IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

2023-109729カルボン酸塩、カルボン酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109729
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】カルボン酸塩、カルボン酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/004 20060101AFI20230801BHJP
   C07C 381/12 20060101ALI20230801BHJP
   C07C 62/24 20060101ALI20230801BHJP
   C07C 61/135 20060101ALI20230801BHJP
   C07C 63/70 20060101ALI20230801BHJP
   C09K 3/00 20060101ALI20230801BHJP
   C07D 321/10 20060101ALI20230801BHJP
   G03F 7/039 20060101ALI20230801BHJP
   G03F 7/038 20060101ALI20230801BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
G03F7/004 502
C07C381/12 CSP
C07C62/24
C07C61/135
C07C63/70
C09K3/00 K
C07D321/10
G03F7/004 503A
G03F7/039 601
G03F7/038 601
G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010337
(22)【出願日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】P 2022011213
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】小室 勝洋
(72)【発明者】
【氏名】寺東 祥平
(72)【発明者】
【氏名】市川 幸司
【テーマコード(参考)】
2H197
2H225
4H006
【Fターム(参考)】
2H197AA12
2H197CA06
2H197CA08
2H197CA09
2H197CA10
2H197CE01
2H197CE10
2H197HA03
2H197JA22
2H225AF22P
2H225AF23P
2H225AF53P
2H225AF67P
2H225AF71P
2H225AF73P
2H225AF92P
2H225AF99P
2H225AH17
2H225AH19
2H225AJ13
2H225AJ55
2H225AJ59
2H225AM23P
2H225AM27P
2H225AN38P
2H225AN39P
2H225AN45P
2H225AN54P
2H225BA02P
2H225BA26P
2H225BA29P
2H225CA12
2H225CB10
2H225CC01
2H225CC15
2H225CD05
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB80
4H006BM30
4H006BM74
4H006BR70
4H006BS20
4H006BS30
4H006TN10
4H006TN30
(57)【要約】      (修正有)
【課題】良好なCD均一性を有するレジストパターンを製造することができるカルボン酸塩、カルボン酸発生剤及びこれを含むレジスト組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】式(I)で表されるカルボン酸塩、カルボン酸発生剤及びレジスト組成物。

[式中、R、R及びRはそれぞれ置換基を有してもよいナフタレン、置換基を有してもよいアントラセン又は置換基を有してもよいフェナントレンを表す。R、R及びRはそれぞれハロゲン原子、ハロアルキル基又は炭化水素基を表す。A、A及びAはそれぞれ炭化水素基を表す。Xは、置換基を有してもよい炭化水素基を表す。]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表されるカルボン酸塩を含有するカルボン酸発生剤。
[式(I)中、
、R及びRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいナフタレン、置換基を有してもよいアントラセン又は置換基を有してもよいフェナントレンを表す。
、R及びRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~12のハロアルキル基又は炭素数1~36の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該ハロアルキル基及び該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-で置き換わっていてもよい。
、A及びAは、それぞれ独立に、炭素数1~20の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO-で置き換わっていてもよい。
m1は、1~5のいずれかの整数を表し、m1が2以上のとき、複数の括弧内の基は互いに同一であっても異なってもよい。
m2は、0~5のいずれかの整数を表し、m2が2以上のとき、複数の括弧内の基は互いに同一であっても異なってもよい。
m3は、0~5のいずれかの整数を表し、m3が2以上のとき、複数の括弧内の基は互いに同一であっても異なってもよい。
m7は、0~4のいずれかの整数を表し、m7が2以上のとき、複数のRは互いに同一であっても異なってもよい。
m8は、0~5のいずれかの整数を表し、m8が2以上のとき、複数のRは互いに同一であっても異なってもよい。
m9は、0~5のいずれかの整数を表し、m9が2以上のとき、複数のRは互いに同一であっても異なってもよい。
但し、1≦m1+m7≦5、0≦m2+m8≦5、0≦m3+m9≦5である。
は、置換基を有してもよい炭素数1~72の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。]
【請求項2】
が、***-X01-L01-又は***-L01-X01-であり、
が、***-X02-L02-又は***-L02-X02-であり、
が、***-X03-L03-又は***-L03-X03-であり、
01、X02及びX03は、それぞれ独立に、-O-、-CO-、-S-又は-SO-を表し、
01、L02及びL03は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1~18の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO-で置き換わっていてもよく、
***は、Sと結合するベンゼン環との結合部位を表す請求項1に記載のカルボン酸発生剤。
【請求項3】
01、X02及びX03が、それぞれ独立に、-O-又は-S-である請求項2に記載のカルボン酸発生剤。
【請求項4】
01、L02及びL03が、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1~6のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)である請求項2に記載のカルボン酸発生剤。
【請求項5】
式(I)で表されるカルボン酸塩が、式(IA)で表されるカルボン酸塩である請求項1に記載のカルボン酸発生剤。
[式(IA)中、
、R、R、m1、m2、m3、m7、m8、m9、A、A、A、Xは、式(I)と同じものを表す。
、R及びRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~12のハロアルキル基又は炭素数1~36の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該ハロアルキル基及び該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-で置き換わっていてもよい。
m4は、0~7のいずれかの整数を表し、m4が2以上のとき、複数のRは互いに同一であっても異なってもよい。
m5は、0~7のいずれかの整数を表し、m5が2以上のとき、複数のRは互いに同一であっても異なってもよい。
m6は、0~7のいずれかの整数を表し、m6が2以上のとき、複数のRは互いに同一であっても異なってもよい。]
【請求項6】
m4、m5及びm6の少なくとも1つが1以上の整数であり、
、R及びRが、それぞれ独立に、フッ素原子、ヨウ素原子、臭素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又は炭素数1~4のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)である請求項5に記載のカルボン酸発生剤。
【請求項7】
式(I)で表されるカルボン酸塩が、式(IB)で表されるカルボン酸塩である請求項1に記載のカルボン酸発生剤。
[式(IB)中、
、R、R、m1、m2、m3、m7、m8、m9、A、A、A、Xは、式(I)と同じものを表す。
4A、R5A及びR6Aは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~12のハロアルキル基又はヒドロキシ基を表す。
4B、R5B及びR6Bは、それぞれ独立に、炭素数1~36の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-で置き換わっていてもよい。
m10、m11及びm12は、それぞれ独立に、0又は1を表す。
m4Aは、1≦m4A≦7+2×m10を満たすいずれかの整数を表し、m4Aが2以上のとき、複数のR4Aは互いに同一であっても異なってもよい。
m4Bは、0≦m4B≦6+2×m10を満たすいずれかの整数を表し、m4Bが2以上のとき、複数のR4Bは互いに同一であっても異なってもよい。
m5Aは、0≦m5A≦7+2×m11を満たすいずれかの整数を表し、m5Aが2以上のとき、複数のR5Aは互いに同一であっても異なってもよい。
m5Bは、0≦m5B≦7+2×m11を満たすいずれかの整数を表し、m5Bが2以上のとき、複数のR5Bは互いに同一であっても異なってもよい。
m6Aは、0≦m6A≦7+2×m12を満たすいずれかの整数を表し、m6Aが2以上のとき、複数のR6Aは互いに同一であっても異なってもよい。
m6Bは、0≦m6B≦7+2×m12を満たすいずれかの整数を表し、m6Bが2以上のとき、複数のR6Bは互いに同一であっても異なってもよい。
但し、1≦m4A+m4B≦9であり、0≦m5A+m5B≦9、0≦m6A+m6B≦9である。]
【請求項8】
が、置換基を有してもよい炭素数1~72の脂肪族炭化水素基(該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)、置換基を有してもよい炭素数6~36の芳香族炭化水素基、式(aa)で表される基又は式(bb)で表される基である請求項1に記載のカルボン酸発生剤。
[式(aa)中、
a及びXbは、それぞれ独立に、-O-又は-S-を表す。
1aは、置換基を有してもよい炭素数1~24の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。
2aは、置換基を有してもよい炭素数1~48の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。
*は、-COOの炭素原子との結合部位を表す。]
[式(bb)中、
は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1~6のアルカンジイル基又はハロゲン原子もしくは炭素数1~4のペルフルオロアルキル基を有していてもよい炭素数6~14の芳香族炭化水素基を表す。
は、単結合又は炭素数1~6のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。
は、置換基を有してもよい炭素数1~36の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。
*は、-COOの炭素原子との結合部位を表す。]
【請求項9】
が、フッ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基もしくはヒドロキシ基を有してもよい炭素数3~36の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)、炭素数3~36の脂環式炭化水素基と炭素数1~18の鎖式炭化水素基とを組み合わせた基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよく、該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基及び該鎖式炭化水素基は、フッ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又はヒドロキシ基を有してもよい。)、フッ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基もしくはヒドロキシ基を有してもよい炭素数6~36の芳香族炭化水素基、式(aa)で表される基又は式(bb)で表される基である請求項8に記載のカルボン酸発生剤。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載のカルボン酸発生剤及び該カルボン酸発生剤以外の酸発生剤を含有するレジスト組成物。
【請求項11】
酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂をさらに含有し、
酸不安定基を有する構造単位が、式(a1-0)で表される構造単位、式(a1-1)で表される構造単位及び式(a1-2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項10に記載のレジスト組成物。
[式(a1-0)、式(a1-1)及び式(a1-2)中、
a01、La1及びLa2は、それぞれ独立に、-O-又は*-O-(CHk1-CO-O-を表し、k1は1~7のいずれかの整数を表し、*は-CO-との結合部位を表す。
a01、Ra4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
a02、Ra03及びRa04は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表す。
a6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組合せることにより形成される基を表す。
m1’は0~14のいずれかの整数を表す。
n1は0~10のいずれかの整数を表す。
n1’は0~3のいずれかの整数を表す。]
【請求項12】
フッ素原子を有する構造単位を含む樹脂をさらに含有する請求項10に記載のレジスト組成物。
【請求項13】
(1)請求項10に記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
【請求項14】
式(I)で表されるカルボン酸塩。
[式(I)中、
、R及びRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいナフタレン、置換基を有してもよいアントラセン又は置換基を有してもよいフェナントレンを表す。
、R及びRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~12のハロアルキル基又は炭素数1~36の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該ハロアルキル基及び該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-で置き換わっていてもよい。
、A及びAは、それぞれ独立に、炭素数1~20の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO-で置き換わっていてもよい。
m1は、1~5のいずれかの整数を表し、m1が2以上のとき、複数の括弧内の基は互いに同一であっても異なってもよい。
m2は、0~5のいずれかの整数を表し、m2が2以上のとき、複数の括弧内の基は互いに同一であっても異なってもよい。
m3は、0~5のいずれかの整数を表し、m3が2以上のとき、複数の括弧内の基は互いに同一であっても異なってもよい。
m7は、0~4のいずれかの整数を表し、m7が2以上のとき、複数のRは互いに同一であっても異なってもよい。
m8は、0~5のいずれかの整数を表し、m8が2以上のとき、複数のRは互いに同一であっても異なってもよい。
m9は、0~5のいずれかの整数を表し、m9が2以上のとき、複数のRは互いに同一であっても異なってもよい。
但し、1≦m1+m7≦5、0≦m2+m8≦5、0≦m3+m9≦5である。
は、置換基を有してもよい炭素数1~72の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。]
【請求項15】
が、***-X01-L01-又は***-L01-X01-であり、
が、***-X02-L02-又は***-L02-X02-であり、
が、***-X03-L03-又は***-L03-X03-であり、
01、X02及びX03は、それぞれ独立に、-O-、-CO-、-S-又は-SO-を表し、
01、L02及びL03は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1~18の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO-で置き換わっていてもよく、
***は、Sと結合するベンゼン環との結合部位を表す請求項14に記載のカルボン酸塩。
【請求項16】
01、X02及びX03が、それぞれ独立に、-O-又は-S-である請求項15に記載のカルボン酸塩。
【請求項17】
01、L02及びL03が、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1~6のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)である請求項15又は16に記載のカルボン酸塩。
【請求項18】
式(I)で表されるカルボン酸塩が、式(IA)で表されるカルボン酸塩である請求項14又は15に記載のカルボン酸塩。
[式(IA)中、
、R、R、m1、m2、m3、m7、m8、m9、A、A、A、Xは、式(I)と同じものを表す。
、R及びRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~12のハロアルキル基又は炭素数1~36の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該ハロアルキル基及び該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-で置き換わっていてもよい。
m4は、0~7のいずれかの整数を表し、m4が2以上のとき、複数のRは互いに同一であっても異なってもよい。
m5は、0~7のいずれかの整数を表し、m5が2以上のとき、複数のRは互いに同一であっても異なってもよい。
m6は、0~7のいずれかの整数を表し、m6が2以上のとき、複数のRは互いに同一であっても異なってもよい。]
【請求項19】
m4、m5及びm6の少なくとも1つが1以上の整数であり、
、R及びRが、それぞれ独立に、フッ素原子、ヨウ素原子、臭素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又は炭素数1~4のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)である請求項18に記載のカルボン酸塩。
【請求項20】
式(I)で表されるカルボン酸塩が、式(IB)で表されるカルボン酸塩である請求項14又は15に記載のカルボン酸塩。
[式(IB)中、
、R、R、m1、m2、m3、m7、m8、m9、A、A、A、Xは、式(I)と同じものを表す。
4A、R5A及びR6Aは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~12のハロアルキル基又はヒドロキシ基を表す。
4B、R5B及びR6Bは、それぞれ独立に、炭素数1~36の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-で置き換わっていてもよい。
m10、m11及びm12は、それぞれ独立に、0又は1を表す。
m4Aは、1≦m4A≦7+2×m10を満たすいずれかの整数を表し、m4Aが2以上のとき、複数のR4Aは互いに同一であっても異なってもよい。
m4Bは、0≦m4B≦6+2×m10を満たすいずれかの整数を表し、m4Bが2以上のとき、複数のR4Bは互いに同一であっても異なってもよい。
m5Aは、0≦m5A≦7+2×m11を満たすいずれかの整数を表し、m5Aが2以上のとき、複数のR5Aは互いに同一であっても異なってもよい。
m5Bは、0≦m5B≦7+2×m11を満たすいずれかの整数を表し、m5Bが2以上のとき、複数のR5Bは互いに同一であっても異なってもよい。
m6Aは、0≦m6A≦7+2×m12を満たすいずれかの整数を表し、m6Aが2以上のとき、複数のR6Aは互いに同一であっても異なってもよい。
m6Bは、0≦m6B≦7+2×m12を満たすいずれかの整数を表し、m6Bが2以上のとき、複数のR6Bは互いに同一であっても異なってもよい。
但し、1≦m4A+m4B≦9であり、0≦m5A+m5B≦9、0≦m6A+m6B≦9である。]
【請求項21】
が、置換基を有してもよい炭素数1~72の脂肪族炭化水素基(該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)、置換基を有してもよい炭素数6~36の芳香族炭化水素基、式(aa)で表される基又は式(bb)で表される基である請求項14又は15に記載のカルボン酸塩。
[式(aa)中、
a及びXbは、それぞれ独立に、-O-又は-S-を表す。
1aは、置換基を有してもよい炭素数1~24の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。
2aは、置換基を有してもよい炭素数1~48の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。
*は、-COOの炭素原子との結合部位を表す。]
[式(bb)中、
は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1~6のアルカンジイル基又はハロゲン原子もしくは炭素数1~4のペルフルオロアルキル基を有していてもよい炭素数6~14の芳香族炭化水素基を表す。
は、単結合又は炭素数1~6のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。
は、置換基を有してもよい炭素数1~36の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。
*は、-COOの炭素原子との結合部位を表す。]
【請求項22】
が、フッ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基もしくはヒドロキシ基を有してもよい炭素数3~36の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)、炭素数3~36の脂環式炭化水素基と炭素数1~18の鎖式炭化水素基とを組み合わせた基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよく、該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基及び該鎖式炭化水素基は、フッ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又はヒドロキシ基を有してもよい。)、フッ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基もしくはヒドロキシ基を有してもよい炭素数6~36の芳香族炭化水素基、式(aa)で表される基又は式(bb)で表される基である請求項21に記載のカルボン酸塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルボン酸塩、カルボン酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、下記式で表されるカルボン酸塩をカルボン酸発生剤として含有するレジスト組成物がそれぞれ記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-046662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の塩を含有するレジスト組成物によって形成されたレジストパターンよりも、CD均一性(CDU)が良好なレジストパターンを形成するカルボン酸塩を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の発明を含む。
[1]式(I)で表されるカルボン酸塩を含有するカルボン酸発生剤。
[式(I)中、
、R及びRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいナフタレン、置換基を有してもよいアントラセン又は置換基を有してもよいフェナントレンを表す。
、R及びRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~12のハロアルキル基又は炭素数1~36の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該ハロアルキル基及び該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-で置き換わっていてもよい。
、A及びAは、それぞれ独立に、炭素数1~20の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO-で置き換わっていてもよい。
m1は、1~5のいずれかの整数を表し、m1が2以上のとき、複数の括弧内の基は互いに同一であっても異なってもよい。
m2は、0~5のいずれかの整数を表し、m2が2以上のとき、複数の括弧内の基は互いに同一であっても異なってもよい。
m3は、0~5のいずれかの整数を表し、m3が2以上のとき、複数の括弧内の基は互いに同一であっても異なってもよい。
m7は、0~4のいずれかの整数を表し、m7が2以上のとき、複数のRは互いに同一であっても異なってもよい。
m8は、0~5のいずれかの整数を表し、m8が2以上のとき、複数のRは互いに同一であっても異なってもよい。
m9は、0~5のいずれかの整数を表し、m9が2以上のとき、複数のRは互いに同一であっても異なってもよい。
但し、1≦m1+m7≦5、0≦m2+m8≦5、0≦m3+m9≦5である。
は、置換基を有してもよい炭素数1~72の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。]
[2]Aが、***-X01-L01-又は***-L01-X01-であり、
が、***-X02-L02-又は***-L02-X02-であり、
が、***-X03-L03-又は***-L03-X03-であり、
01、X02及びX03は、それぞれ独立に、-O-、-CO-、-S-又は-SO-を表し、
01、L02及びL03は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1~18の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO-で置き換わっていてもよく、
***は、Sと結合するベンゼン環との結合部位を表す[1]に記載のカルボン酸発生剤。
[3]X01、X02及びX03が、それぞれ独立に、-O-又は-S-である[2]に記載のカルボン酸発生剤。
[4]L01、L02及びL03が、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1~6のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)である[2]又は[3]に記載のカルボン酸発生剤。
[5]式(I)で表されるカルボン酸塩が、式(IA)で表されるカルボン酸塩である[1]~[4]のいずれかに記載のカルボン酸発生剤。
[式(IA)中、
、R、R、m1、m2、m3、m7、m8、m9、A、A、A、Xは、式(I)と同じものを表す。
、R及びRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~12のハロアルキル基又は炭素数1~36の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該ハロアルキル基及び該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-で置き換わっていてもよい。
m4は、0~7のいずれかの整数を表し、m4が2以上のとき、複数のRは互いに同一であっても異なってもよい。
m5は、0~7のいずれかの整数を表し、m5が2以上のとき、複数のRは互いに同一であっても異なってもよい。
m6は、0~7のいずれかの整数を表し、m6が2以上のとき、複数のRは互いに同一であっても異なってもよい。]
[6]m4、m5及びm6の少なくとも1つが1以上の整数であり、R、R及びRが、それぞれ独立に、フッ素原子、ヨウ素原子、臭素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又は炭素数1~4のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)である[5]に記載のカルボン酸発生剤。
[7]式(I)で表されるカルボン酸塩が、式(IB)で表されるカルボン酸塩である[1]~[4]のいずれかに記載のカルボン酸発生剤。
[式(IB)中、
、R、R、m1、m2、m3、m7、m8、m9、A、A、A、Xは、式(I)と同じものを表す。
4A、R5A及びR6Aは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~12のハロアルキル基又はヒドロキシ基を表す。
4B、R5B及びR6Bは、それぞれ独立に、炭素数1~36の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-で置き換わっていてもよい。
m10、m11及びm12は、それぞれ独立に、0又は1を表す。
m4Aは、1≦m4A≦7+2×m10を満たすいずれかの整数を表し、m4Aが2以上のとき、複数のR4Aは互いに同一であっても異なってもよい。
m4Bは、0≦m4B≦6+2×m10を満たすいずれかの整数を表し、m4Bが2以上のとき、複数のR4Bは互いに同一であっても異なってもよい。
m5Aは、0≦m5A≦7+2×m11を満たすいずれかの整数を表し、m5Aが2以上のとき、複数のR5Aは互いに同一であっても異なってもよい。
m5Bは、0≦m5B≦7+2×m11を満たすいずれかの整数を表し、m5Bが2以上のとき、複数のR5Bは互いに同一であっても異なってもよい。
m6Aは、0≦m6A≦7+2×m12を満たすいずれかの整数を表し、m6Aが2以上のとき、複数のR6Aは互いに同一であっても異なってもよい。
m6Bは、0≦m6B≦7+2×m12を満たすいずれかの整数を表し、m6Bが2以上のとき、複数のR6Bは互いに同一であっても異なってもよい。
但し、1≦m4A+m4B≦9であり、0≦m5A+m5B≦9、0≦m6A+m6B≦9である。]
[8]Xが、置換基を有してもよい炭素数1~72の脂肪族炭化水素基(該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)、置換基を有してもよい炭素数6~36の芳香族炭化水素基、式(aa)で表される基又は式(bb)で表される基である[1]~[7]のいずれかに記載のカルボン酸発生剤。
[式(aa)中、
a及びXbは、それぞれ独立に、-O-又は-S-を表す。
1aは、置換基を有してもよい炭素数1~24の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。
2aは、置換基を有してもよい炭素数1~48の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。
*は、-COOの炭素原子との結合部位を表す。]
[式(bb)中、
は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1~6のアルカンジイル基又はハロゲン原子もしくは炭素数1~4のペルフルオロアルキル基を有していてもよい炭素数6~14の芳香族炭化水素基を表す。
は、単結合又は炭素数1~6のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。
は、置換基を有してもよい炭素数1~36の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。
*は、-COOの炭素原子との結合部位を表す。]
[9]Xが、フッ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基もしくはヒドロキシ基を有してもよい炭素数3~36の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)、炭素数3~36の脂環式炭化水素基と炭素数1~18の鎖式炭化水素基とを組み合わせた基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよく、該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基及び該鎖式炭化水素基は、フッ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又はヒドロキシ基を有してもよい。)、フッ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基もしくはヒドロキシ基を有してもよい炭素数6~36の芳香族炭化水素基、式(aa)で表される基又は式(bb)で表される基である[8]に記載のカルボン酸発生剤。
[10][1]~[9]のいずれかに記載のカルボン酸発生剤及び該カルボン酸発生剤以外の酸発生剤を含有するレジスト組成物。
[11]酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂をさらに含有し、酸不安定基を有する構造単位が、式(a1-0)で表される構造単位、式(a1-1)で表される構造単位及び式(a1-2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む[10]に記載のレジスト組成物。
[式(a1-0)、式(a1-1)及び式(a1-2)中、
a01、La1及びLa2は、それぞれ独立に、-O-又は*-O-(CHk1-CO-O-を表し、k1は1~7のいずれかの整数を表し、*は-CO-との結合部位を表す。
a01、Ra4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
a02、Ra03及びRa04は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表す。
a6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組合せることにより形成される基を表す。
m1’は0~14のいずれかの整数を表す。
n1は0~10のいずれかの整数を表す。
n1’は0~3のいずれかの整数を表す。]
[12]フッ素原子を有する構造単位を含む樹脂をさらに含有する[10]又は[11]に記載のレジスト組成物。
[13](1)[10]~[12]のいずれかに記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
[14]上述した式(I)で表されるカルボン酸塩。
[15]Aが、***-X01-L01-又は***-L01-X01-であり、
が、***-X02-L02-又は***-L02-X02-であり、
が、***-X03-L03-又は***-L03-X03-であり、
01、X02及びX03は、それぞれ独立に、-O-、-CO-、-S-又は-SO-を表し、
01、L02及びL03は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1~18の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO-で置き換わっていてもよく、
***は、Sと結合するベンゼン環との結合部位を表す[14]に記載のカルボン酸塩。
[16]X01、X02及びX03が、それぞれ独立に、-O-又は-S-である[15]に記載のカルボン酸塩。
[17]L01、L02及びL03が、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1~6のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)である[15]又は[16]に記載のカルボン酸塩。
[18]式(I)で表されるカルボン酸塩が、上述した式(IA)で表されるカルボン酸塩である[14]~[17]のいずれかに記載のカルボン酸塩。
[19]m4、m5及びm6の少なくとも1つが1以上の整数であり、R、R及びRが、それぞれ独立に、フッ素原子、ヨウ素原子、臭素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又は炭素数1~4のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)である[18]に記載のカルボン酸塩。
[20]式(I)で表されるカルボン酸塩が、上述した式(IB)で表されるカルボン酸塩である[14]~[17]のいずれかに記載のカルボン酸塩。
[21]Xが、置換基を有してもよい炭素数1~72の脂肪族炭化水素基(該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)、置換基を有してもよい炭素数6~36の芳香族炭化水素基、上述した式(aa)で表される基又は式(bb)で表される基である[14]~[20]のいずれかに記載のカルボン酸塩。
[22]Xが、フッ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基もしくはヒドロキシ基を有してもよい炭素数3~36の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)、炭素数3~36の脂環式炭化水素基と炭素数1~18の鎖式炭化水素基とを組み合わせた基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよく、該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基及び該鎖式炭化水素基は、フッ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又はヒドロキシ基を有してもよい。)、フッ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基もしくはヒドロキシ基を有してもよい炭素数6~36の芳香族炭化水素基、式(aa)で表される基又は式(bb)で表される基である[21]に記載のカルボン酸塩。
【発明の効果】
【0006】
本発明のカルボン酸塩を含有するレジスト組成物を用いることにより、良好なCD均一性(CDU)でレジストパターンを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書において、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「アクリル系モノマー及びメタクリル系モノマーの少なくとも1種」を意味する。「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」等の表記も同様の意味を表す。本明細書中に記載する基において、直鎖構造と分岐構造の両方をとり得るものについては、そのいずれでもよい。炭化水素基等に含まれる-CH2-が-O-、-S-、-CO-又は-SO-で置き換わる場合、各基において同様の例を適用するものとする。「組み合わせた基」とは、例示した基を2種以上結合させた基を意味し、それら基の価数は結合形態によって適宜変更してもよい。「由来する」又は「誘導される」とは、その分子中に含まれる重合性C=C結合が重合により-C-C-基(単結合)となることを指す。立体異性体が存在する場合は、全ての立体異性体を含む。
本明細書において、「レジスト組成物の固形分」とは、レジスト組成物の総量から、後述する溶剤(E)を除いた成分の合計を意味する。
【0008】
〔式(I)で表されるカルボン酸塩〕
本発明は、式(I)で表されるカルボン酸塩(以下「塩(I)」又は「カルボン酸塩(I)」という場合がある)に関する。
塩(I)のうち、正電荷を有する側を「カチオン(I)」、負電荷を有する側を「アニオン(I)」と称することがある。
[式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。]
〔カチオン(I)〕
式(I)で表される塩のカチオン(I)は、式(I-C)で表されるカチオンである。
[式(I-C)中、全ての符号は、式(I)と同じ意味を表す。]
【0009】
、R及びRは、それぞれ独立に、ナフタレン、アントラセン又はフェナントレンを表し、R、R及びRのナフタレン、アントラセン及びフェナントレンに置換されていてもよい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1~12のハロアルキル基又は炭素数1~36の炭化水素基(該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該ハロアルキル基及び該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-で置き換わっていてもよい。)が挙げられる。R、R及びRのこれらの置換基は、-CH2-の-O-、-S-、-CO-又は-SO-での置き換わりも含めて、以下に示すR、R及びRと同様のものが挙げられる。
、R及びRのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
、R及びRの炭素数1~12のハロアルキル基とは、ハロゲン原子を有する炭素数1~12のアルキル基を表し、炭素数1~12のフッ化アルキル基、炭素数1~12の塩化アルキル基、炭素数1~12の臭化アルキル基、炭素数1~12のヨウ化アルキル基等が挙げられる。ハロアルキル基としては、炭素数1~12のペルフルオロアルキル基(トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等)、2,2,2-トリフルオロエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、4,4,4-トリフルオロブチル基、及び3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基等が挙げられる。ハロアルキル基の炭素数は、好ましくは1~9であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
、R及びRの炭素数1~36の炭化水素基としては、アルキル基等の鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基が挙げられる。炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~24であり、さらに好ましくは1~18である。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基及びドデシル基等が挙げられる。
鎖式炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~18であり、より好ましくは1~12であり、さらに好ましくは1~9であり、さらにより好ましくは1~6であり、より一層好ましくは1~4であり、さらに一層好ましくは1~3である。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、以下に表される基等が挙げられる。結合部位は任意の位置とすることができる。
具体的には、単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等の単環式シクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基等の多環式シクロアルキル基、スピロシクロヘキサン-1,2’-シクロペンタン基、スピロアダマンタン-2,3’-シクロペンタン基等のシクロアルキル基、ノルボニル基もしくはアダマンチル基とそれぞれにスピロで結合したシクロアルキル基を有するスピロ環等が挙げられる。脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~18であり、より好ましくは3~16であり、さらに好ましくは3~12である。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、ビナフチル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~18であり、より好ましくは6~14であり、さらに好ましくは6~10である。
2種以上の基を組み合わせることにより形成される基としては、芳香族炭化水素基と鎖式炭化水素基とを組み合わせた基(例えば、芳香族炭化水素基-アルカンジイル基-*、アルキル基-芳香族炭化水素基-*)、脂環式炭化水素基と鎖式炭化水素基とを組み合わせた基(例えば、脂環式炭化水素基-アルカンジイル基-*、アルキル基-脂環式炭化水素基-*)、芳香族炭化水素基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基(例えば、芳香族炭化水素基-脂環式炭化水素基-*、脂環式炭化水素基-芳香族炭化水素基-*)が挙げられる。*は結合部位を表す。ここで、アルカンジイル基、アルキル基等の鎖式炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO-に置き換わっていてもよい。
芳香族炭化水素基-アルカンジイル基-*としては、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。
アルキル基-芳香族炭化水素基-*としては、トリル基、キシリル基、クメニル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基-アルカンジイル基-*としては、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、1-(アダマンタン-1-イル)メチル基、1-(アダマンタン-1-イル)-1-メチルエチル基等のシクロアルキルアルキル基等が挙げられる。
アルキル基-脂環式炭化水素基-*としては、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、2-アルキルアダマンタン-2-イル基等のアルキル基を有するシクロアルキル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基-脂環式炭化水素基-*としては、フェニルシクロヘキシル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基-芳香族炭化水素基-*としては、シクロヘキシルフェニル基等が挙げられる。
なお、組み合わせにおいて、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、鎖式炭化水素基は、それぞれ2種以上を組み合わせてもよい。
ハロアルキル基及び炭化水素基に含まれる-CH2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わった基としては、ヒドロキシ基(メチル基中に含まれる-CH2-が、-O-に置き換わった基)、チオール基(メチル基中に含まれる-CH2-が、-S-に置き換わった基)、カルボキシ基(エチル基中に含まれる-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、アルコキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-O-に置き換わった基)、アルキルチオ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-S-に置き換わった基)、アルコキシカルボニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、アルキルカルボニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-CO-に置き換わった基)、アルキルスルホニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-SO-に置き換わった基)、アルキルカルボニルオキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-CO-O-に置き換わった基)、オキシ基(メチレン基中に含まれる-CH2-が、-O-に置き換わった基)、カルボニル基(メチレン基中に含まれる-CH2-が、-CO-に置き換わった基)、チオ基(メチレン基中に含まれる-CH2-が、-S-に置き換わった基)、スルホニル基(メチレン基中に含まれる-CH2-が、-SO-に置き換わった基)、アルカンジイルオキシ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-O-に置き換わった基)、アルカンジイルオキシカルボニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、アルカンジイルカルボニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-CO-に置き換わった基)、アルカンジイルカルボニルオキシ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-CO-O-に置き換わった基)、アルカンジイルチオ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-S-に置き換わった基)、アルカンジイルスルホニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-SO-に置き換わった基)、シクロアルコキシ基、シクロアルキルアルコキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、芳香族炭化水素基-カルボニルオキシ基、芳香族炭化水素基-カルボニル基、芳香族炭化水素基-オキシ基、ハロアルコキシ基(ハロアルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-O-に置き換わった基)、ハロアルコキシカルボニル基(ハロアルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、ハロアルキルカルボニル基(ハロアルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-CO-に置き換わった基)、ハロアルキルカルボニルオキシ基(ハロアルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-CO-O-に置き換わった基)、これらの基のうち2種以上を組み合わせた基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素数1~17のアルコキシ基が挙げられ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基等が挙げられる。アルコキシ基の炭素数は、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
アルキルチオ基としては、炭素数1~17のアルキルチオ基が挙げられ、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、2-エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、ウンデシルチオ基等が挙げられる。アルキルチオ基の炭素数は、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基及びアルキルカルボニルオキシ基は、上述したアルキル基又はアルコキシ基にカルボニル基又はカルボニルオキシ基が結合した基を表す。
アルコキシカルボニル基としては、炭素数2~17のアルコキシカルボニル基が挙げられ、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基としては、炭素数2~18のアルキルカルボニル基が挙げられ、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。アルキルカルボニルオキシ基としては、炭素数2~17のアルキルカルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等が挙げられる。アルコキシカルボニル基の炭素数は、好ましくは2~11であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。アルキルカルボニル基の炭素数は、好ましくは2~12であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。アルキルカルボニルオキシ基の炭素数は、好ましくは2~11であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。
アルキルスルホニル基としては、炭素数1~17のアルキルスルホニル基が挙げられ、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2-エチルヘキシルスルホニル基、ノニルスルホニル基、デシルスルホニル基、ウンデシルスルホニル基等が挙げられる。アルキルスルホニル基の炭素数は、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
アルカンジイルオキシ基としては、炭素数1~17のアルカンジイルオキシ基が挙げられ、例えば、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロパンジイルオキシ基、ブタンジイルオキシ基、ペンタンジイルオキシ基等が挙げられる。アルカンジイルオキシ基の炭素数は、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
アルカンジイルオキシカルボニル基としては、炭素数2~17のアルカンジイルオキシカルボニル基が挙げられ、例えば、メチレンオキシカルボニル基、エチレンオキシカルボニル基、プロパンジイルオキシカルボニル基、ブタンジイルオキシカルボニル基等が挙げられる。アルカンジイルカルボニル基としては、炭素数2~18のアルカンジイルカルボニル基が挙げられ、例えば、メチレンカルボニル基、エチレンカルボニル基、プロパンジイルカルボニル基、ブタンジイルカルボニル基、ペンタンジイルカルボニル基等が挙げられる。アルカンジイルカルボニルオキシ基としては、炭素数2~17のアルカンジイルカルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、メチレンカルボニルオキシ基、エチレンカルボニルオキシ基、プロパンジイルカルボニルオキシ基、ブタンジイルカルボニルオキシ基等が挙げられる。アルカンジイルオキシカルボニル基の炭素数は、好ましくは2~11であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。アルカンジイルカルボニル基の炭素数は、好ましくは2~12であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。アルカンジイルカルボニルオキシ基の炭素数は、好ましくは2~11であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。
アルカンジイルチオ基としては、炭素数1~17のアルカンジイルチオ基が挙げられ、例えば、メチレンチオ基、エチレンチオ基、プロピレンチオ基等が挙げられる。アルカンジイルチオ基の炭素数は、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
アルカンジイルスルホニル基としては、炭素数1~17のアルカンジイルスルホニル基が挙げられ、例えば、メチレンスルホニル基、エチレンスルホニル基、プロピレンスルホニル基等が挙げられる。アルカンジイルスルホニル基の炭素数は、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
シクロアルコキシ基としては、炭素数3~17のシクロアルコキシ基が挙げられ、例えば、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。シクロアルキルアルコキシ基としては、炭素数4~17のシクロアルキルアルコキシ基が挙げられ、例えば、シクロヘキシルメトキシ基等が挙げられる。アルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素数2~16のアルコキシカルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、ブトキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。芳香族炭化水素基-カルボニルオキシ基としては、炭素数7~17の芳香族炭化水素基-カルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。芳香族炭化水素基-カルボニル基としては、炭素数7~18の芳香族炭化水素基-カルボニル基が挙げられ、例えば、ベンゾイル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基-オキシ基としては、炭素数6~17の芳香族炭化水素基-オキシ基が挙げられ、例えば、フェニルオキシ基等が挙げられる。
ハロアルコキシ基、ハロアルコキシカルボニル基、ハロアルキルカルボニル基、ハロアルキルカルボニルオキシ基としては、炭素数1~11のハロアルコキシ基、炭素数2~11のハロアルコキシカルボニル基、炭素数2~12のハロアルキルカルボニル基、炭素数2~11のハロアルキルカルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、上記に例示した基の1以上の水素原子をハロゲン原子に置き換えた基が挙げられる。
【0010】
また、脂環式炭化水素基に含まれる-CH-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO-で置き換わった基としては、以下に表される基等が挙げられる。また、以下に表される基のうち、-O-が-S-、-CO-が-SO-にそれぞれ置き換わった基等も挙げられる。結合部位は任意の位置とすることができる。
ハロアルキル基及び炭化水素基に含まれる-CH-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO-で置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該炭化水素基の総炭素数とする。また、その数は、1つでもよいし、2以上でもよい。
【0011】
、R及びRの炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、上述した基と同様の基が挙げられる。
、R、Rの炭化水素基に含まれる-CH2-が-O-又は-CO-に置き換わった基により、R、R及びRは、実質的に、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基等の置換基を有することができる。
尚、R、R、Rのハロアルキル基に含まれる-CH-が-O-、-S-、-CO-又は-SO-で置き換わった基としては、上述の炭化水素基のうちアルキル基に含まれる-CH-が-O-、-S-、-CO-又は-SO-で置き換わった基と同様のものが挙げられる。
炭化水素基は、1つの置換基又は複数の置換基を有していてもよい。
【0012】
、A及びAの炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状の鎖式炭化水素基(例えば、アルカンジイル基等)、単環式又は多環式の脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせたものでもよい。炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~19であり、より好ましくは1~18であり、さらに好ましくは1~16であり、より一層好ましくは1~14であり、さらに一層好ましくは1~12である。
鎖式炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基、トリデカン-1,13-ジイル基、テトラデカン-1,14-ジイル基、ペンタデカン-1,15-ジイル基、ヘキサデカン-1,16-ジイル基及びヘプタデカン-1,17-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基及び
エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ペンタン-2,4-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
鎖式炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~18であり、より好ましくは1~12であり、さらに好ましくは1~9であり、さらにより好ましくは1~6であり、より一層好ましくは1~4であり、さらに一層好ましくは1~3である。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、以下に表される基等が挙げられる。結合部位は任意の位置とすることができる。
具体的には、シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基等の単環式シクロアルカンジイル基である単環式の脂環式炭化水素基及び
ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、アダマンタン-1,5-ジイル基、アダマンタン-2,6-ジイル基等の多環式シクロアルカンジイル基である多環式の脂環式炭化水素基、スピロシクロヘキサン-1,2’-シクロペンタン基、スピロアダマンタン-2,3’-シクロペンタン基等のシクロアルキル基、ノルボニル基もしくはアダマンチル基とそれぞれにスピロで結合したシクロアルキル基を有するスピロ環等が挙げられる。
脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~18であり、より好ましくは3~16であり、さらに好ましくは3~12である。
芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、ビフェニレン基、フェナントリレン基等のアリーレン基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~18であり、より好ましくは6~14であり、さらに好ましくは6~10である。
【0013】
2種以上の基を組み合わせることにより形成される基としては、脂環式炭化水素基とアルカンジイル基とを組み合わせた基、芳香族炭化水素基とアルカンジイル基とを組み合わせた基及び脂環式炭化水素基と芳香族炭化水素基とを組み合わせた基が挙げられる。組み合わせにおいて、鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基は、それぞれ2種以上を組み合わせてもよい。また、いずれの基がベンゼン環に結合していてもよい。
脂環式炭化水素基とアルカンジイル基とを組み合わせた基としては、例えば、-2価の脂環式炭化水素基-アルカンジイル基-、-アルカンジイル基-2価の脂環式炭化水素基-アルカンジイル基-、-アルカンジイル基-2価の脂環式炭化水素基-等が挙げられる。
芳香族炭化水素基とアルカンジイル基とを組み合わせた基としては、例えば、-2価の芳香族炭化水素基-アルカンジイル基-、-アルカンジイル基-2価の芳香族炭化水素基-アルカンジイル基-、-アルカンジイル基-2価の芳香族炭化水素基-等が挙げられる。
脂環式炭化水素基と芳香族炭化水素基とを組み合わせた基としては、-芳香族炭化水素基-脂環式炭化水素基-、-脂環式炭化水素基-芳香族炭化水素基-、-脂環式炭化水素基-芳香族炭化水素基-脂環式炭化水素基-等が挙げられる。
【0014】
、A及びAでは、炭化水素基に含まれる-CH2-が、-O-、-CO-、-S-又は-SO-に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該炭化水素基の総炭素数とする。また、その数は、1つでもよいし、2以上でもよいが、1つ~3つであることが好ましい。
炭化水素基に含まれる-CH2-が、-O-、-CO-、-S-又は-SO-に置き換わった基としては、ヒドロキシ基(メチル基中に含まれる-CH2-が、-O-に置き換わった基)、カルボキシ基(エチル基中に含まれる-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、チオール基(メチル基中に含まれる-CH2-が、-S-に置き換わった基)、アルコキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-O-に置き換わった基)、アルコキシカルボニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、アルキルカルボニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-CO-に置き換わった基)、アルキルカルボニルオキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-CO-O-に置き換わった基)、アルキルチオ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-S-に置き換わった基)、アルキルスルホニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-SO-に置き換わった基)、オキシ基(メチレン基中に含まれる-CH2-が、-O-に置き換わった基)、カルボニル基(メチレン基中に含まれる-CH2-が、-CO-に置き換わった基)、チオ基(メチレン基中に含まれる-CH2-が、-S-に置き換わった基)、スルホニル基(メチレン基中に含まれる-CH2-が、-SO-に置き換わった基)、アルカンジイルオキシ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-O-に置き換わった基)、アルカンジイルオキシカルボニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、アルカンジイルカルボニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-CO-に置き換わった基)、アルカンジイルカルボニルオキシ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-CO-O-に置き換わった基)、アルカンジイルスルホニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-SO-に置き換わった基)、アルカンジイルチオ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-S-に置き換わった基)、シクロアルコキシ基、シクロアルキルアルコキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、芳香族炭化水素基-カルボニルオキシ基、芳香族炭化水素基-カルボニル基、芳香族炭化水素基-オキシ基、これらの基のうち2種以上を組み合わせた基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素数1~17のアルコキシ基が挙げられ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基等が挙げられる。アルコキシ基の炭素数は、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基及びアルキルカルボニルオキシ基は、上述したアルキル基又はアルコキシ基にカルボニル基又はカルボニルオキシ基が結合した基を表す。
アルコキシカルボニル基としては、炭素数2~17のアルコキシカルボニル基が挙げられ、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基としては、炭素数2~18のアルキルカルボニル基が挙げられ、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。アルキルカルボニルオキシ基としては、炭素数2~17のアルキルカルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等が挙げられる。アルコキシカルボニル基の炭素数は、好ましくは2~11であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。アルキルカルボニル基の炭素数は、好ましくは2~12であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。アルキルカルボニルオキシ基の炭素数は、好ましくは2~11であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。
アルキルチオ基としては、炭素数1~17のアルキルチオ基が挙げられ、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基等が挙げられる。アルキルチオ基の炭素数は、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
アルキルスルホニル基としては、炭素数1~17のアルキルスルホニル基が挙げられ、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基等が挙げられる。アルキルスルホニル基の炭素数は、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
アルカンジイルオキシ基としては、炭素数1~17のアルカンジイルオキシ基が挙げられ、例えば、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロパンジイルオキシ基、ブタンジイルオキシ基、ペンタンジイルオキシ基等が挙げられる。アルカンジイルオキシ基の炭素数は、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
アルカンジイルオキシカルボニル基としては、炭素数2~17のアルカンジイルオキシカルボニル基が挙げられ、例えば、メチレンオキシカルボニル基、エチレンオキシカルボニル基、プロパンジイルオキシカルボニル基、ブタンジイルオキシカルボニル基等が挙げられる。アルカンジイルカルボニル基としては、炭素数2~18のアルカンジイルカルボニル基が挙げられ、例えば、メチレンカルボニル基、エチレンカルボニル基、プロパンジイルカルボニル基、ブタンジイルカルボニル基、ペンタンジイルカルボニル基等が挙げられる。アルカンジイルカルボニルオキシ基としては、炭素数2~17のアルカンジイルカルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、メチレンカルボニルオキシ基、エチレンカルボニルオキシ基、プロパンジイルカルボニルオキシ基、ブタンジイルカルボニルオキシ基等が挙げられる。アルカンジイルオキシカルボニル基の炭素数は、好ましくは2~11であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。アルカンジイルカルボニル基の炭素数は、好ましくは2~12であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。アルカンジイルカルボニルオキシ基の炭素数は、好ましくは2~11であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。
アルカンジイルスルホニル基としては、炭素数1~17のアルカンジイルスルホニル基が挙げられ、例えば、メチレンスルホニル基、エチレンスルホニル基、プロピレンスルホニル基等が挙げられる。アルカンジイルスルホニル基の炭素数は、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
アルカンジイルチオ基としては、炭素数1~17のアルカンジイルチオ基が挙げられ、例えば、メチレンチオ基、エチレンチオ基、プロピレンチオ基等が挙げられる。アルカンジイルチオ基の炭素数は、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
シクロアルコキシ基としては、炭素数3~17のシクロアルコキシ基が挙げられ、例えば、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。シクロアルキルアルコキシ基としては、炭素数4~17のシクロアルキルアルコキシ基が挙げられ、例えば、シクロヘキシルメトキシ基等が挙げられる。アルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素数2~16のアルコキシカルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、ブトキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。芳香族炭化水素基-カルボニルオキシ基としては、炭素数7~17の芳香族炭化水素基-カルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。芳香族炭化水素基-カルボニル基としては、炭素数7~18の芳香族炭化水素基-カルボニル基が挙げられ、例えば、ベンゾイル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基-オキシ基としては、炭素数6~17の芳香族炭化水素基-オキシ基が挙げられ、例えば、フェニルオキシ基等が挙げられる。
【0015】
また、脂環式炭化水素基に含まれる-CH-が、-O-、-CO-、-S-又は-SO-で置き換わった基としては、以下に表される基等が挙げられる。また、以下に表される基のうち、-O-が-S-、-CO-が-SO-にそれぞれ置き換わった基等も挙げられる。結合部位は任意の位置とすることができる。
、A及びAの炭化水素基が有していてもよい置換基としては、R~Rで挙げた基と同様の基が挙げられる。
【0016】
、A及びAは、それぞれ独立に、炭素数1~20の炭化水素基(該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO-で置き換わっていてもよい。但し、該炭化水素基に含まれる-CH2-の少なくとも1つは、-O-、-CO-、-S-又は-SO-で置き換わっている。)であることが好ましい。具体的には、Aは、***-L011-X01-L012-であり、Aは、***-L021-X02-L022-であり、Aは、***-L031-X03-L032-である(X01、X02及びX03は、それぞれ独立に、-O-、-CO-、-S-又は-SO-を表す。L011、L012、L021、L022、L031及びL032は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1~19の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO-で置き換わっていてもよい。但し、L011とL012との炭素数合計は、0~19であり、L021とL022との炭素数合計は、0~19であり、L031とL032との炭素数合計は、0~19である。***は、Sが結合するベンゼン環との結合部位を表す。)ことがより好ましく、Aは、***-X01-L01-又は***-L01-X01-であり、Aは、***-X02-L02-又は***-L02-X02-であり、Aは、***-X03-L03-又は***-L03-X03-である(X01、X02及びX03は、それぞれ独立に、-O-、-CO-、-S-又は-SO-を表す。L01、L02及びL03は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1~19の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO-で置き換わっていてもよい。***は、Sが結合するベンゼン環との結合部位を表す。)ことがさらに好ましい。A、A及びAは、-O-、-CO-、-S-又は-SO-での置き換わり以外に、置換基を有さないものが好ましい。
011、L012、L021、L022、L031、L032、L01、L02及びL03の炭素数1~19の炭化水素基(該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO-で置き換わっていてもよい。)としては、炭素数が1~19の範囲で、A、A及びAで挙げた基と同様の基が挙げられる。
01、X02及びX03は、それぞれ独立に、-O-又は-S-であることが好ましく、-O-であることがより好ましい。
011、L012、L021、L022、L031、L032、L01、L02及びL03は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1~18の炭化水素基(該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO-で置き換わっていてもよい。)であることが好ましく、単結合又は炭素数1~12の炭化水素基(該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO-で置き換わっていてもよい。)であることがより好ましく、単結合又は炭素数1~9の鎖式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO-で置き換わっていてもよい。)であることがさらに好ましく、単結合又は炭素数1~6のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)であることがより一層好ましく、単結合又は炭素数1~4のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)であることがさらに一層好ましく、単結合又は炭素数1~3のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)であることがさらにより好ましい。中でも、単結合、メチレン基、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルオキシメチレン基、エチレンオキシ基、メチレンカルボニルオキシメチレン基又はエチレンオキシカルボニル基であることが好ましく、単結合、メチレン基又はカルボニル基であることがより好ましい。
、A及びAのSが結合しているベンゼン環への結合位置は、それぞれ独立に、Sの結合位置に対して、о位、m位、p位のいずれでもよい。なかでも、Sの結合位置に対して、それぞれ独立に、p位又はm位に結合していることが好ましく、p位に結合していることがより好ましい。より具体的には、m1、m2及びm3が1の場合、A、A及びAは、それぞれ独立に、Sの結合位置に対して、p位又はm位に結合していることが好ましく、p位に結合していることがより好ましい。m1、m2及びm3が2の場合、A、A及びAは、それぞれ独立に、Sの結合位置に対して、1つがо位又はm位に結合しており、1つがо位又はm位に結合していることが好ましく、2つがm位に結合していることがより好ましい。m1、m2及びm3が3の場合、A、A及びAは、それぞれ独立に、Sの結合位置に対して、2つがо位又はm位に結合しており、1つがp位又はm位に結合していることが好ましく、2つがm位に結合しており、1つがp位に結合していることがより好ましい。m1、m2及びm3が4の場合、A、A及びAは、それぞれ独立に、Sの結合位置に対して、2つがо位又はm位に結合しており、2つがp位又はm位に結合していることが好ましく、2つがо位に結合しており、2つがm位に結合していることがより好ましい。
、A及びAのR、R及びRへの結合位置は、特に限定されないが、それぞれ独立に、R、R及びRの1位、2位又は9位が好ましく、1位又は2位がより好ましい。
m1は、1、2、3又は4であることが好ましく、1、2又は3であることがより好ましく、1又は2であることがさらに好ましく、1であることがさらにより好ましい。
m2は、0、1、2、3又は4であることが好ましく、0、1、2又は3であることがより好ましく、0、1又は2であることがさらに好ましく、0又は1であることがより一層好ましく、0であることがさらに一層好ましい。
m3は、0、1、2、3又は4であることが好ましく、0、1、2又は3であることがより好ましく、0、1又は2であることがさらに好ましく、0又は1であることがより一層好ましく、0であることがさらに一層好ましい。
m7は、0、1、2又は3であることが好ましく、0、1又は2であることがより好ましく、0又は1であることがさらに好ましい。
m8は、0、1、2又は3であることが好ましく、0、1又は3であることがより好ましい。
m9は、0、1、2又は3であることが好ましく、0、1又は3であることがより好ましい。
なかでも、m8及びm9の少なくとも1つが1以上の整数であることが好ましく、m8及びm9の双方が1以上の整数であることがより好ましい。この場合、R及び/又はRの結合位置は、Sの結合位置に対して、o位、m位又はp位のいずれでもよいが、少なくとも1つがm位又はp位に結合していることが好ましく、R及びRの結合位置は、Sの結合位置に対して、少なくとも1つがp位に結合していることがより好ましい。
、R及びRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~6のフッ化アルキル基又は炭素数1~6のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)であることが好ましく、ハロゲン原子、炭素数1~4のフッ化アルキル基又は炭素数1~4のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)であることがより好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又は炭素数1~4のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)であることがさらに好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメチル基、ヒドロキシ基、メトキシ基、メチル基又はt-ブチル基であることがより一層好ましい。
、R及びRのベンゼン環への結合位置は、それぞれ独立に、Sの結合位置に対して、о位、m位、p位のいずれでもよい。なかでも、m7、m8及びm9が1の場合、R、R及びRは、それぞれ独立に、Sの結合位置に対して、p位又はm位に結合していることが好ましく、p位に結合していることがより好ましい。m7、m8及びm9が2の場合、R、R及びRは、それぞれ独立に、Sの結合位置に対して、1つがо位又はm位に結合しており、1つがp位又はm位に結合していることが好ましく、1つがm位に結合しており、1つがp位又はm位に結合していることがより好ましい。m7、m8及びm9が3の場合、R、R及びRは、それぞれ独立に、Sの結合位置に対して、2つがо位又はm位に結合しており、1つがp位又はm位に結合していることが好ましく、2つがm位に結合しており、1つがp位に結合していることがより好ましい。m7、m8及びm9が4の場合、R、R及びRは、それぞれ独立に、Sの結合位置に対して、2つがо位又はm位に結合しており、2つがp位又はm位に結合していることが好ましく、2つがm位に結合しており、1つがо位に結合しており、1つがp位に結合していることがより好ましい。
【0017】
式(I)で表される塩の一つの好ましい実施形態としては、R、R、Rがそれぞれ置換基を有してもよいナフタレンであり、式(IA)で表される塩(以下「塩(IA)」という場合がある)が挙げられる。
[式(IA)中、
、R、R、m1、m2、m3、m7、m8、m9、A、A、A、Xは、式(I)と同じものを表す。
、R及びRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~12のハロアルキル基又は炭素数1~36の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該ハロアルキル基及び該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-で置き換わっていてもよい。
m4は、0~7のいずれかの整数を表し、m4が2以上のとき、複数のRは互いに同一であっても異なってもよい。
m5は、0~7のいずれかの整数を表し、m5が2以上のとき、複数のRは互いに同一であっても異なってもよい。
m6は、0~7のいずれかの整数を表し、m6が2以上のとき、複数のRは互いに同一であっても異なってもよい。]
、R及びRのハロゲン原子、炭素数1~12のハロアルキル基及び炭素数1~36の炭化水素基(該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該ハロアルキル基及び該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-で置き換わっていてもよい。)としては、それぞれR、R、Rで挙げたハロゲン原子、炭素数1~12のハロアルキル基及び炭素数1~36の炭化水素基(該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該ハロアルキル基及び該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-で置き換わっていてもよい。)と同様の例が挙げられる。
中でも、R、R及びRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~6のフッ化アルキル基又は炭素数1~6のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)であることが好ましく、ハロゲン原子、炭素数1~4のフッ化アルキル基又は炭素数1~4のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)であることがより好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、臭素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又は炭素数1~4のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)であることがさらに好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、臭素原子、メチル基、ヒドロキシ基又はトリフルオロメチル基であることがより一層好ましく、ヒドロキシ基又はヨウ素原子であることがさらに一層好ましい。
m4は、0、1、2、3、4又は5であることが好ましく、0、1、2、3又は4であることがより好ましく、0、1、2又は3であることがさらに好ましく、1、2又は3であることがさらにより好ましい。
m5は、0、1、2、3、4又は5であることが好ましく、0、1、2、3又は4であることがより好ましく、0、1、2又は3であることがさらに好ましい。
m6は、0、1、2、3、4又は5であることが好ましく、0、1、2、3又は4であることがより好ましく、0、1、2又は3であることがさらに好ましい。
さらに、式(IA)で表される塩は、式(IA-1)で表される塩(以下、「塩(IA-1)」という場合がある)が挙げられる。
[式(IA-1)中、
、R、R、R、R、R、m1、m2、m3、m4、m5、m6、m7、m8、m9、Xは、式(I)及び式(IA)と同じものを表す。
、L及びLは、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1~19の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO-で置き換わっていてもよい。
、X及びXは、それぞれ独立に、-O-、-CO-、-S-又は-SO-を表す。]
【0018】
~R及びm1~m9は、それぞれ、上記と同じ意味を表し、上述した例と同様の例が挙げられる。
、L及びLの炭素数1~19の炭化水素基(該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO-で置き換わっていてもよい。)としては、炭素数が1~19の範囲で、L01、L02及びL03で挙げた基と同様の基が挙げられる。
、X及びXは、それぞれ独立に、-O-又は-S-であることが好ましく、-O-であることがより好ましい。
、X及びXのベンゼン環への結合位置は、それぞれ独立に、Sの結合位置に対して、о位、m位、p位のいずれでもよい。なかでも、A、A及びAのベンゼン環への結合位置と同様の結合位置であることが好ましい。
、L及びLのナフタレンへの結合位置は、特に限定されないが、中でも、それぞれ独立に、1位又は2位が好ましい。
【0019】
式(I)で表される塩の他の好ましい実施形態としては、R、R、Rの少なくとも1つがそれぞれハロゲン原子、炭素数1~12のハロアルキル基もしくはヒドロキシ基を有するナフタレン又はアントラセンであり、式(IB)で表される塩(以下「塩(IB)」という場合がある)も挙げられる。
[式(IB)中、
、R、R、m1、m2、m3、m7、m8、m9、A、A、A、Xは、式(I)と同じものを表す。
4A、R5A及びR6Aは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~12のハロアルキル基又はヒドロキシ基を表す。
4B、R5B及びR6Bは、それぞれ独立に、炭素数1~36の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-で置き換わっていてもよい。
m10、m11及びm12は、それぞれ独立に、0又は1を表す。
m4Aは、1≦m4A≦7+2×m10を満たすいずれかの整数を表し、m4Aが2以上のとき、複数のR4Aは互いに同一であっても異なってもよい。
m4Bは、0≦m4B≦6+2×m10を満たすいずれかの整数を表し、m4Bが2以上のとき、複数のR4Bは互いに同一であっても異なってもよい。
m5Aは、0≦m5A≦7+2×m11を満たすいずれかの整数を表し、m5Aが2以上のとき、複数のR5Aは互いに同一であっても異なってもよい。
m5Bは、0≦m5B≦7+2×m11を満たすいずれかの整数を表し、m5Bが2以上のとき、複数のR5Bは互いに同一であっても異なってもよい。
m6Aは、0≦m6A≦7+2×m12を満たすいずれかの整数を表し、m6Aが2以上のとき、複数のR6Aは互いに同一であっても異なってもよい。
m6Bは、0≦m6B≦7+2×m12を満たすいずれかの整数を表し、m6Bが2以上のとき、複数のR6Bは互いに同一であっても異なってもよい。
但し、1≦m4A+m4B≦9であり、0≦m5A+m5B≦9、0≦m6A+m6B≦9である。]
【0020】
~R、A~A、m1~m3及びm7~m9は、それぞれ、上記と同じ意味を表し、上述した例と同様の例が挙げられる。
4A、R5A及びR6Aのハロゲン原子及び炭素数1~12のハロアルキル基としては、R~Rで挙げた基と同様の基が挙げられる。
4B、R5B及びR6Bの炭素数1~36の炭化水素基(該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-で置き換わっていてもよい。)としては、R~Rで挙げた基と同様の基が挙げられる。
4A、R5A及びR6Aは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~6のフッ化アルキル基又はヒドロキシ基であることが好ましく、ハロゲン原子、炭素数1~4のフッ化アルキル基又はヒドロキシ基であることがより好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、臭素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又はヒドロキシ基であることがさらに好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基又はヒドロキシ基であることがより一層好ましく、ヨウ素原子又はヒドロキシ基であることがさらに一層好ましい。
4B、R5B及びR6Bは、それぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)であることが好ましく、炭素数1~4のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)であることがより好ましい。
m4Aは、1、2、3、4又は5であることが好ましく、1、2、3又は4であることがより好ましく、1、2又は3であることがさらに好ましい。
m5A及びm6Aは、それぞれ独立に、0、1、2、3、4又は5であることが好ましく、0、1、2、3又は4であることがより好ましく、0、1、2又は3であることがさらに好ましい。
m4B、m5B及びm6Bは、それぞれ独立に、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
【0021】
塩(I)のカチオンとしては、以下の式(I-c-1)~式(I-c-99)で表されるカチオン等が挙げられる。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
〔アニオン(I)〕
式(I)で表されるカルボン酸塩のアニオン(I)は、X-COOで表されるアニオンである。
式(I)において、Xで表される炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等の鎖式炭化水素基及び脂環式炭化水素基)、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせた基等が挙げられる。炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。炭化水素基において、CO に隣接する原子は炭素原子であることが好ましく、脂肪族炭化水素基において、CO に隣接する原子は炭素原子であることがより好ましい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基等のアルキル基が挙げられる。アルキル基の炭素数は、好ましくは1~18であり、より好ましくは1~12であり、さらに好ましくは1~9であり、より一層好ましくは1~6であり、さらに一層好ましくは1~4である。
アルケニル基としては、エテニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、tert-ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、イソオクテニル基、ノネニル基が挙げられる。
アルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基、イソプロピニル基、ブチニル基、イソブチニル基、tert-ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、オクチニル基、ノニニル基等が挙げられる。
鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わった基としては、ヒドロキシ基(メチル基中に含まれる-CH2-が、-O-に置き換わった基)、カルボキシ基(エチル基中に含まれる-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、チオール基(メチル基中に含まれる-CH2-が、-S-に置き換わった基)、カルボニル基(メチレン基中に含まれる-CH2-が、-CO-に置き換わった基)、チオ基(メチレン基中に含まれる-CH2-が、-S-に置き換わった基)、スルホニル基(メチレン基中に含まれる-CH2-が、-SO-に置き換わった基)、オキシ基(メチレン基中に含まれる-CH2-が、-O-に置き換わった基)、アルコキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-O-に置き換わった基)、アルコキシカルボニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、アルキルカルボニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-CO-に置き換わった基)、アルキルカルボニルオキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-CO-O-に置き換わった基)、アルキルチオ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-S-に置き換わった基)、アルキルスルホニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-SO-に置き換わった基)、アルカンジイルオキシ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-O-に置き換わった基)、アルカンジイルオキシカルボニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、アルカンジイルカルボニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-CO-に置き換わった基)、アルカンジイルカルボニルオキシ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-CO-O-に置き換わった基)、アルカンジイルスルホニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-SO-に置き換わった基)、アルカンジイルチオ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-S-に置き換わった基)等が挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素数1~17のアルコキシ基が挙げられ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、フェニルオキシ基等が挙げられる。アルコキシ基の炭素数は、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、より一層好ましくは1~3である。
アルコキシカルボニル基としては、炭素数2~17のアルコキシカルボニル基が挙げられ、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられ、アルキルカルボニル基としては、炭素数2~18のアルキルカルボニル基が挙げられ、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられ、アルキルカルボニルオキシ基としては、炭素数2~17のアルキルカルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、炭素数1~17のアルキルチオ基が挙げられ、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基等が挙げられる。アルキルチオ基の炭素数は、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、より一層好ましくは1~3である。
アルキルスルホニル基としては、炭素数1~17のアルキルスルホニル基が挙げられ、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基等が挙げられる。アルキルスルホニル基の炭素数は、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、より一層好ましくは1~3である。
アルカンジイルオキシ基、アルカンジイルオキシカルボニル基、アルカンジイルカルボニル基、アルカンジイルカルボニルオキシ基、アルカンジイルスルホニル基、アルカンジイルチオ基としては、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基の任意の位置の1つの水素原子を結合手に置き換えればよい。
なお、アルケニル基、アルキニル基における置き換わりは、上述したアルキル基における置き換わりの例示において、任意の位置に炭素-炭素二重結合又は炭素-炭素三重結合を含むものであればよい。
【0028】
脂環式炭化水素基は、単環式、多環式及びスピロ環のいずれでもよく、飽和及び不飽和のいずれでもよい。脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の単環式シクロアルキル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の多環式シクロアルキル基が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、下記の基等が挙げられる。結合部位は任意の位置とすることができる。
脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~36であり、より好ましくは3~24であり、さらに好ましくは3~18であり、より一層好ましくは3~16であり、さらに一層好ましくは3~12である。
脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わった基としては、具体的に、下記の基等が挙げられる。結合部位は任意の位置とすることができる。
脂環式炭化水素基としては、式(y1)~式(y11)、式(y44)~式(y48)、式(y59)~式(y61)のいずれかで表される基が好ましく、式(y3)、式(y4)、式(y9)、式(y11)のいずれかで表される基がより好ましい。
脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わった基としては、式(y12)~式(y20)、式(y26)、式(y27)、式(y30)、式(y31)、式(y39)~式(y43)、式(y49)~式(y71)のいずれかで表される基が好ましく、式(y14)、式(y15)、式(y16)、式(y20)、式(y26)、式(y27)、式(y30)、式(y31)、式(y39)、式(y40)、式(y42)、式(y43)、式(y49)~式(y58)、式(y62)~式(y71)のいずれかで表される基がより好ましい。
【0029】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、ビナフチル基等のアリール基等が挙げられる。芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~36であり、より好ましくは6~24であり、さらに好ましくは6~18であり、より一層好ましくは6~14であり、さらに一層好ましくは6~10である。
組み合わせた基の場合、上述の基において価数の異なる基(アルカンジイル基、アルカントリイル基、アルカンテトライル基、シクロアルカンジイル基、シクロアルカントリイル基、シクロアルカンテトライル基等)が含まれていてもよい。
【0030】
組み合わせた基とは、
脂環式炭化水素基と鎖式炭化水素基とを組み合わせた基(該鎖式炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい)、
鎖式炭化水素基と芳香族炭化水素基とを組み合わせた基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい)、及び
脂環式炭化水素基と芳香族炭化水素基とを組み合わせた基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい)を表す。
なお、組み合わせにおいて、脂環式炭化水素基、鎖式炭化水素基及び芳香族炭化水素基は、それぞれ2種以上を組み合わせてもよい。
具体的には、組み合わせた基としては、
アダマンチルメチレン基、シクロヘキシルメチレン基等の脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-*、(脂環式炭化水素基)-鎖式炭化水素基-*(該鎖式炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい)、
メチルアダマンチル基、ジメチルアダマンチル基等の鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-*、(鎖式炭化水素基)-脂環式炭化水素基-*(該鎖式炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい)、
トリル基、キシリル基等の鎖式炭化水素基-芳香族炭化水素基-*(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい)、
メチルシクロヘキシルメチレン基等の鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-*、(鎖式炭化水素基)-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-*、(鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基)-鎖式炭化水素基-*(該鎖式炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい)、
ベンジル基等の芳香族炭化水素基-鎖式炭化水素基-*(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい)、
トリルメチル基等の鎖式炭化水素基-芳香族炭化水素基-鎖式炭化水素基-*(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい)、
メチルアダマンタンメチレンアダマンチル基、ジ(メチルアダマンタンメチレン)アダマンチル基等の鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-*、(鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基)-脂環式炭化水素基-*、(鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基)-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-*、(鎖式炭化水素基)-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-*(該鎖式炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい)、
脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-*、(脂環式炭化水素基)-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-*、(脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基)-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-*、(脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基)-鎖式炭化水素基-*(該鎖式炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい)、
鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-*、(鎖式炭化水素基)-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-*、(鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基)-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-*、(鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基)-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-*、(鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基)-鎖式炭化水素基-*(該鎖式炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい)、
等が挙げられる。ここで、*はカルボニル基の炭素原子との結合部位を表す。
【0031】
で表される炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該炭化水素基の総炭素数とする。また、Xで表される炭化水素基に置換基が結合する場合、置換する前の炭素数を該炭化水素基の総炭素数とする。
で表される炭化水素基は、1又は複数の置換基を有していてもよい。
置換基としては、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数2~13のアルコキシカルボニル基、炭素数2~13のアルキルカルボニル基、炭素数2~13のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3~12の脂環式炭化水素基、炭素数6~10の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
炭素数1~12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基等が挙げられる。
炭素数1~12のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基等が挙げられる。
炭素数2~13のアルコキシカルボニル基、炭素数2~13のアルキルカルボニル基及び炭素数2~13のアルキルカルボニルオキシ基は、上述したアルキル基又はアルコキシ基にカルボニル基又はカルボニルオキシ基が結合した基を表す。
炭素数2~13のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられ、炭素数2~13のアルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられ、炭素数2~13のアルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等が挙げられる。
炭素数3~12の脂環式炭化水素基としては、下記に示す基が挙げられる。**はXとの結合部位を表す。
炭素数6~10の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等のアリール基が挙げられる。
組み合わせた基としては、ヒドロキシ基と炭素数1~12のアルキル基とを組み合わせた基、炭素数1~12のアルキル基と炭素数6~10の芳香族炭化水素基とを組み合わせた基、炭素数3~12の脂環式炭化水素基と炭素数6~10の芳香族炭化水素基とを組み合わせた基、ハロゲン原子と炭素数1~12のアルキル基とを組み合わせた基等が挙げられる。
ヒドロキシ基と炭素数1~12のアルキル基とを組み合わせた基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等の炭素数1~12のヒドロキシアルキル基等が挙げられる。
炭素数1~12のアルキル基と炭素数6~10の芳香族炭化水素基とを組み合わせた基としては、ベンジル基等の炭素数7~22のアラルキル基、トリル基、キシリル基等の炭素数7~22のアルキルアリール基が挙げられる。
炭素数3~12の脂環式炭化水素基と炭素数6~10の芳香族炭化水素基とを組み合わせた基としては、シクロヘキシルフェニル基等が挙げられる。
ハロゲン原子と炭素数1~12のアルキル基とを組み合わせた基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等の炭素数1~12のペルフルオロアルキル基等が挙げられる。
【0032】
で表される炭化水素基としては、好ましくは、置換基を有してもよい炭素数1~72の脂肪族炭化水素基(該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)、置換基を有してもよい炭素数6~36の芳香族炭化水素基、式(aa)で表される基又は式(bb)で表される基であり、
より好ましくは、フッ素原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又はヒドロキシ基を有してもよい脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)、脂環式炭化水素基と鎖式炭化水素基とを組み合わせた基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよく、該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基及び該鎖式炭化水素基は、フッ素原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又はヒドロキシ基を有してもよい。)、フッ素原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基もしくはヒドロキシ基を有してもよい芳香族炭化水素基、式(aa)で表される基又は式(bb)で表される基であり、
さらに好ましくは、*-脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基は、フッ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又はヒドロキシ基を有していてもよい。*は-COOの炭素原子との結合部位を表す。)、*-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよく、該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基及び該鎖式炭化水素基は、フッ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又はヒドロキシ基を有してもよい。*は-COOの炭素原子との結合部位を表す。)、*-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよく、該鎖式炭化水素基及び該脂環式炭化水素基は、フッ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又はヒドロキシ基を有してもよい。*は-COOの炭素原子との結合部位を表す。)、フッ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又はヒドロキシ基を有してもよい芳香族炭化水素基、式(aa)で表される基又は式(bb)で表される基であり、
より一層好ましくは、*-多環式の脂環式炭化水素基(該多環式の脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよく、該多環式の脂環式炭化水素基は、フッ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又はヒドロキシ基を有してもよい。*は-COOの炭素原子との結合部位を表す。)、*-多環式の脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基(該多環式の脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよく、該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該多環式の脂環式炭化水素基及び該鎖式炭化水素基は、フッ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又はヒドロキシ基を有してもよい。*は-COOの炭素原子との結合部位を表す。)、*-鎖式炭化水素基-多環式の脂環式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該多環式の脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよく、該鎖式炭化水素基及び該多環式の脂環式炭化水素基は、フッ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又はヒドロキシ基を有してもよい。*は-COOの炭素原子との結合部位を表す。)、フッ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又はヒドロキシ基を有してもよい芳香族炭化水素基、式(aa)で表される基又は式(bb)で表される基であり、
特に好ましくは、アダマンチル基、アダマンタノン基、ヒドロキシアダマンチル基、アダマンチル基とアルキル基とを組み合わせた基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)、式(Y30F)で表される基、フッ素原子、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基又はヒドロキシ基を有するフェニル基、式(aa)で表される基又は式(bb)で表される基である。
上記の基において、脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~36であり、より好ましくは3~24であり、さらに好ましくは3~18であり、より一層好ましくは3~16であり、さらに一層好ましくは3~12である。鎖式炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~18であり、より好ましくは1~12であり、さらに好ましくは1~9であり、より一層好ましくは1~6であり、さらに一層好ましくは1~4である。芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~36であり、より好ましくは6~24であり、さらに好ましくは6~18であり、より一層好ましくは6~14であり、さらに一層好ましくは6~10である。
[式(aa)中、
a及びXbは、それぞれ独立に、-O-又は-S-を表す。
1aは、置換基を有してもよい炭素数1~24の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。
2aは、置換基を有してもよい炭素数1~48の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。
*は、-COOの炭素原子との結合部位を表す。]
[式(bb)中、
は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1~6のアルカンジイル基又はハロゲン原子もしくは炭素数1~4のペルフルオロアルキル基を有していてもよい炭素数6~14の芳香族炭化水素基を表す。
は、単結合又は炭素数1~6のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。
は、置換基を有してもよい炭素数1~36の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。
*は、-COOの炭素原子との結合部位を表す。]
【0033】
a及びXbは、同じ原子であることが好ましく、ともに酸素原子であることがより好ましい。
【0034】
1a及びX2aで表される炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又はこれらを2種以上組み合わせた基等が挙げられる。なお、これら炭化水素基は置換基を有していてもよい。また、これら炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。ここで、炭化水素基の炭素数は、置換基を有さない、置き換わりのない炭化水素基の炭素数を意味する。
【0035】
1aの脂肪族炭化水素基としては、アルカントリイル基等の鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基が挙げられる。
アルカントリイル基としては、具体的には、メチン基、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ウンデカントリイル基、ドデカントリイル基等が挙げられる。
【0036】
脂環式炭化水素基は、単環式又は多環式のいずれであってもよい。
単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロブタントリイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロオクタントリイル基等が挙げられる。
多環式の脂環式炭化水素基としては、ノルボルナントリイル基、アダマンタントリイル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基、アントラセントリイル基等が挙げられる。
組み合わせた基の場合、上述の基において価数の異なる基(アルキル基、アルカンジイル基、アルカンテトライル基、シクロアルキル基、シクロアルカンジイル基、シクロアルカンテトライル基等)が含まれていてもよい。
【0037】
1aで表される炭化水素基は、炭素数が1~24であり、さらに1又は複数の置換基を有していてもよい。該置換基としては、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数2~13のアルコキシカルボニル基、炭素数2~13のアルキルカルボニル基、炭素数2~13のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3~12の脂環式炭化水素基、炭素数6~10の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基及びアルキルカルボニルオキシ基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせた基は、上記と同様の基が挙げられる。
【0038】
1aで表される炭化水素基としては、置換基を有してもよい炭素数1~6のアルカントリイル基又は置換基を有してもよい炭素数3~18の脂環式炭化水素基であることが好ましく、炭素数1~6のアルカントリイル基、式(w1-1)~式(w1-11)で表される基であることがより好ましく、炭素数1~6のアルカントリイル基、式(w1-1)で表される基又は式(w1-3)で表される基等の多環式炭化水素基、式(w1-2)で表される基又は式(w1-6)で表される基等の単環式炭化水素基であることがさらに好ましい。
[式(w1-1)~式(w1-11)中、
環は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数2~13のアルコキシカルボニル基、炭素数2~13のアルキルカルボニル基、炭素数2~13のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3~12の脂環式炭化水素基、炭素数6~10の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を有していてもよい。
*は結合部位を表す。]
【0039】
2aで表される炭化水素基の炭素数は、2~48であることが好ましく、4~48であることがより好ましく、6~44であることがさらに好ましく、8~40であることがより一層好ましく、10~38であることがさらに一層好ましい。
【0040】
2aにおける炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数2~13のアルコキシカルボニル基、炭素数2~13のアルキルカルボニル基、炭素数2~13のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3~12の脂環式炭化水素基、炭素数6~10の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基等が挙げられる。
ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせた基は、上記と同様の基が挙げられる。
2aで表される炭素数1~48の炭化水素基は、1つの置換基又は複数の置換基を有していてもよい。
2aにおける炭化水素基が有していてもよい置換基としては、フッ素原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基もしくはヒドロキシ基であることが好ましい。
【0041】
2aにおける炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状の鎖式炭化水素基(例えば、アルカンジイル基等)、単環式又は多環式の脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせたものでもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ペンタン-2,4-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基等の単環式シクロアルカンジイル基である単環式の脂環式炭化水素基;
ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、アダマンタン-1,5-ジイル基、アダマンタン-2,6-ジイル基等の多環式シクロアルカンジイル基である多環式の脂環式炭化水素基;
フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントリレン基、フェナントリレン基、ビナフチレン基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
組み合わせた基の場合、上述の基において価数の異なる基(アルキル基、アルカントリイル基、アルカンテトライル基、シクロアルキル基、シクロアルカントリイル基、シクロアルカンテトライル基等)が含まれていてもよい。
組み合わせた基としては、鎖式炭化水素基と脂環式炭化水素基を組み合わせた基、鎖式炭化水素基と芳香族炭化水素基を組み合わせた基、脂環式炭化水素基と芳香族炭化水素基を組み合わせた基等が挙げられ、具体的に、鎖式炭化水素基に1以上の脂環式炭化水素基が結合した基(例えば、-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基、-鎖式炭化水素基-(脂環式炭化水素基)等)、脂環式炭化水素基に1以上の鎖式炭化水素基が結合した基(例えば、-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基、-脂環式炭化水素基-(鎖式炭化水素基)等)、鎖式炭化水素基に1以上の脂環式炭化水素基と鎖式炭化水素基が結合した基(例えば、-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基、-鎖式炭化水素基-(脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基)等)等が挙げられる。
【0042】
2aにおける炭化水素基としては、
炭素数2~18の鎖式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該鎖式炭化水素基は、置換基を有していてもよい。)、
炭素数3~18の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基は、置換基を有していてもよい。)、又は、
炭素数1~12の鎖式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)と炭素数3~18の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)を組み合わせた基(該基は、置換基を有していてもよい。)であることが好ましく、
炭素数4~18の鎖式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該鎖式炭化水素基は、置換基を有していてもよい。)、又は、
炭素数1~12の鎖式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)と炭素数3~16の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)を組み合わせた基(該基は、置換基を有していてもよい。)であることがより好ましく、
炭素数6~14の鎖式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該鎖式炭化水素基は、置換基を有していてもよい。)、又は、
炭素数1~12の鎖式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)と炭素数5~14の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)を組み合わせた基(該基は、置換基を有していてもよい。)であることがさらに好ましい。
【0043】
具体的に、X2aにおける炭化水素基としては、例えば、
炭素数2~18のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該アルカンジイル基は、置換基を有していてもよい。)、
炭素数3~18の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基は、置換基を有していてもよい。)、
炭素数1~12のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)と炭素数3~18の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)とからなる基(該基は、置換基を有していてもよい。)、又は、
炭素数1~12のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)と炭素数3~18の脂環式炭化水素基と炭素数1~12のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)とからなる基(該基は、置換基を有していてもよい。)であることが好ましく、
炭素数4~18のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該アルカンジイル基は、置換基を有していてもよい。)、
炭素数1~12のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)と炭素数3~16の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)とからなる基(該基は、置換基を有していてもよい。)、又は、
炭素数1~12のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)と炭素数3~16の脂環式炭化水素基と炭素数1~12のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)とからなる基(該基は、置換基を有していてもよい。)であることがより好ましく、
炭素数6~14のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該アルカンジイル基は、置換基を有していてもよい。)、
炭素数1~12のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)とアダマンタンジイル基(該アダマンタンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)とからなる基(該基は、置換基を有していてもよい。)、又は、
炭素数1~12のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)とアダマンタンジイル基と炭素数1~12のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)とからなる基(該基は、置換基を有していてもよい。)であることがさらに好ましい。
【0044】
より具体的には、X2aは、式(X-1)で表される基、式(X-2)で表される基、式(X-3)で表される基又は式(X-4)で表される基であることが好ましい。
[式中、
1x、R2x、R3x、R4x、R5x及びR6xは、それぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基、炭素数5~12の脂環式炭化水素基又はこれらの2種以上の基を組み合わせた基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよく、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基は、置換基を有していてもよい。
*は、Xa及びXbとの結合部位を表す。]
組み合わせた基は、上述したアルキル基と脂環式炭化水素基とを1つずつ組み合わせたものでも、いずれかを2以上又は双方を2以上組み合わせた基でもよい。この場合、組み合わせた基の炭素数は39以下であり、37以下が好ましい。
【0045】
なかでも、R1x、R2x、R3x、R4x、R5x及びR6xとしては、炭素数1~6のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該アルキル基は、置換基を有していてもよい。)、炭素数5~12の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基は、置換基を有していてもよい。)又は炭素数1~6のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)と炭素数5~12の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)とを組み合わせた基(該基は、置換基を有していてもよい。)であることが好ましく、メトキシ基、アダマンチル基(該アダマンチル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該アダマンチル基は、置換基を有していてもよい。)又は炭素数1~6のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)とアダマンチル基とを組み合わせた基(該基は、置換基を有していてもよい。)であることがより好ましい。
式(aa)で表される基は、以下の式(aa1)、式(aa2)、式(aa3)及び式(aa4)のいずれかで表される基であることがより好ましい。
[式(aa1)~式(aa4)中、
1aは、炭素数3~18の脂環式炭化水素基を表す。
a及びXbは、それぞれ独立に、-O-又は-S-を表す。
1x、R2x、R3x、R4x、R5x、R6xは、それぞれ独立に、式(X-1)、式(X-2)、式(X-3)及び式(X-4)と同じ意味を表す。
*は、-COOの炭素原子との結合部位を表す。]
式(aa1)~式(aa4)において、W1aの脂環式炭化水素基としては、式(w1-1)~式(w1-11)で表される基であることがより好ましく、式(w1-1)で表される基又は式(w1-3)で表される基等の多環式炭化水素基、式(w1-2)で表される基又は式(w1-6)で表される基等の単環式炭化水素基であることがさらに好ましい。
【0046】
式(bb)において、L及びLにおける炭素数1~6のアルカンジイル基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;プロパン-1,2-ジイル基、1-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、1-メチルブタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基等が挙げられる。アルカンジイル基の炭素数は、好ましくは1~4であり、より好ましくは1~3である。
フッ素原子を有していてもよいアルカンジイル基としては、ジフルオロメチレン基、ペルフルオロエチレン基、ペルフルオロプロパンジイル基、ペルフルオロブタンジイル基及びペルフルオロペンタンジイル基等のペルフルオロアルカンジイル基等が挙げられる。
アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該アルカンジイル基の総炭素数とする。アルカンジイル基は、ヒドロキシ基(メチル基中に含まれる-CH2-が、-O-に置き換わった基)、カルボキシ基(エチル基中に含まれる-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、チオール基(メチル基中に含まれる-CH2-が、-S-に置き換わった基)、アルコキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-O-に置き換わった基)、アルコキシカルボニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、アルキルカルボニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-CO-に置き換わった基)、アルキルカルボニルオキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-CO-O-に置き換わった基)、アルキルチオ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-S-に置き換わった基)、アルキルスルホニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-SO-に置き換わった基)、アルカンジイルオキシ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-O-に置き換わった基)、アルカンジイルチオ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-S-に置き換わった基)、アルカンジイルスルホニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-SO-に置き換わった基)、アルカンジイルオキシカルボニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、アルカンジイルカルボニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-CO-に置き換わった基)、アルカンジイルカルボニルオキシ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-CO-O-に置き換わった基)を有していてもよい。
アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基は上記と同様のものが挙げられる。
アルカンジイルオキシ基としては、例えば、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロパンジイルオキシ基、ブタンジイルオキシ基、ペンタンジイルオキシ基等が挙げられる。
アルカンジイルチオ基としては、例えば、メチレンチオ基、エチレンチオ基、プロパンジイルチオ基、ブタンジイルチオ基、ペンタンジイルチオ基等が挙げられる。
アルカンジイルスルホニル基としては、例えば、メチレンスルホニル基、エチレンスルホニル基、プロパンジイルスルホニル基、ブタンジイルスルホニル基、ペンタンジイルスルホニル基等が挙げられる。
アルカンジイルオキシカルボニル基としては、例えば、メチレンオキシカルボニル基、エチレンオキシカルボニル基、プロパンジイルオキシカルボニル基、ブタンジイルオキシカルボニル基等が挙げられる。
アルカンジイルカルボニル基としては、例えば、メチレンカルボニル基、エチレンカルボニル基、プロパンジイルカルボニル基、ブタンジイルカルボニル基、ペンタンジイルカルボニル基等が挙げられる。
アルカンジイルカルボニルオキシ基としては、例えば、メチレンカルボニルオキシ基、エチレンカルボニルオキシ基、プロパンジイルカルボニルオキシ基、ブタンジイルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
における炭素数6~14の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、ビフェニレン基、フェナントリレン基等のアリーレン基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~10であり、より好ましくは6である。
が有していてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
が有していてもよい炭素数1~4のペルフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。
は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1~4のアルカンジイル基又はハロゲン原子もしくは炭素数1~4のペルフルオロアルキル基を有していてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素基であることが好ましく、フッ素原子を有する炭素数1~3のアルカンジイル基又はフッ素原子、ヨウ素原子もしくは炭素数1~3のペルフルオロアルキル基を有していてもよいフェニレン基であることがより好ましい。
は、単結合又は炭素数1~3のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい)であることが好ましく、単結合、メチレン基又はエチレン基であることがより好ましい。
【0047】
における炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等の鎖式炭化水素基及び脂環式炭化水素基)、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、2-エチルヘキシル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基等が挙げられる。アルキル基の炭素数は、好ましくは1~18であり、より好ましくは1~12であり、さらに好ましくは1~9であり、より一層好ましくは1~6であり、さらに一層好ましくは1~4である。
アルケニル基としては、エテニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、tert-ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、イソオクテニル基、ノネニル基が挙げられる。
アルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基、イソプロピニル基、ブチニル基、イソブチニル基、tert-ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、オクチニル基、ノニニル基等が挙げられる。
鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わった基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニル基、アルキルチオ基等が挙げられる。
アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニル基及びアルキルチオ基としては、例えば、炭素数1~17のアルコキシ基、炭素数2~17のアルコキシカルボニル基、炭素数2~18のアルキルカルボニル基、炭素数2~17のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数1~17のアルキルスルホニル基及び炭素数1~17のアルキルチオ基が挙げられ、上述した基と同様の基が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、単環式、多環式及びスピロ環のいずれでもよく、飽和及び不飽和のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の単環式シクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基等の多環式シクロアルキル基が挙げられる。
脂環式炭化水素基及び脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わった基としては、具体的に、上記の式(y1)~式(y71)で表される基等が挙げられる。脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~36であり、より好ましくは3~24であり、さらに好ましくは3~18であり、より一層好ましくは3~16であり、さらに一層好ましくは3~12である。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、ビナフチル基等のアリール基等が挙げられる。芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~36であり、より好ましくは6~24であり、さらに好ましくは6~18であり、より一層好ましくは6~14であり、さらに一層好ましくは6~10である。
組み合わせた基の場合、上述の基において価数の異なる基(アルカンジイル基、アルカントリイル基、シクロアルカンジイル基、シクロアルカントリイル基等)が含まれていてもよい。
組み合わせることにより形成される基としては、芳香族炭化水素基と鎖式炭化水素基とを組み合わせた基(例えば、芳香族炭化水素基-アルカンジイル基-*、アルキル基-芳香族炭化水素基-*)、脂環式炭化水素基と鎖式炭化水素基とを組み合わせた基(例えば、脂環式炭化水素基-アルカンジイル基-*、アルキル基-脂環式炭化水素基-*)、芳香族炭化水素基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基(例えば、芳香族炭化水素基-脂環式炭化水素基-*、脂環式炭化水素基-芳香族炭化水素基-*)が挙げられる。*は結合部位を表す。
芳香族炭化水素基-アルカンジイル基-*としては、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。
アルキル基-芳香族炭化水素基-*としては、トリル基、キシリル基、クメニル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基-アルカンジイル基-*としては、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、1-(アダマンタン-1-イル)メチル基、1-(アダマンタン-1-イル)-1-メチルエチル基等のシクロアルキルアルキル基等が挙げられる。
アルキル基-脂環式炭化水素基-*としては、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、2-アルキルアダマンタン-2-イル基等のアルキル基を有するシクロアルキル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基-脂環式炭化水素基-*としては、フェニルアダマンチル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基-芳香族炭化水素基-*としては、アダマンチルフェニル基等が挙げられる。
なお、組み合わせにおいて、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、鎖式炭化水素基は、それぞれ2種以上を組み合わせてもよい。また、いずれの基がLに結合していてもよい。
炭化水素基に含まれる-CH-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わった基としては、上述した基の他に、シクロアルコキシ基、シクロアルキルアルコキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、芳香族炭化水素基-カルボニルオキシ基、これらの基のうち2種以上を組み合わせた基等も挙げられる。
シクロアルコキシ基としては、炭素数3~17のシクロアルコキシ基が挙げられ、例えば、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。シクロアルキルアルコキシ基としては、炭素数4~17のシクロアルキルアルコキシ基が挙げられ、例えば、シクロヘキシルメトキシ基等が挙げられる。アルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素数2~16のアルコキシカルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、ブトキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。芳香族炭化水素基-カルボニルオキシ基としては、炭素数7~17の芳香族炭化水素基-カルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
炭化水素基に含まれる-CH-が、-O-、-S-、-SO-又は-CO-で置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該炭化水素基の総炭素数とする。また、その数は、1つでもよいし、2以上でもよい。
【0048】
の炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~12のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい)が挙げられる。
ハロゲン原子としては、上述した基と同様の基が挙げられる。
炭素数1~12のアルキル基としては、上述した基と同様の基が挙げられる。
アルキル基に含まれる-CH2-が、-O-又は-CO-に置き換わった基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基及びアルキルカルボニルオキシ基としては、炭素数1~11のアルコキシ基、炭素数2~11のアルコキシカルボニル基、炭素数2~12のアルキルカルボニル基、炭素数2~11のアルキルカルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、上述した基と同様の基が挙げられる。
における炭化水素基は、1つの置換基又は複数の置換基を有していてもよい。
【0049】
における炭化水素基としては、置換基を有してもよい炭素数1~12のアルキル基(但し、該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)又は置換基を有してもよい炭素数3~18の環状炭化水素基(但し、該環状炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)であることが好ましく、フッ素原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のペルフルオロアルキル基を有してもよい炭素数3~18の環状炭化水素基(但し、該環状炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)であることが好ましい。
【0050】
環状炭化水素基としては、単環式又は多環式の炭素数3~18の脂環式炭化水素基及び炭素数6~18の芳香族炭化水素基等の環状炭化水素基もしくはこれらを組み合わせた基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、組み合わせた基としては、上述した基と同様のものが挙げられる。
なお、組み合わせにおいて、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基は、それぞれ2種以上を組み合わせてもよい。また、いずれの基がLに結合していてもよい。
【0051】
炭素数3~18の環状炭化水素基(該環状炭化水素基は、フッ素原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のペルフルオロアルキル基を有してもよく、該環状炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)は、
フッ素原子、ヒドロキシ基、炭素数1~4のアルキル基又は炭素数1~4のペルフルオロアルキル基を有してもよい炭素数3~18の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)、又は、
フッ素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1~4のアルキル基を有してもよい炭素数6~18の芳香族炭化水素基(例えば、フェニル基又はナフチル基)であることが好ましい。
式(bb)で表される基は、式(bb1)で表される基であることがより好ましい。
[式(bb1)中、
及びLは、式(bb)と同じ意味を表す。
1aは、炭素数3~18の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基は、フッ素原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基もしくはヒドロキシ基を有してもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。
*は、-COOの炭素原子との結合部位を表す。]
式(bb1)において、W1aは、フッ素原子、ヒドロキシ基、炭素数1~4のアルキル基又は炭素数1~4のペルフルオロアルキル基を有してもよい炭素数3~18の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-又は-SO-に置き換わっていてもよい。)であることがより好ましい。
式(bb1)において、W1aの脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、下記の基(結合部位は任意の位置である)が好ましい。
【0052】
式(I)で表されるカルボン酸塩におけるカルボン酸アニオンとしては、下記に記載のカルボン酸アニオン等が挙げられる。
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
カルボン酸塩(I)の具体例として、上記したカチオンとアニオンとを任意に組み合わせた塩が挙げられる。カルボン酸塩(I)の具体例を下記表に示す。
下記表において、各符号は、上述のアニオンやカチオンを表す構造に付した符号を表し、「~」は、カルボン酸塩(I)とアニオン(I)又はカチオン(I)とのそれぞれが対応することを示す。たとえば、カルボン酸塩(I-1)は、式(I-a-1)で示されるアニオンと式(I-c-1)で示されるカチオンとからなる塩、カルボン酸塩(I-2)は、式(I-a-2)で示されるアニオンと式(I-c-1)で示されるカチオンとからなる塩、カルボン酸塩(I-96)は、式(I-a-1)で示されるアニオンと式(I-c-2)で示されるカチオンとからなる塩を示す。
【表1】








【0057】
なかでも、カルボン酸塩(I)としては、式(I-a-1)~式(I-a-5)、式(I-a-10)~式(I-a-21)及び式(I-a-57)~式(I-a-66)のいずれかで表されるアニオンと式(I-c-1)~式(I-c-90)のいずれかで表されるカチオンとを組み合わせた塩が好ましく、具体的には、カルボン酸塩(I-1)~カルボン酸塩(I-5)、カルボン酸塩(I-10)~カルボン酸塩(I-21)、カルボン酸塩(I-57)~カルボン酸塩(I-66)、カルボン酸塩(I-96)~カルボン酸塩(I-100)、カルボン酸塩(I-105)~カルボン酸塩(I-116)、カルボン酸塩(I-152)~カルボン酸塩(I-161)、カルボン酸塩(I-191)~カルボン酸塩(I-195)、カルボン酸塩(I-200)~カルボン酸塩(I-211)カルボン酸塩(I-247)~カルボン酸塩(I-256)、カルボン酸塩(I-286)~カルボン酸塩(I-290)、カルボン酸塩(I-295)~カルボン酸塩(I-306)、カルボン酸塩(I-342)~カルボン酸塩(I-351)、カルボン酸塩(I-381)~カルボン酸塩(I-385)、カルボン酸塩(I-390)~カルボン酸塩(I-401)、カルボン酸塩(I-437)~カルボン酸塩(I-446)、カルボン酸塩(I-476)~カルボン酸塩(I-480)カルボン酸塩(I-485)~カルボン酸塩(I-496)、カルボン酸塩(I-532)~カルボン酸塩(I-541)、カルボン酸塩(I-571)~カルボン酸塩(I-575)、カルボン酸塩(I-580)~カルボン酸塩(I-591)、カルボン酸塩(I-627)~カルボン酸塩(I-636)、カルボン酸塩(I-666)~カルボン酸塩(I-670)、カルボン酸塩(I-675)~カルボン酸塩(I-686)、カルボン酸塩(I-722)~カルボン酸塩(I-731)、カルボン酸塩(I-761)~カルボン酸塩(I-765)、カルボン酸塩(I-770)~カルボン酸塩(I-781)、カルボン酸塩(I-817)~カルボン酸塩(I-826)、カルボン酸塩(I-856)~カルボン酸塩(I-860)、カルボン酸塩(I-865)~カルボン酸塩(I-876)、カルボン酸塩(I-912)~カルボン酸塩(I-921)、カルボン酸塩(I-951)~カルボン酸塩(I-955)、カルボン酸塩(I-960)~カルボン酸塩(I-971)、カルボン酸塩(I-1007)~カルボン酸塩(I-1016)、カルボン酸塩(I-1046)~カルボン酸塩(I-1050)、カルボン酸塩(I-1055)~カルボン酸塩(I-1066)、カルボン酸塩(I-1102)~カルボン酸塩(I-1111)、カルボン酸塩(I-1141)~カルボン酸塩(I-1145)、カルボン酸塩(I-1150)~カルボン酸塩(I-1161)、カルボン酸塩(I-1197)~カルボン酸塩(I-1206)、カルボン酸塩(I-1236)~カルボン酸塩(I-1240)、カルボン酸塩(I-1245)~カルボン酸塩(I-1256)、カルボン酸塩(I-1292)~カルボン酸塩(I-1301)、カルボン酸塩(I-1331)~カルボン酸塩(I-1335)、カルボン酸塩(I-1340)~カルボン酸塩(I-1351)、カルボン酸塩(I-1387)~カルボン酸塩(I-1396)、カルボン酸塩(I-1426)~カルボン酸塩(I-1430)、カルボン酸塩(I-1435)~カルボン酸塩(I-1446)、カルボン酸塩(I-1482)~カルボン酸塩(I-1491)、カルボン酸塩(I-1521)~カルボン酸塩(I-1525)、カルボン酸塩(I-1530)~カルボン酸塩(I-1541)、カルボン酸塩(I-1577)~カルボン酸塩(I-1586)、カルボン酸塩(I-1616)~カルボン酸塩(I-1620)、カルボン酸塩(I-1625)~カルボン酸塩(I-1636)、カルボン酸塩(I-1672)~カルボン酸塩(I-1681)、カルボン酸塩(I-1711)~カルボン酸塩(I-1715)、カルボン酸塩(I-1720)~カルボン酸塩(I-1731)、カルボン酸塩(I-1767)~カルボン酸塩(I-1776)、カルボン酸塩(I-1806)~カルボン酸塩(I-1810)、カルボン酸塩(I-1815)~カルボン酸塩(I-1826)、カルボン酸塩(I-1862)~カルボン酸塩(I-1871)、カルボン酸塩(I-1901)~カルボン酸塩(I-1905)、カルボン酸塩(I-1910)~カルボン酸塩(I-1921)、カルボン酸塩(I-1957)~カルボン酸塩(I-1966)、カルボン酸塩(I-1996)~カルボン酸塩(I-2000)、カルボン酸塩(I-2005)~カルボン酸塩(I-2016)、カルボン酸塩(I-2052)~カルボン酸塩(I-2061)、カルボン酸塩(I-2091)~カルボン酸塩(I-2095)、カルボン酸塩(I-2100)~カルボン酸塩(I-2111)、カルボン酸塩(I-2147)~カルボン酸塩(I-2156)、カルボン酸塩(I-2186)~カルボン酸塩(I-2190)、カルボン酸塩(I-2195)~カルボン酸塩(I-2206)、カルボン酸塩(I-2242)~カルボン酸塩(I-2251)、カルボン酸塩(I-2281)~カルボン酸塩(I-2285)、カルボン酸塩(I-2290)~カルボン酸塩(I-2301)、カルボン酸塩(I-2337)~カルボン酸塩(I-2346)、カルボン酸塩(I-2376)~カルボン酸塩(I-2380)、カルボン酸塩(I-2385)~カルボン酸塩(I-2396)、カルボン酸塩(I-2432)~カルボン酸塩(I-2441)、カルボン酸塩(I-2471)~カルボン酸塩(I-2475)、カルボン酸塩(I-2480)~カルボン酸塩(I-2491)、カルボン酸塩(I-2527)~カルボン酸塩(I-2536)、カルボン酸塩(I-2566)~カルボン酸塩(I-2570)、カルボン酸塩(I-2575)~カルボン酸塩(I-2586)、カルボン酸塩(I-2622)~カルボン酸塩(I-2631)、カルボン酸塩(I-2661)~カルボン酸塩(I-2665)、カルボン酸塩(I-2670)~カルボン酸塩(I-2681)、カルボン酸塩(I-2717)~カルボン酸塩(I-2726)、カルボン酸塩(I-2756)~カルボン酸塩(I-2760)、カルボン酸塩(I-2765)~カルボン酸塩(I-2776)、カルボン酸塩(I-2812)~カルボン酸塩(I-2821)、カルボン酸塩(I-2851)~カルボン酸塩(I-2855)、カルボン酸塩(I-2860)~カルボン酸塩(I-2871)、カルボン酸塩(I-2907)~カルボン酸塩(I-2916)、カルボン酸塩(I-2946)~カルボン酸塩(I-2950)、カルボン酸塩(I-2955)~カルボン酸塩(I-2966)、カルボン酸塩(I-3002)~カルボン酸塩(I-3011)、カルボン酸塩(I-3041)~カルボン酸塩(I-3045)、カルボン酸塩(I-3050)~カルボン酸塩(I-3061)、カルボン酸塩(I-3097)~カルボン酸塩(I-3106)、カルボン酸塩(I-3136)~カルボン酸塩(I-3140)、カルボン酸塩(I-3145)~カルボン酸塩(I-3156)、カルボン酸塩(I-3192)~カルボン酸塩(I-3201)、カルボン酸塩(I-3231)~カルボン酸塩(I-3235)、カルボン酸塩(I-3240)~カルボン酸塩(I-3251)、カルボン酸塩(I-3287)~カルボン酸塩(I-3296)、カルボン酸塩(I-3326)~カルボン酸塩(I-3330)、カルボン酸塩(I-3335)~カルボン酸塩(I-3346)、カルボン酸塩(I-3382)~カルボン酸塩(I-3391)、カルボン酸塩(I-3421)~カルボン酸塩(I-3425)、カルボン酸塩(I-3430)~カルボン酸塩(I-3441)、カルボン酸塩(I-3477)~カルボン酸塩(I-3486)、カルボン酸塩(I-3516)~カルボン酸塩(I-3520)、カルボン酸塩(I-3525)~カルボン酸塩(I-3536)、カルボン酸塩(I-3572)~カルボン酸塩(I-3581)、カルボン酸塩(I-3611)~カルボン酸塩(I-3615)、カルボン酸塩(I-3620)~カルボン酸塩(I-3631)、カルボン酸塩(I-3667)~カルボン酸塩(I-3676)、カルボン酸塩(I-3706)~カルボン酸塩(I-3710)、カルボン酸塩(I-3715)~カルボン酸塩(I-3726)、カルボン酸塩(I-3762)~カルボン酸塩(I-3771)、カルボン酸塩(I-3801)~カルボン酸塩(I-3805)、カルボン酸塩(I-3810)~カルボン酸塩(I-3821)、カルボン酸塩(I-3857)~カルボン酸塩(I-3866)、カルボン酸塩(I-3896)~カルボン酸塩(I-3900)、カルボン酸塩(I-3905)~カルボン酸塩(I-3916)、カルボン酸塩(I-3952)~カルボン酸塩(I-3961)、カルボン酸塩(I-3991)~カルボン酸塩(I-3995)、カルボン酸塩(I-4000)~カルボン酸塩(I-4011)、カルボン酸塩(I-4047)~カルボン酸塩(I-4056)、カルボン酸塩(I-4086)~カルボン酸塩(I-4090)、カルボン酸塩(I-4095)~カルボン酸塩(I-4106)、カルボン酸塩(I-4142)~カルボン酸塩(I-4151)、カルボン酸塩(I-4181)~カルボン酸塩(I-4185)、カルボン酸塩(I-4190)~カルボン酸塩(I-4201)、カルボン酸塩(I-4237)~カルボン酸塩(I-4246)、カルボン酸塩(I-4276)~カルボン酸塩(I-4280)、カルボン酸塩(I-4285)~カルボン酸塩(I-4296)、カルボン酸塩(I-4332)~カルボン酸塩(I-4341)、カルボン酸塩(I-4371)~カルボン酸塩(I-4375)、カルボン酸塩(I-4380)~カルボン酸塩(I-4391)、カルボン酸塩(I-4427)~カルボン酸塩(I-4436)、カルボン酸塩(I-4466)~カルボン酸塩(I-4470)、カルボン酸塩(I-4475)~カルボン酸塩(I-4486)、カルボン酸塩(I-4522)~カルボン酸塩(I-4531)、カルボン酸塩(I-4561)~カルボン酸塩(I-4565)、カルボン酸塩(I-4570)~カルボン酸塩(I-4581)、カルボン酸塩(I-4617)~カルボン酸塩(I-4626)、カルボン酸塩(I-4656)~カルボン酸塩(I-4660)、カルボン酸塩(I-4665)~カルボン酸塩(I-4676)、カルボン酸塩(I-4712)~カルボン酸塩(I-4721)、カルボン酸塩(I-4751)~カルボン酸塩(I-4755)、カルボン酸塩(I-4760)~カルボン酸塩(I-4771)、カルボン酸塩(I-4807)~カルボン酸塩(I-4816)、カルボン酸塩(I-4846)~カルボン酸塩(I-4850)、カルボン酸塩(I-4855)~カルボン酸塩(I-4866)、カルボン酸塩(I-4902)~カルボン酸塩(I-4911)、カルボン酸塩(I-4941)~カルボン酸塩(I-4945)、カルボン酸塩(I-4950)~カルボン酸塩(I-4961)、カルボン酸塩(I-4997)~カルボン酸塩(I-5006)、カルボン酸塩(I-5036)~カルボン酸塩(I-5040)、カルボン酸塩(I-5045)~カルボン酸塩(I-5056)、カルボン酸塩(I-5092)~カルボン酸塩(I-5101)、カルボン酸塩(I-5131)~カルボン酸塩(I-5135)、カルボン酸塩(I-5140)~カルボン酸塩(I-5151)、カルボン酸塩(I-5187)~カルボン酸塩(I-5196)、カルボン酸塩(I-5226)~カルボン酸塩(I-5230)、カルボン酸塩(I-5235)~カルボン酸塩(I-5246)、カルボン酸塩(I-5282)~カルボン酸塩(I-5291)、カルボン酸塩(I-5
321)~カルボン酸塩(I-5325)、カルボン酸塩(I-5330)~カルボン酸塩(I-5341)、カルボン酸塩(I-5377)~カルボン酸塩(I-5386)、カルボン酸塩(I-5416)~カルボン酸塩(I-5420)、カルボン酸塩(I-5425)~カルボン酸塩(I-5436)、カルボン酸塩(I-5472)~カルボン酸塩(I-5481)、カルボン酸塩(I-5511)~カルボン酸塩(I-5515)、カルボン酸塩(I-5520)~カルボン酸塩(I-5531)、カルボン酸塩(I-5567)~カルボン酸塩(I-5576)、カルボン酸塩(I-5606)~カルボン酸塩(I-5610)、カルボン酸塩(I-5615)~カルボン酸塩(I-5626)、カルボン酸塩(I-5662)~カルボン酸塩(I-5671)、カルボン酸塩(I-5701)~カルボン酸塩(I-5705)、カルボン酸塩(I-5710)~カルボン酸塩(I-5721)、カルボン酸塩(I-5757)~カルボン酸塩(I-5766)、カルボン酸塩(I-5796)~カルボン酸塩(I-5800)、カルボン酸塩(I-5805)~カルボン酸塩(I-5816)、カルボン酸塩(I-5852)~カルボン酸塩(I-5861)、カルボン酸塩(I-5891)~カルボン酸塩(I-5895)、カルボン酸塩(I-5900)~カルボン酸塩(I-5911)、カルボン酸塩(I-5947)~カルボン酸塩(I-5956)、カルボン酸塩(I-5986)~カルボン酸塩(I-5990)、カルボン酸塩(I-5995)~カルボン酸塩(I-6006)、カルボン酸塩(I-6042)~カルボン酸塩(I-6051)、カルボン酸塩(I-6081)~カルボン酸塩(I-6085)、カルボン酸塩(I-6090)~カルボン酸塩(I-6101)、カルボン酸塩(I-6137)~カルボン酸塩(I-6146)、カルボン酸塩(I-6176)~カルボン酸塩(I-6180)、カルボン酸塩(I-6185)~カルボン酸塩(I-6196)、カルボン酸塩(I-6232)~カルボン酸塩(I-6241)、カルボン酸塩(I-6271)~カルボン酸塩(I-6275)、カルボン酸塩(I-6280)~カルボン酸塩(I-6291)、カルボン酸塩(I-6327)~カルボン酸塩(I-6336)、カルボン酸塩(I-6366)~カルボン酸塩(I-6370)、カルボン酸塩(I-6375)~カルボン酸塩(I-6386)、カルボン酸塩(I-6422)~カルボン酸塩(I-6431)、カルボン酸塩(I-6461)~カルボン酸塩(I-6465)、カルボン酸塩(I-6470)~カルボン酸塩(I-6481)、カルボン酸塩(I-6517)~カルボン酸塩(I-6526)、カルボン酸塩(I-6556)~カルボン酸塩(I-6560)、カルボン酸塩(I-6565)~カルボン酸塩(I-6576)、カルボン酸塩(I-6612)~カルボン酸塩(I-6621)、カルボン酸塩(I-6651)~カルボン酸塩(I-6655)、カルボン酸塩(I-6660)~カルボン酸塩(I-6671)、カルボン酸塩(I-6707)~カルボン酸塩(I-6716)、カルボン酸塩(I-6746)~カルボン酸塩(I-6750)、カルボン酸塩(I-6755)~カルボン酸塩(I-6766)、カルボン酸塩(I-6802)~カルボン酸塩(I-6811)、カルボン酸塩(I-6841)~カルボン酸塩(I-6845)、カルボン酸塩(I-6850)~カルボン酸塩(I-6861)、カルボン酸塩(I-6897)~カルボン酸塩(I-6906)、カルボン酸塩(I-6936)~カルボン酸塩(I-6940)、カルボン酸塩(I-6945)~カルボン酸塩(I-6956)、カルボン酸塩(I-6992)~カルボン酸塩(I-7001)、カルボン酸塩(I-7031)~カルボン酸塩(I-7035)、カルボン酸塩(I-7040)~カルボン酸塩(I-7051)、カルボン酸塩(I-7087)~カルボン酸塩(I-7096)、カルボン酸塩(I-7126)~カルボン酸塩(I-7130)、カルボン酸塩(I-7135)~カルボン酸塩(I-7146)、カルボン酸塩(I-7182)~カルボン酸塩(I-7191)、カルボン酸塩(I-7221)~カルボン酸塩(I-7225)、カルボン酸塩(I-7230)~カルボン酸塩(I-7241)、カルボン酸塩(I-7277)~カルボン酸塩(I-7286)、カルボン酸塩(I-7316)~カルボン酸塩(I-7320)、カルボン酸塩(I-7325)~カルボン酸塩(I-7336)、カルボン酸塩(I-7372)~カルボン酸塩(I-7381)、カルボン酸塩(I-7411)~カルボン酸塩(I-7415)、カルボン酸塩(I-7420)~カルボン酸塩(I-7431)、カルボン酸塩(I-7467)~カルボン酸塩(I-7476)、カルボン酸塩(I-7506)~カルボン酸塩(I-7510)、カルボン酸塩(I-7515)~カルボン酸塩(I-7526)、カルボン酸塩(I-7562)~カルボン酸塩(I-7571)、カルボン酸塩(I-7601)~カルボン酸塩(I-7605)、カルボン酸塩(I-7610)~カルボン酸塩(I-7621)、カルボン酸塩(I-7657)~カルボン酸塩(I-7666)、カルボン酸塩(I-7696)~カルボン酸塩(I-7700)、カルボン酸塩(I-7705)~カルボン酸塩(I-7716)、カルボン酸塩(I-7752)~カルボン酸塩(I-7761)、カルボン酸塩(I-7791)~カルボン酸塩(I-7865)、カルボン酸塩(I-7800)~カルボン酸塩(I-7811)、カルボン酸塩(I-7847)~カルボン酸塩(I-7856)、カルボン酸塩(I-7886)~カルボン酸塩(I-7960)、カルボン酸塩(I-7895)~カルボン酸塩(I-7906)、カルボン酸塩(I-7942)~カルボン酸塩(I-7951)、カルボン酸塩(I-7981)~カルボン酸塩(I-7985)、カルボン酸塩(I-7990)~カルボン酸塩(I-8001)、カルボン酸塩(I-8037)~カルボン酸塩(I-8046)、カルボン酸塩(I-8076)~カルボン酸塩(I-8080)、カルボン酸塩(I-8085)~カルボン酸塩(I-8096)、カルボン酸塩(I-8132)~カルボン酸塩(I-8141)、カルボン酸塩(I-8171)~カルボン酸塩(I-8175)、カルボン酸塩(I-8180)~カルボン酸塩(I-8191)、カルボン酸塩(I-8227)~カルボン酸塩(I-8236)、カルボン酸塩(I-8266)~カルボン酸塩(I-8270)、カルボン酸塩(I-8275)~カルボン酸塩(I-8286)、カルボン酸塩(I-8322)~カルボン酸塩(I-8331)、カルボン酸塩(I-8361)~カルボン酸塩(I-8365)、カルボン酸塩(I-8370)~カルボン酸塩(I-8381)、カルボン酸塩(I-8417)~カルボン酸塩(I-8426)、カルボン酸塩(I-8456)~カルボン酸塩(I-8460)、カルボン酸塩(I-8465)~カルボン酸塩(I-8476)、カルボン酸塩(I-8512)~カルボン酸塩(I-8521)が好ましい。
【0058】
<塩(I)の製造方法>
塩(I)及び(IA)は、式(I-a)で表される塩と、式(I-b)で表される塩とを、溶剤中で反応させることにより製造することができる。
[式中、R、R、R、R、R、R、m1、m2、m3、m4、m5、m6、m7、m8、m9、A、A、A、Xは、それぞれ前記と同じ意味を表す。
A、RB及びRCは、それぞれ独立に、炭素数1~12の炭化水素基を表すか、又は、RA、RB及びRCが一緒になって芳香環を形成してもよい。RDは、水素原子又は炭素数1~12の炭化水素基を表す。]
この反応における溶媒としては、クロロホルム、アセトニトリル、イオン交換水等が挙げられる。
反応温度は、通常15℃~80℃であり、反応時間は、通常0.5~24時間である。
【0059】
式(I-b)で表される塩は、特開2011-39502号公報、特開2014-88367号公報に記載された方法を参考にして合成することができ、以下で表される塩などが挙げられる。
【0060】
式(I-a)で表される塩は、式(I-c)で表される塩と、式(I-d1)で表される化合物と、式(I-d2)で表される化合物と、式(I-d3)で表される化合物とを、触媒の存在下、溶剤中で反応させることにより製造することができる。
[式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。]
触媒としては、水素化ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。
溶剤としては、クロロホルム、モノクロロベンゼン、アセトニトリル、水などが挙げられる。
反応温度は、通常15℃~100℃であり、反応時間は、通常0.5~24時間である。
【0061】
式(I-c)で表される塩としては、下記式で表される塩等が挙げられ、市場より容易に入手することができる。
【0062】
式(I-d1)で表される化合物、式(I-d2)で表される化合物及び式(I-d3)で表される化合物としては、以下で表される化合物等が挙げられ、市場より容易に入手することができる。
【0063】
式(I-a)で表される塩は、式(I-d1)で表される化合物と、式(I-d2)で表される化合物と、式(I-d3)で表される化合物を、溶剤中で、カルボニルジイミダゾールと反応させた後、さらに、式(I-e)で表される塩と反応させることにより製造することもできる。
[式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。]
溶剤としては、クロロホルム、モノクロロベンゼン、アセトニトリルなどが挙げられる。
反応温度は、通常15℃~80℃であり、反応時間は、通常0.5~24時間である。
【0064】
式(I-e)で表される塩としては、下記式で表される塩等が挙げられ、市場より容易に入手することができる。
塩(IB)は、式(IA)を製造する過程において、式(I-a)で表される塩を式(I-e)で表される塩に置き換えることで製造できる。
[式中、R4A、R5A、R6A、R4B、R5B、R6B、R、R、R、m1、m2、m3、m4A、m4B、m5A、m5B、m6A、m6B、m7、m8、m9、A、A、Aは、それぞれ前記式(IB)と同じ意味を表す。]
式(I-e)で表される塩は、式(I-c)で表される塩から式(I-a)で表される塩を合成する過程において、式(I-d1)で表される化合物、式(I-d2)で表される化合物及び式(I-d3)で表される化合物を、それぞれ式(I-f1)で表される化合物、式(I-f2)で表される化合物及び式(I-f3)で表される化合物にそれぞれ置き換えることで合成できる。
[式(I-f1)中、R4A及R4B、m4A、m4B、m10、Aの符号は、それぞれ、式(IB)と同じ意味を表す。]
式(I-f2)は、式(I-f1)におけるR4A、R4B、m4A、m4B、m10及びAの符号をそれぞれ、R5A、R5B、m5A、m5B、m11及びAにそれぞれ置き換えたものを用いる。式(I-f3)は、式(I-f1)におけるR4A、R4B、m4A、m4B、m10及びAの符号をそれぞれ、R6A、R6B、m6A、m6B、m12及びAにそれぞれ置き換えたものを用いる。
式(I-f1)~式(I-f3)で表される化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
また、式(I)において、R、R、Rが、ハロゲン原子、炭素数1~12のハロアルキル基もしくはヒドロキシ基を有するフェナントレンである塩を合成する場合には、式(IB)の合成過程において、式(I-f1)~式(I-f3)で表される化合物それぞれについて、所望のハロゲン原子、炭素数1~12のハロアルキル基もしくはヒドロキシ基を有し、かつ、*-A-H(*は、フェナントレンとの結合手を表す。)を有するフェナントレンに置き換えることで合成できる。
【0065】
〔カルボン酸発生剤〕
本発明のカルボン酸発生剤は、カルボン酸塩(I)を含有する酸発生剤である。本発明のカルボン酸塩(I)は、レジスト組成物中において、酸発生剤として作用させることができる。カルボン酸塩(I)をレジスト組成物中の酸発生剤として用いる場合、酸発生剤は1種のみ又は2種類以上のカルボン酸塩(I)を含有してもよい。
また、本発明の酸発生剤は、後述するように、カルボン酸塩(I)以外のレジスト分野で公知の酸発生剤(以下「酸発生剤(B)」という場合がある。)及び/又はカルボン酸塩(I)以外のレジスト分野で公知のカルボン酸発生剤をさらに含有してもよい。酸発生剤(B)は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のカルボン酸発生剤が、酸発生剤(B)等を含有する場合、カルボン酸塩(I)と酸発生剤(B)等との含有量の比(質量比;カルボン酸塩(I):酸発生剤(B))等は、通常、1:99~100:0、好ましくは1:99~99:1、より好ましくは2:98~98:2、さらに好ましくは5:95~95:5である。
【0066】
〔レジスト組成物〕
レジスト組成物は、本発明のカルボン酸塩(I)を含有するカルボン酸発生剤と、カルボン酸塩(I)以外の酸発生剤(B)とを少なくとも含有する。本発明のレジスト組成物は、酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂(以下「樹脂(A)」という場合がある)を含有してもよい。ここでの「酸不安定基」は、脱離基を有し、酸との接触により脱離基が脱離して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。
レジスト組成物は、さらに、クエンチャー(以下「クエンチャー(C)」という場合がある)及び/又は溶剤(以下「溶剤(E)」という場合がある)を含有することが好ましい。
本発明のレジスト組成物においては、カルボン酸塩(I)の含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、0.1質量%以上35質量%以下が好ましく、0.5質量%以上30質量%以下がより好ましく、1質量%以上25質量%以下がさらに好ましい。
【0067】
<酸発生剤(B)>
酸発生剤(B)は、カルボン酸以外の酸を発生する非イオン系又はイオン系のいずれを用いてもよい。非イオン系酸発生剤としては、スルホネートエステル類(例えば2-ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N-スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、ジアゾナフトキノン 4-スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が挙げられる。イオン系酸発生剤としては、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩)が代表的である。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン等が挙げられる。
【0068】
酸発生剤(B)としては、特開昭63-26653号、特開昭55-164824号、特開昭62-69263号、特開昭63-146038号、特開昭63-163452号、特開昭62-153853号、特開昭63-146029号、米国特許第3,779,778号、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、欧州特許第126,712号等に記載の放射線によって酸を発生する化合物を使用することができる。また、公知の方法で製造した化合物を使用してもよい。酸発生剤(B)は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0069】
酸発生剤(B)は、好ましくは式(B1)で表される塩(以下「酸発生剤(B1)」という場合がある。但し、塩(I)を除く。)である。
[式(B1)中、
b1及びQb2は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のペルフルオロアルキル基を表す。
b1は、炭素数1~24の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよいメチル基又は置換基を有していてもよい炭素数3~24の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-S-、-SO-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
Z1は、有機カチオンを表す。]
【0070】
b1及びQb2の表すペルフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロtert-ブチル基、ペルフルオロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
b1及びQb2の表すアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
酸発生剤(B)はフッ素含有酸発生剤であることが好ましく、酸発生剤(B1)としては、Qb1及びQb2は、Qb1及びQb2の少なくとも一方に、フッ素原子又はペルフルオロアルキル基を含むことが好ましく、それぞれ独立に、フッ素原子又はペルフルオロアルキル基であることがより好ましく、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であることがさらに好ましく、ともにフッ素原子であることがさらにより好ましい。
【0071】
b1における2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状アルカンジイル基、分岐状アルカンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組合せることにより形成される基でもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基、トリデカン-1,13-ジイル基、テトラデカン-1,14-ジイル基、ペンタデカン-1,15-ジイル基、ヘキサデカン-1,16-ジイル基及びヘプタデカン-1,17-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ペンタン-2,4-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、アダマンタン-1,5-ジイル基、アダマンタン-2,6-ジイル基等の多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
【0072】
b1で表される2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH-が-O-又は-CO-で置き換わった基としては、例えば、式(b1-1)~式(b1-3)のいずれかで表される基が挙げられる。なお、式(b1-1)~式(b1-3)で表される基及びそれらの具体例である式(b1-4)~式(b1-11)で表される基において、*及び**は結合部位を表し、*は-Yとの結合部位を表す。
【0073】
[式(b1-1)中、
b2は、単結合又は炭素数1~22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b3は、単結合又は炭素数1~22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
ただし、Lb2とLb3との炭素数合計は、22以下である。
式(b1-2)中、
b4は、単結合又は炭素数1~22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b5は、単結合又は炭素数1~22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
ただし、Lb4とLb5との炭素数合計は、22以下である。
式(b1-3)中、
b6は、単結合又は炭素数1~23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
b7は、単結合又は炭素数1~23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
ただし、Lb6とLb7との炭素数合計は、23以下である。]
【0074】
式(b1-1)~式(b1-3)で表される基においては、飽和炭化水素基に含まれる-CH-が-O-又は-CO-に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該飽和炭化水素基の炭素数とする。
2価の飽和炭化水素基としては、Lb1の2価の飽和炭化水素基と同様のものが挙げられる。
【0075】
b2は、好ましくは単結合、メチレン基、-CH(CF)-又は-C(CF-である。
b3は、好ましくは炭素数1~4の2価の飽和炭化水素基である。
b4は、好ましくは炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基であり、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子に置換されていてもよく、より好ましくは、メチレン基、-CH(CF)-、-C(CF-である。
b5は、好ましくは単結合又は炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
b6は、好ましくは単結合又は炭素数1~4の2価の飽和炭化水素基であり、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
b7は、好ましくは単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基であり、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH-は-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
【0076】
b1で表される2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH-が-O-又は-CO-で置き換わった基としては、式(b1-1)又は式(b1-3)で表される基が好ましい。
【0077】
式(b1-1)で表される基としては、式(b1-4)~式(b1-8)でそれぞれ表される基が挙げられる。
[式(b1-4)中、
b8は、単結合又は炭素数1~22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
式(b1-5)中、
b9は、炭素数1~20の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH-は-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
b10は、単結合又は炭素数1~19の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb9及びLb10の合計炭素数は20以下である。
式(b1-6)中、
b11は、炭素数1~21の2価の飽和炭化水素基を表す。
b12は、単結合又は炭素数1~20の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb11及びLb12の合計炭素数は21以下である。
式(b1-7)中、
b13は、炭素数1~19の2価の飽和炭化水素基を表す。
b14は、単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH-は-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
b15は、単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb13~Lb15の合計炭素数は19以下である。
式(b1-8)中、
b16は、炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH-は-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
b17は、炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表す。
b18は、単結合又は炭素数1~17の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb16~Lb18の合計炭素数は19以下である。]
【0078】
b8は、好ましくは炭素数1~4の2価の飽和炭化水素基である。
b9は、好ましくは炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
b10は、好ましくは単結合又は炭素数1~19の2価の飽和炭化水素基であり、より好ましくは単結合又は炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
b11は、好ましくは炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
b12は、好ましくは単結合又は炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
b13は、好ましくは炭素数1~12の2価の飽和炭化水素基である。
b14は、好ましくは単結合又は炭素数1~6の2価の飽和炭化水素基である。
b15は、好ましくは単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基であり、より好ましくは単結合又は炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
b16は、好ましくは炭素数1~12の2価の飽和炭化水素基である。
b17は、好ましくは炭素数1~6の2価の飽和炭化水素基である。
b18は、好ましくは単結合又は炭素数1~17の2価の飽和炭化水素基であり、より好ましくは単結合又は炭素数1~4の2価の飽和炭化水素基である。
【0079】
式(b1-3)で表される基としては、式(b1-9)~式(b1-11)でそれぞれ表される基が挙げられる。
[式(b1-9)中、
b19は、単結合又は炭素数1~23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b20は、単結合又は炭素数1~23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基に置換されていてもよい。該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb19及びLb20の合計炭素数は23以下である。
式(b1-10)中、
b21は、単結合又は炭素数1~21の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b22は、単結合又は炭素数1~21の2価の飽和炭化水素基を表す。
b23は、単結合又は炭素数1~21の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基に置換されていてもよい。該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb21、Lb22及びLb23の合計炭素数は21以下である。
式(b1-11)中、
b24は、単結合又は炭素数1~20の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b25は、炭素数1~21の2価の飽和炭化水素基を表す。
b26は、単結合又は炭素数1~20の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基に置換されていてもよい。該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb24、Lb25及びLb26の合計炭素数は21以下である。]
【0080】
なお、式(b1-9)で表される基から式(b1-11)で表される基においては、飽和炭化水素基に含まれる水素原子がアルキルカルボニルオキシ基に置換されている場合、置き換わる前の炭素数を該飽和炭化水素基の炭素数とする。
【0081】
アルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、アダマンチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0082】
式(b1-4)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0083】
式(b1-5)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0084】
式(b1-6)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0085】
式(b1-7)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0086】
式(b1-8)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0087】
式(b1-2)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0088】
式(b1-9)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0089】
式(b1-10)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0090】
式(b1-11)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0091】
Yで表される脂環式炭化水素基に含まれる-CH-が-O-、-S-、-SO-又は-CO-に置き換わっていない脂環式炭化水素基としては、例えば、式(Y1)~式(Y11)、式(Y36)~式(Y38)で表される基が挙げられる。
Yで表される脂環式炭化水素基に含まれる-CH-が-O-、-S-、-SO-又は-CO-で置き換わる場合、その数は1つでもよいし、2以上でもよい。そのような基としては、式(Y12)~式(Y35)、式(Y39)~式(Y43)で表される基が挙げられる。式(Y12)~式(Y35)、式(Y39)~式(Y43)で表される基の-O-又は-CO-は、-S-又は-SO-に置き換わっていてもよい。*はLb1との結合部位を表す。
Yで表される脂環式炭化水素基としては、好ましくは式(Y1)~式(Y20)、式(Y26)、式(Y27)、式(Y30)、式(Y31)、式(Y39)~式(Y43)のいずれかで表される基であり、より好ましくは式(Y11)、式(Y15)、式(Y16)、式(Y20)、式(Y26)、式(Y27)、式(Y30)、式(Y31)、式(Y39)、式(Y40)、式(Y42)又は式(Y43)で表される基であり、さらに好ましくは式(Y11)、式(Y15)、式(Y20)、式(Y26)、式(Y27)、式(Y30)、式(Y31)、式(Y39)、式(Y40)、式(Y42)又は式(Y43)で表される基である。
Yで表される脂環式炭化水素基が式(Y28)~式(Y35)、式(Y39)、式(Y40)、式(Y42)、式(Y43)等の酸素原子を有するスピロ環である場合には、2つの酸素原子間のアルカンジイル基は、1以上のフッ素原子を有することが好ましい。また、ケタール構造に含まれるアルカンジイル基のうち、酸素原子に隣接するメチレン基には、フッ素原子が置換されていないのが好ましい。
【0092】
Yで表されるメチル基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数3~16の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基、グリシジルオキシ基、-(CHja-CO-O-Rb1基又は-(CHja-O-CO-Rb1基(式中、Rb1は、炭素数1~16のアルキル基、炭素数3~16の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表す。jaは、0~4のいずれかの整数を表す。該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-SO-又は-CO-で置き換わっていてもよく、該アルキル基、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基又はフッ素原子に置き換わっていてもよい。)等が挙げられる。
Yで表される脂環式炭化水素基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1~16のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)、炭素数3~16の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基、炭素数7~21のアラルキル基、グリシジルオキシ基、-(CHja-CO-O-Rb1基又は-(CHja-O-CO-Rb1基(式中、Rb1は、炭素数1~16のアルキル基、炭素数3~16の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表す。jaは、0~4のいずれかの整数を表す。該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-SO-又は-CO-で置き換わっていてもよく、該アルキル基、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基又はフッ素原子に置き換わっていてもよい。)等が挙げられる。
【0093】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。脂環式炭化水素基は、鎖式炭化水素基を有していてもよく、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基等が挙げられる。脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~12であり、より好ましくは3~10である。
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、フェナントリル基等のアリール基等が挙げられる。芳香族炭化水素基は、鎖式炭化水素基又は脂環式炭化水素基を有していてもよく、鎖式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基としては、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、p-エチルフェニル基、p-tert-ブチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-エチルフェニル基等が挙げられ、脂環式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基としては、p-シクロへキシルフェニル基、p-アダマンチルフェニル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~14であり、より好ましくは6~10である。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が挙げられる。アルキル基の炭素数は、好ましくは1~12であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4である。
ヒドロキシ基で置換されているアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等のヒドロキシアルキル基が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基及びナフチルエチル基等が挙げられる。
アルキル基に含まれる-CH-が-O-、-SO-又は-CO-等で置き換わった基としては、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基又はこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基及びドデシルオキシ基等が挙げられる。アルコキシ基の炭素数は、好ましくは1~12であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4である。
アルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基等が挙げられる。アルキルスルホニル基の炭素数は、好ましくは1~12であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4である。
アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられる。アルコキシカルボニル基の炭素数は、好ましくは2~12であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4である。
アルキルカルボニル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基の炭素数は、好ましくは2~12であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4である。
アルキルカルボニルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等が挙げられる。アルキルカルボニルオキシ基の炭素数は、好ましくは2~12であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4である。
組み合わせた基としては、例えば、アルコキシ基とアルキル基とを組み合わせた基、アルコキシ基とアルコキシ基とを組み合わせた基、アルコキシ基とアルキルカルボニル基とを組み合わせた基、アルコキシ基とアルキルカルボニルオキシ基とを組み合わせた基等が挙げられる。
アルコキシ基とアルキル基とを組み合わせた基としては、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、エトキシメチル基等のアルコキシアルキル基等が挙げられる。アルコキシアルキル基の炭素数は、好ましくは2~12であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4である。
アルコキシ基とアルコキシ基とを組み合わせた基としては、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基等のアルコキシアルコキシ基等が挙げられる。アルコキシアルコキシ基の炭素数は、好ましくは2~12であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4である。
アルコキシ基とアルキルカルボニル基とを組み合わせた基としては、メトキシアセチル基、メトキシプロピオニル基、エトキシアセチル基、エトキシプロピオニル基等のアルコキシアルキルカルボニル基等が挙げられる。アルコキシアルキルカルボニル基の炭素数は、好ましくは3~13であり、より好ましくは3~7であり、さらに好ましくは3~5である。
アルコキシ基とアルキルカルボニルオキシ基とを組み合わせた基としては、メトキシアセチルオキシ基、メトキシプロピオニルオキシ基、エトキシアセチルオキシ基、エトキシプロピオニルオキシ基等のアルコキシアルキルカルボニルオキシ基等が挙げられる。アルコキシアルキルカルボニルオキシ基の炭素数は、好ましくは3~13であり、より好ましくは3~7であり、さらに好ましくは3~5である。
脂環式炭化水素基に含まれる-CH-が-O-、-SO-又は-CO-等で置き換わった基としては、式(Y12)~式(Y35)、式(Y39)~式(Y43)で表される基等が挙げられる。
【0094】
Yとしては、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数3~24の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは置換基を有していてもよい炭素数3~20の脂環式炭化水素基であり、さらに好ましくは置換基を有していてもよい炭素数3~18の脂環式炭化水素基であり、さらにより好ましくは置換基を有していてもよいアダマンチル基又は置換基を有していてもよいノルボルニル基であり、該脂環式炭化水素基、アダマンチル基及びノルボルニル基を構成する-CH-は-O-、-S-、-SO-又は-CO-に置き換わっていてもよく、具体的には、以下のものが挙げられる。
【0095】
なかでも、Yは、好ましくはアダマンチル基、ヒドロキシアダマンチル基、オキソアダマンチル基、ノルボルナンラクトン基又は式(Y42)、式(Y100)~式(Y114)、式(Y134)~式(Y139)で表される基であり、特に好ましくは、ヒドロキシアダマンチル基、オキソアダマンチル基、これらを含む基又は式(Y42)、式(Y100)~式(Y114)、式(Y134)~式(Y139)で表される基である。
【0096】
式(B1)で表される塩におけるアニオンとしては、式(B1-A-1)~式(B1-A-65)で表されるアニオン〔以下、式番号に応じて「アニオン(B1-A-1)」等という場合がある。〕が好ましく、式(B1-A-1)~式(B1-A-4)、式(B1-A-9)、式(B1-A-10)、式(B1-A-24)~式(B1-A-33)、式(B1-A-36)~式(B1-A-40)、式(B1-A-47)~式(B1-A-65)のいずれかで表されるアニオンがより好ましい。
【0097】
【0098】
ここでRi2~Ri7は、それぞれ独立に、例えば、炭素数1~4のアルキル基、好ましくはメチル基又はエチル基である。Ri8は、例えば、炭素数1~12の鎖式炭化水素基、好ましくは炭素数1~4のアルキル基、炭素数5~12の脂環式炭化水素基又はこれらを組合せることにより形成される基、より好ましくはメチル基、エチル基、シクロヘキシル基又はアダマンチル基である。LA4は、単結合又は炭素数1~4のアルカンジイル基である。Qb1及びQb2は、上記と同じ意味を表す。
式(B1)で表される塩におけるアニオンとしては、具体的には、特開2010-204646号公報に記載されたアニオンが挙げられる。
【0099】
好ましい式(B1)で表される塩におけるアニオンとしては、式(B1a-1)~式(B1a-43)でそれぞれ表されるアニオンが挙げられる。
【0100】
【0101】
なかでも、式(B1a-1)~式(B1a-4)、式(B1a-7)~式(B1a-11)、式(B1a-14)~式(B1a-30)及び式(B1a-35)~式(B1a-40)のいずれかで表されるアニオンが好ましい。
スルホニルイミドアニオンとしては、以下のものが挙げられる。
スルホニルメチドアニオンとしては、以下のものが挙げられる。
【0102】
Z1の有機カチオンとしては、有機オニウムカチオン、有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン及び有機ホスホニウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、有機スルホニウムカチオン及び有機ヨードニウムカチオンが好ましく、アリールスルホニウムカチオンがより好ましい。具体的には、式(b2-1)~式(b2-4)のいずれかで表されるカチオン(以下、式番号に応じて「カチオン(b2-1)」等という場合がある。)が挙げられる。
[式(b2-1)~式(b2-4)中、
b4~Rb6は、それぞれ独立に、炭素数1~30の鎖式炭化水素基、炭素数3~36の脂環式炭化水素基又は炭素数6~36の芳香族炭化水素基を表し、該鎖式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数3~12の脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1~18の脂肪族炭化水素基、炭素数2~4のアルキルカルボニル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~18の脂肪族炭化水素基、炭素数1~12のフッ化アルキル基又は炭素数1~12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
b4とRb5とは、互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と一緒になって環を形成してもよく、該環に含まれる-CH2-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わってもよい。
b7及びRb8は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~12の脂肪族炭化水素基、炭素数1~12のフッ化アルキル基又は炭素数1~12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0~5のいずれかの整数を表す。
m2が2以上のとき、複数のRb7は同一でも異なってもよく、n2が2以上のとき、複数のRb8は同一でも異なってもよい。
b9及びRb10は、それぞれ独立に、炭素数1~36の鎖式炭化水素基又は炭素数3~36の脂環式炭化水素基を表す。
b9とRb10とは、互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と一緒になって環を形成してもよく、該環に含まれる-CH2-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わってもよい。
b11は、水素原子、炭素数1~36の鎖式炭化水素基、炭素数3~36の脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の芳香族炭化水素基を表す。
b12は、炭素数1~12の鎖式炭化水素基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の芳香族炭化水素基を表し、該鎖式炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数6~18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1~12のアルコキシ基又は炭素数1~12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
b11とRb12とは、互いに結合してそれらが結合する-CH-CO-を含めて環を形成していてもよく、該環に含まれる-CH2-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わってもよい。
b13~Rb18は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~12の脂肪族炭化水素基、炭素数1~12のフッ化アルキル基又は炭素数1~12のアルコキシ基を表す。
b13とRb14とは、互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と一緒になって硫黄原子を含む環を形成してもよく、該環に含まれる-CH2-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わってもよい。
b31は、硫黄原子又は酸素原子を表す。
o2、p2、s2、及びt2は、それぞれ独立に、0~5のいずれかの整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0~4のいずれかの整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上のとき、複数のRb13は同一又は相異なり、p2が2以上のとき、複数のRb14は同一又は相異なり、q2が2以上のとき、複数のRb15は同一又は相異なり、r2が2以上のとき、複数のRb16は同一又は相異なり、s2が2以上のとき、複数のRb17は同一又は相異なり、t2が2以上のとき、複数のRb18は同一又は相異なる。]
u2が0のとき、o2、p2、q2及びr2のうちいずれか1つは1以上であり、Rb13~Rb16のうち少なくとも1つはハロゲン原子であることが好ましく、u2が1のとき、o2、p2、s2、t2、q2及びr2のうちいずれか1つは1以上であり、Rb13~Rb18のうち少なくとも1つはハロゲン原子であることが好ましい。
さらに、u2が0のとき、r2は1以上であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。また、u2が0、かつ、r2が1以上のとき、Rb16がハロゲン原子であることが好ましい。
o2が2以上のとき、複数のRb13は同一又は相異なり、p2が2以上のとき、複数のRb14は同一又は相異なり、q2が2以上のとき、複数のRb15は同一又は相異なり、r2が2以上のとき、複数のRb16は同一又は相異なり、s2が2以上のとき、複数のRb17は同一又は相異なり、t2が2以上のとき、複数のRb18は同一又は相異なる。
脂肪族炭化水素基とは、鎖式炭化水素基及び脂環式炭化水素基を表す。
鎖式炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2-エチルヘキシル基のアルキル基が挙げられる。
特に、Rb9~Rb12の鎖式炭化水素基は、好ましくは炭素数1~12である。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基等が挙げられる。
特に、Rb9~Rb12の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3~18、より好ましくは炭素数4~12である。
水素原子が脂肪族炭化水素基で置換された脂環式炭化水素基としては、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、2-メチルアダマンタン-2-イル基、2-エチルアダマンタン-2-イル基、2-イソプロピルアダマンタン-2-イル基、メチルノルボルニル基、イソボルニル基等が挙げられる。水素原子が脂肪族炭化水素基で置換された脂環式炭化水素基においては、脂環式炭化水素基と脂肪族炭化水素基との合計炭素数が好ましくは20以下である。
フッ化アルキル基とは、フッ素原子を有する炭素数1~12のアルキル基を表し、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペルフルオロブチル基等が挙げられる。フッ化アルキル基の炭素数は、好ましくは1~9であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4である。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基等のアリール基が挙げられる。芳香族炭化水素基は、鎖式炭化水素基又は脂環式炭化水素基を有していてもよく、炭素数1~18の鎖式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、p-エチルフェニル基、p-tert-ブチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-エチルフェニル基等)、及び炭素数3~18の脂環式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(p-シクロへキシルフェニル基、p-アダマンチルフェニル基等)等が挙げられる。
なお、芳香族炭化水素基が、鎖式炭化水素基又は脂環式炭化水素基を有する場合は、炭素数1~18の鎖式炭化水素基及び炭素数3~18の脂環式炭化水素基が好ましい。
水素原子がアルコキシ基で置換された芳香族炭化水素基としては、p-メトキシフェニル基等が挙げられる。
水素原子が芳香族炭化水素基で置換された鎖式炭化水素基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等のアラルキル基が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基及びドデシルオキシ基等が挙げられる。
アルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、sec-ブチルカルボニルオキシ基、tert-ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2-エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
b4とRb5とが互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、炭素数3~18の環が挙げられ、好ましくは炭素数4~18の環である。また、硫黄原子を含む環は、3員環~12員環が挙げられ、好ましくは3員環~7員環であり、例えば下記の環が挙げられる。*は結合部位を表す。
b9とRb10とが一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、3員環~12員環が挙げられ、好ましくは3員環~7員環である。例えば、チオラン-1-イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン-1-イウム環、1,4-オキサチアン-4-イウム環等が挙げられる。
b11とRb12とが一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、3員環~12員環が挙げられ、好ましくは3員環~7員環である。オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環、オキソアダマンタン環等が挙げられる。
【0103】
カチオン(b2-1)~カチオン(b2-4)の中でも、好ましくは、カチオン(b2-1)である。
カチオン(b2-1)としては、以下のカチオンが挙げられる。
カチオン(b2-2)としては、以下のカチオンが挙げられる。
カチオン(b2-3)としては、以下のカチオンが挙げられる。
カチオン(b2-4)としては、以下のカチオンが挙げられる。
【0104】
酸発生剤(B)は、上述のアニオン及び上述の有機カチオンの組合せであり、これらは任意に組合せることができる。酸発生剤(B)としては、好ましくは式(B1a-1)~式(B1a-4)、式(B1a-7)~式(B1a-11)、式(B1a-14)~式(B1a-30)及び式(B1a-35)~式(B1a-40)のいずれかで表されるアニオンと、カチオン(b2-1)、カチオン(b2-2)、カチオン(b2-3)又はカチオン(b2-4)との組合せが挙げられる。
【0105】
酸発生剤(B)としては、好ましくは式(B1-1)~式(B1-60)でそれぞれ表されるものが挙げられる。中でもアリールスルホニウムカチオンを含むものが好ましく、式(B1-1)~式(B1-3)、式(B1-5)~式(B1-7)、式(B1-11)~式(B1-14)、式(B1-20)~式(B1-26)、式(B1-29)、式(B1-31)~式(B1-60)で表されるものがとりわけ好ましい。
【0106】
【0107】
【0108】
本発明のレジスト組成物においては、酸発生剤(B)の含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、好ましくは0.1質量%以上99.9質量%以下、より好ましくは1質量%以上、45質量%以下より好ましくは1質量%以上40質量%以下、さらに好ましくは3質量%以上40質量%以下であり、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上45質量部以下、より好ましくは1質量部以上40質量部以下、さらに好ましくは3質量部以上35質量部以下である。本発明のレジスト組成物は、酸発生剤(B)の1種を単独で含有してもよく、複数種を含有してもよい。
【0109】
<樹脂(A)>
樹脂(A)は、酸不安定基を有する構造単位(以下「構造単位(a1)」という場合がある)を含む。樹脂(A)は、さらに、構造単位(a1)以外の構造単位を含むことが好ましい。構造単位(a1)以外の構造単位としては、酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(s)」という場合がある)、構造単位(a1)及び構造単位(s)以外の構造単位(例えば、後述するハロゲン原子を有する構造単位(以下「構造単位(a4)」という場合がある)、後述する非脱離炭化水素基を有する構造単位(以下「構造単位(a5)」という場合がある)及びその他の当該分野で公知のモノマーに由来する構造単位等が挙げられる。
【0110】
〈構造単位(a1)〉
構造単位(a1)は、酸不安定基を有するモノマー(以下「モノマー(a1)」という場合がある)から導かれる。
樹脂(A)に含まれる酸不安定基は、式(1)で表される基(以下、基(1)とも記す)及び/又は式(2)で表される基(以下、基(2)とも記す)が好ましい。
[式(1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数3~20の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに炭素数3~20の脂環式炭化水素基を形成する。
ma及びnaは、それぞれ独立して、0又は1を表し、ma及びnaの少なくとも一方は1を表す。
*は結合部位を表す。]
[式(2)中、Ra1’及びRa2’は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~12の炭化水素基を表し、Ra3’は、炭素数1~20の炭化水素基を表すか、Ra2’及びRa3’は互いに結合してそれらが結合する炭素原子及びXとともに炭素数3~20の複素環基を形成し、該炭化水素基及び該複素環基に含まれる-CH-は、-O-又は-S-で置き換わってもよい。
Xは、酸素原子又は硫黄原子を表す。
na’は、0又は1を表す。
*は結合部位を表す。]
【0111】
a1、Ra2及びRa3におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
a1、Ra2及びRa3におけるアルケニル基としては、エテニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、tert-ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、イソオクテニル基、ノネニル基が挙げられる。
a1、Ra2及びRa3における脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合部位を表す。)等が挙げられる。Ra1、Ra2及びRa3の脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~16である。
a1、Ra2及びRa3における芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、フェナントリル基等のアリール基が挙げられる。
組み合わせた基としては、上述したアルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基(例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルジメチル基、ノルボルニルエチル基等のアルキルシクロアルキル基又はシクロアルキルアルキル基)、ベンジル基等のアラルキル基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基(p-メチルフェニル基、p-tert-ブチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-エチルフェニル基等)、脂環式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(p-シクロヘキシルフェニル基、p-アダマンチルフェニル基等)、フェニルシクロヘキシル基等のアリール-シクロアルキル基等が挙げられる。
好ましくは、maは0であり、naは1である。
a1及びRa2が互いに結合して脂環式炭化水素基を形成する場合の-C(Ra1)(Ra2)(Ra3)としては、下記の基が挙げられる。脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3~12である。*は-O-との結合部位を表す。
【0112】
a1’ 、Ra2’及びRa3’における炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及び組み合わせた基は、Ra1、Ra2及びRa3で挙げた基と同様のものが挙げられる。
a2’及びRa3’が互いに結合してそれらが結合する炭素原子及びXとともに複素環基を形成する場合、-C(Ra1’)(Ra2’)-X-Ra3’としては、下記の基が挙げられる。*は、結合部位を表す。
a1’及びRa2’のうち、少なくとも1つは水素原子であることが好ましい。
na’は、好ましくは0である。
【0113】
基(1)としては、以下の基が挙げられる。
式(1)においてRa1、Ra2及びRa3がアルキル基であり、ma=0であり、na=1である基。当該基としては、tert-ブトキシカルボニル基が好ましい。
式(1)において、Ra1、Ra2が、これらが結合する炭素原子と一緒になってアダマンチル基を形成し、Ra3がアルキル基であり、ma=0であり、na=1である基。
式(1)において、Ra1及びRa2がそれぞれ独立してアルキル基であり、Ra3がアダマンチル基であり、ma=0であり、na=1である基。
基(1)としては、具体的には以下の基が挙げられる。*は結合部位を表す。
【0114】
基(2)の具体例としては、以下の基が挙げられる。*は結合部位を表す。
【0115】
モノマー(a1)は、好ましくは、酸不安定基とエチレン性不飽和結合とを有するモノマー、より好ましくは酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーである。
【0116】
酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーのうち、好ましくは、炭素数5~20の脂環式炭化水素基を有するものが挙げられる。脂環式炭化水素基のような嵩高い構造を有するモノマー(a1)に由来する構造単位を有する樹脂(A)をレジスト組成物に使用すれば、レジストパターンの解像度を向上させることができる。
【0117】
基(1)を有する(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造単位として、式(a1-0)で表される構造単位(以下、構造単位(a1-0)という場合がある。)、式(a1-1)で表される構造単位(以下、構造単位(a1-1)という場合がある。)又は式(a1-2)で表される構造単位(以下、構造単位(a1-2)という場合がある。)が挙げられる。好ましくは、構造単位(a1-0)、構造単位(a1-1)及び構造単位(a1-2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位であり、より好ましくは、構造単位(a1-1)及び構造単位(a1-2)からなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種の構造単位である。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[式(a1-0)、式(a1-1)及び式(a1-2)中、
a01、La1及びLa2は、それぞれ独立に、-O-又は*-O-(CHk1-CO-O-を表し、k1は1~7のいずれかの整数を表し、*は-CO-との結合部位を表す。
a01、Ra4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
a02、Ra03及びRa04は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表す。
a6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組合せることにより形成される基を表す。
m1’は0~14のいずれかの整数を表す。
n1は0~10のいずれかの整数を表す。
n1’は0~3のいずれかの整数を表す。]
【0118】
a01、Ra4及びRa5は、好ましくは水素原子又はメチル基であり、より好ましくはメチル基である。
a01、La1及びLa2は、好ましくは酸素原子又は*-O-(CHk01-CO-O-であり(但し、k01は、好ましくは1~4のいずれかの整数、より好ましくは1である。)、より好ましくは酸素原子である。
a02、Ra03、Ra04、Ra6及びRa7におけるアルキル基、アルケニル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組合せた基としては、式(1)のRa1、Ra2及びRa3で挙げた基と同様の基が挙げられる。
a02、Ra03、及びRa04におけるアルキル基は、好ましくは炭素数1~6のアルキル基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
a6及びRa7におけるアルキル基は、好ましくは炭素数1~6のアルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基又はt-ブチル基であり、さらに好ましくはエチル基、イソプロピル基又はt-ブチル基である。
a6及びRa7におけるアルケニル基は、好ましくは炭素数2~6のアルケニル基であり、より好ましくはエテニル基、プロペニル基、イソプロペニル基又はブテニル基である。
a02、Ra03、Ra04、Ra6及びRa7の脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは5~12であり、より好ましくは5~10である。
a02、Ra03、Ra04、Ra6及びRa7の芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~12であり、より好ましくは6~10である。
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組合せた基は、これらアルキル基と脂環式炭化水素基とを組合せた合計炭素数が、18以下であることが好ましい。
アルキル基と芳香族炭化水素基とを組合せた基は、これらアルキル基と芳香族炭化水素基とを組合せた合計炭素数が、18以下であることが好ましい。
a02及びRa03は、好ましくは炭素数1~6のアルキル基又は炭素数6~12の芳香族炭化水素基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、フェニル基又はナフチル基である。
a04は、好ましくは炭素数1~6のアルキル基又は炭素数5~12の脂環式炭化水素基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、シクロヘキシル基又はアダマンチル基である。
a6及びRa7は、好ましくは炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基又は炭素数6~12の芳香族炭化水素基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、エテニル基、フェニル基又はナフチル基であり、さらに好ましくはエチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、エテニル基又はフェニル基である。
m1は、好ましくは0~3のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0~3のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
n1’は好ましくは0又は1である。
【0119】
構造単位(a1-0)としては、例えば、式(a1-0-1)~式(a1-0-18)のいずれかで表される構造単位及び構造単位(a1-0)におけるRa01に相当するメチル基が水素原子、ハロゲン原子、ハロアルキル基(ハロゲン原子を有するアルキル基)又は他のアルキル基に置き換わった構造単位が挙げられ、式(a1-0-1)~式(a1-0-10)、式(a1-0-13)、式(a1-0-14)のいずれかで表される構造単位が好ましい。
【0120】
構造単位(a1-1)としては、例えば、特開2010-204646号公報に記載されたモノマーに由来する構造単位が挙げられる。中でも、式(a1-1-1)~式(a1-1-7)のいずれかで表される構造単位及び構造単位(a1-1)におけるRa4に相当するメチル基が水素原子、ハロゲン原子、ハロアルキル基又は他のアルキル基に置き換わった構造単位が好ましく、式(a1-1-1)~式(a1-1-4)のいずれかで表される構造単位がより好ましい。
【0121】
構造単位(a1-2)としては、式(a1-2-1)~式(a1-2-14)のいずれかで表される構造単位及び構造単位(a1-2)におけるRa5に相当するメチル基が水素原子、ハロゲン原子、ハロアルキル基又は他のアルキル基に置き換わった構造単位が挙げられ、式(a1-2-2)、式(a1-2-5)、式(a1-2-6)及び式(a1-2-10)~式(a1-2-14)のいずれかで表される構造単位が好ましい。
【0122】
樹脂(A)が構造単位(a1-0)を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、5モル%以上が挙げられ、好ましくは10モル%以上である。また、80モル%以下が挙げられ、好ましくは75モル%以下であり、より好ましくは70モル%以下である。具体的には、5~80モル%が挙げられ、好ましくは5~75モル%であり、より好ましくは10~70モル%である。
樹脂(A)が構造単位(a1-1)及び/又は構造単位(a1-2)を含む場合、これらの合計含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、10モル%以上が挙げられ、好ましくは15モル%以上であり、より好ましくは20モル%以上である。また、90モル%以下が挙げられ、好ましくは85モル%以下であり、より好ましくは80モル%以下であり、さらに好ましくは75モル%以下であり、より一層好ましくは70モル%以下である。具体的には、10~90モル%が挙げられ、好ましくは15~85モル%であり、より好ましくは20~80モル%であり、さらに好ましくは20~75モル%であり、さらにより好ましくは20~70モル%である。
【0123】
構造単位(a1)において基(2)を有する構造単位としては、式(a1-4)で表される構造単位(以下、「構造単位(a1-4)」という場合がある。)が挙げられる。
[式(a1-4)中、
a32は、水素原子、ハロゲン原子、又は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
a33は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~12のアルコキシアルキル基、炭素数2~12のアルコキシアルコキシ基、炭素数2~4のアルキルカルボニル基、炭素数2~4のアルキルカルボニルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
a30は、単結合又は*-Xa31-(Aa32-Xa32nc-を表し、*は-Ra32が結合する炭素原子との結合部位を表す。
a32は、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
a31及びXa32は、それぞれ独立に、-O-、-CO-O-又は-O-CO-を表す。
ncは、0又は1を表す。
laは、0~4のいずれかの整数を表す。laが2以上のいずれかの整数である場合、複数のRa33は互いに同一であっても異なっていてもよい。
a34及びRa35はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~12の炭化水素基を表し、Ra36は、炭素数1~20の炭化水素基を表すか、Ra35及びRa36は互いに結合してそれらが結合する-C-O-とともに炭素数2~20の2価の炭化水素基を形成し、該炭化水素基及び該2価の炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-S-で置き換わってもよい。]
【0124】
a32及びRa33におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等が挙げられる。
a32におけるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、ブチル基、ペルフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基及びペルフルオロヘキシル基が挙げられる。
a32は、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基がより好ましく、水素原子又はメチル基がさらに好ましい。
a33におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。アルキル基は、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
a33におけるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基が挙げられる。アルコキシ基は、炭素数1~4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
a33におけるアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシエチル基、プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、sec-ブトキシメチル基、tert-ブトキシメチル基が挙げられる。アルコキシアルキル基は、炭素数2~8のアルコキシアルキル基が好ましく、メトキシメチル基又はエトキシエチル基がより好ましく、メトキシメチル基がさらに好ましい。
a33におけるアルコキシアルコキシ基としては、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシメトキシ基、イソプロポキシメトキシ基、ブトキシメトキシ基、sec-ブトキシメトキシ基、tert-ブトキシメトキシ基が挙げられる。アルコキシアルコキシ基は、炭素数2~8のアルコキシアルコキシ基が好ましく、メトキシエトキシ基又はエトキシエトキシ基がより好ましい。
a33におけるアルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基は、炭素数2~3のアルキルカルボニル基が好ましく、アセチル基がより好ましい。
a33におけるアルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基及びブチリルオキシ基が挙げられる。アルキルカルボニルオキシ基は、炭素数2~3のアルキルカルボニルオキシ基が好ましく、アセチルオキシ基がより好ましい。
a33は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基又は炭素数2~8のアルコキシアルコキシ基が好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシ基、メチル基、メトキシ基、エトキシ基、エトキシエトキシ基又はエトキシメトキシ基がより好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシ基、メチル基、メトキシ基又はエトキシエトキシ基がさらに好ましい。
【0125】
*-Xa31-(Aa32-Xa32nc-としては、*-O-、*-CO-O-、*-O-CO-、*-CO-O-Aa32-CO-O-、*-O-CO-Aa32-O-、*-O-Aa32-CO-O-、*-CO-O-Aa32-O-CO-、*-O-CO-Aa32-O-CO-、が挙げられる。なかでも、*-CO-O-、*-CO-O-Aa32-CO-O-又は*-O-Aa32-CO-O-が好ましい。
【0126】
a32におけるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基及び2-メチルブタン-1,4-ジイル基等が挙げられる。
a32は、メチレン基又はエチレン基であることが好ましい。
【0127】
a30は、単結合、*-CO-O-又は*-CO-O-Aa32-CO-O-であることが好ましく、単結合、*-CO-O-又は*-CO-O-CH2-CO-O-であることがより好ましく、単結合又は*-CO-O-であることがさらに好ましい。
【0128】
laは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
a34、Ra35及びRa36における炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせた基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合部位を表す。)等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、フェナントリル基等のアリール基等が挙げられる。
組み合わせた基としては、上述したアルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基(例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルジメチル基、ノルボルニルエチル基等のアルキルシクロアルキル基又はシクロアルキルアルキル基)、ベンジル基等のアラルキル基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基(p-メチルフェニル基、p-tert-ブチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-エチルフェニル基等)、脂環式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(p-シクロヘキシルフェニル基、p-アダマンチルフェニル基等)、フェニルシクロヘキシル基等のアリール-シクロアルキル基等が挙げられる。特に、Ra36としては、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせることにより形成される基が挙げられる。
【0129】
a34は、好ましくは、水素原子である。
a35は、好ましくは、水素原子、炭素数1~12のアルキル基又は炭素数3~12の脂環式炭化水素基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である。
a36の炭化水素基は、好ましくは、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせることにより形成される基であり、より好ましくは、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基又は炭素数7~18のアラルキル基である。Ra36におけるアルキル基及び脂環式炭化水素基は、無置換であることが好ましい。Ra36における芳香族炭化水素基は、炭素数6~10のアリールオキシ基を有する芳香環が好ましい。
【0130】
構造単位(a1-4)における-OC(Ra34)(Ra35)-O-Ra36は、酸(例えばp-トルエンスルホン酸)と接触して脱離し、ヒドロキシ基を形成する。
-OC(Ra34)(Ra35)-O-Ra36は、ベンゼン環のm-位又はp-位に結合することが好ましい。
【0131】
構造単位(a1-4)としては、例えば、特開2010-204646号公報に記載されたモノマー由来の構造単位が挙げられる。好ましくは、式(a1-4-1)~式(a1-4-24)でそれぞれ表される構造単位及び構造単位(a1-4)におけるRa32に相当する水素原子が、ハロゲン原子、ハロアルキル基又はアルキル基に置き換わった構造単位が挙げられ、より好ましくは、式(a1-4-1)~式(a1-4-5)、式(a1-4-10)、式(a1-4-13)、式(a1-4-14)、式(a1-4-19)、式(a1-4-20)でそれぞれ表される構造単位が挙げられる。
【0132】
樹脂(A)が、構造単位(a1-4)を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位の合計に対して、10~95モル%であることが好ましく、15~90モル%であることがより好ましく、20~85モル%であることがさらに好ましく、20~70モル%であることがより一層好ましく、20~60モル%であることがさらに一層好ましい。
【0133】
基(2)を有する(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造単位としては、式(a1-5)で表される構造単位(以下「構造単位(a1-5)」という場合がある)も挙げられる。
[式(a1-5)中、
a8は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1~6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
a1は、単結合又は*-(CH2h3-CO-L54-を表し、h3は1~4のいずれかの整数を表し、*は、L51との結合部位を表す。
51、L52、L53及びL54は、それぞれ独立に、-O-又は-S-を表す。
s1は、1~3のいずれかの整数を表す。
s1’は、0~3のいずれかの整数を表す。]
【0134】
ハロゲン原子としては、フッ素原子及び塩素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ハロゲン原子を有してもよい炭素数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、フルオロメチル基及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
式(a1-5)においては、Ra8は、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基が好ましい。
51は、酸素原子が好ましい。
52及びL53のうち、一方が-O-であり、他方が-S-であることが好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0~2のいずれかの整数が好ましい。
a1は、単結合又は*-CH2-CO-O-が好ましい。
【0135】
構造単位(a1-5)としては、例えば、特開2010-61117号公報に記載されたモノマー由来の構造単位が挙げられる。中でも、式(a1-5-1)~式(a1-5-4)でそれぞれ表される構造単位が好ましく、式(a1-5-1)又は式(a1-5-2)で表される構造単位がより好ましい。
【0136】
樹脂(A)が、構造単位(a1-5)を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1~50モル%が好ましく、3~45モル%がより好ましく、5~40モル%がさらに好ましく、5~30モル%がさらにより好ましい。
【0137】
また、構造単位(a1)としては、以下の構造単位も挙げられる。
【0138】
樹脂(A)が、(a1-3-1)~(a1-3-7)のような構造単位を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、10~95モル%が好ましく、15~90モル%がより好ましく、20~85モル%がさらに好ましく、20~70モル%がさらにより好ましく、20~60モル%が特に好ましい。
【0139】
〈構造単位(s)〉
構造単位(s)は、酸不安定基を有さないモノマー(以下「モノマー(s)」という場合がある)から導かれる。構造単位(s)を導くモノマーは、レジスト分野で公知の酸不安定基を有さないモノマーを使用できる。
構造単位(s)としては、ヒドロキシ基又はラクトン環を有するのが好ましい。ヒドロキシ基を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(a2)」という場合がある)及び/又はラクトン環を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(a3)」という場合がある)を含む樹脂を本発明のレジスト組成物に使用すれば、レジストパターンの解像度及び基板との密着性を向上させることができる。
【0140】
〈構造単位(a2)〉
構造単位(a2)が有するヒドロキシ基は、アルコール性ヒドロキシ基でも、フェノール性ヒドロキシ基でもよい。
本発明のレジスト組成物からレジストパターンを製造するとき、露光光源としてKrFエキシマレーザ(248nm)、電子線又はEUV(超紫外光)等の高エネルギー線を用いる場合には、構造単位(a2)として、フェノール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)が好ましく、後述する構造単位(a2-A)を用いることがより好ましい。また、ArFエキシマレーザ(193nm)等を用いる場合には、構造単位(a2)として、アルコール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)が好ましく、後述する構造単位(a2-1)を用いることがより好ましい。構造単位(a2)としては、1種を単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
【0141】
構造単位(a2)においてフェノール性ヒドロキシ基を有する構造単位としては式(a2-A)で表される構造単位(以下「構造単位(a2-A)」という場合がある)が挙げられる。
[式(a2-A)中、
a50は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
a51は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~12のアルコキシアルキル基、炭素数2~12のアルコキシアルコキシ基、炭素数2~4のアルキルカルボニル基、炭素数2~4のアルキルカルボニルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
a50は、単結合又は*-Xa51-(Aa52-Xa52nb-を表し、*は-Ra50が結合する炭素原子との結合部位を表す。
a52は、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
a51及びXa52は、それぞれ独立に、-O-、-CO-O-又は-O-CO-を表す。
nbは、0又は1を表す。
mbは、0~4のいずれかの整数を表す。mbが2以上のいずれかの整数である場合、複数のRa51は互いに同一であっても異なっていてもよい。]
【0142】
a50及びRa51におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等が挙げられる。
a50におけるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、ブチル基、ペルフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基及びペルフルオロヘキシル基が挙げられる。
a50は、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基がより好ましく、水素原子又はメチル基がさらに好ましい。
a51におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。アルキル基は、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
a51におけるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基が挙げられる。アルコキシ基は、炭素数1~4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
a51におけるアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシエチル基、プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、sec-ブトキシメチル基、tert-ブトキシメチル基が挙げられる。アルコキシアルキル基は、炭素数2~8のアルコキシアルキル基が好ましく、メトキシメチル基又はエトキシエチル基がより好ましく、メトキシメチル基がさらに好ましい。
a51におけるアルコキシアルコキシ基としては、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシメトキシ基、イソプロポキシメトキシ基、ブトキシメトキシ基、sec-ブトキシメトキシ基、tert-ブトキシメトキシ基が挙げられる。アルコキシアルコキシ基は、炭素数2~8のアルコキシアルコキシ基が好ましく、メトキシエトキシ基又はエトキシエトキシ基がより好ましい。
a51におけるアルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基は、炭素数2~3のアルキルカルボニル基が好ましく、アセチル基がより好ましい。
a51におけるアルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基及びブチリルオキシ基が挙げられる。アルキルカルボニルオキシ基は、炭素数2~3のアルキルカルボニルオキシ基が好ましく、アセチルオキシ基がより好ましい。
a51は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基又は炭素数2~8のアルコキシアルコキシ基が好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシ基、メチル基、メトキシ基、エトキシ基、エトキシエトキシ基又はエトキシメトキシ基がより好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシ基、メチル基、メトキシ基又はエトキシエトキシ基がさらに好ましい。
【0143】
*-Xa51-(Aa52-Xa52nb-としては、*-O-、*-CO-O-、*-O-CO-、*-CO-O-Aa52-CO-O-、*-O-CO-Aa52-O-、*-O-Aa52-CO-O-、*-CO-O-Aa52-O-CO-、*-O-CO-Aa52-O-CO-、が挙げられる。なかでも、*-CO-O-、*-CO-O-Aa52-CO-O-又は*-O-Aa52-CO-O-が好ましい。
【0144】
a52におけるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基及び2-メチルブタン-1,4-ジイル基等が挙げられる。
a52は、メチレン基又はエチレン基であることが好ましい。
【0145】
a50は、単結合、*-CO-O-又は*-CO-O-Aa52-CO-O-であることが好ましく、単結合、*-CO-O-又は*-CO-O-CH2-CO-O-であることがより好ましく、単結合又は*-CO-O-であることがさらに好ましい。
【0146】
mbは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
ヒドロキシ基は、少なくとも1つが、ベンゼン環のメタ位又はパラ位に結合することが好ましい。フェニル基に2つのヒドロキシ基が結合している場合、それぞれのヒドロキシ基は、メタ位とパラ位に結合していることが好ましい。
【0147】
構造単位(a2-A)としては、特開2010-204634号公報、特開2012-12577号公報に記載されているモノマー由来の構造単位が挙げられる。
構造単位(a2-A)としては、式(a2-2-1)~式(a2-2-24)で表される構造単位及び式(a2-2-1)~式(a2-2-24)で表される構造単位において、構造単位(a2-A)におけるRa50に相当するメチル基が水素原子、ハロゲン原子、ハロアルキル基又は他のアルキル基に置き換わった構造単位が挙げられる。構造単位(a2-A)は、式(a2-2-1)~式(a2-2-4)で表される構造単位、式(a2-2-6)で表される構造単位、式(a2-2-8)で表される構造単位、式(a2-2-12)~式(a2-2-18)で表される構造単位及び式(a2-2-1)~式(a2-2-4)で表される構造単位、式(a2-2-6)で表される構造単位、式(a2-2-8)で表される構造単位、式(a2-2-12)~式(a2-2-18)で表される構造単位において、構造単位(a2-A)におけるRa50に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位であることが好ましく、式(a2-2-3)で表される構造単位、式(a2-2-4)で表される構造単位、式(a2-2-8)で表される構造単位、式(a2-2-12)~式(a2-2-14)で表される構造単位、式(a2-2-18)で表される構造単位及び式(a2-2-3)で表される構造単位、式(a2-2-4)で表される構造単位、式(a2-2-8)で表される構造単位、式(a2-2-12)~式(a2-2-14)で表される構造単位、式(a2-2-18)で表される構造単位において、構造単位(a2-A)におけるRa50に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位であることがより好ましく、式(a2-2-3)で表される構造単位、式(a2-2-4)で表される構造単位、式(a2-2-8)で表される構造単位及び式(a2-2-3)で表される構造単位、式(a2-2-4)で表される構造単位、式(a2-2-8)で表される構造単位において、構造単位(a2-A)におけるRa50に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位であることがさらに好ましい。
【0148】
樹脂(A)中に構造単位(a2-A)が含まれる場合の構造単位(a2-A)の含有率は、全構造単位に対して、好ましくは5モル%以上であり、より好ましくは10モル%以上であり、さらに好ましくは15モル%以上であり、より一層好ましくは20モル%以上である。また、好ましくは80モル%以下であり、より好ましくは70モル%以下であり、さらに好ましくは65モル%以下である。具体的には、好ましくは5~80モル%であり、より好ましくは10~70モル%であり、さらに好ましくは15~65モル%であり、さらにより好ましくは20~65モル%である。
構造単位(a2-A)は、例えば構造単位(a1-4)を用いて重合した後、p-トルエンスルホン酸等の酸で処理することにより、樹脂(A)に含ませることができる。また、アセトキシスチレン等を用いて重合した後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリで処理することにより、構造単位(a2-A)を樹脂(A)に含ませることができる。
【0149】
構造単位(a2)においてアルコール性ヒドロキシ基を有する構造単位としては、式(a2-1)で表される構造単位(以下「構造単位(a2-1)」という場合がある。)が挙げられる。
[式(a2-1)中、
a3は、-O-又は*-O-(CH2k2-CO-O-を表し、
k2は1~7のいずれかの整数を表す。*は-CO-との結合部位を表す。
a14は、水素原子又はメチル基を表す。
a15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0~10のいずれかの整数を表す。]
【0150】
式(a2-1)では、La3は、好ましくは、-O-、-O-(CH2f1-CO-O-であり(前記f1は、1~4のいずれかの整数を表す)、より好ましくは-O-である。
a14は、好ましくはメチル基である。
a15は、好ましくは水素原子である。
a16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0~3のいずれかの整数、より好ましくは0又は1である。
【0151】
構造単位(a2-1)としては、例えば、特開2010-204646号公報に記載されたモノマーに由来する構造単位が挙げられる。式(a2-1-1)~式(a2-1-6)のいずれかで表される構造単位が好ましく、式(a2-1-1)~式(a2-1-4)のいずれかで表される構造単位がより好ましく、式(a2-1-1)又は式(a2-1-3)で表される構造単位がさらに好ましい。
樹脂(A)が構造単位(a2-1)を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1モル%以上が挙げられ、2モル%以上が好ましい。また、45モル%以下が挙げられ、好ましくは40モル%以下であり、より好ましくは35モル%以下であり、さらに好ましくは20モル%以下であり、より一層好ましくは10モル%以下である。具体的には、1~45モル%が挙げられ、好ましくは1~40モル%であり、より好ましくは1~35モル%であり、さらに好ましくは1~20モル%であり、さらにより好ましくは1~10モル%である。
【0152】
〈構造単位(a3)〉
構造単位(a3)が有するラクトン環は、β-プロピオラクトン環、γ-ブチロラクトン環、δ-バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。好ましくは、γ-ブチロラクトン環、アダマンタンラクトン環、又は、γ-ブチロラクトン環構造を含む橋かけ環(例えば下式(a3-2)で表される構造単位)が挙げられる。
【0153】
構造単位(a3)は、好ましくは、式(a3-1)、式(a3-2)、式(a3-3)又は式(a3-4)で表される構造単位である。これらの1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
[式(a3-1)、式(a3-2)、式(a3-3)及び式(a3-4)中、
a4、La5及びLa6は、それぞれ独立に、-O-又は*-O-(CHk3-CO-O-(k3は1~7のいずれかの整数を表す。)で表される基を表す。
a7は、-O-、*-O-La8-O-、*-O-La8-CO-O-、*-O-La8-CO-O-La9-CO-O-又は*-O-La8-O-CO-La9-O-を表す。
a8及びLa9は、それぞれ独立に、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
*はカルボニル基との結合部位を表す。
a18、Ra19、Ra20及びRa24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
a3は、-CH-又は酸素原子を表す。
a21は炭素数1~4の脂肪族炭化水素基を表す。
a22、Ra23及びRa25は、それぞれ独立に、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1~4の脂肪族炭化水素基を表す。
p1は0~5のいずれかの整数を表す。
q1は、0~3のいずれかの整数を表す。
r1は、0~3のいずれかの整数を表す。
w1は、0~8のいずれかの整数を表す。
p1、q1、r1及び/又はw1が2以上のとき、複数のRa21、Ra22、Ra23及び/又はRa25は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。]
【0154】
a21、Ra22、Ra23及びRa25における脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基及びtert-ブチル基等のアルキル基が挙げられる。
a18、Ra19、Ra20及びRa24におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
a18、Ra19、Ra20及びRa24におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1~4のアルキル基が挙げられ、より好ましくはメチル基又はエチル基が挙げられる。
a18、Ra19、Ra20及びRa24におけるハロゲン原子を有するアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロtert-ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリヨードメチル基等が挙げられる。
a8及びLa9におけるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基及び2-メチルブタン-1,4-ジイル基等が挙げられる。
【0155】
式(a3-1)~式(a3-3)において、La4~La6は、それぞれ独立に、好ましくは-O-又は、*-O-(CHk3-CO-O-において、k3が1~4のいずれかの整数である基、より好ましくは-O-及び、*-O-CH-CO-O-、さらに好ましくは酸素原子である。
a18~Ra21は、好ましくはメチル基である。
a22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、それぞれ独立に、好ましくは0~2のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
【0156】
式(a3-4)において、Ra24は、好ましくは水素原子又は炭素数1~4のアルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、さらに好ましくは水素原子又はメチル基である。
a25は、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
a7は、好ましくは-O-又は*-O-La8-CO-O-であり、より好ましくは-O-、-O-CH-CO-O-又は-O-C-CO-O-である。
w1は、好ましくは0~2のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
特に、式(a3-4)は、式(a3-4)’が好ましい。
(式中、Ra24、La7は、上記と同じ意味を表す。)
【0157】
構造単位(a3)としては、特開2010-204646号公報に記載されたモノマー、特開2000-122294号公報に記載されたモノマー、特開2012-41274号公報に記載されたモノマーに由来の構造単位が挙げられる。構造単位(a3)としては、式(a3-1-1)、式(a3-1-2)、式(a3-2-1)、式(a3-2-2)、式(a3-3-1)、式(a3-3-2)及び式(a3-4-1)~式(a3-4-12)のいずれかで表される構造単位及び、前記構造単位において、式(a3-1)~式(a3-4)におけるRa18、Ra19、Ra20及びRa24に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が好ましい。
【0158】
【0159】
樹脂(A)が構造単位(a3)を含む場合、その合計含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1モル%以上が挙げられ、好ましくは3モル%以上であり、より好ましくは5モル%以上であり、さらに好ましくは10モル%以上である。また、70モル%以下が挙げられ、好ましくは65モル%以下であり、より好ましくは60モル%以下である。具体的には、1~70モル%が挙げられ、好ましくは3~70モル%であり、より好ましくは5~65モル%であり、さらに好ましくは5~60モル%であり、さらにより好ましくは10~60モル%である。
また、構造単位(a3-1)、構造単位(a3-2)、構造単位(a3-3)又は構造単位(a3-4)の含有率は、それぞれ、樹脂(A)の全構造単位に対して、好ましくは1モル%以上であり、より好ましくは3モル%以上であり、さらに好ましくは5モル%以上である。また、好ましくは60モル%以下であり、より好ましくは55モル%以下であり、さらに好ましくは50モル%以下である。具体的には、1~60モル%が好ましく、3~60モル%がより好ましく、5~55モル%がさらに好ましく、5~50モル%がより一層好ましく、10~50モル%がさらに一層好ましい。
【0160】
〈構造単位(a4)〉
構造単位(a4)としては、以下の構造単位が挙げられる。
[式(a4)中、
41は、水素原子又はメチル基を表す。
42は、炭素数1~24のフッ素原子を有する飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。]
42で表される飽和炭化水素基は、鎖式炭化水素基及び単環又は多環の脂環式炭化水素基、並びに、これらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
【0161】
鎖式炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基が挙げられる。単環又は多環の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合部位を表す。)等の多環式の脂環式炭化水素基が挙げられる。
組み合わせにより形成される基としては、1以上のアルキル基又は1以上のアルカンジイル基と、1以上の脂環式炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基が挙げられ、-アルカンジイル基-脂環式炭化水素基、-脂環式炭化水素基-アルキル基、-アルカンジイル基-脂環式炭化水素基-アルキル基等が挙げられる。
【0162】
構造単位(a4)としては、式(a4-0)、式(a4-1)、式(a4-2)、式(a4-3)及び式(a4-4)からなる群から選択される少なくとも1つで表される構造単位が挙げられる。
[式(a4-0)中、
5は、水素原子又はメチル基を表す。
4aは、単結合又は炭素数1~4の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
3aは、炭素数1~8のペルフルオロアルカンジイル基又は炭素数3~12のペルフルオロシクロアルカンジイル基を表す。
6は、水素原子又はフッ素原子を表す。]
【0163】
4aにおける2価の脂肪族飽和炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基及び2-メチルプロパン-1,2-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
3aにおけるペルフルオロアルカンジイル基としては、ジフルオロメチレン基、ペルフルオロエチレン基、ペルフルオロプロパン-1,1-ジイル基、ペルフルオロプロパン-1,3-ジイル基、ペルフルオロプロパン-1,2-ジイル基、ペルフルオロプロパン-2,2-ジイル基、ペルフルオロブタン-1,4-ジイル基、ペルフルオロブタン-2,2-ジイル基、ペルフルオロブタン-1,2-ジイル基、ペルフルオロペンタン-1,5-ジイル基、ペルフルオロペンタン-2,2-ジイル基、ペルフルオロペンタン-3,3-ジイル基、ペルフルオロヘキサン-1,6-ジイル基、ペルフルオロヘキサン-2,2-ジイル基、ペルフルオロヘキサン-3,3-ジイル基、ペルフルオロヘプタン-1,7-ジイル基、ペルフルオロヘプタン-2,2-ジイル基、ペルフルオロヘプタン-3,4-ジイル基、ペルフルオロヘプタン-4,4-ジイル基、ペルフルオロオクタン-1,8-ジイル基、ペルフルオロオクタン-2,2-ジイル基、ペルフルオロオクタン-3,3-ジイル基、ペルフルオロオクタン-4,4-ジイル基等が挙げられる。
3aにおけるペルフルオロシクロアルカンジイル基としては、ペルフルオロシクロヘキサンジイル基、ペルフルオロシクロペンタンジイル基、ペルフルオロシクロヘプタンジイル基、ペルフルオロアダマンタンジイル基等が挙げられる。
【0164】
4aは、好ましくは単結合、メチレン基又はエチレン基であり、より好ましくは、単結合、メチレン基である。
3aは、好ましくは炭素数1~6のペルフルオロアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数1~3のペルフルオロアルカンジイル基である。
【0165】
構造単位(a4-0)としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中の構造単位(a4-0)におけるRに相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
【0166】
構造単位(a4)としては、式(a4-1)で表される構造単位が挙げられる。
[式(a4-1)中、
a41は、水素原子又はメチル基を表す。
a42は、置換基を有していてもよい炭素数1~20の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
a41は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルカンジイル基又は式(a-g1)で表される基を表す。ただし、Aa41及びRa42のうち少なくとも1つは、置換基としてハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)を有する。
〔式(a-g1)中、
sは0又は1を表す。
a42及びAa44は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~5の2価の飽和炭化水素基を表す。
a43は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1~5の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
a41及びXa42は、それぞれ独立に、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-を表す。
ただし、Aa42、Aa43、Aa44、Xa41及びXa42の炭素数の合計は7以下である。〕
*は結合部位であり、右側の*が-O-CO-Ra42との結合部位である。]
【0167】
a42における飽和炭化水素基としては、鎖式飽和炭化水素基及び単環又は多環の脂環式飽和炭化水素基、並びに、これらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
鎖式飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基が挙げられる。
単環又は多環の脂環式飽和炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合部位を表す。)等の多環式の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
組み合わせにより形成される基としては、1以上のアルキル基又は1以上のアルカンジイル基と、1以上の脂環式飽和炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基が挙げられ、-アルカンジイル基-脂環式飽和炭化水素基、-脂環式飽和炭化水素基-アルキル基、-アルカンジイル基-脂環式飽和炭化水素基-アルキル基等が挙げられる。
【0168】
a42が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子及び式(a-g3)で表される基から選択される少なくとも1種が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子である。
[式(a-g3)中、
a43は、酸素原子、カルボニル基、*-O-CO-又は*-CO-O-を表す。
a45は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~17の脂肪族炭化水素基を表す。*はRa42との結合部位を表す。]
ただし、Ra42-Xa43-Aa45において、Ra42がハロゲン原子を有しない場合は、Aa45は、少なくとも1つのハロゲン原子を有する炭素数1~17の脂肪族炭化水素基を表す。
【0169】
a45における脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基等のアルキル基;
シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の単環式の脂環式炭化水素基;並びにデカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合部位を表す。)等の多環式の脂環式炭化水素基が挙げられる。
組み合わせにより形成される基としては、1以上のアルキル基又は1以上のアルカンジイル基と、1以上の脂環式炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基が挙げられ、-アルカンジイル基-脂環式炭化水素基、-脂環式炭化水素基-アルキル基、-アルカンジイル基-脂環式炭化水素基-アルキル基等が挙げられる。
【0170】
a42は、ハロゲン原子を有してもよい脂肪族炭化水素基が好ましく、ハロゲン原子を有するアルキル基及び/又は式(a-g3)で表される基を有する脂肪族炭化水素基がより好ましい。
a42がハロゲン原子を有する脂肪族炭化水素基である場合、好ましくはフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはペルフルオロアルキル基又はペルフルオロシクロアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数が1~6のペルフルオロアルキル基であり、特に好ましくは炭素数1~3のペルフルオロアルキル基である。ペルフルオロアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基及びペルフルオロオクチル基等が挙げられる。ペルフルオロシクロアルキル基としては、ペルフルオロシクロヘキシル基等が挙げられる。
a42が、式(a-g3)で表される基を有する脂肪族炭化水素基である場合、式(a-g3)で表される基に含まれる炭素数を含めて、Ra42の総炭素数は、15以下が好ましく、12以下がより好ましい。式(a-g3)で表される基を置換基として有する場合、その数は1個が好ましい。
【0171】
a42が式(a-g3)で表される基を有する脂肪族炭化水素基である場合、Ra42は、さらに好ましくは式(a-g2)で表される基である。
[式(a-g2)中、
a46は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~17の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
a44は、**-O-CO-又は**-CO-O-を表す(**はAa46との結合部位を表す)。
a47は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~17の脂肪族炭化水素基を表す。
ただし、Aa46、Aa47及びXa44の炭素数の合計は18以下であり、Aa46及びAa47のうち、少なくとも一方は、少なくとも1つのハロゲン原子を有する。
*はカルボニル基との結合部位を表す。]
【0172】
a46の脂肪族炭化水素基の炭素数は1~6が好ましく、1~3がより好ましい。
a47の脂肪族炭化水素基の炭素数は4~15が好ましく、5~12がより好ましく、Aa47は、シクロヘキシル基又はアダマンチル基がさらに好ましい。
【0173】
式(a-g2)で表される基の好ましい構造は、以下の構造である(*はカルボニル基との結合部位である)。
【0174】
a41におけるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、1-メチルブタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
a41のアルカンジイル基における置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1~6のアルコキシ基等が挙げられる。
a41は、好ましくは炭素数1~4のアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数2~4のアルカンジイル基であり、さらに好ましくはエチレン基である。
【0175】
式(a-g1)で表される基におけるAa42、Aa43及びAa44の表す2価の飽和炭化水素基としては、直鎖又は分岐のアルカンジイル基及び単環又は多環の2価の脂環式炭化水素基、並びに、アルカンジイル基及び2価の脂環式炭化水素基を組合せることにより形成される基等が挙げられる。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、1-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基等が挙げられる。
a42、Aa43及びAa44の表す2価の飽和炭化水素基の置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1~6のアルコキシ基等が挙げられる。
sは、0であることが好ましい。
【0176】
式(a-g1)で表される基において、Xa42が-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-である基としては、以下の基等が挙げられる。以下の例示において、*及び**はそれぞれ結合部位を表し、**が-O-CO-Ra42との結合部位である。
【0177】
式(a4-1)で表される構造単位としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中の式(a4-1)で表される構造単位におけるRa41に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
【0178】
【0179】
構造単位(a4)としては、式(a4-2)で表される構造単位が好ましい。
[式(a4-2)中、
f5は、水素原子又はメチル基を表す。
44は、炭素数1~6のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
f6は、炭素数1~20のフッ素原子を有する飽和炭化水素基を表す。
ただし、L44及びRf6の合計炭素数の上限は21である。]
【0180】
44の炭素数1~6のアルカンジイル基は、Aa41におけるアルカンジイル基で例示したものと同様の基が挙げられる。
f6の飽和炭化水素基は、Ra42で例示したものと同様の基が挙げられる。
44における炭素数1~6のアルカンジイル基としては、炭素数2~4のアルカンジイル基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
【0181】
式(a4-2)で表される構造単位としては、例えば、式(a4-1-1)~式(a4-1-11)でそれぞれ表される構造単位が挙げられる。構造単位(a4-2)におけるRf5に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位も式(a4-2)で表される構造単位として挙げられる。
【0182】
構造単位(a4)としては、式(a4-3)で表される構造単位が挙げられる。
[式(a4-3)中、
f7は、水素原子又はメチル基を表す。
5は、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
f13は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表す。
f12は、*-O-CO-又は*-CO-O-を表す(*はAf13との結合部位を表す。)。
f14は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1~17の飽和炭化水素基を表す。
但し、Af13及びAf14の少なくとも1つは、フッ素原子を有し、L5、Af13及びAf14の合計炭素数の上限は20である。]
【0183】
5におけるアルカンジイル基としては、Aa41の2価の飽和炭化水素基におけるアルカンジイル基で例示したものと同様の基が挙げられる。
f13におけるフッ素原子を有していてもよい2価の飽和炭化水素基としては、好ましくはフッ素原子を有していてもよい2価の鎖式飽和炭化水素基及びフッ素原子を有していてもよい2価の脂環式飽和炭化水素基であり、より好ましくはペルフルオロアルカンジイル基である。
フッ素原子を有していてもよい2価の鎖式飽和炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基及びペンタンジイル基等のアルカンジイル基;ジフルオロメチレン基、ペルフルオロエチレン基、ペルフルオロプロパンジイル基、ペルフルオロブタンジイル基及びペルフルオロペンタンジイル基等のペルフルオロアルカンジイル基等が挙げられる。
フッ素原子を有していてもよい2価の脂環式飽和炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の基としては、シクロヘキサンジイル基及びペルフルオロシクロヘキサンジイル基等が挙げられる。多環式の基としては、アダマンタンジイル基、ノルボルナンジイル基、ペルフルオロアダマンタンジイル基等が挙げられる。
f14の飽和炭化水素基及びフッ素原子を有していてもよい飽和炭化水素基は、Ra42で例示したものと同様の基が挙げられる。なかでも、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、ブチル基、ペルフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペルフルオロヘキシル基、ヘプチル基、ペルフルオロヘプチル基、オクチル基及びペルフルオロオクチル基等のフッ化アルキル基、シクロプロピルメチル基、シクロプロピル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルジメチル基、ノルボルニル基、ノルボルニルメチル基、ペルフルオロアダマンチル基、ペルフルオロアダマンチルメチル基等が好ましい。
【0184】
式(a4-3)において、L5は、エチレン基が好ましい。
f13の2価の飽和炭化水素基は、炭素数1~6の2価の鎖式飽和炭化水素基及び炭素数3~12の2価の脂環式飽和炭化水素基を含む基が好ましく、炭素数2~3の2価の鎖式飽和炭化水素基がさらに好ましい。
f14の飽和炭化水素基は、炭素数3~12の鎖式飽和炭化水素基及び炭素数3~12の脂環式飽和炭化水素基を含む基が好ましく、炭素数3~10の鎖式飽和炭化水素基及び炭素数3~10の脂環式飽和炭化水素基を含む基がさらに好ましい。なかでも、Af14は、好ましくは炭素数3~12の脂環式飽和炭化水素基を含む基であり、より好ましくは、シクロプロピルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びアダマンチル基である。
【0185】
式(a4-3)で表される構造単位としては、例えば、式(a4-1’-1)~式(a4-1’-11)でそれぞれ表される構造単位が挙げられる。構造単位(a4-3)におけるRf7に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位も式(a4-3)で表される構造単位として挙げられる。
【0186】
構造単位(a4)としては、式(a4-4)で表される構造単位も挙げられる。
[式(a4-4)中、
f21は、水素原子又はメチル基を表す。
f21は、-(CH2j1-、-(CH2j2-O-(CH2j3-又は-(CH2j4-CO-O-(CH2j5-を表す。
j1~j5は、それぞれ独立に、1~6のいずれかの整数を表す。
f22は、フッ素原子を有する炭素数1~10の飽和炭化水素基を表す。]
【0187】
f22の飽和炭化水素基は、Ra42で表される飽和炭化水素基と同じものが挙げられる。Rf22は、フッ素原子を有する炭素数1~10のアルキル基又はフッ素原子を有する炭素数1~10の脂環式炭化水素基が好ましく、フッ素原子を有する炭素数1~10のアルキル基がより好ましく、フッ素原子を有する炭素数1~6のアルキル基がさらに好ましい。
【0188】
式(a4-4)においては、Af21としては、-(CH2j1-が好ましく、エチレン基又はメチレン基がより好ましく、メチレン基がさらに好ましい。
【0189】
式(a4-4)で表される構造単位としては、例えば、以下の構造単位及び以下の式で表される構造単位において、構造単位(a4-4)におけるRf21に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
【0190】
樹脂(A)が、構造単位(a4)を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1~20モル%が好ましく、2~15モル%がより好ましく、3~10モル%がさらに好ましい。
【0191】
〈構造単位(a5)〉
構造単位(a5)が有する非脱離炭化水素基としては、直鎖、分岐又は環状の炭化水素基を有する基が挙げられる。なかでも、構造単位(a5)は、脂環式炭化水素基を有する基が好ましい。
構造単位(a5)としては、例えば、式(a5-1)で表される構造単位が挙げられる。
[式(a5-1)中、
51は、水素原子又はメチル基を表す。
52は、炭素数3~18の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は炭素数1~8の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。
55は、単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。]
【0192】
52における脂環式炭化水素基としては、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、アダマンチル基及びノルボルニル基等が挙げられる。
炭素数1~8の脂肪族炭化水素基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2-エチルヘキシル基等のアルキル基が挙げられる。
置換基を有する脂環式炭化水素基としては、3-メチルアダマンチル基などが挙げられる。
52は、好ましくは、無置換の炭素数3~18の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは、アダマンチル基、ノルボルニル基又はシクロヘキシル基である。
55における2価の飽和炭化水素基としては、2価の鎖式飽和炭化水素基及び2価の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、好ましくは2価の鎖式飽和炭化水素基である。
2価の鎖式飽和炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基及びペンタンジイル基等のアルカンジイル基が挙げられる。
2価の脂環式飽和炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式飽和炭化水素基としては、シクロペンタンジイル基及びシクロヘキサンジイル基等のシクロアルカンジイル基が挙げられる。多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基としては、アダマンタンジイル基及びノルボルナンジイル基等が挙げられる。
【0193】
55の表す2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH-が、-O-又は-CO-で置き換わった基としては、例えば、式(L1-1)~式(L1-4)で表される基が挙げられる。下記式中、*及び**は各々結合部位を表し、*は酸素原子との結合部位を表す。
[式(L1-1)中、
x1は、*-O-CO-又は*-CO-O-を表す(*はLx1との結合部位を表す。)。
x1は、炭素数1~16の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x2は、単結合又は炭素数1~15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx1及びLx2の合計炭素数は、16以下である。
式(L1-2)中、
x3は、炭素数1~17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x4は、単結合又は炭素数1~16の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx3及びLx4の合計炭素数は、17以下である。
式(L1-3)中、
x5は、炭素数1~15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x6及びLx7は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1~14の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx5、Lx6及びLx7の合計炭素数は、15以下である。
式(L1-4)中、
x8及びLx9は、単結合又は炭素数1~12の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x1は、炭素数3~15の2価の脂環式飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx8、Lx9及びWx1の合計炭素数は、15以下である。]
【0194】
x1は、好ましくは、炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
x2は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、単結合である。
x3は、好ましくは、炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
x4は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
x5は、好ましくは、炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
x6は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
x7は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
x8は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、単結合又はメチレン基である。
x9は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、単結合又はメチレン基である。
x1は、好ましくは、炭素数3~10の2価の脂環式飽和炭化水素基、より好ましくは、シクロヘキサンジイル基又はアダマンタンジイル基である。
【0195】
式(L1-1)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
式(L1-2)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
式(L1-3)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
式(L1-4)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
55は、好ましくは、単結合又は式(L1-1)で表される基である。
【0196】
構造単位(a5-1)としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中の構造単位(a5-1)におけるR51に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
樹脂(A)が、構造単位(a5)を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1~30モル%が好ましく、2~20モル%がより好ましく、3~15モル%がさらに好ましい。
【0197】
〈構造単位(a6)〉
構造単位(a6)は、-SO-基を有する構造単位であり、-SO-基を側鎖に有することが好ましい。
-SO-基を有する構造単位は、-SO-基を有する直鎖状構造を有していてもよいし、-SO-基を有する分岐状構造を有していてもよいし、-SO-基を有する環状構造(単環及び多環構造)を有していてもよい。好ましくは、-SO-基を有する環状構造を有する構造単位であり、より好ましくは、-SO-O-を含む環状構造(スルトン環)を有する構造単位である。
【0198】
スルトン環としては、下記式(T-1)、式(T-2)、式(T-3)及び式(T-4)で表される環が挙げられる。結合部位は任意の位置とすることができる。スルトン環は、単環式であってもよいが、多環式であることが好ましい。多環式のスルトン環とは、環を構成する原子団として-SO-O-を含む橋かけ環を意味し、式(T-1)及び式(T-2)で表される環が挙げられる。スルトン環は、式(T-2)で表される環のように、環を構成する原子団として、-SO-O-以外に、さらにヘテロ原子を含んでいてもよい。ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子が挙げられ、好ましくは酸素原子である。
【0199】
スルトン環は置換基を有してもよく、置換基としては、ハロゲン原子又はヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1~12のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリール基、炭素数7~12のアラルキル基、グリシジルオキシ基、炭素数2~12のアルコキシカルボニル基及び炭素数2~4のアルキルカルボニル基等が挙げられる。
【0200】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及びデシル基が挙げられ、好ましくは炭素数1~6のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
ハロゲン原子を有するアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロtert-ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基及びトリヨードメチル基が挙げられ、好ましくはトリフルオロメチル基が挙げられる。
ヒドロキシ基を有するアルキル基としては、ヒドロキシメチル基及び2-ヒドロキシエチル基のヒドロキシアルキル基が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基及びドデシルオキシ基が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p-メチルフェニル基、p-tert-ブチルフェニル基、p-アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クミル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6-ジエチルフェニル基及び2-メチル-6-エチルフェニル基が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基及びナフチルエチル基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシ基とカルボニル基とが結合した基が挙げられ、好ましくは炭素数6以下のアルコキシカルボニル基が挙げられ、より好ましくはメトキシカルボニル基が挙げられる。
アルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基が挙げられる。
【0201】
構造単位(a6)を導くモノマーの製造が容易であるという観点から、置換基を有さないスルトン環が好ましい。
スルトン環としては、以下の式(T1’)で表される環が好ましい。
[式(T1’)中、
11は、酸素原子、硫黄原子又はメチレン基を表す。
41は、ハロゲン原子もしくはヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1~12のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリール基、炭素数7~12のアラルキル基、グリシジルオキシ基、炭素数2~12のアルコキシカルボニル基又は炭素数2~4のアルキルカルボニル基を表す。
maは、0~9のいずれかの整数を表す。maが2以上のとき、複数のR41は同一であっても異なってもよい。
結合部位は任意の位置である。]
11は、好ましくは酸素原子又はメチレン基であり、より好ましくはメチレン基である。
41としては、上述したスルトン環の置換基と同様のものが挙げられ、ハロゲン原子又はヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1~12のアルキル基が好ましい。
maは、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
【0202】
式(T1’)で表される環としては、以下の環が挙げられる。結合部位は任意の位置である。なかでも、結合部位は1位又は3位であるものが好ましい。
【0203】
-SO-基を有する構造単位は、さらに、重合性基に由来する基を有することが好ましい。重合性基としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、アクリロイルチオ基、メタクリロイルチオ基等が挙げられる。
中でも、構造単位(a6)を導くモノマーは、好ましくはエチレン性不飽和結合を有するモノマーであり、より好ましくは(メタ)アクリル系モノマーである。
【0204】
構造単位(a6)は、好ましくは、式(a6-0)で表される構造単位である。
[式(a6-0)中、
は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1~6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
xxは、酸素原子、-N(R)-又は硫黄原子を表す。
は、単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-CO-又は-N(R)-に置き換わっていてもよい。
11、R41及びmaは、上記と同じ意味を表す。
及びRは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。]
【0205】
のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基及びn-ヘキシル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1~4のアルキル基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である。
のハロゲン原子を有するアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロtert-ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基及びトリヨードメチル基などが挙げられる。
は、好ましくは水素原子又は炭素数1~4のアルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、さらに好ましくは水素原子又はメチル基である。
【0206】
の2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状アルカンジイル基、分岐状アルカンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組合せたものでもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基、トリデカン-1,13-ジイル基、テトラデカン-1,14-ジイル基、ペンタデカン-1,15-ジイル基、ヘキサデカン-1,16-ジイル基、ヘプタデカン-1,17-ジイル基、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基及びプロパン-2,2-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
ブタン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、アダマンタン-1,5-ジイル基、アダマンタン-2,6-ジイル基等の多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
のスルトン環への結合位置は、任意の位置とすることができるが、1位であるものが好ましい。
【0207】
構造単位(a6-0)としては、以下の構造単位が挙げられる。
【0208】
なかでも、式(a6-1)、式(a6-2)、式(a6-6)、式(a6-7)、式(a6-8)及び式(a6-12)で表される構造単位が好ましく、式(a6-1)、式(a6-2)、式(a6-7)及び(a6-8)で表される構造単位がより好ましい。
樹脂(A)が、構造単位(a6)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1~50モル%が好ましく、2~40モル%がより好ましく、3~30モル%がさらに好ましい。
【0209】
<構造単位(II)>
樹脂(A)は、さらに、露光により分解して酸を発生する構造単位(以下、「構造単位(II)」という場合がある)を含有してもよい。構造単位(II)としては、具体的には特開2016-79235号公報に記載の構造単位が挙げられ、側鎖にスルホナート基若しくはカルボキシレート基と有機カチオンとを有する構造単位又は側鎖にスルホニオ基と有機アニオンとを有する構造単位であることが好ましい。
【0210】
側鎖にスルホナート基若しくはカルボキシレート基と有機カチオンとを有する構造単位は、式(II-2-A’)で表される構造単位であることが好ましい。
[式(II-2-A’)中、
III3は、炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基又はヒドロキシ基で置き換わっていてもよい。
x1は、炭素数1~8のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロアルキル基で置換されていてもよい。
RAは、スルホナート基又はカルボキシレート基を表す。
III3は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
ZAは、有機カチオンを表す。]
【0211】
III3で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
III3で表されるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基としては、Ra8で表されるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基と同じものが挙げられる。
x1で表される炭素数1~8のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ペンタン-2,4-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等が挙げられる。
X1において置換されていてもよい炭素数1~6のペルフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロtert-ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
III3で表される炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基としては、直鎖又は分岐状アルカンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環飽和炭化水素基が挙げられ、これらの組み合わせてあってもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;ブタン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基等のシクロアルカンジイル基;ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、アダマンタン-1,5-ジイル基、アダマンタン-2,6-ジイル基等の2価の多環式脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
飽和炭化水素基に含まれる-CH-が、-O-、-S-又は-CO-で置き換わったものとしては、例えば式(X1)~式(X53)で表される2価の基が挙げられる。ただし、飽和炭化水素基に含まれる-CH-が、-O-、-S-又は-CO-で置き換わる前の炭素数はそれぞれ17以下である。下記式において、*及び**は結合部位を表し、*はAx1との結合部位を表す。
【0212】
3は、2価の炭素数1~16の飽和炭化水素基を表す。
4は、2価の炭素数1~15の飽和炭化水素基を表す。
5は、2価の炭素数1~13の飽和炭化水素基を表す。
6は、2価の炭素数1~14の飽和炭化水素基を表す。
7は、3価の炭素数1~14の飽和炭化水素基を表す。
8は、2価の炭素数1~13の飽和炭化水素基を表す。
【0213】
式(II-2-A’)中のZAは、式(B1)で表される塩におけるカチオンZ1と同様のものが挙げられる。
【0214】
式(II-2-A’)で表される構造単位は、式(II-2-A)で表される構造単位であることが好ましい。
[式(II-2-A)中、
III3、XIII3及びZAは、上記と同じ意味を表す。
z2Aは、0~6のいずれかの整数を表す。
III2及びRIII4は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロアルキル基を表し、z2Aが2以上のとき、複数のRIII2及びRIII4は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
及びQは、それぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロアルキル基を表す。]
III2、RIII4、Q及びQで表される炭素数1~6のペルフルオロアルキル基としては、前述のQb1で表される炭素数1~6のペルフルオロアルキル基と同じものが挙げられる。
【0215】
式(II-2-A)で表される構造単位は、式(II-2-A-1)で表される構造単位であることが好ましい。
[式(II-2-A-1)中、
III2、RIII3、RIII4、Qa、Qb及びZAは、上記と同じ意味を表す。
III5は、炭素数1~12の飽和炭化水素基を表す。
z2A1は、0~6のいずれかの整数を表す。
I2は、炭素数1~11の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。]
III5で表される炭素数1~12の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基及びドデシル基等の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。
I2で表される2価の飽和炭化水素基としては、XIII3で表される2価の飽和炭化水素基と同様のものが挙げられる。
【0216】
式(II-2-A-1)で表される構造単位としては、式(II-2-A-2)で表される構造単位がさらに好ましい。
[式(II-2-A-2)中、
III3、RIII5及びZAは、上記と同じ意味を表す。
m及びnAは、互いに独立に、1又は2を表す。]
【0217】
式(II-2-A’)で表される構造単位としては、例えば、以下の構造単位、RIII3のメチル基に相当する基が水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基等)に置き換わった構造単位及び国際公開第2012/050015号記載の構造単位が挙げられる。ZAは、有機カチオンを表す。
【0218】
側鎖にスルホニオ基と有機アニオンとを有する構造単位は、式(II-1-1)で表される構造単位であることが好ましい。
[式(II-1-1)中、
II1は、単結合又は2価の連結基を表す。
II1は、炭素数6~18の2価の芳香族炭化水素基を表す。
II2及びRII3は、それぞれ独立して、炭素数1~18の炭化水素基を表し、RII2及びRII3は互いに結合してそれらが結合する硫黄原子とともに環を形成していてもよい。
II4は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
は、有機アニオンを表す。]
II1で表される炭素数6~18の2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基及びナフチレン基等が挙げられる。
II2及びRII3で表される炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基等は、上記と同様のものが挙げられる。
II4で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
II4で表されるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基としては、Ra8で表されるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基と同じものが挙げられる。
II1で表される2価の連結基としては、例えば、炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基が挙げられ、該2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-S-又は-CO-で置き換わっていてもよい。具体的には、XIII3で表される炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基と同じものが挙げられる。
【0219】
式(II-1-1)中のカチオンを含む構造単位としては、以下で表される構造単位及びRII4のメチル基に相当する基が、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基等)等に置き換わった構造単位などが挙げられる。
【0220】
で表される有機アニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン及びカルボン酸アニオン等が挙げられる。Aで表される有機アニオンは、スルホン酸アニオンが好ましく、スルホン酸アニオンとしては、前述の式(B1)で表される塩に含まれるアニオンであることがより好ましい。スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオンは、前述の酸発生剤(B)で例示したアニオンであることがより好ましい。カルボン酸アニオンは、式(I)で表される塩に含まれるアニオン及び以下のカルボン酸アニオンが挙げられる。
【0221】
式(II-1-1)で表される構造単位としては、以下で表される構造単位などが挙げられる。
【0222】
樹脂(A)中に、構造単位(II)を含有する場合の構造単位(II)の含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、好ましくは1~20モル%であり、より好ましくは2~15モル%であり、さらに好ましくは3~10モル%である。
【0223】
樹脂(A)は、好ましくは、構造単位(a1)と構造単位(s)とからなる樹脂、すなわち、モノマー(a1)とモノマー(s)との共重合体である。
構造単位(a1)は、好ましくは構造単位(a1-0)、構造単位(a1-1)及び構造単位(a1-2)(好ましくはシクロヘキシル基、又はシクロペンチル基を有する該構造単位)からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、より好ましくは少なくとも二種であり、さらに好ましくは、構造単位(a1-1)及び構造単位(a1-2)からなる群から選ばれる少なくとも二種である。
構造単位(s)は、好ましくは構造単位(a2)及び構造単位(a3)からなる群から選ばれる少なくとも一種である。構造単位(a2)は、好ましくは構造単位(a2-1)又は構造単位(a2-A)である。構造単位(a3)は、好ましくは式(a3-1)で表される構造単位、式(a3-2)で表される構造単位及び式(a3-4)で表される構造単位からなる群から選ばれる少なくとも一種である。
樹脂(A)を構成する各構造単位は、1種のみ又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、これら構造単位を導くモノマーを用いて、公知の重合法(例えばラジカル重合法)によって製造することができる。樹脂(A)が有する各構造単位の含有率は、重合に用いるモノマーの使用量で調整できる。
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは、2,000以上(より好ましくは2,500以上、さらに好ましくは3,000以上)、50,000以下(より好ましくは30,000以下、さらに好ましくは15,000以下)である。本明細書では、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで実施例に記載の条件により求めた値である。
【0224】
<樹脂(A)以外の樹脂>
本発明のレジスト組成物は、樹脂(A)以外の樹脂を併用してもよい。
樹脂(A)以外の樹脂としては、例えば、構造単位(a4)及び/又は構造単位(a5)を含有する樹脂(以下、樹脂(X)という場合がある)等が挙げられる。
樹脂(X)がさらに有していてもよい構造単位としては、構造単位(a1)、構造単位(a2)、構造単位(a3)及びその他の公知のモノマーに由来する構造単位が挙げられる。中でも、樹脂(X)は、構造単位(a4)及び/又は構造単位(a5)のみからなる樹脂であることが好ましい。
樹脂(X)が構造単位(a4)を含む場合、樹脂(X)において、構造単位(a4)の含有率は、樹脂(X)の全構造単位の合計に対して、20モル%以上が挙げられ、30モル%以上が好ましく、40モル%以上がより好ましく、45モル%以上がさらに好ましい。また、100モル%以下が挙げられ、80モル%以下が好ましく、70モル%以下がより好ましく、60モル%以下がさらに好ましく、55モル%以下がより一層好ましい。具体的には、20~100モル%が挙げられ、20~80モル%が好ましく、30~70モル%がより好ましく、40~60モル%がさらに好ましく、45~55モル%がより一層好ましい。樹脂(X)が構造単位(a5)を含む場合、構造単位(a5)の含有率は、樹脂(X)の全構造単位の合計に対して、20モル%以上が挙げられ、30モル%以上が好ましく、40モル%以上がより好ましく、45モル%以上がさらに好ましい。また、100モル%以下が挙げられ、80モル%以下が好ましく、70モル%以下がより好ましく、60モル%以下がさらに好ましく、55モル%以下がより一層好ましい。具体的には、20~100モル%が挙げられ、20~80モル%が好ましく、30~70モル%がより好ましく、40~60モル%がさらに好ましく、45~55モル%がより一層好ましい。また、樹脂(X)が構造単位(a4)及び構造単位(a5)を含む場合、構造単位(a4)及び構造単位(a5)の合計含有率は、樹脂(X)の全構造単位の合計に対して、40モル%以上が挙げられ、60モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましい。さらに、100モル%以下が挙げられる。具体的には、40~100モル%が挙げられ、60~100モル%が好ましく、70~100モル%がより好ましく、80~100モル%がさらに好ましい。
樹脂(X)を構成する各構造単位は、1種のみ又は2種以上を組合せて用いてもよく、これら構造単位を誘導するモノマーを用いて、公知の重合法(例えばラジカル重合法)によって製造することができる。樹脂(X)が有する各構造単位の含有率は、重合に用いるモノマーの使用量で調整できる。
樹脂(X)の重量平均分子量は、好ましくは6,000以上(より好ましくは7,000以上)、80,000以下(より好ましくは60,000以下)である。樹脂(X)の重量平均分子量の測定手段は、樹脂(A)の場合と同様である。
【0225】
本発明のレジスト組成物が、樹脂(X)を含む場合、その含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1~60質量部であり、より好ましくは1~50質量部であり、さらに好ましくは1~40質量部であり、より一層好ましくは1~30質量部であり、さらに一層好ましくは1~8質量部である。
【0226】
レジスト組成物における樹脂(A)の含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、80質量%以上99質量%以下であることが好ましく、90質量%以上99質量%以下がより好ましい。また、樹脂(A)以外の樹脂を含む場合は、樹脂(A)と樹脂(A)以外の樹脂との合計含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、80質量%以上99質量%以下であることが好ましく、90質量%以上99質量%以下がより好ましい。レジスト組成物の固形分及びこれに対する樹脂の含有率は、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定することができる。
【0227】
<溶剤(E)>
溶剤(E)の含有率は、レジスト組成物中、通常90質量%以上99.9質量%以下であり、好ましくは92質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは94質量%以上99質量%以下である。溶剤(E)の含有率は、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定できる。
溶剤(E)としては、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2-ヘプタノン及びシクロヘキサノン等のケトン類;γ-ブチロラクトン等の環状エステル類;等を挙げることができる。溶剤(E)の1種を単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
【0228】
<クエンチャー(C)>
クエンチャー(C)は、塩基性の含窒素有機化合物又は酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩(但し、式(I)で表されるカルボン酸塩を除く。)が挙げられる。レジスト組成物がクエンチャー(C)を含有する場合、クエンチャー(C)の含有量は、レジスト組成物の固形分量を基準に、0.01~15質量%程度であることが好ましく、0.01~10質量%程度であることがより好ましく、0.1~8質量%程度であることがさらに好ましく、0.1~7質量%程度であることがさらにより好ましい。
塩基性の含窒素有機化合物としては、アミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。
アミンとしては、1-ナフチルアミン、2-ナフチルアミン、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2-,3-又は4-メチルアニリン、4-ニトロアニリン、N-メチルアニリン、N,N-ジメチルアニリン、ジフェニルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2-(2-メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’-ジアミノ-1,2-ジフェニルエタン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルジフェニルメタン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチルジフェニルメタン、2,2’-メチレンビスアニリン、イミダゾール、4-メチルイミダゾール、ピリジン、4-メチルピリジン、1,2-ジ(2-ピリジル)エタン、1,2-ジ(4-ピリジル)エタン、1,2-ジ(2-ピリジル)エテン、1,2-ジ(4-ピリジル)エテン、1,3-ジ(4-ピリジル)プロパン、1,2-ジ(4-ピリジルオキシ)エタン、ジ(2-ピリジル)ケトン、4,4’-ジピリジルスルフィド、4,4’-ジピリジルジスルフィド、2,2’-ジピリジルアミン、2,2’-ジピコリルアミン、ビピリジン等が挙げられ、好ましくはジイソプロピルアニリン等の芳香族アミンが挙げられ、より好ましくは2,6-ジイソプロピルアニリンが挙げられる。
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3-(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ-n-ブチルアンモニウムサリチラート及びコリン等が挙げられる。
【0229】
酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩における酸性度は、酸解離定数(pKa)で示される。酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩は、該塩から発生する酸の酸解離定数が、通常-3<pKaの塩であり、好ましくは-1<pKa<7の塩であり、より好ましくは0<pKa<5の塩である。
酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩としては、下記式で表される塩、特開2015-147926号公報記載の式(D)で表される塩(以下、「弱酸分子内塩(D)」という場合がある。)、並びに特開2012-229206号公報、特開2012-6908号公報、特開2012-72109号公報、特開2011-39502号公報及び特開2011-191745号公報記載の塩が挙げられる。酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩は、好ましくは、酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱いカルボン酸を発生する塩(カルボン酸アニオンを有する塩)であり、より好ましくは、弱酸分子内塩(D)であり、さらに好ましくは、弱酸分子内塩(D)のうち、カルボン酸アニオンが置換されたフェニル基を含むジフェニルヨードニウム塩である。
【0230】
弱酸分子内塩(D)としては、2つのフェニル基が結合したヨードニウムカチオンと、ヨードニウムカチオンに結合した2つのフェニル基のうち少なくとも一方のフェニル基に置換されたカルボン酸アニオンと、を有するジフェニルヨードニウム塩であることが好ましく、具体的には、以下の式で表される塩が挙げられる。
【0231】
[式(D)中、
D1及びRD2は、それぞれ独立に、炭素数1~12の炭化水素基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~7のアシル基、炭素数2~7のアシルオキシ基、炭素数2~7のアルコキシカルボニル基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。
m’及びn’は、それぞれ独立に、0~4のいずれかの整数を表し、m’が2以上の場合、複数のRD1は同一であっても異なってもよく、n’が2以上の場合、複数のRD2は同一であっても異なってもよい。]
D1及びRD2の炭化水素基としては、鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
鎖式炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基等のアルキル基が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、単環式及び多環式のいずれでもよく、飽和及び不飽和のいずれでもよい。シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロノニル基、シクロドデシル基等のシクロアルキル基、ノルボニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、4-エチルフェニル基、4-プロピルフェニル基、4-イソプロピルフェニル基、4-ブチルフェニル基、4-t-ブチルフェニル基、4-ヘキシルフェニル基、4-シクロヘキシルフェニル基、アントリル基、p-アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-エチルフェニル基等のアリール基等が挙げられる。
これらを組み合わせることにより形成される基としては、アルキル-シクロアルキル基、シクロアルキル-アルキル基、アラルキル基(例えば、フェニルメチル基、1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基、1-フェニル-1-プロピル基、1-フェニル-2-プロピル基、2-フェニル-2-プロピル基、3-フェニル-1-プロピル基、4-フェニル-1-ブチル基、5-フェニル-1-ペンチル基、6-フェニル-1-ヘキシル基等)等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
アシル基としては、アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基、シクロヘキサンカルボニル基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、上記アシル基にオキシ基(-O-)が結合した基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、上記アルコキシ基にカルボニル基(-CO-)が結合した基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
D1及びRD2は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~4のアシル基、炭素数2~4のアシルオキシ基、炭素数2~4のアルコキシカルボニル基、ニトロ基又はハロゲン原子が好ましい。
m’及びn’は、それぞれ独立に、0~2のいずれかの整数であることが好ましく、0であることがより好ましい。m’が2以上の場合、複数のRD1は同一であっても異なってもよく、n’が2以上の場合、複数のRD2は同一であっても異なってもよい。
【0232】
より具体的には、以下の塩が挙げられる。
【0233】
〈その他の成分〉
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、上述の成分以外の成分(以下「その他の成分(F)」という場合がある。)を含有していてもよい。その他の成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、染料等を利用できる。
【0234】
〈レジスト組成物の調製〉
本発明のレジスト組成物は、カルボン酸塩(I)、樹脂(A)、酸発生剤(B)、並びに、必要に応じて、樹脂(A)以外の樹脂、溶剤(E)、クエンチャー(C)及びその他の成分(F)を混合することにより調製することができる。混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10~40℃から、樹脂等の種類や樹脂等の溶剤(E)に対する溶解度等に応じて適切な温度を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5~24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合等を用いることができる。
各成分を混合した後は、孔径0.003~0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
【0235】
〈レジストパターンの製造方法〉
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含む。
レジスト組成物を基板上に塗布するには、スピンコーター等、通常、用いられる装置によって行うことができる。基板としては、シリコンウェハ等の無機基板、表面にレジスト膜等が形成された有機基板等が挙げられる。レジスト組成物を塗布する前に、基板を洗浄してもよく、基板上に反射防止膜等が形成されていてもよい。
塗布後の組成物を乾燥することにより、溶剤を除去し、組成物層を形成する。乾燥は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いて溶剤を蒸発させること(いわゆるプリベーク)により行うか、あるいは減圧装置を用いて行う。加熱温度は、50~200℃であることが好ましく、加熱時間は、10~180秒間であることが好ましい。また、減圧乾燥する際の圧力は、1~1.0×105Pa程度であることが好ましい。
得られた組成物層に、通常、露光機を用いて露光する。露光機は、液浸露光機であってもよい。露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2エキシマレーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域または真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの、電子線や、超紫外光(EUV)を照射するもの等、種々のものを用いることができる。尚、本明細書において、これらの放射線を照射することを総称して「露光」という場合がある。露光の際、通常、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。露光光源が電子線の場合は、マスクを用いずに直接描画により露光してもよい。
露光後の組成物層を、酸不安定基における脱保護反応を促進するために加熱処理(いわゆるポストエキスポジャーベーク)を行う。加熱温度は、通常50~200℃程度、好ましくは70~150℃程度である。加熱後の組成物の表面側にある樹脂の親水性又は疎水性を調整する化学処理(シリル化)を行ってもよい。また、現像を行う前に、露光後の組成物層上に、レジスト組成物の塗布、乾燥、露光、加熱の工程を繰り返し行ってもよい。
加熱後の組成物層を、通常、現像装置を用いて、現像液を利用して現像する。現像方法としては、ディップ法、パドル法、スプレー法、ダイナミックディスペンス法等が挙げられる。現像温度は、例えば、5~60℃であることが好ましく、現像時間は、例えば、5~300秒間であることが好ましい。現像液の種類を以下のとおりに選択することにより、ポジ型レジストパターン又はネガ型レジストパターンを製造できる。
本発明のレジスト組成物からポジ型レジストパターンを製造する場合は、現像液としてアルカリ現像液を用いる。アルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であればよい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。アルカリ現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。
現像後レジストパターンを超純水で洗浄し、次いで、基板及びパターン上に残った水を除去することが好ましい。
本発明のレジスト組成物からネガ型レジストパターンを製造する場合は、現像液として有機溶剤を含む現像液(以下「有機系現像液」という場合がある)を用いる。
有機系現像液に含まれる有機溶剤としては、2-ヘキサノン、2-ヘプタノン等のケトン溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル溶剤;酢酸ブチル等のエステル溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル溶剤;N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド溶剤;アニソール等の芳香族炭化水素溶剤等が挙げられる。
有機系現像液中、有機溶剤の含有率は、90質量%以上100質量%以下が好ましく、95質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に有機溶剤のみであることがさらに好ましい。
中でも、有機系現像液としては、酢酸ブチル及び/又は2-ヘプタノンを含む現像液が好ましい。有機系現像液中、酢酸ブチル及び2-ヘプタノンの合計含有率は、50質量%以上100質量%以下が好ましく、90質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に酢酸ブチル及び/又は2-ヘプタノンのみであることがさらに好ましい。
有機系現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。また、有機系現像液には、微量の水分が含まれていてもよい。
現像の際、有機系現像液とは異なる種類の溶剤に置換することにより、現像を停止してもよい。
現像後のレジストパターンをリンス液で洗浄することが好ましい。リンス液としては、レジストパターンを溶解しないものであれば特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができ、好ましくはアルコール溶剤又はエステル溶剤である。
洗浄後は、基板及びパターン上に残ったリンス液を除去することが好ましい。
【0236】
〈用途〉
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)露光用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物、特に、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物として好適であり、半導体の微細加工に有用である。
【実施例0237】
実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中、含有量ないし使用量を表す「%」及び「部」は、特記しないかぎり質量基準である。
重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーにより求めた値である。なお、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーの分析条件は下記のとおりである。
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3+guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
化合物の構造は、質量分析(LCはAgilent製1100型、MASSはAgilent製LC/MSD型)を用い、分子イオンピークを測定することで確認した。以下の実施例ではこの分子イオンピークの値を「MASS」で示す。
【0238】
実施例1:式(I-2)で表される塩の合成
式(I-2-a)で表される化合物1.58部及びジメチルホルムアミド10部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物を0℃に冷却した後、水素化ナトリウム0.30部を混合し、0℃で4時間攪拌した。得られた混合物に、0℃で、式(I-2-b)で表される塩3.17部を添加し、0℃で3時間攪拌することにより、式(I-2-c)で表される塩を含む混合物を得た。得られた混合物を23℃まで昇温した後、5%シュウ酸水溶液11部を加えて23℃で30分間攪拌した後、式(I-2-d)で表される塩2.95部を添加し、23℃で7時間攪拌した。得られた反応物に、クロロホルム30部及びイオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。回収された有機層に、イオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を7回繰り返した。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて、23℃で30分間攪拌した後、上澄み液を除去し、濃縮することにより、式(I-2)で表される塩1.98部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 419.2
MASS(ESI(-)Spectrum):M 193.1
【0239】
実施例2:式(I-6272)で表される塩の合成
式(I-6272-a)で表される化合物1.74部及びジメチルホルムアミド10部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物を0℃に冷却した後、水素化ナトリウム0.30部を混合し、0℃で4時間攪拌した。得られた混合物に、0℃で、式(I-2-b)で表される塩3.17部を添加し、0℃で3時間攪拌することにより、式(I-6272-c)で表される塩を含む混合物を得た。得られた混合物を23℃まで昇温した後、5%シュウ酸水溶液11部を加えて23℃で30分間攪拌した後、式(I-2-d)で表される塩2.95部を添加し、23℃で7時間攪拌した。得られた反応物に、クロロホルム30部及びイオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。回収された有機層に、イオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を7回繰り返した。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて、23℃で30分間攪拌した後、上澄み液を除去し、濃縮することにより、式(I-6272)で表される塩1.02部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 435.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 193.1
【0240】
実施例3:式(I-192)で表される塩の合成
式(I-192-a)で表される化合物3.00部及びジメチルホルムアミド10部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物を0℃に冷却した後、水素化ナトリウム0.30部を混合し、0℃で4時間攪拌した。得られた混合物に、0℃で、式(I-2-b)で表される塩3.17部を添加し、0℃で3時間攪拌することにより、式(I-192-c)で表される塩を含む混合物を得た。得られた混合物を23℃まで昇温した後、5%シュウ酸水溶液11部を加えて23℃で30分間攪拌した後、式(I-2-d)で表される塩2.95部を添加し、23℃で7時間攪拌した。得られた反応物に、クロロホルム30部及びイオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。回収された有機層に、イオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を7回繰り返した。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて、23℃で30分間攪拌した後、上澄み液を除去し、濃縮することにより、式(I-192)で表される塩4.22部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 561.0
MASS(ESI(-)Spectrum):M 193.1
【0241】
実施例4:式(I-287)で表される塩の合成
式(I-287-a)で表される化合物4.26部及びジメチルホルムアミド10部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物を0℃に冷却した後、水素化ナトリウム0.30部を混合し、0℃で4時間攪拌した。得られた混合物に、0℃で、式(I-2-b)で表される塩3.17部を添加し、0℃で3時間攪拌することにより、式(I-287-c)で表される塩を含む混合物を得た。得られた混合物を23℃まで昇温した後、5%シュウ酸水溶液11部を加えて23℃で30分間攪拌した後、式(I-2-d)で表される塩2.95部を添加し、23℃で7時間攪拌した。得られた反応物に、クロロホルム30部及びイオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。回収された有機層に、イオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を7回繰り返した。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて、23℃で30分間攪拌した後、上澄み液を除去し、濃縮することにより、式(I-287)で表される塩6.02部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 686.9
MASS(ESI(-)Spectrum):M 193.1
【0242】
実施例5:式(I-289)で表される塩の合成
式(I-287-a)で表される化合物4.26部及びジメチルホルムアミド10部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物を0℃に冷却した後、水素化ナトリウム0.30部を混合し、0℃で4時間攪拌した。得られた混合物に、0℃で、式(I-2-b)で表される塩3.17部を添加し、0℃で3時間攪拌することにより、式(I-287-c)で表される塩を含む混合物を得た。得られた混合物を23℃まで昇温した後、5%シュウ酸水溶液11部を加えて23℃で30分間攪拌した後、式(I-4-d)で表される塩4.39部を添加し、23℃で7時間攪拌した。得られた反応物に、クロロホルム30部及びイオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。回収された有機層に、イオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を7回繰り返した。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて、23℃で30分間攪拌した後、上澄み液を除去し、濃縮することにより、式(I-289)で表される塩6.56部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 686.9
MASS(ESI(-)Spectrum):M 337.1
【0243】
実施例6:式(I-384)で表される塩の合成
式(I-384-a)で表される化合物3.00部及びジメチルホルムアミド10部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物を0℃に冷却した後、水素化ナトリウム0.30部を混合し、0℃で4時間攪拌した。得られた混合物に、0℃で、式(I-2-b)で表される塩3.17部を添加し、0℃で3時間攪拌することにより、式(I-384-c)で表される塩を含む混合物を得た。得られた混合物を23℃まで昇温した後、5%シュウ酸水溶液11部を加えて23℃で30分間攪拌した後、式(I-4-d)で表される塩4.39部を添加し、23℃で7時間攪拌した。得られた反応物に、クロロホルム30部及びイオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。回収された有機層に、イオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を7回繰り返した。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて、23℃で30分間攪拌した後、上澄み液を除去し、濃縮することにより、式(I-384)で表される塩0.69部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 561.0
MASS(ESI(-)Spectrum):M 337.1
【0244】
実施例7:式(I-2759)で表される塩の合成
式(I-2759-a)で表される化合物3.14部及びクロロホルム30部を混合し、23℃で30分間攪拌した後、式(I-2759-b)で表される化合物1.62部を添加し、50℃に昇温後、50℃で2時間撹拌した。得られた反応混合物に、式(I-2759-c)で表される塩3.15部を添加し、50℃で3時間攪拌した後、23℃まで冷却し、式(I-2759-d)で表される塩を含む混合物を得た。得られた混合物に、5%シュウ酸水溶液10部を加えて23℃で30分間攪拌した後、式(I-4-d)で表される塩4.39部を添加し、23℃で7時間攪拌した。得られた反応物に、クロロホルム30部及びイオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。回収された有機層に、イオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を7回繰り返した。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて、23℃で30分間攪拌した後、上澄み液を除去し、濃縮することにより、式(I-2759)で表される塩8.21部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 575.0
MASS(ESI(-)Spectrum):M 337.1
【0245】
実施例8:式(I-8458)で表される塩の合成
式(I-8458-a)で表される化合物3.14部及びジメチルホルムアミド10部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物を0℃に冷却した後、水素化ナトリウム0.30部を混合し、0℃で4時間攪拌した。得られた混合物に、0℃で、式(I-2-b)で表される塩3.17部を添加し、0℃で3時間攪拌することにより、式(I-8458-c)で表される塩を含む混合物を得た。得られた混合物を23℃まで昇温した後、5%シュウ酸水溶液11部を加えて23℃で30分間攪拌した後、式(I-3-d)で表される塩2.81部を添加し、23℃で7時間攪拌した。得られた反応物に、クロロホルム30部及びイオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。回収された有機層に、イオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を7回繰り返した。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて、23℃で30分間攪拌した後、上澄み液を除去し、濃縮することにより、式(I-8458)で表される塩1.23部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 575.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 179.1
【0246】
実施例9:式(I-8692)で表される塩の合成
式(I-8692-a)で表される化合物2.98部及びクロロホルム30部を混合し、23℃で30分間攪拌した後、式(I-2759-b)で表される化合物1.62部を添加し、50℃に昇温後、50℃で2時間撹拌した。得られた反応混合物に、式(I-2759-c)で表される塩3.15部を添加し、50℃で3時間攪拌した後、23℃まで冷却し、式(I-8692-d)で表される塩を含む混合物を得た。得られた混合物に、5%シュウ酸水溶液10部を加えて23℃で30分間攪拌した後、式(I-97-d)で表される塩6.01部を添加し、23℃で7時間攪拌した。得られた反応物に、クロロホルム30部及びイオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。回収された有機層に、イオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を7回繰り返した。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて、23℃で30分間攪拌した後、上澄み液を除去し、濃縮することにより、式(I-8692)で表される塩7.82部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 559.0
MASS(ESI(-)Spectrum):M 498.7
【0247】
実施例10:式(I-2377)で表される塩の合成
式(I-2377-a)で表される化合物4.12部及びジメチルホルムアミド10部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物を0℃に冷却した後、水素化ナトリウム0.30部を混合し、0℃で4時間攪拌した。得られた混合物に、0℃で、式(I-2-b)で表される塩3.17部を添加し、0℃で3時間攪拌することにより、式(I-2377-c)で表される塩を含む混合物を得た。得られた混合物を23℃まで昇温した後、5%シュウ酸水溶液11部を加えて23℃で30分間攪拌した後、式(I-2-d)で表される塩2.95部を添加し、23℃で7時間攪拌した。得られた反応物に、クロロホルム30部及びイオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。回収された有機層に、イオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を7回繰り返した。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて、23℃で30分間攪拌した後、上澄み液を除去し、濃縮することにより、式(I-2377)で表される塩4.36部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 672.9
MASS(ESI(-)Spectrum):M 193.1
【0248】
実施例11:式(I-5227)で表される塩の合成
式(I-287-a)で表される化合物4.26部及びジメチルホルムアミド10部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物を0℃に冷却した後、水素化ナトリウム0.30部を混合し、0℃で4時間攪拌した。得られた混合物に、0℃で、式(I-5227-b)で表される塩4.53部を添加し、0℃で3時間攪拌することにより、式(I-5227-c)で表される塩を含む混合物を得た。得られた混合物を23℃まで昇温した後、5%シュウ酸水溶液11部を加えて23℃で30分間攪拌した後、式(I-2-d)で表される塩2.95部を添加し、23℃で7時間攪拌した。得られた反応物に、クロロホルム30部及びイオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。回収された有機層に、イオン交換水30部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を7回繰り返した。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて、23℃で30分間攪拌した後、上澄み液を除去し、濃縮することにより、式(I-5227)で表される塩7.19部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 822.9
MASS(ESI(-)Spectrum):M 193.1
【0249】
樹脂の合成
樹脂(A)の合成に使用した化合物(モノマー)を下記に示す。以下、これらの化合物をその式番号に応じて、「モノマー(a1-1-3)」等という。
【0250】
合成例1:樹脂A1の合成
モノマーとして、モノマー(a1-1-3)、モノマー(a1-2-6)、モノマー(a2-1-1)及びモノマー(a3-4-2)を用い、そのモル比〔モノマー(a1-1-3):モノマー(a1-2-6):モノマー(a2-1-1):モノマー(a3-4-2)〕が45:14:2.5:38.5となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.8×10の樹脂A1を収率69%で得た。この樹脂A1は、以下の構造単位を有するものである。
【0251】
合成例2:樹脂X1の合成
モノマーとして、モノマー(a5-1-1)及びモノマー(a4-0-12)を用い、そのモル比〔モノマー(a5-1-1):モノマー(a4-0-12)〕が50:50となるように混合し、全モノマー量の1.2質量倍のメチルイソブチルケトンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して3mol%添加し、70℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し、重量平均分子量1.0×10の樹脂X1を収率91%で得た。この樹脂X1は、以下の構造単位を有するものである。
【0252】
<レジスト組成物の調製>
表2に示すように、以下の各成分を混合し、得られた混合物を孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過することにより、レジスト組成物を調製した。
【表2】
【0253】
<樹脂>
A1、X1:樹脂A1、樹脂X1
<酸発生剤>
B1-21:式(B1-21)で表される塩
B1-22:式(B1-22)で表される塩
<カルボン酸塩(I)>
I-2:式(I-2)で表される塩
I-192:式(I-192)で表される塩
I-287:式(I-287)で表される塩
I-289:式(I-289)で表される塩
I-384:式(I-384)で表される塩
I-2377:式(I-2377)で表される塩
I-2759:式(I-2759)で表される塩
I-5227:式(I-5227)で表される塩
I-6272:式(I-6272)で表される塩
I-8458:式(I-8458)で表される塩
I-8692:式(I-8692)で表される塩
<クンチャー(C)>
IX-1:特開2020-046662号公報記載の方法で合成
IX-2:特開2020-046662号公報記載の方法で合成
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20部
2-ヘプタノン 20部
γ-ブチロラクトン 3.5部
【0254】
<レジストパターンの製造及びその評価>
シリコンウェハに、有機反射防止膜用組成物(ARC-29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、ウェハ上に膜厚78nmの有機反射防止膜を形成した。次いで、この有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥後の膜厚が85nmとなるように塗布(スピンコート)した。塗布後、シリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表2の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベークし、組成物層を形成した。組成物層が形成されたシリコンウェハに、液浸露光用ArFエキシマステッパー(XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X-Y偏光)で、コンタクトホールパターン(ホールピッチ90nm/ホール径55nm)を形成するためのマスクを用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。なお、液浸媒体としては超純水を使用した。
露光後、ホットプレート上にて、表2の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行った。次いで、このシリコンウェハ上の組成物層を、現像液として酢酸ブチル(東京化成工業(株)製)を用いて、23℃で20秒間ダイナミックディスペンス法によって現像を行うことにより、ネガ型レジストパターンを製造した。
【0255】
現像後に得られたレジストパターンにおいて、前記マスクを用いて形成したホール径が45nmとなる露光量を実効感度とした。
【0256】
<CD均一性(CDU)評価>
実効感度において、ホール径55nmのマスクで形成したパターンのホール径を、一つのホールにつき24回測定し、その平均値を一つのホールの平均ホール径とした。同一ウェハ内の、ホール径55nmのマスクで形成したパターンの平均ホール径を400箇所測定したものを母集団として標準偏差を求めた。
その結果を表3に示す。括弧内の数値は標準偏差(nm)を示す。
【表3】

比較組成物1~2と比較して、組成物1~11での標準偏差が小さく、CD均一性(CDU)評価が良好であった。
【産業上の利用可能性】
【0257】
本発明のカルボン酸塩及び該カルボン酸塩を含むレジスト組成物は、CD均一性(CDU)が良好であり、半導体の微細加工に有用である。