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特開2023-109173液体または半液体食品を処理するための機械および液体または半液体食品を処理するための方法
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  • 特開-液体または半液体食品を処理するための機械および液体または半液体食品を処理するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109173
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】液体または半液体食品を処理するための機械および液体または半液体食品を処理するための方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/10 20060101AFI20230731BHJP
【FI】
H05B6/10 311
H05B6/10 331
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023009085
(22)【出願日】2023-01-25
(31)【優先権主張番号】102022000001304
(32)【優先日】2022-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】518089540
【氏名又は名称】エイエルアイ グループ ソチエタ ア レスポンサビリタ リミタータ カルピジャーニ
【氏名又は名称原語表記】ALI GROUP S.r.l.CARPIGIANI
【住所又は居所原語表記】Via Gobetti 2/A,20063 CERNUSCO SUL NAVIGLIO (MILANO),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ラッザリーニ
(72)【発明者】
【氏名】フェデリコ タッシ
【テーマコード(参考)】
3K059
【Fターム(参考)】
3K059AA08
3K059AB09
3K059AB20
3K059AB28
3K059CD48
3K059CD77
(57)【要約】      (修正有)
【課題】プロセスの環境負荷を低減するために、よりエネルギー効率の良い態様で、特に加熱によって、液体または半液体食品を熱処理する。
【解決手段】液体または半液体食品を処理するための機械であって、液状または半液状食品を処理するための、壁および出口を備えた処理容器と、少なくとも部分的に強磁性材料から作られ且つ処理容器の内部に配置された撹拌機であって、供給される製品を混合するために混合軸周りに回転する撹拌機と、撹拌機に接続されて混合軸周りに撹拌機を回転させるアクチュエータとを備え、機械は、1つまたは複数の巻線導体を備える誘導素子であって、1つまたは複数の巻線導体に電流が流れるときに磁場を生成するための誘導素子を備え、生成された磁場が処理容器の壁の少なくとも一部を通過して撹拌機に到達し磁気誘導による加熱を引き起こすように、誘導素子は処理容器の外側に配置されている、機械。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体または半液体食品を処理するための機械(1)であって、
液状または半液状食品を処理するための、壁(2A、2B)および出口(3)を備えた処理容器(2)と、
少なくとも部分的に強磁性材料から作られ且つ前記処理容器(2)の内部に配置された撹拌機(4)であって、供給される前記食品を混合するために混合軸(A)周りに回転する撹拌機(4)と、
前記撹拌機(4)に接続されて前記混合軸(A)周りに前記撹拌機(4)を回転させるアクチュエータ(5)と、を備え、
前記機械(1)は、1つまたは複数の巻線導体(7)を備える誘導素子(6)であって、前記1つまたは複数の巻線導体(7)に電流が流れるときに磁場(M)を生成するための誘導素子(6)を備え、
生成された前記磁場(M)が前記処理容器(2)の前記壁(2A、2B)の少なくとも一部を通過して前記撹拌機(4)に到達し磁気誘導による加熱を引き起こすように、前記誘導素子(6)は前記処理容器(2)の外側に配置されている、機械(1)。
【請求項2】
前記混合軸(A)が垂直であり、前記誘導素子(6)が前記処理容器(2)の底(2A’)の外側に配置されている、請求項1に記載の機械(1)。
【請求項3】
前記混合軸(A)が水平であり、前記誘導素子(6)が前記出口(3)の反対側で、前記処理容器(2)の後部(2A’’)の外側に配置されている、請求項1に記載の機械(1)。
【請求項4】
前記撹拌機(4)が、第1の強磁性材料から作られた第1の部分(4A)と、異なる材料から作られた第2の部分(4B)とを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の機械(1)。
【請求項5】
前記撹拌機(4)の前記第1の部分(4A)が、少なくとも部分的にフェライト鋼から作られている、請求項4に記載の機械(1)。
【請求項6】
前記撹拌機(4)の前記第1の部分(4A)が、オーステナイト鋼コーティングを有する、請求項4または5に記載の機械(1)。
【請求項7】
前記誘導素子(6)がプレートの形態で作られている、請求項1から6のいずれか一項に記載の機械(1)。
【請求項8】
制御ユニット(10)と、前記制御ユニット(10)によって駆動され且つ前記誘導素子(6)に接続されて前記導体(7)に電力を供給する電力調整ユニット(11)とを備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の機械(1)。
【請求項9】
前記電力調整ユニット(11)が、前記制御ユニット(10)から受信したコマンドに応じて前記導体(7)への電圧の周波数を調整するように構成されたインバータ(11A)を備える、請求項8に記載の機械(1)。
【請求項10】
前記電力調整ユニット(11)が、前記インバータ(11A)に直流電圧を供給するために前記インバータ(11A)の入力に接続された交流-直流電圧変換モジュール(11B)を備える、請求項9に記載の機械(1)。
【請求項11】
前記電力調整ユニット(11)が、一定の実効電圧で前記導体(7)に電力を供給するように構成される、請求項8から10のいずれか一項に記載の機械(1)。
【請求項12】
前記電力調整ユニット(11)が、複数の異なる電力レベルに従って前記導体(7)に電力を供給するように構成されており、前記複数の電力レベルの少なくとも1つは、パルスモードでの電力の送信を含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の機械(1)。
【請求項13】
前記複数の電力レベルの少なくとも1つがブースタモードを含む、請求項12に記載の機械(1)。
【請求項14】
前記制御ユニット(10)に接続され且つ前記複数の電力レベルの1つを選択することを可能にするように構成されたユーザインタフェース(12)を備える、請求項12または13に記載の機械(1)。
【請求項15】
熱交換流体が圧縮機(18)、前記処理容器(2)に関連付けられた蒸発器(17)、絞り要素(20)および凝縮器(19)をこの順序で流れるように構成された閉回路(16)を備えた冷却システム(15)を備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の機械(1)。
【請求項16】
液体または半液体食品を処理するための方法であって、請求項1から15のいずれか一項に記載の機械を提供するステップを含み、さらに、
前記導体(7)に交流電流を流すステップと、
前記処理容器(2)の壁(2)を通過する磁場(M)を生成するステップと、
前記撹拌機(4)によって前記液体または半液体食品を加熱するために前記磁場(M)によって生成された電流で前記撹拌機(4)を加熱するステップと、を含む方法。
【請求項17】
前記撹拌機(4)を加熱する前記ステップと同時に前記撹拌機(4)を駆動するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記処理容器(2)の壁(2A、2B)を通って流れる磁場(M)を生成する前記ステップが、パルス磁場を生成するステップを含む、請求項16または17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体または半液体食品を(特に熱的に)処理するための機械および当該機械でベース食品混合物を熱処理するための方法に関する。
【0002】
特に、本発明は、低温殺菌機、調理器具、または低温殺菌およびクリーミングの両方を同一容器内で行うことができる多機能/複合機械等の装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術の機械は、処理される混合物が配置されて撹拌機によって回転される製品収容要素を備える。
【0004】
これらの機械はまた、機械に組み込まれた熱力学的システムを備えており、供給される製品を熱処理することを可能にする。
【0005】
一般的に言えば、熱力学的システムは、容器を加熱して製品を熱処理することを可能にするべく容器と熱交換するために熱交換流体が循環する(種々の熱力学的要素を備えた)閉回路を備える。
【0006】
不利なことに、熱力学的システムを備えた従来技術の機械は、製品を熱処理するために必要な熱を得るために大量のエネルギーを必要とするという点で、特に効率的ではない。
【0007】
さらに、これらの熱力学的システムの調整は容易ではないので、機械は、予め定められた加熱曲線に従った特定のプロセスを必要とする異なる種類の製品に対してあまりフレキシブルではない。
【0008】
したがって、プロセスの環境負荷を低減するために、よりエネルギー効率の良い態様で、特に加熱によって、液体または半液体食品を熱処理する必要性がある。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、特に効率的な態様で食品を熱処理することができる、液体または半液体食品を処理するための機械、および当該機械で食品を処理するための方法を提供することによって、少なくとも上記の必要性を満たすことである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
上記の目的に関連して本発明の技術的特徴は、以下の特許請求の範囲に明確に記載されており、その利点は、本発明の例示的な、したがって非限定的な実施形態を示す添付の図面を参照して、以下の詳細な説明から明らかである。
図1】本開示による液体または半液体食品を処理するための機械の斜視図を示す。
図2図1の機械に適用可能な動作回路の第1の実施形態を概略的に示す。
図3図1の機械に適用可能な動作回路の第2の実施形態を概略的に示す。
図4図2または3の動作回路の一部を概略的に表す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面を参照すると、数字1は、本発明による液体または半液体食品を製造および供給するための機械を示す。
【0012】
機械1は、例えば、パンおよび菓子製品、クリーム、スープなどの様々な種類の液体または半液体製品を製造することを可能にする。
【0013】
機械1は、液体または半液体食品を熱処理するための、壁2A、2Bおよび出口3を備えた容器2を備える。
【0014】
機械1は、例えば、低温殺菌機、調理器具、または低温殺菌およびクリーミングの両方を同一の容器2内で行うことができる多機能/複合機械であってもよい。
【0015】
有利なことに、熱処理は、最終製品の酸化を減少させることにより、処理された食品の保存および安全性を促進する。
【0016】
機械1は、処理された製品を供給するためのディスペンサ14を備える。
【0017】
ディスペンサ14は、出口3に接続されており、製品を供給する必要があるときに出口3を開閉するために移動可能な閉鎖要素(図示せず)を備える。
【0018】
容器2内で必要な熱プロセスを受けた後、製品は出口3を通過してディスペンサ24を介して供給できる。
【0019】
好ましくは、最終製品はその後、図2または3に示されるように、タブ14に集められる。
【0020】
図1に示される実施形態では、機械1は、容器2と連通する第2の容器28を備える(容器2および28は、機械の内部で視界から隠されているので、破線の矢印で示されている)。
【0021】
例えば、容器2は調理器具であってもよいし、第2の容器28はクリーミングシリンダであってもよい。
【0022】
容器2および第2の容器28は、機械1のコンパクトさを保証するために、好ましくは同一方向に向けられるが、必ずしもそうである必要はない。
【0023】
しかしながら、容器2は、図2および3に示されるように、水平または垂直である主の展開方向を有し得ることに留意されたい。
【0024】
容器2および第2の容器28の両方が存在する場合、機械は、第2の容器28につながるホッパ27に容器2の内容物を注ぐように構成されたディスペンサ26を備えてもよい。
【0025】
ディスペンサ24およびディスペンサ26は、(供給を開始または停止するために)互いに独立したそれぞれの閉鎖要素を備える。
【0026】
機械1は、少なくとも部分的に強磁性材料から作られた撹拌機4であって、容器2の内部に配置され且つ供給される製品を混合するために混合軸A周りに回転する撹拌機4を備える。
【0027】
機械1は、撹拌機4を混合軸A周りに回転させるために撹拌機4に接続されたアクチュエータ5を備える。
【0028】
好ましくは、アクチュエータ5は電気モータである。
【0029】
撹拌機4は、第1の強磁性材料から作られた第1の部分4Aを備える。
【0030】
有利なことに、強磁性材料は、磁場を受けると容易に磁化することができる。
【0031】
一実施形態では、第1の部分4Aは、少なくとも部分的にフェライト鋼から作られる。
【0032】
一実施形態では、第1の部分4Aは、オーステナイト鋼コーティングを有する(これにより、撹拌機4の衛生状態を高め、その耐久性および洗浄の容易さを改善することが可能である)。
【0033】
撹拌機4は、第1の強磁性材料とは異なる材料(例えば、異なる金属)から作られた第2の部分4Bを備える。
【0034】
機械1は、誘導素子6を備えることを特徴とする。
【0035】
誘導素子6は、1つまたは複数の巻線導体7であって、電流がそれらを流れるときに磁場Mを生成するための1つまたは複数の巻線導体7を備える。
【0036】
誘導素子6は、生成された磁場Mが処理容器2の壁2A、2Bの少なくとも一部を通過して撹拌機4に到達し、撹拌機4を磁気誘導によって加熱するように、処理容器2の外部に配置される。
【0037】
有利なことに、磁気誘導による加熱は、他の加熱方法と比較して持続時間の短い熱プロセスを生成することを可能にすると同時に、(処理中の製品に基づいて)熱出力の供給においてより高い精度を保証する。
【0038】
有利なことに、磁気誘導による加熱は過渡加熱(heating transients)を低減するので、処理中の製品をより迅速に予め定められた温度にすることができる。
【0039】
言い換えれば、これは、機械1の加熱を非常に迅速にオンオフすることを可能にする。
【0040】
有利なことに、磁気誘導による加熱は、熱交換流体が流れる蒸発器と回路とを備えた従来の加熱システムと比較して、特にコンパクトで且つサイズが縮小されたシステムで高い電力密度を保証することを可能にする。
【0041】
図3に示される実施形態では、混合軸Aは垂直であり、壁2Aは容器2の底2A’を規定する。誘導素子6は、容器2の底2A’の外側に配置される。
【0042】
図2に示される実施形態では、混合軸Aは水平であり、壁2Aは容器2の後部2A’’を規定する。誘導素子6は、処理容器2の後部2A’’の外側に配置され且つ出口3の反対側にある。
【0043】
誘導素子6は、単純な単一巻線コイルまたはソレノイドコイルであり得る。
【0044】
一実施形態では、誘導素子6は、導体7が巻き付けられたプレートの形態で具現化される。
【0045】
一実施形態では、誘導素子6はフェライトコアを備える。
【0046】
この実施形態では、導体7はフェライトコアの周りに巻かれている。
【0047】
一実施形態では、1つまたは複数のコイルを形成するために、導体7が巻かれている。
【0048】
導体7は、例えば銅または鋼のような低電気抵抗率の材料から作られた電気ケーブルである。
【0049】
導体7は、(交流)電磁場Mを介して、エネルギーが容器2の壁を通って伝達されて撹拌機4に到達することを可能にする。
【0050】
例えば強磁性材料である(このケースでは、撹拌機4の部分4Aである)導電性構成要素が磁場M内に配置されると、それは誘導電流の形でエネルギーを吸収する。
【0051】
渦電流とも呼ばれる誘導電流は、材料の電気抵抗のために強磁性部分4Aの表面に熱を発生させる(それによっていわゆるジュール効果が得られる)。
【0052】
言い換えれば、電流は導体7を通って流れて撹拌機4内に誘導電流を生成できる電磁場Mを生成し、誘導電流はジュール効果によって熱に変換される。
【0053】
加熱は撹拌機4の強磁性部分4Aに生じる。
【0054】
有利なことに、磁気誘導加熱を使用する機械は、電磁場が撹拌機の強磁性部分のみに影響を及ぼし且つその表面に制限されたままであるので、特に安全であることが保証される。
【0055】
さらに、磁気誘導加熱を使用する機械は、加熱時の熱変換性能が特に高いという点において非常に有効且つ効率的である。
【0056】
有利なことに、容器2の壁(例えば、壁2A、2B)は、加熱プロセスの影響を受けずに冷たいままなので、容器内の食品が局所的に焦げるリスクが回避される。実際、加熱要素、すなわち撹拌機4は、加熱中に回転し続けることを考慮すべきである。これにより、製品がそれにくっつくのを防止し、それによって、食品が局所的に焦げるリスクを低減または軽減する。
【0057】
磁場Mによる磁気誘導により加熱される撹拌機4の部分4Aは、熱処理される製品に浸漬され、したがって、製品を加熱させる。
【0058】
有利なことに、熱は容器2の内部で直接生成され、周囲の外部空間への熱損失はない。
【0059】
有利なことに、誘導による加熱は、必要な熱強度に到達するための特に高性能で且つ迅速な方法である。
【0060】
有利なことに、熱プロセスをより効率的且つ迅速にすることはエネルギーの節約につながり、これは、消費量の削減を可能にする。
【0061】
さらに、誘導による加熱は特に正確であり、必要な温度プロファイルを得ることを可能にする。
【0062】
機械1は、制御ユニット10を備える。
【0063】
制御ユニット10は、アクチュエータ5を制御および駆動するように構成される。
【0064】
有利なことに、制御ユニット10は、熱処理プロセスを自動化することを可能にする。
【0065】
有利には、プロセスを自動化することにより、熱プロセスサイクルの再現性が促進される。
【0066】
制御ユニット10は、誘導素子6およびアクチュエータ5を同時に始動させて、撹拌機4が加熱されている間に撹拌機4を回転させるように構成される。
【0067】
有利なことに、撹拌機4を加熱し且つ同時に動かすことにより、容器2の一部を過熱したり過熱された部分と接触した最終製品を焦がしたりして、ひいては全体の品質を損なうリスクなく、製品を均一に熱処理することが可能である。
【0068】
機械1は、電力調整ユニット11を備える。
【0069】
電力調整ユニット11は、制御ユニット10によって駆動される。
【0070】
ユニット11は、可変周波数電圧発生器として機能する。これは、主電源ラインの固定電圧を必要な周波数の交流電圧に変換する。
【0071】
電力調整ユニット11は、特に導体7に電力を供給するために、誘導素子6に接続されている。
【0072】
電力調整ユニット11は、一定の実効電圧で導体7に電力を供給するように構成される。
【0073】
電力調整ユニット11は、インバータ11Aを備える。
【0074】
インバータ11Aは、制御ユニット10から受信したコマンドに応じて、導体7に供給される電圧の周波数を調整するように適切に構成される。
【0075】
したがって、インバータ11Aは、供給電圧の周波数を調整することによって電力伝達を変えることを可能にする(それは誘導素子6の導体7を通って流れる電流を変えることを可能にする)。
【0076】
電力調整ユニット11は、交流?直流電圧変換モジュール11Bを備える。
【0077】
変換モジュール11Bは、コネクタ13によって主電源ラインに接続されている。
【0078】
モジュール11Bはインバータ11Aの入力に接続されており、インバータ11Aに直流電圧を供給する。
【0079】
調整ユニット11は、複数の異なる電力レベルに従って導体7に電力を送るように構成される。
【0080】
有利なことに、様々なレベルに従って電力を調整することにより、機械の精度および柔軟性が向上し、製品が最適な温度で処理されることが保証される。
【0081】
有利なことに、最適な温度を保証することは、特にパンおよび菓子製品の製造に使用されるプロセスにとって、特に重要な側面である。
【0082】
一実施形態では、電力調整ユニット11は、5から30レベルの間、好ましくは10から20レベルの間で電力を供給できる。
【0083】
一態様によれば、電力レベルの少なくとも1つは、パルスモードで電力を送信することを含む。
【0084】
言い換えれば、低い電力レベルではシステムは断続的に動作して、電源をオンオフする。
【0085】
有利なことに、パルスモードは、機械のエネルギー効率の改善にさらに貢献する。
【0086】
一実施形態では、3から5までの数の電力レベルが、パルスモードのレベルを構成する。
【0087】
一態様によれば、電力レベルの少なくとも1つはブースタモードを含む。
【0088】
好ましくは、ブースタモードは、直近の電力レベルで動作する。
【0089】
ブースタモードは、予め定められた時間間隔の間、誘導素子6が定格の最大電力(好ましくは2kWから9kWの間)を吸収することを可能にする動作モードである。
【0090】
一実施形態では、機械1は、制御ユニット10に接続されたユーザインタフェース12を備える。
【0091】
ユーザインタフェース12は、電力レベルの1つを選択できるように構成されている。
【0092】
したがって、ユーザインタフェース12には、電力レベルを選択できるようにするための制御部(物理ボタンまたはタッチボタンまたはセレクタ)が設けられている。
【0093】
一実施形態では、機械1は、容器2の内部に配置され且つ制御ユニット10と通信する第1の温度センサ32を備える。
【0094】
有利なことに、容器2内にセンサ32を有することにより、処理中の製品の温度を測定することが可能になる。
【0095】
一実施形態では、機械1は、撹拌機4に配置され且つ制御ユニット10と通信する第2の温度センサ34を備える。
【0096】
有利なことに、撹拌機4にセンサ34を有することにより、撹拌機の温度を測定することが可能になり、したがって、誘導素子6の状態を感知し、それにより、発生している誘導加熱の強度の測定値を得ることが可能になる。
【0097】
有利なことに、センサ32およびセンサ34の両方を有することにより、進行中の熱プロセスの全体的な制御が可能になり、誘導素子6と撹拌機4との間の電力伝達の測定値を得て処理中の製品に対して必要な温度プロファイルを得ることが可能になる。
【0098】
例えば図2または3に示される実施形態では、機械1は、熱交換流体を循環させるように構成された閉回路16を備えた冷却システム15を備える。
【0099】
冷却システム15は任意付加的であり、その存在により、容器2内で処理中の食品を冷却することが可能になる。
【0100】
有利なことに、製品が(誘導によって)加熱されるサイクルと、製品が(冷却システムを起動することによって)冷却されるサイクルとを交互に行うことが可能である。
【0101】
好ましくは、冷却システム15は、蒸発器17、圧縮機18、凝縮器19および絞り要素20を備える。
【0102】
冷却システム15、具体的には圧縮機18は、制御ユニット10によって起動および制御される。
【0103】
容器2に関連付けられた蒸発器17は、好ましくは、熱交換流体と容器2との間の熱交換を容易にするコイルを備える。
【0104】
絞り要素20は、熱交換流体に水頭損失を発生させて圧力を下げるように構成された、回路16の少なくとも1つの狭窄部分または少なくとも1つの弁によって画定される。
【0105】
凝縮器19は好ましくは空冷凝縮器である。
【0106】
熱交換流体は、圧縮機18、蒸発器17、絞り要素20および凝縮器19をこの順序で流れる。
【0107】
本開示はまた、前述の特徴の少なくとも1つによる機械1を提供するステップを含む、液体または半液体食品を処理するための方法を目的とする。
【0108】
本方法は、少なくとも、
導体7に交流電流を流すステップと、
容器2の壁を通過する磁場Mを生成するステップと、
撹拌機4によって液体または半液体食品を加熱するために、磁場Mによって生成された電流で撹拌機4を加熱するステップと、を含む。
【0109】
有利なことに、磁気誘導による加熱は、プロセスが実行される温度の最適な制御を提供する。
【0110】
有利なことに、温度を制御して加熱を均一にすることによって、最終製品の品質が向上する。
【0111】
本方法は、撹拌機4を加熱するステップと同時に、撹拌機4を駆動するステップを含む。
【0112】
有利なことに、製品を加熱して撹拌機を同時に動かすことにより、容器の一部を過熱したり過熱された部分と接触した最終製品を焦がしたりして、ひいては全体の品質を損なうリスクなく、製品を均一に熱処理することが可能になる。
【0113】
一実施形態では、容器2の壁を通って流れる磁場を生成するステップは、パルス磁場を生成するステップを含む。
【0114】
有利なことに、パルスモードは、機械のエネルギー効率の改善にさらに貢献する。
【0115】
有利なことに、プロセスをより効率的にして電力消費を削減することにより、それに関連する環境負荷を低減することが可能になる。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】