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特開2023-109696矯正的歯配列形状の生成方法及びこのための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109696
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】矯正的歯配列形状の生成方法及びこのための装置
(51)【国際特許分類】
   A61C 7/00 20060101AFI20230801BHJP
【FI】
A61C7/00
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190341
(22)【出願日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】10-2022-0012266
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】519401435
【氏名又は名称】ディーディーエイチ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】DDH INC.
【住所又は居所原語表記】21Dong 105-1Ho,101,Daehak-ro,Jongno-gu Seoul 03080,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ホ、ス ボク
(72)【発明者】
【氏名】イ、シン ジェ
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ソン ジュ
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA20
4C052JJ10
4C052NN02
4C052NN03
4C052NN15
(57)【要約】
【課題】 歯並びの矯正のための矯正的歯配列形状の生成方法及び装置を提供する。
【解決手段】 歯並びの矯正のための矯正的歯配列形状を生成する方法は、ユーザーの歯形状情報に基づいて、上顎及び下顎のうちの少なくとも一方に対して、複数の歯から特定のポイントを抽出するステップと、前記抽出された特定のポイントに基づいて、3次元のユーザーアーチフォーム(arch form)を生成するステップと、前記ユーザーアーチフォームと複数の標準アーチフォームとを比較して、前記複数の標準アーチフォームのうち、前記ユーザーアーチフォームと最も類似する標準アーチフォームを選択するステップと、前記選択された標準アーチフォームに基づいて、矯正的歯配列形状を生成するステップと、を含み得る。
【選択図】 図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯並びの矯正のための矯正的歯配列形状を生成する方法において、
ユーザーの歯形状情報に基づいて、上顎及び下顎のうちの少なくとも一方に対して、複数の歯から特定のポイントを抽出するステップと、
前記抽出された特定のポイントに基づいて、3次元のユーザーアーチフォーム(arch form)を生成するステップと、
前記ユーザーアーチフォームと複数の標準アーチフォームとを比較して、前記複数の標準アーチフォームのうち、前記ユーザーアーチフォームと最も類似する標準アーチフォームを選択するステップと、
前記選択された標準アーチフォームに基づいて、矯正的歯配列形状を生成するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記特定のポイントは、各歯の顔面軸点(Facial Axis Point;FA point)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複数の正常咬合者の歯形状情報から前記複数の標準アーチフォームを取得するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の標準アーチフォームを取得するステップは、
前記複数の正常咬合者のそれぞれの歯形状情報に基づいて、上顎及び下顎のうちの少なくとも一方に対して、複数の歯から前記特定のポイントを抽出するステップと、
前記複数の正常咬合者のそれぞれの歯形状情報から抽出された前記特定のポイントに対して3次元クラスター(cluster)分析を行うステップと、
前記クラスター分析結果に基づいて、3次元の前記複数の標準アーチフォームを生成するステップと、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の標準アーチフォームを生成するステップにおいては、前記クラスター分析結果に咬合湾曲を反映して、前記複数の標準アーチフォームを生成する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザーアーチフォームと最も類似する標準アーチフォームを選択するステップは、
前記抽出された特定のポイントにより限定され、前記ユーザーアーチフォームを含む3次元基準面を生成するステップと、
前記複数の標準アーチフォームを前記基準面に投影するステップと、
前記ユーザーアーチフォームと前記基準面に投影された複数の標準アーチフォームとを比較するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記基準面を生成するステップにおいては、
3次元スペース上の所定の基準点と前記抽出された特定のポイントのうちの隣り合う2つとを結んでそれぞれ限定される複数の平面に基づいて前記基準面を生成する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記比較するステップにおいては、
前記基準面に投影された複数の標準アーチフォームと前記ユーザーアーチフォームとが重なり合うことにより生成されるスペースの面積もしくは距離の最小値に基づいて、前記ユーザーアーチフォームと最も類似する標準アーチフォームを選択する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
歯並びの矯正のための矯正的歯配列形状を生成する装置において、
少なくとも一つのプロセッサーと、
前記プロセッサーにより起動可能なプログラムを格納するメモリーと、
を備え、
前記プロセッサーは、前記プログラムを起動することにより、ユーザーの歯形状情報に基づいて、上顎及び下顎のうちの少なくとも一方に対して、複数の歯から特定のポイントを抽出し、前記抽出された特定のポイントに基づいて、3次元のユーザーアーチフォーム(arch form)を生成し、前記ユーザーアーチフォームと複数の標準アーチフォームとを比較して、前記複数の標準アーチフォームのうち、前記ユーザーアーチフォームと最も類似する標準アーチフォームを選択し、前記選択された標準アーチフォームに基づいて、矯正的歯配列形状を生成する、装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の方法を行うために記録媒体に格納されたコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯並びの矯正のための矯正的歯配列形状の生成方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、医療もしくは美容の目的で歯の位置をきれいに整える歯牙矯正もしくは歯列矯正が行われている。歯列矯正は、単に歯並びを整えて位置のずれた歯をきれいに揃えるだけではなく、成長過程及び生活過程において生じ得る様々な骨格的不調和を改善して正常的な歯の機能を発揮できるようにして健やかな口腔組織を提供することを目的とする。骨格的不調和は、ユーザーの外貌だけではなく、顔面の骨格構造にまで影響を及ぼすため、重要な治療対象の一つである。
【0003】
歯列矯正過程において、歯が正しい位置に、もしくは、正常の角度にて位置決められるようにするために、一般に、歯に所定の力を加えて歯を歯槽骨内において所望の位置に移動させる治療が提供される。歯列矯正治療は、多種多様な方法により行われることができ、その一例として、メタル製やセラミック製のブラケットとワイヤーを用いた歯列矯正装置が用いられることが挙げられる。歯列矯正装置を用いる場合、矯正の対象となる各歯の表面にブラケットを固定し、矯正用のワイヤーを多数のブラケットにつないで、ワイヤーの弾性もしくは復元力を用いて歯に矯正力を与えてずれた歯を次第に矯正することができる。
【0004】
様々な形態の歯列矯正装置が提供される歯列矯正過程において、ユーザーの歯並びの矯正のための目標となる標準の歯配列形状及びそれに基づいて歯列矯正装置を製造するための矯正的歯配列形状の生成が求められることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するための案出されたものであって、本発明は、歯並びの矯正のための矯正的歯配列形状の生成方法及び装置を提供することを目的としている。
【0006】
本発明において解決しようとする技術的課題は、上述した技術的課題に何ら制限されるものではなく、未言及の他の技術的課題は、次の記載から本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者にとって明らかに理解できる筈である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態により矯正的歯配列形状の生成方法が提供される。該方法は、ユーザーの歯形状情報に基づいて、上顎及び下顎のうちの少なくとも一方に対して、複数の歯から特定のポイントを抽出するステップと、前記抽出された特定のポイントに基づいて、3次元のユーザーアーチフォーム(arch form)を生成するステップと、前記ユーザーアーチフォームと複数の標準アーチフォームとを比較して、前記複数の標準アーチフォームのうち、前記ユーザーアーチフォームと最も類似する標準アーチフォームを選択するステップと、前記選択された標準アーチフォームに基づいて、矯正的歯配列形状を生成するステップと、を含んでいてもよい。
【0008】
好ましくは、前記特定のポイントは、各歯の顔面軸点(Facial Axis Point;FA point)であってもよい。
【0009】
また、好ましくは、複数の正常咬合者の歯形状情報から前記複数の標準アーチフォームを取得するステップをさらに含んでいてもよい。
【0010】
さらに、好ましくは、前記複数の標準アーチフォームを取得するステップは、前記複数の正常咬合者それぞれの歯形状情報に基づいて上顎及び下顎のうちの少なくとも一方に対して、複数の歯から前記特定のポイントを抽出するステップと、前記複数の正常咬合者それぞれの歯形状情報から抽出された前記特定のポイントに対して、3次元クラスター(cluster)分析を行うステップと、前記クラスター分析結果に基づいて、3次元の前記複数の標準アーチフォームを生成するステップと、を含んでいてもよい。
【0011】
さらにまた、好ましくは、前記複数の標準アーチフォームを生成するステップにおいては、前記クラスター分析結果に咬合湾曲を反映して、前記複数の標準アーチフォームを生成してもよい。
【0012】
さらにまた、好ましくは、前記ユーザーアーチフォームと最も類似する標準アーチフォームを選択するステップは、前記抽出された特定のポイントにより限定され、前記ユーザーアーチフォームを含む3次元基準面を生成するステップと、前記複数の標準アーチフォームを前記基準面に投影するステップと、前記ユーザーアーチフォームと前記基準面に投影された複数の標準アーチフォームとを比較するステップと、を含んでいてもよい。
【0013】
さらにまた、好ましくは、前記基準面を生成するステップにおいては、3次元スペース上の所定の基準点と前記抽出された特定のポイントのうちの隣り合う2つとを結んでそれぞれ限定される複数の平面に基づいて前記基準面を生成してもよい。
【0014】
さらにまた、好ましくは、前記比較するステップにおいては、前記基準面に投影された複数の標準アーチフォームと前記ユーザーアーチフォームとが重なり合うことにより生成されるスペースの面積もしくは距離の最小値に基づいて、前記ユーザーアーチフォームと最も類似する標準アーチフォームを選択してもよい。
【0015】
本発明の一実施形態により矯正的歯配列形状の生成装置が提供される。前記装置は、少なくとも一つのプロセッサーと、前記プロセッサーにより起動可能なプログラムを格納するメモリと、を備え、前記プロセッサーは、前記プログラムを起動することにより、ユーザーの歯形状情報に基づいて、上顎及び下顎のうちの少なくとも一方に対して、複数の歯から特定のポイントを抽出し、前記抽出された特定のポイントに基づいて、3次元のユーザーアーチフォーム(arch form)を生成し、前記ユーザーアーチフォームと複数の標準アーチフォームとを比較して、前記複数の標準アーチフォームのうち、前記ユーザーアーチフォームと最も類似する標準アーチフォームを選択し、前記選択された標準アーチフォームに基づいて、矯正的歯配列形状を生成してもよい。
【発明の効果】
【0016】
上述した本発明の様々な実施形態によれば、ユーザーの歯並びの矯正のための矯正的歯配列形状をユーザーの歯並びにより速やかに、しかも、便利かつ正確に生成して適用することができる。
【0017】
本発明に係る方法及び装置が得られる効果は、上述した効果に何ら制限されるものではなく、未言及の他の効果は、次の記載から当業者にとって明らかに理解できる筈である。
本発明の詳細な説明の欄において引用される図面についてより十分に理解するために、各図面についての簡単な説明が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る矯正的歯配列形状の生成システムの構成を簡略に示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る標準アーチフォームの生成方法を説明するためのフローチャートである。
図3】本発明の一実施形態に係る矯正的歯配列形状の生成方法を説明するためのフローチャートである。
図4図3のステップS340の一実施形態を説明するためのフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態による複数の歯に対する顔面軸点の設定方法を説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態による複数の歯に対する顔面軸点の設定方法を説明するための図である。
図7図2の方法に従い生成された標準アーチフォームを例示的に説明するための図である。
図8図2の方法に従い生成された標準アーチフォームを例示的に説明するための図である。
図9図2の方法に従い生成された標準アーチフォームを例示的に説明するための図である。
図10】本発明の一実施形態によるユーザーアーチフォームの生成方法を説明するための図である。
図11】本発明の一実施形態によるユーザーアーチフォームと標準アーチフォームとを比較する方法を説明するための図である。
図12】本発明の一実施形態によるユーザーアーチフォームと標準アーチフォームとを比較する方法を説明するための図である。
図13】本発明の一実施形態による矯正的歯配列形状の生成装置の構成を簡略に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の技術的思想は、様々な変更を加えることができ、種々の実施形態を有することができるので、特定の実施形態を図面に例示し、これについて詳しく説明する。しかしながら、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の技術的思想の範囲に含まれるあらゆる変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。
【0020】
本発明の技術的思想について説明するに当たって、関連する公知の技術についての具体的な説明が本発明の要旨を余計に曖昧にする虞があると認められる場合には、その具体的な説明を省略する。なお、本発明について説明する過程において用いられる数字(例えば、「第1の」、「第2の」など)の言い回しは、ある構成要素を他の構成要素から区別する目的でしか使えない。
【0021】
また、明細書の全般に亘って、ある構成要素が他の構成要素と「連結」されているとか、「接続」されているとか、と言及された場合、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に連結されたり接続されたりすると理解されるべきであるか、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、これらの間に他の構成要素を介して連結されたり接続されたりすると理解されるべきである。
【0022】
さらに、本発明に記載されている、例えば、「部」、「器」、「子」、「モジュール」などの言い回しは、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、プロセッサー(Processor)、マイクロプロセッサー(Micro Processer)、マイクロコントローラー(Micro Controller)、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、グラフィックス処理装置(GPU:Graphics Processing Unit)、加速プロセッシングユニット(APU:Accelerate Processor Unit)、デジタル信号プロセッサー(DSP:Digital Signal Processor)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)などのハードウェアやソフトウェア、もしくは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせにより実現可能である。
【0023】
そして、本発明における構成部についての区別は、各構成部が司る主な機能ごとに区別したものに過ぎないということを明らかにしておきたい。すなわち、以下において説明する2つ以上の構成部が一つの構成部にまとめられてもよく、あるいは、一つの構成部がさらに細分化された機能ごとに2つ以上に分けられて備えられてもよい。なお、以下において説明する構成部のそれぞれは、自分が司る主な機能の他にも、他の構成部が司る機能の一部または全部の機能をさらに行ってもよく、構成部のそれぞれが司る主な機能のうちの一部の機能が他の構成部により専担されて行われてもよいということはいうまでもない。
【0024】
以下、本発明の実施形態について順番に詳しく説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る矯正的歯配列形状の生成システムの構成を簡略に示すブロック図である。
【0026】
図1を参照すると、矯正的歯配列形状の生成システムは、矯正的歯配列形状の生成装置1100及びサーバー1200を備えていてもよい。
【0027】
矯正的歯配列形状の生成装置100は、ユーザーの歯形状情報を取得することができる。歯列矯正のためには、矯正の対象となるユーザーの口腔の測定を行うことが必要である。ユーザーの歯形状情報は、ユーザーの口腔内に形成された複数の歯の形状、形成位置及び方向などを含んでいてもよい。歯形状情報は、歯肉ラインの下の歯肉縁下部位を含んでいてもよい。矯正的歯配列形状の生成装置100は、歯形状情報取得部を備えて自らユーザーの歯形状情報を取得してもよく、外部から予め生成されたユーザーの歯形状情報を提供されてもよい。
【0028】
実施形態において、ユーザーの歯形状情報は、スキャン方式により取得可能である。スキャン方式は、光学式3Dスキャナー(Optical 3D Scanner)、治療用のCTなどの情報取得装置を用いてユーザーの口腔内情報を取得し、取得された情報を処理して全体の歯形状情報を取得する方式である。光学式3DスキャナーもしくはCTなどを用いるスキャン方式は、ユーザーの歯もしくは歯茎などに物理的に接触せずとも歯形状情報を取得することができるので、役に立つ方式であるといえる。
【0029】
実施形態において、歯形状情報は、石膏方式により取得されてもよい。石膏方式は、ユーザーの口腔内に硬化される石膏材質の部材を投入し、硬化された形状を通してユーザーの口腔内の歯の歯型模型を作製して歯形状情報を取得する方式である。石膏方式は、患者に不便さを与えてしまう虞があり、スキャン方式に比べて相対的に長い時間が求められる虞がある。
【0030】
スキャン方式もしくは石膏方式により取得された情報は、デジタル処理を通じた3Dモデリングの形態に変換可能である。
【0031】
実施形態において、歯形状情報は、複数の歯及び歯茎の形状をいずれも含んでいてもよい。矯正的歯配列形状の生成装置100は、歯形状情報に含まれている複数の歯及び歯茎を判別して互いに区別することができる。例示的に、矯正的歯配列形状の生成装置100は、歯と歯茎との色調差、明度差、既に設定された境界線などの情報に基づいて、複数の歯及び歯茎を区別することができる。しかしながら、矯正的歯配列形状の生成装置100が区別動作に用いる情報は、上述した例に何ら限定されない。
【0032】
矯正的歯配列形状の生成装置100は、取得された歯形状情報に基づいて、ユーザーの上顎及び下顎のうちの少なくとも一方に対して、複数の歯のそれぞれから特定のポイントを抽出することができる。ここで、特定のポイントは、各歯の顔面軸点(Facial Axis Point;FA point)になり得るが、これについての具体的な内容は、図5及び図6と結び付けて後述する。
【0033】
矯正的歯配列形状の生成装置100は、抽出された特定のポイントに基づいて、ユーザーアーチフォーム及びこれを含む3次元の基準面を生成し、データベースに格納された複数の標準アーチフォームを基準面に投影してユーザーアーチフォームと標準アーチフォームとを互いに比較することができる。
【0034】
矯正的歯配列形状の生成装置100は、比較の結果に基づいて、複数の標準アーチフォームのうち、ユーザーアーチフォームと最も類似する標準アーチフォームを選択することができる。ここで、複数の標準アーチフォームは、複数の正常咬合者の歯形状情報から抽出された特定のポイント(すなわち、歯の顔面軸点)に対して、統計的な 3次元クラスター分析を行って取得されたものであってもよい。
【0035】
一方、矯正的歯配列形状の生成装置100は、選択された標準アーチフォームに基づいて、矯正的歯配列形状を生成することができる。矯正的歯配列形状は、ユーザーの歯を選択された標準アーチフォームに対応する歯配列(すなわち、標準歯配列)形状に変換するための矯正装置をモデリングするための形状である。実施形態において、矯正的歯配列形状は、ユーザーの歯を一括して標準の歯配列形状に変換するように提供されてもよいが、ユーザーの歯に加えられる負担を軽減するために、漸進的に変化するようにし、その全体の変化の狙いが標準の歯配列形状になるように複数回提供されてもよい。
【0036】
サーバー200は、矯正的歯配列形状の生成装置100と通信しながら、矯正的歯配列の形成動作に必要な情報を矯正的歯配列形状の生成装置100に与えることができる。なお、サーバー200は、矯正的歯配列形状の生成装置100から与えられる矯正装置モデリングを格納し、実際に矯正装置として実現するための矯正的歯配列形状の生成装置にモデリングを与えることができる。
【0037】
図2は、本発明の一実施形態に係る標準アーチフォームの生成方法を説明するためのフローチャートである。
【0038】
ステップS210において、矯正的歯配列形状の生成装置100は、複数の正常咬合者に関する歯形状情報を取得することができる。
【0039】
例えば、矯正的歯配列形状の生成装置100は、内部のデータベース及び/又は外部のデータベースサーバーなどから専門医などにより正常咬合者と分類された複数の対象者に関する歯形状情報を受信する方式にて複数の正常咬合者の歯形状情報を取得することができる。
【0040】
このとき、歯形状情報は、光学式3Dスキャナー(Optical 3D Scanner)、治療用のCTなどの情報取得装置を用いて、ユーザーの口腔内の情報を取得し、取得された情報を処理することにより生成されたものであってもよい。
【0041】
ステップS210において、矯正的歯配列形状の生成装置100は、複数の正常咬合者のそれぞれの歯形状情報に基づいて、上顎及び/又は下顎に対して、複数の歯から特定のポイント抽出することができる。ここで、特定のポイントは、各歯の顔面軸点であってもよく、抽出された特定のポイントは、3次元スペースの上に特定の座標で表わされてもよい。
【0042】
一実施形態において、矯正的歯配列形状の生成装置100は、ユーザーの入力に応じて、顔面軸点を抽出することができる。例えば、矯正的歯配列形状の生成装置100は、通信により結ばれたユーザー端末または自体のディスプレイに所定のユーザーインターフェース(User Interface)を与えることができ、ユーザーインタフェースに表示された歯形状情報に基づいて、ユーザーをして各歯のある一つの個所を選択せしめる方式にて各歯の顔面軸点を生成するように構成されてもよい。
【0043】
一実施形態において、矯正的歯配列形状の生成装置100は、学習されたネットワーク関数を用いて、歯形状情報から顔面軸点を抽出することができる。
【0044】
ネットワーク関数は、学習データ(例えば、専門医または他のネットワーク関数などにより各歯の顔面軸点がラベル付けされた歯形状情報など)を用いて予め各歯の顔面軸点を検出する学習が行われたものであってもよい。
【0045】
ステップS230において、矯正的歯配列形状の生成装置100は、複数の正常咬合者に対応して抽出された特定のポイント(顔面軸点)に対して、統計的な3次元クラスター(cluster)分析を行うことができる。
【0046】
クラスター分析を行うことで、それぞれの歯から抽出された特定のポイントは、3次元スペース上のそれぞれ特定の位置に複数の群集を形成することができる。
【0047】
ステップS240において、矯正的歯配列形状の生成装置100は、3次元クラスター分析結果に基づいて、複数の標準アーチフォームを生成することができる。
【0048】
標準アーチフォームは、3次元スペースの上において限定される曲線であって、クラスター分析を行うことで分類された複数の群集を所定の方式によりつなげて形成されることができる。このとき、標準アーチフォームの生成に際しては、咬合湾曲が反映されてもよい。咬合湾曲は、矢状面(サジタル面)と前頭面(コロナル面)などにおいて観察可能な咬合の湾曲(前後方湾曲、側方湾曲など)を指し示すことがあり、矯正的歯配列形状の生成装置100は、このような咬合湾曲を反映して3次元スペースの上に複数の標準アーチフォームを生成することができる。
【0049】
実施形態により、正常咬合者の人種、性別、年齢分布などに基づいて、それぞれ異なる数及び形状の標準アーチフォームが設定可能である。
【0050】
図3は、本発明の一実施形態に係る矯正的歯配列形状の生成方法を説明するためのフローチャートであり、図4は、図3におけるステップS340の一実施形態を説明するためのフローチャートである。
【0051】
ステップS310において、矯正的歯配列形状の生成装置100は、ユーザー(すなわち、矯正の対象者)の歯形状情報を取得することができる。
【0052】
例えば、ユーザーの歯形状情報は、有無線通信により結ばれた外部のコンピューティング装置(サーバーなど)から受信されてもよく、光学式3Dスキャナー(Optical 3D Scanner)、治療用CTなどの情報取得装置を介して取得されてもよい。
【0053】
ステップS320において、矯正的歯配列形状の生成装置100は、取得された歯形状情報に基づいて、上顎及び/又は下顎に対して、複数の歯から特定のポイント抽出することができる。ここで、特定のポイントは、各歯の顔面軸点であってもよく、抽出された特定のポイントは、3次元スペースの上に特定の座標で表わされてもよい。
【0054】
実施形態により、特定のポイントは、ユーザーの入力に基づいて抽出(または、生成)されてもよく、あるいは、学習されたネットワーク関数により抽出されてもよい。
【0055】
ステップS330において、矯正的歯配列形状の生成装置100は、抽出された特定のポイントに基づいて、3次元のユーザーアーチフォームを生成することができる。例えば、矯正的歯配列形状の生成装置100は、3次元座標で表わされる複数の特定のポイントを順番に互いに結ぶことにより、3次元のユーザーアーチフォームを生成することができる。
【0056】
ステップS340において、矯正的歯配列形状の生成装置100は、ユーザーアーチフォームとデータベースに格納された複数の標準アーチフォームとを比較して、ユーザーアーチフォームと最も類似する標準アーチフォームを選択することができる。このとき、標準アーチフォームは、図2に基づいて上述した方法(200)により正常咬合者の歯形状情報に基づいて生成されてデータベースに格納されてもよく、3次元の曲線であってもよい。
【0057】
一実施形態において、ステップS340は、図4に示すように、ステップS341~ステップS343を含んでいてもよい。
【0058】
まず、ステップS341において、矯正的歯配列形状の生成装置100は、抽出された特定のポイントにより限定され、ユーザーアーチフォームを含む3次元基準面を生成することができる。
【0059】
具体的に、矯正的歯配列形状の生成装置100は、3次元スペース上の所定の基準点と抽出された特定のポイントのうちの隣り合う2つとを結んでそれぞれ限定される複数の平面に基づいて、基準面を生成することができる。一実施形態において、基準点は、ユーザーアーチフォームがマッピングされた3次元スペース上の原点であってもよい。
【0060】
すなわち、所定の基準点から隣り合っている2つの特定のポイントをそれぞれ通る2本の直線により一つの平面が限定されることができるので、隣り合う2つの特定のポイントを基準点と結びながら、複数の平面を限定し、これらを結合して3次元の基準面を生成することができる。この場合、ユーザーアーチフォームは、基準面の上に配置されてもよい。
【0061】
次いで、ステップS342において、矯正的歯配列形状の生成装置100は、複数の標準アーチフォームを基準面に投影することができる。
【0062】
例えば、矯正的歯配列形状の生成装置100は、複数の標準アーチフォームを基準点などに基づいてユーザーアーチフォームと位置合わせし、基準面にこれらを投影することができる。
【0063】
ステップS343において、矯正的歯配列形状の生成装置100は、ユーザーアーチフォームと基準面に投影された複数の標準アーチフォームとを比較して、最も類似する標準アーチフォーム選択することができる。
【0064】
一実施形態において、矯正的歯配列形状の生成装置100は、基準面に投影された複数の標準アーチフォームとユーザーアーチフォームとが重なり合うことにより生成されるスペースの面積もしくは距離の最小値に基づいて、前記ユーザーアーチフォームと最も類似する標準アーチフォームを選択することができる。
【0065】
ステップS340を通して、標準アーチフォームが選択されれば、ステップS350において、矯正的歯配列形状の生成装置100は、選択された標準アーチフォームに基づいて、ユーザーに適用されるべき矯正的歯配列形状を生成することができる。
【0066】
ここで、矯正的歯配列形状は、ユーザーの歯を選択された標準アーチフォームに対応する歯配列(すなわち、標準歯配列形状)に変換するための矯正装置をモデリングするための形状を指し示すことがある。
【0067】
図5及び図6は、本発明の一実施形態による複数の歯に対する顔面軸点の設定方法を説明するための図である。
【0068】
図5は、歯冠(Crown)及び歯根(Root)を有する歯の一例を示す。図5を参照すると、各歯の臨床歯冠(Clinical Crown)の歯肉(Gingiva)と咬合を分離する二等分点、すなわち、図示の軸の交差点に相当する個所が当該歯の顔面軸点となる。
【0069】
図6を参照すると、各歯に対して顔面軸点が点(point)状に示されているということを確認することができる。複数の歯のそれぞれに対する顔面軸点は、互いに独立して抽出されてもよく、3次元スペース上の座標としてマッピングされてもよい。各歯の顔面軸点を結んだ線は、アーチフォーム(arch form)を意味することもある。
【0070】
一実施形態において、矯正的歯配列形状の生成装置100は、各歯の形状に基づいて歯の長軸を判別し、これに基づいて、各歯に対する顔面軸点をユーザーの入力無しにも決定することができる。
【0071】
一実施形態において、矯正的歯配列形状の生成装置100は、学習されたネットワーク関数を用いて、歯形状情報からここに含まれている複数の歯のそれぞれに対する顔面軸点を抽出することができる。
【0072】
ここで、ネットワーク関数は、神経網及び/又はニューラルネットワーク(neural network)と同じ意味として使用可能である。ここで、ニューラルネットワーク(神経網)は、一般に、ノード(神経細胞)と呼ばれる互いに繋げられた計算単位の集合から構成されてもよく、これらのノードは、ニューロンと指し示されることがある。ニューラルネットワークは、一般に、複数のノードを備えてなる。ニューラルネットワークを構成するノードは、一つ以上のリンクにより互いに接続されることができる。
【0073】
ニューラルネットワークを構成するノードの一部は、最初の入力ノードからの距離に基づいて一つのレイヤー(layer)(層)を構成することができる。例えば、最初の入力ノードから距離がnであるノードの集合は、nレイヤーを構成することができる。ニューラルネットワークは、入力レイヤーと出力レイヤーの他に、複数の隠れたレイヤーを有するディープニューラルネットワーク(Deep Neural Network;DNN)を備えていてもよい。
【0074】
ネットワーク関数は、複数の畳み込み層(convolutional layer)と全接続層(完全に接続されたレイヤー;fully connected layer)を備えていてもよい。複数の畳み込み層は、画像を抽象化してフィーチャーを抽出し、全接続層は、検出客体の出力確率などを予測するように実現されてもよい。
【0075】
図7から図9は、図2の方法に従い生成された標準アーチフォームを例示的に説明するための図である。
【0076】
標準アーチフォーム10は、複数の正常咬合者に関する歯形状情報に基づいて、各歯から抽出された特定のポイント(すなわち、顔面軸点)に対して3次元クラスター分析を行うことにより形成されることができる。
【0077】
図7に示すように、標準アーチフォーム10は、3次元スペースの上に所定の曲線状を有するように形成されてもよい。このとき、標準アーチフォームの曲率などの形状は、咬合湾曲を反映して決定可能である。
【0078】
図8及び図9を参照すると、咬合湾曲は、矢状面から観察可能な咬合の湾曲(前後方湾曲、spee’s curve)と前頭面から観察可能な咬合の湾曲(側方湾曲、wilsen curve)を指し示すことがある。
【0079】
図7には、一つの標準アーチフォームが示されているが、これは、単なる例示に過ぎず、クラスター分析結果に応じて、3以上の標準アーチフォームが形成されてもよい。
【0080】
また、実施形態に応じて、正常咬合者の人種、性別、年齢分布などに基づいてそれぞれ異なる数及び形状の標準アーチフォームが設定されてもよい。
【0081】
図10は、本発明の一実施形態によるユーザーアーチフォームの生成方法を説明するための図である。
【0082】
複数の歯に対してそれぞれ決定された顔面軸点は、3次元スペースの上において座標で表わされることができるが、図10に示すように、所定の基準点を基準として各顔面軸点の3次元座標を算出することができる。基準点は、顔面軸点が互いに結ばれて生成されるユーザーアーチフォームの内部に存在するように設定されることが好ましい。
【0083】
基準点からx、y及びz軸を延ばして各顔面軸点の3次元座標を算出することができる。このとき、基準点の3次元座標は、(0,0,0)となる。図10は、説明のしやすさのために、上顎に限定して各歯の顔面軸点の3次元座標を示したものである。
【0084】
3次元スペースの上において各顔面軸点を結ぶことにより、3次元のユーザーアーチフォーム20が形成されることが可能になる。
【0085】
図11及び図12は、本発明の一実施形態によるユーザーアーチフォームと標準アーチフォームとを比較する方法を説明するための図である。
【0086】
一実施形態において、ユーザーアーチフォーム20と複数の標準アーチフォーム10とを互いに比較するために、3次元の基準面30を生成することができる。
【0087】
3次元の基準面30は、隣り合っている2つの顔面軸点を順次に選択し、基準点から2つの顔面軸点を通る2本の直線により限定される平面を結合して生成されることができる。
【0088】
基準面30には、顔面軸点を結んだユーザーアーチフォーム20が配置されてもよい。
【0089】
次いで、基準面30に複数の標準アーチフォーム10を同時にまたは順次に投影してもよく、基準面30に投影された標準アーチフォーム10-1をユーザーアーチフォーム20と比較することにより、最も類似する標準アーチフォーム10を選択することができる。
【0090】
図12に示すように、最も類似する標準アーチフォーム10の選択は、標準アーチフォームとユーザーアーチフォームとが重なり合うことにより生成されるスペースn1の面積に基づいて行われてもよい。
【0091】
例えば、複数の標準アーチフォーム10を基準面30に順次に投影しながら、n1の面積を計算し、n1の面積が最小となるようにする標準アーチフォーム10をユーザーアーチフォーム20と最も類似する標準アーチフォーム10として選択してもよい。
【0092】
図13は、本発明の一実施形態による矯正的歯配列形状の生成装置の構成を簡略に示すブロック図である。
【0093】
通信部1310は、外部の装置及び/又はサーバーなどからデータ(例えば、歯形状情報など)を送受信することができる。通信部1310は、有無線通信部を備えていてもよい。通信部1310が有線通信部を備える場合、通信部1310は、近距離通信網(Local Area Network;LAN)、広域通信網(Wide Area Network;WAN)、付加価値通信網(Value Added Network;VAN)、移動通信網(mobile radio communication network)、衛星通信網及びこれらを互いに組み合わせることにより通信を行わせる一つ以上の構成要素を備えていてもよい。なお、通信部1310が無線通信部を備える場合、通信部1310は、セルラー通信、無線LAN(例えば、Wi-Fiなど)を用いて無線にてデータまたは信号を送受信することができる。一実施形態において、通信部は、プロセッサー1340の制御により外部の装置または外部のサーバーとデータまたは信号を送受信することができる。
【0094】
入力部1320は、外部の操作を行うことで、様々なユーザー入力及び/又は指令を受信することができる。このために、入力部1320は、一台以上の入力装置を備えたり接続したりすることができる。例えば、入力部1320は、キーパッド、マウスなど様々な入力のためのインターフェースと接続されてユーザー入力及び/又は指令を受信することができる。このために、入力部1320は、USBポートだけではなく、サンダーボルトなどのインターフェースを備えていてもよい。なお、入力部1320は、タッチスクリーン、ボタンなどの様々な入力装置を備えていてもよく、これらと結合されて外部のユーザー入力及び/又は指令を受信することができる。
【0095】
メモリ1330は、プロセッサー1340の動作のためのプログラムを格納していてもよく、入/出力されるデータを一時的にまたは永久的に格納することができる。メモリ130は、フラッシュメモリ(flash memory)タイプ、ハードディスク(hard disk)タイプ、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro)タイプ、カードタイプのメモリ(例えば、SDもしくはXDメモリなど)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:Static Random Access Memory)、読み取り専用のメモリ(ROM:Read-Only Memory)、電気的に消去/プログラムが可能な読み取り専用のメモリ(EEPROM:Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、プログラムが可能な読み取り専用のメモリ(PROM:Programmable Read-Only Memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクのうちの少なくとも一つのタイプの記憶媒体を含んでいてもよい。
【0096】
また、メモリ1330は、様々なネットワーク関数及びアルゴリズムを格納していてもよく、装置1300を駆動しかつ制御するための様々なデータ、プログラム(一つ以上がインストラクション)、アプリケーション、ソフトウェア、指令、コードなどを格納していてもよい。
【0097】
プロセッサー1340は、装置1300の全般的な動作を制御することができる。プロセッサー1340は、メモリ1330に格納される一つ以上のプログラムを起動することができる。プロセッサー1340は、中央処理装置(Central Processing Unit;CPU)、グラフィックス処理装置(Graphics Processing Unit;;GPU)または本発明の様々な実施形態に係る方法が行われる専用のプロセッサーを意味することがある。
【0098】
一実施形態において、プロセッサー1340は、ユーザーの歯形状情報に基づいて、上顎及び下顎のうちの少なくとも一方に対して、複数の歯から特定のポイントを抽出し、前記抽出された特定のポイントに基づいて、3次元のユーザーアーチフォーム(arch form)を生成し、前記ユーザーアーチフォームと複数の標準アーチフォームとを比較して、前記複数の標準アーチフォームのうち、前記ユーザーアーチフォームと最も類似する標準アーチフォームを選択し、前記選択された標準アーチフォームに基づいて、矯正的歯配列形状を生成することができる。
【0099】
ここで、特定のポイントは、各歯の顔面軸点(Facial Axis Point;FA point)であってもよい。
【0100】
一実施形態において、プロセッサー1340は、複数の正常咬合者の歯形状情報から前記複数の標準アーチフォームを取得することができる。
【0101】
一実施形態において、プロセッサー1340は、前記複数の正常咬合者のそれぞれの歯形状情報に基づいて、上顎及び下顎のうちの少なくとも一方に対して、複数の歯から前記特定のポイントを抽出し、前記複数の正常咬合者のそれぞれの歯形状情報から抽出された前記特定のポイントに対して、3次元クラスター(cluster)分析を行い、前記クラスター分析結果に基づいて、3次元の前記複数の標準アーチフォームを生成することができる。
【0102】
一実施形態において、プロセッサー1340は、前記クラスター分析結果に咬合湾曲を反映して、前記複数の標準アーチフォームを生成することができる。
【0103】
一実施形態において、プロセッサー1340は、前記抽出された特定のポイントにより限定され、前記ユーザーアーチフォームを含む3次元基準面を生成し、前記複数の標準アーチフォームを前記基準面に投影して、前記ユーザーアーチフォームと前記基準面に投影された複数の標準アーチフォームとを比較することができる。
【0104】
一実施形態において、プロセッサー1340は、3次元スペース上の所定の基準点と前記抽出された特定のポイントのうちの隣り合う2つとを結んでそれぞれ限定される複数の平面に基づいて、前記基準面を生成することができる。
【0105】
一実施形態において、プロセッサー1340は、前記基準面に投影された複数の標準アーチフォームと前記ユーザーアーチフォームとが重なり合うことにより生成されるスペースの面積もしくは距離の最小値に基づいて、前記ユーザーアーチフォームと最も類似する標準アーチフォームを選択することができる。
【0106】
一方、図示はしないが、装置1300は、ディスプレイをさらに備えていてもよい。ディスプレイは、装置1300において処理される情報を表示・出力する。例えば、ディスプレイは、ユーザーにユーザーの歯配列形状情報、矯正の狙いとなる標準の歯配列形状情報もしくは矯正的歯配列形状を提供するためのユーザーインタフェースをディスプレイすることができる。ディスプレイは、出力装置の他に、入力装置としても利用可能である。ディスプレイとしては、液晶ディスプレイ(liquid crystal display)、薄膜トランジスター液晶ディスプレイ(thin film transistor-liquid crystal display)、有機発光ダイオード(organic light-emitting diode)、フレキシブルディスプレイ(flexible display)、3次元ディスプレイ(3D display)、電気泳動ディスプレイ(electrophoretic display)のうちの少なくとも一つが挙げられる。
【0107】
本発明の実施形態に係る方法は、様々なコンピューター手段により起動可能なプログラムコマンドの形式により実現されてコンピューターにて読み取り可能な媒体に記録可能である。前記コンピューターにて読み取り可能な媒体は、プログラムコマンド、データファイル、データ構造などを単独にてもしくは組み合わせて含んでいてもよい。上記の媒体に記録されるプログラムコマンドは、本発明のために特別に設計されかつ構成されたものであってもよく、コンピューターソフトウェアの当業者にとって公知となって使用可能なものであってもよい。コンピューターにて読み取り可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピーディスク及び磁気テープなどの磁気媒体(magnetic media)、CD-ROM、DVDなどの光記録媒体(optical media)、フロプティカルディスク(floptical disk)などの磁気-光媒体(magneto-optical media)、及び読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリなどのプログラムコマンドを格納しかつ行うように特別に構成されたハードウェア装置が挙げられる。プログラム指令の例としては、コンパイラーにより作成されるものなどの機械語コードだけではなく、インタープリーターなどを用いてコンピューターにより起動可能な高級言語コードが挙げられる。
【0108】
また、本発明の実施形態に係る方法は、コンピュータープログラム製品(computer program product)に埋め込まれて提供されてもよい。コンピュータープログラム製品は、商品として販売者及び購買者の間において取引可能である。
【0109】
コンピュータープログラム製品は、S/Wプログラム、S/Wプログラムが格納されたコンピューターにて読み取り可能な記憶媒体を備えていてもよい。例えば、コンピュータープログラム製品は、電子装置のメーカーまたは電子マーケット(例えば、グーグルプレイストア、アップストア)を介して電子的に配信されるS/Wプログラムタイプの商品(例えば、ダウンローダブルアップ)を備えていてもよい。電子的な配信のために、S/Wプログラムの少なくとも一部は、記憶媒体に格納されてもよく、一時的に生成されてもよい。この場合、記憶媒体は、メーカーのサーバー、電子マーケットのサーバー、またはSWプログラムを一時的に格納する中継サーバーの記憶媒体になり得る。
【0110】
コンピュータープログラム製品は、サーバー及びクライアント装置から構成されるシステムにおいて、サーバーの記憶媒体またはクライアント装置の記憶媒体を備えていてもよい。あるいは、サーバーまたはクライアント装置と通信により接続される第3の装置(例えば、スマートフォン)が存在する場合、コンピュータープログラム製品は、第3の装置の記憶媒体を備えていてもよい。あるいは、コンピュータープログラム製品は、サーバーからクライアント装置または第3の装置へと送信されてもよく、あるいは、第3の装置からクライアント装置へと送信されるS/Wプログラムそれ自体を含んでいてもよい。
【0111】
この場合、サーバー、クライアント装置及び第3の装置のうちの一つがコンピュータープログラム製品を実行して開示された実施形態に係る方法を行ってもよい。あるいは、サーバー、クライアント装置及び第3の装置のうちの2以上がコンピュータープログラム製品を実行して開示された実施形態に係る方法を分散して行ってもよい。
【0112】
例えば、サーバー(例えば、クラウドサーバーまたは人口知能サーバーなど)がサーバーに格納されたコンピュータープログラム製品を実行して、サーバーと通信により接続されたクライアント装置が開示された実施形態に係る方法を行うように制御してもよい。
【0113】
以上において、実施形態について詳しく説明したが、本発明の権利範囲はこれに何ら限定されるものではなく、下記の特許請求の範囲において定義している本発明の基本概念を用いた当業者の色々な変形及び改良形態もまた本発明の権利範囲に属する。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13