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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109259
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】表示制御装置、及び表示制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20230801BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20230801BHJP
   B60R 1/20 20220101ALI20230801BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
H04N7/18 J
B60W50/14
B60R1/20 100
B60R11/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010676
(22)【出願日】2022-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古郡 弘滋
【テーマコード(参考)】
3D020
3D241
5C054
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BA20
3D020BB01
3D020BC01
3D020BE03
3D241BA51
3D241BA60
3D241CE02
3D241CE05
3D241DD07Z
5C054CA04
5C054CC02
5C054EA01
5C054EA05
5C054FC12
5C054FE26
5C054FF03
5C054HA30
(57)【要約】
【課題】ディスプレイに表示される画像に対して運転者が違和感を持つことを抑制する。
【解決手段】表示制御装置13は、運転者の頭部DHの位置、及び運転者の目DEの位置を検出する位置検出部131と、位置検出部131の検出結果に応じて、外部画像PQのうち、ディスプレイ12に表示する領域Rの位置を調整する領域調整部132と、領域調整部132が調整した位置の領域Rに対応する画像PEをディスプレイ12に表示する表示制御部133と、を備え、車両1の上下方向と左右方向との両方に移動するように頭部DHの位置が変化したとき、領域調整部132は、目DEの位置の上下方向の変化に対応する位置へ領域Rの位置を調整することを禁止し、目DEの位置の左右方向及び前後方向の少なくとも一方の変化に対応する位置に、領域Rの位置を調整する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の内部に配置されたディスプレイに、前記車両の車体が透けて見えるように、前記車両の外部の画像を表示する表示制御装置であって、
運転者の頭部の位置、及び前記運転者の目の位置を検出する位置検出部と、
前記位置検出部の検出結果に応じて、前記車両の外部の画像のうち、前記ディスプレイに表示する領域の位置を調整する領域調整部と、
前記領域調整部が調整した位置の領域に対応する画像を前記ディスプレイに表示する表示制御部と、
を備え、
前記車両の上下方向と左右方向との両方に移動するように前記頭部の位置が変化したとき、前記領域調整部は、前記目の位置の前記上下方向の変化に対応する位置へ前記領域の位置を調整することを禁止し、前記目の位置の前記左右方向の変化に対応する位置に、前記領域の位置を調整する、
表示制御装置。
【請求項2】
前記車両の上下方向と前後方向との両方に移動するように前記頭部の位置が変化したとき、前記領域調整部は、前記目の位置の前記上下方向の変化に対応する位置へ前記領域の位置を調整することを禁止し、前記目の位置の前記前後方向の変化に対応する位置に、前記領域の位置を調整する、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記位置検出部は、前記運転者の目の位置として、前記運転者の利き目の位置を検出する、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記車両の上下方向及び前記車両の左右方向に移動するように前記頭部の位置が変化したとき、前記領域調整部は、前記目の位置の前記上下方向の変化に対応する位置へ前記領域の位置を調整することを禁止し、前記目の位置の前記左右方向の変化に対応する位置に、前記領域の位置を調整する、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記車両の上下方向及び前記車両の前後方向に移動するように前記頭部の位置が変化したとき、前記領域調整部は、前記目の位置の前記上下方向の変化に対応する位置へ前記領域の位置を調整することを禁止し、前記目の位置の前記前後方向の変化に対応する位置に、前記領域の位置を調整する、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記車体は、Aピラーを含み、
前記ディスプレイは、前記Aピラーに配置されたディスプレイを含む、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記運転者が前記車両に乗車したとき、前記領域調整部は、前記目の位置の前記上下方向の変化に対応する位置へ前記領域の位置を調整することを禁止しない、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項8】
車両の内部に配置されたディスプレイに、前記車両の車体が透けて見えるように、前記車両の外部の画像を表示する表示制御装置の表示制御方法であって、
運転者の頭部の位置、及び前記運転者の目の位置を検出する検出ステップと、
前記検出ステップの検出結果に応じて、前記車両の外部の画像のうち、前記ディスプレイに表示する領域の位置を調整する調整ステップと、
前記調整ステップで調整した位置の領域に対応する画像を前記ディスプレイに表示する表示ステップと、
を含み、
前記車両の上下方向と左右方向との両方に移動するように前記頭部の位置が変化したとき、前記調整ステップでは、前記目の位置の前記上下方向の変化に対応する位置へ前記領域の位置を調整することを禁止し、前記目の位置の前記左右方向の変化に対応する位置に、前記領域の位置を調整する、
表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の外部の画像を表示する技術が開示されている。
特許文献1には、「カメラは、ディスプレイスクリーンの位置に対応して、車外に取り付けられている。(複数の)センサが、ドライバーの眼の位置をセンシングするために、車両のドライバーに向けて配向されている。ディスプレイシステム用のECUは、ドライバーの眼の位置を分析し、目線を求める。カメラからの画像が、ドライバーの目線に対応するディスプレイスクリーン上に表示される。この結果、車両はドライバーの視界を妨害するのではなく、ディスプレイシステムは、車体がそこになかったら見られるであろう画像をドライバーに提供する。」ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-534697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のディスプレイシステムでは、車体がそこになかったら見られるであろう画像をディスプレイに表示する。そこで、運転者の目の位置が上下方向に移動するとき、ディスプレイに表示する画像の領域を運転者の目の位置に対応するように上下方向に移動する。しかしながら、この場合には、ディスプレイに表示される画像に対して運転者が違和感を持つ可能性がある。
本発明は、ディスプレイに表示される画像に対して運転者が違和感を持つことを抑制可能な表示制御装置、及び表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、例えば、本実施形態の表示制御装置は、車両の内部に配置されたディスプレイに、前記車両の車体が透けて見えるように、前記車両の外部の画像を表示する表示制御装置であって、運転者の頭部の位置、及び前記運転者の目の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の検出結果に応じて、前記車両の外部の画像のうち、前記ディスプレイに表示する領域の位置を調整する領域調整部と、前記領域調整部が調整した位置の領域に対応する画像を前記ディスプレイに表示する表示制御部と、を備え、前記車両の上下方向と左右方向との両方に移動するように前記頭部の位置が変化したとき、前記領域調整部は、前記目の位置の前記上下方向の変化に対応する位置へ前記領域の位置を調整することを禁止し、前記目の位置の前記左右方向の変化に対応する位置に、前記領域の位置を調整する。
【発明の効果】
【0006】
運転者が上下方向に動く意図がないにも関わらず、実際の目の位置が上下方向に変化したとき、ディスプレイに表示される画像に対して運転者が違和感を持つことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る表示制御装置を含む車載装置の構成の一例を示す図である。
図2】本実施形態に係る車載装置の配置の一例を示す平面図である。
図3】本実施形態に係る表示制御装置の処理の具体例を示す図である。
図4】本実施形態に係る表示制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図5】従来の表示制御装置の処理の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0009】
まず、図1を参照して、本実施形態に係る表示制御装置13を含む車載装置10の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る表示制御装置13を含む車載装置10の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、車載装置10は、撮像部11、ディスプレイ12及び表示制御装置13を備える。
【0010】
撮像部11は、外部撮像カメラ111と、運転者撮像カメラ112と、を備える。
外部撮像カメラ111は、車両1の外部を撮像し、外部画像PQを生成する。外部撮像カメラ111は、生成した外部画像PQを表示制御装置13へ出力する。運転者撮像カメラ112は、運転者を撮像し、運転者画像PDを生成する。運転者撮像カメラ112は、運転者画像PDを表示制御装置13へ出力する。
これらのカメラの各々は、CCD(Charge-Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)等のイメージセンサと、イメージセンサから撮影画像を生成するデータ処理回路とを、撮影画像を表示制御装置13へ出力するデータ伝送回路と、備える。
【0011】
ディスプレイ12は、車両1の内部に配置される。ディスプレイ12は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等を備え、表示制御装置10の指示に従って、外部画像PQの一部の画像を表示する。ディスプレイ12は、外部画像PQのうち、表示制御装置10が調整した位置の領域Rに対応する画像PEを表示する。
領域Rについては、図3を参照して説明する。
【0012】
表示制御装置13は、車載装置10を構成する各部の動作を制御する。表示制御装置13は、撮像部11及びディスプレイ12の各々の動作を制御する。表示制御装置13は、ディスプレイ12に、車両1の車体20が透けて見えるように、外部画像PQの一部の領域Rの画像PEを表示する。
表示制御装置13は、撮像部11から、外部画像PQと運転者画像PDとを取得する。また、表示制御装置13は、ディスプレイ12に外部画像PQの一部の領域Rの画像PEを表示させる。
表示制御装置13については、図2を説明した後、再び図1に戻って説明する。
【0013】
次に、図2を参照して、本実施形態に係る車載装置10の配置について説明する。図2は、本実施形態に係る車載装置10の配置の一例を示す平面図である。
図2には、X軸、Y軸、及びZ軸を記載している。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。X軸は、車両1の左右方向と平行であり、Y軸は、車両1の前後方向と平行であり、Z軸は、車両1の上下方向と平行である。X軸の正方向は、車両1の右方向であり、Y軸の正方向は、車両1の前方向であり、Z軸の正方向は、車両1の上方向である。
図2に示すように、車両1は、車載装置10と、車体20とを含む。車載装置10は、車両1の車体20に搭載される。
車体20は、Aピラー21を備える。Aピラー21は、右Aピラー21Rと、左Aピラー21Lとを含む。
【0014】
外部撮像カメラ111は、右外部撮像カメラ111Rと、左外部撮像カメラ111Lとを含む。右外部撮像カメラ111Rは、例えば、右Aピラー21Rの外面に配置される。左外部撮像カメラ111Lは、例えば、左Aピラー21Lの外面に配置される。
運転者撮像カメラ112は、例えば、リアミラーの近傍に配置される。
ディスプレイ12は、右ディスプレイ12Rと、左ディスプレイ12Lとを含む。右ディスプレイ12Rは、右Aピラー21Rの内面に配置される。左ディスプレイ12Lは、左ディスプレイ12Lの内面に配置される。
表示制御装置13は、例えば、ダッシュボードに配置される。
【0015】
撮像方向V1は、右外部撮像カメラ111Rの撮像方向を示す。撮像方向V1は、例えば、運転者の目DE(不図示)の位置から右外部撮像カメラ111Rへ向かう方向と一致する。撮像範囲θ1は、右外部撮像カメラ111Rの撮像範囲を示す。
図2には、U軸、V軸、及びZ軸を記載している。U軸、V軸、及びZ軸は、右外部撮像カメラ111Rが撮像する外部画像PQにおける位置を規定する。Z軸は、車体20の上下方向と平行である。V軸は、例えば、撮像方向V1と平行であり、U軸は、Z軸及びV軸と直交する方向である。U軸の正方向は、運転者の視線の右方向であり、V軸の正方向は、運転者の視線の奥方向である。なお、V軸はドライバーの視線から大きく外れなければ撮像方向V1に限られない。例えば、V軸は、ディスプレイ12において画像が表示される面に直行する方向でもよく、ディスプレイ12において画像が表示される面の中心と運転者の目DEの位置とを結んだ直線に平行な方向でもよい。
撮像方向V2は、左外部撮像カメラ111Lの撮像方向を示す。撮像方向V2は、例えば、運転者の目DE(不図示)の位置から左外部撮像カメラ111Lへ向かう方向と一致する。撮像範囲θ2は、左外部撮像カメラ111Lの撮像範囲を示す。撮像方向V2に対応させたV軸、U軸、及びZ軸を設けてもよい。
【0016】
図2には、運転者の頭部DHが示されている。撮像方向Wは、運転者撮像カメラ112の撮像方向を示す。撮像範囲φは、運転者撮像カメラ112の撮像範囲を示す。撮像範囲φは、運転者の頭部DHを含む。
【0017】
次に、図1に戻って、本実施形態に係る表示制御装置13の構成について説明する。
表示制御装置13は、プロセッサ13Aと、メモリ13Bと、を備える。プロセッサ13Aは、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)等で構成される。メモリ13Bは、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される。また、メモリ13Bは、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のストレージ装置を備えてもよい。
表示制御装置13は、これらの装置の他に、センサ類や周辺機器等を接続するためのインターフェース回路、車載ネットワークを介して他の車載装置と通信する車載ネットワーク通信回路等を備える。表示制御装置13は、メモリ13Bが記憶する制御プログラム134を、プロセッサ13Aが実行することで各種の機能的構成を実現する。
表示制御装置13は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)で構成される。
【0018】
表示制御装置13は、例えば、集積回路により構成することができる。集積回路は、LSI、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)を含む。PLDには、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)が含まれる。また、集積回路の構成の一部にアナログ回路が含まれていてもよく、プロセッサと集積回路との組み合わせであってもよい。プロセッサと集積回路との組み合わせは、マイクロコントローラ(MCU)、SoC(System-on-a-chip)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。
【0019】
表示制御装置13は、位置検出部131、領域調整部132、及び表示制御部133を備える。具体的には、プロセッサ13Aが、メモリ13Bが記憶する制御プログラム134を実行することによって、位置検出部131、領域調整部132、及び表示制御部133、として機能する。
【0020】
位置検出部131は、運転者撮像カメラ112から運転者画像PDを取得する。また、位置検出部131は、運転者画像PDに基づき、運転者の頭部DHの位置、及び運転者の目DEの位置を検出する。位置検出部131は、例えば、運転者画像PDに画像処理を施し、運転者の頭部DHの位置、及び運転者の目DEの位置を検出する。
本実施形態では、位置検出部131は、運転者の目DEの位置として、運転者の利き目の位置を検出する場合について説明する。また、運転者の利き目として右目を設定する場合について説明する。
【0021】
領域調整部132は、外部撮像カメラ111から外部画像PQを取得する。また、領域調整部132は、位置検出部131の検出結果に応じて、外部撮像カメラ111が撮像した外部画像PQのうち、ディスプレイ12に表示する領域Rの位置を調整する。
例えば、車両1における上下方向と車両1における左右方向との両方に移動するように頭部DHの位置が変化したとき、又は、車両1における上下方向と車両1における前後方向との両方に移動するように頭部DHの位置が変化したとき、領域調整部132は、以下の処理を実行する。すなわち、領域調整部132は、目DEの位置の上下方向の変化に対応する位置への領域Rの位置の調整を禁止し、目DEの位置の左右方向及び前後方向の少なくとも一方の変化に対応する位置に、領域Rの位置を調整する。換言すれば、領域調整部132は、領域Rの位置を、上下方向には移動せず、左右方向、及び前後方向の少なくとも一方に移動する。
なお、左右方向は、図2のX軸方向に対応し、前後方向は、図2のY軸方向に対応し、上下方向は、図2のZ軸方向に対応する。
【0022】
例えば、上下方向と左右方向との両方に移動するように頭部DHの位置が変化したとき、領域調整部132は、以下の処理を実行する。すなわち、領域調整部132は、目DEの位置の上下方向の変化に対応する位置へ領域Rの位置を調整することを禁止し、目DEの位置の左右方向の変化に対応する位置に、領域Rの位置を調整する。
この場合について、図3を参照して更に説明する。
【0023】
また、例えば、上下方向と前後方向との両方に移動するように頭部DHの位置が変化したとき、領域調整部132は、以下の処理を実行する。すなわち、領域調整部132は、目DEの位置の上下方向の変化に対応する位置へ領域Rの位置を調整することを禁止し、目DEの位置の前後方向の変化に対応する位置に、領域Rの位置を調整する。
例えば、目DEの位置がY軸の正方向である前方向に移動した場合には、領域調整部132は、領域Rの位置をU軸の正方向に調整する。また、例えば、目DEの位置がY軸の負方向である後方向に移動した場合には、領域調整部132は、領域Rの位置をU軸の負方向に調整する。
例えば、運転者が、上半身を前方向に傾ける場合には、目DEの位置がY軸の正方向である前方向に移動する。また、例えば、運転者が、上半身を後方向に傾ける場合には、目DEの位置がY軸の負方向である後方向に移動する。
【0024】
表示制御部133は、領域調整部132が位置を調整した領域Rに対応する画像PEをディスプレイ12に表示する。表示制御部133は、右外部撮像カメラ111Rが撮像した外部画像PQのうち、領域Rに対応する画像PEを抽出し、抽出した画像PEを右ディスプレイ12Rに表示する。また、表示制御部133は、左外部撮像カメラ111Lが撮像した外部画像PQのうち、領域Rに対応する画像PEを抽出し、抽出した画像PEを左ディスプレイ12Lに表示する。
【0025】
次に、図3及び図5を参照して、表示制御装置の処理の具体例について説明する。
図3は、本実施形態に係る表示制御装置13の処理の具体例を示す図である。図5は、従来の表示制御装置の処理の具体例を示す図である。
従来の表示制御装置は、以下の点で本実施形態に係る表示制御装置13と相違する。すなわち、上下方向と左右方向との両方に移動するように頭部DHの位置が変化したとき、本実施形態に係る表示制御装置13の領域調整部132は、目DEの位置の上下方向の変化に対応する位置への領域Rの位置の調整を禁止する。これに対して、従来の表示制御装置は、目DEの位置の上下方向の変化に対応する位置に、領域Rの位置を調整する。
【0026】
なお、運転者の頭部DHの位置が変化したときの領域Rの位置の調整方法を分かり易く説明するために、図3及び図5では、便宜上、右外部撮像カメラ111Rによって撮像された外部画像PQが静止画像である場合について説明する。一方、本実施形態に係る表示制御装置13が現実に使用される場合には、外部画像PQは所定のフレームレートで生成される動画像である。フレームレートは、例えば、60FPSである。
【0027】
図3及び図5の各々では、右外部撮像カメラ111Rによって撮像された外部画像PQの一部を、右ディスプレイ12Rに表示する場合について説明する。図3及び図5の各々は、頭部位置表示部DHMと、領域位置表示部RPMと、画像表示部PMとを含む。頭部位置表示部DHMは、運転者画像PDに基づき検出される頭部DHの位置の変化を示す。領域位置表示部RPMは、右外部撮像カメラ111Rが撮像した外部画像PQのうち、従来の表示制御装置、又は表示制御装置13が調整した領域Rの位置を示す。画像表示部PMは、従来の表示制御装置又は表示制御装置13が右ディスプレイ12Rに表示する画像の変化を示す。
【0028】
まず、図5を参照して、従来の表示制御装置の処理の具体例について説明する。
図5の頭部位置表示部DHMに示すように、運転者の頭部DHの位置は、位置DHAから位置DHBを経由して、位置DHCに変化する。位置DHAは、運転者が頭部DHを右方向(図2におけるX軸の正方向)に傾げたときの頭部DHの位置である。位置DHBは、運転者が頭部DHを傾げないときの頭部DHの位置である。位置DHCは、運転者が頭部DHを左方向(図2におけるX軸の負方向)に傾げたときの頭部DHの位置である。
【0029】
位置DEAは、頭部DHが位置DHAであるときの運転者の利き目である右目の位置を示す。位置DEAの(X,Y,Z)座標は、(XA,Y,ZA)である。位置DEBは、頭部DHが位置DHBであるときの運転者の利き目である右目の位置を示す。位置DEBの(X,Y,Z)座標は、(XB,Y,ZB)である。位置DECは、頭部DHが位置DHBであるときの運転者の利き目である右目の位置を示す。位置DECの(X,Y,Z)座標は、(XC,Y,ZC)である。なお、Y座標の値は、変化しないか、又は、変化量が所定の閾値以下であり、無視できる変化量である。座標XA、座標XB、及び座標XCは、次の式(1)が成り立つ。
XA>XB>XC (1)
また、座標ZA、座標ZB、及び座標ZCは、次の式(2)が成り立つ。
ZB>ZC>ZA (2)
【0030】
図5の領域位置表示部RPMに示すように、頭部DHが位置DHAにあるとき、表示制御装置は、領域Rを外部画像PQの領域RAに調整する。頭部DHが位置DHBにあるとき、表示制御装置は、領域Rを外部画像PQの領域RBに調整する。頭部DHが位置DHCにあるとき、表示制御装置は、領域Rを外部画像PQの領域RCに調整する。
式(1)、及び式(2)に対応して、領域RAは、領域RBの左上の位置に配置され、領域RCは、領域RBの右上の位置に配置される。また、領域RAは、領域RCよりも上方向に配置される。領域RA、領域RB及び領域RCの各々は領域Rの一例に対応する。
運転者が頭部DHを傾けていない状態の頭部DHの位置が位置DHBのとき、領域Rは領域RBに調整されている。運転者が頭部DHを右方向(図2におけるX軸の正方向)に傾けると、領域Rは図2におけるU軸の負方向に移動し、且つZ軸の正方向へ移動するように調整される(領域RA)。また、運転者が頭部DHを左方向(図2におけるX軸の負方向)に傾けると、領域Rは図2におけるU軸の正方向に移動し、且つZ軸の正方向へ移動するように調整される(領域RC)。
【0031】
図5の画像表示部PMに示すように、頭部DHが位置DHAであるとき、表示制御装置は、領域RAの画像PAを右ディスプレイ12Rに表示する。頭部DHが位置DHBであるとき、表示制御装置は、領域RBの画像PBを右ディスプレイ12Rに表示する。頭部DHが位置DHCであるとき、表示制御装置は、領域RCの画像PCを右ディスプレイ12Rに表示する。画像PA、領域RB及び画像PCの各々は、画像PEの一例に対応する。
【0032】
このように、運転者の目DEの位置が上下方向に移動するとき、従来の表示制御装置は、右ディスプレイ12Rに表示する画像の領域Rを運転者の目DEの位置に対応するように上下方向に移動する。
しかしながら、運転者が上下方向に動く意図がないにも関わらず、実際の目DEの位置が上下方向に変化する場合がある。この場合、右ディスプレイ12Rに表示する画像の領域Rを運転者の目DEの位置に対応するように上下方向に移動することに起因して、ディスプレイ12に表示される画像PEに対して運転者が違和感を持つ場合がある。
また、目DEの位置の検出、及び右ディスプレイ12Rに表示する領域Rの画像の抽出には、処理時間を要するため、右ディスプレイ12Rに表示する画像の領域Rが上下方向に移動するタイミングを、目DEの位置が上下方向に移動するタイミングと一致させることはできない。そこで、ディスプレイ12に表示される画像PEに対して、運転者が違和感を持つ場合がある。
この課題を解消するために、本実施形態に係る表示制御装置13の領域調整部132は、目DEの位置の上下方向の変化に対応する位置への領域Rの位置の調整を禁止する。
【0033】
次に、図3を参照して、表示制御装置13の処理の具体例について説明する。図3は、表示制御装置13の処理の具体例を示す図である。
図3は、図5と同様に、頭部位置表示部DHMと、領域位置表示部RPMと、画像表示部PMとを含む。図3に示す頭部位置表示部DHMは、図5に示す頭部位置表示部DHMと同一である。
【0034】
図3の領域位置表示部RPMに示すように、頭部DHが位置DHAであるとき、領域調整部132は、領域Rを外部画像PQの領域RAに調整する。頭部DHが位置DHBであるとき、領域調整部132は、領域Rを外部画像PQの領域RBに調整する。頭部DHが位置DHCであるとき、領域調整部132は、領域Rを外部画像PQの領域RCに調整する。
図5を参照して上述した式(1)、及び式(2)に対応して、領域RAは、領域RBの左方向(図2におけるU軸の負方向)の位置に配置され、領域RCは、領域RBの右方向(図2におけるU軸の正方向)の位置に配置される。
運転者が頭部DHを傾けていない状態の頭部DHの位置が位置DHBのとき、領域Rは領域RBに調整されている。運転者が頭部DHを右方向(図2におけるX軸の正方向)に傾けると、領域Rは図2におけるU軸の負方向に移動し、且つZ軸方向の移動を禁止するように調整される(領域RA)。また、運転者が頭部DHを左方向(図2におけるX軸の負方向)に傾けると、領域Rは図2におけるU軸の正方向に移動し、且つZ軸方向の移動を禁止するように調整される(領域RC)。
【0035】
図3の画像表示部PMに示すように、頭部DHが位置DHAにあるとき、表示制御部133は、領域RAの画像PAを右ディスプレイ12Rに表示する。頭部DHが位置DHBにあるとき、表示制御部133は、領域RBの画像PBを右ディスプレイ12Rに表示する。頭部DHが位置DHCにあるとき、表示制御部133は、領域RCの画像PCを右ディスプレイ12Rに表示する。
【0036】
このように、上下方向及び左右方向に移動するように頭部DHの位置が変化したとき、表示制御装置13の領域調整部132は、以下の処理を実行する。すなわち、領域調整部132は、目DEの位置の上下方向の変化に対応する位置へ領域Rの位置を調整することを禁止し、目DEの位置の左右方向の変化に対応する位置に、領域Rの位置を調整する。したがって、ディスプレイ12に表示される画像PEに対して運転者が違和感を持つことを抑制できる。更に、上下方向の変化に対応する位置へ領域Rの位置を調整することを禁止するため、処理時間を短縮できる。
【0037】
次に、図4を参照して、本実施形態に係る表示制御装置13の処理の一例について説明する。図4は、本実施形態に係る表示制御装置13の処理の一例を示すフローチャートである。なお、図4では、運転者の利き目が右目か左目に予め設定されている場合について説明する。
図4に示すように、まず、ステップS101において、位置検出部131は、運転者撮像カメラ112から運転者画像PDを取得する。
次に、ステップS103において、位置検出部131は、運転者画像PDに基づき、運転者の頭部DHの位置を検出する。
次に、ステップS105におおいて、位置検出部131は、運転者画像PDに基づき、運転者の利き目DEの位置を検出する。
【0038】
次に、ステップS107において、領域調整部132は、外部撮像カメラ111から外部画像PQを取得する。
次に、ステップS109において、領域調整部132は、位置検出部131が検出した運転者の頭部DHの位置が上下方向に変化したか否かを判定する。
頭部DHの位置が上下方向に変化していないと領域調整部132が判定した場合(ステップS109;NO)には、処理がステップS113へ進む。頭部DHの位置が上下方向に変化していると領域調整部132が判定した場合(ステップS109;YES)には、処理がステップS111へ進む。
そして、ステップS111において、領域調整部132は、運転者の利き目の上下方向の位置の変化に応じた領域Rの位置の調整を禁止する。
次に、ステップS113において、領域調整部132は、運転者の利き目の上下方向以外(すなわち、左右方向、及び前後方向)の位置の変化に応じて、領域Rの位置を調整する。
【0039】
次に、ステップS115において、表示制御部133は、外部撮像カメラ111が撮像した外部画像PQのうち、領域調整部132が調整した位置の領域Rに対応する画像PEを抽出する。
次に、ステップS117において、表示制御部133は、ステップS115で抽出した画像PEをディスプレイ12に表示する。
次に、ステップS119において、表示制御装置13は、表示処理を終了するか否かを判定する。「表示処理」とは、ディスプレイ12に画像PEを表示する処理、すなわち、図4のステップS101~ステップS117で構成される処理である。表示制御装置13は、例えば、運転者からの操作を受け付けて、受け付けた操作に応じて、表示処理を終了するか否かを判定する。
表示処理を終了しないと判定した場合(ステップS119;NO)には、処理がステップS101に戻る。表示処理を終了すると判定した場合(ステップS119;YES)には、その後、処理が終了する。
【0040】
ステップS103、及びステップS105は、「検出ステップ」の一例に対応する。ステップS113は、「調整ステップ」の一例に対応する。ステップS117は、「表示ステップ」の一例に対応する。
なお、運転者が車両に乗車して初めて運転席に座ったとき、図4に記載の処理は実行されない。具体的には、運転者が車両に乗車して運転席に座り、領域調整部132が運転者撮像カメラ112によって撮影された運転者の体格や目の高さに合わせて領域Rの基準位置を設定するとき、図4に記載の処理は実行されない。したがって、本発明は運転者の体格に合わせて領域Rの基準位置を設定することを妨げるものではない。
【0041】
以上、図1図5を参照して説明したように、本実施形態の表示制御装置13は、車両1の内部に配置されたディスプレイ12に、車両1の車体20が透けて見えるように、車両1の外部の画像である外部画像PQを表示する表示制御装置13であって、運転者の頭部DHの位置、及び運転者の目DEの位置を検出する位置検出部131と、位置検出部131の検出結果に応じて、外部画像PQのうち、ディスプレイ12に表示する領域Rの位置を調整する領域調整部132と、領域調整部132が調整した位置の領域Rに対応する画像PEをディスプレイ12に表示する表示制御部133と、を備え、車両1の上下方向と左右方向とに移動するように頭部DHの位置が変化したとき、領域調整部132は、目DEの位置の上下方向の変化に対応する位置へ領域Rの位置を調整することを禁止し、目DEの位置の左右方向の変化に対応する位置に、領域Rの位置を調整する。
【0042】
車両1の上下方向と左右方向及び車両1との両方に移動するように頭部DHの位置が変化したとき、領域調整部132は、以下の処理を実行する。すなわち、領域調整部132は、目DEの位置の上下方向の変化に対応する位置へ領域Rの位置を調整することを禁止し、目DEの位置の左右方向の変化に対応する位置に、領域Rの位置を調整する。換言すれば、領域調整部132は、領域Rの位置を、上下方向には移動せず、左右方向に移動する。
したがって、領域Rの位置が上下方向に動くことに起因して、ディスプレイ12に表示される画像PEに対して運転者が違和感を持つことを抑制できる。
【0043】
また、表示制御装置13において、車両1の上下方向と前後方向との両方に移動するように頭部DHの位置が変化したとき、領域調整部132は、目DEの位置の上下方向の変化に対応する位置へ領域Rの位置を調整することを禁止し、目DEの位置の前後方向の変化に対応する位置に、領域Rの位置を調整する。
したがって、領域Rの位置が上下方向に動くことに起因して、ディスプレイ12に表示される画像PEに対して運転者が違和感を持つことを抑制できる。
【0044】
また、表示制御装置13において、位置検出部131は、運転者の目DEの位置として、運転者の利き目の位置を検出する。
よって、領域調整部132は、利き目の位置の左右方向及び前後方向の少なくとも一方の変化に対応する位置に、領域Rの位置を調整する。したがって、領域Rの位置を適正に調整できる。その結果、ディスプレイ12に適正が画像PEを表示できる。
【0045】
また、表示制御装置13において、車両1の上下方向及び車両1の左右方向に移動するように頭部DHの位置が変化したとき、領域調整部132は、目DEの位置の上下方向の変化に対応する位置へ領域Rの位置を調整することを禁止し、目DEの位置の左右方向の変化に対応する位置に、領域Rの位置を調整する。
すなわち、車両1の上下方向及び車両1の左右方向に移動するように頭部DHの位置が変化したとき、領域調整部132は、目DEの位置の上下方向の変化に対応する位置へ領域Rの位置を調整することを禁止する。したがって、車両1の上下方向及び車両1の左右方向に移動するように頭部DHの位置が変化したとき、領域Rの位置が上下方向に動くことに起因して、ディスプレイ12に表示される画像PEに対して運転者が違和感を持つことを抑制できる。
【0046】
また、表示制御装置13において、車両1の上下方向及び車両1の前後方向に移動するように頭部DHの位置が変化したとき、領域調整部132は、目DEの位置の上下方向の変化に対応する位置へ領域Rの位置を調整することを禁止し、目DEの位置の前後方向の変化に対応する位置に、領域Rの位置を調整する。
すなわち、車両1の上下方向及び車両1の前後方向に移動するように頭部DHの位置が変化したとき、領域調整部132は、目DEの位置の上下方向の変化に対応する位置へ領域Rの位置を調整することを禁止する。したがって、車両1の上下方向及び車両1の前後方向に移動するように頭部DHの位置が変化したとき、領域Rの位置が上下方向に動くことに起因して、ディスプレイ12に表示される画像PEに対して運転者が違和感を持つことを抑制できる。
【0047】
また、表示制御装置13において、車体20は、Aピラー21を含み、ディスプレイ12は、Aピラー21に配置された右ディスプレイ12R、及び左ディスプレイ12Lを含む。
よって、Aピラー21に右ディスプレイ12R、及び左ディスプレイ12Lが配置されるため、Aピラー21が透けて見えるように画像PEを表示できる。したがって、Aピラー21が運転者の視界を遮ることを抑制できる。
【0048】
また、表示制御装置13において、運転者が車両1に乗車したとき、領域調整部132は、目DEの位置の上下方向の変化に対応する位置へ前領域Rの位置を調整することを禁止しない。
よって、運転者が車両1に乗車したとき、領域調整部132は、目DEの位置の上下方向の変化に対応する位置へ領域Rの位置を調整する。したがって、運転者が車両1に乗車したとき、領域Rの位置を適正に調整できる。
【0049】
また、本実施形態の表示制御方法は、車両1の内部に配置されたディスプレイ12に、車両1の車体20が透けて見えるように、車両1の外部の画像である外部画像PQを表示する表示制御装置10の表示制御方法であって、運転者の頭部DHの位置、及び運転者の目DEの位置を検出する検出ステップと、前記検出ステップの検出結果に応じて、外部画像PQのうち、ディスプレイ12に表示する領域Rの位置を調整する調整ステップと、前記調整ステップで調整した位置の領域Rに対応する画像PEをディスプレイ12に表示する表示ステップと、を含み、車両1の上下方向と左右方向との両方に移動するように頭部DHの位置が変化したとき、前記調整ステップでは、目DEの位置の上下方向の変化に対応する位置へ領域Rの位置を調整することを禁止し、目DEの位置の左右方向の変化に対応する位置に、領域Rの位置を調整する。
したがって、本実施形態の表示支援方法は、本実施形態の表示制御装置13と同様の効果を奏する。
【0050】
上述した本実施形態は、あくまでも本発明の一実施形態を例示したものであって、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、図1は、本発明の理解を容易にするために、構成要素を主な処理内容に応じて分類して示した図であり、構成要素は、処理内容に応じて、更に多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素が更に多くの処理を実行するように分類することもできる。
また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
【0051】
また、図1において、表示制御装置13が、撮像部11及びディスプレイ12の少なくとも一方を一体に備えてもよい。
【0052】
また、本実施形態では、位置検出部131、領域調整部132、及び表示制御部133を備えるが、これに限定されない。表示制御装置13とインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続されたサーバ装置が、位置検出部131、領域調整部132、及び表示制御部133の少なくとも1つを備えてもよい。
【0053】
また、本実施形態では、位置検出部131が目DEの位置として、運転者の利き目の位置を検出する場合について説明したが、これに限定されない。位置検出部131が、目DEの位置として、例えば、両目の中心位置を検出してもよい。
【0054】
また、本実施形態では、ディスプレイ12が、Aピラー21に配置される場合について説明したが、これに限定されない。ディスプレイ12が、運転者の視界を遮る車体20の位置に配置されればよい。例えば、ディスプレイ12が、Bピラー等に配置されてもよい。
また、本実施形態では、外部撮像カメラ111が、Aピラー21に配置される場合について説明したが、これに限定されない。外部撮像カメラ111は、外部画像PQを撮像可能な位置に配置されればよい。
【0055】
また、本実施形態では、位置検出部131が頭の位置DH及び目DEの位置の変化を検出するとき、車両1における前後方向であるY軸と、車両1における左右方向であるY軸とを基準としたが、X軸をU軸に、Y軸をV軸に置き換えて、頭の位置DH、及び目DEの位置の変化を検出してもよい。
【0056】
また、本発明の表示制御方法を、コンピュータを用いて実現する場合には、このコンピュータが実行する制御プログラム134を記録媒体、又はこの制御プログラム134を伝送する伝送媒体の態様で構成することも可能である。
記録媒体には、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu-ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、上記記録媒体は、表示制御装置13が備えるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。
また、制御プログラム134を、表示制御装置13とネットワークを介して通信可能に接続されたサーバ装置から表示制御装置13がダウンロードしてもよい。
【0057】
また、例えば、図4に示すフローチャートの処理単位は、表示制御装置13の処理の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。表示制御装置13の処理は、処理内容に応じて、更に多くの処理単位に分割してもよい。また、表示制御装置13の処理は、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 車両
11 撮像部
111 外部撮像カメラ
112 運転者撮像カメラ
12 ディスプレイ
13 表示制御装置
13A プロセッサ
13B メモリ
131 位置検出部
132 領域調整部
133 表示制御部
134 制御プログラム
DH 頭部
DE 目
PE 画像
PD 運転者画像
PQ 外部画像
R 領域
図1
図2
図3
図4
図5