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特開2023-109685熱供給システム、熱供給管理サーバ、動作方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109685
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】熱供給システム、熱供給管理サーバ、動作方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   F24H 1/18 20220101AFI20230801BHJP
   F24H 15/296 20220101ALI20230801BHJP
   F24H 15/375 20220101ALI20230801BHJP
   F24H 15/144 20220101ALI20230801BHJP
【FI】
F24H1/18
F24H15/296
F24H15/375
F24H15/144
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166219
(22)【出願日】2022-10-17
(31)【優先権主張番号】P 2022011303
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】家田 陵平
(72)【発明者】
【氏名】畑谷 俊晴
【テーマコード(参考)】
3L122
【Fターム(参考)】
3L122AA02
3L122AA23
3L122AA54
3L122AA62
3L122AA63
3L122AA65
3L122AB22
3L122AB33
3L122BA02
3L122BA04
3L122BA12
3L122BA14
3L122BA32
3L122BB03
3L122BB12
3L122BB13
3L122BB14
3L122BB15
3L122EA42
3L122FA02
3L122FA05
3L122FA09
3L122FA12
3L122FA13
3L122FA24
3L122FA27
(57)【要約】
【課題】発電設備の供給可能電力が当初の想定よりも増加した場合に、その増加した供給可能電力を熱供給装置の蓄熱運転に利用することが可能な技術を提供する。
【解決手段】熱供給システムは、複数の熱供給装置と、再生可能エネルギーを利用して発電した電力を複数の熱供給装置に供給可能な発電設備と、熱供給管理サーバを備える。複数の熱供給装置のそれぞれは、蓄熱運転を実行可能である。熱供給管理サーバは、供給可能電力データに基づいて、複数のグループのそれぞれについて、運転許可時間帯を設定するスケジューリング処理を実行する。熱供給管理サーバは、スケジューリング処理において、設定対象グループを特定し、使用可能電力データを特定し、判定基準電力データを特定し、判定基準電力が最も高い時刻を含むように、設定対象グループの運転許可時間帯を設定し、使用可能電力データを更新する、一連の処理を繰り返し実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の熱供給装置と、再生可能エネルギーを利用して発電した電力を前記複数の熱供給装置に供給可能な発電設備と、熱供給管理サーバを備える熱供給システムであって、
前記複数の熱供給装置のそれぞれは、
熱媒を蓄える蓄熱ユニットと、
電力を利用して前記熱媒を加熱する熱源ユニットを備えており、
前記複数の熱供給装置のそれぞれは、前記熱源ユニットにより前記熱媒を加熱して、加熱された前記熱媒を前記蓄熱ユニットへ蓄える蓄熱運転を実行可能であり、
前記複数の熱供給装置のそれぞれは、複数のグループのうちの何れか1つに属しており、
前記熱供給管理サーバは、
前記発電設備から前記複数の熱供給装置へ供給可能な電力である供給可能電力の経時的変化を示す供給可能電力データを取得し、
前記供給可能電力データに基づいて、前記複数のグループのそれぞれについて、前記蓄熱運転の実行を許可する時間帯である運転許可時間帯を設定するスケジューリング処理を実行するように構成されており、
前記熱供給管理サーバは、前記スケジューリング処理において、
設定対象とするグループを設定対象グループとして特定し、
使用可能電力の経時的変化を示す使用可能電力データを特定し、
前記使用可能電力データに基づいて、判定基準電力の経時的変化を示す判定基準電力データを特定し、
前記判定基準電力が最も高い時刻を含むように、前記設定対象グループの前記運転許可時間帯を設定し、
設定された前記運転許可時間帯において、前記使用可能電力から、前記設定対象グループによる使用予定電力を減算することで、前記使用可能電力データを更新する、一連の処理を繰り返し実行するように構成されている、熱供給システム。
【請求項2】
前記熱供給管理サーバは、前記スケジューリング処理を実行した後、所定のスケジューリング完了条件を満たさない場合に、前記運転許可時間帯の時間長を短くした上で、前記スケジューリング処理を再度実行するように構成されている、請求項1の熱供給システム。
【請求項3】
前記スケジューリング完了条件が、全ての時刻において、前記使用可能電力が所定のしきい値を超えることを含む、請求項2の熱供給システム。
【請求項4】
前記複数の熱供給装置のそれぞれは、燃料を利用して前記熱媒を加熱する補助熱源機をさらに備える、請求項2の熱供給システム。
【請求項5】
前記運転許可時間帯の前記時間長の初期値が、前記複数の熱供給装置のそれぞれにおける前記蓄熱運転の最大時間長に基づいて設定される、請求項2の熱供給システム。
【請求項6】
前記判定基準電力が、所定の時間幅における前記使用可能電力の最小値として特定される、請求項1の熱供給システム。
【請求項7】
前記判定基準電力が、所定の時間幅における前記使用可能電力の平均値として特定される、請求項1の熱供給システム。
【請求項8】
前記設定対象グループが、グループ順序リストに従って特定され、
前記熱供給管理サーバは、前記グループ順序リストを、所定の期間ごとに変更するように構成されている、請求項1の熱供給システム。
【請求項9】
前記複数の熱供給装置のそれぞれは、前記複数のグループのうちで自身が属するグループを、所定の期間ごとに変更するように構成されている、請求項1の熱供給システム。
【請求項10】
前記複数の熱供給装置のそれぞれは、少なくとも1つの時間帯を含む代替タイムテーブルを保持しており、
前記複数の熱供給装置のそれぞれは、前記熱供給管理サーバとの通信が不能となった場合に、前記代替タイムテーブルの前記少なくとも1つの時間帯から選択された1つの時間帯を、自身の前記運転許可時間帯として設定するように構成されている、請求項1の熱供給システム。
【請求項11】
前記代替タイムテーブルが、複数の時間帯を含んでおり、
前記複数の熱供給装置のそれぞれは、所定の期間ごとに、前記代替タイムテーブルの前記複数の時間帯から前記運転許可時間帯として選択される時間帯を変更するように構成されている、請求項10の熱供給システム。
【請求項12】
熱供給管理サーバであって、
前記熱供給管理サーバは、複数の熱供給装置と、再生可能エネルギーを利用して発電した電力を前記複数の熱供給装置に供給可能な発電設備と、前記熱供給管理サーバを備える熱供給システムで使用され、
前記複数の熱供給装置のそれぞれは、
熱媒を蓄える蓄熱ユニットと、
電力を利用して前記熱媒を加熱する熱源ユニットを備えており、
前記複数の熱供給装置のそれぞれは、前記熱源ユニットにより前記熱媒を加熱して、加熱された前記熱媒を前記蓄熱ユニットへ蓄える蓄熱運転を実行可能であり、
前記複数の熱供給装置のそれぞれは、複数のグループのうちの何れか1つに属しており、
前記熱供給管理サーバは、
前記発電設備から前記複数の熱供給装置へ供給可能な電力である供給可能電力の経時的変化を示す供給可能電力データを取得し、
前記供給可能電力データに基づいて、前記複数のグループのそれぞれについて、前記蓄熱運転の実行を許可する時間帯である運転許可時間帯を設定するスケジューリング処理を実行するように構成されており、
前記熱供給管理サーバは、前記スケジューリング処理において、
設定対象とするグループを設定対象グループとして特定し、
使用可能電力の経時的変化を示す使用可能電力データを特定し、
前記使用可能電力データに基づいて、判定基準電力の経時的変化を示す判定基準電力データを特定し、
前記判定基準電力が最も高い時刻を含むように、前記設定対象グループの前記運転許可時間帯を設定し、
設定された前記運転許可時間帯において、前記使用可能電力から、前記設定対象グループによる使用予定電力を減算することで、前記使用可能電力データを更新する、一連の処理を繰り返し実行するように構成されている、熱供給管理サーバ。
【請求項13】
熱供給管理サーバの動作方法であって、
前記熱供給管理サーバは、複数の熱供給装置と、再生可能エネルギーを利用して発電した電力を前記複数の熱供給装置に供給可能な発電設備と、前記熱供給管理サーバを備える熱供給システムで使用され、
前記複数の熱供給装置のそれぞれは、
熱媒を蓄える蓄熱ユニットと、
電力を利用して前記熱媒を加熱する熱源ユニットを備えており、
前記複数の熱供給装置のそれぞれは、前記熱源ユニットにより前記熱媒を加熱して、加熱された前記熱媒を前記蓄熱ユニットへ蓄える蓄熱運転を実行可能であり、
前記複数の熱供給装置のそれぞれは、複数のグループのうちの何れか1つに属しており、
前記動作方法は、
前記発電設備から前記複数の熱供給装置へ供給可能な電力である供給可能電力の経時的変化を示す供給可能電力データを取得することと、
前記供給可能電力データに基づいて、前記複数のグループのそれぞれについて、前記蓄熱運転の実行を許可する時間帯である運転許可時間帯を設定するスケジューリング処理を実行することを備えており、
前記スケジューリング処理を実行することは、
設定対象とするグループを設定対象グループとして特定し、
使用可能電力の経時的変化を示す使用可能電力データを特定し、
前記使用可能電力データに基づいて、判定基準電力の経時的変化を示す判定基準電力データを特定し、
前記判定基準電力が最も高い時刻を含むように、前記設定対象グループの前記運転許可時間帯を設定し、
設定された前記運転許可時間帯において、前記使用可能電力から、前記設定対象グループによる使用予定電力を減算することで、前記使用可能電力データを更新する、一連の処理を繰り返し実行することを含む、動作方法。
【請求項14】
熱供給管理サーバのためのプログラムであって、
前記熱供給管理サーバは、複数の熱供給装置と、再生可能エネルギーを利用して発電した電力を前記複数の熱供給装置に供給可能な発電設備と、前記熱供給管理サーバを備える熱供給システムで使用され、
前記複数の熱供給装置のそれぞれは、
熱媒を蓄える蓄熱ユニットと、
電力を利用して前記熱媒を加熱する熱源ユニットを備えており、
前記複数の熱供給装置のそれぞれは、前記熱源ユニットにより前記熱媒を加熱して、加熱された前記熱媒を前記蓄熱ユニットへ蓄える蓄熱運転を実行可能であり、
前記複数の熱供給装置のそれぞれは、複数のグループのうちの何れか1つに属しており、
前記プログラムは、前記熱供給管理サーバに、
前記発電設備から前記複数の熱供給装置へ供給可能な電力である供給可能電力の経時的変化を示す供給可能電力データを取得するステップと、
前記供給可能電力データに基づいて、前記複数のグループのそれぞれについて、前記蓄熱運転の実行を許可する時間帯である運転許可時間帯を設定するスケジューリング処理を実行するステップを実行させ、
前記スケジューリング処理を実行するステップは、
設定対象とするグループを設定対象グループとして特定し、
使用可能電力の経時的変化を示す使用可能電力データを特定し、
前記使用可能電力データに基づいて、判定基準電力の経時的変化を示す判定基準電力データを特定し、
前記判定基準電力が最も高い時刻を含むように、前記設定対象グループの前記運転許可時間帯を設定し、
設定された前記運転許可時間帯において、前記使用可能電力から、前記設定対象グループによる使用予定電力を減算することで、前記使用可能電力データを更新する、一連の処理を繰り返し実行するステップを含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、熱供給システム、熱供給管理サーバ、動作方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、複数の熱供給装置と、再生可能エネルギーを利用して発電した電力を前記複数の熱供給装置に供給可能な発電設備と、熱供給管理サーバを備える熱供給システムが開示されている。前記複数の熱供給装置のそれぞれは、熱媒を蓄える蓄熱ユニットと、電力を利用して前記熱媒を加熱する熱源ユニットを備えている。前記複数の熱供給装置のそれぞれは、前記熱源ユニットにより前記熱媒を加熱して、加熱された前記熱媒を前記蓄熱ユニットへ蓄える蓄熱運転を実行可能である。前記熱供給管理サーバは、前記発電設備から前記複数の熱供給装置へ供給可能な電力である供給可能電力の経時的変化を示す供給可能電力データを取得し、前記供給可能電力データに基づいて、前記複数の熱供給装置のそれぞれについて、前記蓄熱運転を実行する時間帯である実行時間帯を設定するスケジューリング処理を実行するように構成されている。前記熱供給管理サーバは、前記スケジューリング処理において、設定対象とする熱供給装置を特定し、使用可能電力データを特定し、前記使用可能電力データに基づいて、蓄熱運転を実行可能な時間帯を特定し、前記特定された時間帯の範囲内で、前記設定対象とする熱供給装置の前記蓄熱運転の前記実行時間帯を設定し、設定された前記実行時間帯において、前記使用可能電力から、前記設定対象とする熱供給装置による使用予定電力を減算することで、前記使用可能電力データを更新する、一連の処理を繰り返し実行するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-169789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の熱供給システムでは、複数の熱供給装置の蓄熱運転の消費電力の総和が、想定している供給可能電力を上回るようなスケジューリングが行われることがない。このため、発電設備が発電する電力が当初の想定よりも増加し、供給可能電力が当初の想定よりも増加した場合に、その増加した供給可能電力を熱供給装置の蓄熱運転に利用することができない。本明細書では、発電設備の供給可能電力が当初の想定よりも増加した場合に、その増加した供給可能電力を熱供給装置の蓄熱運転に利用することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は熱供給システムを開示する。第1の態様では、熱供給システムは、複数の熱供給装置と、再生可能エネルギーを利用して発電した電力を前記複数の熱供給装置に供給可能な発電設備と、熱供給管理サーバを備えていてもよい。前記複数の熱供給装置のそれぞれは、熱媒を蓄える蓄熱ユニットと、電力を利用して前記熱媒を加熱する熱源ユニットを備えていてもよい。前記複数の熱供給装置のそれぞれは、前記熱源ユニットにより前記熱媒を加熱して、加熱された前記熱媒を前記蓄熱ユニットへ蓄える蓄熱運転を実行可能であってもよい。前記複数の熱供給装置のそれぞれは、複数のグループのうちの何れか1つに属していてもよい。前記熱供給管理サーバは、前記発電設備から前記複数の熱供給装置へ供給可能な電力である供給可能電力の経時的変化を示す供給可能電力データを取得し、前記供給可能電力データに基づいて、前記複数のグループのそれぞれについて、前記蓄熱運転の実行を許可する時間帯である運転許可時間帯を設定するスケジューリング処理を実行するように構成されていてもよい。前記熱供給管理サーバは、前記スケジューリング処理において、設定対象とするグループを設定対象グループとして特定し、使用可能電力の経時的変化を示す使用可能電力データを特定し、前記使用可能電力データに基づいて、判定基準電力の経時的変化を示す判定基準電力データを特定し、前記判定基準電力が最も高い時刻を含むように、前記設定対象グループの前記運転許可時間帯を設定し、設定された前記運転許可時間帯において、前記使用可能電力から、前記設定対象グループによる使用予定電力を減算することで、前記使用可能電力データを更新する、一連の処理を繰り返し実行するように構成されていてもよい。
【0006】
本明細書は、熱供給管理サーバも開示する。前記熱供給管理サーバは、複数の熱供給装置と、再生可能エネルギーを利用して発電した電力を前記複数の熱供給装置に供給可能な発電設備と、前記熱供給管理サーバを備える熱供給システムで使用されてもよい。前記複数の熱供給装置のそれぞれは、熱媒を蓄える蓄熱ユニットと、電力を利用して前記熱媒を加熱する熱源ユニットを備えていてもよい。前記複数の熱供給装置のそれぞれは、前記熱源ユニットにより前記熱媒を加熱して、加熱された前記熱媒を前記蓄熱ユニットへ蓄える蓄熱運転を実行可能であってもよい。前記複数の熱供給装置のそれぞれは、複数のグループのうちの何れか1つに属していてもよい。前記熱供給管理サーバは、前記発電設備から前記複数の熱供給装置へ供給可能な電力である供給可能電力の経時的変化を示す供給可能電力データを取得し、前記供給可能電力データに基づいて、前記複数のグループのそれぞれについて、前記蓄熱運転の実行を許可する時間帯である運転許可時間帯を設定するスケジューリング処理を実行するように構成されていてもよい。前記熱供給管理サーバは、前記スケジューリング処理において、設定対象とするグループを設定対象グループとして特定し、使用可能電力の経時的変化を示す使用可能電力データを特定し、前記使用可能電力データに基づいて、判定基準電力の経時的変化を示す判定基準電力データを特定し、前記判定基準電力が最も高い時刻を含むように、前記設定対象グループの前記運転許可時間帯を設定し、設定された前記運転許可時間帯において、前記使用可能電力から、前記設定対象グループによる使用予定電力を減算することで、前記使用可能電力データを更新する、一連の処理を繰り返し実行するように構成されていてもよい。
【0007】
本明細書は、熱供給管理サーバの動作方法も開示する。前記熱供給管理サーバは、複数の熱供給装置と、再生可能エネルギーを利用して発電した電力を前記複数の熱供給装置に供給可能な発電設備と、前記熱供給管理サーバを備える熱供給システムで使用されてもよい。前記複数の熱供給装置のそれぞれは、熱媒を蓄える蓄熱ユニットと、電力を利用して前記熱媒を加熱する熱源ユニットを備えていてもよい。前記複数の熱供給装置のそれぞれは、前記熱源ユニットにより前記熱媒を加熱して、加熱された前記熱媒を前記蓄熱ユニットへ蓄える蓄熱運転を実行可能であってもよい。前記複数の熱供給装置のそれぞれは、複数のグループのうちの何れか1つに属していてもよい。前記動作方法は、前記発電設備から前記複数の熱供給装置へ供給可能な電力である供給可能電力の経時的変化を示す供給可能電力データを取得することと、前記供給可能電力データに基づいて、前記複数のグループのそれぞれについて、前記蓄熱運転の実行を許可する時間帯である運転許可時間帯を設定するスケジューリング処理を実行することを備えていてもよい。前記スケジューリング処理を実行することは、設定対象とするグループを設定対象グループとして特定し、使用可能電力の経時的変化を示す使用可能電力データを特定し、前記使用可能電力データに基づいて、判定基準電力の経時的変化を示す判定基準電力データを特定し、前記判定基準電力が最も高い時刻を含むように、前記設定対象グループの前記運転許可時間帯を設定し、設定された前記運転許可時間帯において、前記使用可能電力から、前記設定対象グループによる使用予定電力を減算することで、前記使用可能電力データを更新する、一連の処理を繰り返し実行することを含んでいてもよい。
【0008】
本明細書は、熱供給管理サーバのためのプログラムも開示する。前記熱供給管理サーバは、複数の熱供給装置と、再生可能エネルギーを利用して発電した電力を前記複数の熱供給装置に供給可能な発電設備と、前記熱供給管理サーバを備える熱供給システムで使用されてもよい。前記複数の熱供給装置のそれぞれは、熱媒を蓄える蓄熱ユニットと、電力を利用して前記熱媒を加熱する熱源ユニットを備えていてもよい。前記複数の熱供給装置のそれぞれは、前記熱源ユニットにより前記熱媒を加熱して、加熱された前記熱媒を前記蓄熱ユニットへ蓄える蓄熱運転を実行可能であってもよい。前記複数の熱供給装置のそれぞれは、複数のグループのうちの何れか1つに属していてもよい。前記プログラムは、前記熱供給管理サーバに、前記発電設備から前記複数の熱供給装置へ供給可能な電力である供給可能電力の経時的変化を示す供給可能電力データを取得するステップと、前記供給可能電力データに基づいて、前記複数のグループのそれぞれについて、前記蓄熱運転の実行を許可する時間帯である運転許可時間帯を設定するスケジューリング処理を実行するステップを実行させてもよい。前記スケジューリング処理を実行するステップは、設定対象とするグループを設定対象グループとして特定し、使用可能電力の経時的変化を示す使用可能電力データを特定し、前記使用可能電力データに基づいて、判定基準電力の経時的変化を示す判定基準電力データを特定し、前記判定基準電力が最も高い時刻を含むように、前記設定対象グループの前記運転許可時間帯を設定し、設定された前記運転許可時間帯において、前記使用可能電力から、前記設定対象グループによる使用予定電力を減算することで、前記使用可能電力データを更新する、一連の処理を繰り返し実行するステップを含んでいてもよい。
【0009】
上記の構成では、複数の熱供給装置の蓄熱運転の消費電力の総和が、想定している供給可能電力を上回るようなスケジューリングを実現することができる。このため、発電設備が発電する電力が当初の想定よりも増加し、供給可能電力が当初の想定よりも増加した場合に、その増加した供給可能電力を熱供給装置の蓄熱運転に利用することができる。また、上記の構成では、判定基準電力が最も高い時刻を含むように、設定対象グループの運転許可時間帯が設定されるので、供給可能電力の経時的な増減傾向に合わせたスケジューリングを実現することができる。このため、発電設備が発電する電力が全ての時刻において当初の想定よりも一様に減少し、供給可能電力が全ての時刻において当初の想定よりも一様に減少した場合でも、それぞれの熱供給装置の蓄熱運転における供給可能電力の利用割合が大幅に低下することを抑制することができる。
【0010】
第2の態様では、第1の態様の前記熱供給システムにおいて、前記熱供給管理サーバは、前記スケジューリング処理を実行した後、所定のスケジューリング完了条件を満たさない場合に、前記運転許可時間帯の時間長を短くした上で、前記スケジューリング処理を再度実行するように構成されていてもよい。
【0011】
スケジューリング処理においては、それぞれのグループの運転許可時間帯の時間長が短いほど、供給可能電力の経時的な増減傾向により合わせたスケジューリングを実現しすることができる。上記の構成によれば、スケジューリング処理の実行後、スケジューリング完了条件を満たさず、スケジューリング処理を再度実行する際に、供給可能電力の経時的な増減傾向により合わせたスケジューリングを実現することができる。
【0012】
第3の態様では、第2の態様の前記熱供給システムにおいて、前記スケジューリング完了条件が、全ての時刻において、前記使用可能電力が所定のしきい値を超えることを含んでもよい。
【0013】
上記の構成によれば、全てのグループについてのスケジューリングを行った段階において、全ての時刻で使用可能電力が所定のしきい値を超えていない場合に、スケジューリング完了条件が満たされずに、再度スケジューリング処理が実行される。このような構成とすることによって、所定のしきい値がゼロまたは正の値に設定されている場合には、実際に複数の熱供給装置が蓄熱運転を実行したときの消費電力の総和が、実際の供給可能電力を極力超えないようなスケジューリングを実現することができる。また、所定のしきい値が負の値に設定されている場合には、実際に複数の熱供給装置が蓄熱運転を実行したときの消費電力によって、実際の供給可能電力を極力使い切るようなスケジューリングを実現することができる。
【0014】
第4の態様では、第2または第3の態様の前記熱供給システムにおいて、前記複数の熱供給装置のそれぞれは、燃料を利用して前記熱媒を加熱する補助熱源機をさらに備えていてもよい。
【0015】
それぞれのグループの運転許可時間帯の時間長を短くした場合、それぞれの熱供給装置が蓄熱運転を行った時に、必要な蓄熱量を確保できなくなるおそれがある。上記の構成によれば、それぞれの熱供給装置が補助熱源機を備えているので、それぞれのグループの運転許可時間帯の時間長を短くした結果、それぞれの熱供給装置が必要な蓄熱量を確保できなくなる場合であっても、補助熱源機によって熱媒を加熱することができる。それぞれの熱供給装置のユーザの利便性を確保することができる。
【0016】
第5の態様では、第2から第4の何れか一つの態様の前記熱供給システムにおいて、前記運転許可時間帯の前記時間長の初期値が、前記複数の熱供給装置のそれぞれにおける前記蓄熱運転の最大時間長に基づいて設定されていてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、それぞれのグループの運転許可時間帯の時間長が、それぞれの熱供給装置の蓄熱運転の最大時間長に近いようなスケジューリングを実現することができる。
【0018】
第6の態様では、第1から第5の何れか一つの態様の前記熱供給システムにおいて、前記判定基準電力が、所定の時間幅における前記使用可能電力の最小値として特定されてもよい。
【0019】
判定基準電力が最も高い時刻を含むように、設定対象グループの運転許可時間帯を設定する場合、仮に、判定基準電力に急峻なピークが存在すると、そのピークの時刻に多数のグループの運転許可時間帯が集中するスケジューリングとなってしまい、そのピークの前後の時間帯において、熱供給装置の蓄熱運転の消費電力の総和が、想定している供給可能電力を上回るおそれがある。上記の構成によれば、判定基準電力が、所定の時間幅における使用可能電力の最小値として特定されるので、使用可能電力に急峻なピークが存在する場合でも、そのピークの影響を排除したスケジューリングを実現することができる。
【0020】
第7の態様では、第1から第5の何れか一つの態様の前記熱供給システムにおいて、前記判定基準電力が、所定の時間幅における前記使用可能電力の平均値として特定されてもよい。
【0021】
判定基準電力が最も高い時刻を含むように、設定対象グループの運転許可時間帯を設定する場合、仮に、判定基準電力に急峻なピークが存在すると、そのピークの時刻に多数のグループの運転許可時間帯が集中するスケジューリングとなってしまい、そのピークの前後の時間帯において、熱供給装置の蓄熱運転の消費電力の総和が、想定している供給可能電力を上回るおそれがある。上記の構成によれば、判定基準電力が、所定の時間幅における使用可能電力の平均値として特定されるので、使用可能電力に急峻なピークが存在する場合でも、そのピークの影響を排除したスケジューリングを実現することができる。
【0022】
第8の態様では、第1から第7の何れか一つの態様の前記熱供給システムにおいて、前記設定対象グループが、グループ順序リストに従って特定されてもよい。前記熱供給管理サーバは、前記グループ順序リストを、所定の期間ごとに変更するように構成されていてもよい。
【0023】
供給可能電力データに基づいてスケジューリング処理を実行する場合、供給可能電力データの日ごとの変動はそれほど大きくないため、日ごとのスケジューリングの結果もそれほど大きく変化はしないと考えられる。このため、設定対象グループが、グループ順序リストに従って特定される場合、グループ順序リストを定期的に変更しないと、それぞれのグループの運転許可時間帯が、毎日同じような時間帯となってしまうおそれがある。上記の構成によれば、グループ順序リストが定期的に変更されるので、それぞれのグループの運転許可時間帯に偏りが生じてしまうことを抑制することができる。
【0024】
第9の態様では、第1から第7の何れか一つの態様の前記熱供給システムにおいて、前記複数の熱供給装置のそれぞれは、前記複数のグループのうちで自身が属するグループを、所定の期間ごとに変更するように構成されていてもよい。
【0025】
上記の構成によれば、それぞれのグループの運転許可時間帯が、毎日同じような時間帯となってしまう場合であっても、それぞれの熱供給装置の運転許可時間帯に偏りが生じてしまうことを抑制することができる。
【0026】
第10の態様では、第1から第9の何れか一つの態様の前記熱供給システムにおいて、前記複数の熱供給装置のそれぞれは、少なくとも1つの時間帯を含む代替タイムテーブルを保持していてもよい。前記複数の熱供給装置のそれぞれは、前記熱供給管理サーバとの通信が不能となった場合に、前記代替タイムテーブルの前記少なくとも1つの時間帯から選択された1つの時間帯を、自身の前記運転許可時間帯として設定するように構成されていてもよい。
【0027】
上記の構成によれば、それぞれの熱供給装置は、熱供給管理サーバと通信不能となり、熱供給管理サーバからスケジューリング結果を取得できなくなった場合であっても、適切な時間帯に蓄熱運転を実行することができる。
【0028】
第11の態様では、第10の態様の前記熱供給システムにおいて、前記代替タイムテーブルが、複数の時間帯を含んでいてもよい。前記複数の熱供給装置のそれぞれは、所定の期間ごとに、前記代替タイムテーブルの前記複数の時間帯から前記運転許可時間帯として選択される時間帯を変更するように構成されていてもよい。
【0029】
上記の構成によれば、熱供給管理サーバと通信不能となった熱供給装置の運転許可時間帯に偏りが生じてしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】実施例の給湯システム100の構成を模式的に示す図である。
図2】実施例の貯湯式給湯器104の構成を模式的に示す図である。
図3】実施例の給湯管理サーバ116が実行する運転許可時間帯のスケジューリング処理のフローチャートである。
図4】実施例における、余剰電力データの例を示すグラフである。
図5】実施例における、使用可能電力データと、判定基準電力データの例を示すグラフである。
図6】実施例において、グループAの運転時間帯が特定される様子を示す図である。
図7】実施例における、グループAの運転時間帯が特定された後の、使用可能電力データの例を示すグラフである。
図8】実施例における、グループAの運転時間帯が特定された後の、使用可能電力データと、判定基準電力データの例を示すグラフである。
図9】実施例において、グループBの運転時間帯が特定される様子を示す図である。
図10】実施例において、スケジューリング処理が行われた後の、余剰電力データと、使用予定電力データの例を示す図である。
図11】実施例において、スケジューリング処理が行われた後の、余剰電力データと、使用予定電力データの別の例を示す図である。
図12】実施例において、スケジューリング処理が行われた後の、余剰電力データと、使用予定電力データのさらに別の例を示す図である。
図13】実施例において、貯湯式給湯器104が保持する代替タイムテーブルの例を示す図である。
図14】実施例の貯湯式給湯器104が設置されている住居102において給湯が行われる時間帯の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(実施例)
図1に示すように、本実施例に係る給湯システム100は、複数の住居102a、102b、・・・のそれぞれに設置された複数の貯湯式給湯器104a、104b、・・・および複数のホームゲートウェイ106a、106b、・・・と、電力事業者108により管理される発電設備110および電力管理サーバ112と、貯湯式給湯器104a、104b、・・・の製造事業者114により管理される給湯管理サーバ116を備えている。複数のホームゲートウェイ106a、106b、・・・と、電力管理サーバ112と、給湯管理サーバ116は、それぞれ、インターネット118に接続されている。
【0032】
なお、以降の説明では、複数の住居102a、102b、・・・のそれぞれ、複数の貯湯式給湯器104a、104b、・・・のそれぞれ、複数のホームゲートウェイ106a、106b、・・・のそれぞれを、単に住居102、貯湯式給湯器104、ホームゲートウェイ106と表記することがある。
【0033】
(貯湯式給湯器104)
図2に示すように、本実施例に係る貯湯式給湯器104は、HP(ヒートポンプ)ユニット4と、タンクユニット6と、バーナユニット8を備えている。
【0034】
(HPユニット4)
HPユニット4は、外気から吸熱して水を加熱する熱源である。HPユニット4は、圧縮機10と、凝縮器12と、膨張弁14と、蒸発器16からなるHP熱源17を備えている。HPユニット4は、冷媒(例えばフロン系冷媒)を、圧縮機10、凝縮器12、膨張弁14、蒸発器16の順に循環させることで、外気から吸熱して水を加熱する。圧縮機10は、冷媒を加圧して高温高圧にする。凝縮器12は、水との熱交換により冷媒を冷却する。凝縮器12の水流路の両端部には、それぞれ、HP往き経路19とHP戻り経路21が接続されている。膨張弁14は、冷媒を減圧して低温低圧にする。蒸発器16は、外気との熱交換により冷媒を加熱する。HPユニット4はさらに、凝縮器12に水を循環させる循環ポンプ18と、凝縮器12に流れ込む水の温度を検出する往きサーミスタ20と、凝縮器12から流れ出る水の温度を検出する戻りサーミスタ22と、外気温度を検出する外気温度サーミスタ23と、HPユニット4の各構成要素の動作を制御するHPコントローラ24を備えている。
【0035】
(タンクユニット6)
タンクユニット6は、タンク30と、混合弁32と、バイパス制御弁34を備えている。タンク30は、外側が断熱材で覆われており、内部に水を蓄える密閉型の容器である。本実施例のタンク30の容量は、例えば100リットルである。HPユニット4の循環ポンプ18が駆動すると、タンク30の底部の水が、タンク往き経路31およびHP往き経路19を介して、凝縮器12へ送られる。凝縮器12で加熱されて高温となった水は、HP戻り経路21およびタンク戻り経路33を介して、タンク30の頂部からタンク30内に戻される。HPユニット4によって加熱された水がタンク30に流れ込むと、タンク30の内部には、低温の水の層の上に高温の水の層が積み重なった温度成層が形成される。タンク30には、上部の水の温度を検出する上部サーミスタ36と、中間部の水の温度を検出する中間部サーミスタ37と、下部の水の温度を検出する下部サーミスタ38が取り付けられている。
【0036】
タンクユニット6には、給水経路40を介して水道水が供給される。給水経路40には、給水圧力を減圧する減圧弁42と、給水温度を検出する入水サーミスタ44が取り付けられている。給水経路40は、タンク30の底部に連通するタンク給水経路46と、混合弁32に連通するタンクバイパス経路48に分岐している。タンク給水経路46とタンクバイパス経路48には、それぞれ、逆止弁50、52が取り付けられている。また、タンクバイパス経路48には、混合弁32に流入する水道水の流量を検出する水側水量センサ54が取り付けられている。タンク30の頂部と混合弁32は、タンク出湯経路56を介して連通している。タンク出湯経路56には、逆止弁58と、混合弁32に流入するタンク30からの水の流量を検出する湯側水量センサ60が取り付けられている。
【0037】
混合弁32は、タンクバイパス経路48から流れ込む水道水と、タンク出湯経路56から流れ込むタンク30からの水を混合して、第1給湯経路62に送り出す。混合弁32は、図示しないステッピングモータによって弁体を駆動し、タンクバイパス経路48側の開度(水側の開度)と、タンク出湯経路56側の開度(湯側の開度)を調整する。第1給湯経路62には、混合弁32から送り出される水の温度を検出する混合サーミスタ64が取り付けられている。
【0038】
タンクユニット6からは、第2給湯経路66を介して、台所やシャワー、カラン等の給湯箇所への給湯が行われる。第2給湯経路66には、給湯箇所へ供給される水の温度を検出する給湯出口サーミスタ68と、逆止弁70が取り付けられている。第1給湯経路62と第2給湯経路66の間は、給湯バイパス経路72によって連通している。給湯バイパス経路72には、バイパス制御弁34が取り付けられている。タンクユニット6は、さらに、タンクユニット6の各構成要素の動作を制御するタンクコントローラ74を備えている。
【0039】
(バーナユニット8)
バーナユニット8は、バーナ80と、熱交換器82と、バイパスサーボ84と、水量サーボ86と、湯はり弁88を備えている。バーナ80は、燃料ガスの燃焼によって熱交換器82を流れる水を加熱する補助熱源機である。バーナ80には、ガス供給管(図示省略)を介して燃料ガスが供給される。熱交換器82には、バーナ往路90を介して、タンクユニット6の第1給湯経路62からの水が流れ込む。熱交換器82を通過した水は、バーナ復路92を介して、タンクユニット6の第2給湯経路66へ流れ出る。バーナ往路90には、バーナ往路90を流れる水の流量を調整する水量サーボ86と、バーナ往路90を流れる水の流量を検出する水量センサ91が取り付けられている。バーナ往路90とバーナ復路92の間は、バーナバイパス経路94を介して連通している。バーナ往路90とバーナバイパス経路94の接続部に、バイパスサーボ84が取り付けられている。バイパスサーボ84は、バーナ往路90からバーナバイパス経路94へ流れる水の流量を調整する。バーナ復路92には、熱交換器82から流れ出る水の温度を検出するバーナ給湯サーミスタ96が取り付けられている。バーナ復路92からは、湯はり経路98が分岐している。湯はり経路98には、湯はり弁88が取り付けられている。バーナユニット8からは、湯はり経路98を介して、給湯箇所である浴槽への湯はりが行われる。
【0040】
バーナユニット8はさらに、バーナコントローラ97と、バーナコントローラ97と通信可能なリモコン99と、を備えている。バーナコントローラ97は、バーナユニット8の各構成要素の動作を制御する。リモコン99は、スイッチやボタン等を介して、ユーザからの各種の操作入力を受け入れる。また、リモコン99は、表示や音声によってユーザに貯湯式給湯器104の設定や動作に関する各種の情報を通知する。
【0041】
HPコントローラ24、タンクコントローラ74、バーナコントローラ97、リモコン99は、何れも、CPU、ROM、RAM等の制御部と、EEPROM等の記憶部を備えており、記憶部に記憶されているプログラムに従って制御部が各種の処理を実行する。HPコントローラ24とタンクコントローラ74は、互いに通信可能である。タンクコントローラ74とバーナコントローラ97は、互いに通信可能である。従って、HPコントローラ24と、タンクコントローラ74と、バーナコントローラ97が協調して制御を行うことで、貯湯式給湯器104は沸上運転、給湯運転等の各種の動作を行うことができる。以下では、HPコントローラ24と、タンクコントローラ74と、バーナコントローラ97を総称して、単にコントローラとも呼ぶ。
【0042】
(沸上運転)
沸上運転では、貯湯式給湯器104は、HPユニット4を駆動して、タンク30内の水を加熱する。沸上運転が開始されると、コントローラは、HP熱源17の圧縮機10を駆動して、圧縮機10、凝縮器12、膨張弁14、蒸発器16の順に冷媒を循環させるとともに、循環ポンプ18を駆動して、タンク30と凝縮器12の間で水を循環させる。これによって、タンク30の底部から吸い出された水は、凝縮器12において沸上目標温度まで加熱されて、タンク30の頂部に戻される。コントローラは、往きサーミスタ20で検出される温度が沸上目標温度に達すると、タンク30内の水が全て沸上目標温度まで加熱された水で置き換えられたと判断して、沸上運転を終了する。
【0043】
(給湯運転)
給湯運転では、給湯設定温度の水を給湯箇所へ供給する。給湯設定温度は、ユーザによって設定される温度である。コントローラは、水側水量センサ54で検出される流量と、湯側水量センサ60で検出される流量を合算した流量(給湯流量ともいう)が最低動作流量以上となると、カランの開栓や浴槽への湯はりなどにより給湯箇所への給湯が開始されたものと判断する。コントローラは、上部サーミスタ36で検出される温度に応じて、以下の非燃焼給湯運転または燃焼給湯運転を実行する。
【0044】
コントローラは、上部サーミスタ36で検出される温度が給湯設定温度以上である場合、非燃焼給湯運転を実行する。非燃焼給湯運転では、コントローラは、バーナ80の燃焼運転を禁止するとともに、混合サーミスタ64で検出される温度が給湯設定温度となるように、混合弁32の開度を調整する。これによって、給湯箇所に給湯設定温度に温度調整された水が供給される。
【0045】
また、コントローラは、上部サーミスタ36で検出される温度が給湯設定温度未満の場合、燃焼給湯運転を実行する。燃焼給湯運転では、コントローラは、バーナ80の燃焼運転を許可するとともに、混合サーミスタ64で検出される温度が、給湯設定温度よりもバーナ80の最小加熱能力の分だけ低い温度となるように、混合弁32の開度を調整する。この場合、タンク30の上部から供給される高温の水と、給水経路40から供給される低温の水が、混合弁32において混合された後、バーナ80によって給湯設定温度まで加熱されて、給湯箇所へ供給される。なお、燃焼給湯運転には、混合弁32がタンク30側に全閉状態に固定されている場合も含まれる。この場合、コントローラは、バーナ80によって加熱された水が給湯設定温度になるように、バーナ80の加熱能力を調整する。
【0046】
上記の非燃焼給湯運転または燃焼給湯運転を実行中に、給湯流量が最低動作流量を下回ると、コントローラは、カランの閉栓や浴槽への湯はりの終了などにより給湯箇所への給湯が終了したものと判断して、給湯運転を終了する。
【0047】
(ホームゲートウェイ106)
図1に示すように、ホームゲートウェイ106は、例えば無線LAN等を介して、貯湯式給湯器104のコントローラと通信可能である。貯湯式給湯器104のコントローラは、ホームゲートウェイ106を介して、インターネット118に接続可能である。
【0048】
(発電設備110)
発電設備110は、太陽光、風力、波力・潮力、流水・潮汐等の、再生可能エネルギーを利用して発電を行う設備である。電力事業者108は、発電設備110によって発電される電力を、複数の住居102a、102b、・・・や、他の需要者に供給する。なお、電力事業者108は、発電設備110以外の他の発電設備からも、電力を調達して複数の住居102a、102b、・・・に電力を供給可能であるが、発電設備110によって発電される電力が利用可能である場合には、発電設備110によって発電される電力を優先して供給する。
【0049】
(電力管理サーバ112)
電力管理サーバ112は、CPU、ROM、RAM等の制御部と、HDD、SSD等の記憶部を備えており、記憶部に記憶されているプログラムに従って制御部が各種の処理を実行する。電力管理サーバ112は、過去の所定期間(例えば1年間)に発電設備110が発電した電力の実績に基づいて、当日に発電設備110が発電する発電電力の経時的変化を示す発電電力データを推定する。なお、電力管理サーバ11は、過去の所定期間における気象データと発電設備110が発電した発電電力の実績、および当日の気象予測データに基づいて、当日に発電設備110が発電する発電電力の経時的変化を示す発電電力データを推定してもよい。また、電力管理サーバ112は、過去の所定期間(例えば1年間)に発電設備110から複数の住居102a、102b、・・・以外の需要者に供給した供給電力の実績に基づいて、当日に発電設備110から複数の住居102a、102b、・・・以外の需要者に供給する供給予定電力の経時的変化を示す供給予定電力データを推定する。なお、電力管理サーバ11は、過去の所定期間における気象データと発電設備110から複数の住居102a、102b、・・・以外の需要者に供給した供給電力の実績、および当日の気象予測データに基づいて、当日に発電設備110から複数の住居102a、102b、・・・以外の需要者に供給する供給予定電力の経時的変化を示す供給予定電力データを推定してもよい。電力管理サーバ112は、毎日、所定時刻(例えば0時)に、発電電力データと供給予定電力データに基づいて、当日に発電設備110から複数の住居102a、102b、・・・に供給可能な余剰電力の経時的変化を示す余剰電力データを推定する。
【0050】
(給湯管理サーバ116)
給湯管理サーバ116は、CPU、ROM、RAM等の制御部と、HDD、SSD等の記憶部を備えており、記憶部に記憶されているプログラムに従って制御部が各種の処理を実行する。給湯管理サーバ116は、インターネット118を介して、電力管理サーバ112と通信可能である。また、給湯管理サーバ116は、インターネット118を介して、複数の貯湯式給湯器104a、104b、・・・のコントローラのそれぞれと通信可能である。給湯管理サーバ116は、複数の貯湯式給湯器104a、104b、・・・のそれぞれを、複数のグループのうちの1つに分類して管理している。複数のグループのそれぞれには、複数の貯湯式給湯器104a、104b、・・・のうちの1つまたは複数が属している。例えば、貯湯式給湯器104aはグループAに属しており、貯湯式給湯器104bはグループBに属しており、他の貯湯式給湯器104も対応するグループにそれぞれ属している。
【0051】
(運転許可時間帯のスケジューリング)
給湯管理サーバ116は、複数の貯湯式給湯器104a、104b、・・・で消費される電力について、発電設備110で発電された電力の利用割合が高くなるように、複数のグループのそれぞれについて、そのグループに属する貯湯式給湯器104の沸上運転の実行を許可する運転許可時間帯のスケジューリング処理を行う。複数の貯湯式給湯器104a、104b、・・・は、現在時刻が運転許可時間帯に含まれる場合には、必要に応じて沸上運転を実行し、現在時刻が運転許可時間帯に含まれない場合には、沸上運転を実行しない。給湯管理サーバ116は、毎日、所定時刻(例えば2時)になると、図3に示す処理を行う。
【0052】
S2では、給湯管理サーバ116は、電力管理サーバ112から、余剰電力データを取得する。本実施例では、給湯管理サーバ116から電力管理サーバ112に、余剰電力データの問合せを行い、電力管理サーバ112から給湯管理サーバ116に、問い合わせに対する応答として、余剰電力データが送信される。これとは異なり、余剰電力データは、電力管理サーバ112から給湯管理サーバ116に、定期的に(例えば1日に1回)送信されてもよい。S2の処理により、図4に示すような余剰電力データが取得される。
【0053】
図3に示すように、S4では、給湯管理サーバ116は、グループ順序リストを特定する。グループ順序リストは、それぞれのグループに対してスケジューリングを行う順序を示しており、例えば、グループAを1番目、グループBを2番目、・・・等の順序を示している。
【0054】
S6では、給湯管理サーバ116は、運転許可時間帯の時間長ΔTの初期値を設定する。時間長ΔTの初期値は、例えば、貯湯式給湯器104の沸上運転に要する最大時間長(例えば3時間)に設定される。
【0055】
S8では、給湯管理サーバ116は、S4で特定されたグループ順序リストに基づいて、運転許可時間帯の設定対象とするグループを設定対象グループとして特定する。
【0056】
S10では、給湯管理サーバ116は、S2で取得された余剰電力データと、使用予定電力データに基づいて、使用可能電力データを算出する。本実施例において、使用予定電力データは、すでに運転許可時間帯が設定されたグループに属する貯湯式給湯器104の沸上運転で使用される予定の電力である使用予定電力の経時的変化を示している。給湯管理サーバ116は、当日の各時刻について、余剰電力から使用予定電力を減算した使用可能電力を算出することで、使用可能電力の経時的変化を示す使用可能電力データを算出する。
【0057】
S12では、給湯管理サーバ116は、設定対象グループの運転許可時間帯が、使用可能電力に最も余裕がある時間帯に割り当てられるように、設定対象グループの運転許可時間帯を設定する。本実施例では、給湯管理サーバ116は、当日の全ての時刻について、その時刻を中心とした±ΔT/2の時間幅における使用可能電力の最小値を、判定基準電力として算出する。そして、判定基準電力の経時的変化を示す判定基準電力データに基づいて、判定基準電力が最大となる時刻に、設定対象グループの運転許可時間帯の中心時刻(運転許可時間帯の開始時刻と終了時刻のちょうど中間の時刻)が一致するように、設定対象グループの運転許可時間帯を設定する。なお、これとは異なり、給湯管理サーバ116は、当日の全ての時刻について、その時刻を中心とした±ΔT/2の時間幅における使用可能電力の平均値を、判定基準電力として算出してもよい。あるいは、給湯管理サーバ116は、当日の全ての時刻について、その時刻の後の+ΔTの時間幅における使用可能電力の最小値または平均値を、判定基準電力として算出し、判定基準電力の経時的変化を示す判定基準電力データに基づいて、判定基準電力が最大となる時刻に、設定対象グループの運転許可時間帯の開始時刻が一致するように、設定対象グループの運転許可時間帯を設定してもよい。あるいは、給湯管理サーバ116は、当日の全ての時刻について、その時刻の前の-ΔTの時間幅における使用可能電力の最小値または平均値を、判定基準電力として算出し、判定基準電力の経時的変化を示す判定基準電力データに基づいて、判定基準電力が最大となる時刻に、設定対象グループの運転許可時間帯の終了時刻が一致するように、設定対象グループの運転許可時間帯を設定してもよい。
【0058】
S14では、給湯管理サーバ116は、S12で運転許可時間帯が設定された設定対象グループに属する貯湯式給湯器104の消費電力ΔWと、S12で設定された運転許可時間帯に基づいて、使用予定電力データを更新する。
【0059】
S16では、給湯管理サーバ116は、全てのグループについてスケジューリングが完了したか否かを判断する。全てのグループについてスケジューリングが完了していない場合(NOの場合)、処理はS8へ戻る。
【0060】
S8からS16までの処理を繰り返し実行することによって、S4で特定されたグループ順序リストに従って、それぞれのグループの運転許可時間帯が順次設定されていく。例えば、グループ順序リストの1番目のグループAについて運転許可時間帯を設定する際には、使用予定電力データは全ての時刻においてゼロであるから、使用可能電力データは余剰電力データと等しくなる。そして、図5に示すように、使用可能電力データに基づいて判定基準電力データが算出されて、図6に示すように、判定基準電力データが最大となる時刻に運転許可時間帯の中心時刻が一致するように、グループAの運転許可時間帯が設定される。その後、グループ順序リストの2番目のグループBの運転許可時間帯を設定する際には、グループAに属する貯湯式給湯器104が実行する沸上運転で使用する予定の電力が使用予定電力データに反映されるため、図7に示すように、使用可能電力データは、余剰電力データから使用予定電力データを減算したものとなる。そして、図8に示すように、使用可能電力データに基づいて判定基準電力データが算出されて、図9に示すように、判定基準電力データが最大となる時刻に運転許可時間帯の中心時刻が一致するように、グループBの運転許可時間帯が設定される。このようなグループ毎の運転許可時間帯の設定が、全てのグループについて実行されていく。
【0061】
図3のS16で、全てのグループについてスケジューリングが完了すると(YESとなると)、処理はS18へ進む。
【0062】
S18では、給湯管理サーバ116は、スケジューリング完了条件を満たすか否かを判断する。本実施例では、給湯管理サーバ116は、当日の全ての時刻において、余剰電力から使用予定電力を減算した使用可能電力が所定のしきい値を超える場合に、スケジューリング完了条件を満たすと判断し、それ以外の場合に、スケジューリング完了条件を満たさないと判断する。S18でスケジューリング完了条件を満たさない場合(NOの場合)、処理はS20へ進む。
【0063】
S18で用いる所定のしきい値は、電力事業者108の余剰電力使用方針に基づいて設定される。例えば、図10に示すように、全てのグループについてスケジューリングを行った際に、当日のある時間帯において、使用予定電力が、余剰電力を上回ることがある。この場合、使用予定電力が余剰電力を上回る分については、電力事業者108が発電設備110以外の他の発電設備から電力を調達しなければならないおそれがある。このため、電力事業者108が、複数の貯湯式給湯器104a、104b、・・・で実際に消費される電力が余剰電力を極力超えないようにしたい場合には、図3のS18で用いる所定のしきい値を、ゼロまたは正の値として設定しておく。これによって、複数の貯湯式給湯器104a、104b、・・・で実際に消費される電力が余剰電力を極力超えないようなスケジューリングを実現することができる。これとは異なり、電力事業者108が、複数の貯湯式給湯器104a、104b、・・・で実際に消費される電力が余剰電力を超えたとしても、極力余剰電力を余らせたくない場合には、S18で用いる所定のしきい値を、負の値(余剰電力を超える量を許容できる値)として設定しておく。これによって、複数の貯湯式給湯器104a、104b、・・・で実際に消費される電力によって、余剰電力を極力使い切るようなスケジューリングを実現することができる。
【0064】
S20では、給湯管理サーバ116は、運転許可時間帯の時間長ΔTが下限時間長(例えば0.5時間)以下であるか否かを判断する。下限時間長は、例えば、住居102で最低限必要なタンク30の貯湯量(例えば、シャワーで使用される湯量)に基づいて設定される。時間長ΔTが下限時間長を超えている場合(NOの場合)、処理はS22へ進む。
【0065】
S22では、給湯管理サーバ116は、運転許可時間帯の時間長ΔTを所定時間幅(例えば0.1時間)だけ低減させる。
【0066】
S24では、給湯管理サーバ116は、S8からS22までの処理によって設定したスケジュールを全てリセットする。S24の後、処理はS8へ戻る。その後、運転許可時間帯の時間長ΔTを短くした状態で、再びグループ順序リストの1番目のグループから、運転許可時間帯の設定が行われる。このような構成とすることによって、余剰電力をより有効に活用可能となるように、それぞれのグループの運転許可時間帯が再スケジューリングされる。
【0067】
S18でスケジューリング完了条件が満たされる場合(YESの場合)、再スケジューリングは不要であるため、処理はS26へ進む。また、S20で時間長ΔTが下限時間長以下である場合(YESの場合)、これ以上運転許可時間帯の時間長ΔTを小さくすることができず、有効な再スケジューリングを行うことができないため、この場合も処理はS26へ進む。
【0068】
S26では、給湯管理サーバ116は、それぞれのグループについてスケジューリングした運転許可時間帯を、それぞれのグループに属する貯湯式給湯器104のコントローラに送信する。なお、給湯管理サーバ116は、それぞれのグループについてスケジューリングした運転許可時間帯を、スケジューリングテーブルとして記憶しておいてもよく、貯湯式給湯器104が、必要に応じて、自身が属するグループの運転許可時間帯を給湯管理サーバ116に問い合わせてもよい。S26の後、図3の処理は終了する。
【0069】
(グループ順序リストのローテーション)
図3の処理によってスケジューリングを実行することで、例えば、図11に示すように、1番目のグループA、2番目のグループB、・・・、8番目のグループHの運転許可時間帯がそれぞれ設定される。図3の処理では、例えばS2で取得される余剰電力データが当日と前日で似ている場合、当日と前日で同じようなスケジューリング結果が得られる。このため、図3のS4でグループ順序リストを特定する際に、毎日同じグループ順序リストを使用し続けると、それぞれのグループの運転許可時間帯は毎日同じような時間帯となってしまい、グループごとに運転許可時間帯に偏りを生じるおそれがある。このため、S4でグループ順序リストを特定する際に、例えば所定期間(例えば1週間)ごとにグループの順序を入れ替えることで、図12に示すように、それぞれのグループに割り当てられる運転許可時間帯を変更することができ、グループごとに運転許可時間帯に偏りを生じてしまうことを抑制することができる。
【0070】
(貯湯式給湯器104が属するグループのローテーション)
あるいは、図3のS4でグループ順序リストを特定する際に、毎日同じグループ順序リストを使用し続け、それぞれのグループの運転許可時間帯が毎日同じような時間帯となる場合であっても、複数の貯湯式給湯器104a、104b、・・・のそれぞれが、複数のグループのうちで自身が属するグループを、例えば所定期間(例えば1週間)ごとに変更することで、複数の貯湯式給湯器104a、104b、・・・のそれぞれの運転許可時間帯に偏りを生じてしまうことを抑制することができる。
【0071】
(給湯管理サーバ116との通信が不能な場合の貯湯式給湯器104のスケジューリング)
複数の貯湯式給湯器104a、104b、・・・のうちの1つまたは複数が、給湯管理サーバ116との間で通信が不能になる場合がある。本実施例では、このような場合、給湯管理サーバ116との間で通信が不能となった貯湯式給湯器104’は、コントローラに記憶されている代替タイムテーブルに基づいて、当日の自身の運転許可時間帯を設定する。代替タイムテーブルは、貯湯式給湯器104’が工場から出荷される前に製造事業者114によって設定されていてもよいし、貯湯式給湯器104’の使用時にユーザによって設定されてもよい。
【0072】
例えば、図13に示すように、代替タイムテーブルには、5個の時間帯(a:9時-11時、b:10時-12時、c:11時-13時、d:12時-14時、e:13時-15時)が含まれている。貯湯式給湯器104’のコントローラは、給湯管理サーバ116との間で通信が不能なことを検知した場合に、代替タイムテーブルから1つの時間帯を選択して、その時間帯を運転許可時間帯に設定する。なお、この際に、貯湯式給湯器104’のコントローラが、所定期間(例えば1日)ごとに、代替タイムテーブルから選択する時間帯を変更していくことで、貯湯式給湯器104’の運転許可時間帯に偏りが生じてしまうことを抑制することができる。
【0073】
(変形例)
上記の実施例では、熱供給システムとして給湯システム100を例とし、熱供給装置として貯湯式給湯器104を例として説明したが、熱供給システムおよび熱供給装置は暖房等の他の用途で使用される熱を供給するものであってもよい。この場合、熱媒は不凍液等の水以外の熱媒であってもよい。また、上記の実施例では、蓄熱ユニットとしてタンクユニット6を例として説明したが、蓄熱ユニットは他の形態で熱媒を蓄えるものであってもよい。さらに、上記の実施例では、熱源ユニットとして、HPユニット4を例として説明したが、熱源ユニットは電気ヒータ等の他の形態で熱媒を加熱するものであってもよい。
【0074】
上記の実施例では、電力管理サーバ112から給湯管理サーバ116へ、当日に発電設備110から複数の貯湯式給湯器104a、104b、・・・へ供給可能な電力の経時的変化を示すデータとして、発電設備110の余剰電力の経時的な変化を示す余剰電力データを送信する構成について説明した。これとは異なり、電力管理サーバ112から給湯管理サーバ116へ、当日に発電設備110から複数の貯湯式給湯器104a、104b、・・・へ供給可能な電力の経時的変化を示すデータとして、発電設備110の発電電力の経時的変化を示す発電電力データを送信する構成としてもよい。
【0075】
上記の実施例では、給湯管理サーバ116が、全ての時間帯(例えば、当日の2時から翌日の2時まで)を対象として、それぞれのグループの運転許可時間帯を設定し、現在時刻が運転許可時間帯に含まれる場合に沸上運転の実行を許可し、現在時刻が運転許可時間帯に含まれない場合に沸上運転を禁止する構成について説明した。これとは異なり、給湯管理サーバ116は、余剰電力が多くなる特定の時間帯(例えば当日の6時から18時まで)のみを対象として、それぞれのグループの運転許可時間帯を設定し、現在時刻が運転許可時間帯に含まれる場合に沸上運転の実行を許可し、現在時刻が運転許可時間帯に含まれない場合に沸上運転を禁止する構成としてもよい。この場合、上記以外の時間帯(例えば当日の2時から6時までと、当日の18時から翌日の2時まで)については、全てのグループについて沸上運転の実行が許可されてもよい。あるいは、給湯管理サーバ116は、上記以外の時間帯(例えば当日の2時から6時までと、当日の18時から翌日の2時まで)において、電力事業者108が電力市場から電力を調達する際の電力市場価格が所定価格に満たない時間帯については、全てのグループについて沸上運転の実行を許可し、電力市場価格が所定価格以上の時間帯については、全てのグループについて沸上運転の実行を禁止する構成としてもよい。
【0076】
貯湯式給湯器104のコントローラは、住居102における過去の給湯の使用実績に応じて、当日の沸上運転時間帯を設定してもよい。以下では図14を参照して、貯湯式給湯器104による沸上運転時間帯の学習制御による設定処理について説明する。
【0077】
コントローラは、住居102において、給湯が行われる度に、給湯が開始された時刻と、給湯が終了した時刻と、を示す給湯時刻情報と、供給された温水の量を示す給湯水量情報と、を記憶する。また、コントローラは、貯湯式給湯器104が沸上運転を実行する度に、沸上運転を開始した時刻と、沸上運転を終了した時刻と、を示す沸上時刻情報と、沸上運転で沸き上げた温水の量を示す沸上水量情報と、を記憶する。コントローラは、1日分の給湯時刻情報、給湯水量情報、沸上時刻情報および沸上水量情報を、住居102の1日分の運転履歴として記憶する。本実施例では、コントローラは、住居102の過去7日分の運転履歴を記憶する。このため、コントローラは、24時間毎に、8日前の運転履歴を消去して、前日の運転履歴を記憶する。
【0078】
次いで、コントローラは、住居102の過去7日分の運転履歴から、過去7日間において、最初の給湯が開始された時刻のうち、最も早い時刻を特定する。以下では、この時刻を「第1の給湯開始予定時刻S1」と呼ぶ。例えば、コントローラは、6:00を第1の給湯開始予定時刻S1として特定する(図14参照)。なお、最初の給湯では、5L~20L程度の水が供給されることが多い。この場合、コントローラは、第1の給湯開始予定時刻S1までの沸上目標水量として30Lを設定する。
【0079】
また、コントローラは、住居102の過去7日分の運転履歴から、過去7日間において、湯張り運転が開始された時刻のうち、最も早い時刻を特定する。以下では、この時刻を「第2の給湯開始予定時刻B1」と呼ぶ。本実施例では、住居102では、毎日20:00に湯張り運転を開始するように予め設定されている。例えば、コントローラは、20:00を第2の給湯開始予定時刻B1として特定する(図14参照)。なお、湯張り運転では、150L~180L程度の水が供給されることが多い。この場合、コントローラは、第2の給湯開始予定時刻B1までの沸上目標水量として、タンク30の最大容量となる100Lを設定する。
【0080】
さらに、コントローラは、住居102の過去7日分の運転履歴から、過去7日間において、最後の給湯が終了した時刻のうち、最も遅い時刻を特定する。以下では、この時刻を「給湯終了時刻G1」と呼ぶ。例えば、コントローラは、0:00を給湯終了時刻G1として特定する(図14参照)。
【0081】
さらに、コントローラは、沸上目標温度、及び、沸上目標水量に基づいて、第1の所定時間α、第2の所定時間β、及び、第3の所定時間γを特定する。第1の所定時間αとは、最初の給湯の前に行う沸上運転において、沸上目標水量(例えば、30L)を沸上目標温度(例えば、45℃)まで加熱する場合の沸上運転の所要時間である。また、第2の所定時間βとは、湯張り運転の前に行う沸上運転において、沸上目標水量(例えば、100L)を沸上目標温度(例えば、45℃)まで加熱する場合の沸上運転の所要時間である。第3の所定時間γとは、HPユニット4の駆動を停止させた後に、タンク30に貯留されている高温の水のみを利用して、給湯終了時刻G1まで、給湯箇所に給湯設定温度の水を供給可能と想定される時間である。
【0082】
次いで、図14に示すように、コントローラは、第1の給湯開始予定時刻S1から第1の所定時間αだけ前の時刻を第1の沸上開始予定時刻S0として特定し、第2の給湯開始予定時刻B1から第2の所定時間βだけ前の時刻を第2の沸上開始予定時刻B0として特定する。また、コントローラは、給湯終了時刻G1から第3の所定時間γだけ前の時刻をヒートポンプ停止時刻G0として特定する。そして、コントローラは、沸上開始予定時刻S0,B0が到来すると、沸上運転を開始させる。また、コントローラは、ヒートポンプ停止時刻G0が到来すると、沸上運転を禁止する。なお、第1の給湯開始予定時刻S1は、第1の沸上終了予定時刻S1ということもでき、第2の給湯開始予定時刻B1は、第2の沸上終了予定時刻B1ということもできる。
【0083】
なお、コントローラは、上記のような学習制御によって設定された、当日の湯張り運転の前に行う沸上運転の時間帯(第2の沸上開始予定時刻B0から第2の沸上終了予定時刻B1まで)が、給湯管理サーバ116でスケジューリングされた運転許可時間帯に含まれない場合に、学習制御によって設定された第2の沸上開始予定時刻B0ではなく、給湯管理サーバ116でスケジューリングされた運転許可時間帯の開始時刻が到来した時に、沸上運転を開始するように構成されている。また、コントローラは、当日の最初の給湯の前に行う沸上運転については、給湯管理サーバ116でスケジューリングされた運転許可時間帯とは関わりなく、学習制御によって設定された第1の沸上開始予定時刻S0が到来した時に、沸上運転を開始するように構成してもよい。なお、コントローラは、上記のような学習制御によって設定された、当日の最初の給湯の前に行う沸上運転の時間帯(第1の沸上開始予定時刻S0から第1の沸上終了予定時刻S1まで)が、電力市場価格が所定価格以上であることにより沸上運転を禁止する時間帯と少なくとも部分的に重なり合う場合には、第1の沸上終了予定時刻S1を、沸上運転が禁止される時間帯の開始時刻よりも早い時刻に再設定し、それに合わせて第1の沸上開始予定時刻S0も再設定して、再設定された第1の沸上開始予定時刻S0が到来した時に、沸上運転を開始するように構成してもよい。
【0084】
以上のように、一またはそれ以上の実施形態において、給湯システム100(熱供給システムの例)は、複数の貯湯式給湯器104(熱供給装置の例)と、再生可能エネルギーを利用して発電した電力を複数の貯湯式給湯器104に供給可能な発電設備110と、給湯管理サーバ116(熱供給管理サーバの例)を備えている。複数の貯湯式給湯器104のそれぞれは、水(熱媒の例)を蓄えるタンクユニット6(蓄熱ユニットの例)と、電力を利用して水を加熱するHPユニット4(熱源ユニットの例)を備えている。複数の貯湯式給湯器104のそれぞれは、HPユニット4により水を加熱して、加熱された水をタンクユニット6へ蓄える沸上運転(蓄熱運転の例)を実行可能である。複数の貯湯式給湯器104のそれぞれは、複数のグループのうちの何れか1つに属している。給湯管理サーバ116は、発電設備110から複数の貯湯式給湯器104へ供給可能な電力である余剰電力(供給可能電力の例)の経時的変化を示す余剰電力データ(供給可能電力データの例)を取得し、余剰電力データに基づいて、複数のグループのそれぞれについて、沸上運転の実行を許可する時間帯である運転許可時間帯を設定するスケジューリング処理を実行するように構成されている。給湯管理サーバ116は、スケジューリング処理において、設定対象とするグループを設定対象グループとして特定し、使用可能電力の経時的変化を示す使用可能電力データを特定し、使用可能電力データに基づいて、判定基準電力の経時的変化を示す判定基準電力データを特定し、判定基準電力が最も高い時刻を含むように、設定対象グループの運転許可時間帯を設定し、設定された運転許可時間帯において、使用可能電力から、設定対象グループによる使用予定電力を減算することで、使用可能電力データを更新する、一連の処理を繰り返し実行するように構成されている。
【0085】
上記の構成では、複数の貯湯式給湯器104の沸上運転の消費電力の総和が、想定している余剰電力を上回るようなスケジューリングを実現することができる。このため、発電設備110が発電する電力が当初の想定よりも増加し、余剰電力が当初の想定よりも増加した場合に、その増加した余剰電力を貯湯式給湯器104沸上運転に利用することができる。また、上記の構成では、判定基準電力が最も高い時刻を含むように、設定対象グループの運転許可時間帯が設定されるので、余剰電力の経時的な増減傾向に合わせたスケジューリングを実現することができる。このため、発電設備110が発電する電力が全ての時刻において当初の想定よりも一様に減少し、余剰電力が全ての時刻において当初の想定よりも一様に減少した場合でも、それぞれの貯湯式給湯器104沸上運転における余剰電力の利用割合が大幅に低下することを抑制することができる。
【0086】
一またはそれ以上の実施形態において、給湯管理サーバ116は、スケジューリング処理を実行した後、所定のスケジューリング完了条件を満たさない場合に、運転許可時間帯の時間長を短くした上で、スケジューリング処理を再度実行するように構成されている。
【0087】
スケジューリング処理においては、それぞれのグループの運転許可時間帯の時間長が短いほど、余剰電力の経時的な増減傾向により合わせたスケジューリングを実現しすることができる。上記の構成によれば、スケジューリング処理の実行後、スケジューリング完了条件を満たさず、スケジューリング処理を再度実行する際に、余剰電力の経時的な増減傾向により合わせたスケジューリングを実現することができる。
【0088】
一またはそれ以上の実施形態において、スケジューリング完了条件は、全ての時刻において、使用可能電力が所定のしきい値を超えることを含んでいる。
【0089】
上記の構成によれば、全てのグループについてのスケジューリングを行った段階において、全ての時刻で使用可能電力が所定のしきい値を超えていない場合に、スケジューリング完了条件が満たされずに、再度スケジューリング処理が実行される。このような構成とすることによって、所定のしきい値がゼロまたは正の値に設定されている場合には、実際に複数の貯湯式給湯器104が沸上運転を実行したときの消費電力の総和が、実際の余剰電力を極力超えないようなスケジューリングを実現することができる。また、所定のしきい値が負の値に設定されている場合には、実際に複数の貯湯式給湯器104が沸上運転を実行したときの消費電力によって、実際の余剰電力を極力使い切るようなスケジューリングを実現することができる。
【0090】
一またはそれ以上の実施形態において、複数の貯湯式給湯器104のそれぞれは、燃料を利用して水を加熱するバーナユニット8(補助熱源機の例)をさらに備えている。
【0091】
それぞれのグループの運転許可時間帯の時間長を短くした場合、それぞれの貯湯式給湯器104が沸上運転を行った時に、必要な蓄熱量を確保できなくなるおそれがある。上記の構成によれば、それぞれの貯湯式給湯器104がバーナユニット8を備えているので、それぞれのグループの運転許可時間帯の時間長を短くした結果、それぞれの貯湯式給湯器104が必要な蓄熱量を確保できなくなる場合であっても、バーナユニット8によって水を加熱することができる。それぞれの貯湯式給湯器104のユーザの利便性を確保することができる。
【0092】
一またはそれ以上の実施形態において、運転許可時間帯の時間長の初期値は、複数の貯湯式給湯器104のそれぞれにおける沸上運転の最大時間長に基づいて設定されている。
【0093】
上記の構成によれば、それぞれのグループの運転許可時間帯の時間長が、それぞれの貯湯式給湯器104の沸上運転の最大時間長に近いようなスケジューリングを実現することができる。
【0094】
一またはそれ以上の実施形態において、判定基準電力は、所定の時間幅における使用可能電力の最小値として特定される。一またはそれ以上の実施形態において、判定基準電力は、所定の時間幅における使用可能電力の平均値として特定される。
【0095】
判定基準電力が最も高い時刻を含むように、設定対象グループの運転許可時間帯を設定する場合、仮に、判定基準電力に急峻なピークが存在すると、そのピークの時刻に多数のグループの運転許可時間帯が集中するスケジューリングとなってしまい、そのピークの前後の時間帯において、貯湯式給湯器104の沸上運転の消費電力の総和が、想定している余剰電力を上回るおそれがある。上記の構成によれば、判定基準電力が、所定の時間幅における使用可能電力の最小値として特定されるので、使用可能電力に急峻なピークが存在する場合でも、そのピークの影響を排除したスケジューリングを実現することができる。
【0096】
一またはそれ以上の実施形態において、設定対象グループは、グループ順序リストに従って特定される。給湯管理サーバ116は、グループ順序リストを、所定の期間ごとに変更するように構成されている。
【0097】
余剰電力データに基づいてスケジューリング処理を実行する場合、余剰電力データの日ごとの変動はそれほど大きくないため、日ごとのスケジューリングの結果もそれほど大きく変化はしないと考えられる。このため、設定対象グループが、グループ順序リストに従って特定される場合、グループ順序リストを定期的に変更しないと、それぞれのグループの運転許可時間帯が、毎日同じような時間帯となってしまうおそれがある。上記の構成によれば、グループ順序リストが定期的に変更されるので、それぞれのグループの運転許可時間帯に偏りが生じてしまうことを抑制することができる。
【0098】
一またはそれ以上の実施形態において、複数の貯湯式給湯器104のそれぞれは、複数のグループのうちで自身が属するグループを、所定の期間ごとに変更するように構成されている。
【0099】
上記の構成によれば、それぞれのグループの運転許可時間帯が、毎日同じような時間帯となってしまう場合であっても、それぞれの貯湯式給湯器104の運転許可時間帯に偏りが生じてしまうことを抑制することができる。
【0100】
一またはそれ以上の実施形態において、複数の貯湯式給湯器104のそれぞれは、少なくとも1つの時間帯を含む代替タイムテーブルを保持している。複数の貯湯式給湯器104のそれぞれは、給湯管理サーバ116との通信が不能となった場合に、代替タイムテーブルの少なくとも1つの時間帯から選択された1つの時間帯を、自身の運転許可時間帯として設定するように構成されている。
【0101】
上記の構成によれば、それぞれの貯湯式給湯器104は、給湯管理サーバ116と通信不能となり、給湯管理サーバ116からスケジューリング結果を取得できなくなった場合であっても、適切な時間帯に沸上運転を実行することができる。
【0102】
一またはそれ以上の実施形態において、代替タイムテーブルは、複数の時間帯を含んでいる。複数の貯湯式給湯器104のそれぞれは、所定の期間ごとに、代替タイムテーブルの複数の時間帯から運転許可時間帯として選択される時間帯を変更するように構成されている。
【0103】
上記の構成によれば、給湯管理サーバ116と通信不能となった貯湯式給湯器104の運転許可時間帯に偏りが生じてしまうことを抑制することができる。
【0104】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0105】
4 :HPユニット
6 :タンクユニット
8 :バーナユニット
10 :圧縮機
12 :凝縮器
14 :膨張弁
16 :蒸発器
17 :HP熱源
18 :循環ポンプ
19 :HP往き経路
20 :往きサーミスタ
21 :HP戻り経路
22 :戻りサーミスタ
23 :外気温度サーミスタ
24 :HPコントローラ
30 :タンク
31 :タンク往き経路
32 :混合弁
33 :タンク戻り経路
34 :バイパス制御弁
36 :上部サーミスタ
37 :中間部サーミスタ
38 :下部サーミスタ
40 :給水経路
42 :減圧弁
44 :入水サーミスタ
46 :タンク給水経路
48 :タンクバイパス経路
50 :逆止弁
52 :逆止弁
54 :水側水量センサ
56 :タンク出湯経路
58 :逆止弁
60 :湯側水量センサ
62 :第1給湯経路
64 :混合サーミスタ
66 :第2給湯経路
68 :給湯出口サーミスタ
70 :逆止弁
72 :給湯バイパス経路
74 :タンクコントローラ
80 :バーナ
82 :熱交換器
84 :バイパスサーボ
86 :水量サーボ
88 :湯はり弁
90 :バーナ往路
91 :水量センサ
92 :バーナ復路
94 :バーナバイパス経路
96 :バーナ給湯サーミスタ
97 :バーナコントローラ
98 :湯はり経路
99 :リモコン
100 :給湯システム
102 :住居
102a :住居
102b :住居
104 :貯湯式給湯器
104a :貯湯式給湯器
104b :貯湯式給湯器
106 :ホームゲートウェイ
106a :ホームゲートウェイ
106b :ホームゲートウェイ
108 :電力事業者
110 :発電設備
112 :電力管理サーバ
114 :製造事業者
116 :給湯管理サーバ
118 :インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14