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特開2023-109740多結晶ダイヤモンド(PCD)レーザラッピングマシン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109740
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】多結晶ダイヤモンド(PCD)レーザラッピングマシン
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/361 20140101AFI20230801BHJP
   B23K 26/16 20060101ALI20230801BHJP
   B23K 26/00 20140101ALI20230801BHJP
【FI】
B23K26/361
B23K26/16
B23K26/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023010888
(22)【出願日】2023-01-27
(31)【優先権主張番号】63/267,224
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519146787
【氏名又は名称】ツー-シックス デラウェア インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】II-VI Delaware,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】シクァン ウー
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168AD03
4E168CA01
4E168CB03
4E168CB07
4E168DA02
4E168FC01
4E168JA11
4E168KA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】非常に硬い材料を含む表面の加工(特にラッピング)、ポリッシング、及び/またはコンタリングを行うためのレーザ装置及び方法に関する。
【解決手段】製品を支持して回転させるためのプラットフォームと、製品の表面にレーザビームを送るためのレーザデバイスとを有する。製品は、多結晶ダイヤモンドを含み得、プラットフォーム及びレーザデバイスは、製品表面にわたり螺旋経路に沿って切削点を移動させるように構成され得る。製品の表面から多結晶ダイヤモンド材料などの材料を除去するためのプロセスも説明される。プロセスは、製品表面にレーザビームを送って切削点で材料を除去することと、レーザビームに対し製品表面を回転させることと、切削点を半径方向に移動させることと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を支持して回転させるためのプラットフォームと、
前記製品の表面にレーザビームを送るためのレーザデバイスと、
を備えたレーザ加工マシンであって、
前記プラットフォーム及び前記レーザデバイスは、前記製品表面にわたり螺旋経路に沿って切削点を移動させるように構成される、
前記レーザ加工マシン。
【請求項2】
前記プラットフォームは、前記プラットフォーム上で前記製品を支持するための3つの台座を有する、請求項1に記載のマシン。
【請求項3】
前記プラットフォーム及び前記レーザデバイスは、前記レーザビームが前記製品表面に対し浅い切り込み角度を形成するように構成される、請求項1に記載のマシン。
【請求項4】
前記切削点で前記レーザビームにより生じた残屑及びガス状生成物を除去するための排気システムをさらに備える、請求項1に記載のマシン。
【請求項5】
前記切削点で前記レーザビームにより生じた光及び/または音を感知するためのセンサをさらに備える、請求項1に記載のマシン。
【請求項6】
製品の表面から材料を除去するためのプロセスであって、
回転可能なプラットフォーム上で前記製品を支持することと、
前記製品の前記表面にレーザビームを送って、前記製品の前記表面上の切削点で前記材料を除去することと、
前記プラットフォームを回転させて、前記レーザビームに対し前記製品の前記表面を回転させ、前記レーザビームを移動させて、前記製品の前記表面に対し前記切削点を半径方向に移動させることと、
を含む、前記プロセス。
【請求項7】
前記プラットフォーム上で前記製品を支持するために、3つの台座を使用することをさらに含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記製品表面に対し浅い切り込み角度を前記レーザビームに形成させることをさらに含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項9】
排気システムを使用して、前記切削点で前記レーザビームにより生じた残屑及びガス状生成物を除去することをさらに含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項10】
センサを使用して、前記切削点で前記レーザビームにより生じた光及び/または音を感知することをさらに含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項11】
前記センサを使用して、前記切削点が前記製品表面に対して移動する速度を制御することをさらに含む、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
製品の表面から多結晶ダイヤモンド材料を除去するためのレーザラッピングプロセスであって、
回転可能なプラットフォーム上で前記製品を支持することと、
前記製品の前記表面にレーザビームを送って、前記製品の前記表面上の切削点で前記多結晶ダイヤモンド材料を除去することと、
前記切削点が前記製品の前記表面にわたり螺旋経路に沿って進むように、前記プラットフォームを回転させて、前記レーザビームに対し前記製品の前記表面を回転させ、同時に前記レーザビームを移動させて、前記製品の前記表面に対し前記切削点を半径方向に移動させることと、
を含む、前記レーザラッピングプロセス。
【請求項13】
前記プラットフォーム上で前記製品を支持するために、3つの台座を使用することをさらに含む、請求項12に記載のレーザラッピングプロセス。
【請求項14】
前記製品表面に対し浅い切り込み角度を前記レーザビームに形成させることをさらに含む、請求項12に記載のレーザラッピングプロセス。
【請求項15】
排気システムを使用して、前記切削点で前記レーザビームにより生じた残屑及びガス状生成物を除去することをさらに含む、請求項12に記載のレーザラッピングプロセス。
【請求項16】
センサを使用して、前記切削点で前記レーザビームにより生じた光及び/または音を感知することをさらに含む、請求項12に記載のレーザラッピングプロセス。
【請求項17】
前記センサを使用して、前記切削点が前記螺旋経路に沿って進む速度を制御することをさらに含む、請求項16に記載のレーザラッピングプロセス。
【請求項18】
前記製品はディスク状である、請求項12に記載のレーザラッピングプロセス。
【請求項19】
前記製品は円筒形である、請求項12に記載のレーザラッピングプロセス。
【請求項20】
前記多結晶ダイヤモンド材料は、前記製品の最上層内に配置され、前記製品の第2の層は、多結晶ダイヤモンド材料を含まない、請求項12に記載のレーザラッピングプロセス。
【請求項21】
前記製品は、1つ以上の他の形態のダイヤモンドまたは他の超硬材料を含み、板(円形または長方形)またはロッド(円形、または正方形、または不規則な未加工の形)に成形される、請求項12に記載のレーザラッピングプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年1月27日に出願されたれた米国仮特許出願第63/267,224号に対する優先権を主張する。米国仮特許出願第63/267,224号の開示全体が、本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、多結晶ダイヤモンド(PCD)材料などの非常に硬い材料を含む表面の加工(特にラッピング)、ポリッシング、及び/またはコンタリングを行うためのレーザ装置及び方法に関する。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、より具体的には、製品を支持して回転させるためのプラットフォームと、製品の表面にレーザビームを送るためのレーザデバイスとを有するレーザ加工マシンに関する。本開示の一態様によれば、製品は多結晶ダイヤモンドを含み得、プラットフォーム及びレーザデバイスは、製品表面にわたり螺旋経路に沿って切削点を移動させるように構成される。
【0004】
本開示は、製品の円形表面から、多結晶ダイヤモンド材料などの材料を制御可能に除去するためのプロセスにも関する。プロセスは、回転可能なプラットフォーム上で製品を支持することと、製品表面にレーザビームを送って、切削点で材料を除去することと、プラットフォームを回転させて、レーザビームに対して表面を回転させることと、レーザビームを移動させて、切削点を表面に対し半径方向に移動させることと、を含み得る。本開示の一態様によれば、プラットフォームの回転及びレーザビームの半径方向の移動により、切削点は、製品表面にわたり螺旋経路に沿って移動する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本開示に従って構築されたレーザラッピングマシンの概略側面図である。
図2図1に示されるマシンの一部の上面図である。
図3図1に示されるマシン内のレーザビーム及び多結晶ダイヤモンド(PCD)ディスクの一部を示し、図2に示される線3-3に沿った部分的断面図である。
図4図1に示されるマシンを作動させる、すなわち制御する方法のフローチャートである。
図5図1に示されるマシンを使用する複数ステップの方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図面を通して、同様の要素は、同様の参照番号及び他の文字で示される。図面は、本開示の例示及び説明を目的とした非限定的な実施例を示しており、縮尺通りに描かれてはいない。
【0007】
図1は、本開示に従って構成されたレーザラッピングマシン10の実施例を示す。示されるマシン10は、多結晶ダイヤモンド(PCD)ディスク(製品の例)14を支持するためのターンテーブル12と、レーザビーム18を生成し、集束し、照準を合わせるためのレーザ装置(レーザデバイスの例)16とを有する。作動時、レーザビーム18は、可動切削点22にて、ディスク14の円形上面20からPCD材料を除去する。
【0008】
示されるマシン10はまた、マシン10から残屑及びガス状生成物26を除去するための排気システム24を有する。残屑及びガス状生成物26は、切削点22にて、ディスク14の上面20に入射するレーザビーム18のエネルギーにより生じる。
【0009】
ターンテーブル12は、マシン10内でPCDディスク14を支持する3つの台座32、34、36(図2)を備えたプラットフォーム30を有し得る。必要に応じて、このような台座は3つより少なくまたは多く存在してもよいが、プラットフォーム30に対するディスク14のぐらつきまたは位置ずれを防止するためには、3つの台座32、34、36を使用することが望ましくあり得、使用しなければ、ディスク14の底面38(図1)が完全に平らではない場合、このようなぐらつきまたは位置ずれが生じ得る。
【0010】
プラットフォーム30は、適切な主軸40により支持され、回転される。必要に応じて、主軸40内に吸引ガス経路(図示せず)が配置され得、これは、吸引によりディスク14をプラットフォーム30に固定する際に使用される。プラットフォーム30の回転速度は、適切なモータ42により制御され得る。
【0011】
レーザ装置16は、例えば、レーザビーム18を生成するためのレーザヘッド50と、レーザエネルギーをレーザヘッド50に提供するための光ファイバデバイス52と、切削点22にレーザビーム18を集束させるための適切なビーム形成装置54と、を含み得る。ビーム形成装置54は、1つ以上の集束レンズ56及び1つ以上のミラー58など、適切なビーム成形要素及びビーム誘導要素を有し得る。レーザビーム18の波長λは、例えば1064nm(λ=1064nm)であり得る。
【0012】
作動時、レーザビーム18は、中心軸60の周りに収束する円錐形であり得る。レーザビーム18の軸60と、PCDディスク14の上面20を含む平面62との間の角度αは、円錐形レーザビーム18の収束角βの2分の1より大きい(α>1/2β)。しかし、軸60は、この制約内で実行可能な限り、上面平面62にほぼ平行であり得る。
【0013】
レーザエネルギーにより生じた残屑が矢印64の方向に移動し、切削点22の周りに蓄積しないように、レーザビーム18がディスク14の上面20に切り込む角度αは、浅くなければならない。切り込み角度αが90°または90°に近い場合、ビーム18は、ディスク14のPCD材料に深く切り込みすぎてしまい、望ましくない。好ましい構成では、ビーム18は、上面平面62に対してほぼ水平の視射角αを形成する。視射角αは、例えば3°~7°の範囲(3°≦α≦7°)であり得る。
【0014】
作動時、ビーム18が切り込む切削点22が、ディスク14の外側半径方向70(図2)に移動するように、レーザ装置16はビーム18を移動させる。例えば、切削点22は、最初に点A、次に点B、次に点Cに存在し、切削点22は、点Aから点Bへ、次に点Cへと、スムーズに移動し得る。同時に、ディスク14は、プラットフォーム30により角度方向72に回転され、これにより、切削点22は、単一の螺旋経路(図2で螺旋74により概略的に示される)に沿ってPCDディスク14の上面20全体を実質的に覆う。螺旋経路74の始点Aは、ラッピングプロセスの開始時に確認され得る。必要に応じて、ラッピングプロセスが完了した後、結果得られた経路74が顕微鏡検出により視覚的に確認され得る。
【0015】
切削点22が螺旋経路74に沿って進むやり方は、有利である。数ある中でも、これを使用して、ディスク14の上面20にわずかに円錐形の構成が提供され得、表面中心A、76付近の切削点22の高さは、ディスク14の外周78付近の切削点22よりも高い。よって、上面20を大きい範囲または小さい範囲でコンタリングするために、示されるラッピングマシン10が使用され得る。
【0016】
必要に応じて、レーザビーム18を使用して、ディスクの外周78に丸い面取りが作成され得る。必要に応じて、表面中心76は、ディスク表面20上の他の位置よりもわずかに大きい隆起(上面平面62に直交する方向の厚さ)を有し得る。必要に応じて、マシン10は、平坦面、凸面、または凹面を有する最終ディスクを形成するように構成され得る。最終製品の加工表面内の高低差は、10μm~60μmの範囲、またはそれ以上であり得る。
【0017】
再び図1を参照すると、排気システム24は、シュラウド80と、煙突82とを含み得る。シュラウド80は、プラットフォーム30及びディスク14の大部分を取り囲み得、レーザビーム18によりPCDディスク14の上面20から除去されるいずれの残屑も受け取り、マシン10から除去するように配置され得る。作動時、残屑は、火山の噴火のようにディスク表面20から上方に放出される傾向がある。残屑を切削点22の周りの領域からシュラウド80内に移動させるために、圧縮空気(図示せず)が使用され得る。
【0018】
煙突82は、ディスク表面20に作用するレーザビーム18により生じた高温のガス状物質及び粒子状物質を排気する(すなわちマシン10から除去する)ように構成され得る。特に、煙突82は、ディスク14から火及び煙を引き離すために使用され得、これは、マシン10を清潔に保つのに役立ち得る。
【0019】
必要に応じて、少なくともターンテーブル12及び排気システム24を含むマシン10のすべてまたは大部分は、防音及び温度絶縁の保護用筐体またはキャビネット(図示せず)内に配置され得る。排気システム24は、筐体/キャビネットから高温の空気、ガス状生成物、及び粒子状残屑を安全に除去するために使用され得る。残屑は、必要に応じて、ミクロンフィルタ(図示せず)により空気及びガス状生成物から分離され得る。必要に応じて、排気システム24が適切に作動していることを確認するために、空気質モニタ(図示せず)が使用され得る。
【0020】
示されるレーザラッピングマシン10の利点は、レーザビーム18のエネルギーにより生じる残屑及びガス状生成物が環境に優しいことである。マシン10は、特別な処理が必要な実質的な消耗品または廃棄物を全く生じない。
【0021】
ディスク14の回転速度(角度方向72)、切削点22を半径方向70に移動させるためにビーム18を移動させる速度、切り込み角度α、及びビーム18の強度は、適切な制御ライン102、104でモータ42及びレーザ装置16に動作可能に接続された適切なコントローラ100(図1)により制御され得る。作動時、最終製品の形状を制御するために、コントローラ100により、ディスク14の回転速度、切削点22が半径方向74に移動する速度、及び切り込み角度αが制御され得る。
【0022】
必要に応じて、マシン10は、切削点22付近の光特性及び/または音量を感知するための光センサ及び/または音センサ110も含み得る。ここで図3を参照すると、ディスク14の上面20が滑らかでない場合、時にビーム18が比較的高位の領域112に集束される間は、レーザビーム18は多結晶ダイヤモンド(PCD)材料に積極的に切り込みまたは貫通し、あるいは、時にビーム18の焦点が低位領域114上にある間は、レーザビーム18はPCD材料に積極的に切り込むまたは貫通することはない。
【0023】
レーザビーム18がPCD材料に積極的に切り込むまたは貫通すると、レーザビーム18の破壊エネルギーにより、光(エネルギー気化により生成される)及び音が生じる。光センサ及び/または音センサ110は、このような光及び/または音の違いを検出し、対応する信号を適切なライン116でコントローラ100に送信し得る。
【0024】
コントローラ100は、光センサ及び/または音センサ110からの信号(116)を使用して、切削点22が螺旋経路74上を移動する速度を制御し得る。すなわち、切削点22は、表面20の積極的な切削が行われている時は、螺旋経路74上を(上面20に対して)比較的低速で(速度Aで)移動し、積極的な切削が行われていない時は、より高速で(速度B(B>A)で)移動し得る。その結果、切削点22の移動がプロセス全体で同一である状況と比較して、PCDディスク14の上面20のラッピングまたは他の所望の加工は、より迅速かつ効率的に実行され得る。
【0025】
図4に、プロセスアルゴリズムが示される。プロセスの開始時、ラッピング速度は、第1のラッピング速度Aに等しい(ステップ130)。光センサ及び/または音センサ110が閾値未満の光及び/または音を監視または検出した場合(ステップ132でYesに進む場合)、ラッピング速度は、第2のラッピング速度Bに加速される(ステップ134)。
【0026】
光センサ及び/または音センサ110が閾値以上の光及び/または音を監視または検出した場合(ステップ132でNoに進む場合)、ラッピング速度は、第1のラッピング速度Aに減速または維持される(ステップ132及びステップ136におけるNoの後のステップ130)。言い換えると、ビーム18がPCD材料を全く切削していない時、螺旋経路74に沿ったビーム18の相対位置の移動は加速され得る。ディスク14の表面20全体が加工されると(ステップ136またはステップ138からYesに進む場合)、このフィードバック制御プロセスは終了する。
【0027】
マシン10が故障した場合に警報をトリガーするためにも、センサ110による光及び/または音の監視は使用され得る。
【0028】
ここで図5を参照すると、ディスク14の上面20は、複数の連続したステップで加工され得る。初めに、表面20は、レーザビーム18により目標の厚さまでラッピングされ得る(ステップ200)。次に、ディスク表面14の形状が、超音波cスキャン、タッチプローブ、またはレーザ深さセンサにより特定される(ステップ202)。次に、上面20はさらに、検査中(すなわちステップ202中)に検出された輪郭から所望の輪郭へと表面20の輪郭を変えるように、精巧な表面ラッピングを受ける(ステップ204)。
【0029】
マシン10で連続的に加工するディスク14は、開始時点での輪郭が異なるため、ステップ200、202、204を示された順序で実行することは、特に重要であり得る。
【0030】
精巧ラッピングステップ204の後、所望の最終製品を作り出すために、ディスク14は、最終ポリッシングにかけられ得(ステップ206)、これにはケミカルポリッシング及び/またはメカニカルポリッシングが含まれ得る。
【0031】
本開示の好ましい態様によれば、自動化された高スループットプロセスで、ディスクは、示されたマシン内に自動的に装填され、処理され得る。例えば、複数の未加工のディスクは、遮蔽筐体/遮蔽キャビネット内の装填ドック(図示せず)上の1つ以上のスタックに配置され得る。ディスクの厚さは、ほぼ同じであり得る。次に、オペレータは、加工するディスクの量、開始する高さ位置、及び除去する所望の厚さを指定し得る。次に、適切なロボットアームによりディスクが一度に1枚ずつプラットフォーム30に装填されて、一度に1枚ずつ加工され得、個々のディスクごとに自動的に加工データが収集され得る。オペレータが、ディスクを装填ドックに装填するという1つのステップを行うだけで、すべてのディスク(例えば最大25枚のディスク)を、所望の正確な厚さ及び輪郭に加工することができる。
【0032】
本明細書で説明されるレーザラッピングプロセスの利点として、表面加工を半径方向外側にディスク14の外周78まで幅広く行うことができ、これにより、ディスク14全体が、その後製品として使用できるように構成され得ることが挙げられる。対照的に、放電加工(EDM)プロセスでは、最大約5mm幅の未加工の(よって使用できない)周縁部を有したディスクが取り残され得る。さらに、EDMでは、時間及び材料の種類、ならびに他の侵食パラメータにより侵食速度が変動するため、表面形状及び除去厚さを制御することが困難である。EDM加工に伴う欠点として、a)所望の表面形状を実現できないことと、b)除去量の制御が難しく、製品収量が低下し得ることと、が挙げられる。
【0033】
本開示の一態様によれば、ディスク14のPCD材料は、ディスク14の上部220(図1)内にのみ配置され得、一方、ディスク14の下部222は、タングステンカーバイド(WC)またはその他の適切な材料で形成され得る。
【0034】
前述では、本開示の実施例が説明された。実施例は本開示を例示することを意図しているが、本開示は実施例により限定されるべきではない。例えば、本開示は、比較的大きな直径で薄いディスク14に関連して説明されたが、マシン10は、円筒形状の製品、または長方形プレートのような非円形部品を加工するように構成されることもできる。本明細書で実施例として説明されるレーザマシン10は、円形部品だけでなく、長方形製品及び他の形状を有する製品もラッピングすることができる。必要に応じて、正方形部品を円形プラットフォーム30に取り付けて、表面加工を行うことができる。必要に応じて、本明細書で説明されるような装置及び技法を使用して、正方形または未加工のロッドが円筒形部品にマシン加工(または輪郭形成)され得る。
【0035】
さらに、本開示は、多結晶ダイヤモンド(PCD)以外の材料、特に他の非常に硬い材料、例えば非限定的に合成単結晶ダイヤモンド(MCD)及び窒化ホウ素(BN)などに対し、ラッピング及び他の加工を行う方法に、適用可能であり得る。
【0036】
米国の特許状により、新規として特許請求され、保護されることが望まれるものは、下記の通りである。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】