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特開2023-110042自己組織型診断アレイプラットフォーム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110042
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】自己組織型診断アレイプラットフォーム
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/09 20060101AFI20230801BHJP
   C12Q 1/6837 20180101ALI20230801BHJP
   C12Q 1/6876 20180101ALI20230801BHJP
   C12N 15/11 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
C12N15/09 200
C12Q1/6837 Z ZNA
C12Q1/6876 Z
C12N15/11 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092318
(22)【出願日】2023-06-05
(62)【分割の表示】P 2020557384の分割
【原出願日】2018-12-19
(31)【優先権主張番号】62/614,313
(32)【優先日】2018-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520245161
【氏名又は名称】クオシェント スイッス エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ボーハノン,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】スチュアート,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ロブソン,デビッド
(72)【発明者】
【氏名】ファレル,エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ヘンダーソン,リンダ
(72)【発明者】
【氏名】マコーウェン,ネーサン
(72)【発明者】
【氏名】ボーハノン,セブン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユニバーサルアレイプラットフォームを用いて試料中の核酸または抗原を検出するための方法およびキットを提供する。
【解決手段】例えば、標識と、核酸の一部の第1の鎖とハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチド配列とを含む第1のプライマーと、核酸の一部の第2の鎖とハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチド配列を含む第2のプライマーとを含むプライマー対を用いて試料から核酸の少なくとも一部を増幅することと、存在する場合にアンプリコンを、固体支持体にそれぞれ固定された複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列に接触させることと、コロイド検出試薬を固体支持体に適用することと、固体支持体を洗浄液で洗浄することと、コロイド検出試薬を検出することによって、核酸が検出され得る。本開示は、さらに、特異的な捕捉および連結オリゴヌクレオチド配列に関する。
【選択図】図2C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中の抗原を検出するための方法であって、
a)固体支持体にそれぞれ固定された複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列を供給する工程と、
b)工程(a)の後、前記固体支持体を、抗原に特異的に結合する抗原結合領域と接触させる工程であって、前記抗原結合領域は、前記固体支持体上の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列の少なくとも1つとハイブリダイズする1本鎖オリゴヌクレオチド配列と結合し、前記マイクロアレイを、前記抗原結合領域の前記1本鎖オリゴヌクレオチド配列が前記固体支持体上の前記少なくとも1つの1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列とハイブリダイズするのに適した条件下で、前記抗原結合領域と接触する、工程と、
c)工程(a)の後、前記試料中に存在する場合に前記抗原に前記抗原結合領域が結合するのに適した条件下で、前記固体支持体を前記試料の少なくとも一部と接触させる工程と、
d)工程(a)の後、コロイド検出試薬を前記固体支持体に適用する工程であって、前記コロイド検出試薬は、存在する場合に前記抗原に特異的に結合する第1の部分およびコロイド金属を含む第2の部分を含む工程と、
e)工程(d)の後、前記固体支持体を洗浄液で洗浄する工程と、
f)工程(a)~(e)の後、前記コロイド検出試薬を検出する工程であって、前記コロイド検出試薬の検出は、前記試料中の前記抗原の存在を示す工程と、を含む方法。
【請求項2】
前記固体支持体は(a)マイクロアレイ、マルチプレックスビーズアレイ、またはウェルアレイとして配置される、または(b)ニトロセルロース、シリカ、プラスチック、または、ヒドロゲルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の部分は前記抗原に特異的に結合する第2の抗原結合領域を含み、
前記第2の抗原結合領域はビオチンまたはその誘導体に結合し、
前記コロイド懸濁液は前記ビオチンに結合したアビジン、ニュートラアビジン、ストレプトアビジン、またはその誘導体に結合している、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のスポットのそれぞれにおける前記1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列はスペーサ試薬に結合され、
前記スペーサ試薬は前記固体支持体に結合され、
任意に、前記スペーサ試薬は血清アルブミンタンパク質またはデンドリマーを含む
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
工程(c)の前に、0.1%以上10%以下のN,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタイン(w/v)を含む溶解バッファに前記試料を暴露することをさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
a)固体支持体にそれぞれ固定された複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列と、
b)抗原にそれぞれ特異的に結合する複数の抗原結合領域であって、前記固体支持体に固定された1本鎖オリゴヌクレオチド配列に実質的に相補的な1本鎖オリゴヌクレオチド配列にそれぞれ結合されている複数の抗原結合領域と、を含むキット。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は2018年1月5日に出願された米国仮出願第62/614,313号の優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔ASCIIテキストファイルによる配列表の提出〕
ASCIIテキストファイルによる以下の提出物の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる:配列表のコンピュータ読み取り可能な形式(CRF)(ファイル名:709252000140SEQLIST.txt、記録日:2018年12月14日、サイズ:7KB)。
【0003】
〔技術分野〕
本開示は、ユニバーサルアレイプラットフォームを使用して試料中の核酸、抗原、または、その両方を検出するための方法およびキット、ならびに、少なくとも3つの固定温度ゾーンを含む、核酸の増幅のための機器および方法に関する。
【0004】
〔背景技術〕
マイクロアレイ技術は、特に核酸試験(NAT)の分野において、幅広い核酸、タンパク質、および、他の抗原の検出に適合している。既存のマイクロアレイ方式は、活性化スライド上のターゲットに対して、様々な捕捉試薬(例えば、抗体または1本鎖オリゴヌクレオチド)を対照スポットとともに、通常、2重または3重にプリントすることを必要とする。目的の抗原の存在について試料を検査する場合、試料がアレイと反応することによってターゲットが捕捉され、試料が洗浄除去され、捕捉されたターゲットを検出するために標識された抗体が用いられ、反応を可視化するために増幅/検出方法が用いられ、そして、リーダーを使用して記録される。このマルチステップ処理は、種々のパネルを検査する場合に、時間がかかり、また、多くの様々な捕捉スポットをプリントするコストが劇的に増加する。さらに、作製された各アレイは、各ターゲット群および各ターゲット型(例えば、抗体、抗原、核酸など)に応じて製造され、品質が検査されなければならず、それによって、複数のアレイ型の製造および一覧表作成が必要となり、コストが上昇する。
【0005】
マイクロアレイは、固体表面上に捕捉リガンドを付着させることによって作製される。より小さいスポットをより正確にスポットできるようになるにつれて、これらのマイクロアレイは、密度、スポットの大きさなどに応じて数ターゲットから数百万ターゲットを検出することができる。通常のアレイでは、各スポットまたは一連のスポットは、ターゲットに相補的な捕捉オリゴヌクレオチド、および、抗原を含む。抗原によって、試料中の抗体が、固定されたターゲットに結合する、または、抗体がアレイ上にプリントされて(固定されて)試料中のターゲットに結合する。その後、ターゲットが標識され検出されるが、いくつかのアレイは非標識ターゲットも利用する。これらアレイの作製は、各スポットが異なる物質であり、潜在的に数百、数千、または数百万もの様々な捕捉リガンドがひとつのアレイを作製するために必要とされるので、作製するのに非常に煩わしく、費用がかかる。
【0006】
ヒトの臨床試料における感染因子、バイオマーカー、毒素、および細胞の検出は、無病輸血および移植、ならびに様々な診断目的にとって最も重要である。しかしながら、上記のように、様々な因子、バイオマーカー、ポリヌクレオチド、抗原などについて様々なマイクロアレイスライドを製造するための時間および費用が過度にかかり得る。関連する製造コストを低減しながら、試料中の様々な核酸または抗原の好調で正確な検出を可能にするマイクロアレイプラットホーム技術が必要とされている。
【0007】
〔発明の概要〕
これらおよび他の要求を満たすために、本明細書に記載されるのは、マイクロアレイプラットホーム技術への「ユニバーサルアレイ」アプローチである。このような「マイクロアレイ」には、多重検出が可能な任意のプラットホーム、例えば、平面マイクロアレイ、ストリップ、スレッド、ビーズ、およびウェルアレイが含まれるが、これらに限定されない。このアプローチを用いて、単一の種類のアレイ、例えば、(例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)などのスペーサ試薬を介して)それぞれが固体支持体に結合したオリゴヌクレオチドスポットのアレイをプリントすることができる。このユニバーサルアレイは、得られたPCR産物がアレイ上にスポットされたオリゴヌクレオチド配列とハイブリダイズすることを可能にするアダプターオリゴヌクレオチド配列を有するプライマーを用いる増幅によって、試料中の幅広い種類の核酸の検出に適合され得る。目的の核酸配列に対する各プライマー対は、これらの独特のアダプター配列のひとつを含み得、これにより、各アンプリコンがアレイ上の異なるスポットにハイブリダイズすることが可能になる。このようにして、共通または「ユニバーサル」マイクロアレイスライドを、多数の様々な核酸の検出に適合させることができる。さらに、ユニバーサルアレイアプローチはまた、アレイ上にスポットされた対応するオリゴヌクレオチド配列にハイブリダイズするアダプターオリゴヌクレオチド配列に結合された特異的抗体を用いて、ポリペプチドのような抗原に適合され得る。したがって、単一のマイクロアレイを製造し、様々な核酸または抗原検出アッセイに適合させることができるので、製造コストが大幅に最小限に抑えられる。
【0008】
したがって、本開示のある態様は、試料中の核酸を検出する方法を提供する。いくつかの実施形態では、当該方法は、a)前記試料中に存在する場合に核酸の少なくとも一部を含むアンプリコンの増幅に適した条件の下で、プライマー対を用いて前記試料から前記核酸の少なくとも一部を増幅する工程であって、前記プライマー対は、1)標識、および前記核酸の一部の第1の鎖とハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチド配列を含む第1のプライマーと、2)前記核酸の一部の、前記第1の鎖と逆である、第2の鎖とハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチド配列、および第3のオリゴヌクレオチド配列を含む第2のプライマーと、を含む工程と、b)工程(a)の後、存在する場合に前記アンプリコンを、それぞれ固体支持体に固定された複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列に接触させる工程であって、存在する場合に前記アンプリコンを、前記第3のオリゴヌクレオチド配列または前記第3のオリゴヌクレオチド配列の相補体を介して、その固体支持体上の前記1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列の少なくとも1つとハイブリダイズする、工程と、c)工程(a)の後、コロイド検出試薬を前記固体支持体に適用する工程であって、前記コロイド検出試薬は、存在する場合に前記アンプリコンの前記標識に結合する第1の部分およびコロイド金属を含む第2の部分を含む工程と、d)工程(c)の後、前記固体支持体を洗浄液で洗浄する工程と、e)工程(a)~(d)の後、前記コロイド検出試薬を検出する工程であって、固体支持体上の前記コロイド検出試薬の検出は前記ハイブリダイズされたアンプリコンの存在を示し、それによって、前記試料中の前記核酸を検出する工程、とを含む。いくつかの実施形態では、前記固体支持体はマイクロアレイ、マルチプレックスビーズアレイ、またはウェルアレイとして配置される。いくつかの実施形態では、前記固体支持体は、ニトロセルロース、シリカ、プラスチック、または、ヒドロゲルである。いくつかの実施形態では、工程(e)における前記コロイド検出試薬の検出は、前記コロイド金属の検出を含む。いくつかの実施形態では、工程(e)における前記コロイド検出試薬の検出は、1)前記コロイド金属の存在下で沈降物を形成するのに適した展開試薬を前記固体支持体に適用することと、2)固体支持体上の前記沈降物の形成を検出することによって前記コロイド検出試薬を検出することを含む。いくつかの実施形態では、前記沈降物の形成は、視覚的検出、電子的検出、または、磁気的検出によって検出される。いくつかの実施形態では、前記沈降物の形成は機械式リーダーによって検出される。いくつかの実施形態では、前記展開試薬は銀を含む。いくつかの実施形態では、工程(a)における条件は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅に適している。いくつかの実施形態では、工程(a)における条件は、リコンビナーゼ-ポリメラーゼ分析(RPA)、核酸配列ベース連鎖アッセイ(NASBA;nucleic acid sequenced-based chain assay)、ローリングサークル増幅,分枝鎖増幅,ライゲーション増幅、または、ループ媒介等温増幅による増幅に適している。いくつかの実施形態では、前記標識はビオチンを含み、前記第3のオリゴヌクレオチド配列は前記1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列の少なくとも1つとハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、各1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列はスペーサ試薬に結合され、前記スペーサ試薬は対応する固体支持体に結合される。いくつかの実施形態では、前記スペーサ試薬は血清アルブミンタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、前記スペーサ試薬はデンドリマーを含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、工程(b)の後に、前記固体支持体を洗浄液で洗浄することをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記第1のプライマーは前記核酸のセンス方向に増幅するフォーワードプライマーであり、前記第2のプライマーは前記核酸のアンチセンス方向に増幅するリバースプライマーである。いくつかの実施形態では、前記第2のプライマーは前記核酸のセンス方向に増幅するフォーワードプライマーであり、前記第1のプライマーは前記核酸のアンチセンス方向に増幅するリバースプライマーである。いくつかの実施形態では、前記第2のプライマーは、5’から3’への方向のプライマー伸長を可能にする前記第2のオリゴヌクレオチド配列と、前記第2のオリゴヌクレオチド配列からのプライマー伸長の方向と比較して、反対の5’から3’への方向に配向されている前記第3のオリゴヌクレオチド配列と、を含む。いくつかの実施形態では、前記第3のオリゴヌクレオチド配列は、プライマー伸長をブロックする修飾ヌクレオチドを3’末端に含む。いくつかの実施形態では、前記第2のプライマーは、前記第3のオリゴヌクレオチド配列の5’末端と前記第2のオリゴヌクレオチド配列の5’末端との間に1つ以上のリンカーをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記核酸の一部は、工程(a)において、前記第2のプライマーに対して過剰の前記第1のプライマーを用いて増幅され、存在する場合に前記アンプリコンは前記第3のオリゴヌクレオチド配列の前記相補体を介して、工程(b)において、前記1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列の少なくとも1つとハイブリダイズする1本鎖核酸である。いくつかの実施形態では、前記核酸の一部は、第1のプライマーの前記第2のプライマーに対する比率として約12.5:1~約100:1の間の比率を用いて、工程(a)において増幅される。いくつかの実施形態では、前記第1のプライマーの前記標識はビオチンを含む。いくつかの実施形態では、前記コロイド検出試薬の前記第1の部分は、ビオチンに特異的に結合する、ニュートラアビジン、ストレプトアビジン、または、抗原結合領域を含む。いくつかの実施形態では、前記コロイド検出試薬の前記第1の部分はニュートラアビジンを含み、前記コロイド検出試薬の前記第2の部分はコロイド金イオンを含む。いくつかの実施形態では、前記コロイド検出試薬は、最終希釈度0.00001OD~20ODで工程(c)において前記固体支持体に適用される。いくつかの実施形態では、前記コロイド検出試薬の前記第1の部分はニュートラアビジンを含み、前記コロイド検出試薬の前記第2の部分はコロイド金イオンを含み、前記コロイド検出試薬は最終希釈度0.05OD~0.2ODで工程(c)において前記固体支持体に適用される。いくつかの実施形態では、工程(c)において、アンプリコン1μL当たり1pL~1000μLのコロイド検出試薬が前記固体支持体に適用される。いくつかの実施形態では、前記方法は、工程(a)の前に、0.1%以上10%以下のN,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタイン(w/v)を含む溶解バッファに前記試料を暴露することをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記溶解バッファは、0.5%以上4%以下のN,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタイン(w/v)を含む。いくつかの実施形態では、前記溶解バッファは、1%以上2%以下のN,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタイン(w/v)を含む。いくつかの実施形態では、前記試料は、試料:溶解バッファ=1:50~試料:溶解=50:1の間の比率で前記溶解バッファに暴露される。いくつかの実施形態では、前記試料の一部は、試料:溶解バッファ=約1:1の比率で前記溶解バッファに暴露される。いくつかの実施形態では、前記溶解バッファは、0.1X~5Xのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)バッファまたはトリスEDTA(TE)バッファをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記溶解バッファは1XのPBSをさらに含む。いくつかの実施形態では、工程(b)において、0.1X~10Xのクエン酸ナトリウム生理食塩水(SSC)バッファ、0.001%~30%のブロッキング剤、および0.01%~30%のクラウディング剤を含むハイブリダイゼーションバッファ中で、前記アンプリコンが前記固体支持体にハイブリダイズされる。いくつかの実施形態では、前記ブロッキング剤は、ウシ血清アルブミン(BSA)、ポリエチレングリコール(PEG)、カゼイン、または、ポリビニルアルコール(PVA)を含む。いくつかの実施形態では、前記ブロッキング剤はBSAを含み、前記BSAは1%~3%で前記ハイブリダイゼーションバッファ中に存在する。いくつかの実施形態では、前記クラウディング剤はポリエチレングリコールビスフェノールAエピクロロヒドリン共重合体である。いくつかの実施形態では、前記ポリエチレングリコールビスフェノールAエピクロロヒドリン共重合体は1%~3%で前記ハイブリダイゼーションバッファ中に存在する。いくつかの実施形態では、前記ハイブリダイゼーションバッファは、2X~5XのSSCバッファを含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、工程(b)の前に、BSAを含む溶液を用いて、前記固体支持体をブロックすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記固体支持体は、2%のBSA溶液を用いて37℃で1時間ブロックされる。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記固体支持体をブロックした後、前記固体支持体を洗浄液で洗浄することをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、工程(b)の後、かつ、工程(c)の前に、0.1X~10XのSSCバッファおよび0.01%~30%の洗剤を含む洗浄バッファで前記固体支持体を洗浄することをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記洗剤は、0.05%~5%のN-ラウロイルサルコシンナトリウム塩を含む。いくつかの実施形態では、前記洗浄バッファは、1X~5XのSSCバッファを含む。いくつかの実施形態では、前記溶解バッファ、洗浄バッファ、およびハイブリダイゼーションバッファのうちの1つ以上が、その固体支持体上の前記1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列のうちの少なくとも1つとハイブリダイズする対照オリゴヌクレオチドをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、工程(a)の前に、(i)固体基材に結合したオリゴヌクレオチドに前記試料を接触させ、前記試料中に存在する場合に前記オリゴヌクレオチドを前記核酸とハイブリダイズすることと、(ii)前記固体基材との非特異性相互作用を除去するが、前記試料中に存在する場合に前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズした前記核酸を保持するのに適した条件下で、前記固体基材を洗浄することと、(iii)前記試料中に存在する場合に前記核酸を前記オリゴヌクレオチドから溶出し、前記溶出した核酸が工程(a)においてPCR増幅に供されること、をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、工程(a)の前に、(i)オリゴヌクレオチドに前記試料を接触させ、前記試料中に存在する場合に前記オリゴヌクレオチドが、前記核酸とハイブリダイズすることと、(ii)工程(i)と同時にまたはその後に、前記試料を固体基材と接触させて、前記固体基材が第1の結合部分と結合し、前記オリゴヌクレオチドが前記第1の結合部分と結合する第2の結合部分と結合し、前記第2の結合部分が前記第1の結合部分と結合するのに適した条件下で前記試料が前記固体基材と接触することと、(iii)前記固体基材との非特異性相互作用を除去するが、前記オリゴヌクレオチドと、前記試料中に存在する場合に前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイズした前記核酸とを保持するのに適した条件下で、前記固体基材を洗浄することと、(iv)前記試料中に存在する場合に前記核酸を前記オリゴヌクレオチドから溶出し、前記溶出した核酸が工程(a)においてPCR増幅に供されること、をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記オリゴヌクレオチドは、共有結合性相互作用によって前記固体基材に結合される。いくつかの実施形態では、前記オリゴヌクレオチドはアビジン:ビオチン相互作用またはストレプトアビジン:ビオチン相互作用によって前記固体基材に結合される、または、前記第1の結合部分はアビジン、ニュートラアビジン、ストレプトアビジン、またはその誘導体を含み、前記第2の結合部分はビオチンまたはその誘導体を含む。いくつかの実施形態では、前記固体基材は

ピペットチップに配置され、工程(i)は前記試料を前記ピペットチップにピペッティングすることを含む。いくつかの実施形態では、前記固体基材は、マトリックスまたは複数のビーズを含む。いくつかの実施形態では、前記核酸はDNAを含む。いくつかの実施形態では、前記核酸はRNAを含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、工程(a)の前に、前記核酸から合成されるcDNAの生成に適した条件下で、前試料の少なくとも一部を逆転写酵素、プライマー、およびデオキシリボヌクレオチドと共にインキュベートすることをさらに含み、前記核酸の一部は、前記cDNAを用いて工程(a)において増幅される。いくつかの実施形態では、工程(a)の前に用いられるプライマーは、ランダムプライマー、ポリdTプライマー、または、前記核酸の一部に特異的なプライマーである。いくつかの実施形態では、前記試料の一部は、リボヌクレアーゼ阻害剤の存在下で、前記逆転写酵素、プライマー、および、前記デオキシリボヌクレオチドとともにインキュベートされる。いくつかの実施形態では、前記試料の一部は、ベタインの存在下で、前記逆転写酵素、プライマー、および、前記デオキシリボヌクレオチドとともにインキュベートされる。いくつかの実施形態では、前記ベタインは、約0.2M~約1.5Mの濃度で存在する。いくつかの実施形態では、前記核酸はウイルス核酸を含む。いくつかの実施形態では、前記ウイルス核酸は、HIV、HBV、HCV、ウェストナイル、ジカ、およびパルボウイルスからなる群より選択されるウイルス由来である。いくつかの実施形態では、前記核酸は、細菌、古細菌、原生動物、真菌、植物または動物の核酸を含む。
【0009】
本開示の他の態様は、試料中の核酸を検出するためのキットまたは製品に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、複数のプライマー対を含むキットであって、前記複数のプライマー対のそれぞれは第1のプライマーと第2のプライマーとを含み、前記第1のプライマーは標識に結合されており、前記第1のプライマーは核酸の第1の鎖とハイブリダイズし、前記第2のプライマーは、1)5’から3’への方向のプライマー伸長を可能にし、前記核酸の、前記第1の鎖と逆である、第2の鎖とハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチド配列と、2)第2のオリゴヌクレオチド配列であって、前記第2のオリゴヌクレオチド配列からのプライマー伸長の方向と比較して、反対の5’から3’への方向に配向されている前記第2のオリゴヌクレオチド配列と、3)前記第1のオリゴヌクレオチド配列の5’末端と前記第2のオリゴヌクレオチド配列の5’末端の間の1つ以上のリンカーと、を含むキットに関する。いくつかの実施形態では、前記第2のオリゴヌクレオチド配列は、プライマー伸長をブロックする修飾ヌクレオチドを3’末端に含む。いくつかの実施形態では、前記第1のプライマーに結合された前記標識はビオチンを含む。いくつかの実施形態では、前記キットは、固体支持体にそれぞれ固定された複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列をさらに含み、その固体支持体上の少なくとも1つの1本鎖オリゴヌクレオチド配列は、前記複数のプライマー対の第2のプライマーの前記第2のオリゴヌクレオチド配列とハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、本開示は、a)固体支持体にそれぞれ固定された複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列と、b)複数のプライマー対とを、含むキットであって、前記複数のプライマー対のそれぞれは、1)標識と、前記核酸の一部の第1の鎖とハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチド配列とを含む第1のプライマーと、2)前記核酸の一部の、前記第1の鎖と逆である、第2の鎖とハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチド配列と、第3のオリゴヌクレオチド配列とを含む第2のプライマーと、を含み、前記複数のプライマー対のそれぞれの前記第3のオリゴヌクレオチド配列は、その固体支持体上の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列とハイブリダイズする、キットに関する。いくつかの実施形態では、前記複数のプライマー対のそれぞれの前記第2のオリゴヌクレオチド配列は前記5’から3’への方向のプライマー伸長を可能にし、前記複数のプライマー対のそれぞれの前記第3のオリゴヌクレオチド配列は前記第2のオリゴヌクレオチド配列からのプライマー伸長の方向と比較して、反対の5’から3’への方向に配向され、前記複数のプライマー対のそれぞれの前記第2のプライマーは前記第3のオリゴヌクレオチド配列の5’末端と前記第2のオリゴヌクレオチド配列の5’末端との間に1つ以上のリンカーをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記複数のプライマー対のそれぞれの前記第3のオリゴヌクレオチド配列は、プライマー伸長をブロックする修飾ヌクレオチドを3’末端に含む。いくつかの実施形態では、その支持体上の前記1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列の各々はスペーサ試薬に結合され、前記スペーサ試薬は前記固体支持体に結合される。いくつかの実施形態では、前記スペーサ試薬は血清アルブミンタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、前記スペーサ試薬はデンドリマーを含む。
【0010】
本開示の特定の他の態様は、試料中の核酸を増幅および検出するための方法に関する。いくつかの実施形態では、前記方法は、a)前記試料の少なくとも一部を、デオキシリボヌクレオチド、ポリメラーゼ、および、プライマー対を含む増幅混合物とともにインキュベートする工程であって、前記プライマー対は第1のプライマーと第2のプライマーとを含み、前記第1のプライマーは、標識と、前記核酸の一部の第1の鎖とハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチド配列とを含み、前記第2のプライマーは、前記核酸の一部の、前記第1の鎖と逆である、第2の鎖とハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチド配列と、第1の捕捉部分とを含む工程と、b)前記試料中に存在する場合に前記核酸の一部を含むアンプリコンの増幅に適した条件下で、前記増幅混合物と混合した状態の前記試料の一部を、連続キャピラリー管を介して第1、第2、および第3の固定温度ゾーンに複数のサイクル通過させる工程であって、前記複数のサイクルのそれぞれは、1)前記試料中に存在する場合に前記核酸の鎖を変性させるのに適した第1の温度および第1の期間において、前記増幅混合物と混合した状態の前記試料の一部を、連続キャピラリー管を介して前記第1の固定温度ゾーンに通過させることと、2)工程(b)の(1)の後、前記試料中に存在する場合に前記核酸の鎖それぞれに前記第1のプライマーおよび前記第2のプライマーをアニーリングするのに適した第2の温度および第2の期間において、前記増幅混合物と混合した状態の前記試料の一部を、連続キャピラリー管を介して前記第2の固定温度ゾーンに通過させることと、3)工程(b)の(2)の後、前記試料中に存在する場合に前記核酸ターゲットを前記ポリメラーゼおよびプライマー対を介して増幅させるのに適した第3の温度および第3の期間において、前記増幅混合物と混合した状態の前記試料の一部を、連続キャピラリー管を介して前記第3の固定温度ゾーンに通過させること、を含む工程と、c)前記複数のサイクルの後、前記試料中に存在する場合に前記アンプリコンを固体支持体に固定された第1の捕捉部分と結合させる工程と、d)前記試料中に存在する場合に前記アンプリコンの前記固体支持体との結合を検出する工程であって、前記アンプリコンの前記1つ以上の固体支持体との結合は前記試料中における前記核酸の存在を示す工程と、を含む。いくつかの実施形態では、前記第1の捕捉部分は第3のオリゴヌクレオチド配列を含み、前記第2の捕捉部分は、工程(c)において前記第3のオリゴヌクレオチド配列または前記第3のオリゴヌクレオチド配列の相補体とハイブリダイズする1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列を含む。いくつかの実施形態では、存在する場合に前記アンプリコンの前記固体支持体との結合を検出することは、i)存在する場合に前記アンプリコンの標識に結合する第1の部分およびコロイド金属を含む第2の部分を含むコロイド検出試薬を前記固体支持体に適用することと、ii)前記コロイド検出試薬を検出すること、を含む。いくつかの実施形態では、工程(d)の(ii)において前記コロイド検出試薬を検出することは、前記コロイド金属の検出を含む。いくつかの実施形態では、工程(d)の(ii)において前記コロイド検出試薬を検出することは、a)前記コロイド金属の存在下で沈降物を形成するのに適した展開試薬を前記固体支持体に適用することと、b)前記固体支持体における前記沈降物の形成を検出することによって前記コロイド検出試薬を検出すること、を含む。いくつかの実施形態では、前記沈降物の形成は、視覚的検出、電子的検出、または、磁気的検出によって検出される。いくつかの実施形態では、前記沈降物の形成は機械式リーダーによって検出される。いくつかの実施形態では、前記展開試薬は銀を含む。いくつかの実施形態では、前記標識はビオチンまたはその誘導体を含み、前記コロイド検出試薬の前記第1の部分は、ビオチンに特異的に結合する、ニュートラアビジン、ストレプトアビジン、または、抗原結合領域を含む。いくつかの実施形態では、前記コロイド検出試薬の前記第1の部分はニュートラアビジンを含み、前記コロイド検出試薬の前記第2の部分はコロイド金イオンを含む。いくつかの実施形態では、工程(b)における条件は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅に適している。いくつかの実施形態では、工程(b)における条件は、リコンビナーゼ-ポリメラーゼ分析(RPA)、核酸配列ベース連鎖アッセイ(NASBA)、ローリングサークル増幅,分枝鎖増幅,ライゲーション増幅、または、ループ媒介等温増幅による増幅に適している。いくつかの実施形態では、前記PCR増幅混合物と混合した状態の前記試料の一部を、蠕動ポンプ、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)ポンプ、精密シリンジポンプ、または真空を用いて連続キャピラリー管に通過させる。いくつかの実施形態では、前記方法は、工程(b)の前に、前記増幅混合物と混合した状態の前記試料の一部を、連続キャピラリー管を介して約20℃~約55℃の間の予熱ゾーンに通過させることをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記予熱ゾーンは約37℃~約42℃の間である。いくつかの実施形態では、前記増幅混合物と混合した状態の前記試料の一部を最大30分間、前記予熱ゾーンに通過させる。いくつかの実施形態では、前記増幅混合物と混合した状態の前記試料の一部を約15分間、前記予熱ゾーンに通過させる。いくつかの実施形態では、前記方法は、工程(b)の前に、前記増幅混合物と混合した状態の前記試料の一部を、連続キャピラリー管を介して約80℃~約100℃の間の活性化ゾーンに通過させることをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記活性化ゾーンは約90℃~約95℃の間である。いくつかの実施形態では、前記増幅混合物と混合した状態の前記試料の一部を最大20分間、前記活性化ゾーンに通過させる。いくつかの実施形態では、前記増幅混合物と混合した状態の前記試料の一部を約5分~約10分間、前記活性化ゾーンに通過させる。いくつかの実施形態では、前記方法は、工程(b)の後、かつ、工程(c)の前に、前記増幅混合物と混合した状態の前記試料の一部を、連続キャピラリー管を介して約55℃~約72℃の間の伸長ゾーンに通過させることをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、工程(b)の後、かつ、工程(c)の前に、i)第2の試料の少なくとも一部を、デオキシリボヌクレオチド、ポリメラーゼ、および第2のプライマー対を含む増幅混合物と混合する工程であって、前記第2のプライマーは、第3のプライマーと第4のプライマーとを含み、前記第3のプライマーは、標識と、第2の核酸の一部の第1の鎖とハイブリダイズする第4のオリゴヌクレオチド配列とを含み、前記第4のプライマーは、前記第2の核酸の一部の、前記第1の鎖と逆である、第2の鎖とハイブリダイズする第5のオリゴヌクレオチド配列と、第3の捕捉部分とを含む工程と、ii)前記試料中に存在する場合に前記第2の核酸の一部の増幅に適した条件下で、前記増幅混合物と混合した状態の前記第2の試料の一部を、連続キャピラリー管を介して前記第1、第2、および、第3の固定温度ゾーンに第2の複数のサイクル通過させる工程と、をさらに含み、前記第2の複数のサイクルのそれぞれは、1)前記第2の試料中に存在する場合に前記第2の核酸の鎖を変性させるのに適した前記第1の温度および前記第1の期間において、前記増幅混合物と混合した状態の前記第2の試料の一部を、連続キャピラリー管を介して第1の固定温度ゾーンに通過させることと、2)工程(ii)の(1)の後、前記第2の試料中に存在する場合に前記第2の核酸の鎖それぞれに前記第3のプライマーおよび前記第4のプライマーをアニーリングするのに適した前記第2の温度および前記第2の期間において、前記増幅混合物と混合した状態の前記第2の試料の一部を、連続キャピラリー管を介して前記第2の固定温度ゾーンに通過させることと、3)工程(ii)の(2)の後、前記第2の試料中に存在する場合に前記第2の核酸を前記ポリメラーゼおよび第2のプライマー対を介して増幅させるのに適した前記第3の温度および前記第3の期間において、前記増幅混合物と混合した状態の前記第2の試料の一部を、連続キャピラリー管を介して前記第3の固定温度ゾーンに通過させること、を含み、ここで、前記第2の試料中に存在する場合に前記第2の核酸は、前記第3の捕捉部分と結合する第4捕捉部分とともに、前記第1の試料中に存在する場合に前記増幅された第1の核酸ターゲットと同時に結合され、ここで、前記第4捕捉部分は固体支持体と結合されており、前記第2の試料中に存在する場合に前記増幅された第2の核酸の前記固体支持体との結合は、前記第1の試料中に存在する場合に前記増幅された第1の核酸のハイブリダイゼーションと同時に検出され、ここで、前記増幅された第2の核酸ターゲットの前記固体支持体との結合は、前記第2の試料中の前記第2の核酸ターゲットの存在を示す。いくつかの実施形態では、前記第1の試料と前記第2の試料は同じである。いくつかの実施形態では、前記第1の核酸と前記第2の核酸は異なる。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記増幅混合物と混合した状態の前記第1の試料の一部を前記第1、第2、および、第3の固定温度ゾーンに前記複数のサイクル通過させた後、かつ、前記増幅混合物と混合した状態の前記第2の試料の一部を前記第1、第2、および、第3の固定温度ゾーンに前記第2の複数のサイクル通過させる前に、前記増幅混合物と混合した状態の前記第1の試料の一部と、前記増幅混合物と混合した状態の前記第2の試料の一部とを分離するのに十分な量の空気を前記連続キャピラリー管に通過させること、をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記空気を前記連続キャピラリー管に通過させた後、かつ、前記増幅混合物と混合した状態の前記第2の試料の一部を前記第1、第2、および、第3の固定温度ゾーンに前記第2の複数のサイクル通過させる前に、約0.1%~約10%の濃度で次亜塩素酸ナトリウムを含む溶液を前記連続キャピラリー管に通過させること、をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記溶液は、約1.6%の濃度で次亜塩素酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記漂白液を前記連続キャピラリー管に通過させた後、かつ、前記増幅混合物と混合した状態の前記第2の試料の一部を前記第1、第2、および、第3の固定温度ゾーンに前記第2の複数のサイクル通過させる前に、約5mM~約500mMの濃度でチオ硫酸塩を含む溶液を前記連続キャピラリー管に通過させること、をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記溶液は、約20mMの濃度でチオ硫酸塩を含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記チオ硫酸塩溶液を前記連続キャピラリー管に通過させた後、かつ、前記増幅混合物と混合した状態の前記第2の試料の一部を前記第1、第2、および、第3の固定温度ゾーンに前記第2の複数のサイクル通過させる前に、前記連続キャピラリー管に水を通過させること、をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記水を前記連続キャピラリー管に通過させた後、かつ、前記PCR増幅混合物と混合した状態の前記第2の試料の一部を前記第1、第2、および、第3の固定温度ゾーンに前記第2の複数のサイクル通過させる前に、前記水と、前記PCR増幅混合物と混合した状態の前記第2の試料の一部とを分離するのに十分な量の空気を前記連続キャピラリー管に通過させること、をさらに含む。いくつかの実施形態では、工程(a)は、ロボットアームまたはバルブシステムを用いて、前記試料の一部を前記連続キャピラリー管に挿入し、前記試料の一部を前記増幅混合物と混合することを含む。いくつかの実施形態では、前記核酸はDNAを含む。いくつかの実施形態では、前記核酸はRNAを含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、工程(a)の前に、前記RNAから合成されるcDNAの生成に適した条件下で、前記試料の少なくとも一部を逆転写酵素、プライマー、およびデオキシリボヌクレオチドとともに


インキュベートすることをさらに含み、前記cDNAは工程(a)において前記増幅混合物と混合される。いくつかの実施形態では、工程(a)の前に用いられる前記プライマーは、ランダムプライマー、ポリdTプライマー、または、前記RNAの一部に特異的なプライマーである。いくつかの実施形態では、前記試料の一部を、前記RNAから合成されるcDNAの生成に十分な時間、前記連続キャピラリー管を介して約37℃~約42℃のcDNA合成ゾーンに通過させながら、前記逆転写酵素、プライマー、およびデオキシリボヌクレオチドとともにインキュベートする。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記逆転写酵素、プライマー、およびデオキシリボヌクレオチドと混合した状態の前記試料の一部を前記cDNA合成ゾーンに通過させた後、かつ、工程(b)の前に、前記逆転写酵素、プライマー、およびデオキシリボヌクレオチドと混合した状態の前記試料の一部を、前記連続キャピラリー管を介して約95℃の活性化ゾーンに通過させること、をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記複数のサイクルのそれぞれの間に、前記増幅混合物と混合した状態の前記試料の一部を1秒~約10分間、約80℃~約100℃の前記第1の固定温度ゾーンに通過させる。いくつかの実施形態では、前記複数のサイクルのそれぞれの間に、前記増幅混合物と混合した状態の前記試料の一部を2秒~約60秒間、約45℃~約65℃の前記第2の固定温度ゾーンに通過させる。いくつかの実施形態では、前記複数のサイクルのそれぞれの間に、前記増幅混合物と混合した状態の前記試料の一部を3秒~約60秒間、約57℃~約74℃の前記第3の固定温度ゾーンに通過させる。いくつかの実施形態では、前記複数のサイクルのそれぞれの間に、前記PCR増幅混合物と混合した状態の前記試料の一部を約0.5秒~約5分間、約45℃~約80℃の前記第2の固定温度ゾーンおよび前記第3の固定温度ゾーンの両方に通過させる。いくつかの実施形態では、前記複数のサイクルは、2サイクル以上100サイクル以下を含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、工程(a)の前に、0.1%以上10%以下のN,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタイン(w/v)を含む溶解バッファとともに前記試料の一部をインキュベートすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記試料は、工程(a)においてベタインとさらに混合される。いくつかの実施形態では、前記試料は、工程(a)において蛍光染料または有色染料とさらに混合される。いくつかの実施形態では、前記第2のプライマーは、5’から3’への方向のプライマー伸長を可能にする前記第2のオリゴヌクレオチド配列と、前記第2のオリゴヌクレオチド配列からのプライマー伸長の方向と比較して、反対の5’から3’への方向に配向されている前記第3のオリゴヌクレオチド配列と、を含む。いくつかの実施形態では、前記第3のオリゴヌクレオチド配列は、プライマー伸長をブロックする修飾ヌクレオチドを3’末端に含む。いくつかの実施形態では、前記第2のプライマーは、前記第3のオリゴヌクレオチド配列の5’末端と前記第2のオリゴヌクレオチド配列の5’末端との間に1つ以上のリンカーをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記第1の捕捉部分はスペーサ試薬に固定され、前記スペーサ試薬は前記固体支持体に結合される。いくつかの実施形態では、前記スペーサ試薬は血清アルブミンタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、前記スペーサ試薬はデンドリマーを含む。いくつかの実施形態では、前記試料は全血試料、血清試料、唾液試料、尿試料、土壌試料、組織試料、または、環境試料を含む。いくつかの実施形態では、前記核酸はウイルス核酸を含む。いくつかの実施形態では、前記ウイルス核酸は、HIV、HBV、HCV、ウェストナイル、ジカ、およびパルボウイルスからなる群より選択されるウイルス由来である。いくつかの実施形態では、前記核酸は、細菌、古細菌、原生動物、真菌、植物または動物の核酸を含む。
【0011】
本開示の特定の他の態様は、試料から核酸を増幅するための機器に関する。いくつかの実施形態では、前記機器は、第1、第2、および第3の固定温度ゾーンをそれぞれが含む複数の回路において、支持体の周りに配置されたキャピラリー管であって、前記第1の固定温度ゾーンにおいて第1の温度に、前記第2の固定温度ゾーンにおいて第2の温度に、および前記第3の固定温度ゾーンにおいて第3の温度に加熱されるキャピラリー管と、デオキシリボヌクレオチド、ポリメラーゼ、およびプライマー対を含む増幅混合物と混合した状態の核酸を含む試料を前記キャピラリー管に導入するよう構成されたロボットアームと、前記増幅混合物と混合した状態の前記核酸を含む前記試料を、前記キャピラリー管内で前記複数の回路に通過させるよう構成されたポンプまたは真空と、を含む。いくつかの実施形態では、前記機器は、1つ以上のプロセッサと、メモリと、1つ以上のプログラムとをさらに含み、前記1つ以上のプログラムは前記メモリに格納され、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるよう構成されており、前記1つ以上のプログラムは前記第1、第2、および第3の固定温度ゾーンの温度を制御するための命令を含む。いくつかの実施形態では、前記機器は、前記キャピラリー管が前記複数の回路の上流で約37℃~約42℃に加熱されるcDNA合成ゾーンのためのインキュベータをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記機器は、前記キャピラリー管が前記複数の回路の上流で約95℃に加熱される活性化ゾーンのためのインキュベータをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記キャピラリー管は、前記複数の回路のそれぞれにおいて、円錐形状、円筒形状、または、らせん形状を形成する。いくつかの実施形態では、前記キャピラリー管はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む。いくつかの実施形態では、前記キャピラリー管の前記複数の回路は、約25~約44個の回路を含む。いくつかの実施形態では、前記ロボットアームは、増幅混合物と混合した状態の前記核酸ターゲットを含む前記試料を前記キャピラリー管に導入するように構成された蠕動ポンプまたはHPLCポンプを含み、前記機器は、増幅混合物と混合した状態の前記核酸ターゲットを含む前記試料を前記キャピラリー管を通るように引っ張るよう構成された2次ポンプをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記機器は、前記キャピラリー管が前記複数の回路の下流で約55℃~約72℃に加熱されるPCR伸長ゾーンのためのインキュベータをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記増幅混合物と混合した状態の前記核酸を含む前記試料を前記複数の回路に通過させるように構成された前記真空は、蠕動ポンプ、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)ポンプ、または精密シリンジポンプである。
【0012】
本開示の特定の他の態様は、試料中の抗原を検出するための方法に関する。いくつかの実施形態では、前記方法は、a)固体支持体にそれぞれ固定された複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列を供給する工程と、b)工程(a)の後、前記固体支持体を、抗原に特異的に結合する抗原結合領域と接触させる工程であって、前記抗原結合領域を、前記固体支持体上の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列の少なくとも1つとハイブリダイズする1本鎖オリゴヌクレオチド配列と結合させ、前記マイクロアレイを、前記抗原結合領域の前記1本鎖オリゴヌクレオチド配列が前記固体支持体上の前記少なくとも1つの1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列とハイブリダイズするのに適した条件下で、前記抗原結合領域と接触させる工程と、c)工程(a)の後、前記試料中に存在する場合に前記抗原に前記抗原結合領域が結合するのに適した条件下で、前記固体支持体を前記試料の少なくとも一部と接触させる工程と、d)工程(a)の後、コロイド検出試薬を前記固体支持体に適用する工程であって、前記コロイド検出試薬は、存在する場合に前記抗原に特異的に結合する第1の部分およびコロイド金属を含む第2の部分を含む工程と、e)工程(d)の後、前記固体支持体を洗浄液で洗浄する工程と、f)工程(a)~(e)の後、前記コロイド検出試薬を検出する工程であって、前記コロイド検出試薬の検出は、前記試料中の前記抗原の存在を示す工程と、を含む。いくつかの実施形態では、前記固体支持体はマイクロアレイ、マルチプレックスビーズアレイ、またはウェルアレイとして配置される。いくつかの実施形態では、前記固体支持体は、ニトロセルロース、シリカ、プラスチック、または、ヒドロゲルである。いくつかの実施形態では、工程(f)において前記コロイド検出試薬を検出することは、前記コロイド金属の検出を含む。いくつかの実施形態では、工程(f)において前記コロイド検出試薬を検出することは、1)前記コロイド金属の存在下で沈降物を形成するのに適した展開試薬を前記固体支持体に適用することと、2)前記沈降物の形成を検出することによって前記コロイド検出試薬を検出すること、を含む。いくつかの実施形態では、前記沈降物の形成は、視覚的検出、電子的検出、または、磁気的検出によって検出される。いくつかの実施形態では、前記沈降物の形成は機械式リーダーによって検出される。いくつかの実施形態では、前記展開試薬は銀を含む。いくつかの実施形態では、前記第1の部分は前記抗原に特異的に結合する第2の抗原結合領域を含み、前記第2の抗原結合領域はビオチンまたはその誘導体に結合し、前記コロイド懸濁液は前記ビオチンに結合したアビジン、ニュートラアビジン、ストレプトアビジン、またはその誘導体に結合している。いくつかの実施形態では、前記コロイド金属は、金、プラチナ、パラジウム、または、ルテニウムである。いくつかの実施形態では、前記複数のスポットのそれぞれにおける前記1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列はスペーサ試薬に結合され、前記スペーサ試薬は前記固体支持体に結合される。いくつかの実施形態では、前記スペーサ試薬は血清アルブミンタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、前記スペーサ試薬はデンドリマーを含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、工程(c)の前に、0.1%以上10%以下のN,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタイン(w/v)を含む溶解バッファに前記試料を暴露することをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記溶解バッファは、0.5%以上4%以下のN,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタイン(w/v)を含む。いくつかの実施形態では、前記溶解バッファは、1%以上2%以下のN,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタイン(w/v)を含む。いくつかの実施形態では、前記試料は、試料:溶解バッファ=1:50~試料:溶解=50:1の間の比率で前記溶解バッファに暴露される。いくつかの実施形態では、前記試料の一部は、試料:溶解バッファ=約1:1の比率で前記溶解バッファに暴露される。いくつかの実施形態では、前記溶解バッファは、0.1X~5Xのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)バッファまたはトリスEDTA(TE)バッファをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記溶解バッファは1XのPBSをさらに含む。いくつかの実施形態では、工程(b)において、0.1X~10Xのクエン酸ナトリウム生理食塩水(SSC)バッファ、0.001%~30%のブロッキング剤、および0.01%~30%のクラウディング剤を含むハイブリダイゼーションバッファの存在下で、前記固体支持体を前記抗原結合領域と接触させる。いくつかの実施形態では、前記ブロッキング剤は、ウシ血清アルブミン(BSA)、ポリエチレングリコール(PEG)、カゼイン、または、ポリビニルアルコール(PVA)を含む。いくつかの実施形態では、前記ブロッキング剤はBSAを含み、前記BSAは1%~3%で前記バッファ中に存在する。いくつかの実施形態では、前記クラウディング剤はポリエチレングリコールビスフェノールAエピクロロヒドリン共重合体である。いくつかの実施形態では、前記ポリエチレングリコールビスフェノールAエピクロロヒドリン共重合体は1%~3%で前記ハイブリダイゼーションバッファ中に存在する。いくつかの実施形態では、前記バッファは、2X~5XのSSCバッファを含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、工程(b)および(c)の前に、BSAを含む溶液を用いて、前記固体支持体をブロックすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記固体支持体は、2%BSA溶液を用いて37℃で1時間ブロックされる。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記固体支持体をブロックした後、前記固体支持体を洗浄液で洗浄することをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、工程(b)および(c)の後、かつ、工程(d)の前に、0.1X~10XのSSCバッファおよび0.01%~30%の洗剤を含む洗浄バッファで前記固体支持体を洗浄することをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記洗剤は、0.05%~5%のN-ラウロイルサルコシンナトリウム塩を含む。いくつかの実施形態では、前記洗浄バッファは、1X~5XのSSCバッファを含む。いくつかの実施形態では、前記溶解バッファ、洗浄バッファ、およびハイブリダイゼーションバッファのうちの1つ以上が、その固体支持体上の前記1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列のうちの少なくとも1つとハイブリダイズする対照オリゴヌクレオチドをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記抗原はウイルス抗原である。いくつかの実施形態では、前記ウイルス抗原は、HIV、HBV、HCV、ウェストナイル、ジカ、およびパルボウイルスからなる群より選択されるウイルス由来である。いくつかの実施形態では、前記抗原は細菌、古細菌、原生動物、真菌、植物または動物の抗原である。いくつかの実施形態では、前記試料は全血試料、血清試料、唾液試料、尿試料、土壌試料、組織試料、または、環境試料を含む。
【0013】
さらに、試料中の抗原を検出するためのキットが本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、前記キットは、a)固体支持体にそれぞれ固定された複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列と、b)抗原にそれぞれ特異的に結合する複数の抗原結合領域であって、前記固体支持体に固定された1本鎖オリゴヌクレオチド配列に実質的に相補的な1本鎖オリゴヌクレオチド配列にそれぞれ結合されている複数の抗原結合領域と、を含む。いくつかの実施形態では、前記キットは、c)コロイド検出試薬に結合された第2の抗原結合領域であって、(b)の前記複数の抗原結合領域のうちの1つの抗原結合領域によっても特異的に結合される抗原に特異的に結合する第2の抗原結合領域をさらに含む。
【0014】
さらに、本明細書において提供されるのは、固体支持体にそれぞれ固定された複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列であって、各1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列は配列番号1~15からなる群から独立して選択される、複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列である。いくつかの実施形態では、各固体支持体における前記1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列はスペーサ試薬に結合され、前記スペーサ試薬は前記固体支持体に結合される。いくつかの実施形態では、前記スペーサ試薬は血清アルブミンタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、前記スペーサ試薬はデンドリマーを含む。さらに、本明細書において提供されるのは、a)前記実施形態のいずれかの複数の配列と、b)複数の抗原結合領域であって、配列番号16~30からなる群から独立して選択される1本鎖オリゴヌクレオチド配列にそれぞれ結合される複数の抗原結合領域と、を含むキットである。さらに、本明細書において提供されるのは、a)前記実施形態のいずれかの複数の配列と、b)複数のプライマー対とを、含むキットであって、前記複数のプライマー対のそれぞれは1)標識と、核酸の第1の鎖とハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチド配列とを含む第1のプライマーと、2)前記核酸の一部の、前記第1の鎖と逆である、第2の鎖とハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチド配列と、第3のオリゴヌクレオチド配列とを含む第2のプライマーとを含み、各第1のプライマーの前記第3のオリゴヌクレオチド配列は配列番号16~30からなる群から独立して選択される、キットである。
【0015】
さらに、本明細書において提供されるのは、固体支持体にそれぞれ固定された複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列であって、各1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列は配列番号16~30からなる群から独立して選択される、複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列である。いくつかの実施形態では、各固体支持体における前記1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列はスペーサ試薬に結合され、前記スペーサ試薬は前記固体支持体に結合される。いくつかの実施形態では、前記スペーサ試薬は血清アルブミンタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、前記スペーサ試薬はデンドリマーを含む。また、本明細書において提供されるのは、a)前記実施形態のいずれかの複数の配列と、b)複数の抗原結合領域であって、配列番号1~15からなる群から独立して選択される1本鎖オリゴヌクレオチド配列にそれぞれ結合される複数の抗原結合領域と、を含むキットである。さらに、本明細書において提供されるのは、a)前記実施形態のいずれかの複数の配列と、b)複数のプライマー対とを、含むキットであって、前記複数のプライマー対のそれぞれは1)標識と、核酸の第1の鎖とハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチド配列とを含む第1のプライマーと、2)前記核酸の一部の、前記第1の鎖と逆である、第2の鎖とハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチド配列と、第3のオリゴヌクレオチド配列とを含む第2のプライマーとを含み、各第1のプライマーの前記第3のオリゴヌクレオチド配列は配列番号1~15からなる群から独立して選択される、キットである。
【0016】
前記複数の配列のいずれかのいくつかの実施形態では、前記固体支持体はマイクロアレイ、マルチプレックスビーズアレイ、またはウェルアレイとして配置される。前記複数の配列のいずれかのいくつかの実施形態では、前記固体支持体は、ニトロセルロース、シリカ、プラスチック、または、ヒドロゲルである。前記キットのいずれかのいくつかの実施形態では、前記固体支持体はマイクロアレイ、マルチプレックスビーズアレイ、またはウェルアレイとして配置される。前記キットのいずれかのいくつかの実施形態では、前記固体支持体は、ニトロセルロース、シリカ、プラスチック、または、ヒドロゲルである。
【0017】
本明細書で説明される様々な実施形態の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを組み合わせて、本開示の他の実施形態を形成することができることを理解されたい。本開示のこれらおよび他の態様は、当業者には明らかになるであろう。本開示のこれらおよび他の実施形態は、以下の詳細な説明によってさらに説明される。
【0018】
〔図面の簡単な説明〕
この特許または出願書類は,色付きで作成された少なくとも1の図面を含んでいる。色付き図面を伴うこの特許または特許出願公開の写しは,請求および必要な手数料の納付によって,特許庁によって提供されるであろう。
【0019】
図1Aは、いくつかの実施形態に係る、抗原検出のためのユニバーサルアレイの図を示す。BSA:ウシ血清アルブミン。
【0020】
図1Bは、いくつかの実施形態に係る、ユニバーサルアレイを用いたB型肝炎(HBsAg)のバイオマーカーの検出を示す。
【0021】
図2Aは、いくつかの実施形態に係る、核酸試験(NAT)のためのユニバーサルアレイで用いられる増幅プライマーの図を示す(tC配列:配列番号34;HIVターゲット配列:配列番号35)。図2Bは、図2Aに示されるプライマーを用いてターゲット配列を増幅する図を示す。
【0022】
図2Cは、いくつかの実施形態に係る、核酸試験(NAT)のためのユニバーサルアレイの図を示す。
【0023】
図2Dおよび図2Eは、いくつかの実施形態に係る、核酸試験(NAT)のためのユニバーサルアレイを用いた、C型肝炎ウイルス(HCV)由来の核酸の検出を示す。HCV核酸を欠く試料(図2D)またはHCV核酸を含む試料(図2E)を用いて得られた結果の表示(readout)を示す。
【0024】
図3Aは、いくつかの実施形態に係る、NATのためのユニバーサルアレイ上の15個の個々のプローブを示す。
【0025】
図3Bは、いくつかの実施形態に係る、NATのためのユニバーサルアレイと共に用いるための試料調製物中における様々なエンピゲン(Empigen)BB濃度の影響を示す。
【0026】
図3Cは、いくつかの実施形態に係る、NATのためのユニバーサルアレイと共に用いるための様々なハイブリダイゼーションバッファの配合の影響を示す。示されたバッファの配合はx/y/zとして表され、ここで、xはSSCバッファの濃度(すなわち、「3」は3XのSSCバッファを示す)、yはBSAの割合、zはPEG-Cの割合である。
【0027】
図3Dは、いくつかの実施形態に係る、試料から目的の核酸を濃縮するための溶出効率に対する様々なNaOH濃度の影響を示す。
【0028】
図3Eは、いくつかの実施形態に係る、増幅用の目的の濃縮核酸の量との組み合わせによる、様々なNaOH濃度の影響を示す。
【0029】
図3Fは、いくつかの実施形態に係る、増幅用の目的の濃縮核酸の量との組み合わせによる、様々な溶出戦略の影響を示す。
【0030】
図3Gは、いくつかの実施形態に係る、核酸濃縮プロトコルにおける様々なプライマー濃度の影響を示す。
【0031】
図4Aは、いくつかの実施形態に係る、ピペットチップにおいて試料から目的の核酸の濃縮を示す。
【0032】
図4Bおよび図4Cは、いくつかの実施形態に係る、ビオチン標識オリゴヌクレオチドのニュートラアビジン標識コロイド金に対する比率の影響を示す。示された比率は、ビオチン標識プローブ:ニュートラアビジン標識コロイド金である。破線の長方形は実験結果を示し、実線の長方形は2ステップ検出アッセイを介して検出されたBSA-金対照を示す。
【0033】
図5Aは、いくつかの実施形態に係る、連続増幅システムの図を示す。
【0034】
図5Bおよび図5Cは、いくつかの実施形態に係る、連続増幅システムの例示的な実施形態を示す。図5Bは、試料を得るためのロボットアーム、ポンプシステム、任意の予熱ゾーンおよび活性化ゾーン、3つの固定温度ゾーン、廃棄物回収ユニット、温度ゾーンコントローラ、および電源を示す。図5Cは、様々な温度を提供するようプログラム可能な3つのゾーン、温度制御モジュール、任意のファン制御、電源、ポンプモジュール、および任意の予熱ゾーンおよび活性化ゾーンを示している。
【0035】
図6Aは、いくつかの実施形態に係る、NATのための不斉増幅の図を示す。
【0036】
図6Bは、いくつかの実施形態に係る、NATのための不斉増幅におけるリバースプライマーのフォーワードプライマーに対する比率を示す。
【0037】
〔発明を実施するための形態〕
〔一般技術〕
本明細書に記載された、または、参照された技術および手順は、当業者によって、概してよく理解されており、従来の手法、例えば、以下に記載された、広く利用されている手法を用いて一般的に採用されている:Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual 3d edition (2001) Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.;Current Protocols in Molecular Biology (F.M. Ausubel, et al. eds., (2003));the series Methods in Enzymology (Academic Press, Inc.): PCR 2: A Practical Approach (M.J. MacPherson, B.D. Hames and G.R. Taylor eds. (1995)), Harlow and Lane, eds. (1988) Antibodies, A Laboratory Manual, and Animal Cell Culture (R. I. Freshney, ed. (1987));Oligonucleotide Synthesis (M.J. Gait, ed., 1984);Meth
ods in Molecular Biology, Humana Press;Cell Biology: A Laboratory Notebook (J.E. Cellis, ed., 1998) Academic Press;Animal Cell Culture (R.I. Freshney), ed., 1987);Introduction to Cell and Tissue Culture (J.P. Mather and P.E. Roberts, 1998) Plenum Press;Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures (A. Doyle, J.B. Griffiths, and D.G. Newell, eds., 1993-8) J. Wiley and Sons;Handbook of Experimental Immunology (D.M. Weir and C.C. Blackwell, eds.);Gene Transfer Vectors for
Mammalian Cells (J.M. Miller and M.P. Calos, eds., 1987);PCR: The Polymerase Chain Reaction, (Mullis et al., eds., 1994);Current Protocols in Immunology (J.E. Coligan et al., eds., 1991);Short Protocols in Molecular Biology (Wiley and Sons, 1999);Immunobiology (C.A. Janeway and P. Travers, 1997);Antibodies (P. Finch, 1997);Antibodies: A Practical Approach (D. Catty., ed., IRL Press, 1988-1989);Monoclonal Antibodies: A Practical Approach (P. Shepherd and C. Dean, eds.,
Oxford University Press, 2000);Using Antibodies: A Laboratory Manual (E. Harlow and D. Lane (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1999);The Antibodies (M. Zanetti and J. D. Capra, eds., Harwood Academic Publishers, 1995);and Cancer: Principles and Practice of Oncology (V.T. DeVita et al., eds., J.B. Lippincott Company, 1993)
〔マイクロアレイ〕
本明細書中に記載されるユニバーサルアレイプラットフォームは、種々の目的の核酸または抗原を検出するために用いられ得る。
【0038】
〔核酸検出〕
本開示のある態様は、試料内の核酸を検出するための方法に関する。いくつかの実施形態では、当該方法は、a)前記試料中に存在する場合に核酸の少なくとも一部を含むアンプリコンの増幅に適した条件の下で、プライマー対を用いて前記試料から前記核酸の少なくとも一部を増幅する工程であって、前記プライマー対は、1)標識と、前記核酸の一部の第1の鎖とハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチド配列とを含む第1のプライマーと、2)前記核酸の一部の、前記第1の鎖と逆である、第2の鎖とハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチド配列と、第3のオリゴヌクレオチド配列とを含む第2のプライマーと、を含む工程と、b)工程(a)の後、存在する場合に前記アンプリコンを、それぞれ固体支持体に固定された複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列に接触させることによって、存在する場合に前記アンプリコンを前記第3のオリゴヌクレオチド配列または前記第3のオリゴヌクレオチド配列の相補体を介して、その固体支持体上の前記1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列の少なくとも1つとハイブリダイズさせる工程と、c)工程(a)の後、コロイド検出試薬を前記固体支持体に適用する工程であって、前記コロイド検出試薬は、存在する場合に前記アンプリコンの前記標識に結合する第1の部分およびコロイド金属を含む第2の部分を含む工程と、d)工程(c)の後、前記固体支持体を洗浄液で洗浄する工程と、e)工程(a)~(d)の後、前記コロイド検出試薬を検出する工程であって、固体支持体上の前記コロイド検出試薬の検出は前記ハイブリダイズされたアンプリコンの存在を示し、それによって、前記試料中の前記核酸を検出する工程、とを含む。
【0039】
ユニバーサルアレイプラットフォームは、例えば、診断検査のための、順応性および汎用性のあるアプローチを提供する。例として、既知の配列を有する18塩基長のオリゴヌクレオチドを、活性化されたスライドグラスまたは他の表面に小さなスポットとして共有結合的に付着させる。結合後および過度の結合部位をブロックした後、HIV-1 gp41免疫優性領域のなどの抗原に相補的オリゴヌクレオチド配列を共有結合的に付着させる。血液などの臨床試料がHIV-1 gp41に対する抗体を含み、相補的オリゴヌクレオチドで標識されたHIV gp41ペプチドと混合されている場合、抗体はgp41ペプチドに結合する。これが上述のマイクロアレイ上に置かれると、相補的オリゴヌクレオチドはアレイ上にスポットされたそのリガンドパートナーに結合する。結合していない物質を洗浄除去し、ビオチン標識抗抗体(すなわち、モノクローナル抗ヒトIgまたはタンパク質A/G)でアレイを調べる。抗ビオチン分子(すなわち、ストレプトアビジン)標識金を用いて、gp41に結合した抗体を標識する。gp41は、上述の相補的オリゴヌクレオチド連結(tether)のため、マイクロアレイ上の特定のスポットに結合される。余分な物質を洗浄除去し、次いで、金標識マイクロスポットを直接的に検出するか、または、金粒子を用いて、検出の容易な銀沈着を触媒する。これにより、試料中のgp41に対する抗HIV抗体の有無を示し、これにより、試料中に存在する検出可能な量の抗HIV-1 gp41抗体に基づいて、その人がHIVに感染したかどうかをユーザに警告する。
【0040】
重要なことに、同じオリゴヌクレオチド配列を用いて、アレイ上の相補的オリゴヌクレオチド配列にすべてが結合する様々な捕捉試薬を標識することができる。したがって、次のアッセイは、すべて同じスポットに結合し得る、HBV、HCV、毒素、ホルモン、または核酸を検出するためのものであり得る。捕捉試薬は、オリゴヌクレオチド標識に基づいて同じスポットにのみ結合する。したがって、既知のオリゴヌクレオチドのセットを用いて一般的な捕捉マイクロアレイを作製することができ、同じ相補的オリゴのセットを用いて任意の捕捉試薬を標識することができる。例えば、16×16マイクロアレイは、対応するオリゴヌクレオチド配列をそれぞれ有する256個のスポットを有する。これらのオリゴヌクレオチド配列はそれぞれユニークであり得、または、アレイは結果を確認するために用いられる余分なスポットを含んでもよい。各スポットが複製物であると仮定すると、128の異なるアッセイを同時に区別する可能性がある。そして、このアレイは、標準的一般的なプラットホームとなり得、そして、単に、128の異なる相補的オリゴヌクレオチド配列で異なる捕捉試薬を標識することによって、数百万の異なるターゲットを検出するために用いられ得、一般的なキットとして提供され得る。さらに、同じ試料を、様々な試薬および/または重複する試薬を含む様々な検出器溶液と混合することができる。例えば、試料を、溶液Aと混合することによって感染性疾患についてスクリーニングする。次いで、試料の別の部分を溶液Bと混合することによって癌について検査する。次いで、別の部分を溶液Cと混合することによって毒素について検査する。次いで、核酸を直接検出するため、または、増幅工程後に、溶液Dと混合することによって目的のターゲットのいずれかへ核酸を検出し得る。マイクロアレイは変わらず、固定されたままであるが、様々な検出器溶液を用いて、多くの様々なターゲットの検査をすることができる。これは、マイクロアレイを製造するためのコストを低減するのに役立ち、その有用性を大幅に拡大して、実質的にどのようなターゲットをも検出する。ユニバーサルアレイプラットフォームの例示的な特徴および態様を、以下により詳細に説明する。
【0041】
本明細書中で用いられる場合、特に指定がない限り、核酸および/またはオリゴヌクレオチドは、核酸(例えば、DNAまたはRNA)のポリマーを広く指し、そして、1本鎖種および2本鎖種、ならびに、1つ以上の通常天然に存在するおよび/または修飾ヌクレオシド/ヌクレオチド(例えば、ロックド核酸、ペプチド核酸、または、PNAなど)を含む種を包含することが意図される。
【0042】
本明細書中で用いられる場合、特に指定がない限り、「アンプリコン」は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リコンビナーゼ-ポリメラーゼ分析(RPA)、核酸配列ベース連鎖アッセイ(NASBA)、ローリングサークル増幅,分枝鎖増幅,ライゲーション増幅、およびループ媒介等温増幅を含むがこれらに限定されない、本明細書中に記載された任意の種類の核酸増幅の産物をいう。いくつかの実施形態では、アンプリコンは2本鎖核酸である。いくつかの実施形態では、アンプリコンは1本鎖核酸である。
【0043】
本明細書中で用いられる場合、「固体支持体」という用語は、核酸などの、生体分子の付着に適した任意の固体または半固体の構造物を指す。固体支持体は平らもしくは単一の構造物である必要はなく、球形(例えば、ビーズ)を含む任意の種類の形状であってもよい。固体支持体は、どのようなフォーマットで配置してもよい。いくつかの実施形態では、固体支持体は、マイクロアレイ(例えば、平らなスライド)、マルチプレックスビーズアレイ、またはウェルアレイとして配置される。さらに、固体支持体は、シリコン、プラスチック、ガラス、ポリマー、セラミック、フォトレジスト、ニトロセルロース、および、ヒドロゲルを含むが、これらに限定されない、任意の適切な材料から作製されてもよい。いくつかの実施形態では、固体支持体は、ニトロセルロース、シリカ、プラスチック、または、ヒドロゲルである。
【0044】
コロイド金などのナノ粒子のコロイド懸濁液は、抗体のような生体プローブに付着させることができ、免疫染色における迅速かつ高感度の検出のための検出試薬として有益である。コロイド検出試薬を調製および使用するための方法は本技術分野で周知である(例えば、Hostetler et al., Langmuir 14:17-30, 1998;Wang et al., Langmuir 17(19):5739-41, 2001を参照のこと)。コロイド検出試薬はどのような物質であってもよい。いくつかの実施形態では、コロイド検出試薬は金属を含む。コロイド金属の例としては、金(Au)、銀(Ag)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、および、これらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、工程(e)においてコロイド検出試薬を検出することは、コロイド金属の検出(例えば、直接検出)を含む。いくつかの実施形態では、工程(e)においてコロイド検出試薬を検出することは、1)展開試薬を固体支持体に適用すること(ここで、展開剤はコロイド金属の存在下で沈降物を形成するのに適している);および、2)固体支持体上の沈降物の形成を検出することによってコロイド検出試薬を検出することを含む。いくつかの実施形態では、沈降物の形成は、視覚的検出、電子的検出、または、磁気的検出によって検出される。いくつかの実施形態では、沈降物の形成は機械式リーダーによって検出される。上述の実施形態のいくつかでは、展開試薬は銀を含む。上述の実施形態のいくつかでは、硝酸銀および還元剤(例えば、ハイドロキノン)が用いられる。上述の実施形態のいくつかでは、カメラ(例えば、CCDカメラ)が、コロイド染色の結果を画像化するために用いられる。
【0045】
いくつかの実施形態では、工程(a)における条件は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅に適している。いくつかの実施形態では、工程(a)における条件は、リコンビナーゼ-ポリメラーゼ分析(RPA)、核酸配列ベース連鎖アッセイ(NASBA)、ローリングサークル増幅,分枝鎖増幅,ライゲーション増幅、または、ループ媒介等温増幅による増幅に適している。いくつかの実施形態では、標識はビオチンを含み、第3のオリゴヌクレオチド配列は1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列の少なくとも1つとハイブリダイズする。
【0046】
いくつかの実施形態では、各1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列はスペーサ試薬に結合され、スペーサ試薬は対応する固体支持体に結合される。いくつかの実施形態では、スペーサ試薬は血清アルブミンタンパク質(例えば、BSA)を含む。いくつかの実施形態では、スペーサ試薬はデンドリマーを含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、工程(b)の後に、固体支持体を洗浄液で洗浄することをさらに含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、第1のプライマーは核酸のセンス方向に増幅するフォーワードプライマーであり、第2のプライマーは核酸のアンチセンス方向に増幅するリバースプライマーである。いくつかの実施形態では、第2のプライマーは核酸のセンス方向に増幅するフォーワードプライマーであり、第1のプライマーは核酸のアンチセンス方向に増幅するリバースプライマーである。いくつかの実施形態では、第2のプライマーは、5’から3’への方向のプライマー伸長を可能にする第2のオリゴヌクレオチド配列と、第2のオリゴヌクレオチド配列からのプライマー伸長の方向と比較して、反対の5’から3’への方向に配向されている第3のオリゴヌクレオチド配列と、を含む。いくつかの実施形態では、第3のオリゴヌクレオチド配列は、プライマー伸長をブロックする修飾ヌクレオチドを3’末端に含む。いくつかの実施形態では、第2のプライマーは、第3のオリゴヌクレオチド配列の5’末端と第2のオリゴヌクレオチド配列の5’末端との間に1つ以上のリンカーをさらに含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、第1のプライマーの標識はビオチンを含む。いくつかの実施形態では、コロイド検出試薬の第1の部分は、ビオチンに特異的に結合する、ニュートラアビジンまたはその誘導体、ストレプトアビジンまたはその誘導体、アビジンまたはその誘導体、または、抗原結合領域(例えば、抗体または抗体フラグメント)を含む。いくつかの実施形態では、コロイド検出試薬の第1の部分はニュートラアビジンを含み、コロイド検出試薬の第2の部分はコロイド金イオンを含む。いくつかの実施形態では、コロイド検出試薬は、最終希釈度0.00001OD~20ODで工程(c)において固体支持体に適用される。いくつかの実施形態では、コロイド検出試薬の第1の部分はニュートラアビジンを含み、コロイド検出試薬の第2の部分はコロイド金イオンを含み、コロイド検出試薬は最終希釈度0.05OD~0.2ODで工程(c)において固体支持体に適用される。様々な量のコロイド検出試薬を使用することができる。いくつかの実施形態では、工程(c)において、アンプリコン1μL当たり1pL~1000μLのコロイド検出試薬が固体支持体に適用される。いくつかの実施形態では、工程(c)において、アンプリコン1.5μL当たり100μLのコロイド検出試薬が固体支持体に適用される。
【0049】
いくつかの実施形態では、上記方法は、工程(a)の前に、試料を溶解バッファに暴露することをさらに含む。いくつかの実施形態では、溶解バッファはN,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタインを含む。いくつかの実施形態では、溶解バッファは0.1%以上10%以下のN,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタイン(w/v)を含む。いくつかの実施形態では、溶解バッファは、0.5%以上4%以下のN,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタイン(w/v)を含む。いくつかの実施形態では、溶解バッファは、1%以上2%以下のN,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタイン(w/v)を含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、試料は、試料:溶解バッファ=1:50~試料:溶解=50:1の間の比率で溶解バッファに暴露される。いくつかの実施形態では、試料の一部は、試料:溶解バッファ=約1:1の比率で溶解バッファに暴露される。いくつかの実施形態では、溶解バッファは、0.1X~5Xのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)バッファまたはトリスEDTA(TE)バッファをさらに含む。いくつかの実施形態では、溶解バッファは1XのPBSをさらに含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、アンプリコンは、ハイブリダイゼーションバッファの存在下で固体支持体にハイブリダイズされる。様々なハイブリダイゼーションバッファが本技術分野で知られている。いくつかの実施形態では、工程(b)において、0.1X~10Xのクエン酸ナトリウム生理食塩水(SSC)バッファ、0.001%~30%のブロッキング剤、および0.01%~30%のクラウディング剤を含むハイブリダイゼーションバッファ中で、アンプリコンが固体支持体にハイブリダイズされる。いくつかの実施形態では、ブロッキング剤は、ウシ血清アルブミン(BSA)、ポリエチレングリコール(PEG)、カゼイン、または、ポリビニルアルコール(PVA)を含む。いくつかの実施形態では、ブロッキング剤はBSAを含み、BSAは1%~3%でハイブリダイゼーションバッファ中に存在する。いくつかの実施形態では、クラウディング剤はポリエチレングリコールビスフェノールAエピクロロヒドリン共重合体である。いくつかの実施形態では、ポリエチレングリコールビスフェノールAエピクロロヒドリン共重合体は1%~3%でハイブリダイゼーションバッファ中に存在する。いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーションバッファは、2X~5XのSSCバッファを含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、上記方法は、工程(b)の前に、固体支持体をブロックすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、固体支持体は、BSAを含む溶液を用いて、ブロックされる。いくつかの実施形態では、固体支持体は、2%のBSA溶液を用いて37℃で1時間ブロックされる。いくつかの実施形態では、上記方法は、固体支持体をブロックした後、固体支持体を洗浄液で洗浄することをさらに含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、上記方法は、工程(b)の後、かつ、工程(c)の前に、洗浄バッファで固体支持体を洗浄することをさらに含む。いくつかの実施形態では、洗浄バッファは、0.1X~10XのSSCバッファおよび0.01%~30%の洗剤を含む。いくつかの実施形態では、洗剤は、0.05%~5%のN-ラウロイルサルコシンナトリウム塩を含む。いくつかの実施形態では、洗浄バッファは、1X~5XのSSCバッファを含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、上記方法は、工程(a)の前に、(i)固体基材に結合したオリゴヌクレオチドに試料を接触させて、オリゴヌクレオチドを、試料中に存在する場合に核酸とハイブリダイズさせることと、(ii)固体基材との非特異性相互作用を除去するが、試料中に存在する場合にオリゴヌクレオチドとハイブリダイズした核酸を保持するのに適した条件下で、固体基材を洗浄することと、(iii)試料中に存在する場合に核酸をオリゴヌクレオチドから溶出し、溶出した核酸が工程(a)においてPCR増幅に供されること、をさらに含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、工程(a)の前に、(i)オリゴヌクレオチドに試料を接触させて、試料中に存在する場合にオリゴヌクレオチドを核酸とハイブリダイズさせることと、(ii)工程(i)と同時にまたはその後に、試料を固体基材と接触させて、固体基材が第1の結合部分と結合し、オリゴヌクレオチドが第1の結合部分と結合する第2の結合部分と結合することであって、第2の結合部分が第1の結合部分と結合するのに適した条件下で試料が固体基材と接触させることと、(iii)固体基材との非特異性相互作用を除去するが、試料中に存在する場合にオリゴヌクレオチドと、オリゴヌクレオチドとハイブリダイズした核酸とを保持するのに適した条件下で、固体基材を洗浄することと、(iv)試料中に存在する場合に核酸をオリゴヌクレオチドから溶出し、溶出した核酸が工程(a)においてPCR増幅に供されること、をさらに含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、共有結合性相互作用によって固体基材に結合される。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはアビジン:ビオチン相互作用またはストレプトアビジン:ビオチン相互作用によって固体基材に結合される、または、第1の結合部分はアビジン、ニュートラアビジン、ストレプトアビジン、またはその誘導体を含み、第2の結合部分はビオチンまたはその誘導体を含む。いくつかの実施形態では、固体基材はピペットチップに配置され、工程(i)は試料をピペットチップにピペッティングすることを含む。いくつかの実施形態では、固体基材は、マトリックスまたは複数のビーズを含む。いくつかの実施形態では、核酸はDNAを含む。いくつかの実施形態では、核酸はRNAを含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、上記方法は、工程(a)の前に、核酸から合成されるcDNAの生成に適した条件下で、試料の少なくとも一部を逆転写酵素、プライマー、およびデオキシリボヌクレオチドと共にインキュベートすることをさらに含み、核酸の一部は、cDNAを用いて工程(a)において増幅される。いくつかの実施形態では、工程(a)の前に用いられるプライマーは、ランダムプライマー、ポリdTプライマー、または、核酸の一部に特異的なプライマーである。いくつかの実施形態では、試料の一部は、リボヌクレアーゼ阻害剤の存在下で、逆転写酵素、プライマー、および、デオキシリボヌクレオチドとともにインキュベートされる。いくつかの実施形態では、試料の一部は、ベタインの存在下で、逆転写酵素、プライマー、および、デオキシリボヌクレオチドとともにインキュベートされる。いくつかの実施形態では、ベタインは、約0.2M~約1.5Mの濃度で存在する。いくつかの実施形態では、核酸はウイルス核酸を含む。いくつかの実施形態では、ウイルス核酸は、HIV、HBV、HCV、ウェストナイル、ジカ、およびパルボウイルスからなる群より選択されるウイルス由来である。いくつかの実施形態では、核酸は、細菌、古細菌、原生動物、真菌、植物または動物の核酸を含む。いくつかの実施形態では、試料は全血試料、血清試料、唾液試料、尿試料、土壌試料、組織試料、または、環境試料(例えば、水、土壌などを含む)を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される試薬(例えば、溶解バッファまたはハイブリダイゼーションバッファ)のいずれかは、例えば、アレイの捕捉オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする陽性対照オリゴヌクレオチドを含み得る。有利なことに、これは、正しい試薬が使用されたことを確実にするための陽性対照として用いられ得る。例えば、複数の捕捉オリゴヌクレオチドを用いて異なる試薬(例えば、溶解バッファ、ハイブリダイゼーションバッファなど)を表すことができ、適切な試薬が用いられていることを「コード化」するために、それぞれの試薬中の特異的な陽性対照を用いることができる。凝集体で見た場合、複数の捕捉オリゴヌクレオチドは、マイクロアレイ調製/分析の工程の一部または全部が、陽性対照オリゴヌクレオチドを加えた試薬を用いて終えたことを示すことができ、それによって正しい試薬の使用を示すことができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、本開示は、試料中の核酸を増幅する工程において用いられる第2のプライマーに対する第1のプライマーの比率を調整することを企図する。プライマーの比率は、核酸のある鎖を他の鎖よりも優先的に増幅するように非対称とすることができる。これは、不斉増幅として知られる技術である(例えば、McCabe、PCR Protocols:A
guide to Methods and Applications、76-83、1990を参照のこと)。有利なことに、不斉増幅における非対称なプライマー比率は、主に均一な産物をもたらし、これは本開示のユニバーサルアレイ上で検出されるハイブリダイゼーションシグナルの強度を増大させるのに役立ち得る。本開示のいくつかの実施形態では、核酸の一部は第2のプライマーに対して過剰の第1のプライマーを用いて増幅され、存在する場合にアンプリコンは第3のオリゴヌクレオチド配列の相補体を介して1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列の少なくとも1つとハイブリダイズする1本鎖核酸である。いくつかの実施形態では、核酸の一部は、第1のプライマーの第2のプライマーに対する比率として約12.5:1~約100:1の間の比率を用いて増幅される。いくつかの実施形態では、第1のプライマーの第2のプライマーに対する比率として、少なくとも約2:1、少なくとも約5:1、少なくとも約10:1、少なくとも約15:1、少なくとも約20:1、少なくとも約25:1、少なくとも約30:1、少なくとも約35:1、少なくとも約40:1、少なくとも約45:1、少なくとも約50:1、少なくとも約55:1、少なくとも約60:1、少なくとも約65:1、少なくとも約70:1、少なくとも約75:1、少なくとも約80:1、少なくとも約85:1、少なくとも約90:1、少なくとも約95:1、少なくとも約100:1、少なくとも約150:1、または少なくとも約200:1が用いられる。
【0058】
〔抗原検出〕
核酸に加えて、本明細書に記載のユニバーサルアレイプラットフォームは、目的の種々の抗原を検出するために用いられ得る。したがって、本開示のいくつかの態様は、試料中の抗原を検出するための方法に関する。いくつかの実施形態では、上記方法は、a)固体支持体にそれぞれ固定された複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列を供給する工程と、b)工程(a)の後、前記固体支持体を、抗原に特異的に結合する抗原結合領域と接触させる工程であって、前記抗原結合領域を、前記固体支持体上の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列の少なくとも1つとハイブリダイズする1本鎖オリゴヌクレオチド配列と結合させ、前記マイクロアレイを、前記抗原結合領域の前記1本鎖オリゴヌクレオチド配列が前記固体支持体上の前記少なくとも1つの1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列とハイブリダイズするのに適した条件下で、前記抗原結合領域と接触させる工程と、c)工程(a)の後、前記試料中に存在する場合に前記抗原に前記抗原結合領域が結合するのに適した条件下で、前記固体支持体を前記試料の少なくとも一部と接触させる工程と、d)工程(a)の後、コロイド検出試薬を前記固体支持体に適用する工程であって、前記コロイド検出試薬は、存在する場合に前記抗原に特異的に結合する第1の部分およびコロイド金属を含む第2の部分を含む工程と、e)工程(d)の後、前記固体支持体を洗浄液で洗浄する工程と、f)工程(a)~(e)の後、前記コロイド検出試薬を検出する工程であって、前記コロイド検出試薬の検出は、前記試料中の前記抗原の存在を示す工程と、を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、抗原は、ポリペプチド、脂質、または炭水化物を含む。ある実施形態では、抗原はポリペプチド抗原である。
【0060】
これらには限定されないが、固体支持体、コロイド検出試薬およびその検出方法、展開試薬、スペーサ試薬、溶解バッファ、ブロッキング剤、クラウディング剤、ハイブリダイゼーションバッファ、および、洗浄バッファを含む、核酸検出に関して上述した組成物および方法のいずれも、抗原検出のために用いることができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、第1の部分は抗原に特異的に結合する第2の抗原結合領域を含み、第2の抗原結合領域はビオチンまたはその誘導体に結合し、コロイド懸濁液はビオチンに結合したアビジン、ニュートラアビジン、ストレプトアビジン、またはその誘導体に結合している。いくつかの実施形態では、コロイド金属は、金、プラチナ、パラジウム、または、ルテニウムである。いくつかの実施形態では、複数のスポットのそれぞれにおける1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列はスペーサ試薬に結合され、スペーサ試薬は固体支持体に結合される。いくつかの実施形態では、スペーサ試薬は血清アルブミンタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、スペーサ試薬はデンドリマーを含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、工程(c)の前に、0.1%以上10%以下のN,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタイン(w/v)を含む溶解バッファに試料を暴露することをさらに含む。いくつかの実施形態では、抗原はウイルス抗原である。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、HIV、HBV、HCV、ウェストナイル、ジカ、およびパルボウイルスからなる群より選択されるウイルス由来である。いくつかの実施形態では、抗原は細菌、古細菌、原生動物、真菌、植物または動物の抗原である。いくつかの実施形態では、試料は全血試料、血清試料、唾液試料、尿試料、土壌試料、組織試料、または、環境試料(例えば、水、土壌などを含む)を含む。
【0062】
〔装置〕
本開示の他の態様は、試料中の核酸を増幅するための装置または機器に関する。いくつかの実施形態では、前記装置または機器は、第1、第2、および第3の固定温度ゾーンをそれぞれが含む複数の回路(circuit)において、支持体の周りに配置されたキャピラリー管であって、前記第1の固定温度ゾーンにおいて第1の温度に、前記第2の固定温度ゾーンにおいて第2の温度に、および前記第3の固定温度ゾーンにおいて第3の温度に加熱されるキャピラリー管と、デオキシリボヌクレオチド、ポリメラーゼ、およびプライマー対を含む増幅混合物と混合した状態の核酸を含む試料を前記キャピラリー管に導入するよう構成されたロボットアームと、前記増幅混合物と混合した状態の前記核酸を含む前記試料を、前記キャピラリー管内で前記複数の回路に通過させるよう構成されたポンプまたは真空と、を含む。
【0063】
本明細書中に記載された方法を用いて試料中の核酸を検出するために、核酸の少なくとも一部の増幅が、アレイへのハイブリダイゼーションのために用いられ得る。したがって、いくつかの態様では、本開示は目的の核酸を増幅するのに有益であり得る機器を企図する。いくつかの実施形態では、本開示は、キャピラリー管、ロボットアーム、および、ポンプまたは真空を有する、核酸増幅のための機器に関する。
【0064】
核酸の増幅はキャピラリー管中で行われる。キャピラリー管は、複数の回路内の支持体の周りに配置され、複数の回路のそれぞれは第1、第2、および第3の固定温度ゾーンを含み、キャピラリー管は、第1の固定温度ゾーンにおいて第1の温度に、第2の固定温度ゾーンにおいて第2の温度に、および、第3の固定温度ゾーンにおいて第3の温度に加熱される。これらゾーンのそれぞれは、標準PCRまたは他の増幅反応の一部、すなわち、PCRのための変性、アニーリング、および、伸長に対応し得る。等温増幅のために、それぞれのゾーンは、同じ温度(例えば37℃)に加熱され得る。有利なことに、キャピラリー管は熱伝導率の改善を可能にし、これは目的の反応温度に迅速に達成することができ、反応時間を短縮することができることを意味する。複数の回路のそれぞれにおけるキャピラリー管は、任意の形状、例えば、円錐形、円筒形状、または、らせん形状を形成することができるが、これらに限定されない。キャピラリー管は任意の物質、例えば、限定するものではないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含み得る。キャピラリー管の複数の回路は、任意の数の回路、例えば、限定するものではないが、約25~約44個の回路(例えば、増幅サイクルの数に対応する)を含み得る。
【0065】
機器のポンプまたは真空は、増幅混合物と混合した状態の核酸を含む試料を、キャピラリー管内で複数の回路に通過させるよう構成され得る。本技術分野で周知の種々のポンプおよび真空が、この機器に使用され得る。いくつかの実施形態では、ポンプまたは真空は蠕動ポンプである。いくつかの実施形態では、ポンプまたは真空は高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)ポンプである。いくつかの実施形態では、ポンプまたは真空は精密シリンジポンプである。
【0066】
機器のロボットアームは、デオキシリボヌクレオチド、ポリメラーゼ、およびプライマー対を含む増幅混合物と混合した状態の核酸を含む試料をキャピラリー管に導入するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、増幅混合物と混合した状態の核酸ターゲットを含む試料をキャピラリー管に導入するように構成された蠕動ポンプまたはHPLCポンプを含み、機器は、増幅混合物と混合した状態の核酸ターゲットを含む試料を、キャピラリー管を通るように引っ張るよう構成された2次ポンプをさらに含む。
【0067】
追加の構成要素が機器に加えられてもよい。いくつかの実施形態では、機器は、1つ以上のプロセッサと、メモリと、1つ以上のプログラムとをさらに含み、1つ以上のプログラムはメモリに格納され、1つ以上のプロセッサによって実行されるよう構成されており、1つ以上のプログラムは第1、第2、および第3の固定温度ゾーンの温度を制御するための命令を含む。いくつかの実施形態では、機器は、キャピラリー管が複数の回路の上流で約37℃~約42℃に加熱されるcDNA合成ゾーン(例えば、試料がRNAである場合)のためのインキュベータをさらに含む。いくつかの実施形態では、インキュベータは、温度浴、ペルチェ装置、または抵抗ヒーターである。いくつかの実施形態では、増幅混合物と混合した状態の試料は、15秒~30分間、cDNA合成ゾーン中に保持される。いくつかの実施形態では、機器は、キャピラリー管が複数の回路の上流で約95℃に加熱される活性化ゾーンのためのインキュベータをさらに含む。いくつかの実施形態では、機器は、キャピラリー管が複数の回路の下流で約55℃~約72℃に加熱されるPCR伸長ゾーンのためのインキュベータをさらに含む。
【0068】
ポンプ、ロボットアーム、および、種々の温度ゾーンは全て、システム制御パネルによって制御されてもよく、これにより、構成要素のそれぞれの変更が可能となり、例えば、異なるゾーンの温度を変更することができる。さらに、制御パネルを用いてポンピング速度を変えることができ、これにより主増幅領域の各温度ゾーンで費やされる時間の長さを変えることができる。したがって、いくつかの実施形態では、機器は、1つ以上のプロセッサと、メモリと、1つ以上のプログラムとをさらに含み、1つ以上のプログラムはメモリに格納され、1つ以上のプロセッサによって実行されるよう構成されており、1つ以上のプログラムは第1、第2、および第3の固定温度ゾーンの温度を制御するための命令を含んでいてもよい。
【0069】
キャピラリー管の温度は、本技術分野で知られている標準的な技術に従って、異なる温度ゾーンにおいて所望の温度に維持され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の温度ゾーンの気温は、ペルチェまたは抵抗ヒーターによって維持される。いくつかの実施形態では、ポリイミドテープ(例えば、銅管の内側)が、1つ以上の温度ゾーンを絶縁するために用いられる。
【0070】
いくつかの実施形態では、ロボットアームが回路の終了後にマイクロアレイ(例えば、本開示の固体支持体)にアンプリコンを塗布するために用いられる。いくつかの実施形態では、例えば、マイクロアレイ上にスポットされた液体を視覚化するのを助けるために、色素が添加される。いくつかの実施形態では、アンプリコンが回路の終了後にハイブリダイゼーションバッファを有する容器に回収され、次いで、(例えば、ピペッティングによって手動で、またはロボットアームを用いて)マイクロアレイに添加される。
【0071】
上述の機器は、本開示の方法のいずれにおいても用いられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、a)試料の少なくとも一部を、デオキシリボヌクレオチド、ポリメラーゼ、および、プライマー対を含む増幅混合物とともにインキュベートする工程であって、プライマー対は第1のプライマーと第2のプライマーとを含み、第1のプライマーは、標識と、核酸の一部の第1の鎖とハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチド配列とを含み、第2のプライマーは、核酸の一部の、第1の鎖と逆である、第2の鎖とハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチド配列と、第1の捕捉部分とを含む工程と、b)試料中に存在する場合に核酸の一部を含むアンプリコンの増幅に適した条件下で、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を、連続キャピラリー管を介して第1、第2、および第3の固定温度ゾーンに複数のサイクル通過させる工程であって、複数のサイクルのそれぞれは、1)試料中に存在する場合に核酸の鎖を変性させるのに適した第1の温度および第1の期間において、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を、連続キャピラリー管を介して第1の固定温度ゾーンに通過させることと、2)工程(b)の(1)の後、試料中に存在する場合に核酸の鎖それぞれに第1のプライマーおよび第2のプライマーをアニーリングするのに適した第2の温度および第2の期間において、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を、連続キャピラリー管を介して第2の固定温度ゾーンに通過させることと、3)工程(b)の(2)の後、試料中に存在する場合、核酸ターゲットをポリメラーゼおよびプライマー対を介して増幅させるのに適した第3の温度および第3の期間において、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を、連続キャピラリー管を介して第3の固定温度ゾーンに通過させること、を含む工程と、c)複数のサイクルの後、試料中に存在する場合にアンプリコンを固体支持体に固定された第1の捕捉部分と結合させる工程と、d)前記試料中に存在する場合にアンプリコンの固体支持体との結合を検出する工程であって、アンプリコンの1つ以上の固体支持体との結合は試料中における核酸の存在を示す工程と、を含む。
【0072】
上述の機器を用いて試料中の核酸を増幅および検出するための一般的な工程を、以下に説明する。当該一般的な工程は、上述の試薬または技術のいずれかを採用し得る。
【0073】
当該方法は、試料の少なくとも一部を、デオキシリボヌクレオチド、ポリメラーゼ、および、プライマー対を含む増幅混合物とともに最初の容器においてインキュベートすることを含み得る。プライマー対は第1のプライマーと第2のプライマーとを含み、第1のプライマーは、標識と、核酸の一部の第1の鎖とハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチド配列とを含み、第2のプライマーは、核酸の一部の、第1の鎖と逆である、第2の鎖とハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチド配列と、第1の捕捉部分とを含む。
【0074】
次いで、試料中に存在する場合に核酸の一部を含むアンプリコンの増幅に適した条件下で、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を、連続キャピラリー管を介して第1、第2、および第3の固定温度ゾーンに、ポンプおよびロボットアームを使用して、複数のサイクル通過させる。複数のサイクルのそれぞれは、1)試料中に存在する場合に核酸の鎖を変性させるのに適した第1の温度および第1の期間において、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を、連続キャピラリー管を介して第1の固定温度ゾーンに通過させることと、2)工程(b)の(1)の後、試料中に存在する場合に核酸の鎖それぞれに第1のプライマーおよび第2のプライマーをアニーリングするのに適した第2の温度および第2の期間において、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を、連続キャピラリー管を介して第2の固定温度ゾーンに通過させることと、3)工程(b)の(2)の後、試料中に存在する場合に核酸ターゲットをポリメラーゼおよびプライマー対を介して増幅させるのに適した第3の温度および第3の期間において、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を、連続キャピラリー管を介して第3の固定温度ゾーンに通過させること、を含む。
【0075】
次に、複数のサイクルの後、試料中に存在する場合にアンプリコンを固体支持体に固定された第1の捕捉部分と結合させてもよい。
【0076】
最後に、試料中に存在する場合にアンプリコンの固体支持体との結合を検出してもよい。アンプリコンの1つ以上の固体支持体との結合は試料中における核酸の存在を示す。
【0077】
いくつかの実施形態では、第1の捕捉部分は第3のオリゴヌクレオチド配列を含み、第2の捕捉部分は、工程(c)において第3のオリゴヌクレオチド配列または第3のオリゴヌクレオチド配列の相補体とハイブリダイズする1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列を含む。いくつかの実施形態では、存在する場合にアンプリコンの固体支持体との結合を検出することは、i)存在する場合にアンプリコンの標識に結合する第1の部分、およびコロイド金属を含む第2の部分を含むコロイド検出試薬を固体支持体に適用することと、ii)コロイド検出試薬を検出すること、を含む。いくつかの実施形態では、工程(d)の(ii)においてコロイド検出試薬を検出することは、コロイド金属の検出を含む。いくつかの実施形態では、工程(d)の(ii)においてコロイド検出試薬を検出することは、a)コロイド金属の存在下で沈降物を形成するのに適した展開試薬を固体支持体に適用することと、b)固体支持体における沈降物の形成を検出することによってコロイド検出試薬を検出すること、を含む。いくつかの実施形態では、沈降物の形成は、視覚的検出、電子的検出、または、磁気的検出によって検出される。いくつかの実施形態では、沈降物の形成は機械式リーダーによって検出される。いくつかの実施形態では、展開試薬は銀を含む。いくつかの実施形態では、標識はビオチンまたはその誘導体を含み、コロイド検出試薬の第1の部分は、ビオチンに特異的に結合する、ニュートラアビジン、ストレプトアビジン、または、抗原結合領域を含む。いくつかの実施形態では、コロイド検出試薬の第1の部分はニュートラアビジンを含み、コロイド検出試薬の第2の部分はコロイド金イオンを含む。いくつかの実施形態では、工程(b)における条件は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅に適している。いくつかの実施形態では、工程(b)における条件は、リコンビナーゼ-ポリメラーゼ分析(RPA)、核酸配列ベース連鎖アッセイ(NASBA)、ローリングサークル増幅,分枝鎖増幅,ライゲーション増幅、または、ループ媒介等温増幅による増幅に適している。いくつかの実施形態では、PCR増幅混合物と混合した状態の試料の一部を、蠕動ポンプ、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)ポンプ、精密シリンジポンプ、または真空を用いて連続キャピラリー管に通過させる。上述の実施形態のいくつかでは、上記方法は、工程(b)の前に、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を、連続キャピラリー管を介して約20℃~約55℃の間の予熱ゾーンに通過させることをさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、予熱ゾーンは約37℃~約42℃の間である。いくつかの実施形態では、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を最大30分間、予熱ゾーンに通過させる。いくつかの実施形態では、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を約15分間、予熱ゾーンに通過させる。上述の実施形態のいくつかでは、上記方法は、工程(b)の前に、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を、連続キャピラリー管を介して約80℃~約100℃の間の活性化ゾーンに通過させることをさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、活性化ゾーンは約90℃~約95℃の間である。いくつかの実施形態では、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を最大20分間、活性化ゾーンに通過させる。いくつかの実施形態では、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を約5分~約10分間、活性化ゾーンに通過させる。上述の実施形態のいくつかでは、上記方法は、工程(b)の後、かつ、工程(c)の前に、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を、連続キャピラリー管を介して約55℃~約72℃の間の伸長ゾーンに通過させることをさらに含んでいてもよい。上述の実施形態のいくつかでは、上記方法は、工程(b)の後、かつ、工程(c)の前に、i)第2の試料の少なくとも一部を、デオキシリボヌクレオチド、ポリメラーゼ、および第2のプライマー対を含む増幅混合物と混合する工程であって、第2のプライマーは、第3のプライマーと第4のプライマーとを含み、第3のプライマーは、標識と、第2の核酸の一部の第1の鎖とハイブリダイズする第4のオリゴヌクレオチド配列とを含み、第4のプライマーは、第2の核酸の一部の、第1の鎖と逆である、第2の鎖とハイブリダイズする第5のオリゴヌクレオチド配列と、第3の捕捉部分とを含む工程と、ii)試料中に存在する場合に第2の核酸の一部の増幅に適した条件下で、増幅混合物と混合した状態の第2の試料の一部を、連続キャピラリー管を介して第1、第2、および、第3の固定温度ゾーンに第2の複数のサイクル通過させる工程と、をさらに含んでいてもよく、第2の複数のサイクルのそれぞれは、1)第2の試料中に存在する場合に第2の核酸の鎖を変性させるのに適した第1の温度および第1の期間において、増幅混合物と混合した状態の第2の試料の一部を、連続キャピラリー管を介して第1の固定温度ゾーンに通過させることと、2)工程(ii)の(1)の後、第2の試料中に存在する場合に第2の核酸の鎖それぞれに第3のプライマーおよび第4のプライマーをアニーリングするのに適した第2の温度および第2の期間において、増幅混合物と混合した状態の第2の試料の一部を、連続キャピラリー管を介して第2の固定温度ゾーンに通過させることと、3)工程(ii)の(2)の後、第2の試料中に存在する場合に第2の核酸をポリメラーゼおよび第2のプライマー対を介して増幅させるのに適した第3の温度および第3の期間において、増幅混合物と混合した状態の第2の試料の一部を、連続キャピラリー管を介して第3の固定温度ゾーンに通過させること、を含み、ここで、第2の試料中に存在する場合に第2の核酸は、第3の捕捉部分と結合する第4捕捉部分とともに、第1の試料中に存在する場合に増幅された第1の核酸ターゲットと同時に結合され、ここで、第4捕捉部分は固体支持体と結合されており、第2の試料中に存在する場合に増幅された第2の核酸の固体支持体との結合は、第1の試料中に存在する場合に増幅された第1の核酸のハイブリダイゼーションと同時に検出され、ここで、増幅された第2の核酸ターゲットの固体支持体との結合は、第2の試料中の第2の核酸ターゲットの存在を示す。
【0078】
第1および第2の試料は、同じであっても、同じでなくてもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2の試料は同じである。いくつかの実施形態では、第1および第2の試料は異なる。第1および第2の核酸は、同じであっても、同じでなくてもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2の核酸は同じである。いくつかの実施形態では、第1および第2の核酸は異なる。なお、本明細書に記載の機器および方法を用いて、異なる試料から同じ核酸を検出してもよい。
【0079】
上述の実施形態のいくつかでは、上記方法は、増幅混合物と混合した状態の第1の試料の一部を第1、第2、および、第3の固定温度ゾーンに複数のサイクル通過させた後、かつ、増幅混合物と混合した状態の第2の試料の一部を第1、第2、および、第3の固定温度ゾーンに第2の複数のサイクル通過させる前に、増幅混合物と混合した状態の第1の試料の一部と、増幅混合物と混合した状態の第2の試料の一部とを分離するのに十分な量の空気を連続キャピラリー管に通過させること、をさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、上記方法は、空気を連続キャピラリー管に通過させた後、かつ、増幅混合物と混合した状態の第2の試料の一部を第1、第2、および、第3の固定温度ゾーンに第2の複数のサイクル通過させる前に、約0.1%~約10%の濃度で次亜塩素酸ナトリウムを含む溶液を連続キャピラリー管に通過させること、をさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、溶液は、約1.6%の濃度で次亜塩素酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、漂白液を連続キャピラリー管に通過させた後、かつ、増幅混合物と混合した状態の第2の試料の一部を第1、第2、および、第3の固定温度ゾーンに第2の複数のサイクル通過させる前に、約5mM~約500mMの濃度でチオ硫酸塩を含む溶液を連続キャピラリー管に通過させること、をさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、溶液は、約20mMの濃度でチオ硫酸塩を含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、チオ硫酸塩溶液を連続キャピラリー管に通過させた後、かつ、増幅混合物と混合した状態の第2の試料の一部を第1、第2、および、第3の固定温度ゾーンに第2の複数のサイクル通過させる前に、連続キャピラリー管に水を通過させること、をさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、上記方法は、水を連続キャピラリー管に通過させた後、かつ、PCR増幅混合物と混合した状態の第2の試料の一部を第1、第2、および、第3の固定温度ゾーンに第2の複数のサイクル通過させる前に、水と、PCR増幅混合物と混合した状態の第2の試料の一部とを分離するのに十分な量の空気を連続キャピラリー管に通過させること、をさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、水および空気通過スキームは、試料の間に、20秒の空気パルスによって分けられた、各20秒の4つの水パルスを含む。先の実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、工程(a)は、ロボットアームまたはバルブシステムを用いて、試料の一部を、連続キャピラリー管に挿入し、試料の一部を増幅混合物と混合することを含む。
【0080】
先の実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、核酸はDNAを含む。先の実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、核酸はRNAを含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、工程(a)の前に、RNAから合成されるcDNAの生成に適した条件下で、試料の少なくとも一部を逆転写酵素、プライマー、およびデオキシリボヌクレオチドとともにインキュベートすることをさらに含んでいてもよく、cDNAは工程(a)において増幅混合物と混合される。いくつかの実施形態では、工程(a)の前に用いられるプライマーは、ランダムプライマー、ポリdTプライマー、または、RNAの一部に特異的なプライマーである。いくつかの実施形態では、試料の一部を、RNAから合成されるcDNAの生成に十分な時間、連続キャピラリー管を介して約37℃~約42℃のcDNA合成ゾーンに通過させながら、逆転写酵素、プライマー、およびデオキシリボヌクレオチドとともにインキュベートする。いくつかの実施形態では、上記方法は、逆転写酵素、プライマー、およびデオキシリボヌクレオチドと混合した状態の試料の一部をcDNA合成ゾーンに通過させた後、かつ、工程(b)の前に、逆転写酵素、プライマー、およびデオキシリボヌクレオチドと混合した状態の試料の一部を、連続キャピラリー管を介して約95℃の活性化ゾーンに通過させること、をさらに含んでいてもよい。先の実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、複数のサイクルのそれぞれの間に、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を1秒~約10分間、約80℃~約100℃の第1の固定温度ゾーンに通過させる。いくつかの実施形態では、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を2秒~約20秒間、約90℃~約97℃の第1の固定温度ゾーンに通過させる。いくつかの実施形態では、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を少なくとも10秒間、約95℃の第1の固定温度ゾーンに通過させる。先の実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、複数のサイクルのそれぞれの間に、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を2秒~約60秒間、約45℃~約65℃の第2の固定温度ゾーンに通過させる。いくつかの実施形態では、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を少なくとも15秒間、約55℃の第2の固定温度ゾーンに通過させる。いくつかの実施形態では、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を2秒~約60秒間、約50℃~約57℃の第2の固定温度ゾーンに通過させる。先の実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、複数のサイクルのそれぞれの間に、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を3秒~約60秒間、約57℃~約74℃の第3の固定温度ゾーンに通過させる。いくつかの実施形態では、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を3秒~約60秒間、約65℃~約72℃の第3の固定温度ゾーンに通過させる。いくつかの実施形態では、増幅混合物と混合した状態の試料の一部を少なくとも15秒間、約65℃~約72℃の第3の固定温度ゾーンに通過させる。いくつかの実施形態では、等温またはLAMP増幅が用いられる場合、3つの固定温度ゾーンはすべて、同じ温度(例えば、37℃)を有していてもよい。さらに、固定温度ゾーンすべてについて、ポンプまたは真空の速度を制御して、増幅混合物と混合した状態の試料がそれぞれの固定温度ゾーンで費やす時間の長さを変更してもよい。
【0081】
先の実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、複数のサイクルのそれぞれの間に、PCR増幅混合物と混合した状態の試料の一部を約0.5秒~約5分間、約45℃~約80℃の第2の固定温度ゾーンおよび第3の固定温度ゾーンの両方に通過させる。先の実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、複数のサイクルは、2サイクル以上100サイクル以下を含む。先の実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、上記方法は、工程(a)の前に、0.1%以上10%以下のN,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタイン(w/v)を含む溶解バッファとともに試料の一部をインキュベートすることをさらに含んでいてもよい。先の実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、試料は、工程(a)においてベタインとさらに混合される。先の実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、試料は、工程(a)において蛍光染料または有色染料とさらに混合される。先の実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、第2のプライマーは、5’から3’への方向のプライマー伸長を可能にする第2のオリゴヌクレオチド配列と、第2のオリゴヌクレオチド配列からのプライマー伸長の方向と比較して、反対の5’から3’への方向に配向されている第3のオリゴヌクレオチド配列と、を含む。いくつかの実施形態では、第3のオリゴヌクレオチド配列は、プライマー伸長をブロックする修飾ヌクレオチドを3’末端に含む。いくつかの実施形態では、第2のプライマーは、第3のオリゴヌクレオチド配列の5’末端と第2のオリゴヌクレオチド配列の5’末端との間に1つ以上のリンカーをさらに含む。先の実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、第1の捕捉部分はスペーサ試薬に固定され、スペーサ試薬は固体支持体に結合される。いくつかの実施形態では、スペーサ試薬は血清アルブミンタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、スペーサ試薬はデンドリマーを含む。先の実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、試料は全血試料、血清試料、唾液試料、尿試料、土壌試料、組織試料、または、環境試料を含む。先の実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、核酸はウイルス核酸を含む。いくつかの実施形態では、ウイルス核酸は、HIV、HBV、HCV、ウェストナイル、ジカ、およびパルボウイルスからなる群より選択されるウイルス由来である。先の実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、核酸は、細菌、古細菌、原生動物、真菌、植物または動物の核酸を含む。いくつかの実施形態では、試料は全血試料、血清試料、唾液試料、尿試料、土壌試料、組織試料、または、環境試料(例えば、水、土壌などを含む)を含む。
【0082】
〔キットおよび製品〕
本開示の他の態様は、試料中の核酸または抗原を検出するためのキットまたは製品に関する。
【0083】
いくつかの実施形態では、本開示は、複数のプライマー対を有するキットであって、前記複数のプライマー対のそれぞれは第1のプライマーと第2のプライマーとを含み、前記第1のプライマーは標識に結合されており、前記第1のプライマーは核酸の第1の鎖とハイブリダイズし、前記第2のプライマーは、1)5’から3’への方向のプライマー伸長を可能にし、前記核酸の、前記第1の鎖と逆である、第2の鎖とハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチド配列と、2)第2のオリゴヌクレオチド配列であって、前記第2のオリゴヌクレオチド配列からのプライマー伸長の方向と比較して、反対の5’から3’への方向に配向されている前記第2のオリゴヌクレオチド配列と、3)前記第1のオリゴヌクレオチド配列の5’末端と前記第2のオリゴヌクレオチド配列の5’末端の間の1つ以上のリンカーと、を含むキットに関する。いくつかの実施形態では、第2のオリゴヌクレオチド配列は、プライマー伸長をブロックする修飾ヌクレオチドを3’末端に含む。いくつかの実施形態では、第1のプライマーに結合された標識はビオチンを含む。上述の実施形態のいくつかでは、上記キットは、固体支持体にそれぞれ固定された複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列をさらに含んでいてもよく、その固体支持体上の少なくとも1つの1本鎖オリゴヌクレオチド配列は、複数のプライマー対の第2のプライマーの第2のオリゴヌクレオチド配列とハイブリダイズする。
【0084】
いくつかの実施形態では、本開示は、a)固体支持体にそれぞれ固定された複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列と、b)複数のプライマー対とを、有するキットであって、前記複数のプライマー対のそれぞれは、1)標識と、前記核酸の一部の第1の鎖とハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチド配列とを含む第1のプライマーと、2)前記核酸の一部の、前記第1の鎖と逆である、第2の鎖とハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチド配列と、第3のオリゴヌクレオチド配列とを含む第2のプライマーと、を含み、前記複数のプライマー対のそれぞれの前記第3のオリゴヌクレオチド配列は、その固体支持体上の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列とハイブリダイズする、キットに関する。いくつかの実施形態では、複数のプライマー対のそれぞれの第2のオリゴヌクレオチド配列は5’から3’への方向のプライマー伸長を可能にし、複数のプライマー対のそれぞれの第3のオリゴヌクレオチド配列は第2のオリゴヌクレオチド配列からのプライマー伸長の方向と比較して、反対の5’から3’への方向に配向され、複数のプライマー対のそれぞれの第2のプライマーは第3のオリゴヌクレオチド配列の5’末端と第2のオリゴヌクレオチド配列の5’末端との間に1つ以上のリンカーをさらに含む。いくつかの実施形態では、複数のプライマー対のそれぞれの第3のオリゴヌクレオチド配列は、プライマー伸長をブロックする修飾ヌクレオチドを3’末端に含む。上述の実施形態のいくつかでは、その支持体上の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列の各々はスペーサ試薬に結合され、スペーサ試薬は固体支持体に結合される。いくつかの実施形態では、スペーサ試薬は血清アルブミンタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、スペーサ試薬はデンドリマーを含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、本開示は、a)固体支持体にそれぞれ固定された複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列と、b)抗原にそれぞれ特異的に結合する複数の抗原結合領域であって、前記固体支持体に固定された1本鎖オリゴヌクレオチド配列に実質的に相補的な1本鎖オリゴヌクレオチド配列にそれぞれ結合されている複数の抗原結合領域と、を有するキットに関する。いくつかの実施形態では、上記キットは、c)コロイド検出試薬に結合された第2の抗原結合領域であって、(b)の複数の抗原結合領域のうちの1つの抗原結合領域によっても特異的に結合される抗原に特異的に結合する第2の抗原結合領域をさらに含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、本開示のキットは、プライマー配列をさらに含む。例えば、HBVの検出のために、本開示のキットは、HBV核酸、例えば、HBV sAgを検出するための増幅プライマーをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、配列TTC CTA GGA CCC CTG CTC GTG TTA CAG GCG GGG TTT TTC TTG TTG ACA AGA ATC CTC ACA ATA CCG CAG AGT CTA GAC TCG TGG TGG ACT TCT CTC AAT TTT CTA GGG GG (配列番号33)を含むアンプリコンが増幅される。いくつかの実施形態では、増幅プライマーは、配列CCC CCT AGA
AAA TTG AGA GAA GTC CAC CAC G(配列番号32)を含む第1のプライマー、および、配列ATT CCT AGG ACC CCT GCT CGT GTT A(配列番号31)を含む第2のプライマーを含む。いくつかの実施形態では、第1のプライマーは5’末端に結合したビオチンを含む。
【0087】
〔オリゴヌクレオチド〕
本開示の他の態様は、1本鎖オリゴヌクレオチド、例えば、連結配列(tether sequence)または捕捉配列に関する。これらの配列は、連結配列または捕捉配列として交換可能に用いられ得る。例えば、本明細書では、複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列が提供され、ここで、複数の配列のそれぞれは配列番号1~15から独立して選択される。また、本明細書では、複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列が提供され、ここで、複数の配列のそれぞれは配列番号16~30から独立して選択される。有利なことに、これらの配列は、強固で一貫したハイブリダイゼーション、2次構造の欠如、および、例えばヒトゲノムに関連する天然に存在する配列との相同性の欠如について、多数の潜在的な配列の中から同定されたものである。
【0088】
さらに、本明細書では、固体支持体にそれぞれ固定された複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列であって、各1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列は配列番号1~15からなる群から独立して選択される、複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列が提供される。いくつかの実施形態では、各固体支持体における1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列はスペーサ試薬に結合され、スペーサ試薬は固体支持体に結合される。いくつかの実施形態では、スペーサ試薬は血清アルブミンタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、スペーサ試薬はデンドリマーを含む。また、本明細書では、a)上記実施形態のいずれかの複数の配列と、b)複数の抗原結合領域であって、配列番号16~30からなる群から独立して選択される1本鎖オリゴヌクレオチド配列にそれぞれ結合される複数の抗原結合領域と、を有するキットが提供される。また、本明細書では、a)上記実施形態のいずれかの複数の配列と、b)複数のプライマー対とを、有するキットであって、複数のプライマー対のそれぞれは、1)標識と、核酸の第1の鎖とハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチド配列とを含む第1のプライマーと、2)核酸の一部の、第1の鎖と逆である、第2の鎖とハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチド配列と、第3のオリゴヌクレオチド配列とを含む第2のプライマーとを含み、各第1のプライマーの第3のオリゴヌクレオチド配列は配列番号16~30からなる群から独立して選択される、キットが提供される。
【0089】
さらに、本明細書では、固体支持体にそれぞれ固定された複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列であって、各1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列は配列番号16~30からなる群から独立して選択される、複数の1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列が提供される。いくつかの実施形態では、各固体支持体における1本鎖オリゴヌクレオチド捕捉配列はスペーサ試薬に結合され、スペーサ試薬は固体支持体に結合される。いくつかの実施形態では、スペーサ試薬は血清アルブミンタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、スペーサ試薬はデンドリマーを含む。また、本明細書では、a)上記実施形態のいずれかの複数の配列と、b)複数の抗原結合領域であって、配列番号1~15からなる群から独立して選択される1本鎖オリゴヌクレオチド配列にそれぞれ結合される複数の抗原結合領域と、を有するキットが提供される。また、本明細書では、a)上記実施形態のいずれかの複数の配列と、b)複数のプライマー対とを、有するキットであって、複数のプライマー対のそれぞれは、1)標識と、核酸の第1の鎖とハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチド配列とを含む第1のプライマーと、2)核酸の一部の、第1の鎖と逆である、第2の鎖とハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチド配列と、第3のオリゴヌクレオチド配列とを含む第2のプライマーとを含み、各第1のプライマーの第3のオリゴヌクレオチド配列は配列番号1~15からなる群から独立して選択される、キットが提供される。
【0090】
先の実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、固体支持体はマイクロアレイ、マルチプレックスビーズアレイ、またはウェルアレイとして配置される。先の実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、固体支持体は、ニトロセルロース、シリカ、プラスチック、または、ヒドロゲルである。先の実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、固体支持体はマイクロアレイ、マルチプレックスビーズアレイ、またはウェルアレイとして配置される。先の実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、固体支持体は、ニトロセルロース、シリカ、プラスチック、または、ヒドロゲルである。
【0091】
本開示は、以下の実施例を参照することによって、より十分に理解されるのであろう。しかしながら、それらは、いかなる方法においても本開示のいかなる態様または範囲をも限定するものとして解釈されるべきではない。
【実施例0092】
本開示は、以下の実施例を参照することによって、より十分に理解されるのであろう。しかしながら、本実施例は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書に記載された実施例および実施形態は説明を目的とするものであり、それらに関する様々な改変または変更は、当業者に対して示唆され、本出願の精神および範囲、ならびに添付された特許請求の範囲の内に含まれるべきであると理解される。
〔実施例1:タンパク質および核酸バイオマーカーの検出のための「ユニバーサルアレイ」技術〕
ユニバーサルアレイの概念は、アレイ面にプリントされたプローブDNAオリゴヌクレオチド配列を有するアレイを使用する。プローブオリゴに相補的なターゲットDNAオリゴヌクレオチドは、プリントされたプローブとハイブリダイズする。特定の高分子の検出を可能にする試薬も、ターゲットDNAオリゴヌクレオチド配列に付着している。例えば、疾患または癌関連バイオマーカーに特異的に結合する抗体を、アレイにプリントされた配列の1つに相補的なDNAオリゴヌクレオチド配列に結合させて、バイオマーカーの特異的検出を可能にすることができる。ターゲットDNAオリゴの一部はプローブにハイブリダイズするため、異なるターゲットDNAオリゴを異なるアッセイに使用することができ、それによって、同じアレイ(例えば、「ユニバーサル」アレイ)を種々の異なるアッセイ用に構成して、目的のバイオマーカー、タンパク質、抗体、および/または、核酸を検出することができる。
【0093】
この概念を図1Aに示す。図1Aは、1本鎖オリゴヌクレオチドプローブ(「cA」)をBSAに結合して、「BSA-cA結合プローブ」を生成し、次いでこれをアレイにプリントした様子を示す。バイオマーカー(この例ではHBsAgタンパク質)の検出のために、HBsAgに特異的に結合する1次抗体を、プローブ配列に相補的なオリゴヌクレオチド配列に結合して(「tA結合体」)、tA結合体をBSA-cA結合プローブがプリントされたアレイ位置のプローブにハイブリダイズさせた。様々なタイプの標識を使用して、アレイ位置におけるバイオマーカーの存在を検出することができる。この例では、バイオマーカーに結合する金標識2次抗体を用いて、金に銀が沈降した後、アレイ位置におけるバイオマーカーの存在を検出した。これは、CCDカメラを用いた比色検出によってスポットとして視覚化することができる(例えば、Alexandre, I. et al. (2001) Anal. Biochem. 295:1-8を参照)。
【0094】
図1Bは、例示的なアッセイの結果を示す。図1Bに示すように、HBsAgタンパク質は、スポットにおけるプローブに結合する特異的オリゴを用いた際に、アレイ上の当該スポットでのみ検出された。
【0095】
同様に、ユニバーサルアレイの概念は、図2A~2Eに示すように、核酸試験(NAT)にも適用することができる。この例では、3つの成分を有する増幅プライマー、すなわち、3’から5’への方向に配向されたユニバーサルアレイ上のプローブに相補的な配列(「tC配列」)、tC配列へのPCR伸長を妨げるスペーサ(例えば、2つの非ヌクレオチドリンカー)、および、5’から3’への方向に配向された目的の核酸に特異的なオリゴヌクレオチドプライマーを有する増幅プライマーを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって目的の核酸を増幅する(図2A)。このように、プライマーを用いて増幅すると、ターゲット配列はアンプリコン産物に組み込まれ、アレイ上にプリントされたプローブへのハイブリダイゼーションが可能になる(図2B)。PCR反応はまた、アレイにハイブリダイズされたアンプリコンの検出を可能にするために、検出可能な標識(この場合では、ビオチン)を有する、目的の核酸に特異的なもう1つのプライマーを含む。
【0096】
ユニバーサルアレイの図を図2Cに示す。アンプリコンは2つのプライマーによって増幅されたターゲット核酸の一部を含み、これによって、アンプリコンは、一方の末端にビオチン標識を有し、他方の末端にアレイにハイブリダイズするオーバーハング(tC配列)を有する。プリントされたプローブへハイブリダイズすることよって、アンプリコンは種々の方法で検出され得る。この例では、金結合ニュートラアビジン(「NAG」)が、例えば、上述のように、銀沈着を利用いて検出される。
【0097】
このアッセイの代表的な表示(readout)を図2Dおよび2Eに示す。この例では、HCV核酸を欠く試料において、HCVに特異的なオリゴを用いた場合、ハイブリダイゼーションは検出されなかった(「HCV陰性;」図2D)。しかしながら、HCV核酸を含有する試料において、ハイブリダイゼーションは、アレイ上の特定のスポットにハイブリダイズする特異的オリゴを用いた場合にのみ検出された;非特異的オリゴはシグナルを生じなかった(図2E)。
【0098】
タンパク質バイオマーカー検出およびNATへのユニバーサルアレイの概念の適応を、以下に提供する実施例においてより詳細に説明する。
〔実施例2:プローブDNAオリゴヌクレオチド配列〕
実施例1に説明したユニバーサルアレイの概念を、15の異なるプローブDNAオリゴヌクレオチド配列を含むアレイ(「15のエレメントアレイ」)を作製することによって試験した。
〔方法〕
アレイを作製するために、プローブDNAオリゴヌクレオチド配列のセットを担体タンパク質に結合し、スライド上にアレイ化する。次いで、プローブオリゴに相補的なターゲットDNAオリゴヌクレオチドのセットを用いて、試料を(例えば、3つの成分を有する増幅プライマーの形態で)増幅する。これにより、ターゲットDNAは、プリントされたプローブとハイブリダイズすることが可能になる。
【0099】
15のエレメントアレイで用いたプローブ配列および相補的配列を表1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】
15のエレメントアレイを、HBV DNA(1:1の血漿溶解物中5μg)を用いて試験した。HBVプライマーは、配列ATT CCT AGG ACC CCT GCT
CGT GTT A(配列番号31;フォーワード)および配列CCC CCT AGA AAA TTG AGA GAA GTC CAC CAC G(配列番号32;リバース)から構成された。プローブ配列を合成し、HBVフォーワードプライマーに結合させた。相補的配列は、アレイに結合したオリゴヌクレオチドであった。ビオチンをリバースプライマーの5’末端に結合させ、プライマーを200nmの濃度で用いた。ターゲットアンプリコンを、Promega GoTaq(登録商標)1-step RT-qPCRシステム(1ステップ逆転写qPCR試薬システム)を用いて、メーカーの使用説明書に従って生成した。
【0102】
〔結果〕
結果を図3Aに示す。各パネルは、同じ15のエレメントアレイ上で用いられた異なる相補的配列を表す。各パネルの4つの隅の全てに見られる暗点は、BSA-金結合体の陽性対照であり(図3Aの隅の四角によって示される)、これは、銀の沈降後に暗点として視覚化された(実施例1を参照)。簡単に述べると、各相補的配列が、15のエレメントアレイ上の正しいプローブ配列を特異的に検出した(図3Aの隅にない四角によって示される)。NS1~NS5またはNS3~NS7のように、相補的配列において交差反応性が見られるものもあった(図3Aに点線の四角で示される)。
【0103】
15のエレメントアレイを使用したこの試験は、ユニバーサルアレイの概念のプローブ成分を実証する。ここではHBVプライマー(すなわち、1つのターゲット配列)に結合された15の相補的配列と同様に、15のプローブ配列を使用したが、各相補的配列は異なるターゲットプライマーに結合した。したがって、ユニバーサルプローブは、一連のターゲット配列を効果的に区別するために用いられ得る。よって、ユニバーサルプローブを用いることによって、各実験/ターゲットのために新しいアレイプローブを設計する必要性が排除される。
〔実施例3:ユニバーサルアレイ試薬〕
実施例1で説明したユニバーサルアレイの概念は、試料を調製し、試料をアレイにハイブリダイズさせるために特定の試薬を使用する。この例では、特定の試薬の濃度を試験した。
【0104】
〔方法〕
試料調製の第1部では、試料:バッファ=1:1の比率の溶解バッファを使用した。溶解バッファ(表3)はリン酸緩衝生理食塩水(表2)を含んでいた。
【0105】
【表2】
【0106】
【表3】
【0107】
試料調製の第2部では、試料を増幅するためにPCRを用いた。これは、実施例1で説明した3成分プライマーシステムまたは実施例10で説明する不斉増幅システムのいずれかを用いて行った。3成分プライマーシステムを用いた際は、100nM~200nMのプライマーを用いた。不斉増幅システムを用いた際は、40nM~80nMのフォーワードプライマー、1μM~8μMのリバースプライマーを用いた。開始試料がRNAであった場合、逆転写酵素混合物を0.1X~5Xで使用した。
【0108】
試料をアレイにハイブリダイズする第1部では、主に生理食塩水-クエン酸ナトリウム(SSC)(表4)からなるハイブリダイゼーションバッファ(表5)を使用した。
【0109】
【表4】
【0110】
【表5】
【0111】
ハイブリダイゼーションバッファを作製した後、金結合ニュートラアビジン(「NAG」)をバッファに添加し、最終希釈度0.05OD~0.2ODに希釈した。(上述の)PCRによって産生されたアンプリコンを、1μL~5μLのアンプリコンが混合物210μL毎に存在するように、ハイブリダイゼーション/ニュートラアビジン金混合物に添加した。
【0112】
試料をアレイにハイブリダイズし(実施例4参照)、アレイをハイブリダイゼーション洗浄バッファ(表6)で洗浄した。ハイブリダイゼーション洗浄バッファもまたSSCバッファを含んでいた(表4)。この洗浄バッファは、アレイ上のバックグラウンドシグナルを減少させるのに十分な量の洗剤を含んでいた。
【0113】
【表6】
【0114】
〔結果〕
溶解バッファ中の様々な濃度のエンピゲンBBの試験を図3Bに示す。この試験では、ターゲットはRNAウイルスであるHIVの一部であった。エンピゲンBBの使用はRNAを放出するウイルス溶解を促進し、これは、溶解生成物(溶解物)がRT-PCRまたはPCRにおいて直接用いられ得ることを意味した。不斉増幅システムを用いてHIVターゲットを増幅した。1つの相補的配列を使用し、1つのプローブを、BSA-金陽性対照(図3Bにおいて、右側の実線の長方形によって示される)と共に、アレイ上に多数回打った(図3Bにおいて、点線の長方形は、アレイ上のプローブの位置を示す)。0%~1%のエンピゲンBB濃度はターゲット増幅を可能にしたが、2.5%~10%の濃度はターゲット増幅を阻害した。
〔実施例4:10分・1ステップハイブリダイゼーション、および、アレイ処理〕
実施例1で説明したユニバーサルアレイの概念を、以下の処理プロトコルを用いて試験した。これらのプロトコルは、PCRまたはRT-PCR増幅産物をアレイに直接ハイブリダイズすることを可能にする(すなわち、必要以上のクリーンアップ工程なしで)。
【0115】
〔方法〕
ハイブリダイゼーションの前に、2%のBSAを含む1XのPBS150μLを用いてアレイをブロックした。次に、アレイを37℃、250RPMの熱振盪機に60分間載置した。ブロッキング後、アレイを150μLの超純水で3回洗浄し、過剰な非結合試薬を除去した。アレイが乾燥するのを防止するために、試料が準備できるまで、最終洗浄液をウェルに残した。
【0116】
ハイブリダイゼーションのための試料を調製するために、20μLの10OD NAGを2mLのハイブリダイゼーションバッファに添加することによって、スライド当たり2mLのハイブリダイゼーションバッファ/NAG混合物(Hyb/NAG)を調製した(詳しくは実施例3を参照)。次に、それぞれ100μLを必要とする2つのウェルに各アンプリコンを充填するため、各アンプリコンに対して210μLのHyb/NAGを有する0.5mLのマイクロチューブを調製した。チューブを調製した後、2.1μLのアンプリコンを各チューブに添加し、短時間ボルテックスし、その後、すべてのチューブを短時間遠心分離した。
【0117】
ハイブリダイズさせるために、最終洗浄液をウェルから除去し、ウェル1つ当たり100μLのHyb/NAG/アンプリコン混合物を添加した。次に、アレイを37℃、250RPMの熱振盪機に10分間載置した。
【0118】
ハイブリダイゼーション後、混合物をウェルからピペットで取り出した。次いで、アレイを100μLのハイブリダイゼーション洗浄バッファ(詳しくは実施例3参照)で3回洗浄して、未結合の試薬を除去した。3回目の洗浄の直後に、アレイを150μLの超純水で3回洗浄した。アレイが乾燥するのを防止するために、銀染色液が準備できるまで、最終洗浄液をウェルに残した。
【0119】
使用した銀染色液は、Intuitive Biosciencesによって製造されたキットであった。スライドをGenePix Pro 7を用いて画像化した。
【0120】
〔結果〕
様々なハイブリダイゼーションバッファの配合のストリンジェンシーに対する影響を図3Cに示す。ここでは、不斉増幅システムを用いてHCVターゲットを増幅した。1つの相補的配列を使用し、1つのプローブをBSA-金陽性対照(図3Cにおいて、実線の長方形で示される)と共に多数回アレイ上に打った。2つの異なるハイブリダイゼーションバッファの配合を用いて、この試験におけるハイブリダイゼーションのための試料を調製した。上段のパネルにおける試料を調製するために用いられた第1の配合は、3XのSSC、1%のBSA、および3%のPEG-Cを含んでいた(3/1/3ハイブリダイゼーションバッファ)。下段のパネルにおける試料を調製するために用いられた第2の配合は、2XのSSC、1%のBSA、および2%のPEG-Cを含んでいた(2/1/2ハイブリダイゼーションバッファ)。2つの配合を比較すると、溶解物が無い場合にシグナルが見られ(左側の上下のパネルにおける点線の長方形を比較)、様々な量の溶解物で非特異的なシグナルが見られるため、3/1/3ハイブリダイゼーションバッファは2/1/2ハイブリダイゼーションバッファよりもストリンジェントが低いことが分かる。
【0121】
〔実施例5:試料を調製するための2ステップビーズ濃縮方法〕
ユニバーサルアレイの概念を用いた核酸試験の、実施例1で説明した工程の前に、磁気ビーズを使用して、試料から目的の核酸を濃縮することができる。この例では、ストレプトアビジン被覆磁気ビーズを、目的の核酸に相補的なビオチン標識オリゴヌクレオチドで標識した。次いで、これらのビーズを試料/溶解バッファ混合物に添加して、目的の核酸を結合させた。次いで、水酸化ナトリウムを用いて目的の核酸をビーズから除去し、トリスを用いて溶出したターゲットを中和した。
【0122】
〔方法〕
以下のプロトコルを用いて、ビオチン標識オリゴヌクレオチドを磁気ビーズに結合させた。
1.400μLのストレプトアビジン被覆磁気ビーズ(ここでは、Bangs Labビーズ(カタログ番号BM568))を1.5mLのチューブに添加する。
2.ビーズを30秒間磁気的に分離してビーズを単離し、次いで、ピペッティングによって上清を注意深く除去し、そしてそれを廃棄する。
3.ビーズを200μLの結合バッファ(20mMのトリス pH8.0/0.5MのNaCl)に再懸濁する。
4.2μLのビオチン標識オリゴヌクレオチド(ここではビオチン化HIVリバースプライマー)を添加し、室温で15分間振盪しながら溶液をインキュベートする。
5.ビーズを30秒間磁気的に分離し、次いで、ピペッティングによって上清を注意深く除去し、そしてそれを廃棄する。
6.磁気機器に載置したまま、200μLの結合バッファを用いてビーズを洗浄する。バッファ上清を廃棄する。
7.200μLの結合バッファを用いて再度洗浄を繰り返す。バッファ上清を廃棄する。8.200μLの結合バッファに、結合したビオチン-プライマーとともに磁気ビーズを再懸濁する。
【0123】
以下のプロトコルを用いて、試料から目的の核酸を濃縮した。
1.試料(ここではHIV RNA血清試料)と溶解バッファを1:1で混合する(この混合物を試料溶解物と呼ぶ)。全容量200μLの試料溶解物が推奨される。
2.ビオチン標識オリゴヌクレオチドで標識した5μLのストレプトアビジン被覆磁気ビーズを試料溶解物に添加する。
3.ピペッティングによって混合し、室温で10分間インキュベートする。
4.ビーズを60秒間磁気的に分離する。
5.上清をピペッティングで注意深く除去し、廃棄する。
6.100μLの結合バッファを用いてビーズを洗浄する。
7.結合バッファ上清を注意深く除去し、それを廃棄する。
8.5μLの0.1M水酸化ナトリウム(NaOH)に磁気ビーズを再懸濁する。
9.室温で30秒間インキュベートする。
10.ビーズを15秒間磁気的に分離する。
11.上清(~5μL)を注意深く除去し、5μLの100mMトリスが入った新しい1.5mLのチューブに移し、ピペッティングによって混合する(溶出1)。
12.元のチューブに残っているビーズを10μLの100mMトリスに再懸濁する(溶出2)。
【0124】
〔結果〕
磁気ビーズから目的の核酸を除去するために様々なNaOH濃度を用いることの影響を図3Dに示す。ここで、インプットとして用いた試料溶解物は1mL当たり10のコピーに希釈し、次いで溶解バッファと1:1で混合したHIV RNA血清試料であった。0.05N以上の濃度のNaOHを使用すると、ビーズから目的の核酸が効果的に除去されることが分かった(図3Dにおいて、「溶出1」とラベル付けされた下部のパネルの長方形内のシグナルと、「溶出後のビーズ」とラベル付けされた上部のパネルの長方形内のシグナルとを比較)。対照的に、NaOHを使用しない場合、目的の核酸はビーズに付着したままである(図3Dにおいて、最も右側の上下のパネルの長方形内のシグナルを比較)。
【0125】
様々なNaOH濃度を用いることの、後のRT-PCRのシグナル強度に対する影響を図3Eに示す。ここで、インプットとして用いた試料溶解物は1mL当たり10のコピーに希釈し、次いで溶解バッファと1:1で混合したHIV RNA血清試料であった。目的の濃縮核酸5μLをRT-PCRインプットとして用いる場合は、0.1N未満のNaOHを用いることができる。しかし、目的の濃縮核酸3μLをRT-PCRインプットとして用いる場合は、少なくとも0.1NのNaOHが必要である(図3Eにおける上下のパネルの長方形内のシグナルを比較)。
【0126】
目的の濃縮核酸を溶出する様々な方法の比較を図3Fに示す。ここで、インプットとして用いた試料溶解物は1mL当たり10のコピーに希釈し、次いで溶解バッファと1:1で混合したHIV RNA血清試料であった。100mMトリスを用いて磁気ビーズから目的の濃縮核酸を溶出させると、後のRT-PCRで3μLまたは5μLを用いたか否かにかかわらず、10mMのTEを用いた場合よりも強いダウンストリームシグナルが得られた(図3Fにおける上下のパネルの青色長方形内のシグナルを比較)。
〔実施例6:試料を調製するための1ステップビーズ濃縮方法〕
実施例1で説明したユニバーサルアレイの概念を用いた核酸試験の前に、磁気ビーズを用いて目的の核酸を濃縮することができる。この例では、ストレプトアビジン被覆磁気ビーズを、目的の核酸に相補的なビオチン標識オリゴヌクレオチドならびに試料溶解物と混合する。したがって、オリゴヌクレオチドの目的の核酸へのハイブリダイゼーションは、ビオチン標識オリゴヌクレオチドの磁気ビーズへの結合と同じ工程で生じる。
【0127】
〔方法〕
以下のプロトコルを1ステップビーズ濃縮方法で用いた。
1.40μLの磁気ビーズ(ここではNvigenビーズ(カタログ番号K61002))を1.5mLのチューブに添加する。
2.磁気機器を用いて、ビーズを30秒間磁気的に分離してビーズを単離し、次いで、ピペッティングによって上清を注意深く除去し、そしてそれを廃棄する。
3.チューブを磁気機器に載置したまま、200μLの結合バッファを用いてビーズを洗浄し、次いでバッファ上清を廃棄する。
4.磁気機器からチューブを取り出し、200μLの結合バッファ(20mMのトリス/0.5MのNaCl)に非標識磁気ビーズを再懸濁する。
5.ビオチン標識オリゴヌクレオチド(ここではビオチンHIV-R3プライマー)を用いて1Xの溶解バッファ(1XのPBS/1%のエンピゲンBB)を調製する。
a.推奨濃度は、溶解バッファA100μL当たり5ピコモル(pM)、25pM、または125pMのプライマーである。
6.1.5mLのチューブにおいて、健康な血漿または希釈バッファ(10mMのトリス/0.1mMのEDTA)で試料(ここではHIV血清)を好ましい濃度に希釈する。最終容量100μLの希釈試料が推奨される。
7.プライマーを1:1の比率で含有する溶解バッファを、工程6からの希釈試料に添加して、試料溶解物を生成する。最終容量200μLの試料溶解物が推奨される。
8.混合物を室温で10分間インキュベートし、溶解した試料中の目的の核酸にプライマーを結合させる。
9.5μLの非標識磁気ビーズ(工程4から)を工程8からの混合物に添加する。
10.ピペッティングによって混合し、次いで室温で5分間インキュベートする。
11.2回目のピペッティングによって混合し、次いで、室温でさらに5分間インキュベートする。
12.磁気機器を用いて、ビーズを60秒間磁気的に分離し、次いで、ピペッティングによって上清を注意深く除去し、そしてそれを廃棄する。
13.100μLの結合バッファを用いてビーズを洗浄し、次いで、結合バッファ上清を注意深く除去し、そしてそれを廃棄する。
14.磁気機器からチューブを取り出し、ビーズを5μLの0.1M水酸化ナトリウム(NaOH)に再懸濁する。
15.室温で30秒間インキュベートする。
16.磁気機器を用いて、ビーズを15秒間磁気的に分離する。
17.上清(~5μL)を注意深く除去し、5μLの100mMトリスが入った新しい1.5mLのチューブに移し、ピペッティングによって混合する(溶出1)。
18.元のチューブに残っているビーズを10μLの100mMトリスに再懸濁する(溶出2)。
【0128】
〔結果〕
1ステップ濃縮において様々なビオチン標識オリゴヌクレオチド(プライマー)濃度を用いることの影響を図3Gに示す。ここで、インプット試料は1mL当たり10のコピーに希釈したHIV RNA血清試料であり、陰性対照と比較した。5pM~125pMの範囲のプライマー濃度は、1ステップ濃縮で用いた場合に効果的であった(図3Gにおける、上部のパネルの長方形内のシグナルと、ラベル付けされた下部のパネルの長方形内のシグナルとを比較)。さらに、2ステップ濃縮よりも1ステップ濃縮のほうが効果的であった(図3Gにおける、最も右下のパネルの長方形内のシグナルと、下の他のパネルとを比較)。
【0129】
〔実施例7:ピペットチップにおいて固定されたフィルタ〕
ピペットチップにおける試料濃縮を図4Aに示す。ここで、固定されたフィルタは、チップ内部において、共有結合化学作用(例えば、ストレプトアビジン)を有する磁気ビーズまたはマトリックスを保持する。さらに、チップは、目的の核酸に相補的であるオリゴヌクレオチドであって、ビーズまたはマトリックスに(例えば、ビオチンを介して)付着させることができるオリゴヌクレオチドを含有する(例えば、試料濃縮処理の実施形態の実施例5および6を参照)。
【0130】
まず試料を、ピペットチップを通じてピペット操作(ピペッティング)を行う。これにより、目的の核酸がオリゴヌクレオチドによって捕捉される。次に洗浄バッファを、ピペットチップを通じてピペット操作(ピペッティング)を行い。余分な試薬または試料を除去する。最後に溶出バッファを、チップを通じてピペット操作(ピペッティング)を行い、目的の核酸を溶出する。
【0131】
目的の核酸は、その後、実施例1で説明したユニバーサルアレイの概念において用いることができる。
【0132】
〔実施例8:ビオチンのニュートラアビジン金に対する比率〕
ビオチン標識オリゴヌクレオチドのニュートラアビジン標識コロイド金に対する比率は、実施例1で説明したユニバーサルアレイを用いる際に、シグナル検出に重要である。この概念を図4Bおよび4Cに示す。先の実験(実施例4を参照)と同様に、1つの相補的配列を用い、そして1つのプローブをBSA-金陽性対照(実線の長方形によって示される)と共にアレイ上に多数回スポットした。図4Bは、1Xのターゲット濃度を用いた。図4Cは、図4Bの2倍のターゲット量を用いた。スポットされたプローブに相補的なターゲットをインキュベートし、次いで洗浄し、その後、アレイに結合したターゲットの反対側の末端に相補的なビオチン標識プローブとニュートラアビジン標識コロイド金(NAG)とがある範囲の比率(ビオチンプローブ:NAG)で混合された混合物をスライドに添加し、インキュベートし、洗浄し、銀増感(silver enhanced)した。図4Bおよび4Cの両方において、ビオチン標識プローブのNAGに対する比率を減少させると、1ステップ検出アッセイにおいてシグナルが増加した(点線の長方形)。陽性対照は、ターゲットをアレイと共にインキュベートし、洗い流し、次いでターゲットに相補的なビオチン標識プローブを添加し、過剰分を洗い流した後、NAGを添加した2ステップ検出アッセイの例であった。
【0133】
〔実施例9:連続増幅システム〕
キャピラリー管を用いた連続増幅システムを使用して、目的の核酸を増幅し得る。この概念を図5Aに示す。まず、蠕動ポンプを用いて、増幅(例えば、PCR)混合物と混合された試料を最初の容器から取り出してキャピラリー管に移動させる。そして、試料は、一定温度(例えば、37℃または42℃)に保持された任意のRTゾーン(試料がRNAである場合には必要)を通過する。試料は、典型的にはこのゾーンに15分間保持される(例えば、円形の加熱システムを用いる場合、15ループのキャピラリー管)。
【0134】
次に、試料は、一定温度(例えば、95℃)に保持された任意のPCR活性化ゾーンを通過する。試料は、典型的にはPCR反応成分を活性化するために、このゾーンに10分間保持される(例えば、円形の加熱システムが用いられる場合、10ループのキャピラリー管)。これら2つの任意の領域の後、試料は主増幅領域に到達する。主増幅領域は、3つの一定温度ゾーン(例えば、95℃、55℃、65℃)に垂直に分割されたシリンダである(図5Aの上面図を参照)。これらのゾーンのそれぞれは標準的なPCR反応、すなわち、変性、アニーリング、および伸長のひとつに対応する。キャピラリー管は主増幅シリンダの周りに何度も巻き付けられ(例えば、44回巻き付けられる)、その結果、試料はループを通過する際に、順に3つのゾーンそれぞれを繰り返し通過する。分割は、試料が第1のゾーンで約15秒、第2のゾーンで15秒、第3のゾーンで30秒を費やすように配分されている。
【0135】
最後に、試料は、増幅システムを出て、回収システムに入り、そこで検出される(例えば、MosaiQ検出チップ)。増幅混合物内の指示染料は、回収処理を引き起こすために用いられる。
【0136】
ポンプ、RTゾーン、PCR活性化ゾーン、主増幅領域は、すべてシステム制御パネルで制御されている。これは、構成要素のそれぞれの変更を可能にし、例えば、異なるゾーンの温度を変更することができる。さらに、制御パネルを用いてポンピング速度を変えることができ、これにより主増幅領域の各温度ゾーンで費やされる時間の長さを変えることができる。
【0137】
連続増幅システムの一例を図5Bに示す。このユニットは、ロボットアームおよび蠕動(またはHPLC)ポンプを用いて、すでに抽出され、かつ、RT-PCR混合物に添加された試料を取り上げ、試料をキャピラリー管中に移動させる。次いで、ポンプは試料を、キャピラリー管を介して任意の予熱ゾーン(調節可能であるが37℃に設定されている)に10~15分間送達し、その後、試料を任意のPCR活性化ゾーン(調節可能であるが95℃に設定されている)に10分間送達する。続いて、試料をPCR増幅モジュールに送達する。そこで、試料は、固定されているが調節可能な3つの温度ゾーンの周りをキャピラリー管1周当たり約1分間循環する。これらのゾーンによって、試料を、95℃に約15秒間加熱し、次いで約55℃に加熱することによってプライマーを約15秒間アニールさせ、そして、65~72℃の増幅/伸長ゾーンで増幅させることができる。その後、一巡して、次のループの95℃の変性ゾーンに戻る。これは、キャピラリー管の40~50ループ(サイクル)の間、試料が増幅モジュールを出て、任意の72℃の伸長ゾーンを5分間通過し、増幅産物が色素(例えば、青色またはFITC)を含むことによって増幅産物を検出する回収トレイに入るまで続く。
【0138】
連続増幅システムの第2の例示的な実施形態が図5Cに示されている。この例には、「Qコイルシステム」(画像の右上に示される、通気式の、透明なプラスチックのケースに収められたものであって、コイルに3つの温度ゾーンを含む)が含まれており、電源(図示せず、内蔵)と、(図5Bに示されるようなQ1000などの)ファン無しに対する、より正確な温度制御のためのアナログ制御付きケースファンと、3つのデジタル、プログラマブルディスプレイ(左下)が一緒に組み込まれている。ロボット試料プレート回収装置(図示せず)から蠕動ポンプ(またはHPLCのような他のポンプ機構)によって外部に押し出される(図示せず)連続管は、Q1144ケースの背面に流れ込み、次いでQコイルシステムケース(Z1=95’C、Z2=55’C、およびZ3=65’Cの3つの温度ゾーンを含む)を通って、最後にQ114ケースを出て、試料管に最終的に取り出され回収される。このシステムは3つの温度ゾーンを最も一貫して保持し、そして血清陽性(1μLの試料/反応管混合物=~10HIV DNAコピー)の10^4のコピー/mLまで一貫して結果を与えた。
【0139】
〔方法〕
連続増幅システム(図5A~5Cを参照)においてHIVを検出するために用いられる反応混合物およびプロトコルを以下に示す。
反応マスターミックス(master mix)当たり(24μL/rxn):
7μLのヌクレアーゼ非含有水
12.5μLのBIOTIUM混合物(Evagreenを含む)
1.5μLの5Mベタインバッファ
1μLの0.2%の青色染料
0.75μLのフォーワードプライマー(Q-HIV-F1-tc、300nM)
0.75μLのリバースプライマー(ビオチン-HIV-R3、300nM)
0.5μLのPromega RT混合物
チューブ1つ当たり24μLのマスターミックス、+1μLの試料
試料を溶解バッファ「X1」に1:1の希釈度で抽出した。溶解バッファX1の配合は[2%のトリトンX100+1xのPBS]である。代替の溶解バッファは「A1」=[2%エンピゲンBB+1xのPBS]であり、これはPCRシステムおよびQシステムの両方で良好に機能する。しかしながら、溶解-X1バッファがQシステムでいくらかより良好に機能し、最終的なプロトタイプ試験に用いられた。試料を使用前に10分間抽出した。
【0140】
プライマーを10μMで使用した(使用前に100μMのストックから新たに希釈した)。
【0141】
(試料充填)
ロボットアームは、蠕動ポンプへの入口を各ウェルまたはカラムに浸けた。各カラムは1つの試験に対応し、各試験は、異なる量の水洗(water wash)洗浄薬、漂白剤、および中和化学薬品を使用した。このシステムは、消毒工程と洗浄工程との間に小さな空気間隙を使用した。空気工程、漂白工程、および洗浄工程は以下の通りであった:
I.25μLの試料を調製し、列1においてそれぞれをプレートに充填する(注:カラム1および12は水のみであり、両方の列について200μLを各ウェルに充填した)。使用した全ての水はヌクレアーゼ非含有水であった。
II.次のようにして、他の列のそれぞれの100μLを調製する:
列3、カラム2~11に20%の漂白剤(最終1.6%)
列5、カラム2~11に20mMチオ硫酸塩
列6、7、8...カラム2~11それぞれに水
試料充填プログラム:
1.60秒間、列1から試料を回収する。30秒間空気を送る。
2.列3からそれぞれ20秒間、2回の漂白パルス(それぞれ約15μL)、間に20秒間の空気。
3.列5からそれぞれ20秒間、2回のチオ硫酸塩パルス(それぞれ約15μL)、間に20秒間の空気。
4.列6から15秒間、1回の水パルス、15秒間の空気。
5.列7から15秒間、1回の水パルス、15秒間の空気。
6.列8から15秒間、2回の水パルス、15秒間の空気。
7.次の試料回収に先立ち、30秒(空気)遅延させる。
【0142】
漂白剤を使用して、アンプリコンをラインから除去した後、次の試料を導入した。漂白剤の持越しは次の反応を不活性化するため、漂白剤を不活性化するための種々の方法を試験した。これらには、水希釈、空気溜り、メタ重亜硫酸ナトリウム、ナトリウム、およびチオ硫酸カリウムが含まれた。これらの方法を用いることにより、システムは試料の間に広範囲にわたるすすぎを必要としなかった。このようにして、(例えば、異なるターゲットの)多重増幅を連続して行うことができた。洗浄が多く繰り返され、試みられたが、水単独では前の試料を短時間で除去するのに十分ではなかった(持越しを避けるために10分以上の水パルスを要した)。一方、漂白剤単独では十分な水の洗浄なしでは強すぎた(そして最終的に、チオ硫酸塩が漂白剤を迅速に中和するのに最良に機能することが分かった)。最適な洗浄はセクション140に記載されている。上記のプログラムで列挙した洗浄については、使用した漂白剤は8.2%の次亜塩素酸塩ストックの20%(最終約1.6%)であり、一方、チオ硫酸塩は最終20mMであった。
〔実施例10:不斉増幅〕
不斉増幅の概念は、主に均一な産物を得るために、非対称なプライマー比率を使用する。不斉増幅は、ユニバーサルアレイへのハイブリダイゼーションのための試料を調製するために用いられ得る、本明細書中に記載された2つの方法のうちの2つ目である(実施例1を参照のこと)。不斉増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの熱サイクル増幅処理において、または、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)などの等温増幅処理において使用することができる。
【0143】
不斉増幅は2つのプライマー、すなわち、フォーワードプライマー(5’プライマーまたはセンスプライマーとしても知られる)およびリバースプライマー(3’プライマーまたはアンチセンスプライマーとしても知られる)を使用する。フォーワードプライマーは、ユニバーサルアレイ上の捕捉、ならびに、目的の核酸の5’末端の短い部分と同じ配列を有する。リバースプライマーは、目的の核酸(この場合、目的の核酸の3’末端)に特異的であり、そして、検出可能な標識(この場合、その5’末端にビオチン)を有し、アレイにハイブリダイズしたアンプリコンの検出を可能にする。リバースプライマーは、フォーワードプライマーの量を超える量で用いられる。例えば、15~20nMのリバースプライマーおよび5~10nMのフォーワードプライマーが、2:1または3:1の比率で用いられ得る。超過分はより大きくすることもでき、例えば、リバースプライマーのフォーワードプライマーに対する比率として、12.5:1~100:1、例えば20:1を用いることができる。この非対称なプライマー比率によって、増幅処理中にリバースプライマー以前にフォーワードプライマーが使い果たされることとなる。したがって、最終溶液における1次産物は、リバースプライマーによって生成されるものである。
【0144】
不斉RPA法の工程を示す図を図6Aに示す。RPAは、RNA鋳型からDNA鎖を直接的に産生するために逆転写酵素を含むことによって、DNA鋳型またはRNA鋳型のいずれかの使用を可能にする(図6Aに示される第1の工程)。DNA鋳型を使用する場合、リバース鎖はすでに存在するので、合成する必要はない。不斉増幅処理は、このリバース鎖から始まる。
【0145】
リバース鎖が存在すると、フォーワードプライマーはそれに結合し、そしてフォーワード鎖が合成される(図6Aに示される第2の工程)。フォーワードプライマーはユニバーサルアレイ捕捉配列を含むため、合成されたフォーワード鎖は鋳型配列の5’末端にユニバーサルアレイ捕捉配列を含む。
【0146】
次の工程では、リバースプライマーは合成されたフォーワード鎖に結合し、リバース鎖が合成される(図6Aに示される第3の工程)。3’末端では、ユニバーサルアレイ捕捉配列に相補的な連結配列が合成される。したがって、合成されたリバース鎖は、(3’から5’に向かって)連結配列、鋳型のリバース鎖コピー、およびビオチンタグを含む(図6Aに示される産物)。リバースプライマーは過度に用いられるため、不斉PCRの結果は、主にこの合成されたリバース鎖である。次いで、合成されたリバース鎖は、ユニバーサルアレイにハイブリダイズされ得(連結配列を使用して)、そして検出され得る(ビオチンを使用して)。
【0147】
リバースプライマーのフォーワードプライマーに対する様々な比率の試験を図6Bに示す。この例では、プライマーは1つの相補的配列と結合したHCVターゲットに対して設計された。1つのプローブを、BSA-金陽性対照(図6Bにおいて、実線の長方形によって示される)と共に、アレイ上に複数回打った(図6Bにおいて、点線の長方形はアレイ上のプローブの位置を示す)。アレイ上に見られるシグナルの強度は、超過リバースプライマーの量が増加するにつれて増加する。
【0148】
前述の開示は、理解を明確にする目的で、説明および例によっていくらか詳細に記載されているが、説明および例は本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書に引用される全ての特許および科学文献の開示は、その全体が参照により明示的に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0149】
図1A】いくつかの実施形態に係る、抗原検出のためのユニバーサルアレイの図を示す。
図1B】いくつかの実施形態に係る、ユニバーサルアレイを用いたB型肝炎(HBsAg)のバイオマーカーの検出を示す。
図2A】いくつかの実施形態に係る、核酸試験(NAT)のためのユニバーサルアレイで用いられる増幅プライマーの図を示す(tC配列:配列番号34;HIVターゲット配列:配列番号35)。
図2B図2Aに示されるプライマーを用いてターゲット配列を増幅する図を示す。
図2C】いくつかの実施形態に係る、核酸試験(NAT)のためのユニバーサルアレイの図を示す。
図2D】いくつかの実施形態に係る、核酸試験(NAT)のためのユニバーサルアレイを用いた、C型肝炎ウイルス(HCV)由来の核酸の検出を示す。
図2E】いくつかの実施形態に係る、核酸試験(NAT)のためのユニバーサルアレイを用いた、C型肝炎ウイルス(HCV)由来の核酸の検出を示す。
図3A】いくつかの実施形態に係る、NATのためのユニバーサルアレイ上の15個の個々のプローブを示す。
図3B】いくつかの実施形態に係る、NATのためのユニバーサルアレイと共に用いるための試料調製物中における様々なエンピゲンBB濃度の影響を示す。
図3C】いくつかの実施形態に係る、NATのためのユニバーサルアレイと共に用いるための様々なハイブリダイゼーションバッファの配合の影響を示す。
図3D】いくつかの実施形態に係る、試料から目的の核酸を濃縮するための溶出効率に対する様々なNaOH濃度の影響を示す。
図3E】いくつかの実施形態に係る、増幅用の目的の濃縮核酸の量との組み合わせによる、様々なNaOH濃度の影響を示す。
図3F】いくつかの実施形態に係る、増幅用の目的の濃縮核酸の量との組み合わせによる、様々な溶出戦略の影響を示す。
図3G】いくつかの実施形態に係る、核酸濃縮プロトコルにおける様々なプライマー濃度の影響を示す。
図4A】いくつかの実施形態に係る、ピペットチップにおいて試料から目的の核酸の濃縮を示す。
図4B】いくつかの実施形態に係る、ビオチン標識オリゴヌクレオチドのニュートラアビジン標識コロイド金に対する比率の影響を示す。
図4C】いくつかの実施形態に係る、ビオチン標識オリゴヌクレオチドのニュートラアビジン標識コロイド金に対する比率の影響を示す。
図5A】いくつかの実施形態に係る、連続増幅システムの図を示す。
図5B】いくつかの実施形態に係る、連続増幅システムの例示的な実施形態を示す。
図5C】いくつかの実施形態に係る、連続増幅システムの例示的な実施形態を示す。
図6A】いくつかの実施形態に係る、NATのための不斉増幅の図を示す。
図6B】いくつかの実施形態に係る、NATのための不斉増幅におけるリバースプライマーのフォーワードプライマーに対する比率を示す。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
【配列表】
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