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特開2023-109387情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109387
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20230801BHJP
【FI】
G06Q30/02 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010870
(22)【出願日】2022-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 淳
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】利用者がサービスを利用し続けたくなる動機を喚起し、離脱率を低下させ、快くデータを提供させること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、分類部と、決定部とを有する。分類部は、利用者がインセンティブを取得する動機に基づいて、利用者を分類する。決定部は、分類部により分類された利用者に対応した分類に属する動機に基づいて、利用者に付与するインセンティブを決定する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者がインセンティブを取得する動機に基づいて、当該利用者を分類する分類部と、
前記分類部により分類された利用者に対応した分類に属する動機に基づいて、前記利用者に付与するインセンティブを決定する決定部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記分類部は、
前記動機が利己的又は利他的のいずれであるかに基づいて、前記利用者を分類する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記分類部は、
前記動機が内発的又は外発的のいずれであるかに基づいて、前記利用者を分類する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記分類部は、
前記動機が利己的又は利他的のいずれであるか、及び、内発的又は外発的のいずれであるかの組み合わせに基づいて、前記利用者を分類する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記決定部は、
前記利用者の分類に対応したインセンティブを付与できない場合には、前記利用者の分類と、内発的又は外発的で共通する他の分類に対応したインセンティブを、前記利用者に付与するインセンティブに決定する
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記決定部は、
前記利用者の分類と、内発的又は外発的で共通しない他の分類に対応したインセンティブと、所定の条件に応じて前記利用者の分類に対応したインセンティブになり得るインセンティブとの組み合わせを、前記利用者に付与するインセンティブに決定する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
利用者がインセンティブを取得する動機に基づいて、当該利用者を分類する分類工程と、
前記分類工程により分類された利用者に対応した分類に属する動機に基づいて、前記利用者に付与するインセンティブを決定する決定工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
利用者がインセンティブを取得する動機に基づいて、当該利用者を分類する分類手順と、
前記分類手順により分類された利用者に対応した分類に属する動機に基づいて、前記利用者に付与するインセンティブを決定する決定手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等のIT(Information Technology)デバイスから集めたデータを利活用することによって社会課題や利用者の困りごとを解決するサービスや、利用者に新しい体験を提供するサービスが増加してきている。例えば、交通量や人流のデータ等を用いて統計的な解析や人工知能(AI)技術による解析を行うことで、渋滞の予測や観光地の来客数の予測を行うサービスや、利用者の属性や行動データから個人に応じたお勧め情報を提供するサービスが増加してきている。
【0003】
このような利用者からのデータを利活用することにより実現されるサービスは、一定のデータ量が必要となるため利用者からのデータの提供量を増やすために、利用者がサービスを利用し続け、データを提供したくなるような動機付けが重要な要素となっている。
【0004】
従来、利用者にインセンティブを選択させることで、所定の行動の動機付けを行う技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-170407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、利用者がサービスを利用し続けたくなる動機を喚起し、離脱率を低下させ、快くデータを提供させることができなかった。
【0007】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者がサービスを利用し続けたくなる動機を喚起し、離脱率を低下させ、快くデータを提供させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願に係る情報処理装置は、利用者がインセンティブを取得する動機に基づいて、当該利用者を分類する分類部と、前記分類部により分類された利用者に対応した分類に属する動機に基づいて、前記利用者に付与するインセンティブを決定する決定部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
実施形態の一態様によれば、利用者がサービスを利用し続けたくなる動機を喚起し、離脱率を低下させ、快くデータを提供させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る行動動機の4象限を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る行動動機の4象限それぞれに対応したインセンティブの設定例を示す図である(その1)。
図4図4は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る利用者情報記憶部の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係るインセンティブ情報記憶部の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である(その1)。
図9図9は、実施形態に係る行動動機の4象限それぞれに対応したインセンティブの設定例を示す図である(その2)。
図10図10は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である(その2)。
図11図11は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図15図15は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0012】
(実施形態)
〔1.情報処理システムの構成〕
図1に示す情報処理システム1について説明する。図1に示すように、情報処理システム1は、端末装置10と、端末装置10と、情報処理装置100とが含まれる。端末装置10と、端末装置10と、情報処理装置100とは所定の通信網(ネットワークN)を介して、有線または無線により通信可能に接続される。図1は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
【0013】
端末装置10及び端末装置10は、それぞれ利用者にポイント還元等のインセンティブを付与する所定のサービスを利用する利用者UI及び利用者U2によって利用される情報処理装置である。ここで、所定のサービスとは、例えば、情報処理装置100を管理する事業者によって提供されるサービスである。例えば、所定のサービス上で閲覧等の行動を行った利用者U1及び利用者U2の行動データが、それぞれ端末装置10及び端末装置10を介して情報処理装置100へ送信される。端末装置10及び端末装置10は、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等、実施形態における処理を実現可能であれば、どのような装置であってもよい。以下、説明の便宜上、端末装置10及び端末装置10は、適宜、端末装置10とする。
【0014】
図1に示した例では、情報処理システム1には、端末装置10及び端末装置10の端末装置10が2台含まれているが、端末装置10が3台以上含まれてもよいし、端末装置10が1台のみ含まれてもよい。
【0015】
情報処理装置100は、利用者がサービスを利用し続けたくなる動機を喚起し、離脱率を低下させ、快くデータを提供させることを目的とした情報処理装置である。例えば、情報処理装置100は、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。また、例えば、情報処理装置100は、利用者にインセンティブを付与する所定のサービスを提供するサービス側のサーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0016】
ここで、利用者からのデータを利活用したサービス提供において、利用者が納得してデータを提供したくなるような動機付けが重要な要素となっている。しかしながら、個人のデータ提供に対する抵抗感は根強く、サービス利用のハードルとなっている。その要因の一つに利用者がサービスを利用し続けたくなる動機に直結するインセンティブへの要求の多様化が挙げられる。
【0017】
近年、ポイント還元や割引といったお得感を満たすインセンティブ以外に、共感によって承認欲求を満たすインセンティブや、購入金額の一部を社会貢献に使うような利他的な欲求を満たすインセンティブ等も重要視されつつある。また、利用者の欲求等に合ったUI画面のデザインも重要視されつつある。
【0018】
ポイント還元や割引といった外部からもたらされるものを目標とした外発的動機は、即効性はあるが、受動的且つ単発的な関わりになる傾向にあることが知られている。一方、外発的動機に対して、個人の内なる目標や姿勢から生じる内発的動機は、能動的且つ持続的であり、エンゲージメントが強くなる傾向にあることが知られている。
【0019】
また、例えば内発的動機から利用者の行動変容を促すサービス設計において、インセンティブのミスマッチが生じる場合がある。例えば外発的動機が内発的動機を無効化してしまう場合がある。例えば、社会的意味の強いサービスに金銭的報酬を与えるとモチベーションが下がる現象が観測されており、この現象はクラウディングアウトと呼ばれる。クラウディングアウトは、内発的動機が外発的動機によって無効化されてしまう現象であり、その逆、すなわち、外発的動機が内発的動機によって無効化されてしまう場合をも含む。また、利用者へのインセンティブをクラウディングアウトさせるデザインにしてしまうとサービスからの離脱につながってしまう場合がある。例えば、インセンティブの選択肢が一つしかない場合、インセンティブに魅力を感じない利用者はデータの提供を許可しなくなり、サービスからの離脱につながってしまう場合がある。具体的な例を挙げると、サービスを利用して社会貢献活動に参加したいといった欲求を有する利用者に対して、参加者へのお得なクーポン等の金銭的報酬を与えると、見返りが欲しくて活動に参加していると思われたくないと感じ、離脱につながってしまう場合がある。このため、利用者のデータ提供への抵抗感を減らしエンゲージメントを高めることが重要になる。
【0020】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者がサービスを利用し続けたくなる動機を喚起し、離脱率を低下させ、快くデータを提供させることを目的とする。
【0021】
利用者が利己的であるか利他的であるか、また、利用者の欲求が内発的であるか外発的であるかによって、クラウディングアウトさせないためのインセンティブは異なる。例えば、利用者が利己的且つ外発的である場合には、金銭的報酬のインセンティブを付与すると、利用者にとって期待が高いものなので、動機が喚起される。一方、利己的且つ外発的である利用者に社会貢献のインセンティブを付与すると、利用者にとって期待が低い又は利用者が求めていないものなので、動機が喚起されず、クラウディングアウトにつながってしまう場合がある。以下、利用者が利己的であるか利他的であるか、また、内発的であるか外発的であるかに応じて、利用者の行動動機として、4象限に分類されるものとする。
【0022】
図2は、実施形態に係る行動動機の4象限を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る行動動機は、「A1」、「A2」、「B1」、「B2」の4象限に分類される。
アルファベットの「A」及び「B」は、それぞれ内発的及び外発的を意図し、数字の「1」及び「2」は、それぞれ利己的及び利他的を意図する。例えば「A1」に分類される利用者は、利己的且つ内発的な利用者である。
【0023】
「A1」の行動動機には、例えば、知的好奇心、自己成長/学習/習得、自身/達成感、能力を試す、プロの誇り、義務感、体を動かす喜び、等が含まれる。すなわち、「A1」に分類される利用者は、例えば知的好奇心をくすぐられると、行動を起こす利用者である。
【0024】
「A2」の行動動機には、例えば、社会的意味、貢献/手助け、他人を喜ばせる、社会変革、等が含まれる。すなわち、「A2」に分類される利用者は、例えば社会的意味が所在すると、行動を起こす利用者である。
【0025】
「B1」の行動動機には、例えば、金銭的報酬、身体的脅威、社会的報酬、恐怖心、見栄/虚栄、等が含まれる。すなわち、「B1」に分類される利用者は、例えば金銭的報酬が期待できると、行動を起こす利用者である。
【0026】
「B2」の行動動機には、例えば、家族や他人への経済的援助、家族の健康維持/介護、医療/福祉、等が含まれる。すなわち、「B1」に分類される利用者は、例えば家族や他人への経済的援助につながる場合に、行動を起こす利用者である。
【0027】
図3は、実施形態に係る行動動機の4象限それぞれに対応したインセンティブの設定例を示す図である。図3に示すように、実施形態に係る行動動機の4象限に応じて、利用者に付与するインセンティブも分類される。実施形態に係る行動動機の4象限に応じて分類された利用者に、利用者の象限に対応したインセンティブを付与することで、動機が喚起されると考えられる。例えば「A1」に分類される利用者に対しては、より難しい問題を出すといったインセンティブを付与することで、知的好奇心がくすぐられるため、動機が喚起されると考えられる。以下、インセンティブは、実施形態に係る行動動機の4象限毎に予め定められているものとする。
【0028】
「A1」の行動動機に対応したインセンティブには、例えば、より難しい問題を出す、習得履歴と達成目標を見せる、ゴールした演出、能力のスコアリング、勲章等のスタンプ、褒めるような演出、応援するような演出、等が含まれる。例えば、「A1」に分類される利用者に、「A1」の行動動機に対応したインセンティブが付与されると、インセンティブにより知的好奇心がくすぐられるため、「A1」に分類される利用者は、動機が喚起され行動を起こすと考えられる。
【0029】
「A2」の行動動機に対応したインセンティブには、例えば、社会課題解決につながる、社会貢献活動等への寄付、喜ぶ様子や感想が見られる、社会が良くなる様子が分かる、等が含まれる。例えば、「A2」に分類される利用者に、「A2」の行動動機に対応したインセンティブが付与されると、インセンティブに社会的意味が所在するため、動機が喚起され行動を起こすと考えられる。
【0030】
「B1」の行動動機に対応したインセンティブには、例えば、ポイント還元や割引、物と交換、キャラが太っていくような演出、表彰状の授与、物が壊れる/減っていく演出、ランキングスコア、等が含まれる。例えば、「B1」に分類される利用者に、「B1」の行動動機に対応したインセンティブが付与されると、インセンティブである金銭的報酬が期待できるため、動機が喚起され行動を起こすと考えられる。
【0031】
「B2」の行動動機に対応したインセンティブには、例えば、困っている人への寄付、家族の病気治療に活かされる、医療/福祉に活かされる、等が含まれる。例えば、「B2」に分類される利用者に、「B2」の行動動機に対応したインセンティブが付与されると、インセンティブを介して家族や他人への経済的援助につながるため、動機が喚起され行動を起こすと考えられる。
【0032】
このことから、インセンティブを利用者の特性(利己的又は利他的)や欲求(内発的又は外発的)に合わせて求めているものに置き換えることで、期待を高めることができるため、より多くの利用者の動機を喚起させることができると考えられる。また、実施形態に係る行動動機の4象限のうち複数の象限を組み合わせることで、より多くの利用者の動機を喚起させることができると考えられる。
【0033】
〔2.端末装置の構成〕
次に、図4を用いて、実施形態に係る端末装置10の構成について説明する。図4は、実施形態に係る端末装置10の構成例を示す図である。図4に示すように、端末装置10は、通信部11と、入力部12と、出力部13と、制御部14とを有する。
【0034】
(通信部11)
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部11は、所定のネットワークNと有線又は無線で接続され、所定のネットワークNを介して、情報処理装置100等との間で情報の送受信を行う。
【0035】
(入力部12)
入力部12は、利用者からの各種操作を受け付ける。例えば、入力部12は、タッチパネル機能により表示面を介して利用者からの各種操作を受け付けてもよい。また、入力部12は、端末装置10に設けられたボタンや、端末装置10に接続されたキーボードやマウスからの各種操作を受け付けてもよい。
【0036】
(出力部13)
出力部13は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット端末等の表示画面であり、各種情報を表示させるための表示装置である。
【0037】
(制御部14)
制御部14は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、端末装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM(Random Access Memory)を作業領域として実行されることにより実現される。例えば、この各種プログラムには、端末装置10にインストールされたアプリケーションのプログラムが含まれる。例えば、この各種プログラムには、利用者の行動データを提供するアプリケーションのプログラムが含まれる。また、制御部14は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0038】
図4に示すように、制御部14は、受信部141と、送信部142とを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。
【0039】
(受信部141)
受信部141は、情報処理装置100から送信された情報を受信する。例えば、受信部141は、実施形態に係る行動動機の4象限(図2参照)に基づいて分類された利用者の象限に対応したインセンティブ(図3参照)を受信する。そして、受信部141は、情報処理装置100から送信された情報を、出力部13に表示させる。
【0040】
(送信部142)
送信部142は、利用者にインセンティブを付与する所定のサービス上で利用者から受け付けられた情報を情報処理装置100へ送信する。例えば、送信部142は、所定のサービス上での利用者の行動データを情報処理装置100へ送信する。また、例えば、送信部142は、受信部141により受信されたインセンティブの利用情報を情報処理装置100へ送信する。例えば、送信部142は、利用者がポイント還元のインセンティブを受信して、ポイント還元に利用した場合には、ポイント還元に利用した旨の情報を情報処理装置100へ送信する。
【0041】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、図5を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。図5は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。図5に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、情報処理装置100は、情報処理装置100の管理者から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示させるための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0042】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、端末装置10等との間で情報の送受信を行う。
【0043】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図5に示すように、記憶部120は、利用者情報記憶部121と、インセンティブ情報記憶部122とを有する。
【0044】
利用者情報記憶部121は、利用者属性及び行動データに関する情報を記憶する。ここで、図6に、実施形態に係る利用者情報記憶部121の一例を示す。図6に示すように、利用者情報記憶部121は、「利用者ID」、「属性」、「行動データ」といった項目を有する。
【0045】
「利用者ID」は、利用者を識別するための識別情報を示す。「属性」は、利用者の属性を示す。「行動データ」は、所定のサービス上での利用者の行動データを示す。図6に示した例では、「行動データ」に「行動データ#1」や「行動データ#2」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、例えば、「クーポンAA1を利用(2022年1月6日)、クーポンAA2を利用(2022年1月12日)、・・・」等のクーポンの利用履歴や、「社会貢献活動BB1を検索(2022年1月7日)、社会貢献活動BB2を検索(2022年1月13日)、・・・」等の検索履歴等の情報が格納される。
【0046】
すなわち、図6では、利用者ID「U1」によって識別される利用者の属性が「男性(性別)、30代(年齢)、都市CC1(在住)、ボランティア(趣味)、・・・」であり、行動データが「行動データ#1」である例を示す。
【0047】
インセンティブ情報記憶部122は、所定のサービス上で提供可能なインセンティブに関する情報を記憶する。ここで、図7に、実施形態に係るインセンティブ情報記憶部122の一例を示す。図7に示すように、インセンティブ情報記憶部122は、「インセンティブID」、「象限」、「インセンティブ」といった項目を有する。
【0048】
「インセンティブID」は、インセンティブを識別するための識別情報を示す。「象限」は、実施形態に係る行動動機の4象限(図2参照)のうち、インセンティブに対応した象限を示す。「インセンティブ」は、インセンティブを示す。
【0049】
すなわち、図8では、インセンティブID「I1」によって識別されるインセンティブに対応した象限が「A1」であり、インセンティブが「より難しい問題を出す」である例を示す。
【0050】
(制御部130)
制御部130は、コントローラであり、例えば、CPUやMPU等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0051】
図5に示すように、制御部130は、取得部131と、分類部132と、決定部133と、提供部134とを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図5に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0052】
(取得部131)
取得部131は、利用者属性や行動データ等の利用者情報を取得する。なお、取得部131は、利用者情報を、端末装置10から取得してもよいし、外部の情報処理装置から取得してもよい。例えば、取得部131は、利用者にインセンティブを付与する所定のサービスを提供するサービス側の情報処理装置から取得してもよい。
【0053】
(分類部132)
分類部132は、利用者がインセンティブを取得する行動動機に基づいて、利用者を分類する。例えば、分類部132は、実施形態に係る行動動機の4象限(図2参照)に基づいて、利用者を分類する。例えば、分類部132は、取得部131により取得された利用者情報に基づいて、利用者の行動動機が利己的であるか利他的であるか、また、内発的であるか外発的であるかを推定し、利用者を分類する。例えば、分類部132は、利用者の行動動機が利己的且つ内発的と推定した場合には、利用者を「A1」の象限に分類する。
【0054】
なお、分類部132は、取得部131により取得された利用者情報に基づいて、利用者の行動動機を推定し、利用者の行動動機が利己的であるか利他的であるか、また、内発的であるか外発的であるかに基づいて、利用者を分類してもよい。例えば、分類部132は、利用者の行動動機が知的好奇心と推定した場合には、利用者の行動動機が利己的且つ内発的であるため、利用者を「A1」の象限に分類してもよい。
【0055】
なお、分類部132は、取得部131により取得された利用者情報に、利用者の行動動機が利己的であるか利他的であるか、また、内発的であるか外発的であるかを示す情報が予め含まれている場合には、予め定められた情報を、利用者の行動動機として、利用者を分類してもよい。
【0056】
(決定部133)
決定部133は、分類部132により分類された利用者に対応した分類に属する行動動機に基づいて、利用者に付与するインセンティブを決定する。例えば、決定部133は、利用者に対応した分類に属する行動動機が利己的であるか利他的であるか、また、内発的であるか外発的であるかに基づいて、利用者に付与するインセンティブを決定する。例えば、決定部133は、利用者に対応した分類に属する行動動機が利己的且つ内発的である場合には、「A1」の象限に対応したインセンティブの中から、利用者に付与するインセンティブを決定する。なお、この際、利用者に付与するインセンティブの選択は、どのような手段に基づいてもよい。
【0057】
なお、決定部133は、利用者に対応した分類に属する行動動機に、所定の行動動機(例えば、知的好奇心)が含まれる場合には、所定の行動動機に紐づけて予め定められたインセンティブを、利用者に付与するインセンティブに決定してもよい。例えば、分類部132により利用者の行動動機が推定された場合には、決定部133は、利用者の行動動機に紐づけて予め定められたインセンティブを、優先的に、利用者に付与するインセンティブに決定してもよい。
【0058】
(提供部134)
提供部134は、決定部133により決定されたインセンティブを利用者に提供する。例えば、提供部134は、決定部133により決定されたインセンティブを、利用者にインセンティブを付与する所定のサービス上で表示させるための情報を、利用者の端末装置10へ送信する。例えば、提供部134は、利用者に付与するインセンティブがポイント還元や割引等のクーポンである場合には、ポイント還元や割引等のクーポンを表示させるための情報を送信する。また、例えば、提供部134は、利用者に付与するインセンティブが社会貢献活動への寄付である場合には、社会貢献活動への寄付を可能にするための情報を表示させるための情報を送信する。そして、端末装置10は、提供部134から送信された情報を受信すると、対応したインセンティブを画面上に表示させる。
【0059】
また、提供部134は、利用者の行動動機に合ったデザインのUI画面を表示させるための情報を送信してもよい。例えば、提供部134は、利用者の行動動機が利己的且つ外発的である場合には、インセンティブを付与するためのUI画面のデザインとして、ポイント還元や割引等のクーポン等のインセンティブに対応して、ポップカラーなデザインのUI画面を表示させるための情報を送信してもよい。このように、利用者に付与するインセンティブに合ったデザインのUI画面を表示させてもよい。加えて、提供部134は、お得な情報を中心に表示させるための情報を送信してもよい。これにより、利用者の行動動機に合わせて、例えば、デザインを明るいイメージにすることや、UIをお得な情報中心にすることができる。また、例えば、提供部134は、利用者の行動動機が利他的且つ内発的である場合には、インセンティブを付与するためのUI画面のデザインとして、社会貢献活動への寄付等のインセンティブに対応して、アースカラーなデザインのUI画面を表示させるための情報を送信してもよい。加えて、提供部134は、地域ボランティアや環境問題等の情報を中心に表示させるための情報を送信してもよい。これにより、利用者の行動動機に合わせて、例えば、デザインをグリーンなイメージにすることや、UIを貢献活動中心にすることができる。このように、利用者に合わせて、インセンティブやUIデザインを変更することができるため、利用者の離脱を防ぎ、快くデータを提供させることができると考えられる。
【0060】
図8は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。図8に示した例では、利用者にインセンティブを付与する所定のサービスは、所定のサービスへの訪問等の特定の行動によってポイントが入手可能なサービスであり、各利用者はインセンティブが入手可能な一定のポイント(P1)を有する利用者であるものとする。また、端末装置1011は利用者U11によって利用され、端末装置1012は利用者U12によって利用される。
【0061】
分類部132は、利用者U11の利用者情報に基づいて、利用者U11が割引クーポンを多用する傾向にある利用者であることから、利用者U11の行動動機が利己的且つ外発的と推定し、実施形態に係る行動動機の4象限に基づいて、利用者U11を「B1」の象限に分類する。また、分類部132は、利用者U12の利用者情報に基づいて、利用者U12がボランティアによく参加する傾向にある利用者であることから、利用者U12の行動動機が利他的且つ内発的と推定し、実施形態に係る行動動機の4象限に基づいて、利用者U12を「A2」の象限に分類する。
【0062】
決定部133は、分類部132により利用者U11が「B1」の象限に分類されたため、利用者U11に付与するインセンティブを割引クーポンに決定し、提供部134は、割引クーポンを所定のサービス上の所定の領域内に表示させるための情報を端末装置1011へ送信する。利用者U11は、端末装置1011の画面上に表示された割引クーポンを操作(例えば、クリックやタップ)することにより、ポイント(P1)を利用して、割引クーポンと交換する。また、決定部133は、分類部132により利用者U12が「A2」の象限に分類されたため、利用者U12に付与するインセンティブを地域のスポーツ振興への寄付に決定し、提供部134は、地域のスポーツ振興への寄付を可能にするための情報を所定のサービス上の所定の領域内に表示させるための情報を端末装置1012へ送信する。利用者U12は、端末装置1012の画面上に表示された地域のスポーツ振興への寄付を可能にするための情報を操作することにより、ポイント(P1)を利用して、地域のスポーツ振興への寄付を行う。
【0063】
なお、図8では、実施形態に係る行動動機の4象限に基づいて分類された利用者の象限に対応したインセンティブを、利用者に付与するインセンティブに決定する場合を示したが、利用者の象限に対応したインセンティブが付与できない場合がある。例えば、利用者にインセンティブを付与するサービス側が、利用者の象限に対応したインセンティブを用意できていない場合である。
【0064】
図9は、実施形態に係る行動動機の4象限それぞれに対応したインセンティブの設定例を示す図である。図9に示すように、利用者にインセンティブを付与するサービス側が、「B1」の象限に対応したインセンティブしか用意できていない場合がある。図10を用いて、利用者の象限に対応したインセンティブが付与できない場合の処理を説明する。
【0065】
図10は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。なお、図8と同様の説明は適宜省略する。また、端末装置1021は利用者U21によって利用され、端末装置1022は利用者U22によって利用される。
【0066】
分類部132は、利用者U21の利用者情報に基づいて、利用者U21が家族全体を考えて行動する傾向にある利用者であることから、利用者U21の行動履歴が利他的且つ外発的と推定し、実施形態に係る行動動機の4象限に基づいて、利用者U21を「B2」の象限に分類する。また、分類部132は、利用者U22の利用者情報に基づいて、利用者U12がボランティアによく参加する傾向にある利用者であることから、利用者U22の行動動機が利他的且つ内発的と推定し、実施形態に係る行動動機の4象限に基づいて、利用者U22を「A2」の象限に分類する。
【0067】
決定部133は、分類部132により利用者U21が「B2」の象限に分類されたため、利用者U21に付与するインセンティブを、「B2」の象限に対応したインセンティブの中から決定したいが、図9に示した例のように、「B2」の象限に対応したインセンティブが定められていない場合には、同じ外発的の「B1」の象限に対応したインセンティブが定められているか否かを判定し、「B1」の象限に対応したインセンティブが定められている場合には、「B1」の象限に対応したインセンティブを、利用者U21に付与するインセンティブに決定する。図10では、決定部133は、「B1」の象限に対応したインセンティブを、利用者U21に付与するインセンティブに決定し、提供部134は、「B1」の象限に対応したインセンティブを表示させるための情報を端末装置1021へ送信する。また、決定部133は、分類部132により利用者U22が「A2」の象限に分類されたため、利用者U22に付与するインセンティブを、「A2」の象限に対応したインセンティブの中から決定したいが、図9に示した例のように、「A2」の象限に対応したインセンティブが定められていない場合には、同じ内発的の「A1」の象限に対応したインセンティブが定められているか否かを判定し、「A1」の象限に対応したインセンティブも定められていない場合には、実施形態に係る行動動機の4象限に分類されないインセンティブとして予め定められた代替インセンティブを、利用者U22に付与するインセンティブに決定する。図10では、決定部133は、代替インセンティブを、利用者U22に付与するインセンティブに決定し、提供部134は、代替インセンティブを表示させるための情報を端末装置1022へ送信する。
【0068】
なお、代替インセンティブには、例えば、ボーナスポイントを上げる、ポイントの獲得率を上げる、ポイントの利用レートを上げる、等が含まれる。図10では、提供部134は、代替インセンティブとして、利用者U22に10%ポイントUPのキャンペーンを表示させるための情報を送信する。
【0069】
なお、代替インセンティブが定められていない等により、代替インセンティブも付与できない場合があり得る。このような場合には、無理にインセンティブを付与してもクラウディングアウトによって離脱につながってしまう恐れがあるため、一時的に何も付与せずに利用者を引き留めるほうがよいとも考えられる。決定部133は、代替インセンティブを付与できない場合には、インセンティブの見送りを決定する。なお、決定部133は、代替インセンティブを付与できない等のサービス側の理由に限られず、利用者側の理由により、インセンティブの見送りを決定してもよい。例えば、決定部133は、利用者が代替インセンティブを拒否した場合に、インセンティブの見送りを決定してもよい。このように、決定部133がインセンティブの見送りを決定した場合には、提供部134は、例えば、利用者に合ったインセンティブを用意できない旨を表示させるための情報を送信する。また、提供部134は、利用者にアンケートへの回答を促すための情報を送信してもよい。
【0070】
〔4.情報処理のフロー〕
次に、図11乃至図14を用いて、実施形態に係る情報処理システム1による情報処理の手順について説明する。図11は、実施形態に係る情報処理システム1によるインセンティブの決定処理の手順を示すフローチャートである。
【0071】
図11に示すように、情報処理装置100は、実施形態に係る情報処理システム1によるインセンティブの付与処理(図12参照)を実行する(ステップS101)。
【0072】
情報処理装置100は、ステップS101でYESと判定された場合、実施形態に係る情報処理システム1によるインセンティブの受理処理(図13参照)を実行する(ステップS102)。また、情報処理装置100は、ステップS101でNOと判定された場合、実施形態に係る情報処理システム1によるクラウディングアウトの回避処理(図14参照)を実行する(ステップS103)。
【0073】
情報処理装置100は、ステップS102でYESと判定された場合、利用者に付与するインセンティブを決定する(ステップS104)。また、情報処理装置100は、ステップS102でNOと判定された場合、実施形態に係る情報処理システム1によるクラウディングアウトの回避処理を実行する(ステップS103)。
【0074】
情報処理装置100は、ステップS103でYESと判定された場合、実施形態に係る情報処理システム1によるインセンティブの受理処理を実行する(ステップS102)。また、情報処理装置100は、ステップS103でNOと判定された場合、インセンティブの見送りを決定する(ステップS105)。
【0075】
図12は、実施形態に係る情報処理システム1によるインセンティブの付与処理の手順を示すフローチャートである。
【0076】
情報処理装置100は、喚起したい動機と付与可能なインセンティブとが、実施形態に係る行動動機の4象限のうち象限「A」又は象限「B」で一致するか否かを判定する(ステップS201)。
【0077】
情報処理装置100は、ステップS201でYESと判定された場合、喚起したい動機と付与可能なインセンティブとが、実施形態に係る行動動機の4象限のうち象限「1」又は象限「2」で一致するか否かを判定する(ステップS202)。また、情報処理装置100は、ステップS201でNOと判定された場合、実施形態に係る情報処理システム1によるクラウディングアウトの回避処理を実行する。
【0078】
情報処理装置100は、ステップS202でYESと判定された場合、一致したインセンティブを利用者に付与する(ステップS203)。また、情報処理装置100は、ステップS202でNOと判定された場合、象限「A」又は象限「B」で一致するが、象限「1」又は象限「2」で相違するインセンティブを利用者に付与する(ステップS204)。そして、情報処理装置100は、実施形態に係る情報処理システム1によるインセンティブの受理処理を実行する。
【0079】
図13は、実施形態に係る情報処理システム1によるインセンティブの受理処理の手順を示すフローチャートである。
【0080】
情報処理装置100は、利用者が付与されたインセンティブを受理したか否かを判定する(ステップS301)。
【0081】
情報処理装置100は、ステップS301でYESと判定された場合、利用者に付与するインセンティブを決定する(ステップS302)。また、情報処理装置100は、ステップS301でNOと判定された場合、実施形態に係る情報処理システム1によるクラウディングアウトの回避処理を実行する。
【0082】
図14は、実施形態に係る情報処理システム1によるクラウディングアウトの回避処理の手順を示すフローチャートである。
【0083】
情報処理装置100は、代替インセンティブが用意されているか否かを判定する(ステップS401)。
【0084】
情報処理装置100は、ステップS401でYESと判定された場合、代替インセンティブを利用者に付与する(ステップS402)。そして、情報処理装置100は、実施形態に係る情報処理システム1によるインセンティブの受理処理を実行する。また、情報処理装置100は、ステップS401でNOと判定された場合、インセンティブの見送りを決定する(ステップS403)。
【0085】
〔5.変形例〕
上述した実施形態に係る情報処理システム1は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理システム1の他の実施形態について説明する。
【0086】
(複合インセンティブの付与)
上記実施形態では、情報処理装置100が、象限「A」又は象限「B」で一致するが、象限「1」又は象限「2」で相違するインセンティブや、代替インセンティブを付与する場合を示した。例えば、決定部133が、実施形態に係る行動動機の4象限のうち、利用者の分類に対応したインセンティブが定められていない場合には、内発的又は外発的で一致する他の分類に対応したインセンティブを、利用者に付与するインセンティブに決定する場合を示した。また、例えば、決定部133が、内発的又は外発的で一致する他の分類に対応したインセンティブも定められていない場合には、代替インセンティブを付与する場合を示した。
【0087】
このような、利用者の分類に対応したインセンティブが定められていない場合、決定部133の処理は、内発的又は外発的で一致する他の分類に対応したインセンティブを付与する処理や、代替インセンティブを付与する処理に限られない。例えば、内発的又は外発的で一致しない他の分類に対応したインセンティブのみを付与すると、クラウディングアウトにつながってしまう可能性が高くなるため、決定部133は、内発的又は外発的で一致しない他の分類に対応したインセンティブと、他のインセンティブとを組み合わせた複合的なインセンティブを、利用者に付与するインセンティブに決定してもよい。ここで、他のインセンティブとは、例えば、1月後に付与等、直ぐには用意できないが、1月待ってもらえれば、利用者の分類に対応したインセンティブを付与可能なインセンティブである。また、他のインセンティブとは、例えば、額が少なくてもよいならポイントを付与等、規定の額を用意できないが、額が少なくてもよいなら、利用者の分類に対応したインセンティブを付与可能なインセンティブであってもよい。すなわち、他のインセンティブとは、所定の条件に利用者が納得の場合に、利用者の分類に対応したインセンティブを付与可能なインセンティブ、すなわち、所定の条件に応じて利用者の分類に対応したインセンティブになり得るインセンティブである。
【0088】
図9に示した例を用いると、決定部133は、分類部132により利用者U21が「B2」の象限に分類されたため、利用者U21に付与するインセンティブを、「B2」の象限に対応したインセンティブの中から決定したいが、例えば「A1」又は「A2」の象限に対応したインセンティブしか定められていない場合には、「A1」又は「A2」の象限に対応したインセンティブと、所定の条件に応じて「B2」(又は「B1」)の象限に対応したインセンティブになり得るインセンティブとの組み合わせを、利用者U21に付与するインセンティブに決定する。また、決定部133は、分類部132により利用者U22が「A2」の象限に分類されたため、利用者U22に付与するインセンティブを、「A2」の象限に対応したインセンティブの中から決定したいが、「A2」の象限に対応したインセンティブが定められていない場合には、同じ内発的の「A1」の象限に対応したインセンティブが定められているか否かを判定し、「A1」の象限に対応したインセンティブも定められていない場合には、「B1」又は「B2」の象限に対応したインセンティブと、所定の条件に応じて「A2」(又は「A1」)の象限に対応したインセンティブになり得るインセンティブとの組み合わせを、利用者U22に付与するインセンティブに決定する。
【0089】
(複数の行動動機を有する場合の付与)
上記実施形態では、利用者の行動動機が、実施形態に係る行動動機の4象限のうち一の象限に分類される場合を示した。このような、利用者の行動動機が一の象限のみに分類される場合に限られず、複数の象限に分類されてもよい。利用者が、例えば、利己的且つ内発的な面と、利己的且つ外発的な面との2つの面を有する場合や、利己的且つ内発的な面と、利己的且つ外発的な面と、利他的且つ内発的な面との3つの面を有する場合等の複数の面によって行動が喚起される場合である。
【0090】
分類部132は、利用者の利用者情報に基づいて、利用者が抽選によく応募する傾向にある利用者であることから、利用者の行動動機が利己的且つ内発的、及び、利他的且つ外発的と推定し、実施形態に係る行動動機の4象限に基づいて、利用者を「A1」及び「B1」の象限に分類したとする。そして、決定部133は、利用者の「A1」及び「B1」の複数の分類に対応したインセンティブとして、新たな謎解きの解放に決定したとする。提供部134は、新たな謎解きの解放を可能にするための情報を表示させるための情報を送信する。また、提供部134は、インセンティブを付与するためのUI画面のデザインとして、新たな謎解きの解放といったインセンティブに対応して、ゲームカラーなデザインのUI画面を表示させるための情報を送信してもよい。
【0091】
(行動動機の推定)
上記実施形態では、情報処理装置100が、利用者の属性及び行動データに関する利用者情報に基づいて、利用者の行動動機を推定する場合を示したが、この例に限られず、どのような利用者情報に基づいて、利用者の行動動機を推定してもよい。例えば、情報処理装置100は、アンケートへの利用者の回答等から導き出された利用者情報に基づいて、利用者の行動動機を推定してもよい。
【0092】
〔6.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置100は、分類部132と、決定部133とを有する。分類部132は、利用者がインセンティブを取得する動機に基づいて、利用者を分類する。決定部133は、分類部132により分類された利用者に対応した分類に属する動機に基づいて、利用者に付与するインセンティブを決定する。
【0093】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、利用者の動機に合わせて、利用者に提供するインセンティブを切り替えることができるため、利用者がサービスを利用し続けたくなる動機を喚起し、離脱率を低下させ、快くデータを提供させることができる。
【0094】
また、分類部132は、動機が利己的又は利他的のいずれであるかに基づいて、利用者を分類する。
【0095】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、利用者の動機が利己的又は利他的のいずれであるかに基づいて、利用者がサービスを利用し続けたくなる動機を喚起し、離脱率を低下させ、快くデータを提供させることができる。
【0096】
また、分類部132は、動機が内発的又は外発的のいずれであるかに基づいて、利用者を分類する。
【0097】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、利用者の動機が内発的又は外発的のいずれであるかに基づいて、利用者がサービスを利用し続けたくなる動機を喚起し、離脱率を低下させ、快くデータを提供させることができる。
【0098】
また、分類部132は、動機が利己的又は利他的のいずれであるか、及び、内発的又は外発的のいずれであるかの組み合わせに基づいて、利用者を分類する。
【0099】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、利用者の動機が利己的又は利他的のいずれであるか、また、内発的又は外発的のいずれであるかに基づいて、利用者がサービスを利用し続けたくなる動機を喚起し、離脱率を低下させ、快くデータを提供させることができる。
【0100】
また、決定部133は、利用者の分類に対応したインセンティブを付与できない場合には、利用者の分類と、内発的又は外発的で共通する他の分類に対応したインセンティブを、利用者に付与するインセンティブに決定する。
【0101】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、少なくとも動機が内発的又は外発的で共通する分類に対応したインセンティブを付与することができるため、共通しない他の分類に対応したインセンティブを付与するよりも、クラウディングアウトを回避し、離脱を防止することができる。
【0102】
また、決定部133は、利用者の分類と、内発的又は外発的で共通しない他の分類に対応したインセンティブと、所定の条件に応じて利用者の分類に対応したインセンティブになり得るインセンティブとの組み合わせを、利用者に付与するインセンティブに決定する。
【0103】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、動機が内発的又は外発的で共通する分類に対応したインセンティブが付与できない場合でも、クラウディングアウトを回避し、離脱を防止することができる。
【0104】
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置100は、例えば図15に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図15は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を備える。
【0105】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0106】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0107】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0108】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0109】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0110】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0111】
〔8.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0112】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0113】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0114】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」等に読み替えることができる。例えば、特定部は、特定手段や特定回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0115】
1 情報処理システム
10 端末装置
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 利用者情報記憶部
122 インセンティブ情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 分類部
133 決定部
134 提供部
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15