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  • 特開-リールシート及び釣竿 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109454
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】リールシート及び釣竿
(51)【国際特許分類】
   A01K 87/08 20060101AFI20230801BHJP
   A01K 87/06 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
A01K87/08 B
A01K87/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010980
(22)【出願日】2022-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】森岡 俊貴
【テーマコード(参考)】
2B019
【Fターム(参考)】
2B019AA06
2B019CB02
2B019CB03
2B019CB10
(57)【要約】
【課題】指が滑り難く安定して把持することができるリールシート及び釣竿を提供することを課題とする。
【解決手段】魚釣用リールRを固定するリールシート3であって、固定フード24を備えるとともに竿杆2が挿入される中空部を備えた筒状のリールシート本体10と、リールシート本体10に対して軸方向に移動可能な遊動フード11と、周方向に回動することで遊動フード11を軸方向に移動させる操作つまみ12と、を備え、遊動フード11の前側の上部に、利用者の指が配置される指掛け凹部32を有することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚釣用リールを固定するリールシートであって、
固定フードを備えるとともに竿杆が挿入される中空部を備えた筒状のリールシート本体と、
前記リールシート本体に対して軸方向に移動可能な遊動フードと、
周方向に回動することで前記遊動フードを軸方向に移動させる操作つまみと、を備え、
前記遊動フードの前側の上部に、利用者の指が配置される指掛け凹部を有することを特徴とするリールシート。
【請求項2】
前記指掛け凹部には、底部から前側上方に傾斜する前側傾斜面及び前記底部から後側上方に傾斜する後側傾斜面が周方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項1に記載のリールシート。
【請求項3】
前記リールシートの後側の下部において下方に突出し、指を係止させるトリガを備え、
前記リールシート本体の下部及び両側部において、前記トリガと前記固定フードとの間に周方向に沿って形成された後側くびれ部を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリールシート。
【請求項4】
前記リールシート本体の上部に、前記魚釣用リールの取付脚部が配置される取付座と、
前記リールシート本体の上側の両側部において、前記取付座の対応する位置に形成された切欠き溝部と、
前記リールシート本体の下部において、前記切欠き溝部の対応する位置に形成された前側くびれ部と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のリールシート。
【請求項5】
竿杆と、竿杆に挿通され魚釣用リールを着脱するリールシートと、リールシートの後端に連接するグリップと、を備えた釣竿であって、
前記リールシートは、
固定フードを備えるとともに前記竿杆が挿入される中空部を備えた筒状のリールシート本体と、
前記リールシート本体に対して軸方向に移動可能な遊動フードと、
周方向に回動することで前記遊動フードを軸方向に移動させる操作つまみと、を備え、
前記リールシート本体は、後端に後方に向けて拡径する後端大径部を備え、
前記遊動フードは、前側の上部に利用者の指が配置される指掛け凹部を備え、
前記後端大径部の外周面と前記グリップの外周面とが概ね面一になるとともに、両者の外周面同士が同一の傾斜角度になっていることを特徴とする釣竿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣用リールを固定するリールシート及び釣竿に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、魚釣用リールを固定するリールシートが開示されている。リールシートは、固定フードを有するリールシート本体と、リールシート本体に対して軸方向に移動可能な遊動フード(移動フード)と、当該遊動フードを移動させる操作つまみと、を備えている。魚釣用リールの取付脚部を固定フードと遊動フードとで挟持又は解除することで、釣竿にリールを着脱することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-48451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊動フードの上部と、遊動フードの前側に設けられたグリップとは面一になっているため、指をスムーズに移動することができる。しかし、魚釣用リール及びリールシートをパーミングして、人差し指を遊動フードの上部に当て付けて握ると、人差し指が滑ってしまうため、安定して把持することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、指が滑り難く安定して把持することができるリールシート及び釣竿を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため本発明は、魚釣用リールを固定するリールシートであって、固定フードを備えるとともに竿杆が挿入される中空部を備えた筒状のリールシート本体と、前記リールシート本体に対して軸方向に移動可能な遊動フードと、周方向に回動することで前記遊動フードを軸方向に移動させる操作つまみと、を備え、前記遊動フードの前側の上部に、利用者の指が配置される指掛け凹部を有することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、魚釣用リール及びリールシートをパーミングした際、例えば、指掛け凹部に人差し指を配置することができるため、指が滑り難くなり安定して魚釣用リールを把持することができる。
【0008】
また、前記指掛け凹部には、底部から前側上方に傾斜する前側傾斜面及び前記底部から後側上方に傾斜する後側傾斜面が周方向に沿って形成されていることが好ましい。
【0009】
本発明によれば、指掛け凹部に指を容易に配置することができる。
【0010】
また、前記リールシートの後側の下部において下方に突出し、指を係止させるトリガを備え、前記リールシート本体の下部及び両側部において、前記トリガと前記固定フードとの間に周方向に沿って形成された後側くびれ部を備えていることが好ましい。
【0011】
本発明によれば、魚釣用リール及びリールシートをパーミングした際、例えば、薬指を後側くびれ部に配置することができ、手全体で安定して把持することができる。
【0012】
また、前記リールシート本体の上部に、前記魚釣用リールの取付脚部が配置される取付座と、前記リールシート本体の上側の両側部において、前記取付座の対応する位置に形成された切欠き溝部と、前記リールシート本体の下部において、前記切欠き溝部の対応する位置に形成された前側くびれ部と、を備えていることが好ましい。
【0013】
本発明によれば、魚釣用リール及びリールシートをパーミングした際、例えば、中指を前側くびれ部に沿わせつつ、中指の先端を切欠き溝部に係止させることができ、手全体で安定して把持することができる。
【0014】
また、本発明は、竿杆と、竿杆に挿通され魚釣用リールを着脱するリールシートと、リールシートの後端に連接するグリップと、を備えた釣竿であって、前記リールシートは、固定フードを備えるとともに前記竿杆が挿入される中空部を備えた筒状のリールシート本体と、前記リールシート本体に対して軸方向に移動可能な遊動フードと、周方向に回動することで前記遊動フードを軸方向に移動させる操作つまみと、を備え、前記リールシート本体は、後端に後方に向けて拡径する後端大径部を備え、前記遊動フードは、前側の上部に利用者の指が配置される指掛け凹部を備え、前記後端大径部の外周面と前記グリップの外周面とが概ね面一になるとともに、両者の外周面同士が同一の傾斜角度になっていることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、魚釣用リール及びリールシートをパーミングした際、例えば、指掛け凹部に人差し指を配置することができるため、指が滑り難くなり安定して魚釣用リールを把持することができる。また、本発明によれば、後端大径部の外周面とグリップの外周面とが概ね面一になるとともに、両者の外周面同士が同一の傾斜角度になっているため、グリップも含めた全体の握り込み感を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、指が滑り難く安定して把持することができるリールシート及び釣竿を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係るリールシートを示す側面図である。
図2】本実施形態に係るリールシートを示す上面図である。
図3】本実施形態に係るリールシートを示す下面図である。
図4】本実施形態に係る魚釣用リール及びリールシートをパーミングした時を示す上面図である。
図5】本実施形態に係る魚釣用リール及びリールシートをパーミングした時を示す側面図である。
図6】変形例に係る遊動フードを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係るリールシート及び釣竿について、図面を参照して説明する。実施形態において、同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、「上下」、「左右」、「前後」については図1及び図2の矢印に従う。竿先側が「前」、竿元側が「後」となっている。
【0019】
図1に示すように、本実施形態に係る釣竿1は、竿杆2と、リールシート3と、後側グリップ14と、を備えている。リールシート3は、魚釣用リールRが着脱される部位である。魚釣用リールRは、両軸リールであって、リール本体R1と、取付脚部R2と、ハンドルR3(図4参照)とを備えている。リール本体R1は側面視円形状を呈する。取付脚部R2は、リール本体R1の下部に形成され、前後方向に延設された板状部である。ハンドルR3は、リール本体R1の右側部又は左側部に取り付けられ、左右方向軸回りに回動可能になっている。なお、魚釣用リールRは、ベイトリールであってもよい。また、リール本体R1の形状も他の形状であってもよい。
【0020】
リールシート3は、魚釣用リールRの取付脚部R2が着脱自在に固定される部材である。リールシート3の内部に竿杆2が挿通され、接着により固定されている。リールシート3は、リールシート本体10と、遊動フード11と、操作つまみ12とを備えている。
【0021】
リールシート本体10は、筒状を呈し、内部に竿杆2が挿通される中空部を備えている。リールシート本体10は、雄ねじ部21と、ガイド溝22と、取付座23と、固定フード24と、トリガ25と、前側くびれ部26と、後側くびれ部27と、後端大径部29とを備えている。
【0022】
雄ねじ部21は、リールシート本体10の前端の外周面に形成されている。雄ねじ部21は、操作つまみ12が回動する部位である。ガイド溝22は、雄ねじ部21の後側において、前後方向に沿って複数本形成されている。ガイド溝22は、遊動フード11を軸方向にガイドする溝である。図1及び図2に示すように、取付座23は、リールシート本体10の上部に前後方向に沿って概ね平坦に形成されている。取付座23の両側部には、切り欠かれた切欠き溝部28,28が形成されている。切欠き溝部28は、取付座23に対応し、リールシート本体10の上半分において前後方向に沿って形成されている。
【0023】
固定フード24は、リールシート本体10の後側の上部に形成され、前側が開放された中空部である。固定フード24は、取付脚部R2の後部が挿入される部位である。トリガ25は、リールシート本体10の後側の下部において、下方に突出して形成されている。トリガ25は、利用者の指を係止させる部位である。
【0024】
前側くびれ部26は、図2及び図3に示すように、取付座23及び切欠き溝部28に対応し、リールシート本体10の下部から両側部にかけて縮径するように窪む部位である。つまり、前側くびれ部26は、リールシート本体10の下部から切欠き溝部28,28の稜線28a,28aにかけて周方向に沿って形成されている。
【0025】
後側くびれ部27は、図2及び図3に示すように、リールシート本体10の後側において、下部及び両側部にかけて縮径するように窪む部位である。後側くびれ部27は、固定フード24とトリガ25との間に周方向に沿って形成されている。
【0026】
後端大径部29は、リールシート本体10の後端において、他の部位よりも大径に形成されている。また、後端大径部29は、後方に向けて拡径するようになっている。後端大径部29の後側には、後側グリップ(グリップ)14が連接されている。後側グリップ14は、コルクや、発泡性樹脂のEVA(ethylene vinyl acetate copolymer)等の柔軟部材で形成されている。後側グリップ14は、硬質の樹脂であってもよい。また、後側グリップ14は、釣竿1のミドルグリップでもよいし、エンドグリップでもよい。後側グリップ14は、略円柱状を呈し、後方に向けて拡径するようになっている。後端大径部29の外周面と、後側グリップ14の外周面とは、周方向に亘って概ね面一になるとともに、両者の外周面同士が同一の傾斜角度になっている。
【0027】
遊動フード11は、図1に示すように、筒状を呈し、リールシート本体10のガイド溝22に対応する部位に遊嵌されている。遊動フード11は、中空部31と、指掛け凹部32とを備えている。遊動フード11の内周面には、ガイド溝22の溝内を摺動する複数の凸部(図示省略)が形成されている。中空部31は、後方に開放されており、取付座23との間において取付脚部R2の前部が挿入される部位である。
【0028】
指掛け凹部32は、前側傾斜面32aと、後側傾斜面32bと、底部32cと、を備えている。前側傾斜面32aは、遊動フード11の前側の上部において、周方向に亘って形成されている。前側傾斜面32aは、遊動フード11の前端において平坦に形成された前端部33に連続し、後方に向かうにつれて軸心C方向に傾斜している。換言すると、前側傾斜面32aは、最も底となる底部32cから前側上方に向けて傾斜している。前側傾斜面32aは、本実施形態では側面視平坦面になっているが、軸心Cに向けて凹む曲面でもよい。
【0029】
後側傾斜面32bは、底部32cに連続し、後方に向けて延設されている。後側傾斜面32bは、後方に向かうにつれて軸心Cから離間する方向に傾斜している。換言すると、後側傾斜面32bは、底部32cから後側上方に向けて傾斜している。後側傾斜面32bは、実施形態では側面視平坦面になっているが、軸心Cに向けて凹む曲面でもよい。
【0030】
遊動フード11を側面視した場合、軸心Cに対する前側傾斜面32aの傾斜角度と、軸心Cに対する後側傾斜面32bの傾斜角度とは適宜設定すればよいが、本実施形態では、前側傾斜面32aの傾斜角度は、後側傾斜面32bの傾斜角度よりも大きくなっている。また、遊動フード11を側面視した場合、後側傾斜面32bの最上端から底部32cまでの深さ(上下方向距離)は適宜設定すればよいが、例えば、2.5~5.0mm、好ましくは3.0~4.0mmとするのが好ましい。これにより、指(例えば、人差し指)を安定して配置することができる。
【0031】
操作つまみ12は、遊動フード11の前側に連接され、筒状を呈する。操作つまみ12は、遊動フード11に対して相対回転可能に連結されている。操作つまみ12は、遊動フード11を軸方向に沿って移動させる部材である。なお、本実施形態に係る操作つまみ12は、リールシート3の前側のグリップ機能も備えている(操作つまみ兼前側グリップとなる)。
【0032】
操作つまみ12は、内側に配置された内筒部12aと、外側に配置された外筒部12bとを備えている。内筒部12aは円筒状を呈し、内周面には雄ねじ部21と螺合する雌ねじ部41が形成されている。
【0033】
外筒部12bは、円筒状を呈し、内筒部12aの外側に接着され内筒部12aと同期して回動する。外筒部12bは、例えば、コルクや、発泡性樹脂のEVA(ethylene vinyl acetate copolymer)等の柔軟部材で形成されている。外筒部12bは、硬質の樹脂であってもよい。外筒部12bの外径は適宜設定すればよいが、本実施形態では、遊動フード11の前端部33の外径と概ね同一になっている。
【0034】
操作つまみ12を周方向に回動させると、雄ねじ部21と雌ねじ部41との螺合によって操作つまみ12が前後方向に回動しながら軸方向移動するとともに、遊動フード11も操作つまみ12に追従して軸方向に移動する。固定フード24に対して、遊動フード11の位置を前後方向に移動させることで、取付脚部R2を挟持又は解除することができる。
【0035】
次に、本実施形態に係る釣竿1及び魚釣用リールRの持ち方について説明する。図4及び図5では、リールシート3及び魚釣用リールRを利用者の手Hで包むパーミングで把持した状態を示している。ここでは、手Hの掌でリール本体R1の左側部を包むとともに、親指H1をリール本体R1の後部に当て付け、人差し指H2を指掛け凹部32に当て付ける。さらに、図5に示すように、手Hの中指H3をリールシート本体10と遊動フード11との境界部分の下部に当て付け、薬指H4を後側くびれ部27に当て付け、さらに、小指H5を後端大径部29の下部に当て付ける。
【0036】
より詳しくは、人差し指H2の側部は、指掛け凹部32に当接しており、薬指H4の腹は、後側くびれ部27に当て付け、さらに、薬指H4と小指H5とでトリガ25を挟んでいる。また、小指H5の腹は、後端大径部29と後側グリップ14との境界部分の下部に当て付けている。
【0037】
以上説明した本実施形態に係る釣竿1及びリールシート3によれば、リールシート3及び魚釣用リールRをパーミングした際、例えば、指掛け凹部32に人差し指H2を配置することができるため、人差し指H2が滑り難くなり安定してリールシート3及び魚釣用リールRを把持することができる。また、本実施形態では、親指H1をリール本体R1の後部に当て付け、人差し指H2をリール本体R1の前側に位置させると、人差し指H2の側部を指掛け凹部32に自然に当て付けることができる。
【0038】
また、指掛け凹部32は前側傾斜面32aを備えており、当該前側傾斜面32aによって人差し指H2の前方への移動が規制される。また、指掛け凹部32は後側傾斜面32bを備えており、当該後側傾斜面32bによって人差し指H2の後方への移動が規制される。
これにより、指掛け凹部32に人差し指H2を安定して配置することができる。
【0039】
また、後側くびれ部27を備えることで、薬指H4の腹を後側くびれ部27に当て付けることができる。これにより、人差し指H2が指掛け凹部32に収まるとともに、薬指H4も後側くびれ部27に収まるため、手H全体で安定して把持することができる。さらに、トリガ25を薬指H4と小指H5とで挟むことで力が逃げず、強く握ることができる。
【0040】
また、リールシート本体10の後端に後方に向けて拡径する後端大径部29が形成されるとともに、後端大径部29に連接される後側グリップ14を備え、後端大径部29の外周面と後側グリップ14の外周面とが概ね面一になるとともに、両者の外周面同士が同一の傾斜角度になっている。これにより、後側グリップ14も含め、全体の握り込み感をより向上させることができる。より詳しくは、後側くびれ部27で縮径させ、後端大径部29及び後側グリップ14で徐々に拡径させることで、後方から前方に向けて力が入りやすくなるとともに各指の遊びも減り、後側グリップ14も含めた全体の握り込み感をより向上せることができる。
【0041】
なお、前記した手Hの各指の位置はあくまで例示であって、利用者の好みや手Hの大きさに応じて適宜変更することができる。例えば、図5の中指H3は、切欠き溝部28の稜線28aに引っ掛けることもできる。また、この時、前側くびれ部26を備えているため、中指H3を稜線28aに引っ掛けやすくなる。このような形態であっても、中指H3の収まりが向上し、安定して把持することができる。
【0042】
図6は、変形例に係る遊動フードを示す側面図である。図6に示すように、変形例に係る遊動フード11Aは、指掛け凹部32Aを備えている。指掛け凹部32Aは、前側傾斜面32aと、後側傾斜面32bと、底部32cと、を備えている。前側傾斜面32aは、軸心Cに向けて凹む曲面で形成されている。前側傾斜面32aは、上部において周方向に沿って形成されている。底部32cは、前側傾斜面32aと後側傾斜面32bとの間に形成されている。底部32cは、側面視平坦面であって、軸心Cと概ね平行になっている。また、指掛け凹部32Aの最下点(最も底となる点)は、前記した実施形態よりも後方に設定されている。また、前端部33の軸方向の長さも、前記した実施形態よりも長く設定されている。指掛け凹部32Aに、側面視平坦面となる底部32cを設けることで、指の収まりの向上を図ることができる。このように、指掛け凹部32の形状は、当て付けられる指が前後方向の移動を拘束するように、適宜設定すればよい。
【0043】
また、例えば、後端大径部29と後側グリップ14とは拡径せず、かつ、両者が同一径であってもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 釣竿
2 竿杆
3 リールシート
10 リールシート本体
11 遊動フード
12 操作つまみ
14 後側グリップ(グリップ)
23 取付座
24 固定フード
25 トリガ
26 前側くびれ部
27 後側くびれ部
28 切欠き溝部
29 後端大径部
32 指掛け凹部
32a 前側傾斜面
32b 後側傾斜面
32c 底部
R 魚釣用リール
R1 リール本体
R2 取付脚部
R3 ハンドル
図1
図2
図3
図4
図5
図6