IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ぐるなびの特許一覧

特開2023-109335情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
<>
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図1
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図2
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図3
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109335
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20230801BHJP
   G16Y 10/45 20200101ALI20230801BHJP
【FI】
G06Q50/12
G16Y10/45
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010784
(22)【出願日】2022-01-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今村 俊一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC24
(57)【要約】
【課題】飲食店に来店した客と当該客が利用したテーブルとを紐付ける。
【解決手段】情報処理システムは、制御部を有する。当該制御部は、飲食店の入口に設置され来店したユーザの顔をほぼ正面から撮像可能な第1カメラによって撮像された第1撮像画像と、予め記憶された複数のユーザの顔に関する登録データとを基に、上記来店したユーザを特定する。また制御部は、上記飲食店内に設置され当該飲食店内のテーブルが配置されたフロアを撮像可能な第2カメラによって撮像された第2撮像画像と、上記特定されたユーザの上記登録データとを基に、上記特定されたユーザが着いたテーブルを特定する。そして制御部は、上記特定されたユーザを識別するユーザ識別情報と上記特定されたテーブルを識別するテーブル識別情報とを対応付けて記憶する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食店の入口に設置され来店したユーザの顔をほぼ正面から撮像可能な第1カメラによって撮像された第1撮像画像と、予め記憶された複数のユーザの顔に関する登録データとを基に、前記来店したユーザを特定し、
前記飲食店内に設置され当該飲食店内のテーブルが配置されたフロアを撮像可能な第2カメラによって撮像された第2撮像画像と、前記特定されたユーザの前記登録データとを基に、前記特定されたユーザが着いたテーブルを特定し、
前記特定されたユーザを識別するユーザ識別情報と前記特定されたテーブルを識別するテーブル識別情報とを対応付けて記憶する、
制御部
を具備する情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記特定されたユーザのユーザ識別情報と、前記特定されたテーブルのPOSデータとを対応付けて記憶する
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記特定されたユーザが特定されてから退店するまでの間、前記第1撮像画像によるユーザの特定対象から前記特定されたユーザを除外する
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記第1撮像画像を基に複数のユーザが特定され、前記第2撮像画像と、当該特定された複数のユーザの前記登録データとを基に、当該複数のユーザが着いた前記テーブルをそれぞれ特定する際に、当該複数のユーザのうちいずれかのユーザの着いたテーブルが特定できた場合には、当該ユーザが退店するまでの間、前記第2撮像画像によるテーブルの特定処理の対象から当該ユーザを除外する
情報処理システム。
【請求項5】
請求項3または4に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記飲食店の出口に設置され退店するユーザの顔をほぼ正面から撮像可能な第3カメラによって撮像された第3撮像画像を基に前記特定されたユーザが退店したか否かを判定する
情報処理システム。
【請求項6】
請求項3または4に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記特定されたユーザと対応付けられたテーブルのPOSデータを基に前記特定されたユーザが退店したか否かを判定する
情報処理システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の情報処理システムであって、
前記第1カメラの撮像範囲と前記第2カメラの撮像範囲は重複しない
情報処理システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の情報処理システムであって、
前記第1カメラは、前記ユーザの顔を近距離から撮像し、前記第2カメラは、前記飲食店内を俯瞰して撮像する
情報処理システム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記第2撮像画像と、前記特定されたユーザの前記登録データとを照合するとともに、前記第1撮像画像に含まれる前記ユーザの顔以外の画像と、前記第2撮像画像に含まれる前記ユーザの顔以外の画像と照合することで、前記特定されたユーザが着いたテーブルを特定する
情報処理システム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記入口から前記テーブルの間の領域を撮像可能な第2カメラの第2撮像画像から前記特定されたユーザを検出し前記特定されたユーザが着いたテーブルを特定する
情報処理システム。
【請求項11】
飲食店の入口に設置され来店したユーザの顔をほぼ正面から撮像可能な第1カメラによって撮像された第1撮像画像と、予め記憶された複数のユーザの顔に関する登録データとを基に、前記来店したユーザを特定し、
前記飲食店内に設置され当該飲食店内のテーブルが配置されたフロアを撮像可能な第2カメラによって撮像された第2撮像画像と、前記特定されたユーザの前記登録データとを基に、前記特定されたユーザが着いたテーブルを特定し、
前記特定されたユーザを識別するユーザ識別情報と前記特定されたテーブルを識別するテーブル識別情報とを対応付けて記憶する
情報処理方法。
【請求項12】
情報処理装置に、
飲食店の入口に設置され来店したユーザの顔をほぼ正面から撮像可能な第1カメラによって撮像された第1撮像画像と、予め記憶された複数のユーザの顔に関する登録データとを基に、前記来店したユーザを特定するステップと、
前記飲食店内に設置され当該飲食店内のテーブルが配置されたフロアを撮像可能な第2カメラによって撮像された第2撮像画像と、前記特定されたユーザの前記登録データとを基に、前記特定されたユーザが着いたテーブルを特定するステップと、
前記特定されたユーザを識別するユーザ識別情報と前記特定されたテーブルを識別するテーブル識別情報とを対応付けて記憶するステップと
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店に来店したユーザの認証処理を実行可能な情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、店舗内の混雑状況をカメラ等のセンサを用いて認識する技術が知られている。例えば下記特許文献1には、店舗内の床に目印を予め配置し、店舗内の床をCCDカメラで撮影し、撮影した画像中の床の画像部分において認識される目印の数をカウントし、カウントした目印の数を用いて店舗内の混雑度を算出することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5354697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来技術において店内に設置されているカメラは、店内を俯瞰して撮影するように設置されている場合が多いため、来店ユーザやその他の物体の存在自体は判別できるものの、それぞれのテーブルを利用するユーザを特定するには精度が足りない場合が多い。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、飲食店に来店したユーザと当該ユーザが利用したテーブルとを紐付けることが可能な情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するため、本発明の一形態に係る情報処理システムは、制御部を有する。当該制御部は、飲食店の入口に設置され来店したユーザの顔をほぼ正面から撮像可能な第1カメラによって撮像された第1撮像画像と、予め記憶された複数のユーザの顔に関する登録データとを基に、上記来店したユーザを特定する。また制御部は、上記飲食店内に設置され当該飲食店内のテーブルが配置されたフロアを撮像可能な第2カメラによって撮像された第2撮像画像と、上記特定されたユーザの上記登録データとを基に、上記特定されたユーザが着いたテーブルを特定する。そして制御部は、上記特定されたユーザを識別するユーザ識別情報と上記特定されたテーブルを識別するテーブル識別情報とを対応付けて記憶する。
【0007】
これにより情報処理システムは、認証精度の高い入口のカメラの撮像画像で来店ユーザを特定し、その特定情報を店内のカメラに引き継ぐことで、認証精度の比較的低い店内のカメラの撮像画像からでも当該ユーザを検出し当該ユーザと当該ユーザが利用したテーブルとを紐付けることができる。当該情報処理システムは1または複数の情報処理装置から構成される。
【0008】
上記制御部は、上記特定されたユーザのユーザ識別情報と、上記特定されたテーブルのPOSデータとを対応付けて記憶してもよい。
【0009】
これにより情報処理システムは、どのユーザが来店してどのようなメニューを注文したか、どのくらいの金額を使ったかといったユーザの属性情報を収集することができる。
【0010】
上記制御部は、上記特定されたユーザが特定されてから退店するまでの間、上記第1撮像画像によるユーザの特定対象または上記第2撮像画像によるユーザの特定対象から上記特定されたユーザを除外してもよい。
【0011】
これにより情報処理システムは、一度特定されたユーザについてはそのユーザが退店するまでは入口のカメラによる特定処理から除外することで無駄な処理を省き負荷を軽減することができる。
【0012】
上記制御部は、上記第1撮像画像を基に複数のユーザが特定され、上記第2撮像画像と、当該特定された複数のユーザの上記登録データとを基に、当該複数のユーザが着いた上記テーブルをそれぞれ特定する際に、当該複数のユーザのうちいずれかのユーザの着いたテーブルが特定できた場合には、当該ユーザが退店するまでの間、上記第2撮像画像によるテーブルの特定処理の対象から当該ユーザを除外してもよい。
【0013】
これにより情報処理システムは、第1撮像画像で特定されたユーザに関する第2撮像画像によるテーブル特定処理が複数ユーザ分蓄積されている場合でも、第2撮像画像からそれらの複数のユーザのうちいずれかのユーザが検出された場合にはそのユーザの登録データについてはその後の特定処理の照合対象から除外することで、無駄な処理を省き負荷を軽減することができる。
【0014】
具体的には上記制御部は、上記飲食店の出口に設置され退店するユーザの顔をほぼ正面から撮像可能な第3カメラによって撮像された第3撮像画像を基に上記特定されたユーザが退店したか否かを判定してもよい。
【0015】
またこれに代えて上記制御部は、上記特定されたユーザと対応付けられたテーブルのPOSデータを基に上記特定されたユーザが退店したか否かを判定してもよい。
【0016】
上記第1カメラの撮像範囲と前記第2カメラの撮像範囲は重複しなくてもよい。
【0017】
これにより情報処理システムは、第1カメラと第2カメラの撮像範囲は重複していなくても、第1撮像画像と第2撮像画像を基にした認証情報を紐付けることでユーザが利用したテーブルを特定することができる。
【0018】
上記第1カメラは、上記ユーザの顔を近距離から撮像し、上記第2カメラは、上記飲食店内を俯瞰して撮像するものであってもよい。
【0019】
これにより、第1カメラと第2カメラが同一の性能を備えるカメラであっても、ユーザの顔認証の精度が異なることになる。したがって第1カメラの撮像画像は第2カメラによる撮像画像を基にした顔認証処理を補助する機能を果たす。
【0020】
上記制御部は、上記第2撮像画像と、上記特定されたユーザの上記登録データとを照合するとともに、上記第1撮像画像に含まれる上記ユーザの顔以外の画像と、上記第2撮像画像に含まれる上記ユーザの顔以外の画像と照合することで、上記特定されたユーザが着いたテーブルを特定してもよい。
【0021】
これにより情報処理システムは、店内のカメラの撮像画像からユーザの顔を検出できない場合でも、ユーザの体の顔以外の部分(髪型等)やユーザの衣服、持ち物(バッグ等)からユーザを検出することが可能となる。
【0022】
上記制御部は、上記複数の第2カメラのうち、上記入口から上記テーブルの間の領域を撮像可能な第2カメラの第2撮像画像から上記特定されたユーザを検出し上記特定されたユーザが着いたテーブルを特定してもよい。
【0023】
これにより情報処理システムは、複数の店内カメラのうち特定されたユーザが検出される可能性の高いカメラに使用を限定することで、無駄な処理を省き負荷を軽減することができる。
【0024】
本発明の他の形態に係る情報処理方法は、
飲食店の入口に設置され来店したユーザの顔をほぼ正面から撮像可能な第1カメラによって撮像された第1撮像画像と、予め記憶された複数のユーザの顔に関する登録データとを基に、上記来店したユーザを特定し、
上記飲食店内に設置され当該飲食店内のテーブルが配置されたフロアを撮像可能な第2カメラによって撮像された第2撮像画像と、上記特定されたユーザの上記登録データとを基に、上記特定されたユーザが着いたテーブルを特定し、
上記特定されたユーザを識別するユーザ識別情報と上記特定されたテーブルを識別するテーブル識別情報とを対応付けて記憶する、ことを含む。
【0025】
本発明の他の形態に係るプログラムは、情報処理装置に、
飲食店の入口に設置され来店したユーザの顔をほぼ正面から撮像可能な第1カメラによって撮像された第1撮像画像と、予め記憶された複数のユーザの顔に関する登録データとを基に、上記来店したユーザを特定するステップと、
上記飲食店内に設置され当該飲食店内のテーブルが配置されたフロアを撮像可能な第2カメラによって撮像された第2撮像画像と、上記特定されたユーザの上記登録データとを基に、上記特定されたユーザが着いたテーブルを特定するステップと、
上記特定されたユーザを識別するユーザ識別情報と上記特定されたテーブルを識別するテーブル識別情報とを対応付けて記憶するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明によれば、飲食店に来店した客と当該客が利用したテーブルとを紐付けることができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態に係る飲食店情報提供システムの構成を示した図である。
図2】本発明の一実施形態に係る飲食店情報提供サーバのハードウェア構成を示した図である。
図3】本発明の一実施形態に係る飲食店情報提供サーバが有するデータベースの構成を示した図である。
図4】本発明の一実施形態に係る飲食店情報提供サーバによる、ユーザ・テーブル紐付け処理の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0029】
[システムの構成]
図1は、本実施形態に係る飲食店情報提供システムの構成を示した図である。
【0030】
同図に示すように、このシステムは、インターネット50上の飲食店情報提供サーバ100と、複数のユーザ端末200と、飲食店端末300とを含む。
【0031】
飲食店情報提供サーバ100は、飲食店に関する情報を掲載したポータルサイト(飲食店情報提供サイト)を運営するウェブサーバである。飲食店情報提供サーバ100は、複数のユーザ端末200、飲食店の飲食店端末300及びデジタルサイネージ端末400とインターネット50を介して接続されている。
【0032】
飲食店情報提供サーバ100は、上記ポータルサイトにおいて、ユーザ端末200のユーザ向けに飲食店情報提供システムを提供する。具体的には、飲食店情報提供サーバ100は、ユーザ端末200からの検索要求に基づいて検索条件に合致する飲食店情報を検索し、検索結果を掲載したウェブページを生成してユーザ端末200へ送信する。また飲食店情報提供サーバ100は、当該飲食店情報を閲覧したユーザのユーザ端末200からの、いずれかの飲食店に対する予約受付処理を代行する。
【0033】
ユーザ端末200(200A,200B,200C...)は、ユーザにより使用される端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレットPC(Personal Computer)、ノートブックPC、デスクトップPC等である。ユーザ端末200は、飲食店情報提供サーバ100へアクセスし、上記ウェブページを受信してブラウザ等により画面に表示する。
【0034】
ユーザ端末200は、ユーザの操作に基づいて飲食店の検索条件を決定し、当該検索条件に基づく飲食店検索要求を飲食店情報提供サーバ100へ送信する。そしてユーザ端末200は、ユーザの操作に基づいて、上記検索結果として表示されたいずれかの飲食店に対する予約要求を飲食店情報提供サーバ100へ送信可能である。
【0035】
また一方で飲食店情報提供サーバ100は、上記ポータルサイトに掲載される飲食店(加盟店)向けに、飲食店情報の管理画面(ウェブページ)を提供している。飲食店端末300のユーザは、当該管理画面を介して、上記検索結果として一般ユーザに提供されるウェブページ上の飲食店情報(コンテンツ)を編集・更新し、当該ウェブページを上記ポータルサイト上にアップロードすることができる。
【0036】
飲食店端末300は、各飲食店に設置されている端末であり、タブレットPC、ノートブックPC、デスクトップPC等である。飲食店端末300は、管理者の操作に基づいて、上記飲食店情報の編集・更新等、自身の飲食店情報に関する処理を飲食店情報提供サーバ100との通信により実行することが可能である。同図では1つの飲食店及び1つの飲食店端末300のみが示されているが、飲食店は複数存在し、各飲食店に飲食店端末300が存在する。
【0037】
また同図に示すように、飲食店の入口には入口カメラ(第1カメラ)Cdが設置され、飲食店内には店内カメラ(第2カメラ)Ciが設置されている。入口カメラCdは、飲食店の入口に設置され、来店したユーザの顔をほぼ正面から撮像可能である。店内カメラCiは、飲食店内に1台または複数設置され、当該飲食店内のテーブルTが配置されたフロアを広角で撮像可能である。店内カメラCiは、飲食店内の天井や壁の上部に設置されることで、飲食店内を俯瞰するように複数のテーブルTをまとめて撮像する。本実施形態では、店内カメラCiの撮像画像に入口カメラCdの撮像する範囲が含まれていることを想定する。しかし、本発明では、入口カメラCdおよび店内カメラCiの撮像画像がそれぞれ重なり合っていなくてもよい。各テーブルTの例えば上面端部には、それらの識別用の番号その他の文字や記号が例えばパネルや刻印により付加されていてもよい。入口カメラCdは、ユーザの顔を近距離から撮像し、店内カメラCiは、ユーザの顔を遠距離から撮像するため、同一の性能を備えるカメラであっても、ユーザの顔認証の精度が異なる。
【0038】
入口カメラCd及び店内カメラCiの撮像画像は、例えば店内に設置された無線中継端末Wを介して飲食店端末300へ送信され、当該飲食店端末300から飲食店情報提供サーバ100に送信される。または、当該撮像画像は飲食店端末300を介さずに飲食店情報提供サーバ100へ送信されてもよい。
【0039】
同図では飲食店は1つのみ示されているが、飲食店は複数存在しそれぞれに飲食店端末300、入口カメラCd及び店内カメラCiが設けられていてもよい。
【0040】
飲食店情報提供サーバ100は、入口カメラCdの撮像画像(第1撮像画像)を受信すると、それを予め記憶された複数のユーザの顔に関する登録データ(特徴データ)と照合することで、飲食店に来店したユーザを特定する。さらに飲食店情報提供サーバ100は、店内カメラCiの撮像画像(第2撮像画像)を受信すると、当該撮像画像と上記特定されたユーザの登録データとを照合することで、当該ユーザが着いたテーブルTを特定する。そして飲食店情報提供サーバ100は、特定されたユーザを識別するユーザ識別情報(ユーザID)と、特定されたテーブルTを識別するテーブル識別情報(テーブルID)とを対応付けて記憶する。さらに飲食店情報提供サーバ100は、上記特定されたユーザのユーザ識別情報と、上記特定されたテーブルTのPOSデータとを対応付けて記憶する。当該ユーザ・テーブル紐付け処理の詳細については後述する。
【0041】
[飲食店情報提供サーバのハードウェア構成]
図2は、上記飲食店情報提供サーバ100のハードウェア構成を示した図である。同図に示すように、飲食店情報提供サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入出力インタフェース15、及び、これらを互いに接続するバス14を備える。
【0042】
CPU11は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながら飲食店情報提供サーバ100の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM12は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種パラメータ等のファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0043】
入出力インタフェース15には、表示部16、操作受付部17、記憶部18、通信部19等が接続される。
【0044】
表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。
【0045】
操作受付部17は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の入力装置である。操作受付部17がタッチパネルである場合、そのタッチパネルは表示部16と一体となり得る。
【0046】
記憶部18は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部18には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。
【0047】
後述するが、特に本実施形態において、記憶部18は、後述する飲食店の混雑状況及び予約状況に基づくユーザ・テーブル紐付け処理に必要なアプリケーション等のプログラムの他、飲食店情報データベース、ユーザ情報データベース、及び来店履歴情報データベースを有している。
【0048】
通信部19は、例えばEthernet用のNIC(Network Interface Card)や無線LAN等の無線通信用の各種モジュールであり、上記ユーザ端末200、飲食店端末300及びデジタルサイネージ端末400との間の通信処理を担う。
【0049】
なお、図示しないが、ユーザ端末200及び飲食店端末300の基本的なハードウェア構成も上記飲食店情報提供サーバ100のハードウェア構成と略同様である。
【0050】
[飲食店情報提供サーバのデータベース構成]
図3は、上記飲食店情報提供サーバ100が有するデータベースの構成を示した図である。
【0051】
同図に示すように、飲食店情報提供サーバ100は、記憶部18に、飲食店情報データベース31、ユーザ情報データベース32、来店履歴情報データベース33を有している。
【0052】
飲食店情報データベース31は、飲食店毎に、その飲食店の店名、所在位置(住所または緯度経度)情報、エリア情報、アクセス情報(最寄り駅情報、最寄り駅からの徒歩距離情報)電話番号、その飲食店を識別するID(店舗ID)、その飲食店の業態・サービスのカテゴリ情報、その飲食店を紹介する情報(店舗のPR文等の店舗の特徴を示す情報、飲食店が行うイベント情報等)、飲食店に関する(飲食店を紹介する)画像データ、飲食店が提供するメニューに関するメニュー情報、平均予算情報、営業時間、ウェブサイトURL等の情報等を記憶している。これらの情報は、各飲食店の飲食店端末300から、飲食店情報提供サーバ100が提供する管理画面を介して入力されたものである。また飲食店情報データベース31には、各飲食店における予約台帳情報が記憶されている。
【0053】
上記メニュー情報は、上記ポータルサイト上の各飲食店のサイトに掲載されるメニューに対応する情報であり、各飲食店が提供可能な複数のメニューのメニュー名を、飲食店毎に記憶している。当該メニュー情報は、例えば前菜/メイン、ランチ/ディナー/コース等のメニューカテゴリ毎に記憶されてもよい。またメニュー情報としては、メニュー名や値段、説明等を示す文字情報の他、当該メニューを撮影した写真等の画像情報も対応付けて記憶される。
【0054】
上記エリア情報としては、広さ単位の異なる複数のエリアに関する情報が含まれる。広いエリアとしては例えば都道府県や市区町村、狭いエリアとしては例えば駅から数百m以内(例えば、「銀座エリア」)、それらの間の広さのエリアとして、例えば駅から1km以内のエリアや、複数の駅周辺エリアがまとまったエリア(例えば、「銀座・新橋・有楽町エリア」)等が挙げられるが、これらに限られない。これにより、同じ飲食店でも、その広さによって複数のエリアに紐付けられていることになる。
【0055】
また、当該エリア(例えば複数のエリアのうち最も狭いエリア)には、当該エリアに設置される上記デジタルサイネージ端末400に関する情報(端末ID等)が対応付けられており、当該エリアを介してデジタルサイネージ端末400と各飲食店は対応付けられることになる。しかし、エリア情報とは別に、デジタルサイネージ端末400の端末IDと飲食店の店舗IDが直接対応付けられてもよい。
【0056】
上記カテゴリ情報は、例えば和食、中華、イタリアン、フレンチ、焼肉等のメインカテゴリの他、和食における焼き鳥・天ぷら等、イタリアンにおけるパスタ・ピザ等のより詳細なサブカテゴリを含んでいてもよい。
【0057】
上記予約台帳情報は、上記飲食店情報提供サイトを介してユーザ端末200から(または電話にて)受け付けた予約情報であり、例えば、各飲食店について、予約日時、予約ユーザ名、予約人数、予約テーブル、予約コース等の情報を有している。当該予約台帳情報としては、これから来客するユーザの予約情報のみならず、過去の予約実績情報も少なくとも数カ月分程度は記憶されている。当該予約台帳情報には上記飲食店端末300からもアクセス可能である。
【0058】
ユーザ情報データベース32は、ユーザ端末200を所有する、上記飲食店情報提供サーバ100が提供する上記ポータルサイトを介した飲食店情報サービスの利用者(会員)であるユーザに関する情報を記憶する。具体的には、ユーザ情報データベース32は、ユーザID、パスワード、氏名、メールアドレス(その他のメッセージの宛先となる情報)、電話番号、住所、年齢(層)、性別、誕生日等の情報をユーザ毎に記憶している。
【0059】
さらにユーザ情報データベース32は、ユーザから入手できたもの(ユーザから提供があったもの)について、各ユーザの顔画像データ及び当該顔画像データを分析して得られた、顔認証用の特徴データ(登録データ)を記憶している。これに加えて、マスクを装着した状態の顔画像データやユーザの髪型に関するデータが記憶されていてもよい。
【0060】
来店履歴情報データベース33は、飲食店に来店し上記入口カメラCdの撮像画像及び店内カメラCiの撮像画像を基に特定されたユーザ及び当該ユーザが着いたテーブルTにおける注文情報(POSデータ)に関する来店履歴情報を記憶している。具体的には、来店履歴情報データベース33は、飲食店ごとに、来店日時(時間帯)、ユーザID、テーブルID、POSデータ(例えば利用金額、注文メニュー、特典利用状況に関する情報等)、滞在時間、来店頻度等のデータを対応付けて記憶している。
【0061】
これら各データベースは、後述する飲食店情報提供サーバ100によるユーザ・テーブル紐付け処理において、必要に応じて相互に参照されて用いられる。
【0062】
[飲食店情報提供サーバの動作]
次に、以上のように構成された飲食店情報提供サーバ100の動作について説明する。当該動作は、飲食店情報提供サーバ100のCPU11及び通信部19等のハードウェアと、記憶部18に記憶されたソフトウェアとの協働により実行される。以下の説明では、便宜上、CPU11を動作主体とする。
【0063】
図4は、飲食店情報提供サーバ100による、ユーザ・テーブル紐付け処理の流れを示したフローチャートである。
【0064】
同図に示すように、飲食店情報提供サーバ100のCPU11は、まず、入口カメラCdからその撮像画像を受信する(ステップ41)。
【0065】
続いてCPU11は、当該入口カメラCdの撮像画像中から人物の顔を検出したか否かを判断する(ステップ42)。
【0066】
撮像画像中から顔を検出していないと判断した場合(ステップ42のNo)、CPU11は、上記ステップ41に戻り入口カメラCdから新たな撮像画像を受信する。
【0067】
撮像画像中から顔を検出したと判断した場合(ステップ42のYes)、CPU11は、撮像画像中の顔の領域を、上記ユーザ情報データベース32に登録されている登録データ(各ユーザの顔画像の特徴データ)と照合する(ステップ43)。
【0068】
続いてCPU11は、上記照合により上記撮像画像中のユーザを特定できたか否かを判断する(ステップ44)。
【0069】
上記撮像画像中のユーザを特定できなかったと判断した場合(ステップ44のNo)、CPU11は、当該ユーザ・テーブル紐付け処理を終了する。この場合CPU11は、顔画像が登録されていないユーザが来店したことを記録してもよい。
【0070】
上記撮像画像中のユーザを特定できたと判断した場合(ステップ44のYes)、CPU11は、特定したユーザのユーザIDを上記来店履歴情報データベース33に記憶するとともに、上記入口カメラCdの撮像画像による認証対象から、当該ユーザIDのユーザを除外する(ステップ45)。すなわちCPU11は、これ以降の入口カメラCdの撮像画像と複数のユーザの顔画像に関する登録データとを照合する際に、登録データから上記特定済みのユーザの登録データを除外する。これにより特定済みのユーザの顔画像を照合する無駄な処理が省略され負荷が軽減される。
【0071】
続いてCPU11は、上記複数の店内カメラCiからそれらの撮像画像を受信する(ステップ46)。
【0072】
続いてCPU11は、店内カメラCiの撮像画像中の顔領域を、上記特定したユーザの登録データと照合する(ステップ47)。
【0073】
続いてCPU11は、上記照合により上記特定したユーザが店内カメラCiの撮像画像中から検出できたか否かを判断する(ステップ48)。
【0074】
店内カメラCiの撮像画像中から、特定したユーザを検出できなかったと判断した場合(ステップ48のNo)、CPU11は、上記ステップ46に戻り店内カメラCiから新たな撮像画像を受信する。
【0075】
店内カメラCiの撮像画像中から、特定したユーザを検出できたと判断した場合(ステップ48のYes)、CPU11は、当該ユーザが着いている(または着こうとしている)テーブルTを特定する(ステップ49)。具体的にはCPU11は、各テーブルTに付された、各テーブルを識別する番号や文字のうち、検出されたユーザが着いている(または着こうとしている)テーブルTの番号や文字を撮像画像中から認識することで当該テーブルTを特定する。あるいはCPU11は、予め各店内カメラCiの画角に収まるテーブルTの撮像画像中の位置に応じて撮像画像中の各テーブルTを特定する情報を記憶しておき、撮像画像中のユーザが検出された位置を基にテーブルTを特定してもよい。
【0076】
当該テーブルTの特定処理に際しては、ユーザが出入口から最終的に着くテーブルTまでの途中に存在するテーブルTの近傍を単に通り過ぎた場合に誤ってその通過したテーブルTがユーザが着いたテーブルTと特定されてしまうのを防ぐために、CPU11は、検出されたユーザが所定時間(例えば5秒、10秒等)以上同一の場所に留まっていることをテーブルTの特定処理の条件としてもよい。
【0077】
続いてCPU11は、上記特定したユーザのユーザIDと特定したテーブルTのテーブルID、及びそのテーブルTのPOSデータを対応付けて上記来店履歴情報データベース33に記憶する(ステップ50)。CPU11は、当該記憶処理を、ユーザから当該テーブルTで最初の注文がなされたことをトリガに開始してもよい。POSデータはユーザから注文があるたびに更新される。ここで、ユーザID及びテーブルIDとPOSデータとの紐付け処理は必須ではなく省略されてもよい。すなわちCPU11は、少なくとも特定したユーザのユーザIDと当該ユーザが着いたテーブルTのテーブルIDとの紐付け処理を実行すればよい。
【0078】
続いてCPU11は、上記特定したユーザが退店したか否かを判定する(ステップ51)。具体的にはCPU11は、飲食店の出口に設置され退店するユーザの顔をほぼ正面から撮像可能な出口カメラ(第3カメラ;図示せず)によって撮像された撮像画像(第3撮像画像)において上記ユーザが検出された場合に、当該ユーザが退店したと判定してもよい。また当該出口カメラは上記入口カメラCdと兼用であってもよい。またこれに代えてCPU11は、上記特定されたユーザと対応付けられたテーブルTのPOSデータにおいて会計が完了していると判定した場合に上記ユーザが退店したと判定してもよい。
【0079】
上記ユーザが退店したと判定した場合(ステップ51のYes)、CPU11は、当該退店したユーザを上記入口カメラCdの撮像画像による認証対象に再び含める(ステップ52)。すなわちCPU11は、これ以降の入口カメラCdの撮像画像と複数のユーザの顔画像に関する登録データとを照合する際に、登録データに上記退店したユーザの登録データを加える。ユーザが退店していないと判定した場合(ステップ51のNo)、退店したか否かの判定を繰り返す。
【0080】
CPU11は、以上の処理を、入口カメラCdの撮像画像から(新たな)顔を検出するたびに繰り返す。
【0081】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、飲食店情報提供サーバ100は、認証精度の高い入口カメラCdの撮像画像を基に来店ユーザを特定し、その特定情報を店内カメラCiに引き継ぐことで、設置位置等の関係で単独でユーザを特定するには認証精度の低い店内のカメラCiの撮像画像からでも当該ユーザを検出し、当該ユーザが利用したテーブルTを特定して両者を紐付けることができる。また、本実施形態によれば、飲食店情報提供サーバ100は、入口カメラCdおよび店内カメラCiの撮像画像がそれぞれ重なり合っていなくても、それぞれのカメラの認証情報を紐付けることでユーザが利用したテーブルTを特定することができる。これにより、当該テーブルTに対応するPOSデータとユーザとを紐付けることが可能となり、飲食店は、どのユーザが来店してどのようなメニューを注文したか、どのくらいの金額を使ったかといったユーザの属性情報を収集し、それを基に販売促進活動や商品/システム開発等を行うことができる。
【0082】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0083】
上述の実施形態において、飲食店情報提供サーバ100は、ユーザが特定されてから退店するまでの間、入口カメラCdの撮像画像によるユーザの特定対象から上記特定されたユーザを除外していた。これに加えて、または代えて、飲食店情報提供サーバ100は、上記特定されたユーザが退店してから、当該ユーザの来店日における飲食店の営業終了までの間、入口カメラCdの撮像画像によるユーザの特定対象から上記特定されたユーザを除外してもよい。これにより飲食店情報提供サーバ100は、一度来店したユーザは通常は退店後再び当日中に来店することは無いため、当該ユーザについてはその日の営業終了までの間は入口カメラCdによる特定処理から除外することで、無駄な処理を省き負荷を軽減することができる。
【0084】
さらに上述の実施形態において飲食店情報提供サーバ100は、上記特定されたユーザが特定されてから退店するまでの間、当該ユーザが来店した飲食店以外の飲食店における入口カメラCdの撮像画像によるユーザの特定対象から、上記特定されたユーザを除外してもよい。これにより飲食店情報提供サーバ100は、ある店に来店したユーザが同時刻に別の店に来店することは無いため、当該ユーザについてはユーザについてはそのユーザが退店するまでは別の店における入口カメラCdによる特定処理から除外することで、無駄な処理を省き負荷を軽減することができる。
【0085】
上述の実施形態において、飲食店情報提供サーバ100は、店内カメラCiの撮像画像と、上記入口カメラCdの撮像画像から特定されたユーザの顔画像の登録データとを照合することで当該ユーザが着いたテーブルTを特定していた。しかし、店内カメラCiの撮像画像に写るユーザの角度等によっては、ユーザの顔が検出できない場合もあり得る。そこで飲食店情報提供サーバ100は、店内カメラCiの撮像画像とユーザの顔画像の登録データとを照合するのに加えて、入口カメラCdの撮像画像に含まれるユーザの顔以外の画像と、店内カメラCiの撮像画像に含まれるユーザの顔以外の画像とを照合することで、上記特定されたユーザが着いたテーブルTを特定してもよい。これにより飲食店情報提供サーバ100は、店内カメラCiの撮像画像からユーザの顔を検出できない場合でも、ユーザの体の顔以外の部分(髪型等)やユーザの衣服、持ち物(バッグ等)、身長等からユーザを検出することが可能となる。
【0086】
上述の実施形態において、飲食店情報提供サーバ100は、複数の店内カメラCiのうち、飲食店の入口からテーブルTの間の領域(通路等)を撮像可能な店内カメラの撮像画像から上記特定されたユーザを検出し、さらに当該ユーザがテーブルTに着いたことを検出することで、当該ユーザが着いたテーブルTを特定してもよい。より具体的には、飲食店情報提供サーバ100は、入口カメラCdの撮像画像からユーザが特定された直後は、ユーザは入口から店内のテーブルTが設けられたフロアに向かっていると考えられるため、少なくともユーザの特定から所定期間(例えば30秒等)は、店内におけるユーザの検出に用いる店内カメラCiを入口からテーブルTが設けられた領域との間に設置された店内カメラCiに限定する。そして、例えば入口からテーブルTの間の通路に設けられた店内カメラCiでユーザが検出された場合、その後は店内のより奥に設けられた複数の店内カメラCiの撮像画像により順を追って当該ユーザを追尾してもよい。これにより飲食店情報提供サーバ100は、複数の店内カメラCiのうち、特定されたユーザが検出される可能性の高いカメラに使用を限定することで、店内でユーザを素早く検出できるとともに、無駄な処理を省き負荷を軽減することができる。
【0087】
上述の実施形態においては、入口カメラCdの撮像画像から特定された1人のユーザについて店内カメラCiの撮像画像に基づくテーブル特定処理が実行される例が示された。しかし、入口カメラCdの撮像画像に複数のユーザが写っていた場合や短時間に複数のユーザが来店した場合等、入口カメラCdの撮像画像から複数のユーザが特定され、1人のユーザに関するテーブル特定処理が完了する前に、他のユーザに関するテーブル特定処理が必要になる場合も考えられる。そこで飲食店情報提供サーバ100は、入口カメラCdの撮像画像を基に複数のユーザが特定され、店内カメラCiの撮像画像と、当該特定された複数のユーザの上記登録データとを基に、当該複数のユーザが着いたテーブルTをそれぞれ特定する際に、当該複数のユーザのうちいずれかのユーザの着いたテーブルTが特定できた場合には、当該ユーザが退店するまでの間、店内カメラCiの撮像画像によるテーブルTの特定処理の対象から当該ユーザを除外(すなわち、照合対象の複数のユーザの登録データからテーブル特定済みのユーザの登録データを除外)してもよい。これにより飲食店情報提供サーバ100は、入口カメラCdの撮像画像で特定されたユーザに関する、店内カメラCiの撮像画像によるテーブル特定処理が複数ユーザ分蓄積されている場合でも、店内カメラCiの撮像画像からそれらの複数のユーザのうちいずれかのユーザが検出された場合にはそのユーザの登録データについてはその後の特定処理の照合対象から除外することで、無駄な処理を省き負荷を軽減することができる。
【0088】
上述の実施形態では、上記飲食店情報提供サーバ100は1台のみ示したが、上記飲食店情報提供サーバ100が実行する処理は、複数のサーバで分散して実行されても構わない。例えば入口カメラCd及び店内カメラCiの撮像画像と登録データとの照合処理のみ別のサーバが担ってもよい。
【0089】
また上述の実施形態では、クラウド上の飲食店情報提供サーバ100が各飲食店における撮像画像を用いたユーザとテーブルの紐付け処理を実行したが、各飲食店端末300またはそれと別個に設けられた飲食店のサーバが当該紐付け処理を実行してもよい。
【0090】
本願の特許請求の範囲に記載された発明のうち、「情報処理方法」と記載された発明は、その各ステップを、ソフトウェアによる情報処理によりコンピュータ等の少なくとも1つの装置が自動的に行うものであり、人間がコンピュータ等の装置を用いて行うものではない。すなわち、当該「情報処理方法」は、コンピュータ・ソフトウェアによる情報処理方法であって、コンピュータという計算道具を人間が操作する方法ではない。
【符号の説明】
【0091】
11…CPU
18…記憶部
19…通信部
31…飲食店情報データベース
32…ユーザ情報データベース
33…来店履歴情報データベース
100…飲食店情報提供サーバ
200…ユーザ端末
300…飲食店端末
Cd…入口カメラ
Ci…店内カメラ
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-09-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食店の入口に設置され来店したユーザの顔をほぼ正面かつ近距離から撮像可能な第1カメラによって撮像された第1撮像画像と、予め記憶された複数のユーザの顔に関する登録データとを基に、前記来店したユーザを特定し、
前記飲食店内に設置され当該飲食店内の複数のテーブルが配置されたフロアを俯瞰して撮像可能な第2カメラによって撮像された第2撮像画像から、前記特定されたユーザの前記登録データを基に、前記特定されたユーザを検出し、当該検出されたユーザが着いたテーブルを前記複数のテーブルの中から特定し、
前記特定されたユーザを識別するユーザ識別情報と前記特定されたテーブルを識別するテーブル識別情報とを対応付けて記憶する、
制御部
を具備する情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記特定されたユーザのユーザ識別情報と、前記特定されたテーブルのPOSデータとを対応付けて記憶する
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記特定されたユーザが特定されてから退店するまでの間、前記第1撮像画像によるユーザの特定対象から前記特定されたユーザを除外する
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記第1撮像画像を基に複数のユーザが特定され、前記第2撮像画像と、当該特定された複数のユーザの前記登録データとを基に、当該複数のユーザが着いた前記テーブルをそれぞれ特定する際に、当該複数のユーザのうちいずれかのユーザの着いたテーブルが特定できた場合には、当該ユーザが退店するまでの間、前記第2撮像画像によるテーブルの特定処理の対象から当該ユーザを除外する
情報処理システム。
【請求項5】
請求項3または4に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記飲食店の出口に設置され退店するユーザの顔をほぼ正面から撮像可能な第3カメラによって撮像された第3撮像画像を基に前記特定されたユーザが退店したか否かを判定する
情報処理システム。
【請求項6】
請求項3または4に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記特定されたユーザと対応付けられたテーブルのPOSデータを基に前記特定されたユーザが退店したか否かを判定する
情報処理システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の情報処理システムであって、
前記第1カメラの撮像範囲と前記第2カメラの撮像範囲は重複しない
情報処理システム。
【請求項8】
請求項1乃至のいずれかに記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記第2撮像画像と、前記特定されたユーザの前記登録データとを照合するとともに、前記第1撮像画像に含まれる前記ユーザの顔以外の画像と、前記第2撮像画像に含まれる前記ユーザの顔以外の画像と照合することで、前記特定されたユーザが着いたテーブルを特定する
情報処理システム。
【請求項9】
請求項1乃至のいずれかに記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記入口から前記テーブルの間の領域を撮像可能な第2カメラの第2撮像画像から前記特定されたユーザを検出し前記特定されたユーザが着いたテーブルを特定する
情報処理システム。
【請求項10】
飲食店の入口に設置され来店したユーザの顔をほぼ正面かつ近距離から撮像可能な第1カメラによって撮像された第1撮像画像と、予め記憶された複数のユーザの顔に関する登録データとを基に、前記来店したユーザを特定し、
前記飲食店内に設置され当該飲食店内の複数のテーブルが配置されたフロアを俯瞰して撮像可能な第2カメラによって撮像された第2撮像画像から、前記特定されたユーザの前記登録データを基に、前記特定されたユーザを検出し、当該検出されたユーザが着いたテーブルを前記複数のテーブルの中から特定し、
前記特定されたユーザを識別するユーザ識別情報と前記特定されたテーブルを識別するテーブル識別情報とを対応付けて記憶する
情報処理方法。
【請求項11】
情報処理装置に、
飲食店の入口に設置され来店したユーザの顔をほぼ正面かつ近距離から撮像可能な第1カメラによって撮像された第1撮像画像と、予め記憶された複数のユーザの顔に関する登録データとを基に、前記来店したユーザを特定するステップと、
前記飲食店内に設置され当該飲食店内の複数のテーブルが配置されたフロアを俯瞰して撮像可能な第2カメラによって撮像された第2撮像画像から、前記特定されたユーザの前記登録データを基に、前記特定されたユーザを検出し、当該検出されたユーザが着いたテーブルを前記複数のテーブルの中から特定するステップと、
前記特定されたユーザを識別するユーザ識別情報と前記特定されたテーブルを識別するテーブル識別情報とを対応付けて記憶するステップと
を実行させるプログラム。