(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109668
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】異形管冷却及び放熱システム
(51)【国際特許分類】
H01L 23/473 20060101AFI20230801BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H05K7/20 S
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092986
(22)【出願日】2022-06-08
(31)【優先権主張番号】111103673
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】111201139
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】522228492
【氏名又は名称】魏 均倚
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】魏 均倚
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA07
5E322BB02
5E322EA11
5E322FA04
5F136BA04
5F136CA01
5F136CB06
5F136FA02
5F136GA11
(57)【要約】
【課題】異形管冷却及び放熱システムを提供する。
【解決手段】本システムは、冷却モジュールと、放熱モジュールと、管路システムとを備える。冷却モジュールは、冷却チップと、液冷管と、冷却フィンと、第1ファンとを有し、冷気を生成するために用いられる。放熱モジュールは、放熱ラジエータと、第2ファンとを有し、放熱ラジエータは、複数の放熱管を含み、管路システムを通過して冷却モジュールの熱を液体を媒体として放熱ラジエータに輸送してから、液体中の熱を排出することで、液体を再循環させて冷却モジュールに還流させる。液冷管と放熱管は、アルミニウム合金押出成形の扁形管体であり、放熱面積を向上させるために用いられ、その管内部は、複数本の流路に画成されており、液冷管と放熱管の両端には、それぞれフローガイドスリーブ部材が結合されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも冷却チップと、液冷管と、冷却フィンと、第1ファンとを有する冷却モジュールと、放熱ラジエータと、第2ファンとを有する放熱モジュールと、前記冷却モジュールの前記液冷管と前記放熱モジュールの前記放熱ラジエータとの間に連結される管路システムとを備える異形管冷却及び放熱システムであって、
前記液冷管を前記冷却チップの熱面に貼り合わせ、前記冷却フィンを前記冷却チップの冷面に貼り合わせ、前記第1ファンは、空気が前記冷却フィンを通過するように促すことで、冷気を生成するために用いられ、
前記放熱ラジエータは、平行に配列される複数の放熱管を含み、前記第2ファンは、空気が前記放熱ラジエータの表面を通過するように促すことで、前記放熱ラジエータの熱量を排出するために用いられ、
前記放熱ラジエータ中の冷液を管路中の液体ポンプを経由して前記液冷管に送り込むようにさせ、前記冷液が前記液冷管中にて前記冷却チップの熱面と熱交換して熱液となり、前記熱液が前記放熱ラジエータ中に再還流させて放熱して前記冷液となり、
前記液冷管と前記放熱管とは、それぞれアルミニウム合金押出の直管体であり、かつ断面方向の幅がその高さよりも大きい扁形管体であり、各前記液冷管と前記放熱管との内部にその両端を直結連通する2本以上の流路が形成され、各前記流路の間に一体成形の仕切板を介在させ、
前記液冷管の両端には、それぞれ第1フローガイドスリーブ部材が結合されており、その一端または両端の前記第1フローガイドスリーブ部材には、前記液冷管の内面に対応して前記液冷管の2本の流路に連通される第1還流凹溝が凹設され、前記液冷管の流路は、前記第1還流凹溝を経由して迂回流通させる構造に形成され、前記第1フローガイドスリーブ部材には、また、第1入液管と、第1出液管とが設けられ、前記第1入液管と前記第1出液管とは、それぞれ前記管路システムに連結され、
複数の前記放熱管同士は、互いに所定距離を隔てて平行に配列され、各前記放熱管の両端には、それぞれ第2フローガイドスリーブ部材が結合されており、その一端または両端の前記第2フローガイドスリーブ部材には、前記放熱管の内面に対応して前記放熱管の2本の流路に連通される第2還流凹溝が凹設され、前記放熱管の流路は、前記第2還流凹溝を経由して迂回流通させる構造に形成されると共に、選定の前記第2フローガイドスリーブ部材には、第2入液管と、第2出液管とが設けられ、前記第2入液管と前記第2出液管とは、それぞれ前記管路システムに連結されることを特徴とする、異形管冷却及び放熱システム。
【請求項2】
前記液冷管は、3本の流路と、2枚の仕切板とを含み、前記第1フローガイドスリーブ部材の前記第1還流凹溝は、前記液冷管の3本の流路のうちの2本の流路を含む間に連通されることを特徴とする、請求項1に記載の異形管冷却及び放熱システム。
【請求項3】
前記放熱管は、3本の流路と、2枚の仕切板とを含み、及び前記第2フローガイドスリーブ部材の前記第2還流凹溝は、前記放熱管の3本の流路のうちの2本の流路を含む間に連通されることを特徴とする、請求項1に記載の異形管冷却及び放熱システム。
【請求項4】
前記第2フローガイドスリーブ部材の上下一面に前記第2還流凹溝または流路に連通される連結管が設けられ、前記放熱ラジエータの平行に配列される複数の前記放熱管の両端の前記第2フローガイドスリーブ部材を、前記連結管を通じて一体に連結してなることを特徴とする、請求項1または請求項3に記載の異形管冷却及び放熱システム。
【請求項5】
前記管路システムに連結される貯液タンクをさらに備え、前記貯液タンク内に前記冷液を貯蔵することを特徴とする、請求項1に記載の異形管冷却及び放熱システム。
【請求項6】
前記管路システム中に連結される減圧弁をさらに備え、前記減圧弁は、膨張または収縮可能な球体を有し、過高圧の前記冷液を前記減圧弁の前記球体へ流れるようにさせることを特徴とする、請求項5に記載の異形管冷却及び放熱システム。
【請求項7】
前記液冷管の一面を、グラファイト熱伝導シートまたは複数個のクランプを介して前記冷却チップの熱面に貼り合わせることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の異形管冷却及び放熱システム。
【請求項8】
前記冷却フィンの一面には、複数個の前記冷却チップが同時に並列設置され、各前記冷却チップの熱面を前記液冷管の一面に共通に貼り合わせることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の異形管冷却及び放熱システム。
【請求項9】
前記冷却フィンの一面を、グラファイト熱伝導シートを介して前記冷却チップの冷面に貼り合わせることを特徴とする、請求項8に記載の異形管冷却及び放熱システム。
【請求項10】
前記冷却モジュールの下方に水受け皿が設けられ、前記管路システムに連通される前記水受け皿は、前記冷却モジュールに凝縮した水滴を受け止めることを特徴とする、請求項1に記載の異形管冷却及び放熱システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却システムの技術分野に係り、特に、冷却または放熱を必要とする製品中に応用される異形管冷却及び放熱システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、多くの産業上では、冷却システムを使用する必要があり、而して従来の冷却システムにおいては、冷媒を採用する技術が多く見受けられる。蒸発器、凝縮器、圧縮機及び管路システムを併せて連結することにより、冷媒を蒸発器中に液体状態から気体状態に遷移させ、その過程で吸熱作用が働き、低温の冷気を生成するために用いられ、気体状態の冷媒を凝縮器に輸送した後、それから液体状態に転移し、その過程で物質から熱量を放出し、冷媒冷却技術を採用するシステムは多岐にわたるものの、いずれも上述の原理から逸脱することはない。
【0003】
1821年に物理学者トーマス・ヨハン・ゼーベックが熱電効果を発見した以降、材料科学技術についての鋭意研究を続けた。半導体材料を応用して作成された冷却チップは、非常に良い冷却効率が既に達成され、産業上広汎な応用に十分に足りるものであり、人々が冷媒への依存度を減らし、より環境保全に配慮した方式で必要な寒冷を得ることを可能としている。既に冷却チップの設計を採用して構成されたいくつかの冷却システムが存在し、しかしながら、その放熱に用いる技術は完全無欠とは言えず、従来の凝縮器の銅管と銅管の外表面での放熱フィンに依存する技術は必要不可欠となってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の凝縮器としては、通常、円形銅管を採用し、その断面形状が円形であるため、等周定理に基づき、幾何学形状中において円形の周長が最短となり、同じ理由で熱伝導及び熱交換を行える円周面も最小となり、かつ受風面積も円周面の半分しかなく、風下面は受風しないので、熱交換効率に制限がかかる。従来の円形銅管の熱交換効率を向上させるために、銅管外に数多くの放熱フィンを結合しなければならない。しかし、放熱フィンの増設には製造工程及びコストが必ず増加してしまい、その純粋な空気による熱交換に変化を生ぜしめずに、効率が不十分となる問題につながることになる。
【0005】
そのほか、従来の円形銅管の両端とその他の銅管とが周回の循環流路になるように連通される場合、短い一部分の銅管を使用してまず半環状の連結管に曲成する必要がある。そして上述の円形銅管の両端の直径を拡径してから、半環状の連結管の端部を円形銅管の端部に挿入し、円形銅管の端部と連結管に対して溶接を施す。従ってその製作の工芸作業はかなり煩瑣なものとなっている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した従来の技術的課題を解決するために、本発明が提供する異形管冷却及び放熱システムは、冷却モジュールと、放熱モジュールと、管路システムとを備える。前記冷却モジュールは、冷却チップと、液冷管と、冷却フィンと、第1ファンとを有し、冷気を生成するために用いられる。前記放熱モジュールは、放熱ラジエータと、第2ファンとを有し、前記放熱ラジエータは、複数の放熱管を含み、管路システムを通過して前記冷却モジュールの熱を液体を媒体として前記放熱ラジエータに輸送してから、液体中の熱を排出することで、液体を再循環させて前記冷却モジュールに還流させる。特に、前記液冷管と前記放熱管は、アルミニウム合金押出成形の扁形管体であり、放熱面積を向上させるために用いられるため、放熱フィンの取り付けを不要にできる。前記液冷管と前記放熱管の管内部は、複数本の流路に画成されており、液体を複数本の流路に循環流通させる。前記液冷管と前記放熱管の両端には、それぞれフローガイドスリーブ部材が結合されており、前記フローガイドスリーブ部材は、前記管路システムとの連結のために用いられてもよく、複数の前記放熱管を循環放熱流路になるように縦続連結させるために用いられてもよい。
【発明の効果】
【0007】
(一)冷却モジュールの液冷管と放熱ラジエータの放熱管の構造設計によれば、アルミニウム製の押出成形管を液冷管と放熱管として採用することも可能である。
(二)液冷管と放熱管中の多流路構造によれば、液体を扁平形状の流路中に循環流通させることが可能となり、液体の流動する経路を大幅に増加させることができると同時に、扁平形状の管体周壁によって熱交換の面積を増やすことができ、その他のフィンの追加取付けを必要とせずに、良好な熱交換効果を奏することが可能となる。
(三)本発明のフローガイドスリーブ部材は、プラスチック構成部材であってもよく、より迅速で便利に液冷管と放熱管とをそれぞれフローガイドスリーブ部材と一体に組み合わせる構成とする。フローガイドスリーブ部材の還流凹溝構造によれば、液冷管と放熱管の内部の複数本の流路は一続きに連通されており、液体の流通する経路を延長させることとなり、液体を放熱ラジエータに迂回流通させる効果を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の異形管冷却及び放熱システムのシステム概略図である。
【
図2】本発明の冷却モジュールの実施例を示す斜視図である。
【
図3】本発明の冷却モジュールの実施例を示す分解斜視図である。
【
図4】本発明の1つの冷却モジュールにおける1個の冷却チップの実施例を示す正面図である。
【
図5】本発明の1つの冷却モジュールにおける複数個の冷却チップの実施例を示す正面図である。
【
図6】本発明の液冷管の実施例を示す断面図である。
【
図7】本発明の液冷管の実施例を示す分解斜視図である。
【
図8】本発明の放熱ラジエータの実施例を示す斜視図である。
【
図9】本発明の放熱ラジエータの実施例を示す正面図である。
【
図10】本発明の放熱管の実施例の一部分を拡大して示す斜視図である。
【
図11】本発明の放熱管内の熱液の流通方向を示す断面図である。
【
図12】本発明の別の放熱管内の熱液の流通方向を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に示すように、本発明の異形管冷却及び放熱システムは、冷却チップ10を通じて所要の冷気を生成したのち、不要な廃熱を除去するものであり、その具体的実施例は、1個または1個以上の冷却モジュールA1と、放熱モジュールB2と、管路システムC3とを備える。その内、
図1から
図4に示すように、冷却モジュールA1は、少なくとも冷却チップ10と、液冷管20と、冷却フィン30と、第1ファン40とを有する。冷却チップ10は、直流電流により冷却及び温度制御を自由に行える半導体の一種であり、それは現有の製品で、その一面が冷面11であり、他面が熱面12となる。現有技術により、冷却チップ10の通電時に、その冷面11で吸熱作用を生じる一方、熱面12で放熱作用を生じるようにし、その冷面11と熱面12との温度差が58℃に達する。液冷管20を、グラファイト熱伝導シートまたは複数個のクランプ33を介して冷却チップ10の熱面12に貼り合わせ、それによって冷液を液冷管20内に入力して、冷却チップ10の熱面12と熱交換を行うために用いられ、冷液を熱液に転換させて流出させてから、熱面12から放出する熱量を取り除く。冷却フィン30は、アルミニウム合金より作製する放熱フィン構形であり、その平坦面32を、グラファイト熱伝導シートまたは複数個のクランプ33を介して冷却チップ10の冷面11に貼り合わせ、他面には、多数個のフィン31を有する。第1ファン40は、ラジアルファンであることが好ましく、モータ(未図示)を介して連動して、空気が冷却フィン30を通過するように促すことで、冷空気を生成する(吹き出す)。また、第1ファン40としては、アキシャルファンを採用してもよく、同様の効果が達成される。そのほか、
図5を参照すると、冷却フィン30の一面に同時に多数個の冷却チップ10を並列設置することもでき、各冷却チップ10の熱面12は、1個の液冷管20を共用している。
【0010】
放熱モジュールB2は、主に放熱ラジエータ50と、第2ファン60とを有するように実施され、放熱ラジエータ50は、上述した液冷管20から流出する熱液を迂回流通させるために供され、上述した熱液中の熱量を排出するために用いられる。第2ファン60は、アキシャルファンあることが好ましく、それが放熱ラジエータ50の一面に設置され、空気が放熱ラジエータ50の表面を通過するように促すことで、冷空気を放熱ラジエータ50と熱交換を行わせ、放熱ラジエータ50及び熱液の熱量を排出するために用いられる。
【0011】
管路システムC3は、上述の冷液と熱液とを冷却モジュールA1と放熱モジュールB2とに循環流通させるために用いられる管路であり、それが冷却モジュールA1の液冷管20と放熱モジュールB2の放熱ラジエータ50との間に連結され、放熱ラジエータ50中の冷液を管路中の液体ポンプ70を経由して液冷管20に送り込み、冷液が液冷管20中にて冷却チップ10の熱面12と熱交換して熱液となり、熱液が放熱ラジエータ50中に再還流させて放熱して冷液となる。具体的に言えば、管路システムC3は、冷液を放熱ラジエータ50から液冷管20に流入させる第1管路71と、熱液を液冷管20から放熱ラジエータ50に還流させる第2管路72とを含む。その内、第1管路71には、液体ポンプ70が設置され、第2管路72中には、貯液タンク80が設置され、貯液タンク80中にシステム所要の液体を貯蔵する。また、第2管路72中には、減圧弁90を有するように実施され、管路システムC3中の高すぎる圧力を低減するために用いられる。
【0012】
図2、
図3、
図6及び
図7を参照すると、本発明の主要な特徴の一つとしては、上述した液冷管20は、アルミニウム合金押出の直管体であり、かつ断面方向の幅がその高さよりも大きい扁形管体であり、液冷管20の内部にその両端を直結連通する3本の流路21a、21b、21cが形成され、各流路21a、21b、21cの間に一体成形の仕切板22を介在させることである。液冷管20の両端には、それぞれ第1フローガイドスリーブ部材23が結合されており、その一端または両端の第1フローガイドスリーブ部材23には、液冷管20の内面に対応して2本の流路の間に連通される第1還流凹溝231が凹設され、液冷管20の流路21a、21b、21cは、第1還流凹溝231を経由して迂回流通させる構造に形成され(
図6参照)、液体の流通及び熱交換の時間を延長することができる。第1フローガイドスリーブ部材23には、それぞれ第1入液管24と、第1出液管25とが設けられ、第1入液管24と第1出液管25とは、それぞれ上述した管路システムC3に連結されるために用いられる。
【0013】
図8、
図9及び
図10を参照すると、本発明の他の特徴としては、上述した放熱ラジエータ50は、複数の放熱管51と、複数の放熱管51の両端に結合されている第2フローガイドスリーブ部材52とを含むことである。複数の放熱管51同士は、互いに所定距離を隔てて平行に配列され、各放熱管51は、アルミニウム合金押出の直管体であり、各直管体は、断面方向の幅がその高さよりも大きい扁形管体であり、その内部にその両端を直結連通する3本の流路511a、511b、511cが形成され、各流路511a、511b、511cの間に一体成形の仕切板512を介在させる。
図11及び
図12に示すように、第2フローガイドスリーブ部材52には、放熱管51の2本の流路に対応して少なくとも1つの第2還流凹溝521が凹設され、かつそのうちの一つの第2フローガイドスリーブ部材52には、第2入液管53と、第2出液管54とが設けられる(
図8参照)。第2入液管53と第2出液管54とは、それぞれ選定の第2還流凹溝521に連通され、それらの他端は、管路システムC3の第1管路71と第2管路72とに連結される。これにより、放熱管51の両端をそれぞれ第2還流凹溝521に密閉結合させ、第2還流凹溝521を放熱管51の2本の流路の間に連通させ、熱液を放熱管51内の流路511a、511b、511c内に迂回流動させ、液体の流通及び熱交換の時間を延長することができる。
【0014】
再び
図8及び
図9に示すように、上述した第2フローガイドスリーブ部材52の上下一面に第2還流凹溝521または流路に連通される連結管55、56が設けられ、放熱ラジエータ50の平行に配列される複数の放熱管51の両端の第2フローガイドスリーブ部材52を、連結管55、56を通じて上下一体に連結してなる。これにより、熱液を一本の放熱管51中の3本の流路511a、511b、511cの間に迂回流通させた後(
図11参照)、それから、さらに連結管55、56を通過して次の一本の放熱管51中に流入させてから迂回流通させ(
図12参照)、しかる後、さらに次の次の一本の放熱管51に流入させ、このようにして複数の放熱管51を縦続連結すると、熱液の流通経路を延長させることとなり、その熱交換作用を増大させることができ、しかも管外壁に従来の放熱フィンを実施しなくても、良好な放熱効果が得られる。
【0015】
再び
図1を参照すると、上述した減圧弁90は、管路システムC3の第2管路72または第1管路71に連結され、減圧弁90の内部には、膨張または収縮可能な球体91を有するように実施され、過高圧の冷液または熱液を減圧弁90の球体91へ流れるようにさせ、圧力降下時に球体91内の液体を循環システム中に再還流させる。そのほか、冷却モジュールA1の下方に水受け皿100が設けられてもよく、水受け皿100は、冷却モジュールA1に凝縮した水滴を受け止めるために用いられ、水受け皿100は、管路システムC3に連通されてもよく、回収された水を本冷却及び放熱システムにおいて応用する。
【符号の説明】
【0016】
A1 冷却モジュール
B2 放熱モジュール
C3 管路システム
10 冷却チップ
11 冷面
12 熱面
20 液冷管
21a、21b、21c 流路
22 仕切板
23 第1フローガイドスリーブ部材
231 第1還流凹溝
24 第1入液管
25 第1出液管
30 冷却フィン
31 フィン
32 平坦面
33 クランプ
40 第1ファン
50 放熱ラジエータ
51 放熱管
511a、511b、511c 流路
512 仕切板
52 第2フローガイドスリーブ部材
521 第2還流凹溝
53 第2入液管
54 第2出液管
55、56 連結管
60 第2ファン
70 液体ポンプ
71 第1管路
72 第2管路
80 貯液タンク
90 減圧弁
91 球体
100 水受け皿