する患者情報取得部10と、入力された参照患者と参照象患者との個別情報の類似度を示す類似度スコアを算出する類似度スコア算出部11と、類似度スコアの高い順に参照患者を順位付けする類似度順位決定部12と、参照患者に対して施術されたリハビリメニューのうち複数の参照患者に対して共通して実施されたリハビリメニューを多く含む参照患者ほどより高順位となるように参照患者の順位を並べ替える第1の並べ替え処理部13と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個別情報を有する参照患者を過去情報から取得する患者情報取得部と、
入力された対象患者と前記参照患者との個別情報の類似度を示す類似度スコアを算出する類似度スコア算出部と、
前記類似度スコアの高い順に前記参照患者を順位付けする類似度順位決定部と、
参照患者に対して施術されたリハビリメニューのうち複数の前記参照患者に対して共通して実施されたリハビリメニューを多く含む前記参照患者ほどより高順位となるように前記参照患者の順位を並べ替える第1の並べ替え処理部と、
を有するリハビリメニュー決定支援装置。
【請求項2】
前記参照患者に対して施術された前記リハビリメニューのうち回復量を最大化させた実績のある前記リハビリメニューを推奨リハビリメニューとして決定する推奨リハビリメニューとして決定する推奨リハビリメニュー決定部と、
前記推奨リハビリメニューを多く含む前記参照患者ほど高順位となるように並べ替える第2の並べ替え処理部と、
をさらに有する請求項1に記載のリハビリメニュー決定支援装置。
【請求項3】
前記第1の並べ替え処理部は、ユーザーに指定されたプログラム上限数を共通に施術されたと検証するリハビリメニューの種類の数の上限とする請求項1又は2に記載のリハビリメニュー決定支援装置。
【請求項4】
前記類似度スコア算出部は、ユーザーに類似度判断する項目として指定された項目を前記類似度スコアの算出対象として前記類似度スコアを算出する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のリハビリメニュー決定支援装置。
【請求項5】
前記対象患者の個別情報と前記参照患者の個別情報には、所定のリハビリ期間の能力値の履歴を含み、
前記類似度スコア算出部は、少なくとも前記能力値の履歴の類似度を算出する請求項1乃至3のいずれか1つに記載のリハビリメニュー決定支援装置。
【請求項6】
前記対象患者の個別情報と前記参照患者の個別情報には、リハビリにおける目標を含み、
前記類似度スコア算出部は、少なくとも前記目標の類似度を算出する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のリハビリメニュー決定支援装置。
【請求項7】
前記過去情報は、前記参照患者のリハビリ履歴に示されるリハビリの実施前後の前記参照患者の能力値を含み、
前記推奨リハビリメニュー決定部は、前記リハビリの履歴に示されるリハビリの実施後の前記参照患者の能力値の向上度が最大化した前記リハビリメニューを前記推奨リハビリメニューとする請求項2に記載のリハビリメニュー決定支援装置。
【請求項8】
リハビリメニュー決定支援装置と、端末装置とを備え、
前記リハビリメニュー決定支援装置は、
入力された対象患者の個別情報と類似する個別情報を有する参照患者を過去情報から取得する患者情報取得部と、
前記参照患者と前記対象患者との個別情報の類似度を示す類似度スコアを算出する類似度スコア算出部と、
前記類似度スコアの高い順に前記参照患者を順位付けする類似度順位決定部と、
前記参照患者に対して施術されたリハビリメニューのうち複数の前記参照患者に対して共通して実施されたリハビリメニューを多く含む前記参照患者ほどより高順位となるように並べ替える第1の並べ替え処理部と、
前記第1の並べ替え処理部で並べ替えられた前記参照患者の情報を前記端末装置に出力する出力制御部と、
を有するリハビリメニュー決定支援システム。
【請求項9】
個別情報を有する参照患者を過去情報から取得し、
入力された参照患者と前記参照患者との個別情報の類似度を示す類似度スコアを算出し、
前記類似度スコアの高い順に前記参照患者を順位付けし、
参照患者に対して施術されたリハビリメニューのうち複数の前記参照患者に対して共通して実施されたリハビリメニューを多く含む前記参照患者ほどより高順位となるように前記参照患者の順位を並べ替える
リハビリメニュー決定支援方法。
【請求項10】
個別情報を有する参照患者を過去情報から取得する患者情報取得処理と、
入力された参照患者と前記参照患者との個別情報の類似度を示す類似度スコアを算出する類似度スコア算出処理と、
前記類似度スコアの高い順に前記参照患者を順位付けする類似度順位決定処理と、
参照患者に対して施術されたリハビリメニューのうち複数の前記参照患者に対して共通して実施されたリハビリメニューを多く含む前記参照患者ほどより高順位となるように前記参照患者の順位を並べ替える第1の並べ替え処理と、
をコンピュータに実施させるリハビリメニュー決定支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリハビリメニュー決定支援装置、そのシステム、方法及びプログラムに関し、例えば、ユーザーに過去の患者に施術したリハビリメニューを参考資料として提示するリハビリメニュー決定支援装置、そのシステム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
リハビリテーション(以下、「リハビリ」とも称す)では、理学療法士が計画したリハビリメニューに基づき進められるが、計画を策定する理学療法士の経験の多少により患者の回復速度に違いがあることがわかっている。そこで、特許文献1では、理学療法士の経験に寄らず、最適なリハビリ計画の策定する技術が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載のリハビリ計画装置は、過去にリハビリを実施した患者である複数の過去患者についてのそれぞれの情報である複数の過去情報と、対象患者についての情報である対象患者情報との類似度をそれぞれ算出する類似度算出部と、前記類似度に基づいて前記複数の過去情報から一件以上の過去情報を抽出して、当該一件以上の過去情報について、所定の順位付けルールに従って順位付けを行なう順位付け部と、前記過去情報の順位付けの結果に従って、前記過去情報に関連づけられた、前記過去患者のリハビリの履歴を、前記対象患者に対するリハビリ計画として決定する決定部とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、理学療法士は、リハビリ計画装置等が最適と判断されるリハビリメニューを提示しても、そのリハビリメニューを施術することで得られる効果がわからず、過去の患者のリハビリ履歴を調べる等、リハビリ計画装置等が提示するリハビリメニューが活用されていない問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態にかかるリハビリメニュー決定支援装置は、個別情報を有する参照患者を過去情報から取得する患者情報取得部と、入力された対象患者と前記参照患者との個別情報の類似度を示す類似度スコアを算出する類似度スコア算出部と、前記類似度スコアの高い順に前記参照患者を順位付けする類似度順位決定部と、参照患者に対して施術されたリハビリメニューのうち複数の前記参照患者に対して共通して実施されたリハビリメニューを多く含む前記参照患者ほどより高順位となるように前記参照患者の順位を並べ替える第1の並べ替え処理部と、を有する。
【0007】
一実施の形態にかかるリハビリメニュー決定支援システムは、リハビリメニュー決定支援装置と、端末装置とを備え、前記リハビリメニュー決定支援装置は、個別情報を有する参照患者を過去情報から取得する患者情報取得部と、入力された対象患者と前記参照患者との個別情報の類似度を示す類似度スコアを算出する類似度スコア算出部と、前記類似度スコアの高い順に前記参照患者を順位付けする類似度順位決定部と、前記参照患者に対して施術されたリハビリメニューのうち複数の前記参照患者に対して共通して実施されたリハビリメニューを多く含む前記参照患者ほどより高順位となるように並べ替える第1の並べ替え処理部と、前記第1の並べ替え処理部で並べ替えられた前記参照患者の情報を前記端末装置に出力する出力制御部と、を有する。
【0008】
一実施の形態にかかるリハビリメニュー決定支援方法は、個別情報を有する参照患者を過去情報から取得し、入力された対象患者と前記参照患者との個別情報の類似度を示す類似度スコアを算出し、前記類似度スコアの高い順に前記参照患者を順位付けし、参照患者に対して施術されたリハビリメニューのうち複数の前記参照患者に対して共通して実施されたリハビリメニューを多く含む前記参照患者ほどより高順位となるように前記参照患者の順位を並べ替える。
【0009】
一実施の形態にかかるリハビリメニュー決定支援プログラムは、個別情報を有する参照患者を過去情報から取得する患者情報取得処理と、入力された対象患者と前記参照患者との個別情報の類似度を示す類似度スコアを算出する類似度スコア算出処理と、前記類似度スコアの高い順に前記参照患者を順位付けする類似度順位決定処理と、参照患者に対して施術されたリハビリメニューのうち複数の前記参照患者に対して共通して実施されたリハビリメニューを多く含む前記参照患者ほどより高順位となるように前記参照患者の順位を並べ替える第1の並べ替え処理と、をコンピュータに実施させる。
【発明の効果】
【0010】
一実施の形態によれば、ユーザーが業務に活用しやすいリハビリメニューの情報を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1の概要にかかるリハビリメニュー決定支援装置の一例を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1にかかるリハビリメニュー決定支援システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1にかかるリハビリメニュー決定支援システムにおいて端末装置に表示されるユーザーインタフェース画面の一例を示す模式図である。
【
図4】実施の形態1にかかるリハビリメニュー決定支援装置のハードウェア構成の一例を示す模式図である。
【
図5】実施の形態1にかかるリハビリメニュー決定支援装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
【
図6】実施の形態2の概要にかかるリハビリメニュー決定支援装置の一例を示すブロック図である。
【
図7】実施の形態2にかかるリハビリメニュー決定支援システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】実施の形態2にかかるリハビリメニュー決定支援システムにおいて端末装置に表示されるユーザーインタフェース画面の一例を示す模式図である。
【
図9】実施の形態2にかかるリハビリメニュー決定支援装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態の概要>
実施形態の詳細な説明に先立って、実施形態の概要を説明する。
図1は、実施の形態1の概要にかかるリハビリメニュー決定支援装置1の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、リハビリメニュー決定支援装置1は、患者情報取得部10、類似度スコア算出部11、類似度順位決定部12、第1の並べ替え処理部13を有する。
【0013】
患者情報取得部10は、個別情報を有する参照患者を過去情報から取得する。患者情報取得部10は、さらに具体的には、入力された対象患者に施術するリハビリメニューの参考とするために参照患者の個別情報を取得する。ここで、対象患者とは、理学療法士・作業療法士(例えば、ユーザー)がリハビリを施術しようとする予定の患者である。参照患者とは、対象患者とは別の患者であり、過去にリハビリの施術を受けた患者である。
【0014】
過去情報は、参照患者についての情報の集合であり、より具体的には、参照患者の個別情報を表わす情報の集合である。過去情報に、対象患者の個別情報についての情報が含まれていても良い。また、実施の形態1にかかるリハビリメニュー決定支援装置1では、対象患者に関する情報は、ユーザーから与えられる、或いは、ユーザーが過去情報を参照して確定することで与えられるものとする。なお、参照患者の項目(参照患者の情報に含まれる個別情報の種類)と、対象患者に関する情報の項目(対象患者の情報に含まれる個別情報の種類)とは、少なくとも一部が対応している。このため、参照患者と対象患者については、対応する項目について、比較することが可能である。また、過去情報は、参照患者のリハビリの履歴が関連づけられている。
【0015】
類似度スコア算出部11は、入力された対象患者と参照患者との個別情報の類似度を示す類似度スコアを算出する。より具体的には、類似度スコア算出部11は、年齢、性別、症状、リハビリ期間中の能力値の履歴、リハビリにより獲得する能力値の目標の少なくとも1つについて、参照患者と対象患者との類似度スコアを算出する。また、類似度スコア算出部11における類似度スコアの算出方法は、予めシステム設計者によって決められるものとする。
【0016】
また、対象患者及び参照患者の個別情報には、担当した理学療法士・作業療法士の情報を含めても良く、類似度スコアにこの理学療法士・作業療法士に関する値が含まれていても良い。この場合、対象患者を担当する理学療法士・作業療法士よりも経験年数が長い理学療法士・作業療法士のスコアを高くする等のスコア設定が考えられる。
【0017】
類似度順位決定部12は、類似度スコアの高い順に参照患者を順位付けする。第1の並べ替え処理部13は、参照患者に対して施術されたリハビリメニューのうち複数の参照患者に対して共通して実施されたリハビリメニューを多く含む参照患者ほどより高順位となるように参照患者の順位を並べ替える。
【0018】
より具体的には、第1の並べ替え処理部13は、類似度順位決定部12により決定された順位に並べられた参照患者について、少なくとも2人の参照患者に施術されたリハビリメニューを共通リハビリメニューとして抽出し、共通リハビリメニューを多く含む参照患者ほど高順位になるように、参照患者の順位を並べ替える。
【0019】
このように、リハビリメニュー決定支援装置1によれば、対象患者の個別情報に近い個別情報を有する参照患者のうち、複数の参照患者に共通して施術されたリハビリメニューを多く含む参照患者ほど上位に表示するような情報の提示方法が可能である。このような、表示により参照患者のリハビリ情報をユーザーに提示することで、ユーザーは、所定のリハビリメニューがどのような患者施術され、どのような効果が得られたのかを容易に判断することができる。つまり、リハビリメニュー決定支援装置1を用いることで、例えば、リハビリ計画装置等が最適と判断して提示するリハビリメニューの活用が容易になる。
【0020】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図2は、実施の形態1にかかるリハビリメニュー決定支援システムの構成の一例を示すブロック図である。実施の形態1にかかるリハビリメニュー決定支援装システムは、リハビリメニュー決定支援装置100及び端末装置500を含み、これらがネットワーク400を介して有線又は無線により通信可能に接続されている。
【0021】
リハビリメニュー決定支援装置100は、例えばサーバとして構成されている。また、端末装置500は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、又はスマートフォンなどの任意の端末である。端末装置500は、入力装置及び出力装置を備えており、リハビリメニュー決定支援装置100に送信する情報の入力、リハビリメニュー決定支援装置100から受信した情報の出力(表示)が可能になっている。なお、
図2では、端末装置500は、1台のみ図示されているが、リハビリメニュー決定支援システムは複数の端末装置500を備えていてもよい。
【0022】
図2に示すように、リハビリメニュー決定支援装置100は、過去情報記憶部101、リハビリ履歴記憶部102、出力制御部103、患者情報取得部110、類似度スコア算出部111、類似度順位決定部112、第1の並べ替え処理部113を有する。
【0023】
リハビリメニュー決定支援装置100は、対象患者に類似する参照患者に対して施術されたリハビリメニューを、ユーザーが業務に活用しやすいように並べ替えて提示する装置である。ここで、以下の説明において、リハビリメニューとは、対象患者に施術するリハビリ指示を少なくとも1つ含むものであり、リハビリプログラムと言われることもある。
【0024】
過去情報記憶部101は、参照患者毎に過去情報を記憶する。過去情報における各項目の情報及び後述する対象患者の情報の各項目は、例えば、数値コード化されている。なお、対象患者のリハビリにとって参考にならない可能性が高いため、リハビリメニュー決定支援装置100の処理に用いられる過去情報は、特異な患者(例えば、特殊な事情を抱えた患者)についての過去情報を含まないことが好ましい。
【0025】
リハビリ履歴記憶部102は、参照患者毎のリハビリの履歴を記憶する。過去情報記憶部101が記憶する過去情報と、リハビリ履歴記憶部102が記憶するリハビリの履歴は、相互に、参照患者毎に、関連づけられている。
【0026】
なお、
図2に示した例では、過去情報記憶部101とリハビリ履歴記憶部102とが分けられて図示されているが、これらが1つの記憶部として実現されてもよい。また、本実施の形態では、リハビリメニュー決定支援装置100が、過去情報記憶部101とリハビリ履歴記憶部102とを有する構成となっているが、過去情報記憶部101及びリハビリ履歴記憶部102は、外部の装置により実現されてもよい。この場合、リハビリメニュー決定支援装置100は、この外部の装置から過去情報及びリハビリの履歴を取得すればよい。
【0027】
本実施の形態において、過去情報は、患者の属性、病名、症状、能力値、個人目標などを含む。ただし、これらは例であり、過去情報はこれらに限られない。患者の属性は、具体的には、例えば、患者の年齢、性別、社会情報などの任意の属性情報を含む。ここで、社会情報は、患者の社会的な状態を表わす情報であり、家族構成、同居人の有無、居住地、自宅建物の種別(マンションであるか、2階建て戸建て建物であるかなど)、患者の医療保険の情報、患者の介護保険の情報などを含む。
【0028】
能力値は、患者の生活動作についての能力値であり、例えば、ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)又はIADL(Instrumental Activities of Daily Living:手段的日常生活動作)についての能力値である。本実施の形態では、過去情報に含まれる能力値は、具体的には、FIM(Function Independence Measure:機能的自立度評価表)における評価項目毎の評価点であるが、他の能力値が用いられてもよい。
【0029】
本実施の形態では、過去情報に含まれる能力値は、FIMの評価項目毎の評価値の推移を示す情報(時系列データ)である。すなわち、過去情報は、能力値の履歴を含む。本実施の形態では、この能力値の履歴は、回復期リハビリテーション病院でのリハビリ(回復期リハビリ)の際の能力値の履歴を含む。これには、過去情報に関連づけられているリハビリの履歴(リハビリ履歴記憶部102に記憶されたリハビリの履歴)に示されるリハビリの実施前後の過去患者の能力値が含まれる。また、本実施の形態では、過去情報は、能力値の履歴として、回復期リハビリの際の能力値の履歴のみならず、急性期病院でのリハビリ(急性期リハビリ)の際の能力値の履歴も含む。能力値は、本実施の形態では、複数の種類の能力毎の値(FIMの項目毎の値)であるが、1つの種類の能力についての能力値であってもよい。
【0030】
個人目標は、リハビリにおける患者個人の目標を示す情報である。例えば、個人目標は、以下のようなものであるが、これらには限定されない。
・「交通信号が青信号である時間内に道路を渡りきることができる」
・「早足で歩くことができる」
・「事務職に復帰する」
・「介護無しで独居生活ができる」
・「FIMなどADL関連指標の分類項目別の点数が、所定値より良くなる」
・「介護分野における要支援レベル又は要介護レベルが、所定値より良くなる」
・「机上の計算機の操作を主とした事務職に復帰できる」
・「風呂以外について介助の必要がなく、特定の介護サービスを受ければ在宅独居が可能になる」
・「周囲の人からみて、違和感なく、障害物を避けながら歩くことができる」
・「自宅の階段を、軽い荷物を持ったまま昇り降りできるようになる」
【0031】
本実施の形態では、リハビリ履歴記憶部102は、具体的には、リハビリの履歴として、回復期リハビリテーション病院でのリハビリの履歴を記憶する。リハビリの履歴は、例えば、所定期間毎(例えば、1週間毎)のリハビリ内容についての時系列データである。リハビリ内容は、例えば、リハビリにより達成したい課題及び課題を達成するための練習内容(プログラム)を含む。なお、課題として、上位課題と下位課題とが設定されていてもよい。また、リハビリの履歴は、外出イベントの発生時期を含んでもよい。ここで、外出イベントとは、例えば、外泊をすること、又は、一時的に帰宅して自宅でリハビリを行なうこと等のように、外出を伴う所定のイベントをいう。また、リハビリの履歴は、施術を行なったセラピストの識別情報、リハビリの実施場所などの様々な情報を含んでもよい。
【0032】
患者情報取得部110は、
図1の患者情報取得部10に相当し、照患者の情報を過去情報記憶部101から取得する。より具体的には、患者情報取得部110は、端末装置500から入力された対象患者に施術するリハビリメニューの参考とするために参照患者の情報を過去情報記憶部101から取得する。例えば、ユーザーが対象患者情報を端末装置500に入力し、端末装置500は、入力された対象患者情報をリハビリメニュー決定支援装置100。そして、リハビリメニュー決定支援装置100が受信した対象患者情報が患者情報取得部110に入力される。
【0033】
本実施の形態では、対象患者情報として、過去情報と同じ種類の情報が類似度スコア算出部111に入力される。すなわち、本実施の形態では、対象患者情報は、過去情報と同様、患者の属性、病名、症状、能力値、個人目標などを含む。ただし、これらは例であり、対象患者情報はこれらに限られない。なお、対象患者情報の能力値は、例えば、FIMの評価項目毎の評価値の推移を示す情報(時系列データ)である。このように、対象患者情報は、能力値の履歴を含む。本実施の形態では、対象患者情報における能力値の履歴は、少なくとも、急性期病院でのリハビリ(急性期リハビリ)の際の能力値の履歴を含む。ただし、対象患者が、回復期リハビリテーション病院でのリハビリ(回復期リハビリ)を既に実施している場合には、回復期リハビリテーション病院でのリハビリ(回復期リハビリ)の際の能力値の履歴をさらに含んでもよい。
【0034】
類似度スコア算出部111は、
図1の類似度スコア算出部11に相当するものであり、入力された対象患者と参照患者との個別情報の類似度を示す類似度スコアを算出する。より具体的には、類似度スコア算出部111は、対象患者の情報と参照患者の情報との類似度スコアを、対象患者の情報に対応するベクトルと、参照患者の情報に対応するベクトルとのベクトル間の距離を算出することにより算出してもよい。この場合、距離が小さいほど類似度スコアが高いことを示す。なお、ベクトルの要素毎(すなわち、参照患者の情報及び対象患者の情報の項目毎)に、所定の重み付けをして、距離を計算してもよい。ただし、上記算出方法は一例であり、対象患者と参照患者との特徴の類似性について判定する任意の他の算出方法が用いられてもよい。なお、類似度スコア算出部111は、入力された対象患者の情報が、参照患者の情報における一部の項目のみである場合、当該項目のみについて、対象患者の情報と参照患者の情報の比較を行なってもよい。
【0035】
ここで、特に、本実施の形態では、参照患者及び対象患者の情報は、所定のリハビリ期間(具体的には、急性期)の能力値の履歴を含んでおり、類似度スコア算出部111は、少なくとも当該所定のリハビリ期間の能力値の履歴の類似度を算出する。より詳細には、類似度スコア算出部111は、当該所定のリハビリ期間の能力値の変化パターンの類似度を算出する。能力値の履歴(変化パターン)が類似する患者同士は、同じリハビリ内容を実施した際に同様の回復を示す傾向がある。このため、リハビリに対する能力値の履歴(変化パターン)の類似性を考慮することにより、過去患者と対象患者との類似性をより正確に判定することができる。
【0036】
また、本実施の形態では、参照患者及び対象患者の情報は、リハビリにおける目標(個人目標)を含んでおり、類似度スコア算出部111は、少なくとも当該目標の類似度を算出する。リハビリにおける目標が類似する患者同士は、同じリハビリ内容を実施した際に同様の回復を示す傾向がある。このため、リハビリにおける目標の類似性を考慮することにより、参照患者と対象患者との類似性をより正確に判定することができる。
【0037】
なお、本実施の形態では、このように、類似度スコア算出部111は、所定のリハビリ期間の能力値の履歴の類似性及び個人目標の類似性を判定するが、これらのいずれか一方のみを判定してもよいし、これら両方とも類似性を判定しなくてもよい。すなわち、類似度スコア算出部111は、参照患者及び対象患者の情報に含まれる任意の項目に基づいて、類似度を算出すればよい。
【0038】
類似度順位決定部112は、
図1の類似度順位決定部12に相当し、類似度スコアの高い順に参照患者を順位付けする。
【0039】
第1の並べ替え処理部113は、
図1の第1の並べ替え処理部13に相当し、参照患者に対して施術されたリハビリメニューのうち複数の参照患者に対して共通して実施されたリハビリメニューを多く含む参照患者ほどより高順位となるように参照患者の順位を並べ替える。より具体的には、第1の並べ替え処理部113は、リハビリ履歴記憶部102を参照して、類似度順位決定部112において順位付けがなされた参照患者に施されたリハビリメニューの履歴を取得する。そして、第1の並べ替え処理部113は、取得したリハビリメニューのうち、複数の参照患者に共通して施術されたリハビリメニューを抽出する。そして、抽出したリハビリメニュー毎に施術された参照患者数の算出し、施術された参照患者数が多い順にリハビリメニューを順位付けする。その後、第1の並べ替え処理部113は、施術された参照患者数が多いリハビリメニューを含む参照患者の順位が高くなるように、類似度順位決定部112で設定された順位を変更する並べ替え処理を行う。
【0040】
例えば、第1の並べ替え処理部113では、第1のリハビリメニューが施術された参照患者数が5人、第2のリハビリメニューが施術された参照患者数が3人であった場合、第1のリハビリメニューを含む参照患者の順位を類似度スコアにかかわらずに高順位とし、第2のリハビリメニューを含む参照患者を第1のリハビリメニューを含む患者の次に順位付けする。また、第1のリハビリメニューと第2のリハビリメニューを含む参照患者は、第1のリハビリメニューを含む参照患者の中でも高い順位に順位付けする。
【0041】
出力制御部103は、第1の並べ替え処理部113で並べ替えられた順位で参照患者のリストを生成し、端末装置500にこのリストを類似患者一覧として表示する。また、このリストには、第1の並べ替え処理部113で読み込んだ参照患者毎のリハビリメニューを各参照患者に関連した情報として含む。また、参照患者毎のリハビリメニューはその患者に施術されたリハビリメニューの全てを含むことが好ましい。また、リストには、参照患者の過去情報及びリハビリによる回復履歴を含むことが好ましい。
【0042】
ここで、
図3に出力制御部103により端末装置500に表示されるユーザーインタフェース画面の一例を示す模式図を示す。
図3に示す例では、画面上方(図面左よりの部分)に対象患者の情報を入力するインタフェースがあり、画面下方(図面右よりの部分)に参照患者を類似度順位決定部112及び第1の並べ替え処理部113により並べ替えた類似患者一覧が表示される。
【0043】
対象患者の情報としては、性別、年齢等の属性情報、患者の能力レベルを示す項目等、参照患者の過去情報に含まれる項目とほぼ同等の情報の入力が可能なように構成されることが好ましい。また、対象患者の情報のうち、類似患者の検索対象としない項目は、項目のチェックボックスにチェックしないことで検索項目から除外することも可能である。
【0044】
この対象患者については、例えば、過去情報記憶部101に記録された患者情報として登録された患者から選択するようにされていても良い、この場合、患者を選択することで対象患者に関連する属性情報等のチェックボックスが入力された状態で画面が構成される。
【0045】
また、入力項目には、共通メニュー数を選択するチェックボックが設けられる。第1の並べ替え処理部113は、このチェックボックスによりユーザーに指定されたプログラム上限数を共通に施術されたと検証するリハビリメニューの種類の数の上限とする。
【0046】
また、類似患者の一覧に関しては、対象患者と類似する過去情報を有する参照患者が、類似度スコアが高く、かつ、施術された参照患者が多いリハビリメニューを含む参照患者がより上位に表示されるよ。また、各参照患者に関する項目としては、対象患者の情報入力項目と、各参照患者に施されたリハビリメニューが施術された時系列で横方向に表示される。
【0047】
また、参照患者のリハビリメニューのうち共通リハビリメニューに関しては、
図3の例に示すように例えば「星印」等のわかりやすい表示があるとユーザーの視認性が高めることができる。
【0048】
ユーザー(例えば、セラピスト)は、このような類似患者の一覧を参照することで、類似の特性を有する患者に対して施術されたリハビリメニューのうち多くの患者に施術されたリハビリメニューと、そのリハビリメニューにより得られる回復度合いを効率良く参照することができる。そして、ユーザーは、このような情報を参照することで、他のシステムで推奨される推奨リハビリメニューにより得られる効果の判断をしやすくなる。
【0049】
図4は、リハビリメニュー決定支援装置100のハードウェア構成の一例を示す模式図である。
図4に示すように、リハビリメニュー決定支援装置100は、ネットワークインタフェース150、メモリ151、及びプロセッサ152を含む。
【0050】
ネットワークインタフェース150は、端末装置500などの他の任意の装置と通信するために使用される。メモリ151は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ151は、プロセッサ152により実行される、1以上の命令を含むソフトウェア(コンピュータプログラム)、及びリハビリメニュー決定支援装置100の各種処理に用いるデータなどを格納するために使用される。
図2に示した過去情報記憶部101及びリハビリ履歴記憶部102は、例えばメモリ151により実現されるが、これらは他の記憶装置により実現されてもよい。
【0051】
プロセッサ152は、メモリ151からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、
図2に示した患者情報取得部110、類似度スコア算出部111、類似度順位決定部112、第1の並べ替え処理部113、及び、出力制御部103の処理を行う。プロセッサ152は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processor Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)などであってもよい。プロセッサ152は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0052】
このように、リハビリメニュー決定支援装置100は、コンピュータとしての機能を備えている。なお、端末装置500も同様に、
図4に示すようなハードウェア構成を有している。すなわち、端末装置500の処理は、例えばプロセッサによるプログラムの実行により実現される。
【0053】
また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0054】
次に、リハビリメニュー決定支援装置100の動作の流れについて説明する。
図5は、リハビリメニュー決定支援装置100の動作の一例を示すフローチャートである。以下、
図5に沿って、動作の流れについて説明する。
【0055】
図5に示すように、リハビリメニュー決定支援装置100では、まず、端末装置500から対象患者の情報を受信する(ステップS1)。次いで、リハビリメニュー決定支援装置100では、患者情報取得部110が、過去情報記憶部101を参照して、ステップS1で受信した対象患者に施術するリハビリメニューの参考とするための参照患者の情報を取得する(ステップS2)。次いで、リハビリメニュー決定支援装置100では、類似度スコア算出部111が、対象患者と参照患者との類似度スコアを参照患者毎に算出する(ステップS3)。次いで、リハビリメニュー決定支援装置100では、類似度順位決定部112が、類似度スコアが高い順に参照患者を順位付けする(ステップS4)。次いで、リハビリメニュー決定支援装置100では、第1の並べ替え処理部113が、参照患者に対して施術されたリハビリメニューのうち複数の参照患者に対して共通して実施されたリハビリメニューを多く含む参照患者ほどより高順位となるように参照患者の順位付けを並べ替える(ステップS5)。次いで、リハビリメニュー決定支援装置100は、ステップS5で決定された順序で参照患者に関する情報と参照患者毎に施術されたリハビリメニューを端末装置500に表示する(ステップS6)。
【0056】
以上、実施の形態1にかかるリハビリメニュー決定支援装置1について説明した。本システムによれば、対象患者以外の他の患者のうち、対象患者に類似する参照患者に施術されたリハビリメニューのうち施術された患者が多いリハビリメニューを優先的に参照することができる。これにより、ユーザー(例えば、セラピスト)は、他のシステムが推奨する推奨リハビリメニューを適用した場合の対象患者の経過を効率的に参照し、推奨リハビリメニューを適用するか否かの判断を容易に行うことが出来るようになる。
【0057】
実施の形態2
実施の形態2では、実施の形態1にかかるリハビリメニュー決定支援装置1の別の形態となるリハビリメニュー決定支援装置2ついて説明する。なお、実施の形態2の説明では、実施の形態1と同じ構成要素については実施の形態1と同じ符号を付して説明を省略する。
【0058】
図6に実施の形態2の概要にかかるリハビリメニュー決定支援装置の一例を示すブロック図を示す。
図6に示すように、リハビリメニュー決定支援装置2は、リハビリメニュー決定支援装置1に対して推奨リハビリメニュー決定部14及び第2の並べ替え処理部15を追加したものである。実施の形態2では、第1の並べ替え処理部13が並べ替えた参照患者順位を、さらに参照患者の回復度等を考慮した推奨リハビリメニューの有無により並べ替える。
【0059】
推奨リハビリメニュー決定部14は、参照患者に対して施術されたリハビリメニューのうち回復量を最大化させた実績のあるリハビリメニューを推奨リハビリメニューとして決定する推奨リハビリメニューとして決定する。
【0060】
第2の並べ替え処理部15は、推奨リハビリメニューを多く含む参照患者ほど高順位となるように参照患者の順位を並べ替える。より具体的には、第2の並べ替え処理部15は、第1の並べ替え処理部13が並べ替えを実施した参照患者の順位を基準とした並べ替え処理を行う。
【0061】
図7は、実施の形態2にかかるリハビリメニュー決定支援システムの構成の一例を示すブロック図である。
図7に示すように、リハビリメニュー決定支援装置200は、リハビリメニュー決定支援装置100と同様に、サーバ或いはコンピュータによりリハビリメニュー決定支援装置2の機能を実現することができる。
【0062】
推奨リハビリメニュー決定部114は、
図6の推奨リハビリメニュー決定部14に相当し、照患者に対して施術されたリハビリメニューのうち回復量を最大化させた実績のあるリハビリメニューを推奨リハビリメニューとして決定する。より具体的には、推奨リハビリメニュー決定部114は、類似度順位決定部112において順位付けがなされた参照患者のリハビリ履歴をリハビリ履歴記憶部102から取得する。リハビリ履歴記憶部102の過去情報は、リハビリの履歴に示されるリハビリの実施前後の前記参照患者の能力値を含む。そして、推奨リハビリメニュー決定部114は、リハビリの履歴に示されるリハビリの実施後の参照患者の能力値の向上度が最大化したリハビリメニューを推奨リハビリメニューとする、つまり、推奨リハビリメニュー決定部114は、リハビリ履歴において示されるリハビリの実施後の参照患者の能力値の向上度に基づきリハビリメニューを回復度の高い順にソートする。推奨リハビリメニュー決定部114は、対象患者に類似する参照患者が、リハビリの履歴で示されるリハビリを実施することにより、どれだけ能力値が回復したかによりソートを行なって、回復度の高いリハビリメニューを推奨リハビリメニューとして決定する。
【0063】
第2の並べ替え処理部115は、
図6の第2の並べ替え処理部15に相当し、推奨リハビリメニューを多く含む参照患者ほど高順位となるように参照患者の順位を並べ替える。より具体的には、第2の並べ替え処理部115は、第1の並べ替え処理部13が並べ替えを実施した参照患者の順位を基準として、推奨リハビリメニューとして示されたリハビリメニューを多く含む参照患者が上位になるような並べ変えを行う。
【0064】
図8は実施の形態2にかかるリハビリメニュー決定支援システムにおいて端末装置に表示されるユーザーインタフェース画面の一例を示す模式図である。
図8に示す例は、
図3に示すインタフェース画面と基本的には同じであるが、実施の形態2では。第2の並べ替え処理部115による並べ替え対象となった参照患者に施術された推奨リハビリメニューについて、例えば「丸印」等の共通メニューとは異なる表示がある。このような表示を行うことで、とユーザーの視認性が高めることができる。
【0065】
図9は、実施の形態2にかかるリハビリメニュー決定支援装置200の動作の一例を説明するフローチャートである。
図9に示すように、リハビリメニュー決定支援装置200では、まず、端末装置500から対象患者の情報を受信する(ステップS1)。次いで、リハビリメニュー決定支援装置200では、患者情報取得部110が、過去情報記憶部101を参照して、ステップS1で受信した患者情報に類似する参照患者の情報を取得する(ステップS2)。次いで、リハビリメニュー決定支援装置200では、類似度スコア算出部111が、対象患者と参照患者との類似度スコアを参照患者毎に算出する(ステップS3)。次いで、リハビリメニュー決定支援装置200では、類似度順位決定部112が、類似度スコアが高い順に参照患者を順位付けする(ステップS4)。次いで、リハビリメニュー決定支援装置200では、推奨リハビリメニュー決定部114が、リハビリ履歴記憶部102から参照患者に適用されたリハビリメニューのうち効果が高かった(回復度が大きかった)リハビリメニューを推奨リハビリメニューとして決定する(ステップS11)。次いで、リハビリメニュー決定支援装置200では、第1の並べ替え処理部113が、参照患者に対して施術されたリハビリメニューのうち複数の参照患者に対して共通して実施されたリハビリメニューを多く含む参照患者ほどより高順位となるように参照患者の順位付けを並べ替える(ステップS5)。次いで、リハビリメニュー決定支援装置200では、第2の並べ替え処理部115が参照患者のうち推奨リハビリメニューを含む参照患者のグループがより上位になるように並べ替えを実施する(ステップS12)。次いで、リハビリメニュー決定支援装置200は、ステップS512決定された順序で参照患者に関する情報と参照患者毎に施術されたリハビリメニューを端末装置500に表示する(ステップS13)。
【0066】
以上、実施の形態2にかかるリハビリメニュー決定支援装置2について説明した。本システムによれば、対象患者以外の他の患者のうち、共通のリハビリメニューが施された数が多い参照患者であって、さらに推奨リハビリメニューを多く含む参照患者を優先的に参照することができる。これにより、ユーザー(例えば、セラピスト)は、他のシステムが推奨する推奨リハビリメニューを適用した場合の対象患者の経過を効率的に参照し、推奨リハビリメニューを適用するか否かの判断を実施の形態1よりも容易に行うことが出来るようになる。
【0067】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 リハビリメニュー決定支援装置
2 リハビリメニュー決定支援装置
10 患者情報取得部
11 類似度スコア算出部
12 類似度順位決定部
13 第1の並べ替え処理部
14 推奨リハビリメニュー決定部
15 第2の並べ替え処理部
100 リハビリメニュー決定支援装置
101 過去情報記憶部
102 リハビリ履歴記憶部
103 出力制御部
110 患者情報取得部
111 類似度スコア算出部
112 類似度順位決定部
113 第1の並べ替え処理部
114 推奨リハビリメニュー決定部
115 第2の並べ替え処理部
150 ネットワークインタフェース
151 メモリ
152 プロセッサ
200 リハビリメニュー決定支援装置
400 ネットワーク
500 端末装置