(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109979
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】輪郭形成済みガラス物品及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
C03B 23/023 20060101AFI20230801BHJP
C03B 27/012 20060101ALI20230801BHJP
C03C 21/00 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
C03B23/023
C03B27/012
C03C21/00 101
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088439
(22)【出願日】2023-05-30
(62)【分割の表示】P 2019563525の分割
【原出願日】2018-05-15
(31)【優先権主張番号】62/506,024
(32)【優先日】2017-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン トーマス ガーガン
(72)【発明者】
【氏名】ショーン マシュー ガーナー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ジェイムズ マクファーランド
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ジョン ムーア
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高いディスプレイ品質及び機械的信頼性を有する、コンフォーマルディスプレイ及び/又は輪郭形成済みカバーガラス、およびその作製方法を提供する。
【解決手段】作製方法は、第1及び第2の対向する主表面と、第1の厚さを有する少なくとも1つの領域と、第2の厚さを有する少なくとも1つの領域とを有する平面ガラスシートを冷間曲げ加工して、上記第1の厚さより小さな上記第2の厚さを有する上記少なくとも1つの領域の一部分に沿った少なくとも1つの曲げ加工領域を有する冷間曲げ加工済みガラスシートを製造するステップ;並びに上記冷間曲げ加工済みガラスシートを拘束して、輪郭形成済みガラス物品を製造するステップを含む。1つ以上の実施形態は、結果として得られる輪郭形成済みガラス物品に関する。
【選択図】
図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輪郭形成済みガラス物品であって、
前記輪郭形成済みガラス物品は:
第1及び第2の対向する主表面と、第1の厚さを有する少なくとも1つの領域と、第2の厚さを有する少なくとも1つの領域と、前記第2の厚さを有する前記少なくとも1つの領域の一部分に沿った少なくとも1つの湾曲領域と、を有する冷間曲げ加工済みガラスシートであって、前記第1の厚さは500μm超~2mmの範囲にあり、前記第2の厚さは300マイクロメートル~500マイクロメートル未満の範囲にある、冷間曲げガラスシートと、
前記少なくとも1つの湾曲領域を恒久的に保持するために前記第2の主要面に取り付けられるフレームと、
を備え、
前記湾曲領域は、20mm~500mmの曲げ半径を有し、
ここで前記第1の厚さは前記第2の厚さより大きい、輪郭形成済みガラス物品。
【請求項2】
前記第1の主表面及び前記第2の主表面のうちの少なくとも一方は、未強化であるか、アニーリングされるか、又は熱強化される、請求項1に記載の輪郭形成済みガラス物品。
【請求項3】
前記第1の主表面及び前記第2の主表面のうちの少なくとも一方は、強化される、請求項1に記載の輪郭形成済みガラス物品。
【請求項4】
前記第2の厚さを有する複数の領域を備える、請求項1~3のいずれかに記載の輪郭形成済みガラス物品。
【請求項5】
複数の湾曲領域を更に備える、請求項1~3のいずれかに記載の輪郭形成済みガラス物品。
【請求項6】
平面の下方の少なくとも1つの湾曲領域、及び前記平面の上方の少なくとも1つの湾曲領域を備え、前記平面は最大断面寸法の中点として定義される、請求項1から3のいずれかに記載の輪郭形成済みガラス物品。
【請求項7】
前記第2の厚さを有する前記少なくとも1つの領域の後方に配置されたディスプレイ又はタッチパネルを更に備える、請求項1~3のいずれかに記載の輪郭形成済みガラス物品。
【請求項8】
前記輪郭形成済みガラス物品は、窓ガラス、構造用ガラス、車両のガラス部品、又はこれらの組み合わせである、請求項1~3のいずれかに記載の輪郭形成済みガラス物品。
【請求項9】
前記フレームは、冷間曲げガラスの周りに配置される、請求項8に記載の輪郭形成済みガラス物品。
【請求項10】
輪郭形成済みガラス物品を作製する方法であって、
前記方法は:
第1及び第2の対向する主表面と、第1の厚さを有する少なくとも1つの領域と、第2の厚さを有する少なくとも1つの領域とを有する平面ガラスシートを冷間曲げ加工して、前記第2の厚さを有する前記少なくとも1つの領域の一部分に沿った少なくとも1つの曲げ加工領域を有する冷間曲げ加工済みガラスシートを製造するステップ;
前記冷間曲げ加工済みガラスシートを拘束して、輪郭形成済みガラス物品を製造するステップ;並びに
前記第1の厚さを前記第2の厚さより大きくするステップを含み、
前記冷間曲げ加工済みガラスシートを拘束するステップは、前記冷間曲げガラスシートを保持フレーム内に配置することを含み、前記保持フレームは、前記冷間曲げガラスシートを湾曲構成内に保持する、又は前記少なくとも1つの曲がり部を前記冷間曲げ加工済みガラスシート内に維持する、方法。
【請求項11】
前記冷間曲げ加工済みガラスシートの前記第1の主表面及び前記第2の主表面のうちの少なくとも一方を強化するステップを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記冷間曲げ加工済みガラスシートは、平面の下方の少なくとも1つの曲がり部、及び平面の上方の少なくとも1つの曲がり部を有し、前記平面は前記平面ガラスシートの前記平面によって画定される、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の厚さは約500マイクロメートル~約2mmであり、前記第2の厚さは前記第1の厚さの約10%~90%である、請求項10~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
ディスプレイ又はタッチパネル上に輪郭形成済みガラス物品を配置するステップであって、前記ディスプレイ又はタッチパネルは、前記第1の厚さを有する前記少なくとも1つの領域の後方に位置決めされる、ステップ;又は
前記ディスプレイ又はタッチパネルを、前記第1の厚さを有する前記少なくとも1つの領域に取り付けるステップ
を更に含む、請求項10~13のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条の下で、2017年5月15日出願の米国仮特許出願第62/506,024号の優先権の利益を主張するものであり、上記仮特許出願の内容は依拠され、参照によりその全体が本出願に援用される。
また、本願は、特願2019-563525号を原出願として令和5年 5月30日に分割したものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は一般に、自動車内装を含む様々な用途のための三次元(3D)形状ガラスの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
ダッシュボード、コンソール、又は湾曲した表面若しくは部分的に湾曲した表面を有する他の自動車内部の部位に一体化できる、湾曲した形状又はコンフォーマル形状を有する自動車用ディスプレイ(「コンフォーマルディスプレイ(conformal display)」)に関心が集まっている。このようなディスプレイとしては、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、マイクロ発光ダイオード(マイクロLED)ディスプレイ、及び他のディスプレイが挙げられる。更に、更なる機械的安定性及び信頼性を自動車用ディスプレイに提供するために、輪郭形成済みカバーガラスを使用することに関心が集まっている。
【0004】
自動車用途におけるディスプレイ及びカバーガラスのコンフォーマル形状は、カバーガラスの成形に限定されており、その一方で基礎をなすディスプレイは平坦かつ剛性である。カバーガラスは、熱間成形又は冷間曲げプロセスによって成形されてきた。熱間成形は、ガラスをその軟化点より高い温度に加熱して、ガラスを所望の形状に恒久的に曲げるものである。熱間成形プロセスは、様々な3D形状を製造できるが、多大なコストがかかる。更に、熱間成形されたガラスは、熱的に成形してその後(例えばイオン交換プロセスにより)強化する必要がある。これに対して、冷間曲げ加工は、大幅に低い温度(多くの場合室温)で実施されるが、一定の厚さのガラスシートを使用する場合、達成できる曲げ半径及び形状が限定される場合がある(即ち上記形状は、比較的大きな曲げ半径を有する基本的なU字カーブ及びS字カーブに限定される場合がある)。より複雑な形状は、冷間曲げ加工済みガラスに大きな応力を生成する。更に、曲げ半径を減少させると、冷間曲げ加工済みガラスに高い曲げ応力が生成され、全体の剛度により、冷間曲げ加工済みガラスを正しい形状に保つために大幅に大きな機械フレーム又は強力な接着剤を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、高いディスプレイ品質及び機械的信頼性を有する、コンフォーマルディスプレイ及び/又は輪郭形成済みカバーガラスの形状に対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、輪郭形成済みガラス物品を作製する方法の実施形態、及び結果として得られる輪郭形成済みガラス物品の実施形態を記載する。
【0007】
1つ以上の実施形態では、輪郭形成済みガラス物品を作製する方法は:第1及び第2の対向する主表面と、第1の厚さを有する少なくとも1つの領域と、第2の厚さを有する少なくとも1つの領域とを有する平面ガラスシートを冷間曲げ加工して、上記第2の厚さを有する上記少なくとも1つの領域の一部分に沿った少なくとも1つの曲げ加工領域を有する冷間曲げ加工済みガラスシートを製造するステップ;並びに上記冷間曲げ加工済みガラスシートを拘束して、輪郭形成済みガラス物品を製造するステップを含み、ここで上記第1の厚さは上記第2の厚さより大きい。1つ以上の具体的な実施形態では、上記冷間曲げ加工するステップ及び上記冷間曲げ加工済みガラスシートを拘束する上記ステップは、順次又は同時に実行される。
【0008】
1つ以上の実施形態では、上記輪郭形成済みガラス物品は、第1及び第2の対向する主表面と、第1の厚さを有する少なくとも1つの領域と、第2の厚さを有する少なくとも1つの領域と、上記第2の厚さを有する上記少なくとも1つの領域の一部分に沿った少なくとも1つの曲げ加工領域と、を有する冷間曲げ加工済みガラスシートを備え、ここで上記第1の厚さは上記第2の厚さより大きい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】均一な厚さを有する冷間曲げ加工済みガラスシートの断面図
【
図1B】均一な厚さを有する冷間曲げ加工済みガラスシートの断面図
【
図1C】本開示の1つ以上の実施形態による、(矢印で示した)1つの局所的に薄化されて冷間曲げ加工された領域を有する、冷間曲げ加工済みガラスシートの断面図
【
図1D】本開示の1つ以上の実施形態による、(矢印で示した)2つの局所的に薄化されて冷間曲げ加工された領域を有する、冷間曲げ加工済みガラスシートの断面図
【
図2A】本開示の1つ以上の実施形態による、(矢印で示した)1つの局所的に薄化されて冷間曲げ加工された領域を有する、冷間曲げ加工済みガラスシートの断面図
【
図2B】本開示の1つ以上の実施形態による、(矢印で示した)2つの局所的に薄化されて冷間曲げ加工された領域を有する、冷間曲げ加工済みガラスシートの断面図
【
図3A】ディスプレイ等の機能アイテムを適切に収容できない、(局所的に薄化された領域を有しない)
図2Bの冷間曲げ加工済みガラスシート
【
図3B】本開示の1つ以上の実施形態による、機能アイテムを取り付けるために、薄化された領域の曲率を低減した又は平坦性を向上させたため、ディスプレイ等の機能アイテムを収容できる、(局所的に薄化された領域を有する)
図2Dの冷間曲げ加工済みガラスシート
【
図4】冷間曲げ加工済みガラスシートと、ディスプレイ等の機能アイテムを収容できる局所的薄化を有するフレーム(図示せず)とを含む、本開示の1つ以上の実施形態によるガラス物品の一例の概略図
【
図5】1つ以上の実施形態による平面ガラスシートの側面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の様々な実施形態を、図面がある場合はそれを参照しながら詳細に説明する。様々な実施形態に対する言及は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は本明細書に添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。更に、本明細書に記載のいずれの例は、限定的なものではなく、単に、請求対象の発明の多数の可能な実施形態のうちのいくつかを示すものである。
【0011】
定義
「冷間曲げ加工(cold bending)」、「冷間曲げ加工する(cold bend)」等の用語は、ガラスのガラス転移温度(T
g)未満の温度でガラス物品を曲げ加工することを指す。冷間曲げ加工は、例えば800℃未満、例えば700、600、500、400、300、280、200、100、50、及び25℃(中間の値及び範囲を含む)で実施できる。冷間曲げ加工済みガラス物品の特徴は、
図1A及び1Cに示されるような第1の主表面11、111と第2の主表面12、112との間の非対称な表面圧縮応力である。1つ以上の実施形態では、冷間曲げプロセスの前又は冷間曲げ加工される前において、ガラス物品の第1の主表面11、111及び第2の主表面12、112それぞれにおける圧縮応力は略等しい。ガラス物品が強化されない1つ以上の実施形態では、第1の主表面11、111及び第2の主表面12、112は、冷間曲げ加工の前には、明らかな圧縮応力を呈さない。(本明細書に記載されるように)ガラス物品が強化される1つ以上の実施形態では、第1の主表面11、111及び第2の主表面12、112は、冷間曲げ加工の前に互いに略等しい圧縮応力を呈する。1つ以上の実施形態では、(例えば
図1A及び1Cに示されるように)冷間曲げ加工後には、曲げ加工後に凹形状を有する表面(例えば
図1A及び1Cの第1の主表面11、111)上の圧縮応力が増大する。換言すると、凹面(例えば第1の主表面11、111)上の圧縮応力は、冷間曲げ加工前よりも冷間曲げ加工後に大きくなる。理論によって束縛されるものではないが、冷間曲げプロセスは、成形対象のガラス物品の圧縮応力を増大させることにより、曲げ及び/又は成形動作中に付与される引張応力を補償する。1つ以上の実施形態では、冷間曲げプロセスにより、凹面(第1の主表面11、111)は圧縮応力を受け、その一方で冷間曲げ加工後に凸形状を形成する表面(即ち
図12、112の第2の主表面12、112)は、引張応力を受ける。冷間曲げ加工後に凸面(即ち第2の主表面12、112)が受ける引張応力は、表面圧縮応力の最終的な低減につながり、これにより、冷間曲げ加工後の強化ガラス物品の凸面(即ち第2の主表面12、112)における圧縮応力は、ガラス物品が平坦である場合の同一の表面(即ち第2の主表面12、112)上の圧縮応力よりも小さくなる。強化ガラス物品を利用する場合、第1の主表面及び第2の主表面は、冷間曲げ加工の前、互いに略等しい圧縮応力を備え、従って第1の主表面は、破断のリスクなしに、冷間曲げ加工中により大きな引張応力を受けることができる。これにより、上記強化ガラス物品を、より強く湾曲した表面又は形状に適合させることができる。
【0012】
用語「イオン交換(IOX、IOXing、IOX’ed、ion‐exchange、ion‐exchanging等)」は、指定に応じてガラス表面の一方又は両方の側面の少なくとも一部分上のイオンの、交換対象のイオンに比べて原子半径が大きなイオン、例えばNa+イオンと交換される(即ちNa+イオンを置換する)K+イオンといった異なるイオンによる、部分的な又は完全なイオン交換を指す。
【0013】
「曲げ半径(bend radius)」、「半径(radius)」等の用語は、内側の湾曲に対して測定された最小半径を指し、あるいは又は更に、ガラスシートを破損することなく又はガラスシートの寿命を縮めることなく、ガラスシートを曲げることができる最大曲げを指す。曲げ半径が小さいほど、材料の可撓性は大きくなる。関連する用語は、「曲率半径(radius of curvature)」である。曲がった部分又は片の曲率半径が減少するに従って、湾曲は大きくなり、大きな曲率半径は小さな湾曲を表し、小さな曲率半径は大きな湾曲を表す。
【0014】
構成要素、成分、添加剤、寸法、条件、時間、及び同様の態様並びにその範囲に関して開示される具体的な及び好ましい値は、例示のみを目的としており、これらは、他の明確な値、又は明確な範囲内の他の値を排除するものではない。本開示の組成物及び方法は、明示的又は黙示的な中間値及び範囲を含む、本明細書に記載される複数の値、具体的な値、より具体的な値、及び好ましい値のうちのいずれの値又はいずれの組み合わせを含むことができる。
【0015】
本開示の第1の態様は、
図1C~1D、2A~2B、3B及び4に示すような輪郭形成済みガラス物品に関する。本明細書中で使用される場合、句「輪郭形成済みガラス物品(contoured glass article)は、湾曲した形状に曲げられたガラス物品を指す。輪郭形成済みガラス物品は、本明細書に記載される冷間曲げ加工により湾曲させることができる。1つ以上の実施形態では、輪郭形成済みガラス物品は、第1の主表面111(
図1Cに示す)、上記第1の主表面に対向する第2の主表面112(又は第2の対向する主表面)、第1の厚さを有する少なくとも1つの領域115、第2の厚さを有する少なくとも1つの領域116、及び上記第2の厚さを有する上記少なくとも1つの領域の一部分に沿った少なくとも1つの曲げ加工領域117を有する、冷間曲げ加工済みガラスシートを含む。1つ以上の実施形態では、第1の厚さ115は第2の厚さ116より大きい。1つ以上の実施形態では、上記輪郭形成済みガラス物品は更に、上記少なくとも1つの曲げ加工領域を保持するために第2の主表面112に取り付けられた、フレーム150(
図2Aに示す)を含む。1つ以上の代替的な実施形態では、フレーム150は、第1の主表面111に取り付けてもよい。
【0016】
1つ以上の実施形態では、輪郭形成済みガラス物品(又は輪郭形成済みガラス物品を形成するために使用される平面ガラスシート)は、約2mm以下、又は約1.5mm以下の第1の厚さ115を有する。例えば、上記第1の厚さは、約0.01mm~約1.5mm、0.02mm~約1.5mm、0.03mm~約1.5mm、0.04mm~約1.5mm、0.05mm~約1.5mm、0.06mm~約1.5mm、0.07mm~約1.5mm、0.08mm~約1.5mm、0.09mm~約1.5mm、0.1mm~約1.5mm、約0.15mm~約1.5mm、約0.2mm~約1.5mm、約0.25mm~約1.5mm、約0.3mm~約1.5mm、約0.35mm~約1.5mm、約0.4mm~約1.5mm、約0.45mm~約1.5mm、約0.5mm~約1.5mm、約0.55mm~約1.5mm、約0.6mm~約1.5mm、約0.65mm~約1.5mm、約0.7mm~約1.5mm、約0.01mm~約1.4mm、約0.01mm~約1.3mm、約0.01mm~約1.2mm、約0.01mm~約1.1mm、約0.01mm~約1.05mm、約0.01mm~約1mm、約0.01mm~約0.95mm、約0.01mm~約0.9mm、約0.01mm~約0.85mm、約0.01mm~約0.8mm、約0.01mm~約0.75mm、約0.01mm~約0.7mm、約0.01mm~約0.65mm、約0.01mm~約0.6mm、約0.01mm~約0.55mm、約0.01mm~約0.5mm、約0.01mm~約0.4mm、約0.01mm~約0.3mm、約0.01mm~約0.2mm、約0.01mm~約0.1mm、約0.04mm~約0.07mm、約0.1mm~約1.4mm、約0.1mm~約1.3mm、約0.1mm~約1.2mm、約0.1mm~約1.1mm、約0.1mm~約1.05mm、約0.1mm~約1mm、約0.1mm~約0.95mm、約0.1mm~約0.9mm、約0.1mm~約0.85mm、約0.1mm~約0.8mm、約0.1mm~約0.75mm、約0.1mm~約0.7mm、約0.1mm~約0.65mm、約0.1mm~約0.6mm、約0.1mm~約0.55mm、約0.1mm~約0.5mm、約0.1mm~約0.4mm、又は約0.3mm~約0.7mmであってよい。
【0017】
1つ以上の実施形態では、輪郭形成済みガラス物品(及び/又は輪郭形成済みガラス物品を形成するために使用される平面ガラスシート)は、上記第1の厚さ未満の第2の厚さ116を有する。1つ以上の実施形態では、上記第1の厚さは、約500マイクロメートル~約2mmであり、上記第2の厚さは、上記第1の厚さの約10%~90%(例えば、約10%~約85%、約10%~約80%、約10%~約75%、約10%~約70%、約10%~約65%、約10%~約60%、約10%~約55%、約10%~約50%、約10%~約45%、約20%~約90%、約25%~約90%、約30%~約90%、約35%~約90%、約40%~約90%、約45%~約90%、約50%~約90%、約55%~約90%、約60%~約90%、又は約65%~約90%)である。1つ以上の実施形態では、上記第1の厚さは、約500マイクロメートル超~約2mmであり、上記第2の厚さは、約300マイクロメートル~500マイクロメートル未満である。いくつかの実施形態では、上記第1の厚さの領域は、5、10、20、50、100mmのうちの1つ以上である少なくとも1つの長さ寸法、及び同様の厚さ(中間の値及び範囲を含む)を有するサイズを有することができる。上記第2の厚さの領域は、5、10、20、50、100mmのうちの1つ以上である少なくとも1つの長さ寸法、及び同様の厚さ(中間の値及び範囲を含む)を有するサイズを有することができる。第1の厚さと第2の厚さとの間の厚さの遷移、例えばテーパ又は(1つ以上の)段差は、1、10、20、50、100マイクロメートル及び1、5、10、50、100mmのうちの1つ以下の長さ寸法、及び同様の遷移厚さ(中間の値及び範囲を含む)を有して生じ得る。
【0018】
1つ以上の実施形態では、輪郭形成済みガラス物品(及び/又は輪郭形成済みガラス物品を形成するために使用される平面ガラスシート)は、第1の主表面又は第2の主表面のうちの一方の第1の最大寸法として定義される幅(W)と、第1の表面又は第2の表面のうちの一方の、上記幅と直交する第2の最大寸法として定義される長さ(L)とを有する。平面ガラスシートの幅及び/又は長さは、輪郭形成済みガラス物品への冷間曲げ加工後、輪郭形成済みガラス物品の湾曲により、同一のガラスシートの幅及び/又は長さよりも大きくなり得る。
【0019】
1つ以上の実施形態では、輪郭形成済みガラス物品(及び/又は輪郭形成済みガラス物品を形成するために使用される平面ガラスシート)は、約5cm~約250cm、約10cm~約250cm、約15cm~約250cm、約20cm~約250cm、約25cm~約250cm、約30cm~約250cm、約35cm~約250cm、約40cm~約250cm、約45cm~約250cm、約50cm~約250cm、約55cm~約250cm、約60cm~約250cm、約65cm~約250cm、約70cm~約250cm、約75cm~約250cm、約80cm~約250cm、約85cm~約250cm、約90cm~約250cm、約95cm~約250cm、約100cm~約250cm、約110cm~約250cm、約120cm~約250cm、約130cm~約250cm、約140cm~約250cm、約150cm~約250cm、約5cm~約240cm、約5cm~約230cm、約5cm~約220cm、約5cm~約210cm、約5cm~約200cm、約5cm~約190cm、約5cm~約180cm、約5cm~約170cm、約5cm~約160cm、約5cm~約150cm、約5cm~約140cm、約5cm~約130cm、約5cm~約120cm、約5cm~約110cm、約5cm~約110cm、約5cm~約100cm、約5cm~約90cm、約5cm~約80cm、又は約5cm~約75cmの幅(W)を有する。
【0020】
1つ以上の実施形態では、輪郭形成済みガラス物品(及び/又は輪郭形成済みガラス物品を形成するために使用される平面ガラスシート)は、約5cm~約250cm、約10cm~約250cm、約15cm~約250cm、約20cm~約250cm、約25cm~約250cm、約30cm~約250cm、約35cm~約250cm、約40cm~約250cm、約45cm~約250cm、約50cm~約250cm、約55cm~約250cm、約60cm~約250cm、約65cm~約250cm、約70cm~約250cm、約75cm~約250cm、約80cm~約250cm、約85cm~約250cm、約90cm~約250cm、約95cm~約250cm、約100cm~約250cm、約110cm~約250cm、約120cm~約250cm、約130cm~約250cm、約140cm~約250cm、約150cm~約250cm、約5cm~約240cm、約5cm~約230cm、約5cm~約220cm、約5cm~約210cm、約5cm~約200cm、約5cm~約190cm、約5cm~約180cm、約5cm~約170cm、約5cm~約160cm、約5cm~約150cm、約5cm~約140cm、約5cm~約130cm、約5cm~約120cm、約5cm~約110cm、約5cm~約110cm、約5cm~約100cm、約5cm~約90cm、約5cm~約80cm、又は約5cm~約75cmの長さ(L)を有する。
【0021】
1つ以上の実施形態では、輪郭形成済みガラス物品(及び/又は輪郭形成済みガラス物品を形成するために使用される平面ガラスシート)は、約10cm2~約50,000cm2の表面積を有する。
【0022】
輪郭形成済みガラス物品(又は輪郭形成済みガラス物品を形成するために使用される平面ガラスシート)において使用するための好適なガラス組成物としては、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、ボロアルミノシリケートガラス、アルカリ含有アルミノシリケートガラス、アルカリ含有ボロシリケートガラス、及びアルカリ含有ボロアルミノシリケートガラスが挙げられる。1つ以上の実施形態では、輪郭形成済みガラス物品(又は輪郭形成済みガラス物品を形成するために使用される平面ガラスシート)は、単一の組成物層であってよく、又は異なる組成物及び厚さの複数の層を含んでよい。
【0023】
1つ以上の実施形態では、第1の主表面111及び第2の主表面112のうちの少なくとも一方は、未強化であっても、アニーリングされていても、又は熱強化されていてもよい。第1の主表面111及び第2の主表面112の少なくとも一方が未強化であっても、アニーリングされていても、又は熱強化されていてもよい実施形態では、当該表面は、120Mpa未満、100MPa未満、75MPa未満又は50MPa未満の表面圧縮応力を呈し得る。1つ以上の実施形態では、第1の主表面111及び第2の主表面112のうちの少なくとも一方は、イオン交換済み表面を呈さなくてよい。
【0024】
1つ以上の実施形態では、輪郭形成済みガラス物品の第1及び第2の主表面のうちの少なくとも一方、又は第1及び第2の主表面の両方が強化される。1つ以上の実施形態では、輪郭形成済みガラス物品を形成するために使用される平面ガラスシートは、輪郭形成済みガラス物品への成形前に強化してよい。このような強度特性は、(本明細書中に記載するような第1の主表面と第2の主表面との間の表面圧縮応力の差といった、冷間曲げ加工に起因するいずれの追加の特性と共に)最終的な輪郭形成済みガラス物品に存在してよい。
【0025】
1つ以上の実施形態では、強化された輪郭形成済みガラス物品は、表面(典型的には上記第1及び第2の主表面のうちの一方又は両方)から圧縮深さ又は圧縮応力層深さ(DOC)まで延在する圧縮応力を含んでよい。上記表面における上記圧縮応力は、表面CSと呼ばれる。CS領域は、引張応力を呈する中央部分によって平衡化される。DOCにおいて、応力は、圧縮応力から引張応力へと変化する。上記圧縮応力及び上記引張応力は、本明細書中で絶対値として提供される。
【0026】
1つ以上の実施形態では、輪郭形成済みガラス物品を、熱強化プロセス、化学強化プロセス及び機械的強化プロセスのうちのいずれの1つ又はこれらの組み合わせによって強化してよい。1つ以上の実施形態では、輪郭形成済みガラス物品(又は平面ガラスシート)を、上記物品の複数の部分間の熱膨張係数の不一致を利用して機械的に強化することにより、圧縮応力領域及び引張応力を呈する中央領域を生成してよい。いくつかの実施形態では、輪郭形成済みガラス物品(又は平面ガラスシート)を、ガラス転移点を超える温度に加熱した後急速冷却することにより、熱強化してよい。
【0027】
1つ以上の実施形態では、輪郭形成済みガラス物品(又は平面ガラスシート)を、イオン交換によって化学強化してよい。イオン交換プロセスでは、輪郭形成済みガラス物品(又は平面ガラスシート)の表面の又は表面付近のイオンが、同一の原子価又は酸化状態を有する比較的大きなイオンで置換される(又は上記イオンと交換される)。輪郭形成済みガラス物品がアルカリアルミノシリケートガラスを含む実施形態では、上記物品の表面層内のイオン、及び上記比較的大きなイオンは、Li+、Na+、K+、Rb+、及びCs+といった1価アルカリ金属陽イオンである。あるいは、上記表面層内の1価陽イオンを、Ag+等といったアルカリ金属陽イオン以外の1価陽イオンで置換してよい。このような実施形態では、交換されて輪郭形成済みガラス物品(又は平面ガラスシート)の中へと入った1価イオン(又は陽イオン)は、応力を生成する。ガラス物品(又は平面ガラスシート)を含むいずれのアルカリ金属酸化物は、イオン交換プロセスによって化学強化できることを理解されたい。
【0028】
イオン交換プロセスは典型的には、ガラス物品(又は平面ガラスシート)を、上記ガラス物品(又は平面ガラスシート)中の比較的小さなイオンと交換されることになる比較的大きなイオンを含有する溶融塩浴(又は2つ以上の溶融塩浴)に浸漬することによって実施される。水性塩浴を利用してもよいことに留意されたい。更に、(1つ以上の)浴の組成は、2種類以上の比較的大きなイオン(例えばNa+及びK+)を含んでいても、又は単一の比較的大きなイオンを含んでいてもよい。浴組成及び温度、浸漬時間、ガラス物品を塩浴(又は浴)に浸漬する回数、複数の塩浴の使用、アニーリング、洗浄といった追加のステップを含むがこれらに限定されないイオン交換プロセスに関するパラメータは一般に、(物品の構造及びいずれの結晶相の存在を含む)ガラス物品の組成、並びに強化によって生じるガラス物品所望のDOC及びCSによって決定されることは、当業者には認識されるだろう。例示的な溶融浴の組成は、比較的大きなアルカリ金属イオンの硝酸塩、硫酸塩、及び塩化物を含んでよい。典型的な硝酸塩は、KNO3、NaNO3、LiNO3、NaSO4及びこれらの組み合わせを含む。溶融塩浴の温度は典型的には、約380℃から最大約450℃までであるが、浸漬時間は、ガラス物品(又は平面ガラスシート)の厚さ、浴温度及びガラス(又は1価イオン)の拡散率に応じて、約15分から最大約100時間までである。しかしながら、上述のものと異なる温度及び浸漬時間を用いてもよい。
【0029】
1つ以上の実施形態では、ガラス物品(又は平面ガラスシート)を、約370℃~約480℃の温度を有する100%のNaNO3、100%のKNO3、又はNaNO3とKNO3との組み合わせの溶融塩浴に浸漬してよい。いくつかの実施形態では、ガラス物品(又は平面ガラスシート)を、約1%~約99%のKNO3及び約1%~約99%のNaNO3を含む溶融混合塩浴に浸漬してよい。1つ以上の実施形態では、ガラス物品(又は平面ガラスシート)を、第1の浴に浸漬した後に、第2の浴に浸漬してよい。上記第1及び第2の浴は、互いに異なる組成及び/又は温度を有してよい。上記第1及び第2の浴中での浸漬時間は異なっていてよい。例えば、上記第1の浴中での浸漬は、上記第2の浴中での浸漬より長くてよい。
【0030】
1つ以上の実施形態では、ガラス物品(又は平面ガラスシート)を、約420℃未満(例えば約400℃又は約380℃)の温度を有するNaNO3及びKNO3(49%/51%、50%/50%、51%/49%)を含む溶融混合塩浴に、約5時間未満、又は更には約4時間以下だけ浸漬してよい。
【0031】
イオン交換条件は、「スパイク(spike)」を提供するよう、又は結果として得られるガラス物品(又は平面ガラスシート)の表面若しくは表面付近の応力プロファイルの傾斜を増大させるよう、適合させることができる。このスパイクにより、より大きな表面CS値をもたらすことができる。このスパイクは、本明細書に記載されるガラス物品(又は平面ガラスシート)において使用されるガラス組成物の独特な特性により、単一組成又は混合組成を有する(1つ以上の)浴を有する単一の浴又は複数の浴によって得ることができる。
【0032】
2つ以上の1価イオンが交換されてガラス物品(又は平面ガラスシート)の中に入る1つ以上の実施形態では、異なる複数の1価イオンを、上記ガラス物品内で異なる複数の深さまで交換してよい(そして上記ガラス物品内で異なる複数の深さにおいて異なる複数の大きさの応力を生成してよい)。結果として得られる応力生成イオンの相対的な深さを決定して、応力プロファイルの異なる特性をもたらすことができる。
【0033】
CSは、当該技術分野で公知の手段、例えば有限会社折原製作所(日本)製FSM‐6000等の市販の機器を用いて、表面応力計(surface stress meter:FSM)によって測定される。表面応力測定は、ガラスの複屈折に関連する応力光係数(stress optical coefficient:SOC)の精密測定に依存する。SOCは、「ガラスの応力光係数の測定のための標準試験法(Standard Test Method for Measurement of Glass Stress‐Optical Coefficient)」というタイトルのASTM規格C770‐98(2013)(その内容は、参照によりその全体が本出願に援用される)に記載されるファイバ法及び4点曲げ法、並びにバルクシリンダ法によって測定される。本明細書中で使用される場合、CSは、圧縮応力層内で測定された最高圧縮応力値である「最大圧縮応力(maximum compressive stress)」であってよい。いくつかの実施形態では、最大圧縮応力は、ガラス物品の表面に位置する。他の実施形態では、最大圧縮応力は、表面下の深さにおいて発生してもよく、これにより圧縮応力は「埋没したピーク(buried peak)」のようになる。
【0034】
DOCは、強化方法及び条件に応じて、FSMで、又は散乱光偏向鏡(SCALP)(エストニアのタリンにあるGlasstress Ltdから入手可能なSCALP‐04散乱光偏光器等)で測定してよい。ガラス物品がイオン交換処理によって化学強化される場合、どのイオンがガラス物品へと交換されるかに応じて、FSM又はSCALPを用いてよい。ガラス物品内の応力が、ガラス物品内へのカリウムイオンの交換によって生成される場合は、FSMを用いてDOLを測定する。上記応力が、ガラス物品内へのナトリウムイオンの交換によって生成される場合は、SCALPを用いてDOLを測定する。ガラス物品内の応力が、ガラス内へのカリウム及びナトリウム両方のイオンの交換によって生成される場合は、ナトリウムイオンの交換深さがDOCを示し、カリウムイオンの交換深さが圧縮応力の大きさの変化(ただし圧縮応力から引張応力への応力の変化ではない)を示すと考えられるため、DOCはSCALPで測定され、上記ガラス物品内でのカリウムイオンの交換深さはFSMで測定される。中心張力又はCTは最大引張応力であり、SCALPで測定される。
【0035】
1つ以上の実施形態では、ガラス物品(又は平面ガラスシート)は、(本明細書に記載されているように)上記ガラス物品の厚さtの小部分として記載されるDOCを呈するよう強化してよい。例えば、1つ以上の実施形態では、DOCは、約0.05t以上、約0.1t以上、約0.11t以上、約0.12t以上、約0.13t以上、約0.14t以上、約0.15t以上、約0.16t以上、約0.17t以上、約0.18t以上、約0.19t以上、約0.2t以上、約0.21t以上であってよい。いくつかの実施形態では、DOCは、約0.08t~約0.25t、約0.09t~約0.25t、約0.18t~約0.25t、約0.11t~約0.25t、約0.12t~約0.25t、約0.13t~約0.25t、約0.14t~約0.25t、約0.15t~約0.25t、約0.08t~約0.24t、約0.08t~約0.23t、約0.08t~約0.22t、約0.08t~約0.21t、約0.08t~約0.2t、約0.08t~約0.19t、約0.08t~約0.18t、約0.08t~約0.17t、約0.08t~約0.16t、又は約0.08t~約0.15tであってよい。いくつかの例では、DOCは、約20μm以下であってよい。1つ以上の実施形態では、DOCは、約40μm以上(例えば約40μm~約300μm、約50μm~約300μm、約60μm~約300μm、約70μm~約300μm、約80μm~約300μm、約90μm~約300μm、約100μm~約300μm、約110μm~約300μm、約120μm~約300μm、約140μm~約300μm、約150μm~約300μm、約40μm~約290μm、約40μm~約280μm、約40μm~約260μm、約40μm~約250μm、約40μm~約240μm、約40μm~約230μm、約40μm~約220μm、約40μm~約210μm、約40μm~約200μm、約40μm~約180μm、約40μm~約160μm、約40μm~約150μm、約40μm~約140μm、約40μm~約130μm、約40μm~約120μm、約40μm~約110μm、又は約40μm~約100μm)であってよい。
【0036】
1つ以上の実施形態では、強化された輪郭形成済みガラス物品(又は平面ガラスシート)は、約200MPa以上、300MPa以上、400MPa以上、約500MPa以上、約600MPa以上、約700MPa以上、約800MPa以上、約900MPa以上、約930MPa以上、約1000MPa以上、又は約1050MPa以上のCS(これはガラス物品の表面又はある深さにおいて認められ得る)を有してよい。1つ以上の実施形態では、強化された輪郭形成済みガラス物品(又は平面ガラスシート)は、約200MPa~約1500MPa、約250MPa~約1500MPa、約300MPa~約1500MPa、約350MPa~約1500MPa、約400MPa~約1500MPa、約450MPa~約1500MPa、約500MPa~約1500MPa、約550MPa~約1500MPa、約600MPa~約1500MPa、約200MPa~約1400MPa、約200MPa~約1300MPa、約200MPa~約1200MPa、約200MPa~約1100MPa、約200MPa~約1050MPa、約200MPa~約1000MPa、約200MPa~約950MPa、約200MPa~約900MPa、約200MPa~約850MPa、約200MPa~約800MPa、約200MPa~約750MPa、約200MPa~約700MPa、約200MPa~約650MPa、約200MPa~約600MPa、約200MPa~約550MPa、又は約200MPa~約500MPaのCS(これはガラス物品の表面又はある深さにおいて認められ得る)を有してよい。
【0037】
1つ以上の実施形態では、輪郭形成済みガラス物品(又は平面ガラスシート)は、約20MPa以上、約30MPa以上、約40MPa以上、約45MPa以上、約50MPa以上、約60MPa以上、約70MPa以上、約75MPa以上、約80MPa以上、又は約85MPa以上の最大引張応力又は中心張力(CT)を有してよい。いくつかの実施形態では、上記最大引張応力又は中心張力(CT)は、約40MPa~約100MPa、約50MPa~約100MPa、約60MPa~約100MPa、約70MPa~約100MPa、約80MPa~約100MPa、約40MPa~約90MPa、約40MPa~約80MPa、約40MPa~約70MPa、又は約40MPa~約60MPaであってよい。
【0038】
強化プロセス後、得られた強化された輪郭形成済みガラス物品(又は平面ガラスシート)は、対称応力プロファイル又は非対称応力プロファイルを含むことができる。対称応力プロファイルは、ガラス物品の両方の主表面が対称に化学強化され、略同一の表面圧縮応力及び圧縮応力層深さを呈する場合に存在する。1つ以上の実施形態では、得られた強化ガラス物品は、非対称応力プロファイルを呈することができ、ここでガラス物品は、各主表面上のちょうど対向する位置において、一方の主表面上と対向する主表面上とで異なる表面圧縮応力を呈する。1つ以上の実施形態では、本明細書に記載されるように平面ガラスシート冷間曲げ加工することにより、非対称応力プロファイルを生成してよく、又は存在している非対称応力プロファイルを(より大きな非対称性を有するよう)強化してよい。
【0039】
1つ以上の実施形態では、輪郭形成済みガラス物品は、第2の厚さを有する複数の領域を含んでよい。例えば、
図1D、2B及び3Bでは、ガラス物品は、第2の厚さを有する複数の領域を含む。1つ以上の実施形態では、輪郭形成済みガラス物品は、複数の曲げ加工領域を含んでよい。
図1D、2B及び3Bに示す実施形態では、各曲げ加工領域は、上記第2の厚さを有する1つの領域に位置するが、上記第2の厚さを有する領域よりも少ない曲げ加工領域、及び上記第2の厚さを有する領域よりも多い曲げ加工領域を有することもできる。
【0040】
1つ以上の実施形態では、輪郭形成済みガラス物品は、平面の下方の少なくとも1つの曲げ加工領域、及び上記平面の上方の少なくとも1つの曲げ加工領域を含んでよい。このような実施形態における上記平面は、最大断面寸法の中点として定義される。
【0041】
1つ以上の実施形態では、上記少なくとも1つの曲げ加工領域は、約20mm以上、40mm以上、50mm以上、60mm以上、100mm以上、250mm以上又は500mm以上の曲げ半径(凹面において測定される)を有する。1つ以上の実施形態では、上記曲げ半径は、約50mm~約10,000mmである。例えば、上記曲げ半径は、約20mm~約1500mm、約30mm~約1500mm、約40mm~約1500mm、約50mm~約1500mm、60mm~約1500mm、約70mm~約1500mm、約80mm~約1500mm、約90mm~約1500mm、約100mm~約1500mm、約120mm~約1500mm、約140mm~約1500mm、約150mm~約1500mm、約160mm~約1500mm、約180mm~約1500mm、約200mm~約1500mm、約220mm~約1500mm、約240mm~約1500mm、約250mm~約1500mm、約260mm~約1500mm、約270mm~約1500mm、約280mm~約1500mm、約290mm~約1500mm、約300mm~約1500mm、約350mm~約1500mm、約400mm~約1500mm、約450mm~約1500mm、約500mm~約1500mm、約550mm~約1500mm、約600mm~約1500mm、約650mm~約1500mm、約700mm~約1500mm、約750mm~約1500mm、約800mm~約1500mm、約900mm~約1500mm、約950mm~約1500mm、約1000mm~約1500mm、約1250mm~約1500mm、約20mm~約1400mm、約20mm~約1300mm、約20mm~約1200mm、約20mm~約1100mm、約20mm~約1000mm、約20mm~約950mm、約20mm~約900mm、約20mm~約850mm、約20mm~約800mm、約20mm~約750mm、約20mm~約700mm、約20mm~約650mm、約20mm~約200mm、約20mm~約550mm、約20mm~約500mm、約20mm~約450mm、約20mm~約400mm、約20mm~約350mm、約20mm~約300mm、約20mm~約250mm、約20mm~約200mm、約20mm~約150mm、約20mm~約100mm、約20mm~約50mm、約60mm~約1400mm、約60mm~約1300mm、約60mm~約1200mm、約60mm~約1100mm、約60mm~約1000mm、約60mm~約950mm、約60mm~約900mm、約60mm~約850mm、約60mm~約800mm、約60mm~約750mm、約60mm~約700mm、約60mm~約650mm、約60mm~約600mm、約60mm~約550mm、約60mm~約500mm、約60mm~約450mm、約60mm~約400mm、約60mm~約350mm、約60mm~約300mm、又は約60mm~約250mmであってよい。1つ以上の実施形態では、約0.4mm未満の第1の厚さ又は第2の厚さを有するガラス物品は、約100mm未満、又は約60mm未満の曲げ半径を呈してよい。
【0042】
図3B及び5に示すように、輪郭形成済みガラス物品は、第2の厚さを有する上記少なくとも1つの領域の後方に配置されたディスプレイ及び/又はタッチパネル(200、430)を含んでよい。1つ以上の実施形態では、上記ディスプレイ及び/又はタッチパネルは、第1の厚さを有する上記少なくとも1つの領域の後方に配置してよい。1つ以上の実施形態では、ディスプレイパネル及び/又はタッチパネルは、第1の厚さを有する上記少なくとも1つの領域、及び第2の厚さを有する上記少なくとも1つの領域両方の後方に配置してよい。
【0043】
1つ以上の実施形態では、輪郭形成済みガラス物品は、窓ガラス、構造用ガラス、車両のガラス部品、又はこれらの組み合わせである。
【0044】
本開示の第2の態様は、輪郭形成済みガラス物品を作製する方法に関する。
【0045】
輪郭形成済みガラス物品を作製する方法の1つ以上の実施形態は、平面ガラスシート100を冷間曲げ加工するステップを含む。1つ以上の実施形態では、
図5に示すように、平面ガラスシート100は、第1の主表面111、上記第1の主表面に対向する第2の主表面112(又は第2の対向する主表面(
図1C及び
図5に示した111、112))、第1の厚さを有する少なくとも1つの領域115、並びに第2の厚さを有する少なくとも1つの領域116を有し、上記第1の厚さは上記第2の厚さより大きい。1つ以上の実施形態では、上記方法は、平面ガラスシート100を冷間曲げ加工して、上記第2の厚さを有する上記少なくとも1つの領域の一部分(116)に沿った(矢印で示した)少なくとも1つの曲げ加工領域を有する、
図1Cに示すような冷間曲げ加工済みガラスシートを製造するステップを含む。1つ以上の実施形態では、上記方法は、平面ガラスシートを冷間曲げ加工して、
図1Dに示すような、2つ以上の曲げ加工領域を有する冷間曲げ加工済みガラスシートを製造するステップを含む。
【0046】
1つ以上の実施形態では、上記方法は、上記冷間曲げ加工済みガラスシートを拘束して、輪郭形成済みガラス物品を製造するステップを含み、上記ガラス部品は依然として、上記第2の厚さより大きい上記第1の厚さを呈する。1つ以上の実施形態では、上記冷間曲げ加工済みガラスシートを拘束する上記ステップは、上記冷間曲げ加工済みガラスシートを保持フレーム内に配置するステップを含み、上記保持フレームは、上記冷間曲げ加工済みガラスシートを湾曲構成内に保持する、又は上記少なくとも1つの曲がり部を上記冷間曲げ加工済みガラスシート内に維持する。上記冷間曲げ加工済みガラスシートは、保持フレーム内において、張力下に置いてよい。接着剤又は機械的留め具を用いて、上記冷間曲げ加工済みガラスシートを上記保持フレーム内に配置及び維持してよい。1つ以上の実施形態では、上記冷間曲げ加工済みガラスシートを拘束する上記ステップは、上記冷間曲げ加工済みガラスシートを、予備形成された型、及び上記冷間曲げ加工済みガラスシートを上記予備形成された型に接着するための接着剤に接触させて、上記輪郭形成済みガラス物品を得るステップを含む。
【0047】
1つ以上の実施形態では、上記ガラスシートを冷間曲げ加工する上記ステップ、及び上記冷間曲げ加工済みガラスシートを拘束する上記ステップ(例えば、上記冷間曲げ加工済みガラスシートを上記保持フレーム内に配置する上記ステップ)は、順次又は同時に実行できる。
【0048】
1つ以上の実施形態では、上記方法は、冷間曲げ加工する上記ステップの前に、上記平面ガラスシートを強化するステップを含む。例えば、上記平面ガラスシートを、上記輪郭形成済みガラス物品に関して上述した熱強化プロセス、化学強化プロセス及び機械的強化プロセスのうちのいずれの1つ又はこれらの組み合わせによって強化してよい。
【0049】
1つ以上の実施形態では、上記方法は、上記冷間曲げ加工済みガラスシートの少なくとも1つの主表面を強化するステップを含んでよい。例えば、上記冷間曲げ加工済みガラスシートの上記少なくとも1つの主表面又は両方の主表面を、本明細書に記載されているように、熱強化、機械的強化、又は化学強化してよい。
【0050】
1つ以上の実施形態では、上記平面ガラスシートは、上記第2の厚さを有する複数の領域を有する。1つ以上の実施形態では、上記冷間曲げ加工済みガラスシートは、単一の曲げ加工領域又は複数の曲げ加工領域を有してよい。
【0051】
1つ以上の実施形態では、上記冷間曲げ加工済みガラスシートは、例えば、平面の下方の少なくとも1つの曲がり部、及び平面の上方の少なくとも1つの曲がり部を有することができ、上記平面は第1の平面ガラスシートの平面によって画定される。
【0052】
実施形態では、上記方法は、上記平面ガラスシートを局所的に薄化するステップを含む。例えば、上記方法は、上記ガラス物品又はカバーガラスの成形中又は成形後に、上記平面ガラスシートの局所的薄化を含む。1つ以上の実施形態では、上記平面ガラスシートの局所的薄化は、上記平面ガラスシートの成形中に行われ、またこれは、上記平面ガラスシートの局所的伸長又は延伸を含む。本明細書中で使用される場合、この成形ステップは、曲がり部を生成するために使用されない。そうではなく、この成形ステップ中の薄化により、ガラスが局所的に加熱され延伸される(又は伸長される)ため、この局所的な領域が、シートの加熱及び延伸されていない領域よりも薄くなる。1つ以上の実施形態では、上記方法は、上記シートを延伸した後に冷間曲げ加工することにより形成された局所的薄化領域を有する上記平面ガラスシートを強化するステップを含んでよく、ここで曲げ加工は主に、この比較的薄く柔軟な領域において行われる。
【0053】
上記ガラスシートの成形後の薄化の例としては、上記平面ガラスシートの一部分を除去して薄い局所領域とする、湿式エッチング、乾式エッチング、及びサンドブラストといった材料除去プロセスが挙げられる。
【0054】
1つ以上の実施形態では、輪郭形成済みガラス物品を作製する上記方法は、大きな曲げ応力又は二軸応力が生じる1つ以上の領域又はエリアにおいて、平面ガラスシートを局所的に薄化するステップを含む。1つ以上の実施形態では、薄化ステップ後、上記平面ガラスシートを薄化された上記領域又は上記領域付近で、所望の形状に冷間曲げ加工できる。本開示の薄化及び曲げ方法は、上記冷間曲げ加工済みガラスシート及び/又は輪郭形成済みガラス物品中に、一定の厚さを有する冷間曲げ加工済みガラスシート又は輪郭形成済みガラス物品(これらは
図1A及び1Bに示されている)と比較して低い応力を生成する。上記ガラスシート又は物品の剛度は、上記ガラスの厚さの3乗、即ち(厚さ)
3に関連するため、本開示の実施形態に従って作製された、薄化された冷間曲げ加工済みガラスシート又は輪郭形成済み物品は、その寿命を通して、冷間曲げ加工済みガラスシートを輪郭形成済みガラス物品へと拘束するために必要とされる、保持用機構の要件又はフレームに関する要件も低減する。具体的には、局所的に削減された厚さを有する(即ち薄化された)冷間曲げ加工済みガラスシート又は輪郭形成済みガラス物品は、曲げ加工された構成にある場合に、厚い場所よりも薄化された場所において小さな曲げ応力又は二軸応力を受ける。同様に、局所的に低い剛度を有するガラス物品は、上記輪郭形成済みガラス物品を湾曲した形状に維持するために必要な、保持機構又はフレーム構造からの力が小さくなる。これらの結果により、重量が低減され、輪郭形成済みガラス物品又はディスプレイ/タッチパネルの周りに配置される機械的フレーム構造のコストが削減された、輪郭形成済み製品を提供できる。
【0055】
本明細書に記載される実施形態は、以下の例示的な利点を有する:
・比較的小さな曲げ半径を有する曲がり部を有する輪郭形成済みガラス物品を得ることができること;
・複雑で恒久的な湾曲を有する輪郭形成済みガラス物品を得ることができること;
・曲げ応力の低減により機械的信頼性が増大した輪郭形成済みガラス物品を得ることができること;
・製品寿命を通して、冷間曲げ加工後に成形されたガラスを保持するために必要な機械的フレームが削減された、輪郭形成済みガラス物品を得ることができること;
・比較的大きなディスプレイを輪郭形成済みガラス物品に一体化できること(即ち、ディスプレイを曲げ加工領域に沿って曲げることにより、輪郭形成済みガラス物品のカーブにより良好に一致させることができ、従ってディスプレイは平面領域における配置に限定されない);
・熱間成形方法と比較して加工コストが低い、輪郭形成済みガラス物品を得ることができること;及び
・輪郭形成済みガラス物品の1つ以上の曲げ加工領域を、それが必要とされる場所に位置決めする能力(この位置決めにより、ディスプレイエリアを平坦なままとして、ディスプレイ間の領域を湾曲させることができる)
図面を参照すると、
図1A~1Bは、一定の厚さを有する形状に曲げ加工されたガラスシートを示す。これに対して、
図1C及び1Dは、同様の形状を有するものの、大きな湾曲がガラスシート内に生じる場所に薄化された領域を有する、冷間曲げ加工済みガラスシートを示す。ガラスシートに作製された湾曲は、局所的に薄化された領域又はエリア内に位置決めできる。上記ガラスシート内の比較的厚い領域は、平坦なままか、又は1つ以上の薄化された領域と比較して湾曲が小さいものとすることができる。上記比較的厚い領域は、一体化される又は取り付けられることになるディスプレイのための潜在的な場所である。この例では、上記部分は、単純なU字及びS字形状に曲げることができる。ガラスがその表面にわたってより複雑な2Dパターンに薄化された場合、又はディスプレイも局所的に薄化された場合、より複雑なシナリオも可能である。
図1A及び1Bは、単純なU字及びS字カーブの、一定の厚さの冷間曲げ加工済みガラスシートを示す。
図1C及び1Dは、第1の厚さ及び第2の厚さを有し、かつ局所的に薄化された少なくとも1つの領域又は側部(矢印を参照)を有する、冷間曲げ加工済みガラスシートを示す。ガラスのカーブが作製されるエリアにおけるガラスシートの局所的薄化により、曲げ応力及び剛度が低下する。結果として得られる輪郭形成済みガラス物品の剛度の低下により、必要となる機械フレームの大きさが減少する。薄化されていないエリアの平坦性は、所望に応じて増大させることもでき、単純なディスプレイ一体化が可能となる。
【0056】
局所的に薄化されたガラスシートは、平坦な比較的厚い領域に一体化されたディスプレイ(又は他のデバイス)を有することができる。上記ガラスシートは、一方又は両方の主表面において局所的に薄化できる。上記ガラスシートを両方の表面上で薄化した場合、各表面上の薄化された領域を整列させる(即ち一致させる若しくは同一の場所に配置する)ことも、又は互いからずらすこともできる。
【0057】
実施形態では、本開示は、3Dガラス形状が選択され、この3Dガラス形状によってディスプレイ上の過剰な応力が回避される、ディスプレイを作製する方法を提供する。実施形態では、上記方法は、第1の厚さを有する少なくとも1つの領域と、第2の厚さを有する少なくとも1つの領域とを有する平面ガラスシートを、冷間曲げ加工するステップを備え、これは、ディスプレイ領域のために、曲がり部の間に位置する比較的厚い又は比較的平坦なエリアを残す。
【0058】
1つ以上の実施形態では、本開示は、輪郭形成済みガラス物品、ディスプレイ、及びこれらを作製する方法を提供する。実施形態では、本開示は、輪郭形成済みガラス物品及び一体型ディスプレイ(又は他のデバイス)を提供する。上記輪郭形成済みガラス物品は、その下にあるディスプレイ又はデバイスのための機械的カバーシートとして機能できる、イオン交換されたガラス又は別のガラスとすることができる。実施形態では、上記第1の厚さは、3mm以下、例えば1mm未満、0.7mm未満、0.5mm未満、及び0.3mm未満とすることができる。上記輪郭形成済みガラス物品と一体化してよい又は組み合わせてよい上記ディスプレイとしては、LCディスプレイ、OLEDディスプレイ、マイクロLEDディスプレイ、OLED照明、タッチセンサ、スピーカ、機器ディスプレイ、及び同様の他の電子デバイスが挙げられる。
【0059】
ディスプレイ用途に加えて、本開示の方法及び物品は、曲がり部又はカーブを有する成形済みガラス物品を必要とする非ディスプレイ用途、例えば、自動車の照明、機器パネル、タッチセンサ、携帯電話の本体、並びに同様の構造及び用途において使用できる。
【0060】
1つ以上の代替的な実施形態では、上記平面ガラスシートの幅を横断する単純な単一のゾーンにおける上記平面ガラスシートの薄化の代わりに、上記方法は、平面ガラスシートをより複雑なパターンに薄化するステップを含み、これにより、ガラス物品がその後より複雑な3D湾曲に冷間曲げ加工される際の、曲げ応力及び二軸応力の低減が可能となる(この例では薄化は、カバーガラスの、上記複雑な湾曲内の高い応力が生じる場所において、特に実行できる)。このような実施形態は、ガラスシートを曲げ加工する際の応力を低減でき、複数の曲がり部を異なる複数の方向に機械的に分離する。上記ガラスシートの、平坦性、剛度、又は両方の特性が重要となる特定の部分は、比較的厚いままとすることができる。薄化は、局所的2D若しくは3D曲げ加工又は機械的分離が望ましい特定の領域に配置できる。
【0061】
1つ以上の代替的な実施形態では、単に上記平面ガラスシート又は輪郭形成済みガラス物品を局所的に薄化するのではなく、ディスプレイ(又は他のデバイス)も局所的に薄化できる。これにより、ディスプレイ(又は他のデバイス)を、カバーガラスに適合する形状に冷間曲げ加工できる。
【0062】
1つ以上の実施形態では、局所的薄化を用いて、ディスプレイ(又は他のデバイス)を中に位置決めするための、
図4に概略的に図示したポケット、溝、浅部、又は同様の薄化された領域を作製することもできる。
図4は、本開示のガラス物品(400)の一例の概略図である。実施形態では、上記ガラス部品(400)は、局所的に薄化されたエリア(420)を有する成形されたガラス片(410)を含むことができ、上記薄化されたエリア(420)は、ディスプレイ素子(430)を収容できる。
【0063】
実施形態では、局所的薄化を、熱間成形された形状及び冷間成形された形状の両方を有するガラスシート又は物品に対して用いて、信頼性を改善し、複雑な表面設計に関するシステム統合コストを削減することもできる。
【0064】
本プロセスの実施形態では、ディスプレイの局所的薄化は、デバイスの製作が完了する前又は完了した後に、平面ガラスシート上で実行できる。1つ以上の実施形態では、平面ガラスシートの局所的薄化は、(例えばイオン交換による)強化が実行される前に実施できる。この例では、平面ガラスシートは、局所的薄化を含む領域及び含まない領域の両方において、一定の深さで均一に強化できる。この例では、イオン交換プロセスは、局所的に薄化された別個の複数のガラスシート上、又はより大きくサイズ設定されたガラスシート上で実施できる。別個の複数のガラスシートを使用する場合、これらは、平坦なまま、又は複雑な形状に(即ち冷間曲げ加工済みガラスシートとして)保持されたまま、イオン交換できる。
【0065】
実施形態では、上記平面ガラスシートの局所的薄化は、イオン交換ステップが実行された後に実施できる。この例では、局所的薄化のエリアは、主に片側のみをエッチングすると、非対称応力プロファイルを生成する。上記ガラスシートの両側をエッチングした場合、DOC及び/又は表面CSは、依然として対称なままであり得る。この非対称なエッチングにより、局所的に薄化された部分をその表面にわたって均一にイオン交換する必要がないという可能性が際立つ。
【0066】
実施形態では、局所的薄化はエッチングによって実行でき、上記エッチングは、例えば、反射防止効果又は他の効果を生成するために使用することもできる。
【0067】
実施形態では、局所的薄化は、上記冷間曲げ加工済みガラスシートを(例えばフレーム内に配置することによって)拘束した後に実行できる。上記冷間曲げ加工済みガラスがフレームに入った後、上記ガラスを、例えば材料除去プロセスによって局所的に薄化できる。事象をこの順序とする理由は、ガラスがフレーム内に入っていると、ガラスの取り扱いを容易にすることができるためである。
【0068】
実施形態では、局所的薄化は、熱間成形された形状及び冷間成形された形状の両方を内包するガラス物品に適用できる。上記薄化は、熱間成形される部分の熱間成形プロセスの一部として、又は後プロセス処理として実行できる。実施形態では、局所的薄化は、熱間成形された領域及び冷間成形された領域の両方を有する部分に対して、実行できる。
【0069】
実施形態では、シートの局所的薄化は、エッチング又は再延伸によって実行できる。再延伸の例では、これもまた、上記部分を成形するために熱間成形プロセスが実施されている間に実施できる。
【0070】
実施形態では、局所的薄化のために使用されるいずれのエッチングは、貫通ビアホールも製造するプロセスの間に実行できる。
【0071】
実施形態では、シートの局所的薄化は、別個の複数の部分に対して、又はより大きなサイズのパネルに対して実行できる。
【0072】
実施形態では、シートの局所的薄化は、ガラスの他のエリアと比較して異なるイオン交換又は組成プロファイルを有することができる。
【0073】
実施形態では、局所的に薄化された領域又はセクションは、上記物品の片面上に、又は上記物品の両面上に、エッチングされた表面を有することができる。
【実施例0074】
以下の実施例は、以上の一般的手順による、本開示の方法の、実施、使用及び分析を実証する。
【0075】
実施例1(仮想例)
連続的加工
第1の厚さを有する少なくとも1つの領域と、第2の厚さを有する少なくとも1つの領域(上記第1の厚さは上記第2の厚さより大きい)とを有する平面ガラスシートを冷間曲げ加工して、少なくとも1つの曲がり部を有する第2のガラスシートを製造する。上記少なくとも1つの曲がり部を有する上記冷間曲げ加工済みガラスシートを、固定具内に配置又は拘束して、固定具内で保持された輪郭形成済みガラス物品を製造する。
【0076】
実施例2(仮想例)
同時加工
第1の厚さを有する少なくとも1つの領域と、第2の厚さを有する少なくとも1つの領域(上記第1の厚さは上記第2の厚さより大きい)とを有する第1の平面ガラスシートを、同時に固定具内に配置又は拘束して冷間曲げ加工し、少なくとも1つの曲がり部を有する上記冷間曲げ加工済みガラスシートと、固定具内で保持された輪郭形成済みガラス物品とを、同時に製造する。
【0077】
実施例3(仮想例)
第1の厚さを有する少なくとも1つの領域と、第2の厚さを有する少なくとも1つの領域(上記第1の厚さは上記第2の厚さより大きい)とを有する平面ガラスシートを、フレーム以外の別の要素と一体化させて、冷間曲げ加工する。この冷間曲げ加工は、追加の要素の一体化前又は後に実施できる。一体化された上記要素は、例えば、電子ディスプレイ、別の電子若しくは光電子デバイス、又は鏡若しくは視覚的パターンを有する素子といった光学素子であってよい。
【0078】
実施例4(仮想例)
第1の厚さを有する少なくとも1つの領域及び第2の厚さを有する少なくとも1つの領域(上記第1の厚さは上記第2の厚さより大きい)を有する平面ガラスシートを、ダッシュボード、コンソール、ドア、自動車内装、自動車外装等の自動車の部位と一体化する。
【0079】
本開示の態様(1)は、輪郭形成済みガラス物品を作製する方法に関し、上記方法は:第1及び第2の対向する主表面と、第1の厚さを有する少なくとも1つの領域と、第2の厚さを有する少なくとも1つの領域とを有する平面ガラスシートを冷間曲げ加工して、上記第2の厚さを有する上記少なくとも1つの領域の一部分に沿った少なくとも1つの曲げ加工領域を有する冷間曲げ加工済みガラスシートを製造するステップ;並びに上記冷間曲げ加工済みガラスシートを拘束して、輪郭形成済みガラス物品を製造するステップを含み、ここで上記第1の厚さは上記第2の厚さより大きい。
【0080】
本開示の態様(2)は態様(1)に記載の方法に関し、ここで上記冷間曲げ加工するステップ及び上記冷間曲げ加工済みガラスシートを拘束する上記ステップは、順次又は同時に実行される。
【0081】
本開示の態様(3)は態様(1)又は態様(2)に記載の方法に関し、ここで上記平面ガラスシートの上記第1の主表面及び上記第2の主表面のうちの少なくとも一方は、未強化であるか、アニーリングされるか、又は熱強化される。
【0082】
本開示の態様(4)は態様(1)~態様(3)のいずれか1つに記載の方法に関し、ここで上記平面ガラスシートの上記第1の主表面及び上記第2の主表面のうちの少なくとも一方は、強化される。
【0083】
本開示の態様(5)は態様(1)~態様(4)に記載の方法に関し、上記方法は、冷間曲げ加工済みガラスシートの上記第1の主表面及び上記第2の主表面のうちの少なくとも一方を強化するステップを更に含む。
【0084】
本開示の態様(6)は態様(1)~態様(5)に記載の方法に関し、ここで上記平面ガラスシートは、上記第2の厚さを有する複数の領域を有する。
【0085】
本開示の態様(7)は態様(1)~態様(6)に記載の方法に関し、ここで上記冷間曲げ加工済みガラスシートは、単一の曲げ加工領域又は複数の曲げ加工領域を有する。
【0086】
本開示の態様(8)は態様(1)~態様(7)に記載の方法に関し、ここで上記冷間曲げ加工済みガラスシートは、平面の下方の少なくとも1つの曲がり部、及び平面の上方の少なくとも1つの曲がり部を有し、上記平面は上記平面ガラスシートの上記平面によって画定される。
【0087】
本開示の態様(9)は態様(1)~態様(8)に記載の方法に関し、ここで上記第1の厚さは約500マイクロメートル~約2mmであり、上記第2の厚さは上記第1の厚さの約10%~90%である。
【0088】
本開示の態様(10)は態様(1)~態様(9)に記載の方法に関し、ここで上記第1の厚さは約500マイクロメートル超~約2mmであり、上記第2の厚さは約300マイクロメートル~500マイクロメートル未満である。
【0089】
本開示の態様(11)は態様(1)~態様(10)に記載の方法に関し、ここで上記少なくとも1つの曲げ加工領域は約50mm~約10,000mmの曲げ半径を有する。
【0090】
本開示の態様(12)は態様(1)~態様(11)に記載の方法に関し、上記方法は、ディスプレイ又はタッチパネル上に輪郭形成済みガラス物品を配置するステップを更に含み、上記ディスプレイ又はタッチパネルは、上記第1の厚さを有する上記少なくとも1つの領域の後方に位置決めされる。
【0091】
本開示の態様(13)は態様(1)~態様(10)に記載の方法に関し、上記方法は、ディスプレイ又はタッチパネルを上記第1の厚さを有する上記少なくとも1つの領域に取り付けるステップを更に含む。
【0092】
本開示の態様(14)は輪郭形成済みガラス物品に関し、上記輪郭形成済みガラス物品は、第1及び第2の対向する主表面と、第1の厚さを有する少なくとも1つの領域と、第2の厚さを有する少なくとも1つの領域と、上記第2の厚さを有する上記少なくとも1つの領域の一部分に沿った少なくとも1つの曲げ加工領域と、を有する冷間曲げ加工済みガラスシートを備え、ここで上記第1の厚さは上記第2の厚さより大きい。
【0093】
本開示の態様(15)は態様(14)の輪郭形成済みガラス物品に関し、上記輪郭形成済みガラス物品は、上記少なくとも1つの曲げ加工領域を保持するために上記第2の主表面に取り付けられたフレームを更に備える。
【0094】
本開示の態様(16)は態様(14)又は態様(15)に記載の輪郭形成済みガラス物品に関し、ここで上記第1の主表面及び上記第2の主表面のうちの少なくとも一方は、未強化であるか、アニーリングされるか、又は熱強化される。
【0095】
本開示の態様(17)は態様(14)~態様(16)のいずれか1つに記載の輪郭形成済みガラス物品に関し、ここで上記第1の主表面及び上記第2の主表面のうちの少なくとも一方は、強化される。
【0096】
本開示の態様(18)は態様(14)~態様(17)のいずれか1つに記載の輪郭形成済みガラス物品に関し、上記輪郭形成済みガラス物品は、上記第2の厚さを有する複数の領域を備える。
【0097】
本開示の態様(19)は態様(14)~態様(18)のいずれか1つに記載の輪郭形成済みガラス物品に関し、上記輪郭形成済みガラス物品は、複数の曲げ加工領域を更に備える。
【0098】
本開示の態様(20)は態様(14)~態様(19)のいずれか1つに記載の輪郭形成済みガラス物品に関し、上記輪郭形成済みガラス物品は、平面の下方の少なくとも1つの曲げ加工領域、及び平面の上方の少なくとも1つの曲げ加工領域を備え、上記平面は最大断面寸法の中点として定義される。
【0099】
本開示の態様(21)は態様(14)~態様(20)のいずれか1つに記載の輪郭形成済みガラス物品に関し、ここで上記第1の厚さは約500マイクロメートル~約2mmであり、上記第2の厚さは上記第1の厚さの約10%~90%である。
【0100】
本開示の態様(22)は態様(14)~態様(21)のいずれか1つに記載の輪郭形成済みガラス物品に関し、ここで上記第1の厚さは約500マイクロメートル超~約2mmであり、上記第2の厚さは約300マイクロメートル~500マイクロメートル未満である。
【0101】
本開示の態様(23)は態様(14)~態様(22)のいずれか1つに記載の輪郭形成済みガラス物品に関し、ここで上記少なくとも1つの曲げ加工領域は約50mm~約10,000mmの曲げ半径を有する。
【0102】
本開示の態様(24)は態様(14)~態様(23)のいずれか1つに記載の輪郭形成済みガラス物品に関し、上記輪郭形成済みガラス物品は、上記第2の厚さを有する上記少なくとも1つの領域の後方に配置されたディスプレイ又はタッチパネルを更に備える。
【0103】
本開示の態様(25)は態様(14)~態様(24)のいずれか1つに記載の輪郭形成済みガラス物品に関し、上記輪郭形成済みガラス物品は、窓ガラス、構造用ガラス、車両のガラス部品、又はこれらの組み合わせである。
【0104】
様々な具体的実施形態及び技法を参照して、本開示を説明した。しかしながら、本開示の範囲内にとどまったまま、多数の変形及び修正が可能であることを理解されたい。
【0105】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0106】
実施形態1
輪郭形成済みガラス物品を作製する方法であって、
上記方法は:
第1及び第2の対向する主表面と、第1の厚さを有する少なくとも1つの領域と、第2の厚さを有する少なくとも1つの領域とを有する平面ガラスシートを冷間曲げ加工して、上記第2の厚さを有する上記少なくとも1つの領域の一部分に沿った少なくとも1つの曲げ加工領域を有する冷間曲げ加工済みガラスシートを製造するステップ;並びに
上記冷間曲げ加工済みガラスシートを拘束して、輪郭形成済みガラス物品を製造するステップを含み、ここで上記第1の厚さは上記第2の厚さより大きい、方法。
【0107】
実施形態2
上記冷間曲げ加工するステップ及び上記冷間曲げ加工済みガラスシートを拘束する上記ステップは、順次又は同時に実行される、実施形態1に記載の方法。
【0108】
実施形態3
上記平面ガラスシートの上記第1の主表面及び上記第2の主表面のうちの少なくとも一方は、未強化であるか、アニーリングされるか、又は熱強化される、実施形態1又は2に記載の方法。
【0109】
実施形態4
上記平面ガラスシートの上記第1の主表面及び上記第2の主表面のうちの少なくとも一方は、強化される、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0110】
実施形態5
上記冷間曲げ加工済みガラスシートの上記第1の主表面及び上記第2の主表面のうちの少なくとも一方を強化するステップを更に含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0111】
実施形態6
上記平面ガラスシートは、上記第2の厚さを有する複数の上記領域を有する、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0112】
実施形態7
上記冷間曲げ加工済みガラスシートは、単一の上記曲げ加工領域又は複数の上記曲げ加工領域を有する、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0113】
実施形態8
上記冷間曲げ加工済みガラスシートは、平面の下方の少なくとも1つの曲がり部、及び平面の上方の少なくとも1つの曲がり部を有し、上記平面は上記平面ガラスシートの上記平面によって画定される、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
【0114】
実施形態9
上記第1の厚さは約500マイクロメートル~約2mmであり、上記第2の厚さは上記第1の厚さの約10%~90%である、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
【0115】
実施形態10
上記第1の厚さは約500マイクロメートル超~約2mmであり、上記第2の厚さは約300マイクロメートル~500マイクロメートル未満である、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0116】
実施形態11
上記少なくとも1つの曲げ加工領域は約50mm~約10,000mmの曲げ半径を有する、実施形態1~10のいずれか1つに記載の方法。
【0117】
実施形態12
ディスプレイ又はタッチパネル上に輪郭形成済みガラス物品を配置するステップを更に含み、上記ディスプレイ又はタッチパネルは、上記第1の厚さを有する上記少なくとも1つの領域の後方に位置決めされる、実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法。
【0118】
実施形態13
上記ディスプレイ又はタッチパネルを、上記第1の厚さを有する上記少なくとも1つの領域に取り付けるステップを更に含む、実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法。
【0119】
実施形態14
輪郭形成済みガラス物品であって、
上記輪郭形成済みガラス物品は:
第1及び第2の対向する主表面と、第1の厚さを有する少なくとも1つの領域と、第2の厚さを有する少なくとも1つの領域と、上記第2の厚さを有する上記少なくとも1つの領域の一部分に沿った少なくとも1つの曲げ加工領域と、を有する冷間曲げ加工済みガラスシート
を備え、ここで上記第1の厚さは上記第2の厚さより大きい、輪郭形成済みガラス物品。
【0120】
実施形態15
上記少なくとも1つの曲げ加工領域を保持するために上記第2の主表面に取り付けられたフレームを更に備える、実施形態14に記載の輪郭形成済みガラス物品。
【0121】
実施形態16
上記第1の主表面及び上記第2の主表面のうちの少なくとも一方は、未強化であるか、アニーリングされるか、又は熱強化される、実施形態14又は15に記載の輪郭形成済みガラス物品。
【0122】
実施形態17
上記第1の主表面及び上記第2の主表面のうちの少なくとも一方は、強化される、実施形態14~16のいずれか1つに記載の輪郭形成済みガラス物品。
【0123】
実施形態18
上記第2の厚さを有する複数の上記領域を更に備える、実施形態14~17のいずれか1つに記載の輪郭形成済みガラス物品。
【0124】
実施形態19
複数の上記曲げ加工領域を更に備える、実施形態14~18のいずれか1つに記載の輪郭形成済みガラス物品。
【0125】
実施形態20
平面の下方の少なくとも1つの上記曲げ加工領域、及び平面の上方の少なくとも1つの上記曲げ加工領域を更に備え、上記平面は最大断面寸法の中点として定義される、実施形態14~19のいずれか1つに記載の輪郭形成済みガラス物品。
【0126】
実施形態21
上記第1の厚さは約500マイクロメートル~約2mmであり、上記第2の厚さは上記第1の厚さの約10%~90%である、実施形態14~20のいずれか1つに記載の輪郭形成済みガラス物品。
【0127】
実施形態22
上記第1の厚さは約500マイクロメートル超~約2mmであり、上記第2の厚さは約300マイクロメートル~500マイクロメートル未満である、実施形態14~21のいずれか1つに記載の輪郭形成済みガラス物品。
【0128】
実施形態23
上記少なくとも1つの曲げ加工領域は約50mm~約10,000mmの曲げ半径を有する、実施形態14~22のいずれか1つに記載の輪郭形成済みガラス物品。
【0129】
実施形態24
上記第2の厚さを有する上記少なくとも1つの領域の後方に配置されたディスプレイ又はタッチパネルを更に備える、実施形態14~23のいずれか1つに記載の輪郭形成済みガラス物品。
【0130】
実施形態25
上記輪郭形成済みガラス物品は、窓ガラス、構造用ガラス、車両のガラス部品、又はこれらの組み合わせである、実施形態14~24のいずれか1つに記載の輪郭形成済みガラス物品。