(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110017
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】遺伝子型決定アッセイにおける一意でないバーコード
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/6869 20180101AFI20230801BHJP
C40B 40/06 20060101ALI20230801BHJP
C12Q 1/6886 20180101ALI20230801BHJP
【FI】
C12Q1/6869 Z
C40B40/06 ZNA
C12Q1/6886 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090732
(22)【出願日】2023-06-01
(62)【分割の表示】P 2019546783の分割
【原出願日】2017-11-14
(31)【優先権主張番号】62/422,355
(32)【優先日】2016-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】519171435
【氏名又は名称】パーソナル ゲノム ダイアグノスティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ザウゼン マーク
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルクレスク ヴィクトル
(72)【発明者】
【氏名】ディアス ルイス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】単一試料から多くの領域を高精度かつ正確に調べるとともに、配列変異および構造変化を含むがん関連ゲノム変化の複数の形態を評価するctDNAアッセイを提供する。
【解決手段】内因性バーコードと組み合わせた一意でないバーコードの限られたプールを使用してがん遺伝子を分析することによって高い感度および特異性を達成する、単純であるがロバストな方法を提供する。試料を採取し、カバー率の高い次世代配列決定を使用して配列決定して、腫瘍特異的な体細胞変異、増幅、および転座を同定することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む、核酸断片を含む試料における遺伝子バリアントを検出する方法:
複数のセットの一意でない外因性バーコード配列を試料中の核酸断片に導入ことによって、バーコード化された核酸断片のライブラリーを作製する工程であって、該核酸断片が、核酸の断片化から生じる末端配列である内因性バーコード配列を含む、工程;
ハイブリッド捕捉プローブを使用して関心対象のバーコード化された核酸断片を捕捉する工程;
配列リードを生成するために、該捕捉された核酸断片を配列決定する工程であって、該捕捉された核酸断片の断片末端のゲノム位置が、該内因性バーコード配列によって同定される、工程;
該配列リードを整列させる工程;および
一意でない外因性バーコード配列と断片末端のゲノム位置との組み合わせによって決定される、該試料中の遺伝子バリアントを同定する、工程。
【請求項2】
同定された遺伝子バリアントが、腫瘍特異的な体細胞変異、増幅、および転座から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ハイブリッド捕捉が、十分に特徴付けられたがん遺伝子パネルを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記がん遺伝子が、ABL1、AKT1、ALK、APC、AR、ATM、BCR、BRAF、CDH1、CDK4、CDK6、CDKN2A、CSF1R、CTNNB1、DNMT3A、EGFR、ERBB2、ERBB4、ESR1、EZH2、FBXW7、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FLT3、GNA11、GNAQ、GNAS、HNF1A、HRAS、IDH1、IDH2、JAK2、JAK3、KDR、KIT、KRAS、MAP2K1、MET、MLH1、MPL、MYC、NPM1、NRAS、NTRK1、PDGFRA、PDGFRB、PIK3CA、PIK3R1、PTEN、PTPN11、RARA、RB1、RET、ROS1、SMAD4、SMARCB1、SMO、SRC、STK11、TERT、TP53、および/またはVHLから選択される、請求項3記載の方法。
【請求項5】
配列決定する工程が、シングルエンドまたはペアエンド配列決定を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
核酸が、無細胞DNA、循環腫瘍DNA、腫瘍由来DNA、またはRNAを含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
試料が血漿から得られる、請求項1記載の方法。
【請求項8】
複数のセットの一意でない外因性バーコード配列が、20セット以下の一意でない外因性バーコード配列からなる、請求項1記載の方法。
【請求項9】
複数のセットの一意でない外因性バーコード配列が、10セット以下の一意でない外因性バーコード配列からなる、請求項1記載の方法。
【請求項10】
複数のセットの一意でない外因性バーコード配列が、8セットの一意でない外因性バーコード配列からなる、請求項1記載の方法。
【請求項11】
配列決定する工程が、重複配列リードを生成するために、重複配列決定することを含み、かつ整列させる工程が、コンセンサス配列を決定するために、重複配列リードを整列させることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
バリアントが、所定のパーセンテージの重複配列リードにわたって同一である一意でない外因性バーコード配列、および所定のパーセンテージの重複配列リードにわたって同一である断片末端のゲノム位置を使用することに基づいて、試料中で検出される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
重複配列決定が、2倍、10倍、50倍、または100倍の深度で行われる、請求項12記載の方法。
【請求項14】
所定のパーセンテージが、80%、90%、または99%である、請求項12記載の方法。
【請求項15】
所定のパーセンテージが、90%である、請求項14記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられる、2016年11月15日に出願された米国仮特許出願第62/422,355号の恩典および優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は概して、腫瘍特異的バイオマーカーについて核酸を分析するためのバーコード法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
がんは、米国のみでも毎年50万人を超える死者を出している。現在の処置の成功は、がんの種類および発見されるステージに左右される。多くの処置は、費用がかさみ痛みを伴う外科手術および化学療法を含み、多くの場合失敗する。
【0004】
効果的ながん治療には、変異の早期かつ正確な検出が不可欠である。個別化がん治療における1つの有望な分野は、循環腫瘍DNA(ctDNA)の分析である。ctDNAは、腫瘍組織から血液中に放出され、腫瘍特異的な遺伝子変化を有し、かつ非侵襲的液体生検アプローチによって分析してがん患者における遺伝子変化を同定することができる。液体生検は、侵襲的処置の必要性を排除し、治療反応の早期測定を可能にし、かつ治療過程にわたって複数の転移性病変における変化の検出を可能にし得るため、かなりの利点を提供する。
【0005】
しかしながら、血中のctDNAを調べることは、遺伝子型決定技術における現在の制限により問題があるとされてきた。血液試料から得られたctDNAの割合は、多くの場合、非常に低く(<1.0%)、検出が困難であり得る。ctDNAを評価するためのほとんどの方法は、単一のホットスポット変異またはごくわずかな遺伝子変化を調べる。無細胞DNAにおける従来の遺伝子型決定は、約1%のエラー率を有し、このことが、従来の分子バーコード技術を用いて試料中の<1%の有病率で変異を同定することを困難にするか、または不可能にしている。現在の方法は、十分な分析感度および特異性を提供しない。
【発明の概要】
【0006】
概要
本開示は、単一試料から多くのゲノム領域を高精度かつ正確に調べるとともに、配列変異および構造変化を含むがん関連ゲノム変化の複数の形態を評価するctDNAアッセイに関する。本開示は、内因性バーコードと組み合わせた一意でないバーコード(non-unique barcode)の限られたプールを使用してがん遺伝子を分析することによって高い感度および特異性を達成する、単純であるがロバストな方法を提供する。試料を採取し、カバー率の高い次世代配列決定を使用して配列決定して、腫瘍特異的な体細胞変異および転座を同定することができる。配列の変異または再編成についての分析を、関心対象の特異的変化によって一緒にまたは別々に実施することができる。開示される方法は、診断目的、法医学的目的、系統学的目的、および臨床目的のための配列決定の感度および特異性の向上を提供する。
【0007】
開示される方法は、例えばある液体生検材料において、少量の試料DNAに適応するのに特に適している。液体生検は、循環腫瘍DNAについて血中のDNAを評価する。循環腫瘍DNA(ctDNA)は、腫瘍細胞のアポトーシスを介して血流に入る可能性があり、検出された場合、従来の侵襲的生検手順を必要とすることなく、診断、遺伝子型判定、および疾患モニタリングを可能にする。しかしながら、ctDNAレベルは、特に早期の腫瘍では一般的にかなり低く、このことが、検出および分析においてctDNAに依存することを困難にしている。本発明は、限られた量のDNA鋳型を含む試料中のまれな変異を同定するための方法に関する問題に対処する。本発明の方法は、超並列シークエンシング装置に固有のエラー率の影響を軽減する。本開示の方法なしでは、それらの装置に固有のエラー率は一般に、ほとんどの試料における稀な変異を同定するには高すぎる。
【0008】
方法は、血漿試料から無細胞DNAを抽出および単離すること、ならびに各断片に外因性バーコードを割り当ててDNAライブラリーを作製することを含み得る。外因性バーコードは、一意でないバーコードの限られたプール、例えば8種類のバーコードからのものである。バーコード化断片を、それらの外因性バーコードと、各無細胞DNA分子の断片末端のゲノム位置から得られる内因性バーコードとの組み合わせに基づいて区別する。DNAライブラリーを重複して配列決定し、バーコードが一致する配列を調整する。調整した配列を、ヒトゲノム参照に整列させ、整列した配列中に存在するバリアントを本物の変異として同定する。
【0009】
本発明は、完全に一意なバーコード配列が不要であることを認識している。代わりに、一意でない配列の所定のセットと内因性バーコードとの組み合わせは、一意なバーコードが生物学的に適切なDNA量で可能であるのと同じレベルの、感度および特異性を提供することができる。バーコードの限られたプールは、従来の一意なセットよりもロバストであり、かつより容易に作製および使用することができる。本方法は、例えば、十分に特徴付けられたがん遺伝子パネルをアッセイするために使用することができる。本方法はまた、腫瘍組織におけるサブクローン変異を評価するためにも使用することができる。
【0010】
本発明の局面は、核酸を分析するための方法に関する。核酸は、無細胞DNA、循環腫瘍DNA、またはRNAであり得る。本方法は、核酸断片を含む試料を得る工程、ゲノムライブラリーを作製するために、一意でないバーコードのセットを断片に導入する工程、断片の末端部分を同定する工程、配列リードを作製するために、断片を配列決定する工程、および、変異を同定するために、配列リードを整列させる工程を含む。
【0011】
得る工程は、血漿試料を得ること、核酸を抽出すること、および核酸を断片化することを含み得る。一意でないバーコードのセットを導入する工程は、末端修復、Aテーリング、およびアダプター連結を含み得る。いくつかの態様では、一意でないバーコードのセットは、一意でないバーコードの8つのセットからなる。バーコードは、配列決定アダプターを含み得る。
【0012】
末端部分を同定する工程は、ハイブリッド捕捉または全ゲノム配列決定を含み得る。DNA断片の末端部分は内因性バーコードを含み得る。ハイブリッド捕捉は、例えば、ABL1、AKT1、ALK、APC、AR、ATM、BCR、BRAF、CDH1、CDK4、CDK6、CDKN2A、CSF1R、CTNNB1、DNMT3A、EGFR、ERBB2、ERBB4、ESR1、EZH2、FBXW7、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FLT3、GNA11、GNAQ、GNAS、HNF1A、HRAS、IDH1、IDH2、JAK2、JAK3、KDR、KIT、KRAS、MAP2K1、MET、MLH1、MPL、MYC、NPM1、NRAS、NTRK1、PDGFRA、PDGFRB、PIK3CA、PIK3R1、PTEN、PTPN11、RARA、RB1、RET、ROS1、SMAD4、SMARCB1、SMO、SRC、STK11、TERT、TP53、および/またはVHLを含む、十分に特徴付けられたがん遺伝子パネルを含み得る。
【0013】
配列決定する工程は、シングルエンドまたはペアエンド配列決定することを含み得る。配列決定する工程は、重複配列決定すること、および重複配列リードを使用してコンセンサス配列を決定することを含み得る。重複配列決定は、2倍、10倍、50倍、または100倍などの深度で行うことができる。整列させる工程は、バーコード化断片の遺伝子座が、例えば50%、60%、70%、80%、90%、または99%などの所定のパーセンテージの重複配列リードにわたって同一であるかどうかを判定することを含み得る。
【0014】
関連する局面では、本発明は、分子をバーコード化するための方法を含み、この方法は、核酸断片を含む試料を得る工程、一意でないバーコードの複数のセットを提供する工程、および、ゲノムライブラリーを作製するために、核酸断片をバーコードでタグ付けする工程を含み、各核酸断片は、ゲノムライブラリー中の別の異なる核酸断片と同じバーコードでタグ付けされる。
【0015】
態様では、前記複数のセットは、20個以下の一意なバーコードに制限される。他の態様では、前記複数のセットは、10個以下の一意なバーコードに制限される。
【0016】
本方法は、以下の工程のうちの1つまたは複数をさらに含み得る:断片の末端部分を同定する工程;各核酸断片の複数の重複配列リードを作製するために、ゲノムライブラリーを重複して配列決定する工程;同様にタグ付けされた核酸断片の重複配列リードを調整する工程;および、コンセンサス配列を決定するために、調整した配列リードを参照に整列させる工程。
[本発明1001]
核酸断片を含む試料を得る工程;
ゲノムライブラリーを作製するために、一意でないバーコードのセットを該断片に導入する工程;
配列リードを生成するために、該断片を配列決定する工程;
該配列リードを整列させる工程;
断片末端のゲノム位置を同定する工程;および
一意でないバーコードと断片末端のゲノム位置との組み合わせによって測定される、複数の分子中に存在する変異を同定する工程
を含む、核酸を分析するための方法。
[本発明1002]
前記得る工程が、血漿試料を得ることおよび核酸を抽出することを含む、本発明1001の方法。
[本発明1003]
一意でないバーコードのセットを導入する工程が、末端修復、Aテーリング、およびアダプター連結を含む、本発明1001の方法。
[本発明1004]
前記一意でないバーコードのセットが、8セットの一意でないバーコードからなる、本発明1001の方法。
[本発明1005]
断片末端のゲノム位置を同定する工程が、ハイブリッド捕捉または全ゲノムの配列決定を含む、本発明1001の方法。
[本発明1006]
断片末端のゲノム位置が内因性バーコードを含む、本発明1001の方法。
[本発明1007]
ハイブリッド捕捉が、十分に特徴付けられたがん遺伝子パネルを含む、本発明1005の方法。
[本発明1008]
前記がん遺伝子が、ABL1、AKT1、ALK、APC、AR、ATM、BCR、BRAF、CDH1、CDK4、CDK6、CDKN2A、CSF1R、CTNNB1、DNMT3A、EGFR、ERBB2、ERBB4、ESR1、EZH2、FBXW7、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FLT3、GNA11、GNAQ、GNAS、HNF1A、HRAS、IDH1、IDH2、JAK2、JAK3、KDR、KIT、KRAS、MAP2K1、MET、MLH1、MPL、MYC、NPM1、NRAS、NTRK1、PDGFRA、PDGFRB、PIK3CA、PIK3R1、PTEN、PTPN11、RARA、RB1、RET、ROS1、SMAD4、SMARCB1、SMO、SRC、STK11、TERT、TP53、およびVHLを含む、本発明1007の方法。
[本発明1009]
配列決定する工程が、シングルエンドまたはペアエンド配列決定を含む、本発明1001の方法。
[本発明1010]
配列決定する工程が重複配列決定を含む、本発明1001の方法。
[本発明1011]
重複配列リードを使用してコンセンサス配列を決定することをさらに含む、本発明1010の方法。
[本発明1012]
重複配列決定を10倍の深度で行う、本発明1010の方法。
[本発明1013]
DNA分子中で検出される変異が、該DNA分子についての所定のパーセンテージの重複配列リードにわたって同一である一意でないバーコード、および該DNA分子についての所定のパーセンテージの重複配列リードにわたって同一である断片末端のゲノム位置を使用することに基づいている、本発明1001の方法。
[本発明1014]
前記所定のパーセンテージが90%である、本発明1013の方法。
[本発明1015]
核酸が、無細胞DNA、循環腫瘍DNA、腫瘍由来DNA、またはRNAを含む、本発明1001の方法。
[本発明1016]
前記バーコードが配列決定アダプターを含む、本発明1001の方法。
[本発明1017]
核酸断片を含む試料を得る工程;
一意でないバーコードの複数のセットを提供する工程;および
ゲノムライブラリーを作製するために、該核酸断片をバーコードでタグ付けする工程、
を含み、
各核酸断片が、ゲノムライブラリーにおける別の異なる核酸断片として同じバーコードでタグ付けされる、分子をバーコード化するための方法。
[本発明1018]
前記複数のセットが、20個以下の一意のバーコードから構成される、本発明1017の方法。
[本発明1019]
前記複数のセットが、10個以下の一意のバーコードから構成される、本発明1017の方法。
[本発明1020]
断片末端のゲノム位置を同定する工程をさらに含む、本発明1017の方法。
[本発明1021]
各核酸断片の複数の重複配列リードを生成するために、前記ゲノムライブラリーを重複配列決定する工程をさらに含む、本発明1017の方法。
[本発明1022]
同様にタグ付けされた核酸断片の重複配列リードを調整する工程をさらに含む、本発明1021の方法。
[本発明1023]
コンセンサス配列を決定するために、前記調整された配列リードを参照に整列させる工程をさらに含む、本発明1022の方法。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】内因性バーコードと組み合わせて一意でないバーコードを使用する、遺伝子型を決定する方法を示す。
【
図3】本発明とともに使用するための十分に特徴付けられたがん遺伝子パネルを示す。
【
図4】本発明とともに使用するための十分に特徴付けられたがん遺伝子パネルを示す。
【
図5】遺伝子型決定の方法のフローチャートを示す。
【
図6】観察された全がん細胞株(pan-cancer cell line)の配列変異および予想された変異体対立遺伝子頻度の結果を示す。
【
図7】観察された内部対照乳がん細胞株および予想された変異体対立遺伝子頻度結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
詳細な説明
循環腫瘍DNA(ctDNA)のハイスループット配列決定は、がんの診断および処置を個別化することを約束し、そして多くの侵襲的生検手順の必要性を排除する。しかしながら、血中の無細胞DNA(cfDNA)が少量であることおよび配列決定技術の限界が課題である。配列決定アーチファクトの発生は、ctDNAの液体生検材料を含むアッセイの感度を制限する。たとえば、Illuminaシークエンシングは最大1%のエラー率を有する。エラーは、鋳型の調製中、ライブラリーの調製中、および配列決定における塩基の割り当て(ベースコール)の誤りから生じる。それらのエラーは、低頻度の変異を探すときに特に問題となる。本明細書に開示される方法は、それらおよび他の問題に対処する。
【0019】
本発明の方法は、遺伝子バリアントについての高い感度および特異性を有するがん遺伝子パネルのハイスループットプロファイリングを提供する。本方法は、研究目的および臨床目的の両方のために、非侵襲的遺伝子型決定およびctDNAの検出を提供する。本発明は、遺伝子型決定アッセイにおいて高い感度および特異性を提供するために、標的核酸の内因性バーコードとともに一意でないバーコードを利用する。本方法は、ctDNAなどの少量の試料DNAに有用である。
【0020】
cfDNAのインプット分子(すなわち、ゲノム等価物)の数は、通常は血漿では非常に少なく、このことがctDNAの回収を困難にする。ライブラリーの調製および配列決定は、まれな変異を調べる際に重大な妨げとなるエラーを引き起こす。本発明の方法は、cfDNAにおいて高い検出限界(0.05~0.1%という低さ)を達成し、かつ従来の方法では検出されなかったであろう多くの悪性腫瘍における変異を発見することができる。これらの方法は、低頻度対立遺伝子を検出する感度および特異性を向上させる。本発明は、一意でないバーコードとDNA分子の分子末端との組み合わせを用いて高レベルの感度および特異性でDNAを識別できることを認識している。
【0021】
本方法は一般に、cfDNA断片を、一意でないバーコードのプールでタグ付けすること、およびペアエンド配列決定をして外因性バーコードおよび断片特異的内因性バーコードを同定することを含む。従来のほとんどのバーコード法は、PCRベースであるが、本開示の方法は、内因性バーコードの上に重ねられた、バーコードの限られた所定のセットを用いる捕捉ベースのアプローチを使用する。捕捉ベースのアプローチは、ゲノムのライブラリーを作製すること、および特定の領域を捕捉することを含む。そのようなアプローチは、拡張性、柔軟性、およびカバー率の均一性の向上により、PCRベースの方法よりも優れている。捕捉ベースの方法は、高い感度および特異性で何千ものゲノム位置を同時に調べることができる。この方法では、断片の各末端を配列決定して、外因性バーコードと組み合わせられた、断片末端の内因性バーコード配列を識別する。外因性バーコードのプールをDNA断片のマッピング位置と組み合わせることにより、十分な感度および特異性で断片を同定するために必要とされるすべての複雑さを提供する。
【0022】
例えば、断片のいずれかの末端に100種類の内因性バーコード(これらは、ランダム剪断、エキソヌクレアーゼ消化、または無細胞DNAとともに存在し得る天然の断片化によって生成することができる)が存在する場合、10,000種類の分子を、ペアエンド配列決定を用いて評価することができる。したがって、例えば、8個の一意でないバーコードのプールを割り当てると、80,000の組み合わせが得られるであろう。そのようなアッセイは、0.1~0.05%の範囲の変異を同定することができる。そのレベルの感度を必要とするアッセイでは、本開示は、一意でないバーコードの限られたセットがそのようなアッセイに必要とされるすべての多様性を提供することを示す。本発明によると、従来のより複雑なバーコード化スキームに匹敵するレベルの感度を達成するとともに、コストおよび複雑さを大幅に軽減したロバストなアッセイを提供するために、一意でない外因性バーコードの小さなプールを内因性の末端領域の上に重ねることができる。これらの数字は単なる例であり、特定のアッセイに適するように必要に応じて増減することができる。
【0023】
配列決定は、2倍、10倍、50倍、100倍、1,000倍、10,000倍、または50,000倍以上の深度で行うことができる。重複配列リードを比較して調整し、体細胞変異と配列決定エラーまたは他の処理エラーと区別する。元のDNA分子に変異が存在した場合、その後のいかなる配列決定エラーにもかかわらず、該変異は、その遺伝子座のすべての配列リードに見られるはずである。たとえば、一定の割合のリードが推定上の変異を含む場合、変異をコールすることができる。変異コール(mutation call)を行うための閾値パーセンテージは、25%、50%、60%、75%、90%、95%、および99%などであり得る。閾値は、得られた配列リード数およびアッセイの特定の要求に基づいて設定することができる。同様に、鋳型DNAに生じない変異は、リードの有意な割合で現れるとは予想されないであろう。そして、それらのバリアントは、配列決定エラー、複製エラー、または他の処理エラーとして片付けることができる。コンセンサス配列を、配列リードを比較および調整することによって決定することができる。
【0024】
本発明の方法は、核酸を試料から単離することを含む。核酸は、ctDNAを含むcfDNAであり得る。本方法は、cfDNAに特に有用であるが、RNAを含む他の種類の核酸も同様に使用することができる。試料は、例えば、無細胞核酸(DNAもしくはRNAを含む)、または生検組織、ホルマリン固定パラフィン包埋組織(FFPE)、凍結組織、細胞株、DNA、および腫瘍移植片などの腫瘍組織試料から単離された核酸を含み得る。FFPEブロックまたは凍結組織として提供される試料は、病理学的調査を行って腫瘍細胞率(tumor cellularity)を決定することができる。汚染している正常組織を除去するために、腫瘍を、巨視的または微視的に切除することができる。試料はまた、患者のリンパ球、血液、唾液、口腔スワブによって得られた細胞、または他の影響を受けていない組織に由来してもよい。無細胞核酸は、患者の血流中に存在するDNAまたはリボ核酸(RNA)の断片であり得る。好ましい態様では、循環無細胞核酸は、患者の血漿または血清から得られるDNAの1つまたは複数の断片である。
【0025】
無細胞核酸は、例えば、Qiagen (Venlo, Netherlands)のQIAmpシステム、Triton / Heat / Phenolプロトコル(THP)(Xue, et al., Optimizing the Yield and Utility of Circulating Cell-Free DNA from Plasma and Serum", Clin. Chim. Acta., 2009; 404(2): 100-104)、平滑末端連結による全ゲノム増幅(BL-WGA)(Li, et al., "Whole Genome Amplification of Plasma-Circulating DNA Enables Expanded Screening for Allelic Imbalance in Plasma", J. Mol Diagn. 2006 Feb; 8(1): 22-30)、またはMacherey-Nagel, GmbH & Co. KG (Duren, Germany)のNucleoSpinシステムを含む、当技術分野において公知の技術に従って単離することができる。例示的な態様では、患者から血液試料を採取し、遠心分離によって血漿を単離する。次いで、循環無細胞核酸を、上記の技術のいずれかによって単離することができる。
【0026】
一般に、核酸は、Green and Sambrook, Molecular Cloning:A Laboratory Manual (Fourth Edition)、Cold Spring Harbor Laboratory Press, Woodbury, NY 2,028 pages (2012)に記載されている技術;または米国特許第7,957,913号;同第7,776,616号;同第5,234,809号;米国特許出願公開第2010/0285578号;および同第2002/0190663号に記載されているような技術などの様々な技術によって抽出する、単離する、増幅する、または分析することができる。
【0027】
生物学的試料から得られる核酸を断片化して分析に適した断片を生成することができる。核酸を断片化する方法は、当技術分野において公知である。鋳型核酸は、断片化または剪断して、種々の機械的方法、化学的方法、および/または酵素的方法を用いて所望の長さにすることができる。核酸は、超音波処理、DNase/RNaseへの短時間の曝露、ハイドロシェア装置、1つまたは複数の制限酵素、トランスポザーゼもしくは切断酵素、熱およびマグネシウムへの曝露によって、または剪断によって、剪断することができる。核酸もまた、無細胞DNAの場合と同様に自然に断片化することができる。生物学的試料を、必要に応じて洗剤または界面活性剤の存在下で溶解する、均質化する、または分画することができる。適切な洗剤としては、イオン性洗剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウムもしくはN-ラウロイルサルコシン)、または非イオン性洗剤(例えば、Uniqema Americas (Paterson, NJ)によって商標名TWEENで販売されるポリソルベート80、またはTRITON X-100として知られるC14H22O(C2H4)n)を挙げることができる。得られる断片は、例えば、10bp、50bp、100bp、500bp、1,000bp、5,000bp、またはそれ以上の任意のサイズであり得る。せん断の後には、末端修復およびAテーリングを行うことができる。配列決定アダプターを、標準的な配列決定プロトコルに従って連結することができる。
【0028】
選択可能なオリゴヌクレオチドを用いるハイブリッド捕捉プローブを使用して関心対象の核酸を得ることができる。例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられるLapidus(米国特許第7,666,593号)を参照されたい。ハイブリダイゼーションプローブを作製および使用するための従来の方法は、標準的な実験マニュアル: Genome Analysis: A Laboratory Manual Series (Vols. I-IV), Cold Spring Harbor Laboratory Press; PCR Primer: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press; and Sambrook, J et al., (2001) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed. (Vols. 1-3), Cold Spring Harbor Laboratory Pressなどに見ることができる。
【0029】
上記のような処理工程の後、核酸を配列決定することができる。配列決定は、当技術分野において公知の任意の方法によるものであり得る。DNA配列決定技術としては、標識ターミネーターまたはプライマーおよびスラブもしくはキャピラリー中でのゲル分離を用いる古典的なジデオキシ配列決定反応(サンガー法)、ならびに次世代配列決定、例えば、可逆的に終結させた標識ヌクレオチドを用いる合成による配列決定、パイロシークエンシング、454シークエンシング、Illumina/Solexaシークエンシング、標識オリゴヌクレオチドプローブのライブラリーへの対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーション、標識クローンのライブラリーへの対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーションを用いる合成およびそれに続く連結による配列決定、重合工程中の標識ヌクレオチドの取り込みのリアルタイムモニタリング、ポロニーシークエンシング(polony sequencing)、およびSOLiDシークエンシングが挙げられる。分離された分子を、ポリメラーゼまたはリガーゼを用いる連続的または単一の伸長反応によって、ならびにプローブのライブラリーを用いる単一または連続的なディファレンシャルハイブリダイゼーションによって配列決定することができる。
【0030】
使用できる配列決定技術としては、例えば、454 Life Sciences, a Roche company (Branford, CT)によって商標名GS JUNIOR、GS FLX+、および454 SEQUENCINGで販売されている、合成による配列決定システムの使用が挙げられ、これについては、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられる、Margulies, M. et al., Genome sequencing in micro-fabricated high-density picotiter reactors, Nature, 437:376-380 (2005);米国特許第5,583,024号;同第5,674,713号;および同第5,700,673号に記載されている。
【0031】
DNA配列決定技術の他の例としては、Life Technologies Corporation (Carlsbad, CA)のApplied BiosystemsによるSOLiD技術、および、例えばLife Technologies (South San Francisco, CA)のIon Torrentによって商標名ION TORRENTで販売されるシステムを用いるイオン半導体シークエンシングが挙げられる。イオン半導体シークエンシングは、例えば、それぞれ内容全体が参照により本明細書に組み入れられる、Rothberg, et al., An integrated semiconductor device enabling non-optical genome sequencing, Nature 475:348-352 (2011);米国特許出願公開第2010/0304982号;同第2010/0301398号;同第2010/0300895号;同第2010/0300559号;および同第2009/0026082号に記載されている。
【0032】
使用できる配列決定技術の他の例はIlluminaシークエンシングである。Illuminaシークエンシングは、フォールドバックPCRおよびアンカープライマーを用いる固体表面上でのDNAの増幅に基づいている。アダプターを、天然にまたは実験的に断片化されたDNAの5'および3'末端に付加する。フローセルチャネルの表面に付着しているDNA断片を伸長してブリッジ増幅する。断片は二本鎖になり、そしてこの二本鎖分子を変性させる。固相増幅およびそれに続く変性の複数のサイクルにより、フローセルの各チャンネルにおいて、同じ鋳型の一本鎖DNA分子の約1,000コピーの数百万のクラスターを作製することができる。プライマー、DNAポリメラーゼ、および4つのフルオロフォア標識された可逆的に終結するヌクレオチドを使用して連続的配列決定を行う。ヌクレオチドを組み込んだ後、レーザーを使用してフルオロフォアを励起させ、画像を撮影して第1の塩基の同一性を記録する。組み込まれた各塩基からの3'ターミネーターおよびフルオロフォアを除去する工程、取り込む工程、検出する工程、および同定する工程を繰り返す。本技術による配列決定は、それぞれ全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第7,960,120号;同第7,835,871号;同第7,232,656号;同第7,598,035号;同第6,911,345号;同第6,833,246号;同第6,828,100号;同第6,306,597号;同第6,210,891;米国特許出願公開第2011/0009278号;同第2007/0114362号;同第2006/0292611号;および同第2006/0024681号に記載されている。
【0033】
配列決定技術の1つの制限は、配列決定アーチファクトの発生である。配列決定アーチファクトを減少させるための一般的なアプローチは、分子バーコード化である。ほとんどのバーコード法は、DNA断片を、識別子を用いてタグ付けすることを含み、該識別子はアッセイを通して追跡することができ、このことが、体細胞変異と配列決定エラーとを区別することを可能にする。
【0034】
バーコードという用語は、試料DNA断片に導入される外因性バーコード、および生物学的または実験的剪断によるDNAの断片化から生じる末端配列である内因性バーコードの両方を包含する。バーコードは、2個、4個、8個、16個、またはそれ以上のヌクレオチドなどの任意の数のヌクレオチドを含み得る。
【0035】
外因性バーコードは、当技術分野において公知の方法によって生成することができる。例えば、外因性バーコードは、基板上に組み立てられた短い配列にランダムヌクレオチドを付加することによって作製することができる。外因性バーコードは、縮重合成鋳型上でのポリメラーゼ伸長によって酵素的に生成することもできるし、またはアダプター配列を有する単一単位で合成することもできる。バーコードを合成することにより、それらの組成物よりも優れた制御が可能になるが、費用がかさむ恐れがある。したがって、バーコードの限られたプールを使用することにより、アッセイを、より費用効果的に行うことができる。
【0036】
バーコードは、完全にランダムにしてもよいし、またはある所定の配列を用いて遺伝子的操作をしてもよい。バーコードは、ランダム性またはセミランダム性の領域および他の固定領域を有し得る。バーコードは、プライミング部位、アダプター、またはさらなる処理および分析を容易にするであろう他の相補的領域などの他の領域を含み得る。
【0037】
外因性バーコードは、PCRまたは酵素的連結などの当技術分野において公知の方法によって核酸断片に付着させることができる。外因性バーコードは、断片の一方または両方の末端に結合することができる。バーコード分子は、Integrated DNA Technologies(Coralville, IA)などから商業的に入手することができる。特定の態様では、1つまたは複数のバーコードを、それぞれの断片、いずれかの断片、またはすべての断片に付着させる。バーコード配列は一般に、該配列を配列決定反応において有用にする特定の特徴を含む。バーコード配列のセットを設計する方法は、例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,235,475号に示されている。核酸鋳型へのバーコード配列の付着は、それぞれ内容全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2008/0081330号および同第2011/0301042号に示されている。バーコード配列のセットを設計するための方法およびバーコード配列を付着させるための他の方法は、それぞれ内容全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,138,077号;同第6,352,828号;同第5,636,400号;同第6,172,214号;同第6235,475号;同第7,393,665号;同第7,544,473号;同第5,846,719号;同第5,695,934号;同第5,604,097号;同第6,150,516号;再発行特許第39,793号;米国特許第7,537,897号;同第6,172,218号;および同第5,863,722号に示されている。配列決定およびコピー数推定のためのバーコードは、その全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2016/0046986号に記載されている。
【0038】
本開示は、遺伝子型決定アッセイにおいて高い感度および特異性を付与するために一意でないバーコードを利用する。上で参照した公表文献などの他の文脈では、バーコードは一意識別子(UID)と呼ばれることがある。本明細書では、本発明の方法の外因性バーコードは一意である必要がないため、本発明者らはその用語を使用しない。従来のバーコード法は、同じバーコードを受け取る断片が2つとないことを高い確度で確実にするために、数千もしくは数百万のバーコード配列または組み合わせを生成する必要性を強調する。本開示は、従来の見識に反して、内因性バーコード上に重ねられた、一意でないバーコードのより小さなプールが、従来のスキームと同じレベルの多様性を有することができ、しかも複雑さを減少させ、アッセイのロバスト性を高めることを実証する。
【0039】
本発明は、配列決定アッセイにおいてバックグラウンドノイズを減少させるためにある程度のバーコード化が必要であるが、先行技術のバーコード法が問題を過大評価していることを認識している。従来の方法は、数千または数百万のバーコードの組み合わせを生成することを含む。それらのバーコードを生成すると、遺伝子型決定アッセイが複雑になりすぎ、ロバスト性が低下する。本開示は、同じレベルの特異性を著しく低い複雑さで達成できることを示す。
【0040】
バーコード化断片が配列決定される場合、複数のリードが生成される。リードは、約50~200塩基の長さであり得る。いくつかの態様では、より短いリード、例えば長さが約50または約30塩基未満のリードを得ることができる。いくつかの配列決定技術は、長さが数百または数千の塩基のリードを生成することができる。
【0041】
配列リードのセットを、当技術分野において公知の任意の適切な方法によって分析することができる。例えば、いくつかの態様では、配列リードを、シークエンス装置の一部として提供されるハードウェアまたはソフトウェアによって分析する。いくつかの態様では、個々の配列リードを、(例えば、コンピュータモニター上で)目で確認して検討する。
【0042】
配列アセンブリは、参照ベースのアセンブリ、デノボアセンブリ、整列によるアセンブリ、または組み合わせ方法を含む、当技術分野において公知の方法によって行うことができる。いくつかの態様では、配列アセンブリは、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられるLOCAS-A low coverage sequence assembly tool for re-sequencing projects, PLoS One 6(8) article 23455 (2011)においてKleinらによって記載されている低カバー率配列アセンブリソフトウェア(LOCAS)ツールを使用する。配列アセンブリは、それぞれ内容全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第8,165,821号;同第7,809,509号;同第6,223,128号;米国特許出願公開第2011/0257889号;および同第2009/0318310号に記載されている。
【0043】
図1は、本開示に従って核酸を分析するための方法100を示す。方法100は、核酸断片を含む試料を得る工程113を含む。工程113は、患者から血漿試料を得ること、および核酸断片を抽出することを含み得る。核酸は、無細胞DNA、循環腫瘍DNA、腫瘍DNA、またはRNAを含み得る。断片を、末端修復し、Aテーリングし、そして、アダプターを用いて連結することができる。工程119では、一意でないバーコードのセットを、ゲノムライブラリーを生成するために導入する。工程125では、断片を配列決定して配列リードを生成し、該配列リードを整列させる。配列決定は、各断片を重複して配列決定することを含み得る。工程131では、断片末端のゲノム位置を同定する。工程137では、一意でないバーコードと断片末端のゲノム位置との組み合わせによって決定される、複数の分子に存在する変異を同定する。
【0044】
本方法は、ゲノムライブラリー上でハイブリッド捕捉を行うことを含み得る。ハイブリッド捕捉は、ABL1、AKT1、ALK、APC、AR、ATM、BCR、BRAF、CDH1、CDK4、CDK6、CDKN2A、CSF1R、CTNNB1、DNMT3A、EGFR、ERBB2、ERBB4、ESR1、EZH2、FBXW7、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FLT3、GNA11、GNAQ、GNAS、HNF1A、HRAS、IDH1、IDH2、JAK2、JAK3、KDR、KIT、KRAS、MAP2K1、MET、MLH1、MPL、MYC、NPM1、NRAS、NTRK1、PDGFRA、PDGFRB、PIK3CA、PIK3R1、PTEN、PTPN11、RARA、RB1、RET、ROS1、SMAD4、SMARCB1、SMO、SRC、STK11、TERT、TP53、およびVHLなどのよく特徴付けられたがん遺伝子パネルを含み得る。
【0045】
図2は、本開示による分子バーコード化のための方法200を示す。方法200は、核酸断片を有する試料を得る工程209、および一意でないバーコードの複数のセットを提供する工程215を含む。工程221では、核酸断片をバーコードでタグ付けしてゲノムライブラリーを作製する。一意でないバーコードの限られた数のセット(例えば、8種類のセット)が存在するため、各核酸断片は、ゲノムライブラリー中の少なくとも1つの他の種類の核酸断片と同じバーコードでタグ付けされる。したがって、外因性バーコードは「一意で」ない。断片のゲノム位置は、核酸の断片化から生じる内因性バーコードによって同定することができる。
【0046】
いくつかの態様では、方法200は、ゲノムライブラリーを重複的に配列決定して、各核酸断片の複数の重複配列リードを生成することをさらに含む。方法200は、同様にタグ付けされた核酸断片の重複配列リードを調整することをさらに含み得る。方法200は、調整された配列リードを参照に整列させて、コンセンサス配列を決定することをさらに含み得る。
【0047】
開示されるアプローチは、高レベルの感度および特異性が必要とされるあらゆる配列決定アッセイに有用である。本方法は、血漿から単離された少量のcfDNAを配列決定し、それらを体細胞変異について調べる際に特に有用である。
【実施例0048】
バリデーション試験を、研究で使用するために行った。試験の目的は、パネルを使用する標的遺伝子捕捉と組み合わせた次世代ライブラリーの調製が、Illumina HiSeqシークエンシングプラットフォームでの配列決定において再現性があり正確であることを実証することであった。試験中のパネルは、PGDx(Baltimore, MD)によって現在開発中のPlasmaSelect(商標)パネルとして知られている、よく特徴付けられたがん遺伝子の標的パネルであった。細胞株由来試料と臨床血漿試料との組み合わせを使用するこのアプローチのバリデーションにより、臨床および生物医学的がん研究に関連する遺伝子セットにおける腫瘍特異的な配列の変異、増幅、および転座の同定が可能となる。
図3および
図4に示される遺伝子の評価のために、このアッセイを、がん患者由来の血漿試料を利用する研究に使用することは、この方法のバリデーションの範囲である。
【0049】
方法およびプロセスの説明
1. 試料の調製、ライブラリーの作製、およびDNAの捕捉
DNAの抽出およびプロセシング
細胞株由来および血漿由来の無細胞DNA(cfDNA)の標的遺伝子の配列決定分析を行って、腫瘍特異的(体細胞)変化を同定した。液体生検の形態でこれらのアプローチを実施することに対する2つの技術的課題には、得られるDNAの量が限られていること、およびこれらの変化に関連した変異体対立遺伝子頻度が低いことが含まれる。1ミリリットルの血漿あたりわずか数千のゲノム同等物しか得られず、変異体対立遺伝子頻度が、全cfDNAにおいて<0.01%~>50%の範囲にわたり得ることが記載されている(Bettegowda et al., 2014)。開示される技術は、この問題を克服し、かつ試験感度、無細胞DNAのゲノムライブラリーへの変換のための最適化された方法、および次世代配列決定アプローチの特異性を向上させるためのデジタル配列決定アプローチを改善する。重複配列決定エラー訂正アプローチとともにデジタル配列決定技術を利用することにより、次世代配列決定によって引き起こされるエラー率が効果的に減少し、配列変異の正確な同定が可能となる(
図5、単一塩基および小さな挿入と欠失を参照)。
【0050】
ライブラリーの調製および標的捕捉
簡単に述べると、無細胞DNAを、細胞株または血漿標本から抽出し、末端修復、Aテーリング、およびアダプター連結によるオリゴヌクレオチドバーコードを用いる次世代配列決定に適したゲノムライブラリーに調製した。120塩基対(bp)RNAオリゴヌクレオチドを利用する溶液中ハイブリッド捕捉を、配列変異パネル(
図3)および構造変化パネル(
図4)の両方について行った。
【0051】
2. 配列決定
濃縮された細胞株または血漿由来の捕捉DNAライブラリーを、各標的塩基について、ペアエンドIllumina HiSeq2500シークエンシング化学を使用して、配列変異については>20,000倍の平均標的全カバー率、または転座については>5,000倍のカバー率まで配列決定した。配列データを、参照ヒトゲノム配列にマッピングして、コード領域およびイントロン領域を体細胞変異について調べた。
【0052】
3. バイオインフォマティクス
データを、新規の遺伝子解析法および独自のデータ解析アルゴリズムを含む洗練されたバイオインフォマティクスアプローチを使用して解析して、腫瘍特異的変化を高感度かつ具体的に特定し、患者管理をガイドするために、配列情報、ゲノムデータ、およびがん遺伝子、ならびに経路を統合して最も完全かつ有益なデータセットを提供する。簡単に述べると、これらの工程は以下を含む:
1. 次世代配列決定データの最初のプロセシング
2. ELANDおよびNovoalignを用いるヒト参照ゲノムへの次世代配列決定データの整列
3. 配列変異についての次世代配列データの解析
4. 限局的な増幅についての次世代配列データの解析
5. 転座についての次世代配列データの解析。
【0053】
研究計画および試料セット
試料の種類
アッセイ性能を評価するために、全がん細胞株(表1)、末期の乳がん、結腸がん、および肺がん患者に由来する血漿、ならびに健康なドナーに由来する試料の組み合わせを使用してバリデーション試験を行った(表1~表4ならびに
図6および
図7)。健康なドナーおよび末期がん患者の両方からの臨床試料を、ILSBio(Chestertown, MD)によって遡及的に得た。細胞株標本をATCC(Manassas, VA)から入手し、該細胞株標本からDNAを抽出し、剪断し、そして、血漿から得られた無細胞DNAと一致する断片長プロフィールに精製した。次いで、これらの試料を、関連する標準操作手順(SOP)に従ってPlasmaSelect(商標)R 64パネルを使用して評価した。
【0054】
【0055】
(表2)PlasmaSelect(商標)R 64法のバリデーションのために行った配列変異および増幅の分析
*細胞株試料の腫瘍の純度を、示された腫瘍純度になるように、所与のDNAインプットに対して示された比率で腫瘍および正常DNAを滴定することによって得た。ライブラリー調製に使用する試薬については製造者のガイドラインに従った。
【0056】
(表3)PlasmaSelect(商標)R 64法のバリデーションのために行った再編成分析
*細胞株試料の腫瘍の純度を、示された腫瘍純度になるように所与のDNAインプットに対して示された比率で腫瘍および正常DNAを滴定することによって得た。ライブラリー調製に使用する試薬については製造者のガイドラインに従った。
【0057】
(表4)乳がん患者、結腸がん患者、および肺がん患者の18人から得た臨床血漿試料
【0058】
試験性能の合格基準:
1. 正確さ:
配列変異
標的捕捉パネルと次世代配列決定法での所有細胞株からの結果と、これについて公表されている独立に得たサンガー配列決定の結果とを比較することによって、正確さを評価した。所有細胞株における変異していることが知られている合計19の位置が標的パネルに含まれており、これらを、250ngのDNAを用いて1%、2%、5%、20%、25%、および100%の腫瘍純度で評価した。さらに、12個の配列変異を含む組み合わせがん細胞株を、250ngのDNAを用いて100%および1%の腫瘍純度で評価した。最後に、健康なドナーに由来する18個の血漿試料の分析によって、特異性を評価した。これらの血漿試料はいずれも、いかなる体細胞変化も有していないと予想されるであろう。
【0059】
性能メトリクス
感度 100.0%
特異性(疑わしい場合) 99.9997%
特異性(健康なドナー) 99.9996%
【0060】
増幅
標的捕捉パネルと次世代配列決定法での所有細胞株からの結果と、これについて公表されている独立に得たSNPアレイの結果とを比較することによって、正確さを評価した。3つの増幅が関心対象の標的領域に含まれており、これらを、250ngのDNAを用いて20%、25%、および100%の腫瘍純度で評価した。さらに、健康なドナーに由来する18個の血漿試料の分析によって、特異性を評価した。これらの血漿試料はいずれも、いかなる体細胞変化も有していないと予想されるであろう。
【0061】
性能メトリクス
感度 100.0%
特異性(疑わしい場合) 91.7%
特異性(健康なドナー) 100.0%
【0062】
再編成
250ngのDNAを用いて1%、2%、20%、および100%の腫瘍純度の組み合わせにおいて、標的捕捉パネルと次世代配列決定法での様々な所有細胞株からの結果と、これについて公表されている独立に得た結果(Shibata et. al., 2010 and Koivunen et. al., 2008)とを比較することによって、正確さを評価した。さらに、健康なドナーに由来する18個の血漿試料の分析によって、特異性を評価した。これらの血漿試料はいずれも、いかなる体細胞変化も有していないと予想されるであろう。
【0063】
性能メトリクス
感度 100.0%
特異性(疑わしい場合) 100.0%
特異性(健康なドナー) 99.7%
【0064】
2. 分析感度(検出限界):
配列変異
標的捕捉パネルと次世代配列決定法での所有細胞株からの結果と、これについて公表されている独立に得たサンガー配列決定の結果とを比較することによって、分析感度を評価した。所有細胞株における変異していることが知られている合計19個の位置が標的パネルに含まれ、これらを、250ngのDNAを用いて2連で0.1%、0.2%、0.5%、1%、および2%の腫瘍純度、ならびに25ngのDNAを用いて2連で0.5%、1%、2%、5%、および10%の腫瘍純度で評価した。さらに、12個の配列変異を含む組み合わせ変異細胞株を、250ngのDNAを用いて0.1%、0.2%、0.5%、および1%の腫瘍純度、ならびに25ngのDNAを用いて0.5%、1.0%、2.0%、および5%の腫瘍純度で評価した。
【0065】
性能メトリクス
分析感度 99.4%
【0066】
増幅
標的捕捉パネルと次世代配列決定法での所有細胞株からの結果と、これについて公表されている独立に得たSNPアレイの結果とを比較することによって、分析感度を評価した。3つの増幅が関心対象の標的領域に含まれており、これらを、250ngのDNAを用いて2連で60%、40%、および20%の腫瘍純度、ならびに25ngのDNAを用いて2連で60%、40%、および20%の腫瘍純度で評価した。
【0067】
性能メトリクス
分析感度 97.2%
【0068】
再編成
250ngのDNAを用いて0.1%、0.5%、および1.0%の腫瘍純度、ならびに25ngのDNAを用いて0.5%、1.0%、および2.0%の腫瘍純度の組み合わせにおいて、標的捕捉パネルと次世代配列決定法での様々な所有細胞株からの結果と、これについて公表されている独立に得た結果(Shibata et. al., 2010 and Koivunen et. al., 2008)とを比較することによって、分析感度を評価した。
【0069】
性能メトリクス
分析感度 94.4%
【0070】
3. 精度およびロバスト性(アッセイ内およびアッセイ間の再現性):
配列変異
標的捕捉パネルと次世代配列決定法での所有細胞株から得られた結果と、これについて公表されている独立に得たサンガー配列決定の結果とを比較することによって、精度およびロバスト性を評価した。所有細胞株における変異していることが知られている合計19個の位置が標的パネルに含まれ、これらを、試料調製物内および試料調製物全体の両方で150ngのDNAを用いて2%腫瘍純度で評価した(異なる日には異なるオペレーター)。
【0071】
性能メトリクス
アッセイ内一致率 100.0%
アッセイ間一致率 100.0%
【0072】
増幅
標的捕捉パネルと次世代配列決定法での所有細胞株からの結果と、これについて公表されている独立に得たSNPアレイの結果とを比較することによって、精度およびロバスト性を評価した。3つの増幅が関心対象の標的領域に含まれており、これらを、試料調製物内および試料調製物全体の両方で100ngのDNAを用いて20%の腫瘍純度で評価した(異なる日には異なるオペレーター)。
【0073】
性能メトリクス
アッセイ内一致率 94.7%
アッセイ間一致率 89.5%
【0074】
再編成
試料調製物内および試料調製物全体の両方で25ngおよび150ngのDNAを用いて2%および5%の腫瘍純度において、標的捕捉パネルと次世代配列決定法での様々な所有細胞株からの結果と、これについて公表されている独立に得た結果(Shibata et. al., 2010 and Koivunen et. al., 2008)とを比較することによって、精度およびロバスト性を評価した(異なる日には異なるオペレーター)。
【0075】
性能メトリクス
アッセイ内一致率 100.0%
アッセイ間一致率 100.0%
【0076】
4. 失敗率
合計すると、6つのライブラリーを用いて作製された113の配列のパネル(PS_Seq2)および112の構造のパネル(PS_Str2)の次世代配列決定ライブラリーが存在し、この処理失敗率は2.7%(6/225)であった。
【0077】
5. 採血管の種類の比較
PlasmaSelect(商標)R64アプローチの性能に対する採血管の種類の影響を評価するために、9人のがん患者から4×10mlの採血を行い、2×10mlの血液をK2EDTA採血管に収集し、2×10mlをStreck採血管に収集し、PGDx(K2EDTA)または製造者の仕様書(Streck)に従って処理して血漿にした。これらのデータは、報告された結果全体の間で非常に高い一致率を示した。
【0078】
性能メトリクス
配列変異一致率 100.0%[MAF≧0.50%]
増幅一致率 98.8%
再編成一致率 100.0%
【0079】
6. 安定性:
試料ライブラリーの調製に使用される試薬については製造ガイドラインに従い、すべての試料を、同じ試料プロトコルおよび取り扱い手順に従って収集した。
【0080】
図6は、全がん細胞株の配列変異についての観察された変異体対立遺伝子頻度と予想された変異体対立遺伝子頻度の結果を示す。計算された変異体対立遺伝子頻度(MAF)を、組み合わせられたがん細胞株の、正確さ、分析感度、ならびに精度およびロバスト性の方法のバリデーション研究において評価されたケースについて、予想されたMAFと比較した(各ケースについてn=12の予想された変化)。
【0081】
図7は、内部対照乳がん細胞株についての観察された変異体対立遺伝子頻度および予想された変異体対立遺伝子頻度の結果を示す。計算された変異体対立遺伝子頻度(MAF)を、組み合わせられたがん細胞株の、正確さ、分析感度、ならびに精度およびロバスト性の方法のバリデーション研究で評価されたケースについて、予想されたMAFと比較した(各ケースについてn=19の予想された変化)。
【0082】
結論および推奨
PlasmaSelect(商標)アッセイを、液体生検分析のためにがん患者の血漿から得た無細胞DNAにおける配列変異(SBS/indels)、増幅、および転座の検出において高レベルの感度および特異性を達成するかバリデーションした。
【0083】
性能メトリクス(最少の試料インプットである25ng):
(表5)PlasmaSelect(商標)R 64性能メトリクスの要約
*配列変異分析によって提供される1塩基当たりの特異性[99,359の塩基を評価]
【0084】
参照による組み入れ
本開示を通してなされた特許、特許出願、特許公報、雑誌、書籍、論文、ウェブコンテンツなどの他の文書に対するありとあらゆる参照および引用は、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0085】
等価物
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく他の特定の形態で実施することができる。したがって、前述の態様は、あらゆる側面で、本明細書に記載の発明を限定するのではなく例示と見なすべきである。
【0086】
配列情報
SEQUENCE LISTING
<110> PERSONAL GENOME DIAGNOSTICS INC.
<120> NON-UNIQUE BARCODES IN A GENOTYPING ASSAY
<150> US 62/422,355
<151> 2016-11-15
<160> 2
<170> PatentIn version 3.5
<210> 1
<211> 50
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
<400> 1
actgactgac tgactgactg actgactgac tgactgactg actgactgac 50
<210> 2
<211> 50
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
<400> 2
actgactgac tgactgactg actgactgac agactgactg actgactgac 50