(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109856
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】基板処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20230801BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20230801BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20230801BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
H01L21/31 B
H01L21/31 C
H01L21/302 101G
H01L21/02 Z
C23C16/44 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078951
(22)【出願日】2023-05-12
(62)【分割の表示】P 2022071231の分割
【原出願日】2022-04-25
(31)【優先権主張番号】20215555
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(71)【出願人】
【識別番号】510275024
【氏名又は名称】ピコサン オーワイ
【氏名又は名称原語表記】PICOSUN OY
【住所又は居所原語表記】Tietotie 3, FI-02150 Espoo, Finland
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】キルピ ヴァイノ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】装置のメンテナンスを改善する基板処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】反応室(50)と、反応室を少なくとも部分的に囲み反応室との間に中間ボリューム(70)を形成する外室(80)と、反応室内に配される基板支持部(40)とを備える基板処理装置(100)であって、基板支持部は中空の内部空間(42)を有し、中空の内部空間と中間ボリューム(70)との間は、チャネル(45)を通じて流体が行き来できる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応室と;
前記反応室を少なくとも部分的に囲み、前記反応室との間に中間ボリュームを形成する外室と;
前記反応室内に位置し、中空の内部空間を有する基板支持部と;
を備え、前記中空の内部空間と前記中間ボリュームとは、前記中空の内部空間から前記中間ボリュームへと延びるチャネルを通じて流体が行き来できるようになっている、基板処理装置。
【請求項2】
前記チャネルは配線を収容し、前記配線は前記チャネル内で前記基板支持部から前記中間ボリュームへと延びる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記配線は、前記外室の底部の少なくとも1つのフィードスルーを通じて前記外室を出る、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記反応室の少なくとも下部及び前記基板支持部を含むアセンブリに取り付けられている接続フランジに対して少なくとも1つのフィードスルー部が着脱可能に取り付けられている、請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記接続フランジは、前記外室の底部フランジに着脱可能に取り付けられている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記反応室を昇降させるように構成されるアクチュエータと、
反応室排気ライン内に、縦方向の移動を可能とする、長手方向に延びる管状部分と、
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記長手方向に延びる管状部分に巻かれる配線を備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記チャネルの長さを伸ばすことにより前記基板支持部の縦方向の位置を調整するように構成される、請求項1,6,7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
基板支持部により構成される基板テーブルの高さを、前記チャネルの一部を形成する長手方向伸長部の長手方向の寸法を変えることによって上下させるように構成されるアクチュエータを備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
プラズマ形成のためのアンテナを、前記反応室内の前記基板支持部の上側に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記アンテナの下流のポイントで非プラズマガスを放電するための前駆体パイプを備え、前記前駆体パイプは、複数の前記アンテナの間の空間に延設され、また前記反応室内に延設されている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
基板処理装置であって、
反応室と;
前記反応室を少なくとも部分的に囲み、前記反応室との間に中間ボリュームを形成する外室と;
前記反応室内の基板支持部と;
を備え、前記基板支持部は、前記反応室の壁に固定され、前記反応室の底部に接続される排気ラインの伸縮により前記反応室と共に縦方向に移動可能である、基板処理装置。
【請求項13】
基板処理装置を分解する方法であって、
前記基板処理装置は反応室と、前記反応室を少なくとも部分的に囲み、前記反応室との間に中間ボリュームを形成する外室と、前記反応室内の基板支持部とを備え、前記方法は、
前記基板支持部と前記反応室の下部とを含む反応室アセンブリを、前記外室の底部構造から取り外すことと;
前記基板支持部から吊り下げられた配線及び該配線のプラグを、前記底部構造に設けられる開口部を通じて前記外室の外側から前記中間ボリュームへ動かすことと;
メンテナンスのために、前記反応室アセンブリを前記配線及び該配線のプラグと共に持ち上げて取り外すことと;
を含む、方法。
【請求項14】
前記反応室アセンブリを取り外すことは、前記外室の前記底部構造から前記反応室アセンブリの接続フランジを取り外すことを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記接続フランジを取り外すことは、前記底部構造から、前記底部構造に設けられる前記開口部を封止するシールフィードスルー部を取り外すことを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して基板処理装置及び方法に関する。より詳細には、本発明は化学堆積リアクター又はエッチングリアクターに関する。ただしそれに限られない。
【発明の背景】
【0002】
このセクションは、有用な背景情報を説明するが、ここで説明されている技術が技術水準を示していることを認めている訳ではないことに注意されたい。
【0003】
化学堆積リアクター又はエッチングリアクターにおいて、処理される基板は基板支持部に支持される。基板支持部は通常、配線やチューブを必要とする。しかし、装置内での配線やチューブの位置は、清掃や通常のメンテナンスを行うためにはアクセスしづらい場所にあり、メンテナンスのためのダウンタイムに悪影響を及ぼしている。
【摘要】
【0004】
本発明のある実施形態の目的は、装置のメンテナンスを改善するための基板処理装置及び方法を提供すること、又は少なくとも、既存技術に対する代替ソリューションを提供することである。
【0005】
本発明の更なる例示的側面によれば、次の基板処理装置が提供される。この装置は、
反応室と;
前記反応室を少なくとも部分的に囲み、前記反応室との間に中間ボリュームを形成する外室と;
前記反応室内に位置し、中空の内部空間を有する基板支持部と;
を備え、前記中空の内部空間と前記中間ボリュームとは、前記中空の内部空間から前記中間ボリュームへと延びるチャネルを通じて流体が行き来できるようになっている。
【0006】
実施例によっては、前記装置の基板処理ステージにおいて、前記中間ボリュームと、前記基板支持部の前記中空の内部空間とは、前記チャネルを通じて共通の圧力空間を形成する。実施例によっては、前記チャネルの数は2つ以上であり、例えば3つである。
【0007】
実施例によっては、前記チャネルは反応室壁内のフィードスルーを通る。実施例によっては、前記基板支持部は、前記中空の内部空間から前記反応室壁内の前記フィードスルーへと延びる前記チャネルを収容する突出部を有する。
【0008】
実施例によっては、前記反応室の内部空間は前記チャネルを囲む。
【0009】
実施例によっては、基板処理段階の間、前記中間ボリュームは、前記反応室の基板処理空間から切り離されている(又は隔離されている)。
【0010】
実施例によっては、前記中空の内部空間は、前記中間ボリュームや、前記中空の内部空間と前記中間ボリュームとの間の流体的接続を形成する前記チャネルと同じ圧力下にある。実施例によっては、前記チャネルは、反応室と同じ圧力を有する領域に囲まれている。実施例によっては、基板処理の間、前記反応室は、前記中間空間内の圧力よりも低い圧力を有する。
【0011】
実施例によっては、前記基板支持部は、着脱可能に取り付けられている又は着脱可能な基板テーブルを有する。
【0012】
実施例によっては、前記基板支持部は、前記基板支持部の前記中空の内部空間から前記チャネルを通って前記中間ボリューム内へ達し、さらにそこから前記外室の外部へと達する配線を有する。
【0013】
実施例によっては、前記チャネルは配線を収容し、前記配線は前記チャネル内で前記基板支持部から前記中間ボリュームへと延びる。
【0014】
実施例によっては、前記配線は、前記中間ボリュームから前記外室の外部へと更に延びる。
【0015】
実施例によっては、前記基板支持部は、基板テーブルと、台座(又は底部カバー)とを有する。実施例によっては、前記台座は、支持構造に対して(例えば前記反応室に対して)前記台座を支持する1つ又は複数の台座脚を有する。実施例によっては、1つの台座脚が前記チャネルを提供する。(2つ以上の(又は各)台座脚がチャネルを有する場合は、複数のチャネルが提供される。)
【0016】
実施例によっては、前記配線は、前記外室の底部の少なくとも1つのフィードスルーを通じて前記外室を出る。
【0017】
実施例によっては、少なくとも1つのフィードスルー部は、前記外室の底部フランジに対して着脱可能に取り付けられている又は着脱可能である。実施例によっては、少なくとも1つのフィードスルー部は、反応室アセンブリに取り付けられた接続フランジに対して着脱可能に取り付けられている又は着脱可能である。
【0018】
実施例によっては、実施例によっては、少なくとも1つのフィードスルー部は、前記反応室の少なくとも下部及び前記基板支持部を含むアセンブリのフランジに対して着脱可能に取り付けられている又は着脱可能である。
【0019】
実施例によっては、実施例によっては、前記少なくとも1つのフィードスルー部は、前記中間ボリュームの前記底部フランジに対して、上側又は下側から取り外し可能な少なくとも1つの留め具によって、着脱可能に取り付けられている又は着脱可能である。実施例によっては、前記少なくとも1つのフィードスルー部は真空フランジである。前記真空フランジの外径は前記チャネルの内径より小さい。
【0020】
実施例によっては、前記接続フランジは、前記外室の底部フランジに対して着脱可能に取り付けられている又は着脱可能である。
【0021】
実施例によっては、前記中間ボリュームの前記接続フランジは、前記外室の前記底部フランジに対して、上側又は下側から取り外し可能な少なくとも1つの留め具によって、着脱可能に取り付けられている又は着脱可能である。
【0022】
実施例によっては、前記装置は、反応室ボウルの底部から始まる反応室排気ラインを備える。実施例によっては、前記排気ラインは前記外室の底部を通じて前記外室を出る。
【0023】
実施例によっては、前記排気ラインは、前記反応室の下において、前記反応室の回転対称軸の周りに対称的に位置する。実施例によっては、前記排気ラインは前記外室の前記底部フランジを通って中央を走る。(また、(オプションの)接続フランジを通って中央を走る。)
【0024】
実施例によっては、前記装置は、前記反応室を昇降させるように構成されるアクチュエータを備える。また、反応室排気ライン内に、縦方向の移動を可能とする、長手方向(縦方向)に延びる管状部分又は管を備える。
【0025】
実施例によっては、前記縦方向の移動を可能とすることは、前記排気ラインの縦方向の伸縮を可能とすることにより実装される。
【0026】
実施例によっては、前記装置は、前記長手方向に延びる管状部分の周りに巻かれた配線(電気配線の束)を備える。
【0027】
実施例によっては、前記装置は、前記チャネルの長さを伸ばすことにより前記基板支持部の縦方向の位置を調整するように構成される。前記基板支持部は、上部又は基板テーブルと、前記基板テーブルの下の台座(底部又は底部カバー)とで構成される。実施例によっては、前記台座は、前記チャネルを形成する脚を有する。実施例によっては、前記脚の数は少なくとも1つである。実施例によっては、前記脚の数は少なくとも2つである。実施例によっては、前記脚の数は3つ以上である。実施例によっては、前記脚は対称的に位置している。
【0028】
実施例によっては、前記装置は、基板支持部により構成される基板テーブルの高さを、前記チャネルの一部を形成する長手方向伸長部の長手方向の寸法を変えることによって上下させるように構成される、アクチュエータを備える。従って、実施例によっては、前記装置は、前記台座脚の長さを調節するように構成されるアクチュエータを備える。実施例によっては、前記チャネル(又は前記台座脚)を形成する前記長手方向(又は縦方向)伸長部は、ベローズ(又は真空ベローズ)や、入れ子になったサブパーツによって実装される。例えば、内部で互いに縦方向に動くことが可能な、入れ子になった直径の異なる2つ以上の管状部品によって実装される。そのようにして、前記長手方向伸長部の収縮形状及び伸長形状が実現され、前記基板支持部(又は支持テーブル)の縦方向の位置を変えることを可能にする。
【0029】
実施例によっては、前記装置は、プラズマ形成のためのアンテナを、前記反応室内の前記基板支持部の上側に備える。実施例によっては、前記アンテナは、プラズマアプリケータの放射線送信アンテナである。実施例によっては、前記放射線送信アンテナは、前記反応室により提供される中空の内部空間内に位置する。実施例によっては、前記アンテナ及び前記基板支持部の両方が、同じ中空の内部空間に位置する。又は、前記アンテナと処理される基板の両方が、同じ空間内に位置するように構成される。
【0030】
実施例によっては、前記装置は、前記アンテナの下流のポイントで非プラズマガスを放電するための前駆体パイプを備える。前記前駆体パイプは、複数の前記アンテナの間の空間に延設され、また前記反応室内に延設されている。実施例によっては、前記装置は更にプラズマガスインレットを備える。前記プラズマガスインレットは、複数の前記アンテナの上から、これらのアンテナの間を通ってこれらのアンテナの下へと流れるプラズマガスのフローを提供する。前記アンテナは、カバーチューブの中に位置していてもよい。プラズマ処理の間、プラズマガスが前記アンテナを通過するときにプラズマが着火される。形成されたプラズマ種は基板支持部に向かって(即ち基板に向かって)下降する。
【0031】
本発明の第2の例示的側面によれば、次のような基板処理装置が提供される。この装置は、
反応室と;
前記反応室を少なくとも部分的に囲み、前記反応室との間に中間ボリュームを形成する外室と;
前記反応室内の基板支持部と;前記基板支持部は、前記反応室の壁に固定され、前記反応室の底部に接続される排気ラインの伸縮により前記反応室と共に縦方向に移動可能である。
【0032】
本発明の第3の例示的側面によれば、基板処理装置を分解する方法が提供される。この基板処理装置は反応室と、前記反応室を少なくとも部分的に囲み、前記反応室との間に中間ボリュームを形成する外室と、前記反応室内の基板支持部とを備える。前記方法は、
前記基板支持部と前記反応室の下部とを含む反応室アセンブリを、前記外室の底部構造から取り外すことと;
前記基板支持部から吊り下げられた配線及び該配線のプラグを、前記底部構造に設けられる開口部を通じて前記外室の外側から前記中間ボリュームへ動かすことと;
メンテナンスのために、前記反応室アセンブリを前記配線及び該配線のプラグと共に持ち上げて取り外すことと;
を含む。
【0033】
実施例によっては、前記底部構造は前記外室の底部フランジを含む。実施例によっては、前記取り外すことは、前記底部構造の環境圧力側から各留め具を外すことによって行われる。
【0034】
実施例によっては、前記配線及び前記プラグとの語句は、電気配線及びそのプラグに加えて、フルードのためのチューブと前記フルードのコネクタについても適用される。
【0035】
実施例によっては、前記反応室アセンブリを取り外すことは、前記外室の前記底部構造から前記反応室アセンブリの接続フランジを取り外すことを含む。
【0036】
実施例によっては、前記接続フランジは、前記反応室ボウルから下方に延びる排気ラインに取り付けられる。実施例によっては、前記排気ラインは管状部分及び不動部分を有する。前記管状部分は柔軟性を有する部分及び/又は長手方向に伸縮可能な部分である。前記不動部分は前記管状部分の下にある。実施例によっては、前記接続フランジは、前記排気ラインの前記不動部分に取り付けられる。
【0037】
実施例によっては、前記接続フランジを取り外すことは、前記底部構造から、前記底部構造に設けられる前記開口部を封止するシールフィードスルー部を取り外すことを含む。
【0038】
様々な捉え方や実施形態を紹介してきたが、これらは発明の範囲を限定するために提示されたものではない。上述の実施形態は、本発明の実施にあたり使用され得る特定の態様やステップを説明するために用いられたに過ぎない。実施形態によっては、特定の例示的側面を参照してのみ提示されるかもしれない。いくつかの実施形態は他の実施形態にも適用可能であることが理解されるべきである。特に、前記第1の捉え方に関連して説明した実施形態は、別の捉え方についても適用可能であり、また逆も同じである。上記実施形態は適宜組み合わせ可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
以下、添付図面を参照しながら例を用いて本発明を説明する。
【
図1】ある実施例に従う基板処理装置の、基板処理段階における略断面図である。
【
図2】ある実施例に従う
図1の基板処理装置の、基板装填段階における略断面図である。
【
図3】ある実施例に従う
図1の基板処理装置の、基板処理段階における別の略断面図である。
【
図5】基板処理装置の他の実施例を示す。排気路の周囲に巻かれた配線を有する。
【
図6】ある実施例に従う基板処理装置の断面図である。プラズマソースを有する。
【
図7】調節可能な基板ホルダを備える基板処理装置の他の実施例を示す。台座脚が収縮状態になっている。
【
図8】
図7の基板処理装置において、台座脚が伸長状態である様子を示す。
【
図9】ある実施例に従い、メンテナンスのために基板処理装置を分解する方法のフローチャートを示す。
【
図10】別の実施例に従い、メンテナンスのために基板処理装置を分解する別の方法のフローチャートを示す。
【詳細説明】
【0040】
以下の説明において、一例として、原子層堆積(Atomic Layer Deposition, ALD)技術及び原子層エッチング(Atomic Layer Etching, ALE)技術が用いられる。
【0041】
ALD成長メカニズムの基本は当業者の知るところである。ALDは、少なくとも2種類の反応性前駆体種を少なくとも1つの基板に連続的に導入することに基づく、特殊な化学的堆積法である。基本的なALD堆積サイクルは4つの逐次的工程、すなわち、パルスA、パージA、パルスB、及びパージB、から構成される。パルスAは第1の前駆体蒸気から構成され、パルスBは別の前駆体蒸気から構成される。パージAおよびパージBでは、反応空間から気体の反応副産物や残留反応物分子をパージ(除去)するために、不活性ガスと真空ポンプが用いられる。堆積シーケンスは少なくとも1回の堆積サイクルにより構成される。所望の厚さの薄膜またはコーティングが生成されるまで堆積サイクルが繰り返されるように、堆積シーケンスが組まれる。堆積サイクルは、簡単にすることも、さらに複雑にすることもできる。例えば、堆積サイクルは、パージステップによって区切られた3回以上の反応物蒸気パルスを含むことができる。また、パージステップのいくつかは省略することもできる。PEALD(Plasma-Enhanced Atomic Layer Deposition,プラズマALD)のようなプラズマアシスト型ALDや、光アシスト型ALD(Photon-Assisted ALD)においては、1つ又は複数の堆積ステップが、表面反応のために必要な追加のエネルギーをプラズマの供給を通じて提供することによって補助される。または、1つ又は複数の反応前駆体がエネルギーによって代替されることができ、単一前駆体によるALDプロセスに繋がる。従って、パルスシーケンス及びパージシーケンスは個々のケースに応じて異なりうる。これらの堆積サイクルは、論理演算装置またはマイクロプロセッサによって制御される、時間的な堆積シーケンスを形成するものである。ALDによって成長した薄膜は緻密でピンホールがなく、かつ均一の厚さを有する。
【0042】
基板処理工程に関して述べると、通常少なくとも1枚の基板が、時間的に離間した複数の前駆体パルスに反応器(又は反応室)内で曝される。それによって、連続自己飽和表面反応で材料が基板表面に堆積される。本出願の記述において、ALDという用語は、全ての適用可能はALDベース技術や、例えば次のALDの亜類型のような、等価又は密接に関連したあらゆる技術を含むものとする。MLD(Molecular Layer Deposition,分子層堆積)、例えばPEALD(Plasma Enhanced Atomic Layer Deposition,プラズマALD)のようなプラズマアシスト型ALD(plasma-assisted ALD)、フラッシュ改良型ALD(flash enhanced ALD)又は光ALDとして知られる光アシスト型ALD(Photon-Assisted ALD))又は光改良型ALD(photon-enhanced ALD)。
【0043】
しかし、本発明はALD技術に限定されない。本発明は広く様々な基板処理装置に生かすことができ、例えば、化学蒸着(CVD)反応装置や、原子層エッチング(ALE)反応装置のようなエッチング装置に利用することもできる。
【0044】
ALEエッチングメカニズムの基本は当業者の知るところである。ALEにおいては、自己制御的(self-limiting)な連続反応ステップを用いて表面から物質層が除去される。典型的なALEエッチングサイクルは、反応層を形成する改質(modification)ステップと、反応層だけを取り除く除去(removal)ステップとを有する。除去ステップは、層の除去のためにプラズマ種(特にイオン)を用いる。プラズマ種のソースは様々であることができる。なるべく大きな領域にプラズマのソースを提供するプラズマアプリケータが好まれる。プラズマアプリケータは、例えばプラズマアレイ、中空の陰極、又はマイクロ波プラズマを含んでもよい。
【0045】
ALD技術及びALE技術に関して、自己制限表面反応(self-limiting surface reaction)とは、表面反応場が完全に使い果たされると、表面反応層における表面反応が停止し自己飽和することを意味する。
【0046】
図1は、ある実施例に従う基板処理装置100の、基板装填段階における略断面図である。基板処理装置100は、例えばALDリアクターやALEリアクターであってもよい。装置100は、反応室50と、反応室50を少なくとも部分的に囲む外室80(又は真空室)とを備える。反応室50と外室80との間に中間ボリューム70(又は中間空間)が形成される。実施例によっては、中間ボリューム70は外室80内の反応室50の外側に形成される。従って中間ボリューム70は、外室壁及び反応室壁によって画定され、これらの間に形成される。
【0047】
装置100は更に反応室50内に基板支持部40を備える。基板支持部40は中空の内部空間42を備える。実施例によっては、基板テーブル48(又はウェーハテーブル)は、基板支持部40の上部を形成する。基板支持部40は更に、基板テーブル48の下に底部又は台座49を有する。基板支持部40は、丸みを帯びたボウルの基部の周囲に1つ、2つ、3つ又はそれ以上の台座脚を備えてもよい。実施例によっては、丸みを帯びたボウルに、互いに等距離に配された3つの台座脚が設けられる。実施例によっては、基板テーブル48と台座49の間に中空の内部空間42が形成される。実施例によっては、中空の内部空間42は基板テーブル48の下に位置する。
【0048】
反応室50はガス処理空間を備える。ガス処理空間は反応室50内の空間であり、基板処理段階の間、プロセスガスが流れる空間である。(その間、基板は基板テーブル48上に置かれている。)実施例によっては、中空の内部空間42はガス処理空間から隔離されている。台座49は、中空の内部空間42から中間ボリューム70へと繋がるチャネル45を備える。それによって、空間42と70は流体が行き来することができる。実施例によっては、チャネル45は反応室50のガス処理空間に囲まれている。しかし、基板処理中においては、チャネル45からガス処理空間へと流体が流れることはできない。実施例によっては、空間42はチャネル45に沿って反応室壁まで延び、さらにそこから中間ボリューム70へと繋がっている。従って実施例によっては、中間ボリューム70は反応室50の内部から空間42内へと繋がっている。しかし、反応室50のガス処理空間からは隔離されている。実施例によっては、中間ボリューム70、チャネル45、空間42は互いに流体が行き来することができ、すなわち連続した空間を形成しており、共通の(すなわち同じであるか少なくとも同じような)圧力を有している。実施例によっては、チャネル45は実質的に縦方向に向いている。実施例によっては、装置は複数の前記チャネル45を有しており、例えば3つのチャネル45を有している。実施例によっては、チャネル45は台座脚に実装されている。実施例によっては、台座脚は台座部49を反応室壁に繋いでいる。
【0049】
空間42は、基板テーブル48が必要とする様々な配線43を収容している。例えば電気ケーブル、ヒーターやセンサーのための配線を収容している。本明細書において「配線」との語句は、保護ガスやオプションのクーラント等のガス及び/又は液体のためのチューブを表すことがあり、空間42はそのようなチューブである配線43を収容していてもよい。これらの配線43はチャネル45によって空間42から中間ボリューム70へと案内される。外室80の壁部は壁の内外で異なっている圧力に耐えることができる。例えば、一方が真空圧で他方が大気圧である状況に耐えることができる。実施例によっては、基板処理中において、中間ボリューム70は真空であり、外室80の外側の空間は(それより高い)大気圧や室内圧力である。
【0050】
装置100は少なくとも1つのフィードスルー部44を備える。フィードスルー部44は配線43を、基板テーブル48から中間ボリューム70を通って外室80の外部へと案内する。実施例によっては、フィードスルー部44は外室80の壁構造(好ましくは外室80の底部構造)に取り付けられている。実施例によっては、上記壁構造は外室80の底部フランジ89である。実施例によっては中間ボリューム70の底部に更なるフランジが設けられる。以降でこのフランジを接続フランジ88と表す。実施例によっては、上記フランジ88、89は重なり合っており、互いに結合されているか又は結合可能である。実施例によっては、上記フランジ88、89は、例えば留め具47によって、互いに結合されているか又は結合可能である。実施例によっては、フィードスルー部44は、これらフランジ88、89を通る。
【0051】
実施例によっては、少なくとも1つのフィードスルー部44はフランジ88にのみ結合している。
【0052】
実施例によっては、
図1に示されるように、外室80の構造は、実質的に中央の首部に向かってくびれている。この首部は、底部フランジ89へ向かって延びる管状空間(又は管状部分)55を形成する。管状空間55は排気ライン又はフォアライン30を含む。排気ライン又はフォアライン30は、反応室50から底部フランジ89(及び接続フランジ88)を通って(図示されない)真空ポンプへと延びる。
【0053】
実施例によっては、排気ライン30の一部は長手方向に延びる(管状の)部分35として形成される。部分35は収縮形状と(少なくとも1つの)伸長形状とを有する。これらの形状は、排気ライン30の上部に位置する反応室50に対して実質的に縦方向の移動を可能とする。反応室50はボウル状の部品であってもよい。または、回転対称性を有する他の(例えば円筒状の)部品であってもよい。
【0054】
実施例によっては、部分35は真空ベローズによって実装されてもよい。実施例によっては、部分35は入れ子になったサブパーツによって実装される。例えば、直径が異なる2つ以上の管状の部品が、内部で違いに縦方向に動けるように入れ子にされることで、収縮形状と伸長形状とが実現される。
【0055】
実施例によっては、接続フランジ88は反応室50に取り付けられる。実施例によっては、これは、排気ライン30に固定された接続フランジ88によって実現される。
【0056】
外室80の底部フランジ89は、外室80の主要部分上に載置されるか当該主要部分に固定されてもよい。実施例によっては、底部フランジ89は、取付ポイント又は取付領域81において外室80の主要部分に固定されてもよい。実施例によっては、取付ポイント又は取付領域81は、(例えば前記主要部分の底端に位置する)更なるフランジによって提供されてもよい。実施例によっては、取付ポイント又は取付領域81は、空間又は部分55を避けるように設けられる。
【0057】
実施例によっては、装置はアクチュエータ53を備える。アクチュエータ53は、外室フィードスルー52を通って延設される力伝達要素(又は力伝達ロッド)51を有する。力伝達要素(又は力伝達ロッド)51は反応室50に(その端部又は外壁において)取り付けられる。
【0058】
図1において、反応室50は、上側の対応部分(又は対応面)20に接触する。対応部分(又は対応面)20は、例えば蓋システムや側壁部であってもよい。これは、基板処理の間、反応室50の内部を中間ボリューム70からシールするためである。少なくとも1つ基板が、処理されるために、基板テーブル48の上又は情報に位置されてもよい。基板は図示されていない。この処理は、例えば真空下で行われるALDやALEであってもよい。
【0059】
図2は、反応室50が、基板処理のための第1状態から基板装填のための第2状態へと動かされることができることを示している。この動きはアクチュエータ53によって可能とされ、また部分35のために排気ライン30が収縮可能な範囲で可能とされる。反応室50が第2状態にあるとき、対応部分20可動反応室50との間に装填のためのギャップが形成される。このギャップを通じて(処理の前に)1つ又は複数の基板が挿入されて基板テーブル48に載置され、処理が終わった後に当該基板が基板テーブル48から取り除かれ上記ギャップから取り出される。反応室50の可動部分を第2状態から第1状態へと上昇させることにより、反応室50の基板処理形態が再開されてもよい。実施例によっては、可動反応室50の縦方向の動きを容易とすべく、長手方向に延設される部分における配線43は、らせん状に配される。
【0060】
フィードスルー部44は配線43のためのフィードスルーであり、真空圧領域を大気圧領域からシールするためのフィードスルーとして提供される。実施例によっては、フィードスルー部44は真空フランジによって実装され、例えばKF16真空フランジによって実現される。配線43は、例えばろう着によってフィードスルー部44に取り付けられる。なお「配線」との語句は、(好ましくは金属製の鞘を有する)シーズ線やシーズケーブルを表すことがあり、またチューブ管を表すことがある。
【0061】
実施例によっては、外室80の壁構造(又は底部構造)に複数のフィードスルー部44が取り付けられる。例えば、少なくとも3つのフィードスルー部44が取り付けられる。実施例によっては、各フィードスルー部44(例えば上記3つのフィードスルー部44のそれぞれ)が、複数の配線又はチューブ管のためのフィードスルーである。実施例によっては、底部構造は、各台座脚に対して1つずつフィードスルー部44を有する。
【0062】
実施例によっては、フィードスルー部(又は少なくとも1つのフィードスルー部)44は、留め具によって、壁構造(又は底部構造)に対して着脱可能に取り付けられる。この留め具は、真空の外側から(例えば壁構造の大気圧側から)外すことができる。又は実施例によっては真空側から外すことができる。そのような実施例においては、少なくとも1つのフィードスルー部44は、下側又は上側から外すことができる少なくとも1つの留め具によって、フランジ88に着脱可能に取り付けられる。実施例によっては、少なくとも1つのフィードスルー部44のサイズは、チャネル45に嵌めこまれるには小さすぎる。このため、基板テーブル48を、基板支持部40の残りの部分から(底部カバー又は台座49から)分解し、基板テーブル48を上方に持ち上げ、(少なくとも1つのフィードスルー部44をチャネル45を通過させ、配線43から吊り下げ、)基板テーブル48を、(例えば装填のためのギャップを通じて)装置から(整備のために)持ち出すことができる。外室80の外側(真空の外側)において、ある実施例の配線43は、分解を容易とするための電気プラグ及び/又は(クイック)コネクタ74を有する。ここでコネクタ74は、ガス又は液体の管のためのコネクタであってもよい。
【0063】
更に実施例によっては底部フランジ88の水平方向のサイズは、管状の空間又は部分55の水平方向のサイズよりも小さい。真空の外側から(外室80の下側)又は外室80の上側から外すことが可能な留め具によって固定された底部フランジ88は、従って実施例によっては、留め具を外すことよって取り外されることができる。このため、反応室(ボウル)50、基板テーブル48を含み反応室(ボウル)50に取り付けられる基板支持部40、底部フランジ88、1つ又は複数のフィードスルー部44及び関連する配線43、さらに部分35までの排気ライン(実施例によっては部分35を含む排気ライン)を含むパッケージの全体が、上方に持ち上げられることができる。
【0064】
このようにして、パッケージ全体が装置100から整備のために上部から取り外されることができる。取り外される部分は、
図2の線11によって示されている。
【0065】
図3は、ある実施例に従う
図100の基板処理装置の、基板処理段階における別の略断面図である。
【0066】
図4は、ある実施例に従う装置100の一部の詳細を示す。より詳細には、
図4は、外室80の壁構造の中にフィードスルー部44を取り付ける1つの方法を示している。
【0067】
部分44は、固定要素91によって接続フランジ88に対して押圧される。固定要素91は、フランジ88内に侵入する(ねじ)孔内に位置する留め具92によって固定される。実施例によっては、別の留め具47がフランジ89を貫通してフランジ88内へ侵入する。留め具47は外室80の外側から外されることができてもよく、それによって、反応室50及び基板支持部40を含むパッケージが、メンテナンスのために装置100から取り外されることができてもよい。
【0068】
実施例によっては、前述のように、フランジ89は外室80に取り付けられるが、フランジ88は基板ボウル・ウェーハテーブルパッケージに取り付けられる。このパッケージには部品44が接続される。部品44及び88は、(中間空間70の)内側から留め具(又はボルト)92で接続される。また、部品88及び89は、(外室80の)外側から留め具(又はボルト)47で接続される。
【0069】
実施例によっては、留め具92はフランジ88を貫通してフランジ89内へ侵入する。そのような実施例においては、留め具47は省略されてもよい。
【0070】
実施例によっては、配線43は、フランジ88、89の真空側でらせん状になっている。これは、真空室50の縦方向の動きを容易とするためである。この例が
図5に示されている。
図5には、長手方向に伸長する管状部分35の周りに配線43が巻かれていることが描かれている。実施例によっては、配線は、取付部64によって台座49に取り付けられる。
【0071】
実施例によっては、
図6に描かれるように、装置100は、反応室50内で基板支持部40の上方に、プラズマ形成のためのアンテナ61を備える。実施例によっては、アンテナ61は、プラズマアプリケータの放射線送信アンテナである。実施例によっては、アンテナ61及び基板支持部40の両方が同じ空間内に位置する。又は、アンテナ61と処理対象の基板の両方が、同じ空間内に位置するように構成される。
【0072】
実施例によっては、装置100は、アンテナ61の下流のポイントで非プラズマガスを放電するための前駆体パイプ62を備える。前駆体パイプ62は、複数のアンテナ61間の空間に延設され、また反応室50内に延設されている。実施例によっては、装置100は更にプラズマガスインレットを備える。プラズマガスインレットは、複数のアンテナ61の上から、これらのアンテナの間を通ってこれらのアンテナの下へと流れるプラズマガスのフローを提供する。アンテナ61は、カバーチューブの中に位置していてもよい。プラズマ処理の間、プラズマガスがアンテナ61を通過するときにプラズマが着火される。形成されたプラズマ種は基板支持部40に向かって(即ち基板に向かって)下降する。
【0073】
実施例によっては、アンテナ61を有するプラズマアプリケータは、上部対応部分又は対応面20に取り付けられている。ここで前記対応部分は蓋又は蓋システムであってもよく、実施例によっては、反応室50及び外室80の共通の蓋又は蓋システムであってもよい。実施例によっては、蓋又は蓋システムは移動可能である。
図6の破線12は、ある実施例において、蓋又は蓋システムを開けることができる高さを示している。
【0074】
実施例によっては、プラズマ種のソースは様々であることができる。なるべく大きな領域にプラズマのソースを提供するプラズマアプリケータが好まれる。プラズマアプリケータは、例えば(
図6に描かれるような)プラズマアレイ、中空の陰極、又はマイクロ波プラズマを含んでもよい。
【0075】
実施例によっては、装置100は、基板支持部40の縦方向の位置を調整するように構成される。又は特に、反応室50の動きに関わらずに反応室50内の基板テーブル48の縦方向の位置を調整するように構成される。この目的のために、装置100は、台座49の脚の長さを変えるように構成されるアクチュエータを備える。このアクチュエータは、チャネル45を含む台座49の脚を長くしたり短くしたりするように構成される。実施例によっては、
図7に示されるように、長手方向伸長部83はチャネル45の一部を形成する。チャネル(又は台座脚)45を形成する前記長手方向(又は縦方向)伸長部は、例えばベローズ(又は真空ベローズ)や、入れ子になったサブパーツによって実装される。例えば、内部で互いに縦方向に動くことが可能な、入れ子になった直径の異なる2つ以上の管状部品によって実装される。実施例によっては、力伝達要素(又は力伝達ロッド)が、持ち上げ機から外室フィードスルーを通って延設され、基板支持部40の適切な位置(例えば台座49,台座脚、または直接部分83)に取り付けられる。
図7と8には、2つの代替的な持ち上げ機73、73'が描かれている。これらはそれぞれ位置が異なる。持ち上げ機73の力伝達要素71はフランジ88及び89を通過する。一方、持ち上げ機73'の力伝達要素71'は外室80の壁の別のフィードスルーを通過する。いずれの場合においても、長手方向伸長部83の収縮形状及び伸長形状が実現され、基板支持部40(又は支持テーブル48)の縦方向の位置を変えることを可能に、基板表面からの最適な距離という、プラズマの種類によって異なる要求を満たすことを可能とする。
図7は部分83が収縮形状にある状態を示し、
図8は、部分83の伸長形状の1つを示している。
【0076】
図9は、ある実施例に従い、メンテナンスのために基板処理装置100を分解する方法のフローチャートを示す。
【0077】
ステップ901において、基板支持部40を含む反応室アセンブリが、外室80の底部構造89から取り外される。実施例によっては、このステップはまた、底部構造89からフィードスルー部44を取り外すことを含む。実施例によっては、この取り外すステップは、外室80の外側から留め具47を外すことによって実装される。
【0078】
ステップ902において、(外出80の外側から取り外された)配線43(及びこれらのプラグ)が、底部構造89を通じて底部構造の反応室側内へと底部構造89の開口部を通じて動かされる。
【0079】
ステップ903において、反応室アセンブリ及び反応室アセンブリから吊り下げられた配線43(及び配線43のプラグ)が持ち上げられ、メンテナンスのために装置100から持ち去られる又は取り除かれる。
【0080】
図10は、別の実施例に従い、メンテナンスのために基板処理装置を分解する別の方法のフローチャートを示す。この実施例においては、基板テーブル48だけが装置から取り外される。
【0081】
ステップ1001において、フィードスルー部44が底部構造89から取り外される。実施例によっては、この取り外すステップは、外室80の外側から留め具47を外すことによって実装される。実施例によっては、フィードスルー部44はまた、接続フランジ88から取り外される。実施例によっては、接続フランジ88からの取り外しは、対応する留め具(例えば留め具92)を外すことによって達成される。実施例によっては、留め具92は底部構造89の真空室側から外される。
【0082】
ステップ1002において、(外出80の外側から取り外された)配線43(及びこれらのプラグ)が、底部構造89を通じて底部構造89の反応室側内へと底部構造89の開口部を通じて動かされる。
【0083】
ステップ1003及び1004において、配線43及び配線43のプラグとフィードスルー部44とが、台座49の脚の中のチャネル45を通じて動かされ、基板テーブル48が、基板テーブル48から吊り下げられている配線43及び配線43のプラグとフィードスルー部44と共に持ち上げられて、メンテナンスのために装置100から持ち去られる。実施例によっては、ステップ1004は、基板テーブル48を持ち上げることによって台座49から取り外すことを含む。実施例によっては、ステップ1004に先だって、関連する留め具を外すことを含む。
【0084】
本明細書において開示された1つ又は複数の実施例の技術的効果を以下に示す。ただし、これらの効果は請求項に係る発明の技術的範囲および解釈を制限するものではない。技術的効果の1つは、真空から外に配線を案内する手段を提供することである。別の技術的効果の1つは、配線をクリーンにする必要性を減少させることである。別の技術的効果の1つは、装置からリアクター部分(例えば、反応室ボウルとベローズとウェーハテーブルとを含む反応室パッケージ)を、(特に装置の頂部に位置する蓋を通じて)取り外す可能性によって、サービスを改善することである。別の技術的効果の1つは、反応室とは独立に高さを調節可能な基板ホルダ台座脚によって、プラズマアンテナと基板表面との間の距離を調節可能にすることである。
【0085】
以上の説明により、本発明の特定の実装および実施形態の非限定例を用いて、発明者によって現在考えられている、本発明を実施するための最良の形態の完全かつ有益な説明を提供した。しかしながら、当業者には明らかであるように、上述の実施形態の詳細は本発明を限定するものではなく、本発明の特徴から逸脱することなく同等の手段を用いて、他の実施形態に実装することができる。
【0086】
さらに、以上に開示した本発明の実施形態の特徴は、対応する他の特徴を用いることなく用いられてもよい。然るに、以上の説明は、本発明の原理を説明するための例に過ぎず、それを限定するものではないと捉えるべきである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。