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特開2023-109532感光性組成物、それを用いた硬化膜、光学フィルタ、画像表示装置、固体撮像素子及び赤外線センサ
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  • 特開-感光性組成物、それを用いた硬化膜、光学フィルタ、画像表示装置、固体撮像素子及び赤外線センサ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109532
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】感光性組成物、それを用いた硬化膜、光学フィルタ、画像表示装置、固体撮像素子及び赤外線センサ
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/22 20060101AFI20230801BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20230801BHJP
   C09B 67/20 20060101ALI20230801BHJP
   C09B 47/04 20060101ALI20230801BHJP
   C09B 57/00 20060101ALI20230801BHJP
   C08F 220/12 20060101ALI20230801BHJP
   C08F 2/44 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
G02B5/22
G03F7/004 505
G03F7/004 501
C09B67/20 G
C09B67/20 F
C09B47/04
C09B57/00 X
C08F220/12
C08F2/44 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022011091
(22)【出願日】2022-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】東洋インキSCホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉田 寛之
【テーマコード(参考)】
2H148
2H225
4J011
4J100
【Fターム(参考)】
2H148CA04
2H148CA12
2H148CA17
2H148CA19
2H225AC35
2H225AC44
2H225AC46
2H225AC47
2H225AC72
2H225AD02
2H225AD06
2H225AE06P
2H225AE24P
2H225AM22P
2H225AM23P
2H225AM66P
2H225AM86P
2H225AM95P
2H225AM96P
2H225AN37P
2H225AN38P
2H225AN39P
2H225AN42P
2H225AN51P
2H225AN56P
2H225AN58P
2H225AN72P
2H225AN80P
2H225AN82P
2H225AN86P
2H225AN94P
2H225AN97P
2H225AN98P
2H225BA02P
2H225BA12P
2H225BA13P
2H225BA16P
2H225BA22P
2H225BA32P
2H225BA33P
2H225BA35P
2H225CA16
2H225CA30
2H225CB05
2H225CC01
2H225CC13
4J011AA05
4J011AC04
4J011CA02
4J011CC10
4J011PA43
4J011PA69
4J011PB25
4J011PC02
4J011PC08
4J011QA23
4J011SA05
4J011SA06
4J011SA14
4J011SA65
4J011UA01
4J011VA01
4J011WA01
4J100AL03P
4J100AL03R
4J100AL08Q
4J100AL08S
4J100BA31Q
4J100BA32S
4J100BC43S
4J100CA06
4J100DA01
4J100DA04
4J100DA28
4J100EA06
4J100FA03
4J100FA19
4J100FA43
4J100GC02
4J100JA37
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、保存安定性に優れ、かつ高温高湿下で優れた耐性を有する硬化膜を形成できる感光性組成物の提供を目的とする。
【解決手段】上記課題は、近赤外線吸収顔料(A)、重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)及び有機溶剤(D)を含む感光性組成物であって、
前記近赤外線吸収顔料(A)が、単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物を含み、
前記有機溶剤(D)が、芳香族環を有する化合物を含み、前記芳香族環を有する化合物の含有量が、前記単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物100質量部に対して、0.005~0.5質量部である感光性組成物によって解決できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近赤外線吸収顔料(A)、重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)及び有機溶剤(D)を含む感光性組成物であって、
前記近赤外線吸収顔料(A)が、単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物を含み、
前記有機溶剤(D)が、芳香族環を有する化合物を含み、前記芳香族環を有する化合物の含有量が、前記単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物100質量部に対して、0.005~0.5質量部である感光性組成物。
【請求項2】
更に、前記感光性組成物に含まれるLi、Na、K、Mg、Ca、Fe及びCrの金属の合計量が300質量ppm以下であり、かつ水の含有量が2.0質量%以下である請求項1に記載の感光性組成物。
【請求項3】
前記単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物が、スクアリリウム化合物、ピロロピロール化合物、ナフタロシアニン化合物及びインジゴ化合物からなる群から選ばれる1種以上である請求項1または2に記載の感光性組成物。
【請求項4】
前記ナフタロシアニン化合物の中心元素が、Al、Ga及びInからなる群から選ばれる1種以上である請求項3に記載の感光性組成物。
【請求項5】
前記ナフタロシアニン化合物が、リン原子を含む配位子を有する請求項3または4に記載の感光性組成物。
【請求項6】
前記リン原子を含む配位子が、疎水基を有する配位子である請求項5に記載の感光性組成物。
【請求項7】
更に、シランカップリング剤(E)を含む請求項1~6のいずれか1項に記載の感光性組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の感光性組成物の硬化物である硬化膜。
【請求項9】
請求項8に記載の硬化膜を有する光学フィルタ。
【請求項10】
請求項8に記載の硬化膜を有する画像表示装置。
【請求項11】
請求項8に記載の硬化膜を有する固体撮像素子。
【請求項12】
請求項8に記載の硬化膜を有する赤外線センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近赤外線吸収顔料を含む感光性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラ、デジタルカメラ、カメラ機能付き携帯機器等には、カラー画像の固体撮像素子であるCCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)が用いられている。これら固体撮像素子の受光部には、赤外線に感度を有するシリコンフォトダイオードを使用しているため、視感度補正を行うことが必要であり、赤外線カットフィルタ等が配置される。赤外線カットフィルタは、例えば、近赤外線吸収色素を含む組成物を用いて製造される。
【0003】
従来、赤外線カットフィルタは、平坦膜として使用されていたが、近年、赤外線カットフィルタも、フォトリソグラフィー法でパターンを形成する検討がされている。パターンを形成するために用いられる感光性組成物は、通常製造後、数週間から数ヵ月保管したのちに使用される。その場合、保管環境・期間の違いで、粘度、感度の変化や凝集物が発生する問題があった。感光性組成物の粘度や感度が変化すると、膜厚、現像性やパターン形状などにばらつきが生じ、赤外線カットフィルタの品質が低下する。特に、近赤外線吸収色素が顔料の場合、分散することが難しく、保管で安定性が悪化しやすいという問題があった。
【0004】
また、赤外線カットフィルタは、高温高湿の環境下で使用されることもあり、高温高湿下で高い耐性を有することが求められている。
【0005】
例えば、特許文献1には、有機顔料と樹脂と溶剤とを含み、全固形分に対してNa原子が0.01~50質量ppmである樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2には、近赤外線吸収色素と、アミノ基を有するシランカップリング剤と、ポリ(アミド)イミド樹脂とを含有する樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2018/142804号
【特許文献2】特開2016-118772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1及び2に記載の樹脂組成物は、保存安定性及び高温高湿下での耐性を同時に満足することができなかった。
【0008】
本発明は、保存安定性に優れ、かつ高温高湿下で優れた耐性を有する硬化膜を形成できる感光性組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、近赤外線吸収顔料(A)、重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)及び有機溶剤(D)を含む感光性組成物であって、
前記近赤外線吸収顔料(A)が、単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物を含み、
前記有機溶剤(D)が、芳香族環を有する化合物を含み、前記芳香族環を有する化合物の含有量が、前記単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物100質量部に対して、0.005~0.5質量部である感光性組成物に関する。
【発明の効果】
【0010】
上記の本発明によれば、保存安定性に優れ、かつ高温高湿下で優れた耐性を有する硬化膜を形成可能な感光性組成物を提供できる。また、本発明は、硬化膜、光学フィルタ、画像表示装置、固体撮像素子及び赤外線センサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は硬化膜を備える赤外線センサの構成例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の感光性組成物を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、課題を解決可能な範囲内で変形して実施できる。
【0013】
本発明において、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」とは、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタアクリロイル」、「アクリル及び/又はメタアクリル」、「アクリル酸及び/又はメタアクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタアクリルアミド」を意味する。また、「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 発行)を意味する。重合性不飽和基は、エチレン性不飽和二重結合である。
また、本発明における化合物の分子量に関しては、分子量が特定できる低分子化合物については、計算により算出した値(式量)、若しくはESI-MS(エレクトロスプレーイオン化質量分析法)により測定した分子量であり、分子量の分布を持つ化合物については、テトラヒドロフランを溶剤とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
単量体は、重合により樹脂を形成する化合物である。単量体は、未反応状態であり、単量体単位は、単量体が重合後に樹脂を形成している状態である。
【0014】
<感光性組成物>
本発明の感光性組成物は、近赤外線吸収顔料(A)、重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)及び有機溶剤(D)を含む感光性組成物であって、
前記近赤外線吸収顔料(A)が、単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物を含み、
前記有機溶剤(D)が、芳香族環を有する化合物を含み、前記芳香族環を有する化合物の含有量が、前記単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物100質量部に対して、0.005~0.5質量部である。
【0015】
上記構成の感光性組成物で、本発明の課題を解決できるメカニズムを明らかではないが、以下のように推測している。
【0016】
近赤外線吸収顔料は、分散が難しく保存安定性が悪い。なかでも単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物は、π共役平面同士の相互作用等により会合・凝集し、保存安定性がより悪化しやすい。しかし、有機溶剤として、特定量の芳香族環を有する化合物を含むことで、単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物に芳香族環を有する化合物が配向し、π共役平面同士の相互作用を抑制することで、保存安定性が改善すると推測する。
また、本発明の感光性組成物は、特定金属の含有量及び水の含有量を制御することが好ましい。この態様によれば、保存中の光重合開始剤の反応が抑制され、保存後でも凝集物の発生、粘度、感度の変化が抑制される。
【0017】
[近赤外線吸収顔料(A)]
(単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物)
本発明の感光性組成物は、近赤外線吸収顔料(A)として、単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物を含む。
【0018】
単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物は、波長700~2,000nmに極大吸収を有する化合物であって、耐光性、耐熱性、高温高湿下での耐性の観点から、25℃の水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100gに対する溶解度が、2g未満であることが好ましく、1g未満であることがより好ましく、0.5g以下であることが特に好ましい。
【0019】
π共役平面は、単環又は縮合環の芳香族環を2~100個含有することが好ましく、3~50個含有することがより好ましく、4~40個含有することが更に好ましく、5~30個含有することが特に好ましい。芳香環は、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ペプタレン環、インダセン環、ペリレン環、ペンタセン環、クアテリレン環、アセナフテン環、フェナントレン環、アントラセン環、ナフタセン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオレン環、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾリン環、ピラジン環、キノキサリン環、ピリミジン環、キナゾリン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、インドール環、インドール環、イソインドール環、カルバゾール環、及びこれらの環を有する縮合環が挙げられる。
【0020】
単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物は、例えば、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、インジゴ化合物、インモニウム化合物、アントラキノン化合物、ピロロピロール化合物、スクアリリウム化合物、クロコニウム化合物等が挙げられる。これらの中でも、耐光性、耐熱性、高温高湿下での耐性の観点から、スクアリリウム化合物、ピロロピロール化合物、ナフタロシアニン化合物及びインジゴ化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、ナフタロシアニン化合物がより好ましい。
【0021】
シアニン化合物は、国際公開第2006/006573号、国際公開第2010/073857号、特開2013-241598号公報、特開2016-113501号公報、特開2016-113504号公報等;フタロシアニン化合物は、特開平4-23868号公報、特開平06-192584号公報、特開2000-63691号公報、国際公開第2014/208514号等;ナフタロシアニン化合物は、特開平11-152414号公報、特開2000-86919号公報、特開2009-29955号公報、国際公開第2017/002920号、国際公開第2018/186490号等;インジゴ化合物は、特開2013-230412号公報等;インモニウム化合物は、特開2005-336150号公報、特開2007-197492号公報、特開2008-88426号公報等;アントラキノン化合物は、特開昭62-903号公報、特開平1-172458号公報等;ピロロピロール化合物は、特開2009-263614号公報、特開2010-90313号公報、特開2011-068731号公報;スクアリリウム化合物は、特開2011-132361号公報、特開2016-142891号公報、国際公開第2017/135359号、国際公開第2018/225837号、特開2019-001987号公報、国際公開第2020/054718号等;クロコニウム化合物は、国際公開第2019/021767号等に記載の化合物が挙げられる。
【0022】
(スクアリリウム化合物)
スクアリリウム化合物は、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
一般式(1)
【化1】
【0023】
一般式(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、-OR10、-COR11、-COOR12、-OCOR13、-NR1415、-NHCOR16、-CONR1718、-NHCONR1920、-NHCOOR21、-SR22、-SO23、-SOOR24、-NHSO25、-SONR2627、-B(OR28、および-NHBR2930を表す。R10~R30は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、およびアラルキル基を表す。なお、-COOR12のR12が水素原子の場合(すなわち、カルボキシル基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、カルボネート基)、塩の状態であってもよい。また、-SOOR24のR24が水素原子の場合(すなわち、スルホ基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、スルホネート基)、塩の状態であってもよい。また、RとR、RとRはお互いに結合して環を形成しても良い。
【0024】
「置換基」としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、-OR100、-COR101、-COOR102、-OCOR103、-NR104105、-NHCOR106、-CONR107108、-NHCONR109110、-NHCOOR111、-SR112、-SO113、-SOOR114、-NHSO115または-SONR116117が挙げられる。
100~R117は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、またはアラルキル基を表す。なお、-COOR102のR102が水素原子の場合(すなわち、カルボキシル基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、カルボネート基)、塩の状態であってもよい。また、-SOOR114のR114が水素原子の場合(すなわち、スルホ基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、スルホネート基)、塩の状態であってもよい。
【0025】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基の炭素数は、1~20が好ましく、1~12がさらに好ましく、1~8が特に好ましい。アルキル基は直鎖、分岐、環状のいずれでも良い。
アルケニル基の炭素数は、2~20が好ましく、2~12がさらに好ましく、2~8が特に好ましい。アルケニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでも良い。
アルキニル基の炭素数は、2~20が好ましく、2~12がさらに好ましく、2~8が特に好ましい。アルキニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでも良い。
アリール基の炭素数は、6~25が好ましく、6~15がさらに好ましく、6~10が特に好ましい。
アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基のアリール部分は、上記アリール基と同様である。アラルキル基の炭素数は、7~40が好ましく、7~30がさらに好ましく、7~25が特に好ましい。
ヘテロアリール基は、単環または縮合環が好ましく、単環または縮合数が2~8の縮合環がさらに好ましく、単環または縮合数が2~4の縮合環が特に好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子の数は1~3が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基は、5員環または6員環が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成する炭素原子の数は3~30が好ましく、3~18がさらに好ましく、3~12が特に好ましい。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、およびアラルキル基は置換基を有していても良く、無置換であっても良い。置換基としては上述した「置換基」が挙げられる。
【0026】
スクアリリウム化合物は、耐光性、耐熱性の観点から、下記一般式(2)で表される化合物がより好ましい。
【0027】
一般式(2)
【化2】
【0028】
一般式(2)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、-OR50、-COR51、-COOR52、-OCOR53、-NR5455、-NHCOR56、-CONR5758、-NHCONR5960、-NHCOOR61、-SR62、-SO63、-SOOR64、-NHSO65または-SONR6667、-B(OR68、および-NHBR6970を表す。R50~R70は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、およびアラルキル基を表す。なお、-COOR52のR52が水素の場合(すなわち、カルボキシル基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、カルボネート基)、塩の状態であってもよい。また、-SOOR64のR64が水素原子の場合(すなわち、スルホ基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、スルホネート基)、塩の状態であってもよい。また、RとR、RとRはお互いに結合して環を形成しても良い。
【0029】
「置換基」は、上述の「置換基」と同様の意義である。
【0030】
以下、スクアリリウム化合物の具体例を示す。なお、本発明はこれらに限定されない。
【0031】
【化3】
【0032】
【化4】
【0033】
(ピロロピロール化合物)
ピロロピロール化合物は、下記一般式(3)で表される化合物が好ましい。
【0034】
一般式(3)
【化5】
【0035】
一般式(3)中、R1x及びR1yは、各々独立に、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、R及びRは、各々独立に、水素原子又は置換基を表し、R及びRは、互いに結合して環を形成してもよく、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、-BR4x4y又は金属原子を表し、Rは、R1x、R1y及びRからなる群から選ばれる少なくとも1つと共有結合又は配位結合してもよく、R4x4yは各々独立に、置換基を表す。一般式(3)は、例えば、特開2009-263614号公報、特開2011-68731号公報、国際公開第2015/166873号に記載されている。
【0036】
1x及びR1yは、各々独立に、アリール基又はヘテロアリール基が好ましく、アリール基がより好ましい。また、R1x及びR1yが表すアルキル基、アリール基が及びヘテロアリール基は、置換基を有してもよく、無置換であってもよい。置換基としては、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-OCOR11、-SOR12、-SO13等が挙げられる。R11~R13は、各々独立に、炭化水素基又はヘテロアリール基を表す。また、置換基としては、特開2009-263614号公報の段落0020~0022に記載の置換基が挙げられる。なかでも、置換基としては、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-OCOR11、-SOR12、-SO13が好ましい。R1x及びR1yで表される基としては、分岐アルキル基を有するアルコキシ基、又は-OCOR11で表される基を置換基として有するアリール基であることが好ましい。分岐アルキル基の炭素数は、3~30が好ましく、3~20がより好ましい。
【0037】
及びRの少なくとも一方は電子吸引性基が好ましく、Rは電子吸引性基を表し、Rはヘテロアリール基を表すことがより好ましい。ヘテロアリール基は、5員環又は6員環が好ましい。また、ヘテロアリール基は、単環又は縮合環が好ましく、単環又は縮合数が2~8の縮合環が好ましく、単環又は縮合数が2~4の縮合環がより好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子の数は、1~3が好ましく、1~2がより好ましい。ヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が挙げられる。ヘテロアリール基は、窒素原子を1個以上有することが好ましい。一般式(3)における2個のR同士は同一であってもよく、異なっていてもよい。また、一般式(3)における2個のR同士は同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0038】
は、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、又は-BR4x4yで表される基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、又は-BR4x4yで表される基であることがより好ましく、-BR4x4yで表される基であることが特に好ましい。R4x4yが表す置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はヘテロアリール基が好ましく、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基がより好ましく、アリール基が特に好ましい。これらの基は、更に置換基を有してもよい。一般式(3)における2個のR同士は同一または異なっていてもよい。
【0039】
以下、ピロロピロール化合物の具体例を示す。以下の構造式中、Meはメチル基、Phはフェニル基を表す。また、ピロロピロール化合物は、例えば、特開2009-263614号公報の段落0016~0058、特開2011-68731号公報の段落0037~0052、特開2014-130343号公報の段落0014~0027、国際公開第2015/166873号の段落0010~0033に記載の化合物が挙げられる。なお、本発明はこれらに限定されない。
【0040】
【化6】
【0041】
(ナフタロシアニン化合物)
ナフタロシアニン化合物は、中心元素が、Al、Ga及びInからなる群から選ばれる1種以上を有する化合物が好ましい。ナフタロシアニン化合物は、例えば、下記一般式(4)で表される化合物が好ましい。
【0042】
一般式(4)
【化7】
【0043】
一般式(4)中、X~X、Y~Yは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホン基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、または、置換基を有してもよいスルファモイル基を表す。また、X~Xは、それぞれ独立に、互いに結合して置換基を有してもよい芳香環を形成しても良い。ただし、XとX、XとX、XとX、XとXのいずれか1つ以上は互いに結合して置換基を有してもよい芳香環を形成する。
は、Al、Ga、Inを表す。
Zは、Mに対する配位部位を1個以上有する配位子を表す。
【0044】
置換基を有してもよいアルキル基の「アルキル基」は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ネオペンチル基、n-へキシル基、n-オクチル基、ステアリル基、2-エチルへキシル基等の直鎖又は分岐アルキル基が挙げられる。「置換基を有するアルキル基」は、例えば、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、2,2-ジブロモエチル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、2-エトキシエチル基、2-ブトキシエチル基、2-ニトロプロピル基、ベンジル基、4-メチルベンジル基、4-tert-プチルベンジル基、4-メトキシベンジル基、4-ニトロベンジル基、2,4-ジクロロベンジル基等が挙げられる。
【0045】
置換基を有してもよいアリール基の「アリール基」は、例えば、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基等が挙げられる。
「置換基を有するアリール基」は、例えば、p-メチルフェニル基、p-ブロモフェニル基、p-ニトロフェニル基、p-メトキシフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2-アミノフェニル基、2-メチル-4-クロロフェニル基、4-ヒドロキシ-1-ナフチル基、6-メチル-2-ナフチル基、4,5,8-トリクロロ-2-ナフチル基、アントラキノニル基、2-アミノアントラキノニル基等が挙げられる。
【0046】
置換基を有してもよいシクロアルキル基の「シクロアルキル基」は、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、アダマンチル基等が挙げられる。
「置換基を有するシクロアルキル基」は、例えば、2,5-ジメチルシクロペンチル基、4-tert-ブチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
【0047】
置換基を有してもよい複素環基の「複素環基」としては、ピリジル基、ピラジル基、ピペリジノ基、ピラニル基、モルホリノ基、アクリジニル基等が挙げられる。「置換基を有する複素環基」としては、3-メチルピリジル基、N-メチルピペリジル基、N-メチルピロリル基等が挙げられる。
【0048】
置換基を有してもよいアルコキシル基の「アルコキシル基」は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、ネオペンチルオキシ基、2,3-ジメチル-3-ペンチルオキシ、n-へキシルオキシ基、n-オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、2-エチルへキシルオキシ基等の直鎖又は分岐アルコキシル基が挙げられる。
「置換基を有するアルコキシル基」は、例えば、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ基、2,2-ジトリフルオロメチルプロポキシ基、2-エトキシエトキシ基、2-ブトキシエトキシ基、2-ニトロプロポキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0049】
置換基を有してもよいアリールオキシ基の「アリールオキシ基」は、例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基、アンスリルオキシ基等が挙げられ、
「置換基を有するアリールオキシ基」は、例えば、p-メチルフェノキシ基、p-ニトロフェノキシ基、p-メトキシフェノキシ基、2,4-ジクロロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、2-メチル-4-クロロフェノキシ基等が挙げられる。
【0050】
置換基を有してもよいアルキルチオ基の「アルキルチオ基」は、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、オクタデシルチオ基等が挙げられる。
「置換基を有するアルキルチオ基」は、例えば、メトキシエチルチオ基、アミノエチルチオ基、ベンジルアミノエチルチオ基、メチルカルボニルアミノエチルチオ基、フェニルカルボニルアミノエチルチオ基等が挙げられる。
【0051】
置換基を有してもよいアリールチオ基の「アリールチオ基」は、例えば、フェニルチオ基、1-ナフチルチオ基、2-ナフチルチオ基、9-アンスリルチオ基等が挙げられる。
「置換基を有するアリールチオ基」は、例えば、クロロフェニルチオ基、トリフルオロメチルフェニルチオ基、シアノフェニルチオ基、ニトロフェニルチオ基、2-アミノフェニルチオ基、2-ヒドロキシフェニルチオ基等が挙げられる。
【0052】
置換基を有してもよい芳香環の置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、カルボキシル基、スルホン基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基が挙げられる。
【0053】
は、近赤外線吸収能、保存安定性、高温高湿下での耐性の観点から、Alが好ましい。
【0054】
Zが表す配位子は、Mに対してアニオン配位する配位部位、及びMに対して非共有電子対で配位する配位部位から選ばれる1種以上を有する配位子が挙げられる。アニオンで配位する配位部位は、解離していてもよく、非解離でも良い。配位子は、Mに対する配位部位を1個有する配位子であってもよく、Mに対する配位部位を2個以上有する配位子であってもよい。
【0055】
Zは、保存安定性の観点から、リン原子を有する配位子であることが好ましい。また、Zは、高温高湿下での耐性の観点から、疎水基を有する配位子であることが好ましい。なかでも、Zは、リン原子及び疎水基を有する配位子であることがより好ましい。
なお、疎水基とは、水に親和性の低い基を表す。水に対する親和性が低い基としては、置換基を有してよいアルキル基、置換基を有してよいアリール基、置換基を有してよいアルコキシ基、置換基を有してよいアリールオキシ基等が挙げられる。アルキル基及びアルコキシ基の炭素数は、1~30が好ましい。アリール基及びアリールオキシ基の炭素数は、6~30が好ましい。置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基等が挙げられる。
【0056】
Zは、下記一般式(5)で表される配位子がより好ましい。
【0057】
一般式(5)
【化8】
【0058】
一般式(5)中、R29およびR30は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシル基または置換基を有してもよいアリールオキシ基を表す。*は、Mとの結合手である。
【0059】
置換基を有してもよいアルキル基の「アルキル基」、置換基を有してもよいアリール基の「アリール基」、置換基を有してもよいアルコキシル基の「アルコキシル基」、置換基を有してもよいアリールオキシ基の「アリールオキシ基」は、上記一般式(4)の説明で例示したものと同じものがあげられる。
【0060】
一般式(5)は、高温高湿下での耐性の観点から、R29とR30のうちの少なくとも1つが、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基であることが好ましく、R29とR30がいずれもアリール基、またはアリールオキシ基であることがより好ましく、R29とR30がいずれもフェニル基またはフェノキシ基であることが特に好ましい。
【0061】
ナフタロシアニン化合物は、下記一般式(6)で表される化合物がより好ましい。
【0062】
一般式(6)
【化9】
【0063】
一般式(6)中、Y~Y16、R~R21は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホン基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、または、置換基を有してもよいスルファモイル基を表す。
は、Al、Ga、Inを表す。
Zは、Mに対する配位部位を1個以上有する配位子を表す。
【0064】
置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、または、置換基を有してもよいスルファモイル基は、上述した一般式(4)での説明の通りである。
【0065】
一般式(6)中、Y~Y16、R~R21は、保存安定性の観点から、水素原子、ハロゲン原子、または、置換基を有してもよいアルコキシル基が好ましい。
【0066】
は、近赤外線吸収能、保存安定性、高温高湿下での耐性の観点から、Alが好ましい。
【0067】
Zは、上述した一般式(4)での説明の通りである。
【0068】
以下、ナフタロシアニン化合物の具体例を示す。なお、本発明はこれらに限定されない。
【0069】
【化10】

【化11】
【0070】
(インジゴ化合物)
インジゴ化合物は、下記一般式(7)、又は/及び一般式(8)で表される化合物が好ましい。
【0071】
【化12】
【0072】
一般式(7)及び一般式(8)中、X~X40はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、アミノ基、置換基を有していてもよいアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールアミノ基、シアノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、-SOH;-COOH;およびこれら酸性基の1価~3価の金属塩;アルキルアンモニウム塩を表す。
Mは、金属原子を表す。
【0073】
置換基を有してもよいアルキル基の「アルキル基」は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ネオペンチル基、n-へキシル基、n-オクチル基、ステアリル基、2-エチルへキシル基等の直鎖又は分岐アルキル基が挙げられる。「置換基を有するアルキル基」は、例えば、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、2,2-ジブロモエチル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、2-エトキシエチル基、2-ブトキシエチル基、2-ニトロプロピル基、ベンジル基、4-メチルベンジル基、4-tert-プチルベンジル基、4-メトキシベンジル基、4-ニトロベンジル基、2,4-ジクロロベンジル基等が挙げられる。
【0074】
置換基を有してもよいアリール基の「アリール基」は、例えば、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基等が挙げられる。
「置換基を有するアリール基」は、例えば、p-メチルフェニル基、p-ブロモフェニル基、p-ニトロフェニル基、p-メトキシフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2-アミノフェニル基、2-メチル-4-クロロフェニル基、4-ヒドロキシ-1-ナフチル基、6-メチル-2-ナフチル基、4,5,8-トリクロロ-2-ナフチル基、アントラキノニル基、2-アミノアントラキノニル基等が挙げられる。
【0075】
置換基を有してもよいアルコキシル基の「アルコキシル基」は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、ネオペンチルオキシ基、2,3-ジメチル-3-ペンチルオキシ、n-へキシルオキシ基、n-オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、2-エチルへキシルオキシ基等の直鎖又は分岐アルコキシル基が挙げられる。
「置換基を有するアルコキシル基」は、例えば、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ基、2,2-ジトリフルオロメチルプロポキシ基、2-エトキシエトキシ基、2-ブトキシエトキシ基、2-ニトロプロポキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0076】
置換基を有してもよいアリールオキシ基の「アリールオキシ基」は、例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基、アンスリルオキシ基等が挙げられ、「置換基を有するアリールオキシ基」は、例えば、p-メチルフェノキシ基、p-ニトロフェノキシ基、p-メトキシフェノキシ基、2,4-ジクロロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、2-メチル-4-クロロフェノキシ基等が挙げられる。
【0077】
「置換基を有してもよいアリールアルキル基」は、例えば、ベンジル基、2―フェニルプロパン―イル基、スチリル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基等が挙げられる。
【0078】
置換基を有してもよいシクロアルキル基の「シクロアルキル基」は、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、アダマンチル基等が挙げられる。「置換基を有するシクロアルキル基」は、例えば、2,5-ジメチルシクロペンチル基、4-tert-ブチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
【0079】
置換基を有してもよいアルキルチオ基の「アルキルチオ基」は、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、オクタデシルチオ基等が挙げられる。
「置換基を有するアルキルチオ基」は、例えば、メトキシエチルチオ基、アミノエチルチオ基、ベンジルアミノエチルチオ基、メチルカルボニルアミノエチルチオ基、フェニルカルボニルアミノエチルチオ基等が挙げられる。
【0080】
置換基を有してもよいアリールチオ基の「アリールチオ基」は、例えば、フェニルチオ基、1-ナフチルチオ基、2-ナフチルチオ基、9-アンスリルチオ基等が挙げられる。
「置換基を有するアリールチオ基」は、例えば、クロロフェニルチオ基、トリフルオロメチルフェニルチオ基、シアノフェニルチオ基、ニトロフェニルチオ基、2-アミノフェニルチオ基、2-ヒドロキシフェニルチオ基等が挙げられる。
【0081】
置換基を有していてもよいアルキルアミノ基の「アルキルアミノ基」は、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、イソブチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、sec-ペンチルアミノ基、tert-ペンチルアミノ基、tert-オクチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロヘプチルアミノ基、シクロオクチルアミノ基、シクロドデシルアミノ基、1-アダマンタミノ基、2-アダマンタミノ基等が挙げられる。
【0082】
置換基を有していてもよいアリールアミノ基の「アリールアミノ基」は、例えば、アニリノ基、1-ナフチルアミノ基、2-ナフチルアミノ基、o-トルイジノ基、m-トルイジノ基、p-トルイジノ基、2-ビフェニルアミノ基、3-ビフェニルアミノ基、4-ビフェニルアミノ基、1-フルオレンアミノ基、2-フルオレンアミノ基、2-チアゾールアミノ基、p-ターフェニルアミノ基等が挙げられる
【0083】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0084】
酸性基としては、-SOH、-COOHが挙げられる。これら酸性基の1価~3価の金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、アルミニウム塩等が挙げられる。また、酸性基のアルキルアンモニウム塩としては、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン等の長鎖モノアルキルアミンのアンモニウム塩、パルミチルトリメチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム、ジラウリルジメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム塩等の4級アルキルアンモニウム塩が挙げられる。
【0085】
上記の置換基の内、X~X40として好ましい置換基としては、水素原子、メチル基、メトキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、-SOHが挙げられる。
【0086】
Mは、Zn、Co、Ni、Ru、Pt、Mn、Sn、Ti、Ba等が挙げられる。これらの中でも2価金属原子が好ましく、Zn、Co、Niがより好ましい。
【0087】
以下、インジゴ化合物の具体例を示す。なお、本発明はこれらに限定されない。
【0088】
【化13】
【0089】
【化14】
【0090】
【化15】
【0091】
【化16】
【0092】
単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物は、単独または2種類以上を併用して使用できる。2種類以上併用して用いる場合、極大吸収波長の異なる少なくとも2種の化合物を用いることが好ましい。これにより、1種類の場合に比べて、吸収スペクトルの波形が広がり、幅広い波長範囲の近赤外線を吸収できる。
【0093】
[その他近赤外線吸収化合物]
本発明の感光性組成物は、近赤外線吸収顔料(A)以外の近赤外線吸収能を有する化合物(以下、その他近赤外線吸収化合物ともいう)を含有できる。その他近赤外線吸収化合物は、例えば、特開2013-076926号公報、特開2015-068945号公報、国際公開第2017/135300号、特開2019-174813号公報等に記載の近赤外線吸収染料、酸化インジウムスズ、酸化アンチモンスズ、酸化亜鉛、Alドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ二酸化スズ、ニオブドープ二酸化チタン、セシウム酸化タングステン、銅、ニッケル、銀、金等の金属酸化物粒子又は金属粒子が挙げられる。
【0094】
[重合性化合物(B)]
本発明の感光性組成物は、重合性化合物(B)を含む。重合性化合物(B)は硬化により被膜を形成する化合物である。
【0095】
重合性化合物(B)は、重合性不飽和基を有するモノマー、オリゴマーが挙げられる。重合性化合物(B)は、重合性不飽和基を2以上有する化合物が好ましい。重合性不飽和基は、例えば、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等が挙げられる。重合性化合物(B)は、例えば、ラクトン変性された重合性化合物、酸性基を有する重合性化合物、ウレタン結合を有する重合性化合物、3級アミン構造を有する重合性化合物、デンドリマー構造又はハイパーブランチ構造を有する重合性化合物、その他重合性化合物等が挙げられる。
【0096】
(ラクトン変性された重合性化合物)
ラクトン変性された重合性化合物は、分子内にラクトンで変性された構造を有する化合物である。ラクトン変性された重合性化合物は、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエチスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメトロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸およびε-カプロラクトンもしくはその他のラクトン化合物をエステル化することにより得られる。
【0097】
ラクトン変性された重合性化合物の市販品は、例えば、日本化薬社製のKAYARAD DPCA-20、DPCA-30、DPCA-60等が挙げられる。
【0098】
(酸性基を有する重合性化合物)
酸性基を有する重合性化合物は、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等が挙げられる。なお、酸性基を有する重合性化合物は、ウレタン結合を有しない化合物である。
【0099】
上記多価アルコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0100】
上記ジカルボン酸類は、例えば、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、フタル酸イタコン酸等が挙げられる。
【0101】
上記多価カルボン酸は、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
【0102】
酸性基を有する重合性化合物の市販品は、大阪有機化学工業社製のビスコート#2500P、東亞合成社製アロニックスM-5300,M-5400,M-5700,M-510,M-520,M-521等が挙げられる。
【0103】
(ウレタン結合を有する重合性化合物)
ウレタン結合を有する重合性化合物は、例えば、水酸基含有(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートや、多価アルコールに多官能イソシアネートを反応させ、さらに水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0104】
上記水酸基含有(メタ)アクリレートは、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド(EO)変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド(PO)変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイルプロピルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
【0105】
上記多官能イソシアネートは、例えば、芳香族ジイソシアネートであるトリレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートであるトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートであるイソホロンジイソシアネートや、これらのビュレット体、イソシアネートヌレート体、トリメチロールプロパンアダクト体等が挙げられる。
【0106】
ウレタン結合を有する重合性化合物は、現像性の観点から、更に、酸性基を有することもできる。酸性基は、例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基等を挙げられる。なかでも、カルボキシル基が好ましい。なお、
【0107】
ウレタン結合を有する重合性化合物に酸性基を導入する方法は、例えば、まず、上記水酸基含有(メタ)アクリレートと上記多官能イソシアネートとを反応させる。次いで、生成物にカルボキシル基を有するメルカプト化合物を付加させる方法で合成できる。
【0108】
上記カルボキシル基を有するメルカプト化合物は、例えば、メルカプト酢酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、o-メルカプト安息香酸、2-メルカプトニコチン酸、メルカプトコハク酸等が挙げられる。
【0109】
ウレタン結合を有する重合性化合物の市販品は、例えば、共栄社化学社製のAH-600、UA-306H、UA-306T、UA-306I、UA-510H、UF-8001G、新中村化学社製のUA-1100H、U-6LPA、UA-33H、U-10HA、U-15HA、ダイセル・オルネクス社製のEBECRYL1290、KRM8452等が挙げられる。
【0110】
(3級アミン構造を有する重合性化合物)
3級アミン構造を有する重合性化合物は、例えば、トリス(アクリロイルオキシエチル)アミン、トリス(メタアクリロイルオキシエチル)アミン、トリス(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロピル)アミンや、(メタ)アクリレート化合物(X)とアミン化合物(Y)とのマイケル付加反応生成物等が挙げられる。
【0111】
(メタ)アクリレート化合物(X)は、例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジグリセリントリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンアルキレンオキサイド変性トリ及びテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールアルキレンオキサイド変性トリ及びテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンアルキレンオキサイド変性トリ及びテトラ(メタ)アクリレート、ジペンエリスリトールアルキレンオキサイド変性テトラ、ペンタ及びヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記アルキレンオキサイド変性における、アルキレンオキサイド単位は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイド等が挙げられる。
また、(メタ)アクリレート化合物(X)としては、酸性基を有する(メタ)アクリレート化合物も挙げられる。
【0112】
(メタ)アクリレート化合物(X)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0113】
アミン化合物(Y)は、例えば、n-プロピルアミン、n-ブチルアミン、n-ヘキシルアミン、ベンジルアミン、アミノカプロン酸、モノエタノールアミン、2-(2-アミノエトキシ)エタノール、o-アミノフェノール、m-アミノフェノール、p-アミノフェノール等の1級アミン;
ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、シクロヘキシルアミン、モルフォリン、ピペリジン、1-メチルピペラジン、プロリン、N-メリルエタノールアミン、N-アセチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、3-アニリンフェノール、4-アニリンフェノール等の2級アミン等が挙げられる。
【0114】
アミン化合物(Y)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0115】
(メタ)アクリレート化合物(X)とアミン化合物(Y)とのマイケル付加反応生成物の製造方法は、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、国際公開第2006/075754号、特表2008-545859号公報、特開2017-066347号公報等に記載の方法が挙げられる。
【0116】
3級アミン構造を有する重合性化合物は、酸性基又は/及び水酸基を有してもよい。酸性基又は/及び水酸基を導入する方法は、例えば、(メタ)アクリレート化合物(X)やアミン化合物(Y)に、酸性基又は/及び水酸基を有する化合物を使用する方法や、マイケル付加反応後に、酸無水物を付加させる方法等が挙げられる。
【0117】
3級アミン構造を有する重合性化合物の市販品は、例えば、東亞合成社製のアロニックスMT-3041、3042等が挙げられる。
【0118】
(デンドリマー構造又はハイパーブランチ構造を有する重合性化合物)
デンドリマー構造を有する重合性化合物は、コアを構成する化学構造(以下、コア部ともいう)から、その外側へ規則的に分岐を繰り返し、その末端に重合性不飽和基が結合した化学構造を有するものであり、球状の高度に制御された化学構造及び分子量を有している。ハイパーブランチ構造は、デンドリマー構造と類似の化学構造を有する。
【0119】
デンドリマー構造又はハイパーブランチ構造を有する重合性化合物の市販品は、例えば、大阪有機化学工業社製のビスコート#1000LT(デンドリマー構造、平均アクリロイル基数14)、Miwon Specialty Chemical社製のMiramer SP-1106(デンドリマー構造、平均アクリロイル基数18)、Miramer SP-1108(デンドリマー構造、平均アクリロイル基数13)、SARTOMER社製のCN2301(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数9)、CN2302(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数16)、CN2303(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数6)、CN2304(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数18)、Eternal Materials社製のEtercure6361-100(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数8)、Etercure6362-100(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数12)、Etercure6363(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数16)、EtercureDR-E522(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数15)等が挙げられる。
【0120】
(その他重合性化合物)
その他重合性化合物は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオ-ルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロ-ルプロパントリ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。なお、EOはエチレンオキサイド、POはプロピレンオキサイドの略称である。
【0121】
その他重合性化合物の市販品は、例えば、日本化薬社製のKAYARAD R-128H、R526、PEG400DA、MAND、NPGDA、R-167、HX-220、R-551、R712、R-604、R-684、GPO-303、TMPTA、DPHA、DPEA-12、DPHA-2C、D-310、D-330、東亞合成社製のアロニックスM-303、M-305、M-306、M-309、M-310、M-321、M-325、M-350、M-360、M-313、M-315、M-400、M-402、M-403、M-404、M-405、M-406、M-450、M-452、M-408、M-211B、M-101A、MT-3549、大阪有機化学工業社製のビスコート#310HP、#335HP、#700、#295、#330、#360、#GPT、#400、#405、大阪ガスケミカル社製のOGSOL EA-0200、EA-0300、GA-5060P、GA-2800、Miwon Specialty Chemical Co.,Ltd社製のMiramer HR6060、6100、6200、新中村化学工業社製のNKエステルABE-300、A-DOG、A-DCP、A-BPE-4、A-9300、ダイセル・オルネクス社製のEBECRYL40、130、140、145等が挙げられる。
【0122】
重合性化合物(B)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0123】
重合性化合物(B)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、5~70質量%が好ましく、10~60質量%がより好ましい。
【0124】
[光重合開始剤(C)]
本発明の感光性組成物は、光重合開始剤(C)を含む。これにより、感光性組成物を活性エネルギー線の照射により硬化させることができる。
【0125】
光重合開始剤(C)は、例えば、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルホリノ)フェニル]-2-(フェニルメチル)-1-ブタノン、又は2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン等のアセトフェノン系化合物;
2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、又は2,4-トリクロロメチル-(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合物;
1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)フェニル-,2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、又はエタノーン,1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール3-イル〕-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシム系化合物;
ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又はジフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン系化合物;
9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が挙げられる。
【0126】
市販品では、アセトフェノン系化合物として、IGM Resins社製のOmnirad907,369E,379EG、アシルホスフィン系化合物として、IGM Resins社製のOmnirad819,TPO、オキシム系化合物として、BASFジャパン社製のIRGACURE OXE-01,02,03,04、ADEKA社製のN-1919、NCI-730,831,930、常州強力新材料社製のTRONLY TR-PBG-301,304,305,309,314,345,358,380,365,610,3054,3057、IGM Resins社製のOmnirad1312,1314,1316、サムヤンコーポレーション社製のSPI-02,03,04,05,06,07、ダイトーケミックス社製のDFI-020,306、EOX-01等が挙げられる。
また、特開2007-210991号公報、特開2009-179619号公報、特開2010-037223号公報、特開2010-215575号公報、特開2011-020998号公報、国際公開2015/036910号、国際公開2021/175855号等に記載のオキシム系化合物も挙げられる。
【0127】
(一般式(9)で表される化合物)
本発明の感光性組成物は、保存安定性、高温高湿下で耐性の観点から、光重合開始剤(C)として、下記一般式(9)で表される化合物を含むことが好ましい。
【0128】
一般式(9)
【化17】

(一般式(9)中、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素原子数1~8のアルキル基を表す。Rは、水素原子、又は1価の置換基を表す。)
【0129】
、Rは、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素原子数1~8のアルキル基を表す。
炭素原子数1~8のアルキル基としては、直鎖状でも、分岐状でも、環状でも、それらが結合したものであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。なかでも、パターン形状の観点から、炭素原子数3~8の直鎖のアルキル基が好ましく、炭素原子数4~6の直鎖のアルキル基がより好ましい。
【0130】
は、水素原子、又は任意の1価の置換基を表す。
1価の置換基としては、メチル基、エチル基等の炭素原子数1~20のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素原子数1~20のアルコキシ基;F、Cl、Br、I等のハロゲン原子;炭素原子数1~20のアシル基;炭素原子数1~20のアルキルエステル基;炭素原子数1~20のアルコキシカルボニル基;炭素原子数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数4~20の芳香族環基;アミノ基;炭素原子数1~20のアミノアルキル基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;置換基を有してよいベンゾイル基;置換基を有してよいテノイル基等が挙げられる。ベンゾイル基、又はテノイル基が有してよい置換基としては、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数1~10のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。なかでも、ラジカル生成効率の観点から、水素原子、ニトロ基が好ましく、水素原子がより好ましい。
【0131】
一般式(9)で表される化合物の製造方法は、例えば、特表2019-507108号公報、特表2019-528331号公報等に記載の方法が挙げられる。
【0132】
以下、一般式(9)で表される化合物の具体例を示す。なお、本発明はこれらに限定されない。
【0133】
【化18】
【化19】
【0134】
化学式(10)~(13)の化合物の中でも、保存安定性、高温高湿下での耐性の観点から、化学式(10)の化合物が好ましい。
【0135】
一般式(9)で表される化合物は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0136】
光重合開始剤(C)の含有量は、保存安定性、高温高湿下での耐性の観点から、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.5~20質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましい。
【0137】
[有機溶剤(D)]
(芳香族環を有する化合物)
本発明の感光性組成物は、有機溶剤(D)として、単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物100質量部に対して、0.005~0.5質量部の芳香族環を有する化合物を含む。
【0138】
芳香族環を有する化合物は、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、トリメチルベンゼン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、1-メチルベンゼン、ブチルベンゼン、1-フェニルヘキサン、1,2-ジエチルベンゼン、クロロベンゼン、ベンジルアルコール等が挙げられる。これらの中でも、保存安定性の観点から、トルエンが好ましい。
【0139】
芳香族環を有する化合物は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0140】
芳香族環を有する化合物の含有量は、保存安定性の観点から、単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物100質量部に対して、0.01~0.1質量部がより好ましい。
【0141】
(芳香族環を有する化合物以外の有機溶剤)
本発明の感光性組成物は、芳香族環を有する化合物以外の有機溶剤を含むことが好ましい。
【0142】
芳香族環を有する化合物以外の有機溶剤は、例えば、1,2,3-トリクロロプロパン、1-メトキシ-2-プロパノール、乳酸エチル、1,3-ブタンジオ-ル、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4-ジオキサン、2-ヘプタノーン、2-メチル-1,3-プロパンジオ-ル、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノン、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メチル-1,3-ブタンジオ-ル、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3-メトキシブチルアセテート、4-ヘプタノーン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、n-ブチルアルコール、n-プロピルアセテート、N-メチルピロリドン、γ-ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n-アミル、酢酸n-ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。これらの中でも、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ダイアセトンアルコール等のアルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類が好ましい。
【0143】
芳香族環を有する化合物以外の有機溶剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0144】
有機溶剤(D)の含有量は、感光性組成物の不揮発分が5~40質量%となる量であることが好ましい。
【0145】
[シランカップリング剤(E)]
本発明の感光性組成物は、高温高湿下での耐性の観点から、シランカップリング剤(E)を含むことが好ましい。
【0146】
本発明において、シランカップリング剤(E)は、加水分解性基及びそれ以外の官能基を有する化合物である。加水分解性基とは、ケイ素原子に直結し、加水分解反応及び縮合反応の少なくともいずれかの反応によってシロキサン結合を生じる基である。加水分解性基は、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、アルコキシ基が好ましい。アルコキシ基は、高温高湿下での耐性の観点から、メトキシ基が好ましい。
また、上記以外の官能基は、例えば、エポキシ基、アミノ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、メルカプト基、オキセタニル基、スチリル基、ウレイド基等が挙げられる。これらの中でも、高温高湿下での耐性の観点から、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、イソシアヌレート基、メルカプト基が好ましく、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
【0147】
シランカップリング剤(E)は、例えば、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリアルコキシシラン等が挙げられる。
【0148】
シランカップリング剤(E)の市販品は、例えば、信越シリコーン社製のKBM-302、KBM-402、KBM-403、KBE-402、KBE-403、KBM-4803、KBM-602、KBM-603、KBM-903、KBE-9103P、KBM-573、KBM-6803、KBM-1003、KBE-1003、KBM-502、KBM-503、KBE-502、KBE-503、KBM-5803、X-12-1048、X-12-1050、KBE-9007N、KBM-9659、KBM-802、KBM-803、KBM-1043、KBE-585A等が挙げられる。
【0149】
また、シランカップリング剤(E)は、ポリマータイプであってもよい。ポリマータイプは、ポリシロキサンタイプ、有機ポリマータイプが挙げられる。
【0150】
ポリシロキサンタイプは、主鎖にポリシロキサン骨格を有するポリマーに、加水分解性基及びそれ以外の官能基が結合したシランカップリング剤である。ポリシロキサンタイプの市販品は、信越シリコーン社製のKR-513、KR-516、KR-517、X-41-1805、X-41-1810等が挙げられる。
【0151】
有機ポリマータイプは、主鎖が有機構造である有機ポリマーに、加水分解性基及びそれ以外の官能基が結合したシランカップリング剤である。有機ポリマータイプの市販品は、信越シリコーン社製のX-12-1048、X-12-1050、X-12-9815、X-12-9845、X-12-1154、X-12-972F、X-12-1159L等が挙げられる。
【0152】
シランカップリング剤(E)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0153】
シランカップリング剤(E)の含有量は、保存安定性、高温高湿下での耐性の観点から、近赤外線吸収顔料(A)100質量部に対して、0.05~10質量部が好ましく、0.5~5質量部がより好ましい。
【0154】
[アルカリ可溶性樹脂(F)]
本発明の感光性組成物は、アルカリ可溶性樹脂(F)を含有できる。これにより、硬化膜の各種耐性が向上する。
【0155】
アルカリ可溶性樹脂(F)は、特に制限がなく、公知の樹脂を用いることができる。
【0156】
アルカリ可溶性樹脂(F)は、非感光性アルカリ可溶性樹脂及び感光性アルカリ可溶性樹脂に分類できる。アルカリ可溶性基は、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、フェノール性ヒドロキシル基などが挙げられ、これらの中でも、カルボキシル基が好ましい。
また、アルカリ可溶性樹脂(F)は、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基等の熱硬化性基を含有できる。イソシアネート基は、熱で脱離する化合物(ブロック化剤)で保護したものであってもよい。
【0157】
(非感光性アルカリ可溶性樹脂)
非感光性アルカリ可溶性樹脂は、例えば、酸性基を有するアクリル樹脂、α-オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。これらの中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体が好ましい。
【0158】
(感光性アルカリ可溶性樹脂)
感光性アルカリ可溶性樹脂は、重合性不飽和基を有するアルカリ可溶性樹脂である。感光性アルカリ可溶性樹脂は、例えば、以下に示す(i)または(ii)の方法で合成する樹脂が好ましい。活性エネルギー線による硬化で樹脂は、3次元架橋して架橋密度が向上し耐性が向上する。
【0159】
[方法(i)]
方法(i)は、例えば、まず、エポキシ基含有単量体、およびその他単量体の重合体を合成する。次いで、前記重合体のエポキシ基に、モノカルボキシル基含有単量体を付加し、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させて感光性アルカリ可溶性樹脂を得る方法が挙げられる。
【0160】
エポキシ基含有単量体は、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0161】
その他単量体は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(EO)変性クレゾールアクリレート、n-ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、フェノールのEO変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのEO又はプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのPO変性(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類;
スチレン、又はα-メチルスチレン等のスチレン類;
エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;
シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2-ビスマレイミドエタン1,6-ビスマレイミドヘキサン、3-マレイミドプロピオン酸、6,7-メチレンジオキシ-4-メチル-3-マレイミドクマリン、4,4’-ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、N,N’-1,3-フェニレンジマレイミド、N,N’-1,4-フェニレンジマレイミド、N-(1-ピレニル)マレイミド、N-(2,4,6-トリクロロフェニル)マレイミド、N-(4-アミノフェニル)マレイミド、N-(4-ニトロフェニル)マレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-ブロモメチル-2,3-ジクロロマレイミド、N-スクシンイミジル-3-マレイミドベンゾエ-ト、N-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオナ-ト、N-スクシンイミジル-4-マレイミドブチラ-ト、N-スクシンイミジル-6-マレイミドヘキサノア-ト、N-[4-(2-ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9-マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類;
2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、後述する水酸基含有単量体の水酸基に、たとえば5酸化リンやポリリン酸等のリン酸エステル化剤を反応させた化合物等のリン酸エステル基含有単量体が挙げられる。
【0162】
モノカルボキシル基含有単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o-、m-、p-ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられる。
【0163】
多塩基酸無水物は、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられる。また、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物、ピロメリット酸無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解することもできる。
【0164】
また、方法(i)に似た方法として、例えば、カルボキシル基含有単量体、およびその他単量体の重合体を合成する。次いで、前記重合体のカルボキシル基の一部にエポキシ基含有単量体を付加し、感光性アルカリ可溶性樹脂を得る方法が挙げられる。
【0165】
[方法(ii)]
方法(ii)は、例えば、水酸基含有単量体、モノカルボキシル基含有単量体、およびその他単量体の重合体を合成する。次いで、前記重合体の水酸基に、イソシアネート基含有単量体のイソシアネート基を反応させる方法が挙げられる。
【0166】
水酸基含有単量体は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-若しくは4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタクリレート類が挙げられる。また、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ-バレロラクトン、ポリε-カプロラクトン、及び/又はポリ12-ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも挙げられる。これらの中でも被膜中に異物が生じ難い面で2-ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。また、光感度の面でグリセロールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0167】
イソシアネート基含有単量体は、2-(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1-ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられる。
【0168】
モノカルボキシル基含有単量体、およびその他単量体は、上述したものを使用できる。
【0169】
感光性アルカリ可溶性樹脂の合成に使用する原料は、それぞれ単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0170】
アルカリ可溶性樹脂(F)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0171】
アルカリ可溶性樹脂(F)の重量平均分子量(Mw)は、耐性の観点から、4,000~50,000が好ましく、4,000~40,000がより好ましい。また、Mw/Mnの値は10以下が好ましい。適度な重量平均分子量(Mw)により基板に対する密着性、及び現像性が向上する。
【0172】
アルカリ可溶性樹脂(F)の酸価は、30~200mgKOH/gが好ましく、40~180mgKOH/gがより好ましい。適度な酸価により基板に対する密着性、及び現像性が向上する。
【0173】
アルカリ可溶性樹脂(F)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、1~80質量%が好ましく、5~60質量%がより好ましい。
【0174】
[分散樹脂(G)]
本発明の感光性組成物は、分散樹脂(G)を含有できる。分散樹脂(G)は、近赤外線吸収顔料(A)を感光性組成物中に安定的に分散する目的で用いられる。
【0175】
分散樹脂(G)は、近赤外線吸収顔料(A)に親和性が高い吸着基を有している樹脂が好ましい。吸着基は、塩基性基及び酸性基のうち1種以上有していることが好ましい。
【0176】
塩基性基は、例えば、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基及び含窒素複素環など窒素原子を含有する基等が挙げられる。
【0177】
酸性基は、例えば、カルボキシル基、リン酸基及びスルホン酸基等が挙げられる。
【0178】
分散樹脂(G)の樹脂種は、例えば、ウレタン樹脂、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等、(メタ)アクリル酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が挙げられる。
【0179】
分散樹脂(G)の構造は、例えば、ランダム構造、ブロック構造、グラフト構造、くし型構造、及び星型構造等が挙げられる。これらの中でも、保存安定性の観点から、ブロック構造、又はくし型構造が好ましい。
【0180】
分散樹脂(G)の市販品は、例えば、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk-101,103,107,108,110,111,116,130,140,154,161,162,163,164,165,166,167,168,170,171,174,180,181,182,183,184,185,190,2000,2001,2009,2010,2020,2025,2050,2070,2095,2150,2155,2163,2164、またはAnti-Terra-U203,204、またはBYK-P104,P104S,220S、またはLactimon、Lactimon-WS、またはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE-3000,9000,13000,13240,13650,13940,16000,17000,18000,20000,21000,24000,26000,27000,28000,31845,32000,32500,32550,33500,32600,34750,35100,36600,38500,41000,41090,53095,55000,56000,76500等、BASFジャパン社製のEFKA-46,47,48,452,4008,4009,4010,4015,4020,4047,4050,4055,4060,4080,4400,4401,4402,4403,4406,4408,4300,4310,4320,4330,4340,450,451,453,4540,4550,4560,4800,5010,5065,5066,5070,7500,7554,1101,120,150,1501,1502,1503等、味の素ファインテクノ社製のアジスーパーPA111,PB711,PB821,PB822,PB824等、特開2008-029901号公報、特開2009-155406号公報、特開2010-185934号公報、特開2011-157416号公報、国際公開第2008/007776号、特開2008-029901号公報、特開2009-155406号公報、特開2010-185934号公報、特開2011-157416号公報、特開2009-251481号公報、特開2007-23195号公報、特開1996-143651号公報等に記載の樹脂が挙げられる。
【0181】
分散樹脂(G)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0182】
分散樹脂(G)の含有量は、保存安定性の観点から、近赤外線吸収顔料(A)100質量部に対して、3~200質量部が好ましく、5~100質量部がより好ましい。
【0183】
[分散助剤(H)]
本発明の感光性組成は、分散助剤(H)を含有できる。分散助剤(H)は、例えば、顔料の一部を、酸性基、塩基性基、中性基、塩構造を有する基等で置換した構造を有する化合物が挙げられる。分散助剤(H)は、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基などの酸性置換基を有する化合物及びこれらのアミン塩や、スルホンアミド基や末端に3級アミノ基などの塩基性置換基を有する化合物、フェニル基やフタルイミドアルキル基などの中性置換基を有する化合物が挙げられる。
【0184】
分散助剤(H)は、単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物に由来する構造を有することが好ましい。単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物は、例えば、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、インジゴ化合物、インモニウム化合物、アントラキノン化合物、ピロロピロール化合物、スクアリリウム化合物、クロコニウム化合物等が挙げられる。
【0185】
分散助剤(H)は、例えば、国際公開第2016/035695号、国際公開第2017/146092号、国際公開第2018/101189号等に記載の化合物が挙げられる。
【0186】
分散助剤(H)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0187】
分散助剤(H)の含有量は、保存安定性の観点から、近赤外線吸収顔料(A)100質量部に対して、1~20質量部が好ましく、2~10質量部がより好ましい。
【0188】
[着色剤(I)]
本発明の感光性組成物は、着色剤(I)を含有できる。これにより、硬化膜の各波長領域の透過率を制御することができ、色分離性や遮蔽性が向上する。
【0189】
着色剤(I)は、顔料及び染料のいずれでもよく、併用できる。
【0190】
(顔料)
顔料は、カラーインデックスにおいてピグメントに分類されている化合物が好ましい。
赤色顔料は、例えば、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,12,14,15,16,17,21,22,23,31,32,37,38,41,47,48,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,50:1,52:1,52:2,53,53:1,53:2,53:3,57,57:1,57:2,58:4,60,63,63:1,63:2,64,64:1,68,69,81,81:1,81:2,81:3,81:4,83,88,90:1,101,101:1,104,108,108:1,109,112,113,114,122,123,144,146,147,149,151,166,168,169,170,172,173,174,175,176,177,178,179,181,184,185,187,188,190,193,194,200,202,206,207,208,209,210,214,216,220,221,224,230,231,232,233,235,236,237,238,239,242,243,245,247,249,250,251,253,254,255,256,257,258,259,260,262,263,264,265,266,267,268,269,270,271,272,273,274,275,276,277,278,279,280,281,282,283,284,285,286,287,291,295,296、特開2014-134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、耐光性、及び透過率の観点から、C.I.ピグメントレッド48:1,122,177,224,242,269,254,291,295,296、特開2014-134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料が好ましく、C.I.ピグメントレッド177,254,291,295,296、特開2014-134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料がさらに好ましい。
【0191】
橙色顔料は、例えば、C.I.ピグメントオレンジ36,38,43,64,71,73等が挙げられる。
【0192】
黄色顔料は、例えば、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,12,13,14,15,16,17,18,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,126,127,128,129,138,139,147,150,151,152、153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,192,193,194,196,198,199,213,214,231,233、特開2012-226110号公報、特開2017-171912号公報、特開2017-171913号公報、特開2017-171914号公報、特開2017-171915号公報等に記載された顔料等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントイエロー138,139,150,185,231,233、特開2012-226110号公報に記載された顔料が好ましい。
【0193】
緑色顔料は、例えば、C.I.ピグメントグリーン1,2,4,7,8,10,13,14,15,17,18,19,26,36,37,45,48,50,51,54,55,58,59,62,63等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントグリーン36、58、59、62、63が好ましい。
【0194】
青色顔料は、例えば、C.I.ピグメントブルー1,1:2,9,14,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17,19,25,27,28,29,33,35,36,56,56:1,60,61,61:1,62,63,66,67,68,71,72,73,74,75,76,78,79等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントブルー15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6が好ましい。
【0195】
紫色顔料は、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1,1:1,2,2:2,3,3:1,3:3,5,5:1,14,15,16,19,23,25,27,29,31,32,37,39,42,44,47,49,50等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントバイオレット19,23が好ましい。
【0196】
黒色顔料は、具体的には、C.I.ピグメントブラック1,6,7,12,20,21,31,32,33,34等が挙げられる。また、特表2010-534726号公報、特表2012-515233号公報、特表2012-515234号公報、特開平1-170601号公報、特開平2-34664号公報等に記載の化合物も挙げられる。
【0197】
本発明の感光性組成物は、赤外線透過フィルタに用いる際には、着色剤(I)として、赤色顔料、黄色顔料、青色顔料、緑色顔料及び紫色顔料からなる群から選ばれる2種以上の顔料を含み、黒色を呈することが好ましい。
【0198】
[増感剤(J)]
本発明の感光性組成物は、増感剤(J)を含むことが好ましい。
【0199】
増感剤(J)は、例えば、カルコン系化合物、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2-ジケトン系化合物、ベンゾイン系化合物、フルオレン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、キサンテン系化合物、チオキサンテン系化合物、キサントン系化合物、チオキサントン系化合物、クマリン系化合物、ケトクマリン系化合物、シアニン系化合物、メロシアニン系化合物、オキソノール系化合物等のポリメチン色素、アクリジン系化合物、アジン系化合物、チアジン系化合物、オキサジン系化合物、インドリン系化合物、アズレン系化合物、アズレニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、ポルフィリン系化合物、テトラフェニルポルフィリン系化合物、トリアリールメタン系化合物、テトラベンゾポルフィリン系化合物、テトラピラジノポルフィラジン系化合物、フタロシアニン系化合物、テトラアザポルフィラジン系化合物、テトラキノキサリロポルフィラジン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、サブフタロシアニン系化合物、ピリリウム系化合物、チオピリリウム系化合物、テトラフィリン系化合物、アヌレン系化合物、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、チオスピロピラン系化合物、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はベンゾフェノン系化合物等が挙げられる。これらの中でも、パターン形成の観点から、チオキサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物が好ましい。
【0200】
(チオキサントン系化合物)
チオキサントン系化合物は、例えば、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン等が挙げられる。これらの中でも、2,4-ジエチルチオキサントンが好ましい。
【0201】
(ベンゾフェノン系化合物)
ベンゾフェノン系化合物は、例えば、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2-アミノベンゾフェノン等が挙げられる。これらの中でも、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
【0202】
増感剤(J)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0203】
増感剤(J)の含有量は、光重合開始剤(C)100質量部に対して、5~400質量部が好ましい。
【0204】
[熱硬化性化合物(K)]
本発明の感光性組成物は、熱硬化性化合物(K)を含むことが好ましい。これにより、熱処理工程で熱硬化性化合物(K)が架橋し、高温高湿下での耐性が向上する。
【0205】
熱硬化性化合物(K)は、低分子化合物や、樹脂のような高分子量化合物でもよい。熱硬化性化合物(K)は、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、及びフェノール化合物が挙げられる。これらの中でも、高温高湿下での耐性の観点から、エポキシ化合物、オキセタン化合物が好ましく、エポキシ化合物がより好ましい。
【0206】
(エポキシ化合物)
エポキシ化合物は、芳香族環及び/又は脂肪族環を有する構造が好ましく、異物の発生の抑制の観点から、脂肪族環を有する構造がより好ましい。エポキシ基が、単結合又は連結基を介して、芳香族環及び/又は脂肪族環に結合していることが好ましい。連結基としては、アルキル基、アリーレン基、-O-、-NR-(Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基または置換基を有してもよいアリール基を表す)、-SO-、-CO-、-O-、-S-が挙げられる。脂肪族環を有する構造の場合、エポキシ基は単結合を介して、脂肪族環に結合していることがより好ましい。
【0207】
エポキシ化合物は、分子内に5~50個のエポキシ基を有する化合物が好ましく、10~30個のエポキシ基を有する化合物がより好ましい。
【0208】
エポキシ化合物は、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノールボルナジエン、ビニルノールボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’-ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α’,α’-ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’-ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0209】
市販品は、例えば、油化シェルエポキシ社製のエピコート807,815,825,827,828,190P,191P、三井化学社製のTECHMORE VG3101L、日本化薬社製のEPPN-201,501H,502H、EOCN-102S,103S,104S,1020ジャパンエポキシレジン社製のエピコート1004,1256、JER1032H60,157S65,157S70,152,154、ダイセル化学工業社製のセロキサイド2021、EHPE-3150、ナガセケムテックス社製のデナコールEX-211,212,252,313,314,321,411,421,512,521,611,612,614,614B,622,711,721、日産化学工業社製のTEPIC-L,H,S等が挙げられる。
【0210】
エポキシ化合物の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.5~20質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましい。
【0211】
(オキセタン化合物)
オキセタン化合物は、オキセタン基を有する公知の化合物である。オキセタン化合物は、1官能オキセタン化合物、2官能オキセタン化合物、3官能以上のオキセタン化合物が挙げられる。
【0212】
1官能オキセタン化合物は、例えば、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチルアクリレート、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチルメタクリレート、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(2-メタクリロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-{[3-(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン等が挙げられる。
【0213】
市販品は、例えば、大阪有機化学工業社製のOXE-10,30、東亞合成社製のOXT-101,212等が挙げられる。
【0214】
2官能オキセタン化合物は、例えば、4,4’-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル)、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、1,4-ビス{[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル、ジ[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(2-フェノキシメチル)オキセタン、3,7-ビス(3-オキセタニル)-5-オキサ-ノナン、1,2-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコ-スビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、1,4-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ポリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド(EO)変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド(PO)変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
【0215】
市販品は、例えば、宇部興産社製のOXBP、OXTP、東亞合成社製OXT-121,221等が挙げられる。
【0216】
3官能以上のオキセタン化合物は、例えば、ペンタエリスリトールトリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサ(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロ-ルプロパンテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、オキセタン基を含有する樹脂(例えば、特許第3783462号記載のオキセタン変性フェノールノボラック樹脂等)や前述のOXE-30のような(メタ)アクリルモノマーをラジカル重合させて得られる重合体が挙げられる。
【0217】
オキセタン化合物の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.5~20質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましい。
【0218】
熱硬化性化合物(K)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0219】
[硬化剤(硬化促進剤)]
本発明の感光性組成物は、熱硬化性化合物(K)の硬化を補助するため、硬化剤(硬化促進剤)を併用できる。硬化剤は、例えば、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物等が挙げられる。硬化剤は、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メトキシ-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メチル-N,N-ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、4-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-(2-シアノエチル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、S-トリアジン誘導体(例えば、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン、2-ビニル-2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2-ビニル-4,6-ジアミノ-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)等が挙げられる。
【0220】
硬化剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0221】
硬化剤の含有量は、熱硬化性化合物(K)100質量部に対して、0.01~15質量部が好ましい。
【0222】
[チオール系連鎖移動剤(L)]
本発明の感光性組成物は、チオール系連鎖移動剤(L)を含有できる。チオール系連鎖移動剤(K)は、光重合開始剤(C)と併用すると光照射後のラジカル重合の際、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生し、感光性組成物の光感度が向上する。
【0223】
チオール系連鎖移動剤(L)は、チオール基(SH基)を2以上有する多官能チオールが好ましく、4以上有する多官能チオールがより好ましい。官能基数が増えると膜の表面から最深部まで光硬化し易くなる。
【0224】
多官能チオールは、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4-ブタンジオ-ルビスチオプロピオネート、1,4-ブタンジオ-ルビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロ-ルプロパントリスチオグリコレート、トリメチロ-ルプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロ-ルプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6-トリメルカプト-s-トリアジン、2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-s-トリアジンなどが挙げられ、好ましくは、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロ-ルプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等が挙げられる。
【0225】
チオール系連鎖移動剤(L)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0226】
チオール系連鎖移動剤(L)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%に対して、1~10質量%が好ましく、2~8質量%がより好ましい。適量含有すると光感度が向上し、硬化膜の表面にシワが発生し難くなる。
【0227】
[重合禁止剤(M)]
本発明の感光性組成物は、重合禁止剤(M)を含有できる。
【0228】
重合禁止剤(M)は、例えば、カテコール、レゾールシノール、1,4-ヒドロキノン、2-メチルカテコール、3-メチルカテコール、4-メチルカテコール、2-エチルカテコール、3-エチルカテコール、4-エチルカテコール、2-プロピルカテコール、3-プロピルカテコール、4-プロピルカテコール、2-n-ブチルカテコール、3-n-ブチルカテコール、4-n-ブチルカテコール、2-t-ブチルカテコール、3-t-ブチルカテコール、4-t-ブチルカテコール、3,5-ジ-t-ブチルカテコール等のアルキルカテコール系化合物、2-メチルレゾールシノール、4-メチルレゾールシノール、2-エチルレゾールシノール、4-エチルレゾールシノール、2-プロピルレゾールシノール、4-プロピルレゾールシノール、2-n-ブチルレゾールシノール、4-n-ブチルレゾールシノール、2-t-ブチルレゾールシノール、4-t-ブチルレゾールシノール等のアルキルレゾールシノール系化合物、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノーン、プロピルヒドロキノーン、t-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-t-ブチルヒドロキノン等のアルキルヒドロキノーン系化合物、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のホスフィン化合物、トリオクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト等のホスファイト化合物、ピロガロ-ル、フロログルシン等が挙げられる。
【0229】
重合禁止剤(M)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.01~0.4質量%が好ましい。
【0230】
[紫外線吸収剤(N)]
本発明の感光性組成物は、紫外線吸収剤(N)を含有できる。
【0231】
紫外線吸収剤(N)は、紫外線吸収機能を有する有機化合物であり、ベンゾトリアゾール系有機化合物、トリアジン系有機化合物、ベンゾフェノン系有機化合物、サリチル酸エステル系有機化合物、シアノアクリレート系有機化合物、及びサリシレート系有機化合物等が挙げられる。
【0232】
ベンゾトリアゾール系化合物は、例えば、2-(5メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α, α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-tブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5%の2-メトキシ-1-メチルエチルアセテートと95%のベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ,C7-9側鎖及び直鎖アルキルエステルの混合物、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、メチル 3-(3-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-p-クレゾール、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-6-t-ブチル-4-メチルフェノール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-5-[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、オクチル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)フェニル]プロピオネート、2-エチルヘキシル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)フェニル]プロピオネートが挙げられる。
【0233】
市販品は、例えば、BASFジャパン社製のTINUVIN P,PS,234,326,329,384-2,900,928,99-2,1130、ADEKA社製のアデカスタブLA-29,LA-31RG,LA-32,LA-36、ケミプロ化成社製のKEMISORB71,73,74,79,279、大塚化学社製のRUVA-93等が挙げられる。
【0234】
トリアジン系化合物は、例えば、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-[3-(ドデシルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェノール、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと(2-エチルヘキシル)-グリシド酸エステルの反応生成物、2,4-ビス「2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル」-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-(ヘキシルオキシ)フェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ-3-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
【0235】
市販品は、例えば、ケミプロ化成社製のKEMISORB 102、BASFジャパン社製のTINUVIN 400,405,460,477,479,1577ED、ADEKA社製のアデカスタブLA-46,LA-F70、サンケミカル社製のCYASORB UV-1164等が挙げられる。
【0236】
ベンゾフェノン系化合物は、例えば、2,4-ジ-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン5-スルホン酸-3水温、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノーン、2,2’-ジ-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0237】
市販品は、例えば、ケミプロ化成社製のKEMISORB 10,11,11S,12,111、シプロ化成社製のSEESORB 101,107、ADEKA社製のアデカスタブ1413、サンケミカル社製のUV-12等が挙げられる。
【0238】
サリチル酸エステル系化合物は、例えば、サリチル酸フェニル、サリチル酸p-オクチルフェニル、サリチル酸p-tertブチルフェニル等が挙げられる。
【0239】
紫外線吸収剤(N)の含有量は、光重合開始剤(C)と紫外線吸収剤(N)との合計100質量%中、5~70質量%が好ましい。
【0240】
[酸化防止剤(O)]
本発明の感光性組成物は、酸化防止剤(O)を含有できる。
【0241】
酸化防止剤(O)は、感光性組成物中の光重合開始剤(C)や熱硬化性化合物(K)が、熱処理工程やITOアニール時によって酸化し黄変することを防ぐ。
【0242】
酸化防止剤(O)は、例えば、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、およびヒドロキシルアミン系の化合物等が挙げられる。これらの中でも、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましい。
【0243】
ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、例えば、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、1,1,3-トリス-(2’-メチル-4’-ヒドロキシ-5’-t-ブチルフェニル)-ブタン、4,4’-ブチリデン-ビス-(2-t-ブチル-5-メチルフェノール)、3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス[2-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルメチル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,3,5-トリス(3-ヒドロキシ-4-t-ブチル-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、2,2’-メチレンビス(6-t-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2’-チオジエチルビス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート、N,N-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナムアミド)、i-オクチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,6-ビス(ドデシルチオメチル)-o-クレゾール、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエチルエステルのカルシウム塩、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、ビス[3-(3-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)プロピオン酸]エチレンビスオキシビスエチレン、1,6-ヘキサンジオ-ルビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2,2’-チオ-ビス-(6-t-ブチル-4-メチルフェノール)、2,5-ジ-t-アミル-ヒドロキノン、2,6-ジ-t-ブチル-4-ノニルフェノール、2,2’-イソブチリデン-ビス-(4,6-ジメチル-フェノール)、2,2’-メチレン-ビス-(6-(1-メチル-シクロヘキシル)-p-クレゾール)、2,4-ジメチル-6-(1-メチル-シクロヘキシル)-フェノール等が挙げられる。
【0244】
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブAO-20,AO-30,AO-40,AO-50,AO-60,AO-80,AO-330、ケミプロ社製のKEMINOX101,179,76,9425、BASFジャパン社製のIRGANOX1010,1035,1076,1098,1135,1330,1726,1425WL,1520L,245,259,3114,5057,565、サンケミカル社製のサイアノックスCY-1790,CY-2777等が挙げられる。
【0245】
ヒンダードアミン系酸化防止剤は、例えば、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1-ウンデカノキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カルボネート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルメタクリレート、コハク酸ジメチルと1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの重縮合物、ポリ[[6-[(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ]-s-トリアジン-2,4-ジイル]-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]-ヘキサメチレン-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールと3,5,5-トリメチルヘキサン酸のエステル、N,N’-4,7-テトラキス〔4,6-ビス{N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ}-1,3,5-トリアジン-2-イル〕-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル,1,1-ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピリペリジル)[[3,5-ビス(1,1ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートメチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピリペリジルセバケート、ポリ[[6-モルホリノ-s-トリアジン-2,4-ジイル]-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]-ヘキサメチレン-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル-C12-21およびC18不飽和脂肪酸エステル、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,6-ヘキサメチレンジアミン、2-メチル-2-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)プロピオンアミド等が挙げられる。
【0246】
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブLA-52,LA-57,LA-63P,LA-68,LA-72,LA-77Y,LA-77G,LA-81,LA-82,LA-87,LA-402F,LA-502XP、ケミプロ化成社製のKAMISTAB29,62,77,94、BASFジャパン社製のTinuvin111FDL,123,144,249,292,5100、サンケミカル社製のサイアソ-ブUV-3346,UV-3529,UV-3853等が挙げられる。
【0247】
リン系酸化防止剤は、例えば、ジ(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)2-エチルヘキシルホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、テトラ(C12~C15アルキル)-4,4’-イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ジフェニルモノ(2-エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,4-ビフェニルジフォスホニト、トリス(トリデシル)ホスファイト、フェニルイソオクチルホスファイト、フェニルイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、4,4’-イソプロピリデンジフェノールアルキルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリスジノニルフェニルホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、ジ(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、テトラトリデシル4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4-t-ブチルフェニル)ホスファイト、ソジウム-2,2-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)-ホスファイト、1,3-ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)-ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4-ジt-ブチル-6-メチルフェニル)等が挙げられる。
【0248】
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブPEP-36,PEP-8,HP-10,2112,1178,1500,C,135A,3010,TPP、BASFジャパン社製のIRGAFOS168、クラリアントケミカルズ社製のHostanoxP-EPQ等が挙げられる。
【0249】
イオウ系酸化防止剤は、例えば、2,2-ビス{〔3-(ドデシルチオ)-1-オキソプロポキシ〕メチル}プロパン-1,3-ジイルビス〔3-(ドデシルチオ)プロピオネート〕、3,3’-チオビスプロピオン酸ジトリデシル、2,2-チオ-ジエチレンビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4-ビス〔(オクチルチオ)メチル〕-o-クレゾール、2,4-ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕-o-クレゾール等が挙げられる。
【0250】
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブAO-412S,AO-503、ケミプロ化成社製のKEMINOXPLS等が挙げられる。
【0251】
酸化防止剤(O)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0252】
酸化防止剤(O)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.5~5.0質量%が好ましい。適量含有すると透過率、分光特性、及び感度が向上する。
【0253】
[レベリング剤(P)]
本発明の感光性組成物は、レベリング剤(P)を含有できる。これにより、塗工時の基板に対する濡れ性、及び乾燥性がより向上する。
【0254】
レベリング剤(P)は、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
【0255】
シリコーン系界面活性剤は、例えば、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーや、側鎖や末端に有機基を導入した変性シロキサンポリマーが挙げられる。
【0256】
市販品は、例えば、ビックケミー社製のBYK-300,306,310,313,315N,320,322,323,330,331,333,342,345,346,347,348,349,370,377,378,3455,UV3510,3570、東レ・ダウコ-ニング社製のFZ-7002,2110,2122,2123,2191,5609、信越化学工業社製のX-22-4952、X-22-4272、X-22-6266、KF-351A、KF-354L、KF-355A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、X-22-4515、KF-6004、KP-341等が挙げられる。
【0257】
フッ素系界面活性剤は、例えば、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤又はレベリング剤が挙げられる。
【0258】
市販品は、例えば、AGCセイミケミカル社製のサーフロンS-242,243,420,611,651,386、DIC社製のメガファックF-253,477,551,552,555,558,560,570,575,576、R-40-LM、R-41、RS-72-K、DS-21、住友スリーエム社製のFC-4430,4432、三菱マテリアル電子化成社製のEF-PP31N09、EF-PP33G1、EF-PP32C1、ネオス社製フタージェントの602A等が挙げられる。
【0259】
ノニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンミリステルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシフェニレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテ-ト、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ-ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリイソステアレート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、グリセロ-ルモノステアレート、グリセロ-ルモノオレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、アルキルイミダゾリン等が挙げられる。
【0260】
市販品は、例えば、花王社製のエマルゲン103,104P,106,108,109P,120,123P,130K,147,150,210P,220,306P,320P,350,404,408,409PV,420,430,705,707,709,1108,1118S-70,1135S-70,1150S-60,2020G-HA,2025G,LS-106,LS-110,LS-114,MS-110,A-60,A-90,B-66,PP-290、ラテムルPD-420,PD-430,PD-430S,PD-450、レオドールSP-L10,SP-P10,SP-S10V,SP-S20,SP-S30V,SP-O10V,SP-O30V、スーパーSP-L10,AS-10V,AO-10V,AO-15V,TW-L120,TW-L106,TW-P120,TW-S120V,TW-S320V,TW-O120V,TW-O106V,TW-IS399C、スーパーTW-L120,430V,440V,460V,MS-50,MS-60,MO-60,MS-165V、エマノーン1112,3199V,3299V,3299RV,4110,CH-25,CH-40,CH-60(K),アミ-ト102,105,105A,302,320、アミノーンPK-02S、L-02、ホモゲノールL-95、ADEKA社製のアデカプルロニック(登録商標)L-23,31,44,61,62,64,71,72,101,121、TR-701,702,704,913R、共栄社化学社製の(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフロ-No.75,No.90,No.95等が挙げられる。
【0261】
カチオン性界面活性剤は、例えばアルキルアミン塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。
【0262】
市販品は、例えば、花王社製のアセタミン24、コータミン24P、60W、86Pコンク等が挙げられる。
【0263】
アニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等が挙げられる。
【0264】
市販品は、例えば、ネオス社製のフタージェント100,150、ADEKA社製のアデカホープYES-25、アデカコールTS-230E,PS-440E,EC-8600等が挙げられる。
【0265】
両性界面活性剤は、例えば、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0266】
市販品は、花王社製のアンヒトール20AB,20BS,24B,55AB,86B,20Y-B,20N等が挙げられる。
【0267】
レベリング剤(P)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0268】
レベリング剤(P)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.001~2.0質量%が好ましく、0.005~1.0質量%がより好ましい。適量含有すると感光性組成物の塗工性と密着性のバランスがより向上する。
【0269】
[貯蔵安定剤(Q)]
本発明の感光性組成物は、貯蔵安定剤(Q)を含有できる。これにより、感光性組成物の経時粘度が安定化する。
【0270】
貯蔵安定剤(Q)は、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t-ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。
【0271】
貯蔵安定剤(Q)の含有量は、近赤外線吸収顔料(A)100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましい。
【0272】
[特定金属元素の含有量]
本発明の感光性組成物は、保存安定性の観点から、感光性組成物に含まれるLi、Na、K、Mg、Ca、Fe及びCr(以下、単に特定金属元素ともいう)の金属の合計量が、300質量ppm以下であることが好ましい。
【0273】
特定金属元素の合計量が、上記範囲内の感光性組成物であると、保存後でも安定性・感度に優れる。また、特定金属元素の合計量が、上記範囲内の感光性組成物を用いて作成した光学フィルタは、加熱しても異物の発生が少ない。
【0274】
感光性組成物に含まれる特定金属元素の合計量は、200質量ppm以下がより好ましく、100質量ppm以下が特に好ましい。また、特定金属元素の合計量の下限は、特に限定されないが、1質量ppm以上が好ましく、5質量ppm以上がより好ましい。上記範囲内であれば、コストも抑制でき、保存安定性に優れる。
【0275】
感光性組成物に含まれる各特定金属元素の量は、各々40質量ppm以下であることが好ましく、各々20質量ppm以下であることがより好ましい。
また、特定金属元素の中でも、光重合開始剤(C)との反応性が高いLiの含有量は、15質量ppm以下であることが好ましく、10質量ppm以下であることがより好ましい。
【0276】
感光性組成物に含まれる特定金属元素を低減させる方法は、特に限定されないが、特定金属元素は、近赤外線吸収顔料(A)に多く含まれることから、近赤外線吸収顔料(A)の特定金属元素を除去することが好ましい。また、感光性組成物を製造する装置からも混入するため、装置からの混入を抑えることも好ましい。
【0277】
近赤外線吸収顔料(A)に含まれる特定金属元素の低減方法、除去方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、製造過程での装置からの混入を避ける方法としては、特開2010-83997号公報、特開2018-36521号公報等に記載の方法が挙げられる。また、例えば、近赤外線吸収顔料(A)からの除去する方法としては、特開平7-198928号公報、特開平8-333521号公報、特開2009-7432号公報、特開2010-83997号公報等に記載の方法が挙げられる。これらの中でも、近赤外線吸収顔料(A)を特定金属元素の含有量が少ない水、例えば、イオン交換水等で洗浄する方法が好ましい。
【0278】
近赤外線吸収顔料(A)の洗浄の方法は、特に制限がなく、公知の方法を用いることができる。例えば、合成後の近赤外線吸収顔料(A)を、イオン交換水が入った容器に投入し、撹拌する。一定時間撹拌後、フィルタープレスにてろ過し、近赤外線吸収顔料(A)とイオン交換水をと分離する。特定金属元素量が所望の値になるまで、この作業を繰り返し行う。洗浄は、加温しながら行うことが好ましい。その後、近赤外線吸収顔料(A)を熱風乾燥及び粉砕する。
【0279】
特定金属元素の含有量は、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP)によって、測定できる。
【0280】
本発明の感光性組成物は、保存安定性の観点から、特定金属元素以外の金属元素の含有量も低減することが好ましい。特定金属元素以外の金属は、例えば、Mn、Cs、Ti、Co、Si、Pd等が挙げられる。
【0281】
[水の含有量]
本発明の感光性組成物は、保存安定性の観点から、感光性組成物に含まれる水の含有量が2.0質量%以下であることが好ましい。
【0282】
水の含有量が、上記範囲内の感光性組成物であると、保存後でも安定性・感度に優れる。
【0283】
感光性組成物に含まれる水の含有量は、1.5質量%以下がより好ましく、1.0質量%以下が特に好ましい。また、水の含有量の下限は、少ないほど好ましく、特に制限はない。上記範囲内であれば、保存後でも安定性・感度に優れる。
【0284】
水の含有量を制御する方法は、特に制限がなく、公知の方法を用いることができる。例えば、乾燥した空気や不活性ガス、それらの混合ガスを吹き込みながら、感光性着色組成物を製造する方法や、製造後、モレキュラーシーブを投入し脱水する方法等が挙げられる。その中でも、乾燥した空気、不活性ガスやこれらの混合ガスを吹き込みながら、製造する方法が好ましい。
【0285】
水の含有量は、カールフィッシャー法などの公知の方法により測定することができる。
【0286】
メカニズムは明らかではないが、特定金属元素の量及び水の量を低減することによって、光重合開始剤(C)の保管中での反応を抑制したと推測する。特に、シランカップリング剤(E)が含まれる場合に有用で、シランカップリング剤(E)の反応を抑制したと推測する。
【0287】
[感光性組成物の製造方法]
本発明の感光性組成物は、例えば、近赤外線吸収顔料(A)、分散樹脂(G)及び有機溶剤(D)を加えて、乾燥した空気下で分散処理を行うことで、分散体を製造する。その後、乾燥した空気下で、前記分散体に、重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)等を配合し混合することで製造できる。なお、各材料を配合するタイミングは、任意である。また、大気からの水の混入を避けるため、湿度が制御された場所で作業することが好ましい。
【0288】
分散処理を行う分散機は、例えば、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等が挙げられる。
【0289】
分散体中の近赤外線吸収顔料(A)の平均分散粒子径(二次粒子径)は、30~200nmが好ましく、40~200nmがより好ましい。適度な粒子径を有すると分散安定性が高い感光性組成物が得やすい。
【0290】
平均分散粒子径(二次粒子径)の測定方法は、例えば、動的光散乱法(FFTパワ-スペクトール法)を採用した日機装社のマイクロトラックUPA-EX150を用い、粒子透過性を吸収モ-ド、粒子形状を非球形とし、D50粒子径を平均径とする。測定用の希釈溶剤は分散に使用した有機溶剤をそれぞれ用い、超音波で処理したサンプルについてサンプル調整直後に測定するとバラツキが少ない結果が得られやすく好ましい。
【0291】
感光性組成物は、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子、および混入した塵の除去を行うことが好ましい。本発明の感光性組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましく、0.3μm以下の粒子を含まないことがより好ましい。
【0292】
<硬化膜>
本発明の硬化膜は、本発明の感光性組成物の硬化物であり、形成された膜を露光等により硬化する。
【0293】
[硬化膜の製造方法]
硬化膜の製造方法は、特に限定されず、例えば、基板上に感光性組成物を塗布し組成物の層を形成する工程(1)、前記層に、マスクを介してパターン状に露光する工程(2)、未露光部分をアルカリ現像しパターン状の硬化膜を形成する工程(3)、前記パターンを加熱処理(ポストベーク)する工程(4)を行い作製できる。
【0294】
以下、硬化膜の製造方法を詳細に説明する。
【0295】
(工程(1))
感光性組成物の層を形成する工程(1)は、感光性組成物を基板上に、例えば、回転塗工、ロール塗工、スリット塗工、流延塗工、またはインクジェット塗工等の方法で塗工し、必要に応じてオーブン、ホットプレート等を用いて、50~100℃の温度で10~120秒乾燥(プリベーク)する。
前記基板は、例えば、ガラス基板、樹脂基板、シリコン基板等が挙げられる。樹脂基板としては、ポリカーボネート基板、ポリエステル基板、芳香族ポリアミド基板、ポリアミドイミド基板、ポリイミド基板等が挙げられる。これらの基板上には有機発光層が形成されてもよい。シリコン基板は、例えば、表面にCCD、CMOS等の撮像素子が形成されていてもよい。また、基板上には、必要に応じて、上部との層との密着改良、物質の拡散防止、基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
層の膜厚は、0.05~10.0μmが好ましく、0.3~5.0μmがより好ましい。
【0296】
(工程(2))
露光工程は、工程(1)で得られた層を、例えば、ステッパー等の露光装置を用い、マスクを介して特定のパターンを露光する。これにより硬化膜が得られる。
露光に用いる活性エネルギー線は、例えば、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、i線(波長365nm)等の紫外線が挙げられる。また、波長300nm以下の光を用いることもできる。波長300nm以下の光としては、KrF線(波長248nm)、ArF(波長193nm)などが挙げられる。
また、露光に際しては、光を連続的に照射して露光してもよく、短時間(例えば、ミリ秒レベル以下)のサイクルで光の照射と休止を繰り返して露光(バルス露光)してもよい。
【0297】
(工程(3))
工程(2)で得られた硬化膜は、アルカリ現像処理を行うことで、未露光部分の組成物の層がアルカリ水溶液に溶出し、硬化部分のみが残りパターン状の硬化膜が得られる。
現像液は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8-ジアザビシクロ-〔5.4.0〕-7-ウンデセン等のアルカリ性化合物が挙げられる。
現像液の濃度は、0.001~10質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましい。
アルカリ現像液のpHは、11~13が好ましく、11.5~12.5がより好ましい。適度なpHで使用するとパターンの荒れや剥離を抑制し、現像後の残膜率が向上する。
【0298】
現像方法は、例えば、ディップ法、スプレー法、パドル法等が挙げられる。現像温度は15~40℃が好ましい。なお、アルカリ現像後は、純水で洗浄することが好ましい。
【0299】
(工程(4))
加熱処理(ポストベーク)は、工程(3)で得られたパターン状の硬化膜を加熱により十分に硬化させる。ポストベークの加熱温度は、80~300℃が好ましい。また、加熱時間は、2分間~1時間程度が好ましい。
【0300】
<光学フィルタ>
本発明の硬化膜は、光学フィルタに用いることができる。光学フィルタは、例えば、赤外線カットフィルタ、赤外線透過フィルタ等に用いることが好ましい。本発明の光学フィルタの製造は、上述の硬化膜と同様の方法で製造できる。
【0301】
<画像表示装置>
本発明の硬化膜は、画像表示装置に用いることができる。画像表示装置に用いる形態は、特に制限されないが、着色剤を含むカラーフィルタと組み合わせて用いることができる。
【0302】
本発明の硬化膜とカラーフィルタとを組み合わせて用いる場合、本発明の硬化膜の光路上にカラーフィルタが配置されていることが好ましく、例えば、本発明の硬化膜とカラーフィルタとを積層して積層体として用いることができる。積層体において、硬化膜とカラーフィルタは、両者が厚み方向で隣接していてもよく、隣接していなくてもよい。本発明の硬化膜とカラーフィルタが隣接していない場合、カラーフィルタが形成された基板とは別の基板に、本発明の硬化膜が形成されていてもよい。また、本発明の硬化膜とカラーフィルタとの間に、他の部材(例えば、マイクロレンズや平坦化膜等)が存在してもよい。
【0303】
画像表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等が挙げられる。
画像表示装置の定義や各画像表示装置の詳細については、例えば、「電子ディスプレイデバイス(佐々木昭夫著、(株)工業調査会、1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹順章著、産業図書(株)、平成元年発行)」等に記載されている。
【0304】
<固体撮像素子>
本発明の硬化膜は、固体撮像素子に用いることができる。固体撮像素子に用いる形態は、特に制限されないが、例えば、基板上に、固体撮像素子(CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ、または有機CMOSイメージセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード、およびポリシリコン等からなる転送電極を有し、フォトダイオード及び転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面及びフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、デバイス保護膜上に、本発明の硬化膜を有する構成である。さらに、デバイス保護膜上であって、本発明の硬化膜の下に集光手段(例えば、マイクロレンズ等)を有する構成であってもよい。
【0305】
<赤外線センサ>
本発明の硬化膜は、赤外線センサに用いることができる。赤外線センサに用いる形態は、特に制限されない。図1は、本発明の硬化膜を備えた赤外線センサの構成例を示す概略断面図である。図1に示す赤外線センサは100、固体撮像素子110を備える。
【0306】
固体撮像素子110上に設けられている撮像領域は、赤外線カットフィルタ111とカラーフィルタ112とを組み合せて構成されている。
【0307】
赤外線カットフィルタ111は、本発明の感光性組成物を用いて形成することができ、可視光領域の光(例えば、波長400~700nmの光)を透過し、赤外領域の光(例えば、波長800~1,300nmの光)を遮蔽する。
【0308】
カラーフィルタ112は、可視光領域における特定波長の光を透過及び吸収する画素が形成されたカラーフィルタであって、例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の画素が形成されたカラーフィルタ等が用いられる。
【0309】
赤外線透過フィルタ113と固体撮像素子110との間には、赤外線透過フィルタ113を透過した波長の光を透過可能な樹脂膜114が配置されている。
【0310】
赤外線透過フィルタ113は、可視光遮蔽性を有し、かつ、特定波長の赤外線を透過させるフィルタである。赤外線透過フィルタ113は、例えば、波長400~830nmの光を遮光し、波長900~1,300nmの光を透過させることが好ましい。
【0311】
カラーフィルタ112、及び赤外線透過フィルタ113の入射光h側には、マイクロレンズ115が配置されている。マイクロレンズ115を覆うように平坦化膜116が形成されている。
【0312】
図1に示す形態では、樹脂膜114が配置されているが、樹脂膜114に代えて赤外線透過フィルタ113を形成してもよい。
【0313】
この赤外線センサによれば、画像情報を同時に取り込めるため、動きを検知する対象を認識したモーションセンシング等が可能である。また、この赤外線センサによれば、距離情報を取得できるため、3D情報を含んだ画像の撮影等も可能である。更に、この赤外線センサは、生体認証センサとしても使用できる。
【0314】
また、本発明の硬化膜は、マイクロLED(Light Emitting Diode)やマイクロOLED(Organic Light Emitting Diode)などの用途にも用いることができる。特に限定されないが、マイクロLEDおよびマイクロOLEDに使用される光学フィルタに好適に用いられる。
マイクロLEDおよびマイクロOLEDの例としては、特表2015-500562号公報、および特表2014-533890号公報に記載のものが挙げられる。
【0315】
また、本発明の硬化膜は、量子ドットディスプレイなどの用途にも用いることができる。特に限定されないが、量子ドットディスプレイに使用される光学フィルタに好適に用いられる。
【実施例0316】
以下、実施例で本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。なお、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」である。また、本発明で不揮発分もしくは不揮発分濃度は、230℃で30分間オーブン静置後の質量残分をいう。
【0317】
実施例に先立ち、各測定方法について説明する。
【0318】
(樹脂の平均分子量)
樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、RI検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。装置としてHLC-8220GPC(東ソー社製)を用い、分離カラムを2本直列に繋ぎ、両方の充填剤には「TSK-GEL SUPER HZM-N」を2連でつなげて使用し、オーブン温度40℃、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)溶液を用い、流速0.35ml/minで測定した。サンプルは1質量%の上記溶離液からなる溶剤に溶解し、20マイクロリットル注入した。分子量は、ポリスチレン換算値である。
【0319】
(樹脂の酸価)
樹脂溶液0.5~1gに、アセトン80ml及び水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM-555」平沼産業社製)を用いて滴定し、酸価(mgKOH/g)を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の不揮発分濃度から、樹脂の不揮発分あたりの酸価を算出した。
【0320】
(樹脂のアミン価)
樹脂のアミン価は、ASTM D 2074の方法に準拠し、測定した全アミン価(mgKOH/g)を不揮発分換算した値である。
【0321】
(芳香族環を有する化合物の含有量測定)
ガスクロマトグラフィーを用いて、感光性組成物に含まれる芳香族環を有する化合物の含有量を測定した。
【0322】
(特定金属元素の含有量測定)
ICP発光分光分析装置(島津製作所社製ICPE-9800)を用いて、感光性組成物に含まれるLi、Na、K、Mg、Ca、Fe、及びCrの含有量を測定した。
【0323】
(水の含有量測定)
カールフィッシャー滴定装置(三菱化学社製 容量滴定式水分測定装置KF-06型)を用いて、感光性組成物に含まれる水の含有量を測定した。
【0324】
<近赤外線吸収顔料(A)の製造>
(単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-1))
トルエン400部に、1,8-ジアミノナフタレン40.0部、3,5-ジメチルシクロヘキサノン32.2部、p-トルエンスルホン酸一水和物0.087部を混合し、窒素ガスの雰囲気中で加熱攪拌し、3時間還流させた。反応中に生成した水は共沸蒸留により反応系中から除去した。反応終了後、トルエンを蒸留して得られた暗茶色固体をアセトンで抽出し、アセトンとエタノールの混合溶媒から再結晶することにより精製した。得られた茶色固体を、トルエン240部とn-ブタノール160部の混合溶媒に溶解させ、3,4-ジヒドロキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオン13.8部を加えて、窒素ガスの雰囲気中で加熱撹拌し、8時間還流反応させた。反応中に生成した水は共沸蒸留により反応系中から除去した。
反応終了後、溶媒を蒸留し、得られた反応混合物を攪拌しながら、ヘキサン200部を加えた。得られた黒茶色沈殿物を濾別した後、順次ヘキサン、エタノールおよびアセトンで洗浄を行い、減圧下で乾燥させ、下記化学式(14)で表される単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-1)を得た。
得られた単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-1)50部、塩化ナトリウム500部、ジエチレングリコール60部をステンレス製ガロンニーダー(井上製作所製)中に仕込み、60℃で12時間混練した。次に、この混練物を3,000部のイオン交換水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌後、濾過した(洗浄工程)。この洗浄工程を3回繰り返した後、80℃で一昼夜乾燥し、粉砕することにより、微細化した単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-1)を得た。
【0325】
化学式(14)
【化20】
【0326】
(単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-2))
反応容器中で、フタロニトリル26部、2,3―ジシアノナフタレン143部、n-アミルアルコール890部、DBU(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)137部と三塩化アルミニウム34部を混合攪拌し、昇温後136℃で5時間還流した。攪拌したまま30℃まで冷却した反応溶液を、メタノール5,000部、イオン交換水10,000部からなる混合溶媒中へ攪拌しながら注入し、青色のスラリーを得た。このスラリーを濾過し、メタノール2,000部、イオン交換水4,000部からなる混合溶媒で洗浄、乾燥して、化合物aを得た。
次いで、反応容器中で、濃硫酸1,500部に140部の化合物aを氷浴下にて加え、1時間攪拌を行った。続けて、この硫酸溶液を3℃の冷水1,000部に注入し、生成した析出物をろ過、水洗、2.5%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、水洗の順で処理を行い、乾燥して、化合物bを得た。
N-メチルピロリドン200部に5部のジフェニルリン酸を添加し、十分に攪拌混合を行った後、50℃に加熱した。この溶液に、10部の化合物bを少しずつ添加した後、90℃で120分攪拌した。反応の終点確認は、例えば、濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点とした。続けて、この反応溶液をイオン交換水2,000部に注入し、生成した析出物をろ過、水洗の順で処理を行い、乾燥して、下記化学式(15)で表される化合物の混合物(混合比率は、n1:n2:n3:n4=7:19:59:15)である単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-2)を得た。
単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-1)と同様の方法で、微細化した。
【0327】
化学式(15)
【化21】
【0328】
(単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-3))
反応容器中で、2,3―ジシアノナフタレン178部、n-アミルアルコール890部、DBU(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)137部と三塩化ガリウム40部を混合攪拌し、昇温後136℃で5時間還流した。攪拌したまま30℃まで冷却した反応溶液を、メタノール5,000部、イオン交換水10,000部からなる混合溶媒中へ攪拌しながら注入し、青色のスラリーを得た。このスラリーを濾過し、メタノール2,000部、イオン交換水4000部からなる混合溶媒で洗浄し、乾燥して、化合物cを得た。
次いで、反応容器中で、濃硫酸1,500部に化合物c159部を氷浴下にて加え、1時間攪拌を行った。続けて、この硫酸溶液を3℃の冷水1,000部に注入し、生成した析出物をろ過、水洗、2.5%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、水洗の順で処理を行い、乾燥して、120部の化合物dを得た。
N-メチルピロリドン200部に4部のジフェニルリン酸を添加し、十分に攪拌混合を行った後、50℃に加熱した。この溶液に、10部の化合物dを少しずつ添加した後、90℃で120分攪拌した。反応の終点確認は、例えば、濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点とした。続けて、この反応溶液をイオン交換水2,000部に注入し、生成した析出物をろ過、水洗の順で処理を行い、乾燥して、下記化学式(16)で表される化合物である単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-3)を得た。
単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-1)と同様の方法で、微細化した。
【0329】
化学式(16)
【化22】
【0330】
(単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-4))
単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-3)で使用した三塩化ガリウム40部の代わりに、三塩化インジウム50部を使用した以外は、同様の操作を行い、下記化学式(17)で表される単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-4)を得た。
単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-1)と同様の方法で、微細化した。
【0331】
化学式(17)
【化23】
【0332】
(単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-5))
国開公開第2017/002920号の記載に従い、下記化学式(18)で表される単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-5)を得た。
単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-1)と同様の方法で、微細化した。
【0333】
化学式(18)
【化24】
【0334】
(単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-6))
国際公開第2019/058882号の記載に従い、下記化学式(19)で表される単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-6)を得た。
単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-1)と同様の方法で、微細化した。
【0335】
化学式(19)
【化25】
【0336】
(単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-7))
反応容器中で、アニリン10.7部、ブロモベンゼン120部、およびジアザビシクロオクタン25.7部を加え、攪拌した。その後、四塩化チタンの1mol/lトルエン溶液95.2部を滴下した。滴下後、インジゴ10.0部を加え、10時間還流した。反応終了後、メタノールを加え、濾過し、緑色粉末を得た。これをジクロロメタンと水で分液を行い、有機層を濃縮することで、化合物eを14.6部得た。
反応容器中で、化合物eを13.5部、ビス(2、4-ペンタンジオナト)亜鉛(II)を9.0部、とテトラヒドロフラン120部を混合攪拌し、昇温後40℃で5時間攪拌した。攪拌したまま30℃まで冷却した反応溶液を、メタノール500部へ攪拌しながら注入し、青色のスラリーを得た。このスラリーを濾過し、メタノール500部で洗浄後、イオン交換水500部で洗浄し、乾燥して、下記化学式(20)で表される化合物の混合物(混合比率は、2量体:3量体:4量体=81:17:2)である単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-7)を得た。
単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-1)と同様の方法で、微細化した。
【0337】
化学式(20)
【化26】
【0338】
(単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-8))
単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-1)を以下の方法で微細化した。
得られた単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-1)50部、塩化ナトリウム500部、ジエチレングリコール60部をステンレス製ガロンニーダー(井上製作所製)中に仕込み、60℃で12時間混練した。次に、この混練物を水道水3,000部に投入し、室温で1時間撹拌後、濾過した。その後、80℃で一昼夜乾燥し、粉砕することにより、微細化した単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-8)を得た。
【0339】
<アルカリ可溶性樹脂(F)の製造>
(アルカリ可溶性樹脂(F-1)溶液)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAc)160部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら120℃に加熱して、同温度で滴下管よりベンジルメタクリレート109.25部、メタクリル酸24.11部、ジシクロペンタニルメタクリレート22.03部と、重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル3.6部、PGMAcとの混合物を2.5時間かけて滴下した。
滴下終了後、120℃で更に2時間撹拌を行った。その後、不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加して、アルカリ可溶性樹脂(F-1)溶液を調製した。アルカリ可溶性樹脂(F-1)は、酸価98mgKOH/g、重量平均分子量17,000であった。
【0340】
<分散樹脂(G)の製造>
(分散樹脂(G-1)溶液)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタクリレート40部、nーブチルメタクリレート10部、触媒としてテトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、開始剤としてブロモイソ酪酸エチル9.3部、触媒として塩化第一銅5.6部、PGMAc100部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロック(Bブロック)の重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。次に、この反応装置に、PGMAc50部、第二ブロック(Aブロック)モノマーとしてジメチルアミノエチルメタクリレート40部、メタクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド10部を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロック(Aブロック)の重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。GPC測定の結果、ポリマーの質量平均分子量20,000、分子量分布Mw/Mnが1.4であり、反応転化率は98.5%であった。このようにして、不揮発分当たりのアミン価が169.8mgKOH/gの分散樹脂(G-1)を得た。室温まで冷却した後、約2gをサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、不揮発分が30質量%になるようにPGMAcを添加して分散樹脂(G-1)溶液を調製した。
【0341】
<分散体の製造>
(分散体1)
下記の原料を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、孔径1.0μmのフィルタで濾過し、分散体1を作製した。有機溶剤(D-1)は、PGMAcである。
単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物(A-1)
:15.0部
分散樹脂(G-1)溶液 :20.0部
有機溶剤(D-1) :65.0部
【0342】
(分散体2~8)
表1に記載した原料、量を変えた以外は、分散体1と同様にして分散体2~8を作製した。
【0343】
【表1】
【0344】
<感光性組成物の製造>
[実施例1]
(感光性組成物1)
容器に、乾燥した空気を吹き込みながら、以下の原料および芳香族環を有する化合物であるトルエンを投入し、2時間攪拌した。その後、孔径1.0μmのフィルタで濾過して感光性組成物1を得た。
分散体1 :35.0部
重合性化合物(B-1) :7.0部
光重合開始剤(C-1) :0.8部
有機溶剤(D-1) :19.9部
有機溶剤(D-2) :5.0部
シランカップリング剤(E-1) :0.1部
アルカリ可溶性樹脂(F-1)溶液 :30.0部
増感剤(J-1) :0.2部
熱硬化性化合物(K-1) :1.0部
レベリング剤(P) :1.0部
【0345】
得られた感光性組成物1について、特定金属元素の含有量及び水の含有量を測定した。
【0346】
[実施例2~19、比較例1及び2]
(感光性組成物2~19、21及び22)
実施例1の感光性組成物1を、原料の種類、配合量、並びに、単環又は縮合環の芳香族環を含むπ共役平面を有する化合物100質量部に対するトルエンの量を表2に記載した通りに変更した以外は、実施例1と同様にして感光性組成物2~19、21及び22を作製し、特定金属元素の含有量及び水の含有量を測定した。
【0347】
[実施例20]
(感光性組成物20)
実施例20の感光性組成物20については、乾燥した空気の置換を行わなかった以外は、実施例1の感光性組成物1と同じ方法で作成した。
【0348】
【表2-1】
【0349】
【表2-2】
【0350】
【表2-3】
【0351】
表中に記載したそれぞれの原料は、以下の通りである。
【0352】
[重合性化合物(B)]
(B-1):アロニックスM-402(東亞合成社製)
(B-2):アロニックスMT-3549(東亞合成社製)
【0353】
[光重合開始剤(C)]
(C-1):上述の化学式(10)の化合物
(C-2):イルガキュアOXE-02(BASF社製)
【0354】
[有機溶剤(D)]
(D-1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(D-2):3-エトキシプロピオン酸エチル
【0355】
[シランカップリング剤(E)]
(E-1):KBM-403(信越シリコーン社製、官能基:エポキシ基)
(E-2):KBM-5103(信越シリコーン社製、官能基:アクリロイル基)
(E-3):X-12-1048(信越シリコーン社製、官能基:アクリロイル基)
(E-4):KBM-9659(信越シリコーン社製、官能基:イソシアヌレート基)
(E-5):KBM-803(信越シリコーン社製、官能基:メルカプト基)
(E-6):KBM-603(信越シリコーン社製、官能基:アミノ基)
【0356】
[増感剤(J)]
(J-1):4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
【0357】
[熱硬化性化合物(K)]
(K-1):EHPE-3150(ダイセル社製、エポキシ基数が約15個の2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物)
【0358】
[レベリング剤(P)]
(P-1):BYK-330(ビックケミー社製)の2%PGMAc溶液
【0359】
<感光性組成物の評価>
得られた感光性組成物1~22について、下記の評価を行った。評価結果を表3に示す。
【0360】
[保存安定性評価(1):粘度]
得られた感光性組成物を、密閉した容器に入れ40℃1週間保管し、保管前後の粘度の変化率を下記式で算出し評価した。粘度は、E型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて、25℃において回転数50rpmという条件で測定した。2以上が実用可能である。
[粘度変化率]=|([初期粘度]-[保存後粘度])/[初期粘度]|×100
3:変化率が5%未満
2:変化率が5%以上、10%未満
1:変化率が10%以上
【0361】
[保存安定性評価(2):異物]
得られた感光性組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、室温に冷却後、高圧水銀灯ランプを用い、照度30mW/cm、50mJ/cmで、紫外線を露光した。
硬化膜上の異物の数を計測し、これを初期の異物の数とした。計測は、金属顕微鏡「BX60」(オリンパスシステム社製)を用いて、倍率は500倍とし、透過にて任意の5視野で観測可能な異物の数を積算で計測した。
感光性組成物を密閉した容器に入れ40℃1週間保管し、初期の評価と同じ条件で保存後の異物の数を計測し、以下の基準で評価した。2以上が実用可能である。
3:保存後の異物の数が、初期の異物の数の120%未満
2:保存後の異物の数が、初期の異物の数の120%以上、150%未満の範囲
1:保存後の異物の数が、初期の異物の数の150%以上
【0362】
[保存安定性評価(3):感度]
得られた感光性組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、室温に冷却後、高圧水銀灯ランプを用い、フォトマスクを介して紫外線を露光した。その後、23℃の非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%とを含む水系現像液を用いてスプレー現像し、イオン交換水で洗浄して風乾し、クリーンオーブンで230℃30分間熱処理を行い、基板上にストライプ状のパターンを形成した。
形成されたパターンについて、走査線電子顕微鏡を用いて、パターンの幅を測定し、これを初期のパターン幅とした。
感光性組成物を密閉した容器に入れ40℃1週間保管し、保管後の感光性組成物を初期の評価と同じ条件で、パターンの幅を測定し、以下の基準で評価した。2以上が実用可能である。
3:保管後の感光性組成物を用いたパターン幅が、初期パターン幅の95~105%の範囲
2:保管後の感光性組成物を用いたパターン幅が、初期パターン幅の90~110%の範囲
1:保管後の感光性組成物を用いたパターン幅が、初期パターン幅の90%を下回るか、110%を超える
【0363】
[高温高湿耐性評価(1):密着性]
得られた感光性組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、この基板を室温に冷却後、高圧水銀灯ランプを用い、照度30mW/cm、50mJ/cmで露光した。さらに、この基板を室温に冷却後、23℃の非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%とを含む水系現像液を用いてスプレー現像し、イオン交換水で洗浄して風乾した。得られた基板をその後、クリーンオーブンで200℃30分間熱処理を行った。
得られた硬化膜に、カッターナイフで1mm四方の格子パターン(100マス)の切り傷を入れ、温度120℃、湿度100%の条件下に2時間保管した。保管後、透明粘着テープ(ニチバン社製CT-24)を強く圧着させ、約180℃方向に剥離した後、格子パターンの状態を観察し、剥がれた格子パターンの数を数えた。評価基準は、以下の通りであり、3以上を実用可能とする。
5:2個未満
4:2個以上、5個未満
3:5個以上、10個未満
2:10個以上、15個未満
1:15個以上
【0364】
[高温高湿耐性評価(2):分光特性]
得られた感光性組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、乾燥膜厚が2.0μmとなるように塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、この基板を冷却後、高圧水銀灯ランプを用い、照度30mW/cm、50mJ/cmで露光した。
得られた基板を、分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製U-4100)を用いて、極大吸収波長における入射角0℃での吸光度を測定し、これを初期の値とした。
その後、基板を、温度120℃、湿度85%の条件下で200時間保管した。冷却後、再度吸光度を測定し、これを保管後の値とし、下記式で残存率を求めた。評価基準は、以下の通りであり、3以上が実用可能である。
残存率=(保存後の吸光度)÷(初期の吸光度)×100
5:残存率が97%以上
4:残存率が95%以上、97%未満
3:残存率が93%以上、95%未満
2:残存率が90%以上、93%未満
1:残存率が90%未満
【0365】
【表3】
【符号の説明】
【0366】
100 赤外線センサ
110 固体撮像素子
111 赤外線カットフィルタ
112 カラーフィルタ
113 赤外線透過フィルタ
114 樹脂膜
115 マイクロレンズ
116 平坦膜
図1