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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109591
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】光コネクター装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/36 20060101AFI20230801BHJP
【FI】
G02B6/36 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022011182
(22)【出願日】2022-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】寺田 信介
【テーマコード(参考)】
2H036
【Fターム(参考)】
2H036QA03
2H036QA12
2H036QA49
2H036QA53
(57)【要約】
【課題】小型化が容易で、かつ、汎用部品の利用が可能であるとともに、接続作業の操作性が高い光コネクター装置を提供すること。
【解決手段】本発明の光コネクター装置は、第1光導波路を保持する第1コネクター、および、第2光導波路を保持する第2コネクター、を備え、第1光導波路と第2光導波路とを光学的に接続する光コネクター装置であって、第1コネクターは、第1光導波路の端部を保持する第1フェルールと、第1フェルールを保持し、少なくとも一部が第1磁性体で構成されている第1ハウジングと、第1フェルールに設けられるガイド部と、を有し、第2コネクターは、第2光導波路の端部を保持する第2フェルールと、第2フェルールを保持し、少なくとも一部が、第1磁性体との間で磁気的吸引力を発生する第2磁性体で構成されている第2ハウジングと、第2フェルールに設けられ、ガイド部によって位置を規制される被ガイド部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光導波路を保持する第1コネクター、および、第2光導波路を保持する第2コネクター、を備え、前記第1光導波路と前記第2光導波路とを光学的に接続する光コネクター装置であって、
前記第1コネクターは、
前記第1光導波路の端部を保持する第1フェルールと、
前記第1フェルールを保持し、少なくとも一部が第1磁性体で構成されている第1ハウジングと、
前記第1フェルールに設けられるガイド部と、
を有し、
前記第2コネクターは、
前記第2光導波路の端部を保持する第2フェルールと、
前記第2フェルールを保持し、少なくとも一部が、前記第1磁性体との間で磁気的吸引力を発生する第2磁性体で構成されている第2ハウジングと、
前記第2フェルールに設けられ、前記ガイド部によって位置を規制される被ガイド部と、
を有する特徴とする光コネクター装置。
【請求項2】
前記第1磁性体は、永久磁石であり、
前記第2磁性体は、前記永久磁石よりも残留磁束密度が低い強磁性体である請求項1に記載の光コネクター装置。
【請求項3】
前記第1ハウジングは、複数の第1部品を備えるとともに、前記第1フェルールを収容して保持する空間としての第1フェルール収容部を有し、
前記第1フェルール収容部は、複数の前記第1部品で囲まれている請求項1または2に記載の光コネクター装置。
【請求項4】
前記第1ハウジングは、前記第1フェルール収容部を介して互いに反対側に設けられ、前記第1磁性体を収容する2つの第1磁性体収容部を有する請求項3に記載の光コネクター装置。
【請求項5】
前記第1フェルール収容部は、収容された前記第1フェルールと係合することにより、前記第1フェルールの相対的な移動を規制する第1係合部を有する請求項3または4に記載の光コネクター装置。
【請求項6】
前記ガイド部は、前記第1フェルールから突出する第1ピン、または、前記第1フェルールの端面に開口する第1ピン穴であり、
前記被ガイド部は、
前記ガイド部が前記第1ピンである場合、前記第2フェルールの端面に開口し、前記第1ピンが挿入される第2ピン穴であり、
前記ガイド部が前記第1ピン穴である場合、前記第2フェルールから突出し、前記第1ピン穴に挿入される第2ピンである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光コネクター装置。
【請求項7】
前記第2ハウジングは、複数の第2部品を備えるとともに、前記第2フェルールを収容して保持する空間としての第2フェルール収容部を有し、
前記第2フェルール収容部は、複数の前記第2部品で囲まれている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光コネクター装置。
【請求項8】
前記第2フェルール収容部は、互いに同一の形状をなす2つの前記第2部品で囲まれている請求項7に記載の光コネクター装置。
【請求項9】
前記第2コネクターは、前記第2フェルール収容部を閉じる方向に付勢する付勢部材を有する請求項7または8に記載の光コネクター装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コネクター装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1光導波路と第2光導波路とを接続する光コネクター装置が開示されている。この光コネクター装置は、第1光導波路の接続部分を保持し、ガイド部材を有する第1コネクター部と、第2光導波路の接続部分を保持し、ガイド部材を挿入するためのガイド穴を有する第2コネクター部と、を備える。そして、第1コネクター部および第2コネクター部は、それぞれ、磁気的吸引力を発生する磁気的吸引力発生手段を備える。
このような光コネクター装置によれば、磁気的吸引力を利用することができるので、光導波路同士の接続を簡単に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-275464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の第1コネクター部および第2コネクター部は、それぞれ磁気的吸引力発生手段を備えている必要がある。このため、これらの部位には、汎用部品を用いることができず、光コネクター装置の高コスト化を招いている。
【0005】
一方、市販されている光コネクター装置として、MPOコネクターが知られている。MPOコネクターは、汎用のMTフェルールを装着した光導波路を着脱する機能を有している。
【0006】
ところが、MPOコネクターは、大きいため、光コネクター装置の小型化に十分対応できない。また、MPOコネクターを構成する一部の部品は、MTフェルールを光導波路に装着する前に、あらかじめ光導波路に取り付けておく必要がある。つまり、MTフェルールを装着済みの光導波路については、MPOコネクターによる接続に用いることが容易ではない。このため、接続作業の操作性が低いという課題がある。
【0007】
本発明の目的は、小型化が容易で、かつ、汎用部品の利用が可能であるとともに、接続作業の操作性が高い光コネクター装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的は、下記(1)~(9)の本発明により達成される。
(1) 第1光導波路を保持する第1コネクター、および、第2光導波路を保持する第2コネクター、を備え、前記第1光導波路と前記第2光導波路とを光学的に接続する光コネクター装置であって、
前記第1コネクターは、
前記第1光導波路の端部を保持する第1フェルールと、
前記第1フェルールを保持し、少なくとも一部が第1磁性体で構成されている第1ハウジングと、
前記第1フェルールに設けられるガイド部と、
を有し、
前記第2コネクターは、
前記第2光導波路の端部を保持する第2フェルールと、
前記第2フェルールを保持し、少なくとも一部が、前記第1磁性体との間で磁気的吸引力を発生する第2磁性体で構成されている第2ハウジングと、
前記第2フェルールに設けられ、前記ガイド部によって位置を規制される被ガイド部と、
を有する特徴とする光コネクター装置。
【0009】
(2) 前記第1磁性体は、永久磁石であり、
前記第2磁性体は、前記永久磁石よりも残留磁束密度が低い強磁性体である上記(1)に記載の光コネクター装置。
【0010】
(3) 前記第1ハウジングは、複数の第1部品を備えるとともに、前記第1フェルールを収容して保持する空間としての第1フェルール収容部を有し、
前記第1フェルール収容部は、複数の前記第1部品で囲まれている上記(1)または(2)に記載の光コネクター装置。
【0011】
(4) 前記第1ハウジングは、前記第1フェルール収容部を介して互いに反対側に設けられ、前記第1磁性体を収容する2つの第1磁性体収容部を有する上記(3)に記載の光コネクター装置。
【0012】
(5) 前記第1フェルール収容部は、収容された前記第1フェルールと係合することにより、前記第1フェルールの相対的な移動を規制する第1係合部を有する上記(3)または(4)に記載の光コネクター装置。
【0013】
(6) 前記ガイド部は、前記第1フェルールから突出する第1ピン、または、前記第1フェルールの端面に開口する第1ピン穴であり、
前記被ガイド部は、
前記ガイド部が前記第1ピンである場合、前記第2フェルールの端面に開口し、前記第1ピンが挿入される第2ピン穴であり、
前記ガイド部が前記第1ピン穴である場合、前記第2フェルールから突出し、前記第1ピン穴に挿入される第2ピンである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の光コネクター装置。
【0014】
(7) 前記第2ハウジングは、複数の第2部品を備えるとともに、前記第2フェルールを収容して保持する空間としての第2フェルール収容部を有し、
前記第2フェルール収容部は、複数の前記第2部品で囲まれている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の光コネクター装置。
【0015】
(8) 前記第2フェルール収容部は、互いに同一の形状をなす2つの前記第2部品で囲まれている上記(7)に記載の光コネクター装置。
【0016】
(9) 前記第2コネクターは、前記第2フェルール収容部を閉じる方向に付勢する付勢部材を有する上記(7)または(8)に記載の光コネクター装置。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、小型化が容易で、かつ、汎用部品の利用が可能であるとともに、接続作業の操作性が高い光コネクター装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態に係る光コネクター装置を示す斜視図である。
図2図1に示す光コネクター装置が備える第1コネクターの分解斜視図である。
図3図1に示す光コネクター装置が備える第2コネクターの分解斜視図である。
図4】第2実施形態に係る光コネクター装置が備える第2コネクターを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の光コネクター装置について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0020】
1.第1実施形態
まず、第1実施形態に係る光コネクター装置について説明する。
図1は、第1実施形態に係る光コネクター装置100を示す斜視図である。図2は、図1に示す光コネクター装置100が備える第1コネクター1の分解斜視図である。図3は、図1に示す光コネクター装置100が備える第2コネクター2の分解斜視図である。なお、図2および図3では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を設定し、矢印で示している。また、矢印の先端側を「プラス側」といい、基端側を「マイナス側」という。さらに、Z軸プラス側を「上」、Z軸マイナス側を「下」ともいうが、これらは、光コネクター装置100の使用時の姿勢を限定するものではない。
【0021】
図1に示す光コネクター装置100は、第1光導波路31を保持する第1コネクター1と、第2光導波路32を保持する第2コネクター2と、を備える。第1コネクター1および第2コネクター2は、互いに接触するように配置されることで、第1光導波路31と第2光導波路32とを光学的に接続させることができ、また、互いに離すことで、接続を解除することができる。つまり、光コネクター装置100は、第1光導波路31と第2光導波路32との接続状態、および、この接続状態を解除した非接続状態を切り替えることができる。なお、図1では、非接続状態にある光コネクター装置100を図示している。
【0022】
第1コネクター1は、第1フェルール12と、第1ハウジング14と、第1ピン穴16(ガイド部)と、を有する。第2コネクター2は、第2フェルール22と、第2ハウジング24と、第2ピン27(被ガイド部)と、を有する。
【0023】
第1光導波路31は、シート状をなしており、Y軸方向に延在している。第1光導波路31は、図示しない複数のコア部を内部に有している。各コア部は、例えば図2のY軸方向に延在する線状をなしており、光を伝送する機能を有する。また、各コア部は、図2のX軸方向に並んでいる。各コア部のY軸マイナス側の端部は、第1光導波路31の端面311に露出している。各コア部のY軸プラス側の端部は、図1に示す発光素子41または受光素子42と光学的に接続されている。
【0024】
第2光導波路32は、シート状をなしており、Y軸方向に延在している。第2光導波路32は、図示しない複数のコア部を内部に有している。各コア部は、例えば図3のY軸方向に延在する線状をなしており、光を伝送する機能を有する。また、各コア部は、図3のX軸方向に並んでいる。各コア部のY軸プラス側の端部は、第2光導波路32の端面321に露出している。各コア部のY軸マイナス側の端部は、図示しない光学部品、例えば、発光素子、受光素子、光ファイバー、別の光導波路等と光学的に接続されている。
以下、第1コネクター1および第2コネクター2について詳述する。
【0025】
1.1.第1コネクター
まず、第1コネクター1について説明する。第1コネクター1は、前述したように、第1フェルール12と、第1ハウジング14と、第1ピン穴16と、を有する。
【0026】
第1フェルール12は、図2に示すように、第1光導波路31のY軸マイナス側の端部に装着され、端部を保持している。図2に示す第1フェルール12は、略直方体形状をなしている。なお、第1フェルール12の形状は、これに限定されない。また、図2に示す第1フェルール12は、社団法人 日本電子回路工業会が規定するPMTフェルールの規格(JPCA-PE03-01-07S-2006)に準拠していてもよい。これにより、第1フェルール12として汎用品であるPMTフェルールを用いることができ、第1コネクター1の低コスト化および製造容易性が向上する。
【0027】
第1フェルール12は、Y軸マイナス側に位置する端面121を有する。図2に示す第1光導波路31の端面311の位置は、第1フェルール12の端面121と略同一面内に位置するように調整されている。なお、端面311は、必ずしも、端面121と同一面内に位置していなくてもよい。
【0028】
第1フェルール12には、端面121に開口するガイド部としての第1ピン穴16が設けられている。この第1ピン穴16には、図1に示す、第2コネクター2が有する被ガイド部としての第2ピン27が挿入される。これにより、第2ピン27の位置が第1ピン穴16によって規制され、第1コネクター1と第2コネクター2との位置合わせを容易に行うことができる。
【0029】
また、図2に示す第1フェルール12は、X軸方向の幅およびZ軸方向の厚さがそれぞれ部分的に大きくなっている拡幅部122と、拡幅部122よりも幅および厚さがそれぞれ小さい非拡幅部123と、を有する。
【0030】
第1ハウジング14は、第1部品としてのハウジング本体141と、別の第1部品としての蓋部材142と、を備える。
【0031】
ハウジング本体141は、上方が開口した凹部を有する。凹部の一部には、蓋部材142を嵌めるためのスペースが設けられている。凹部の一部に蓋部材142を嵌めることで、両者の間に第1フェルール収容部15が形成される。つまり、第1フェルール収容部15は、ハウジング本体141および蓋部材142で囲まれている。第1フェルール収容部15は、第1フェルール12を収容して保持する空間であり、第1フェルール収容部15に収容された第1フェルール12は、X軸方向およびZ軸方向における相対的な移動が規制される。
【0032】
蓋部材142の下面の一部は、第1フェルール収容部15に臨んでいる。蓋部材142は、図示しないネジや接着剤等により、ハウジング本体141に固定される。これにより、蓋部材142を下方に押さえつけることができ、第1フェルール収容部15に収容された第1フェルール12を押圧することができる。その結果、第1フェルール12が第1ハウジング14に固定される。なお、第1ハウジング14は、3つ以上の第1部品を備えていてもよい。
【0033】
また、ハウジング本体141が有する凹部には、基板40、発光素子41および受光素子42が収容されている。発光素子41は、基板40に搭載され、発光部が上方に向いている。これにより、発光部から出射した光を第1光導波路31に入射させることができる。受光素子42は、基板40に搭載され、受光部が上方に向いている。これにより、第1光導波路31から出射した光を受光部で受光することができる。つまり、本実施形態では、第1コネクター1が光モジュールとしての機能を有する。なお、基板40、発光素子41および受光素子42は、省略されていてもよい。
【0034】
第1フェルール収容部15に第1フェルール12が収容されたとき、第1光導波路31は、第1フェルール収容部15から基板40の上面にかけて延在する。これにより、第1光導波路31と発光素子41および受光素子42とを光学的に接続することができる。
【0035】
第1フェルール収容部15は、第1係合部144を有している。第1係合部144のX軸方向の幅は、第1フェルール12の拡幅部122に合わせて、他の部位よりも広く設定されている。また、第1係合部144のZ軸方向の厚さは、第1フェルール12の拡幅部122に合わせて、他の部位よりも厚く設定されている。このため、第1係合部144に拡幅部122を係合させると、第1係合部144から拡幅部122が外れにくくなる。これにより、Y軸方向における第1フェルール12の位置ずれが効果的に抑制される。以上のようにして、第1フェルール収容部15に収容された第1フェルール12は、全方向において相対的な移動が規制される。これにより、例えば、第2ピン27に対する第1ピン穴16の摩擦抵抗が大きい場合であって、第2ピン27を介して第1フェルール12がY軸マイナス側に引っ張られた場合でも、第1フェルール収容部15から第1フェルール12が抜け出ることを抑制することができる。
【0036】
図2に示すハウジング本体141は、2つの第1磁性体収容部145と、そこに収容されている永久磁石13(第1磁性体)と、を有する。つまり、第1ハウジング14の少なくとも一部は永久磁石13で構成されている。一方、後述する第2コネクター2が有する第2ハウジング24は、少なくとも一部が第2磁性体で構成されている。第2磁性体は、永久磁石13との間で磁気的吸引力を発生する。このため、第1コネクター1および第2コネクター2では、この磁気的吸引力を駆動力として、前述した接続状態を容易に確立し、かつ保持することができる。つまり、接続作業の操作性を高めることができる。特に、磁気的吸引力は、第1コネクター1と第2コネクター2とが物理的に離れていても発生する。このため、作業者は、厳密な位置合わせを強いられることなく、簡単に接続状態を確立することができる。
【0037】
また、永久磁石13を、第1フェルール12ではなく、第1ハウジング14に備えることで、第1フェルール12の汎用性が阻害されないという利点もある。つまり、本実施形態によれば、第1フェルール12の汎用性を確保しつつ、磁気的吸引力を利用して接続作業の操作性向上を図ることができる。
【0038】
さらに、接続状態の確立後には、永久磁石13と第2ハウジング24との間に磁気的吸着力が発生する。磁気的吸着力は、常時発生しているので、振動や衝撃等に伴う外力が加わった場合でも、接続状態を維持することに寄与する。したがって、接続状態の信頼性を高めることにも寄与できる。
【0039】
なお、磁気的吸引力および磁気的吸着力は、永久磁石13および強磁性体を備えるだけで利用できるため、接続に必要な機構の小型化、および、設計自由度を高めることにも寄与する。したがって、本実施形態に係る光コネクター装置100は、小型化が容易であるとともに、第1コネクター1や第2コネクター2の組立に求められる制約を少なくすることができる。これにより、従来のMPOコネクター等で生じていた課題を解消することができる。
【0040】
ハウジング本体141および蓋部材142の各構成材料としては、例えば、樹脂材料、セラミックス材料、金属材料、炭素材料等が挙げられる。また、これらの材料の少なくとも1種を含む複合材料であってもよい。
【0041】
第1磁性体収容部145は、ハウジング本体141のY軸マイナス側の側面に開口する円柱状をなす穴である。また、永久磁石13は、第1磁性体収容部145と同じ形状をなしている。永久磁石13としては、いかなる種類のものであってもよいが、例えば、ネオジム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石等が挙げられる。このうち、ネオジム磁石が好ましく用いられる。ネオジム磁石は、残留磁束密度が高く、かつ、比較的安価である。したがって、ネオジム磁石は、永久磁石13として有用である。なお、永久磁石13の残留磁束密度は、好ましくは500mT以上とされ、より好ましくは700mT以上とされる。一方、接続状態から非接続状態への切り替え操作を容易に行うためには、永久磁石13の残留磁束密度を1.5T以下にするのが好ましい。
【0042】
なお、ハウジング本体141が有する第1磁性体収容部145の個数は、特に限定されず、1つであっても、3つ以上であってもよい。
【0043】
また、ハウジング本体141における第1磁性体収容部145の配置は、特に限定されないが、本実施形態では、第1フェルール収容部15を介して互いに反対側に第1磁性体収容部145が設けられている。つまり、2つの第1磁性体収容部145は、X軸方向において第1フェルール収容部15を挟む位置に設けられている。これにより、第1コネクター1に対する第2コネクター2の角度ずれが減少する。また、第1フェルール収容部15と干渉しない位置に第1磁性体収容部145を設けることにより、第1磁性体収容部145の容積を十分に確保することができる。これにより、十分な大きさの永久磁石13を第1磁性体収容部145に収容することができるので、第1コネクター1と第2コネクター2との間に大きな磁気的吸引力を発生させることができる。その結果、接続作業の操作性をより高めることができる。
【0044】
1.2.第2コネクター
次に、第2コネクター2について説明する。第2コネクター2は、前述したように、第2フェルール22と、第2ハウジング24と、第2ピン27と、を有する。
【0045】
第2フェルール22は、図3に示すように、第2光導波路32のY軸プラス側の端部に装着され、端部を保持している。図3に示す第2フェルール22は、略直方体形状をなしている。なお、第2フェルール22の形状は、これに限定されない。また、図3に示す第2フェルール22は、社団法人 日本電子回路工業会が規定するPMTフェルールの規格(JPCA-PE03-01-07S-2006)に準拠していてもよい。これにより、第2フェルール22として汎用品であるPMTフェルールを用いることができ、第2コネクター2の低コスト化および製造容易性が向上する。
【0046】
第2フェルール22は、Y軸プラス側に位置する端面221を有する。図3に示す第2光導波路32の端面321の位置は、第2フェルール22の端面221と略同一面内に位置するように調整されている。なお、端面321は、必ずしも、端面221と同一面内に位置していなくてもよい。
【0047】
第2フェルール22には、端面221に開口する第2ピン穴26が設けられている。この第2ピン穴26には、被ガイド部としての第2ピン27が挿入されている。第2ピン穴26に挿入された第2ピン27は、端面221から突出した状態で保持される。そして、第2ピン27のうち、突出した部分が、第1コネクター1が有する第1ピン穴16に挿入されることで、第2コネクター2に対する第1コネクター1の位置が規制される。これにより、第1コネクター1と第2コネクター2との位置合わせを容易に行うことができる。
【0048】
また、図3に示す第2フェルール22は、X軸方向の幅およびZ軸方向の厚さがそれぞれ部分的に大きくなっている拡幅部222と、拡幅部222よりも幅および厚さがそれぞれ小さい非拡幅部223と、を有する。
【0049】
第2ハウジング24は、第2部品としての下側部品241と、別の第2部品としての上側部品246と、を備える。
【0050】
下側部品241は、板状部242と、板状部242のX軸プラス側の端部に設けられ、板状部242から上方に向かって突出する柱状部243と、を備える。上側部品246は、板状部247と、板状部247のX軸マイナス側の端部に設けられ、板状部247から下方に向かって突出する柱状部248と、を備える。そして、柱状部243の上面と板状部247の下面とが重なり、かつ、柱状部248の下面と板状部242の上面とが重なるように、下側部品241と上側部品246とが組み合わされている。これにより、両者の間に第2フェルール収容部25が形成される。つまり、第2フェルール収容部25は、下側部品241および上側部品246で囲まれている。第2フェルール収容部25は、第2フェルール22を収容して保持する空間であり、第2フェルール収容部25に収容された第2フェルール22は、X軸方向およびZ軸方向における相対的な移動が規制される。
【0051】
下側部品241および上側部品246は、図示しないネジやバネ等により、互いに接近する方向に付勢されているのが好ましい。これにより、第2フェルール収容部25に収容された第2フェルール22を第2ハウジング24で押圧することができる。その結果、第2フェルール22を第2ハウジング24に対して容易に固定することができる。なお、第2ハウジング24は、3つ以上の第2部品を備えていてもよい。
【0052】
下側部品241および上側部品246は、これらのY軸方向の長さが、第2フェルール22の非拡幅部223のY軸方向の長さと等しいか、それより若干短く設定されているのが好ましい。これにより、第2フェルール22の拡幅部222を第2フェルール収容部25からはみ出させることができる。換言すれば、第2フェルール収容部25に非拡幅部223のみを収容するように、第2ハウジング24のサイズを設定することにより、拡幅部222が第2フェルール収容部25に進入するのを防止することができる。その結果、第2ハウジング24に対して第2フェルール22がY軸プラス側に移動しようとしても、それを阻止することができる。以上のようにして、第2フェルール収容部25に収容された第2フェルール22は、全方向において相対的な移動が規制される。これにより、例えば、第2ピン27に対する第1ピン穴16の摩擦抵抗が大きい場合であって、第2ピン27を介して第2フェルール22がY軸プラス側に引っ張られた場合でも、第2フェルール収容部25から第2フェルール22が抜け出ることを抑制することができる。
【0053】
なお、第2ハウジング24は、非拡幅部223のみでなく、拡幅部222も収容するよう構成されていてもよい。
【0054】
図3に示す第2ハウジング24では、下側部品241および上側部品246が、それぞれ強磁性体(第2磁性体)で構成されている。つまり、第2ハウジング24の少なくとも一部は、永久磁石13(第1磁性体)との間で磁気的吸引力を発生する強磁性体で構成されている。この強磁性体は、永久磁石13よりも残留磁束密度が高くてもよいが、低いことが好ましい。このような強磁性体では、磁極の向きによる磁気的反発力が発生しにくい。このため、第1ハウジング14と第2ハウジング24との間では、磁極の向きに縛られることなく、磁気的吸引力を得ることができる。
【0055】
強磁性体の残留磁束密度は、永久磁石13の残留磁束密度の30%以下であるのが好ましく、10%以下であるのがより好ましい。これにより、上記効果がより顕著に得られる。なお、強磁性体は、下側部品241および上側部品246のそれぞれ一部を構成していてもよい。
【0056】
また、強磁性体の比透磁率は、50以上であるのが好ましく、100以上であるのがより好ましい。これにより、接続状態を維持するために必要な、永久磁石13と第2ハウジング24を構成する強磁性体との間の磁気的吸着力を高めることができる。その結果、接続状態を良好に維持することができる。一方、接続状態から非接続状態への切り替え操作を容易に行うためには、強磁性体の比透磁率が50000以下であるのが好ましく、10000以下であるのがより好ましい。これにより、磁気的吸着力が必要以上に大きくなるのを抑制することができる。
【0057】
第2ハウジング24に用いられる強磁性体としては、例えば、オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、炭素鋼のようなFe基合金、Ni基合金、Co基合金等が挙げられる。
【0058】
なお、第2ハウジング24の全体が強磁性体で構成されている以外に、一部のみが強磁性体で構成されていてもよい。この場合、第2ハウジング24のうち、少なくとも、接続状態において永久磁石13と対向する部分を強磁性体で構成するのが好ましい。なお、その場合、永久磁石13と強磁性体との間に、任意の部材が介在していてもよい。
【0059】
また、図3に示す第2ハウジング24では、下側部品241および上側部品246が互いに同一の形状をなしている。この場合、下側部品241および上側部品246の区別なく、1種類の第2部品を製造すればよいので、製造効率を高めやすい。このため、第2ハウジング24の調達コストを下げることができる。
【0060】
また、図3に示す下側部品241および上側部品246は、前述した板状部242、247と、柱状部243、248と、を備えている。このような形状であれば、第2フェルール収容部25を挟んだ両側に柱状部243、248が配置されることになる。つまり、接続状態において2つの永久磁石13と対向する位置に、柱状部243、248が配置されることになる。これにより、永久磁石13と正対できる強磁性体の面積を広く確保することができ、より大きな磁気的吸引力および磁気的吸着力を得ることができる。
【0061】
なお、図3では、第1コネクター1がガイド部である第1ピン穴16を有し、第2コネクター2が被ガイド部である第2ピン27を有しているが、ガイド部および被ガイド部の構成はこれに限定されない。例えば、第1ピン穴16に図示しない第1ピンが挿入されていてもよい。つまり、第1コネクター1は、第1ハウジング14から突出する第1ピンを有していてもよい。その場合、第1ピンがガイド部となり、第2フェルール22の端面221に開口する第2ピン穴26が被ガイド部となる。
【0062】
また、ガイド部および被ガイド部の構成は、上記に限定されない。例えば、ガイド部を、第1フェルール12または第2フェルール22の外表面とし、被ガイド部を、この外表面に接触することで位置が規制される機構、例えば爪状の部材としてもよい。
【0063】
1.3.第1実施形態が奏する効果
以上のように、第1実施形態に係る光コネクター装置100は、第1光導波路31を保持する第1コネクター1、および、第2光導波路32を保持する第2コネクター2を備え、第1光導波路31と第2光導波路32とを光学的に接続する。
【0064】
第1コネクター1は、第1フェルール12と、第1ハウジング14と、第1ピン穴16(ガイド部)と、を有する。第1フェルール12は、第1光導波路31の端部を保持する。第1ハウジング14は、第1フェルール12を保持し、少なくとも一部が永久磁石13(第1磁性体)で構成されている。第1ピン穴16は、第1フェルール12に設けられている。
【0065】
第2コネクター2は、第2フェルール22と、第2ハウジング24と、第2ピン27(被ガイド部)と、を有する。第2フェルール22は、第2光導波路32の端部を保持する。第2ハウジング24は、第2フェルール22を保持し、少なくとも一部が、永久磁石13との間で磁気的吸引力を発生する第2磁性体で構成されている。第2ピン27は、第1ピン穴16によって位置を規制される。
【0066】
このような構成によれば、磁気的吸引力を利用して接続作業を行うことができるため、接続作業の操作性が高い光コネクター装置100を実現することができる。また、磁気的吸引力の発生に必要な機構、例えば永久磁石13や強磁性体等は小さくて済むため、光コネクター装置100の小型化を容易に図ることができる。さらに、第1フェルール12および第2フェルール22には、磁気的吸引力の発生に必要な機構を配置しないため、汎用部品を利用できる。これにより、光コネクター装置100の低コスト化を図ることができる。
【0067】
また、本実施形態では、第1磁性体が永久磁石13であり、第2磁性体が永久磁石13よりも残留磁束密度が低い強磁性体である。これにより、永久磁石13と第2ハウジング24との間では、磁極の向きによる磁気的反発力が発生しにくい。このため、第1ハウジング14と第2ハウジング24との間では、磁極の向きに縛られることなく、磁気的吸引力を得ることができる。なお、第1磁性体の構成および第2磁性体の構成は、互いに反対であってもよい。つまり、第1磁性体が前述した強磁性体であり、第2磁性体が永久磁石であってもよい。また、磁極の向きを最適化できるのであれば、第1磁性体および第2磁性体の双方が永久磁石であってもよい。
【0068】
また、本実施形態では、第1ハウジング14が、複数の第1部品として、ハウジング本体141および蓋部材142を備える。さらに、第1ハウジング14は、第1フェルール12を収容して保持する空間としての第1フェルール収容部15を有する。第1フェルール収容部15は、ハウジング本体141および蓋部材142で囲まれている。
【0069】
このような構成によれば、第1フェルール収容部15に第1フェルール12を収容した後でも、取り出し操作が容易になる。また、複数の第1部品によって第1フェルール12に圧力を加えることができる。これにより、第1ハウジング14に対する第1フェルール12の位置ずれを抑制することができる。
【0070】
さらに、第1フェルール収容部15がハウジング本体141および蓋部材142で囲まれているため、従来のMPOコネクターが抱える課題を解決することができる。具体的には、MPOコネクターを構成する一部の部品は、フェルールを光導波路に装着する前に、あらかじめ光導波路に取り付けておく必要があった。これに対し、光コネクター装置100では、第1フェルール収容部15が上記のように構成されているため、第1フェルール12を第1光導波路31に取り付けた後に、第1フェルール12に対して第1ハウジング14を装着することができる。つまり、第1フェルール12のみを第1光導波路31に取り付けた状態で保管、流通させることができる。これにより、光コネクター装置100の製造にあたって工程順序に余計な制約が発生しないため、光コネクター装置100の製造が容易になる。
【0071】
また、第1ハウジング14は、第1フェルール収容部15を介して互いに反対側に設けられる2つの第1磁性体収容部145を有する。第1磁性体収容部145は、第1磁性体である永久磁石13を収容する。
【0072】
このような構成によれば、第1コネクター1に対する第2コネクター2の角度ずれが減少する。また、第1フェルール収容部15と干渉しない位置に第1磁性体収容部145を設けることになるため、第1磁性体収容部145の容積を十分に確保することができる。これにより、十分な大きさの永久磁石13を第1磁性体収容部145に収容することができるので、第1コネクター1と第2コネクター2との間に大きな磁気的吸引力を発生させることができる。
【0073】
また、第1フェルール収容部15は、第1係合部144を有する。第1係合部144は、収容された第1フェルール12と係合するとともに、第1フェルール12の相対的な移動を規制する。
【0074】
このような構成によれば、係合を利用することで、第1ハウジング14に対する第1フェルール12の位置ずれを特に効果的に抑制することができる。
【0075】
また、第1コネクター1が有するガイド部は、本実施形態では、第1フェルール12の端面121に開口する第1ピン穴16であるが、第1フェルール12から突出する図示しない第1ピンであってもよい。ガイド部が第1ピンである場合、第2コネクター2が有する被ガイド部は、第2フェルール22の端面221に開口し、第1ピンが挿入される第2ピン穴である。ガイド部が第1ピン穴16である場合、被ガイド部は、第2フェルール22から突出し、第1ピン穴16に挿入される第2ピン27である。
【0076】
このような構成によれば、第1コネクター1と第2コネクター2とを接続する操作を行うだけで、第1コネクター1と第2コネクター2との位置合わせを行うことができる。これにより、位置合わせの効率をより高めることができる。また、第1ピンと第2ピン穴との摩擦抵抗、または、第1ピン穴16と第2ピン27との摩擦抵抗を利用することで、接続状態が解除されにくくなる。
【0077】
また、第2ハウジング24は、複数の第2部品として、下側部品241および上側部品246を備える。さらに、第2ハウジング24は、第2フェルール22を収容して保持する空間としての第2フェルール収容部25を有する。第2フェルール収容部25は、下側部品241および上側部品246で囲まれている。
【0078】
このような構成によれば、第2フェルール収容部25に第2フェルール22を収容した後でも、取り出し操作が容易になる。また、複数の第2部品によって第2フェルール22に圧力を加えることができる。これにより、第2ハウジング24に対する第2フェルール22の位置ずれを抑制することができる。さらに、第2ハウジング24によっても、従来のMPOコネクターが抱える課題を解決することができる。
【0079】
また、本実施形態では、2つの第2部品である下側部品241および上側部品246が互いに同一の形状をなしている。この場合、下側部品241および上側部品246の区別なく、1種類の第2部品を製造すればよいので、製造効率を高めやすい。このため、第2ハウジング24の調達コストを下げることができる。
【0080】
2.第2実施形態
次に、第2実施形態に係る光コネクター装置について説明する。
図4は、第2実施形態に係る光コネクター装置100が備える第2コネクター2を示す図である。なお、図4では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を設定し、矢印で示している。また、矢印の先端側を「プラス側」といい、基端側を「マイナス側」という。さらに、Z軸プラス側を「上」、Z軸マイナス側を「下」ともいうが、これらは、光コネクター装置100の使用時の姿勢を限定するものではない。
【0081】
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図4において、第1実施形態と同様の構成については、先に説明したのと同じ符号を付している。
【0082】
図4に示す第2コネクター2Aは、第2フェルール22と、第2ハウジング24Aと、バネ28と、を有する。
【0083】
第2ハウジング24Aは、第2部品としての下側部品241Aと、別の第2部品としての上側部品246Aと、を備える。下側部品241Aと上側部品246Aとの間に第2フェルール収容部25Aが形成されている。つまり、第2フェルール収容部25Aは、下側部品241Aおよび上側部品246Aで囲まれている。第2フェルール収容部25Aは、第2フェルール収容部25と同様、第2フェルール22を収容して保持する空間である。
【0084】
下側部品241Aおよび上側部品246Aは、互いに同一の回動軸249に接続され、Y軸と平行に延在する回動軸249まわりに回動するようになっている。このように回動可能になっていることにより、第2フェルール収容部25Aを開いたり、閉じたりする操作を容易に行うことができる。例えば、下側部品241AのX軸マイナス側の端部、および、上側部品246AのX軸マイナス側の端部を、作業者が手指でつまんで、バネ28の付勢力を上回る力で互いに近づけると、第2フェルール収容部25Aを開くことができる。その後、手指によって加えられた力を除くと、バネ28の付勢力により、第2フェルール収容部25Aを閉じることができる。このようにして、第2フェルール収容部25Aに第2フェルール22を収容したり、取り出したりする操作を容易に行うことができる。
【0085】
上記の相違点以外、第2ハウジング24Aの構成は、前述した第2ハウジング24と同様である。
【0086】
バネ28は、第2フェルール収容部25Aを閉じる方向に付勢する付勢部材である。第2コネクター2Aは、このようなバネ28を有する。これにより、第2フェルール収容部25Aに収容された第2フェルール22を第2ハウジング24Aで押圧することができる。その結果、第2フェルール22を第2ハウジング24Aに対して容易に固定することができる。
【0087】
図4に示すバネ28は、下側部品241Aと上側部品246Aとの間に設けられたリングバネである。バネ28の一方の端部は、下側部品241Aに接続され、他方の端部は、上側部品246Aに接続されている。バネ28は、下側部品241Aと上側部品246Aとの距離を広げるように付勢する。これにより、回動軸249を挟んでバネ28とは反対側に位置する第2フェルール収容部25Aでは、閉じる方向の付勢力が得られることになる。
【0088】
なお、バネ28は、リングバネに限定されず、他の形状をなすバネであってもよいし、ゴムやエラストマー等で代替されていてもよい。また、第2ハウジング24Aは、3つ以上の第2部品を備えていてもよい。
以上のような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0089】
以上、本発明の光コネクター装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、本発明の光コネクター装置は、前記実施形態の各部が同様の機能を有する任意の構成のものに置換されたものであってもよく、前記実施形態に任意の構成物が付加されたものであってもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 第1コネクター
2 第2コネクター
2A 第2コネクター
12 第1フェルール
13 永久磁石
14 第1ハウジング
15 第1フェルール収容部
16 第1ピン穴
22 第2フェルール
24 第2ハウジング
24A 第2ハウジング
25 第2フェルール収容部
25A 第2フェルール収容部
26 第2ピン穴
27 第2ピン
28 バネ
31 第1光導波路
32 第2光導波路
40 基板
41 発光素子
42 受光素子
100 光コネクター装置
121 端面
122 拡幅部
123 非拡幅部
141 ハウジング本体
142 蓋部材
144 第1係合部
145 第1磁性体収容部
221 端面
222 拡幅部
223 非拡幅部
241 下側部品
241A 下側部品
242 板状部
243 柱状部
246 上側部品
246A 上側部品
247 板状部
248 柱状部
249 回動軸
311 端面
321 端面
図1
図2
図3
図4