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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109318
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】操舵反力装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 5/04 20060101AFI20230801BHJP
   F16H 1/16 20060101ALI20230801BHJP
   F16H 55/06 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
B62D5/04
F16H1/16 Z
F16H55/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010759
(22)【出願日】2022-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田口 雄一郎
【テーマコード(参考)】
3D333
3J009
3J030
【Fターム(参考)】
3D333CB02
3D333CB29
3D333CB46
3D333CC14
3D333CC33
3D333CD05
3D333CD08
3D333CD11
3D333CD12
3D333CD16
3D333CD21
3D333CD23
3D333CD37
3D333CE04
3D333CE12
3D333CE53
3J009DA17
3J009EA06
3J009EA19
3J009EA23
3J009EA32
3J009EA43
3J009EB06
3J009EB23
3J009FA08
3J009FA14
3J030BA03
3J030BC01
3J030BC08
(57)【要約】
【課題】重量がより低減される、ウォームホイールを備える操舵反力装置を提供すること。
【解決手段】操舵反力装置は、モータと減速機構とを備える。減速機構は、操舵軸に取り付けられ外周に複数のホイール歯部を有するウォームホイールと、モータによって回転するウォームシャフトと、を有する。ウォームホイールは、金属製の芯金と、芯金の外周側に設けられるホイール歯部と、を有する。芯金の外周は、中心軸の軸回りの周方向に沿って延びる円筒部と、径方向外側に突出する少なくとも1つの突起部と、を有する。ホイール歯部は、円筒部の外周側に設けられ、且つ、樹脂で形成される第1歯と、突起部と突起部の外周に形成される樹脂層とで形成される第2歯と、有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
転舵用のラック軸と機械的に非連結としたステアリングホイールで操舵を行う場合に、当該ステアリングホイールに与える操舵反力を発生させる操舵反力装置であって、
前記操舵反力の発生源となるモータと、
前記モータに接続され、且つ、前記モータの出力を反力トルクとして前記ステアリングホイールの操舵軸に伝える減速機構と、を備え、
前記減速機構は、
前記操舵軸に取り付けられ、中心軸の軸回りに回転可能で、且つ、外周に複数のホイール歯部を有するウォームホイールと、
前記ホイール歯部に噛み合うシャフト歯部を有し、且つ、前記モータによって回転するウォームシャフトと、を有し、
前記ウォームホイールは、金属製の芯金と、当該芯金の外周側に設けられる前記ホイール歯部と、を有し、
前記芯金の外周は、
前記中心軸の軸回りの周方向に沿って延びる円筒部と、
径方向外側に突出する少なくとも1つの突起部と、を有し、
前記ホイール歯部は、
前記円筒部の外周側に設けられ、且つ、樹脂で形成される第1歯と、
前記突起部と当該突起部の外周に形成される樹脂層とで形成される第2歯と、有する、
操舵反力装置。
【請求項2】
前記ホイール歯部は、
複数の前記第2歯が前記周方向に隣接する第2歯群を有する、
請求項1に記載の操舵反力装置。
【請求項3】
前記第2歯群は複数設けられ、
当該複数の前記第2歯群は、前記周方向に沿って離隔して配置され、且つ、前記周方向で隣接する2つの前記第2歯群の間には少なくとも1つの前記第1歯が設けられる、
請求項2に記載の操舵反力装置。
【請求項4】
前記ウォームホイールを収容する筐体における、前記ホイール歯部の外周に対向する位置に取り付けられ、且つ、前記第2歯の周方向位置を検出する検出センサを更に備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載の操舵反力装置。
【請求項5】
前記検出センサは、ホール素子を有する磁気感応式センサである、
請求項4に記載の操舵反力装置。
【請求項6】
ストッパー機構を備える、
請求項1から5のいずれか1項に記載の操舵反力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、操舵反力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ステアバイワイヤ式操舵装置においては、ステアリングホイールと転舵輪とが機械的に非連結となる。この構成においては、操舵反力が、転舵輪を含む転舵機構からステアリングホイールに伝達されない。このため、ステアリングホイールに連結される操舵軸に操舵反力装置を設け、ステアリングホイールの操舵方向とは逆方向の反力をこのステアリングホイールに付与し、運転者に自然なステアリング操作感を与えるようにしている。
【0003】
操舵反力装置は、例えば、モータと減速機構とを備え、モータで発生する操舵反力は、減速機構を介して操舵軸に伝達される。減速機構は、例えば、ウォームシャフトおよびウォームホイールを有し、ウォームシャフトのシャフト歯がウォームホイールのホイール歯に噛み合うことにより、モータの回転がウォームシャフトを介してウォームホイールに伝達される。
【0004】
ここで、従来、ウォームホイールは金属製であるが、近年はバックラッシュによるラトル音の低減等を目的として、ウォームホイールのホイール歯の外周に樹脂層を形成する場合がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のウォームホイールは、金属製の芯金と、芯金の外周全体に形成した樹脂層と、を有する。具体的には、芯金の外周には、径方向外側に突出する複数の突起部が全周に亘ってホイール歯と同数設けられる。樹脂層は、複数の突起部の全ての外周に形成される。即ち、全てのホイール歯は、金属製の突起部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-21980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ウォームホイールを備える操舵反力装置の重量をより低減することが望まれている。
【0007】
本開示は、前述の課題に鑑みてなされたものであって、重量がより低減される、ウォームホイールを備える操舵反力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するため、一態様に係る操舵反力装置は、転舵用のラック軸と機械的に非連結としたステアリングホイールで操舵を行う場合に、当該ステアリングホイールに与える操舵反力を発生させる操舵反力装置であって、前記操舵反力の発生源となるモータと、前記モータに接続され、且つ、前記モータの出力を反力トルクとして前記ステアリングホイールの操舵軸に伝える減速機構と、を備え、前記減速機構は、前記操舵軸に取り付けられ、中心軸の軸回りに回転可能で、且つ、外周に複数のホイール歯部を有するウォームホイールと、前記ホイール歯部に噛み合うシャフト歯部を有し、且つ、前記モータによって回転するウォームシャフトと、を有し、前記ウォームホイールは、金属製の芯金と、当該芯金の外周側に設けられる前記ホイール歯部と、を有し、前記芯金の外周は、前記中心軸の軸回りの周方向に沿って延びる円筒部と、径方向外側に突出する少なくとも1つの突起部と、を有し、前記ホイール歯部は、前記円筒部の外周側に設けられ、且つ、樹脂で形成される第1歯と、前記突起部と当該突起部の外周に形成される樹脂層とで形成される第2歯と、有する。
【0009】
ステアバイワイヤ式操舵装置においては、ステアリングホイールの操舵方向とは逆方向の操舵反力をステアリングホイールに付与するために、ステアリングホイールに連結される操舵軸に操舵反力装置を設ける。操舵反力装置は、モータと減速機構とを備え、減速機構は、ウォームシャフトおよびウォームホイールを有する。
【0010】
操舵装置では、転舵輪の転舵角度の限界域をドライバーに伝えるためのストッパー機構を設ける必要がある。ステアリングホイールと転舵輪とが機械的に連結される車両においては、例えば転舵用のラック軸にストッパー機構を設けるが、ステアバイワイヤ式操舵装置が設けられる車両においては、操舵反力装置側にストッパー機構を設ける必要がある。例えば、ストッパー機構は、モータの出力を用いる。即ち、転舵輪の転舵角度の限界域で操舵反力装置のモータの回転を止めるストッパー機構により、ウォームシャフト、ウォームホイールおよび操舵軸を介してステアリングホイールの回転を阻止する。ストッパー機構は、例えば、端当て位置をドライバーに認知させたり、ステアリングホイールに接続されるハーネスエアバッグ用ハーネスの回転過多による断線を防止させたりするため、一定角度以上のステアリングホイールの回転を阻止するために設けられる。
【0011】
ここで、ウォームシャフトのシャフト歯部がウォームホイールのホイール歯部と噛み合い、シャフト歯部の回転によってホイール歯部およびウォームホイールが回転する。また、ストッパー機構の作動時にウォームホイールの回転が停止する場合、ホイール歯部のうち、シャフト歯部に噛み合う噛み合い部分に大きな荷重が入力される。
【0012】
前述したように、特許文献1のウォームホイールは、金属製の芯金と、芯金の外周全体に形成した樹脂層と、を有する。具体的には、芯金の外周には、径方向外側に突出する複数の突起部が全周に亘ってホイール歯と同数設けられ、樹脂層は、複数の突起部の全ての外周に形成される。即ち、全てのホイール歯は、金属製の突起部を有するため、重量が大きい。
【0013】
これに対して、本開示に係るホイール歯部においては、一部が、金属製の突起部を有する第2歯であり、その他は、樹脂製の第1歯である。第2歯は第1歯よりも重量が小さい。従って、ストッパー機構の作動時にウォームホイールの回転が停止する位相(周方向位置)が予め決まっている場合は、ホイール歯部のうち、シャフト歯部に噛み合う噛み合い部分に第2歯を配置することにより、金属製の突起部の数がより少なくなりウォームホイールおよび操舵反力装置の重量がより低減される。なお、本開示に係るウォームホイールは、特許文献1のウォームホイールに対して、例えば、10%以上20%以下の重量軽減を図ることが可能となる。
【0014】
望ましい態様として、前記ホイール歯部は、複数の前記第2歯が前記周方向に隣接する第2歯群を有する。従って、第2歯が1つの場合よりも、ホイール歯部の剛性が向上し、ホイール歯部とシャフト歯部との噛み合い力が向上し、ひいては、ストッパー機構によるステアリングホイールの回転阻止をより確実に行うことができる。
【0015】
望ましい態様として、前記第2歯群は複数設けられ、当該複数の前記第2歯群は、前記周方向に沿って離隔して配置され、且つ、前記周方向で隣接する2つの前記第2歯群の間には少なくとも1つの前記第1歯が設けられる。
【0016】
これによれば、ストッパー機構の作動時にウォームホイールの回転が停止する位相(周方向位置)が複数の場合に対応可能となる。即ち、例えば、ウォームホイールの回転が停止する位相(周方向位置)を初期に設定した位相から別の位相に変えたい場合や車種の異なる車両に同じ構成のウォームホイールを搭載する場合などのニーズに対応可能となる。
【0017】
望ましい態様として、前記ウォームホイールを収容する筐体における、前記ホイール歯部の外周に対向する位置に取り付けられ、且つ、前記第2歯の周方向位置を検出する検出センサを更に備える。
【0018】
転舵輪の転舵角度の限界域においてストッパー機構を作動させたときに、第2歯群は、ウォームシャフトのシャフト歯部と噛み合う噛み合い部分に配置される。そのために、例えば、ハウジングの一部などに、操舵軸の回転角を検出する絶対角度センサを設けておき、通常時は、当該絶対角度センサでステアリングホイールの絶対角度を検出し、ステアリングホイールの位相(回転角)が所定域にきたときに、第2歯群を噛み合い部分に位置させる。
【0019】
ここで、検出センサで、金属製の突起部を有する第2歯の位相を検出し、絶対角度センサと第2歯の位相(周方向位置)とを予め調整(キャリブレーション)しておくことにより、仮に、絶対角度センサが故障した際にも検出センサで、ウォームホイールの回転数からステアリングホイールの回転角度を推定することができる。
【0020】
望ましい態様として、前記検出センサは、ホール素子を有する磁気感応式センサであるため、簡単な構造で、第2歯群の周方向位置を検出することができる。
【0021】
望ましい態様として、操舵装置は、ストッパー機構を備える。例えば、ストッパー機構は、モータの出力を用いる。即ち、ストッパー機構によって、転舵輪の転舵角度の限界域で操舵反力装置のモータの回転を止める。これにより、ウォームシャフト、ウォームホイールおよび操舵軸を介してステアリングホイールの回転を阻止する。ストッパー機構は、例えば、端当て位置をドライバーに認知させたり、ステアリングホイールに接続されるハーネスエアバッグ用ハーネスの回転過多による断線を防止させたりするため、一定角度以上のステアリングホイールの回転を阻止する。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、重量がより低減される、ウォームホイールを備える操舵反力装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、第1実施形態の電動パワーステアリング装置の全体構成の模式図である。
図2図2は、第1実施形態の操舵ユニットを模式的に示す斜視図である。
図3図3は、図2の側面図である。
図4図4は、図2のIV-IV線による断面図である。
図5図5は、図3のV-V線による断面図である。
図6図6は、第1実施形態のウォームホイールを模式的に示す斜視図である。
図7図7は、図6のVII-VII線による断面図である。
図8図8は、第1実施形態のウォームホイールを模式的に示す、一部が断面の斜視図である。
図9図9は、図7のIX-IX線による断面図である。
図10図10は、第1実施形態のウォームホイールに含まれる芯金を模式的に示す斜視図である。
図11図11は、図10の正面図である。
図12図12は、第2実施形態のウォームホイールに含まれる芯金を模式的に示す正面図である。
図13図13は、第2実施形態のウォームホイールを模式的に示す断面図である。
図14図14は、第3実施形態の操舵反力装置の模式的な断面図であり、第1実施形態の図5に対応する図である。
図15図15は、図14の一部を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、同一構造の部位には同一符号を付けて、説明を省略する。なお、三次元座標において、X方向は車体の前後方向、Y方向は車幅方向、Z方向は上下方向を示す。さらに、X1側は、第1ステアリングシャフトの入力軸側を示し、X2側は出力軸側を示す。Y1側は、車幅方向の右側を示し、Y2側は、左側を示す。Z1側は、上側を示し、Z2側は、下側を示す。
【0025】
[第1実施形態]
以下に、第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態の電動パワーステアリング装置の全体構成の模式図である。図2は、第1実施形態の操舵ユニットを模式的に示す斜視図である。図3は、図2の側面図である。図4は、図2のIV-IV線による断面図である。図5は、図3のV-V線による断面図である。
【0026】
図1に示すように、電動パワーステアリング装置100は、操舵ユニット7と、制御装置(ECU)70と、転蛇ユニット80と、を備える。
【0027】
操舵ユニット7においては、ステアリングホイール10を操舵する際に、ステアリングホイール10の操舵方向とは逆方向の操舵反力をステアリングホイール10に付与するために操舵反力装置110が設けられる。制御装置(ECU)70は、動作情報に基づいて、車両の走行状態に応じた反力トルクを演算し、当該反力トルクに基づいて操舵反力装置110のモータ27へ供給する電力値を調節し、当該電力値に応じてモータ27が動作することにより、操作者には、ステアリングホイール10の操舵反力が伝達される。また、制御装置(ECU)70は、動作情報に基づいて電流指令値の演算を行い、転蛇ユニット80の転舵用モータ81に供給する電流を制御する。転蛇ユニット80においては、転舵用モータ81に連結される各種ギヤを介して転舵輪82が転舵する。以下、電動パワーステアリング装置100におけるそれぞれの構成を詳細に説明する。
【0028】
操舵ユニット7は、図1から図4に示すように、ステアリングホイール10と、操舵軸1と、ハウジング2と、操舵反力装置110と、を備える。
【0029】
図4に示すように、操舵軸1は、X方向(軸方向)に延びる。操舵軸1は、第1シャフト11と、第2シャフト12と、第3シャフト13と、トーションバー14と、を有する。
【0030】
図4に示すように、第1シャフト11におけるX1側の端部11aには、ステアリングホイール10が回転可能に連結される。第1シャフト11におけるX2側の端部11cは、第2シャフト12におけるX1側の端部12aとスプライン嵌合する。第1シャフト11における本体部11bは、端部11aと端部11cとを連結する。
【0031】
図4に示すように、第2シャフト12におけるX2側の端部12dには、嵌合孔12eが設けられる。嵌合孔12eには、トーションバー14のX1側の端部14cが嵌合される。第2シャフト12における本体部12cは、端部12aと端部12dとを連結する。
【0032】
図4に示すように、第3シャフト13におけるX1側の端部13aには、第2シャフト12におけるX2側の先端12fが嵌合される。第3シャフト13におけるX2側の端部13cには、トーションバー14のX2側の端部14aが嵌合される。第3シャフト13における本体部13bは、端部13aと端部13cを連結する。なお、トーションバー14の本体部14bは、X1側の端部14cとX2側の端部14aとを連結する。
【0033】
また、図4に示すように、第1シャフト11は、軸受15を介して第1ハウジング21に回転可能に支持される。第3シャフト13のX1側の端部13aの外周と第3ハウジング23の内周との間には軸受16が設けられる。第3シャフト13の本体部13bの外周と第4ハウジング24のX2側の端部の内周との間には軸受17が設けられる。従って、第3シャフト13は、軸受16を介して第3ハウジング23に回転可能に支持され、軸受17を介して第4ハウジング24に回転可能に支持される。以上により、操舵軸1は、後述するハウジング2に回転可能に支持される。
【0034】
図4に示すように、ハウジング2は、第1ハウジング21と、第2ハウジング22と、第3ハウジング23と、第4ハウジング24と、を備える。第1ハウジング21、第2ハウジング22、第3ハウジング23および第4ハウジング24は、これらの順に沿ってX1側からX2側に並んで配置される。
【0035】
図4に示すように、第1ハウジング21は、第1シャフト11および第2シャフト12の外周側に配置される。第1ハウジング21におけるX2側の端部には、フランジ21aが設けられる。フランジ21a、第2ハウジング22、第3ハウジング23および第4ハウジング24には、X方向に貫通する貫通孔が設けられ、当該貫通孔にボルトBLが挿入される。また、ボルトBLの端部には、雄ねじ部BLaが形成され、第4ハウジング24には雌ねじ部が形成される。ボルトBLの雄ねじ部BLaが第4ハウジング24の雌ねじ部に噛みこむことにより、ボルトBLが、フランジ21a、第2ハウジング22、第3ハウジング23および第4ハウジング24に締結される。
【0036】
図5に示すように、第4ハウジング24は、ウォームホイール収容部243と、ウォームシャフト収容部244と、フランジ部245と、を備える。
【0037】
図5に示すように、ウォームホイール収容部243は、Z1側に向けて突出し断面円弧状に形成される。ウォームホイール収容部243の内側にウォームホイール300が収容される。ウォームホイール収容部243の外周には、フランジ部24g、24hが径方向外側に向けて突出している。
【0038】
ウォームシャフト収容部244は、Y方向に沿って延びる。ウォームシャフト収容部244には貫通孔24aが設けられ、ウォームシャフト収容部244の内側にウォームシャフト32が収容される。ウォームシャフト収容部244には、Z2側に突出するフランジ部24fが設けられる。
【0039】
ウォームシャフト収容部244のY1側の端部242は、Y1側が開口しており、当該開口には嵌合部材24bが嵌合される。嵌合部材24bのY2側には、軸受26が配置される。軸受26は、例えば、転がり軸受である。なお、ウォームシャフト収容部244の端部242のY1側には、フランジ部245が配置される。
【0040】
ウォームシャフト収容部244のY2側の端部241の内側には、嵌合部材24dが嵌合される。嵌合部材24dの内周には、軸受25が設けられる。軸受25は、例えば、すべり軸受である。また、ウォームシャフト収容部244のY2側の端部241は、Y2側が開口しており、当該開口には蓋部24eが嵌合される。図2および図3に示すように、蓋部24eは2つのボルトBLで締結される。
【0041】
次に、操舵反力装置110について説明する。図5に示すように、操舵反力装置110は、モータ27と減速機構3とを備え、減速機構3は、ウォームホイール300とウォームシャフト32とを有する。なお、操舵反力は、例えば、100Nm以上のトルクが想定される。
【0042】
モータ27は、操舵反力の発生源となる。即ち、モータ27の出力が反力トルクとなり、当該反力トルクが減速機構3を介してステアリングホイール10の操舵軸1に伝達される。図5に示すように、モータ27の前面部27aは、第4ハウジング24のフランジ部245に設けた凹部245aに嵌まる。モータ27には図示しない出力軸が設けられ、当該出力軸がウォームシャフト32の突出部32eに接続される。
【0043】
図5に示すように、ウォームシャフト32は、シャフト歯部32bと、軸部32a、32dと、拡径部32cと、突出部32eと、を備える。
【0044】
図5に示すように、シャフト歯部32bにおいては、Y方向に沿って複数の歯が並ぶ。シャフト歯部32bは、ウォームホイール300のホイール歯部340に噛み合う。軸部32aは、シャフト歯部32bのY2側に設けられる。軸部32aは、軸受25を介して嵌合部材24dに回転可能に支持される。拡径部32cは、シャフト歯部32bのY1側に隣接して設けられる。拡径部32cの外周面は、Y1側に向かうに従って径が大きくなる傾斜面である。拡径部32cのY1側には、軸部32dが設けられる。軸部32dは、軸受26を介して端部242に回転可能に支持される。なお、嵌合部材24bには、Y2側に凹部24cが形成され、凹部24cの内側に突出部32eが配置される。
【0045】
図5に示すように、ウォームホイール300の内周には、第3シャフト13が嵌合されている。以下、ウォームホイール300の構成について説明する。図6は、第1実施形態のウォームホイールを模式的に示す斜視図である。図7は、図6のVII-VII線による断面図である。図8は、第1実施形態のウォームホイールを模式的に示す、一部が断面の斜視図である。図9は、図7のIX-IX線による断面図である。図10は、第1実施形態のウォームホイールに含まれる芯金を模式的に示す斜視図である。図11は、図10の正面図である。
【0046】
図6から図9に示すように、ウォームホイール300は、芯金310と、ホイール歯部340と、を備える。ウォームホイール300は、中心軸AXの軸回りの周方向に沿って円環状に延びる円環部材である。芯金310は、金属製である。芯金310は、内周部320と、外周部330と、を有する。内周部320および外周部330のそれぞれは、例えば、複数の低炭素鋼板などを打ち抜き加工して成形される。なお、内周部320と外周部330は一体でも良い。
【0047】
図8および図9に示すように、内周部320は、内周321、外周322および側面323、324を有する。内周321には、第3シャフト13が嵌合する。側面323は、内周部320におけるX2側に設けられ、側面324は、内周部320におけるX1側に設けられる。側面323には、X2側に凸の突設部325が形成され、側面324には、X1側に凸の突設部326が形成される。外周322および内周321は、中心軸AXの軸回りの周方向に沿って円環状に延びる。
【0048】
図8および図9に示すように、外周部330は、内周部320の外周側に設けられる。外周部330は、内周部320に固定されている。外周部330は、内周331、外周332および側面333、334を有する。内周331は、内周部320の外周322に接する。内周331は、内周部320の外周322に固定される。側面333は、側面323と面一である。側面334は、側面324と面一である。
【0049】
図10および図11に示すように、外周部330における外周332は、円筒部332aと、突起部4と、を有する。
【0050】
図10および図11に示すように、円筒部332aは、中心軸AXの軸回りの周方向に沿って延びる。円筒部332aは、平滑な円筒面である。突起部4は、2つの突起部41、42を有する。突起部41は、側面41a、41b、頂面41cおよび底部41dを有する。突起部42は、側面42a、42bおよび頂面42cを有する。
【0051】
図10および図11に示すように、側面41a、41bは、突起部41における周方向の一方側および他方側に設けられる。頂面41cは、側面41a、41bにおける径方向外側端同士を周方向に連結する。側面42a、42bは、突起部42における周方向の一方側および他方側に設けられる。頂面42cは、側面42a、42bにおける径方向外側端同士を周方向に連結する。
【0052】
図7および図8に示すように、ホイール歯部340は、第1歯341と第2歯群342とを備える。第1歯341は、円筒部332aの外周側に設けられる。第1歯341は、、樹脂で形成される。第2歯群342は、第2歯342Aおよび第2歯342Bを有する。第2歯342Aおよび第2歯342Bのそれぞれは、突起部4と突起部4の外周に設けられる樹脂層40とで形成される。即ち、図10および図11で説明した突起部41の側面41a、41b、頂面41cおよび底部41dの外周側に、図6から図8に示す樹脂層40が形成される。よって、突起部41と突起部41の外周側の樹脂層40とによって第2歯342Aが形成される。同様に、突起部42と突起部42の外周側の樹脂層40とによって第2歯342Bが形成される。換言すると、突起部41と突起部42の径方向外側が樹脂層40で覆われており、ウォームホイールの第2歯群342の歯先は、金属製の突起部41、42と樹脂層40とで構成されている。なお、図7に示すように、ホイール歯部340におけるそれぞれの歯347は、歯先344と、歯面(歯の側面)345と、歯底346と、を備える。歯先344は、端部344a、344bと中央部344cとを有する。歯先344における軸方向の両端に端部344a、344bが設けられ、端部344aと端部344bとの間に中央部344cが設けられる。
【0053】
また、図6および図7に示すように、ホイール歯部340は、第2歯群342を有する。第2歯群342は、複数の第2歯が周方向に隣接して形成される。本実施形態においては、ホイール歯部340を構成する複数の歯347のうち、第2歯342Aと第2歯342Bとによって第2歯群342が形成される。
【0054】
なお、図8に示すように、ホイール歯部340は、側面348、349を有する。側面348は、芯金310の側面333と面一である。側面349は、芯金310の側面334と面一である。ホイール歯部340は、はすば歯車(ヘリカルギヤ)である。
【0055】
また、本実施形態に係るステアバイワイヤ式操舵装置が設けられる車両においては、操舵反力装置110にストッパー機構を設ける。例えば、ストッパー機構は、モータ27の出力を用いる。即ち、ストッパー機構によって、転舵輪の転舵角度の限界域で操舵反力装置110のモータ27の回転を止める。これにより、ウォームシャフト32、ウォームホイール300および操舵軸1を介してステアリングホイール10の回転を阻止する。ストッパー機構は、例えば、端当て位置をドライバーに認知させたり、ステアリングホイール10に接続されるハーネスエアバッグ用ハーネスの回転過多による断線を防止させたりするため、一定角度以上のステアリングホイール10の回転を阻止する。
【0056】
以上説明したように、本実施形態に係る操舵反力装置110は、転舵用のラック軸と機械的に非連結としたステアリングホイール10で操舵を行う場合に、ステアリングホイール10に与える操舵反力を発生させる。操舵反力装置110は、操舵反力の発生源となるモータ27と、モータ27に接続され、且つ、モータ27の出力を反力トルクとしてステアリングホイール10の操舵軸1に伝える減速機構3と、を備える。減速機構3は、操舵軸1に取り付けられ、中心軸AXの軸回りに回転可能で、且つ、外周に複数のホイール歯部340を有するウォームホイール300と、ホイール歯部340に噛み合うシャフト歯部32bを有し、且つ、モータ27によって回転するウォームシャフト32と、を有する。ウォームホイール300は、金属製の芯金310と、芯金310の外周側に設けられるホイール歯部340と、を有し、芯金310の外周は、中心軸AXの軸回りの周方向に沿って延びる円筒部332aと、径方向外側に突出する少なくとも1つの突起部41,42と、を有する。ホイール歯部340は、円筒部332aの外周側に設けられ、且つ、樹脂で形成される第1歯341と、突起部41,42と突起部41,42の外周に形成される樹脂層40とで形成される第2歯342A、342Bと、有する。なお、上記の記載および特許請求の範囲における「少なくとも1つの突起部」は、突起部が1つ(突起部41か突起部42のどちらか1つ)以上あることを指している。本実施形態では、突起部が2つあることを意味する。
【0057】
ステアバイワイヤ式操舵装置においては、ステアリングホイール10の操舵方向とは逆方向の操舵反力をステアリングホイール10に付与するために、ステアリングホイール10に連結される操舵軸1に操舵反力装置110を設ける。操舵反力装置110は、モータ27と減速機構3とを備え、減速機構3は、ウォームシャフト32およびウォームホイール300を有する。
【0058】
転舵輪の転舵角度の限界域をドライバーに伝えるためのストッパー機構を設ける必要がある。ステアリングホイールと転舵輪とが機械的に連結される車両においては、例えば転舵用のラック軸にストッパー機構を設けていたが、ステアバイワイヤ式操舵装置が設けられる車両においては、操舵反力装置110にストッパー機構を設ける必要がある。例えば、ストッパー機構は、モータ27の出力を用いる。即ち、ストッパー機構によって、転舵輪の転舵角度の限界域で操舵反力装置110のモータ27の回転を止めることにより、ウォームシャフト32、ウォームホイール300および操舵軸1を介してステアリングホイール10の回転を阻止する。ストッパー機構は、例えば、端当て位置をドライバーに認知させたり、ステアリングホイール10に接続されるハーネスエアバッグ用ハーネスの回転過多による断線を防止させたりするため、一定角度以上のステアリングホイール10の回転を阻止するために設けられる。
【0059】
ここで、ウォームシャフト32のシャフト歯部32bがウォームホイール300のホイール歯部340と噛み合い、シャフト歯部32bの回転によってホイール歯部340およびウォームホイール300が回転する。また、ストッパー機構の作動時にウォームホイール300の回転が停止する場合、ホイール歯部340のうち、シャフト歯部32bに噛み合う噛み合い部分に大きな荷重が入力される。
【0060】
前述したように、特許文献1のウォームホイールは、金属製の芯金と、芯金の外周全体に形成した樹脂層と、を有する。具体的には、芯金の外周には、径方向外側に突出する複数の突起部が全周に亘ってホイール歯と同数設けられ、樹脂層は、複数の突起部の全ての外周に形成される。即ち、全てのホイール歯は、金属製の突起部を有するため、重量が大きい。
【0061】
これに対して、本実施形態に係るホイール歯部340においては、一部が、金属製の突起部41,42を有する第2歯342A、342Bであり、その他は、樹脂製の第1歯341である。第2歯342A、342Bは第1歯341よりも重量が小さい。従って、ストッパー機構の作動時にウォームホイール300の回転が停止する位相(周方向位置)が予め決まっている場合は、ホイール歯部340のうち、シャフト歯部32bに噛み合う噛み合い部分に第2歯342A、342Bを配置しておくことにより、ウォームホイール300および操舵反力装置110の重量がより低減される。なお、本実施形態に係るウォームホイール300は、特許文献1のウォームホイールに対して、例えば、10%以上20%以下の重量軽減を図ることが可能となる。
【0062】
また、ホイール歯部340は、複数の第2歯342A、342Bが周方向に隣接する第2歯群342を有する。従って、第2歯が1つの場合よりも、ホイール歯部340の剛性が向上し、ホイール歯部340とシャフト歯部32bとの噛み合い力が向上し、ひいては、ストッパー機構によるステアリングホイール10の回転阻止がより確実になる。
【0063】
なお、第1実施形態では、第2歯群342を1つに設定することにより、モータ27の停止に伴うステアリングホイール10の回転が阻止される際の回転角度(位相)が、例えば360度の倍数となる。
【0064】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。図12は、第2実施形態のウォームホイールに含まれる芯金を模式的に示す正面図である。図13は、第2実施形態のウォームホイールを模式的に示す断面図である。第2実施形態は、第1実施形態に対して、第2歯群が複数設けられ態様が異なる。以下、具体的に説明する。
【0065】
図12に示すように、芯金310Aにおいては、2つの突起部(突起部4および突起部5)が周方向に離隔して配置される。即ち、第2実施形態に係る突起部5は、突起部51、52を有する。突起部51は、側面51a、51b、頂面51cおよび底部51dを有する。突起部52は、側面52a、52bおよび頂面52cを有する。
【0066】
図13に示すウォームホイール300Aにおいて、ホイール歯部340Aは、2つの第2歯群(第2歯群342および第2歯群343)を有する。第2歯群343は、複数の第2歯が周方向に隣接して形成される。本実施形態においては、ホイール歯部340を構成する複数の歯347のうち、第2歯343Aと第2歯343Bとによって第2歯群343が形成される。第2歯343Aと第2歯343Bとは、周方向に隣接する。突起部51と突起部51の外周側の樹脂層40とによって第2歯342Aが形成される。同様に、突起部52と突起部52の外周側の樹脂層40とによって第2歯343Bが形成される。また、2つの第2歯群(第2歯群342および第2歯群343)の間には第1歯341が設けられる。
【0067】
以上説明したように、第2歯群342、343は2つ(複数)設けられ、2つ(複数)の第2歯群342、343は、周方向に沿って離隔して配置され、且つ、周方向で隣接する2つの第2歯群342の間には少なくとも1つの第1歯341が設けられる。
【0068】
これによれば、ストッパー機構の作動時にウォームホイールの回転が停止する位相(周方向位置)が複数の場合に対応可能となる。即ち、例えば、ウォームホイールの回転が停止する位相(周方向位置)を初期に設定した位相から別の位相に変えたい場合や車種の異なる車両に同じ構成のウォームホイールを搭載する場合などのニーズに対応可能となる。なお、第1実施形態では、第2歯群342を1つに設定することにより、モータ27の停止に伴うステアリングホイール10の回転が阻止される際の回転角度(位相)が、例えば360度の倍数となる。これに対して、第2実施形態では、第2歯群(第2歯群342および第2歯群343)が2つになるため、モータ27の停止に伴うステアリングホイール10の回転が阻止される際の回転角度(位相)が、例えば360度の倍数以外であっても対応可能となる。
【0069】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。図14は、第3実施形態の操舵反力装置の模式的な断面図であり、第1実施形態の図5に対応する図である。図15は、図14の一部を拡大した図である。
【0070】
図14および図15に示す操舵反力装置110Aにおいては、第4ハウジング(筐体)24におけるウォームホイール収容部243には、検出センサ6が設けられる。具体的には、ウォームホイール収容部243の部位のうち、ホイール歯部340の外周に対向する位置に検出センサ6が取り付けられる。検出センサ6は、例えば、ホールIC(ホール素子)を有する磁気感応式センサである。検出センサ6は、検出部61と、磁石62と、配線63と、を有する。
【0071】
検出部61は、例えば、ホールICを有する。ホールICは、磁石62の磁界を検知して、信号を出力する。この信号値は、ウォームホイール300が回転する際、検出部61が樹脂製の第1歯341に対向する場合と、金属製の突起部41を有する第2歯群342、343に対向する場合とで相違する。信号値は、配線63を介して制御装置(ECU)70(図1参照)に伝達される。制御装置(ECU)70では、ホールICの出力信号に基づき金属製の突起部を有する第2歯の位相を検出し、絶対角度センサと第2歯の位相(周方向位置)とを予め調整(キャリブレーション)しておくことにより、仮に、絶対角度センサが故障した際にも検出センサで、ウォームホイール300の回転数からステアリングホイールの回転角度を推定することができる。なお、検出センサ6はホールIC(ホール素子)を備えたもので説明したが、その他の磁気感応式のセンサであっても良い。
【0072】
以上説明したように、ウォームホイール300を収容する第4ハウジング(筐体)24における、ホイール歯部340の外周に対向する位置に取り付けられ、且つ、第2歯342A、342Bの周方向位置を検出する検出センサ6を更に備える。
【0073】
転舵輪の転舵角度の限界域においてストッパー機構を作動させたときに、第2歯群342、343は、ウォームシャフト32のシャフト歯部32bと噛み合う噛み合い部分に配置される。そのために、例えば、ハウジング2の一部などに、操舵軸1の回転角を検出する絶対角度センサを設けておき、通常時は、当該絶対角度センサでステアリングホイール10の絶対角度を検出する。即ち、絶対角度センサでステアリングホイール10の絶対角度を検出しておき、転舵輪の転舵角度の限界域に対応する回転角度で、ステアリングホイール10の回転を阻止する。
【0074】
ここで、第3実施形態によれば、検出センサ6で、金属製の突起部41,42を有する第2歯342A、342Bの位相を検出し、絶対角度センサと第2歯342A、342Bの位相(周方向位置)とを予め調整(キャリブレーション)しておくことにより、仮に、絶対角度センサが故障した際にも検出センサ6でステアリングホイール10の絶対角度を再検出することができる。
【0075】
また、検出センサ6は、ホール素子を有する磁気感応式センサであるため、簡単な構造で、第2歯群342、343の周方向位置を検出することができる。
【0076】
上述した実施形態は、操舵反力装置110、110Aにおける減速機構3のウォームホイール300、300Aに適用したものであるが、操舵機構と転舵機構が機械的に接続された各種電動パワーステアリング装置(アシスト機構が操舵機構側に備わるコラム式や、アシスト機構が転舵機構側に備わるピニオン式、ラック式等)における減速機構のウォームホイールに適用しても良い。この場合、突起部は、転舵輪の転舵角度の限界域であるラックエンドの位相に設けられる。
【符号の説明】
【0077】
1 操舵軸
2 ハウジング
3 減速機構
4 突起部
5 突起部
6 検出センサ
7 操舵ユニット
10 ステアリングホイール
11 第1シャフト
11a 端部
11b 本体部
11c 端部
12 第2シャフト
12a 端部
12c 本体部
12d 端部
12e 嵌合孔
12f 先端
13 第3シャフト
13a 端部
13b 本体部
13c 端部
14 トーションバー
14a 端部
14b 本体部
14c 端部
15 軸受
16 軸受
17 軸受
21 第1ハウジング
21a フランジ
22 第2ハウジング
23 第3ハウジング
24 第4ハウジング(筐体)
24a 貫通孔
24b 嵌合部材
24c 凹部
24d 嵌合部材
24e 蓋部
24f、24g、24h フランジ部
25、26 軸受
27 モータ
27a 前面部
32 ウォームシャフト
32a 軸部
32b シャフト歯部
32c 拡径部
32d 軸部
32e 突出部
41 突起部
41a 側面
41b 側面
41c 頂面
41d 底部
42 突起部
42a 側面
42b 側面
42c 頂面
51 突起部
51a 側面
51b 側面
51c 頂面
51d 底部
52 突起部
52a 側面
52b 側面
52c 頂面
61 検出部
62 磁石
63 配線
70 制御装置(ECU)
80 転蛇ユニット
81 転舵用モータ
82 転舵輪
100 電動パワーステアリング装置
110、110A 操舵反力装置
241、242 端部
243 ウォームホイール収容部
244 ウォームシャフト収容部
245 フランジ部
245a 凹部
300、300A ウォームホイール
310、310A 芯金
320 内周部
321 内周
322 外周
323 側面
324 側面
325 突設部
326 突設部
330 外周部
331 内周
332 外周
332a 円筒部
333 側面
334 側面
340、340A ホイール歯部
341 第1歯
342 第2歯群
342A、342B 第2歯
343 第2歯群
343A、343B 第2歯
344 歯先
344a、344b 端部
344c 中央部
345 歯面(歯の側面)
346 歯底
347 歯
348、349 側面
AX 中心軸
BL ボルト
BLa 雄ねじ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15