(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109118
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】家畜輸送コンテナ装置
(51)【国際特許分類】
B65D 90/58 20060101AFI20230731BHJP
B60P 3/04 20060101ALI20230731BHJP
B60P 7/13 20060101ALI20230731BHJP
B65D 90/66 20060101ALI20230731BHJP
B65D 88/12 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
B65D90/58 Z
B60P3/04
B60P7/13
B65D90/66
B65D88/12 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010535
(22)【出願日】2022-01-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ▲1▼ウェブサイトの掲載日 令和3年12月23日 ▲2▼ウェブサイトのアドレス https://www.youtube.com/watch?v=CP1UyFexJy4&t=38s
(71)【出願人】
【識別番号】599111208
【氏名又は名称】新生自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】弁理士法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大津 晃一
【テーマコード(参考)】
3E170
【Fターム(参考)】
3E170AA21
3E170AB21
3E170DA01
3E170HA07
3E170HA09
3E170HB07
3E170HD02
3E170HE10
3E170HF01
3E170VA16
3E170WE01
3E170WE05
3E170WF06
3E170WF07
3E170WF09
(57)【要約】
【課題】家畜運搬車を保有していなくても、低コストで簡便かつ支障なく家畜を輸送することを可能にする家畜輸送用コンテナ装置を提供する。
【解決手段】家畜輸送用コンテナ装置1は、牛23を収容するコンテナ2と、コンテナ2を車両3の平床荷台4に着脱するコンテナ着脱装置とを備える。コンテナ2は、その後端の下端部にヒンジ5を介して該後端を開閉し得るように設けられ、開いた状態において、平床荷台4に装着されたコンテナ2に対して牛23が昇降する昇降板として機能する昇降用開閉扉6と、昇降用開閉扉6を開閉する開閉装置とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家畜を収容するコンテナと、該コンテナを車両の平床荷台に着脱するコンテナ着脱装置とを備え、
前記コンテナは、
該コンテナの後端の下端部にヒンジを介して該後端を開閉し得るように設けられ、開いた状態において、前記平床荷台に装着された該コンテナに対して家畜が昇降する昇降板として機能する昇降用開閉扉と、
前記昇降用開閉扉を開閉する開閉装置とを備えることを特徴とする家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項2】
前記開閉装置は、
前記コンテナの後端の上端部に設けられた第1滑車と、
前記第1滑車を経由するワイヤロープと、
前記コンテナの前端部の上端部において前記ワイヤロープを巻き取るウィンチと、
前記ワイヤロープの先端部に設けられ、前記昇降用開閉扉の前記ヒンジと反対側の端部に着脱可能に取り付けられるワイヤフックとを備え、
前記ウィンチと前記第1滑車との間には、前記ワイヤロープが該第1滑車を経由することなく経由し得る第2滑車が設けられることを特徴とする請求項1に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項3】
前記開閉装置は、前記昇降用開閉扉が倒立した閉状態から開方向に傾けられるときに、該昇降用開閉扉に作用する重力によって前記ワイヤロープに張力が作用するまで、該昇降用開閉扉に対して開方向への押圧力を付与する押圧力付与手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項4】
前記ウィンチは電動ウィンチであり、前記開閉装置は、該電動ウィンチにより前記ワイヤロープを巻き取って前記昇降用開閉扉を閉塞する際に該昇降用開閉扉が閉塞したことを検知して該電動ウィンチの動作を停止させるリミットスイッチを備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項5】
前記開閉装置は、前記昇降用開閉扉の開放時に所定以上の速さで該昇降用開閉扉が開方向へ回動する場合に該回動を停止させるリトラクタ式の安全ベルトを備えることを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項6】
前記コンテナ着脱装置は、前記コンテナに対して着脱可能に取り付けられるフォークポケットを備えることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項7】
前記コンテナ着脱装置は、前記コンテナに取り付けられた前側及び後側の各フォークポケットに左右から挿入して該コンテナを支持し、該コンテナを昇降し得るように構成された4つのアウトリガーを備えることを特徴とする請求項6に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項8】
前記コンテナ着脱装置は、
前記コンテナの前側及び後側の各フォークポケットの左右端部に左右から挿入して固定される4つの固定部材と、
左側の前後の前記固定部材及び右側の前後の前記固定部材にそれぞれ接続され、クレーンにより昇降される左右の2つの天秤ワイヤを備えることを特徴とする請求項6に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項9】
前記コンテナは、その床から両側壁の下部にかけて1枚の鋼板で構成されることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項10】
前記コンテナは、下部の幅よりも大きい上部の幅を有することを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項11】
前記開閉装置は、
前記昇降用開閉扉を外側から閉方向に付勢して前記昇降用開閉扉を手動で開閉するのを補助する圧縮ばねを備え、
前記圧縮ばねの回動軸線は、前記昇降用開閉扉の回動軸線に対して、後方かつ下方にずれた位置に位置することを特徴とする請求項1に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家畜を収容するコンテナと、該コンテナを車両の平床荷台に着脱するコンテナ着脱装置とを備える家畜輸送用コンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家畜を輸送するための車両としての家畜運搬車が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された家畜運搬車は、該家畜運搬車の後側下部に枢着された後扉の頂部両側にケーブルを内側から外側に通す滑車と、該滑車を通ったケーブルを後扉側において方向転換して左右に通す滑車とを備える。
【0003】
ケーブルは、その一端が家畜運搬車の後側上部に固定され、上記滑車に順次掛け回したうえで、家畜運搬車の後側上部に設けた滑車に掛け回され、さらにその先端がウィンチで巻き取られる。これによれば、ウィンチで後扉の両側を均等に引き上げることができるとされている。後扉は、開かれた状態で、家畜が昇降するための歩み板として用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
我が国における牛飼養農家の6割を占める20頭未満の小規模畜産農家においては、家畜運搬車は必需品ではあるが、その使用頻度は少ない。しかしながら、上記特許文献1の家畜運搬車は、価格が高額なうえに維持費の負担が大きい。このため、家畜運搬車を保有していない農家は、専門業者に委託して家畜を輸送している。
【0006】
本発明の目的は、かかる従来技術の課題に鑑み、家畜運搬車を保有していなくても、低コストで簡便かつ支障なく家畜を輸送することを可能にする家畜輸送用コンテナ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の家畜輸送用コンテナ装置は、
家畜を収容するコンテナと、該コンテナを車両の平床荷台に着脱するコンテナ着脱装置とを備え、
前記コンテナは、
該コンテナの後端の下端部にヒンジを介して該後端を開閉し得るように設けられ、開いた状態において、前記平床荷台に装着された該コンテナに対して家畜が昇降する昇降板として機能する昇降用開閉扉と、
前記昇降用開閉扉を開閉する開閉装置とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、平床荷台を備える車両を、必要に応じて、その平床荷台にコンテナ着脱装置でコンテナを装着し、昇降用開閉扉を開いて家畜をコンテナ内に導入し、家畜を輸送するために使用することができる。したがって、家畜運搬車を保有していなくても、平床荷台を備える車両があれば、低コストで簡便かつ支障なく家畜を輸送することができる。
【0009】
また、コンテナは、車両の一部ではなく、車両の平床荷台に着脱可能であり、積載物の一部となるので、登録は不要である。ただし、車両の最大積載量にコンテナの重量分が含まれるので、コンテナについては、極力軽量化が図られる。
【0010】
この場合、前記開閉装置は、
前記コンテナの後端の上端部に設けられた第1滑車と、
前記第1滑車を経由するワイヤロープと、
前記コンテナの前端部の上端部において前記ワイヤロープを巻き取るウィンチと、
前記ワイヤロープの先端部に設けられ、前記昇降用開閉扉の前記ヒンジと反対側の端部に着脱可能に取り付けられるワイヤフックとを備え、
前記ウィンチと前記第1滑車との間には、前記ワイヤロープが該第1滑車を経由することなく経由し得る第2滑車が設けられてもよい。
【0011】
これによれば、平床荷台に装着されたコンテナの昇降用開閉扉を開いてから、ワイヤロープを、第1滑車を経由することなく第2滑車を経由させるとともにワイヤフックを昇降用開閉扉から家畜の鼻輪に付け替え、ウィンチを操作することにより、家畜を容易にコンテナ内に誘導することができる。これにより、より簡便に家畜を輸送することができる。
【0012】
この場合、前記開閉装置は、前記昇降用開閉扉が倒立した閉状態から開方向に傾けられるときに、該昇降用開閉扉に作用する重力によって前記ワイヤロープに張力が作用するまで、該昇降用開閉扉に対して開方向への押圧力を付与する押圧力付与手段を備えてもよい。
【0013】
昇降用開閉扉が垂直に倒立して閉状態にあるときに、ワイヤロープにテンションが掛からずにワイヤロープがコンテナ内で撓み、これを知らずに昇降用開閉扉を開方向に傾けると、ワイヤロープが緩んでいる分だけ、一気に昇降用開閉扉が開くことになる。このような場合、ワイヤロープの劣化等により、ワイヤロープに意図しない断裂が生じる恐れもある。
【0014】
この点、上記押圧力付与手段によれば、倒立時に昇降用開閉扉を開方向に引いた場合に、昇降用開閉扉の自重でワイヤロープに張力が作用するまで昇降用開閉扉に開方向への押圧力が付与されるので、ウィンチの初動時にはワイヤロープに対して直ちに昇降用開閉扉の自重を乗せることができる。したがって、昇降用開閉扉を開くために開方向に引くときにワイヤロープの緩み分だけ一気に昇降用開閉扉が開いて断裂等が生じるのを防止し、安全に昇降用開閉扉を開くことができる。
【0015】
この場合、前記ウィンチは電動ウィンチであり、前記開閉装置は、該電動ウィンチにより前記ワイヤロープを巻き取って前記昇降用開閉扉を閉塞する際に該昇降用開閉扉が閉塞したことを検知して該電動ウィンチの動作を停止させるリミットスイッチを備えてもよい。
【0016】
これによれば、昇降用開閉扉が閉塞したことに応答して電動ウィンチの動作が停止するので、過巻によるワイヤロープの切断や、電動ウィンチのモータコイルの焼損、電動ウィンチにおけるワイヤドラムへのワイヤロープの食い込みなどを防止することができる。
【0017】
この場合、前記開閉装置は、前記昇降用開閉扉の開放時に所定以上の速さで該昇降用開閉扉が開方向へ回動する場合に該回動を停止させるリトラクタ式の安全ベルトを備えてもよい。これによれば、ワイヤロープの劣化やその接合部などの不具合で万が一昇降用開閉扉が急速に回動した場合には、その回動を阻止することができる。
【0018】
本発明において、前記コンテナ着脱装置は、前記コンテナに対して着脱可能に取り付けられるフォークポケットを備えてもよい。
【0019】
これによれば、コンテナに取り付けられたフォークポケットにフォークリフトのツメを差し込んでコンテナを持ち上げ、コンテナの下に車両の平床荷台を位置させ、フォークリフトで平床荷台上にコンテナを載置し、フォークポケットを取り外すことにより、コンテナを平床荷台上に装着することができる。また、逆の手順により、コンテナを平床荷台から取り外すことができる。
【0020】
この場合、前記コンテナ着脱装置は、前記コンテナに取り付けられた前側及び後側の各フォークポケットに左右から挿入して該コンテナを支持し、該コンテナを昇降し得るように構成された4つのアウトリガーを備えてもよい。
【0021】
これによれば、コンテナに取り付けられた前後のフォークポケットに左右から挿入された4つのアウトリガーにより支持されたコンテナの下に車両の平床荷台を位置させ、4つのアウトリガーでコンテナを下降させ、4つのアウトリガー及びフォークポケットを取り外すことによりコンテナを平床荷台上に装着することができる。また、逆の手順により、コンテナを平床荷台から取り外し、4つのアウトリガーにより支持させ、保管しておくことができる。
【0022】
前記コンテナ着脱装置は、
前記コンテナの前側及び後側の各フォークポケットの左右端部に左右から挿入して固定される4つの固定部材と、
左側の前後の前記固定部材及び右側の前後の前記固定部材にそれぞれ接続され、クレーンにより昇降される左右の2つの天秤ワイヤを備えてもよい。
【0023】
これによれば、コンテナに取り付けられた前後のフォークポケットに左右から固定部材を挿入して固定し、左右の固定部材に左右の天秤ワイヤを接続し、クレーンにより左右の天秤ワイヤを上昇させることによりコンテナを持ち上げることができる。持ち上げられたコンテナの下に車両の平床荷台を位置させ、クレーンにより左右の天秤ワイヤを下降させて平床荷台上にコンテナを載置し、各固定部材、天秤ワイヤ、及びフォークポケットを取り外すことにより平床荷台上にコンテナを装着することができる。また、逆の手順により、コンテナを平床荷台から取り外すことができる。
【0024】
前記コンテナは、その床から両側壁の下部にかけて1枚の鋼板で構成されてもよい。これによれば、例えば、高張力鋼板の薄板を半円筒状の一枚構造に加工してコンテナの床と側壁を構成することができる。
【0025】
このような床と側壁は、座屈やねじれに強いので、車両の平床荷台の下に補強部材を配置する必要なく、コンテナを車両の平床荷台にそのまま支障なく載置して装着することができる。このため、平床荷台を補強部材で補強する必要がないので、平床荷台までの高さを変えずにコンテナを平床荷台上に搭載することができる。
【0026】
前記コンテナは、下部の幅よりも大きい上部の幅を有してもよい。これによれば、小型トラックの荷台幅は狭いため、家畜が牛等である場合に、その搭載空間は窮屈になるところ、コンテナの下部の床における牛等の足の付け根の幅に相当する幅よりもその上のボディが存する部分の幅を広げることができる。これにより、コンテナからの牛等の搬出時におけるコンテナ内での牛等の方向転換の容易化を図ることができる。
【0027】
本発明において、前記開閉装置は、
前記昇降用開閉扉を外側から閉方向に付勢して前記昇降用開閉扉を手動で開閉するのを補助する圧縮ばねを備え、
前記圧縮ばねの回動軸線は、前記昇降用開閉扉の回動軸線に対して、後方かつ下方にずれた位置に位置してもよい。
【0028】
これによれば、圧縮ばねは、昇降用開閉扉が開いている状態よりも閉じている状態の方がより圧縮された状態となるので、圧縮ばねの反発力を利用して、昇降用開閉扉の開閉を手動で容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態に係る家畜用輸送用コンテナ装置を説明するための斜視図であり、コンテナ着脱装置としてアウトリガー等を用いる様子を示している。
【
図2】前記家畜用輸送用コンテナ装置を説明するための別の斜視図であり、コンテナ着脱装置として天秤ワイヤ等を用いる様子を示している。
【
図3】圧縮ばねを利用した開閉装置を適用した昇降用開閉扉の部分を示す斜視図であり、昇降用開閉扉が閉じられているときの様子を示している。
【
図4】圧縮ばねを利用した開閉装置を適用した昇降用開閉扉の部分を示す正面図であり、昇降用開閉扉が地面に接するまで開かれているときの様子を示している。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る家畜輸送用コンテナ装置を示す。同図に示すように、家畜輸送用コンテナ装置1は、家畜を収容するコンテナ2と、コンテナ2を車両3の平床荷台4に着脱する後述のコンテナ着脱装置とを備える。
【0031】
家畜としては、本実施形態では牛を対象としている。車両3としては、例えば、平床荷台4を有する4ナンバー(全幅が1700mm)の小型貨物車や、1ナンバーで荷台長が4300mm、幅が2000mmの小型貨物車が該当する。コンテナ2は、その床から両側壁の少なくとも下部にかけて1枚の鋼板で構成され、下部の幅よりも、大きい上部の幅を有する。例えば、片側について、下部の幅よりも、上部の幅は100~150mm程度大きい。
【0032】
コンテナ2の平床荷台4と接する底面には、防錆力の向上と防傷対策として防錆塗装が塗布される。コンテナ2内部の床面には、輸送中や乗入れ時などに際して牛の蹄(ひずめ)が確実にグリップするとともに、糞尿対策として耐水防腐機能を有する新開発の滑り止め塗料が塗布される。
【0033】
コンテナ2は、コンテナ2の後端の下端部にヒンジ5を介して該後端を開閉し得るように設けられた昇降用開閉扉6と、昇降用開閉扉6を開閉する後述の開閉装置とを備える。昇降用開閉扉6は、開いた状態において、平床荷台4に装着されたコンテナ2に対して家畜が昇降する昇降板として機能する。
【0034】
図1においては、昇降用開閉扉6が開いている状が示されている。昇降用開閉扉6はアルミ材で構成され、耐腐食性と軽量化が図られている。なお、
図1においては、コンテナ2の天井を覆うほろの図示を省略している。
【0035】
開閉装置は、コンテナ2の後端の上端部に設けられた第1滑車7と、第1滑車7を経由するワイヤロープ8と、コンテナ2の前端部の上端部においてワイヤロープ8を巻き取るウィンチ9と、ワイヤロープ8の先端部に設けられ、昇降用開閉扉6のヒンジ5と反対側の端部に着脱可能に取り付けられるワイヤフック10とを備える。ウィンチ9としては、本実施形態では、電動のものが用いられる。
【0036】
コンテナ2の前壁11は、アルミ材で構成され、耐腐食性の向上と軽量化の両立が図られている。ウィンチ9は、前壁11の上部に設けられ、昇降用開閉扉6の開閉用の動力と牛の荷揚げ誘導用の牽引動力として兼用される。
【0037】
ウィンチ9と第1滑車7との間には、ワイヤロープ8が第1滑車7を経由することなく経由される第2滑車12が設けられる。第2滑車12は、牛をコンテナ2に導入する際に用いられる。
【0038】
また、開閉装置には、昇降用開閉扉6の開閉時等における機械的な不具合やヒューマンエラーなどによるリスクを回避して安全性を担保するために、昇降用開閉扉6に対する押圧力付与手段13、ウィンチ9の過巻防止用のリミットスイッチ14、及び昇降用開閉扉6の暴走的な開放を阻止する安全ベルト15が設けられる。
【0039】
押圧力付与手段13は、昇降用開閉扉6が倒立した閉状態から開方向に傾けられるときに、ワイヤロープ8に張力が作用するまで、昇降用開閉扉6に対して閉塞方向への押圧力を付与するものである。押圧力付与手段13は、例えば、圧縮ばねやねじりばね、プッシュスプリング等を用いて構成することができる。
【0040】
リミットスイッチ14は、ウィンチ9によりワイヤロープ8を巻き取って昇降用開閉扉6を閉塞する際に、昇降用開閉扉6が閉塞したことを検知してウィンチ9の動作を停止させることにより、ウィンチ9の過巻を防止するものである。
【0041】
安全ベルト15は、昇降用開閉扉6がワイヤロープ8の不具合などにより意図せずして所定以上の急速な速さで開方向へ回動するのを阻止するために、昇降用開閉扉6の上端部とコンテナ2の後部上端部との間に設けられるリトラクタ式の安全ベルトである。
【0042】
上述のコンテナ着脱装置は、コンテナ2に着脱可能な2つのフォークポケット16を備える。2つのフォークポケット16をコンテナ2に取り付けるために、コンテナ2の上述の1枚の鋼板で構成された下側部分17における両側壁の上端部には、前後方向に延び、かつ外側左右方向に凸状に膨出した(出張った)補強部材18が設けられる。
【0043】
各フォークポケット16は、左右の補強部材18に対して、左右の端部を確実に固定することにより取り付けられる。各フォークポケット16の取付けは、保有しているフォークリフトの爪の幅に適合するように、左右の補強部材18の前後方向における任意の位置に対して行われる。
【0044】
また、コンテナ着脱装置は、コンテナ2の前側及び後側の各フォークポケット16に左右から挿入して該コンテナを支持し、かつコンテナ2を昇降し得るように構成された4つのアウトリガー19を備えてもよい。アウトリガー19としては、例えば、電動油圧式のアクチュエータで駆動するものを使用することができる。
図1では、アウトリガー19を使用する様子が示されている。
【0045】
また、
図2に示すように、コンテナ着脱装置は、コンテナ2の前側及び後側の各フォークポケット16の左右端部に左右から挿入して固定される4つの固定部材20と、左側の前後の固定部材20及び右側の前後の固定部材20にそれぞれ接続され、簡易クレーンや天井クレーンにより昇降される左右の2つの天秤ワイヤ21を備えてもよい。なお、
図2においては、コンテナ2の天井を覆うほろの図示を省略している。
【0046】
この構成において、牛を車両3により輸送する際には、まず、車両3に、昇降用開閉扉6が閉じた状態のコンテナ2を装着する。この装着に先立ち、コンテナ2にはフォークポケット16が取り付けられている。コンテナ2の装着は、フォークリフトを用いて行うことができる。なお、後述のように、アウトリガー19、又は天秤ワイヤ21とクレーンを用いて行うこともできる。
【0047】
コンテナ2の装着にフォークリフトを用いる場合には、フォークリフトの爪をコンテナ2のフォークポケット16に挿入して、コンテナ2をフォークリフトで持ち上げ、コンテナ2の下に車両3の平床荷台4を位置させ、フォークリフトでコンテナ2を平床荷台4上の所定位置に下降させて載置する。そして、フォークポケット16を取り外し、車両3の両側のサイドゲート22を上げてコンテナ2を平床荷台4上にしっかりと固定する。
【0048】
次に、昇降用開閉扉6を開くために、昇降用開閉扉6を開方向に傾ける。このとき、押圧力付与手段13により、昇降用開閉扉6に作用する重力によってワイヤロープ8に張力が作用するまで、昇降用開閉扉6に対して開方向に押圧力が付与されるので、該張力が作用し始めるまで、押圧力に抗しつつ昇降用開閉扉6が開方向に傾けられる。
【0049】
これと前後してウィンチ9によるワイヤロープ8の送りが開始される。このため、昇降用開閉扉6が開方向へ傾けられてからウィンチ9による昇降用開閉扉6の開放が開始されるまでの間にワイヤロープ8に弛みが生じることはない。
【0050】
これにより、昇降用開閉扉6の解放開始時に、倒立状態の昇降用開閉扉6がワイヤロープ8の緩みの分だけ傾いてワイヤロープ8等に衝撃を与えることが防止される。したがって、昇降用開閉扉6の上端部が地面に接触するまで、昇降用開閉扉6の開放はスムーズに行われる。
【0051】
この間に、万が一、ワイヤロープ8の経年変化や取付け部の緩み等に起因して、昇降用開閉扉6が意図せずして急速に開方向へ回動しようとした場合には、安全ベルト15がその回動を阻止するので、この急速な回動による不都合は未然に防止される。
図1では、このようにして昇降用開閉扉6の開放が完了した状態が示されている。
【0052】
昇降用開閉扉6の開放が完了すると、次に、
図1に示すように、牛23がコンテナ2内に導入される。すなわち、昇降用開閉扉6の先端部に取り付けられていたワイヤフック10が外され、第1滑車7からワイヤロープ8が外され、ワイヤフック10が牛の鼻輪に取り付けられる。
【0053】
そして、必要に応じてワイヤロープ8を、第2滑車12を経由してウィンチ9で巻き上げながら、昇降用開閉扉6を牛23が昇るための昇降板として利用し、牛23をコンテナ2内に導き入れる。
【0054】
このようにして、コンテナ2内への牛の収容が完了すると、ワイヤフック10を牛23から昇降用開閉扉6に付け替えるとともに、ワイヤロープ8を第1滑車7に掛けてウィンチ9を起動させ、昇降用開閉扉6を閉方向に回動させる。昇降用開閉扉6が閉塞状態に近づくと、昇降用開閉扉6の先端部が押圧力付与手段13に接触してこれを押圧しつつ、閉塞が完了する。
【0055】
なお、この閉塞が完了するまでの間においても、開放時と同様に、安全ベルト15によって、昇降用開閉扉6の不測の回動は防止される。また、閉塞の完了時には、リミットスイッチ14が閉塞の完了を検出し、ウィンチ9の動作を停止させるので、ウィンチ9によるワイヤロープ8の過巻は生じない。
【0056】
閉塞の完了後、車両3によりコンテナ2が目的地に到着すると、上記と同様にして昇降用開閉扉6を開放し、牛23をコンテナ2から導出し、同様にして昇降用開閉扉6を閉塞し、上記コンテナ2の装着手順と逆の手順でコンテナ2を車両3の平床荷台4から取り外す。これにより、牛の輸送が完了する。
【0057】
一方、コンテナ着脱装置が上述のアウトリガー19を備える場合には、車両3の平床荷台4に対するコンテナ2の脱着(装着及び取外し)を、上述のフォークリフトを用いる場合の手順に代えて、次の手順で行うことができる。
【0058】
すなわち、昇降用開閉扉6が閉塞された状態のコンテナ2に取り付けられた前後のフォークポケット16に対し、
図1において矢印で示すように、4つのアウトリガー19を左右から挿入してコンテナ2をアウトリガー19で支持する。次に、支持されたコンテナ2の下に車両3の平床荷台4を位置させ、4つのアウトリガー19でコンテナ2を下降させ、4つのアウトリガー19を取り外すことによりコンテナ2を平床荷台4上に載置する。
【0059】
そして、車両3の両側のサイドゲート22を上げてコンテナ2を平床荷台4に対して確実に固定し、フォークポケット16を取り外すことにより装着を行うことができる。
【0060】
また、これと逆の手順により、コンテナ2を平床荷台4から取り外すことができる。この場合、取外し後は、コンテナ2をそのまま4つのアウトリガー19により支持した状態で保管しておくことができる。
【0061】
また、
図2のように、コンテナ着脱装置が上述の4つの固定部材20及び左右の天秤ワイヤ21を備える場合には、車両3の平床荷台4への脱着を、上述の手順に代えて、次の手順により行うことができる。
【0062】
すなわち、昇降用開閉扉6が閉塞された状態のコンテナ2に取り付けられている前後のフォークポケット16に対し、
図2に示すように、左右から固定部材20を挿入して固定し、左右の固定部材20に左右の天秤ワイヤ21を接続し、クレーン24で吊上げ天秤25を介して、左右の天秤ワイヤ21を上昇させることによりコンテナ2を持ち上げる。
【0063】
次に、持ち上げられたコンテナ2の下に車両3の平床荷台4を位置させ、クレーン24で左右の天秤ワイヤ21を下降させて平床荷台4上にコンテナ2を載置する。そして、各固定部材20、天秤ワイヤ21及びフォークポケット16を取り外し、車両3の両側のサイドゲート22を上げてコンテナ2を平床荷台4上に固定することによりコンテナ2を装着することができる。また、逆の手順により、コンテナ2を平床荷台4から取り外すことができる。
【0064】
以上説明したように、本実施形態によれば、昇降用開閉扉6を有するコンテナ2と、コンテナ2を車両の平床荷台に着脱するコンテナ着脱装置と、昇降用開閉扉6を開閉する開閉装置とを備えるので、平床荷台4を備える車両を保有していれば、家畜輸送専用の車両がなくても、低コストで簡便かつ支障なく、牛を輸送することができる。
【0065】
また、平床荷台4に装着されたコンテナ2の昇降用開閉扉6を開いてから、ワイヤロープ8を、第1滑車7を経由することなく第2滑車12を経由させるとともにワイヤフック10を昇降用開閉扉6から牛の鼻輪に付け替え、ウィンチ9を操作することにより、牛を容易にコンテナ2内に誘導することができる。これにより、より簡便に牛を輸送することができる。
【0066】
また、開閉装置は、昇降用開閉扉6が倒立した閉状態から開方向に傾けられるときに、ワイヤロープ8に張力が作用するまで、昇降用開閉扉6に対して開方向への押圧力を付与する押圧力付与手段13を備えるので、ウィンチ9の初動時にはワイヤロープ8に対して直ちに昇降用開閉扉6の自重を乗せることができる。
【0067】
したがって、昇降用開閉扉6を開くために開方向に引くときにワイヤロープ8の緩み分だけ一気に昇降用開閉扉6が開いてしまうのを防止し、安全に昇降用開閉扉6を開くことができる。
【0068】
また、開閉装置は、昇降用開閉扉6を閉塞する際には、昇降用開閉扉6が閉塞したことをリミットスイッチ14により検出し、ウィンチ9の動作を停止させるので、過巻によるワイヤロープ8の切断や、ウィンチ9のモータコイルの焼損、ウィンチ9におけるワイヤドラムへのワイヤロープ8の食い込みなどを防止することができる。
【0069】
また、開閉装置は、リトラクタ式の安全ベルト15を備えるので、ワイヤロープ8の劣化やその接合部などの不具合で万が一昇降用開閉扉6が急速に回動した場合には、その回動を阻止することができる。したがって、昇降用開閉扉6をより安全に開くことができる。
【0070】
また、コンテナ着脱装置として、コンテナ2には着脱可能なフォークポケット16が設けられるので、フォークリフトを利用することにより、コンテナ2の平床荷台4に対する着脱を容易に行うことができる。
【0071】
また、コンテナ着脱装置が、上述のフォークポケット16に挿入してコンテナ2を昇降するアウトリガー19を備える場合には、コンテナ2の平床荷台4に対する着脱を、アウトリガー19を用いて容易に行うとともに、コンテナ2をアウトリガー19で支持した状態で保管することができる。
【0072】
また、コンテナ着脱装置が、各フォークポケット16に挿入して固定される上述の固定部材20と、固定部材20に接続され、クレーン24により昇降される上述の天秤ワイヤ21を備える場合には、コンテナ2の平床荷台4に対する着脱を、クレーン24利用して容易に行うことができる。
【0073】
また、コンテナ2の下側部分17は、床から両側壁の下部にかけて1枚の鋼板で構成され、座屈やねじれに強いものとして形成される。このため、車両3の平床荷台4の下を補強する必要なく、コンテナ2を平床荷台4にそのまま支障なく載置して装着することができる。したがって、平床荷台4の下に補強部材を配置する必要がないので、平床荷台4までの高さを変えずにコンテナ2を平床荷台4上に搭載することができる。
【0074】
また、コンテナ2は、下部の幅が平床荷台4の幅と同等の幅を有するが、その幅よりも上部の幅が大きいので、コンテナ2からの牛の搬出時におけるコンテナ2内での牛の方向転換を容易に行うことができる。
【0075】
すなわち、小型貨物車の平床荷台4の幅は狭く、牛の搭載空間は窮屈であるが、コンテナ2の下部の床における牛の足の付け根の幅に相当する幅よりもその上の牛のボディが占有する部分の幅を広げることができる。これにより、コンテナ2からの牛の搬出時におけるコンテナ2内での牛の方向転換を容易に行うことができる。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明の家畜用輸送用コンテナ装置は、牛に限らず、他の馬等の家畜の輸送に適用することもできる。また、家畜用輸送用コンテナ装置は、4ナンバーや1ナンバーの小型貨物車に限らず、平床荷台を有する他の大きさの貨物車に適用してもよい。また、ウィンチとして、手動のものを採用してもよい。
【0077】
また、開閉装置として、昇降用開閉扉6を手動で開閉するのを補助するために、昇降用開閉扉6の外側から昇降用開閉扉6の両側を閉方向に付勢する圧縮ばね26を備えてもよい。
【0078】
図3及び
図4は、この圧縮ばね26を利用した開閉装置を適用した昇降用開閉扉6の部分を示す。
図3、
図4では、それぞれ、昇降用開閉扉6が閉じられているとき、及び昇降用開閉扉6が地面GLに接するまで開かれているときの様子が示されている。
【0079】
圧縮ばね26の回動軸線27は、昇降用開閉扉6の回動軸線28に対して、後方かつ下方にずらして配置される。これにより、圧縮ばね26は、昇降用開閉扉6が開いている状態よりも閉じている状態の方がより圧縮された状態となる。このように圧縮される圧縮ばねの反発力を利用して、昇降用開閉扉6の開閉を手動で容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0080】
1…家畜輸送用コンテナ装置、2…コンテナ、3…車両、4…平床荷台、5…ヒンジ、6…昇降用開閉扉、7…第1滑車、8…ワイヤロープ、9…ウィンチ、10…ワイヤフック、11…前壁、12…第2滑車、13…押圧力付与手段、14…リミットスイッチ、15…安全ベルト、16…フォークポケット、17…下側部分、18…補強部材、19…アウトリガー、20…固定部材、21…天秤ワイヤ、22…サイドゲート、23…牛、24…クレーン、25…吊上げ天秤、26…圧縮ばね、27、28…回動軸線、GL…地面。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家畜を収容するコンテナと、該コンテナを車両の平床荷台に着脱するコンテナ着脱装置とを備え、
前記コンテナは、
該コンテナの後端の下端部にヒンジを介して該後端を開閉し得るように設けられ、開いた状態において、前記平床荷台に装着された該コンテナに対して家畜が昇降する昇降板として機能する昇降用開閉扉と、
前記昇降用開閉扉を開閉する開閉装置とを備え、
前記開閉装置は、前記コンテナの後部上端部と前記昇降用開閉扉との間に設けられ、該昇降用開閉扉が意図しない急速な速さで開方向へ回動するのを阻止するリトラクタ式の安全ベルトを備えることを特徴とする家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項2】
前記開閉装置は、
前記コンテナの後端の上端部に設けられた第1滑車と、
前記第1滑車を経由するワイヤロープと、
前記コンテナの前端部の上端部において前記ワイヤロープを巻き取るウィンチと、
前記ワイヤロープの先端部に設けられ、前記昇降用開閉扉の前記ヒンジと反対側の端部に着脱可能に取り付けられるワイヤフックとを備え、
前記ウィンチと前記第1滑車との間には、前記ワイヤロープが該第1滑車を経由することなく経由し得る第2滑車が設けられ、
前記ワイヤフックは、前記昇降用開閉扉から前記家畜に付け替え可能であることを特徴とする請求項1に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項3】
前記開閉装置は、前記昇降用開閉扉が倒立した閉状態から開方向に傾けられるときに、該昇降用開閉扉に作用する重力によって前記ワイヤロープに張力が作用するまで、該昇降用開閉扉に対して開方向への押圧力を付与する押圧力付与手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項4】
前記ウィンチは電動ウィンチであり、前記開閉装置は、該電動ウィンチにより前記ワイヤロープを巻き取って前記昇降用開閉扉を閉塞する際に該昇降用開閉扉が閉塞したことを検知して該電動ウィンチの動作を停止させるリミットスイッチを備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項5】
前記コンテナ着脱装置は、前記コンテナに対して着脱可能に取り付けられるフォークポケットを備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項6】
前記コンテナ着脱装置は、前記コンテナに取り付けられた前側及び後側の各フォークポケットに左右から挿入して該コンテナを支持し、該コンテナを昇降し得るように構成された4つのアウトリガーを備えることを特徴とする請求項5に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項7】
前記コンテナ着脱装置は、
前記コンテナの前側及び後側の各フォークポケットの左右端部に左右から挿入して固定される4つの固定部材と、
左側の前後の前記固定部材及び右側の前後の前記固定部材にそれぞれ接続され、クレーンにより昇降される左右の2つの天秤ワイヤを備えることを特徴とする請求項5に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項8】
前記コンテナは、その床から両側壁の下部にかけて1枚の鋼板で構成されることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項9】
前記コンテナは、下部の幅よりも大きい上部の幅を有することを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項10】
前記開閉装置は、
前記昇降用開閉扉を外側から閉方向に付勢して前記昇降用開閉扉を手動で開閉するのを補助する圧縮ばねを備え、
前記圧縮ばねの回動軸線は、前記昇降用開閉扉の回動軸線に対して、後方かつ下方にずれた位置に位置することを特徴とする請求項1に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の家畜輸送用コンテナ装置は、
家畜を収容するコンテナと、該コンテナを車両の平床荷台に着脱するコンテナ着脱装置とを備え、
前記コンテナは、
該コンテナの後端の下端部にヒンジを介して該後端を開閉し得るように設けられ、開いた状態において、前記平床荷台に装着された該コンテナに対して家畜が昇降する昇降板として機能する昇降用開閉扉と、
前記昇降用開閉扉を開閉する開閉装置とを備え、
前記開閉装置は、前記コンテナの後部上端部と前記昇降用開閉扉との間に設けられ、該昇降用開閉扉が意図しない急速な速さで開方向へ回動するのを阻止するリトラクタ式の安全ベルトを備えることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、コンテナは、車両の一部ではなく、車両の平床荷台に着脱可能であり、積載物の一部となるので、登録は不要である。ただし、車両の最大積載量にコンテナの重量分が含まれるので、コンテナについては、極力軽量化が図られる。また、ワイヤロープの劣化やその接合部などの不具合で万が一昇降用開閉扉が急速に回動した場合には、その回動を阻止することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
この場合、前記開閉装置は、
前記コンテナの後端の上端部に設けられた第1滑車と、
前記第1滑車を経由するワイヤロープと、
前記コンテナの前端部の上端部において前記ワイヤロープを巻き取るウィンチと、
前記ワイヤロープの先端部に設けられ、前記昇降用開閉扉の前記ヒンジと反対側の端部に着脱可能に取り付けられるワイヤフックとを備え、
前記ウィンチと前記第1滑車との間には、前記ワイヤロープが該第1滑車を経由することなく経由し得る第2滑車が設けられ、
前記ワイヤフックは、前記昇降用開閉扉から前記家畜に付け替え可能であってもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2023-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家畜を収容するコンテナと、該コンテナを車両の平床荷台に着脱するコンテナ着脱装置とを備え、
前記コンテナは、
該コンテナの後端の下端部にヒンジを介して該後端を開閉し得るように設けられ、開いた状態において、前記平床荷台に装着された該コンテナに対して家畜が昇降する昇降板として機能する昇降用開閉扉と、
前記昇降用開閉扉を開閉する開閉装置とを備え、
前記開閉装置は、前記コンテナの後部上端部と前記昇降用開閉扉との間に設けられ、該昇降用開閉扉が意図しない急速な速さで開方向へ回動するのを阻止するリトラクタ式の安全ベルトを備え、
前記開閉装置は、
前記コンテナの後端の上端部に設けられた第1滑車と、
前記第1滑車を経由するワイヤロープと、
前記コンテナの前端部の上端部において前記ワイヤロープを巻き取るウィンチと、
前記ワイヤロープの先端部に設けられ、前記昇降用開閉扉の前記ヒンジと反対側の端部に着脱可能に取り付けられるワイヤフックとを備え、
前記ウィンチと前記第1滑車との間には、前記ワイヤロープが該第1滑車を経由することなく経由し得る第2滑車が設けられ、
前記ワイヤフックは、前記昇降用開閉扉から前記家畜に付け替え可能であることを特徴とする家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項2】
前記開閉装置は、前記昇降用開閉扉が倒立した閉状態から開方向に傾けられるときに、該昇降用開閉扉に作用する重力によって前記ワイヤロープに張力が作用するまで、該昇降用開閉扉に対して開方向への押圧力を付与する押圧力付与手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項3】
前記ウィンチは電動ウィンチであり、前記開閉装置は、該電動ウィンチにより前記ワイヤロープを巻き取って前記昇降用開閉扉を閉塞する際に該昇降用開閉扉が閉塞したことを検知して該電動ウィンチの動作を停止させるリミットスイッチを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項4】
前記コンテナ着脱装置は、前記コンテナに対して着脱可能に取り付けられるフォークポケットを備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項5】
前記コンテナ着脱装置は、前記コンテナに取り付けられた前側及び後側の各フォークポケットに左右から挿入して該コンテナを支持し、該コンテナを昇降し得るように構成された4つのアウトリガーを備えることを特徴とする請求項4に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項6】
前記コンテナ着脱装置は、
前記コンテナの前側及び後側の各フォークポケットの左右端部に左右から挿入して固定される4つの固定部材と、
左側の前後の前記固定部材及び右側の前後の前記固定部材にそれぞれ接続され、クレーンにより昇降される左右の2つの天秤ワイヤを備えることを特徴とする請求項4に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項7】
前記コンテナは、その床から両側壁の下部にかけて1枚の鋼板で構成されることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項8】
前記コンテナは、下部の幅よりも大きい上部の幅を有することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【請求項9】
前記開閉装置は、
前記昇降用開閉扉を外側から閉方向に付勢して前記昇降用開閉扉を手動で開閉するのを補助する圧縮ばねを備え、
前記圧縮ばねの回動軸線は、前記昇降用開閉扉の回動軸線に対して、後方かつ下方にずれた位置に位置することを特徴とする請求項1に記載の家畜輸送用コンテナ装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の家畜輸送用コンテナ装置は、
家畜を収容するコンテナと、該コンテナを車両の平床荷台に着脱するコンテナ着脱装置とを備え、
前記コンテナは、
該コンテナの後端の下端部にヒンジを介して該後端を開閉し得るように設けられ、開いた状態において、前記平床荷台に装着された該コンテナに対して家畜が昇降する昇降板として機能する昇降用開閉扉と、
前記昇降用開閉扉を開閉する開閉装置とを備え、
前記開閉装置は、前記コンテナの後部上端部と前記昇降用開閉扉との間に設けられ、該昇降用開閉扉が意図しない急速な速さで開方向へ回動するのを阻止するリトラクタ式の安全ベルトを備え、
前記開閉装置は、
前記コンテナの後端の上端部に設けられた第1滑車と、
前記第1滑車を経由するワイヤロープと、
前記コンテナの前端部の上端部において前記ワイヤロープを巻き取るウィンチと、
前記ワイヤロープの先端部に設けられ、前記昇降用開閉扉の前記ヒンジと反対側の端部に着脱可能に取り付けられるワイヤフックとを備え、
前記ウィンチと前記第1滑車との間には、前記ワイヤロープが該第1滑車を経由することなく経由し得る第2滑車が設けられ、
前記ワイヤフックは、前記昇降用開閉扉から前記家畜に付け替え可能であることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また、平床荷台に装着されたコンテナの昇降用開閉扉を開いてから、ワイヤロープを、第1滑車を経由することなく第2滑車を経由させるとともにワイヤフックを昇降用開閉扉から家畜の鼻輪に付け替え、ウィンチを操作することにより、家畜を容易にコンテナ内に誘導することができる。これにより、より簡便に家畜を輸送することができる。