(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109316
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
H02K 37/14 20060101AFI20230801BHJP
H02K 16/04 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
H02K37/14 535B
H02K16/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010756
(22)【出願日】2022-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】391008515
【氏名又は名称】株式会社アイエイアイ
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】巴月 甫
(72)【発明者】
【氏名】半田 竜也
(57)【要約】
【課題】モータハウジングの内部におけるロータに対するステータの位置決めを容易に行うことができるアクチュエータを提供する。
【解決手段】アクチュエータ1は、ステータ13と、モータハウジング14と、付勢手段としてのバネ部材15とを有するモータユニット10を備える。ステータ13は、ロータ12との間の電磁相互作用により、ロータ12を回転させる。モータハウジング14は、モータハウジング取付対象としてのコントローラハウジング21に対して固定されるように取り付けられ、ステータ13を収容する。バネ部材15は、モータハウジング14の内壁面とステータ13との間に配置され、ステータ13をコントローラハウジング21に付勢する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータとの間の電磁相互作用により、前記ロータを回転させるステータと、
モータハウジング取付対象に対して取り付けられ、前記ステータを収容するモータハウジングと、
前記モータハウジングの内壁面と前記ステータとの間に配置され、前記ステータを前記モータハウジング取付対象に付勢する付勢手段と、
を有するモータユニットを備える、アクチュエータ。
【請求項2】
前記付勢手段は、前記モータハウジング取付対象に対して、前記ステータを前記モータユニットの回転軸の軸方向に付勢するように形成されている、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記モータユニットは、前記モータハウジング取付対象に対して脱着可能なユニットとして構成されている、請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
コントローラハウジングを有し、アクチュエータ本体の可動部分の動作を制御するためのコントローラを備え、
前記モータハウジング取付対象は、前記コントローラハウジングである、請求項1から3のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記モータユニットは、
回転軸と、
前記回転軸に設けられ、前記ステータとの間の電磁相互作用により、前記回転軸と共に回転する前記ロータと、
を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記付勢手段は、板バネである、請求項1から5のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているPM型ステッピングモータは、回転する出力軸と、ロータと、内ヨーク及び外ヨークを有するステータとを備えている。特許文献1に開示されているものにおいては、内ヨーク及び外ヨークは、治具によって位置決めされた後、例えば、溶接やかしめによって、出力軸を回転可能に支持する支持部品やケースなどの他の部材に固定される。これにより、ロータに対するステータの位置決めが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたPM型ステッピングモータでは、ステータの位置は、溶接やかしめの加工の精度に依存する。このため、特許文献1に記載されたモータにおいては、そのモータがハウジングに収容されている場合には、そのハウジング(モータハウジング)の内部において、ロータに対するステータの位置が正確に定まらないおそれがある。
【0005】
本発明は、上述の事情の下になされたもので、モータハウジングの内部におけるロータに対するステータの位置決めを容易に行うことができるアクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明に係るアクチュエータは、
ロータとの間の電磁相互作用により、前記ロータを回転させるステータと、
モータハウジング取付対象に対して取り付けられ、前記ステータを収容するモータハウジングと、
前記モータハウジングの内壁面と前記ステータとの間に配置され、前記ステータを前記モータハウジング取付対象に付勢する付勢手段と、
を有するモータユニットを備える。
【0007】
前記付勢手段は、前記モータハウジング取付対象に対して、前記ステータを前記モータユニットの回転軸の軸方向に付勢するように形成されていてもよい。
【0008】
前記モータユニットは、前記モータハウジング取付対象に対して脱着可能なユニットとして構成されていてもよい。
【0009】
コントローラハウジングを有し、アクチュエータ本体の可動部分の動作を制御するためのコントローラを備え、
前記モータハウジング取付対象は、前記コントローラハウジングであってもよい。
【0010】
前記モータユニットは、
回転軸と、
前記回転軸に設けられ、前記ステータとの間の電磁相互作用により、前記回転軸と共に回転する前記ロータと、
を有していてもよい。
【0011】
前記付勢手段は、板バネであってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るアクチュエータは、モータハウジングの内壁面とステータとの間に配置され、ステータをモータハウジング取付対象に付勢する付勢手段を備える。これにより、本発明に係るアクチュエータにおいては、モータハウジングの内部におけるロータに対するステータの位置決めを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態1に係るアクチュエータの斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係るアクチュエータの分解斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係るアクチュエータの分解平面図である。
【
図4】
図3のA-A断面に対応するアクチュエータの断面図である。
【
図5】モータユニット及びコントローラの断面図である。
【
図6】モータユニット及びコントローラの分解斜視図(その1)である。
【
図7】モータユニット及びコントローラの分解斜視図(その2)である。
【
図8】モータユニットのステータの分解斜視図(その1)である。
【
図9】モータユニットのステータの分解斜視図(その2)である。
【
図10】(A)は、モータユニットのステータの正面図(その1)である。(B)は、モータユニットのステータの正面図(その2)である。(C)は、モータユニットのステータの正面図(その3)である。(D)は、モータユニットのステータの正面図(その4)である。
【
図11】モータユニットのステータの分解斜視図(その3)である。
【
図12】比較例に係るステータの分解斜視図である。
【
図13】実施の形態2に係るアクチュエータの斜視図である。
【
図14】実施の形態2に係るアクチュエータの分解斜視図である。
【
図15】実施の形態2に係るアクチュエータの効果を説明するための斜視図である。
【
図16】実施の形態3に係るアクチュエータの斜視図である。
【
図17】実施の形態3に係るアクチュエータの分解斜視図である。
【
図18】実施の形態3に係るアクチュエータの効果を説明するための斜視図である。
【
図19】実施の形態4に係るアクチュエータの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係るアクチュエータ1について、
図1~
図9を用いて説明する。なお、理解を容易にするために、XYZ座標を設定し、適宜参照する。なお、図中のY軸方向は、
図1に示すように、ロッドRが進退する方向である第1方向D1に平行な方向であり、X軸方向及びZ軸方向は、第1方向D1に直交する方向である。また、図中のXY平面は、アクチュエータ1が設置される面に平行な水平面である。
【0015】
アクチュエータ1は、
図1に示すように、Y軸方向に往復運動するロッドRを備えるロッドタイプのリニアアクチュエータである。アクチュエータ1は、
図2及び
図3に示すように、モータユニット10と、コントローラ20と、アクチュエータ本体30とを備える。
【0016】
アクチュエータ本体30は、
図4に示すように、上述したロッドRに加えて、スライド部31と、ボールネジ軸32と、アクチュエータハウジング33とを有する。
【0017】
ロッドRは、Y軸方向を長手方向とする円筒形状の部材である。ロッドRは、スライド部31に固定されることで第1方向D1に往復運動する。
【0018】
スライド部31は、ロッドRと共に+Y方向及び-Y方向の双方向に移動する部材である。本実施の形態1においては、スライド部31は、ボールネジナットから構成されている。ただし、これに限られない。スライド部31は、ボールネジナットとは別体に形成され、スライド部31にボールネジナットが組み付けられていてもよい。ボールネジナットから構成されているスライド部31は、ボールネジ軸32の回転運動に伴って、+Y方向及び-Y方向の双方向に移動する。スライド部31は、ボールネジ軸32に対して複数のボールネジ用転動体を介して嵌め込まれている。このボールネジ用転動体が転動することにより、ボールネジ軸32の回転運動が、スライド部31の直線運動に円滑に変換される。
【0019】
ボールネジ軸32は、外周面が螺旋状のボールネジ面として構成されている。ボールネジ軸32は、モータユニット10の出力軸11と共に回転するように、モータユニット10の出力軸11に接続されている。ボールネジ軸32は、例えば、カップリングによって、出力軸11に接続されている。
【0020】
アクチュエータハウジング33は、スライド部31及びボールネジ軸32を収納することで、これらの各部材を保護する。アクチュエータハウジング33は、ボールネジ軸32を回転可能に支持するベアリング33a、33bを有する。ベアリング33aは、ボールネジ軸32の基端側の端部(+Y側の端部)を支持する。ベアリング33aは、本実施の形態1では、ボールベアリングである。ベアリング33bは、ボールネジ軸32の先端側の端部(-Y側の端部)を支持する。ベアリング33bは、本実施の形態1では、オイルレスベアリングである。ただし、ベアリング33a、33bの種類は、これに限られない。ベアリング33a、33bは、本実施の形態1に係る種類のもの以外のものであってもよい。
【0021】
アクチュエータ本体30は、
図2に示すように、ガイドロッド34A、34Bと、先端ブラケット35とを有する。
【0022】
ガイドロッド34A、34Bは、ロッドRと共に第1方向D1に移動することにより、ロッドRの移動を案内する。ガイドロッド34A、34Bは、例えば、アクチュエータハウジング33に対してボールブッシュを介して支持されている。このボールブッシュの作用により、ガイドロッド34A、34Bは、第1方向D1に円滑に移動する。
【0023】
先端ブラケット35は、直方体板状の部材である。先端ブラケット35は、ガイドロッド34A、34Bの-Y側の端部と、ロッドRの-Y側の端部とを連結する。
【0024】
モータユニット10は、
図5~
図7に示すように、出力軸11(回転軸)と、ロータ12と、ステータ13と、モータハウジング14と、バネ部材15(付勢手段)とを有する。
【0025】
出力軸11(回転軸)は、Y軸方向の両端部が、モータハウジング14から外部へ突出した状態で、一組のベアリング11a、11bによって回転可能に支持されている。
【0026】
ロータ12は、出力軸11が貫通して配置される貫通孔を有する円筒状の部材である。ロータ12の外周面には、ロータマグネット12aが設けられている。また、ロータ12の+Y側の端部には、エンコーダ用マグネット12bが設けられている。ロータ12は、出力軸11と共に回転するように、出力軸11に固定されている。
【0027】
ステータ13は、
図8及び
図9に示すように、Y軸方向を筒軸方向とする円筒状の部材である。このステータ13は、2つのコイル51、52と、4つのステータヨーク53、54、55、56と、1つのステータ基板57とを有する。
【0028】
コイル51、52は、導電性の素材からなる電線Eが巻かれていると共に、Y軸方向に貫通する孔が形成されている部材である。本実施の形態1において、ステータ13は、2つのコイル51、52を有する。しかしながら、これに限られない。ステータ13は、2つ以外の数のコイル51、52を有していてもよい。コイル51、52には、ステータ基板57に接続されるコネクタ51a、52aが形成されている。
【0029】
ステータヨーク53、54、55、56は、例えば、一枚の板材を折り曲げられることで形成されている。4つのステータヨーク53、54、55、56のうちのステータヨーク53、54は、コイル51に取り付けられ、ステータヨーク55、56は、コイル52に取り付けられる。ステータヨーク53、54、55、56は、本体部53a、54a、55a、56aと、支持部53b、54b、55b、56bと、位置決め用突出部53c、54c、55c、56cとを有する。
【0030】
本体部53a、54a、55a、56aは、Y軸方向に直交する面を有すると共に、Y軸方向に平行な中心軸A1を中心とする円板状に形成されている。
【0031】
支持部53b、54b、55b、56bは、コイル51、52の孔に嵌め込まれることで、コイル51、52に対して、ステータヨーク53、54、55、56を支持するために用いられる。支持部53b、54b、55b、56bは、本体部53a、54a、55a、56aの外周部分から+Y方向及び-Y方向のいずれかに突出して形成されている。また、支持部53bと支持部54bとは、互いに向き合うように突出して形成されている。同様に、支持部55bと支持部56bとは、互いに向き合うように突出して形成されている。支持部53b、54b、55b、56bは、本体部53a、54a、55a、56aから延設された部分が折り曲げられて形成されていると共に、先端が鋭角となるように形成されている。また、支持部53b、54b、55b、56bは、
図10に示すように、ステータヨーク53、54、55、56それぞれに5つずつ形成されている。支持部53b、54b、55b、56bは、中心軸A1を中心とする円周に沿って等間隔に設けられている。また、支持部53bは、ステータヨーク53とステータヨーク54とを組み合わせた場合に、支持部54bと支持部54bとの間に配置されるように設けられている。同様に、支持部55bは、ステータヨーク55とステータヨーク56とを組み合わせた場合に、支持部56bと支持部56bとの間に配置されるように設けられている。
【0032】
位置決め用突出部53c、54c、55c、56cは、本体部53a、54a、55a、56aの外周部分から径方向(Y軸方向に直交する方向)に突出して形成されている。
【0033】
上述のように構成されている4つのステータヨーク53、54、55、56のうちのステータヨーク54、55には、
図11に示すように、互いに位置決めしつつ取り付けるための凸部54d、55d及び孔54e、55eが形成されている。ステータヨーク54の凸部54dは、ステータヨーク55の孔55eに嵌め込まれる。ステータヨーク54の孔54eは、ステータヨーク55の凸部55dが嵌め込まれる。凸部54d、55dが孔54e、55eに嵌め込まれることにより、ステータヨーク54は、ステータヨーク55に対して位置決めしつつ取り付ける。なお、本実施の形態1においては、孔54e、55eは、Y軸方向に貫通されて形成されている貫通孔である。しかしながら、これに限られない。孔54e、55eは、凸部54d、55dが嵌め込まれる形状であれば、Y軸方向に貫通しない非貫通孔であってもよい。
【0034】
上述のように構成されているステータ13は、コイル51、52の外周から電線Eが露出して形成されている。
図5に示すように、本実施の形態1において、コイル51、52の外周から露出する電線Eは、モータハウジング14で覆われて保護される。
【0035】
モータハウジング14は、例えば、磁性材料から形成されている。モータハウジング14には、
図7に示すように、出力軸11と、ロータ12と、ステータ13と、バネ部材15とを収容する収容空間14aが形成されている。モータハウジング14の収容空間14aには、+Y側から、出力軸11、ロータ12、ステータ13、及び、バネ部材15が挿入される。これにより、モータハウジング14は、出力軸11、ロータ12、ステータ13、及びバネ部材15の各部材を保護する。
【0036】
モータハウジング14の収容空間14aの内壁面には、ステータ13の位置決め用突出部53c、54c、55c、56cが係合する位置決め用溝部14bがY軸方向に沿って形成されている。位置決め用溝部14bに、ステータ13の位置決め用突出部53c、54c、55c、56cが係合することで、モータハウジング14に対するステータ13のY軸方向周りの位置が規定される。
【0037】
バネ部材15(付勢手段)は、
図5~
図7に示すように、本実施の形態1においては、金属製の板材をプレス加工することにより形成されている板バネから構成されている。しかしながら、これに限られない。バネ部材15は、板バネ以外のもの、例えば、コイルバネであってもよい。このバネ部材15は、モータハウジング14の収容空間14aの-Y寄りの内壁面14d(底壁面)とステータ13との間に配置されている。これにより、バネ部材15は、ステータ13をコントローラ20のコントローラハウジング21に付勢する。具体的には、バネ部材15は、コントローラハウジング21に対して、ステータ13を出力軸11の軸方向(Y軸方向と同一の方向)に付勢するように形成されている。また、バネ部材15は、モータハウジング14とは別体に形成されている。
【0038】
上述のように構成されているモータユニット10は、モータハウジング取付対象であるコントローラハウジング21やアクチュエータ本体30に対して脱着可能なユニットとして構成されている。モータユニット10は、
図6及び
図7に示すように、4本のボルト16が、コントローラハウジング21の貫通孔21aに挿入されて、モータハウジング14のネジ穴14cに捻じ込まれることで、コントローラハウジング21に固定される。
【0039】
コントローラ20は、
図1及び
図2に示すように、アクチュエータ本体30のスライド部31及びロッドRの動作を制御するために用いられる。コントローラ20は、モータユニット10の+Y側の端部に取り付けられている。コントローラ20は、
図5~
図7に示すように、エンコーダ22と、制御基板ユニット23と、これらを収容するコントローラハウジング21及び蓋部24とを有する。
【0040】
エンコーダ22は、モータユニット10の出力軸11の回転数を検出する。エンコーダ22は、エンコーダ基板と、エンコーダ基板に実装されているセンサとを有する。エンコーダ基板の-Y側の面は、センサが実装された実装面として構成されている。センサは、例えば、エンコーダ用マグネット12bの磁束密度の変化を検出する磁気センサである。センサは、例えば、ホール素子を含んで構成され、エンコーダ用マグネット12bからの磁束密度の変化を検出し、検出した磁束密度の変化に応じた電圧信号を出力する。エンコーダ22は、2本のボルト22aによって、コントローラハウジング21に固定されている。
【0041】
制御基板ユニット23は、本実施の形態1においては、2枚の配線基板を含んで構成されている。制御基板ユニット23は、例えば、モータ用ドライバー回路部品が実装されているドライバーボードと、CPU(Central Processing Unit)が実装されているCPUボードと、それらの間に配置されている棒状の間隔保持部材とを有し、それらが一体に形成されている。この制御基板ユニット23には、ボルト16が挿入されると共にY軸方向に貫通する貫通孔23aが形成されている。モータユニット10をコントローラハウジング21に固定するための4本のボルト16のうちの1本のボルト16が貫通孔23aに挿入されることで、制御基板ユニット23は、コントローラハウジング21に固定される。
【0042】
蓋部24は、コントローラハウジング21に収容されたエンコーダ22及び制御基板ユニット23を覆うことで、これらの部材をコントローラハウジング21と共に保護する。蓋部24は、4本のボルト24aによって、コントローラハウジング21に固定される。
【0043】
上述のように構成されているコントローラ20は、モータユニット10に対して脱着可能なユニットとして構成されている。
【0044】
図1に示すように、コントローラ20の蓋部24からは、アクチュエータケーブルが引き出されている。アクチュエータケーブルは、図示しないティーチングペンダントなどの外部機器に接続される。
【0045】
以上、説明したように、本実施の形態1に係るアクチュエータ1においては、
図5~
図7に示すように、モータハウジング14の内壁面14dとステータ13との間に配置され、ステータ13をモータハウジング取付対象としてのコントローラハウジング21に付勢するバネ部材15を備える。これにより、アクチュエータ1においては、モータハウジング14の内部におけるロータ12に対するステータ13の位置決めを容易に行うことができる。
【0046】
また、本実施の形態1においては、モータユニット10は、コントローラハウジング21に対して脱着可能にユニット化されて構成されている。これにより、モータユニット10を異なる種類のコントローラ20に取り付けることが可能となる。また、アクチュエータ1の組み立て効率及び製造効率を向上させることができる。
【0047】
また、本実施の形態1においては、従来のアクチュエータやそのアクチュエータが備えるモータのステータの固定方法とは異なり、溶着やかしめの工程が不要であるため、モータユニット10の組み立て効率及び製造効率を向上させることができる。ひいては、モータユニット10及びそれを備えるアクチュエータ1の製造コストを抑制することができる。
【0048】
また、本実施の形態1においては、
図5及び
図7に示すように、ステータ13は、コイル51、52の外周から電線Eが露出して形成されている。そして、コイル51、52の外周から露出する電線Eは、モータハウジング14で覆われている。
【0049】
これに対して、一般的なステータ13-2は、
図12に係る比較例に示すように、ステータヨークの一部が延設されて、電線Eを覆う外周壁部13-2aを有する。特に市場に流通しているモータのステータ13-2は、外周壁部13-2aを有しているものが一般的である。このため、外周壁部13-2aの板厚により、ステータ13-2におけるY軸方向に直交する径方向のサイズが大きくなるおそれがある。
【0050】
しかしながら、本実施の形態1においては、
図5及び
図7に示すように、ステータ13は、外周壁部13-2aに相当するものを有しておらず、コイル51、52の外周から露出する電線Eは、モータハウジング14で直接的に覆われている。これにより、アクチュエータ1においては、Y軸方向に直交する方向のサイズを小さくすることができる。結果として、アクチュエータ1の大型化を抑制することができる。
【0051】
実施の形態2.
上記実施の形態1に係るアクチュエータ1は、
図1に示すように、ロッドRを備えるロッドタイプのリニアアクチュエータである。しかしながら、これに限られない。例えば、実施の形態2に係るもののように、アクチュエータ2は、ロッドタイプのリニアアクチュエータ以外のものであってもよい。以下、本発明の実施の形態2に係るアクチュエータ2について、
図13~
図15を用いて説明する。実施の形態1との相違点を主に説明する。説明した相違点以外は、実施の形態1と同一又は同等のものとする。なお、理解を容易にするために、XYZ座標を設定し、適宜参照する。
【0052】
アクチュエータ2は、
図13及び
図14に示すように、スライドカバーCが第1方向D1に往復運動するスライダタイプのリニアアクチュエータである。アクチュエータ2は、モータユニット10と、コントローラ20と、アクチュエータ本体30-2とを備える。
【0053】
アクチュエータ本体30-2は、上述したスライドカバーCに加えて、実施の形態1に係るアクチュエータ本体30と同様に、スライド部31と、ボールネジ軸32と、アクチュエータハウジング33とを有する。スライドカバーCは、スライド部31に固定され、スライド部31の直線運動と共に第1方向D1に直線運動する。
【0054】
モータユニット10及びコントローラ20は、
図5~
図7を参照するとわかるように、実施の形態1に係るアクチュエータ1のものと同一のものである。
【0055】
この実施の形態2に係るアクチュエータ2においても、モータハウジング14の内壁面14dとステータ13との間に配置され、ステータ13をモータハウジング取付対象としてのコントローラハウジング21に付勢するバネ部材15を備える。これにより、アクチュエータ2においては、モータハウジング14の内部におけるロータ12に対するステータ13の位置決めを容易に行うことができる。したがって、実施の形態1に係るアクチュエータ1と同等の効果を有することができる。
【0056】
また、本実施の形態2においては、モータユニット10は、モータハウジング取付対象であるコントローラハウジング21やアクチュエータ本体30-2に対して脱着可能にユニット化されて構成されている。これにより、モータユニット10を異なる種類のコントローラ20やアクチュエータ本体30-2に取り付けることが可能となる。例えば、
図15に示すように、モータユニット10を、アクチュエータ本体30-2から別の種類のアクチュエータ本体30に取り付けたり、アクチュエータ本体30からアクチュエータ本体30-2に取り付けたりすることが可能となる。
【0057】
実施の形態3.
上記実施の形態1に係るアクチュエータ1は、
図1に示すように、ロッドRを備えるロッドタイプのリニアアクチュエータである。また、上記実施の形態2に係るアクチュエータ2は、
図13に示すように、スライドカバーCを備えるスライダタイプのリニアアクチュエータである。しかしながら、これに限られない。例えば、実施の形態3に係るもののように、アクチュエータ3は、これらのタイプのリニアアクチュエータ以外のものであってもよい。以下、本発明の実施の形態3に係るアクチュエータ3について、
図16~
図18を用いて説明する。実施の形態1、2との相違点を主に説明する。説明した相違点以外は、実施の形態1、2と同一又は同等のものとする。なお、理解を容易にするために、XYZ座標を設定し、適宜参照する。
【0058】
アクチュエータ3は、
図16及び
図17に示すように、ベースプレートBが第1方向D1に往復運動するテーブルタイプのリニアアクチュエータである。アクチュエータ3は、モータユニット10と、コントローラ20と、アクチュエータ本体30-3とを備える。
【0059】
アクチュエータ本体30-3は、上述したベースプレートBに加えて、実施の形態1、2に係るアクチュエータ本体30、30-2と同様に、スライド部と、ボールネジ軸と、アクチュエータハウジング33とを有する。ベースプレートBは、アクチュエータ3の設置対象に固定され、スライド部の直線運動に伴って、アクチュエータ本体30-3そのものが「テーブル」として第1方向D1に直線運動する。
【0060】
モータユニット10及びコントローラ20は、
図5~
図7を参照するとわかるように、実施の形態1、2に係るアクチュエータ1、2のものと同一のものである。
【0061】
この実施の形態3に係るアクチュエータ3においても、モータハウジング14の内壁面14dとステータ13との間に配置され、ステータ13をモータハウジング取付対象としてのコントローラハウジング21に付勢するバネ部材15を備える。これにより、アクチュエータ3においては、モータハウジング14の内部におけるロータ12に対するステータ13の位置決めを容易に行うことができる。したがって、実施の形態1、2に係るアクチュエータ1、2と同等の効果を有することができる。
【0062】
また、本実施の形態3においては、モータユニット10は、モータハウジング取付対象であるコントローラハウジング21やアクチュエータ本体30-3に対して脱着可能にユニット化されて構成されている。これにより、モータユニット10を異なる種類のコントローラ20やアクチュエータ本体30-3に取り付けることが可能となる。例えば、
図18に示すように、モータユニット10を、アクチュエータ本体30-3から別の種類のアクチュエータ本体30に取り付けたり、アクチュエータ本体30からアクチュエータ本体30-3に取り付けたりすることが可能となる。
【0063】
実施の形態4.
上記実施の形態1、2、3に係るアクチュエータ1、2、3は、
図1、
図12、
図15に示すように、モータユニット10と、コントローラ20と、アクチュエータ本体30、30-2、30-3とを備える。しかしながら、アクチュエータ1、2、3を構成する部品は、これに限られない。例えば、
図19に示すように、アクチュエータ4は、モータユニット10と、コントローラ20と、アクチュエータ本体30とに加えて、モータユニット10の出力軸11の回転を停止させるブレーキ40をさらに備えていてもよい。この実施の形態4に係るアクチュエータ4においても、実施の形態1~3に係るアクチュエータ1~3と同等の効果を有することができる。
【0064】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態によって限定されるものではない。
【0065】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0066】
1、2、3、4:アクチュエータ
10:モータユニット
11:出力軸(回転軸)
11a、11b:ベアリング
12:ロータ
12a:ロータマグネット
12b:エンコーダ用マグネット
13、13-2:ステータ
13-2a:外周壁部
14:モータハウジング
14a:収容空間
14b:位置決め用溝部
14c:ネジ穴
14d:底壁面(内壁面)
15:バネ部材(付勢手段)
16:ボルト
20:コントローラ
21:コントローラハウジング(モータハウジング取付対象)
21a:貫通孔
22:エンコーダ
22a:ボルト
23:制御基板ユニット
23a:貫通孔
24:蓋部
24a:ボルト
30、30-2、30-3:アクチュエータ本体(モータハウジング取付対象)
31:スライド部
32:ボールネジ軸
33:アクチュエータハウジング
33a、33b:ベアリング
34A、34B:ガイドロッド
35:先端ブラケット
40:ブレーキ
51、52:コイル
51a、52a:コネクタ
53、54、55、56:ステータヨーク
53a、54a、55a、56a:本体部
53b、54b、55b、56b:支持部
53c、54c、55c、56c:位置決め用突出部
54d、55d:凸部
54e、55e:孔
57:ステータ基板
R:ロッド
C:スライドカバー
B:ベースプレート
E:電線
D1:第1方向
A1:中心軸