(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109864
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】予冷を伴う混合冷媒液化システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
F25J 1/00 20060101AFI20230801BHJP
F25J 1/02 20060101ALI20230801BHJP
F25J 5/00 20060101ALI20230801BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20230801BHJP
F28D 9/00 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
F25J1/00 B
F25J1/02
F25J5/00
F25B1/00 396G
F25B1/00 396H
F25B1/00 396R
F28D9/00
【審査請求】有
【請求項の数】30
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023079824
(22)【出願日】2023-05-15
(62)【分割の表示】P 2020557338の分割
【原出願日】2019-04-16
(31)【優先権主張番号】62/660,518
(32)【優先日】2018-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518414306
【氏名又は名称】チャート・エナジー・アンド・ケミカルズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【弁理士】
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】デュコート,ダグラス・エイ,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】グシャナス,ティモシー・ピー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】さらなる冷却効率の増大および運転費の減少が可能な、ガスを冷却または液化するシステム、ならびに方法を提供する。
【解決手段】ガスを冷却するためのシステムは、予冷熱交換器42a、42bと、液化熱交換器10とを含み、予冷熱交換器は、予冷冷媒を使用して、供給ガス流82を、流が液化熱交換器に導かれるより前に予冷し、液化熱交換器は、混合冷媒を使用して、予冷されたガスをさらに冷却し、予冷熱交換器は、さらには、液化熱交換器により使用される液化混合冷媒を予冷する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスを予冷冷媒および混合冷媒によって冷却するためのシステムであって、
a.供給ガス流を受けるように適合させられる供給ガス入口と、供給ガス出口と、予冷冷媒入口と、予冷冷媒出口と、液化混合冷媒入口と、液化混合冷媒出口とを有する予冷熱交換器であって、前記予冷冷媒を使用して、前記予冷熱交換器を通過する供給ガスを、前記供給ガス入口と前記供給ガス出口との間で冷却し、前記予冷熱交換器を通過する液化混合冷媒を、前記液化混合冷媒入口と前記液化混合冷媒出口との間で冷却するように構成される、予冷熱交換器と、
b.i)前記予冷熱交換器の前記予冷冷媒出口と流体連通している入口を有する予冷圧縮器と、
ii)前記予冷圧縮器の出口と流体連通している入口を有する予冷凝縮器であって、さらには、前記予冷熱交換器の前記予冷冷媒入口と流体連通している出口を有する、予冷凝縮器と
を含む、予冷圧縮器システムと、
c.前記予冷熱交換器の前記供給ガス出口と流体連通している液化通路と、1次冷却化通路と、高圧蒸気冷却通路と、冷分離器蒸気冷却通路とを含む液化熱交換器であって、前記冷分離器蒸気冷却通路は、前記1次冷却化通路と流体連通している出口を有する、液化熱交換器と、
d.i)前記1次冷却化通路の出口と流体連通している入口を有する混合冷媒圧縮器と、
ii)前記混合冷媒圧縮器の出口と流体連通している入口を有する混合冷媒冷却器であって、前記予冷熱交換器の前記液化混合冷媒入口と流体連通している出口を有する、混合冷媒冷却器と、
iii)前記予冷熱交換器の前記液化混合冷媒出口と流体連通している入口と、前記液化熱交換器の前記高圧蒸気冷却通路の入口と流体連通している蒸気出口とを有する高圧蓄圧器と
を含む、混合冷媒圧縮システムと、
e.前記液化熱交換器の前記高圧蒸気冷却通路の出口と流体連通している入口と、前記液化熱交換器の前記冷分離器蒸気冷却通路の入口と流体連通している蒸気出口と、前記液化熱交換器の前記1次冷却化通路と連通している液体出口とを有する、冷蒸気分離器と
を備える、システム。
【請求項2】
前記予冷熱交換器は、暖予冷熱交換器と、冷予冷熱交換器とを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記暖予冷熱交換器および前記冷予冷熱交換器の各々は、前記予冷冷媒を受けるシェルを含み、前記暖予冷熱交換器および前記冷予冷熱交換器のうちの少なくとも1つは、前記供給ガスを受ける供給ガスコアを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記暖予冷熱交換器および前記冷予冷熱交換器の各々は、前記予冷熱交換器を通過する液化混合冷媒を、前記液化混合冷媒入口と前記液化混合冷媒出口との間で冷却するように構成される液化混合冷媒コアを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
単一の液化混合冷媒コアが、前記暖予冷熱交換器および前記冷予冷熱交換器のシェルの両方の中で延び、前記予冷熱交換器を通過する液化混合冷媒を、前記液化混合冷媒入口と前記液化混合冷媒出口との間で冷却するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
内部ヘッドが、前記暖予冷熱交換器および前記冷予冷熱交換器の前記シェルの内側空間の間に広がり、前記単一の液化混合冷媒コアが、前記内部ヘッドを通って延びる、請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
前記混合冷媒圧縮システムは、前記混合冷媒冷却器の前記出口と流体連通している入口を有する、混合冷媒第2の圧縮器または圧縮段と、前記混合冷媒第2の圧縮器または圧縮段の出口と流体連通している入口を有する、第2の混合冷媒冷却器とをさらに含み、前記第2の冷却器は、前記予冷熱交換器の前記液化混合冷媒入口と流体連通している出口を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記予冷熱交換器は、段間混合冷媒入口と、段間混合冷媒出口とを含み、前記混合冷媒圧縮器は、前記予冷熱交換器の前記段間混合冷媒入口と流体連通している出口を有し、前記予冷熱交換器の前記段間混合冷媒出口は、前記第2の圧縮器または第2の圧縮段の前記入口と流体連通している蒸気出口と、前記液化熱交換器の前記1次冷却化通路と流体連通している液体出口とを有する、段間蓄圧器と流体連通している、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記高圧蓄圧器は、液体出口を有し、前記液化熱交換器は、前記高圧蓄圧器の前記液体出口と流体連通している入口と、前記液化熱交換器の前記1次冷却化通路と流体連通している出口とを有する、高圧液体冷却通路をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記予冷冷媒は、プロパン、ブタン、アンモニア、またはクロロフルオロカーボンである、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記予冷冷媒は、混合冷媒である、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記予冷冷媒熱交換器は、プレートアンドフィン熱交換器である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
供給ガス流を冷却するための方法であって、
a.前記供給ガス流を予冷熱交換器内で、第1の冷媒を使用して予冷して、予冷された供給ガス流を形成するステップと、
b.前記予冷された供給ガス流を、
i)高圧第2の冷媒流を前記予冷熱交換器内で冷却して、冷却された高圧第2の冷媒流を形成するステップと、
ii)前記冷却された高圧第2の冷媒流を分離して、高圧蒸気流および高圧液体流を形成するステップと、
iii)前記高圧蒸気流を液化熱交換器内で冷却して、混合相流を形成するステップと、
iv)前記混合相流を冷蒸気分離器によって分離して、冷分離器蒸気流および冷分離器液体流を形成するステップと、
v)前記冷分離器蒸気流を前記液化熱交換器内で、前記第2の冷媒を使用して凝縮させ、フラッシュして、冷温冷媒流を形成するステップと、
vi)前記冷温冷媒流を前記液化熱交換器に導くステップと、
vii)前記高圧液体流を過冷却して、過冷却された高圧液体流を形成し、前記冷温冷媒流と前記液化熱交換器内で組み合わせるステップと、
viii)前記冷分離器液体流を過冷却して、過冷却された冷分離器液体流を形成し、前記冷温冷媒流と前記液化熱交換器内で組み合わせるステップと、
ix)前記予冷されたガス流を前記液化熱交換器内で、前記冷温冷媒流と熱的に接触させるステップと
により、さらに冷却するステップと
を含む、方法。
【請求項14】
前記高圧液体流および前記冷分離器液体流は、前記液化熱交換器内で過冷却される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ステップb.は、低圧混合冷媒流を前記予冷熱交換器内で冷却するステップと、前記冷却された低圧混合冷媒流を分離して、低圧混合冷媒蒸気流および低圧混合冷媒液体流を形成するステップと、前記低圧混合冷媒蒸気流を圧縮して、高圧混合冷媒流を形成し、次いで、前記高圧混合冷媒流を冷却して、前記冷却された高圧混合冷媒流を形成するステップと、前記低圧混合冷媒液体流を前記液化熱交換器に導くステップとをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記高圧混合冷媒流は、前記冷却された高圧混合冷媒流を形成するために、前記予冷熱交換器内で冷却される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記高圧混合冷媒流は、前記冷却された高圧混合冷媒流を形成するために、前記予冷熱交換器および前記液化熱交換器の両方内で冷却される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記予冷冷媒は、プロパン、ブタン、アンモニア、またはクロロフルオロカーボンである、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記予冷冷媒は、混合冷媒である、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
ステップa.は、暖予冷熱交換器を使用する第1の予冷段と、冷予冷熱交換器を使用する第2の予冷段とを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
供給ガスを混合冷媒によって冷却するためのシステムであって、
a.予冷冷媒の流を受けるように構成される予冷冷媒入口と、予冷冷媒出口と、液化混合冷媒入口と、液化混合冷媒出口とを有する予冷熱交換器であって、前記予冷冷媒を使用して、前記予冷熱交換器を通過する液化混合冷媒を、前記液化混合冷媒入口と前記液化混合冷媒出口との間で冷却するように構成される、予冷熱交換器と、
b.前記供給ガスの流を受けるように構成される液化通路と、1次冷却化通路と、高圧蒸気冷却通路と、冷分離器蒸気冷却通路とを含む液化熱交換器であって、前記冷分離器蒸気冷却通路は、前記1次冷却化通路と流体連通している出口を有する、液化熱交換器と、
c.
i)前記1次冷却化通路の出口と流体連通している入口を有する混合冷媒圧縮器と、
ii)前記混合冷媒圧縮器の出口と流体連通している入口を有する混合冷媒冷却器であって、前記予冷熱交換器の前記液化混合冷媒入口と流体連通している出口を有する、混合冷媒冷却器と、
iii)前記予冷熱交換器の前記液化混合冷媒出口と流体連通している入口と、前記液化熱交換器の前記高圧蒸気冷却通路の入口と流体連通している蒸気出口とを有する高圧蓄圧器と
を含む、混合冷媒圧縮システムと、
d.前記液化熱交換器の前記高圧蒸気冷却通路の出口と流体連通している入口と、前記液化熱交換器の前記冷分離器蒸気冷却通路の入口と流体連通している蒸気出口と、前記液化熱交換器の前記1次冷却化通路と連通している液体出口とを有する、冷蒸気分離器と
を備える、システム。
【請求項22】
前記予冷熱交換器は、さらには、供給ガス流を受けるように適合させられる供給ガス入口と、供給ガス出口とを含み、前記予冷熱交換器は、前記予冷冷媒を使用して、前記予冷熱交換器を通過する供給ガスを、前記供給ガス入口と前記供給ガス出口との間で冷却する
ように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記予冷熱交換器は、直列または並列で接続される複数の熱交換器を含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記予冷冷媒は、プロパン、ブタン、アンモニア、水、水グリコール混合物、臭化リチウム溶液、液体フッ素化炭化水素、および液体炭化水素からなる群から選択される、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
予冷冷媒の流を、前記予冷熱交換器の前記予冷冷媒入口に送り込むように構成されるポンプをさらに備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項26】
機械的チラー、吸着チラー、熱電チラー、および熱音響冷却化装置からなる群から選択される予冷冷媒システムをさらに備え、前記予冷冷媒システムは、前記予冷冷媒を冷却するように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項27】
供給ガス流を冷却するための方法であって、
a.前記供給ガス流を液化熱交換器内に導くステップと、
b.高圧混合冷媒流を予冷熱交換器内で冷却して、冷却された高圧混合冷媒流を形成するステップと、
c.前記供給ガス流を前記液化熱交換器内で、
i)前記冷却された高圧混合冷媒流を分離して、高圧蒸気流および高圧液体流を形成するステップと、
ii)前記高圧蒸気流を前記液化熱交換器内で冷却して、混合相流を形成するステップと、
iii)前記混合相流を冷蒸気分離器によって分離して、冷分離器蒸気流および冷分離器液体流を形成するステップと、
iv)前記冷分離器蒸気流を前記液化熱交換器内で凝縮させ、フラッシュして、冷温冷媒流を形成するステップと、
v)前記冷温冷媒流を前記液化熱交換器に導くステップと、
vi)前記高圧液体流を前記液化熱交換器内で過冷却して、過冷却された高圧液体流を形成し、前記冷温冷媒流と前記液化熱交換器内で組み合わせるステップと、
vii)前記冷分離器液体流を過冷却して、過冷却された冷分離器液体流を形成し、前記冷温冷媒流と前記液化熱交換器内で組み合わせるステップと、
viii)前記ガス流を前記液化熱交換器内で、前記冷温冷媒流と熱的に接触させるステップと
により、冷却するステップと
を含む、方法。
【請求項28】
ステップa.より前に、前記供給ガス流を前記予冷熱交換器内で予冷するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
ステップb.は、機械的チラー、吸着チラー、熱電チラー、および熱音響冷却化装置からなる群から選択される予冷冷媒システムを使用して冷却される予冷冷媒を使用して実行される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記予冷冷媒は、空気冷却または水蒸発性冷却のいずれかにより達成され得る温度より冷たい温度に冷却される、請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
[0001]本出願は、2018年4月20日に出願された米国仮出願第62/660,518号の利益を主張するものであり、その米国仮出願の内容は、ここに参照により組み込まれている。
【0002】
[0002]本発明は、一般的には、ガスを冷却または液化するためのシステムおよび方法に、ならびに、より詳しくは、冷蒸気分離を使用して、高圧混合冷媒蒸気を液体流と蒸気流とに分別する、および、供給ガス流と、1つまたは複数の混合冷媒流とを、第2の冷媒を使用して予冷するためのサブシステムを含む、混合冷媒液化システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]主としてメタンである天然ガス、および他のガスは、貯蔵および輸送のために、圧力をかけられて液化される。液化から結果的に生じる体積の低減は、より実用的および経済的な設計の入れ物が使用されることを可能にする。液化は、典型的には、1つまたは複数の冷却化(refrigeration)サイクルによる間接熱交換によってガスを深冷する(chill)ことにより成し遂げられる。そのような冷却化サイクルは、要される機器、および、冷媒の性能の要される効率の複雑さに起因して、機器費および運転の両方で高価である。それゆえに、低減された複雑さによって、改善された冷却化効率、および、低減された運転費を有する、ガス冷却および液化システムに対する必要性が存する。
【0004】
[0004]液化システムに対する冷却化サイクルにおいての混合冷媒の使用は、冷媒の暖化曲線が、ガスの冷却曲線と、より密接に一致するということにおいて、効率を増大する。液化システムに対する冷却化サイクルは、典型的には、混合冷媒を調整または処理するための圧縮システムを含むことになる。混合冷媒圧縮システムは、典型的には、1つまたは複数の段を含み、各々の段は、圧縮器と、冷却器と、分離および液体蓄圧器デバイスとを含む。圧縮器を抜け出す蒸気は、冷却器内で冷却され、結果的に生じる2相または混合相流が、分離および液体蓄圧器デバイスに導かれ、そのデバイスから、蒸気および液体が、さらなる処理、および/または、液化熱交換器への導きのために抜け出す。
【0005】
[0005]圧縮システムからの混合冷媒の分離された液相および蒸気相は、より効率的な冷却をもたらすために、熱交換器の一部分に導かれ得る。そのようなシステムの例が、本願の譲受人が所有する、Gushanasらに関する米国特許第9,441,877号、Ducoteらに関する米国特許出願公開第US2014/0260415号、および、Ducoteらに関する米国特許出願公開第US2016/0298898号において提供されており、それらの特許文献の各々の内容は、本明細書に参照により組み込まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006]ガス冷却および液化システムにおいての、さらなる、冷却効率の増大、および、運転費の減少が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]説明され、下記で請求される、方法、デバイス、およびシステムにおいて、別々
に、または一体で実施され得る、本主題のいくつかの態様が存する。これらの態様は、単独で、または、本明細書において説明される主題の他の態様との組み合わせで用いられ得るものであり、一体でのこれらの態様の説明は、別々でのこれらの態様の使用、または、本明細書に添付される特許請求の範囲において論述されるような、別々での、もしくは、異なる組み合わせでの、そのような態様の請求を除外することを意図されない。
【0008】
[0008]1つの態様において、ガスを予冷冷媒および混合冷媒によって冷却するためのシステムは、供給ガス流を受けるように適合させられる供給ガス入口と、供給ガス出口と、予冷冷媒入口と、予冷冷媒出口と、液化混合冷媒入口と、液化混合冷媒出口とを有する予冷熱交換器を含む。予冷熱交換器は、予冷冷媒を使用して、予冷熱交換器を通過する供給ガスを、供給ガス入口と供給ガス出口との間で冷却し、予冷熱交換器を通過する液化混合冷媒を、液化混合冷媒入口と液化混合冷媒出口との間で冷却するように構成される。予冷圧縮器システムが、予冷熱交換器の予冷冷媒出口と流体連通している入口を有する予冷圧縮器を含む。予冷圧縮器システムは、さらには、予冷圧縮器の出口と流体連通している入口を有する予冷凝縮器を有する。予冷凝縮器は、さらには、予冷熱交換器の予冷冷媒入口と流体連通している出口を有する。液化熱交換器が、予冷熱交換器の供給ガス出口と流体連通している液化通路と、1次冷却化通路と、高圧蒸気冷却通路と、冷分離器蒸気冷却通路とを含み、冷分離器蒸気冷却通路は、1次冷却化通路と流体連通している出口を有する。混合冷媒圧縮システムが、1次冷却化通路の出口と流体連通している入口を有する混合冷媒圧縮器と、混合冷媒圧縮器の出口と流体連通している入口を有する混合冷媒冷却器とを含む。混合冷媒冷却器は、さらには、予冷熱交換器の液化混合冷媒入口と流体連通している出口を有する。混合冷媒圧縮システムは、さらには、予冷熱交換器の液化混合冷媒出口と流体連通している入口と、液化熱交換器の高圧蒸気冷却通路の入口と流体連通している蒸気出口とを有する高圧蓄圧器を有する。冷蒸気分離器(cold vapor separator)が、液化熱交換器の高圧蒸気冷却通路の出口と流体連通している入口と、液化熱交換器の冷分離器蒸気冷却通路の入口と流体連通している蒸気出口と、液化熱交換器の1次冷却化通路と連通している液体出口とを有する。
【0009】
[0009]別の態様において、供給ガス流を冷却するための方法は、供給ガス流を予冷熱交換器内で、第1の冷媒を使用して予冷して、予冷された供給ガス流を形成するステップと、予冷された供給ガス流を、i)高圧第2の冷媒流を予冷熱交換器内で冷却して、冷却された高圧第2の冷媒流を形成するステップと、ii)冷却された高圧第2の冷媒流を分離して、高圧蒸気流および高圧液体流を形成するステップと、iii)高圧蒸気流を液化熱交換器内で冷却して、混合相流を形成するステップと、iv)混合相流を冷蒸気分離器によって分離して、冷分離器蒸気流および冷分離器液体流を形成するステップと、v)冷分離器蒸気流を液化熱交換器内で、第2の冷媒を使用して凝縮させ、フラッシュして(flash)、冷温冷媒流を形成するステップと、vi)冷温冷媒流を液化熱交換器に導くステップと、vii)高圧液体流を過冷却して(subcool)、過冷却された高圧液体流を形成し、冷温冷媒流と液化熱交換器内で組み合わせるステップと、viii)冷分離器液体流を過冷却して、過冷却された冷分離器液体流を形成し、冷温冷媒流と液化熱交換器内で組み合わせるステップと、ix)予冷されたガス流を液化熱交換器内で、冷温冷媒流と熱的に接触させるステップとにより、さらに冷却するステップとを含む。
【0010】
[0010]別の態様において、供給ガスを混合冷媒によって冷却するためのシステムは、予冷冷媒の流を受けるように構成される予冷冷媒入口と、予冷冷媒出口と、液化混合冷媒入口と、液化混合冷媒出口とを有する予冷熱交換器を含む。予冷熱交換器は、予冷冷媒を使用して、予冷熱交換器を通過する液化混合冷媒を、液化混合冷媒入口と液化混合冷媒出口との間で冷却するように構成される。液化熱交換器が、供給ガスの流を受けるように構成される液化通路と、1次冷却化通路と、高圧蒸気冷却通路と、冷分離器蒸気冷却通路とを含み、冷分離器蒸気冷却通路は、1次冷却化通路と流体連通している出口を有する。混合
冷媒圧縮システムが、1次冷却化通路の出口と流体連通している入口を有する混合冷媒圧縮器を含む。混合冷媒圧縮システムは、さらには、混合冷媒圧縮器の出口と流体連通している入口を有する混合冷媒冷却器を含む。混合冷媒冷却器は、予冷熱交換器の液化混合冷媒入口と流体連通している出口を有する。混合冷媒圧縮システムは、さらには、予冷熱交換器の液化混合冷媒出口と流体連通している入口と、液化熱交換器の高圧蒸気冷却通路の入口と流体連通している蒸気出口とを有する高圧蓄圧器を含む。冷蒸気分離器が、液化熱交換器の高圧蒸気冷却通路の出口と流体連通している入口と、液化熱交換器の冷分離器蒸気冷却通路の入口と流体連通している蒸気出口と、液化熱交換器の1次冷却化通路と連通している液体出口とを有する。
【0011】
[0011]別の態様において、供給ガス流を冷却するための方法は、供給ガス流を液化熱交換器内に導くステップと、高圧混合冷媒流を予冷熱交換器内で冷却して、冷却された高圧混合冷媒流を形成するステップと、供給ガス流を液化熱交換器内で、i)冷却された高圧混合冷媒流を分離して、高圧蒸気流および高圧液体流を形成するステップと、ii)高圧蒸気流を液化熱交換器内で冷却して、混合相流を形成するステップと、iii)混合相流を冷蒸気分離器によって分離して、冷分離器蒸気流および冷分離器液体流を形成するステップと、iv)冷分離器蒸気流を液化熱交換器内で凝縮させ、フラッシュして、冷温冷媒流を形成するステップと、v)冷温冷媒流を液化熱交換器に導くステップと、vi)高圧液体流を液化熱交換器内で過冷却して、過冷却された高圧液体流を形成し、冷温冷媒流と液化熱交換器内で組み合わせるステップと、vii)冷分離器液体流を過冷却して、過冷却された冷分離器液体流を形成し、冷温冷媒流と液化熱交換器内で組み合わせるステップと、viii)ガス流を液化熱交換器内で、冷温冷媒流と熱的に接触させるステップとにより、冷却するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】[0012]本開示のシステムおよび方法の第1の実施形態を例示する、工程流れおよび概略の図である。
【
図2】[0013]本開示のシステムおよび方法の第2の実施形態を例示する、工程流れおよび概略の図である。
【
図3】[0014]本開示のシステムおよび方法の第3の実施形態を例示する、工程流れおよび概略の図である。
【
図4】[0015]本開示のシステムおよび方法の第4の実施形態を例示する、工程流れおよび概略の図である。
【
図5】[0016]本開示のシステムおよび方法の第5の実施形態を例示する、工程流れおよび概略の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0017]本開示の混合冷媒液化システムおよび方法の実施形態が、
図1~5において例示される。実施形態は、天然ガスを液化して、液化天然ガスを生成することの見地において、下記で例示および説明されるが、本発明は、他の型のガスを液化または冷却するために使用され得るということが留意されるべきである。
【0014】
[0018]本開示の実施形態は、所有者が共通する、Gushanasらに関する米国特許第9,441,877号、米国特許出願公開第2014/0260415号、Ducoteらに関する米国特許出願第14/218,949号、および、Ducoteらに関する米国特許出願第62/561,417号において説明されている、混合冷媒液化システムおよび工程を使用し得るものであり、それらの特許文献の各々の内容は、ここに参照により組み込まれている。
【0015】
[0019]通路および流は、時には両方が、図において開陳される同じ要素番号により言及
されるということが、本明細書において留意されるべきである。さらには、本明細書において使用される際、および、当技術分野において知られているように、熱交換器は、間接熱交換が、異なる温度での2つ以上の流の間で、または、流と環境との間で発生する、デバイス、または、デバイス内の区域である。本明細書において使用される際、用語「連通」、「連通する」、および類するものは、別段に指定されない限り、一般的には流体連通を指す。さらにまた、連通している2つの流体は、混合を基に熱を交換し得るが、そのような交換は、そのような交換が熱交換器内で起こり得るとはいえ、熱交換器内の熱交換と同じであるとは考えられないことになる。本明細書において使用される際、用語「の圧力を低減する」(または、その変形)は、相変化を含まず、一方で、用語「フラッシュする」(または、その変形)は、部分的な相変化さえも含めて、相変化を含む。本明細書において使用される際、用語「高」、「中間」、「中」、「暖」、および類するものは、当技術分野において通例であるように、比較可能な流に関してのものである。
【0016】
[0020]全体的には、
図1、第1の実施形態を参照すると、本開示のシステムは、暖端部12と冷端部14とを有する、全体的に10において指示される、多流液化熱交換器を含む、全体的に8において指示される、混合冷媒液化システムを含む。熱交換器は、熱交換器内での冷却化流との熱交換による熱の除去によって、冷却または液化通路18内で液化される、予冷された天然ガス供給流16を受ける。結果として、液化天然ガス(LNG)生成物の流20が生成される。熱交換器の多流設計は、単一の交換器内へのいくつかの流の、好都合な、およびエネルギー効率の高い統合を可能とする。適した熱交換器は、テキサス州ザ・ウッドランズのChart Energy & Chemicals, Inc.から購入され得るアルミろう付け熱交換器(brazed aluminum heat exchanger)を含む。そのようなプレートアンドフィン多流熱交換器は、物理的に小さくまとまっていることのさらなる利点を供する。
【0017】
[0021]熱交換器10を含む、
図1のシステムは、従来技術において知られている他のガス処理選択肢を実行するように構成され得る。これらの処理選択肢は、ガス流に、1つまたは複数の回数、熱交換器を抜け出す、および、熱交換器に再度進入することを要求し得るものであり、例えば、天然ガス液体回収または窒素排除を含み得る。
【0018】
[0022]熱の除去は、熱交換器内で、全体的に22において指示される、液化システム混合冷媒圧縮器システムを使用して、処理および再調整される、混合冷媒を使用して成し遂げられる。混合冷媒圧縮器システムは、熱交換器10の1次冷却化通路28から混合冷媒蒸気流26を受ける、第1の段サクションドラム24を含む。蒸気流は、第1の段圧縮器32(個々の圧縮器、または、単一の多段圧縮器の段であり得る)内で圧縮され、次いで、第1の段熱交換器または冷却器34により冷却される。結果的に生じる混合冷媒蒸気流は、第2の段サクションドラム35に、および次いで、第2の段圧縮器36(個々の圧縮器、または、単一の多段圧縮器の段であり得る)に進行し、圧縮の後、第2の段熱交換器または冷却器38内で冷却される。
【0019】
[0023]当技術分野において知られているように、第1および第2の段サクションドラム24および35、ならびに、下記で触れられる残りのサクションドラムは、それらのドラムの、後に続く圧縮器への液体送出に対して防備するものであり、任意選択である。
【0020】
[0024]液化熱交換器10、ならびに、下記で、および、上の方で参照により組み込まれたDucoteらに関する米国特許出願第14/218,949号において説明される、関連付けられる構成要素、ならびに、混合冷媒圧縮器システム22に加えて、
図1のシステムは、全体的に40において指示される、予冷システムを含む。予冷システムは、全体的に42aにおいて指示される、予冷暖熱交換器と、全体的に42bにおいて指示される、予冷冷熱交換器とを含む。暖および冷熱交換器42aおよび42bは、単に例として、テキサス州ザ・ウッドランズのChart Energy & Chemicals, Inc.から入手可能なCORE-IN-KETTLE熱交換器であり得る。シェルアンドチューブ(shell and tube)またはサーモサイフォン型熱交換器を含む、ただしそれらに制限されない、代替的な型の熱交換器が、暖および冷熱交換器42aおよび42bに対して使用され得る。予冷システムは、代替的には、単一の予冷熱交換器、または、3つ以上の予冷熱交換器を特徴としてもち得る。
【0021】
[0025]予冷システムは、さらには、プロパン、ブタン、アンモニア、またはクロロフルオロカーボンなどの予冷システム冷媒を、処理および再調整するための、全体的に44において指示される、圧縮器システムを含む。本明細書において説明される実施形態においての予冷システムはプロパンを使用するが、ブタン、アンモニア、または液体フッ素化炭化水素を含む、ただしそれらに制限されない、代替的な冷媒が使用され得る。
【0022】
[0026]予冷圧縮器システム44は、下記でより詳細に説明されるように、冷熱交換器42bからプロパン冷媒蒸気流48を受ける、第1の段サクションドラム46を含む。第1の段サクションドラムからの蒸気流52が、予冷圧縮器54に進行し、結果的に生じる圧縮された流が、予冷凝縮器56に進行する。結果的に生じるプロパン冷媒液体流が、予冷冷媒蓄圧器62に進行する。プロパン冷媒液体流64が、蓄圧器から膨張デバイス66に進行し、そのことによって、2相流72が、暖熱交換器42aのシェル74に進入する。液体レベルセンサ76が、膨張デバイス66の設定を制御し、そのことによって、適正な液体レベルが、シェル74の中で維持される。
【0023】
[0027]本明細書において言及されるすべての膨張デバイスの事例においてのように、膨張デバイス66は、ジュール-トムソン弁などの膨張弁、または、タービンもしくはオリフィスを含む、ただしそれらに制限されない、別の型の膨張デバイスであり得る。
【0024】
[0028]予冷暖熱交換器42aのシェル74は、天然ガス供給流82を受けるコア78を収容する。暖供給ガス熱交換器のコア78、および、下記で論考されるすべてのそのようなコアは、単に例として、アルミろう付け熱交換器(BAHX)、または、マイクロチャネルもしくは溶接プレート、チューブもしくはコイル、プリント回路熱交換器、その他などの他の熱交換器型であり得る。天然ガス流は、プロパン液体冷媒によりコア78内で冷却され、冷却された天然ガス流は、流84として暖熱交換器42aを抜け出す。代替的な実施形態において、天然ガス流82が暖熱交換器42aより冷えている場合、ガス流は、
図1において破線84’により指示されるように、冷熱交換器42bに直接的に経路設定され得る。そのような実施形態において、コア78は省略され得る。
【0025】
[0029]暖プロパン冷媒蒸気流86が、予冷暖熱交換器42aのシェル74を抜け出し、第2の段サクションドラム88に、および、予冷圧縮器54の入口に進行する。
【0026】
[0030]プロパン冷媒液体流が、流92として暖熱交換器のシェルを抜け出し、膨張デバイス94に進行し、そのことによって、2相流96が、予冷冷熱交換器42bのシェル98に進入する。液体レベルセンサ102が、膨張デバイス94の設定を制御し、そのことによって、適正な液体レベルが、シェル98の中で維持される。
【0027】
[0031]冷熱交換器42bのシェル98は、天然ガス供給流84(または天然ガス供給流84’)を受けるコア104を収容する。天然ガス流84は、プロパン液体冷媒によりコア104内でさらに冷却され(または冷却され)、冷却された天然ガス流は、予冷された流16として冷熱交換器42bを抜け出し、液化熱交換器10の液化通路18に進行する。代替的な実施形態において、天然ガス流82が暖熱交換器42aおよび42bの両方より冷えている場合、
図1のガス流84’は、液化熱交換器の液化通路に直接的に経路設定され得る。そのような実施形態において、コア104が、さらには省略され得る。
【0028】
[0032]プロパン冷媒蒸気流48は、予冷冷熱交換器42bのシェル98を抜け出し、第1の段サクションドラム46に進行する。
【0029】
[0033]混合冷媒圧縮システムの第2の段圧縮器36および熱交換器38からの高圧混合冷媒流112が、予冷暖熱交換器42aのシェル74の中に配置されるコア114に進行する。コア114を通って流れる混合冷媒は、液体プロパン冷媒によりシェル74の中で冷却され、結果的に生じる冷却された混合冷媒流116が、予冷冷熱交換器42bのシェル98の中に配置される冷混合冷媒コア118に導かれる。コア118を通って流れる混合冷媒は、液体プロパン冷媒によりシェル98の中で冷却され、結果的に生じる混合冷媒(MR)混合相流122が、高圧蓄圧器124に導かれる。蓄圧器ドラムが高圧蓄圧器124として例示されるが、別の型の容器、サイクロン式分離器、蒸留ユニット、コアレッシング分離器、または、メッシュもしくはベーン型ミストエリミネータを含む、ただしそれらに制限されない、代替的な分離デバイスが使用され得る。同じことが、本明細書において論考される、残りの分離デバイスまたはドラムに対して当てはまる。
【0030】
[0034]高圧蒸気冷媒流126が、蓄圧器124の蒸気出口を抜け出し、熱交換器10の暖端部に進行する。
【0031】
[0035]高圧液体冷媒流128が、蓄圧器124の液体出口を抜け出し、さらには、熱交換器の暖端部に進行する。高圧液体冷却通路125による、熱交換器10内での冷却の後、その高圧液体冷媒流128は、129においてフラッシュされ、暖温分離器131に進行する。蒸気流127および液体流133が、暖温分離器131から、熱交換器10の1次冷却化通路28に進行する。
【0032】
[0036]熱交換器10は、さらには、高圧蒸気冷却通路135によって、高圧蓄圧器124からの高圧蒸気流126を受け、冷却し、その高圧蒸気流126を、それが部分的に凝縮させられるように冷却する。結果的に生じる混合相冷分離器供給流132が、冷蒸気分離器134に提供され、そのことによって、冷分離器蒸気流136および冷分離器液体流138が生成される。
【0033】
[0037]冷分離器蒸気流136は、熱交換器10内で、冷分離器蒸気冷却通路141によって、液体流142へと冷却され、凝縮させられ、膨張デバイス144によってフラッシュされ、冷温液体流152および冷温蒸気流154を形成するために、冷温分離器146に導かれ、それらの冷温液体流152および冷温蒸気流154は、冷温冷媒流として熱交換器10の1次冷却化通路28に導かれる。
【0034】
[0038]冷分離器液体流138は、熱交換器10内で、冷分離器液体冷却通路143によって、過冷却された冷分離器液体160を形成するために冷却され、その過冷却された冷分離器液体160は、162においてフラッシュされ、中温分離器164に導かれる。結果的に生じる液体流166、および、結果的に生じる蒸気流168が、熱交換器10の1次冷却化通路28に導かれる。
【0035】
[0039]暖温分離器131、中温分離器164、および冷温分離器146からの組み合わされた冷媒流は、予冷された供給ガス流16を、熱交換器10の液化または冷却通路18の中で液化するための冷却化をもたらし、好ましくは蒸気相にある、組み合わされた戻り冷媒流26として、液化熱交換器の1次冷却化通路28を抜け出す。戻り冷媒流26は、サクションドラム24に流れ、そのサクションドラム24は、先に言及されたように、蒸気混合冷媒流27を結果的に生じさせる。
【0036】
[0040]液化された天然ガス流172が、熱交換器の冷側を抜け出し、任意選択で、膨張デバイス174を使用して膨張させられ、貯蔵または工程に送出され得る。
【0037】
[0041]
図1の実施形態は、それゆえに、工程の主要液化区間内に設置される冷蒸気分離器(CVS)との組み合わせでの、プロパン(C3)予冷された混合冷媒(MR)工程を示す。CVSとのC3予冷およびMRの組み合わせは、CVSを伴わない予冷より効率的な、および、より低い機器費を伴う工程を結果的に生じさせ、さらには、より高い設備能力を容易にする。予冷およびCVSの組み合わせは、C3システムが、高い効率を伴って、単に例として、近似的に-5℃対-35から-40℃などの、有意に、より暖かい温度で動作することを可能とし、そのことは、プロパンシステム費および電力消費を低減する。
【0038】
[0042]
図1の工程は、CVSを利用する任意のMR液化工程とともに使用され得る。
【0039】
[0043]
図1は、予冷システム40において予冷の2つの段を示すが、予冷の1つまたは複数の段が、代替的に使用され得るということが留意されるべきである。
【0040】
[0044]さらにまた、
図1は、別々の暖、中、および冷温分離器を特徴としてもつMR液化システム8を示すが、これらの分離器の任意のものは組み合わされ得るものであり、または、所定の事例において、分離器は除かれ得る。さらにまた、これらの分離器は、スタンドパイプとして例示されるが、当技術分野において知られている代替的な型の分離器が使用され得る。
【0041】
[0045]下記で論考されることを例外として、
図2~4の実施形態は、
図1を参照して上の方で説明されたのと同じ混合冷媒圧縮器システム、混合冷媒液化システム、および予冷圧縮器システム構成要素、ならびに動作を特徴としてもち、かくして、共通の参照番号が、システムの、これらの一部分、および、共通の構成要素を指示するために使用される。
【0042】
[0046]本開示のシステムの第2の実施形態が、
図2において提示される。この実施形態において、2つの高圧MR蓄圧器が、
図1の単一の高圧MR蓄圧器124の代わりに使用される。より具体的には、MR圧縮器システム22の第2の段圧縮および冷却サイクルを抜け出す流182が、暖予冷熱交換器42aのコア114に導かれる。コア114は、流182を、液体プロパン冷媒を使用してシェル74の中で冷却する。結果的に生じる冷却されたMR流186が、第1の高圧MR蓄圧器188に進行する。結果的に生じる蒸気MR流192が、予冷冷熱交換器42bの中に配置されるコア194に進行し、そのコア194において、その蒸気MR流192は、液体プロパン冷媒によりシェル98の中で冷却される。結果的に生じる冷却された流198が、第2の高圧MR蓄圧器202に進行する。
【0043】
[0047]第2の高圧MR蓄圧器202を離脱する蒸気流204が、液化熱交換器10の中で、通路206によって冷却され、冷蒸気分離器208に導かれる。冷蒸気分離器を抜け出す蒸気流が、
図1に関して上の方で説明されたように処理される。
【0044】
[0048]第2の高圧MR蓄圧器202を離脱する液体流212が、液化熱交換器10の中で、通路214によって冷却され、膨張デバイス216によってフラッシュされ、中温分離器164に導かれ、その中温分離器164において、その液体流212は、冷蒸気分離器208からの冷却されフラッシュされた液体流と組み合わされる。中温分離器を抜け出す蒸気および液体流が、1次冷却化通路28に導かれる。
【0045】
[0049]第1の高圧MR蓄圧器188を抜け出す液体MR流が、予冷冷熱交換器42bの中に配置されるコア196に進行し、そのコア196において、その液体MR流は、液体プロパン冷媒によりシェル98の中で冷却される。結果的に生じる冷却された流218が、液化熱交換器10内で、通路220によって冷却され、結果的に生じる冷却された液体流が、膨張デバイス222によってフラッシュされ、暖温分離器131に送出される。暖温分離器を抜け出す蒸気および液体流が、1次冷却化通路28に導かれる。
【0046】
[0050]加えて、
図2の実施形態において、予冷システムが、MR圧縮器システム22の第1の段圧縮および冷却サイクルを抜け出す排出流224を冷却するために使用される。より具体的には、予冷暖熱交換器42aは、コア226を内包し、そのコア226は、流224を、段間混合冷媒入口を通して受け、その流224を、プロパン液体冷媒を使用してシェル74の中で冷却する。結果的に生じる冷却された流が、コアを、段間混合冷媒出口を通って抜け出し、段間またはMR低圧蓄圧器228に進行する。結果的に生じる蒸気流232が、MR圧縮器システム22の第2の段圧縮器36の流入口に導かれる。MR低圧蓄圧器228を抜け出す液体流234が、冷熱交換器42bのシェル98の中に配置されるコア236により受けられる。結果的に生じる冷却された流238が、液化熱交換器10の通路242内で冷却され、膨張デバイス244によってフラッシュされ、熱交換器10の1次冷却化通路28に導かれる。
【0047】
[0051]第2の段において圧縮する前に、MR圧縮器システム22の第1の圧縮および冷却段の排出流(224)を予冷すること、ならびに、第1および第2のMR高圧蓄圧器(188および202)を工程に組み込むことは、別個および非依存的であり、組み合わせで、または別々に利用され得るということが、
図2の実施形態に関して理解されるべきである。
【0048】
[0052]さらにまた、第1の圧縮および冷却段からの予冷された液体流224は、
図2において示されるように、別々にMR液化システム8内へと導入され、または、MR液化システム8の分離器内で、もしくは、一部の事例においては何らの分離器もなしで、他の冷却化流の任意のものと組み合わされ得る。
【0049】
[0053]本開示のシステムの第3の実施形態が、
図3において提示される。この実施形態において、全体的に252において指示される、暖混合冷媒(MR)予冷システムが、
図1および2のプロパン予冷システムに代わって使用される。
【0050】
[0054]MR予冷システムは、天然ガス供給流82を受ける予冷通路256を含む、全体的に254において指示される、暖MR予冷熱交換器を含む。
【0051】
[0055]MR予冷システムは、さらには、熱交換器254の予冷1次冷却化通路268から予冷MR蒸気流266を受ける第1の段サクションドラム264を含む予冷圧縮器システム262を含む。第1の段サクションドラムからの蒸気流272が、予冷圧縮器272の入口に進行し、結果的に生じる圧縮された流が、予冷凝縮器274に進行する。結果的に生じるMR液体流が、予冷MR蓄圧器276に進行する。蓄圧器276からの蒸気流は、弁278によって放出されること、または、第2の弁によって第2の段サクションドラム284に導かれることのいずれかが行われ得る。第2の段サクションドラム284からの蒸気流286が、予冷圧縮器272の入口に進行する。
【0052】
[0056]液体予冷MR流292が、蓄圧器276から、熱交換器254の冷却通路294を通って進行し、結果的に生じる冷却された液体流が、膨張デバイス296に進行し、フラッシュされ、結果的に生じる混合相流が、予冷冷分離器302に進入する。熱交換器の通路294を離脱する冷却された液体流の一部分(または、その液体流のすべて)が、シ
ステム温度および負荷必要性に依存して、弁298を使用して、熱交換器の2次予冷冷却化通路304に導かれ得る。2次予冷冷却化通路304を抜け出す蒸気流306が、第2の段サクションドラム284に導かれる。予冷冷分離器302からの蒸気予冷MR流および液体予冷MR流(それぞれ、308および312)の両方が、熱交換器254の予冷1次冷却化通路268に導かれる。
【0053】
[0057]予冷熱交換器254の予冷通路256を通って流れる天然ガス供給流が、熱交換器の冷却化通路268および304によって予冷され、結果的に生じる冷却された天然ガス流314が、液化されるために、液化熱交換器10に導かれる。
【0054】
[0058]
図1および2の実施形態と同様の液化圧縮器システム316は、第1の段液化MR流318を生成する、第1の段圧縮および冷却サイクル、ならびに、第2の段液化MR流322を生成する、第2の段圧縮および冷却サイクルを特徴としてもつ。液化MR流318および322は、予冷熱交換器254内で、通路324および326によってさらに冷却され、通路324を抜け出す結果的に生じる混合相流328が、液化MR低圧蓄圧器332に進行し、一方で、結果的に生じる混合相流334が、液化MR高圧蓄圧器336に進行する。
【0055】
[0059]液化MR蒸気流338が、液化MR低圧蓄圧器332から、液化圧縮器システム316の第2の段サクションドラム342に進行し、結果的に生じる蒸気流が、第2の段圧縮および冷却サイクルに導かれる。液化MR低圧蓄圧器332からの液化MR液体流344が、液化熱交換器350の通路346内で冷却され、膨張デバイス348によってフラッシュされ、熱交換器350の1次冷却化通路352に導かれる。
【0056】
[0060]液化MR高圧蓄圧器336を離脱する液化MR蒸気流354が、液化熱交換器350の中で、通路356によって冷却され、冷蒸気分離器358に導かれる。冷蒸気分離器を抜け出す蒸気流が、
図1に関して上の方で説明されたように処理され得る。
【0057】
[0061]液化MR高圧蓄圧器336を離脱する液体流362は、液化熱交換器350の中で、通路364によって冷却され、膨張デバイス366によってフラッシュされ、冷蒸気分離器358からの冷却されフラッシュされた液体流とその液体流362が組み合わされる後、中温分離器368に導かれる(そのことは、機能的には、
図2において指示されるような、流を中温分離器内で組み合わせることと等価である)。中温分離器を抜け出す蒸気および液体流が、熱交換器350の1次冷却化通路352に導かれる。
【0058】
[0062]
図3の実施形態に関して、第2の段において圧縮する前に、液化MR圧縮システム316第1の段排出(318)を予冷することは、任意選択の特徴であり、他の特徴との組み合わせで利用され得る、または、全く使用されないことがあるということが留意されるべきである。加えて、予冷システムおよび液化システムにおいて使用される混合冷媒は、同じまたは異なる組成のものであり得る。
【0059】
[0063]加えて、
図3において262において例示されるMR予冷システムは、適したMRシステムの例にすぎず、当技術分野において知られている、他のMRシステムおよび非混合冷媒システムが、予冷システムとして代わりに使用され得るということが留意されるべきである。
【0060】
[0064]
図4において例示されるシステムの実施形態は、予冷熱交換器の構成を例外として、全体的に370において指示される、プロパン予冷システムを含んで、
図1の実施形態と本質的には同じである。より具体的には、
図4において例示されるシステムの実施形態において、予冷システム370は、全体的に372aにおいて指示される、予冷暖熱交
換器と、全体的に372bにおいて指示される、予冷冷熱交換器とを含む。暖および冷熱交換器372aおよび372bは、単に例として、テキサス州ザ・ウッドランズのChart Energy & Chemicals, Inc.から入手可能なCORE-IN-KETTLE熱交換器であり得る。シェルアンドチューブまたはサーモサイフォン型熱交換器を含む、ただしそれらに制限されない、代替的な型の熱交換器が使用され得る。
【0061】
[0065]
図4の実施形態において、コア374(単に例として、アルミろう付け熱交換器(BAHX)、または、マイクロチャネルもしくは溶接プレート、その他などの他の熱交換器型であり得る)が、内部ヘッド376を通って、暖および冷熱交換器372aおよび372bの、シェル378と382との間に延び、そのことによって、液化MR圧縮器システム386の第2の圧縮および冷却段からの排出流384である、工程流が、コア374を通って連続的である。この配置構成の利益は、冷却され部分的に凝縮させられた工程流が、システム性能に悪影響を及ぼす2相流れ不均等分布を被りやすくないということであり、その不均等分布は、熱交換器設計が、
図1において示されるような直列にパイプを取り付けられた複数個のコアであったならば遭遇させられ得るものである。
図4の配置構成は、不均等分布によるものと考えられる、プロパンシステムもしくは液化システムのいずれか、または両方での、工程の電力消費を低減し、あるいは、機器総数を単純化し、不均等分布影響を消失させるための費用を低減する。
【0062】
[0066]暖および冷熱交換器372aおよび372bは、平坦なプレートを含む、任意の形状の内部ヘッド376を利用することができるということが留意されるべきである。さらにまた、
図4はプロパン(C3)予冷されるMR工程を示すが、
図4の実施形態は、少なくとも2つの沸騰冷媒冷却ステップを利用する任意の工程とともに使用され得る。加えて、プロパン(C3)が、
図4の予冷システムに対する冷却材として説明されるが、ブタン、アンモニア、または液体フッ素化炭化水素、その他などの、ただしそれらに制限されない、任意の冷媒が使用され得る。さらにまた、
図4のシステムは、予冷の2つの段を示すが、冷却の2つ以上の段が使用され得る。加えて、
図4は別々の供給交換器を示すが、供給交換器はMR交換器と組み合わされ得る。
【0063】
[0067]
図5において例示される実施形態において、全体的に402において指示される、チルド水冷却システムが、液化MR圧縮器システム406の第2の圧縮および冷却段からの排出流404を予冷するために使用される。より具体的には、水が、ポンプ412によって、冷却材熱交換器414に送り込まれる。熱交換器は、さらには、MR排出流404を受け、それを冷却する。チルド水は、機械的チラー(chiller)または吸着チラーまたは熱電チラーまたは熱音響冷却化装置(refrigerator)であり得る、ただしそれらに制限されない、予冷冷媒システムにおいて冷却される水または水/グリコール混合物であり、空気冷却または水蒸発性冷却のいずれかにより達成され得る温度より常に冷たい。
【0064】
[0068]冷却されたMR流416が、次いで、高圧蓄圧器124に流れ、結果的に生じる液体および蒸気流が、先の実施形態においてのように、MR液化システム408の液化熱交換器420に導かれる。
【0065】
[0069]単一のチラー熱交換器414が、
図5において例示されるが、並列での、または直列での複数個のチラー熱交換器が、代わりに使用され得る。
【0066】
[0070]先の実施形態においてのように、液化MR圧縮器システムは、冷媒を、冷蒸気分離器(CVS)410を含むMR液化システム408に提供する。CVSとの、チルド水冷却システムによる予冷、およびMRの組み合わせは、CVSを伴わない予冷より効率的な、および、より低い機器費を伴う工程を結果的に生じさせ、さらには、より高い設備能
力を容易にする。予冷およびCVSの組み合わせは、チルド水冷却システムが、近似的に-5℃対-35から-40℃の、有意に、より暖かい温度で動作することを可能とする。その組み合わせは、さらには、チラー機器が、炭化水素を内包する機器から離れて設置されることを可能とし、そのことは、システム費を低減し、敷地計画柔軟性をもたらす。工程は、CVSを利用する任意のMR液化工程とともに使用され得る。
【0067】
[0071]
図5は、チルド水予冷されるMR工程を示すが、アンモニア、水、水グリコール混合物、臭化リチウム溶液、液体フッ素化炭化水素、液体炭化水素、その他などの、ただしそれらに制限されない、任意のチルド冷却流体が使用され得る。加えて、
図5は、予冷システム熱交換器414に対するシェルアンドチューブ熱交換器を示すが、任意の熱交換器型が使用され得る。さらにまた、
図5は、別々の暖、中、および冷温スタンドパイプ422、424、および426を示すが、これらのスタンドパイプの任意のものは組み合わされ得るものであり、または、所定の事例において、スタンドパイプは除かれ得る。明示的に示されないが、チルド水冷却システムは、さらには、供給ガスを冷却する、および/もしくは、
図2において示されるように第1の段排出を冷却する、または、ガスタービン駆動装置に対するタービン入口空気に対する冷却をもたらす、または、複数個の液化システムを冷却するために使用され得る。
【0068】
[0072]説明され、下記で請求される、方法、デバイス、およびシステムにおいて、別々に、または一体で実施され得る、本主題のいくつかの態様が存する。これらの態様は、単独で、または、本明細書において説明される主題の他の態様との組み合わせで用いられ得るものであり、一体でのこれらの態様の説明は、別々でのこれらの態様の使用、または、本明細書に添付される特許請求の範囲において論述されるような、別々での、もしくは、異なる組み合わせでの、そのような態様の請求を除外することを意図されない。
【0069】
[0073]本発明の好まれる実施形態が示され説明されたが、変更および修正が、それらの実施形態において、本発明の趣旨から逸脱することなく為され得るものであり、本発明の範囲は、添付される特許請求の範囲により定義されるということは、当業者には明らかであろう。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスを予冷冷媒および混合冷媒によって冷却するためのシステムであって、
a.供給ガス流を受けるように適合させられる供給ガス入口と、供給ガス出口と、予冷冷媒入口と、予冷冷媒出口と、液化混合冷媒入口と、液化混合冷媒出口とを有する予冷熱交換器であって、前記予冷冷媒を使用して、前記予冷熱交換器を通過する供給ガスを、前記供給ガス入口と前記供給ガス出口との間で冷却し、前記予冷熱交換器を通過する液化混合冷媒を、前記液化混合冷媒入口と前記液化混合冷媒出口との間で冷却するように構成される、予冷熱交換器と、
b.i)前記予冷熱交換器の前記予冷冷媒出口と流体連通している入口を有する予冷圧縮器と、
ii)前記予冷圧縮器の出口と流体連通している入口を有する予冷凝縮器であって、さらには、前記予冷熱交換器の前記予冷冷媒入口と流体連通している出口を有する、予冷凝縮器と
を含む、予冷圧縮器システムと、
c.前記予冷熱交換器の前記供給ガス出口と流体連通している液化通路と、1次冷却化通路と、高圧蒸気冷却通路と、冷分離器蒸気冷却通路とを含む液化熱交換器であって、前記冷分離器蒸気冷却通路は、前記1次冷却化通路と流体連通している出口を有する、液化熱交換器と、
d.i)前記1次冷却化通路の出口と流体連通している入口を有する混合冷媒圧縮器と、
ii)前記混合冷媒圧縮器の出口と流体連通している入口を有する混合冷媒冷却器であって、前記予冷熱交換器の前記液化混合冷媒入口と流体連通している出口を有する、混合冷媒冷却器と、
iii)前記予冷熱交換器の前記液化混合冷媒出口と流体連通している入口と、前記液化熱交換器の前記高圧蒸気冷却通路の入口と流体連通している蒸気出口とを有する高圧蓄圧器と
を含む、混合冷媒圧縮システムと、
e.前記液化熱交換器の前記高圧蒸気冷却通路の出口と流体連通している入口と、前記液化熱交換器の前記冷分離器蒸気冷却通路の入口と流体連通している蒸気出口と、前記液化熱交換器の前記1次冷却化通路と連通している液体出口とを有する、冷蒸気分離器と
を備え、
前記予冷熱交換器は、
前記予冷冷媒入口及び前記予冷冷媒出口を有するシェルと、
前記シェルの内に配置され、前記供給ガス入口及び前記供給ガス出口を有する、供給ガスコアと、
前記シェルの内に配置され、前記液化混合冷媒入口及び前記液化混合冷媒出口を有する、液化混合冷媒コアと、
を含む、
システム。
【請求項2】
前記予冷熱交換器は、暖予冷熱交換器と、冷予冷熱交換器とを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記暖予冷熱交換器および前記冷予冷熱交換器の各々は、前記予冷冷媒を受ける前記シェルを含み、前記暖予冷熱交換器および前記冷予冷熱交換器のうちの少なくとも1つは、前記供給ガスを受ける前記供給ガスコアを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記暖予冷熱交換器および前記冷予冷熱交換器の各々は、前記予冷熱交換器を通過する液化混合冷媒を、前記液化混合冷媒入口と前記液化混合冷媒出口との間で冷却するように構成される前記液化混合冷媒コアを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
単一の液化混合冷媒コアが、前記暖予冷熱交換器および前記冷予冷熱交換器のシェルの両方の中で延び、前記予冷熱交換器を通過する液化混合冷媒を、前記液化混合冷媒入口と前記液化混合冷媒出口との間で冷却するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
内部ヘッドが、前記暖予冷熱交換器および前記冷予冷熱交換器の前記シェルの内側空間の間に広がり、前記単一の液化混合冷媒コアが、前記内部ヘッドを通って延びる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記混合冷媒圧縮システムは、前記混合冷媒冷却器の前記出口と流体連通している入口を有する、混合冷媒第2の圧縮器または圧縮段と、前記混合冷媒第2の圧縮器または圧縮段の出口と流体連通している入口を有する、第2の混合冷媒冷却器とをさらに含み、前記第2の冷却器は、前記予冷熱交換器の前記液化混合冷媒入口と流体連通している出口を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記予冷熱交換器は、段間混合冷媒入口と、段間混合冷媒出口とを含み、前記混合冷媒圧縮器は、前記予冷熱交換器の前記段間混合冷媒入口と流体連通している出口を有し、前記予冷熱交換器の前記段間混合冷媒出口は、前記第2の圧縮器または第2の圧縮段の前記入口と流体連通している蒸気出口と、前記液化熱交換器の前記1次冷却化通路と流体連通している液体出口とを有する、段間蓄圧器と流体連通している、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記高圧蓄圧器は、液体出口を有し、前記液化熱交換器は、前記高圧蓄圧器の前記液体出口と流体連通している入口と、前記液化熱交換器の前記1次冷却化通路と流体連通している出口とを有する、高圧液体冷却通路をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記予冷冷媒は、プロパン、ブタン、アンモニア、またはクロロフルオロカーボンである、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記予冷冷媒は、混合冷媒である、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記液化熱交換器は、プレートアンドフィン熱交換器である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
供給ガス流を冷却するための方法であって、
a.前記供給ガス流を予冷熱交換器内で、第1の冷媒を使用して予冷して、予冷された供給ガス流を形成するステップと、
b.前記予冷された供給ガス流を、
i)高圧第2の冷媒流を前記予冷熱交換器内で冷却して、冷却された高圧第2の冷媒流を形成するステップと、
ii)前記冷却された高圧第2の冷媒流を分離して、高圧蒸気流および高圧液体流を形成するステップと、
iii)前記高圧蒸気流を液化熱交換器内で冷却して、混合相流を形成するステップと、
iv)前記混合相流を冷蒸気分離器によって分離して、冷分離器蒸気流および冷分離器液体流を形成するステップと、
v)前記冷分離器蒸気流を前記液化熱交換器内で、前記第2の冷媒を使用して凝縮させ、フラッシュして、冷温冷媒流を形成するステップと、
vi)前記冷温冷媒流を前記液化熱交換器に導くステップと、
vii)前記高圧液体流を過冷却して、過冷却された高圧液体流を形成し、前記冷温冷媒流と前記液化熱交換器内で組み合わせるステップと、
viii)前記冷分離器液体流を過冷却して、過冷却された冷分離器液体流を形成し、前記冷温冷媒流と前記液化熱交換器内で組み合わせるステップと、
ix)前記予冷された供給ガス流を前記液化熱交換器内で、前記冷温冷媒流と熱的に接触させるステップと
により、さらに冷却するステップと
を含み、
前記予冷熱交換器は、
予冷冷媒入口及び予冷冷媒出口を有するシェルと、
前記シェルの内に配置され、供給ガス入口及び供給ガス出口を有する、供給ガスコアと、
前記シェルの内に配置され、液化混合冷媒入口及び液化混合冷媒出口を有する、液化混合冷媒コアと、
を含む、
方法。
【請求項14】
前記高圧液体流および前記冷分離器液体流は、前記液化熱交換器内で過冷却される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ステップb.は、低圧混合冷媒流を前記予冷熱交換器内で冷却するステップと、前記冷却された低圧混合冷媒流を分離して、低圧混合冷媒蒸気流および低圧混合冷媒液体流を形成するステップと、前記低圧混合冷媒蒸気流を圧縮して、高圧混合冷媒流を形成し、次いで、前記高圧混合冷媒流を冷却して、前記冷却された高圧混合冷媒流を形成するステップと、前記低圧混合冷媒液体流を前記液化熱交換器に導くステップとをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記高圧混合冷媒流は、前記冷却された高圧混合冷媒流を形成するために、前記予冷熱交換器内で冷却される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記高圧混合冷媒流は、前記冷却された高圧混合冷媒流を形成するために、前記予冷熱交換器および前記液化熱交換器の両方内で冷却される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の冷媒は、プロパン、ブタン、アンモニア、またはクロロフルオロカーボンである、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の冷媒は、混合冷媒である、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
ステップa.は、暖予冷熱交換器を使用する第1の予冷段と、冷予冷熱交換器を使用する第2の予冷段とを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
供給ガスを混合冷媒によって冷却するためのシステムであって、
a.前記供給ガス流を受けるように適合させられる供給ガス入口と、供給ガス出口と、予冷冷媒の流を受けるように構成される予冷冷媒入口と、予冷冷媒出口と、液化混合冷媒入口と、液化混合冷媒出口とを有する予冷熱交換器であって、前記予冷冷媒を使用して、前記予冷熱交換器を通過する前記供給ガスを、前記供給ガス入口と前記供給ガス出口との間で冷却し、前記予冷熱交換器を通過する液化混合冷媒を、前記液化混合冷媒入口と前記液化混合冷媒出口との間で冷却するように構成される、予冷熱交換器と、
b.前記供給ガスの流を受けるように構成される液化通路と、1次冷却化通路と、高圧蒸気冷却通路と、冷分離器蒸気冷却通路とを含む液化熱交換器であって、前記冷分離器蒸気冷却通路は、前記1次冷却化通路と流体連通している出口を有する、液化熱交換器と、
c.
i)前記1次冷却化通路の出口と流体連通している入口を有する混合冷媒圧縮器と、
ii)前記混合冷媒圧縮器の出口と流体連通している入口を有する混合冷媒冷却器であって、前記予冷熱交換器の前記液化混合冷媒入口と流体連通している出口を有する、混合冷媒冷却器と、
iii)前記予冷熱交換器の前記液化混合冷媒出口と流体連通している入口と、前記液化熱交換器の前記高圧蒸気冷却通路の入口と流体連通している蒸気出口とを有する高圧蓄圧器と
を含む、混合冷媒圧縮システムと、
d.前記液化熱交換器の前記高圧蒸気冷却通路の出口と流体連通している入口と、前記液化熱交換器の前記冷分離器蒸気冷却通路の入口と流体連通している蒸気出口と、前記液化熱交換器の前記1次冷却化通路と連通している液体出口とを有する、冷蒸気分離器と
を備え、
前記予冷熱交換器は、
前記予冷冷媒入口及び前記予冷冷媒出口を有するシェルと、
前記シェルの内に配置され、前記供給ガス入口及び前記供給ガス出口を有する、供給ガスコアと、
前記シェルの内に配置され、前記液化混合冷媒入口及び前記液化混合冷媒出口を有する、液化混合冷媒コアと、
を含む、
システム。
【請求項22】
前記予冷熱交換器は、さらには、供給ガス流を受けるように適合させられる供給ガス入口と、供給ガス出口とを含み、前記予冷熱交換器は、前記予冷冷媒を使用して、前記予冷熱交換器を通過する供給ガスを、前記供給ガス入口と前記供給ガス出口との間で冷却するように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記予冷熱交換器は、直列または並列で接続される複数の熱交換器を含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記予冷冷媒は、プロパン、ブタン、アンモニア、水、水グリコール混合物、臭化リチウム溶液、液体フッ素化炭化水素、および液体炭化水素からなる群から選択される、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
予冷冷媒の流を、前記予冷熱交換器の前記予冷冷媒入口に送り込むように構成されるポンプをさらに備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項26】
機械的チラー、吸着チラー、熱電チラー、および熱音響冷却化装置からなる群から選択される予冷冷媒システムをさらに備え、前記予冷冷媒システムは、前記予冷冷媒を冷却するように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項27】
供給ガス流を冷却するための方法であって、
a.前記供給ガス流を液化熱交換器内に導くステップと、
b.高圧混合冷媒流を予冷熱交換器内で冷却して、冷却された高圧混合冷媒流を形成するステップと、
c.前記供給ガス流を前記液化熱交換器内で、
i)前記冷却された高圧混合冷媒流を分離して、高圧蒸気流および高圧液体流を形成するステップと、
ii)前記高圧蒸気流を前記液化熱交換器内で冷却して、混合相流を形成するステップと、
iii)前記混合相流を冷蒸気分離器によって分離して、冷分離器蒸気流および冷分離器液体流を形成するステップと、
iv)前記冷分離器蒸気流を前記液化熱交換器内で凝縮させ、フラッシュして、冷温冷媒流を形成するステップと、
v)前記冷温冷媒流を前記液化熱交換器に導くステップと、
vi)前記高圧液体流を前記液化熱交換器内で過冷却して、過冷却された高圧液体流を形成し、前記冷温冷媒流と前記液化熱交換器内で組み合わせるステップと、
vii)前記冷分離器液体流を過冷却して、過冷却された冷分離器液体流を形成し、前記冷温冷媒流と前記液化熱交換器内で組み合わせるステップと、
viii)前記ガス流を前記液化熱交換器内で、前記冷温冷媒流と熱的に接触させるステップと
により、冷却するステップと
を含み、
前記予冷熱交換器は、
予冷冷媒入口及び予冷冷媒出口を有するシェルと、
前記シェルの内に配置され、供給ガス入口及び供給ガス出口を有する、供給ガスコアと、
前記シェルの内に配置され、液化混合冷媒入口及び液化混合冷媒出口を有する、液化混合冷媒コアと、
を含む、
方法。
【請求項28】
ステップa.より前に、前記供給ガス流を前記予冷熱交換器内で予冷するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
ステップb.は、機械的チラー、吸着チラー、熱電チラー、および熱音響冷却化装置からなる群から選択される予冷冷媒システムを使用して冷却される予冷冷媒を使用して実行される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記予冷冷媒は、空気冷却または水蒸発性冷却のいずれかにより達成され得る温度より冷たい温度に冷却される、請求項29に記載の方法。
【外国語明細書】