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特開2023-109578主装置、プログラム、および主装置の着信転送方法
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  • 特開-主装置、プログラム、および主装置の着信転送方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109578
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】主装置、プログラム、および主装置の着信転送方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/50 20060101AFI20230801BHJP
   H04M 3/00 20060101ALI20230801BHJP
   G10L 15/10 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
H04M3/50 A
H04M3/00 Z
G10L15/10 200W
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022011152
(22)【出願日】2022-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】西村 友佑
(72)【発明者】
【氏名】山崎 盛輝
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201AA05
5K201BC06
5K201CA01
5K201DC05
5K201EC03
5K201EC09
5K201ED01
(57)【要約】
【課題】簡単な作業で代表着信を適切な電話機に転送することが可能な着信転送技術を提供する。
【解決手段】主装置1は、収容する電話機2-1~2-3毎に、電話機2-1~2-3の通話データからキーワードを抽出し、抽出したキーワードをこの電話機2-1~2-3に紐付けて登録する。そして、発信先として電話機2-1~2-3の指定を伴わない代表番号へ着信すると(代表着信)、これに自動応答して、キー操作により所望のキーワードを登録済みのキーワードのなかから選択させるための音声ガイダンスを発信元に送出する。それから、発信元がキーワードを選択したならば、自動応答した呼を保留して、この選択されたキーワードに紐付けられた電話機2-1~2-3に転送する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電話機を収容する主装置であって、
前記電話機毎に通話を録音する通話録音手段と、
前記電話機毎に、前記通話録音手段により録音された前記電話機の通話データからキーワードを抽出し、抽出したキーワードを当該電話機に紐付けて登録するキーワード登録手段と、
発信先として前記電話機の指定を伴わない代表番号へ呼が着信した場合に、当該呼に自動応答して、前記キーワード登録手段により登録されているキーワードのなかから所望のキーワードをキー操作により選択させるための音声ガイダンスを前記呼の発信元に送出する自動応答手段と、
前記自動応答手段により自動応答した前記呼の発信元から、キー操作により選択された前記所望のキーワードを示すキーワード選択指示を受け付けた場合に、当該自動応答した呼を保留して、当該キー操作により選択されたキーワードに紐付けられて前記キーワード登録手段に登録されている前記電話機に転送する保留転送手段と、を備えている
ことを特徴とする主装置。
【請求項2】
請求項1に記載の主装置であって、
前記キーワード登録手段は、
通話中の前記電話機からキーワード取得指示を受け付けた場合に、当該キーワード取得指示の受付前の所定時間内に前記通話録音手段により録音された当該電話機の通話データに含まれている所定品詞の単語をキーワードとして抽出する
ことを特徴とする主装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の主装置であって、
前記キーワード登録手段は、
前記電話機毎に、前記通話録音手段により録音された当該電話機の通話データに所定回数以上出現する所定品詞の単語をキーワードとして抽出する
ことを特徴とする主装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の主装置であって、
前記自動応答手段が自動応答した呼の発信元が予め登録された電話番号である場合に、前記キーワード登録手段により登録されているキーワードのなかから所望のキーワードをキー操作により選択させるためのガイダンス表示データを当該発信元あるいは当該発信元に紐付けられた端末に送信するガイダンス表示データ送信手段をさらに備えている
ことを特徴とする主装置。
【請求項5】
複数の電話機を収容する主装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記電話機毎に通話を録音する通話録音手段、
前記電話機毎に、前記通話録音手段により録音された前記電話機の通話データからキーワードを抽出し、抽出したキーワードを当該電話機に紐付けて登録するキーワード登録手段、
発信先として前記電話機の指定を伴わない代表番号へ呼が着信した場合に、当該呼に自動応答して、前記キーワード登録手段により登録されているキーワードのなかから所望のキーワードをキー操作により選択させるための音声ガイダンスを前記呼の発信元に送出する自動応答手段、および、
前記自動応答手段により自動応答した呼の発信元から、キー操作により選択された前記所望のキーワードを示すキーワード選択指示を受け付けた場合に、当該自動応答した呼を保留して、当該キー操作により選択されたキーワードに紐付けられて前記キーワード登録手段に登録されている前記電話機に転送する保留転送手段として、前記コンピュータを機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
複数の電話機を収容する主装置の着信転送方法であって、
前記主装置は、
前記電話機毎に、通話を録音して当該電話機の通話データからキーワードを抽出し、抽出したキーワードを当該電話機に紐付けて登録し、
発信先として前記電話機の指定を伴わない代表番号へ呼が着信した場合に、当該呼に自動応答して、登録済みのキーワードのなかから所望のキーワードをキー操作により選択させるための音声ガイダンスを前記呼の発信元に送出し、
自動応答した前記呼の発信元から、キー操作より選択された前記所望のキーワードを示すキーワード選択指示を受け付けた場合に、当該自動応答した呼を保留して、当該キー操作により選択されたキーワードに紐付けられている前記電話機に転送する
ことを特徴とする主装置の着信転送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主装置に関し、特に、主装置の着信転送技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、加入者が不在であっても加入者を捕捉することができる電話のシナリオ転送システムが開示されている。この電話のシナリオ転送システムは、複数の電話機を収容する電話交換機と、電話交換機に接続された音声応答装置と、を備え、電話交換機は、不在設定された電話機を発信先とする呼が着信すると、この呼を音声応答装置に送出する。音声応答装置は、呼に自動応答するとともに、電話交換機から発信先の電話番号を取得し、この電話番号に紐付けられた転送シナリオ情報に従って、電話交換機に、呼を複数の転送先へ順次転送させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-338881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の電話のシナリオ転送システムでは、電話交換機が収容する各電話機のユーザが不在時の転送シナリオ情報を予め作成して音声応答装置に登録しておかなければならず煩雑である。また、特許文献1に記載の電話のシナリオ転送システムは、発信先として電話機の指定を伴わない代表着信について何ら考慮していない。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な作業で代表着信を適切な電話機に転送することが可能な着信転送技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の主装置は、収容する電話機毎に、電話機の通話データからキーワードを抽出し、抽出したキーワードをこの電話機に紐付けて登録する。そして、発信先として電話機の指定を伴わない代表番号へ着信すると(代表着信)、これに自動応答して、所望のキーワードを登録済みのキーワードのなかからキー操作により選択させるための音声ガイダンスを発信元に送出する。それから、発信元がキーワードを選択したならば、自動応答した呼を保留して、この選択されたキーワードに紐付けられた電話機に転送する。
【0007】
ここで、主装置は、収容する電話機毎に通話を録音し、通話中の電話機からキーワード取得指示を受け付けた場合に、このキーワード取得指示の受付前の所定時間内の通話データに含まれている所定品詞(例えば名詞)の単語をキーワードとして抽出してもよい。および/または、収容する電話機毎に通話を録音し、通話終了後に、通話データに繰り返し出現する所定品詞(例えば名詞)の単語をキーワードとして抽出してもよい。
【0008】
例えば、本発明は、
複数の電話機を収容する主装置であって、
前記電話機毎に通話を録音する通話録音手段と、
前記電話機毎に、前記通話録音手段により録音された前記電話機の通話データからキーワードを抽出し、抽出したキーワードを当該電話機に紐付けて登録するキーワード登録手段と、
発信先として前記電話機の指定を伴わない代表番号へ呼が着信した場合に、当該呼に自動応答して、前記キーワード登録手段により登録されているキーワードのなかから所望のキーワードをキー操作により選択させるための音声ガイダンスを前記呼の発信元に送出する自動応答手段と、
前記自動応答手段により自動応答した前記呼の発信元から、キー操作により選択された前記所望のキーワードを示すキーワード選択指示を受け付けた場合に、当該自動応答した呼を保留して、当該キー操作により選択されたキーワードに紐付けられて前記キーワード登録手段に登録されている前記電話機に転送する保留転送手段と、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明において、主装置は、収容する電話機毎に、電話機の通話データからキーワードを抽出し、抽出したキーワードをこの電話機に紐付けて登録する。このため、電話機のユーザは、予め転送シナリオ情報を作成して主装置に登録する必要がない。また、主装置は、代表着信に自動応答して、発信元に登録済みのキーワードのなかから所望のキーワードを選択させ、選択されたキーワードに紐付けられている電話機に呼を転送する。したがって、本発明によれば、簡単な作業で代表着信を適切な電話機に転送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係る電話システムの概略構成図である。
図2図2は、本発明の一実施の形態に係る電話システムのキーワード登録処理の動作例を説明するためのシーケンス図である。
図3図3は、本発明の一実施の形態に係る電話システムの代表着信処理の動作例を説明するためのシーケンス図である。
図4図4は、主装置1の概略機能構成図である。
図5図5は、キーワード登録部17の登録内容例を模式的に表した図である。
図6図6は、主装置1のキーワード登録処理を説明するためのフロー図である。
図7図7は、主装置1の代表着信処理を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る電話システムの概略構成図である。
【0013】
図示するように、本実施の形態に係る電話システムは、IP(Internet Protocol)電話網、PSTN(Public Switched Telephone Network)等の外線電話網3およびLAN(Local Area Network)、アナログ回線等で構成された内線電話網4に接続された主装置1と、内線電話網4を介して主装置1に収容された複数の電話機2-1~2-3(以下、単に電話機2とも呼ぶ)と、を備えている。
【0014】
主装置1は、電話機2と連携して、電話機2と電話機2との間、あるいは電話機2と外線電話網3との間に通話路を確立し、この通話路を介して電話機2と通話相手との間の通話を中継する。また、主装置1には、発信先として電話機2の指定を伴わない電話番号としてあらかじめ定めた代表番号が割り当てられており、外線電話網3を介して代表番号へ着信した呼を適切な電話機2に転送する。
【0015】
図2は、本実施の形態に係る電話システムのキーワード登録処理の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0016】
まず、主装置1は、電話機2と外線電話網3との間に通話路を確立すると(S100)、この通話路を用いた通話の録音を開始する(S101)。
【0017】
通話中、電話機2のユーザが、自身の専門分野を表すキーワードが通話のなかに出現したときに、直ちにキーワード取得操作(例えば所定のファンクションキーの操作)を行ったものとする(S102)。これを受けて、電話機2は、主装置1にキーワード取得指示を送信する(S103)。
【0018】
主装置1は、通話中の電話機2からキーワード取得指示を受信すると、キーワード取得指示の受付時刻を登録する(S104)。
【0019】
その後、主装置1は、電話機2と外線電話網3との間で終話処理が行われて(S105)、これらの間の通話路を解放すると(S106)、この通話路を用いた通話の録音を終了して通話データを登録する(S107)。
【0020】
それから、主装置1は、通話録音中にこの通話の当事者である電話機2からキーワード取得指示を受け付けているか否かを確認する。ここでは、主装置1は、電話機2からキーワード取得指示を受け付けているので、キーワード取得指示の受付時刻前の所定時間(例えば10秒)内の通話データから所定品詞(例えば名詞)の単語を抽出して、抽出した単語をキーワードに決定する(S108)。なお、電話機2からキーワード取得指示を受け付けていない場合、主装置1は、通話データに所定回数(例えば3回)以上繰り返し出現する所定品詞(例えば名詞)の単語を抽出して、抽出した単語をキーワードに決定する。
【0021】
つぎに、主装置1は、決定したキーワードに、登録済みのキーワードが割り当てられていない電話のキー(例えばダイヤル番号)を割り当てる。そして、決定したキーワードおよびこのキーワードに割り当てた電話のキーを、このキーワードが通話データから抽出された通話の当事者である電話機2に紐付けて登録する(S109)。
【0022】
図3は、本実施の形態に係る電話システムの代表着信処理の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0023】
主装置1は、外線電話網3から、発信先として電話機2の指定を伴わない代表番号へ呼が着信すると(S120)、これに自動応答して発信元との間に通話路を確立する(S121)。その後、主装置1は、問合せ事項に関連するキーワードが割り当てられた電話のキー(例えばダイヤル番号)の操作により。問合せ事項に関連するキーワードを登録済みキーワードのなかから選択させるための音声ガイダンスを生成して、この音声ガイダンスを、通話路を介して発信元に送出する(S122)。
【0024】
つぎに、発信元のユーザが、音声ガイダンスに従い、問合せ事項に関連するキーワードが割り当てられたキーを操作すると、発信元の電話機(不図示)は、操作されたキーに応じたトーン信号を通話路に送出する。このトーン信号は、キーワード選択指示として外線電話網3から主装置1に送信される(S123)。
【0025】
主装置1は、通話路を介して発信元からキーワード選択指示を受信すると、自動応答した呼を保留する(S124)。また、発信元から受信したキーワード選択指示により特定されるキーに割り当てられたキーワードが紐付けられている電話機2を転送先に決定する(S125)。それから、主装置1は、転送先に決定された電話機2に、保留した呼を転送し(S126)、転送先の電話機2が応答したならば(S127)、転送先の電話機2と保留した呼の発信元との間に通話路を確立する(S128)。
【0026】
つぎに、本実施の形態に係る電話システムを構成する主装置1の詳細を説明する。
【0027】
なお、電話機2は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部を備えた既存のボタン電話機を利用できるので、その詳細な説明を省略する。
【0028】
図4は、主装置1の概略機能構成図である。
【0029】
図示するように、主装置1は、内線電話網インターフェース部10と、外線電話網インターフェース部11と、呼制御部12と、中継部13と、通話録音部14と、キーワード取得指示受付時刻記憶部15と、キーワード抽出部16と、キーワード登録部17と、音声ガイダンス生成部18と、を備えている。
【0030】
内線電話網インターフェース部10は、内線電話網4に接続するためのインターフェースであり、外線電話網インターフェース部11は、外線電話網3に接続するためのインターフェースである。
【0031】
呼制御部12は、電話機2と連携して呼制御処理を実施することにより、この電話機2と通話相手(他の電話機2あるいは外線電話網3)との間に通話路を確立する。また、呼制御部12は、自動応答部120と、保留転送部121と、を有する。
【0032】
自動応答部120は、発信先として電話機2の指定を伴わない代表番号へ呼が着信した場合に、この呼に自動応答して、音声ガイダンス生成部18により生成された音声ガイダンスを発信元に送出する。
【0033】
保留転送部121は、代表番号へ着信した呼に自動応答部120が自応応答することにより確立された通話路を介して発信元からキーワード選択指示を受信した場合に、この呼を保留して、このキーワード選択指示により特定されるキーワードに紐付けられてキーワード登録部17に登録されている電話機2に転送する。
【0034】
中継部13は、呼制御部12により確立された通話路を介して、電話機2と通話相手(他の電話機2あるいは外線電話網3)との通話を中継する。
【0035】
通話録音部14は、電話機2毎に、通話を時刻とともに録音する。
【0036】
キーワード取得指示受付時刻記憶部15は、通話中の電話機2からキーワード取得指示を受け付けた場合に、その受付時刻を、キーワード取得指示の送信元である電話機2に紐付けて登録する。
【0037】
キーワード抽出部16は、電話機2毎に、通話録音部14により録音されている通話データから、電話機2のユーザの専門分野を表すキーワードを抽出する。
【0038】
キーワード登録部17は、キーワード抽出部16により抽出されたキーワードに、登録済みキーワードが割り当てられていない電話のキー(例えばダイヤル番号)を割り当てるとともに、このキーワードおよびこのキーワードが割り当てられた電話のキーを、このキーワードが通話データから抽出された通話の当事者である電話機2に紐付けて登録する。
【0039】
図5は、キーワード登録部17の登録内容例を模式的に表した図である。
【0040】
図示するように、キーワード登録部17が保持するテーブルには、キーワード毎にレコード140が登録されている。レコード140は、キーワードが登録されたフィールド141と、このキーワードに紐付けられた電話機2の情報のリストが登録されたフィールド142と、このキーワードに割り当てられたキーが登録されたフィールド143と、を有する。
【0041】
音声ガイダンス生成部18は、キーワード登録部17を参照し、問合せ事項に関連するキーワードが割り当てられたキーの操作により、問合せ事項に関連するキーワードを、キーワード登録部17に登録されたキーワードのなかから選択させるための音声ガイダンスを生成する。
【0042】
なお、図4に示す主装置1の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるか、DSP(Digital Signal Processor)等の計算機によりソフトウエア的に実現される。あるいは、CPUと、メモリと、ハードディスク、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、NIC(Network Interface Card)等の通信インターフェースと、を備えたPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することによりプロセスとして実現されてもよい。
【0043】
図6は、主装置1のキーワード登録処理を説明するためのフロー図である。
【0044】
このフローは、呼制御部12が電話機2と外線電話網3との間に通話路を確立することにより開始される。
【0045】
まず、呼制御部12は、確立した通話路を通話録音部14に通知して録音開始を指示する。これを受けて、通話録音部14は、通知された通話路を介した通話を録音し、この通話路に接続されている電話機2に紐付けて、録音した通話データを時刻とともに保存する(S200)。
【0046】
それから、呼制御部12は、通話路確立中(通話中)にこの通話路に接続されている電話機2からキーワード取得指示を受け付けると(S201でYES)、このキーワード取得指示の受付時刻をこの電話機12に紐付けてキーワード取得指示受付時刻記憶部15に記憶する(S202)。
【0047】
また、呼制御部12は、通話路確立中の電話機2と外線電話網3との間で終話処理が行われると(S203でYES)、この通話路を解放するとともに、解放した通話路を通話録音部14に通知して録音終了を指示する。これを受けて、通話録音部14は、通知された通話路を介した通話の録音を終了する(S204)。
【0048】
つぎに、呼制御部12は、解放した通話路に接続されている電話機2を処理対象電話機2としてキーワード抽出部16に通知してキーワードの抽出を指示する。これを受けて、キーワード抽出部16は、処理対象電話機2に紐付けられて時刻とともに保存された最新の通話データを通話録音部14から取得して、この通話データの録音中(通話中)に、処理対象電話機2からキーワード取得指示を受け付けたか否か、つまり、キーワード取得指示受付時刻記憶部15にキーワード取得指示の受付時刻が処理対象電話機2に紐付けられて記憶されているか否かを判断する(S205)。
【0049】
ここで、処理対象電話機2から通話データの録音中にキーワード取得指示を受け付けた場合(キーワード取得指示の受付時刻が処理対象電話機2に紐付けられてキーワード取得指示受付時刻記憶部15に記憶されている場合)(S205でYES)、キーワード抽出部16は、この通話データからキーワード取得指示の受付時刻前の所定時間内(例えば10秒以内)の通話データである部分通話データを抽出する。そして、抽出した部分通話データに音声認識処理を実施し、その認識結果に形態要素解析を実施して、この部分通話データから所定品詞(例えば名詞)の単語を抽出する(S206)。一方、処理対象電話機2から通話データの録音中にキーワード取得指示を受け付けなかった場合(キーワード取得指示の受付時刻が処理対象電話機2に紐付けられてキーワード取得指示受付時刻記憶部15に記憶されていない場合)(S205でNO)、キーワード抽出部16は、この通話データに音声認識処理を実施し、その認識結果に形態要素解析を実施して、この通話データから所定回数(例えば3回)以上繰り返して出現する所定品詞(例えば名詞)の単語を抽出する(S207)。
【0050】
その後、キーワード抽出部16は、通話データから抽出した単語をキーワードに決定し、このキーワードを処理対象電話機2とともにキーワード登録部17に通知する(S208)。これを受けて、キーワード登録部17は、処理対象電話機2を転送先の電話機2としてこのキーワードに紐付けて登録する(S209)。具体的には、キーワード登録部17は、保持するテーブルに格納されたレコード140を参照して、キーワード抽出部16から通知されたキーワードがいずれかのレコード140のフィールド141に登済みであるか否かを判断する。そして、登録済みであるならば、このキーワードが登録されたレコード140のフィールド142に、キーワード抽出部16からこのキーワードとともに通知された電話機2を追加登録する。一方、未登録であるならば、キーワード抽出部16から通知されたキーワードに、いずれのレコード140のフィールド143にも登録されていない電話のキー(例えばダイヤル番号)を割り当てるとともに、新たなレコード140を追加して、このレコード140のフィールド141~143に、キーワード抽出部16から通知されたキーワード、電話機2、およびこのキーワードに割り当てたキーを登録する。
【0051】
図7は、主装置1の代表着信処理を説明するためのフロー図である。
【0052】
このフローは、外線電話網3から、発信先として電話機2の指定を伴わない代表番号へ呼が着信することにより開始される。
【0053】
まず、自動応答部120は、代表番号へ着信した呼に自動応答する(S220)。また音声ガイダンス生成部18は、キーワード登録部17に登録されている各レコード140のキーワード(フィールド141)および割当キー(フィールド143)に基づいて、問合せ事項に関連するキーワードが割り当てられた電話のキー(例えばダイヤル番号)の操作により、問合せ事項に関連するキーワードを登録済みキーワードのなかから選択させるための音声ガイダンスを生成する。ここで、未登録のキーワードを選択するための電話のキーを予め決定しておき、未登録のキーワードを選択するためのキー操作についての説明を音声ガイダンスに含めるようにしてもよい。そして、自動応答部120は、音声ガイダンス生成部18により生成された音声ガイダンスを、自動応答により確立された通話路を介して呼の発信元に送出して(S221)、呼の発信元からキーワード選択指示が送られてくるのを待つ(S222)。
【0054】
その後、自動応答部120は、呼の発信元からキーワード選択指示を受信したならば(S222でYES)、このキーワード選択指示を保留転送部121に通知する。これを受けて、保留転送部121は、自動応答部120により通話路が確立された呼を保留するとともに(S223)、呼の発信元において選択されたキーワードに基づいて、保留した呼の転送先を決定する(S224)。具体的には、キーワード登録部17に登録されているレコード140を参照し、キーワード選択指示により特定されるキーがフィールド143に登録されているレコード140を特定する。そして、特定したレコード140のフィールド142に登録されている電話機2(電話機2が複数ある場合はそのすべて)を転送先に決定する。なお、キーワード選択指示により特定されるキーが未登録キーワードを選択するためのキーである場合、すべての電話機2あるいは総合窓口として予め定められた電話機2を転送先に決定する。
【0055】
つぎに、保留転送部121は、保留した呼を転送先に転送する(S225)。そして、転送先から応答を受信したならば(S226でYES)、呼の保留を解除して、呼の発信先と応答した転送先との間に通話路を確立する(S227)。
【0056】
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
【0057】
本実施の形態において、主装置1は、収容する電話機2毎に、電話機2の通話データからキーワードを抽出し、抽出したキーワードをこの電話機2に紐付けて登録する。このため、電話機2のユーザは、予め転送シナリオ情報を作成して主装置1に登録しておく必要がない。また、主装置1は、発信先として電話機2の指定を伴わない代表番号へ着信すると(代表着信)、これに自動応答して、登録済みのキーワードのなかから所望のキーワードを発信元に選択させ、選択されたキーワードに紐付けられている電話機2に呼を転送する。したがって、本実施の形態によれば、簡単な作業で代表着信を適切な電話機2に転送することができる。
【0058】
また、本実施の形態において、主装置1は、通話録音中の電話機2からキーワード取得指示を受け付けた場合に、このキーワード取得指示の受付前の所定時間内の通話データに含まれている所定品詞の単語を抽出し、これをキーワードに決定する。したがって、電話機2のユーザは、通話中の簡単な操作により、自身が対応可能な分野等を示すキーワードを主装置1に登録することができ、利便性が向上する。
【0059】
また、本実施の形態において、主装置1は、通話録音中の電話機2からキーワード取得指示を受け付けなかった場合でも、通話データに繰り返し出現する所定品詞の単語を抽出しこれをキーワードに決定するので、電話機2のユーザは、自身が対応可能な分野等を示すキーワードを繰り返し発話することにより、通話中に特別な操作をしなくても、キーワードを主装置1に登録することができ、利便性がさらに向上する。
【0060】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0061】
例えば、上記の実施の形態において、主装置1は、代表着信の発信元の電話番号が、VPN(Virtual Private Network)により外線電話網3を介して主装置1に収容された電話機2の電話番号、あるいは、CTI(Computer Telephony Integration)等のコンピュータと統合された電話機の電話番号として予め登録されている場合、自動応答して音声ガイダンスを発信元に送出するとともに、この音声ガイダンスと同様な内容のガイダンス表示データ(ユーザに、所望のキーワードを、登録済みのキーワードのなかからキー操作により選択させるための表示データ)を発信元の電話機あるいはこの電話機に紐付けられたコンピュータに送信するようにしてもよい。なお、外線電話網3がIP網以外の場合、主装置1に、代表着信の発信元あるいはこの発信元に紐付けられたコンピュータにガイダンス表示データを送信するIP網インターフェースを設ける。ここで、代表着信の発信元に紐付けられたコンピュータにガイダンス表示データを送信する場合、IP網インターフェース経由でコンピュータからキーワード選択指示を受け付けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1:主装置 2、2-1~2-3:電話機 3:外線電話網
4:内線電話網 10:内線電話網インターフェース部
11:外線電話網インターフェース部 12:呼制御部
13:中継部 14:通話録音部 15:キーワード取得指示受付時刻記憶部
16:キーワード抽出部 17:キーワード登録部
18:音声ガイダンス生成部 120:自動応答部 121:保留転送部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7