(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109146
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】浄化システムが内蔵された有害ガス浄化装置
(51)【国際特許分類】
B01D 53/38 20060101AFI20230731BHJP
B01D 53/62 20060101ALI20230731BHJP
B01D 53/72 20060101ALI20230731BHJP
B01D 53/82 20060101ALI20230731BHJP
A61L 9/014 20060101ALI20230731BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20230731BHJP
B01D 46/00 20220101ALI20230731BHJP
F24F 8/108 20210101ALI20230731BHJP
F24F 8/22 20210101ALI20230731BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20230731BHJP
F24F 8/158 20210101ALI20230731BHJP
F24F 8/167 20210101ALI20230731BHJP
【FI】
B01D53/38 100
B01D53/62 ZAB
B01D53/72
B01D53/82
A61L9/014
A61L9/20
B01D46/00 F
F24F8/108 310
F24F8/22
F24F8/80 110
F24F8/80 135
F24F8/80 212
F24F8/80 216
F24F8/80 232
F24F8/80 236
F24F8/80 218
F24F8/80 250
F24F8/158
F24F8/167
F24F8/80 150
F24F8/80 145
F24F8/80 155
F24F8/80 165
F24F8/80 300
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185443
(22)【出願日】2022-11-21
(31)【優先権主張番号】10-2022-0011574
(32)【優先日】2022-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】317015331
【氏名又は名称】ジーティーサイエン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カン ヨンキュン
(72)【発明者】
【氏名】チェ ソングァン
(72)【発明者】
【氏名】チョン マンソン
(72)【発明者】
【氏名】チョ ジュンヨン
【テーマコード(参考)】
4C180
4D002
4D058
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180AA07
4C180BB08
4C180BB09
4C180CC04
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4D058TA03
4D058TA07
4D058TA08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】スタンド型と移動型に互換的に設置可能にモジュール化した浄化システムが内蔵された、有害ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】有害ガス浄化装置100は、吸気口111及び排気口112の間に収納部が形成された本体ケース110と、吸気口から流入する有害ガスに含まれた大きい粒子のほこりと異物をフィルタリングするプレフィルター116及び有害物質及び微細粒子相の異物をフィルタリングすると共にウイルスを殺菌するモジュール型の浄化システムを含み、浄化システムは、揮発性有機化合物を四方からフィルタリングする立体フィルター121と有害ウイルスを殺菌するUVランプ123と平板フィルター125で構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側には有害ガスを吸引するための吸気口が形成され、下側には浄化された空気を外部に排出するための排気口が形成され、内側の前記吸気口及び排気口の間には収納部が形成された本体ケース;
前記吸気口を通じて流入する有害ガスに含まれた大きい粒子のほこりと異物をフィルタリングするプレフィルター;及び
前記収納部内に設置された状態で、前記吸気口を通じて流入する有害ガスに含まれた有害物質及び微細粒子相の異物をフィルタリングすると共にウイルスを殺菌するモジュール型の浄化システム;を含むが、
前記浄化システムは、
前記プレフィルターを通過した有害ガスに含まれた揮発性有機化合物を四方から立体的にフィルタリングする立体フィルター;
前記立体フィルターの下位に配置された状態で、前記吸気口を通じて有害ガスを吸引して浄化された空気を前記排気口を通じて強制排出する圧送ファン;
前記圧送ファンの下位に配置され、前記圧送ファン及び有害ガスに紫外線を照射して有害ウイルスを殺菌するUVランプ;
前記UVランプの下位に配置され、前記プレフィルターにより濾過されない有害ガス内の微細粒子をフィルタリングするHEPAフィルター;
前記HEPAフィルターの下位に配置され、前記立体フィルターにより濾過されない揮発性有機化合物の残量をフィルタリングする平板フィルター;で構成されたことを特徴とする、浄化システムが内蔵された有害ガス浄化装置。
【請求項2】
前記本体ケースは、一定場所に固定して使用するスタンド型、位置を移動させて使用し、前記スタンド型に比べて低い高さの移動型のうちいずれか一つを含むが、
前記浄化システムは、前記スタンド型又は移動型の収納部に互換的に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の浄化システムが内蔵された有害ガス浄化装置。
【請求項3】
前記スタンド型の吸気口は、上側の前面及び両側面に形成され、排気口は、下側の前面及び両側面に形成され、
前記移動型の吸気口は、上面に形成され、排気口は、下側の前面及び両側面に形成され、前記吸気口には、ジャバラ管が連結され、前記ジャバラ管の末端には、ラッパ管が連結されたことを特徴とする、請求項2に記載の浄化システムが内蔵された有害ガス浄化装置。
【請求項4】
前記立体フィルターは、フィルターケース及び前記フィルターケースに内在するフィルター濾材で構成されるが、
前記フィルターケースは、各面に多数の気孔が形成された四角枠形状の内筒;前記内筒に比べて大きい外径を有した状態で、前記内筒の外部に離隔して配置され、各面に多数の気孔が形成された四角枠形状の外筒;前記内筒及び外筒の開放された上部を密閉して覆う上板;及び前記内筒及び外筒の下部に結合されるが、内筒と外筒の間の区間は密閉し、内筒の内周面領域は開口する下板;を含み、
前記フィルター濾材は、前記内筒と外筒の離隔された空間に内在することを特徴とする、請求項1に記載の浄化システムが内蔵された有害ガス浄化装置。
【請求項5】
前記立体フィルター及び平板フィルターのフィルター濾材は、活性炭フィルター濾材と無機酸化物フィルター濾材が1~10:10~1の重量比で混合してなるが、前記活性炭フィルター濾材の比表面積は、200~1000m2/gであり、無機酸化物フィルター濾材の気孔サイズは、0.03~0.9μmであることを特徴とする、請求項1に記載の浄化システムが内蔵された有害ガス浄化装置。
【請求項6】
前記立体フィルター及び平板フィルターの寿命を予測する寿命予測モジュールをさらに含むが、
前記寿命予測モジュールは、
前記立体フィルター及び平板フィルターの出口側に設置された状態で、各フィルターを通過した空気に含まれた揮発性有機化合物の濃度をリアルタイムで感知するVOC濃度センサー;
前記VOC濃度センサーから伝送された揮発性有機化合物の濃度累積値を保存する濃度値保存部;
前記圧送ファンの稼動時間を累積カウントする稼動時間カウンター部;及び
前記濃度値保存部と前記稼動時間カウンター部から伝送された累積濃度値及び稼動時間累積値を聚合した聚合値と既に設定された臨界値を比較して残余寿命値を算出する制御部;で構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の浄化システムが内蔵された有害ガス浄化装置。
【請求項7】
前記寿命予測モジュールは、
前記残余寿命値をグラフ化して出力するか又は残余寿命日に換算して数字に出力するディスプレイ部;及び
前記聚合値が前記残余寿命値に近接したとき、これを警告する警告灯又はアラームスピーカーをさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の浄化システムが内蔵された有害ガス浄化装置。
【請求項8】
前記制御部で算出された残余寿命値は、通信モジュールを通じて管理者PC又は管理者モバイルフォンに伝送されることを特徴とする、請求項6に記載の浄化システムが内蔵された有害ガス浄化装置。
【請求項9】
前記寿命予測モジュールは、実験室の試薬保存装置の内部に保管中である試薬を管理する知能型実験室管理モジュールと連動するようにする連動部をさらに含むが、
前記連動部は、前記試薬保存装置から試薬が引き出されたという信号の伝達を受けた場合、前記圧送ファンが稼動するように稼動信号を送出することを特徴とする、請求項6に記載の浄化システムが内蔵された有害ガス浄化装置。
【請求項10】
前記知能型実験室管理モジュールは、引き出された試薬の種類を鑑別してその信号を前記連動部に送出し、前記連動部は、その信号によって前記圧送ファンのRPMを制御することを特徴とする、請求項9に記載の浄化システムが内蔵された有害ガス浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害ガス浄化装置に関し、より詳しくは、浄化システムをスタンド型と移動型に互換的に設置可能にモジュール化した、浄化システムが内蔵された有害ガス浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
実験室や各種化学物質で特定の実験を実施するか製品を製造する実験室又は作業場などでは、多くの種類の化学物質の保有と、多様な実験が進行されているので、有害物質がガス化して空気が汚染される恐れがあり、実験者は、少量であっても有害な物質によって被曝する場合、健康上の問題が発生し得る。
【0003】
また、ガス化した有害化学物質は、火事や爆発などの事故を誘発する原因として作用し、分析する各種データに及ぼす交差汚染の原因となり得、実験室や作業場の大気中でガス化している有害因子は、ダクトを通じて外に浄化されず室内に残存して蓄積されもする。
【0004】
このような有害物質の種類としては、微細ほこり、二酸化炭素、ホルムアルデヒド、揮発性有機化合物などが大部分であるが、少なくない実験室や作業場などで窒酸及び硫酸など強い酸を使用する実験室では、一層危険な状況に晒されているのが実情である。
【0005】
これを解決するために、本出願人は、第10-2013-0054579号(活性炭フィルターモジュール及びこれを有する有害ガス浄化及び浄化装置)と、第10-2009-0013526号(有害ガス浄化及び中和装置)を特許出願した事がある。前者の特許はスタンド型浄化装置であり、後者の特許は移動型浄化装置である。
【0006】
前記スタンド型浄化装置は、上下の長さが長い形態的特性上、所定位置に固定させた状態で使用し、前記移動型浄化装置は、相対的に上下の長さが短くて移動が容易なので浄化が必要な位置まで移動させて使用する。
【0007】
ここで、前記スタンド型浄化装置と移動型浄化装置は、上下の長さに差があるので、これに比例してそれぞれの内部に設置されるフィルターのサイズ及び構成に差がある。そのため、フィルターを製作する製作者の立場では、スタンド型フィルターと移動型フィルターを別に製作しなければならないので、それぞれのフィルターを製作するための別途の設備を備えなければならないなど製作上の不利な点があり、これによって、製作コストも上昇するしかなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】大韓民国登録特許公報第1549649号(2015.08.27登録)
【0009】
【特許文献2】大韓民国登録特許公報第0941666号(2010.02.03登録)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記した従来の問題点を解決するためのものであって、本発明の第1の目的は、浄化システムをスタンド型と移動型に互換的に設置可能にモジュール化した浄化システムが内蔵された有害ガス浄化装置を提供することにある。
【0011】
本発明の第2の目的は、揮発性有害物質を1次的にフィルタリングするフィルターを、四方濾過構造の立体フィルターを適用して有害ガスが各方向に分散してフィルタリングされるようにすることによって、フィルターの寿命を延長させ得ると共に風量及び風速抵抗を減衰させ得る浄化システムが内蔵された有害ガス浄化装置を提供することにある。
【0012】
本発明の第3の目的は、寿命予測モジュールにより有機化合物濾過フィルターの寿命を正確に予測してユーザーが交換時期を予め認知できるようにする浄化システムが内蔵された有害ガス浄化装置を提供することにある。
【0013】
本発明の第4の目的は、知能型実験室管理モジュールと連動するようにして試薬保存装置から試薬が引き出されると同時に圧送ファンが作動するようにした浄化システムが内蔵された有害ガス浄化装置を提供することにある。
【0014】
本発明が達成しようとする技術的課題は、上記で言及した課題に制限されず、言及しなかったまた他の課題は、下の記載から本発明が属する技術分野において通常の知識を有した者に明確に理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記した目的を達成するための本発明は、上側には有害ガスを吸引するための吸気口が形成され、下側には浄化された空気を外部に排出するための排気口が形成され、内側の前記吸気口及び排気口の間には収納部が形成された本体ケース;前記吸気口を通じて流入する有害ガスに含まれた大きい粒子のほこりと異物をフィルタリングするプレフィルター;及び前記収納部内に設置された状態で、前記吸気口を通じて流入する有害ガスに含まれた有害物質及び微細粒子相の異物をフィルタリングすると共にウイルスを殺菌するモジュール型の浄化システム;を含むが、前記浄化システムは、前記プレフィルターを通過した有害ガスに含まれた揮発性有機化合物を四方から立体的にフィルタリングする立体フィルター;前記立体フィルターの下位に配置された状態で、前記吸気口を通じて有害ガスを吸引して浄化された空気を前記排気口を通じて強制排出する圧送ファン;前記圧送ファンの下位に配置され、前記圧送ファン及び有害ガスに紫外線を照射して有害ウイルスを殺菌するUVランプ;前記UVランプの下位に配置され、前記プレフィルターにより濾過されない有害ガス内の微細粒子をフィルタリングするHEPAフィルター、前記HEPAフィルターの下位に配置され、前記立体フィルターにより濾過されない揮発性有機化合物の残量をフィルタリングする平板フィルター;で構成された浄化システムが内蔵された有害ガス浄化装置が提供される。
【0016】
好ましくは、前記本体ケースは、一定場所に固定して使用するスタンド型、位置を移動させて使用し、前記スタンド型に比べて低い高さの移動型のうちいずれか一つを含むが、前記浄化システムは、前記スタンド型又は移動型の収納部に互換的に設置され得る。
【0017】
好ましくは、前記スタンド型の吸気口は、上側の前面及び両側面に形成され、排気口は、下側の前面及び両側面に形成され、前記移動型の吸気口は、上面に形成され、排気口は、下側の前面及び両側面に形成され、前記吸気口にはジャバラ管が連結され、前記ジャバラ管の末端にはラッパ管が連結され得る。
【0018】
好ましくは、前記立体フィルターは、フィルターケース及び前記フィルターケースに内在するフィルター濾材で構成されるが、前記フィルターケースは、各面に多数の気孔が形成された四角枠形状の内筒;前記内筒に比べて大きい外径を有した状態で前記内筒の外部に離隔して配置され、各面に多数の気孔が形成された四角枠形状の外筒;前記内筒及び外筒の開放された上部を密閉して覆う上板;及び前記内筒及び外筒の下部に結合されるが、内筒と外筒の間の区間は密閉し、内筒の内周面領域は開口する下板;を含み、前記フィルター濾材は、前記内筒と外筒の離隔された空間に内在され得る。
【0019】
好ましくは、前記立体フィルター及び平板フィルターのフィルター濾材は、活性炭フィルター濾材と無機酸化物フィルター濾材が1~10:10~1の重量比で混合されてなるが、前記活性炭フィルター濾材の比表面積は、200~1000m2/gであり、無機酸化物フィルター濾材の気孔サイズは、0.03~0.9μmであってもよい。
【0020】
好ましくは、前記立体フィルター及び平板フィルターの寿命を予測する寿命予測モジュールをさらに含むが、前記寿命予測モジュールは、前記立体フィルター及び平板フィルターの出口側に設置された状態で、各フィルターを通過した空気に含まれた揮発性有機化合物の濃度をリアルタイムで感知するVOC濃度センサー;前記VOC濃度センサーから伝送された揮発性有機化合物の濃度累積値を保存する濃度値保存部;前記圧送ファンの稼動時間を累積カウントする稼動時間カウンター部;及び前記濃度値保存部と稼動時間カウンター部から伝送された累積濃度値及び稼動時間累積値を聚合した聚合値と既に設定された臨界値を比較して残余寿命値を算出する制御部;で構成され得る。
【0021】
好ましくは、前記寿命予測モジュールは、前記残余寿命値をグラフ化して出力するか又は残余寿命日に換算して数字で出力するディスプレイ部;及び前記聚合値が残余寿命値に近接したときにこれを警告する警告灯又はアラームスピーカーをさらに含むことができる。
【0022】
好ましくは、前記制御部で算出した残余寿命値は、通信モジュールを通じて管理者PC又は管理者モバイルフォンに伝送され得る。
【0023】
好ましくは、前記寿命予測モジュールは、実験室の試薬保存装置の内部に保管中である試薬を管理する知能型実験室管理モジュールと連動するようにする連動部をさらに含むが、前記連動部は、前記試薬保存装置から試薬が引き出されたという信号の伝達を受けた場合、前記圧送ファンが稼動するように稼動信号を送出することができる。
【0024】
好ましくは、前記知能型実験室管理モジュールは、引き出された試薬の種類を鑑別してその信号を前記連動部に送出し、連動部は、その信号によって前記圧送ファンのRPMを制御することができる。
【発明の効果】
【0025】
上記した課題の解決手段によると、本発明は、浄化システムの規格及び構成を一元化して背が高いスタンド型浄化装置と背が小さい移動型浄化装置に互換装着が可能にすることによって生産性を向上及び生産単価を低めることができる。
【0026】
また、本発明は、揮発性有害物質を1次的にフィルタリングするフィルターを、四方濾過構造の立体フィルターを適用して有害ガスが各方向に分散してフィルタリングされるようにすることによって、フィルターの寿命を延長させ得ると共に風量及び風速抵抗を減衰させ得る。
【0027】
また、本発明は、有機化合物濾過フィルターの寿命を正確に予測してユーザーに知らせることによって、フィルター交替の遅延を防止することができ、フィルター管理の信頼度を向上させ得る。
【0028】
また、本発明は、知能型実験室管理モジュールと連動されるようにして試薬保存装置から試薬が引き出されると同時に圧送ファンが自動で作動して実験者に便宜を提供し、試薬の種類によって圧送ファンの回転速度が自動で調節されることによって安全性に対する信頼度を向上させ得る。
【0029】
本発明の効果は、上記した効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明又は特許請求の範囲に記載された発明の構成から推論可能な全ての効果を含むものと理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、本発明による有害ガス浄化装置であって、本体ケースは切り取って立体フィルターは分離した状態の斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明による有害ガス浄化装置の有害ガスフローチャートである。
【
図3】
図3は、本発明による浄化システムの構成を示した概略図である。
【
図4】
図4は、本発明による浄化システムのフィルターケースの分解斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明による寿命予測モジュールのブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明は、種々の異なる形態で具現され得、したがって、ここで説明する実施例に限定されるものではない。また、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて類似した部分に対しては類似した図面符号を付与した。
【0032】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結(接続、接触、結合)」されているとの用語は、「直接的に連結」されている場合だけでなく、それらの間に他の部材を介在して「間接的に連結」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」との用語は、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく他の構成要素をさらに具備できることを意味する。
【0033】
本明細書で用いた用語は、単に特定の実施例を説明するために使用したものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異に記述しない限り、複数の表現を含む。本明細書で「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つ又はその以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解すべきである。
【0034】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0035】
添付した
図1は、本発明による有害ガス浄化装置であって、本体ケースは切り取って立体フィルターは分離した状態の斜視図であり、
図2は、本発明による有害ガス浄化装置の有害ガスフローチャートであり、
図3は、本発明による浄化システムの構成を示した概略図であり、
図4は、本発明による浄化システムのフィルターケースの分解斜視図であり、
図5は、
図4の平断面図である。
図6は、本発明による寿命予測モジュールのブロック図である。
【0036】
添付図面に示したように、浄化システムが内蔵された有害ガス浄化装置(以下、「有害ガス浄化装置」と称する)100は、実験室、研究室、化学製品生産施設、病院などで研究業務の実行又は製品生産時に発生する揮発性有機化合物、悪臭、ヒュームのような有害ガスを効果的に浄化及び中和させるためのものである。
【0037】
本発明による有害ガス浄化装置100は、設置形態によってスタンド型と移動型に区分され得る。スタンド型は、上下の長さが長いため特定位置に固定配置した状態で使用し、移動型は、相対的に上下の長さが短く車輪が装着されているので所望する場所に移動させて使用できる。
【0038】
本発明の有害ガス浄化装置100は、スタンド型又は移動型などの類型に関係なく、その内部に装着される浄化システムをモジュール化し、これを共用で使用できるように構成したことに特徴を有する。
【0039】
そのため、本発明の有害ガス浄化装置100は、本体ケース110及びモジュール型の浄化システム120を含むことができる。
【0040】
前記本体ケース110は、上側に有害ガスを吸引するための吸気口111が形成され、下側には、浄化された空気を外部(室内)に排出するための排気口112が形成され、内側の前記吸気口111及び排気口112の間には、前記浄化システム120を収納するための収納部113が形成され得る。
【0041】
前記本体ケース110は、類型によって上下の長さが長いスタンド型(stand type)ケースが適用され得、または相対的に上下の長さが短い移動型が適用され得る。本実施例は、上記した本体ケース110の類型に関係なく収納部113のサイズは同一であり、また、これに収納される浄化システム120も同一のサイズ及び構成を有するように汎用化した。
【0042】
したがって、本体ケース110の類型によって浄化システムのサイズ及び構成を異にした従来とは異なり、浄化システムを汎用的にモジュール化することによって生産性の向性及び生産コストを節減することができる。
【0043】
前記本体ケース110のうち、スタンド型の場合は、
図1及び2の左側図面のように、上側の前面及び両側面に3方向の吸気口111が形成され、下側の前面及び両側面に3方向の排気口112が形成され得る。
【0044】
前記本体ケース110のうち、移動型の場合は、
図1及び2の右側図面のように、上面に吸気口111が形成され、下側の前面及び両側面に3方向の排気口112が形成され得る。
【0045】
ここで、前記移動型の吸気口111にはジャバラ管114が連結され、前記ジャバラ管の末端にはラッパ管115が連結され得る。
【0046】
一方、前記本体ケース110の吸気口111と浄化システム120の間には、吸気口を通じて流入する有害ガスに含まれた大きい粒子のほこりと異物をフィルタリングするプレフィルター116が設置され得る。前記プレフィルター116は、前記フィルターモジュール(120)の一つの構成として含まれ得るが、位置的に浄化システム120とは離れているので現実的に一体化しにくい。しかし、一体化が可能な構造的改善が伴う場合、浄化システム120に含ませることが好ましい。
【0047】
前記浄化システム120は、前記収納部113内に設置された状態で、前記吸気口111を通じて流入する有害ガスに含まれた有害物質及び微細粒子相の異物をフィルタリングする役目をするものであって、本実施例で浄化システム120は、そのサイズ及び構成が同一となるように一元化して、スタンド型や移動型に互換的に設置し得るという長所を有する。一元化は、一つのフレームに下記の要素を積層配置する方案が最も効率的であるが、これに限定しない。
【0048】
このような浄化システム120は、前記プレフィルター116を通過した有害ガスに含まれた揮発性有機化合物を四方から立体的にフィルタリングする立体フィルター121と、前記立体フィルターの下位に配置された状態で、前記吸気口111を通じて有害ガスを吸引して浄化された空気を前記排気口112を通じて強制排出する圧送ファン122と、前記圧送ファンの下位に配置され、前記圧送ファン及び有害ガスに紫外線を照射して有害ウイルスを殺菌するUVランプ123と、前記UVランプの下位に配置され、前記プレフィルター116により濾過されない有害ガス内の微細粒子をフィルタリングするHEPAフィルター124と、前記HEPAフィルターの下位に配置され、前記立体フィルター121により濾過されない揮発性有機化合物の残量をフィルタリングする平板フィルター125で構成され得る。
【0049】
前記立体フィルター121は、フィルターケース121a及び前記フィルターケースに内在するフィルター濾材121bで構成され得る。
【0050】
前記フィルターケース121aは、
図4及び5に示したように、各面に多数の気孔121a-2が形成された四角枠形状の内筒121a-1と、前記内筒に比べて大きい外径を有した状態で前記内筒の外部に離隔して配置され、各面に多数の気孔121a-4が形成された四角枠形状の外筒121a-3と、前記内筒121a-1及び外筒121a-3の開放された上部を密閉して覆う上板121a-5と、前記内筒121a-1及び外筒121a-3の下部に結合されるが、内筒と外筒の間の区間は密閉し、内筒の内周面領域は開口121a-7する下板121a-6で構成され得る。
【0051】
前記フィルター濾材121bは、前記内筒121aー1と外筒121aー3の離隔された空間(s)の間に粉末相で内在され得る。ここで、フィルター濾材粉末は、前記内筒及び外筒の気孔の孔径より大きくなることは当然である。
【0052】
上記した立体フィルター121は、前後左右面が全てフィルタリングが可能なので、四方から有害ガスが流入して有害ガスに含まれた揮発性有機化合物を立体的にフィルタリングするようになる。特に、有害ガスが各方向に分散した状態でフィルタリングされることによって、フィルターの寿命を延長させ得、風量及び風速抵抗を減衰させ得る好条件を備えることになる。
【0053】
前記立体フィルター121及び平板フィルター125のフィルター濾材は、共通的に揮発性有機化合物を濾過するためのものであって、活性炭フィルター濾材と無機酸化物フィルター濾材が1~10:10~1の重量比で混合されてなり得る。
【0054】
前記活性炭フィルター濾材は、中空部及び気孔が形成された支持体を含み、前記支持体の比表面積は、200~1000m2/gであり、無機酸化物フィルター濾材も中空部及び気孔が形成された支持体を含むが、気孔のサイズは、0.03~0.9μmとなり得る。
【0055】
このように、活性炭フィルター濾材と無機酸化物フィルター濾材の支持体を中空化することによって、有害ガスが反応する表面積を向上させ得、反応活性点を高めることができ、圧力損失(制御風速0.4m/s以上を維持するために300Pa以上)を減らすことによって省エネルギーに役立つ。
【0056】
前記平板フィルター125は、図示したように、有害ガスの進路方向に対して直角を成すように水平設置されてよく、これとは異なり、有害ガスの進路方向と鋭角を成すように傾斜して設置されてもよい。
【0057】
前記実施例による前記立体フィルター121と平板フィルター125は、アセトアルデヒド(CH3CHO)、トルエン(C7H8)、ホルムアルデヒド(CH2O)など主汚染物質4種以上に対する平均浄化率が97%以上を上回る。
【0058】
前記圧送ファン122は、前記立体フィルター121の下位に配置された状態で、室内の有害ガスを前記吸気口111を通じて流入するように吸引し、前記フィルターモジュール(120)を経由して前記排気口112に排気されるように強制圧送する役目をする。
【0059】
前記圧送ファン122は、軸流ファン又は遠心ファンを適用することができるが、有害ガスの進路によって選択適用され得る。
【0060】
前記UVランプ123は、8W級UVC LEDが用いられ得、波長範囲は、200~280nmであるものが用いられ得る。この場合、ウイルス除去率は、97%を上回るようになる。参考として、ウイルス除去率は、Influenza A virusと2種に希釈されたウイルス液を反応させて確認した結果値が97%以上でなければならない。
【0061】
一方、本発明による有害ガス浄化装置100は、前記立体フィルター121と平板フィルター125の寿命を予測する寿命予測モジュール130をさらに含むことができる。
【0062】
前記寿命予測モジュール130は、前記立体フィルター121及び平板フィルター125の各出口側に設置された状態で、各フィルターを通過した空気に含まれた揮発性有機化合物の濃度をリアルタイムで感知するVOC濃度センサー131と、前記VOC濃度センサーから伝送された揮発性有機化合物の濃度累積値を保存する濃度値保存部132と、前記圧送ファン122の稼動時間を累積カウントする稼動時間カウンター部133と、前記濃度値保存部132と稼動時間カウンター部133から伝送された累積濃度値及び稼動期間累積値を聚合した聚合値と既に設定された臨界値を比較して残余寿命値を算出する制御部134で構成され得る。
【0063】
例えば、前記臨界値は、濃度値と稼動時間を掛けて最大寿命値を指定して置き、濃度値保存部132及び稼動時間カウンター部133による累積値を聚合して前記臨界値と比較することによって残余寿命値を算出することができる。
【0064】
ここで、残余寿命値は、グラフ化してディスプレイ部(図示せず)を通じて出力するか又は残余寿命値を残余寿命日に換算して前記ディスプレイ部を通じて出力することができる。前記ディスプレイ部は、前記本体ケース110の表面であれば、どこでも設置が可能であるが、ユーザーが可視的によく見える所に設置することが好ましい。
【0065】
前記制御部134で算出した残余寿命値は、通信モジュールを通じて管理者PC又は管理者モバイルフォンに伝送され得る。このようにすることによって管理者が有害ガス浄化装置100の付近に位置しなくとも遠距離から立体フィルター121と平板フィルター125の寿命管理が可能である。
【0066】
また、本発明による有害ガス浄化装置100は、累積値が臨界値に近くなると、これをユーザーに警告し得るように警告灯や警光灯が追加で設置され得る。
【0067】
前記寿命予測モジュール130は、本発明による有害ガス浄化装置100が設置される実験室の試薬保存装置の内部に保管中である試薬を管理する知能型実験室管理モジュール1と連動するようにする連動部135をさらに含むことができる。
【0068】
前記連動部135は、前記試薬保存装置から試薬が引き出されたという信号の伝達を受けた場合、前記圧送ファン122が稼動するように稼動信号を送出して圧送ファンが自動で稼動するように制御することができる。
【0069】
ここで、前記知能型実験室管理モジュール1は、引き出された試薬の種類を鑑別してその信号を前記連動部135に送出し、連動部は、その信号によって前記圧送ファン122のRPMを制御することができる。
【0070】
すなわち、試薬保存装置には、多くの種類の試薬が保管されているが、各試薬は、実験過程で発生する有害ガスの量と毒性に差があることを勘案し各試薬別に有害ガス発生量及び有毒性に対するデータを制御部134に予め保存しておく。
【0071】
これにより、知能型実験室管理モジュール1から特定試薬が引き出されたという信号が連動部135に伝達されると、制御部134に予め保存された当該試薬の有害ガス発生量及び流動性データに基づいて圧送ファン122の回転速度を速く又は遅く制御する。それによって、実験者が圧送ファン122を人為的に調節する必要なしに試薬によって自動に調節されるようにすることによって、実験中に残留有害ガスが実験者に又は実験室の内部に流入することを事前に予防することができる。これは、安全性の次元で必ず必要な構成である。
【0072】
一方、前記では圧送ファン122のRPMが試薬の種類によって自動に調節されることを説明したが、これに限定されず、実験者が本体ケース110の外部に形成された操作ボタン(図示せず)を任意に操作して圧送ファン122のRPMを手動で調節することも可能である。
【0073】
上述した実施例は、本発明の好ましい実施例に対して記載したものであるが、本発明はこれに限定されず、本発明の技術的な思想から脱しない範囲内で多様な形態に変更して実施することができることを明示する。
【符号の説明】
【0074】
100:有害ガス浄化装置
110:本体ケース
111:吸気口
112:排気口
113:収納部
116:プレフィルター(pre-filter)
120:浄化システム
121:立体フィルター
121a:フィルターケース
121a-1:内筒
121a-3:外筒
121a-5:上板
121a―6:下板
121b:フィルター濾材
122:圧送ファン
123:UVランプ
124:HEPAフィルター
125:平板フィルター
130:寿命予測モジュール