特開 2023-109311 ラック

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023109311

(43)【公開日】2023-08-08

(54)【発明の名称】ラック

(51)【国際特許分類】

   B62B 5/04 20060101AFI20230801BHJP

【ＦＩ】

B62B5/04 A

【審査請求】未請求

【請求項の数】4

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022010751

(22)【出願日】2022-01-27

【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り

(71)【出願人】

【識別番号】591225291

【氏名又は名称】双福鋼器株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100077791

【弁理士】

【氏名又は名称】中野 収二

(72)【発明者】

【氏名】丸山 博文

(72)【発明者】

【氏名】樋口 隆之

【テーマコード（参考）】

3D050

【Ｆターム（参考）】

3D050AA01

3D050BB02

3D050DD03

3D050EE08

3D050EE15

3D050HH01

3D050JJ03

3D050JJ07

(57)【要約】

【課題】ラックをラック格納スペースに格納したり、ラック格納スペースから引き出したりする際にキャスターが旋回動作することを阻止できるようにする。
【解決手段】ラック格納スペース(3)に格納可能であると共に、ラック格納スペース(3)から引き出すことが可能な移動式のラック(２)は、基台(10)の後方側に設けられるキャスター(16)を、鉛直方向の旋回軸(L1)周りに旋回可能な旋回車輪(25)としており、旋回車輪(25)の上部にラック(2)の移動方向の後方側に向けて突出する舌片(26)が設けられる。このラック(2)は、基台(2)の後端部に設けられ、水平な回動軸(35)周りに回動可能であり、ラック(2)が前方方向に移動するときに舌片(26)に係合して旋回車輪(25)の旋回を阻止することが可能なロック手段(30)と、ロック手段(30)を回動軸(35)周りに回動させてロック手段(30)が舌片(26)に係合し得ないロック解除位置に持ち上げる操作ロッド(32)とを備える。
【選択図】図６

【特許請求の範囲】

【請求項1】

基台から立設する複数の支柱によって支持される荷受け棚に物品を積載可能であり、前記基台の下面に複数のキャスターが設けられ、床面上において互いに平行な一対のレール部材によって区画されたラック格納スペースに格納可能であると共に、前記ラック格納スペースから引き出すことが可能な移動式のラックであって、
前記ラック格納スペースに格納されるときには、前記ラックの前方側が前記ラック格納スペースの奥側に位置すると共に、前記ラックの後方側が前記ラック格納スペースの手前側に位置し、
前記ラックの後方側には、前記ラックを前記ラック格納スペースへ格納する際の押し込み操作、及び、前記ラックを前記ラック格納スペースから引き出す際の引き込み操作を行うためのハンドルが設けられ、
前記複数のキャスターのうちの前方側に設けられるキャスターは、鉛直方向の軸周りに旋回不可能な非旋回車輪を備え、
前記複数のキャスターのうちの後方側に設けられるキャスターは、鉛直方向の旋回軸周りに旋回可能な旋回車輪を備え、前記ラックが移動するとき前記旋回車輪が前記旋回軸の後方位置となるように前記旋回車輪を旋回させるように構成されると共に、前記旋回車輪の上部には前記旋回車輪と共に旋回し、前記ラックの移動方向の後方側に向けて突出する舌片が設けられ、
前記基台の後端部に設けられ、水平な回動軸周りに回動可能であり、前記ラックが前記ラックの前方方向に移動するときに前記基台の後端から突出する前記舌片に係合して前記旋回車輪の旋回を阻止することが可能なロック手段と、
前記ロック手段を前記回動軸周りに回動させて前記ロック手段が前記舌片に係合し得ないロック解除位置に持ち上げる操作ロッドと、を備えることを特徴とするラック。

【請求項2】

前記ロック手段は、一対の側壁部を有し、前記一対の側壁部の間に前記舌片を嵌め込んで前記舌片の両側部に係合することにより前記旋回車輪の旋回を阻止するように構成され、
前記舌片の先端部は、上方に向かって傾斜し、且つ、両側部の幅が先端に向かって漸次狭く形成されることによりテーパーを設けており、
前記ラックの移動方向が前記ラックの前方方向とは異なる方向から前記ラックの前方方向へと変わるとき、
前記舌片は、前記旋回車輪の旋回動作によって前記ロック手段を前記回動軸周りに回動させて持ち上げた後、前記一対の側壁部の間に嵌まり込むように構成されることを特徴とする請求項１に記載のラック。

【請求項3】

前記操作ロッドは、係合部材の近傍に位置するラックの支柱に沿って上下方向に延び、該操作ロッドの下端部を係合部材に枢結されると共に、上端部から側方に突設された操作部を前記支柱に設けた保持部材に保持されており、
前記保持部材は、前記操作部を上下移動自在に案内する縦スロット部と、該縦スロット部の上端から横向きに延びる鉤形部を備えたガイド孔を設け、前記操作部を鉤形部に挿通させることにより係合部材を上向きに回動し、前記操作部を縦スロット部に挿通させることにより係合部材を自重で下向きに回動させるように構成したことを特徴とする請求項２に記載のラック。

【請求項4】

前記基台の後端部には、前記基台を持ち上げて前記旋回車輪を床面から浮かすリフト手段が設けられ、
前記リフト手段は、前記旋回車輪を床面から浮かすことによって前記旋回車輪を前記旋回軸周りに旋回させ、前記旋回車輪を前記旋回軸よりも前記ラックの前方側に位置する状態とすることを特徴とする請求項１、２又は３に記載のラック。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、キャスターを備え、手動操作で移動する移動式のラックに関する。

【背景技術】

【0002】

倉庫などにおける物品の保管形態として、キャスターを備えた移動式のラックに物品を積載した状態で保管することが行われている。物品を積載したラックは、床面上のラック格納スペースに格納されており、物品を取り出すときには、ラック格納スペースからラックが引き出され、必要な物品が取り出される。

【0003】

図１１は、そのような保管形態で使用される移動式のラック１０２を示す図である。図１１（Ａ）に示すように、物品を積載可能なラック１０２は、床面に設置された一対のレール部材１０５の間のラック格納スペース１０３に対して進退移動可能である。そして物品を保管しておく際には、図１１（Ｂ）に示すように、ラック１０２がラック格納スペース１０３に格納される。図１１（Ｂ）では１つのラック１０２だけを示しているが、通常は複数のラック格納スペース１０３が横方向に並設され、複数のラック１０２を隣接させた状態で格納されている。

【0004】

ラック１０２は、基台１１０の下面側にキャスター１１５，１１６を備えている。ラック１０２の前方側に配置されるキャスター１１５は、鉛直方向の軸周りに回動不可能な非旋回車輪を備えている。また、ラック１０２の後方側に配置されるキャスター１１６は、鉛直方向の旋回軸周りに回動可能な旋回車輪を備えており、ラック１０２が移動するときには旋回軸の後方位置となるように旋回車輪をＲ方向に旋回させる。旋回車輪の旋回により、ラック１０２は、移動方向を左右に振り向けることができる。また、ラック１０２は、後方側に、ラック１０２の押し込み操作又は引き込み操作を行うためハンドル１１７を有している。作業者は、ラック１０２の後方側に設けられたハンドル１１７を掴んで押し込み操作又は引き込み操作を行い、ラック１０２を移動させる。

【0005】

上記のようなラック１０２は、後方側のキャスター１１６が旋回車輪を備えているため、ラック格納スペース１０３に格納する際には、図１１（Ａ）において矢印Ｆ１で示すようにラック１０２が蛇行しやすい。そのため、キャスター１１５，１１６がレール部材１０５に衝突して破損したり、或いは、ラック１０２が隣接する別のラックに衝突して破損したりする可能性がある。

【0006】

また、ラック１０２が図１１（Ｂ）に示すようにラック格納スペース１０３に格納されたとき、キャスター１１６の旋回車輪は、旋回軸よりもラック１０２の後方側に位置している。その状態で、ラック１０２をラック格納スペース１０３から引き出そうとすると、キャスター１１６の旋回車輪が旋回するため、ラック１０２は、矢印Ｆ２で示すように蛇行しながら移動する。このときも、キャスター１１５，１１６がレール部材１０５に衝突して破損したり、或いは、ラック１０２が隣接する別のラックに衝突して破損したりする可能性がある。

【0007】

ラック１０２をラック格納スペース１０３に格納したり、ラック格納スペース１０３から引き出したりするときの衝突を回避するためには、キャスター１１６の旋回を阻止し、ラック１０２が前後方向にのみ直進するような機構を設ける必要がある。

【0008】

従来、旋回可能な車輪の旋回を阻止するため、例えば特許文献１のような手法が提案されている。この手法は、台車の支柱の下端に装着された旋回キャスターを一旦取り外し、支柱に回り止め部材を取り付けてからキャスターを再装着する手法である。回り止め部材は、キャスターの車輪支持部に外接するように取り付けられるため、キャスターの旋回を阻止することが可能となっている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0009】

【特許文献1】特開２０１２－３５７７４号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0010】

しかしながら、特許文献１の手法は、旋回車輪の旋回を阻止する際には、キャスターを台車から一旦取り外す必要がある。そのため、上述したラック１０２を、ラック格納スペース１０３に格納したり、ラック格納スペース１０３から引き出したりする際にキャスター１１６の旋回を阻止し、ラック１０２をラック格納スペース１０３から引き出した後に任意の方向へ移動させるためにキャスター１１６を旋回可能とすることが必要なケースでは、上記のような従来の手法は採用することができない。

【0011】

そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ラックをラック格納スペースに格納したり、ラック格納スペースから引き出したりする際に簡単にキャスターの旋回を阻止することができ、キャスターがレール部材に衝突したり、或いは、ラックが隣接する別のラックに衝突したりすることを未然に防止できるようにしたラックを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0012】

上記目的を達成するため、本発明が解決手段として採用したところは、基台(10)から立設する複数の支柱(11)によって支持される荷受け棚(13)に物品を積載可能であり、前記基台(10)の下面に複数のキャスター(15,16)が設けられ、床面上において互いに平行な一対のレール部材(5)によって区画されたラック格納スペース(3)に格納可能であると共に、前記ラック格納スペース(3)から引き出すことが可能な移動式のラック(2)であって、前記ラック格納スペース(3)に格納されるときには、前記ラック(2)の前方側が前記ラック格納スペース(3)の奥側に位置すると共に、前記ラック(2)の後方側が前記ラック格納スペース(3)の手前側に位置し、前記ラック(2)の後方側には、前記ラック(2)を前記ラック格納スペース(3)へ格納する際の押し込み操作、及び、前記ラック(2)を前記ラック格納スペース(3)から引き出す際の引き込み操作を行うための操作部(17)が設けられ、前記複数のキャスター(15,16)のうちの前方側に設けられるキャスター(15)は、鉛直方向の軸周りに旋回不可能な非旋回車輪を備え、前記複数のキャスター(15,16)のうちの後方側に設けられるキャスター(16)は、鉛直方向の旋回軸周りに旋回可能な旋回車輪(25)を備え、前記ラック(2)が移動するとき前記旋回車輪(25)が前記旋回軸(L1)の後方位置となるように前記旋回車輪(25)を旋回させるように構成されると共に、前記旋回車輪(25)の上部には前記旋回車輪(25)と共に旋回し、前記ラック(2)の移動方向の後方側に向けて突出する舌片(26)が設けられ、前記基台(2)の後端部に設けられ、水平な回動軸(35)周りに回動可能であり、前記ラック(2)が前記ラック(2)の前方方向に移動するときに前記基台(10)の後端から突出する前記舌片(26)に係合して前記旋回車輪(25)の旋回を阻止することが可能なロック手段(30)と、前記ロック手段(30)を前記回動軸(35)周りに回動させて前記ロック手段(30)が前記舌片(26)に係合し得ないロック解除位置に持ち上げる操作ロッド(32)と、を備えた構成とした点にある。

【0013】

好ましい実施形態において、前記ロック手段(30)は、一対の側壁部(36a,36b;37a,37b)を有し、前記一対の側壁部(36a,36b;37a,37b)の間に前記舌片(26)を嵌め込んで前記舌片(26)の両側部に係合することにより前記旋回車輪(25)の旋回を阻止するように構成され、前記舌片(26)の先端部(26a)は、上方に向かって傾斜し、且つ、両側部の幅が先端に向かって漸次狭く形成されることによりテーパーを設けており、前記ラック(2)の移動方向が前記ラック(2)の前方方向とは異なる方向から前記ラック(2)の前方方向へと変わるとき、前記舌片(26)は、前記旋回車輪(25)の旋回動作によって前記ロック手段(30)を前記回動軸(35)周りに回動させて持ち上げた後、前記一対の側壁部(36a,36b;37a,37b)の間に嵌まり込むような構成である。

【0014】

この際、前記操作ロッド(32)は、係合部材(36)の近傍に位置するラックの支柱(11c)に沿って上下方向に延び、該操作ロッドの下端部を係合部材に枢結されると共に、上端部から側方に突設された操作部を前記支柱に設けた保持部材(41)に保持されており、前記保持部材は、前記操作部(31)を上下移動自在に案内する縦スロット部(44a)と、該縦スロット部の上端から横向きに延びる鉤形部(44b)を備えたガイド孔(44)を設け、前記操作部を鉤形部に挿通させることにより係合部材を上向きに回動し、前記操作部を縦スロット部に挿通させることにより係合部材を自重で下向きに回動させるように構成されていることが好ましい。

【0015】

更に好ましくは、前記基台(10)の後端部には、前記基台(10)を持ち上げて前記旋回車輪(25)を床面から浮かすリフト手段(50)が設けられ、前記リフト手段(50)は、前記旋回車輪(25)を床面から浮かすことによって前記旋回車輪(25)を前記旋回軸(L1)周りに旋回させ、前記旋回車輪(25)を前記旋回軸(L1)よりも前記ラック(２)の前方側に位置する状態とすることである。

【発明の効果】

【0016】

本発明によれば、ラック(2)をラック格納スペース(3)に格納したり、ラック格納スペース(3)から引き出したりする際に簡単にキャスター(16)の旋回を阻止することができ、キャスター(15,16)がレール部材(5)に衝突したり、或いは、ラック(2)が隣接する別のラックに衝突したりすることを未然に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【0017】

【図1】移動式のラックによる物品保管システムを示す斜視図である。

【図2】ラックの後方側に設けられるキャスターを拡大して示す図である。

【図3】後方側のキャスターの取り付け位置を示す図である。

【図4】ロック手段の構成例を示す図である。

【図5】係合部材がロック解除位置にあるときのラックの後方側を示す図である。

【図6】係合部材がロック位置にあるときのラックの後方側を示す図である。

【図7】キャスターの旋回前の状態を示す図である。

【図8】キャスターの旋回動作中の状態を示す図である。

【図9】リフト手段の一構成例を示す図である。

【図10】リフト手段が基台の後方側を持ち上げた状態を示す図である。

【図11】移動式のラックによる物品の保管形態を例示する図である。

【発明を実施するための形態】

【0018】

以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下において参照する各図面では互いに共通する部材に同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。

【0019】

図１は、本発明の一実施形態である移動式のラック２による物品保管システム１を示す斜視図である。この物品保管システム１は、物品を積載する移動式のラック２をラック格納スペース３に格納した状態で物品を保管するシステムである。

【0020】

ラック格納スペース３は、倉庫などの床面上において互いに平行な一対のレール部材５，５によって区画されたスペースとして形成される。例えば、ラック格納スペース３の奥行き寸法は、ラック２の前後方向の寸法よりも若干大きく、また、ラック格納スペース３の横方向（幅方向）の寸法は、ラック２の左右方向の幅寸法よりも若干大きく形成される。ラック格納スペース３の奥端部には、一対のレール部材５，５の奥端部を相互に連結し、ラック２の前方側のキャスター１５に当接する車止め部材４が設けられる。これに対し、ラック格納スペース３の手前側は開放されている。尚、車止め部材４の手前側の端面には、キャスター１５が衝突したときの衝撃を吸収するための弾性部材６が配置されている。尚、図１には、１つのラック格納スペース３のみを例示しているが、複数のラック格納スペース３を横方向に並設し、複数のラック２を隣接させた状態で格納できる構成とすることが好ましい。この場合、複数のレール部材５が横方向に等間隔で設置される。

【0021】

物品を積載するラック２は、ラック格納スペース３に格納された状態で物品を保管する。ラック２に積載された物品が取り出されるとき、ラック２は、図１に示すようにラック格納スペース３から引き出され、任意の場所に移動させることができる。そして物品が取り出された後、ラック２は、再びラック格納スペース３に格納される。このとき、図１に示すようにラック２の前方側をラック格納スペース３の奥端部に向けた状態でラック２が一対のレール部材５，５の間に押し込まれることにより、ラック２がラック格納スペース３に格納される。したがって、ラック２がラック格納スペース３に格納された状態のとき、ラック２の後方側がラック格納スペース３の手前側に位置している。そのため、ラック２の後方側には、作業者がラック２をラック格納スペース３に押し込んだり、ラック格納スペース３から引き出したりする際の持ち手となるハンドル１７が設けられている。

【0022】

このようなラック２は、平面視矩形状の基台１０と、基台１０の四隅の位置から立設する複数の支柱１１と、複数の支柱１１によって所定高さ位置で略水平に支持される複数の荷受け棚１３と、基台１０の下面の四隅に設けられる複数のキャスター１５，１６と、ロック手段３０と、リフト手段５０とを備えている。荷受け棚１３は、物品（荷物）を積載しておくための棚である。複数の荷受け棚１３のうち最上部に位置する荷受け棚１３は、ラック２の天板として設けられる。尚、図１では、ラック２が複数の荷受け棚１３を備える場合を例示しているが、荷受け棚１３は少なくとも１つあれば良い。また、上述したハンドル１７は、複数の支柱１１のうち、基台１０の後方側に立設する２つの支柱１１，１１に取り付けられている。

【0023】

基台１０の下面に設けられる複数のキャスター１５，１６のうち、基台１０の前方側に設けられるキャスター１５は、鉛直方向の軸周りに旋回不可能な非旋回車輪を備えている。つまり、前方側のキャスター１５は、車輪の回転軸がラック２の前後方向に直交する左右方向に向けられた状態で固定されている。

【0024】

一方、基台の１０の後方側に設けられるキャスター１６は、鉛直方向の旋回軸周りに旋回可能な旋回キャスターとして設けられる。つまり、後方側のキャスター１６は、車輪の回転軸の向きが固定されておらず、旋回軸周りに旋回させることができる。そのため、後方側のキャスター１６を旋回させることにより、ラック２の移動方向を自在に変更することができる、つまり、前後方向にも左右方向にも振り向けることができる。

【0025】

図２は、後方側のキャスター１６を拡大して示す図である。図２（Ａ）及び（Ｂ）に示すように、キャスター１６は、基台１０の下面に取り付けるための取付板２１と、車輪２５と、車輪２５を回転可能に軸支する回転軸２４と、回転軸２４の両端を支持する支持部２２と、支持部２２を取付板２１に対して旋回可能に保持する保持部２３とを備えている。

【0026】

保持部２３は、例えば取付板２１の略中心に鉛直方向の旋回軸Ｌ１を有し、支持部２２をその旋回軸Ｌ１回りに旋回可能に保持している。また、図２（Ｂ）に示すように、キャスター１６の側面視において、支持部２２は、旋回軸Ｌ１の位置に対して所定距離Ｘだけ車輪２５の回転軸２４を偏位させた位置に支持している。そのため、ラック２がある方向に移動するとき、支持部２２は、車輪２５をラック２の移動方向の後方側に向けるように旋回軸Ｌ１を中心にＲ１方向へ旋回する。つまり、ラック２が移動するとき、支持部２２は、車輪２５が旋回軸Ｌ１の後方位置となるように旋回する。

【0027】

また、支持部２２は、図２（Ａ）及び（Ｂ）に示すように、車輪２５の上部において車輪２５と共に旋回し、ラック２の移動方向の後方側に向けて突出する舌片２６を備えている。舌片２６は、例えば金属板によって形成され、図２（Ｂ）に示すように、車輪２５の回転軸２４の上方位置から旋回軸Ｌ１とは反対側の方向に延設されており、先端部２６ａが上方に向かって傾斜している。また、舌片２６の基端部の水平方向の幅Ｗ１に対し、先端部２６ａはその先端に向かって水平方向両側部の幅が漸次狭くなっており、最先端の幅Ｗ２が基端部の幅Ｗ１よりも狭くなり、両側縁部にテーパー２６ｂを形成している。

【0028】

上記のようなキャスター１６は、ラック２が前方方向に移動するとき、図３に示すように、舌片２６が基台１０の後方側の端面１０ａから更にラック２の後方側に突出するように基台１０の下面に取り付けられる。基台１０の後方側の端面１０ａには、ロック手段３０が設けられている。ロック手段３０は、ラック２が前方方向に移動するとき、基台１０の端面１０ａの下方位置において後方側に突出する舌片２６に係合可能であり、舌片２６に係合することでキャスター１６の旋回を阻止し、ラック２の移動方向をラック２の前後方向に規制する。

【0029】

図４は、ロック手段３０の構成例を示す図である。図４（Ａ）はロック手段３０が舌片２６に係合可能なロック位置にある状態を示しており、図４（Ｂ）はロック手段３０が舌片に係合し得ないロック解除位置にある状態を示している。ロック手段３０は、基台１０の後方側の端面１０ａにおいて左右両側に設けられる固定部材３３，３４と、固定部材３３，３４によって回動可能に支持される回動軸３５と、回動軸３５の両端部に取り付けられる係合部材３６，３７とを備えている。

【0030】

固定部材３３は、基台１０の後方側の端面１０ａに固定される基板部３３ａと、基板部３３ａの側縁を直角に折曲して形成される縦板部３３ｂとを有し、縦板部３３ｂには水平方向に貫通する軸受孔３３ｃが形成される。軸受孔３３ｃには回動軸３５が遊挿される。したがって、固定部材３３は、回動軸３５をＲ２方向に回動自在に軸支する。また、固定部材３４も、固定部材３３と同様に、基板部３４ａと縦板部３４ｂとを有し、縦板部３４ｂには軸受孔３４ｃが形成されている。したがって、固定部材３４は、回動軸３５をＲ２方向に回動自在に軸支する。

【0031】

係合部材３６は、回動軸３５の一端に固着され、回動軸３５と共にＲ２方向へ回動する。図示の左側のキャスター１６に臨む係合部材３６は、回動軸３５の左側の端部に固定される。係合部材３６は、概略コ字状の金具によって形成され、左右方向に所定間隔を隔てて配置される一対の側壁部３６ａ，３６ｂと、それら一対の側壁部３６ａ，３６ｂの一端を相互に連結する連結部３６ｃと、を有している。また、一対の側壁部３６ａ，３６ｂは、連結部３６ｃによって連結された部分とは反対側の端部近傍に回動軸３５を挿通する孔３６ｄが設けられ、その孔３６ｄに回動軸３５が挿通された状態で孔３６ｄの縁部が溶接等によって回動軸３５に固着される。したがって、係合部材３６は、固定部材３３，３４の軸受孔３３ｃ，３４ｃを中心として回動軸３５と一体となってＲ２方向に回動する。

【0032】

また、一対の側壁部３６ａ，３６ｂの中央部には、軸部材３８を挿通するための孔３６ｅが設けられており、この孔３６ｅに軸部材３８が回動自在に挿通されている。この軸部材３８の一端には、板部材３９を介してラック２の後方側を基台１０から上方に延びる操作ロッド３２が接続されている。つまり、操作ロッド３２の下端部（板部材３９）は、係合部材３６に回動自在に枢結されている。この操作ロッド３２は、図１に示すようにハンドル１７の近傍位置まで延びており、その上端部は、球状の操作部材３１ａを設けた折曲部により側方に突出する操作部３１を構成している。

【0033】

図示の右側のキャスター１６に臨む係合部材３７は、前記係合部材３６と同様、回動軸３５の他端に固着され、回動軸３５と共にＲ２方向へ回動する。例えば、係合部材３７は、回動軸３５の右側の端部に固定される。この係合部材３７は、前記係合部材３６と同様に、一対の側壁部３７ａ，３７ｂと、それら一対の側壁部３７ａ，３７ｂの一端を相互に連結する連結部３７ｃと、を有している。そして一対の側壁部３７ａ，３７ｂは、連結部３７ｃによって連結された部分とは反対側の端部近傍に回動軸３５を挿通する孔３７ｄが設けられ、その孔３６ｄに回動軸３５が挿通された状態で孔３６ｄの縁部が溶接等によって回動軸３５に固着される。したがって、係合部材３７は、固定部材３３，３４の軸受孔３３ｃ，３４ｃを支点として回動軸３５と一体となってＲ２方向に回動する。

【0034】

上記のような係合部材３６，３７は、図４（Ａ）に示す下向き姿勢とされたロック位置にある状態から、操作ロッド３２が上方に移動されると、回動軸３５をＲ２方向に回動させることにより、図４（Ｂ）に示すように上方に持ち上げられたロック解除位置へと姿勢を変更する。また、係合部材３６，３７は、図４（Ｂ）に示すロック解除位置にある状態から、操作ロッド３２を下降すると、回動軸３５を回動させることにより、図４（Ａ）に示すように軸受孔３３ｃ，３４ｃから垂下した状態のロック位置へと姿勢を変更する。この際、左右の係合部材３６，３７は、回動軸３５により結合されており、一体的に回動する。

【0035】

図５は、係合部材３６，３７がロック解除位置にあるときのラック２の後方側を示す図である。また図６は、係合部材３６，３７がロック位置にあるときのラック２の後方側を示す図である。図５及び図６に示すように、ラック２の後方側において立設する２つの支柱１１，１１のうち一方の支柱１１ａには、操作ロッド３２の上端部に設けられた操作部３１をロック解除位置Ｐ１及びロック位置Ｐ２のいずれか一方で保持する保持部材４１が設けられている。保持部材４１の後方側に設けられた平板部には、Ｊ字を上下反転させた形状のガイド孔４４が形成されており、図５の矢印Ａで示す図のように、上下方向に延びる縦スロット部４４ａと、該縦スロット部４４ａの上端から横向きに延びる鉤形部４４ｂを備え、前記鉤形部４４ｂによりロック解除位置Ｐ１を形成し、縦スロット部４４ａの下部によりロック位置Ｐ２を形成している。図示のように、操作ロッド３２は、係合部材３６の近傍に位置するラック２の支柱１１ａに沿って上下方向に延びており、保持部材４１と基台１０との間に位置して、操作ロッド３２を上下方向に摺動可能に案内した状態で保持する保持金具４２，４３が設けられている。

【0036】

上記構成において、作業者は、操作部３１を持ち上げてガイド孔４４のロック解除位置Ｐ１に設置すると、操作ロッド３２が上動されるため、図５に示すように、係合部材３６，３７はロック位置から上向きに回動したロック解除位置で保持される。このとき、キャスター１６，１６の旋回は許容されるため、ラック２は、任意の方向に移動可能である。したがって、ラック２を任意の方向に移動させる必要があるときには、操作部３１をロック解除位置Ｐ１に設置すれば良い。

【0037】

これに対し、ラック２をラック格納スペース３へ格納する際、又は、ラック２をラック格納スペース３から引き出す際に、キャスター１５，１６がレール部材５に衝突することや、ラック２が隣接する別のラックに衝突することを回避するためには、ラック２を前後方向に直進移動させることが必要となる。そこで、作業者は、操作部３１をガイド孔４４のロック位置Ｐ２に設置すると、操作ロッド３２が下がるため、図６に示すように、係合部材３６，３７は固定部材３３，３４から垂下するように回動し、ロック位置へ姿勢を変更する。このとき、ラック２が前方方向に移動していれば、キャスター１６，１６の舌片２６が基台１０の下方から後方側に突出した状態となっている。そこで、この状態で係合部材３６，３７をロック位置に回動すると、一対の側壁部３６ａ，３６ｂ及び３７ａ，３７ｂがキャスター１６，１６の舌片２６の両側を拘束した状態となり、キャスター１６，１６の旋回を阻止することができる。これにより、ラック２の移動方向は前後方向に規制されるため、ラック２をラック格納スペース３へ格納したり、ラック格納スペース３から引き出したりする際にラック２が蛇行してしまうことを防止することができる。

【0038】

特に、操作部３１は、作業者がラック２を移動させる際に操作するハンドル１７の近傍位置に設けられている。そのため、係合部材３６，３７をロック位置とロック解除位置との間で姿勢を変更させる際に、作業者はかがみ込んで操作する必要がなく、手元操作で簡単にロック位置とロック解除位置との切り替えを行うことが可能であり、操作性に優れている。

【0039】

また、係合部材３６，３７が下向き姿勢とされたロック位置にある状態で、ラック２が前方方向とは異なる方向へ移動している場合であっても（このとき舌片２６は係合部材３６，３７から外れた位置にある）、キャスター１６，１６が旋回することに伴い、自動的に一対の側壁部３６ａ，３６ｂ及び３７ａ，３７ｂの間に舌片２６を嵌め込むことが可能である。

【0040】

図７及び図８は、そのような係合部材３６，３７の動作を例示する図であり、図７はキャスター１６の旋回前の状態を示しており、図８はキャスター１６の旋回動作中の状態を示している。図７は、キャスター１６が横方向に向いており、操作部３１がロック位置Ｐ２に下降され、係合部材３６，３７が垂下した状態を示している。このとき、キャスター１６の舌片２６は横方向を向いているため、係合部材３６，３７には係合していない。そのため、キャスター１６の旋回動作は許容される。

【0041】

この状態から、ラック２が前方に向かうように方向転換すると、キャスター１６は図７（Ａ）に示すＲ１方向へ旋回する。そしてキャスター１６がＲ１方向へ旋回していくと、図８に示すように、舌片２６が係合部材３６，３７に当接し、係合部材３６，３７を回動軸３５周りにＲ２方向へ回動させることにより、係合部材３６，３７を操作ロッド３２と共に持ち上げる。このとき、舌片２６の先端部２６ａは上方に傾斜しており、しかも先端部２６ａの両側縁部にテーパー２６ｂを有しているため、舌片２６は、キャスター１６の旋回動作に伴い、係合部材３６，３７をスムーズに押し上げていくことができる。この際、操作ロッド３２は、ガイド孔４４の縦スロット部４４ａに案内されているので、係合部材３６により押し上げられ、好適に上動する。そして舌片２６の先端部２６ａが一対の側壁部３６ａ，３６ｂ及び３７ａ，３７ｂの間に嵌まり込むと、係合部材３６，３７は、操作ロッド３２と共に自重によって元の垂下状態に戻る。そして係合部材３６，３７は、一対の側壁部３６ａ，３６ｂ及び３７ａ，３７ｂの間に舌片２６の基端部を収めることができるので、これ以降のキャスター１６の旋回動作を阻止することができる。つまり、操作部３１がロック位置Ｐ２へ設置されたままの状態で、係合部材３６，３７がキャスター１６の舌片２６に係合していなくても、ラック２が前方方向へ移動するときに係合部材３６，３７は自然に舌片２６に係合した状態となり、その後のラック２の移動方向を前後方向に制限することが可能である。したがって、ラック２をラック格納スペース３に格納するときに、ラック２の進路を定める前にロック手段３０をロック位置に下降させておき、車輪２５を旋回させることにより、ラック２をラック格納スペース３の奥端部に向かう所定進路に沿うように姿勢を制御しながら押し込む操作を行えば、キャスター１６は係合部材３６，３７によって自然に旋回ロックされた状態となる。

【0042】

この点を更に敷衍すると、旋回可能な車輪を備えたキャスター１６は、移動時に蛇行しやすく、所望の進路に正確に沿わせて移動することが困難なため、作業者は、前後に僅かな移動を繰り返すことによりキャスター１６の車輪２５の向きをコントロールしながら、ラックを所望の進路に向けて移動させることが一般的である。すなわち、車輪２５は、移動方向に対して、移動方向の後方に位置するように旋回されるので、これにより進路をコントロールすることができるからである。そこで、ラック２を格納スペース３に向けて前進させながら進路を定める際、予め操作部３１によりロック部材３０をロック位置に下降させておけば、その状態でラック２を前後に僅かな移動を繰り返しながらキャスター１６の車輪２５の向きをコントロールすることにより、ラック２が格納スペース３に直進するように進路を整えたとき、前述のように、舌片２６が自動的にロック手段３０によりロックされるので、所望の進路に沿ってレール部材５，５の間に正しく進入させることができる利点がある。

【0043】

次にリフト手段５０について説明する。リフト手段５０は、基台１０の後方側においてキャスター１６，１６の間の中央位置に取り付けられている。このリフト手段５０は、ラック格納スペース３に格納されたラック２の後方側を持ち上げてキャスター１６，１６を床面上から浮いた状態とすることにより、ラック格納スペース３に格納されたラック２が意図せずに移動してしまうことを防止する。

【0044】

図９は、リフト手段５０の一構成例を示す図である。リフト手段５０としては、例えばフロアーロック、ハンマーロック、或いは、台車ストッパーなどと呼ばれるものが用いられる。これらフロアーロック等は、例えば実用新案登録第３１５５３１２号公報、特開２００９－１５４６３０号公報などに記載されているように種々の構造のものが周知である。そのため、ここでは、リフト手段５０の具体的な構造については詳細な説明を省略する。

【0045】

図９に示すように、リフト手段５０は、コイルスプリングを内蔵した外筒部５１の内側に伸縮可能な内筒部５２を設けた構成であり、図９（Ｂ）に示すように内筒部５２が外筒部５１の内側に収縮した収縮状態と、図９（Ｃ）に示すように内筒部５２が外筒部５１の下方に伸長した伸長状態とのうち、いずれか一方の状態を保持することが可能である。外筒部５１の上端には、基台１０の下面に取り付けるための取付板５４が設けられており、内筒部５２の下端には、接地板５３が設けられている。リフト手段５０が収縮状態のとき、取付板５４の上面から接地板５３の下面までの高さ寸法は、キャスター１６の高さ寸法よりも小さくなる。これに対し、リフト手段５０が伸長状態のとき、取付板５４の上面から接地板５３の下面までの高さ寸法は、キャスター１６の高さ寸法よりも大きくなり、キャスター１６の車輪２５を床面から浮かすことができる。

【0046】

また、リフト手段５０は、ロックレバー５５と解除レバー５６とを備えている。リフト手段が収縮状態のとき、図９（Ｂ）に示すように、ロックレバー５５が上段位置にあり、解除レバー５６が下段位置にある。その状態でロックレバー５５が踏み込まれると、内筒部５２が外筒部５１の下方へ伸長すると共に、ロックレバー５５は上段位置から下段位置へ下がり、解除レバー５６が下段位置から上段位置へ起き上がる。その結果、リフト手段５０は、図９（Ｂ）に示す状態から図９（Ｃ）に示す状態へと変化し、キャスター１６を床面から持ち上げることができる。リフト手段５０は内筒部５２を伸長させた状態を保持するため、ラック２はラック格納スペース３から移動しないようにロックされる。

【0047】

また、リフト手段５０がラック２をロックしている状態で解除レバー５６が踏み込まれると、内筒部５２は外筒部５１の内側に収縮し、キャスター１６を床面に接地させることができる。このとき、解除レバー５６は上段位置から下段位置へ下がり、解除レバー５６が下段位置から上段位置へ起き上がる。

【0048】

例えば、ラック２をラック格納スペース３に格納した状態でリフト手段５０により基台１０の後方側を持ち上げておくことにより、ラック格納スペース３においてラック２が移動しないように固定しておくことが可能である。また、ラック２をラック格納スペース３に格納したときにリフト手段５０で基台１０の後方側を持ち上げることにより、キャスター１６を１８０度旋回させることも可能である。

【0049】

図１０は、リフト手段５０が基台１０の後方側を持ち上げた状態を示す図である。リフト手段５０が基台１０の後方側を持ち上げると、キャスター１６が床面から浮く。上述したように、キャスター１６は、車輪２５の回転軸２４が旋回軸Ｌ１に対して偏位させた位置にあるため、車輪２５の重心位置も旋回軸Ｌ１の位置から水平方向にズレている。そのため、車輪２５が床面から浮いた状態になると、車輪２５が旋回軸Ｌ１周りに１８０度旋回する。すなわち、車輪２５は、その重心位置を傾斜した基台１０の低い方に向けるように旋回する。そのため、図１０に示すように、車輪２５は、旋回軸Ｌ１よりもラック２の前方側に位置する状態となる。この状態は、ラック２の後方側に向かってラック２を直進させることができる状態である。

【0050】

したがって、ラック２をラック格納スペース３に格納した状態で、ラック２を移動させることなく、キャスター１６を１８０度旋回させることで、次にラック２をラック格納スペース３から引き出すときには、ラック２を蛇行させることなく、後方側に直進させながらラック２を引き出すことができる。それ故、ラック２を引き出す際には、キャスター１６がレール部材５に衝突したり、ラック２が隣接する別のラックに衝突したりすることを防止することが可能となる。

【0051】

以上のように、本実施形態のラック２は、基台１０の後端部に設けられ、水平な回動軸３５周りに回動可能であり、ラック２が前方方向に移動するときに基台１０の後端から更に後方側に突出する舌片２６に係合してキャスター１６の旋回を阻止することが可能なロック手段３０を備えており、少なくともラック２をラック格納スペース３に格納するときにはラック２を前方方向に直進させることが可能であり、キャスター１６がレール部材５に衝突したり、或いは、ラック２が隣接する別のラックに衝突したりすることを未然に防止することが可能である。

【0052】

また、ロック手段３０は、ラック２をラック格納スペース３から引き出す際にもキャスター１６の旋回動作を阻止することが可能である。つまり、本実施形態では、ラック２をラック格納スペース３に格納するときにロック手段３０を舌片２６に係合させた状態とするが、ラック２をラック格納スペース３に格納した後にもこの状態を維持しておくことで、ラック２をラック格納スペース３から引き出すときには、ロック手段３０が舌片２６に係合しているため、ラック２を後方側に直進移動させることが可能である。

【0053】

一方、ラック２がラック格納スペース３に格納されたときにロック手段３０がロック解除位置へ戻された場合であっても、上述したリフト手段５０を用いて基台１０の後方側を持ち上げることにより、キャスター１６を１８０度旋回させることが可能であるため、ラック２をラック格納スペース３から引き出す際には、ラック２を後方側に直進移動させることが可能である。

【0054】

したがって、本実施形態のラック２は、ラック格納スペース３へ格納するとき、及び、ラック格納スペース３から引き出すときのいずれにおいてもキャスター１６の旋回を阻止してラック２が蛇行することを防ぐことができるという利点がある。

【0055】

以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態において説明したものに限定されるものではない。すなわち、本発明には、上記実施形態において説明したものに種々の変形例を適用したものが含まれる。

【0056】

例えば、上記実施形態では、基台１０の後方側にリフト手段５０を設けていた。しかし、上述したように、ラック２をラック格納スペース３に格納した状態のとき、ロック手段３０が舌片２６に係合した状態のままで放置しておけば、その後にラック２をラック格納スペース３から引き出す際に、ラック２を後方側に直進移動させることができる。そのため、ラック２は、リフト手段５０を備えていない構成としても構わない。

【符号の説明】

【0057】

１ 物品保管システム
２ ラック
３ ラック格納スペース
４ 車止め部材
５ レール部材
６ 弾性部材
１０ 基台
１０ａ 端面
１１（１１ａ） 支柱
１３ 荷受け棚
１５，１６ キャスター
１７ 操作部
２１ 取付板
２２ 支持部
２３ 保持部
２４ 回転軸
２５ 車輪（旋回車輪）
２６ 舌片
２６ａ 先端部
２６ｂ テーパー
３０ ロック手段
３１ 操作部
３１ａ 操作部材
３２ 操作ロッド
３３ 固定部材
３３ａ 基板部
３３ｂ 縦板部
３３ｃ 軸受孔
３４ 固定部材
３４ａ 基板部
３４ｂ 縦板部
３４ｃ 軸受孔
３５ 回動軸
３６，３７ 係合部材
３６ａ，３６ｂ，３７ａ，３７ｂ 側壁部
３６ｃ，３７ｃ 連結部
３６ｄ，３６ｅ，３７ｄ 孔
３８ 軸部材
３９ 板部材
４１ 保持部材
４２，４３ 保持金具
４４ ガイド孔
４４ａ 縦スロット部
４４ｂ 鉤形部
５０ リフト手段
５１ 外筒部
５２ 内筒部
５３ 接地板
５４ 取付板
５５ ロックレバー
５６ 解除レバー

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】