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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109283
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】歯ブラシスタンド
(51)【国際特許分類】
   A47K 1/09 20060101AFI20230801BHJP
   A46B 17/00 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
A47K1/09 C
A46B17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010713
(22)【出願日】2022-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】506204047
【氏名又は名称】プラスワン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】青木 尊利
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA06
3B202AB20
3B202GB02
(57)【要約】
【課題】シンプルな構造で複数の歯ブラシの各ブラシ部が接触しない構造を有する歯ブラシスタンドを提供する。
【解決手段】第1の歯ブラシスタンドにおいて、収納部は歯ブラシを立てて収納する有底筒状の収納部を有する。仕切り部は収納部の開口を2つ以上の区画に仕切る。歯ブラシスタンドの収納部の底は逆錐台状である。第2の歯ブラシスタンドにおいて、収納部は歯ブラシを立てて収納する有底筒状の収納部を有する。仕切り部は収納部の開口を2つ以上の区画に仕切る。歯ブラシスタンドの収納部の底は逆錐体状である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯ブラシを立てて収納する有底筒状の収納部と、
前記収納部の開口を2つ以上の区画に仕切る仕切り部と、
を備え、
前記収納部の底が逆錐台状であることを特徴とする歯ブラシスタンド。
【請求項2】
歯ブラシを立てて収納する有底筒状の収納部と、
前記収納部の開口を2つ以上の区画に仕切る仕切り部と、
を備え、
前記収納部の底が逆錐体状であることを特徴とする歯ブラシスタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は歯ブラシを立てかけて収納するスタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
家族など複数人での共同生活において、それぞれが使用する複数の歯ブラシを一箇所に収納することが一般的であり、その際、歯ブラシを立てかけて収納する歯ブラシスタンドが用いられている。
【0003】
使用後の歯ブラシは水分を含んだままにして放置されることが多い。歯ブラシのブラシ部は雑菌が繁殖しやすく、それらの雑菌は口臭や歯周病を引き起こす要因となる。また、新型コロナウイルス感染症に関して、歯磨き時の飛沫によって感染が発生したケースが存在したように、ブラシ部には各種ウィルスも繁殖し感染症の拡大を引き起こす可能性がある。複数の歯ブラシを一箇所に収納する場合、ブラシ部が接触し、雑菌やウィルスが伝わるおそれがある。複数の濡れたブラシが密集すると、湿度は高まり乾燥が妨げられ、雑菌やウィルスが繁殖しやすくなる。
【0004】
これら衛生面の問題に対して、各歯ブラシのブラシ部が接触しないようにすることを目的とした従来技術が特許文献1および2に開示されている。
【特許文献1】特開2009-233009号公報
【特許文献2】特開平11-332653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は特許文献1および2の技術の実現にあたり、以下の課題を認識した。歯ブラシを挿入する部分が狭いと立てかけにくく、ストレスを感じる。個別の挿入口を設けるには製造上のコストが大きくなり、デザインの制約にもなる。よって、よりシンプルな構造で複数の歯ブラシの各ブラシ部が接触しない構造を有する歯ブラシスタンドが望まれる。
【0006】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、シンプルな構造で複数の歯ブラシの各ブラシ部が接触しない構造を有する歯ブラシスタンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の歯ブラシスタンドは、歯ブラシを立てて収納する有底筒状の収納部と、前記収納部の開口を2つ以上の区画に仕切る仕切り部とを備え、前記収納部の底は逆錐台状であることを特徴としている。
【0008】
本発明の第2の歯ブラシスタンドは、歯ブラシを立てて収納する有底筒状の収納部と、前記収納部の開口を2つ以上の区画に仕切る仕切り部とを備え、前記収納部の底は逆錐体状であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、前述の目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る歯ブラシスタンドの斜視図である。
図2】第1実施形態に係る歯ブラシスタンドの平面図である。
図3】第1実施形態に係る歯ブラシスタンドの、図2のA-A線における断面図である。
図4】第1実施形態に係る歯ブラシスタンドの脚部の斜視図である。
図5】変形例1に係る歯ブラシスタンドを示し、(a)はその平面図、(b)は(a)のA-A線におけるその断面図である。
図6】変形例2に係る歯ブラシスタンドを示し、(a)はその平面図、(b)は(a)のA-A線におけるその断面図である。
図7】変形例3に係る歯ブラシスタンドを示し、(a)はその平面図、(b)は(a)のA-A線におけるその断面図である。
図8】変形例4に係る歯ブラシスタンドを示し、(a)はその平面図、(b)は(a)のA-A線におけるその断面図である。
図9】変形例5に係る歯ブラシスタンドを示し、(a)はその平面図、(b)は(a)のA-A線におけるその断面図である。
図10】第2実施形態に係る歯ブラシスタンドを示し、(a)はその平面図、(b)は(a)のA-A線におけるその断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、本発明を添付図面に示す第1実施形態に基づいて説明する。
【0012】
図1は第1実施形態に係る歯ブラシスタンドの斜視図である。図2は本発明の第1実施形態に係る歯ブラシスタンドの平面図である。図3は本発明の第1実施形態に係る歯ブラシスタンドの図2のA-A線における断面図である。
【0013】
収納部2は、図1ないし図3に示すように、胴部20と脚部22を有する。胴部20は上部と下部が開口した断面正方形状の四角筒状に形成される。脚部22は胴部20と同形の断面を有した四角筒状の外周面34と、4つの底傾斜面26と1つの底面28とを有する逆四角錐台状の上面により形成される。脚部22は外周面34と上面が一体に形成される。胴部20の下端と脚部22の上端が嵌合され、有底四角筒状の収納部2が形成される。胴部20と脚部22は取り外しが可能とする。第1実施形態では四角筒状の四隅は隅丸に形成されているが角張らせてもよい。
【0014】
実験により使い勝手の良さを試したところ、胴部20の高さ、奥行きおよび幅はいずれも50mm~60mmが望ましい。以下に述べる数値範囲についても実験により使い勝手の良さが確かめられている範囲である。
【0015】
仕切り部4は収納部2の開口部36を4つの区画30に仕切る。区画30は収納部2の少なくとも1つの隅部24が含まれる。仕切り部4は少なくとも開口部36を仕切ることができればよいが、胴部20の下端の近くまで至る方が望ましい。各区画の断面面積は均等が望ましいがそれに限らない。第1実施形態では4つの区画に仕切っているが、2隅を含む2区画に仕切ってもよいし、2隅を含む区画1つと他の2区画で3区画に仕切ってもよい。
【0016】
図4は第1実施形態に係る歯ブラシスタンド100の脚部22の斜視図である。脚部22の上面は逆四角錐台状に形成され、収納部2の内底面となる。脚部22の上面は底面28、底傾斜面26から形成され、4つの底傾斜面隅部32が形成される。底傾斜面26の傾斜角度は30度~60度が望ましい。底面28は矩形に形成される。底面28の幅と奥行きの長さはそれぞれ脚部22の幅と奥行きの長さの1/3程度が望ましい。底傾斜面26は滑りやすくし、底面28は滑りにくい表面加工を行ってもよい。底面28に粘着シートを貼り付けるなど別の部材を設けて滑りにくくしてもよい。脚部22は胴部20よりも重い材料を用いてもよいし、脚部22のいずれかの場所に重しを設けてもよい。
【0017】
第1実施形態では胴部および仕切り部は汎用ポリスチレンを材料とし、それぞれ射出成形にて作られる。脚部はポリプロピレンを材料とし、射出成形にて作られる。各部材を形成する材料はこれらに限られず、防水性を有する材料であればよい。第1実施形態では各部材を分けて作り組み立てるものとしたが、全ての部材もしくは一部の複数の部材を一体に成形してもよい。
【0018】
以上の構成により歯ブラシスタンド10は以下のように使用される。
図1は歯ブラシ100が収納された状態を示す。歯ブラシ100を歯ブラシ100の柄部104の末端から区画30に挿入する。末端が底傾斜面26に到達すると傾斜面に沿って底面28に滑り落ちる。末端が底面28に滑り落ちる勢いで、柄部104の、胴部20の上縁部と接する部分は、上縁部に沿って隅部24に達し、隅部24に接する状態で静止する。歯ブラシ100は傾いた状態となり、ブラシ部102は自己の重みで刷掃面106が外方向に向いた状態になり、歯ブラシ100は安定する。
【0019】
以上、第1実施形態によれば、歯ブラシ100は自動的にブラシ部102の刷掃面106が外方向に向いた状態で安定するため、各歯ブラシ100のブラシ部102が接触することなく、衛生的に収納することができる。各ブラシ部102の位置も可能な限り遠い位置になり、乾きやすくなる。
【0020】
一般的な大人用の歯ブラシの全長が150mm~190mmとすると、上述した望ましい形状、胴部20の高さ、奥行きおよび幅は50mm~60mm、底傾斜面26の傾斜角度は30度~60度で、歯ブラシ100の柄部104の先端から1/3~1/2の部分が収納部2に収まり、残りの部分が突出する。突出する部分が多いため取り出しやすい。コンパクトで場所をとらず、歯ブラシ100の重みで倒れることもない。脚部22を胴部20に比べ重くした場合、さらに安定する。これらの形状はこの効果を奏するための最適な値である。
胴部20と脚部22は取外しが可能なので、取り外して容易に洗浄が可能である。
【0021】
以上、前提技術の第1実施形態を説明した。第1実施形態は例示であり、さまざまな変形例が可能であり、そうした変形例も前提技術に含まれることは当業者に理解されるところである。
【0022】
(変形例1)
第1実施形態の変形例1を、図5を用いて具体的に説明する。図5は変形例1に係る歯ブラシスタンドを示し、(a)はその平面図、(b)は(a)のA-A線におけるその断面図である。前述の第1実施形態と同等の構成には同じ符号を与え適宜説明を略す。以下の実施例においても同様とする。
【0023】
胴部20は上部と下部が開口した断面長方形状の四角筒状に形成される。仕切り部4は収納部2の開口部36を2つの区画30に仕切る。各区画30には収納部2の2つの隅部24aと隅部24bとが含まれる。脚部22の上面は、1方が垂直面でその他の3方が傾斜面で四角形の底面を有する四角錐台状に形成され、収納部2の内底面となる。脚部22の上面は底面28、底傾斜面26から形成され、2つの底傾斜面隅部32が形成される。
歯ブラシ100を柄部104の末端から区画30に挿入すると、上記第1実施形態と同様に末端は底面28に滑り落ちる。柄部104の胴部20の上縁部に接する部分は、上縁部に沿って隅部24aに達し、隅部24aに接する状態で静止する。
使用時において、歯ブラシスタンド10の背面を壁面側に置くと、歯ブラシ100は使用者が取り出す側に向き、使用者は歯ブラシ100が取りやすい。本変形例は、2本の歯ブラシを使用するのに有用である。
【0024】
(変形例2)
第1実施形態の変形例2を、図6を用いて具体的に説明する。図6は変形例2に係る歯ブラシスタンドを示し、(a)はその平面図、(b)は(a)のA-A線におけるその断面図である。
【0025】
胴部20は上部と下部が開口した断面三角形状の三角筒状に形成される。仕切り部4は収納部2の開口部36を3つの区画30に仕切る。各区画30は収納部2の1つの隅部24が含まれる。脚部22の上面は逆三角錐台状に形成され、収納部2の内底面となる。脚部22の上面は底面28、底傾斜面26から形成され、3つの底傾斜面隅部32が形成される。本変形例は、3本の歯ブラシを使用するのに有用である。
【0026】
(変形例3)
第1実施形態の変形例3を、図7を用いて具体的に説明する。図7は変形例3に係る歯ブラシスタンドを示し、(a)はその平面図、(b)は(a)のA-A線におけるその断面図である。
【0027】
胴部20は上部と下部が開口した断面五角形状の五角筒状に形成される。仕切り部4は収納部2の開口部36を5つの区画30に仕切る。各区画30は収納部2の1つの隅部24が含まれる。脚部22の上面は逆五角錐台状に形成され、収納部2の内底面となる。脚部22の上面は底面28、底傾斜面26から形成され、5つの底傾斜面隅部32が形成される。本変形例は、5本の歯ブラシを使用するのに有用である。
【0028】
(変形例4)
第1実施形態の変形例4を、図8を用いて具体的に説明する。図8は変形例4に係る歯ブラシスタンドを示し、(a)はその平面図、(b)は(a)のA-A線におけるその断面図である。
【0029】
胴部20は上部と下部が開口した断面六角形状の六角筒状に形成される。仕切り部4は収納部2の開口部36を6つの区画30に仕切る。各区画30は収納部2の1つの隅部24が含まれる。脚部22の上面は逆六角錐台状に形成され、収納部2の内底面となる。脚部22の上面は底面28、底傾斜面26から形成され、6つの底傾斜面隅部32が形成される。本変形例は、6本の歯ブラシを使用するのに有用である。
【0030】
(変形例5)
第1実施形態の変形例5を、図9を用いて具体的に説明する。図9は変形例5に係る歯ブラシスタンドを示し、(a)はその平面図、(b)は(a)のA-A線におけるその断面図である。
【0031】
胴部20は上部と下部が開口した断面環状の円筒状に形成される。仕切り部4は収納部2の開口部36を4つの区画30に仕切る。脚部22の上面は逆円錐台状に形成され、収納部2の内底面となる。脚部22の上面は底面28、底傾斜面26から形成される。仕切り部4を変形し、区画30の数を増減してもよい。
本変形例は、区画30の数を増減することにより使用する歯ブラシの本数に制限を与えない。
【0032】
(第2実施形態)
第2実施形態を、図10を用いて具体的に説明する。第2実施形態に係る歯ブラシスタンドを示し、(a)はその平面図、(b)は(a)のA-A線におけるその断面図である。
【0033】
胴部20は上部と下部が開口した断面四角形状の四角筒状に形成される。仕切り部4は収納部2の開口部36を4つの区画30に仕切る。各区画30は収納部2の1つの隅部24が含まれる。脚部22の上面は逆四角錐状に形成され、収納部2の内底面となる。脚部22の上面は4つの底傾斜面26から形成され、4つの底傾斜面隅部32が形成される。
第2実施形態は、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0034】
第2実施形態は例示であり、さまざまな変形例が可能であり、そうした変形例も前提技術に含まれることは当業者に理解されるところである。
胴部20を三角柱状、五角柱状、六角柱状などの角柱状、もしくは円柱状とし、それら胴部20の形状に合わせて脚部22の上面を逆三角錐状、逆五角錐状、逆六角錐状、逆円錐状としてもよい。
任意の数と大きさの区画30に分けるように、仕切り部4を設けてもよい。
【0035】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせもまた、本発明の態様として有効である。
【符号の説明】
【0036】
2 収納部、 4 仕切り部、 10 歯ブラシスタンド、 20 胴部、 22 脚部、 24 隅部、 26 底傾斜面、 28 底面、 32 底傾斜面隅部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10