(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110011
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】悪心を処置または防止するためのカロテノイド
(51)【国際特許分類】
A61K 31/015 20060101AFI20230801BHJP
A61K 35/74 20150101ALI20230801BHJP
A61P 1/12 20060101ALI20230801BHJP
C12N 1/20 20060101ALI20230801BHJP
C12Q 1/02 20060101ALI20230801BHJP
C12N 5/10 20060101ALN20230801BHJP
【FI】
A61K31/015 ZNA
A61K35/74 A
A61K35/74 G
A61P1/12
C12N1/20 E
C12Q1/02
C12N5/10
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090609
(22)【出願日】2023-06-01
(62)【分割の表示】P 2021546255の分割
【原出願日】2019-05-10
(31)【優先権主張番号】62/802,398
(32)【優先日】2019-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】592017633
【氏名又は名称】ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【弁理士】
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ルヴクン ゲイリー ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ゴヴィンダン ジョティ アマラナス
(72)【発明者】
【氏名】ジャヤマニ エランパリティ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】悪心および/または嘔吐の処置に関する技術を提供する。
【解決手段】治療的有効量のC50カロテノイド化合物をその必要がある対象に投与する工程を含む方法とする。前記C50カロテノイド化合物は、デカプレノキサンチン、C50-アスタキサンチン、C50-β-カロテン、C50-カロテン(n=3)(16,16-ジイソペンテニルフィトエン)、C50-ゼアキサンチン、C50-カロキサンチン、C50-ノストキサンチン、サルシナキサンチン、サルプレノキサンチン(sarprenoxanthin)、非環式C50カロテノイドバクテリオルベリン、C50-カンタキサンチン、C50-リコペン、C50-フィトエン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療的有効量のC50カロテノイド化合物をその必要がある対象に投与する工程
を含む、対象における悪心および/または嘔吐を処置するための方法。
【請求項2】
前記対象が、化学療法または放射線照射と関連する悪心および/または嘔吐を有するか、または発生する危険性がある、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記対象が、化学療法誘導性の悪心および嘔吐(CINV)または放射線照射誘導性の悪心および嘔吐(RINV)を有するか、または発生する危険性がある、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記対象が、手術後の悪心および嘔吐(PONV)を有するか、または発生する危険性がある、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記C50カロテノイド化合物が、デカプレノキサンチン、C50-アスタキサンチン、C50-β-カロテン、C50-カロテン(n=3)(16,16-ジイソペンテニルフィトエン)、C50-ゼアキサンチン、C50-カロキサンチン、C50-ノストキサンチン、サルシナキサンチン、サルプレノキサンチン(sarprenoxanthin)、非環式C50カロテノイドバクテリオルベリン、C50-カンタキサンチン、C50-リコペン、C50-フィトエン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1~4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
前記C50カロテノイド化合物がデカプレノキサンチンである、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記投与工程が、(i)C50カロテノイド化合物を合成する微生物もしくはその成分、(ii)C50カロテノイド化合物を合成する微生物の抽出物、(iii)抽出されたC50-カロテノイド化合物、または(iv)それらの組み合わせである組成物;またはそれらを含む組成物を投与することを含む、請求項1~6のいずれか一項記載の方法。
【請求項8】
前記C50カロテノイド化合物を合成する微生物が、生存可能であるかまたは生存している、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記投与工程が、前記対象のマイクロバイオームに定着するのに十分な量の前記微生物を投与することを含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記組成物が、前記微生物の培養物を含むか、または前記微生物の培養物から調製される、請求項7~9のいずれか一項記載の方法。
【請求項11】
前記微生物が天然に見られる系統である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記微生物が操作された微生物である、請求項7~9または10のいずれか一項記載の方法。
【請求項13】
前記操作された微生物が、参照微生物のものと異なる絶対または相対レベルで前記C50カロテノイド化合物を生成するように、その他の点では同等の参照微生物と比較して遺伝子変異を含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記投与工程が、合成されたC50カロテノイド化合物を含むかまたは送達する組成物を投与することを含む、請求項1~13のいずれか一項記載の方法。
【請求項15】
前記C50カロテノイド化合物を合成する微生物が、コクリア・リゾフィラ(Kocuria rhizophila)、コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)、アルスロバクター・アリライテンシス(Arthrobacter arilaitensis)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項7記載の方法。
【請求項16】
治療的有効量のC50カロテノイド化合物をその必要がある対象に投与する工程
を含む、対象における食物嫌悪を低減するための方法。
【請求項17】
前記対象が、化学療法または放射線照射と関連する悪心および嘔吐を有するか、または発生する危険性がある、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記対象が、化学療法誘導性の悪心および嘔吐(CINV)または放射線照射誘導性の悪心および嘔吐(RINV)を有するか、または発生する危険性がある、請求項16または17記載の方法。
【請求項19】
前記対象が、手術後の悪心および嘔吐(PONV)を有するか、または発生する危険性がある、請求項16記載の方法。
【請求項20】
前記C50カロテノイド化合物が、デカプレノキサンチン、C50-アスタキサンチン、C50-β-カロテン、C50-カロテン(n=3)(16,16-ジイソペンテニルフィトエン)、C50-ゼアキサンチン、C50-カロキサンチン、C50-ノストキサンチン、サルシナキサンチン、サルプレノキサンチン、非環式C50カロテノイドバクテリオルベリン、C50-カンタキサンチン、C50-リコペン、C50-フィトエン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項16~19のいずれか一項記載の方法。
【請求項21】
前記C50カロテノイド化合物がデカプレノキサンチンである、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記投与工程が、(i)C50カロテノイド化合物を合成する微生物もしくはその成分、(ii)C50カロテノイド化合物を合成する微生物の抽出物、(iii)抽出されたC50-カロテノイド化合物、または(iv)それらの組み合わせである組成物;またはそれらを含む組成物を投与することを含む、請求項16~21のいずれか一項記載の方法。
【請求項23】
前記C50カロテノイド化合物を合成する微生物が、生存可能であるかまたは生存している、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記投与工程が、前記対象のマイクロバイオームに定着するのに十分な量の前記微生物を投与することを含む、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記組成物が、前記微生物の培養物を含むか、または前記微生物の培養物から調製される、請求項22~24のいずれか一項記載の方法。
【請求項26】
前記微生物が天然に見られる系統である、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記微生物が操作された微生物である、請求項22~24のいずれか一項記載の方法。
【請求項28】
前記操作された微生物が、参照微生物のものと異なる絶対または相対レベルで前記C50カロテノイド化合物を生成するように、その他の点では同等の参照微生物と比較して遺伝子変異を含む、請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記投与工程が、合成されたC50カロテノイド化合物を含むかまたは送達する組成物を投与することを含む、請求項16~28のいずれか一項記載の方法。
【請求項30】
前記C50カロテノイド化合物を合成する微生物が、コクリア・リゾフィラ、コリネバクテリウム・グルタミクム、アルスロバクター・アリライテンシス、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項22記載の方法。
【請求項31】
治療的有効量のC50カロテノイド化合物および薬学的に許容される担体を含む、経口送達のための治療用組成物。
【請求項32】
前記C50カロテノイド化合物を合成する微生物を含む、請求項31記載の治療用組成物。
【請求項33】
前記微生物が培養された微生物である、請求項32記載の治療用組成物。
【請求項34】
前記微生物が操作された微生物である、請求項33記載の治療用組成物。
【請求項35】
前記操作された微生物が、参照微生物のものと異なる絶対または相対レベルで前記C50カロテノイド化合物を生成するように、その他の点では同等の参照微生物と比較して遺伝子変異を含む、請求項34記載の治療用組成物。
【請求項36】
液体、シロップ、錠剤、トローチ、グミ、カプセル、粉末、ゲル、またはフィルムである、請求項31~34のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項37】
前記C50カロテノイド化合物が、前記組成物の少なくとも20%w/wである、請求項31~36のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項38】
前記C50カロテノイド化合物が精製されている、請求項31~37のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項39】
前記C50カロテノイド化合物が、天然に見られる化学構造を有する、請求項31~38のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項40】
前記C50カロテノイド化合物が、天然に見られる参照C50カロテノイド化合物の類似体である、請求項31~39のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項41】
前記C50カロテノイド化合物が、デカプレノキサンチン、C50-アスタキサンチン、C50-β-カロテン、C50-カロテン(n=3)(16,16-ジイソペンテニルフィトエン)、C50-ゼアキサンチン、C50-カロキサンチン、C50-ノストキサンチン、サルシナキサンチン、サルプレノキサンチン、非環式C50カロテノイドバクテリオルベリン、C50-カンタキサンチン、C50-リコペン、C50-フィトエン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項31~40のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項42】
前記C50カロテノイド化合物がデカプレノキサンチンである、請求項41記載の治療用組成物。
【請求項43】
前記微生物が、生きているかまたは生存可能である、請求項31~42のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項44】
前記微生物が死滅されている、請求項31~43のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項45】
微生物が、コクリア・リゾフィラ、コリネバクテリウム・グルタミクム、アルスロバクター・アリライテンシス、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項31~44のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項46】
以下の工程を含む、請求項31~45のいずれか一項記載の治療用組成物を製造するための方法:
薬学的に許容される担体とC50カロテノイド化合物とを組み合わせる工程;および
該組み合わせを治療用組成物に製剤化する工程。
【請求項47】
前記組み合わせる工程が、薬学的に許容される担体とC50カロテノイド化合物を合成する微生物とを組み合わせることを含む、請求項46記載の方法。
【請求項48】
前記組み合わせる工程が、薬学的に許容される担体と化学的に合成されたC50カロテノイド化合物とを組み合わせることを含む、請求項46記載の方法。
【請求項49】
以下の工程を含む、対象における悪心および/または嘔吐を処置するための方法:
(i)C50カロテノイド化合物を合成する微生物もしくはその成分、(ii)C50カロテノイド化合物を合成する微生物の抽出物、(iii)抽出されたC50-カロテノイド化合物、または(iv)それらの組み合わせを、その必要がある対象に投与する工程。
【請求項50】
前記対象が、化学療法または放射線照射と関連する悪心および/または嘔吐を有するか、または発生する危険性がある、請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記対象が、化学療法誘導性の悪心および嘔吐(CINV)または放射線照射誘導性の悪心および嘔吐(RINV)を有するか、または発生する危険性がある、請求項49または50記載の方法。
【請求項52】
前記対象が、手術後の悪心および嘔吐(PONV)を有するか、または発生する危険性がある、請求項49記載の方法。
【請求項53】
前記C50カロテノイド化合物を合成する微生物が、コクリア・リゾフィラ、コリネバクテリウム・グルタミクム、アルスロバクター・アリライテンシス、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項49~52のいずれか一項記載の方法。
【請求項54】
以下の工程を含む、対象における食物嫌悪を低減するための方法:
(i)C50カロテノイド化合物を合成する微生物もしくはその成分、(ii)C50カロテノイド化合物を合成する微生物の抽出物、(iii)抽出されたC50-カロテノイド化合物、または(iv)それらの組み合わせを、その必要がある対象に投与する工程。
【請求項55】
前記対象が、化学療法または放射線照射と関連する悪心および嘔吐を有するか、または発生する危険性がある、請求項54記載の方法。
【請求項56】
前記対象が、化学療法誘導性の悪心および嘔吐(CINV)または放射線照射誘導性の悪心および嘔吐(RINV)を有するか、または発生する危険性がある、請求項54または55記載の方法。
【請求項57】
前記対象が、手術後の悪心および嘔吐(PONV)を有するか、または発生する危険性がある、請求項54記載の方法。
【請求項58】
前記C50カロテノイド化合物を合成する微生物が、コクリア・リゾフィラ、コリネバクテリウム・グルタミクム、アルスロバクター・アリライテンシス、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項54~57のいずれか一項記載の方法。
【請求項59】
その必要がある対象において悪心および/または嘔吐を処置するためのC50カロテノイド化合物の使用。
【請求項60】
その必要がある対象において悪心および/または嘔吐を処置するためのC50カロテノイド化合物を合成する微生物の使用。
【請求項61】
前記C50カロテノイド化合物を合成する微生物が、コクリア・リゾフィラ、コリネバクテリウム・グルタミクム、アルスロバクター・アリライテンシス、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項60記載の使用。
【請求項62】
対象において食物嫌悪を低減させるためのC50カロテノイド化合物の使用。
【請求項63】
対象において食物嫌悪を低減させるためのC50カロテノイド化合物を合成する微生物の使用。
【請求項64】
前記C50カロテノイド化合物を合成する微生物が、コクリア・リゾフィラ、コリネバクテリウム・グルタミクム、アルスロバクター・アリライテンシス、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項63記載の使用。
【請求項65】
以下の工程を含む、抗悪心活性および/または抗嘔吐活性についてカロテノイド化合物を評価するための方法:
(i)システムをカロテノイド化合物と接触させる工程;
(ii)該カロテノイド化合物が該システムの特徴を変えたかどうかを決定する工程であって、該特徴が悪心および/または嘔吐と関連する、工程。
【請求項66】
前記決定する工程が、前記接触させる工程の実施の前および後に、前記特徴を比較することを含む、請求項65記載の方法。
【請求項67】
前記決定する工程が、前記接触させる工程の後に、同等の参照と前記特徴を比較することを含む、請求項65記載の方法。
【請求項68】
前記同等の参照が歴史的参照である、請求項67記載の方法。
【請求項69】
前記同等の参照が陰性対照参照である、請求項67記載の方法。
【請求項70】
前記同等の参照が陽性対照参照である、請求項67記載の方法。
【請求項71】
前記システムが、C.エレガンス(C. elegans)であるか、またはC.エレガンスを含む、請求項65~70のいずれか一項記載の方法。
【請求項72】
前記特徴が食物嫌悪のレベルである、請求項65~71のいずれか一項記載の方法。
【請求項73】
前記特徴が、核酸もしくはタンパク質のレベルもしくは活性、またはそれらの形態である、請求項65~71のいずれか一項記載の方法。
【請求項74】
前記特徴が、生体異物解毒応答の局面であるか、または該局面を含む、請求項73記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2019年2月7日に出願された米国仮出願第62802398号の恩恵を主張する。前述のものの全内容は参照により本明細書に組み入れられる。
O
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究または開発
本発明は、米国国立衛生研究所によって与えられた助成金番号AG043184のもとで政府の支援を受けて行われた。政府は本発明に関して一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
背景
化学療法誘導性悪心および嘔吐(CINV)は化学療法を受ける患者の70~80%に影響を及ぼし、癌処置の中止の主因である。
【発明の概要】
【0004】
概要
本開示は、ある特定の疾患、障害、および/または状態の処置および/または防止のための技術を提供し、そのような処置および/または防止に有用な剤の1つまたは複数の特性を評価するための技術をさらに提供する。
【0005】
いくつかの態様では、提供される技術は、悪心および/または嘔吐の処置に関し、いくつかの態様では、特に、誘導性(例えば、化学療法誘導性)悪心および/または嘔吐に関する。あるいは、またはさらに、いくつかの態様では、提供される技術は、1種または複数種の摂食障害(例えば、神経性食欲不振症)の処置または防止に関する。
【0006】
悪心および/または嘔吐はいくつかの疾患および障害で経験されており、さらに、化学療法などの治療的処置から生じ得る。悪心および/または嘔吐が生じる状況にかかわらず、両方とも一般に不快であり望ましくないと考えられる。したがって、対象は悪心および/または嘔吐を回避しようとし;そのような回避は、例えば、患者がそのような処置と経験した悪心および/または嘔吐の間の関連に気付く場合に、例えば、治療的処置の不履行につながり得る。
【0007】
本開示は、毒素の監視および/または毒素への応答に関与するある特定の生物学的経路(例えば、毒素解毒経路)、特に、翻訳欠損の検出を解毒遺伝子の誘導に変換するある特定のシグナリング経路は、動物系統全体にわたって保存されており、異常なヒト生体異物応答を抑制することもできることを認識し;本開示は、そのような剤が、具体的には、例えば、悪心および/もしくは嘔吐(例えば、癌療法の大きな問題である化学療法誘導性悪心)を含めたある特定の疾患、障害、もしくは状態の処置、ならびに/または神経性食欲不振症などの摂食障害において治療的可能性を有し得ることを教示する。
【0008】
したがって、本開示は、本明細書において記載される治療剤としての有用性について剤を特徴付けるモデルシステム(例えば、C.エレガンス(C. elegans))を提供する。さらに、本開示は、ある特定の有用なそのような剤を特定するおよび/または特徴付けるためのそのようなシステムの使用を記述する。
【0009】
数ある中でも、本開示は、ある特定のカロテノイド化合物(例えば、ある特定のC50カロテノイド化合物)が、悪心および/もしくは嘔吐(例えば、化学療法誘導性悪心などの誘導性悪心)などの疾患、障害および/もしくは状態、ならびに/または1種または複数種の摂食障害(例えば、神経性食欲不振症)の処置および/または防止に有用であることを教示する。
【0010】
例えば、本開示は、ある特定のカロテノイド化合物(例えば、ある特定のC50カロテノイド化合物)が毒素によって、および/または翻訳成分の突然変異によって誘導される翻訳欠損に応答して活性化されるものを含めた解毒経路を阻害することを提供する。本開示は、カロテノイドは、一般に、ヒトを含めた哺乳動物による忍容性に優れることを認め、カロテノイドは、本明細書において記載される治療的使用のための(例えば、悪心および/もしくは嘔吐の、ならびに/または1種もしくは複数種の摂食障害の処置および/もしくは防止のための)化合物の魅力的なクラスであることを教示する。
【0011】
本開示は、特に、ある特定のC50カロテノイド化合物は、(例えば、Hencke et al., “C50 Carotenoids: Occurrence, Biosynthesis, Glycosylation, and Metabolic Engineering for their Overproduction”, Chapter 5 of Bio-pigmentation and Biotechnological Implementations, Ed. Singh, Wiley & Sons, 2017によって概説されるように)微生物によって天然に生成されることを認める。いくつかの態様では、本明細書において記載される治療的使用のためのカロテノイド化合物(例えば、C50カロテノイド化合物)の送達は、関心対象の1種もしくは複数種のカロテノイド化合物を生成する微生物、または抽出もしくは精製されたその成分であるか、あるいはそれらを含む組成物の投与によって達成され得る。いくつかの態様では、そのような投与は生存可能なもの(例えば、微生物)でもよく、ある特定の態様では、(例えば、受容者のマイクロバイオームの一部として)、受容者において投与された微生物の定着を達成することができる。
【0012】
数ある中でも、本開示は、微生物、特に、生存可能な(例えば、生きている)微生物の投与を含む態様は、例えば、投与の低減(例えば、投薬頻度、投薬期間、投与される用量の総数、投与される用量の量および/もしくは濃度、ならびに/またはそれらの組み合わせなどの低減)、費用の低減、長期有効性などのようなある特定の利点を提供し得ることを認識する。
【0013】
しかし、当業者は、本開示を読めば、本明細書において記載される処置のためのカロテノイド化合物(例えば、C50カロテノイド化合物)の送達は、微生物の送達に、またはさらにその抽出物および/もしくは成分に限定されず;むしろ、(例えば、本明細書において記載される)有用なカロテノイド化合物は、化学合成によって全体的もしくは部分的に調製することができ、および/または微生物供給源(例えば、天然に存在するおよび/または遺伝的にもしくは他の方法で操作された細胞であり得る、培養された微生物細胞)から精製することができることを認識するであろう。
【0014】
当業者は、本明細書において記載される有用なカロテノイド化合物を送達する(例えば、本明細書において記載される、微生物および/またはその抽出物もしくは成分ならびに/あるいは1種または複数種の純粋なカロテノイド化合物であるか、またはそれらを含む)組成物を投与するために、様々な送達経路および/または形態のうちのいずれかを利用することができることをさらに認識するであろう。多くの態様では、組成物は、(例えば、丸剤、錠剤、カプセル、粉末、ロゼンジ、トローチ、シロップ、エリキシルなどを介して)経口的に投与される。いくつかの態様では、経口投与は、食物または飲料などの栄養供給源を介する。
【0015】
悪心および/または嘔吐のための有用な処置の開発と関連する1つの課題は、動物モデルがないことであった。本開示は、カエノラブディティス・エレガンス(Caenorhabditis elegans)が悪心および/または嘔吐のための有効なモデルを提供し得ることを記述する。数ある中でも、本開示は、C.エレガンスが、剤を特徴付け(例えば、スクリーニング)して、悪心および/または嘔吐の処置に対するその影響および/または該処置におけるその有用性を評価するのに有用であり得ることを提供する。例えば、微生物の毒素および病原性因子は翻訳機構を標的にすることが多い。C.エレガンスは、解毒および防御応答遺伝子の誘導によって、(例えば、毒素への暴露および/または翻訳成分の突然変異から生じ得るような)翻訳欠損に応答する。本開示によれば、この誘導を阻害する剤は、悪心および/または嘔吐の処置に有用である可能性があり、そのような抑制の評価は、そのような剤を特徴付ける(例えば、スクリーニングする)のに有用であり得る。
【0016】
さらにまた、本開示は、ある特定のカロテノイド化合物(例えば、ある特定のC50カロテノイド化合物)は、C.エレガンスの翻訳欠損監視および応答経路(例えば、翻訳欠損に対するC.エレガンスの生体異物解毒応答)を阻害することができ;そのようなカロテノイド化合物は、悪心および/または嘔吐を処置するためなどの治療適用において、本開示に従って有用であり得ることを実証する。例えば、本開示は、コクリア・リゾフィラ(Kocuria rhizophila)によって生成されるC50カロテノイド化合物は、C.エレガンスの翻訳欠損監視および応答経路を阻害することを具体的に記述する。数ある中でも、本開示は、C.エレガンスの翻訳毒素防御応答の抑制を媒介するものとしてこのカロテノイドに対する生合成経路を特定する遺伝学的解析を記載する。さらに、本開示は、K.リゾフィラ(K. rhizophila)抽出物が、(i)翻訳欠損に対するC.エレガンスの生体異物解毒応答の抑制を再現すること;および(ii)K.リゾフィラのカロテノイド突然変異体が翻訳の欠陥に対するそのような解毒応答を阻害する能力を回復させることを記述する。
【0017】
さらに、本開示は、他のカロテノイド化合物(例えば、他の細菌種によって生成されるC50カロテノイド化合物)もC.エレガンスの翻訳欠損監視および応答経路(例えば、翻訳欠損に対するC.エレガンスの生体異物解毒応答)を阻害することを記述する。例えば、本開示は、C50カロテノイドのデカプレノキサンチンを生成するC.グルタミクム(C. glutamicum)もC.エレガンスの解毒応答を阻害すること、およびさらにC.グルタミクムのカロテノイド生合成突然変異体はこの抑制に欠陥があることを記述する。
【0018】
さらにまた、本開示は、同様にC50カロテノイド(具体的には、デカプレノキサンチン)を生成するさらに別の細菌種、アルスロバクター・アリライテンシス(Arthrobacter arilaitensis)もC.エレガンスの解毒応答を阻害することを記述する。
【0019】
いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、本開示は、本明細書において記載されるカロテノイド化合物(例えば、C50カロテノイド化合物)は、翻訳欠損の検出を解毒遺伝子の誘導に変換するC.エレガンスの胆汁酸シグナリング経路を阻害することによって生体異物解毒の誘導を抑制することを提唱する。本明細書において記述される、カロテノイド化合物(例えば、C50カロテノイド化合物)による翻訳監視の抑制は、薬物解毒応答を無効にし、その結果、翻訳阻害薬の効力が増強される。したがって、いくつかの態様では、本開示に従って有用なカロテノイド化合物は、翻訳阻害薬の効力を増大させる能力を特徴とし得る。例えば、いくつかの態様では、有用なカロテノイド化合物は、翻訳阻害薬の存在下でそのようなカロテノイド化合物がC.エレガンスと接触する場合に、カロテノイド化合物のない、その他の点では同等の条件(例えば、同じ濃度の同じ翻訳阻害薬の存在など)下で観察されるものと比較して、C.エレガンスに対するその翻訳阻害薬の影響の1つまたは複数の特徴が増強されることを特徴とする。
【0020】
本開示は、ある特定のカロテノイド化合物(例えば、ある特定のC50カロテノイド化合物)は、通常は翻訳阻害薬によって誘導されるC.エレガンスの食物嫌悪行動に対する翻訳監視の連関を阻害することも実証する。したがって、いくつかの態様では、本開示に従って有用なカロテノイド化合物は、毒素の存在下でのC.エレガンスの食物嫌悪行動に対するその影響を特徴とし得る。例えば、いくつかの態様では、有用なカロテノイド化合物は、タンパク質翻訳を標的とする毒素の存在下でそのような化合物がC.エレガンスと接触する場合に、カロテノイド化合物のない、その他の点では同等の条件(例えば、同じ濃度の同じ毒素の存在など)下で観察されるものと比較して、C.エレガンスの食物回避行動に対するその毒素の影響の1つまたは複数の特徴が変わることを特徴とし得る。いくつかの態様では、本明細書において記載される食物嫌悪行動に影響を与えることが示される剤(例えば、C50カロテノイド化合物などのカロテノイド化合物)は、例えば神経性食欲不振症などの1種または複数種の食物嫌悪障害の処置に特に有用であり得る。
【0021】
したがって、対象における、悪心および/もしくは嘔吐の処置のための、または食物嫌悪を低減するための方法が、本明細書において提供される。方法は、治療的有効量のC50カロテノイド化合物をその必要がある対象に投与する工程を含む。いくつかの態様では、対象は、化学療法または放射線照射と関連する悪心および/もしくは嘔吐、例えば、化学療法誘導性の悪心および嘔吐(CINV)もしくは放射線照射誘導性の悪心および嘔吐(RINV)を有するか、または発生する危険性がある。
【0022】
いくつかの態様では、対象は、手術後の悪心および嘔吐(PONV)を有するか、または発生する危険性がある。
【0023】
いくつかの態様では、C50カロテノイド化合物は、デカプレノキサンチン、C50-アスタキサンチン、C50-β-カロテン、C50-カロテン(n=3)(16,16-ジイソペンテニルフィトエン)、C50-ゼアキサンチン、C50-カロキサンチン、C50-ノストキサンチン、サルシナキサンチン、サルプレノキサンチン(sarprenoxanthin)、非環式C50カロテノイドバクテリオルベリン、C50-カンタキサンチン、C50-リコペン、C50-フィトエン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。いくつかの態様では、C50カロテノイド化合物はデカプレノキサンチンである。
【0024】
いくつかの態様では、投与工程は、(i)C50カロテノイド化合物を合成する微生物もしくはその成分、(ii)C50カロテノイド化合物を合成する微生物からの抽出物、(iii)抽出されたカロテノイド化合物、または(iv)それらの組み合わせである組成物;またはそれらを含む組成物を投与することを含む。いくつかの態様では、C50カロテノイド化合物を合成する微生物は、生存可能であるかまたは生存している。いくつかの態様では、投与工程は、対象のマイクロバイオームに定着するのに十分な量の微生物を投与することを含む。いくつかの態様では、組成物は、微生物の培養物を含むか、または微生物の培養物から調製される。いくつかの態様では、微生物は天然に見られる系統である。いくつかの態様では、微生物は操作された微生物である。いくつかの態様では、操作された微生物は、参照微生物のものと異なる絶対または相対レベルでC50カロテノイド化合物を生成するように、その他の点では同等の参照微生物と比較して遺伝子変異を含む。
【0025】
いくつかの態様では、投与工程は、合成されたC50カロテノイド化合物を含むかまたは送達する組成物を投与することを含む。いくつかの態様では、C50カロテノイド化合物を合成する微生物は、コクリア・リゾフィラ、コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)、アルスロバクター・アリライテンシス、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0026】
治療的有効量のC50カロテノイド化合物および薬学的に許容される担体を含む、経口送達のための治療用組成物も、本明細書において提供される。
【0027】
いくつかの態様では、組成物は、C50カロテノイド化合物を合成する微生物を含む。いくつかの態様では、微生物は培養された微生物である。いくつかの態様では、微生物は操作された微生物である。いくつかの態様では、操作された微生物は、参照微生物のものと異なる絶対または相対レベルでC50カロテノイド化合物を生成するように、その他の点では同等の参照微生物と比較して遺伝子変異を含む。いくつかの態様では、微生物は、生きているかまたは生存可能である。いくつかの態様では、微生物は死滅されている。いくつかの態様では、微生物は、コクリア・リゾフィラ、コリネバクテリウム・グルタミクム、アルスロバクター・アリライテンシス、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0028】
いくつかの態様では、C50カロテノイド化合物は、組成物の少なくとも20%w/wである。
【0029】
いくつかの態様では、C50カロテノイド化合物は、精製されている。
【0030】
いくつかの態様では、C50カロテノイド化合物は、天然に見られる化学構造を有する。
【0031】
いくつかの態様では、C50カロテノイド化合物は、天然に見られる参照C50カロテノイド化合物の類似体である。
【0032】
いくつかの態様では、C50カロテノイド化合物は、デカプレノキサンチン、C50-アスタキサンチン、C50-β-カロテン、C50-カロテン(n=3)(16,16-ジイソペンテニルフィトエン)、C50-ゼアキサンチン、C50-カロキサンチン、C50-ノストキサンチン、サルシナキサンチン、サルプレノキサンチン、非環式C50カロテノイドバクテリオルベリン、C50-カンタキサンチン、C50-リコペン、C50-フィトエン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。いくつかの態様では、C50カロテノイド化合物はデカプレノキサンチンである。
【0033】
いくつかの態様では、治療用組成物は、液体、シロップ、錠剤、トローチ、グミ、カプセル、粉末、ゲル、またはフィルムである。
【0034】
さらに、治療用組成物を製造するための方法が、本明細書において提供される。例えば、方法は、薬学的に許容される担体とC50カロテノイド化合物とを組み合わせる工程;および該組み合わせを治療用組成物に製剤化する工程を含むことができる。
【0035】
いくつかの態様では、組み合わせる工程は、薬学的に許容される担体とC50カロテノイド化合物を合成する微生物とを組み合わせることを含む。
【0036】
いくつかの態様では、組み合わせる工程は、薬学的に許容される担体と化学的に合成されたC50カロテノイド化合物とを組み合わせることを含む。
【0037】
対象における、悪心および/もしくは嘔吐を処置するための、または食物嫌悪を低減するための方法であって、(i)C50カロテノイド化合物を合成する微生物もしくはその成分、(ii)C50カロテノイド化合物を合成する微生物の抽出物、または(iii)抽出されたC50-カロテノイド化合物、または(iv)それらの組み合わせを、その必要がある対象に投与する工程を含む方法も、本明細書において提供される。
【0038】
いくつかの態様では、対象は、化学療法または放射線照射と関連する悪心および/または嘔吐を有するか、または発生する危険性がある。
【0039】
いくつかの態様では、対象は、化学療法誘導性の悪心および嘔吐(CINV)または放射線照射誘導性の悪心および嘔吐(RINV)を有するか、または発生する危険性がある。いくつかの態様では、対象は、手術後の悪心および嘔吐(PONV)を有するか、または発生する危険性がある。
【0040】
いくつかの態様では、C50カロテノイド化合物を合成する微生物は、コクリア・リゾフィラ、コリネバクテリウム・グルタミクム、アルスロバクター・アリライテンシス、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0041】
さらに、その必要がある対象において悪心および/もしくは嘔吐を処置するための、または食物嫌悪を低減させるためのC50カロテノイド化合物の使用、ならびにその必要がある対象において悪心および/もしくは嘔吐を処置するのに使用するための、または食物嫌悪を低減させるのに使用するためのC50カロテノイド化合物が、本明細書において提供される。
【0042】
その必要がある対象における、悪心および/もしくは嘔吐を処置するための、または食物嫌悪を低減させるためのC50カロテノイド化合物を合成する微生物、ならびに悪心および/もしくは嘔吐を処置するのに使用するための、または食物嫌悪を低減させるのに使用するためのC50カロテノイド化合物を合成する微生物の使用も提供される。
【0043】
いくつかの態様では、C50カロテノイド化合物を合成する微生物は、コクリア・リゾフィラ、コリネバクテリウム・グルタミクム、アルスロバクター・アリライテンシス、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0044】
抗悪心活性および/または抗嘔吐活性についてカロテノイド化合物を評価するための方法も、本明細書において提供される。方法は、(i)システムをカロテノイド化合物と接触させる工程;ならびに(ii)カロテノイド化合物がシステムの特徴を変えたかどうかを決定する工程であって、特徴が悪心および/または嘔吐と関連する、工程を含む。
【0045】
いくつかの態様では、決定する工程は、接触させる工程の実施の前および後に、特徴を比較することを含む。
【0046】
いくつかの態様では、決定する工程は、接触させる工程の後に、同等の参照と特徴を比較することを含む。
【0047】
いくつかの態様では、同等の参照は歴史的参照である。
【0048】
いくつかの態様では、同等の参照は陰性対照参照である。
【0049】
いくつかの態様では、同等の参照は陽性対照参照である。
【0050】
いくつかの態様では、システムは、C.エレガンスであるか、またはC.エレガンスを含む。
【0051】
いくつかの態様では、特徴は食物嫌悪のレベルである。
【0052】
いくつかの態様では、特徴は、核酸もしくはタンパク質のレベルもしくは活性、またはそれらの形態である。
【0053】
いくつかの態様では、特徴は、生体異物解毒応答の局面であるか、または該局面を含む。
【0054】
別段定義しない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本発明で使用するための方法および材料は本明細書において記載され;当技術分野において公知である他の適切な方法および材料も使用することができる。材料、方法、および例は例示に過ぎず、制限を意図したものではない。本明細書において言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、配列、データベースエントリ、および他の参考文献は、参照によりその全体が組み入れられる。矛盾がある場合には、定義を含めて、本明細書が優先する。
【0055】
[本発明1001]
治療的有効量のC50カロテノイド化合物をその必要がある対象に投与する工程
を含む、対象における悪心および/または嘔吐を処置するための方法。
[本発明1002]
前記対象が、化学療法または放射線照射と関連する悪心および/または嘔吐を有するか、または発生する危険性がある、本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記対象が、化学療法誘導性の悪心および嘔吐(CINV)または放射線照射誘導性の悪心および嘔吐(RINV)を有するか、または発生する危険性がある、本発明1001または1002の方法。
[本発明1004]
前記対象が、手術後の悪心および嘔吐(PONV)を有するか、または発生する危険性がある、本発明1001の方法。
[本発明1005]
前記C50カロテノイド化合物が、デカプレノキサンチン、C50-アスタキサンチン、C50-β-カロテン、C50-カロテン(n=3)(16,16-ジイソペンテニルフィトエン)、C50-ゼアキサンチン、C50-カロキサンチン、C50-ノストキサンチン、サルシナキサンチン、サルプレノキサンチン(sarprenoxanthin)、非環式C50カロテノイドバクテリオルベリン、C50-カンタキサンチン、C50-リコペン、C50-フィトエン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1001~1004のいずれかの方法。
[本発明1006]
前記C50カロテノイド化合物がデカプレノキサンチンである、本発明1005の方法。
[本発明1007]
前記投与工程が、(i)C50カロテノイド化合物を合成する微生物もしくはその成分、(ii)C50カロテノイド化合物を合成する微生物の抽出物、(iii)抽出されたC50-カロテノイド化合物、または(iv)それらの組み合わせである組成物;またはそれらを含む組成物を投与することを含む、本発明1001~1006のいずれかの方法。
[本発明1008]
前記C50カロテノイド化合物を合成する微生物が、生存可能であるかまたは生存している、本発明1007の方法。
[本発明1009]
前記投与工程が、前記対象のマイクロバイオームに定着するのに十分な量の前記微生物を投与することを含む、本発明1008の方法。
[本発明1010]
前記組成物が、前記微生物の培養物を含むか、または前記微生物の培養物から調製される、本発明1007~1009のいずれかの方法。
[本発明1011]
前記微生物が天然に見られる系統である、本発明1010の方法。
[本発明1012]
前記微生物が操作された微生物である、本発明1007~1009または1010のいずれかの方法。
[本発明1013]
前記操作された微生物が、参照微生物のものと異なる絶対または相対レベルで前記C50カロテノイド化合物を生成するように、その他の点では同等の参照微生物と比較して遺伝子変異を含む、本発明1012の方法。
[本発明1014]
前記投与工程が、合成されたC50カロテノイド化合物を含むかまたは送達する組成物を投与することを含む、本発明1001~1013のいずれかの方法。
[本発明1015]
前記C50カロテノイド化合物を合成する微生物が、コクリア・リゾフィラ(Kocuria rhizophila)、コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)、アルスロバクター・アリライテンシス(Arthrobacter arilaitensis)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1007の方法。
[本発明1016]
治療的有効量のC50カロテノイド化合物をその必要がある対象に投与する工程
を含む、対象における食物嫌悪を低減するための方法。
[本発明1017]
前記対象が、化学療法または放射線照射と関連する悪心および嘔吐を有するか、または発生する危険性がある、本発明1016の方法。
[本発明1018]
前記対象が、化学療法誘導性の悪心および嘔吐(CINV)または放射線照射誘導性の悪心および嘔吐(RINV)を有するか、または発生する危険性がある、本発明1016または1017の方法。
[本発明1019]
前記対象が、手術後の悪心および嘔吐(PONV)を有するか、または発生する危険性がある、本発明1016の方法。
[本発明1020]
前記C50カロテノイド化合物が、デカプレノキサンチン、C50-アスタキサンチン、C50-β-カロテン、C50-カロテン(n=3)(16,16-ジイソペンテニルフィトエン)、C50-ゼアキサンチン、C50-カロキサンチン、C50-ノストキサンチン、サルシナキサンチン、サルプレノキサンチン、非環式C50カロテノイドバクテリオルベリン、C50-カンタキサンチン、C50-リコペン、C50-フィトエン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1016~1019のいずれかの方法。
[本発明1021]
前記C50カロテノイド化合物がデカプレノキサンチンである、本発明1020の方法。
[本発明1022]
前記投与工程が、(i)C50カロテノイド化合物を合成する微生物もしくはその成分、(ii)C50カロテノイド化合物を合成する微生物の抽出物、(iii)抽出されたC50-カロテノイド化合物、または(iv)それらの組み合わせである組成物;またはそれらを含む組成物を投与することを含む、本発明1016~1021のいずれかの方法。
[本発明1023]
前記C50カロテノイド化合物を合成する微生物が、生存可能であるかまたは生存している、本発明1022の方法。
[本発明1024]
前記投与工程が、前記対象のマイクロバイオームに定着するのに十分な量の前記微生物を投与することを含む、本発明1023の方法。
[本発明1025]
前記組成物が、前記微生物の培養物を含むか、または前記微生物の培養物から調製される、本発明1022~1024のいずれかの方法。
[本発明1026]
前記微生物が天然に見られる系統である、本発明1025の方法。
[本発明1027]
前記微生物が操作された微生物である、本発明1022~1024のいずれかの方法。
[本発明1028]
前記操作された微生物が、参照微生物のものと異なる絶対または相対レベルで前記C50カロテノイド化合物を生成するように、その他の点では同等の参照微生物と比較して遺伝子変異を含む、本発明1027の方法。
[本発明1029]
前記投与工程が、合成されたC50カロテノイド化合物を含むかまたは送達する組成物を投与することを含む、本発明1016~1028のいずれかの方法。
[本発明1030]
前記C50カロテノイド化合物を合成する微生物が、コクリア・リゾフィラ、コリネバクテリウム・グルタミクム、アルスロバクター・アリライテンシス、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1022の方法。
[本発明1031]
治療的有効量のC50カロテノイド化合物および薬学的に許容される担体を含む、経口送達のための治療用組成物。
[本発明1032]
前記C50カロテノイド化合物を合成する微生物を含む、本発明1031の治療用組成物。
[本発明1033]
前記微生物が培養された微生物である、本発明1032の治療用組成物。
[本発明1034]
前記微生物が操作された微生物である、本発明1033の治療用組成物。
[本発明1035]
前記操作された微生物が、参照微生物のものと異なる絶対または相対レベルで前記C50カロテノイド化合物を生成するように、その他の点では同等の参照微生物と比較して遺伝子変異を含む、本発明1034の治療用組成物。
[本発明1036]
液体、シロップ、錠剤、トローチ、グミ、カプセル、粉末、ゲル、またはフィルムである、本発明1031~1034のいずれかの治療用組成物。
[本発明1037]
前記C50カロテノイド化合物が、前記組成物の少なくとも20%w/wである、本発明1031~1036のいずれかの治療用組成物。
[本発明1038]
前記C50カロテノイド化合物が精製されている、本発明1031~1037のいずれかの治療用組成物。
[本発明1039]
前記C50カロテノイド化合物が、天然に見られる化学構造を有する、本発明1031~1038のいずれかの治療用組成物。
[本発明1040]
前記C50カロテノイド化合物が、天然に見られる参照C50カロテノイド化合物の類似体である、本発明1031~1039のいずれかの治療用組成物。
[本発明1041]
前記C50カロテノイド化合物が、デカプレノキサンチン、C50-アスタキサンチン、C50-β-カロテン、C50-カロテン(n=3)(16,16-ジイソペンテニルフィトエン)、C50-ゼアキサンチン、C50-カロキサンチン、C50-ノストキサンチン、サルシナキサンチン、サルプレノキサンチン、非環式C50カロテノイドバクテリオルベリン、C50-カンタキサンチン、C50-リコペン、C50-フィトエン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1031~1040のいずれかの治療用組成物。
[本発明1042]
前記C50カロテノイド化合物がデカプレノキサンチンである、本発明1041の治療用組成物。
[本発明1043]
前記微生物が、生きているかまたは生存可能である、本発明1031~1042のいずれかの治療用組成物。
[本発明1044]
前記微生物が死滅されている、本発明1031~1043のいずれかの治療用組成物。
[本発明1045]
微生物が、コクリア・リゾフィラ、コリネバクテリウム・グルタミクム、アルスロバクター・アリライテンシス、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1031~1044のいずれかの治療用組成物。
[本発明1046]
以下の工程を含む、本発明1031~1045のいずれかの治療用組成物を製造するための方法:
薬学的に許容される担体とC50カロテノイド化合物とを組み合わせる工程;および
該組み合わせを治療用組成物に製剤化する工程。
[本発明1047]
前記組み合わせる工程が、薬学的に許容される担体とC50カロテノイド化合物を合成する微生物とを組み合わせることを含む、本発明1046の方法。
[本発明1048]
前記組み合わせる工程が、薬学的に許容される担体と化学的に合成されたC50カロテノイド化合物とを組み合わせることを含む、本発明1046の方法。
[本発明1049]
以下の工程を含む、対象における悪心および/または嘔吐を処置するための方法:
(i)C50カロテノイド化合物を合成する微生物もしくはその成分、(ii)C50カロテノイド化合物を合成する微生物の抽出物、(iii)抽出されたC50-カロテノイド化合物、または(iv)それらの組み合わせを、その必要がある対象に投与する工程。
[本発明1050]
前記対象が、化学療法または放射線照射と関連する悪心および/または嘔吐を有するか、または発生する危険性がある、本発明1049の方法。
[本発明1051]
前記対象が、化学療法誘導性の悪心および嘔吐(CINV)または放射線照射誘導性の悪心および嘔吐(RINV)を有するか、または発生する危険性がある、本発明1049または1050の方法。
[本発明1052]
前記対象が、手術後の悪心および嘔吐(PONV)を有するか、または発生する危険性がある、本発明1049の方法。
[本発明1053]
前記C50カロテノイド化合物を合成する微生物が、コクリア・リゾフィラ、コリネバクテリウム・グルタミクム、アルスロバクター・アリライテンシス、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1049~1052のいずれかの方法。
[本発明1054]
以下の工程を含む、対象における食物嫌悪を低減するための方法:
(i)C50カロテノイド化合物を合成する微生物もしくはその成分、(ii)C50カロテノイド化合物を合成する微生物の抽出物、(iii)抽出されたC50-カロテノイド化合物、または(iv)それらの組み合わせを、その必要がある対象に投与する工程。
[本発明1055]
前記対象が、化学療法または放射線照射と関連する悪心および嘔吐を有するか、または発生する危険性がある、本発明1054の方法。
[本発明1056]
前記対象が、化学療法誘導性の悪心および嘔吐(CINV)または放射線照射誘導性の悪心および嘔吐(RINV)を有するか、または発生する危険性がある、本発明1054または1055の方法。
[本発明1057]
前記対象が、手術後の悪心および嘔吐(PONV)を有するか、または発生する危険性がある、本発明1054の方法。
[本発明1058]
前記C50カロテノイド化合物を合成する微生物が、コクリア・リゾフィラ、コリネバクテリウム・グルタミクム、アルスロバクター・アリライテンシス、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1054~1057のいずれかの方法。
[本発明1059]
その必要がある対象において悪心および/または嘔吐を処置するためのC50カロテノイド化合物の使用。
[本発明1060]
その必要がある対象において悪心および/または嘔吐を処置するためのC50カロテノイド化合物を合成する微生物の使用。
[本発明1061]
前記C50カロテノイド化合物を合成する微生物が、コクリア・リゾフィラ、コリネバクテリウム・グルタミクム、アルスロバクター・アリライテンシス、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1060の使用。
[本発明1062]
対象において食物嫌悪を低減させるためのC50カロテノイド化合物の使用。
[本発明1063]
対象において食物嫌悪を低減させるためのC50カロテノイド化合物を合成する微生物の使用。
[本発明1064]
前記C50カロテノイド化合物を合成する微生物が、コクリア・リゾフィラ、コリネバクテリウム・グルタミクム、アルスロバクター・アリライテンシス、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1063の使用。
[本発明1065]
以下の工程を含む、抗悪心活性および/または抗嘔吐活性についてカロテノイド化合物を評価するための方法:
(i)システムをカロテノイド化合物と接触させる工程;
(ii)該カロテノイド化合物が該システムの特徴を変えたかどうかを決定する工程であって、該特徴が悪心および/または嘔吐と関連する、工程。
[本発明1066]
前記決定する工程が、前記接触させる工程の実施の前および後に、前記特徴を比較することを含む、本発明1065の方法。
[本発明1067]
前記決定する工程が、前記接触させる工程の後に、同等の参照と前記特徴を比較することを含む、本発明1065の方法。
[本発明1068]
前記同等の参照が歴史的参照である、本発明1067の方法。
[本発明1069]
前記同等の参照が陰性対照参照である、本発明1067の方法。
[本発明1070]
前記同等の参照が陽性対照参照である、本発明1067の方法。
[本発明1071]
前記システムが、C.エレガンス(C. elegans)であるか、またはC.エレガンスを含む、本発明1065~1070のいずれかの方法。
[本発明1072]
前記特徴が食物嫌悪のレベルである、本発明1065~1071のいずれかの方法。
[本発明1073]
前記特徴が、核酸もしくはタンパク質のレベルもしくは活性、またはそれらの形態である、本発明1065~1071のいずれかの方法。
[本発明1074]
前記特徴が、生体異物解毒応答の局面であるか、または該局面を含む、本発明1073の方法。
本発明の態様の他の特徴および利点は、次の詳細な説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1A】pgp-5p::gfpの誘導は、K.リゾフィラ野生型を与えたeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物において有意に低減したが、K.リゾフィラcrtEb(e17)、K.リゾフィラcrtI(e10)、およびK.リゾフィラcrtYe(e2)の突然変異体は、GFP誘導を抑制しなかった。
【
図1B】K.リゾフィラを与えることにより、eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物においてpgp-5p::gfpの誘導が有意に低減したが、K.リゾフィラ突然変異体では、pgp-5p::gfpの発現は影響を受けなかった。独立t検定、**P<0.01。平均±s.dを示す。条件あたりの解析した動物の数を各バーの上に示す。nsは、大腸菌(E. coli)OP50を与えたeft-3(q145);pgp-5p::gfpと比較して有意でなかった。
【
図1D-1】K.リゾフィラのカロテノイドクラスターにおける突然変異の図表示。
【
図1E】K.リゾフィラの推定上のC50カロテノイド生合成経路。
【
図2A】A)pgp-5p::gfpの誘導は、C.グルタミクム野生型を与えたeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物において有意に低減したが、C.グルタミクムΔcrtEb、ΔcrtI、ΔcrtY、およびΔcrtBの突然変異体はGFP誘導を抑制しなかった。
【
図2B】C.グルタミクム野生型、ΔcrtEb、ΔcrtI、ΔcrtY、およびΔcrtB突然変異体を与えたeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物におけるpgp-5p::gfpの発現の定量化。独立t検定、****P<0.0001。平均±s.dを示す。条件あたりの解析した動物の数を各バーの上に示す。nsは、大腸菌OP50を与えたeft-3(q145);pgp-5p::gfpと比較して有意でなかった。
【
図2C】pgp-5p::gfpの誘導は、A.アリライテンシス(A. arilaitensis)野生型を与えたeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物において有意に低減した。
【
図2D】オレンジ色の色素を示す、K.リゾフィラ抽出物のTLC。
【
図2E】オレンジ色の色素の吸光度を示す、K.リゾフィラ抽出物のHPLC。挿入数字は、抽出物由来の様々なピークの溶出時間および吸光度を示す。
【
図2F】750μg/mlのK.リゾフィラ抽出物は、eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物においてpgp-5p::gfpを阻害した。
【
図2G】K.リゾフィラ野生型、対照抽出物またはK.リゾフィラ抽出物のいずれかを含むK.リゾフィラcrtEb(e17)、K.リゾフィラcrtI(e10)、およびK.リゾフィラcrtEb(e6)を与えたeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物におけるpgp-5p::gfpの発現の定量化。
【
図3A】10mg/mlのハイグロマイシンに応答したpgp-5p::gfpの誘導は、K.リゾフィラ野生型を与えた動物において有意に低減したが、K.リゾフィラcrtEb(e17)、またはK.リゾフィラcrtI(e10)の突然変異体ではGFP誘導を抑制しなかった。
【
図3B】K.リゾフィラのカロテノイド抽出物で処理した動物はハイグロマイシンに過感受性であった。溶媒抽出物およびハイグロマイシンを含む大腸菌OP50を与えた野生型蠕虫と比較して、独立t検定、****P<0.0001。平均±s.dを示す。データは、各条件について少なくとも20匹の動物の独立した3試験から収集した。nsは、ハイグロマイシンなしで溶媒抽出物を含む大腸菌OP50を与えた野生型と比較して、有意でなかった。
【
図3C】K.リゾフィラのカロテノイド抽出物で処理した動物はエメチンに過感受性であった。
【
図3D】K.リゾフィラのカロテノイド抽出物で処理した動物はシスプラチンに過感受性であった。
【
図3E】K.リゾフィラのカロテノイド抽出物で処理した動物は、対照溶媒およびハイグロマイシンで処理した動物を比較して、ハイグロマイシンを回避しなかった。
【
図3F】K.リゾフィラのカロテノイド抽出物で処理した動物は、対照溶媒およびシスプラチンで処理した動物を比較して、シスプラチンを回避しなかった。独立t検定、****P<0.01、**P<0.0001。平均±s.dを示す。nsは有意でなかった。
【
図4A】pgp-5p::gfpはvha-6プロモーターの制御下で腸でZIP-2::mCherryを発現する大腸菌OP50またはK.リゾフィラを与えた動物で構成的に誘導された。
【
図4B】胆汁酸の補充は、eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物において、K.リゾフィラ誘導性のpgp-5p::gfp活性化欠陥を抑制した。
【
図4C】
図4Bに示される、eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物におけるK.リゾフィラ誘導性のpgp-5p::gfp活性化欠陥の胆汁酸による抑制の定量化。独立t検定、***P<0.0001。平均±s.dを示す。条件あたりの解析した動物の数を各バーの上に示す。nsは、大腸菌OP50を与えたeft-3(q145);pgp-5p::gfpと比較して有意でなかった。
【
図4D】lbp-5 RNAi、chc-1RNAi、fcho-1 RNAi、およびdyn-1 RNAiは、eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物において、K.リゾフィラ誘導性のpgp-5p::gfp活性化欠陥を抑制したが、rme-1 RNAiまたはrab-5 RNAiはGFP誘導を抑制しなかった。
【
図4E】K.リゾフィラのカロテノイド抽出物が生体異物解毒応答の誘導をどのようにして抑制することができるかのワーキングモデル。
【
図5A】K.リゾフィラを与えることにより、eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物においてpgp-5p::gfpの誘導が阻害されたが、K.リゾフィラ突然変異体では、pgp-5p::gfpの発現は影響を受けなかった。
【
図5B】K.リゾフィラを与えることにより、与えてから12時間以内に、eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物においてpgp-5p::gfpの誘導が抑制された。
【
図5C】vrs-2 dsRNAを与え、大腸菌に移動させたpgp-5p::gfp動物は、gfpの誘導を示したが、K.リゾフィラプレートに移動させた動物では、pgp-5p::gfpの発現が低減した。
【
図5D】rpl-1 dsRNAを与え、大腸菌に移動させたpgp-5p::gfp動物は、gfpの誘導を示したが、K.リゾフィラプレートに移動させた動物では、pgp-5p::gfpの発現が低減した。
【
図5E】K.リゾフィラを与えることにより、eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物においてpgp-5p::gfpの誘導が有意に低減したが、K.リゾフィラ突然変異体では、pgp-5p::gfpの発現は影響を受けなかった。
【
図5F】K.リゾフィラ野生型のコロニーの色は、6つの突然変異体のコロニーの色と異なっていた。
【
図5G】EMSスクリーニングから観察されたK.リゾフィラ突然変異体のコロニーの色。
【
図6A】K.リゾフィラ突然変異体はeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物においてpgp-5p::gfpの誘導を抑制しなかった。
【
図6B】ゲノム配列が決定された23種の突然変異体の観察された変色表現型。
【
図6C】C.グルタミクム野生型、ΔcrtEb、ΔcrtI、ΔcrtY、およびΔcrtB突然変異体から観察された変色表現型。
【
図7-1】デカプレノキサンチンを生成する可能性がある推定上の遺伝子クラスターを含む細菌のオペロン構造。
【
図8-1】様々な属のCrtIタンパク質のアライメント。様々な属で発見された配列全体にわたるアミノ酸保存を示す。
【
図9-1】様々な属のCrtBタンパク質のアライメント。様々な属で発見された配列全体にわたるアミノ酸保存を示す。
【
図10-1】様々な属のCrtEbタンパク質のアライメント。様々な属で発見された配列全体にわたるアミノ酸保存を示す。
【
図11】K.リゾフィラからのデカプレノキサンチン含有抽出物の1つの例示的な生化学的単離。
【
図12A】K.リゾフィラ野生型、crtI(e10)、およびcrtb(e6)のメタノール抽出物の分光光度的解析。
【
図12B】K.リゾフィラ野生型、crtEb(e17)、およびcrtYf(e18)のメタノール抽出物の分光光度的解析。
【
図12C】K.リゾフィラ野生型、crtEb(e17)、およびcrtYe(e22)のメタノール抽出物の分光光度的解析。
【
図13A】K.リゾフィラはhsp-4p::gfpを誘導しなかった。
【
図13B】K.リゾフィラ野生型およびcrtEb(e17)またはcrtI(e10)突然変異体はhsp-6p::gfpを誘導しなかった。
【
図13C】K.リゾフィラ野生型およびcrtEb(e17)、crtI(e10)、crtYf(e2)、またはcrtYe(e22)突然変異体はclec-60p::gfpを誘導した。
【
図13D】K.リゾフィラ野生型およびcrtEb(e17)またはcrtI(e10)突然変異体はF35E12.5p::gfpを誘導しなかった。
【
図13E】eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物においてK.リゾフィラを与えることにより誘導されるpgp-5p::gfpの抑制は可逆的であった。
【
図14A】N-アセチルシステイン、アスコルビン酸、トロロクス、またはレスベラトロールは、eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物においてpgp-5p::gfpを抑制しなかった。
【
図14B】ベータ-カロテンまたはアスタキサンチンは、eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物においてpgp-5p::gfpを抑制しなかった。
【
図14C】ゼアキサンチン、ノイロスポレン、ビオラキサンチン、デルタ-カロテン、またはアルファ-カロテンのいずれかを発現する大腸菌は、eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物においてpgp-5p::gfpを抑制しなかった。
【
図14D】10μg/mlおよび20μg/mlのハイグロマイシンに応答したpgp-5p::gfpの誘導は、K.リゾフィラ野生型を与えた動物において有意に低減した。50mg/mlハイグロマイシンに応答したpgp-5p::gfpの誘導は、大腸菌OP50を与えた動物とK.リゾフィラ野生型を与えた両方の動物で正常である。
【
図15A】2.5μg/mlまたは6.25μg/mlのエメチンに応答したpgp-5p::gfpの誘導は、K.リゾフィラ野生型を与えた動物において有意に低減した。しかし、12.5μg/mlのエメチンで処理した動物では、応答したpgp-5p::gfpの誘導は、K.リゾフィラを与えた動物で部分的に低減した。25μg/mlのエメチンで処理した動物では、pgp-5p::gfpの誘導は、大腸菌OP50またはK.リゾフィラ野生型のいずれかで処理した両方の動物で正常あった。
【
図15B】6.25μg/mlのエメチンに応答したpgp-5p::gfpの誘導は、K.リゾフィラ野生型を与えた動物において有意に低減したが、K.リゾフィラcrtEb(e17)またはK.リゾフィラcrtI(e10)の突然変異体はGFP誘導を抑制しなかった。
【
図15C】1mMのシスプラチンに応答したpgp-5p::gfpの誘導は、K.リゾフィラ野生型を与えた動物において有意に低減したが、K.リゾフィラcrtEb(e17)、crtYe(e22)、またはcrtI(e10)の突然変異体はGFP誘導を抑制しなかった。
【
図15D】カロテノイドそれ自体は、ハイグロマイシンの非存在下で蠕虫に対して毒性がなかった。
【
図15E】対照抽出物またはK.リゾフィラ抽出物を与えた動物はアンチマイシンに感受性であった。
【
図16A】ZK892.4およびC24A3.4タンパク質は配列類似性を有する。
【
図16B】ZK892.4 RNAiまたはC24A3.4 RNAiの不活性化は、eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物においてpgp-5p::gfpの誘導を抑制しなかったが、ZK892.4とC24A3.4の二重RNAiはgfp誘導を抑制した。
【
図16C】chc-1、fcho-1、またはlbp-5のRNAiはpgp-5p::gfpを誘導しなかった。
【発明を実施するための形態】
【0057】
投与:本明細書において使用される場合、用語「投与」は、典型的には、対象またはシステムへ剤の送達を達成するための、対象またはシステムへの組成物の投与を指す。いくつかの態様では、剤は組成物であるか、または組成物に含まれ;いくつかの態様では、剤は、組成物またはその1種または複数種の成分の代謝を介して生成される。当業者は、適切な状況下で、対象、例えばヒトへの投与に利用することができる、様々な経路を知っているであろう。例えば、いくつかの態様では、投与は眼、経口、非経口、局所などであり得る。いくつかの特定の態様では、投与は気管支(例えば、気管支点滴注入による)、頬側、皮膚(例えば、真皮、皮内、皮膚間、経皮などへの局所の1つまたは複数であり得るか、またはそれらを含み得る)、経腸、動脈内、皮内、胃内、髄内、筋肉内、鼻腔内、腹腔内、髄腔内、静脈内、脳室内、特定の臓器内(例えば、肝臓内)、粘膜、経鼻、経口、直腸、皮下、舌下、局所、気管(例えば、気管内点滴注入による)、腟、硝子体などであり得る。本開示によって提供される多くの態様では、投与は経口投与である。いくつかの態様では、投与は単回用量のみを含むことができる。いくつかの態様では、投与は固定数用量の適用を必要とし得る。いくつかの態様では、投与は断続的な(例えば、時間的に分けられた複数の用量)および/または周期的な(例えば、共通の期間によって分けられた個々の用量)投薬である投薬を含むことができる。いくつかの態様では、投与は少なくとも選択された期間にわたる持続的投薬(例えば、灌流)を含むことができる。
【0058】
類似体:本明細書において使用される場合、用語「類似体」は、1つまたは複数の特定の構造的特徴、要素、成分、または部分を参照物質と共有する物質を指す。典型的には、「類似体」は参照物質と有意な構造的類似性を示し、例えば、コアまたはコンセンサス構造を共有するが、ある特定の個別の様式で異なってもいる。いくつかの態様では、類似体は、例えば参照物質の化学的操作によって参照物質から生成され得る物質である。いくつかの態様では、類似体は、参照物質を生成するものと実質的に類似している(例えば、複数の工程を共有する)合成プロセスの実施を通して生成され得る物質である。いくつかの態様では、類似体は、参照物質を生成するために使用されるものと異なる合成プロセスの実施を通して生成されるか、生成され得る。
【0059】
カロテノイド化合物:本明細書において使用される場合、用語「カロテノイド化合物」は、天然に存在するカロテノイド色素およびそれらの構造類似体の構造的に多様なクラスのメンバーである化合物を指す。自然界で、カロテノイド化合物は、典型的には、イソプレノイド経路の中間体から合成される。カロテノイドは非環式でもよいし、または環式でもよく、酸素を含んでもよいし、含まなくてもよく、したがって、いくつかの態様では、用語「カロテノイド」は、カロテンとキサントフィルの両方を含むことができる。多くのカロテノイドは強い光吸収性状を有する。一般に、カロテノイドは、形式的に5炭素化合物のイソペンテニルピロリン酸に由来する共役したポリエン炭素骨格を有する炭化水素化合物である。いくつかの態様では、カロテノイド化合物は、トリテルペン(C30ジアポカロテノイド)、テトラテルペン(C40カロテノイド)、または、例えば、C35、C50、C60、C70、C80の長さもしくは他の長さである他の化合物であり得る。いくつかの態様では、カロテノイドはC200を超える長さを有し得る。1000種を超える異なるカロテノイドが自然界で特定されている。カロテノイドとしては、限定されないが、以下が挙げられる:アンテラキサンチン、アドニルビン、アドニキサンチン、アスタキサンチン、カンタキサンチン、カプソルビン(capsorubrin)、β-クリプトキサンチン、α-カロテン、β-カロテン、β,ψ-カロテン、δ-カロテン、ε-カロテン、エキネノン、3-ヒドロキシエキネノン、3'-ヒドロキシエキネノン、γ-カロテン、ψ-カロテン、4-ケト-γ-カロテン、ζ-カロテン、α-クリプトキサンチン、デオキシフレキシキサンチン、ジアトキサンチン、7,8-ジデヒドロアスタキサンチン、ジデヒドロリコペン、フコキサンチン、フコキサンチノール、イソレニエラテン、β-イソレニエラテン、ラクツカキサンチン、ルテイン、リコペン、ミクソバクトン(myxobactone)、ネオキサンチン、ノイロスポレン、ヒドロキシノイロスポレン、ペリジニン、フィトエン、ロドピン、ロドピングルコシド、4-ケト-ルビキサンチン、シフォナキサンチン、スフェロイデン、スフェロイデノン、スピリロキサンチン、トルレン、4-ケト-トルレン、3-ヒドロキシ-4-ケト-トルレン、ウリオリド、ウリオリドアセテート、ビオラキサンチン、ゼアキサンチン-β-ジグルコシド、ゼアキサンチン、およびC30カロテノイド。さらに、カロテノイド化合物にはこれらの分子の誘導体が含まれ、これらは、ヒドロキシ-、メトキシ-、オキソ-、エポキシ-、カルボキシ-、またはアルデヒド官能基を含むことができる。例えば、カロテノイドには酸素化誘導体が含まれる。さらに、含まれるカロテノイド化合物としては、エステル(例えば、グリコシドエステル、脂肪酸エステル)およびスルフェート誘導体(例えば、エステル化キサントフィル)が挙げられる。
【0060】
カロテノイド生成の改変:本明細書において使用される場合、用語「カロテノイド生成の改変」は、本明細書において記載されるように1種または複数種のカロテノイドの生成を調整する宿主生物の改変を指す。例えば、カロテノイド生成の改変は1種もしくは複数種のカロテノイドの生成レベルを増大させることができ、および/または異なるカロテノイドの相対的生成レベルを変えることができる。原則として、発明のカロテノイド生成の改変は、同じ改変にかけていない、その他の点では同一の生物で生成されるレベルと比較した場合に、その生物によって生成される、宿主生物中の1種または複数種のカロテノイドの生成を適切に変える任意の化学的、生理的、遺伝的、または他の改変であり得る。しかし、大抵の態様では、カロテノイド生成の改変は、典型的には、1種または複数種の選択されるカロテノイドの生成の増大をもたらす遺伝子改変を含むであろう。いくつかの態様では、選択されるカロテノイドは1種または複数種のC50カロテノイド化合物である。
【0061】
カロテノイド生合成ポリペプチド:用語「カロテノイド生合成ポリペプチド」は、1種または複数種のカロテノイドの合成に関与する任意のポリペプチドを指す。いくつか挙げると、こられのカロテノイド生合成ポリペプチドとしては、例えば、フィトエンシンターゼ、フィトエンデヒドロゲナーゼ(またはデサチュラーゼ)、リコペンシクラーゼ、カロテノイドケトラーゼ、カロテノイドヒドロキシラーゼ、アスタキサンチンシンターゼ、カロテノイドイプシロンヒドロキシラーゼ、リコペンシクラーゼ(ベータおよびイプシロンサブユニット)、カロテノイドグルコシルトランスフェラーゼ、およびアシルCoA:ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼのポリペプチドが挙げられる。
【0062】
カロテノイド化合物を合成する微生物:本明細書において使用される場合、フレーズ「カロテノイド化合物を合成する微生物」は、1種または複数種のカロテノイド化合物を合成する微生物(例えば、藻類、真菌、細菌)を指す。いくつかの態様では、カロテノイド化合物を合成する微生物は、1種または複数種のカロテノイド化合物を天然に合成することができる。いくつかの態様では、カロテノイド化合物を合成する微生物はカロテノイド生成の改変を含む。いくつかの態様では、カロテノイド化合物を合成する化合物は、(例えば、1つまたは複数の遺伝子変異を有するように)遺伝子改変されていてもよく、その結果、そのように遺伝子改変されていない(すなわち、遺伝子変異を含まない)その他の点では同等の参照微生物のものと異なる絶対または相対レベルで、1種または複数種のカロテノイドを合成する。例えば、いくつかの態様では、カロテノイド化合物を合成する微生物は、遺伝子操作がない微生物によって合成されない少なくとも1つのカロテノイド化合物を合成するように遺伝子操作されている。あるいは、いくつかの態様では、カロテノイド化合物を合成する微生物は、1種または複数種の特定のカロテノイド化合物のその合成が、遺伝子操作がない微生物と比較してより高いレベルであり得るように遺伝子操作されている。いくつかの態様では、より高いレベルは、閾値レベルを参照して評価することができ;いくつかの態様では、より高いレベルは、(遺伝子操作より前の)微生物によっても生成される別の化合物(例えば、別のカロテノイド化合物)を参照して評価することができる。いくつかの特定の態様では、カロテノイド化合物を合成する微生物は、カロテノイド生合成ポリペプチドをコードする1種または複数種の遺伝子の発現を加えるまたは増大させるように遺伝子改変されている。あるいは、またはさらに、いくつかの態様では、カロテノイド化合物を合成する微生物は、(例えば、1つまたは複数の他の生合成または代謝経路への炭素転換を低減させることによって)カロテノイド生合成経路を通る炭素流動を増大させるように遺伝子改変されている。いくつかの態様では、カロテノイド化合物を合成する微生物は、特定の数の炭素単位を有する1種または複数種のカロテノイド化合物を合成することができる。例えば、いくつかの態様では、カロテノイド化合物を合成する微生物は、1種または複数種のC50カロテノイド化合物を(天然にまたは遺伝子改の結果として)合成することができ;そのような微生物はC50合成微生物と称することができる。
【0063】
同等の:本明細書において使用される場合、用語「同等の」は、互いに同一でなくてもよいが、それらの間で比較を可能にするのに十分なほど類似しており、その結果、観察される差異または類似性に基づいて結論を合理的に導くことができると当業者が認識するであろう、2つ以上の剤、実体、状況、条件のセットなどを指す。いくつかの態様では、条件、環境、個体、または集団の同等のセットは、複数の実質的に同一の特徴および1つまたは少数の様々な特徴を特徴とする。当業者は、同等と考えられる2つ以上のそのような剤、実体、状況、条件のセットなどについて、任意の所与の環境においてどの程度の同一性が必要とされるかを文脈の中で理解するであろう。例えば、当業者は、環境、個体、または集団のセットは、環境、個体、または集団の異なるセットの下で、または該セットを用いて得られた結果または観察された現象の差異が、変化するそれらの特徴の変動によって引き起こされるか、または該変動を示す合理的な結論を保証するのに十分な数およびタイプの実質的に同一の特徴を特徴とする場合に、互いに同等であることを認識するであろう。
【0064】
剤形:当業者は、用語「剤形」は、対象への投与のための剤(例えば、治療剤)の物理的に分離した単位を指すために使用され得ることを認識するであろう。典型的には、そのような各単位は所定の分量の剤を含む。いくつかの態様では、そのような分量は、関連した集団に投与される場合に望ましいまたは有益な転帰に相関するように決定された投与レジメン(すなわち、治療的投与レジメン)に従った投与に適切である単位投薬量(またはその全割合)である。当業者は、特定の対象に投与される治療用組成物または剤の総量は1人または複数人の主治医によって決定され、複数の剤形の投与を含むことができることを認識する。
【0065】
投与レジメン:当業者は、用語「投与レジメン」は、個々に対象に投与され、典型的には期間によって分けられた、一連の単位用量(典型的には1より多い)を指すために使用され得ることを認識するであろう。いくつかの態様では、所与の剤は推奨される投与レジメンを有し、投与レジメンは1つまたは複数の用量を含むことができる。いくつかの態様では、投与レジメンは、それぞれが他の用量から時間的に分けられた複数の用量を含む。いくつかの態様では、個々の用量は、同じ長さの期間によって互いに分けられており;いくつかの態様では、投与レジメンは複数の用量および個々の用量を分離する少なくとも2つの異なる期間を含む。いくつかの態様では、投与レジメン内のすべての用量は同じ単位投与量のものである。いくつかの態様では、投与レジメン内の異なる用量は異なる量のものである。いくつかの態様では、投与レジメンは第1の投与量での第1の用量、それに続く、第1の投与量と異なる第2の投与量での1つまたは複数のさらなる用量を含む。いくつかの態様では、投与レジメンは第1の投与量での第1の用量、それに続く、第1の投与量と同じ第2の投与量での1つまたは複数のさらなる用量を含む。いくつかの態様では、投与レジメンは、関連した集団の全体にわたって投与される場合に、望ましいまたは有益な転帰と相関する。
【0066】
操作された:一般に、用語「操作された」はヒトの手によって取り扱われた局面を指す。例えば、細胞または生物は、その遺伝情報が変わる(例えば、形質転換、交配、体細胞交雑、トランスフェクション、形質導入、または他のメカニズムなどによって、以前に存在しなかった新しい遺伝物質が導入されている、あるいは例えば、置換もしくは欠失突然変異によって、または交配プロトコールによって以前に存在した遺伝物質が変えられるまたは除去される)ように扱われた場合に「操作された」と考えられる。一般的なことであり、当業者に理解されているように、操作されたポリヌクレオチドまたは細胞の後代は、実際の取り扱いは以前の実体について行われたにもかかわらず、典型的には、依然として「操作された」と称される。
【0067】
賦形剤:本明細書において使用される場合、例えば、望ましい粘稠度(consistency)または安定化効果を提供するか、またはこれらに寄与するために薬学的組成物に含まれ得る不活性な(例えば、非治療的な)剤を指す。いくつかの態様では、適切な薬学的賦形剤としては、例えば、デンプン、グルコース、ラクトース、ショ糖、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどを挙げることができる。
【0068】
機能的:本明細書において使用される場合、「機能的」生物分子は、それが特徴付けられる性状および/または活性を示す形態の生物分子である。生物分子は、2つの機能(すなわち、二機能性)または多くの機能(すなわち、多機能性)を有し得る。
【0069】
向上させる、増大させる、阻害する、または低減させる:本明細書において使用される場合、用語「向上させる」、「増大させる」、「阻害する」、「低減させる」、またはこれらの文法的均等物は、ベースラインまたは他の参照測定値と比較した値を示す。いくつかの態様では、適切な参照測定値は、特定の剤もしくは処置の存在がない(例えば、特定の剤もしくは処置より前および/もしくは後の)その他の点では同等の条件下、または適切な同等の参照剤の存在下での特定のシステムにおける(例えば、単一個体における)測定値であり得るか、あるいは該測定値を含み得る。いくつかの態様では、適切な参照測定値は、関連した剤または処置の存在下で特定の方法で応答することが公知であるかまたは期待される同等のシステムにおける測定値であり得るか、または該測定値を含むことができる。いくつかの態様では、適切な参照は陰性参照であり;いくつかの態様では、適切な参照は陽性参照である。
【0070】
単離された:本明細書において使用される場合、これは、(1)(自然界において、および/もしくは実験環境においてに関わらず)最初に生成された時にそれが結合していた成分の少なくともいくつかから分離された、ならびに/または(2)ヒトの手によって設計された、生成された、調製された、および/もしくは製造された、物質および/または実体を指す。いくつかの態様では、単離された物質または実体は富化され得;いくつかの態様では、単離された物質または実体は純粋であり得る。いくつかの態様では、単離された物質および/または実体は、それが最初に結合していた他の成分の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99%より多くから分離され得る。いくつかの態様では、単離された剤は、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99%より多く純粋である。本明細書において使用される場合、物質は実質的に他の成分がない場合に「純粋」である。いくつかの態様では、当業者が理解するように、物質は、例えば、1種または複数種の担体または賦形剤(例えば、緩衝液、溶媒、水など)のようなある特定の他の成分と組み合わされた後でも「富化された」、「単離された」、またはさらに「純粋である」と依然として考えることができ;そのような態様では、物質の単離または純度パーセントは、そのような担体または賦形剤を含めずに計算される。当業者は、(例えば、分画、抽出、沈殿、または他の分離の1つまたは複数を使用して)物質または剤を単離する(例えば、富化するまたは精製する)ための様々な技術を知っている。
【0071】
薬学的組成物:本明細書において使用される場合、用語「薬学的組成物」は、活性剤が1種または複数種の薬学的に許容される担体とともに製剤化される組成物を指す。いくつかの態様では、活性剤は、関連した集団に投与される場合に所定の治療効果を達成することについて統計学的に有意な確率を示す、治療レジメンにおける投与に適している単位投与量で存在する。いくつかの態様では、薬学的組成物は、以下のものに適しているものを含めて、固体または液体形態での投与のために特別に製剤化することができる:経口投与、例えば、水薬(水性または非水性の液剤または懸濁剤)、錠剤、例えば、頬側、舌下、および全身的吸収を目的としているもの、ボーラス、粉末剤、顆粒剤、舌への適用のためのペースト剤、カプセル剤、粉末剤など。いくつかの態様では、活性剤は、細胞または細胞の集団(例えば、カロテノイド化合物を合成する微生物などの培養物)であり得るか、またはそれらを含むことができ;いくつかの態様では、活性剤は、細胞または細胞の集団(例えば、培養物)の抽出物または成分であり得るか、またはそれらを含むことができる。いくつかの態様では、活性剤は、単離された、精製された、または純粋な化合物であり得るか、またはそれらを含むことができる。いくつかの態様では、活性剤は、(例えば、化学的および/または酵素的合成によって)インビトロで合成されていてもよい。いくつかの態様では、活性剤は、(その天然源から単離されたかインビトロで合成されたかに関わらず)天然物であり得るか、またはこれを含むことができる。
【0072】
薬学的に許容される:本明細書において使用される場合、例えば、本明細書において開示される薬学的組成物を製剤化するために使用される担体、希釈剤、または賦形剤に関連して使用され得る用語「薬学的に許容される」は、担体、希釈剤、または賦形剤が組成物の他の成分と適合性であり、それらの受容者に有害でないことを意味する。
【0073】
薬学的に許容される担体:本明細書において使用される場合、用語「薬学的に許容される担体」は、1つの臓器または体の一部から別の臓器または体の一部への対象化合物の運搬または輸送に関与する、薬学的に許容される材料、組成物、またはビヒクル、例えば、液体もしくは固体のフィラー、希釈剤、賦形剤、または溶媒カプセル化材を意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性であり、患者に有害でないという意味で「許容される」べきである。薬学的に許容される担体として働き得る材料のいくつかの例としては、以下が挙げられる:糖、例えば、ラクトース、グルコース、およびショ糖;デンプン、例えば、コーンスターチおよびジャガイモデンプン;セルロースおよびその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロース;粉末化トラガント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えば、ココアバターおよび座薬用ワックス;油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、およびダイズ油;グリコール、例えばプロピレングリコール;ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコール;エステル、例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;発熱物質を含有しない水;等張生理食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコール;pH緩衝溶液;ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリアンヒドリド;ならびに薬学的製剤で用いられる他の無毒の適合性物質。
【0074】
防止:本明細書において使用される場合、用語「防止」は、特定の疾患、障害または状態の1つまたは複数の症状の発症の遅延、ならびに/または該症状の頻度および/もしくは重症度の低減を指す。いくつかの態様では、防止は、集団基準で評価され、したがって、疾患、障害、または状態に罹りやすい集団において疾患、障害または状態の1つまたは複数の症状の発生、頻度、および/または強度の統計学的に有意な減少が観察される場合、剤は、特定の疾患、障害または状態を「防止する」と考えられる。いくつかの態様では、防止は、例えば、事前に定められた期間にわたって疾患、障害、または状態の発症が遅延した場合に、完全と考えられ得る。
【0075】
参照:本明細書において使用される場合、これは、比較が行われるものに対する標準または対照を説明する。例えば、いくつかの態様では、関心対象の剤、動物、個体、集団、試料、配列、または値は、参照または対照の剤、動物、個体、集団、試料、配列、または値と比較される。いくつかの態様では、参照または対照は、関心対象の試験または決定と実質的に同時に試験されるおよび/または決定される。いくつかの態様では、参照または対照は歴史的な参照または対照であり、任意で有形的表現媒体で具体化される。典型的には、当業者によって理解されると考えられるように、参照または対照は、評価中のものと同等の条件または環境下で決定されるかまたは特徴付けられる。当業者は、十分な類似性が存在する場合に、特定の可能な参照または対照への信頼および/または特定の可能な参照または対照との比較を正当化することを認識するであろう。いくつかの態様では、参照は陰性対照参照であり;いくつかの態様では、参照は陽性対照参照である。
【0076】
危険性:文脈から理解されるように、疾患、障害、および/または状態の「危険性」は、特定の個体が疾患、障害、および/または状態を発生するであろう可能性を指す。いくつかの態様では、危険性はパーセンテージとして表される。いくつかの態様では、危険性は0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90から100%までである。いくつかの態様では、危険性は、参照試料または一群の参照試料と関連する危険性と比較した危険性として表される。いくつかの態様では、参照試料または一群の参照試料は、疾患、障害、状態および/または事象の公知の危険性を有する。いくつかの態様では、参照試料または一群の参照試料は特定の個体と同等の個体に由来する。いくつかの態様では、相対危険度は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上である。
【0077】
試料:本明細書において使用される場合、用語「試料」は、典型的には、関心対象の供給源から得られるかまたは該供給源に由来する材料の一定分量を指す。いくつかの態様では、関心対象の供給源は生物学的または環境的供給源である。いくつかの態様では、関心対象の供給源は、細胞または生物、例えば、微生物、植物、または動物(例えばヒト)であり得るか、またはそれらを含むことができる。いくつかの態様では、関心対象の供給源は、生物学的組織または流体であるか、またはそれらを含む。いくつかの態様では、生物学的組織または流体は、羊水、眼房水、腹水、胆汁、骨髄、血液、乳汁、脳脊髄液、耳垢、乳び、チャイム、射精液、内リンパ、滲出液、糞便、胃酸、胃液、リンパ液、粘液、心膜液、外リンパ、腹膜液、胸膜液、膿汁、粘膜分泌物、唾液、皮脂、精液、血清、恥垢、痰、滑液、汗、涙、尿、膣分泌物、硝子体液、嘔吐物、および/またはそれらの組み合わせもしくは成分であり得るか、あるいはそれらを含むことができる。いくつかの態様では、生物学的流体は、細胞内液、細胞外液、血管内液(血漿)、間質液、リンパ液、および/もしくは細胞透過液であり得るか、またはそれらを含むことができる。いくつかの態様では、生物学的流体は、植物滲出液であり得るか、またはそれを含むことができる。いくつかの態様では、生物学的組織または試料は、例えば、吸引、生検(例えば、細針または組織生検)、スワブ(例えば、口、鼻、皮膚、または膣スワブ)、スクラッピング、手術、洗浄、あるいは潅注(例えば、気管支肺胞上皮、管、鼻、眼、口、子宮、腟、または他の洗浄もしくは潅注)によって得ることができる。いくつかの態様では、生物学的試料は、個体から得られる細胞であるか、またはこれを含む。いくつかの態様では、試料は、任意の適切な手段によって関心対象の供給源から直接得られる「一次試料」である。いくつかの態様では、文脈から明らかであるように、用語「試料」は、一次試料を処理することによって(例えば、一次試料の1種もしくは複数種の成分を除去することによって、および/または1種もしくは複数種の剤を一次試料に加えることによって)得られる調製物を指す。例えば、半透膜を使用して濾過する。そのような「処理された試料」は、例えば、試料から抽出された、または核酸の増幅もしくは逆転写、ある特定の成分の単離および/もしくは精製などのような1つもしくは複数の技法に一次試料をかけることによって得られた核酸またはタンパク質を含むことができる。
【0078】
対象:本明細書において使用される場合、用語「対象」は、提供される処置が施される個体を指す。いくつかの態様では、対象は、哺乳動物、例えば、本明細書において記載される疾患、障害、もしくは状態を経験するか、またはこれらに罹りやすい哺乳動物であり;いくつかの態様では、対象は、ヒトまたは非ヒトの獣医学的対象、例えば、類人猿、ネコ イヌ、サル、もしくはブタである。いくつかの態様では、対象はヒトである。いくつかの態様では、患者は、本明細書において記載される1つもしくは複数の疾患、障害、もしくは状態に罹患しているか、または罹りやすい。いくつかの態様では、患者は、本明細書において記載される1つまたは複数の疾患、障害、または状態の1つまたは複数の症状を呈する。いくつかの態様では、患者は、本明細書において記載される1つまたは複数の疾患、障害、または状態であると診断されている。いくつかの態様では、障害または状態は、悪心および/もしくは嘔吐、ならびに/または1種もしくは複数種の食物嫌悪障害であるか、あるいはそれらを含む。いくつかの態様では、対象は癌、または1つもしくは複数の腫瘍の存在に罹患しているか、あるいはこれらに罹りやすい。いくつかの態様では、対象は、疾患、障害、または状態を診断するために、および/または処置するために、ある特定の療法を受けているか、または受けたことがある。いくつかの態様では、対象は、悪心および/または嘔吐を誘導する療法(例えば、化学療法、放射線照射、および/または手術)を受けたことがある。
【0079】
症状が低減される:本発明によれば、特定の疾患、障害、または状態の1つまたは複数の症状の規模(例えば、強度、重症度など)および/または頻度が低減される場合に、「症状が低減される」。明瞭にする目的で、特定の症状の発症の遅延は、その症状の頻度を低減させる1つの形態と考えられる。
【0080】
治療レジメン:「治療レジメン」は、この用語が本明細書において使用される場合、関連した集団の全体にわたる投与が望ましいまたは有益な治療転帰と相関し得る投与レジメンを指す。
【0081】
治療的有効量:本明細書において使用される場合、これは、それが投与されるものに対して望ましい効果をもたらす量を意味する。いくつかの態様では、本用語は、治療的投与レジメンに従って、疾患、障害、および/もしくは状態に罹患しているか、またはこれらに罹りやすい集団に投与される場合に、疾患、障害、および/または状態を処置するのに十分な量を指す。いくつかの態様では、治療的有効量は、疾患、障害、および/もしくは状態の1つもしくは複数の症状の発生率および/もしくは重症度を低減させる、ならびに/または該症状の発症を遅延させる量である。当業者は、用語「治療的有効量」は、特定の個体において好結果の処置が達成されることを実際には必要としないことを認識するであろう。むしろ、治療的有効量は、そのような処置を必要としている患者に投与される場合に、有意な数の対象において特定の望ましい薬理学的応答を提供するそうした量であり得る。いくつかの態様では、治療的有効量への言及は、1種または複数種の特定の組織(例えば、疾患、障害、もしくは状態の影響を受ける組織)または流体(例えば、血液、唾液、血清、汗、涙、尿など)で測定される量への言及であり得る。当業者は、いくつかの態様では、特定の剤または療法の治療的有効量は、単回用量で製剤化および/または投与することができることを認識するであろう。いくつかの態様では、治療的に有効な剤は、例えば投与レジメンの一部として、複数の用量で製剤化および/または投与することができる。
【0082】
処置:本明細書において使用される場合、用語「処置」(同様に「処置する」または「処置すること」)は、特定の疾患、障害、および/もしくは状態の1つもしくは複数の症状、特徴、および/もしくは原因を、部分的にもしくは完全に軽減する、改善する、緩和する、阻害する、これらの発症を遅延させる、これらの重症度を低減させる、ならびに/またはこれらの発生率を低減させる療法の任意の適用を指す。いくつかの態様では、そのような処置は、関連する疾患、障害および/もしくは状態の徴候を示さない対象、ならびに/または疾患、障害、および/もしくは状態の初期兆候のみを示す対象のものであり得る。あるいは、またはさらに、そのような処置は、1つまたは複数の確立された関連する疾患、障害および/または状態の徴候を示す対象のものであり得る。いくつかの態様では、処置は、関連する疾患、障害、および/または状態に罹患していると診断された対象のものであり得る。いくつかの態様では、処置は、関連する疾患、障害、および/または状態の発生の危険性の増大と統計的に相関している1種または複数種の感受性因子を有することが公知である対象のものであり得る。
【0083】
ある特定の態様の詳細な説明
線虫カエノラブディティス・エレガンスは、例えば微生物の毒素によって引き起こされる必須の細胞活動の欠損を監視し、細胞監視により活性化される解毒および防御(cellular surveillance-activated detoxification and defenses)(cSADD)応答を活性化することによって応答する(Melo and Ruvkun, 2012)。リボソームの大量のRNAおよびタンパク質ならびにタンパク質へのmRNAの翻訳を媒介する他のタンパク質は、微生物の毒素および病原性因子の標的であり得る。これらの翻訳成分の活性はモニターされ、毒素または突然変異によって引き起こされるタンパク質合成の減衰が検出され得る。減衰の検出は、p38MAPK、bZIP/ZIP-2転写因子および胆汁酸様生合成経路を介して生体異物解毒および行動応答、例えば食物嫌悪を活性化するように、シグナル伝達カスケードを介して結び付けられる(Melo and Ruvkun, 2012;Dunbar et al., 2012;Govindan et al., 2015)。未知の毒素の分子構造ではなくコア細胞機能の減衰をモニターすることによって、C.エレガンスは、予測しない病原体および毒素を検出することができる。このシグナリングカスケードの多くの成分、例えば、MAPキナーゼおよび胆汁酸生合成経路は動物全体にわたって保存されており;本開示は、毒素監視および応答のcSADDシステムをC.エレガンス以外の動物に適用することができることを認識し、さらに、C.エレガンスは、このシステムをモジュレートする剤を特徴付けるためのモデルシステムとして有用であり得、本明細書において記載されるある特定の治療適用で有用であり得ることを教示する。
【0084】
本開示は、C.エレガンスのcSADDシステムと類似のまたは相同な動物防御ストラテジーは、これらの防御応答を妨害するために細菌の対抗策の進化を駆り立てる可能性があることをさらに認識し;宿主と病原体の間のそのような進化的な激しい競争の多くの例がある。本開示は、共生細菌も良好なまたは共生の関係を確立するために、そのような動物防御応答を静めようとしようとする可能性があることをも認識する。
【0085】
本開示は、微生物(例えば、細菌)は、リボソームおよび/または関連する翻訳因子を標的にする化合物を含めて、有意な生物学的活性を有する様々な化学化合物を合成する(Berdy et al., 2005)ことをさらに認識し;そのような微生物は、薬物または候補薬物化合物の生産的供給源であるということが証明されている。本開示は、(i)ある特定の解毒経路を阻害することができる剤の有用な治療適用を教示する;(ii)そのような解毒経路の抑制に対する剤の1つまたは複数の特性を評価するためのシステムを提供する;および(iii)そのような剤の潜在的供給源(例えば、いくつかの態様では共生微生物でもよい、細菌などの微生物)を特定する。
【0086】
例えば、本開示は、ある特定の細菌系統(例えば、ある特定のカロテノイド化合物、特に、ある特定のC50カロテノイド化合物を生成するもの)が、本開示に従って有用な剤(例えば、ある特定の有用なカロテノイド化合物)の優れた供給源であり得ることを提供する。さらに、本開示は、そのような剤の1つまたは複数の関連する特性を評価するための技術を提供する。
【0087】
遺伝的に誘導された翻訳欠損を有するC.エレガンスにおいて生体異物解毒遺伝子の活性化を抑止する活性についての多様な細菌の微生物抑制スクリーニングにおいて、強力な活性が野生型K.リゾフィラから確認された(Govindan et al., 2015)。K.リゾフィラの遺伝学的解析を使用して、C50カロテノイド化合物がC.エレガンスの翻訳毒素防御応答を抑制することができることを実証した。
【0088】
本明細書において示すように、C50カロテノイド化合物デカプレノキサンチンを生成するK.リゾフィラは、C.エレガンスのcSADD翻訳およびDNA損傷毒素防御応答を阻害した。K.リゾフィラのC50カロテノイド生合成経路の突然変異体は、C.エレガンスのこの生体異物解毒応答を阻害しなかった(
図1A~C)。K.リゾフィラ抽出物は、C.エレガンスのこの生体異物解毒応答を抑制し、さらに、そのような抑制を達成するためのK.リゾフィラのカロテノイド突然変異体の能力を回復させた(
図2B&C)。K.リゾフィラ抽出物は、翻訳を標的にする毒素に応答したC.エレガンスの生体異物解毒経路の誘導も抑制した(
図3A、
図15C)。K.リゾフィラのC50カロテノイド化合物は、タンパク質合成に必要とされる他の遺伝子、例えば、コアリボソームタンパク質またはアミノアシルtRNAシンターゼのRNA干渉不活性化への応答も抑制した。C.グルタミクムのC50カロテノイドも翻訳欠損に応答したC.エレガンスの生体異物解毒経路の誘導を阻害し、これは、C.エレガンスの監視のC50カロテノイドの調節は1つの特定の細菌系統に限定されなかったことを示す。
【0089】
本開示は、ある特定のカロテノイド化合物(例えば、ある特定のC50カロテノイド化合物)は、特に、悪心および/または嘔吐の処置を含めて(具体的には、化学療法誘導性悪心および/または嘔吐などの誘導性悪心および/または嘔吐を含めて)、様々な治療適用に有用であることを教示する。カロテノイドは、カロテノイドが光合成の補助的な光吸収成分である光合成細菌および植物で最も研究されている(Edge et al., 1997)。光合成クロロフィルクラスターにおいて、カロテノイドは光エネルギーを吸収し、光合成電子伝達系に伝達し、次いで、光子励起電子の還元電位エネルギーが複数の鉄硫黄およびヘムタンパク質の物理的移動を引き起こして、脂質二重層を横断してプロトンを動かすので、pH勾配を生成する。光合成細菌に共通していることは、これらの色素の可視光波長における強い光吸収および脂質溶解度である。これらの細菌は非常に着色されており、これは、カロテノイドが非常に大量であり、標準的な生化学的結合よりもはるかに低いエネルギーでの軌道遷移で、異常に大きな共鳴安定化ポテンシャル井戸に電子を非局在化させる共役二重結合システムを有するからである。カロテノイドは、光合成における既知の抗酸化物質でもある。しかし、本明細書において示すように、カロテノイドの抗酸化活性は、他の抗酸化物質はC.エレガンスの監視を抑制することができなかったので、動物の薬物解毒応答の抑制を説明しない。
【0090】
C50カロテノイド化合物は、膜流動性の単純な変化によって翻訳成分の動物の監視に影響を及ぼし得る。本明細書において示すように、C50カロテノイド化合物は、胆汁酸生合成経路を阻害することによって、C.エレガンスの生体異物解毒応答の誘導を抑制した。胆汁酸は、消化を助ける脂肪の乳化物質であると伝統的に考えられていたが、いくつかの最近の研究により、胆汁酸が代謝および免疫経路で重要なシグナリング分子であることが発見された。胆汁酸シグナリングは、ヒトにおけるCINVまたは薬物解毒応答の誘導に関与し得る。カロテノイドの脂質溶解度および存在量は、翻訳およびDNA損傷反応のC.エレガンスの監視におけるその抗胆汁酸シグナリング機能に寄与し得る。
【0091】
cSADD応答は、生体異物解毒を誘導することができるだけでなく、食物嫌悪行動を誘導することもできる。食物に対する嫌悪は、多くの毒素が、食物の腐敗と関連し得るかまたは食物の腐敗を引き起こし得る細菌性病原体に由来するので、適切な動物応答である。生体異物解毒の誘導および細菌の免疫経路と関連する食物に対する嫌悪は、この進化歴に由来する動物のプログラムである可能性がある。本開示は、ヒトにおける化学療法誘導性の悪心および嘔吐(CINV)応答がこれらの生体異物嫌悪プログラムと関連している可能性があるという洞察を提供する。興味深いことに、癌患者においてDNA複製を遮断するために使用されるシスプラチンは、高い催嘔吐性能力を有する。真核生物のタンパク質合成を標的にする抗生物質であるエメチンも、名前それ自体が暗示するように、非常に催嘔吐性である。これら2つの薬物は、C.エレガンスにおいて生体異物解毒応答を誘導することができただけでなく、強い食物嫌悪も誘導した。pgp-5 ABCトランスポーター遺伝子は、DNA損傷を引き起こす毒素によって、および翻訳を阻害する化学的に極めて異なる毒素によっても強く誘導された(しかし、ミトコンドリアまたはERなどの他の経路を標的にする幅広い毒素によっては誘導されなかった)(Govindan et al., 2015)。したがって、本開示は、C.エレガンスの食物嫌悪はヒトのCINVの根底にあるメカニズムを研究するための優れたモデルであることを教示する。
【0092】
セロトニン作動性経路はC.エレガンスの食物嫌悪とヒトのCINVの両方に関与する(Melo and Ruvkun, 2012)。肝臓の薬物解毒および排除は癌化学療法の重要な関心事であり;薬物をより速く排除する、ABCトランスポーターの増幅は、薬物抵抗性癌患者で頻繁に観察される。K.リゾフィラのカロテノイド抽出物は、薬物解毒経路の誘導を抑制することによって、タンパク質翻訳を標的にする生体異物に対して、さらにDNA損傷を引き起こす生体異物に対して過感受性を引き起こした。さらに、K.リゾフィラのC50カロテノイド化合物は、催嘔吐性毒素、エメチンまたはシスプラチンによって誘導される食物嫌悪を抑制した。
【0093】
C50カロテノイド化合物、例えば、デカプレノキサンチン、C50-アスタキサンチン、C50-β-カロテン、C50-カロテン(n=3)(16,16-ジイソペンテニルフィトエン)、C50-ゼアキサンチン、C50-カロキサンチン、C50-ノストキサンチン、サルシナキサンチン、サルプレノキサンチン、非環式C50カロテノイドバクテリオルベリン、C50-カンタキサンチン、C50-リコペン、C50-フィトエンを、悪心および/もしくは嘔吐、例えば、誘導性悪心および/もしくは嘔吐、例えば、CINV、RINVなどを処置する、ならびに/またはこれらの危険性を低減させるための療法として、本開示に従って使用することができる。あるいは、またはさらに、本開示は、そのようなC50カロテノイド化合物は、1種もしくは複数種の食物嫌悪障害(例えば、神経性食欲不振症)を処置する、および/またはこれらの危険性を低減させるための療法として有用であり得ることを提供する。さらにまた、本開示は、本明細書において記載される療法としての(すなわち、悪心および/もしくは嘔吐、ならびに/または1種もしくは複数種の食物嫌悪障害を処置する、ならびに/あるいはこれらの危険性を低減させるための)有用性に関連する、剤の1つまたは複数の特性を評価するためのシステムを提供し、さらに、有用なそのような剤は、ある特定の共生微生物を含めた、ある特定の微生物(例えば、細菌)によって生成される化合物を含むことを実証する。そのようなシステムを使用して、本開示は、様々な細菌系統によって生成される(例えば、細菌の酵素によって合成される)ものを含めて、ある特定のカロテノイド化合物(例えば、C50カロテノイド化合物)の有用性を記述する。当業者は、本開示を読めば、様々な他の化合物(様々な他のカロテノイド化合物を含める)は、微生物によって生成され、ならびに/または化学合成によって製造することができ(および/もしくは製造されており)、その中に例示されるシステムで具体化されるものなどの活性について評価されることを認識するであろう。したがって、当業者は、本開示を読めば、本明細書において記載される評価に適しており、および/または本明細書において記載される治療剤として有用である、具体的にはカロテノイド化合物を含めた、C50カロテノイドで例示される、様々な化学的剤を提供することを認識する。
【0094】
処置の方法
本開示によって提供される方法は、ある特定の疾患、障害および状態を処置するのための方法を含む。いくつかの態様では、関連する疾患、障害および状態は、悪心および/もしくは嘔吐、ならびに/またはある特定の食物嫌悪障害であり得るか、あるいはそれらを含み得る。いくつかの態様では、本明細書において記載されるように処置することができる悪心および/または嘔吐は、動揺病、船酔い、妊娠(例えば、早朝嘔吐または妊娠悪阻)、疼痛、情動ストレス、胆嚢疾患、心臓発作、震盪症または脳損傷(例えば、脳腫瘍)、過食、胆嚢疾患、感染、潰瘍、胃不全麻痺、腸閉塞、虫垂炎、感染(例えば、ウイルス感染)などの1つまたは複数と関連し得る。
【0095】
いくつかの態様では、本明細書において記載されるように処置することができる悪心および/または嘔吐は、例えば、毒素の摂取または毒素への他の暴露によって誘導されるような誘導性悪心および/または嘔吐(例えば、食中毒、薬物誘導性悪心および/または嘔吐、酩酊など)であり得る。いくつかの態様では、本明細書において記載されるように処置することができる誘導性悪心および/または嘔吐は、化学療法または放射線照射と関連する悪心および/または嘔吐であり得る。いくつかの態様では、本明細書において記載されるように処置することができる誘導性悪心および/または嘔吐は、CINVまたは放射線照射誘導性の悪心および嘔吐(RINV)であり得る;少なくとも3つのタイプの嘔吐、すなわち、急性嘔吐、遅延性嘔吐、および予測性嘔吐が、一般に化学療法剤の使用と関連する。いくつかの態様では、本明細書において記載されるように処置することができる誘導性悪心および/または嘔吐は、例えば、手術後の悪心および嘔吐(PONV)であり得るか、またはそれらを含み得る。
【0096】
一般に、本開示によって提供される処置の方法は、そのような処置を必要としている、またはそのような処置を必要としていることが決定されている対象に、治療的有効量の本明細書において記載されるカロテノイド化合物を投与することを含む。
【0097】
いくつかの態様では、本明細書において提供される処置の方法は予防的または防止的であり、例えば、有意な症状を呈する前、ならびに/あるいは悪心および/または嘔吐と関連する特定の期待される誘因への(例えば、化学療法、放射線療法、手術、または悪心および/もしくは嘔吐と関連する他の処置(例えば、薬理学的処置への)暴露の前に、対象に施すことができる。
【0098】
いくつかの態様では、本明細書において提供される処置の方法は治療的であり、例えば、悪心および/または嘔吐の有意な症状の発生の後(例えば、悪心または嘔吐の少なくとも1つのエピソードの間または後に)、対象に施すことができる。
【0099】
好ましい態様では、処置の提供される方法は、哺乳動物、例えば、本明細書において記載される疾患、障害、または状態を経験する哺乳動物である対象に施され;いくつかの態様では、対象は、ヒトまたは非ヒトの獣医学的対象、例えば、類人猿、ネコ イヌ、サル、もしくはブタである。
【0100】
多くの態様では、「処置」は、悪心と関連する疾患、障害、または状態の少なくとも1つの症状を改善することを含む。しばしば、悪心は、食物嫌悪、食欲不振、および/またはカロリー摂取の低減、ならびに潜在的に体重減少をもたらし;いくつかの態様では、治療的有効量の本明細書において記載されるカロテノイド化合物の投与は、悪心、嘔吐、および/または食物嫌悪の低減をもたらすことができる。あるいは、またはさらに、いくつかの態様では、治療的有効量の本明細書において記載されるカロテノイド化合物の投与は、食欲の回復および/または正常なカロリー摂取への復帰もしくは接近、体重減少の低減、停止、または緩徐化、体重の増加(increase in weight)/体重増(weight gain)、ならびに/あるいは悪心、嘔吐、食物嫌悪および/または食欲不振の現在または将来のエピソードの頻度、持続時間、または重症度の低減を達成することができる。
【0101】
いくつかの態様では、方法は、例えば、化学療法、放射線療法、または悪心および嘔吐と関連する他の処置を受けようとしている対象に、悪心および/または嘔吐と関連すると期待される処置の適用の前、該適用の間(例えば、同時)、または該適用の後に、治療的有効量のカロテノイド化合物を投与することを含むことができる。
【0102】
いくつかの態様では、本明細書において記載される処置を受ける対象は、例えば、嘔吐を誘導し得る、または本明細書において記載される疾患、障害、もしくは状態の1つもしくは複数の症状もしくは特徴を処置することが意図され得る他の処置(例えば、化学療法的、放射線治療的、手術的など)を受けている可能性があり、および/あるいは受けていた可能性があり、したがって、提供されるカロテノイド療法は、関連する疾患、障害、または状態を処置するためのそのような他の療法と組み合わせて施される。
【0103】
カロテノイド組成物
数ある中でも、本開示は、本明細書において記載される1つもしくは複数の疾患、障害、もしくは状態に罹患しているか、または罹りやすい対象に、カロテノイド化合物(例えば、C50カロテノイド化合物)を含むか、またはそうでなければカロテノイド化合物(例えば、C50カロテノイド化合物)を送達する組成物を提供する。
【0104】
当業者は、750種を超えるカロテノイド化合物が以前に特定されていることを知っている。カロテノイドは、一般に、様々な長さのその炭素骨格をもたらす5炭素イソプレノイド単位の数によって分類される。例えば、Henke et al., (2017). C50 Carotenoids: C50 Carotenoids: Occurrence, Biosynthesis, Glycosylation, and Metabolic Engineering for their Overproduction. In, Bio-pigmentation and Biotechnological Implementations, pp.107-126. doi:10.1002/9781119166191.ch5;Fernandes, Introductory Chapter: Carotenoids - A Brief Overview on Its Structure, Biosynthesis, Synthesis, and Applications. In Progress in Carotenoid Research. (2018) doi:10.5772/intechopen.79542;Mezzomo et al., (2016) Carotenoids Functionality, Sources, and Processing by Supercritical Technology: A Review in J. Chemistry Volume 2016:1を参照されたい。
【0105】
いくつかの態様では、本開示に従って有用なカロテノイド化合物は比較的長いイソプレン骨格を有し、例えば、約45~約60炭素原子の範囲内の長さを有する。いくつかの態様では、本明細書において記載される有用なカロテノイド化合物は、50炭素長であるイソプレン骨格を有してもよく、すなわち、C50カロテノイド化合物、例えば、デカプレノキサンチン、または他のC50カロテノイド、例えば、C50-アスタキサンチン(デカプレノアスタキサンチンとも呼ばれる;Milon et al., Helv. Chim. Acta 69, 12-24 (1986);Furubayashi et al., Nat Commun. 2015; 6: 7534を参照されたい)もしくはC50-β-カロテン(デカプレノ-β-カロテンとも呼ばれる)(例えば、Karrer et al., Helv. Chim. Acta 34, 28-33 (1951);Furubayashi et al., Nat Commun. 2015; 6: 7534を参照されたい);16,16’-ジイソペンテニルフィトエン(Umeno et al., J Bacteriol, 186, 1531-1536 (2004));C50-カロテン(n=3)(16,16-ジイソペンテニルフィトエン)、C50-ゼアキサンチン、C50-カロキサンチン、およびC50-ノストキサンチン(US20140170700);サルシナキサンチン、サルプレノキサンチン、非環式C50カロテノイドバクテリオルベリン、C50-カンタキサンチン、C50-リコペン、C50-フィトエン(Li et al., Scientific Reports volume 9, Article number: 2982 (2019))でもよい。Pfander, Pure and Applied Chemistry, 66(10-11):2369-2374 (1994)も参照されたい。
【0106】
当業者は、カロテノイド化合物を生成するための様々な技術を知っている。例えば、Mezzomo et al., (2016) Carotenoids Functionality, Sources, and Processing by Supercritical Technology: A Review in J. Chemistry Volume 2016:1を参照されたい。いくつかの態様では、カロテノイド化合物は、それを生成した生物(例えば、植物または微生物)から単離することができる。いくつかのそのような態様では、そのような植物または微生物は、ヒトによって開発されている、および/または培養されている。いくつかの態様では、植物または微生物は天然の植物または微生物でもよい。いくつかの態様では、植物または微生物は、操作された植物または微生物(例えば、本明細書において記載されるカロテノイド化合物を合成する植物または微生物となるように操作された植物または微生物)でもよい。
【0107】
当業者は、本明細書において記載されるカロテノイド化合物を合成する植物または微生物となるように操作されているか、または操作することができる様々な植物および/または微生物供給源を知っている。例えば、WO2016/102342を参照されたい。
【0108】
いくつかの態様では、カロテノイド化合物は、植物または微生物供給源から(例えば、培養株またはその培養物から)単離することができる。当業者は、例えば、それらの抽出物を調製するために、ならびに/またはそれらの成分および/もしくはそれらからの化合物を単離するために、植物および/または微生物の細胞または組織を処理するための様々な技術を知っている。
【0109】
あるいは、またはさらに、いくつかの態様では、カロテノイド化合物は、(例えば、化学的および/もしくは酵素的合成、またはそれらの組み合わせによって)部分的にまたは完全にインビトロで調製することができ、当技術分野において公知であるように、任意でさらに単離および/または精製することができる。
【0110】
関連するカロテノイド化合物を生成する細胞もしくは生物の抽出物を調製するために、および/またはそれらから抽出物、成分、もしくは化合物を単離するために、またはインビトロカロテノイド合成システムを処理するために(例えば、インビトロカロテノイド合成システムから1種もしくは複数種のカロテノイド化合物を単離および/もしくは精製するために)使用することができる様々な技術が当技術分野において公知である。ほんの数例を挙げると、そのような技術としては、例えば、有機抽出、減圧濃縮、クロマトグラフィーの1つまたは複数などを挙げることができる。
【0111】
当業者は、様々な低次(炭素鎖が短い)カロテノイド、例えば、α-カロテン、β-カロテン、γ-カロテン、δ-カロテン、ε-カロテン、ルテイン、ゼアキサンチン、カンタキサンチン、フコキサンチン、アスタキサンチン、アンテラキサンチン、およびビオラキサンチンは、環化または酸化によるリコペンの末端の修飾によって合成されることを知っている。高次(炭素原子がより多い)カロテノイドは、例えば、インビトロ方法またはインビボもしくはエクスビボ方法(例えば、天然のもしくは遺伝子改変された生物を介する)を使用して、調製することができる。例えば、C50カロテノイドは、2つのジメチルアリルピロリン酸(DMAPP)分子をそれぞれのC40カロテノイドのC(2)およびC(2’)に付加することによってインビトロで合成することができ、またはC50カロテノイドを合成する(例えば、野生型または操作された)生物(例えば、C50カロテノイド化合物を合成する微生物)から抽出することができる。例えば、Milon et al., Helv. Chim. Acta 69, 12-24 (1986);Karrer et al., Helv. Chim. Acta 34, 28-33 (1951);Furubayashi et al., Nat Commun. 2015; 6: 7534; Tobias and Arnold, Biochim Biophys Acta. 2006 Feb;1761(2):235-46;Henke et al., (June 14th 2017). Carotenoid Production by Corynebacterium: The Workhorse of Industrial Amino Acid Production as Host for Production of a Broad Spectrum of C40 and C50 Carotenoids, Carotenoids, Dragan J. Cvetkovic and Goran S. Nikolic, Intech Open、DOI: 10.5772/67631.以下から入手可能:intechopen.com/books/carotenoids/carotenoid-production-by-corynebacterium-the-workhorse-of-industrial-amino-acid-production-as-host-f;Henke et al., (2017). C50 Carotenoids: Occurrence, Biosynthesis, Glycosylation, and Metabolic Engineering for their Overproduction. In, Bio-pigmentation and Biotechnological Implementations, pp.107-126. doi:10.1002/9781119166191.ch5;Fernandes, Introductory Chapter: Carotenoids - A Brief Overview on Its Structure, Biosynthesis, Synthesis, and Applications. In Progress in Carotenoid Research. (2018) doi:10.5772/intechopen.79542;Heider et al., Appl Microbiol Biot 2014;98(10):4355e68; Wang et al., Biotechnol Adv 2007;25(3):211e22; Niu et al., Synthetic and Systems Biotechnology 2 (2017) 167e175;Li et al., Scientific Reports volume 9, Article number: 2982 (2019);US20050260699;US20140170700;US20040091958;US20090197321;などを参照されたい。
【0112】
いくつかの態様では、本開示に従って使用するための1種または複数種のカロテノイド化合物は、精製されたまたは実質的に精製された分子として、またはカロテノイドを生成する生物のあまり精製されていない(例えば、富化された)抽出物として提供することができる。
【0113】
いくつかの態様では、1種もしくは複数種のカロテノイド化合物であるか、またはそれらを含む調製物は、対象に投与される場合に、カロテノイド化合物を対象に送達する本明細書において記載される薬学的組成物中に組み込まれるか、または該薬学的組成物を生成するために使用される。
【0114】
いくつかの態様では、カロテノイド調製物またはカロテノイド組成物(例えば、カロテノイド化合物を含むか、または送達する薬学的組成物)は、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、または99%w/wのカロテノイド化合物を含む。
【0115】
いくつかの態様では、本開示に従って使用するための組成物は、例えば経口投与のための薬学的組成物である。薬学的組成物は、典型的には、活性剤(例えば、カロテノイド化合物、例えばC50カロテノイド化合物、またはその供給源)および薬学的に許容される担体を含む。ある特定の例示的な薬学的に許容される担体としては、例えば、薬学的投与に適合する、生理食塩水、溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌性および抗真菌性剤、等張性および吸収遅延剤などが挙げられる。
【0116】
いくつかの態様では、本開示に従って使用するための薬学的組成物は、1種もしくは複数種の追加の活性化合物を含むことができ、および/または該活性化合物とともに投与することができ;ある特定の態様では、そのような追加の活性剤としては、ショウガ、クルクミン、プロバイオティクス(例えば、次の属の1つまたは複数のプロバイオティク系統:ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、サッカロミセス属(Saccharomyces)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、バチルス属(Bacillus)、および/または大腸菌(Escherichia coli)(Fijan, Int J Environ Res Public Health. 2014 May; 11(5): 4745-4767を参照されたい);プレバイオティクス(プロバイオティク細菌の増殖を支持するのに役立つ非消化性食品成分、例えば、フラクタン、例えばフラクトオリゴ糖(FOS)およびイヌリン、ガラクタン、例えばガラクトオリゴ糖(GOS)、食物繊維、例えば難消化性デンプン、ペクチン、ベータグルカン、およびキシロオリゴ糖(Hutkins et al., Curr Opin Biotechnol. 2016 Feb; 37: 1-7))、ならびにそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0117】
薬学的組成物は、典型的には、意図された投与経路に適合するように製剤化される。投与経路の例としては経口投与が挙げられる。
【0118】
適切な薬学的組成物を製剤化する方法は当技術分野において公知であり、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st ed., 2005;およびDrugs and the Pharmaceutical Sciences: a Series of Textbooks and Monographs (Dekker, NY)シリーズの本を参照されたい。経口組成物は、一般に、不活性な希釈剤または食用担体を含む。ほんの数例を挙げると、いくつかの態様では、経口製剤は、シロップ、液体、錠剤、トローチ、グミ、カプセル、例えばゼラチンカプセル、粉末、ゲル、フィルムなどであり得るか、またはそれらを含むことができる。
【0119】
いくつかの態様では、薬学的に適合性の結合剤および/または補助物質が薬学的組成物の一部として含むことができる。いくつかの特定の態様では、薬学的組成物は、例えば、次の不活性成分または同様の性質の化合物のいずれか1つまたは複数を含むことができる:結合剤、例えば、微結晶セルロース、トラガカントゴム、もしくはゼラチン;賦形剤、例えば、デンプンもしくはラクトース、崩壊剤、例えば、アルギン酸、Primogel、もしくはコーンスターチ;潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムもしくはSterotes;流動促進剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素;甘味剤、例えば、ショ糖もしくはサッカリン;または香味剤、例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル、もしくはオレンジ香料。いくつかの態様では、組成物は、そのまま摂取することができるか、または食物もしくは液体(例えば、水)の上に振りかけることができるか、または食物もしくは液体(例えば、水)中に混合することができる。
【0120】
いくつかの態様では、本明細書において記載される対象に投与することができるカロテノイド組成物は、1種もしくは複数種のカロテノイドを含む(例えば、1種もしくは複数種のカロテノイドが補充されている)摂取可能な品物(例えば、食物もしくは飲料)であり得るか、またはこれを含むことができる。いくつかの態様では、有用な組成物は、例えば、本明細書において記載される治療効果を提供するのに十分であるカロテノイドレベルを提供するために、カロテノイド化合物がその成分において見出されるものよりも高い、および/または関連する食物もしくは飲料中に通常存在するよりも高いレベルで、1種または複数種のカロテノイド化合物を含むことができる。
【0121】
いくつかの態様では、食物は、バー、キャンディー、焼いた食べ物、穀物、塩味のスナック、パスタ、チョコレート、および他の固体の食物、ならびに液体もしくは半固体の食物、例えば、ヨーグルト、スープおよびシチュー、ならびに飲料、例えば、スムージー、シェイク、ジュース、および他の炭酸もしくは非炭酸飲料の1つもしくは複数であり得るか、またはそれらを含むことができる。いくつかの態様では、食物は、その中に既に含まれているカロテノイドとともに提供され;いくつかの態様では、食物は、カロテノイドを混ぜ入れることによって対象によって調製される。
【0122】
組成物は、投与のための、または本明細書において記載される方法で使用するための指示書とともに、キット、容器、パック、またはディスペンサー中に含めることができる。
【0123】
当業者は、本開示を読めば、いくつかの態様では、本明細書において記載されるカロテノイド組成物は、関連する化合物を生成する(例えば、生成したおよび/もしくは生成している)1種もしくは複数種の細胞、組織、もしくは生物(例えば、植物もしくは微生物細胞、組織、または生物)であり得るか、またはそれらを含むことができることを認識するであろう。いくつかの態様では、そのような細胞、組織、または生物は、関連するカロテノイドを以前に生成していてもよく;いくつかの態様では、そのような細胞、組織または生物はカロテノイド化合物を生成している。
【0124】
いくつかの態様では、カロテノイド組成物は、死滅された(例えば、熱で死滅された)細胞、組織、および/または生物を含むことができる。あるいは、いくつかの態様では、カロテノイド組成物は、生存可能であるかまたは生存している細胞、組織、および/または生物を含むことができる。
【0125】
いくつかの態様では、本明細書において記載される処置の方法は、1種または複数種の生存可能であるかまたは生きている、カロテノイド化合物を合成する細胞、組織、または生物を投与することを含む。いくつかのそのような態様では、細胞、組織、または生物は微生物細胞であり、投与される細胞で対象のマイクロバイオームの集団を達成するレジメンに従って投与される。
【0126】
いくつかの態様では、本明細書において記載されるカロテノイド組成物は、1種もしくは複数種の細胞培養物および/またはこれらの上清もしくはペレット、ならびに/またはこれらから形成された粉末を含む、ならびに/あるいはこれらの使用を通して製剤化される。
【0127】
当業者は、いくつかの態様では、カロテノイド組成物および/もしくは調製物を調製することための、ならびに/または1種もしくは複数種のカロテノイド組成物を調製するための(特に、薬学的組成物を調製するための)技術は、例えば、品質管理の一部として、化合物、調製物、または組成物を評価するまたは特徴付ける1つまたは複数の工程を含むことができることを認識するであろう。いくつかの態様では、アッセイされる材料が関連する評価について所定の仕様を満たさない場合、それは廃棄される。いくつかの態様では、そうしたアッセイされる材料が所定の仕様を満たす場合それは、本明細書において記載されるように処理され続ける。
【0128】
特定するおよび/または特徴付ける方法
数ある中でも、本開示は、本明細書において記載される有用性に関連する1つまたは複数の剤の特性の評価を可能にするシステムを提供する。いくつかの態様では、本明細書において記載される剤を特定するおよび/または特徴付けるための技術は、適切な参照との(例えば、陽性対照参照との、および/または陰性対照参照との)比較を含むことができる。いくつかの態様では、参照は、歴史的参照であり得るか、またはこれを含むことができ;いくつかの態様では、参照は同時期の参照であり得るか、またはこれを含むことができる。
【0129】
いくつかの態様では、提供される技術は、本明細書において記載される方法に有用な剤を特定するために、例えば、1種もしくは複数種のポリペプチド、ペプチド、無機もしくは有機の高分子または低分子、またはそれらを含むかもしくは送達する組成物であり得るか、あるいはそれらを含むことができる試験剤をスクリーニングするのに有用であり得る。あるいは、またはさらに、いくつかの態様では、提供される技術は、1種または複数種の剤を、例えば、そのような剤またはそれらの薬学的に許容される組成物の開発および/または商業化の間に、特徴付けるのに有用であり得る。
【0130】
本明細書において使用される場合、「小分子」は、約3,000ダルトンより低い分子量の小さな有機または無機分子を指す。一般に、小分子は、3,000ダルトン(Da)未満の分子量を有し得る。小分子は、例えば、少なくとも約100Da~約3,000Da(例えば、約100~約3,000Da、約100~約2500Da、約100~約2,000Da、約100~約1,750Da、約100~約1,500Da、約100~約1,250Da、約100~約1,000Da、約100~約750Da、約100~約500Da、約200~約1500、約500~約1000、約300~約1000Da、または約100~約250Daの間)であり得る。
【0131】
当業者は、いくつかの態様では、特に、スクリーニング態様では、提供される技術は、複数の剤を特定する(例えばスクリーニングする)および/または特徴付けるために利用することができることを認識するであろう。いくつかの態様では、そのような複数のものは、合理的に同等の剤(例えば、1種もしくは複数種の特定の小分子化合物およびそれらの複数の類似体)であるか、またはそれらを含み;いくつかの態様では、複数の剤は、複数の天然物(例えば、C50カロテノイド化合物などのカロテノイド化合物)および/またはそれらの1種もしくは複数種の類似体であるか、またはそれらを含む。いくつかの態様では、複数の剤は、小分子化合物のコンビナトリアルライブラリーであるか、またはこれを含む。小分子を合成するのに適したコンビナトリアル技法は、例えば、Obrecht and Villalgordo, Solid-Supported Combinatorial and Parallel Synthesis of Small-Molecular-Weight Compound Libraries, Pergamon-Elsevier Science Limited (1998)で例示されるように、当技術分野において公知であり、「スプリットプール」または「パラレル」合成技法、固相および溶液相技法、ならびにエンコーディング技法のようなものが挙げられる(例えば、Czarnik, Curr. Opin. Chem. Bio. 1:60-6 (1997)を参照されたい)。さらに、いくつかの小分子ライブラリーが市販されている。いくつかの適切な小分子試験化合物は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる米国特許第6,503,713号に列挙されている。
【0132】
いくつかの態様では、提供される技術は、電荷、芳香族性、水素結合、柔軟性、サイズ、側鎖の長さ、疎水性、および剛性などの様々な機能を網羅する複数の剤をスクリーニングおよび/または評価するために使用することができる。
【0133】
いくつかの態様では、本明細書において記載されるようにスクリーニングされるライブラリーは、様々なタイプの試験化合物を含むことができる。いくつかの態様では、所与のライブラリーは構造的に関連した、または無関係の試験化合物のセットを含むことができる。いくつかの特定の態様では、ライブラリーはペプチドまたはペプチド模倣分子のセットを含むことができる。いくつかの態様では、ライブラリーはカロテノイド化合物、例えば、天然に存在するかまたは合成のカロテノイド、例えば、C35、C40、C45、C50、C55、またはC60カロテノイドを含むことができる。
【0134】
いくつかの態様では、提供される技術は、第1の剤の構造の体系的変化によって、互いに関連している剤のセットを評価するために利用され;いくつかのそのような例では、第1の剤は、公知の活性の化合物(例えば、C50カロテノイド化合物などのカロテノイド化合物)であり得るか、またはこれを含むことができる。
【0135】
いくつかの態様では、本明細書において提供される技術は、構造的特徴と関心対象の生物活性の有無(またはレベル)の間の相関-すなわち、構造-機能の関連性を利用するか、またはこれを提供する。場合によっては、構造-機能の関連性は経験的に定義することができ;いくつかの態様では、構造-機能の関連性はコンピューターモデリングおよび/または解析予測方法論の利用を通して定義することができる。
【0136】
いくつかの態様では、本明細書において記載される食物嫌悪アッセイが使用される。いくつかの態様では、試験試料は、本明細書において記載される障害のインビボモデルであるか、または該モデルに由来する(例えば、該モデルから得られる試料)。例えば、試験化合物は1つまたは複数のC.エレガンス生物を含む試験試料に適用され、試験化合物の1つまたは複数の効果が評価される。例えば、化学療法剤または他の悪心誘導刺激の存在下で試験化合物が食物嫌悪を弱める能力を試験することができる。あるいは、レポーター遺伝子、例えば、ABCトランスポーター遺伝子融合体pgp-5p::gfpの効果を、GFP蛍光の変化を検出することによって評価することができる。当業者が認識するように、他のレポーターを容易に使用することができる。
【0137】
いくつかの態様では、システム(例えば、動物モデル、例えば、C.エレガンス)において、化合物が悪心(例えば、抗悪心活性を有する)、嘔吐(例えば、抗嘔吐活性を有する)、および/または食物嫌悪を低減させることができるかどうかを決定するために、本明細書において記載される方法によって化合物をスクリーニングすることができる。いくつかの態様では、システム(例えば、動物モデル、例えば、C.エレガンス)において、悪心(例えば、抗悪心活性を有する)、嘔吐(例えば、抗嘔吐活性を有する)、および/または食物嫌悪を低減させると決定される化合物を候補化合物と考えることができる。例えば、悪心、嘔吐、および/または食物嫌悪と関連する特徴を有するシステム、例えば、悪心および/または嘔吐と関連する疾患、障害、または状態のインビボモデル、例えば、C.エレガンスにおいてスクリーニングされ、悪心、嘔吐、および/または食物嫌悪に対して望ましい効果を有すると決定された候補化合物は、候補治療剤と考えることができる。いくつかの態様では、候補治療剤は、より大きな動物モデルで、または臨床環境で試験することができる。臨床環境で一旦スクリーニングされた候補治療剤は、治療剤であり得る。候補化合物、候補治療剤、および治療剤を、任意で最適化および/または誘導体化し、生理学的に許容可能な賦形剤を用いて製剤化して、薬学的組成物を形成することができる。
【0138】
化合物がシステム(例えば、動物モデル、例えば、C.エレガンス)において、悪心(例えば、抗悪心活性を有する)、嘔吐(例えば、抗嘔吐活性を有する)、および/または食物嫌悪を低減させることができるかどうかを決定するために、本明細書において記載される方法によって化合物を評価することができる。いくつかの態様では、本開示は、システム(例えば、動物モデル、例えば、C.エレガンス)において、悪心(例えば、抗悪心活性)、嘔吐(例えば、抗嘔吐活性)、および/または食物嫌悪を低減させる能力を決定するために化合物(例えば、カロテノイド)を評価するための方法を提供する。いくつかの態様では、システム(例えば、動物モデル、例えば、C.エレガンス)において、悪心(例えば、抗悪心活性)、嘔吐(例えば、抗嘔吐活性)、および/または食物嫌悪を低減させる能力を決定するために化合物を評価する方法は、規制機関(例えば、米国食品医薬品局、欧州医薬品庁など)からの承認または承認の維持のために行われるアッセイ(例えば、放出試験、安定性試験、有効性試験など)の一部である。いくつかの態様では、システム(例えば、動物モデル、例えば、C.エレガンス)において、悪心(例えば、抗悪心活性)、嘔吐(例えば、抗嘔吐活性)、および/または食物嫌悪を低減させる能力を決定するために、化合物(例えば、カロテノイド)を評価する方法は、製造方法の一部である。いくつかの態様では、評価はスクリーニング方法の一部として行うことができる。いくつかの態様では、システムは動物システムであり得る。いくつかの態様では、動物システムはモデルシステム、例えば、C.エレガンス、ネコ、イヌ、類人猿、またはブタである。
【0139】
システム(例えば、動物モデル、例えば、C.エレガンス)において、悪心(例えば、抗悪心活性を有する)、嘔吐(例えば、抗嘔吐活性を有する)、および/または食物嫌悪を低減させると決定された評価化合物を、例えば、合理的設計を使用して、体系的に変化させて、結合親和性、結合活性、特異性、または別のパラメーターを最適化することができる。本明細書において記載される方法を使用して、そのような最適化をスクリーニングおよび/または評価することもできる。いくつかの態様では、方法は、当技術分野において公知であるおよび/または本明細書において記載される1つまたは複数の工程、例えば、ライブラリー中の1つもしくは複数のヒットを特定する工程、ヒットを体系的な構造的変更にかけて、構造的にヒットに関連する化合物の第2のライブラリーを作出する工程、本明細書において記載される方法を使用して第2のライブラリーをスクリーニングする工程、またはそれらの組み合わせを使用して、化合物の第1のライブラリーをスクリーニングすることを含む。したがって、一態様では、方法は、当技術分野において公知であるおよび/または本明細書において記載される1つまたは複数の工程、例えば、ライブラリー中の1つもしくは複数のヒットを特定する工程、ヒットを体系的な構造的変更にかけて、構造的にヒットに関連する化合物の第2のライブラリーを作出する工程、本明細書において記載される方法を使用して第2のライブラリーをスクリーニングする工程、またはそれらの組み合わせを使用して、化合物の第1のライブラリーをスクリーニングすることを含む。
【0140】
システム(例えば、動物モデル、例えば、C.エレガンス)において、悪心(例えば、抗悪心活性を有する)、嘔吐(例えば、抗嘔吐活性を有する)、および/または食物嫌悪を低減させると決定された評価化合物は、本明細書において記載されるように悪心、嘔吐、および/または食物嫌悪を低減させるのに有用な候補治療化合物と考えることができる。化合物の構造を決定するのに有用な様々な技法、例えば、NMR、質量分析、電子捕獲検出器を備えたガスクロマトグラフィー、蛍光および吸収分光法を本明細書において記載される方法で使用することができる。本開示は、(例えば、本明細書において記載される方法によって)、システムにおいて、悪心(例えば、抗悪心活性を有する)、嘔吐(例えば、抗嘔吐活性を有する)、および/または食物嫌悪を低減させると決定された化合物を、本明細書において記載される疾患、障害および/または状態の処置、防止、または発生もしくは進行の遅延の方法で使用することができるという洞察を提供する。本開示は、(例えば、本明細書において記載される方法によって)システムにおいて、悪心(例えば、抗悪心活性を有する)、嘔吐(例えば、抗嘔吐活性を有する)、および/または食物嫌悪を低減させると決定された化合物を本明細書において記載される悪心、嘔吐、および/または食物バージョンを処置する方法で使用することができるという洞察を提供する。
【0141】
システム(例えば、C.エレガンス)において悪心(例えば、抗悪心活性を有する)、嘔吐(例えば、抗嘔吐活性を有する)、および/または食物嫌悪を低減させると決定された評価化合物は、第2のシステム(例えば、より大きな動物、例えば、類人猿、サル、ネコ、イヌ、ブタなど)で評価することができる。化合物の存在による変化について、例えば、悪心または食物嫌悪の低減について、動物をモニターすることができる。いくつかの態様では、システムはヒト、例えば、CINVまたはRINVを有するヒトであり、パラメーターは悪心、嘔吐、および/または食物嫌悪の重症度、頻度、または持続時間の低減である。
【実施例0142】
本明細書において提供される態様を以下の実施例で例示し、これは、本開示または特許請求の範囲の範囲を制限しない。
【0143】
材料および方法
次の材料および方法を以下の実施例で使用した。
系統
N2 Bristolは使用される野生型系統であった。
次の系統および突然変異アレルを使用した:
【0144】
使用される微生物の増殖および取り扱い:
16Sリボソームの配列を、特異的プライマーを使用して増幅し、シークエンスして、微生物を特定した。コクリア・リゾフィラ、アルスロバクター・アリライテンシス、およびコリネバクテリウム・グルタミクムならびにその突然変異体を培養するために、LB培地およびプレートを使用した。500mlの一晩培養物をSK培地プレートに播種し、室温で2日間インキュベートしてから実験を開始した。コクリア・リゾフィラの野生型および突然変異体、アルスロバクター・アリライテンシス、ならびにコリネバクテリウム・グルタミクムの野生型および突然変異体を含む実験のために、同期化したL1-幼生期の動物を、大腸菌OP50播種プレート中でL4-幼生期または成体期の1日目まで成長させ、M9緩衝液中で少なくとも5回洗浄してから、適切な細菌餌に移動させた。
【0145】
薬物処理:
望ましい濃度にM9溶液中で希釈したハイグロマイシンを大腸菌OP50細菌含有NGMプレートに加えた。エメチンまたはシスプラチンの原液をM9中で希釈し、望ましい濃度を大腸菌OP50細菌含有NGMプレートに加えた。750μg/mlのK.リゾフィラ抽出物を適切な濃度のハイグロマイシンまたはシスプラチンもしくはエメチンを含む大腸菌OP50細菌含有NGMプレートに加えた。生体異物実験のために、同期化したL1-期動物を薬物含有プレート上に落とし、4日後にスコア化した。
【0146】
RNAiアッセイ:
RNAiアッセイのために、適切な遺伝子型の同期化したL1幼生期の動物に、これらが成体期の1日目に達するまで適切なRNAiクローンを与えた。続いて、RNAi処理した動物をM9中で少なくとも5回洗浄して、大腸菌細菌を除去し、K.リゾフィラ播種プレートまたは大腸菌OP50播種プレートに移動させた。
【0147】
顕微鏡観察
線虫を寒天パッドにマウントし、Zeiss AxioCam HRmカメラおよびAxiovision 4.6(Zeiss)ソフトウェアが装着されたZeiss AXIO Imager Z1顕微鏡を使用して画像を得た。同じ露出時間を使用して、同じ図パネル内に示されるすべての蛍光画像を一緒に収集した。画像を8ビット画像に変換し、閾値処理し、ImageJを使用して定量化した。スチューデントのt検定を使用して、統計的有意性を決定した。Hammamatsu Orca flash 4.0デジタルカメラを備えたZeiss AxioZoom V16を使用し、Axiovision ZENソフトウェアを使用して、低拡大率の明視野およびGFP蛍光画像を得た。
【0148】
タンパク質配列のマルチプルアライメント
マルチプルアライメントは、Clustal Omegaソフトウェアを使用して行った。
【0149】
K.リゾフィラのEMS変異誘発スクリーニング
変異誘導は、50mM EMSを含むPBS溶液中でK.リゾフィラの一晩培養物を37℃で45分間処理することによって行った。変異誘発したK.リゾフィラ培養物の段階希釈物をLB培地プレート上にプレーティングし、約2000の変異誘発した細菌のコロニーを選択し、LB溶液中で増殖させた。500mlの一晩培養物をSK培地プレートに播種し、室温で2日間インキュベートしてから実験を開始した。同期化したL1-幼生期のeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物を、大腸菌OP50播種プレート中でL4-幼生期または成体期の1日目まで成長させ、M9緩衝液中で少なくとも5回洗浄してから、K.リゾフィラ突然変異体の細菌餌に移動させた。24時間後に、GFP誘導についてプレートを視覚的にスクリーニングした。
【0150】
全ゲノムシークエンシングによるEMS誘導性突然変異の特定
ゲノムDNA抽出、ライブラリー調製、Illumina MiniSeqシークエンシングおよびバイオインフォマティクスは、Fort Collins, ColoradoにあるThe Sequencing Centerによってすべて行われた。
【0151】
K.リゾフィラのカロテノイドの単離
K.リゾフィラからのカロテノイド単離は、次の改変を用いて、記載されるように(Giuffrida et al., 2016)単離した。LB溶液中で増殖させたK.リゾフィラ培養物を4000RPMで15分間遠心分離してから等量の水で洗浄した。遠心分離して水を除去してから、等量のアセトンを加え、4000RPMで15分間再度遠心分離した。アセトンの除去後、試料をアルミニウムホイルで包んで光から保護してから、細菌ペレットをウォーターバスにおいて65℃でメタノールで抽出した。すべての細胞が漂白されるまで、メタノールで複数回試料を抽出した。Whatman濾紙No1で上清を濾過した。2倍量の15%塩化ナトリウムをメタノール抽出物に加え、混合してから、等量のヘキサンを加えた。黄色カロテノイドがメタノール-塩混合物から分離され、ヘキサン画分に蓄積した。ヘキサン画分を取り出し、少なくとも3回水で洗浄した。ヘキサン画分を蒸発させ、得られたカロテノイドペレットをメタノールに溶解した。
【0152】
高速液体クロマトグラフィー
ダイオードアレイ検出器、オートサンプラー、カラムオーブン、溶媒脱気装置、およびバイナリポンプを備えたAgilent 1200 HPLCを使用して、粗製メタノール抽出物を5ミクロンの粒径のAgilent Eclipse Plus C18 4.6×250mmカラムで分離した。移動相は、2ml/分の流速の(A)水対(B)メタノールであった。カラムを90%Bで40℃で事前に平衡化してから、試料を注入した。注入に続いて、カラムを90%Bで定組成で5分間洗浄してから、5分にわたって100%Bまで勾配を設けた。300~700nmまで溶出液の吸光度スペクトルをモニターした。
【0153】
ラット肝臓を用いたプルダウン実験
カロテノイド結合タンパク質を特定するために、次の改変を用いてPilbrow et al., 2014のプロトコールを使用した。Rocheプロテアーゼインヒビターを含むTissue-in T-PER組織タンパク質抽出試薬を使用して、成体ラットの約10グラムの肝臓を細かく切り刻み、ホモジナイズすることによって、タンパク質抽出物を得た。メタノール-クロロホルムを使用して、抽出物の脱脂を行った。K.リゾフィラの約10mgのカロテノイドを1グラムのタンパク質抽出物と22℃で1時間インキュベートした。Bio-spin P-6(6K MWCO)を使用して、サイズ排除クロマトグラフィーによって、未結合のカロテノイドを除去した。カロテノイド結合タンパク質抽出物を4℃で陰イオン交換緩衝液A(0.05M二塩基性リン酸ナトリウム、pH8.0)で事前に平衡化したDEAE陰イオン交換セファロース樹脂カラムにかけた。試料を重力によってカラムを通して流し、カラムを陰イオン交換緩衝液Aで洗浄した。0.5ml容量の0.5M NaClでタンパク質を溶出した。黄色画分をプールし、透析して塩を除去し、Vivaspin遠心濃縮カラムを使用して濃縮した。4~12%のNative PAGEで黄色画分を分離し、目に見える黄色-オレンジ色のバンドを切り取り、タンパク質を特定するために質量分析を行った。
【0154】
微生物由来の推定上の「デカプレノキサンチン」カロテノイド生合成クラスター
以下のものの推定上のカロテノイド生合成クラスターは、K.リゾフィラのゲノムのものと非常に類似しており、K.リゾフィラのゲノムのものと類似したサイズを有し、K.リゾフィラのゲノムのものと同じ構成を示す。レイフソニア・キシリー(Leifsonia xyli)(Lxx15630、Lxx15620、Lxx15610、Lxx15600、Lxx15590、およびLxx15580)(Monteiro-Vitorello et al., 2004)、ミクロバクテリウム・テスタセウム(Microbacterium testaceum)(MTES_3133、MTES_3132、MTES_3131、MTES_3130、MTES_3129、およびMTES_3128)(Morohoshi et al., 2011)、セルビブリオ・ギルバス(Cellvibrio gilvus)(Celgi_1516、Celgi_1515、Celgi_1514、Celgi_1513、Celgi_1512、およびCelgi_1511)(Christopherson et al., 2013)、セルロモナス・フィミ(Cellulomonas fimi)(Celf_3171、Celf_3170、Celf_3169、Celf_3168、Celf_3167、およびCelf_3166)(Christopherson et al., 2013)、サングイバクター・ケディイエイ(Sanguibacter keddieii)(Sked_12750、Sked_12760、Sked_12770、Sked_12780、Sked_12790、およびSked_12800)(Ivanova et al., 2009)、ジョネシア・デニトリフィカンス(Jonesia denitrificans)(Jden_0342、Jden_0341、Jden_0340、Jden_0339、Jden_0338、およびJden_0337)(Pukall et al., 2009)、マイセトコーラ・マンガノキシダンス(Mycetocola manganoxydans)(D9V29_RS08865、D9V29_RS08870、D9V29_RS08875、D9V29_RS08880、D9V29_RS08885、およびD9V29_RS08890)、マイセトコーラ・ミドゥイエンシス(Mycetocola miduiensis)(BM197_RS02470、BM197_RS02475、BM197_RS02480、BM197_RS02485、BM197_RS02490、およびBM197_RS02495)、クライオバクテリウム・サイクロトレランス(Cryobacterium psychrotolerans)(BLQ39_RS02180、BLQ39_RS02185、BLQ39_RS02190、BLQ39_RS02195、BLQ39_RS02200、およびBLQ39_RS02205)、サブタコーラ・ボレウス(Subtercola boreus)(B7R21_RS02695、B7R21_RS02700、B7R21_RS02705、B7R21_RS02710、B7R21_RS02715、およびB7R21_RS02720)、ハービコニウクス・ソラニ(Herbiconiux solani)(HSO01S_RS07000、HSO01S_RS07005、HSO01S_RS07010、HSO01S_RS07015、HSO01S_RS07020、およびHSO01S_RS07025)、ミクロバクテリウム・ファイロスファエラエ(Microbacterium phyllosphaerae)(D3H67_RS09120、D3H67_RS09125、D3H67_RS09130、D3H67_RS09135、D3H67_RS09140、およびD3H67_RS09145)、レイフソニア・アクアティカ(Leifsonia aquatica)(N136_RS22055、N136_RS22060、N136_RS22065、N136_RS22070、N136_RS22075、およびN136_RS22080)、ミクロバクテリウム・エステラロマチカム(Microbacterium esteraromaticum)(B4U78_RS09520、B4U78_RS09525、B4U78_RS09530、B4U78_RS09535、B4U78_RS09540、およびB4U78_RS09545)、
プランチバクター属(Plantibacter)の種H53(A4X17_RS18565、A4X17_RS18570、A4X17_RS18575、A4X17_RS18580、A4X17_RS18585、およびA4X17_RS18590)、カートバクテリウム属(Curtobacterium)の種(ASF23_RS14315、ASF23_RS14320、ASF23_RS14325、ASF23_RS14330、ASF23_RS14335、およびASF23_RS14340)、ミクロテリコラ・ピンダリエンシス(Microterricola pindariensis)(GY24_RS04745、GY24_RS04750、GY24_RS04755、GY24_RS04760、GY24_RS04765、およびGY24_RS04770)、フロンディハビタン属(Frondihabitans)の種(EDF46_RS08000、EDF46_RS08005、EDF46_RS08010、EDF46_RS08015、EDF46_RS08020、およびEDF46_RS08025)、サリニバクテリウム・シンジャンゲンス(Salinibacterium xinjiangense)(SAMN06296378_0676、SAMN06296378_0677、SAMN06296378_0678、SAMN06296378_0679、SAMN06296378_0680、およびSAMN06296378_0681)、アグロマイセス属(Agromyces)の種(AVP42_RS01110、AVP42_RS01115、AVP42_RS01120、AVP42_RS01125、AVP42_RS01130、およびAVP42_RS01135)、ミクロバクテリウム・バーケリー(Microbacterium barkeri)(MBR4_RS00310、MBR4_RS00315、MBR4_RS00320、MBR4_RS00325、MBR4_RS00330、およびMBR4_RS00335)、アルスロバクター・コレンシス(Arthrobacter koreensis)(BN2404_RS04370、BN2404_RS04375、BN2404_RS04380、BN2404_RS04385、BN2404_RS04390、およびBN2404_RS04395)、クライオバクテリウム・ループクンデンス(Cryobacterium roopkundense)(GY21_RS00565、GY21_RS00570、GY21_RS00575、GY21_RS00580、GY21_RS00585、およびGY21_RS00590)、ミクロバクテリウム・オキシダンス(Microbacterium oxydans)(RN51_RS07325、RN51_RS07330、RN51_RS07335、RN51_RS07340、RN51_RS07345、およびRN51_RS07350)、アルスロバクター・ルテオルス(Arthrobacter luteolus)(AL3_RS02570、AL3_RS02575、AL3_RS02580、AL3_RS02585、AL3_RS02590、およびAL3_RS02595)、クライオバクテリウム・アウレウム(Cryobacterium aureum)(CJ028_RS03575、CJ028_RS03580、CJ028_RS03585、CJ028_RS03590、CJ028_RS03595、およびCJ028_RS03600)、カートバクテリウム・アモニジェネス(Curtobacterium ammoniigenes)(CAM01S_RS13455、CAM01S_RS13460、CAM01S_RS13465、CAM01S_RS13470、CAM01S_RS13475、およびCAM01S_RS13480)、オエルスコビア・エンテロフィラ(Oerskovia enterophila)(OJAG_RS08920、OJAG_RS08925、OJAG_RS08930、OJAG_RS08935、OJAG_RS08940、およびOJAG_RS08945)、
ミクロバクテリウム・パラオキシダンス(Microbacterium paraoxydans)(SAMN04489809_1122、SAMN04489809_1123、SAMN04489809_1124、SAMN04489809_1125、SAMN04489809_1126、およびSAMN04489809_1127)、アグロマイセス・サブベティカス(Agromyces subbeticus)(H521_RS21795、H521_RS21800、H521_RS0106365、H521_RS0106370、H521_RS21805、およびH521_RS0106380)、アルスロバクター・クリスタロポイエテス(Arthrobacter crystallopoietes)(D477_RS18370、D477_RS18375、D477_RS18380、D477_RS18385、およびD477_RS18390、D477_RS18395)、ジョーゲニア・サティヤナラヤナイ(Georgenia satyanarayanai)(DSZ44_RS04745、DSZ44_RS04750、DSZ44_RS04755、DSZ44_RS04760、DSZ44_RS04765、およびDSZ44_RS04770)、ミクロバクテリウム・トリコセシノリティカム(Microbacterium trichothecenolyticum)(RS82_RS03115、RS82_RS03120、RS82_RS03125、RS82_RS03130、RS82_RS03135、およびRS82_RS03140)、アルスロバクター・ウォルウェンシス(Arthrobacter woluwensis)(C6401_RS03950、C6401_RS03955、C6401_RS03960、C6401_RS03965、C6401_RS03970、およびC6401_RS03975)、プロミクロモノスポラ・クロッペンステッティイ(Promicromonospora kroppenstedtii)(PROKR_RS13815、PROKR_RS13820、PROKR_RS13825、PROKR_RS13830、PROKR_RS13835、およびPROKR_RS13840)、セルロモナス・セラセア(Cellulomonas cellasea)(Q760_RS04595、Q760_RS04600、Q760_RS04605、Q760_RS18340、Q760_RS04615、およびQ760_RS04620)、アグロマイセス・セリヌス(Agromyces cerinus)(BUR99_RS12060、BUR99_RS12065、BUR99_RS12070、BUR99_RS12075、BUR99_RS12080、およびBUR99_RS12085)、アグレイア・プラテンシス(Agreia pratensis)(B9Y86_RS06900、B9Y86_RS06905、B9Y86_RS06910、B9Y86_RS06915、B9Y86_RS06920およびB9Y86_RS06925)、ミクロバクテリウム・レバニフォルマンス(Microbacterium laevaniformans)(OR221_3062、OR221_3063、OR221_3064、OR221_3065、OR221_3066、およびOR221_3067)、アルスロバクター・スタッケブランティイ(Arthrobacter stackebrandtii)(CVV67_17780、CVV67_17785、CVV67_17790、CVV67_17795、CVV67_17800、およびCVV67_17805)、パエニグルタマイシバクター・ガンゴトリエンシス(Paeniglutamicibacter gangotriensis)(ADIAG_RS03760、ADIAG_RS03765、ADIAG_RS03770、ADIAG_RS03775、ADIAG_RS03780、およびADIAG_RS03785)、ミクロバクテリウム・トリコセシノリティカム(RS82_RS03115、RS82_RS03120、RS82_RS03125、RS82_RS03130、RS82_RS03135、およびRS82_RS03140)、アルスロバクター・リビングストネンシス(Arthrobacter livingstonensis)(CVV68_RS19330、CVV68_RS19335、CVV68_RS19340、CVV68_RS19345、CVV68_RS19350、およびCVV68_RS19355)、デメクイナ・ルテア(Demequina lutea)(AOP76_RS09030、AOP76_RS09035、AOP76_RS09040、AOP76_RS09045、AOP76_RS09050、およびAOP76_RS09055)、ジヘングリウエラ・ハロトレランス(Zhihengliuella halotolerans)(CUR88_RS12685、CUR88_RS12690、CUR88_RS12695、CUR88_RS12700、CUR88_RS12705、およびCUR88_RS12710)、パエニグルタマイシバクター・アンタルクチカス(Paeniglutamicibacter antarcticus)(BN2261_RS08280、BN2261_RS08285、BN2261_RS08290、BN2261_RS08295、BN2261_RS08300、およびBN2261_RS08305)、ジャニバクター・メロニス(Janibacter melonis)(EEW87_RS00715、EEW87_RS00720、EEW87_RS00725、EEW87_RS00730、EEW87_RS00735、およびEEW87_RS00740)、ミクロバクテリウム・アルボレッセンス(Microbacterium arborescens)(DOU46_RS02280、DOU46_RS02285、DOU46_RS02290、DOU46_RS02295、DOU46_RS02300、およびDOU46_RS02305)、アグレイア・プラテンシス(B9Y86_RS06900、B9Y86_RS06905、B9Y86_RS06910、B9Y86_RS06915、B9Y86_RS06920、およびB9Y86_RS06925)、アグレイア・ビコロラタ(Agreia bicolorata)(TZ00_RS04480、TZ00_RS04485、TZ00_RS19215、TZ00_RS04495、TZ00_RS04500、およびTZ00_RS04505)、アルスロバクター・サイクロテクトフィラス(Arthrobacter psychrochitiniphilus)(CVS30_RS02785、CVS30_RS02790、CVS30_RS02795、CVS30_RS02800、CVS30_RS02805、およびCVS30_RS02810)、ミクロテリコラ・ピンダリエンシス(GY24_RS04745、GY24_RS04750、GY24_RS04755、GY24_RS04760、GY24_RS04765、およびGY24_RS04770)、ミクロバクテリウム・インディカム(Microbacterium indicum)(H576_RS15860、H576_RS0112930、H576_RS0112935、H576_RS0112940、H576_RS0112945、およびH576_RS15865)、ホモセリニモナス属(Homoserinimonas)の種(DL891_RS01870、DL891_RS01875、DL891_RS01880、DL891_RS01885、DL891_RS01890、およびDL891_RS01895)、クライオバクテリウム・レビコラルリナム(Cryobacterium levicorallinum)(SAMN05216274_11068、SAMN05216274_11069、SAMN05216274_11070、SAMN05216274_11071、SAMN05216274_11072、およびSAMN05216274_11073)、フリゴリバクテリウム属(Frigoribacterium)の種(EDF18_RS14355、EDF18_RS14360、crtI、EDF18_RS14370、EDF18_RS14375、およびEDF18_RS14380)、クライオバクテリウム・ルテウム(Cryobacterium luteum)(SAMN05216281_10883、SAMN05216281_10884、SAMN05216281_10885、SAMN05216281_10886、SAMN05216281_10887、およびSAMN05216281_10888)、セルロモナス・カーボニス(Cellulomonas carbonis)(N868_RS13600、N868_RS13605、N868_RS13610、N868_RS13615、N868_RS13620、およびN868_RS13625)、オキバクテリウム・フリティラリアエ(Okibacterium fritillariae)(B5X75_RS14075、B5X75_RS14080、B5X75_RS14085、B5X75_RS14090、B5X75_RS14095、およびB5X75_RS14100)、グリコマイセス・サンブクス(Glycomyces sambucus)(BLS99_RS13650、BLS99_RS13655、BLS99_RS13660、BLS99_RS13665、BLS99_RS13670、およびBLS99_RS13675)、クラシルニコビエラ・フラバ(Krasilnikoviella flava)(B5Y66_RS20515、B5Y66_RS20520、B5Y66_RS20525、B5Y66_RS20530、B5Y66_RS20535、およびB5Y66_RS20540)、アクチノタレア・フェラリアエ(Actinotalea ferrariae)(N866_01505、N866_01510、N866_01515、N866_01520、N866_01525、およびubiA)、リシニミクロビウム・ソリ(Lysinimicrobium soli)(AOM04_RS11780、AOM04_RS11785、AOM04_RS11790、AOM04_RS11795、AOM04_RS11800、およびAOM04_RS11805)、ルテイミクロビウム・スバルクティカム(Luteimicrobium subarcticum)(CLV34_RS08275、CLV34_RS08280、CLV34_RS08285、CLV34_RS08290、CLV34_RS08295、およびCLV34_RS08300)、プロミクロモノスポラ・クロッペンステッティイ(PROKR_RS13815、PROKR_RS13820、PROKR_RS13825、PROKR_RS13830、PROKR_RS13835、およびPROKR_RS13840)、ターシノコッカス・フェニシス(Tersicoccus phoenicis)(BKD30_RS05860、BKD30_RS05865、BKD30_RS05870、BKD30_RS05875、BKD30_RS05880、およびBKD30_RS05885)、シノモナス・ヒュミ(Sinomonas humi)(LK10_RS09295、LK10_RS09300、LK10_RS09305、LK10_RS09310、およびLK10_RS09315)、シュードアルスロバクター・フェナンスレニボランス(Pseudarthrobacter phenanthrenivorans)(RM50_RS01675、RM50_RS01680、RM50_RS01685、RM50_RS01690、RM50_RS01695、およびRM50_RS01700)、アカリコメス・フィトセイウリ(Acaricomes phytoseiuli)(C501_RS0107225、C501_RS0107230、C501_RS0107235、C501_RS0107240、C501_RS0107245、およびC501_RS0107250)、ロイコバクター・ムサラム(Leucobacter musarum)(AMS67_RS10795、AMS67_RS10800、AMS67_RS10805、AMS67_RS10810、AMS67_RS10815、およびAMS67_RS10820)、オルニチニミクロビウム・ペキンゲンス(Ornithinimicrobium pekingense)(K330_RS19765、K330_RS0107130、K330_RS19770、K330_RS19775、K330_RS0107145、およびK330_RS0107150)、サイトリコッカス属(Citricoccus)の種(CITRI_RS16000、CITRI_RS0102550、CITRI_RS0102555、CITRI_RS16005、CITRI_RS0102565、およびCITRI_RS0102570)、ならびにアルスロバクター・アリラテンシス(Arthrobacter arilatensis)(AARI_13710、AARI_13720、AARI_13730、AARI_13740、AARI_13760、およびAARI_13750)(Monnet et al., 2010)。コリネバクテリウム・グルタミクム(cg0723、cg0721、cg0720、cg0719、cg0718、およびcg0717)(Kalinowski et al., 2003)およびコリネバクテリウム・エフィシエンス(Corynebacterium efficiens)(HMPREF0290_1086、HMPREF0290_1088、HMPREF0290_1089、HMPREF0290_1090、HMPREF0290_1091、およびHMPREF0290_1092)(Nishio et al., 2003)では、デカプレノキサンチン生成遺伝子クラスターは、crtEとC.グルタミクムのcrtBまたはC.エフィシエンス(C. efficiens)のHMPREF0290_1088の間の無関係の遺伝子cg0722の挿入を除いて、K.リゾフィラのものとサイズおよび構成が類似している。さらに、コリネバクテリウム・グルタミクムでは、さらなるカロテノイドクラスター(NCgl0600、NCgl0598、NCgl0597、NCgl0596、NCgl0595、およびNCgl0594)もゲノム中に存在する。キトコッカス・セデンタリウス(Kytococcus sedentarius)では、カロテノイド生成に関与する遺伝子(Ksed_13840、Ksed_13830、Ksed_13820、Ksed_13810、Ksed_13800)は同じクラスターに配置されているが、ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼをコードするKsed_16070は、ゲノム中の他の場所に位置する(Sims et al., 2009)。
【0155】
ブレビバクテリウム・マクブレルネリ(Brevibacterium mcbrellneri)では、カロテノイド生成に関与する遺伝子(HMPREF0183_0793、HMPREF0183_0794、HMPREF0183_0795、HMPREF0183_0796、およびHMPREF0183_0797)は同じクラスターに位置するが、ポリプレニルシンテターゼをコードするHMPREF0183_0437はゲノム中の他の場所に位置する。
【0156】
ベウランベルギア・カベルナエ(Beutenbergia cavernae)では、カロテノイド生成に関与する遺伝子(Bcav_3492、Bcav_3491、Bcav_3490、Bcav_3489、Bcav_3488)は同じクラスターに位置するが、ポリプレニルシンテターゼをコードするBcav_0970はゲノム中の他の場所に位置する(Land et al., 2009)。
【0157】
ブラキバクテリウム・フェシウム(Brachybacterium faecium)(Bfae_04470、Bfae_04440、Bfae_04430、Bfae_04420、Bfae_04410、およびBfae_04400)(Lapidus et al., 2009)では、カロテノイド生合成クラスターは、Bfae_04470とBfae_04440の間の2つの無関係の遺伝子Bfae_04460およびBfae_04450の挿入を除いて、K.リゾフィラのものとサイズおよび構成が類似している。
【0158】
セルロモナス・フラビグナ(Cellulomonas flavigna)(Cfla_2888、Cfla_2889、Cfla_2890、Cfla_2891、およびCfla_2892)(Abt et al, 2010)では、フレームシフト突然変異のために偽遺伝子である可能性があるCfla_2893を除いて、カロテノイド生成に関与するすべての遺伝子が存在する。
【0159】
デカプレノキサンチンは、フラボバクテリウム・デヒドロゲナンス(Flavobacterium dehydrogenans)(現在はアグロマイセス・メディオラヌス(Agromyces mediolanus)として公知である(Liaaen-Jensen et al., 1968))から発見された最初のC50カロテノイドである。
【0160】
アグロマイセス・メディオラヌス(Liaaen-Jensen et al., 1968)、オーレオバクテリウム属(Aureobacterium)の種(Fukuoka et al., 2004)、アルスロバクター・グラシアリス(Arthrobacter glacialis)(Arpin et al., 1975)、アルスロバクター・アリラテンシス(Sutthiwong et al., 2014)、セルロモナス・ビアゾテア(Cellulomonas biazotea)(Weeks et al., 1980)、シトリオコッカス属(Citriococcus)の種、およびコリネバクテリウム・グルタミクム(Krubasik et al., 2001)を含めた多くの細菌は、デカプレノキサンチンを生成することが公知である。
【0161】
実施例1.細菌のカロテノイドは翻訳欠損に関するC.エレガンスの監視を抑制する
およそ500種のC.エレガンス生体異物解毒遺伝子の中の特定の一連のチトクロームp450、ABCトランスポーター、UDP-グリコシルトランスフェラーゼ遺伝子、例えば、C.エレガンスのABCトランスポーター遺伝子pgp-5の発現は、リボソームタンパク質、tRNAシンテターゼ、および翻訳に関与する他の遺伝子の毒素、RNAi、または突然変異性抑制によって誘導され得る(Govindan et al., 2015)。翻訳の欠陥が生殖系列に限定される場合でさえ、例えば、C.エレガンスのeft-3(q145)突然変異体、すなわち、翻訳伸長因子-1の生殖系列アイソフォームの突然変異(この場合、体細胞における翻訳および体細胞の発達は正常であるが、生殖系列細胞における翻訳は無効にされ、生殖系列は増殖することができない)では、動物に良性の大腸菌OP50を与えた場合に、ABCトランスポーター遺伝子融合体pgp-5p::gfpの発現が腸で強く誘導された(
図5A)。大腸菌ではなくK.リゾフィラをC.エレガンスのeft-3(q145);pgp-5p::gfpに与えると、pgp-5p::gfpの正常な誘導を乱した(
図5A&B)。K.リゾフィラは、薬物生合成経路に富むクレードである、放線菌(Actinobacteria)門のグラム陽性球菌である。K.リゾフィラ種は、土壌および果樹園由来の線虫の天然集団におけるC.エレガンスの腸管マイクロバイオームを含めて、様々な環境適所で見出される(Felix et al., 2010)。K.リゾフィラ種は、ヒトおよび動物の皮膚および粘膜の通常の生息生物であるが、ヒト感染症と関連し得る。
【0162】
K.リゾフィラが様々な翻訳の欠陥の監視を抑制することができることを確証するために、他のリボソームタンパク質のRNAiに対する生体異物解毒応答の誘導を試験した。同期化したL1-幼生期pgp-5p::gfp動物に、C.エレガンスのRPL-1リボソームタンパク質およびVRS-2 tRNAシンテターゼの生成を阻害するrpl-1 dsRNAまたはvrs-2 dsRNAのいずれかを発現する大腸菌を与えた。これらの動物が成体期に達したら、これらを大腸菌OP50含有プレートまたはK.リゾフィラ播種プレートのいずれかに移動させ、24時間後にGFP誘導をスコア化した。vrs-2 dsRNAまたはrpl-1 dsRNAのいずれかを与え、大腸菌OP50含有プレートに移動させた動物では、pgp-5p::gfpが誘導された。対照的に、rpl-1 dsRNAまたはvrs-2 dsRNAのいずれかを与え、K.リゾフィラプレートに移動させた動物では、pgp-5p::gfpの発現が抑止された(
図5C&D)。K.リゾフィラによる監視経路の抑制は、K.リゾフィラがミトコンドリアストレス応答または小胞体ストレス応答の誘導を抑制しないので、翻訳ストレスに対して特異的である(Govindan et al., 2015)。
【0163】
翻訳に遺伝子欠損を保有するC.エレガンス系統(eft-3(q145)においてpgp-5p::gfpの誘導の抑制に関与するK.リゾフィラの経路を特定するために、pgp-5p::gfpの誘導の抑制に欠陥があるK.リゾフィラ突然変異体系統に対して順遺伝学的スクリーニングを行った。EMS変異誘発後に細菌用LBプレートで正常に増殖した約2000の個々のK.リゾフィラ系統をeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物に与えた。eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物においてpgp-5p::gfpの誘導を抑制しない突然変異体細菌系統について、異なるK.リゾフィラ突然変異体系統のこれら2000の個々のウェルをスクリーニングした。eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物においてpgp-5p::gfpを誘導しないK.リゾフィラ突然変異体6系統を特定した(
図5A&E)。目視検査によって、野生型K.リゾフィラと比較して、これらすべての突然変異体系統はコロニーの色素沈着に欠陥があることが明らかなった(
図5F)。野生型K.リゾフィラは黄色であるが、6つの突然変異体コロニーは赤色または白色またはオレンジ色であった。この変色表現型を使用して、EMS変異誘発によって生成された約500,000個の細菌コロニーを変色表現型を有する突然変異体について視覚的にスクリーニングした。変色した71個の突然変異体を単離した(
図5G)。同じEMS変異誘発で生成された25個の対照の非変色突然変異体とともに71個の突然変異体をeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物で試験し、GFP誘導をスコア化した。71個の変色突然変異体すべてがC.エレガンスのeft-3(q145)突然変異体においてpgp-5p::gfpの誘導を抑制しなかったが、25個の正常に着色した系統は pgp-5p::gfpの誘導を抑制した(
図6A;
図1A~C)。
【0164】
eft-3(q145)突然変異体においてpgp-5p::gfpの誘導を抑制しなかった23個のEMS変異誘発したK.リゾフィラ突然変異体のゲノムシークエンシングによって、それぞれ、6つのカロテノイド生合成クラスター遺伝子のうちの1つに突然変異を保有することが明らかになった(
図6B;
図1C~E)。カロテノイドは黄色から赤色の色素であり、テルペノイド生合成経路によって生成される。K.リゾフィラのゲノムは、予測されるカロテノイド(crt)生合成遺伝子をコードするオペロンを含む(Takarada et al., 2008)。これらは、crtE(KRH_20850;GGPPシンターゼをコードする)、crtB(KRH_20840;フィトエンシンターゼをコードする)、crtI(KRH_20830;フィトエンデサチュラーゼをコードする)、crtEB(KRH_20800;リコペンエロンガーゼをコードする)、crtYE(KRH_20820;C
50カロテノイドイプシロンシクラーゼをコードする)、およびcrtYf(KRH_20810;C
50カロテノイドイプシロンシクラーゼをコードする)を含む(
図1C~E)。オルソロジーに基づくと、GGPPシンターゼCrtE、フィトエンシンターゼCrtB、およびフィトエンデサチュラーゼCrtIによって触媒される反応は、リコペンの生成の工程を媒介すると予想される(Klassen et al., 2010;Krubasik et al., 2001)。CrtEbおよびCrtYe/fシクラーゼはリコペンからのC
50カロテノイドの生合成を触媒する。C
50カロテノイドは、自然界でまれであり、それらのほとんどが特徴付けられていない(Krubasik et al., 2001a;Krubasik et al., 2001b;Norgard et al., 1970;Tao et al., 2007;Netzer et al., 2010)。
【0165】
CrtEbおよびCrtYe/f遺伝子を含むいくつかの微生物が存在するにもかかわらず(
図7)、現在までに遺伝学的および生化学的によく特徴付けられているC
50カロテノイドはC.グルタミクム由来のデカプレノキサンチンだけである(Heider et al., 2012)。C.グルタミクムでは、酵素CrtEb、CrtYe、およびCrtYfがリコペンをC
50カロテノイドのデカプレノキサンチンに変換する(Krubasik et al., 2001a;Krubasik et al., 2001B)(
図1E)。この反応は2つの工程で行われる:CrtEbは、非環式C
50カロテノイドのフラブキサンチンへのC
40非環式リコペンの伸長を触媒する(Krubasik et al., 2001a;Krubasik et al., 2001B)。CrtYeおよびCrtYfの生成物は、結合してC
50シクラーゼを形成し、次いで、C
50カロテノイドのフラブキサンチンからデカプレノキサンチンへの変換を触媒する(Krubasik et al., 2001a;Krubasik et al., 2001B)。K.リゾフィラのcrtYeおよびcrtYfは、それぞれ、C.グルタミクムのcrtYeおよびcrtYfに38%および34%同一である。したがって、K.リゾフィラによって生成される黄色色素は、デカプレノキサンチンC
50-サブファミリーに属し得る。
【0166】
K.リゾフィラの遺伝学的スクリーニングから、フィトエンデサチュラーゼをコードするcrtIにおいて多重変異が得られ、この変異には、6つのミスセンス変異(e21、e11、e23、e14、e5、およびe13)および2つのナンセンス突然変異(e15およびe10)が含まれる(
図1C~E)。CrtIは、非着色フィトエンから赤色のリコペンへの変換を触媒する。これらすべてのcrtI突然変異体は白色のコロニーであり(
図6B;
図1C)、C.グルタミクムのΔcrtI突然変異体と類似しており(Heider et al., 2012)(
図6C)、したがって、リコペン合成を欠いていた可能性がある。6つのミスセンス変異は高度に保存された残基中にあり、これは、タンパク質の機能に重要である可能性があることを示唆する(
図8)。e4、e6、およびe8は、フィトエンシンターゼをコードするcrtB遺伝子中のミスセンス変異であった(
図1D&E)。これらすべてのミスセンス変異は高度に保存された残基中にあり、これは、これらがタンパク質の機能に重要である可能性があることを示唆する(
図9)。これらの突然変異体は、C.グルタミクムのΔcrtB突然変異体で観察されたように(Heider et al., 2012)(
図6C)、白色の細菌コロニーを生成した(
図6B;
図1C)。4つの突然変異はcrtEb中に得られ;高度に保存された残基中の2つのナンセンス突然変異(e16およびe17)ならびに2つのミスセンス変異(e3およびe19)であった(
図1D;
図10)。crtEb中の突然変異は、リコペンからフラブキサンチンへの変換に欠陥がある可能性があった(
図1E)。これらの突然変異体は、C.グルタミクムのΔcrtEb突然変異体で見られたように(Heider et al., 2012)(
図6C)、おそらくリコペン(フラブキサンチンではない)の蓄積ために薄い赤色のコロニーを形成した(
図6;
図1B)。e17は、わずか13アミノ酸のトランケートされたタンパク質を生成すると予想される、crtEb中の早期停止突然変異であった(
図10)。crtYeおよびcrtYf中の突然変異は最後の工程に欠陥があり;これらの遺伝子の相同体はデカプレノキサンチンの合成を触媒する。これらの突然変異体は薄い赤色からオレンジ色のコロニーを生成した(
図6B)。興味深いことに、C.グルタミクムのΔcrtY突然変異体はフラブキサンチンを蓄積し、薄いオレンジ色から赤色も示した(Heider et al., 2012)(
図6C)。
【0167】
C.グルタミクムATCC13032はデカプレノキサンチンを生成することが公知であるので、eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物において、C.グルタミクムATCC13032餌を与えることがpgp-5p::gfpの誘導を抑制するであろうかどうかを試験した。eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物に野生型C.グルタミクムATCC13032を与えることにより、pgp-5p::gfpの誘導が抑制された(
図2A&B)。C.グルタミクムATCC13032では、カロテノイド遺伝子クラスターCrtE-cg0722-CrtBIYeYfEbはデカプレノキサンチン生合成を媒介する(Heider et al., 2012)。デカプレノキサンチン生成を欠くことが公知である(Heider et al., 2012)、crtY、crtEb、crtIおよびcrtBのC.グルタミクムATCC13032欠失突然変異体が、eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物においてpgp-5p::gfpの誘導を抑制することができるかを試験した。ΔcrtY、ΔcrtEb、ΔcrtI、ΔcrtB C.グルタミクムを与えた動物は、野生型C.グルタミクムで成長した同じ系統と異なり、正常なpgp-5p::gfpの誘導を示した(
図2A&B)。
【0168】
色素性細菌アルスロバクター・アリライテンシスは、デカプレノキサンチンを生成することが公知であり(Monnet et al., 2010);実験により、A.アリライテンシス餌を与えることが、eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物においてpgp-5p::gfpの誘導を抑制するであろうかどうかを試験した。eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物にA.アリライテンシスを与えることもpgp-5p::gfpの発現を抑制した(
図2C)。したがって、C.グルタミクム、A.アリライテンシス、またはK.リゾフィラは、ABCトランスポーター解毒応答の誘導に対する翻訳監視の抑制を媒介する色素性カロテノイドを生成する。
【0169】
デカプレノキサンチンなどのカロテノイドは、細胞膜に局在化し、非極性溶媒中で容易に抽出することができる、親油性分子である。K.リゾフィラ培養物をそのような溶媒で抽出した(
図11)。抽出物のTLC解析によって、黄色~オレンジ色素の存在が明らかになった(
図2D)。K.リゾフィラのメタノール抽出物のHPLC解析は、少なくとも6種の異なる成分で組み合わされていた(
図11;
図2E)。溶出時間の時間に従って、これらのピークをピーク1(5.4分)、ピーク2(6.3)、ピーク3(6.5)、ピーク4(7.2)、ピーク5(7.8)、およびピーク6(8.7)と名付けた(
図2E)。溶出ピークの吸光度スペクトルによって、アルスロバクター由来のデカプレノキサンチンの公表された吸収スペクトル(Giuffrida et al., 2016;Sutthiwong et al., 2014)と類似している420、440および、470nmの吸収極大が明らかになった。
【0170】
異なるK.リゾフィラ突然変異体におけるカロテノイド生成を解析するために、ナンセンス突然変異アレルであるcrtI(e10)、crtEb(e17)、crtYe(e22)、およびcrtYf(e18)、ならびにミスセンス突然変異体であるcrtB(e6)からカロテノイドを抽出した。K.リゾフィラ野生型のメタノール抽出物の分光光度的解析によって、415~425nmの吸収極大示されたが、crtEb(e17)抽出物は、445~455nmの吸収極大を示した(
図12)。K.リゾフィラcrtEb(e17)およびcrtYe(e22)突然変異体のメタノール抽出物は類似した吸収スペクトルを示すが、K.リゾフィラcrtI(e10)およびcrtb(e6)の抽出物は吸収を全く示さなかった。crtYf(e18)のメタノール抽出物は、2つの分離した吸収ピーク、約400nmの1つのピークおよび約500nmの別の小さなピークを示した。
【0171】
カロテノイドを含む、野生型K.リゾフィラの粗製メタノール抽出物がeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物においてGFP誘導を抑制する能力も試験した。野生型K.リゾフィラ抽出物を加えた大腸菌を与えた動物は、対照メタノール抽出物とともに大腸菌を与えたeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物と比較して、有意に低減したpgp-5p::gfpの発現を示した(
図2F)。抽出物、野生型K.リゾフィラのメタノール抽出物は、K.リゾフィラのカロテノイド生合成突然変異体のC.エレガンスの監視欠陥の抑制をレスキューすることができ:K.リゾフィラ野生型抽出物が補充されたK.リゾフィラcrtEb(e17)、crtB(e6)、またはcrtI(e10)突然変異体をeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物に与えた場合に、GFPは誘導されなかったが、対照抽出物を与えた動物では、GFP発現はC.エレガンスのeft-3突然変異によって誘導された(
図2G)。
【0172】
翻訳に欠陥があるC.エレガンス突然変異体においてK.リゾフィラのカロテノイド突然変異体がpgp-5p::gfpを抑制しないことに対する1つのささいな説明は、これらのK.リゾフィラ色素沈着突然変異体が、野生型C.エレガンスバックグラウンドにおいてでさえpgp-5p::gfpを誘導することができるということであろう。この可能性を試験するために、pgp-5p::gfp融合遺伝子を保有する野生型C.エレガンスにK.リゾフィラcrtEb(e17)、crtYe(e22)、crtYf(e18)、crtB(e6)、またはcrtI(e10)突然変異体を与えた。この結果は、K.リゾフィラの野生型およびカロテノイド突然変異体がpgp-5p::gfpを誘導しないことを示した(
図3A)。別の可能な解釈は、K.リゾフィラを与えることによって、どういうわけか動物を翻訳の監視から「そらす」他のストレス応答がC.エレガンスにおいて誘導され得るということであった。ストレスの他のGFP融合レポーターの誘導の効果を野生型および様々なK.リゾフィラ突然変異体で試験した。hsp-4p::gfpおよびhsp-6p::gfpは、それぞれ小胞体アンフォールドタンパク質応答(UPR
ER)およびミトコンドリアアンフォールドタンパク質応答(UPR
mito)のレポーターである(Yoneda et al., 2004;Calfon et al., 2002)。clec-60は、グラム陽性病原体、黄色ブドウ球菌(S. aureus)およびM.ネマトフィラム(M. nematophilum)によって誘導されるC型レクチン/CUBドメインタンパク質である(O’Rourke et al., 2006)。F35E12.5p::GFPは、ペスト菌(Y. pestis)、M.ネマトフィラム、および緑膿菌(P. aeruginosa)によって誘導されるCUBドメインタンパク質である(O’Rourke et al., 2006;Troemel et al., 2006;Bolz et al., 2010)。C.エレガンスのhsp-4p::gfp、HSp-6p::gfp、F35E12.5p::GFP、およびclec-60p::gfpにK.リゾフィラの野生型およびカロテノイド突然変異体を与えた。K.リゾフィラはhsp-4p::gfpの発現を誘導しなかった(
図13A)。同様に、K.リゾフィラの野生型またはカロテノイド突然変異体はhsp-6p::gfpの発現を誘導しなかった(
図13B)。K.リゾフィラの野生型またはカロテノイド突然変異体はF35E12.5p::GFPを誘導しない(
図13D)。しかし、K.リゾフィラの野生型またはカロテノイド突然変異体は、グラム陽性細菌によって誘導されるclec-60::GFPを誘導した(
図13C)。K.リゾフィラもグラム陽性細菌であるので、clec-60の誘導は、病原体への免疫応答である可能性が最も高い。
【0173】
pgp-5p::gfpの誘導の抑制に対するK.リゾフィラを与えることの効果が可逆的であるかどうかに対処するために、K.リゾフィラを与えたeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物を様々な時間の後に大腸菌OP50のプレートに移動させた。移動から12時間以内にGFP発現が回復した(
図13E)。
【0174】
C50カロテノイドは複数の共役二重結合を有するので、C50カロテノイドは抗酸化活性を有する可能性がある(Edge et al., 1997)。しかし、いくつかの理由で、カロテノイドのROSクエンチング性状がpgp-5p::gfpの誘導の抑制に関与する可能性は低い。第1に、pgp-5p::gfpは酸化ストレスによって誘導されない(Govindan et al., 2015)。第2に、公知の抗酸化物質がpgp-5p::gfpの誘導を抑制することができるかどうかをC.エレガンスの翻訳欠陥突然変異体で試験した。大腸菌OP50で成長したeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物をN-アセチルシステイン、アスコルビン酸、トロロクス、またはレスベラトロールのいずれかで処理し、20℃で50時間後にスクリーニングした。pgp-5p::gfpの誘導は、モック処理したeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物と比較して、抗酸化物質で処理した動物において有意差がなかった(
図14A)。第3に、C.エレガンスの翻訳欠陥突然変異体において、pgp-5p::gfpの誘導を抑制する能力について市販のカロテノイドを試験した。大腸菌OP50で成長したeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物をベータ-カロテンまたはアスタキサンチンのいずれかで処理し、20℃で50時間後にスクリーニングした。pgp-5p::gfpの誘導は、モック処理したeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物と比較して、これらの抗酸化物質を与えた動物において有意差がなかった(
図14B)。最後に、eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物にゼアキサンチン、ノイロスポレン、ビオラキサンチン、デルタ-カロテン、またはアルファ-カロテンのいずれかを発現する大腸菌を与え、GFP誘導についてスクリーニングした。pgp-5p::gfpの誘導は、モック処理したeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物と比較して、カロテノイドを発現する大腸菌を与えた動物において有意差がなかった(
図14C)。これらのカロテノイドのどれもC50クラスのカロテノイドではない。
【0175】
K.リゾフィラは、翻訳阻害薬物に対する解毒応答も抑制する。ハイグロマイシンは、C.エレガンスにおいて翻訳を阻害し、生体異物解毒を誘導する、(ストレプトマイセス・ハイグロスコピカス(Streptomyces hygroscopicus)由来の)細菌生成型抗生物質である。10μg/mlのハイグロマイシンは大腸菌OP50を与えた動物でpgp-5p::gfpの発現を誘導するが、K.リゾフィラおよび10μg/mlのハイグロマイシンを与えた動物はpgp-5p::gfpを誘導しなかった(
図3A;
図14D)。しかし、高濃度のハイグロマイシンで、大腸菌OP50を与えた動物とK.リゾフィラを与えた動物の両方でpgp-5p::gfpが誘導される(
図14D)。対照的に、K.リゾフィラcrtI(e10)またはcrtEb(e17)を与えたpgp-5p::gfp動物は、ハイグロマイシン処理に応答したGFP誘導に影響を及ぼさなかった(
図3A)。リボソームの40Sサブユニットに結合することによってタンパク質合成を遮断するエメチンを用いて類似した結果が得られた。6.25μg/mlのエメチンが大腸菌OP50を与えた動物でpgp-5p::gfpの発現を誘導する(
図15A&B);しかし、K.リゾフィラおよび6.25μg/mlのエメチンを与えた動物はpgp-5p::gfpを誘導しない。しかし、高濃度のエメチンで、大腸菌OP50を与えた動物とK.リゾフィラを与えた動物の両方でpgp-5p::gfpが誘導される(
図15A)。対照的に、K.リゾフィラcrtI(e10)またはcrtEb(e17)を与えたpgp-5p::gfp動物は、エメチン処理に応答したGFP誘導に影響を及ぼさなかった(
図15B)。pgp-5p::gfpは、DNA複製を妨げるシスプラチンによって誘導される遺伝毒性ストレスに応答して活性化された。1mMシスプラチンは大腸菌OP50を与えた動物でpgp-5p::gfpの発現を誘導するが、K.リゾフィラおよび1mMシスプラチンを与えた動物はpgp-5p::gfpを誘導しない(
図15C)。対照的に、K.リゾフィラcrtI(e10)、crtEb(e17)、またはcrtYe(e22)を与えたpgp-5p::gfp動物は、シスプラチン処理に応答したGFP誘導に影響を及ぼさなかった(
図15C)。
【0176】
K.リゾフィラのカロテノイドは翻訳欠陥によるC.エレガンスの生体異物解毒遺伝子の誘導を抑制するので、K.リゾフィラのカロテノイドが翻訳インヒビターに対するC.エレガンスの感受性を高める能力を評価した。大腸菌OP50および10μg/mlハイグロマイシンを与えた野生型動物の>80%が4日で成体期に達するが、大腸菌OP50および10μg/mlハイグロマイシンおよびK.リゾフィラのカロテノイド抽出物を与えた動物の<10%が4日で成体期に達する(
図3B;
図15D)。カロテノイドそれ自体は、ハイグロマイシンの非存在下で蠕虫に対して毒性がなかった(
図3B;
図15D)。エメチンを用いて類似した結果が得られた:K.リゾフィラ抽出物で処理した動物は、対照抽出物を与えた動物と比較して、エメチンに過感受性であった(
図3C)。さらに、K.リゾフィラ抽出物で処理した動物は、対照抽出物を与えた動物と比較して、シスプラチンに過感受性であった(
図3D)。生体異物過感受性表現型は、K.リゾフィラのカロテノイド抽出物がミトコンドリア毒であるアンチマイシンに対する動物の感受性を変化させなかったので、一般化された現象ではなかった可能性がある(
図15E)。
【0177】
C.エレガンスの食物嫌悪行動は、生体異物または必須遺伝子の不活性化に動物を曝露する場合に誘導される(Melo and Ruvkun, 2012)。ハイグロマイシン(リボソーム翻訳インヒビター)またはシスプラチン(DNA複製インヒビター)に動物を曝露すると、強い食物嫌悪が誘導される。25μg/mlハイグロマイシンに曝露された動物の約40%が食物嫌悪行動を呈するが、25μg/mlハイグロマイシンおよびK.リゾフィラのカロテノイド抽出物に曝露された動物の約15%が嫌悪を示す(
図3E)。シスプラチンを用いて類似した結果が得られた:1mMシスプラチンに曝露された動物の約50%が嫌悪行動を呈するが、1mMシスプラチンおよびK.リゾフィラのカロテノイド抽出物に曝露された動物の<20%が食物嫌悪を呈する(
図3F)。
【0178】
実施例2.翻訳監視のK.リゾフィラ抑制のC.エレガンス経路解析
K.リゾフィラのカロテノイドが生体異物解毒応答経路の誘導をどのようにして阻害するかを評価するために、様々な工程で翻訳監視のためのシグナル伝達経路を乱すかまたは活性化する一連のC.エレガンス突然変異を用いて、遺伝的エピスタシス解析を行った(Govindan et al., 2015)。zip-2/bZIP転写因子は、翻訳抑制に応答したpgp-5p::gfpの発現の誘導に必要とされ、転写誘導の最後の工程に相当する(Govindan et al., 2015)。腸特異的プロモーター下でのZIP-2::mCherryの過剰発現は、翻訳抑制の非存在下でさえも、野生型C.エレガンスにおいてpgp-5p::gfpの発現を誘導するのに十分であった(
図4A)。K.リゾフィラを与えることがpgp-5p::gfpの誘導に影響を及ぼすかどうかをZIP-2::mCherry過剰発現系統で試験した。pgp-5p::gfpの誘導は大腸菌OP50を与えた動物およびK.リゾフィラを与えた動物で類似しており(
図4A)、これは、K.リゾフィラのカロテノイドがZIP-2 bZIP転写因子の上流の監視経路成分(またはパラレルな経路)を乱すことを示唆する。
【0179】
翻訳抑制によるC.エレガンスの生体異物解毒遺伝子の誘導は胆汁酸シグナリング経路に依存している(Govindan et al., 2015)。胆汁酸生合成に遺伝的欠陥を有するC.エレガンスは、eft-3(q145)、翻訳成分のRNAi、または翻訳のG418薬物抑制に応答してpgp-5p::gfpを活性化しないが、その哺乳類胆汁酸はこのシグナルを復活させることができる(Govindan et al., 2015)。K.リゾフィラを与えることにより、eft-3(q145)動物においてpgp-5p::gfpの誘導が阻害されるが、外来性の哺乳類胆汁酸の添加により、野生型K.リゾフィラの存在下でさえも、GFP発現が再活性化される(
図4B&C)。したがって、K.リゾフィラのカロテノイドは、C.エレガンスのこの翻訳監視および応答経路の上流または胆汁酸シグナリング工程で作用する。
【0180】
K.リゾフィラのカロテノイドが胆汁酸シグナリング経路をモジュレートすることができる機構的経路を決定するために、カロテノイド結合または輸送を媒介する真核生物遺伝子のC.エレガンス相同体のcherry選択性RNAiスクリーニングを行った(表1)。このスクリーニングでは、eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物にカロテノイド結合または輸送タンパク質のC.エレガンス相同体に対するdsRNAを発現する大腸菌を与えた。これらの動物が成体期に達したら、これらをK.リゾフィラ播種プレートに移動させ、24時間後にGFP誘導をスコア化した。dsRNA陰性対照を与え、K.リゾフィラプレートに移動させた動物では、pgp-5p::gfpの発現が抑止された。pgp-5p::gfpの発現の類似した低減が、23の他のdsRNAを与えた動物を与えた動物で見られた(表1)。しかし、lbp-5 dsRNAを与えたeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物では、pgp-5p::gfpの発現が抑制されないことが見出された(
図4D)。lbp-5は、脂質およびステロイドホルモンなどの疎水性分子のトランスポーターとして機能すると予想される細胞内脂肪酸結合タンパク質をコードする(Xu et al., 2014)。
【0181】
(表1)K.リゾフィラに応答したeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物におけるgfp発現の抑制について試験される公知のカロテノイド結合タンパク質遺伝子
+、GFPオン;-、GFPオフ
【0182】
さらに、K.リゾフィラのカロテノイドの真核細胞標的を特定するために、ラット肝臓細胞抽出物を使用してプルダウンアッセイを行った。いくつかの理由で、カロテノイド結合タンパク質を特定するために肝臓を選択した:第1に、肝臓は生体異物解毒の主要部位である。第2に、肝臓は胆汁酸生合成の部位である。第3に、肝臓は公知のカロテノイド輸送システムを有する。第4に、C.エレガンスでは実行できなかった、大量の組織を容易に得ることができる。カロテノイド結合タンパク質を特定するために、ラット肝臓由来のタンパク質抽出物をK.リゾフィラのカロテノイドとインキュベートし、サイズ排除クロマトグラフィーを使用して未結合のカロテノイドを除去した。カロテノイド結合タンパク質抽出物を陰イオン交換クロマトグラフィーにかけ、タンパク質画分を溶出した。黄色画分(カロテノイドの存在を示す)をプールし、濃縮し、脱塩した。濃縮されたピークはカロテノイドの存在を示す黄色~オレンジ色であり、これをnative PAGEで解析し、目に見える黄色~オレンジのバンドを切り取り、質量分析を行って、タンパク質を特定した。質量分析によって48種のタンパク質を特定した(表2)。興味深いことに、特定されたタンパク質のうちの1つはFABP1(脂肪酸結合タンパク質1)であり、これはC.エレガンスLBP-5の相同体である。質量分析によって特定されたタンパク質の中には、本発明者らが、ゲノムワイドRNAiスクリーニングで翻訳抑制に応答したpgp-5p::gfpの誘導に必要とされるヒットとして以前に特定した(Govindan et al., 2015)C.エレガンスpak-1の相同体である、PAK2(p21プロテインキナーゼ)があった。これらの48種のタンパク質のうちのいずれかがeft-3(q145);pgp-5p::gfpにおけるpgp-5p::gfpの誘導に必要とされるかを決定するために、これらのラットタンパク質のC.エレガンス相同体のRNAiスクリーニングを行った。カロテノイド結合タンパク質のそれぞれのC.エレガンス相同体に対するdsRNAを発現する大腸菌をeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物に与えた。これらの動物が成体期に達したら、これらがGFP誘導を乱したかどうかを決定するために、これらをスクリーニングした。本スクリーニングでは、カロテノイド結合タンパク質の多くのRNAiは、pak-1 RNAiを除いて、eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物においてpgp-5p::gfpの誘導を遮断しなかった(表2)。興味深いことに、特定されたカロテノイド結合タンパク質のうちの1つはAMACR(アルファ-メチルアシル-CoAラセマーゼ)であり、これは、胆汁酸生合成に必要とされる(Autio et al., 2014)。C.エレガンスでは、C24A3.4およびZK892.4がAMACRの相同体である(
図16A)。C24A3.4またはZK892.4のRNAiは、eft-3(q145);pgp-5p::gfp動物おけるpgp-5p::gfpの誘導を個々に抑制しないが、C24A3.4およびZK892.4の二重RNAiはpgp-5p::gfpの誘導を抑制した(
図16B)。
【0183】
これらの48種のC.エレガンスタンパク質のいずれかがpgp-5p::gfpの誘導のK.リゾフィラのカロテノイド誘導性抑制に必要とされるかどうかを決定するために、これらのタンパク質のC.エレガンス相同体のRNAiスクリーニングを行った。これらの動物が成体期に達したら、これらをK.リゾフィラ播種プレートに移動させ、24時間後にGFP誘導をスコア化した。dsRNA陰性対照を与え、K.リゾフィラプレートに移動させた動物では、pgp-5p::gfpの発現が抑止された(表2)。類似した低減が、大抵のdsRNA動物において、摂食した動物でpgp-5p::gfpの発現の見られた(表2);しかし、chc-1またはfcho-1またはlbp-5 RNAiで処理した動物では、pgp-5p::gfpの誘導は抑止されなかった(
図4D)。chc-1はC.エレガンスのクラスリン重鎖オルソログをコードし、一方で、fcho-1はF-BARドメイン含有fer/Cip4相同性ドメインオンリー(FCHo)ファミリータンパク質のC.エレガンス相同体をコードする。CHC-1とFCHO-1の両方ともエンドサイトーシス輸送を媒介する(Grant et al., 2006)。代替モデルは、chc-1またはfcho-1またはlbp-5 RNAiがそれ自体で、リボソームストレスの非存在下でさえpgp-5p::gfpの発現を誘導することができることである;しかし、これらの遺伝子のRNAiはpgp-5p::gfpの発現を誘導しなかった(
図16C)。
【0184】
理論に拘束されることを望むものではないが、発見に基づいて、K.リゾフィラのカロテノイドが生体異物解毒応答をどのようにして阻害するかのモデルを提唱する(
図4E)。K.リゾフィラから放出されたカロテノイドがクラスリン媒介性エンドサイトーシスを介してC.エレガンスの腸に入る。腸の細胞質内で、エンドサイトーシス小胞から放出されたカロテノイドが、次いでLBP-5と結合し、ペルオキシソームに送達され、ここで、AMACRへの結合を介して胆汁酸生合成を阻害する。さらに、カロテノイドはPAK-1も阻害して、解毒応答の生体異物誘導性アップレギュレーションを乱す。
【0185】
(表2)質量分析で特定されたタンパク質のリストおよびK.リゾフィラに応答したeft-3(q145);pgp-5p::gfp動物におけるgfp発現の抑制に対するこれらのC.エレガンス相同体のRNAiの効果
+、GFPオン;-、GFPオフ;記入なし=未試験
【0186】
【0187】
他の態様
本発明の態様をそれらの詳細な説明とともに記載してきたが、前述の説明は、例示することを意図し、添付の特許請求の範囲の範囲によって定義される本発明の範囲を制限することを意図しないことを理解されたい。他の局面、利点、および改変は、添付の特許請求の範囲の範囲内である。
【0188】
配列情報
SEQUENCE LISTING
<110> THE GENERAL HOSPITAL CORPORATION
<120> CAROTENOIDS FOR TREATING OR PREVENTING NAUSEA
<150> US 62/802,398
<151> 2019-02-07
<160> 21
<170> PatentIn version 3.5
<210> 1
<211> 464
<212> PRT
<213> Arthrobacter arilaitensis
<220>
<221> MOD_RES
<222> (14)..(14)
<223> G or R
<220>
<221> MOD_RES
<222> (42)..(42)
<223> G or E
<220>
<221> MOD_RES
<222> (132)..(132)
<223> A or D
<220>
<221> MOD_RES
<222> (199)..(199)
<223> G or D
<220>
<221> MOD_RES
<222> (275)..(275)
<223> G or D
<220>
<221> MOD_RES
<222> (375)..(375)
<223> G or D
<400> 1
Met Asn His Gln Asp Gln Glu Val Val Val Ile Gly Gly Xaa Phe Ser
1 5 10 15
Gly Leu Ala Ser Ala Gly Leu Leu Ala Ala Arg Gly Cys Lys Val Thr
20 25 30
Leu Ile Glu Gln Gln Glu His Pro Gly Xaa Arg Ser Gly Arg Leu Glu
35 40 45
Arg Glu Gly Phe Arg Phe Asp Thr Gly Pro Ser Trp Tyr Leu Met Pro
50 55 60
Glu Val Phe Asp His Trp Phe Arg Leu Met Gly Thr Ser Thr Ala Glu
65 70 75 80
Gln Leu Asp Leu Arg Glu Leu Pro Thr Gly Tyr Arg Val Phe Phe Gln
85 90 95
Asn Arg Gln Ala Pro Ala Asp Phe Gly Ile Gly Ala Ala Ala Ser Asp
100 105 110
Leu Phe Glu Thr Leu Glu Pro Gly Ser Ala Pro Ala Leu Glu Arg Tyr
115 120 125
Leu Arg Thr Xaa Lys Glu Gly Tyr Glu Leu Ala Leu Glu His Phe Leu
130 135 140
Tyr Asp Asp Phe His Ser Leu Lys Ser Leu Leu Asp Pro Arg Ile Leu
145 150 155 160
Arg Arg Ala Pro Gln Leu Ala Lys Leu Leu Ser Thr Ser Leu Gln Ser
165 170 175
His Val Ala Arg Arg Phe Ala Ser Asn Glu Ile Arg Gln Val Leu Gly
180 185 190
Tyr Pro Ala Val Phe Leu Xaa Ser Ser Pro Glu Lys Thr Pro Ala Leu
195 200 205
Tyr Gln Leu Met Ser His Leu Asp Leu Ala Asp Gly Val Lys Tyr Pro
210 215 220
Met Gly Gly Phe Ala Ala Val Ala Asp Ala Met Ala Gln Leu Ala Arg
225 230 235 240
Lys His Gly Ala Gln Ile Gln Leu Gly Ala Thr Ala Thr Ala Ile Glu
245 250 255
Thr Ser Thr Gly Lys Asn Leu Ala Val Ser Ala Val Arg Trp Ile Asp
260 265 270
Ala Asn Xaa Thr Leu His Arg Thr Pro Ala Thr Lys Val Ile Gly Ala
275 280 285
Ala Asp Val Arg His Leu Glu Gly Glu Leu Leu Pro Glu Ser Leu Gln
290 295 300
Thr His Thr Ala Lys Ser Phe Ala Arg Lys Asp Pro Gly Pro Ser Ala
305 310 315 320
Val Leu Leu Cys Leu Gly Ile Lys Gly Lys Leu Pro Gln Leu Glu His
325 330 335
His Asn Leu Leu Phe Thr Glu Asp Trp Ser Glu Asn Phe Ser Arg Ile
340 345 350
Arg Gln Gly Arg Glu Leu Glu Pro Glu Thr Ser Ile Tyr Val Cys Lys
355 360 365
Pro Ser Ala Thr Asp Pro Xaa Thr Ala Pro Glu Gly Cys Glu Asn Leu
370 375 380
Phe Ile Leu Val Pro Ala Pro Ala Leu Pro Glu Trp Gly Ile Gly Ala
385 390 395 400
Ala Asp Gly Gln Gly Asp Ala Ala Val Glu Ala Val Ala Glu Ala Ala
405 410 415
Ile Asp Gln Leu Ser Ala Trp Ala Arg Ile Asp Asp Leu Arg Glu Arg
420 425 430
Ile Val Val Arg Gln Ser Ile Gly Pro Gly Asp Phe Ala Gln Gln Tyr
435 440 445
Gly Ala Tyr Arg Gly Gly Ala Leu Gly Leu Ala His Thr Leu Gly Gln
450 455 460
<210> 2
<211> 572
<212> PRT
<213> Kocuria rhizophila
<220>
<221> MOD_RES
<222> (35)..(35)
<223> G or R
<220>
<221> MOD_RES
<222> (63)..(63)
<223> G or E
<220>
<221> MOD_RES
<222> (154)..(154)
<223> G or D
<220>
<221> MOD_RES
<222> (221)..(221)
<223> G or D
<220>
<221> MOD_RES
<222> (379)..(379)
<223> G or D
<220>
<221> MOD_RES
<222> (478)..(478)
<223> G or D
<400> 2
Met Thr Asp Gly Asn Arg Thr Thr Arg His Pro Thr Arg Pro Glu Asn
1 5 10 15
Ala His Arg Gly Ser Pro Asp Gly Gly Ala Pro Arg Thr Val Val Val
20 25 30
Gly Gly Xaa Phe Ala Gly Leu Ala Thr Ala Gly Leu Leu Ala Arg Asp
35 40 45
Gly His Arg Val Thr Leu Leu Glu Gln Arg Asp Thr Leu Gly Xaa Arg
50 55 60
Ser Gly Arg Trp Ser Ala Glu Gly Phe Thr Phe Asp Thr Gly Pro Ser
65 70 75 80
Trp Tyr Leu Met Pro Glu Val Ile Asp Arg Trp Phe Thr Leu Met Gly
85 90 95
Ser Ser Ala Asp Glu Gln Leu Asp Leu Arg Arg Leu Asp Pro Gly Tyr
100 105 110
Arg Thr Phe Phe Glu Gln His Leu Asp Glu Pro Pro Thr Asp Val Arg
115 120 125
Ala Gly His Ala Glu Glu Leu Phe Glu Arg Leu Asp Pro Gly Ser Ser
130 135 140
Glu Ala Leu Arg Ala Tyr Leu Gly Ser Xaa Ala Glu Val Tyr Asp Leu
145 150 155 160
Ala Lys Lys His Phe Leu Tyr Thr Asn Phe Ser Arg Pro Thr Asp Leu
165 170 175
Ala Arg Ala Glu Val Leu Arg Asn Leu Pro Arg Leu Gly Gly Leu Leu
180 185 190
Ser Thr Ser Met Gln Arg Tyr Val Ala Ala Arg Phe Arg Asp Pro Arg
195 200 205
Gln Arg Gln Ile Leu Gly Tyr Pro Ala Val Phe Leu Xaa Ala Ser Pro
210 215 220
Asp Thr Ala Pro Ala Met Tyr His Leu Met Ser His Leu Asp Leu Thr
225 230 235 240
Asp Gly Val Gln Tyr Pro Val Gly Gly Phe Ala Ala Leu Val Asp Ala
245 250 255
Met Glu Arg Leu Val Arg Ala Ala Gly Val Glu Ile Val Thr Gly Ala
260 265 270
Glu Val Thr Gly Ile Glu Val Ala Pro Ala Pro Ala Ser Leu Arg Ser
275 280 285
Arg Val Gly Ala Ala Arg Ala Arg Arg Arg Ser Ala Gly Ser Val Thr
290 295 300
Gly Val Thr Trp Arg Ala Ala Ala Pro Glu Glu Gly Val Arg Ala Gly
305 310 315 320
Gln Asp Gly Ala Ala Gly Ala Pro Gly Ala Arg Gly Ala Val Arg Asp
325 330 335
Ala Asp Gly Pro Gly Gly Val Val Glu Gly Pro Gly Val Val Ala Glu
340 345 350
Gly Arg Gly Thr Arg Thr Asp Ala Ser Ala Glu Ala Arg Gly Ala Gly
355 360 365
Thr Asp Ala Pro Ala Gly Gln Pro Gly Asp Xaa Glu Glu Arg Thr Val
370 375 380
Thr Ala Asp Val Val Ile Gly Ala Ala Asp Leu His His Leu Gln Thr
385 390 395 400
Arg Leu Leu Pro Asp Asp Phe Arg Ala Pro Glu Ser Arg Trp Thr His
405 410 415
Arg Asp Pro Gly Pro Ser Gly Val Leu Val Cys Leu Gly Val Arg Gly
420 425 430
Lys Leu Pro Gln Leu Val His His Asn Leu Leu Phe Thr Ala Asp Trp
435 440 445
Asp Asp Asn Phe Gly Arg Ile Ala Asp Gly Thr Pro Leu Ala Glu Gln
450 455 460
Thr Ser Ile Tyr Val Ser Met Thr Ser Ala Thr Asp Pro Xaa Thr Ala
465 470 475 480
Pro Glu Gly Asp Glu Asn Leu Phe Ile Leu Val Pro Ser Pro Ala Val
485 490 495
Pro Glu Trp Gly Arg Gly Gly Val Arg Thr Pro Asp Thr Asp Glu Pro
500 505 510
Gly Ser Pro Gln Val Glu Arg Val Ala Asp Ala Ala Ile Ala Gln Leu
515 520 525
Ala Arg Trp Ala Glu Ile Pro Asp Leu Ala Glu Arg Ile Val Val Arg
530 535 540
Arg Thr Tyr Gly Pro Gly Asp Phe Glu Ala Gln Phe Asn Ala Trp Arg
545 550 555 560
Gly Ser Met Leu Gly Pro Gly His Thr Leu Arg Gln
565 570
<210> 3
<211> 506
<212> PRT
<213> Micrococcus luteus
<220>
<221> MOD_RES
<222> (18)..(18)
<223> G or R
<220>
<221> MOD_RES
<222> (46)..(46)
<223> G or E
<220>
<221> MOD_RES
<222> (137)..(137)
<223> A or D
<220>
<221> MOD_RES
<222> (204)..(204)
<223> G or D
<220>
<221> MOD_RES
<222> (308)..(308)
<223> G or D
<220>
<221> MOD_RES
<222> (407)..(407)
<223> G or D
<400> 3
Met Ser Ala Arg Asp Thr Ala Leu Gly Pro Arg Thr Val Val Val Gly
1 5 10 15
Gly Xaa Phe Ala Gly Leu Ala Thr Ala Gly Leu Leu Ala Arg Asp Gly
20 25 30
His Arg Val Thr Leu Leu Glu Arg Gly Ala Val Leu Gly Xaa Arg Ala
35 40 45
Gly Arg Trp Ser Glu Ala Gly Phe Thr Phe Asp Thr Gly Pro Ser Trp
50 55 60
Tyr Leu Met Pro Glu Val Ile Asp Arg Trp Phe Arg Leu Met Gly Thr
65 70 75 80
Ser Ala Ala Glu Arg Leu Asp Leu Arg Arg Leu Asp Pro Gly Tyr Arg
85 90 95
Val Tyr Phe Glu Gly His Leu His Glu Pro Pro Val Asp Val Arg Thr
100 105 110
Gly His Ala Glu Thr Leu Phe Glu Ser Leu Glu Pro Gly Ala Gly Arg
115 120 125
Arg Leu Arg Ala Tyr Leu Asp Ser Xaa Ser Arg Ile Tyr Gly Leu Ala
130 135 140
Lys Glu His Phe Leu Tyr Thr Asp Phe Arg Arg Pro Ala Ala Leu Ala
145 150 155 160
His Pro Asp Val Leu Arg Ala Leu Pro Ala Leu Gly Pro Gln Leu Leu
165 170 175
Gly Gly Leu Arg Ser His Val Ala Ala Arg Phe Gln Asp Pro Arg Leu
180 185 190
Arg Gln Ile Leu Gly Tyr Pro Ala Val Phe Leu Xaa Thr Ser Pro Asp
195 200 205
Arg Ala Pro Ala Met Tyr His Leu Met Ser His Leu Asp Leu Ala Asp
210 215 220
Gly Val Gln Tyr Pro Leu Gly Gly Phe Ala Ala Leu Val Asp Ala Met
225 230 235 240
Ala Glu Val Val Arg Glu Ala Gly Val Glu Ile Arg Thr Gly Val Glu
245 250 255
Ala Thr Ala Val Glu Val Ala Asp Arg Pro Ala Pro Ala Gly Arg Leu
260 265 270
Gly Arg Leu Ala Ala Arg Leu Pro Arg Pro Gly Ala Ala Arg Gly Asp
275 280 285
Glu Gly Arg Arg Arg Arg Pro Gly Arg Val Thr Gly Val Ala Trp Arg
290 295 300
Ser Asp Asp Xaa Ala Ala Gly Arg Leu Asp Ala Asp Val Val Val Ala
305 310 315 320
Ala Ala Asp Leu His His Val Gln Thr Arg Leu Leu Pro Pro Gly Arg
325 330 335
Arg Val Ala Glu Ser Thr Trp Asp Arg Arg Asp Pro Gly Pro Ser Gly
340 345 350
Val Leu Val Cys Val Gly Val Arg Gly Ser Leu Pro Gln Leu Ala His
355 360 365
His Thr Leu Leu Phe Thr Ala Asp Trp Glu Asp Asn Phe Gly Arg Ile
370 375 380
Glu Arg Gly Glu Asp Leu Ala Ala Asp Thr Ser Ile Tyr Val Ser Arg
385 390 395 400
Thr Ser Ala Thr Asp Pro Xaa Val Ala Pro Glu Gly Asp Glu Asn Leu
405 410 415
Phe Ile Leu Val Pro Ala Pro Ala Glu Pro Gly Trp Gly Arg Gly Gly
420 425 430
Ile Arg Val Arg Asp Gly Gln Gly Trp Arg Val Asp Arg Ala Gly Asp
435 440 445
Ala Gln Val Glu Ala Val Ala Asp Arg Ala Leu Asp Gln Leu Ala Arg
450 455 460
Trp Ala Gly Ile Pro Asp Leu Ala Glu Arg Ile Val Val Arg Arg Thr
465 470 475 480
Tyr Gly Pro Gly Asp Phe Ala Ala Asp Val His Ala Trp Arg Gly Ser
485 490 495
Leu Leu Gly Pro Gly His Thr Leu Ala Gln
500 505
<210> 4
<211> 479
<212> PRT
<213> Corynebacterium glutamicum
<220>
<221> MOD_RES
<222> (20)..(20)
<223> G or R
<220>
<221> MOD_RES
<222> (48)..(48)
<223> G or E
<220>
<221> MOD_RES
<222> (141)..(141)
<223> A or D
<220>
<221> MOD_RES
<222> (208)..(208)
<223> S or D
<220>
<221> MOD_RES
<222> (285)..(285)
<223> D or absent
<220>
<221> MOD_RES
<222> (389)..(389)
<223> G or D
<400> 4
Met Lys Val Ser Thr Lys Thr Pro Arg Ser Ser Gly Thr Ala Val Val
1 5 10 15
Ile Gly Ala Xaa Val Ala Gly Leu Ala Thr Ser Ala Leu Leu Ala Arg
20 25 30
Asp Gly Trp Gln Val Thr Val Leu Glu Lys Asn Thr Asp Val Gly Xaa
35 40 45
Arg Ala Gly Ser Leu Glu Ile Ser Gly Phe Pro Gly Phe Arg Trp Asp
50 55 60
Thr Gly Pro Ser Trp Tyr Leu Met Pro Glu Ala Phe Asp His Phe Phe
65 70 75 80
Ala Leu Phe Gly Ala Cys Thr Ser Asp Tyr Leu Asp Leu Val Glu Leu
85 90 95
Thr Pro Gly Tyr Arg Val Phe Ser Gly Thr His Asp Ala Val Asp Val
100 105 110
Pro Thr Gly Arg Glu Glu Ala Ile Ala Leu Phe Glu Ser Ile Glu Pro
115 120 125
Gly Ala Gly Ala Lys Leu Gly Asn Tyr Leu Asp Ser Xaa Ala Asp Ala
130 135 140
Tyr Asp Ile Ala Ile Asp Arg Phe Leu Tyr Asn Asn Phe Ser Thr Leu
145 150 155 160
Gly Pro Leu Leu His Arg Asp Val Leu Thr Arg Ala Gly Arg Leu Phe
165 170 175
Ser Leu Leu Thr Arg Ser Leu Gln Lys Tyr Val Asn Ser Gln Phe Ser
180 185 190
Ser Pro Val Leu Arg Gln Ile Leu Thr Tyr Pro Ala Val Phe Leu Xaa
195 200 205
Ser Arg Pro Thr Thr Thr Pro Ser Met Tyr His Leu Met Ser His Thr
210 215 220
Asp Leu Val Gln Gly Val Lys Tyr Pro Ile Gly Gly Phe Thr Ala Val
225 230 235 240
Val Asn Ala Leu His Gln Leu Ala Leu Glu Asn Gly Val Glu Phe Gln
245 250 255
Leu Asp Ser Glu Val Ile Ser Ile Asn Thr Ala Ser Ser Arg Gly Asn
260 265 270
Thr Ser Ala Thr Gly Val Ser Leu Leu His Asn Arg Xaa Lys Val Gln
275 280 285
Asn Leu Asp Ala Asp Leu Val Val Ser Ala Gly Asp Leu His His Thr
290 295 300
Glu Asn Asn Leu Leu Pro Arg Glu Leu Arg Thr Tyr Pro Glu Arg Tyr
305 310 315 320
Trp Ser Asn Arg Asn Pro Gly Ile Gly Ala Val Leu Ile Leu Leu Gly
325 330 335
Val Lys Gly Glu Leu Pro Gln Leu Asp His His Asn Leu Phe Phe Ser
340 345 350
Glu Asp Trp Thr Asp Asp Phe Ala Val Val Phe Asp Gly Pro Gln Leu
355 360 365
Thr Arg Pro His Asn Ala Ser Asn Ser Ile Tyr Val Ser Lys Pro Ser
370 375 380
Thr Ser Glu Asp Xaa Val Ala Pro Ala Gly Tyr Glu Asn Leu Phe Val
385 390 395 400
Leu Ile Pro Thr Lys Ala Ser Ser Ser Ile Gly His Gly Asp Ala Tyr
405 410 415
Met Gln Ser Ala Ser Ala Ser Val Glu Thr Ile Ala Ser His Ala Ile
420 425 430
Asn Gln Ile Ala Thr Gln Ala Gly Ile Pro Asp Leu Thr Asp Arg Ile
435 440 445
Val Val Lys Arg Thr Ile Gly Pro Ala Asp Phe Glu His Arg Tyr His
450 455 460
Ser Trp Val Gly Ser Ala Leu Gly Pro Ala His Thr Leu Arg Gln
465 470 475
<210> 5
<211> 459
<212> PRT
<213> Microbacterium testaceum
<220>
<221> MOD_RES
<222> (12)..(12)
<223> G or R
<220>
<221> MOD_RES
<222> (40)..(40)
<223> G or E
<220>
<221> MOD_RES
<222> (132)..(132)
<223> A or D
<220>
<221> MOD_RES
<222> (199)..(199)
<223> G or D
<220>
<221> MOD_RES
<222> (269)..(269)
<223> D or absent
<220>
<221> MOD_RES
<222> (370)..(370)
<223> S or D
<400> 5
Met Ser Ala Gln Arg Ile Val Val Val Gly Gly Xaa Ile Ala Gly Leu
1 5 10 15
Gly Thr Ala Ala Leu Leu Ala Asp Arg Gly His Asp Val His Leu Phe
20 25 30
Glu Ala Arg Asp Ala Leu Gly Xaa Arg Ala Gly Ser Trp Glu Lys Asp
35 40 45
Gly Phe Arg Phe Asp Thr Gly Pro Ser Trp Tyr Leu Met Pro Glu Val
50 55 60
Phe Asp His Phe Phe Arg Leu Leu Gly Thr Ser Ala Ala Glu Gln Leu
65 70 75 80
Asp Leu Val Arg Leu Asp Pro Ala Tyr Arg Val Tyr Gly Pro Pro Gly
85 90 95
Lys Gly Glu Pro Ile Asp Ile Val Ser Gly Arg Glu Ala Val Arg Ala
100 105 110
Leu Phe Glu Lys His Glu Pro Gly Ser Gly Asp Asn Ile Asp Ala Tyr
115 120 125
Leu Asp Ser Xaa Lys Asp Ala Tyr Glu Leu Ser Thr Ser Lys Phe Leu
130 135 140
Tyr Asp Pro Tyr Ser Ser Thr Lys Gly Leu Arg Asp Pro Ala Leu Val
145 150 155 160
Lys Arg Leu Pro Thr Leu Ile Pro Leu Leu Thr Arg Thr Leu Trp Lys
165 170 175
Arg Val Thr Ser Asp Phe Lys Asn Thr Arg Leu Gln Gln Ile Leu Ala
180 185 190
Tyr Pro Ala Val Phe Leu Xaa Gly Ser Pro Phe Glu Val Pro Ser Leu
195 200 205
Tyr His Leu Met Ser His Leu Asp Leu Gly Asp Gly Val Leu Tyr Pro
210 215 220
Lys Gly Gly Met Thr Glu Ile Ile Thr Ala Ile Glu Lys Leu Ala Arg
225 230 235 240
Gly Arg Gly Val Thr Ile Glu Thr Ser Ala Pro Val Glu Ala Ile Ile
245 250 255
Thr Glu Ser Gly Thr Ala Arg Gly Val Arg Leu Ala Xaa Asp Gly Arg
260 265 270
Ile Phe Ala Ala Asp Ala Val Val Ser Gly Ala Asp Leu His His Thr
275 280 285
Glu Asn Glu Leu Leu Glu Glu Lys Asp Arg Gln Tyr Pro Glu Lys Trp
290 295 300
Trp Lys Asp Lys Val Pro Ser Pro Gly Ala Leu Leu Leu Leu Leu Gly
305 310 315 320
Val Thr Gly Glu Leu Pro Gln Leu Thr His His Thr Leu Leu Phe Thr
325 330 335
Asp Asp Trp His Thr Asn Phe Asp Ala Ile Phe Gly Glu Asn Lys Lys
340 345 350
Ile Pro Asp Pro Ala Ser Ile Tyr Ile Cys Arg Pro Ser Ala Ser Asp
355 360 365
Asp Xaa Val Ala Pro Glu Gly His Glu Asn Leu Phe Val Leu Val Pro
370 375 380
Val Pro Ala Asp Pro Asp Ser Gly Arg Gly Gly Val Ser Gly Ala Gly
385 390 395 400
Asp Glu Arg Ile Glu Lys Ala Ala Asp Arg Val Ile Ala Gln Ile Gly
405 410 415
Glu Trp Thr Gly Ile Pro Asp Leu Ala Glu Arg Ile Val Val Arg Lys
420 425 430
Thr Ile Ala Pro Glu Asp Phe Lys Glu Asp Leu His Ala Trp His Gly
435 440 445
Asn Ser Leu Gly Leu Ala His Thr Leu Asn Gln
450 455
<210> 6
<211> 404
<212> PRT
<213> Leifsonia xyli
<220>
<221> MOD_RES
<222> (12)..(12)
<223> G or R
<220>
<221> MOD_RES
<222> (40)..(40)
<223> G or E
<220>
<221> MOD_RES
<222> (131)..(131)
<223> A or D
<220>
<221> MOD_RES
<222> (198)..(198)
<223> G or D
<220>
<221> MOD_RES
<222> (275)..(275)
<223> G or D
<220>
<221> MOD_RES
<222> (375)..(375)
<223> G or D
<400> 6
Met Thr Ala Pro Arg Ala Val Val Ile Gly Gly Xaa Ile Ala Gly Leu
1 5 10 15
Ala Thr Ala Ala Leu Leu Ala Arg Asp Gly Arg Pro Val Thr Leu Leu
20 25 30
Glu Gln His Gly Thr Leu Gly Xaa Arg Ala Gly Arg Trp Glu Thr Ala
35 40 45
Gly Phe Arg Phe Asp Thr Gly Pro Ser Trp Tyr Leu Met Pro Glu Val
50 55 60
Phe Asp His Phe Phe Arg Leu Leu Gly Thr Ser Ala Ala Glu Gln Leu
65 70 75 80
Asp Leu Val Thr Leu Asp Pro Gly Tyr Arg Val Phe Ala Glu Asp Gly
85 90 95
Arg Arg Pro Leu Asp Ile Arg Ala Ala Gly Ala Ala Asn Arg Ala Leu
100 105 110
Phe Glu Ser Val Glu Ser Gly Ala Gly Ala Ala Leu Asp Arg Tyr Leu
115 120 125
Ala Gly Xaa Arg Glu Thr Tyr Gly Leu Ala Val Asp Arg Phe Leu Tyr
130 135 140
Ser Thr Phe Ala Ser Ile Arg Pro Leu Leu Ser Arg Glu Val Leu Ala
145 150 155 160
Arg Thr Gly Arg Leu Ala Arg Leu Leu Leu Glu Pro Leu Asp Arg Tyr
165 170 175
Ala Ala Arg Cys Val Arg Asp Thr Val Leu Arg Gln Ile Leu Gly Tyr
180 185 190
Pro Ala Val Phe Leu Xaa Thr Ser Pro Asp Arg Ala Pro Ser Leu Tyr
195 200 205
His Leu Met Ser His Leu Asp Leu Asp Asp Gly Val Arg Tyr Pro Val
210 215 220
Gly Gly Phe Ala Thr Leu Ile Asp Arg Ile Val Ala Phe Ala Arg Ala
225 230 235 240
Ala Gly Ala Glu Leu Val Thr Asp Ala Arg Val Thr Gly Ile Arg Thr
245 250 255
Gly Val Gly Gly Arg Arg Ala Ser Ala Phe Gly Val Asp Trp Val Asp
260 265 270
Ala Glu Xaa Arg Ser Arg His Lys His Ala Asp Ile Val Val Ser Ala
275 280 285
Val Asp Arg Arg His Thr Glu Thr Gln Leu Leu Pro Pro Ala Leu Arg
290 295 300
Ser Ser Asp Arg Glu Trp Lys Arg Arg Asp Pro Gly Pro Gly Ala Val
305 310 315 320
Leu Ala Met Leu Gly Val Arg Gly Glu Leu Pro Gln Leu Thr His His
325 330 335
Asn Leu Phe Phe Thr Thr Asp Trp Glu Ala Asn Phe Glu Arg Val Phe
340 345 350
Gly Ala Asp Arg Gly Val Pro Asp Pro Ala Ser Leu Tyr Val Cys Lys
355 360 365
Pro Ser Ala Thr Asp Pro Xaa Val Ala Pro Pro Gly His Glu Asn Leu
370 375 380
Phe Val Leu Val Pro Val Pro Ala Asp Thr Ser Ile Gly Ser Gly Gly
385 390 395 400
Ile Asp Gly Gly
<210> 7
<211> 304
<212> PRT
<213> Corynebacterium glutamicum
<220>
<221> MOD_RES
<222> (33)..(33)
<223> S or F
<220>
<221> MOD_RES
<222> (66)..(66)
<223> D or N
<220>
<221> MOD_RES
<222> (204)..(204)
<223> R or C
<400> 7
Met Thr His Gln Asn Ser Pro Leu Phe Leu Lys Ser Ala Leu Arg Leu
1 5 10 15
Tyr Asn Arg Ala Ser Phe Lys Ala Ser His Lys Val Ile Glu Glu Tyr
20 25 30
Xaa Thr Ser Phe Ser Leu Ser Thr Trp Leu Leu Ser Pro Arg Ile Arg
35 40 45
Asn Asp Ile Arg Asn Leu Tyr Ala Val Val Arg Ile Ala Asp Glu Ile
50 55 60
Val Xaa Gly Thr Ala His Ala Ala Gly Cys Ser Thr Ala Lys Ile Glu
65 70 75 80
Glu Ile Leu Asp Ala Tyr Glu Ile Ala Val Leu Ala Ala Pro Gln Gln
85 90 95
Arg Phe Asn Thr Asp Leu Val Leu Gln Ala Tyr Gly Glu Thr Ala Arg
100 105 110
Arg Cys Asp Phe Glu Gln Glu His Val Ile Ala Phe Phe Ala Ser Met
115 120 125
Arg Lys Asp Leu Lys Ala Asn Thr His Asp Pro Asp Ser Phe Thr Thr
130 135 140
Tyr Val Tyr Gly Ser Ala Glu Val Ile Gly Leu Leu Cys Leu Ser Val
145 150 155 160
Phe Asn Gln Gly Arg Thr Ile Ser Lys Lys Arg Leu Glu Ile Met Gln
165 170 175
Asn Gly Ala Arg Ser Leu Gly Ala Ala Phe Gln Lys Ile Asn Phe Leu
180 185 190
Arg Asp Leu Ala Glu Asp Gln Gln Asn Leu Gly Xaa Phe Tyr Phe Pro
195 200 205
Lys Thr Ser Gln Gly Thr Leu Thr Lys Glu Gln Lys Glu Asp Leu Ile
210 215 220
Ala Asp Ile Arg Gln Asp Leu Ala Ile Ala His Asp Ala Phe Pro Glu
225 230 235 240
Ile Pro Val Gln Ala Arg Ile Gly Val Ile Ser Ala Tyr Leu Leu Phe
245 250 255
Gln Lys Leu Thr Asp Arg Ile Glu Ala Thr Pro Thr Ala Asp Leu Leu
260 265 270
Arg Glu Arg Ile Arg Val Pro Leu His Ile Lys Leu Ser Thr Leu Ala
275 280 285
Arg Ala Thr Met Lys Gly Leu Ser Met Ser Ile Tyr Arg Lys Asn Ser
290 295 300
<210> 8
<211> 289
<212> PRT
<213> Microbacterium testaceum
<220>
<221> MOD_RES
<222> (27)..(27)
<223> S or F
<220>
<221> MOD_RES
<222> (60)..(60)
<223> D or N
<220>
<221> MOD_RES
<222> (199)..(199)
<223> R or C
<400> 8
Met Ser Val Gly Pro Thr Gly Leu Ala Leu Tyr Ser Arg Thr Ala Asp
1 5 10 15
Asp Ala Ala Ala Ala Val Ile His Arg Tyr Xaa Thr Ser Phe Gly Leu
20 25 30
Ala Ala Arg Leu Leu Gly Ala Arg Pro Arg Pro His Val Arg Asn Ile
35 40 45
Tyr Ala Leu Val Arg Val Ala Asp Glu Ile Val Xaa Gly Pro Ala His
50 55 60
Asp Ala Gly Leu Thr Pro Glu Arg Glu Arg Ala Val Leu Asn Ala Leu
65 70 75 80
Glu Asn Glu Val Met Asp Ala Ile Ala Thr Gly Phe Ser Ala Asn Leu
85 90 95
Val Val His Ala Phe Ala Arg Thr Ala Arg Glu Cys Gly Ile Asp Ala
100 105 110
Asp Leu Ile Ala Pro Phe Phe Ala Ser Met Arg Thr Asp Ile Asp Thr
115 120 125
Ala Glu His Asp Asp Leu Ser His Asp Ala Tyr Val Tyr Gly Ser Ala
130 135 140
Glu Val Val Gly Leu Met Cys Leu Gln Val Phe Leu Asn Ala Gly Met
145 150 155 160
Ser Ala Pro Ala Arg Pro Ala Ala Asp Leu Val Asp Gly Ala Arg Arg
165 170 175
Leu Gly Ala Ala Phe Gln Asp Val Asn Phe Leu Arg Asp Leu Ala Asp
180 185 190
Asp Ala Asp Arg Leu Gly Xaa Asp Tyr Leu Asp Gly Ala Ala Asp Asp
195 200 205
Asp Arg Arg Thr Ala Val Leu Asp Arg Ile Asp Ala Asp Leu Ala Ala
210 215 220
Ala Ala Ser Val Ile Pro His Leu Pro Pro Asp Cys Arg Ala Ala Val
225 230 235 240
Thr Ala Ala His Asp Leu Phe Ala Glu Leu Ser Arg Arg Leu Arg Leu
245 250 255
Ser Pro Ala Gly Ala Pro Arg Val Arg Val Pro Asp Gly Val Lys Ala
260 265 270
Thr Leu Ala Ala Arg Ala Leu Leu Gly Arg Pro Pro Lys Gly Pro Arg
275 280 285
Pro
<210> 9
<211> 298
<212> PRT
<213> Leifsonia xyli
<220>
<223> Subspecies xyli
<220>
<221> MOD_RES
<222> (35)..(35)
<223> S or F
<220>
<221> MOD_RES
<222> (68)..(68)
<223> D or N
<220>
<221> MOD_RES
<222> (206)..(206)
<223> R or C
<400> 9
Met Thr Arg Thr Glu Thr Ala Ala Ala Ala Gly Pro Pro Thr Asp Leu
1 5 10 15
Ala Leu Tyr Thr Arg Ala Ala His Glu Ser Ala Ala Thr Ile Ile His
20 25 30
Gln Tyr Xaa Thr Ser Phe Gly Met Val Thr Arg Leu Leu Ala Pro Arg
35 40 45
Val Arg Pro Arg Val Glu Asp Val Tyr Ala Leu Val Arg Ile Ala Asp
50 55 60
Glu Ile Val Xaa Gly Ala Ala Ala Glu Ala Gly Leu Asp Leu Ala Asp
65 70 75 80
Gln Arg Ala Leu Leu Asp Ala Leu Glu Ala Asp Thr Glu Arg Ala Met
85 90 95
Arg Thr Gly Tyr Ser Ala Asn Leu Val Val His Ser Phe Ala Ala Thr
100 105 110
Ala Arg Asp Ser Gly Ile Gly Val Ala Leu Thr Arg Pro Phe Phe Ala
115 120 125
Ser Met Arg Arg Asp Leu Ser Leu Val Asp Phe Thr Ala Asp Glu Leu
130 135 140
Arg Glu Tyr Val Tyr Gly Ser Ala Glu Val Val Gly Leu Met Cys Leu
145 150 155 160
Ala Val Phe Leu Thr Asp Ser Pro Val Ala Asp Asp Arg Arg Arg Arg
165 170 175
Leu Glu Ala Gly Ala Arg Arg Leu Gly Ala Ala Phe Gln Lys Ile Asn
180 185 190
Phe Leu Arg Asp Leu Ala Ala Asp Tyr Ala Gly Leu Gly Xaa Ser Tyr
195 200 205
Phe Pro Gly Ile Asp Pro Ala Arg Leu Thr Glu Arg Gln Lys Leu Ala
210 215 220
Leu Val Val Asp Ile Asp Gly Asp Leu Gly Ala Ala Ala Asp Ala Ile
225 230 235 240
Ala Glu Leu Pro Gly Asn Cys Arg Arg Ala Ile Val Ala Ala His Ala
245 250 255
Leu Phe Ser Glu Leu Ser Asp Arg Ile Arg Ala Thr Pro Ala Arg Asp
260 265 270
Leu Ile Val Arg Arg Val Ser Val Pro Met Arg Thr Lys Leu Ala Ile
275 280 285
Leu Leu Arg Ala Thr Ala Gly Ile Leu Arg
290 295
<210> 10
<211> 314
<212> PRT
<213> Arthrobacter arilaitensis
<220>
<221> MOD_RES
<222> (35)..(35)
<223> S or F
<220>
<221> MOD_RES
<222> (68)..(68)
<223> D or N
<220>
<221> MOD_RES
<222> (209)..(209)
<223> R or C
<400> 10
Met Thr Arg Glu Phe Ser Ser Thr Asp Thr Thr Gly Thr Ala Ala Leu
1 5 10 15
Glu His Tyr Ser Arg Ala Ala Ser Arg Ser Ala Arg Val Val Leu Gly
20 25 30
Glu Tyr Xaa Thr Ser Phe Ser Leu Ala Cys Arg Leu Leu Asp Ala Ser
35 40 45
Ser Ala Gly His Ile Ala Asn Ile Tyr Ala Leu Val Arg Leu Ala Asp
50 55 60
Glu Ile Val Xaa Gly Val Ala Phe Gln Ala Gly Leu Asp Asp Pro Ala
65 70 75 80
Ile Gly Ala Cys Leu Asp Glu Leu Glu Ala Glu Thr Leu Arg Ala Met
85 90 95
Asp Arg Gly Tyr Ser Thr Asn Met Val Val His Ala Phe Ala Ile Thr
100 105 110
Ala Arg Ala Thr Gly Ile Lys Ala Glu Leu Thr Thr Pro Phe Phe Ala
115 120 125
Ser Met Arg Ala Asp Leu Ser Thr Gly Glu His Asp Ala Arg Ser Leu
130 135 140
Gln Glu Tyr Ile Tyr Gly Ser Ala Glu Val Ile Gly Leu Met Cys Leu
145 150 155 160
Gln Val Phe Ala Ala Met Pro Gly Ala Pro Gln Leu Asn Arg Ala Glu
165 170 175
Glu Gln Arg Thr Lys Leu Ala Ala Arg Ser Leu Gly Ala Ala Phe Gln
180 185 190
Lys Val Asn Phe Leu Arg Asp Leu Ala Gln Asp Ser Gln Glu Leu Gly
195 200 205
Xaa Thr Tyr Phe Pro Gly Met Asp Pro Glu Gly Phe Asp Glu Gln Gly
210 215 220
Lys Ala Leu Leu Val Ala Gln Ile Asn Gln Asp Leu Ala Ala Ala Arg
225 230 235 240
Ala Gly Leu Pro Tyr Leu Ala Pro Gln Ala Ala Arg Ala Val Cys Leu
245 250 255
Ala His Asp Leu Phe Gln Glu Leu Asn Val Gln Leu Glu Lys Val Pro
260 265 270
Ala Ala Ala Leu Leu Arg Thr Arg Ile Ser Val Ser Ala Pro Arg Lys
275 280 285
Ala Met Ile Ala Leu Arg Val Leu Leu Gly Ala Gly Thr Pro Ser His
290 295 300
His Lys Leu Arg Met Glu Val Ser Ser Arg
305 310
<210> 11
<211> 303
<212> PRT
<213> Kocuria rhizophila
<220>
<221> MOD_RES
<222> (35)..(35)
<223> S or F
<220>
<221> MOD_RES
<222> (68)..(68)
<223> D or N
<220>
<221> MOD_RES
<222> (209)..(209)
<223> R or C
<400> 11
Met Arg Thr Pro Met Lys Leu Pro Ala Glu Arg Ala His Thr Pro Leu
1 5 10 15
Arg Leu Tyr Thr Gly Thr Ala Leu Ala Ser Ser Gly Val Val Ile Gly
20 25 30
Glu Tyr Xaa Thr Ser Phe Ser Leu Ala Cys Arg Thr Leu Pro Gly Pro
35 40 45
Val Arg Arg Asp Ile Ala Gly Ile Tyr Ala Leu Val Arg Val Ala Asp
50 55 60
Glu Ile Val Xaa Gly Thr Ala Arg Ala Ala Gly Leu Asp Asp Arg Ala
65 70 75 80
Val Arg Arg Ala Leu Asp Gly Tyr Glu Ala Ala Val Asp Arg Ala Leu
85 90 95
Glu Thr Gly Phe Ser Thr Asp Leu Val Val His Gly Phe Ala Asp Val
100 105 110
Ala Arg Arg His Gly Phe Gly Arg Glu Leu Thr Glu Pro Phe Phe Ala
115 120 125
Ser Met Arg Ala Asp Leu Glu Val Ala Glu His Asp Gly Ala Ser Leu
130 135 140
Glu Asp Tyr Ile Tyr Gly Ser Ala Glu Val Val Gly Leu Met Cys Leu
145 150 155 160
Glu Val Phe Thr Asp Met Pro Gly Thr Arg Ala Gln Thr Pro Glu Gln
165 170 175
Arg Glu Met Leu Arg Ser Thr Ala Arg Arg Leu Gly Ala Ala Phe Gln
180 185 190
Lys Val Asn Phe Leu Arg Asp Leu Gly Ala Asp His Asp Gln Leu Gly
195 200 205
Xaa Thr Tyr Leu Pro Gly Ala Asp Pro Ala His Leu Thr Glu Asp Arg
210 215 220
Lys Ala Ala Leu Leu Ala Asp Leu Asp Ala Asp Leu Asp Ala Ala Val
225 230 235 240
Pro Gly Ile Leu Ala Leu Asp Arg Arg Ala Arg Arg Ala Val Ser Met
245 250 255
Ala His Gly Leu Phe Thr Glu Leu Ala Arg Arg Ile Glu Arg Val Pro
260 265 270
Ala Arg Glu Leu Ser Thr Arg Arg Val Ser Val Pro Thr Ala Val Lys
275 280 285
Leu Gln Ile Ala Ala Arg Ala Ile Ala Asp Thr Glu Val Thr Ala
290 295 300
<210> 12
<211> 298
<212> PRT
<213> Micrococcus luteus
<220>
<221> MOD_RES
<222> (28)..(28)
<223> S or F
<220>
<221> MOD_RES
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<223> D or N
<220>
<221> MOD_RES
<222> (202)..(202)
<223> R or C
<400> 12
Met Ala Ala Pro Thr Pro Ser Pro Ala Ala Leu Tyr Thr Arg Thr Ala
1 5 10 15
His Thr Ala Ala Ala Gln Val Ile Arg Arg Tyr Xaa Thr Ser Phe Ser
20 25 30
Trp Ala Cys Arg Thr Leu Pro Arg Gln Ala Arg Gln Asp Val Ala Thr
35 40 45
Ile Tyr Ala Met Val Arg Val Ala Asp Glu Val Val Xaa Gly Val Ala
50 55 60
Val Ala Ala Gly Leu Asp Glu Ala Gly Val Arg Ala Ala Leu Asp Asp
65 70 75 80
Tyr Glu Arg Ala Cys Glu Ala Ala Met Ala Ser Gly Phe Ala Thr Asp
85 90 95
Pro Val Leu His Ala Phe Ala Asp Val Ala Arg Arg His Gly Ile Thr
100 105 110
Pro Glu Leu Thr Arg Pro Phe Phe Ala Ser Met Arg Ala Asp Leu Gly
115 120 125
Ile Arg Glu His Gly Ala Glu Ser Leu Asp Ala Tyr Ile His Gly Ser
130 135 140
Ala Glu Val Val Gly Leu Met Cys Leu Gln Val Phe Leu Ser Leu Pro
145 150 155 160
Gly Thr Arg Ala Arg Thr Pro Gly Gln Arg Gln Glu Leu Arg Ala Gln
165 170 175
Ala Ser Arg Leu Gly Ala Ala Phe Gln Lys Val Asn Phe Leu Arg Asp
180 185 190
Leu Ala Ala Asp His His Glu Leu Gly Xaa Thr Tyr Leu Pro Gly Ala
195 200 205
Ala Pro Gly Val Leu Thr Glu Ala Arg Lys Ala Glu Leu Val Ala Glu
210 215 220
Val Arg Ala Asp Leu Asp Ala Ala Leu Pro Gly Ile Arg Val Leu Asp
225 230 235 240
Pro Gly Ala Gly Arg Ala Val Ala Leu Ala His Gly Leu Phe Ala Ala
245 250 255
Leu Val Asp Arg Ile Glu Ala Thr Pro Ala Ala Glu Leu Ala His Arg
260 265 270
Arg Val Arg Val Pro Asp His Gln Lys Ala Arg Ile Ala Ala Arg Val
275 280 285
Leu Ala Arg Gly Arg Arg Gly Gly Arg Arg
290 295
<210> 13
<211> 287
<212> PRT
<213> Corynebacterium glutamicum
<220>
<221> MOD_RES
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<223> D or N
<220>
<221> MOD_RES
<222> (143)..(143)
<223> S or F
<400> 13
Met Met Glu Lys Ile Arg Leu Ile Leu Leu Ser Ser Arg Pro Ile Ser
1 5 10 15
Trp Ile Asn Thr Ala Tyr Pro Phe Gly Leu Ala Tyr Leu Leu Asn Ala
20 25 30
Gly Glu Ile Asp Trp Leu Phe Trp Leu Gly Ile Val Phe Phe Leu Ile
35 40 45
Pro Tyr Asn Ile Ala Met Tyr Gly Ile Asn Asp Val Phe Asp Tyr Glu
50 55 60
Ser Asp Met Arg Asn Pro Arg Lys Gly Gly Val Glu Gly Ala Val Leu
65 70 75 80
Pro Lys Ser Ser His Ser Thr Leu Leu Trp Ala Ser Ala Ile Ser Thr
85 90 95
Ile Pro Phe Leu Val Ile Leu Phe Ile Phe Gly Thr Trp Met Ser Ser
100 105 110
Leu Trp Leu Thr Leu Ser Val Leu Ala Val Ile Ala Tyr Ser Ala Pro
115 120 125
Lys Leu Arg Phe Lys Glu Arg Pro Phe Ile Xaa Ala Leu Thr Xaa Ser
130 135 140
Thr His Phe Thr Ser Pro Ala Leu Ile Gly Ala Thr Ile Thr Gly Thr
145 150 155 160
Ser Pro Ser Ala Ala Met Trp Ile Ala Leu Gly Ser Phe Phe Leu Trp
165 170 175
Gly Met Ala Ser Gln Ile Leu Gly Ala Val Gln Asp Val Asn Ala Asp
180 185 190
Arg Glu Ala Asn Leu Ser Ser Ile Ala Thr Val Ile Gly Ala Arg Gly
195 200 205
Ala Ile Arg Leu Ser Val Val Leu Tyr Leu Leu Ala Ala Val Leu Val
210 215 220
Thr Thr Leu Pro Asn Pro Ala Trp Ile Ile Gly Ile Ala Ile Leu Thr
225 230 235 240
Tyr Val Phe Asn Ala Ala Arg Phe Trp Asn Ile Thr Asp Ala Ser Cys
245 250 255
Glu Gln Ala Asn Arg Ser Trp Lys Val Phe Leu Trp Leu Asn Tyr Phe
260 265 270
Val Gly Ala Val Ile Thr Ile Leu Leu Ile Ala Ile His Gln Ile
275 280 285
<210> 14
<211> 287
<212> PRT
<213> Arthrobacter arilaitensis
<220>
<221> MOD_RES
<222> (136)..(136)
<223> D or N
<220>
<221> MOD_RES
<222> (140)..(140)
<223> S or F
<400> 14
Met Ile Arg Gly Ile Val Ala Ser Ser Arg Pro Ile Ser Trp Val Asn
1 5 10 15
Thr Ala Tyr Pro Phe Ala Ala Ala Tyr Leu Leu Ala Gly Gly Gly Val
20 25 30
Asp Trp Lys Phe Ile Leu Gly Thr Val Phe Phe Leu Phe Pro Tyr Asn
35 40 45
Leu Leu Met Tyr Gly Val Asn Asp Val Phe Asp Tyr Glu Ser Asp Met
50 55 60
Arg Asn Pro Arg Lys Gly Gly Ile Glu Gly Ala Val Leu Ser Lys Gln
65 70 75 80
Ser His Lys Ala Leu Leu Ile Ala Cys Thr Val Cys Ser Leu Pro Phe
85 90 95
Leu Ile Val Leu Ala Ala Gly Gly Asp Ala Ala Ser Asn Ile Thr Leu
100 105 110
Ala Val Ser Ile Phe Ala Val Leu Ala Tyr Ser Ala Pro Arg Leu Arg
115 120 125
Phe Lys Glu Arg Pro Gly Leu Xaa Ser Leu Thr Xaa Ala Val His Phe
130 135 140
Val Ser Pro Ala Val Tyr Gly Trp Val Leu Ala Gly Ser Ala Val Gln
145 150 155 160
Ala Glu Gln Trp Met Val Phe Leu Ala Phe Leu Leu Trp Gly Met Ala
165 170 175
Ser His Ala Leu Gly Ala Ile Gln Asp Ile Ile Pro Asp Arg Gln Gly
180 185 190
Gly Leu Gly Ser Ile Ala Thr Val Leu Ser Ala Arg Lys Thr Ile Tyr
195 200 205
Leu Val Leu Ala Cys Tyr Leu Leu Ala Gly Gly Leu Val Ala Val Gly
210 215 220
Val Ser Gly Ile Gly Arg Trp Ala Ala Val Leu Ser Leu Pro Tyr Val
225 230 235 240
Leu Asn Val Leu Pro His Leu Gly Ile Ser Asp Ala Ser Ser Gly Thr
245 250 255
Val Asn Arg Gly Trp Lys Arg Phe Leu Trp Ile Asn Tyr Leu Cys Gly
260 265 270
Phe Leu Leu Thr Met Leu Leu Ile Phe Ser Ala Phe Phe Thr Tyr
275 280 285
<210> 15
<211> 298
<212> PRT
<213> Kocuria rhizophila
<220>
<221> MOD_RES
<222> (147)..(147)
<223> D or N
<220>
<221> MOD_RES
<222> (151)..(151)
<223> S or F
<400> 15
Met Pro Arg Arg Glu Val Asp Val Leu Thr Arg Leu Phe Trp Ala Ser
1 5 10 15
Arg Pro Leu Ser Trp Val Asn Thr Ala Tyr Pro Phe Thr Ala Ala Val
20 25 30
Leu Leu Thr Gly Gly Leu Pro Trp Trp Leu Val Val Leu Gly Thr Val
35 40 45
Phe Phe Leu Val Pro Tyr Asn Leu Ala Met Tyr Gly Ile Asn Asp Val
50 55 60
Phe Asp Tyr Glu Ser Asp Leu Arg Asn Pro Arg Lys Gly Gly Val Glu
65 70 75 80
Gly Ala Val Val Asp Arg Ala Ala Gln Arg Pro Val Leu Leu Ala Ser
85 90 95
Cys Leu Val Pro Ala Pro Phe Val Leu Val Leu Gly Gly Tyr Ala Val
100 105 110
Val Thr Gly Asn Trp Val Ser Ile Ala Val Leu Ala Val Ser Leu Phe
115 120 125
Ala Val Val Ala Tyr Ser Trp Ala Gly Leu Arg Phe Lys Glu Arg Pro
130 135 140
Phe Val Xaa Ala Met Thr Xaa Ala Thr His Phe Val Ser Pro Ala Val
145 150 155 160
Tyr Gly Leu Thr Leu Ala Gly Ala Thr Phe Thr Pro Gly Leu Trp Ala
165 170 175
Leu Leu Ile Gly Phe Phe Leu Trp Gly Met Ala Ser Gln Met Phe Gly
180 185 190
Ala Val Gln Asp Val Val Pro Asp Arg Glu Gly Gly Leu Ala Ser Val
195 200 205
Ala Thr Val Leu Gly Ala Arg Pro Thr Val Trp Val Ala Ala Leu Leu
210 215 220
Tyr Ala Leu Ala Gly Gly Leu Met Val Phe Thr Glu Trp Pro Gly Gln
225 230 235 240
Leu Ala Ala Leu Leu Ala Val Pro Tyr Leu Leu Asn Val Leu Arg Phe
245 250 255
Ser Gly Val Thr Asp Thr Asp Ser Gly Arg Ala Asn Ala Gly Trp Lys
260 265 270
Thr Phe Leu Trp Leu Asn Tyr Leu Thr Gly Phe Leu Val Thr Met Leu
275 280 285
Leu Ile Trp Trp Ala Ala Met Arg Pro Val
290 295
<210> 16
<211> 294
<212> PRT
<213> Micrococcus luteus
<220>
<221> MOD_RES
<222> (141)..(141)
<223> D or N
<220>
<221> MOD_RES
<222> (145)..(145)
<223> S or F
<400> 16
Met Ile Arg Thr Leu Phe Trp Val Ser Arg Pro Val Ser Trp Val Asn
1 5 10 15
Thr Ala Tyr Pro Phe Ala Ala Ala Ala Ile Leu Thr Gly Gly Leu Pro
20 25 30
Ala Trp Leu Val Val Leu Gly Val Val Phe Phe Leu Val Pro Tyr Asn
35 40 45
Leu Ala Met Tyr Gly Ile Asn Asp Val Phe Asp Phe Ala Ser Asp Leu
50 55 60
Arg Asn Pro Arg Lys Gly Gly Val Glu Gly Ser Val Leu Gly Asp Pro
65 70 75 80
Ala Val Arg Arg Arg Val Leu Ala Trp Ser Val Leu Leu Pro Val Pro
85 90 95
Phe Val Ala Val Leu Ala Gly Trp Ser Ala Val Arg Gly Glu Trp Ala
100 105 110
Ala Val Leu Val Leu Ala Val Ser Leu Phe Ala Val Val Ala Tyr Ser
115 120 125
Trp Ala Gly Leu Arg Phe Lys Glu Arg Pro Phe Leu Xaa Ala Ala Thr
130 135 140
Xaa Ala Thr His Phe Val Ser Pro Ala Val Tyr Gly Leu Ala Leu Ala
145 150 155 160
Gly Ala Thr Pro Thr Pro Ala Leu Ala Ala Leu Leu Gly Ala Phe Phe
165 170 175
Leu Trp Gly Met Ala Ser Gln Met Phe Gly Ala Val Gln Asp Val Val
180 185 190
Pro Asp Arg Glu Gly Gly Leu Ala Ser Val Ala Thr Val Leu Gly Ala
195 200 205
Arg Arg Thr Val Leu Leu Ala Ala Gly Leu Tyr Ala Ala Ala Gly Leu
210 215 220
Leu Leu Leu Ala Thr Asp Pro Pro Gly Pro Leu Ala Ala Leu Leu Ala
225 230 235 240
Val Pro Tyr Val Val Asn Thr Leu Arg Phe Arg Arg Ile Thr Asp Ala
245 250 255
Thr Ser Gly Ala Ala His Arg Gly Trp Gln Leu Phe Leu Pro Leu Asn
260 265 270
Tyr Val Thr Gly Phe Leu Val Thr Leu Leu Leu Ile Gly Trp Ala Leu
275 280 285
Thr Arg Gly Ala Ala Ala
290
<210> 17
<211> 297
<212> PRT
<213> Microbacterium testaceum
<220>
<221> MOD_RES
<222> (147)..(147)
<223> D or N
<220>
<221> MOD_RES
<222> (151)..(151)
<223> S or F
<400> 17
Met Thr Ala Pro Ala Ala Leu Thr Pro Gly Arg Val Leu Arg Glu Leu
1 5 10 15
Phe Val Ser Ser Arg Pro Val Ser Trp Ile Asn Thr Ala Phe Pro Phe
20 25 30
Ala Ala Ala Tyr Leu Leu Thr Thr Arg Gln Ile Asp Ala Thr Leu Ile
35 40 45
Val Gly Ile Leu Phe Phe Leu Val Pro Tyr Asn Leu Ala Met Tyr Gly
50 55 60
Val Asn Asp Val Phe Asp Tyr Glu Ser Asp Leu Arg Asn Pro Arg Lys
65 70 75 80
Gly Gly Thr His Gly Ala Val Leu Asp Lys Arg Met His Pro Ile Thr
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Leu Trp Ala Ser Val Leu Ser Cys Leu Pro Phe Val Val Tyr Leu Val
100 105 110
Val Val Gly Ser Pro Leu Ser Trp Leu Val Leu Ala Leu Ser Leu Phe
115 120 125
Phe Val Val Phe Tyr Ser Ala Pro Pro Leu Arg Leu Lys Glu Arg Pro
130 135 140
Phe Ala Xaa Ser Val Thr Xaa Ser Ile His Phe Phe Ser Pro Ala Val
145 150 155 160
Tyr Gly Leu Val Leu Ala Gly Ala Val Trp Thr Trp Gln Leu Val Phe
165 170 175
Val Phe Val Ala Phe Ala Leu Trp Gly Ile Ala Ser His Ala Phe Gly
180 185 190
Ala Val Gln Asp Val Glu Ala Asp Arg Ala Ala Asp Ile Ser Ser Ile
195 200 205
Ala Thr Ala Arg Gly Ala Arg Trp Thr Val Arg Phe Ala Leu Val Ala
210 215 220
Tyr Ala Leu Ala Gly Val Ala Met Leu Phe Thr Ala Trp Pro Gly Pro
225 230 235 240
Leu Ala Gly Val Leu Val Ile Pro Tyr Leu Val Val Cys Trp Pro Tyr
245 250 255
Arg Asn Val Thr Asp Ala Glu Ser Asp Arg Ala Thr Ala Gly Trp Asn
260 265 270
Arg Phe Leu Trp Leu Asn Gln Ile Ala Gly Phe Gly Thr Thr Met Leu
275 280 285
Leu Ile Trp Trp Trp Leu Leu Thr Ala
290 295
<210> 18
<211> 298
<212> PRT
<213> Clavibacter michiganensis
<220>
<221> MOD_RES
<222> (148)..(148)
<223> D or N
<220>
<221> MOD_RES
<222> (152)..(152)
<223> S or F
<400> 18
Met Ser Asp Val Arg Ala Arg Pro Gly Ala Ala Glu Met Leu Arg Thr
1 5 10 15
Val Ala Leu Ser Ser Arg Pro Leu Ser Trp Val Asn Thr Ala Phe Pro
20 25 30
Phe Ala Ala Ala Tyr Leu Thr Val Thr Arg Glu Leu Asp Leu Thr Ala
35 40 45
Val Leu Gly Thr Leu Tyr Phe Leu Ile Pro Tyr Asn Leu Ala Met Tyr
50 55 60
Gly Ile Asn Asp Val Phe Asp Tyr Glu Ser Asp Met Arg Asn Pro Arg
65 70 75 80
Lys Gly Gly Val Glu Gly Ala Val Leu Ala Arg Ala Met His Arg Pro
85 90 95
Val Leu Leu Ala Val Leu Val Thr Asn Val Pro Phe Leu Val Tyr Leu
100 105 110
Val Ile Val Gly Ser Ala Ala Ser Ile Ala Val Leu Ala Val Ser Val
115 120 125
Phe Ala Val Ile Ala Tyr Ser Leu Lys Gly Leu Arg Phe Lys Glu Arg
130 135 140
Pro Val Leu Xaa Ser Leu Thr Xaa Ser Thr His Phe Thr Ser Pro Ala
145 150 155 160
Val Tyr Gly Ile Val Leu Ala Gly Gly Ala Phe Thr Pro Ala Leu Trp
165 170 175
Ala Ile Leu Ala Ala Phe Phe Leu Trp Gly Val Ala Ser His Ala Phe
180 185 190
Gly Ala Val Gln Asp Ile Val Ala Asp Arg Glu Gly Gly Ile Ser Ser
195 200 205
Ile Ala Thr Val Leu Gly Gly Ala Val Thr Val Arg Ile Ala Val Leu
210 215 220
Ala Tyr Ala Ala Ala Gly Val Ala Met Leu Phe Thr Gly Leu Pro Gly
225 230 235 240
Ile Ile Ala Ala Val Leu Val Ile Pro Tyr Ile Leu Ser Thr Ala Pro
245 250 255
Phe Trp Ser Ile Arg Asp Glu Asp Ala Gly Ala Ala Asn Arg Gly Trp
260 265 270
Arg Arg Phe Leu Gly Leu Asn Phe Leu Ser Gly Phe Val Val Thr Met
275 280 285
Leu Leu Ile Ala Tyr Trp Leu Thr Thr Ala
290 295
<210> 19
<211> 291
<212> PRT
<213> Leifsonia xyli
<220>
<221> MOD_RES
<222> (143)..(143)
<223> D or N
<220>
<221> MOD_RES
<222> (147)..(147)
<223> S or F
<400> 19
Met Ile Val Thr Ala Pro Pro Leu Phe Arg Gln Leu Phe Leu Ala Ser
1 5 10 15
Arg Pro Leu Ser Trp Ile Asn Thr Ala Tyr Pro Phe Ala Ala Ala Tyr
20 25 30
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