(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110062
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】電池セパレータおよび鉛酸電池
(51)【国際特許分類】
H01M 50/489 20210101AFI20230801BHJP
H01M 50/414 20210101ALI20230801BHJP
H01M 50/463 20210101ALI20230801BHJP
H01M 50/46 20210101ALI20230801BHJP
H01M 50/417 20210101ALI20230801BHJP
H01M 50/429 20210101ALI20230801BHJP
H01M 50/44 20210101ALI20230801BHJP
H01M 50/426 20210101ALI20230801BHJP
H01M 50/449 20210101ALI20230801BHJP
H01M 50/434 20210101ALI20230801BHJP
H01M 50/466 20210101ALI20230801BHJP
H01M 10/12 20060101ALI20230801BHJP
H01M 50/437 20210101ALI20230801BHJP
H01M 50/443 20210101ALI20230801BHJP
【FI】
H01M50/489
H01M50/414
H01M50/463 B
H01M50/46
H01M50/417
H01M50/429
H01M50/44
H01M50/426
H01M50/449
H01M50/434
H01M50/466
H01M10/12 K
H01M50/437
H01M50/443 M
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093872
(22)【出願日】2023-06-07
(62)【分割の表示】P 2019570443の分割
【原出願日】2018-06-20
(31)【優先権主張番号】1755607
(32)【優先日】2017-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】1755622
(32)【優先日】2017-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】505458359
【氏名又は名称】ダラミック エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】ウィアー,ジェイ.ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,エリック エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】三宅 直人
(72)【発明者】
【氏名】ダイテルス,イェルク
(57)【要約】
【課題】低減された酸層化を有し、デンドライトの形成を軽減し、および/または改良されたサイクリング性能を有する電池を提供する。
【解決手段】鉛酸電池用の改良されたセパレータを本明細書において開示する。セパレータは、多孔質膜、ゴム、および少なくとも1つの性能向上添加剤、正および/もしくは負極リブ、ならびに/または低下した酸浸出性全有機炭素を含み得る。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー;および充填剤;を含む多孔質膜を含む電池セパレータであって、
前記多孔質膜が、バックウェブの少なくとも一部から延在する複数のリブを有する前記バックウェブを有しており;
酸浸出性全有機炭素(「TOC」)が、紫外線検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液によって測定されるとき前記電池セパレータ1kg当たりおよそ2,000mg以下である、前記電池セパレータ。
【請求項2】
前記複数のリブの少なくとも一部が、前記多孔質膜の表面に対向する正極の少なくとも一部から延在する正極リブである、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項3】
前記正極リブが、デンドライト短絡を軽減するように最適化されている、請求項2に記載の電池セパレータ。
【請求項4】
前記正極リブが、前記多孔質膜の第1側方エッジから第2側方エッジまで均一に延在している、請求項2に記載の電池セパレータ。
【請求項5】
前記正極リブが、以下:固体リブ、別個の破断リブ、連続リブ、不連続リブ、不連続ピーク、不連続突起、角度付きリブ、傾斜リブ、線状リブ、前記多孔質膜の実質的に縦方向に長手方向に延在しているリブ、前記多孔質膜の実質的に幅方向に側方に延在しているリブ、前記セパレータの実質的に幅方向に横方向に延在しているリブ、別個の歯状物、歯状リブ、鋸歯状物、鋸歯状リブ、狭間胸壁、狭間胸壁状リブ、曲面リブ、連続正弦波状リブ、不連続正弦波状リブ、S形状リブ、連続ジグザグ鋸歯様リブ、破断された不連続ジグザグ鋸歯様リブ、溝、チャネル、テクスチャ領域、エンボス、ディンプル、円柱、小型円柱、多孔質、非多孔質、交差リブ、小型リブ、交差小型リブ、およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1つである、請求項2に記載の電池セパレータ。
【請求項6】
前記正極リブは、電池における酸混合を、特に前記電池の動作の際に、向上させる角度配向によって画定されている破断リブであり、前記セパレータが、その中に配置されて、前記電池の開始および停止運動に平行に位置付けられている、請求項2に記載の電池セパレータ。
【請求項7】
前記角度配向が、前記多孔質膜の縦方向に対するものであり、前記角度配向が、ゼロ度(0°)超180度(180°)未満、および180度(180°)超360度(360°)未満の間からなる群から選択される角度である、請求項6に記載の電池セパレータ。
【請求項8】
前記正極リブが、1以上のリブサブセットを含み;前記1以上のリブサブセット内の第1リブサブセットが、第1角度配向を含み;前記1以上のリブサブセット内の少なくとも第2リブサブセットが、第2角度配向を含む、請求項6に記載の電池セパレータ。
【請求項9】
前記正極リブが、ゼロ度(0°)~360度(360°)の間である前記多孔質膜の縦方向に対する角度配向で配置されている、請求項2に記載の電池セパレータ。
【請求項10】
前記正極リブの少なくとも一部が、およそ50μm~およそ2.0mmの高さを有する、請求項2に記載の電池セパレータ。
【請求項11】
前記正極リブの少なくとも一部が、およそ300μm~およそ750μmの底幅を有する、請求項2に記載の電池セパレータ。
【請求項12】
前記正極リブの少なくとも一部が、およそ400μm~およそ500μmの第2底幅を有する、請求項11に記載の電池セパレータ。
【請求項13】
前記正極リブの少なくとも一部が、およそ50μm~およそ20mmの間隔長を有して互いに実質的に直線および実質的に平行である、請求項2に記載の電池セパレータ。
【請求項14】
前記複数のリブの少なくとも一部が、前記多孔質膜の表面に対向する負極の少なくとも一部から延在している負極リブである、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項15】
前記負極リブが、デンドライト短絡を軽減するように最適化されている、請求項14に記載の電池セパレータ。
【請求項16】
前記負極リブが、前記多孔質膜の第1側方エッジから第2側方エッジまで均一に延在している、請求項14に記載の電池セパレータ。
【請求項17】
前記負極リブが、以下:固体リブ、別個の破断リブ、連続リブ、不連続リブ、不連続ピーク、不連続突起、角度付きリブ、傾斜リブ、線状リブ、前記多孔質膜の実質的に縦方向に長手方向に延在しているリブ、前記多孔質膜の実質的に幅方向に側方に延在しているリブ、前記セパレータの実質的に幅方向に横方向に延在しているリブ、別個の歯状物、歯状リブ、鋸歯状物、鋸歯状リブ、狭間胸壁、狭間胸壁状リブ、曲面リブ、連続正弦波状リブ、不連続正弦波状リブ、S形状リブ、連続ジグザグ鋸歯様リブ、破断された不連続ジグザグ鋸歯様リブ、溝、チャネル、テクスチャ領域、エンボス、ディンプル、円柱、小型円柱、多孔質、非多孔質、交差リブ、小型リブ、交差小型リブ、およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1つである、請求項14に記載の電池セパレータ。
【請求項18】
前記負極リブは、電池における酸混合を、特に前記電池の動作の際に、向上させる角度配向によって画定されている破断リブであり、前記セパレータが、その中に配置されて、前記電池の開始および停止運動に平行に位置付けられている、請求項14に記載の電池セパレータ。
【請求項19】
前記角度配向が、前記多孔質膜の縦方向に対するものであり、前記角度配向が、ゼロ度(0°)超180度(180°)未満、および180度(180°)超360度(360°)未満の間からなる群から選択される角度である、請求項18に記載の電池セパレータ。
【請求項20】
前記負極リブが、1以上のリブサブセットを含み;前記1以上のリブサブセット内の第1リブサブセットが、第1角度配向を含み;前記1以上のリブサブセット内の少なくとも第2リブサブセットが、第2角度配向を含む、請求項18に記載の電池セパレータ。
【請求項21】
前記負極リブが、ゼロ度(0°)~360度(360°)の間である前記多孔質膜の縦方向に対する角度配向で配置されている、請求項14に記載の電池セパレータ。
【請求項22】
前記複数のリブの少なくとも一部が、前記負極リブおよび正極リブセットを含み、前記負極リブの高さが、前記正極リブセットの高さと比較して、およそ5.0%~およそ100%である、請求項14に記載の電池セパレータ。
【請求項23】
前記負極リブが、およそ5.0μm~およそ2.0mmの高さを有する、請求項14に記載の電池セパレータ。
【請求項24】
前記負極リブが、およそ5μm~およそ500μmの底幅を有する、請求項14に記載
の電池セパレータ。
【請求項25】
前記複数のリブが、正極リブおよび負極リブを含み、前記正極リブが、前記多孔質膜の表面に対向する正極の少なくとも一部から延在しており;前記負極リブが、前記多孔質膜の表面に対向する負極の少なくとも一部から延在している、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項26】
前記負極リブが、デンドライト短絡を軽減するように最適化されている、請求項25に記載の電池セパレータ。
【請求項27】
前記正極リブが、デンドライト短絡を軽減するように最適化されている、請求項25に記載の電池セパレータ。
【請求項28】
前記正極リブおよび前記負極リブが、以下:固体リブ、別個の破断リブ、連続リブ、不連続リブ、不連続ピーク、不連続突起、角度付きリブ、傾斜リブ、線状リブ、前記多孔質膜の実質的に縦方向に長手方向に延在しているリブ、前記多孔質膜の実質的に幅方向に側方に延在しているリブ、前記セパレータの実質的に幅方向に横方向に延在しているリブ、別個の歯状物、歯状リブ、鋸歯状物、鋸歯状リブ、狭間胸壁、狭間胸壁状リブ、曲面リブ、連続正弦波状リブ、不連続正弦波状リブ、S形状リブ、連続ジグザグ鋸歯様リブ、破断された不連続ジグザグ鋸歯様リブ、溝、チャネル、テクスチャ領域、エンボス、ディンプル、円柱、小型円柱、多孔質、非多孔質、交差リブ、小型リブ、交差小型リブ、およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1つである、請求項25に記載の電池セパレータ。
【請求項29】
前記ポリマーが、以下:ポリマー、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、超高分子量ポリエチレン(「UHMWPE」)、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ゴム、合成木材パルプ(「SWP」)、リグニン、ガラス繊維、合成繊維、セルロース繊維、およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1つを含む、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項30】
前記ゴムが、以下:架橋ゴム、非架橋ゴム、硬化ゴム、非硬化ゴム、天然ゴム、ラテックス、合成ゴム、およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1つを含む、請求項29に記載の電池セパレータ。
【請求項31】
前記ゴムが、以下:メチルゴム、ポリブタジエン、1以上のクロロプレンゴム、ブチルゴム、ブロモブチルゴム、ポリウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ポリスルフィドゴム、クロロスルホニルポリエチレン、ポリノルボルネンゴム、アクリレートゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、コポリマーゴム、およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1つを含む、請求項29に記載の電池セパレータ。
【請求項32】
前記コポリマーゴムが、以下:スチレン/ブタジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエンゴム、エチレン/プロピレンゴム(EPMおよびEPDM)、エチレン/酢酸ビニルゴム、およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1つを含む、請求項31に記載の電池セパレータ。
【請求項33】
前記ゴムが、およそ1重量%~およそ6重量%の量で存在する、請求項29に記載の電池セパレータ。
【請求項34】
前記ゴムが、およそ3重量%~およそ6重量%の量で存在する、請求項29に記載の電池セパレータ。
【請求項35】
前記ゴムが、およそ3重量%の量で存在する、請求項29に記載の電池セパレータ。
【請求項36】
前記ゴムが、およそ6重量%の量で存在する、請求項29に記載の電池セパレータ。
【請求項37】
前記ゴムが、前記多孔質膜の少なくとも片側にコーティングされている、請求項29に記載の電池セパレータ。
【請求項38】
前記充填剤が、以下:シリカ、乾燥微粉シリカ;沈降シリカ;アモルファスシリカ;アルミナ;タルク;魚粉、魚骨粉、およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1つを含む、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項39】
29Si-NMRによって測定される、前記充填剤内のOH:Si基の分子比が、およそ21:100~35:100の範囲内である、請求項38に記載の電池セパレータ。
【請求項40】
29Si-NMRによって測定される、前記充填剤内のOH:Si基の分子比が、少なくともおよそ27:100以上である、請求項38に記載の電池セパレータ。
【請求項41】
前記充填剤が、高い構造形態を有する、請求項1に記載のセパレータ。
【請求項42】
前記充填剤が、以下:5μm以下の平均粒径を有すること;少なくとも100m2/g
の表面積を有すること;少なくとも150ml/100mgの油吸収率を有すること;およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1つによって特徴付けられる、請求項39に記載のセパレータ。
【請求項43】
前記多孔質膜が、充填剤を含み:ポリマー重量比が、およそ2.0:1.0である、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項44】
前記多孔質膜が、およそ200μm~およそ350μmのバックウェブ厚さを有する、請求項43に記載の電池セパレータ。
【請求項45】
前記多孔質膜が、充填剤を含み:ポリマー重量比が、およそ3.5:1.0である、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項46】
前記多孔質膜が、およそ100μm~およそ200μmのバックウェブ厚さを有する、請求項45に記載の電池セパレータ。
【請求項47】
前記多孔質膜が、充填剤を含み:ポリマー重量比が、およそ2.6:1.0である、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項48】
前記多孔質膜が、充填剤を含み:ポリマーおよびゴム重量比が、およそ2.6:1.0である、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項49】
前記多孔質膜が、およそ100μm~およそ250μmのバックウェブ厚さを有する、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項50】
前記多孔質膜が、およそ100μm~およそ200μmのバックウェブ厚さを有する、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項51】
前記多孔質膜が、およそ100μm~およそ150μmのバックウェブ厚さを有する、
請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項52】
およそ100μm~およそ1.00mmの全体厚さを有する、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項53】
およそ100μm~およそ850μmの全体厚さを有する、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項54】
およそ100μm~およそ650μmの全体厚さを有する、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項55】
およそ100μm~およそ450μmの全体厚さを有する、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項56】
およそ100μm~およそ250μmの全体厚さを有する、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項57】
およそ100μm~およそ150μmの全体厚さを有する、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項58】
紫外線検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液によって測定されるとき前記電池セパレータ1kg当たりおよそ1,500mg以下の酸浸出性全有機炭素(「TOC」)をさらに含む、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項59】
紫外線検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液によって測定されるとき前記電池セパレータ1kg当たりおよそ1,000mg以下の酸浸出性全有機炭素(「TOC」)をさらに含む、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項60】
以下:界面活性剤、湿潤剤、着色料、帯電防止添加剤、アンチモン抑制添加剤、UV-保護添加剤、酸化防止剤、およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1つである、少なくとも1つの性能向上添加剤をさらに含む、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項61】
界面活性剤である少なくとも1つの性能向上添加剤をさらに含み、前記界面活性剤が、以下:非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1つを含む、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項62】
以下:リチウムイオン、アルミニウムイオン、およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1つを含む前記少なくとも1つの性能向上添加剤をさらに含む、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項63】
界面活性剤である前記少なくとも1つの性能向上添加剤をさらに含み、前記界面活性剤が、少なくともおよそ0.5g/m2~およそ3g/m2の量で含まれる、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項64】
界面活性剤である前記少なくとも1つの性能向上添加剤をさらに含み、前記界面活性剤が、少なくともおよそ0.5g/m2~およそ6g/m2の量で含まれる、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項65】
前記多孔質膜の少なくとも一部にコーティングされている前記少なくとも1つの性能向
上添加剤をさらに含む、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項66】
前記多孔質膜の少なくとも一部内に含浸されている前記少なくとも1つの性能向上添加剤をさらに含む、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項67】
前記ポリマーおよび前記充填剤内に混合されている前記少なくとも1つの性能向上添加剤をさらに含む、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項68】
前記多孔質膜が、加工用可塑剤を含む、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項69】
前記加工用可塑剤が、以下:加工油、石油、パラフィン系鉱物油、鉱物油、およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1つを含む、請求項68に記載の電池セパレータ。
【請求項70】
繊維状マットをさらに含む、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項71】
前記繊維状マットが、以下:ガラス繊維、合成繊維、シリカ、少なくとも1つの性能向上添加剤、ラテックス、天然ゴム、合成ゴム、およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1つを含む、請求項70に記載の電池セパレータ。
【請求項72】
前記繊維状マットが、以下:不織布、織物、メッシュ、フリース、ネット、およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1つである、請求項70に記載の電池セパレータ。
【請求項73】
およそ65mΩ・cm2以下の電気抵抗(「ER」)をさらに含む、請求項1に記載の
電池セパレータ。
【請求項74】
およそ50mΩ・cm2以下の電気抵抗(「ER」)をさらに含む、請求項1に記載の
電池セパレータ。
【請求項75】
およそ35mΩ・cm2以下の電気抵抗(「ER」)をさらに含む、請求項1に記載の
電池セパレータ。
【請求項76】
およそ200%以上の、40時間における酸化抵抗をさらに含む、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項77】
導電層をさらに含む、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項78】
前記セパレータが、以下:切断片、ポケット、スリーブ、ラップ、エンベロープ、ハイブリッドエンベロープ、S-織物セパレータ;からなる群のうちの1つの形状であり、側部折り畳み、およびこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項79】
充電部分状態で作動する鉛酸電池であって:
正極、前記正極に隣接する負極;
少なくとも一部が前記正極と前記負極との間に配置されているセパレータ;
前記正極の少なくとも一部、前記負極の少なくとも一部、および前記セパレータの少なくとも一部を実質的に浸漬している電解質;を含み
前記セパレータが多孔質膜を含み、前記多孔質膜が、ポリマー;充填剤;および、デンドライト短絡を軽減するように最適化されている、バックウェブの少なくとも一部から延在する複数のリブを有する前記バックウェブを含み;
前記セパレータが、紫外線検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液によって測定されるとき前記電池セパレータ1kg当たりおよそ2,000mg以下の酸浸
出性全有機炭素(「TOC」)を含む、前記鉛酸電池。
【請求項80】
前記セパレータが、紫外線検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液によって測定されるとき前記電池セパレータ1kg当たりおよそ1,500mg以下の酸浸出性全有機炭素(「TOC」)を含む、請求項79に記載の鉛酸電池。
【請求項81】
前記セパレータが、紫外線検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液によって測定されるとき前記電池セパレータ1kg当たりおよそ1,000mg以下の酸浸出性全有機炭素(「TOC」)を含む、請求項79に記載の鉛酸電池。
【請求項82】
およそ50%と、およそ99%との間の放電深度で作動する、請求項79に記載の鉛酸電池。
【請求項83】
およそ1%と、およそ50%との間の放電深度で作動する、請求項79に記載の鉛酸電池。
【請求項84】
前記正極、前記負極、および前記セパレータのうちの少なくとも1つに隣接するマットをさらに含む、請求項79に記載の鉛酸電池。
【請求項85】
前記マットが、以下:ガラス繊維、合成繊維、シリカ、少なくとも1つの性能向上添加剤、ラテックス、天然ゴム、合成ゴム、およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1つを含む、請求項84に記載の鉛酸電池。
【請求項86】
前記マットが、以下:不織布、織物、メッシュ、フリース、ネット、およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1つを含む、請求項84に記載の鉛酸電池。
【請求項87】
前記電池が、以下:運転中、静止中、エネルギー蓄積システム用途において;再生可能なエネルギー蓄積システム用途において;連続電力供給用途において;エネルギー貯蔵システム用途において、バックアップ電源用途において、サイクリング用途において、およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1において作動する、請求項79に記載の鉛酸電池。
【請求項88】
平板電池、液式鉛酸電池、高性能液式鉛酸電池(「EFB」)、ディープサイクル電池、ゲル電池、吸収性ガラスマット(「AGM」)電池、管状電池、インバータ電池、車両用電池、始動照明点火(「SLI」)車用電池、アイドリングストップ(「ISS」)車用電池、自動車用電池、トラック用電池、単車用電池、全地形対応車用電池、フォークリフト電池、ゴルフカート電池、ハイブリッド電気自動車用電池、電気自動車用電池、水容器用電池、電気三輪車用電池、電気人力車用電池、および電動自転車用電池からなる群から選択される、請求項79に記載の鉛酸電池。
【請求項89】
充電部分状態で作動する鉛酸電池;
を含むシステムであって、
前記鉛酸電池が、多孔質膜、前記多孔質膜、ポリマー;充填剤;およびバックウェブの少なくとも一部から延在する複数のリブを有する前記バックウェブを含むセパレータを含み;
前記セパレータが、紫外線検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液によって測定されるとき前記電池セパレータ1kg当たりおよそ2,000mg以下の酸浸出性全有機炭素(「TOC」)を有する、前記システム。
【請求項90】
前記セパレータが、紫外線検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液に
よって測定されるとき前記電池セパレータ1kg当たりおよそ1,500mg以下の酸浸出性全有機炭素(「TOC」)を含む、請求項89に記載のシステム。
【請求項91】
前記セパレータが、紫外線検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液によって測定されるとき前記電池セパレータ1kg当たりおよそ1,000mg以下の酸浸出性全有機炭素(「TOC」)を含む、請求項89に記載のシステム。
【請求項92】
前記鉛酸電池が、およそ50%と、およそ99%との間の放電深度で作動する、請求項89に記載のシステム。
【請求項93】
前記鉛酸電池が、およそ1%と、およそ50%との間の放電深度で作動する、請求項89に記載のシステム。
【請求項94】
エネルギー蓄積システム;再生可能なエネルギー蓄積システム;連続電力供給;エネルギー貯蔵システム、バックアップ電源システム、およびこれらの組み合わせからなるリストから選択される、請求項89に記載のシステム。
【請求項95】
自動車、トラック、単車、全地形対応車、フォークリフト、ゴルフカート、ハイブリッド自動車、ハイブリッド電気自動車用電池、電気自動車、アイドリングストップ(「ISS」)車、水容器、電気人力車用電池、電気三輪車および電動自転車用電池である、請求項89に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
少なくとも選択の実施形態によると、本開示または発明は、鉛酸電池、例えば、液式鉛酸電池、および、特に高性能液式鉛酸電池(「EFB」)、ならびに種々の他の鉛酸電池、例えば、ゲルおよび吸収性ガラスマット(「AGM」)電池のための新規または改良されたセパレータを対象とする。少なくとも選択の実施形態によると、本開示または発明は、新規または改良されたセパレータ、電池セパレータ、EFBセパレータ、電池、セル、システム、これを含む方法、これを用いる車両、これを製造する方法、これの使用、およびこれらの任意の組み合わせを対象とする。また、電池寿命を向上させ;電池故障を低減し;水分損失を低減し;酸化安定性を改良し;フロート電流を改良し、維持し、および/もしくは低下させ;充電終了(「EOC」)電流を改良し;ディープサイクル電池を充電および/もしくは完全に充電するのに必要な電流および/もしくは電圧を減少し;内部電気抵抗を最小化し;電気抵抗を低下させ;濡れ性を増加させ;電解質による湿潤時間を低下させ;電池形成の時間を低減し;アンチモン中毒を低減し;酸層化を低減し;酸拡散を改良し、ならびに/または鉛酸電池の均一性を改良すること;ならびにこれらの任意の組み合わせ;のための方法、システム、および電池セパレータを本明細書において開示する。少なくとも特定の実施形態によると、本開示または発明は、鉛酸電池のための改良されたセパレータであって、ゴム、ラテックス、ならびに/または改良された性能向上添加剤および/もしくはコーティングを含む上記セパレータを対象とする。少なくともある特定の実施形態によると、開示されているセパレータは、例えば、原動機、例えば、ゴルフカート(ゴルフカーと称する場合がある);インバータ;ならびに再生可能なエネルギーシステムおよび/または代替のエネルギーシステム、例えば、太陽光システムおよび風力システムにおけるディープサイクル用途に有用である。開示されているセパレータはまた、ディープサイクルおよび/または充電動作部分状態が電池用途に不可欠である電池システムにおいても有用である。ある特定の他の実施形態において、開示されているセパレータは、添加剤および/または合金(アンチモンが主要な例である)が、電池の寿命および/もしくは性能を向上させ、ならびに/または電池のディープサイクルおよび/もしくは充電動作容量部分状態を向上させるために電池に添加されている電池システムにおいて使用され得る。
【背景技術】
【0002】
電池セパレータは、電気的短絡を防止するために、電池の正および負の電極または板を分離するのに使用されている。かかる電池セパレータは、イオンが正および負の電極または板の間を通過し得るように典型的には多孔質である。鉛酸蓄電池、例えば、車両用電池および/または工業用電池および/またはディープサイクル電池において、電池セパレータは、典型的には多孔質ポリエチレンセパレータであり;いくつかの場合において、かかるセパレータは、バックウェブ、およびバックウェブの片側または両側にある複数のリブを含み得る。Besenhard,J.O.,Editor,Handbook of Battery Materials,Wiley-VCH Verlag GmbH,Weinheim,Germany(1999),Chapter 9,pp.245-292を参照されたい。車両用電池用のいくつかのセパレータは、連続長で作製されて丸められており、続いて折り畳まれ、エッジに沿って封止されて、電池の電極を収容するパウチまたはエンベロープを形成する。工業用(または牽引もしくはディープサイクル蓄)電池用のある特定のセパレータは、電極板(片または箔)とほぼ同じサイズに切断される。
【0003】
鉛酸電池における電極は、多くの場合、比較的高いアンチモン含量を有する鉛合金で構成されている。充電部分状態(「PSOC」)で作動する電池は、酸層化を引き起こす傾
向がある。この状態では、より多くの酸が電池の底部における電解質内で濃縮され、より多くの水が電池の頂部における電解質において濃縮される。鉛は水に溶解性になり、溶液となる。しかしながら、かかる鉛は、酸において析出し、固体結晶を形成する。そのため、酸層化は、デンドライトを形成する硫酸鉛(Pb2SO4)結晶形成を引き起こす傾向がある。酸層化によらなくても、酸は、放電の際に枯渇されて鉛を溶液にし、次いで酸が充電サイクルの際に回復されるにつれて析出して結晶となり得る。
【0004】
これらの結晶が十分大きなサイズを構築すると、デンドライトによって孔がセパレータを通り抜けまたは溶かし、負極を正極に接続させるブリッジを形成することにより、短絡を引き起こす。このことは、電圧放電、電荷受容性を妨げ、またはさらには突発故障を引き起こして電池を非機能性にし得る。これらのいずれもが、電池の性能および寿命を損なわせる。
【0005】
少なくともある特定の用途または電池では、改良されたサイクル寿命、低減された酸層化、および/または低減されたデンドライト形成を提供する改良されたセパレータに対する要求が依然存在する。より特定的には、電池寿命の向上、電池故障の低減、酸化安定性の改良、フロート電流の改良、維持、および/もしくは低下、充電終了(「EOC」)電流の改良、ディープサイクル電池を充電および/もしくは完全に充電するのに必要な電流および/もしくは電圧の減少、内部電気抵抗増加の最小化、電気抵抗の低下、アンチモン中毒の低減、酸層化の低減、酸拡散の改良、ならびに/または鉛酸電池の均一性の改良を提供する、改良されたセパレータ、および改良されたセパレータを含む改良された電池(例えば、充電部分状態で動作するもの)に対する要求が依然存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
1以上の実施形態の詳細を以下の詳細な説明において記載する。他の特徴、目的、および利点は、詳細な説明および特許請求の範囲から明らかである。少なくとも選択の実施形態によると、本開示または発明は、上記の問題または要求に対処し得る。少なくともある特定の目的、態様、または実施形態によると、本開示または発明は、例えば、低減された酸層化を有し、デンドライトの形成を軽減し、および/または改良されたサイクリング性能を有する電池を提供することによって、上記の問題を克服する改良されたセパレータおよび/または電池を提供し得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
少なくとも選択の実施形態によると、本開示または発明は、新規もしくは改良されたセパレータ、セル、電池、システム、ならびに/または、かかる新規のセパレータ、セル、および/もしくは電池の製造および/もしくは使用方法を対象とする。少なくともある特定の実施形態によると、本開示または発明は、平板電池、管状電池、液式鉛酸電池、高性能液式鉛酸電池(「EFB」)、ディープサイクル電池、ゲル電池、吸収性ガラスマット(「AGM」)電池、インバータ電池、太陽もしくは風力蓄電池、車両用電池、始動照明点火(「SLI」)車用電池、アイドリングストップ(「ISS」)車用電池、自動車用電池、トラック用電池、単車用電池、全地形対応車用電池、フォークリフト電池、ゴルフカート電池、ハイブリッド電気自動車用電池、電気自動車用電池、電気人力車用電池、電動自転車用電池用の新規もしくは改良された電池セパレータ、ならびに/または、かかる改良されたセパレータ、セル、電池、システムなどを作製および/もしくは使用する改良された方法を対象とする。また、電池性能および寿命を向上し、電池故障を低減し、酸層化を低減し、デンドライト形成を軽減し、酸化安定性を改良し、フロート電流を改良し、維持し、および/もしくは低下させ、充電終了電流を改良し、ディープサイクル電池を充電および/もしくは完全に充電するのに必要な電流および/もしくは電圧を減少し、内部電気抵抗を低減し、アンチモン中毒を低減し、濡れ性を増加させ、酸拡散を改良し、鉛酸
電池における均一性を改良し、ならびに/または、サイクル性能を改良するための方法、システムならびに電池セパレータを本明細書において開示する。少なくとも特定の実施形態によると、本開示または発明は、改良されたセパレータであって、新規のセパレータが、減少した電気抵抗、性能向上添加剤またはコーティング、改良された充填剤、増加した濡れ性、増加した酸拡散、負極交差リブなどを含む、上記セパレータを対象とする。少なくとも1つの非常に特定の実施形態において、本開示または発明は、改良されたセパレータであって、新規のセパレータが、紫外線検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液によって測定されるとき電池セパレータ1kg当たりおよそ2,000mg以下、より好ましくは、紫外線検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液によって測定されるとき電池セパレータ1kg当たりおよそ1,500mg以下、さらにより好ましくは、紫外線検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液によって測定されるとき電池セパレータ1kg当たりおよそ1,000mg以下の酸浸出性全有機炭素(「TOC」)、ならびに、多孔質膜の表面に対向する負極から延在する負極リブ、好ましくは、TDもしくは交差MD負極小型リブ、さらにより好ましくは、デンドライト形成および成長を低減するように設計および最適化されている負極交差リブとしての複数のリブを含むまたは有する、上記改良されたセパレータを対象とする。
【0008】
これらのおよび他の目的を達成するために、ある特定の選択の実施形態において、多孔質膜および任意選択的な繊維状マット(積層されているまたは他の場合には多孔質膜に隣接している)を有するセパレータが、間にセパレータが配置されている負および正極を有する、鉛酸電池、例えば、EFBまたはディープサイクル電池において使用されることが提案される。多孔質膜または繊維状マットの一方または両方が、天然および/または合成ゴム、ならびに、多孔質膜または繊維状マットのいずれかのうちのいずれかの側の少なくとも一部の中にまたは上に含浸またはコーティングされている少なくとも1つの性能向上添加剤を備えていてよい。さらに、多孔質膜は、そのいずれかまたは両側に種々のパターンおよび配向でリブを備えていてよい。
【0009】
選択の実施形態によると、改良されたまたは新規の電池セパレータは、バックウェブの少なくとも一部から延在する複数のリブを有する当該バックウェブを有する多孔質膜を備えている。多孔質膜は、ポリマー、充填剤、少なくとも1つの性能向上添加剤、可塑剤、および任意選択的にゴムの組成物を有していてよい。セパレータは、紫外線検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液によって測定されるとき電池セパレータ1kg当たりおよそ2,000mg以下、好ましくは、紫外線検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液によって測定されるとき電池セパレータ1kg当たりおよそ1,500mg以下、より好ましくは、紫外線検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液によって測定されるとき電池セパレータ1kg当たりおよそ1,000mg以下の酸浸出性全有機炭素(「TOC」)を有していてよい。
【0010】
選択の実施形態の改良点は、多孔質膜の表面に対向する正極から延在している正極リブとしての複数のリブの少なくとも一部、多孔質膜の表面に対向する負極から延在している負極リブとしての複数のリブの少なくとも一部を提供し得、または、実施形態は、正および負極リブの両方を備えていてよい。正および負極リブのいずれかもしくは両方が、第1側方エッジから第2側方エッジに均一に延在していてよく、または、いずれもが、第1側方エッジから第2側方エッジに均一に延在していていなくてよい。正および負極リブのいずれかもしくは両方が、頂部エッジから底部エッジに均一に延在していてもよく、または、いずれもが、頂部エッジから底部エッジに均一に延在していていなくてもよい。正極リブおよび負極リブのいずれかまたは両方が、デンドライト形成および成長を低減するように設計および最適化されていてよい。
【0011】
ある特定の例示的なセパレータにおいて、いずれかの正極リブおよび/または負極リブ
セットが、以下:固体リブ、別個の破断リブ、連続リブ、不連続リブ、不連続ピーク、不連続突起、角度付きリブ、傾斜リブ、線状リブ、上記多孔質膜の実質的に縦方向に長手方向に延在しているリブ、上記多孔質膜の実質的に幅方向に側方に延在しているリブ、上記セパレータの実質的に幅方向に横方向に延在しているリブ、別個の歯状物、歯状リブ、鋸歯状物、鋸歯状リブ、狭間胸壁、狭間胸壁状リブ、曲面リブ、連続正弦波状リブ、不連続正弦波状リブ、S形状リブ、連続ジグザグ鋸歯様リブ、破断された不連続ジグザグ鋸歯様リブ、溝、チャネル、テクスチャ領域、エンボス、ディンプル、円柱、小型円柱、多孔質、非多孔質、交差リブ、小型リブ、交差小型リブ、およびこれらの組み合わせ;のいずれか1つであってよい。
【0012】
選択の例示的なセパレータにおいて、いずれかの正極リブおよび/または負極リブセットが破断リブであってよく、当該リブは、セパレータのエッジ内に含有される別個の終点を有し、いずれか他のリブと断絶されている。破断リブは、電池における酸混合を、特に電池の動作の際に、向上させる角度配向によって画定されている破断リブであり得、セパレータが、その中に配置されて、電池の開始および停止運動に平行に位置付けられている。角度配向は、セパレータのMDに対して画定されていてよく、ゼロ度(0°)超180度(180°)未満、または180度(180°)超360度(360°)未満の間の角度であってよい。リブの角度配向は、複数のリブにわたって変動し得る。ある特定の選択の実施形態において、例示的なセパレータは、複数のリブセットを有していてよく、各リブセットが、他のリブセットと比較して異なるまたは同じ角度配向を有する。他の例示的なセパレータにおいて、正および/または負極リブは、ゼロ度(0°)~360度(360°)の間である角度配向を有していてよい。
【0013】
選択の実施形態において、正極リブは、およそ50μm~およそ2.0mmのリブ高さを有していてよい。さらに、正極リブの少なくとも一部は、およそ300μm~およそ750μmの底幅を有していてよい。いくつかの例示的な実施形態において、正極リブの少なくとも一部は、およそ400μm~およそ500μmの第2底幅を有していてよい。正極リブおよび/または負極リブの少なくとも一部が、互いに実質的に直線および実質的に平行であると、これらは、およそ50μm~およそ20mmの間隔長を有していてよい。
【0014】
ある特定の例示的な実施形態において、負極リブは、正極リブの高さと比較して、およそ5.0%以下~およそ100%以上であってよい。例えば、電池セパレータは、およそ5.0μm~およそ2.0mmの高さ範囲を有する負極リブを有していてよい。例示的な負極リブは、およそ5μm~およそ500μmの底幅を有していてよい。
【0015】
選択の例示的な実施形態において、本発明の態様として、以下:ポリマー、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、超高分子量ポリエチレン(「UHMWPE」)、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ゴム、合成木材パルプ(「SWP」)、リグニン、ガラス繊維、合成繊維、セルロース繊維、ゴム、およびこれらの組み合わせ;のうちのいずれかまたはそれより多くを含んでいてよい組成物を有するセパレータまたは多孔質膜を提供する。
【0016】
本発明の改良点は、以下:架橋ゴム、非架橋ゴム、硬化ゴム、非硬化ゴム、天然ゴム、ラテックス、合成ゴム、およびこれらの組み合わせ;のうちのいずれか1以上であってよいということを提供する。本発明の別の改良点は、ゴムが、以下:メチルゴム、ポリブタジエン、1以上のクロロプレンゴム、ブチルゴム、ブロモブチルゴム、ポリウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ポリスルフィドゴム、クロロスルホニルポリエチレン、ポリノルボルネンゴム、アクリレートゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、コポリマーゴム、およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちのいずれか1以上であってよいということを提供する。さらに、コポリマーゴムは、以下:スチレン/ブタジエンゴム、アクリロニ
トリル/ブタジエンゴム、エチレン/プロピレンゴム(EPMおよびEPDM)、エチレン/酢酸ビニルゴム、およびこれらの組み合わせ;のうちのいずれか1以上であってよい。
【0017】
選択の実施形態において、ゴムは、およそ1重量%~およそ6重量%、好ましくは、およそ3重量%、好ましくは、およそ6重量%、より好ましくは、3、およそ3重量%~およそ6重量%である量で存在していてよい。ゴムは、セパレータの他の基材と混合されていても、セパレータまたは多孔質膜の1以上の表面の少なくとも一部にコーティングされていてもよい。コーティングされているとき、ゴムは、液体スラリーとして適用されて乾燥されてよい。
【0018】
本発明の例示的な実施形態は、以下:シリカ、乾燥微粉シリカ;沈降シリカ;アモルファスシリカ;アルミナ;タルク;魚粉、魚骨粉、およびこれらの組み合わせ;のうちのいずれか1以上であってよい充填剤を保有し得る。さらに、シリカは、およそ21:100~35:100、およそ23:100~およそ31:100、およそ25:100~およそ29:100、代替的には少なくともおよそ27:100以上の範囲内にあってよい、29Si-NMRによって測定されるOH:Si基の分子比を有していてよい。
【0019】
本発明の例示的な充填剤は、高い構造形態を有する例示的な充填剤を提供し得る。本発明の改良点は、以下:5μm以下の平均粒径を有すること;少なくとも100m2/gの
表面積を有すること;少なくとも150ml/100mgの油吸収率を有すること;およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1つによって特徴付けられる例示的な充填剤を提供し得る。
【0020】
セパレータまたは多孔質膜は、およそ2.0:1.0~およそ4.0:1.0、例えば、およそ2.0:1.0;代替的には、およそ2.6:1.0;また、代替的には、およそ3.5:1.0などの充填剤対ポリマー(充填剤:ポリマー)重量比;および、およそ2.0:1.0~およそ3.0:1.0、例えば、2.6:1.0の、重量基準での充填剤対組み合わせの充填剤およびゴム(充填剤:ポリマーおよびゴム)を有していてよい。
【0021】
例示的な多孔質膜は、およそ50μm~およそ400μm、好ましくは、およそ75μm~およそ250μm、好ましくは、およそ100μm~およそ200μm、好ましくは、およそ100μm~およそ150μm、最も好ましくは、およそ75μm~およそ125μmのバックウェブ厚さを有し得る。
【0022】
本開示による例示的なセパレータは、およそ100μm~およそ1.0mm、好ましくは、およそ100μm~およそ850μm、好ましくは、およそ100μm~およそ650μm、好ましくは、およそ100μm~およそ450μm、好ましくは、およそ100μm~およそ250μm、最も好ましくは、およそ100μm~およそ150μmの全体厚さを保有し得る。
【0023】
本発明の別の態様は、以下:界面活性剤、湿潤剤、着色料、帯電防止添加剤、アンチモン抑制添加剤、UV-保護添加剤、酸化防止剤、およびこれらの組み合わせ;のうちの1以上であってよい少なくとも1つの性能向上添加剤を提供し得る。改良点は、例示的な界面活性剤が、以下:非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、およびこれらの組み合わせ;のうちの1以上であるということを提供する。さらに、例示的な性能向上添加剤は、リチウムイオン、アルミニウムイオン、または両方を保有していてよい。
【0024】
例示的な実施形態は、少なくともおよそ0.5g/m2~およそ6g/m2、代替的には
、およそ0.5g/m2~およそ3g/m2の量で界面活性剤を提供し得る。性能向上添加剤は、例えば、多孔質膜もしくはセパレータの少なくとも一部にコーティングされていても、多孔質膜もしくはセパレータの少なくとも一部内に含浸されていても、多孔質膜の押出の前にポリマーおよび充填剤と混合されてもよい。
【0025】
本発明の別の態様は、例えば、加工油、石油、パラフィン系鉱物油、鉱物油、およびこれらの組み合わせであってよい加工用可塑剤を含む多孔質膜またはセパレータを提供する。可塑剤は、典型的には、多孔質膜の押出の前に、ポリマー、充填剤、および任意選択的に性能向上添加剤の混合体に添加される。押出後、可塑剤の部分は公知の手段によって抽出されてよい。
【0026】
いくつかの選択の実施形態において、セパレータは、何らかの様式でセパレータに付着もしくは接着されても、これに隣接して簡単に配置されてもよい繊維状マットをさらに備えている。当該マットは、以下:ガラス繊維、合成繊維、シリカ、少なくとも1つの性能向上添加剤、ラテックス、天然ゴム、合成ゴム、またはこれらの組み合わせ;のうちのいずれか1以上から構成されていてよい。また、当該マットは、不織布、織物、フリース、ネット、またはこれらの組み合わせであってよい。
【0027】
例示的なセパレータは、従来のセパレータと比較して向上した性能パラメータ、例えば、より低い電気抵抗(「ER」)を示し得る。例えば、ERは、およそ65mΩ・cm2
以下、好ましくは、およそ50mΩ・cm2以下、最も好ましくは、およそ35mΩ・c
m2以下であってよい。
【0028】
例示的なセパレータは、セパレータの正極側および負極側の一方または両方に導電層を備えていてよい。また、セパレータは、およそ200%以上の、40時間における酸化抵抗を有していてよい。さらに、セパレータは、種々の形状および/または構成を取り得る。例えば、例示的なセパレータは、以下:切断片、ポケット、スリーブ、ラップ、エンベロープ、ハイブリッドエンベロープ、S-織物セパレータ:のうちのいずれか1つであってよく、または、側部折り畳みを含む。
【0029】
本発明の実施形態はまた、本明細書において実質的に記載されているセパレータを使用した電池も提供する。例えば、電池は、鉛酸電池、例えば、平板電池、液式鉛酸電池、高性能液式鉛酸電池(「EFB」)、ディープサイクル電池、ゲル電池、吸収性ガラスマット(「AGM」)電池、管状電池、インバータ電池、車両用電池、始動照明点火(「SLI」)車用電池、アイドリングストップ(「ISS」)車用電池、自動車用電池、トラック用電池、単車用電池、全地形対応車用電池、フォークリフト電池、ゴルフカート電池、ハイブリッド電気自動車用電池、電気自動車用電池、電気人力車用電池、電動自転車用電池、連続電力供給(「UPS」)電池、または太陽もしくは風力もしくは他の再生可能なエネルギー蓄積システム電池であってよい。例示的な電池は、およそ1%~およそ99%の間、場合により、およそ1%~およそ50%、加えて、およそ50%~およそ99%の可能性がある放電深度を有する充電部分状態で使用されてよい。電池は、運転中、静止中、エネルギー蓄積システム用途において;再生可能なエネルギー蓄積システム用途において;連続電力供給用途において;エネルギー貯蔵システム用途において、バックアップ電源用途において、サイクリング用途において、およびこれらの組み合わせにおいて利用され得る。
【0030】
他の実施形態は、本明細書において実質的に記載されている電池を含むシステムを含み得る。かかるシステムには、エネルギー蓄積システム;再生可能なエネルギー蓄積システム;連続電力供給;エネルギー貯蔵システム、バックアップ電源システム、およびこれらの組み合わせが含まれ得る。かかるシステムは、車両、例えば、自動車、トラック、単車
、全地形対応車、フォークリフト、ゴルフカート、ハイブリッド自動車、ハイブリッド電気自動車用電池、電気自動車、アイドリングストップ(「ISS」)車、水容器、電気人力車用電池、電気三輪車および電動自転車用電池がさらに含まれ得る。
【0031】
ある特定の好ましい実施形態において、本開示または発明は、成分ならびに物理的特質および特徴が相乗的に結び付いて、多くのディープサイクル電池用途において現在使用されている、これまでに公知の可撓性の性能を満たす、ある特定の実施形態においてはそれ超える改良された電池セパレータ(ポリマー、例えば、ポリエチレンの多孔質膜、プラス、ある特定の量の性能向上添加剤およびリブを有するセパレータ)によって、ディープサイクル電池産業においてこれまで満たされなかった要求に予想外にも対処する可撓性電池セパレータを提供する。特に、本明細書に記載されている本発明セパレータは、ディープサイクル電池によって常套的に使用されているセパレータよりも、経時的に、堅牢で、脆くなく、脆性でなく、安定である(劣化しにくい)。本発明の、可撓性の、性能向上添加剤含有セパレータおよびリブ加工セパレータは、これを用いる電池の性能システムも向上させながら、従来のセパレータを有するポリエチレン系セパレータの所望の堅牢な物性および機械的特性を組み合わせたものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1A】
図1Aは、本発明の例示的な電池セパレータの基本的な物理的特徴を示す。
【
図1B】
図1Bは、本発明の例示的な電池セパレータの基本的な物理的特徴を示す。
【
図1C】
図1Cは、本発明の例示的な電池セパレータの基本的な物理的特徴を示す。
【
図2A】
図2Aは、任意のリブの平坦なバックウェブ空隙を含む、バックウェブの負極表面における異なるリブを有する種々の例示的なセパレータ、およびこれらの起こり得る、デンドライト成長への影響を示す。
【
図2B】
図2Bは、任意のリブの平坦なバックウェブ空隙を含む、バックウェブの負極表面における異なるリブを有する種々の例示的なセパレータ、およびこれらの起こり得る、デンドライト成長への影響を示す。
【
図2C】
図2Cは、任意のリブの平坦なバックウェブ空隙を含む、バックウェブの負極表面における異なるリブを有する種々の例示的なセパレータ、およびこれらの起こり得る、デンドライト成長への影響を示す。
【
図3A】
図3Aは、本発明による種々の例示的なリブ形状を示す。
【
図3B】
図3Bは、本発明による種々の例示的なリブ形状を示す。
【
図3C】
図3Cは、本発明による種々の例示的なリブ形状を示す。
【
図3D】
図3Dは、本発明による種々の例示的なリブ形状を示す。
【
図4A】
図4Aは、本発明の例示的な電池セパレータの種々のリブパターンの全体的な描写を示す。
【
図4B】
図4Bは、本発明の例示的な電池セパレータの種々のリブパターンの全体的な描写を示す。
【
図4C】
図4Cは、本発明の例示的な電池セパレータの種々のリブパターンの全体的な描写を示す。
【
図4D】
図4Dは、本発明の例示的な電池セパレータの種々のリブパターンの全体的な描写を示す。
【
図4E】
図4Eは、本発明の例示的な電池セパレータの種々のリブパターンの全体的な描写を示す。
【
図5】
図5は、超音波処理前後のシリカサイズを示し、超音波処理前、ならびに超音波処理の30秒および60秒後の新規シリカおよび標準シリカの粒度分布をさらに示す。
【
図6A】
図6Aは、伸長試験サンプルの概略レンダリングである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
少なくとも選択の実施形態によると、本開示または発明は、上記の問題または要求に対処し得る。少なくともある特定の目的、態様、または実施形態によると、本開示または発明は、例えば、低減された酸層化を有し、デンドライトの形成を軽減し、および/または改良されたサイクリング性能を有する電池を提供することによって上記の問題を克服する改良されたセパレータおよび/または電池を提供し得る。
【0034】
少なくとも選択の実施形態によると、本開示または発明は、新規もしくは改良されたセパレータ、セル、電池、システム、ならびに/または、かかる新規のセパレータ、セル、および/もしくは電池の製造および/もしくは使用方法を対象とする。少なくともある特定の実施形態によると、本開示または発明は、平板電池、管状電池、液式鉛酸電池、高性能液式鉛酸電池(「EFB」)、ディープサイクル電池、ゲル電池、吸収性ガラスマット(「AGM」)電池、インバータ電池、太陽もしくは風力蓄電池、車両用電池、始動照明点火(「SLI」)車用電池、アイドリングストップ(「ISS」)車用電池、自動車用電池、トラック用電池、単車用電池、全地形対応車用電池、フォークリフト電池、ゴルフカート電池、ハイブリッド電気自動車用電池、電気自動車用電池、電気人力車用電池、電動自転車用電池用の新規もしくは改良された電池セパレータ、ならびに/または、かかる改良されたセパレータ、セル、電池、システムなどを作製および/もしくは使用する改良された方法を対象とする。また、電池性能および寿命を向上し、電池故障を低減し、酸層化を低減し、デンドライト形成を軽減し、酸化安定性を改良し、フロート電流を改良し、維持し、および/もしくは低下させ、充電終了電流を改良し、ディープサイクル電池を充電および/もしくは完全に充電するのに必要な電流および/もしくは電圧を減少し、内部電気抵抗を低減し、アンチモン中毒を低減し、濡れ性を増加させ、酸拡散を改良し、鉛酸電池における均一性を改良し、ならびに/または、サイクル性能を改良するための方法、システムならびに電池セパレータを本明細書において開示する。少なくとも特定の実施形態によると、本開示または発明は、改良されたセパレータであって、新規のセパレータが、減少した電気抵抗、性能向上添加剤またはコーティング、改良された充填剤、増加した濡れ性、増加した酸拡散、負極交差リブなどを含む、上記セパレータを対象とする。少なくとも1つの非常に特定の実施形態において、本開示または発明は、改良されたセパレータであって、新規のセパレータが、紫外線検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液によって測定されるとき電池セパレータ1kg当たりおよそ2,000mg以下、好ましくは、紫外線検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液によって測定されるとき電池セパレータ1kg当たりおよそ1,500mg以下、より好ましくは、紫外線検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液によって測定されるとき電池セパレータ1kg当たりおよそ1,000mg以下の酸浸出性全有機炭素(「TOC」)、ならびに、強度を付加し、酸層化を低減し、ガスの放出に役立ち、かつ/もしくはデンドライト形成および成長を低減するように設計および最適化されている、多孔質膜の表面に対向する負極、好ましくは、TD(もしくは交差MD)負極小型リブ、さらにより好ましくは、負極交差リブ(NCR)から延在している負極リブとしての複数のリブを含むまたは有する、上記セパレータを対象とする。
【0035】
物理的性質
例示的なセパレータは、多孔質膜、例えば、約5μm未満、好ましくは、約1μm未満の細孔を有する微多孔質膜、メソ多孔質膜、または約1μm超の細孔を有するマクロ多孔質膜のウェブを備えていてよい。多孔質膜は、好ましくは、サブミクロンから最大100μmまで、ある特定の実施形態においては約0.1μm~約10μmである細孔径を有していてよい。本明細書に記載されているセパレータ膜の空孔率は、ある特定の実施形態に
おいて50%~60%超であってよい。ある特定の選択の実施形態において、多孔質膜は、平坦であっても、その表面から延在するリブを保有していてもよい。
図1A~1Cにおいて示されるように、セパレータは、以下に詳細に説明される種々の寸法によって画定されていてよい。例えば、セパレータは、バックウェブ厚さTハ゛ック、合計厚さT合計、正極リブ高さH正極、正極リブ底幅W正極底、任意選択的な第2正極リブ底幅W’正極底(
図1Dに示す)、正極リブピッチP正極、負極リブ高さH負極、負極リブ底幅W負極底、負極リブ底幅W負極底、および負極リブピッチP負極を有していてよい。
【0036】
図1A~1Cをここで参照すると、例示的なセパレータ100は、多孔質膜102のウェブを備えている。セパレータ100および膜102は、縦方向(「MD」)および幅方向(「CMD」)、頂部エッジ101および底部エッジ103(両方ともCMDに実質的に平行)、ならびに側方エッジ105a、105b(両方ともMDに実質的に平行)を有する。
【0037】
図1Aを参照すると、セパレータ100は、セパレータ100が電池(示さず)内に配置されているときに正極(示さず)に対向しているためそう呼ばれる正極表面を備えている。
図1Aは、セパレータの正極表面を示す。1以上の第1または正極リブ104セットが設けられていてよく、多孔質膜102の正極表面の少なくとも一部から延在していてよい。示すように、リブ104は、固体であり、セパレータMDと実質的に平行である、実質的に長手方向に膜102において配置されている。正極リブ104はまた、側方エッジ105aから側方エッジ105にセパレータ幅全体Wにわたって均一に延在すると示されており、これは、「ユニバーサルプロファイル」として知られている。
図1Cにおいて示されるように、セパレータは、少なくとも選択された実施形態において、セパレータ100が使用される電池のタイプに応じて、およそ40mm~およそ170mmの範囲であってよい幅Wを有する。
【0038】
図1Bを参照すると、セパレータ100は、セパレータ100が電池(示さず)内に配置されているときに負極(示さず)に対向しているためそう呼ばれる負極表面を備えている。
図1Bは、セパレータの負極表面を示す。1以上の第2または負極リブ106セットが設けられていてよく、多孔質膜102の負極表面の少なくとも一部から延在していてよい。示すように、リブ104は、固体であり、セパレータCMDと実質的に平行である、正極リブ104と直行する配向で配置されている。そのため、リブは、横方向に、側方に配置されている上記のものであってよく、交差リブ、または負極交差リブ(「NCR(複数可)」)と称され得る。負極リブ106は、しかしながら、正極リブ104と直行する必要はない。これらは、同じもしくは異なるパターンまたはこれらの組み合わせにおいて、同じサイズであっても、より大きくても、より小さくてもよい。
【0039】
鉛は、水環境において溶液となり、次いで酸において析出する。典型的な鉛酸電池は、およそ1.28の比重を有する硫酸溶液の電解質を有する。鉛酸電池は、放電サイクルの際に酸欠乏となり、これは、電解質における酸が反応において消費されて、電解質が、より高い含水量(すなわち、より低い比重)で残されることを意味している。さらに、充電部分状態(「PSOC」)で作動する電池は、酸層化の傾向がある。酸層化は、電解質溶液中の酸(水よりも濃い)が電池の底部に落下して集合する状態であり、電池の頂部における電解質中での含水量を、より高いままとしている。酸層化は、電池が、過充電される、または、充電された容量が100%またはその付近である状態で保たれるときに、軽減され得る。しかしながら、多くの電池は、100%の充電容量の状態下では作動しない。
【0040】
ディープサイクル電池、例えば、ゴルフカート、フォークリフト、電気人力車、電動自転車、アイドリングストップ(「ISS」)車などにおいて使用されるものは、充電部分状態でほぼ一定に作動する。かかる電池は、ISS電池は例外である場合があるが、充電
される前に8~12時間以上放電されて使用される。さらに、これらの電池のオペレータは、電池を、サービスに戻す前に、過充電しない場合がある。ISS電池は、放電の経験サイクルおよび短時間の間欠充電サイクルであり、フル充電を達成することまたは過充電されることは概してまれである。これらの電池およびその他は、両方が、酸欠乏、酸層化、または両方である傾向がある。これらの電池は、そのため、電解質が高い水濃度を有する周期(または電池内領域)に供される。これらの電池はまた、電解質がより高い酸濃度を有する周期(または電池内領域)にも供される。そのため、電極における鉛は、電解質内で溶液となって次いで析出して硫酸鉛(Pb2SO4)結晶となる機会を有する。経時的に、また、多くの放充電サイクルを通して、硫酸鉛結晶は、負極の表面において構築され、デンドライトを形成する当該結晶自身に積み上げられる。深刻または大きなデンドライトは、セパレータを溶かし、正および負極を接続させ、電池セルを短絡させるのに十分に大きい。このことは、全体としての電池故障を引き起こし得、または、不十分な性能および短縮された電池寿命を少なくとも引き起こし得る。
【0041】
本発明者らは、デンドライトが負極において形成し始め、正極に向かって成長するという仮説を立てている。本発明者らは、さらに、セパレータの多孔質から微多孔質の構造が、骨格の何らかのものとして作用して、硫酸鉛結晶を、これから構築される構造に与えるという仮説を立てている。硫酸鉛結晶は、負極において形成し始めるとき、セパレータに付着してそれらに積み上げられ得る。経時的に、結晶は、セパレータの多孔質構造を満たして、マイクロ短絡を引き起こす小さなデンドライトを形成し、この短絡が、電池の性能を妨げて全体としての電池故障を引き起こし得る。本発明者らは、この問題の解決策を、セパレータと電極との間、好ましくは、セパレータと負極との間の接触を低減することによって提案するが、セパレータと正極との間の接触面積もまた低減され得る。セパレータと電極との間の接触面積の低減はまた、酸層化の低減を助け、酸混合を向上させ、板または電極の隣の酸リザーバを向上させ、ガスの放出を助け、板をわたってのより均一な充電を付与し、およびこれらの組み合わせをなし得る。
【0042】
図2A~2Cは、デンドライト形成の種々のシナリオを示す。当該図は、負極202および正極204の間に配置されているセパレータ100の種々の実施形態を示す。全てのセパレータが正極リブ104を有しているが、
図2Bおよび2Cのみは、負極106を有するセパレータ100を示す。本発明者らは、セパレータ100と負極202とがより接触するほど、デンドライト206が、多孔質構造内で、より形成および成長しやすいとしている。
図2Aにおいて示されるように、バックウェブ102は、負極202と対向する平坦な表面を有している。本発明者らの仮説によると、デンドライト206は、成長して、セパレータ100内で負極202および正極204間にブリッジを形成する多くの機会を有している。
図2Bは、負極交差リブ106を有するセパレータ100を示しており、これにより、セパレータ100および負極202間の接触面積を低減させ、デンドライト206がセパレータ100内で形成および成長して2つの電極202、204間でブリッジを形成する機会をより少なくさせる。
図2Cにおいて示されるように、セパレータ100は、
図2Bに示されているものよりも少ない負極交差リブ106を備えており、
図2Bに示されているものよりも遠く離れており、またこれより高い。そのため、セパレータ100および負極202間での接触がさらにより少なくなり、また、これにより、デンドライト206が負極202および正極204からブリッジを形成する機会がさらにより少なくなる。本発明者らの仮説によると、リブ106および電極202間の接触を何らかの方法で不連続にするまたは破断させることによって、デンドライト206成長のさらにより少ない機会を達成することが可能である。このことは、不連続、破断、鋸歯状、またはリブ106が電極202の表面に接触しない部分が存在する他のリブ形態を付与することによって達成され得る。これらの例は負極リブ106に焦点を当てているが、同じ処理が正極リブ104に適用されてもよい。
【0043】
リブ
リブ104、106は、固体、別個の破断リブ、連続、不連続、角度付き、線形、セパレータの実質的にMDに延在している長手方向リブ、セパレータの実質的に幅方向CMDに延在している側方リブ、セパレータの実質的にCMDに延在している横方向リブ、セパレータの実質的に幅方向に延在している交差リブ、鋸歯状物または鋸歯状リブ、狭間胸壁もしくは狭間胸壁状リブ、曲面もしくは正弦波状、固体に配置されているものもしくは破断したジグザグ様形態、溝、チャネル、テクスチャ領域、エンボス、ディンプル、多孔質、非多孔質、小型リブまたは交差小型リブなど、およびこれらの組み合わせの均一なセット、交互のセット、または混合体もしくは組み合わせであってよい。さらに、リブ104、106は、正極側、負極側、または両側からまたはこれに延在していてよい。
【0044】
図3Aおよび3Bは、電極202/204(正極または負極のいずれか)に隣接して置かれているリブ104/106(正極リブまたは負極リブのいずれか)を有するセパレータバックウェブ102の例示的な実施形態を示す。リブ104/106(正極リブおよび/または負極リブの両方)のある特定の例示的な実施形態は、リブ底幅W底およびリブ高さHリフ゛を有する略三角形(
図3A)、またはリブ底幅W底およびリブ高さHリフ゛を有する略半円形(
図3B)を有していてよい。
図3Aにおいて示されるように、略三角形は、例えば、正三角形、二等辺三角形、または不等辺三角形の、単一のリブ底幅W底を有するいずれの三角形状であってもよい。また、セパレータは、セパレータ形状の混合を有していてよい。
図3Bにおいて示されるように、略半円形はまた、単一のリブ底幅W底を有する楕円形、長円形または卵形であってもよい。当該形状の目的は、セパレータと電極202/204との間の接触を低減することである。
【0045】
図3Cは、略半円形を有するリブ104/106を示す。この実施形態において、リブ104/106は、第1リブ底幅W底を備えており、リブ104の首部またはネッキング部分としてみなされ得る、任意選択的な第2リブ底幅W’底をさらに備えている。
図3Dは、単一のリブ底幅W底を有する略二等辺三角形状を有するリブ104/106を示す。例示的なセパレータは、形状、底幅W底、W’底、およびリブ高さHリフ゛のいずれの混合体を有していてもよい。
【0046】
図4A~4Eをここで参照すると、異なるリブプロファイルを有するリブ付きセパレータのいくつかの実施形態が示されている。示されているリブは正極リブ104であることが好ましくあり得る。
図4A~4Cの角度付きリブパターンは、ある特定の電池における酸層化の低減または排除を助け得る、場合により好ましいDaramic(登録商標)RipTide(商標)酸混合リブプロファイルであってよい。いくつかの実施形態において、リブは、セパレータMDに対して角度配向を有する別個の破断リブであってよい。角度配向は、ゼロ度(0°)超180度(180°)未満または180度(180°)超360度(360°)未満の間の角度であってよい。
図4A~4Cにさらに示されているように、リブは、1以上のリブセットを保有していてよく、各セットが、セパレータ上に変動する角度配向および箇所を有している。負極面は、リブ(平滑)を有さなくてもよく、同じリブ、より小さいリブ、長手方向小型リブ、交差小型リブもしくはNCR、傾斜リブ、またはこれらの組み合わせを有していてもよい。
【0047】
図4Dは、長手方向鋸歯状リブパターンのプロファイルを示す。
図4Eは、傾斜したオフセットリブパターンのプロファイルを示す。負極面は、リブ(平滑)を有さなくてもよく、同じリブ、より小さいリブ、長手方向小型リブ、交差小型リブもしくはNCR、傾斜リブ、またはこれらの組み合わせを有していてもよい。
【0048】
上記に考察されているように、リブは、側方エッジから側方エッジに、セパレータの幅にわたって均一に延在し得る。これは、ユニバーサルプロファイルとして知られている。
代替的には、セパレータは、側方パネルに配置されている副リブを有する側方エッジに隣接する側方パネルを有していてよい。これらの副リブは、第1リブとより近接して離間して、当該リブより小さくてよい。例えば、副リブは、第1リブの高さの25%~50%であってよい。側方パネルは、代替的には、平坦であってよい。側方パネルは、以下に考察されているように、セパレータを包み込むときになされるようにセパレータのエッジをセパレータの別のエッジにシールすることを補助し得る。
【0049】
選択の例示的な実施形態において、正極リブの少なくとも一部は、好ましくは、およそ50μm~およそ2.0mmの高さ(
図1CにおけるH正極)を有していてよい。いくつかの例示的な実施形態において、正極リブ高さH正極は、およそ50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、1.0mm、1.2mm、1.4mm、1.6mm、1.8mm、または2.0mmであってよい。他の例示的な実施形態において、正極リブ高さH正極は、およそ2.0mm、1.8mm、1.6mm、1.4mm、1.2mm、1.0mm、900μm、800μm、700μm、600μm、500μm、400μm、300μm、200μm、100μm、または50μm以下であってよい。
【0050】
ある特定の選択の実施形態において、正極リブは、好ましくは、およそ300μm~およそ750μmの底幅(
図1CにおけるW正極底)を有していてよい。いくつかの例示的な実施形態において、正極リブ底幅は、およそ300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、または750μmであってよい。いくつかの例示的な実施形態において、正極リブ底幅は、およそ750μm、700μm、600μm、500μm、400μm、または300μm以下であってよい。
【0051】
選択の実施形態において、正極リブは、およそ400μm~およそ500μmの底(首部のような)付近の第2幅W’正極底を有していてよい。
【0052】
正極リブの少なくとも一部が、互いに実質的に直線および実質的に平行であると、これらは、およそ50μm~およそ20mmの間隔長またはピッチ(
図1CにおけるP正極)を保有し得る。いくつかの例示的な実施形態において、正極リブピッチは、およそ50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、1.0mm、2.0mm、3.0mm、4.0mm、または5.0mm、6.0mm、7.0mm、8.0mm、9.0mm、または10.0mm、11.0mm、12.0mm、13.0mm、14.0mm、または15.0mm、16.0mm、17.0mm、18.0mm、19.0mm、または20.0mmであってよい。他の例示的な実施形態において、正極リブピッチは、およそ20.0mm、19.0mm、18.0mm、17.0mm、または16.0mm、15.0mm、14.0mm、13.0mm、12.0mm、または11.0mm、10.0mm、9.0mm、8.0mm、7.0mm、または6.0mm 5.0mm、4.0mm、3.0mm、2.0mm、1.0mm、900μm、800μm、700μm、600μm、500μm、400μm、300μm、200μm、100μm、または50μm以下であってよい。
【0053】
選択の例示的な実施形態において、負極リブの少なくとも一部は、好ましくは、正極リブの高さのおよそ5%~およそ100%の高さを有していてよい。いくつかの例示的な実施形態において、負極リブ高さは、正極リブ高さと比較して、およそ5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、95%、または100%であってよい。他の例示的な実施形態において、負極リブ高さは、正極リブ高さと比較して、およそ100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、4
0%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、または5%以下であってよい。
【0054】
選択の例示的な実施形態において、負極リブの少なくとも一部は、好ましくは、およそ5μm~およそ1.0mmの高さ(
図1CにおけるH負極)を有していてよい。ある特定の実施形態において、負極リブ高さH負極は、およそ5μm、10μm、25μm、50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、1.0mm、1.2mm、1.4mm、1.6mm、1.8mm、または2.0mmであってよい。他の例示的な実施形態において、正極リブ高さH負極は、およそ2.0mm、1.8mm、1.6mm、1.4mm、1.2mm、1.0mm、900μm、800μm、700μm、600μm、500μm、400μm、300μm、200μm、100μm、または50μm、25μm、10μm、または5μm以下であってよい。
【0055】
ある特定の例示的な実施形態において、負極リブの少なくとも一部は、好ましくは、およそ5μm~およそ1.0mmの底幅を有していてよい。例えば、負極底幅は、およそ5μm、10μm、25μm、25μm、75μm、100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μm、550μm、600μm、650μm、700μm、750μm、800μm、850μm、900μm、950μm、または1.0mmであってよい。他の実施形態において、負極底幅は、およそ1.0mm、900μm、800μm、700μm、600μm、500μm、400μm、300μm、200μm、150μm、100μm、75μm、50μm、25μm、10μm、または5μm以下であってよい。
【0056】
負極リブの少なくとも一部が、互いに実質的に直線および実質的に平行であると、これらは、およそ50μm~およそ20.0mmの間隔長またはピッチ(
図1BにおけるP負極)を保有し得る。いくつかの例示的な実施形態において、負極リブピッチは、およそ50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、1.0mm、2.0mm、3.0mm、4.0mm、または5.0mm、6.0mm、7.0mm、8.0mm、9.0mm、または10.0mm、11.0mm、12.0mm、13.0mm、14.0mm、または15.0mm、16.0mm、17.0mm、18.0mm、19.0mm、または20.0mmであってよい。他の実施形態において、負極リブピッチは、およそ20.0mm、19.0mm、18.0mm、17.0mm、または16.0mm、15.0mm、14.0mm、13.0mm、12.0mm、または11.0mm、10.0mm、9.0mm、8.0mm、7.0mm、または6.0mm 5.0mm、4.0mm、3.0mm、2.0mm、1.0mm、900μm、800μm、700μm、600μm、500μm、400μm、300μm、200μm、100μm、または50μm以下であってよい。
【0057】
いくつかの選択の実施形態において、多孔質膜の少なくとも一部は、長手方向もしくは横方向である負極リブ、または交差リブを有していてよい。負極リブは、セパレータの頂部エッジに平行であってよく、またはこれに対してある角度で配置されていてよい。例えば、負極リブは、頂部エッジに対しておよそ0°、5°、15°、25°、30°、45°、60°、70°、80°、または90°配向していてよい。交差リブは、頂部エッジに対しておよそ0°~およそ30°、およそ30°~およそ45°、およそ45°~およそ60°、およそ30°~およそ60°、およそ30°~およそ90°、またはおよそ60°~およそ90°配向していてよい。
【0058】
ある特定の例示的な実施形態は、鋸歯状物または鋸歯状リブを保有していてよい。存在する場合、これらは、およそ50μm~およそ1.0mmの平均先端長さを有していてよ
い。例えば、平均先端長さは、およそ50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、または1.0mm以上であってよい。代替的には、これらは、1.0mm、900μm、800μm、700μm、600μm、500μm、400μm、300μm、200μm、100μm、または50μm以下であってよい。
【0059】
鋸歯状物または鋸歯状リブの少なくとも一部は、およそ50μm~およそ1.0mmの平均基線長を有していてよい。例えば、平均基線長は、およそ50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、または1.0mmであってよい。代替的には、これらは、およそ1.0mm、900μm、800μm、700μm、600μm、500μm、400μm、300μm、200μm、100μm、または50μm以下であってよい。
【0060】
鋸歯状物または鋸歯状リブの少なくとも一部は、およそ50μm~およそ1.0mmの平均高さを有していてよい。例えば、平均高さは、およそ50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、または1.0mmであってよい。代替的には、これらは、およそ1.0mm、900μm、800μm、700μm、600μm、500μm、400μm、300μm、200μm、100μm、または50μm以下であってよい。鋸歯状物高さがリブ高さと同じである実施形態では、鋸歯状リブはまた、突起とも称され得る。かかる範囲は、セパレータの合計厚さT合計が典型的には約1mm~約4mmであり得る工業用の牽引型のスタートストップ電池、ならびにセパレータの合計厚さT合計がかなり薄い(例えば、典型的には約0.3mm~約1mm)自動車用のスタートストップ電池用のセパレータに当てはまり得る。
【0061】
鋸歯状物または鋸歯状リブの少なくとも一部は、およそ100μm~およそ50mmの、縦方向の円柱内の平均中心間ピッチを有していてよい。例えば、平均中心間ピッチは、およそ50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、または1.0mm以上、および、同様の増分で最大50mmであってよい。代替的には、これらは、およそ50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、または1.0mm以下、および、同様の増分で最大50mmであってよい。また、鋸歯状物または鋸歯状リブの隣接する円柱は、縦方向またはオフセットにおいて同じ位置で同様に配置されていてよい。オフセット構成において、隣接する鋸歯状物または鋸歯状リブは、縦方向に異なる位置で配置されている。
【0062】
鋸歯状物または鋸歯状リブの少なくとも一部は、およそ0.1:1.0~およそ500:1.0の平均高さ対底幅比を有していてよい。例えば、平均高さ対底幅比は、およそ0.1:1.0、25:1.0、50:1.0、100:1.0、150:1.0、200:1.0、250:1.0、300:1.0、350:1、450:1.0、または500:1.0であってよい。代替的には、平均高さ対底幅比は、およそ500:1.0、450:1.0、400:1.0、350:1.0、300:1.0、250:1.0、200:1.0、150:1.0、100:1.0、50:1.0、25:1.0、または0.1:1.0以下であってよい。
【0063】
鋸歯状物または鋸歯状リブの少なくとも一部は、およそ1,000:1.0~およそ0.1:1.0の平均底幅対頂幅比を有し得る。例えば、平均底幅対頂幅比は、およそ0.1:1.0、1.0:1.0、2:1.0、3:1.0、4:1.0、5:1.0、6:1.0、7:1.0、8:1.0、9:1.0、10:1.0、15:1.0、20:1.0、25:1.0、50:1.0、100:1.0、150:1.0、200:1.0
、250:1.0、300:1.0、350:1.0、450:1.0、500:1.0、550:1.0、600:1.0、650:1.0、700:1.0、750:1.0、800:1.0、850:1.0、900:1.0、950:1.0、または1,000:1.0であってよい。代替的には、平均底幅対頂幅比は、およそ1,000:1.0、950:1.0、900:1.0、850:1.0、800:1.0、750:1.0、700:1.0、650:1.0、600:1.0、550:1.0、500:1.0、450:1.0、400:1.0、350:1.0、300:1.0、250:1.0、200:1.0、150:1.0、100:1.0、50:1.0、25:1.0、20:1.0、15:1.0、10:1.0、9:1.0、8:1.0、7:1.0、6:1.0、5:1.0、4:1.0、3:1.0、2:1.0、1.0:1.0、または0.1:1.0以下であってよい。
【0064】
バックウェブ厚さ
いくつかの実施形態において、多孔質セパレータ膜は、およそ50μm~およそ1.0mmのバックウェブ厚さTハ゛ックを有し得る。例えば、バックウェブ厚さTハ゛ックは、およそ50μm、75μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、または1.0mmであってよい。他の例示的な実施形態において、バックウェブ厚さTハ゛ックは、およそ1.0mm、900μm、800μm、700μm、600μm、500μm、400μm、300μm、200μm、100μm、または50μm以下であってよい。ある特定の実施形態においてではあるが、50μm以下の非常に薄い平坦なバックウェブ厚さ、例えば、およそ10μm~およそ50μmの間の厚さが付与される。
【0065】
エンベロープ/形態
セパレータ100は、平坦なシート、箔(複数可)、ラップ、スリーブとして、またはエンベロープもしくはポケットセパレータとして設けられていてよい。例示的なエンベロープセパレータは、正極を包み込んでいてよく(「正極を包み込むセパレータ」)、その結果、セパレータが、正極に対向する2つの内側側面と、隣接する負極に対向する2つの外側側面とを有するようになっている。代替的には、別の例示的なエンベロープセパレータは、負極を包み込んでいてよく(「負極を包み込むセパレータ」)、その結果、セパレータが、負極に対向する2つの内側側面と、隣接する正極に対向する2つの外側側面とを有するようになっている。かかるエンベロープ化セパレータにおいて、底部エッジ103は、折り畳まれていてよく、または、シールされた折り目エッジであってよい。さらに、側方エッジ105a、105bは、連続的または断続的にシールされたシームエッジであってよい。エッジは、接着剤、熱、超音波溶接など、またはこれらの任意の組み合わせによって接着またはシールされてよい。
【0066】
ある特定の例示的なセパレータは、ハイブリッドエンベロープを形成するように加工されていてよい。ハイブリッドエンベロープは、エンベロープを形成するようにセパレータシートを半分に折り畳んでセパレータシートのエッジを一緒に接着させる前に、間に、または後に、1以上のスリットまたは開口部を形成することによって設けられ得る。開口部の長さは、エッジ全体の長さの少なくとも50分の1、25分の1、20分の1、15分の1、10分の1、8分の1、5分の1、4分の1、または3分の1であってよい。開口部の長さは、エッジ全体の長さの50分の1~3分の1、25分の1~3分の1、20分の1~3分の1、20分の1~4分の1、15分の1~4分の1、15分の1~5分の1または10分の1~5分の1であってよい。ハイブリッドエンベロープは、底部エッジの長さに沿って等しく配置されていてもいなくてもよい、1~5、1~4、2~4、2~3または2の開口部を有し得る。エンベロープの角部には開口部がないことが好ましい。スリットは、セパレータが折り畳まれシールされてエンベロープを与えた後に切断されてよく、または、スリットは、多孔質膜をエンベロープに形作る前に形成されてよい。
【0067】
セパレータアセンブリ構成のいくつかの他の例示的な実施形態は:正極に対向するリブ104;負極に対向するリブ104;負極または正極エンベロープ;負極または正極スリーブ、負極または正極ハイブリッドエンベロープ;を含み;両電極は、包み込まれていても、スリーブが付されていてもよく、これらの任意の組み合わせであってもよい。
【0068】
組成物
ある特定の実施形態において、改良されたセパレータは:天然または合成基材;加工用可塑剤;充填剤;天然または合成ゴム(複数可)またはラテックス、ならびに1以上の他の添加剤および/またはコーティングなどからなっていてよい多孔質膜を含んでいてよい。
【0069】
基材
ある特定の実施形態において、例示的な天然または合成基材は:ポリマー;熱可塑性ポリマー;フェノール樹脂;天然または合成ゴム;合成木材パルプ;リグニン;ガラス繊維;合成繊維;セルロース繊維;ならびにこれらの任意の組み合わせを含んでいてよい。ある特定の好ましい実施形態において、例示的なセパレータは、熱可塑性ポリマーからなる多孔質膜であってよい。例示的な熱可塑性ポリマーには、原則として、鉛酸電池における使用に好適な全ての耐酸性の熱可塑性材料が含まれ得る。ある特定の好ましい実施形態において、例示的な熱可塑性ポリマーには、ポリビニルおよびポリオレフィンが含まれ得る。ある特定の実施形態において、ポリビニルには、例えば、ポリ塩化ビニル(「PVC」)が含まれ得る。ある特定の好ましい実施形態において、ポリオレフィンには、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-ブテンコポリマー、ならびにこれらの任意の組み合わせが含まれ得るが、好ましくは、ポリエチレンが含まれ得る。ある特定の実施形態において、例示的な天然または合成ゴムには、例えば、ラテックス、非架橋または架橋ゴム、クラムまたはグラウンドゴム、ならびにこれらの任意の組み合わせが含まれ得る。
【0070】
ポリオレフィン
ある特定の実施形態において、多孔質膜層は、好ましくは、ポリオレフィン、具体的にはポリエチレンを含む。好ましくは、ポリエチレンは、高分子量ポリエチレン(「HMWPE」)、(例えば、少なくとも600,000の分子量を有するポリエチレン)である。なおより好ましくは、ポリエチレンは、超高分子量ポリエチレン(「UHMWPE」)である。例示的なUHMWPEは、粘度計によって測定されてMargolieの式によって算出されるとき、少なくとも1,000,000、特に4,000,000超、最も好ましくは、5,000,000~8,000,000の分子量を有していてよい。さらに、例示的なUHMWPEは、2,160gの標準負荷を使用するASTM D1238(条件E)において特定されているように測定されるとき、実質的にゼロ(0)の標準負荷メルトインデックスを保有し得る。また、例示的なUHMWPEは、130℃において100gのデカリン中0.02gのポリオレフィンの溶液において求められるとき、600ml/g以上、好ましくは、1,000ml/g以上、より好ましくは2,000ml/g以上、最も好ましくは3,000ml/g以上の粘度数を有していてよい。
【0071】
ゴム
本明細書に開示されている新規のセパレータは、ラテックスおよび/またはゴムを含有していてよい。本明細書において使用されているとき、ゴムは、ゴム、ラテックス、天然ゴム、合成ゴム、架橋もしくは非架橋ゴム、硬化もしくは非硬化ゴム、クラムもしくはグラウンドゴム、またはこれらの混合物を述べている。例示的な天然ゴムには、種々の供給元から市販されている、1以上のポリイソプレンブレンドが含まれ得る。例示的な合成ゴムには、メチルゴム、ポリブタジエン、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ブロモブチルゴム、ポリウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ポリスルフィドゴム、クロロスルホニ
ルポリエチレン、ポリノルボルネンゴム、アクリレートゴム、フッ素ゴムおよびシリコーンゴムおよびコポリマーゴム、例えば、スチレン/ブタジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエンゴム、エチレン/プロピレンゴム(「EPM」および「EPDM」)およびエチレン/酢酸ビニルゴムが含まれる。ゴムは、架橋ゴムまたは非架橋ゴムであってよく;ある特定の好ましい実施形態において、ゴムは非架橋ゴムである。ある特定の実施形態において、ゴムは、架橋および非架橋ゴムのブレンドであってよい。
【0072】
可塑剤
ある特定の実施形態において、例示的な加工用可塑剤には、加工油、石油、パラフィン系鉱物油、鉱物油、ならびにこれらの任意の組み合わせが含まれ得る。
【0073】
充填剤
セパレータは、高い構造形態を有する充填剤を含有し得る。例示的な充填剤には:シリカ、乾燥微粉シリカ;沈降シリカ;アモルファスシリカ;非常に脆いシリカ;アルミナ;タルク;魚粉;魚骨粉;炭素;カーボンブラック;など、およびこれらの組み合わせが含まれ得る。ある特定の好ましい実施形態において、充填剤は、1以上のシリカである。高い構造形態は、増加した表面積に言及するものである。充填剤は、高い表面積、例えば、100m2/g、110m2/g、120m2/g、130m2/g、140m2/g、150m2/g、160m2/g、170m2/g、180m2/g、190m2/g、200m2/g、210m2/g、220m2/g、230m2/g、240m2/g、または250m2/g超を有し得る。いくつかの実施形態において、充填剤(例えば、シリカ)は、100~300m2/g、125~275m2/g、150~250m2/g、または好ましくは、170~220m2/gの高い表面積を有し得る。表面積は、多点BET窒素表面積のためのTriStar 3000TMを使用して評価され得る。高い構造形態は、充填剤が製造プロセスの際により多くの油を保持することを可能にする。例えば、高い構造形態を有する充填剤は、例えば、約150ml/100g、175ml/100g、200ml/100g、225ml/100g、250ml/100g、275ml/100g、300ml/100g、325ml/100g、または350ml/100g超の高いレベルの油吸収を有する。いくつかの実施形態において、充填剤(例えば、シリカ)は、200~500ml/100g、200~400ml/100g、225~375ml/100g、225~350ml/100g、225~325ml/100g、好ましくは、250~300ml/100gの油吸収を有し得る。いくつかの場合において、シリカ充填剤は、266ml/100gの油吸収を有して使用される。かかるシリカ充填剤は、5.1%の含水量、178m2/gのBET表面積、23μmの平均粒径、0.1%の230メッシュふるい残分値、および135g/Lのかさ密度を有する。
【0074】
比較的高いレベルの油吸収および比較的高いレベルの可塑剤(例えば、鉱物油)への親和性を有するシリカは、本明細書に示されるタイプの例示的な鉛酸電池セパレータを形成するとき、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン)および可塑剤の混合物に望ましくは分散性となる。過去に、いくつかのセパレータが、かかるセパレータまたは膜を作製するために多量のシリカが使用されるときにシリカ凝集によって引き起こされる不十分な分散性という欠点を経験している。本明細書に示され記載されている本発明セパレータの少なくともある特定のものにおいて、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレンは、シシケバブ構造を形成する、なぜなら、溶融ポリオレフィンの冷却時にポリオレフィンの分子運動を阻害するシリカ凝集または塊が少ないからである。この全てが、得られるセパレータ膜を通しての改良されたイオン透過性に寄与し、シシケバブ構造または形態の形成は、全体的なERがより低いセパレータが生成されつつも、機械的強度が維持またはさらには改良されることを意味する。
【0075】
いくつかの選択の実施形態において、充填剤(例えば、シリカ)は、25μm以下、い
くつかの場合において、22μm、20μm、18μm、15μm、または10μm以下の平均粒径を有する。いくつかの場合において、充填剤粒子の平均粒径は、15~25μmである。シリカ充填剤の粒径および/またはシリカ充填剤の表面積は、シリカ充填剤の油吸収に寄与する。最終生成物またはセパレータにおけるシリカ粒子は、上記に記載されているサイズ内にあり得る。しかしながら、原料として使用される最初のシリカは、1以上の塊および/または凝集物として生じ得、ほぼ200μm以上のサイズを有していてよい。
【0076】
いくつかの好ましい実施形態において、本発明セパレータを作製するのに使用されるシリカは、鉛酸電池セパレータを作製するのに以前に使用されたシリカ充填剤と比較して増加した量または数の鏡面シラノール基(鏡面ヒドロキシル基)を有する。例えば、本明細書におけるある特定の好ましい実施形態によって使用され得るシリカ充填剤は、公知のポリオレフィン鉛酸電池セパレータを作製するのに使用される公知のシリカ充填剤と比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、または少なくとも35%より多くの表面シラノールおよび/またはヒドロキシル基を有するかかるシリカ充填剤であってよい。
【0077】
ケイ素元素(Si)に対するシラノール基(Si-OH)の比(Si-OH)/Siは、例えば以下のように測定され得る。
【0078】
1.ポリオレフィン多孔質膜(ある特定の本発明膜は本発明によるある特定の様々な油吸収シリカを含有する)を凍結粉砕し、固体核磁気共鳴分光分析(29Si-NMR)用の粉末状サンプルを調製する。
【0079】
2.粉末状サンプルに29Si-NMRを実施し、ヒドロキシル基に直接結合しているSiスペクトル強度(スペクトル:Q2およびQ3)ならびに酸素原子にのみ直接結合しているSiスペクトル強度(スペクトル:Q4)を含むスペクトルを観察する、ここで、各NMRピークスペクトルの分子構造は以下のように表され得る:
・Q2:(SiO)2-Si*-(OH)2:2つのヒドロキシル基を有する
・Q3:(SiO)3-Si*-(OH):1つのヒドロキシル基を有する
・Q4:(SiO)4-Si*:全てのSi結合がSiOである
ここで、Si*は、NMR観察によって元素と証明される。
【0080】
3.観察に使用した29Si-NMRの条件は以下の通りである:
・機器:Bruker BioSpin Avance 500
・共鳴周波数:99.36MHz
・サンプル量:250mg
・NMRチューブ:直径7m
・観察法:DD/MAS
・パルス幅:45°
・繰り返し時間:100秒
・スキャン:800
・マジック角回転:5,000Hz
・化学シフト基準:-22.43ppm(外部基準)としてシリコーンゴム
【0081】
4.数値的に、スペクトルのピークを分離し、Q2、Q3およびQ4に属する各ピークの面積比を算出する。その後、これらの比に基づいて、Siに直接結合しているヒドロキシル基(-OH)のモル比を算出する。数値ピーク分離の条件は以下のように行われる:・適合領域:-80~-130ppm
・初期ピークトップ:それぞれQ2では-93ppm、Q3では-101ppm、Q4では
-111ppm。
・初期半値幅:それぞれQ2では400Hz、Q3では350Hz、Q4では450Hz。
・ガウス関数比:初期において80%、適合の間には70~100%。
【0082】
5.Q2、Q3およびQ4のピーク面積比(合計は100)を適合により得られる各ピークを基準にして算出する。NMRピーク面積は、各シリケート結合構造の分子数に対応した(そのため、Q4NMRピークでは、4つのSi-O-Si結合が当該シリケート構造内に存在し;Q3NMRピークでは、3つのSi-O-Si結合が当該シリケート構造内に存在する一方で、1つのSi-OH結合が存在する;Q2NMRピークでは、2つのSi-O-Si結合が当該シリケート構造内に存在する一方で、2つのSi-OH結合が存在する)。そのため、Q2、Q3およびQ4のヒドロキシル基(-OH)の各数をそれぞれ2、1、および0で乗算する。これら3つの結果を合計する。合計値は、Siに直接結合しているヒドロキシル基(-OH)のモル比を示す。
【0083】
ある特定の実施形態において、シリカは、およそ21:100~35:100、いくつかの好ましい実施形態において、およそ23:100~およそ31:100、ある特定の好ましい実施形態において、およそ25:100~およそ29:100、他の好ましい実施形態において、少なくともおよそ27:100以上の範囲内であってよい、29Si-NMRによって測定される、Si基に対するOHの分子比を有していてよい。
【0084】
いくつかの選択の実施形態において、上記に記載されている充填剤の使用は、押出工程の際により大きな割合の加工油の使用を可能にする。セパレータにおける多孔質構造が、部分的に、押出後の油の除去によって形成されるため、初期の油の吸収量が高いほど、より高い空孔率またはより高い空隙容量を結果として生じさせる。加工油は、押出工程の必須の要素ではあるが、油は、セパレータの非導電性要素である。セパレータにおける残存油は、正極と接触しているときにセパレータを酸化から保護する。従来のセパレータの製造では、加工工程における正確な油量が制御され得る。一般的に言えば、従来のセパレータは、50~70%の加工油、いくつかの実施形態において、55~65%、いくつかの実施形態において、60~65%、いくつかの実施形態において、約62重量%の加工油を使用して製造される。約59%未満への油の低減は、押出機の構成要素に対する摩擦の増加に起因して燃焼を引き起こすことが知られている。しかしながら、所定量をはるかに超えての油の増加は、乾燥段階の際に収縮を引き起こし、寸法不安定性につながり得る。油分を増加させるための以前の試みは、油除去の際の孔の収縮または凝縮を結果として生じさせたが、本明細書に開示されているように調製されるセパレータは、油除去の際、生じるとしても、最小限の収縮および凝縮を示す。そのため、空孔率は、細孔径および寸法安定性を損なうことなく増加し、これにより、電気抵抗を減少させることができる。
【0085】
ある特定の選択の実施形態において、上記に記載されている充填剤の使用は、完成セパレータにおける低減された最終油濃度を可能にする。油は不導体であるため、油分の低減は、セパレータのイオン導電性を増加させ、セパレータのERの低下を補助し得る。そのため、低減された最終油分を有するセパレータは、増加した効率を有し得る。ある特定の選択の実施形態において、20%未満、例えば、約14%と20%との間、いくつかの特定の実施形態において、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、または5%未満の最終加工油分(重量基準)を有するセパレータを提供する。
【0086】
充填剤は、電解質イオンの水和層と呼ばれるものをさらに低減して、膜を横断するこれらイオンの輸送を向上させ、これにより、電池、例えば、高性能液式電池またはシステムの全体としての電気抵抗またはERをまたもや低下させ得る。
【0087】
充填剤(複数可)は、セパレータを横断する電解質およびイオンの流れを容易にする様々な種(例えば、極性種、例えば、金属)を含有していてよい。かかることはまた、かかるセパレータが液式電池、例えば、高性能液式電池において使用されるとき、全体としての電気抵抗の減少にもつながる。
【0088】
充填剤(例えば、シリカ)は、微量元素、例えば、ナトリウムを含有していてよい。本発明者らは、ナトリウムの低減が、コールド・クランキング・アンペア(「CCA」)を増加させ得ることを見出した。例えば、(典型的な市販のセパレータと比較して)ナトリウムが60%(重量基準)低減した例示的なセパレータは、10%増加したCCAを有する。完成セパレータシートにおけるかかる低減されたナトリウム量は、0.020g/m2~0.060g/m2以下の範囲であってよい。
【0089】
脆さ
ある特定の選択の実施形態において、充填剤は、アルミナ、タルク、シリカ、またはこれらの組み合わせであり得る。いくつかの実施形態において、充填剤は、沈降シリカであり得、いくつかの実施形態において、沈降シリカは、アモルファスシリカである。いくつかの実施形態において、セパレータ全体にわたっての充填剤の微細分散を可能にするシリカ凝集物および/または塊を使用することにより、ねじれおよび電気抵抗を減少させることが好ましい。ある特定の好ましい実施形態において、充填剤(例えば、シリカ)は、高いレベルの脆さを特徴とする。良好な脆さは、多孔質膜の押出の際、ポリマー全体にわたっての充填剤の分散を向上させ、空孔率、およびしたがってセパレータを通しての全体的なイオン導電性を向上させる。
【0090】
脆さは、シリカ粒子または材料(凝集物または塊)が、より小さいサイズの、より分散性の粒子、片または構成要素に分解される能力、傾向または性質として測定され得る。
図5の左側に示されているように、新規のシリカは、標準シリカよりも脆い(超音波処理の30秒後および60秒後に、より小さな片に分解される)。例えば、新規のシリカは、0秒の超音波処理で24.90um、30秒で5.17um、および60秒で0.49umの50体積%粒径を有した。そのため、30秒の超音波処理では、50%を超えてのサイズ(直径)の低減があり、60秒では、75%を超えての、50体積%シリカ粒子のサイズ(直径)の低減があった。そのため、「高い脆さ」の1つの可能な好ましい定義は、シリカ粒子の30秒の超音波処理において(または膜を形成するための樹脂シリカ混合物の処理において)、少なくとも50%の平均サイズ(直径)の低減、および、その60秒の超音波処理において少なくとも75%の平均サイズ(直径)の低減であり得る。少なくともある特定の実施形態において、より脆いシリカを使用することが好ましくあり得、脆く、かつ、その脆さにおいて、マルチモーダル、例えば、バイモーダルまたはトリモーダルであるシリカを使用することがさらにより好ましくあり得る。
図5を参照すると、標準シリカは、その脆さまたは粒度分布において単一モーダルであるようだが、新規のシリカは、より脆く、また、30秒の超音波処理においてバイモーダル(2つのピーク)、60秒の超音波処理においてトリモーダル(3つのピーク)であるようである。かかる脆くかつマルチモーダル粒径のシリカ(複数可)は、向上した膜およびセパレータ特性を付与し得る。
【0091】
上記の特徴の1以上を有する充填剤の使用は、より高い最終空孔率を有するセパレータの生成を可能にする。本明細書に開示されているセパレータは、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、または70%超の最終空孔率を有し得る。空孔率は、ガス吸着法を使用して測定されてよい。空孔率は、BS-TE-2060によって測定され得る。
【0092】
いくつかの選択の実施形態において、多孔質セパレータは、約1μm、0.9μm、0
.8μm、0.7μm、0.6μm、0.5μm、または0.1μm以下の平均細孔径を維持しながら、より高い割合のより大きな細孔を有し得る。
【0093】
少なくとも1つの実施形態によると、セパレータは、加工油および充填剤ならびに任意の所望の添加剤と混合されたポリエチレン、例えば、超高分子量ポリエチレン(「UHMWPE」)からなる。少なくとも1つの他の実施形態によると、セパレータは、加工油およびタルクと混合された超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)からなる。少なくとも1つの他の実施形態によると、セパレータは、加工油およびシリカ、例えば、沈降シリカ、例えば、アモルファス沈降シリカと混合されたUHMWPEからなる。添加剤は、次いで、上記に記載されている技術の1以上を介してセパレータに適用され得る。
【0094】
電気抵抗の低減およびコールド・クランキング・アンペアの増加の他に、他の利益をもたらすために好ましいセパレータも設計される。組み立てに関して、セパレータは、処理装置をより容易に通過するため、より効率的に製造される。高速組み立ての際および寿命の後半での短絡を防止するために、セパレータは、標準のPEセパレータと比較したとき優れた穿刺強度および酸化抵抗を有する。低減された電気抵抗および増加したコールド・クランキング・アンペアと組み合わせて、電池製造業者は、これらの新規のセパレータを用いる電池において改良された持続的な電気的性能を見出し易い。
【0095】
添加剤/界面活性剤
ある特定の実施形態において、例示的なセパレータは、セパレータまたは多孔質膜に添加される1以上の性能向上添加剤を含有していてよい。性能向上添加剤は、界面活性剤、湿潤剤、着色料、帯電防止添加剤、アンチモン抑制添加剤、UV-保護添加剤、酸化防止剤など、ならびにこれらの任意の組み合わせであってよい。ある特定の実施形態において、添加剤/界面活性剤は、イオン性、カチオン性、アニオン性、または非イオン性界面活性剤であってよい。
【0096】
本明細書に記載されているある特定の実施形態において、低減された量のアニオン性または非イオン性界面活性剤が、本発明多孔質膜またはセパレータに添加される。より少量の界面活性剤に起因して、望ましい特徴には、低下した全有機炭素(「TOC」)および/または低下した揮発性有機化合物(「VOC」)が含まれ得る。
【0097】
ある特定の好適な界面活性剤は非イオン性であるが、他の好適な界面活性剤はアニオン性である。添加剤は、単一の界面活性剤、または、2以上の界面活性剤、例えば2以上のアニオン性界面活性剤、2以上の非イオン性界面活性剤、もしくは少なくとも1つのイオン性界面活性剤および少なくとも1つの非イオン性界面活性剤の混合物であってよい。ある特定の好適な界面活性剤は、6未満、好ましくは3未満のHLB値を有していてよい。これらのある特定の好適な界面活性剤の、本明細書に記載されている本発明セパレータとの併用は、鉛酸電池において使用されるときに、低減された水分損失、低減されたアンチモン中毒、改良されたサイクリング、低減されたフロート電流、低減された浮遊電位など、またはかかる鉛酸電池についてのこれらの任意の組み合わせにつながる、なおさらに改良されたセパレータにつながり得る。好適な界面活性剤には、界面活性剤、例えば、硫酸アルキルの塩;アルキルアリールスルホネート塩;アルキルフェノール-アルキレンオキサイド付加生成物;石鹸;アルキル-ナフタレン-スルホネート塩;1以上のスルホサクシネート、例えば、アニオン性スルホサクシネート;スルホサクシネート塩のジアルキルエステル;アミノ化合物(第1級、第2級、第3級アミン、または第4級アミン);エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドのブロックコポリマー;種々のポリエチレンオキサイド;ならびにモノおよびジアルキルリン酸エステルの塩が含まれる。添加剤には、非イオン性界面活性剤、例えば、ポリオール脂肪酸エステル、ポリエトキシ化エステル、ポリエトキシ化アルコール、アルキルポリサッカリド、例えば、アルキルポリグリコシ
ドおよびそのブレンド、アミンエトキシレート、ソルビタン脂肪酸エステルエトキシレート、有機シリコーン系界面活性剤、エチレン酢酸ビニルターポリマー、脂肪酸のエトキシ化アルキルアリールリン酸エステルおよびスクロースエステルが含まれ得る。
【0098】
ある特定の例示的な実施形態において、TOCレベルは、完成セパレータのkg当たりのmgで測定され得る。例えば、かかるTOCレベルは、紫外線(「UV」)検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液を使用することによって測定され得る。かかるTOCレベルは、好ましくは、およそ2,000mg/kg以下、より好ましくは、およそ1,500mg/kg以下、またはさらにはおよそ1,000mg/kg以下の範囲である。
【0099】
ある特定の例示的な実施形態において、性能添加剤は、湿潤剤であってよい。湿潤剤の量は、以下の手順によって見出され得る。
・サンプル幅にわたって均一に離間した120mm×120mmの8つの片を切断する。サンプルを105℃~110℃(220°F~230°F)の空気循環オーブンにおいて少なくとも5分間乾燥し、オーブンから除去し、サンプルを迅速に秤量して、水分の取り込みを防止する(X1(g)=油を含んでいる)。
・サンプル片を置き-これらを軽く折り畳み-Soxhlet抽出装置(またはSoxtherm)に入れ、ヘキサンを激しく沸騰させて少なくとも60分間抽出する。サンプル片を抽出器から除去し、これらを、よく換気したフード下で5分間空気乾燥する。サンプルを105℃~110℃(220°F~230°F)の空気循環オーブンにおいて少なくとも5分間乾燥し、オーブンから取り出し、サンプルを迅速に秤量して、水分の取り込みを防止する(X2(g)=油不含)。
・ヘキサン抽出したサンプルをSoxhlet抽出器(またはSoxtherm)内に再び置き、イソプロパノールを激しく沸騰させて少なくとも60~90分間抽出する。イソプロパノールをSoxhletから丸底フラスコ(複数可)内に完全にデカントする。
・イソプロパノールを減圧下で蒸発させて蒸発を加速する。イソプロパノールを完全に除去した後、フラスコ(複数可)を105℃のオーブン内に10分間置き、残りの微量の水分を除去する。冷却後、残渣を、いくつかの5mlのクロロホルム部分(リスペリング:CCl4)に溶解しかつこれによって濯ぐことによって、25mlの容量フラスコに移す
。容量フラスコ中の最終溶液をクロロホルムによって25mlのマークまで希釈する。
・一対のセルセットを、1つをサンプル溶液で、1つを背景スペクトル用の純粋なクロロホルム(リスペリング:CCl4)で充填し、使用時に特定のIR分光光度計の指示に従
って4000~600cm-1の範囲にわたってスキャンを行う。
・得られたスペクトルが異常を示さないときには、1051cm-1における吸収帯を、コンピュータ制御の分光光度計によって実施される自動計算による、サンプル溶液中の湿潤剤量(g)(=X3)の計算に使用する。
・X3/X1
*100=油を含んでいるサンプル中の湿潤剤(%)(重量基準)
・X3/X2
*100=油不含サンプル中の湿潤剤(%)(重量基準)
特定の実施形態は、およそ0.60%以下の湿潤剤分を有していてよい。ある特定の実施形態において、添加剤は、式(I)の化合物によって表され得る。
【0100】
【0101】
式中:
・Rは、酸素原子によって中断されていてよい、10~4200、好ましくは、13~4200個の炭素原子を有する線状または非芳香族炭化水素ラジカルである。
【0102】
・R1=H、
【0103】
【0104】
または
【0105】
【0106】
好ましくは、Hであり、ここで、k=1または2である;
【0107】
・Mは、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属イオン、H+またはNH4
+であり、こ
こで、可変値Mの全てが同時にH+を意味することはない;
・n=0または1であり;
・m=0または10~1400の整数であり;
・x=1または2である。
【0108】
式(I)による化合物における炭素原子に対する酸素原子の比は、1:1.5~1:30の範囲であり、mおよびnが同時に0にはなり得ない。しかしながら、好ましくは、可変値nおよびmの一方のみが、0とは異なる。
【0109】
非芳香族炭化水素ラジカルとは、芳香族基を含有しないか、またはこれら自身が1を表すラジカルを意味する。炭化水素ラジカルは、酸素原子によって中断されていてよい(すなわち、1以上のエーテル基を含有していてよい)。
【0110】
Rは、好ましくは、酸素原子によって中断されていてよい直鎖または分岐状の脂肪族炭化水素ラジカルである。飽和の、非架橋炭化水素ラジカルが、極めて好ましい。しかしながら、上記で記述されているように、Rは、ある特定の実施形態において、芳香族環含有であってよい。
【0111】
電池セパレータの生成に式(I)の化合物を使用することにより、これらセパレータは、酸化破壊に対して有効に保護され得る。
【0112】
式(I)による化合物を含有する電池セパレータが好ましく、式中:
・Rは、1~60、好ましくは、1~20、極めて好ましくは、1~8個の酸素原子によって中断されていてよい、10~180、好ましくは12~75、極めて好ましくは、14~40個の炭素原子を有する炭化水素ラジカル、特に好ましくは、式
【0113】
【0114】
の炭化水素ラジカルであり、
式中:
○ R2は、10~30個の炭素原子、好ましくは、12~25、特に好ましくは、1
4~20個の炭素原子を有するアルキルラジカルであり、ここで、R2は、線状または非
線状であってよく、例えば、芳香族環を含有していてよく;
○pは、0~30、好ましくは、0~10、特に好ましくは、0~4の整数であり;
○qは、0~30、好ましくは、0~10、特に好ましくは、0~4の整数であり;
○化合物は、pおよびqの合計が0~10、特に0~4であることが特に好ましく;
・n=1であり;
・m=0である。
【0115】
【0116】
は、これらの化合物であって、角括弧内の基のシーケンスが示されているものとは異なるものも含むと理解されるべきである。例えば、括弧内のラジカルが(OC2H4)および(OC3H6)基を交互にすることによって形成される、本発明による化合物が好適である。
【0117】
R2が10~20、好ましくは、14~18個の炭素原子を有する直鎖または分岐状の
アルキルラジカルである添加剤は、特に有利であることが証明されている。好ましくは、OC2H4は、OCH2CH2を表し、OCH(CH3)2は、OC3H6および/またはOCH2CH2CH3を表す。
【0118】
好ましい添加剤として、特にアルコール(p=q=0;m=0)が言及され得、第1級アルコールが特に好ましく、第1級アルコールの脂肪アルコールエトキシレート(p=1~4、q=0)、脂肪アルコールプロポキシレート(p=0;q=1~4)および脂肪アルコールアルコキシレート(p=1~2;q=1~4)エトキシレートが好ましい。脂肪アルコールアルコキシレートは、例えば、対応するアルコールとエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドとの反応を通して入手可能である。
【0119】
水および硫酸に溶解しない、または単に溶解しにくいm=0タイプの添加剤は、特に有利であることが証明されている。
【0120】
式(I)による化合物を含有する添加剤も好ましく、式中:
・Rは、20~4200、好ましくは、50~750、極めて好ましくは、80~225個の炭素原子を有するアルカンラジカルであり;
・Mは、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属イオン、H+またはNH4
+、特にアルカ
リ金属イオン、例えば、Li+、Na+およびK+、またはH+であり、ここで、可変値Mの全てが同時にH+を意味することはなく;
・n=0であり;
・m=10~1400の整数であり;
・x=1または2である。
【0121】
塩添加剤
ある特定の実施形態において、好適な添加剤には、特に、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸およびアクリル酸-メタクリル酸コポリマーであって、その酸基が、例えば、好ま
しくは40%、特に好ましくは80%だけ少なくとも部分的に中和されているものが含まれ得る。百分率は、酸基の数に言及するものである。全体に塩形態で存在するポリ(メタ)アクリル酸が極めて好ましい。好適な塩には、Li、Na、K、Rb、Be、Mg、Ca、Sr、Zn、およびアンモニウム(NR4、ここで、Rは、水素または炭素官能基の
いずれかである)が含まれる。ポリ(メタ)アクリル酸には、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、およびアクリル酸-メタクリル酸コポリマーが含まれ得る。ポリ(メタ)アクリル酸、特に、1,000~100,000g/mol、特に好ましくは、1,000~15,000g/mol、極めて好ましくは、1,000~4,000g/molの平均モル質量Mwを有するポリアクリル酸が好ましい。ポリ(メタ)アクリル酸ポリマーおよ
びコポリマーの分子量は、ポリマーの、水酸化ナトリウム溶液で中和された1%水溶液の粘度を測定することによって確認される(フィケンチャーの定数)。
【0122】
(メタ)アクリル酸のコポリマー、特に、(メタ)アクリル酸以外のエチレン、マレイン酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートおよび/またはエチルヘキシルアクリレートをコモノマーとして含有するコポリマーも好適である。少なくとも40重量%、好ましくは、少なくとも80重量%の(メタ)アクリル酸モノマーを含有するコポリマーが好ましく;百分率は、モノマーまたはポリマーの酸形態を基準としている。
【0123】
ポリアクリル酸ポリマーおよびコポリマーを中和するために、アルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物、例えば、水酸化カリウムおよび特に水酸化ナトリウムが特に好適である。また、セパレータを向上させるコーティングおよび/または添加剤には、例えば、金属アルコキシドが含まれ得、ここで、金属は、ほんの一例として(限定的であることは意図していない)、Zn、Na、またはAl、ほんの一例として、ナトリウムエトキシドであってよい。
【0124】
いくつかの実施形態において、多孔質ポリオレフィン多孔質膜は、かかる層の片側または両側においてコーティングを含んでいてよい。かかるコーティングは、界面活性剤または他の材料を含んでいてよい。いくつかの実施形態において、コーティングは、例えば、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許公開公報第2012/0094183号に記載されている1以上の材料を含んでいてよい。かかるコーティングは、例えば、電池システムの過充電電圧を低減することにより、格子腐食をより少なくして電池寿命を延長し、また、ドライアウトおよび/または水分損失を防止し得る。
【0125】
比
ある特定の選択の実施形態において、膜は、重量基準で、約5~15%のポリマー、いくつかの場合において、約10%のポリマー(例えば、ポリエチレン)、約10~75%の充填剤(例えば、シリカ)、いくつかの場合において、約30%の充填剤、および約10~85%の加工油、いくつかの場合において、約60%の加工油を組み合わせることによって調製され得る。他の実施形態において、充填剤分が低減され、油分がより高く、例えば、約61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%または70重量%超である。充填剤:ポリマー比(重量基準)は、おおよそであってよく(またはおおよそこれらの具体的範囲の間であってよい)、例えば、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4.0:1。4.5:1、5.0:1、5.5:1または6:1であってよい。充填剤:ポリマー比(重量基準)は、約1.5:1~約6:1、いくつかの場合において、2:1~6:1、約2:1~5:1、約2:1~4:1、および、いくつかの場合において、約2:1~約3:1であってよい。充填剤、油、およびポリマーの量は、実行可能性および望ましいセパレータ特性、例えば、電気抵抗、基本重量、穿刺抵抗、曲げ剛性、酸化抵抗、空孔率、物理的強度、ねじれなどに関して全てバランスが取れている。
【0126】
少なくとも1つの実施形態によると、多孔質膜は、加工油および沈降シリカと混合されたUHMWPEを含み得る。少なくとも1つの実施形態によると、多孔質膜は、加工油、添加剤および沈降シリカと混合されたUHMWPEを含み得る。混合物はまた、セパレータ技術では一般的な少量の他の添加剤または剤も含んでいてよい(例えば、界面活性剤、湿潤剤、着色料、帯電防止添加剤、酸化防止剤など、ならびにこれらの任意の組み合わせ)。ある特定の場合において、多孔質ポリマー層は、8~100体積%のポリオレフィン、0~40体積%の可塑剤および0~92体積%の不活性充填剤材料の均一な混合物であってよい。好ましい可塑剤は石油である。可塑剤は、溶媒抽出および乾燥によってポリマー-充填剤-可塑剤組成物から除去するのが最も容易である成分であるため、電池セパレータに空孔率を付与するのに有用である。
【0127】
ある特定の実施形態において、本明細書に開示されている多孔質膜は、天然ゴム、合成ゴム、またはこれらの混合物であってよい、ラテックスおよび/またはゴムを含有していてよい。天然ゴムには、種々の供給元から市販されている、1以上のポリイソプレンブレンドが含まれ得る。例示的な合成ゴムには、メチルゴム、ポリブタジエン、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ブロモブチルゴム、ポリウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ポリスルフィドゴム、クロロスルホニルポリエチレン、ポリノルボルネンゴム、アクリレートゴム、フッ素ゴムおよびシリコーンゴムおよびコポリマーゴム、例えば、スチレン/ブタジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエンゴム、エチレン/プロピレンゴム(EPMおよびEPDM)およびエチレン/酢酸ビニルゴムが含まれる。ゴムは、架橋ゴムまたは非架橋ゴムであってよく;ある特定の好ましい実施形態において、ゴムは非架橋ゴムである。ある特定の実施形態において、ゴムは、架橋および非架橋ゴムのブレンドであってよい。ゴムは、最終セパレータ重量(ゴムおよび/またはラテックスを含有するポリオレフィンセパレータシートまたは層の重量)と比較して少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10重量%である量でセパレータに存在していてよい。ある特定の実施形態において、ゴムは、およそ1~6%、およそ3~6重量%、およそ3重量%、およそ6重量%の量で存在していてよい。多孔質膜は、およそ2.6:1.0の充填剤対ポリマーおよびゴム(充填剤:ポリマーおよびゴム)重量比を有していてよい。ゴム、充填剤、油、およびポリマーの量は、実行可能性および望ましいセパレータ特性、例えば、電気抵抗、基本重量、穿刺抵抗、曲げ剛性、酸化抵抗、空孔率、物理的強度、ねじれなどに関して全てバランスが取れている。
【0128】
ポリエチレンおよび充填剤(例えば、シリカ)を含む、本発明によって作製される多孔質膜は、残存油分を典型的には有し;いくつかの実施形態において、かかる残存油分は、セパレータ膜の合計重量の約0.5%から最大で約40%(いくつかの場合において、セパレータ膜の合計重量の約10~40%、いくつかの場合において、合計重量の約20~40%)である。本明細書におけるある特定の選択の実施形態において、セパレータにおける残存油分のいくらかから全部が、さらなる性能向上添加剤、例えば、界面活性剤、例えば、6未満の親水性親油性バランス(「HLB」)を有する界面活性剤、または例えば、非イオン性界面活性剤の添加によって置き換えられてよい。例えば、性能向上添加剤、例えば、界面活性剤、例えば、非イオン性界面活性剤は、多孔質セパレータ膜の合計重量の、最大で0.5%から最大で残存油分の量まで(例えば、最大で20%または30%またはさらには40%まで)を構成することにより、セパレータ膜における残存油を部分的または完全に置き換え得る。
【0129】
導電層
導電層は、例示的な電池セパレータ100に配置されていてよい。導電層は、好ましくは、電池の正極(示さず)と接触するように適合されてよい。導電層は、正極(示さず)への行き帰りの新規の電流経路を付与するためのものであってよい。導電層は、限定され
ないが、鉛、金、アンチモン、ヒ素、亜鉛、バリウム、ベリリウム、リチウム、マグネシウム、ニッケル、アルミニウム、銀、スズ、およびこれらの組み合わせ合金、または炭素繊維、黒鉛、カーボンナノチューブ、バックミンスターフラーレン(もしくはバッキーボール)、ならびにこれらの組み合わせを含めたいずれの導電材料からなっていてもよい。カーボンナノチューブまたはバッキーボールは、バインダを含む媒体に分散されて、電池セパレータに塗装されていてよい。導電層は、正極導体よりも耐食性であるいずれの導電材料からなっていてもよく、そのため、正極導体の導電性能が低下したときに導電層が正極導体として機能することを可能にする。導電層は、0.8%~1.17%のスズ、およびゼロ(0)超~0.015%の銀を含む鉛系合金であってよい。導電層は、0.02%~0.06%のカルシウム、0.3%~3%のスズ、および0.01%~0.05%の銀を含む鉛系合金であってよい。導電層は、限定されないが、ストリップ、スクリーン、箔、糸、ワイヤ、コーティングなど、またはこれらの組み合わせを含めたいずれの形態に作製されてもよい。導電層は、いずれの厚さ、例えば、およそ3μmの厚さであってよい。導電層は、限定されないが、接着剤、熱溶融、塗装などを含めたいずれの手段によって電池セパレータ上に設けられてもよい。導電層は、全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,564,623号に記載されている可能性がある。
【0130】
核形成添加剤
ある特定の実施形態において、セパレータは、核形成添加剤および/またはコーティングの形態の性能向上添加剤を含有していてよい。核形成添加剤は、好ましくは、電池電解質において安定であってよく、電解質内にさらに分散されていてよい。
【0131】
核形成添加剤および/またはコーティングの例示的な形態は、炭素、例えば、炭素、導電性カーボン、黒鉛、人工黒鉛、活性炭素、カーボン紙、アセチレンブラック、カーボンブラック、高表面積カーボンブラック、グラフェン、高表面積グラフェン、ケッチェンブラック、炭素繊維、炭素フィラメント、カーボンナノチューブ、オープンセル炭素発泡体、炭素マット、炭素フェルト、カーボンバックミンスターフラーレン(バッキーボール)、水性カーボン懸濁液、およびこれらの組み合わせであってよく、またはこれらを含有していてよい。これらの多くの炭素の形態に加えて、核形成添加剤および/またはコーティングはまた、硫酸バリウム(BaSO4)を単独でもしくはカーボンと組み合わせてのい
ずれかで含んでいてもよく、または含有していてもよい。
【0132】
核形成コーティングは、かかる手段としての、スラリーコーティング、スロットダイコーティング、スプレーコーティング、カーテンコーティング、インクジェット印刷、スクリーン印刷によって、または真空蒸着もしくは化学蒸着(「CVD」)によって完成セパレータに適用されてよい。また、添加剤および/またはコーティングは、カーボン紙、織物または不織布のいずれかとして設けられてよく、また、セパレータおよび電極(複数可)間、ならびにこれらと密に接触して配置されてよい。
【0133】
核形成添加剤および/またはコーティングは、セパレータ内に、または、セパレータの電極対向面の一方もしくは両方にあってよい。典型的には、核形成添加剤のコーティングまたは層は、負極対向面にのみあってよい。しかしながら、これは、正極対向面にあっても、両面にあってもよい。
【0134】
ある特定の実施形態において、核形成添加剤は、基材の押出混合体に添加されて、セパレータと共に押出され、またはセパレータ上の層として共押出されてよい。押出混合体に含まれるとき、核形成添加剤は、シリカ充填剤のいくらかが、5%~75重量%と同程度で置き換えられていてよい。例えば、核形成添加剤は、およそ5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、またはおよそ75重量%であってよい。他の例示的な実施形態において、核形成添
加剤は、およそ75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、またはおよそ5重量%以下であってよい。
【0135】
製造
いくつかの実施形態において、例示的な多孔質膜は、押出機において構成部分を混合することによって作製されてよい。例えば、約10重量%のUHMWPEを含む約30重量%の充填剤、および約60%の加工油が、押出機において混合されてよい。例示的な多孔質膜は、構成部分に、加熱された押出機を通過させ、押出機によって生じた押出物に、ダイを通過させて、2つの加熱されたプレスまたはカレンダースタックまたはロールによって形成されたニップ内に通させることで連続ウェブを形成することによって作製されてよい。ウェブからの相当量の加工油が、溶媒の使用によって抽出され、続いて乾燥によって溶媒が除去されてよい。ウェブは、次いで所定の幅のレーンに切断されて、次いでロールに巻かれてよい。加えて、プレスまたはカレンダーロールには、本明細書において実質的に記載されているようにリブ、溝、テクスチャ領域、エンボスなどを付与する種々の溝パターンが施されていてよい。
【0136】
ゴムを用いた製造
いくつかの実施形態において、例示的な多孔質膜は、押出機において構成部分を混合することによって作製されてよい。例えば、約5~15重量%のポリマー(例えば、ポリエチレン)、約10~75重量%の充填剤(例えば、シリカ)、約1~50重量%のゴムおよび/またはラテックス、ならびに約10~85%の加工油が、押出機において混合されてよい。例示的な多孔質膜は、構成部分に、加熱された押出機を通過させ、押出機によって生じた押出物に、ダイを通過させて、2つの加熱されたプレスまたはカレンダースタックまたはロールによって形成されたニップ内に通させることで連続ウェブを形成することによって作製されてよい。ウェブからの相当量の加工油が、溶媒の使用によって抽出されてよい。ウェブは、次いで乾燥されて、所定の幅のレーンにスリット化され、次いでロールに巻かれてよい。加えて、プレスまたはカレンダーロールには、本明細書において実質的に記載されているようにリブ、溝、テクスチャ領域、エンボスなどを付与する種々の溝パターンが施されていてよい。ゴム、充填剤、油、およびポリマーの量は、実行可能性および望ましいセパレータ特性、例えば、電気抵抗、基本重量、穿刺抵抗、曲げ剛性、酸化抵抗、空孔率、物理的強度、ねじれなどに関して全てバランスが取れている。
【0137】
押出機の構成部分に添加されることに加えて、ある特定の実施形態は、押出後にゴムを多孔質膜に組み合わせる。例えば、ゴムは、ゴムおよび/またはラテックス、任意選択的に、シリカ、ならびに水を含む液体スラリーによって、片側または両側、好ましくは、負極に対向する側にコーティングされて、次いで、この材料のフィルムが例示的な多孔質膜の鏡面上に形成されるように乾燥されてよい。この層のより良好な濡れ性のために、公知の湿潤剤が、鉛酸電池において使用されるスラリーに添加されてよい。ある特定の実施形態において、スラリーは、本明細書に記載されている1以上の性能向上添加剤を含有することもできる。乾燥後、多孔質層および/またはフィルムがセパレータの鏡面に形成され、多孔質膜に非常によく接着して、電気抵抗を仮にあったとしても僅かにのみ増加させる。ゴムは、添加された後、機械プレスまたはカレンダースタックまたはロールのいずれかを使用してさらに圧縮されてよい。ゴムおよび/またはラテックスを適用する他の可能な方法は、ゴムおよび/またはラテックススラリーを、セパレータの1以上の表面にディップコーティング、ローラーコーティング、スプレーコーティング、もしくはカーテンコーティング、またはこれらの任意の組み合わせによって適用することである。これらのプロセスは、加工油が抽出される前後、またはこれがレーンにスリット化される前後に行われてよい。
【0138】
本発明のさらなる実施形態は、含浸および乾燥によってゴムを膜上に堆積させることを含む。
【0139】
性能向上添加剤を用いた製造
ある特定の実施形態において、性能向上添加剤(複数可)(例えば、界面活性剤、湿潤剤、着色料、帯電防止添加剤、酸化防止剤など、ならびにこれらの任意の組み合わせ)は、押出機内の他の構成部分と一緒に混合されてもよい。本開示による多孔質膜は、次いで、シートまたはウェブの形状に押出されて、上記の記載と実質的に同じ方法で完成されてよい。
【0140】
ある特定の実施形態において、押出機内への添加に加えてまたはこれの代替として、添加剤(複数可)が、例えば、セパレータ多孔質膜に、これを完成させるとき(例えば、加工油のバルクの抽出後、およびゴムの導入の前後)に適用されてよい。ある特定の好ましい実施形態によると、添加剤または添加剤の溶液(例えば、水溶液)が、セパレータの1以上の表面に適用される。この変形例は、非熱安定性添加剤および加工油の抽出に使用される溶媒に可溶である添加剤の適用に特に好適である。本発明による添加剤に特に好適な溶媒は、低分子量アルコール、例えば、メタノールおよびエタノール、ならびにこれらのアルコールと水との混合物である。適用は、セパレータの負極と対向する側、正極と対向する側、または両側において行われてよい。適用はまた、溶媒浴中で細孔形成剤(例えば、加工油)の抽出の際に行われてもよい。ある特定の選択の実施形態において、性能向上添加剤、例えば、セパレータが作製される前に押出機に添加される界面活性剤コーティングもしくは性能向上添加剤(または両方)は、そのいくらかが、電池システムにおいてアンチモンと組み合わされてよく、また、これを不活性化し得、および/またはこれとの化合物を形成し得、および/または電池のマッドレスト内に滴下させ得、および/またはこれが負極に堆積することを防止し得る。界面活性剤または添加剤はまた、電解質、ガラスマット、電池ケース、貼付紙、貼付マットなど、またはこれらの組み合わせに添加されてもよい。
【0141】
ある特定の実施形態において、添加剤(例えば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、またはこれらの混合物)は、少なくとも0.5g/m2、1.0g/m2、1.5g/m2、2.0g/m2、2.5g/m2、3.0g/m2、3.5g/m2、4.0g
/m2、4.5g/m2、5.0g/m2、5.5g/m2、6.0g/m2、6.5g/m2、7.0g/m2、7.5g/m2、8.0g/m2、8.5g/m2、9.0g/m2、9
.5g/m2もしくは10.0g/m2、またはさらには最大で約25.0g/m2までの
密度またはアドオンレベルで存在し得る。添加剤は、0.5~15g/m2、0.5~1
0g/m2、1.0~10.0g/m2、1.5~10.0g/m2、2.0~10.0g
/m2、2.5~10.0g/m2、3.0~10.0g/m2、3.5~10.0g/m2、4.0~10.0g/m2、4.5~10.0g/m2、5.0~10.0g/m2、5
.5~10.0g/m2、6.0~10.0g/m2、6.5~10.0g/m2、7.0
~10.0g/m2、7.5~10.0g/m2、4.5~7.5g/m2、5.0~10
.5g/m2、5.0~11.0g/m2、5.0~12.0g/m2、5.0~15.0
g/m2、5.0~16.0g/m2、5.0~17.0g/m2、5.0~18.0g/
m2、5.0~19.0g/m2、5.0~20.0g/m2、5.0~21.0g/m2、5.0~22.0g/m2、5.0~23.0g/m2、5.0~24.0g/m2、また
は5.0~25.0g/m2の間の密度またはアドオンレベルでセパレータに存在し得る
。
【0142】
適用はまた、電池セパレータを添加剤または添加剤の溶液に浸漬し(溶媒浴添加)、溶媒を必要に応じて(例えば、乾燥によって)除去することによって行われてもよい。このように、添加剤の適用は、例えば、膜生成の際に適用されることが多い抽出と組み合わさ
れてよい。他の好ましい方法は、鏡面を添加剤でスプレーする、1以上の添加剤をセパレータの鏡面にダイコーティング、ローラーコーティング、またはカーテンコーティングすることである。
【0143】
本明細書に記載されているある特定の実施形態において、低減された量のイオン性、カチオン性、アニオン性、または非イオン性界面活性剤が本発明セパレータに添加される。かかる場合において、望ましい特徴には、かかる実施形態による望ましい本発明セパレータを生成し得る低下した全有機炭素および/または低下した揮発性有機化合物(より少量の界面活性剤に起因する)が含まれ得る。
【0144】
繊維状マットとの組み合わせ
ある特定の実施形態において、本開示による例示的なセパレータは、別の層(積層されているまたは他の場合)、例えば、向上したウィッキング特性および/または電解質の向上した湿潤もしくは保持特性を有する繊維層または繊維状マットと組み合わされてよい。繊維状マットは、織物、不織布、フリース、メッシュ、ネットであってよく、単一層状、多層状(ここで、各層は、他の層と同じ、同様または異なる特徴を有していてよい)であってよく、ガラス繊維、あるいは、合成繊維、フリース、あるいは合成繊維またはガラスおよび合成繊維もしくは紙との混合物から作製された繊維から構成されていてよく、あるいはこれらの任意の組み合わせであってよい。
【0145】
ある特定の実施形態において、繊維状マット(積層されているまたは他の場合)は、さらなる材料用の担体として使用されてよい。添加材料には、例えば、ゴムおよび/もしくはラテックス、任意選択的にシリカ、水、および/もしくは1以上の性能向上添加剤、例えば、本明細書に記載されている種々の添加剤、またはこれらの任意の組み合わせが含まれ得る。例として、さらなる材料は、繊維状マットの1以上の表面に次いでコーティングされてフィルムを形成し得、または繊維状マット内に浸漬および含浸され得るスラリーの形態で送達され得る。
【0146】
繊維層が存在するとき、多孔質膜は、繊維層よりも大きい表面積を有することが好ましい。そのため、多孔質膜および繊維層を組み合わせるとき、繊維層は、多孔質層を完全にはカバーしない。膜層の少なくとも2つの対向するエッジ領域は、エッジが、ポケットまたはエンベロープなどの任意選択的な形成を容易にするヒートシールに備えられるように、カバーされていないままであることが好ましい。かかる繊維状マットは、少なくとも100μm、いくつかの実施形態において、少なくとも約200μm、少なくとも約250μm、少なくとも約300μm、少なくとも約400μm、少なくとも約500μm、少なくとも約600μm、少なくとも約700μm、少なくとも約800μm、少なくとも約900μm、少なくとも約1mm、少なくとも約2mmなどである厚さを有していてよい。後に積層されるセパレータは、切断されて片となってよい。ある特定の実施形態において、繊維状マットは、多孔質膜のリブ付き鏡面に積層されている。ある特定の実施形態において、取り扱いおよび/または組み立ての利点が、本明細書に記載されている改良されたセパレータがロール形態および/または切断片形態で供給され得るため、電池製造業者に提供される。また、先に言及されているように、改良されたセパレータは、1以上の繊維状マットなどが添加されていない、独立型のセパレータシートまたは層であってよい。
【0147】
繊維状マットが多孔質膜に積層される場合、これらは、接着剤、熱、超音波溶接、圧縮など、またはこれらの任意の組み合わせによって一緒に接着されてよい。また、繊維状マットは、PAMまたはNAM保持マットであってよい。
【0148】
基本重量
ある特定の選択の実施形態において、例示的なセパレータは、g/m2の単位で測定さ
れる基本重量(面積重量とも称される)によって特徴付けられ得る。例示的なセパレータは、減少した基本重量を示し得る。例えば、例示的なセパレータは、およそ90g/m2
~およそ140g/m2の基本重量を有していてよい。ある特定の選択の実施形態におい
て、基本重量は、およそ90g/m2、100g/m2、110g/m2、120g/m2、130g/m2、または140g/m2であってよい。他の実施形態において、基本重量は、140g/m2、130g/m2、120g/m2、110g/m2、100g/m2、9
0g/m2以下、またはそれ未満であってよい。例示的なセパレータは、好ましくは、お
よそ90g/m2~およそ130g/m2以下、好ましくは、およそ90g/m2~およそ
120g/m2以下の基本重量を有する。
【0149】
基本重量は、サンプルを秤量し、次いで当該値を当該サンプルの面積によって除算することによって簡単に測定される。例えば、1.0m×1.0mサンプルを取り、それを秤量する。面積は、リブ、溝、エンボスなどとは関係なく算出される。例として、リブ付きセパレータの1.0m×1.0mサンプルは、平坦なセパレータの1.0m×1.0mサンプルと同じ面積を有する。
【0150】
電気抵抗
ある特定の選択の実施形態において、開示されているセパレータは、減少した電気抵抗を示す。例えば、例示的なセパレータは、およそ20mΩ・cm2~およそ200mΩ・
cm2の電気抵抗(「ER」)を有していてよい。ある特定の選択の実施形態において、
セパレータは、およそ20mΩ・cm2、30mΩ・cm2、40mΩ・cm2、50mΩ
・cm2、60mΩ・cm2、80mΩ・cm2、100mΩ・cm2、120mΩ・cm2
、140mΩ・cm2、160mΩ・cm2、180mΩ・cm2、または200mΩ・c
m2のERを有していてよい。他の選択の実施形態において、ERは、約200mΩ・c
m2、180mΩ・cm2、160mΩ・cm2、140mΩ・cm2、120mΩ・cm2
、100mΩ・cm2、80mΩ・cm2、60mΩ・cm2、50mΩ・cm2、40mΩ・cm2、30mΩ・cm2、または20mΩ・cm2以下であってよい。しかしながら、
ERをさらに20mΩ・cm2未満とすることができる。種々の実施形態において、本明
細書に記載されているセパレータは、同じ厚さの公知のセパレータと比較して約20%以上のERの低減を示す。例えば、公知のセパレータは、60mΩ・cm2のER値を有し
ていてよく;そのため、本発明によるセパレータは、同じ厚さで、約48mΩ・cm2未
満のER値を有することとなる。
【0151】
本発明によるER試験評価のためのサンプルセパレータを試験するためには、これをまず調製しなければならない。そのために、サンプルセパレータを、好ましくは、脱塩水の浴に浸漬し、水を次いで沸騰させ、セパレータを次いで沸騰している脱塩水浴において10分後に除去する。除去後、過剰の水をセパレータから取り除き、次いで、27℃±1℃で1.280の比重を有する硫酸の浴に入れる。セパレータを硫酸浴に20分間浸漬する。セパレータは次いですぐに電気抵抗を試験できるようになっている。
【0152】
酸化安定性
ある特定の選択の実施形態において、例示的なセパレータは、改良された、より高い酸化抵抗を有することを特徴とし得る。酸化抵抗は、鉛酸電池の電解質への長期の暴露後、幅方向におけるサンプルセパレータ試料の伸張において測定される。例えば、例示的なセパレータは、およそ150%以上、200%以上、250%以上、300%以上、350%以上、400%以上、450%以上、または500%以上の、40時間での伸張を有していてよい。ある特定の実施形態において、例示的なセパレータは、およそ200%以上の、40時間での好ましい酸化抵抗または伸張を有していてよい。
【0153】
酸化抵抗のサンプルを試験するために、例示的なセパレータのサンプル試料400を、
図6Aに概して記載されているような形状に切断する。試料400を次いで
図6Bに概して示されているサンプルホルダに入れる。
【0154】
第1サンプルセットを、ゼロ(0)時間の時間で、破壊するまでの伸張%で、乾燥して試験する。伸張は、
図6Aにおける点AおよびBから測定した50mm距離に基づいている。例えば、点AおよびBが300%の距離に延伸される場合、AおよびB間の最終距離は150mmとなる。
【0155】
伸長試験は、短縮された期間でのサイクリング電池中の電解質への長期間の暴露をシミュレートするように設計されている。サンプル400をまずイソプロパノールに完全に沈め、ドレインし、次いで水に1~2秒間沈める。サンプルを次いで電解質溶液に沈める。溶液を、360mlの1.28比重の硫酸、35mlの1.84比重の硫酸、次いで105mlの35%過酸化水素の順に添加することによって調製する。溶液を80℃で保ち、サンプルを溶液に長期間浸漬する。サンプルは、一定の時間間隔ごと、例えば、20時間、40時間、60時間、80時間などで伸張について試験されてよい。これらの間隔で試験するために、サンプル400を80℃の電解質浴から除去し、酸が除去されるまで生ぬるい水の流れ下に置く。伸張を次いで試験することができる。
【0156】
少なくとも選択の実施形態によると、本開示または発明は、改良された電池セパレータ、低ERもしくは高伝導性セパレータ、改良された鉛酸電池、例えば、液式鉛酸電池、高伝導性電池、および/または、かかる電池を含む改良された車両、ならびに/あるいは、かかるセパレータもしくは電池、および/またはこれらの組み合わせの製造または使用方法を対象とする。少なくともある特定の実施形態によると、本開示または発明は、改良されたセパレータを組み込んだ、増加した伝導性を示す改良された鉛酸電池を対象とする。
【0157】
結論
選択の実施形態によると、改良されたまたは新規の電池セパレータは、バックウェブの少なくとも一部から延在する複数のリブを有する当該バックウェブを有する多孔質膜を備えている。多孔質膜は、ポリマー、充填剤、少なくとも1つの性能向上添加剤、可塑剤、および任意選択的にゴムの組成物を有していてよい。セパレータは、紫外線検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液によって測定されるとき電池セパレータ1kg当たりおよそ2,000mg以下、好ましくは、紫外線検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液によって測定されるとき電池セパレータ1kg当たりおよそ1,500mg以下、より好ましくは、紫外線検出チャンバにおいて炭素と反応する過硫酸カリウム溶液によって測定されるとき電池セパレータ1kg当たりおよそ1,000mg以下の酸浸出性全有機炭素(「TOC」)を有していてよい。
【0158】
選択の実施形態の改良点は、多孔質膜の表面に対向する正極から延在している正極リブとしての複数のリブの少なくとも一部、多孔質膜の表面に対向する負極から延在している負極リブとしての複数のリブの少なくとも一部を提供し得、または、実施形態は、正および負極リブの両方を備えていてよい。正および負極リブのいずれかもしくは両方が、第1側方エッジから第2側方エッジに均一に延在していてよく、または、いずれもが、第1側方エッジから第2側方エッジに均一に延在していていなくてよい。正および負極リブのいずれかもしくは両方が、頂部エッジから底部エッジに均一に延在していてもよく、または、いずれもが、頂部エッジから底部エッジに均一に延在していていなくてもよい。正極リブおよび負極リブのいずれかまたは両方が、デンドライト形成および成長を低減するように設計および最適化されていてよい。
【0159】
ある特定の例示的なセパレータにおいて、いずれかの正極リブおよび/または負極リブ
セットが、以下:固体リブ、別個の破断リブ、連続リブ、不連続リブ、不連続ピーク、不連続突起、角度付きリブ、傾斜リブ、線状リブ、上記多孔質膜の実質的に縦方向に長手方向に延在しているリブ、上記多孔質膜の実質的に幅方向に側方に延在しているリブ、上記セパレータの実質的に幅方向に横方向に延在しているリブ、別個の歯状物、歯状リブ、鋸歯状物、鋸歯状リブ、狭間胸壁、狭間胸壁状リブ、曲面リブ、連続正弦波状リブ、不連続正弦波状リブ、S形状リブ、連続ジグザグ鋸歯様リブ、破断された不連続ジグザグ鋸歯様リブ、溝、チャネル、テクスチャ領域、エンボス、ディンプル、円柱、小型円柱、多孔質、非多孔質、交差リブ、小型リブ、交差小型リブ、およびこれらの組み合わせ;のいずれか1つであってよい。
【0160】
選択の例示的なセパレータにおいて、いずれかの正極リブおよび/または負極リブセットが破断リブであってよく、当該リブは、セパレータのエッジ内に含有される別個の終点を有し、いずれか他のリブと断絶されている。破断リブは、電池における酸混合を、特に電池の動作の際に、向上させる角度配向によって画定されている破断リブであり得、セパレータが、その中に配置されて、電池の開始および停止運動に平行に位置付けられている。角度配向は、セパレータのMDに対して画定されていてよく、ゼロ度(0°)超180度(180°)未満、または180度(180°)超360度(360°)未満の間の角度であってよい。リブの角度配向は、複数のリブにわたって変動し得る。ある特定の選択の実施形態において、例示的なセパレータは、複数のリブセットを有していてよく、各リブセットが、他のリブセットと比較して異なるまたは同じ角度配向を有する。他の例示的なセパレータにおいて、正および/または負極リブは、ゼロ度(0°)~360度(360°)の間である角度配向を有していてよい。
【0161】
選択の実施形態において、正極リブは、およそ50μm~およそ2.0mmのリブ高さを有していてよい。さらに、正極リブの少なくとも一部は、およそ300μm~およそ750μmの底幅を有していてよい。いくつかの例示的な実施形態において、正極リブの少なくとも一部は、およそ400μm~およそ500μmの第2底幅を有していてよい。正極リブおよび/または負極リブの少なくとも一部が、互いに実質的に直線および実質的に平行であると、これらは、およそ50μm~およそ20mmの間隔長を有していてよい。
【0162】
ある特定の例示的な実施形態において、負極リブは、正極リブの高さと比較して、およそ5.0%以下~およそ100%以上であってよい。例えば、電池セパレータは、およそ5.0μm~およそ2.0mmの高さ範囲を有する負極リブを有していてよい。例示的な負極リブは、およそ5μm~およそ500μmの底幅を有していてよい。
【0163】
選択の例示的な実施形態において、本発明の態様として、以下:ポリマー、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、超高分子量ポリエチレン(「UHMWPE」)、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ゴム、合成木材パルプ(「SWP」)、リグニン、ガラス繊維、合成繊維、セルロース繊維、ゴム、およびこれらの組み合わせ;のうちのいずれかまたはそれより多くを含んでいてよい組成物を有するセパレータまたは多孔質膜を提供する。
【0164】
本発明の改良点は、ゴムが、以下:架橋ゴム、非架橋ゴム、硬化ゴム、非硬化ゴム、天然ゴム、ラテックス、合成ゴム、およびこれらの組み合わせ;のうちのいずれか1以上であってよいということを提供する。本発明の別の改良点は、ゴムが、以下:メチルゴム、ポリブタジエン、1以上のクロロプレンゴム、ブチルゴム、ブロモブチルゴム、ポリウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ポリスルフィドゴム、クロロスルホニルポリエチレン、ポリノルボルネンゴム、アクリレートゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、コポリマーゴム、およびこれらの組み合わせ;のうちのいずれか1以上であってよいということを提供する。さらに、コポリマーゴムは、以下:スチレン/ブタジエンゴム、アクリロニト
リル/ブタジエンゴム、エチレン/プロピレンゴム(EPMおよびEPDM)、エチレン/酢酸ビニルゴム、およびこれらの組み合わせ;のうちのいずれか1以上であってよい。
【0165】
選択の実施形態において、ゴムは、およそ1重量%~およそ6重量%、好ましくは、およそ3重量%、好ましくは、およそ6重量%、より好ましくは、3、およそ3重量%~およそ6重量%である量で存在していてよい。ゴムは、セパレータの他の基材と混合されていても、セパレータまたは多孔質膜の1以上の表面の少なくとも一部にコーティングされていてもよい。コーティングされているとき、ゴムは、液体スラリーとして適用されて乾燥されてよい。
【0166】
本発明の例示的な実施形態は、以下:シリカ、乾燥微粉シリカ;沈降シリカ;アモルファスシリカ;アルミナ;タルク;魚粉、魚骨粉、およびこれらの組み合わせ;のうちのいずれか1以上であってよい充填剤を保有し得る。さらに、シリカは、およそ21:100~35:100、およそ23:100~およそ31:100、およそ25:100~およそ29:100、代替的には少なくともおよそ27:100以上の範囲内にあってよい、29Si-NMRによって測定されるOH:Si基の分子比を有していてよい。
【0167】
本発明の例示的な充填剤は、高い構造形態を有する例示的な充填剤を提供し得る。本発明の改良点は、以下:5μm以下の平均粒径を有すること;少なくとも100m2/gの
表面積を有すること;少なくとも150ml/100mgの油吸収率を有すること;およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1つによって特徴付けられる例示的な充填剤を提供し得る。
【0168】
セパレータまたは多孔質膜は、およそ2.0:1.0~およそ4.0:1.0、例えば、およそ2.0:1.0;代替的には、およそ2.6:1.0;また、代替的には、およそ3.5:1.0などの充填剤対ポリマー(充填剤:ポリマー)重量比;および、およそ2.0:1.0~およそ3.0:1.0、例えば、2.6:1.0の、重量基準での充填剤対組み合わせの充填剤およびゴム(充填剤:ポリマーおよびゴム)を有していてよい。
【0169】
例示的な多孔質膜は、およそ100μm~およそ400μm、好ましくは、およそ100μm~およそ250μm、好ましくは、およそ100μm~およそ200μm、好ましくは、およそ100μm~およそ150μm、最も好ましくは、およそ100μm~およそ100μmのバックウェブ厚さを有し得る。
【0170】
本開示による例示的なセパレータは、およそ100μm~およそ1.0mm、好ましくは、およそ100μm~およそ850μm、好ましくは、およそ100μm~およそ650μm、好ましくは、およそ100μm~およそ450μm、好ましくは、およそ100μm~およそ250μm、最も好ましくは、およそ100μm~およそ150μmの全体厚さを保有し得る。
【0171】
本発明の別の態様は、以下:界面活性剤、湿潤剤、着色料、帯電防止添加剤、アンチモン抑制添加剤、UV-保護添加剤、酸化防止剤、およびこれらの組み合わせ;のうちの1以上であってよい少なくとも1つの性能向上添加剤を提供し得る。改良点は、例示的な界面活性剤が、以下:非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、およびこれらの組み合わせ;のうちの1以上であるということを提供する。さらに、例示的な性能向上添加剤は、リチウムイオン、アルミニウムイオン、または両方を保有していてよい。
【0172】
例示的な実施形態は、少なくともおよそ0.5g/m2~およそ6g/m2、代替的には、およそ0.5g/m2~およそ3g/m2の量で界面活性剤を提供し得る。性能向上添加
剤は、例えば、多孔質膜もしくはセパレータの少なくとも一部にコーティングされていても、多孔質膜もしくはセパレータの少なくとも一部内に含浸されていても、多孔質膜の押出の前にポリマーおよび充填剤と混合されてもよい。
【0173】
本発明の別の態様は、例えば、加工油、石油、パラフィン系鉱物油、鉱物油、およびこれらの組み合わせであってよい加工用可塑剤を含む多孔質膜またはセパレータを提供する。可塑剤は、典型的には、多孔質膜の押出の前に、ポリマー、充填剤、および任意選択的に性能向上添加剤の混合体に添加される。押出後、可塑剤の部分は公知の手段によって抽出されてよい。
【0174】
いくつかの選択の実施形態において、セパレータは、何らかの様式でセパレータに付着もしくは接着されても、これに隣接して簡単に配置されてもよい繊維状マットをさらに備えている。当該マットは、以下:ガラス繊維、合成繊維、シリカ、少なくとも1つの性能向上添加剤、ラテックス、天然ゴム、合成ゴム、またはこれらの組み合わせ;のうちのいずれか1以上から構成されていてよい。また、当該マットは、不織布、織物、フリース、ネット、またはこれらの組み合わせであってよい。
【0175】
例示的なセパレータは、従来のセパレータと比較して向上した性能パラメータ、例えば、より低い電気抵抗(「ER」)を示し得る。例えば、ERは、およそ65mΩ・cm2
以下、好ましくは、およそ50mΩ・cm2以下、最も好ましくは、およそ35mΩ・c
m2以下であってよい。
【0176】
例示的なセパレータは、セパレータの正極側および負極側の一方または両方に導電層を備えていてよい。また、セパレータは、およそ200%以上の、40時間における酸化抵抗を有していてよい。さらに、セパレータは、種々の形状および/または構成を取り得る。例えば、例示的なセパレータは、以下:切断片、ポケット、スリーブ、ラップ、エンベロープ、ハイブリッドエンベロープ、S-織物セパレータ:のうちのいずれか1つであってよく、または、側部折り畳みを含む。
【0177】
本発明の実施形態はまた、本明細書において実質的に記載されているセパレータを使用した電池も提供する。例えば、電池は、鉛酸電池、例えば、平板電池、液式鉛酸電池、高性能液式鉛酸電池(「EFB」)、ディープサイクル電池、ゲル電池、吸収性ガラスマット(「AGM」)電池、管状電池、インバータ電池、車両用電池、始動照明点火(「SLI」)車用電池、アイドリングストップ(「ISS」)車用電池、自動車用電池、トラック用電池、単車用電池、全地形対応車用電池、フォークリフト電池、ゴルフカート電池、ハイブリッド電気自動車用電池、電気自動車用電池、電気人力車用電池、電動自転車用電池、連続電力供給(「UPS」)電池、または太陽もしくは風力もしくは他の再生可能なエネルギー蓄積システム電池であってよい。例示的な電池は、およそ1%~およそ99%の間、場合により、およそ1%~およそ50%、加えて、およそ50%~およそ99%の可能性がある放電深度を有する充電部分状態で使用されてよい。電池は、運転中、静止中、エネルギー蓄積システム用途において;再生可能なエネルギー蓄積システム用途において;連続電力供給用途において;エネルギー貯蔵システム用途において、バックアップ電源用途において、サイクリング用途において、およびこれらの組み合わせにおいて利用され得る。
【0178】
他の実施形態は、本明細書において実質的に記載されている電池を含むシステムを含み得る。かかるシステムには、エネルギー蓄積システム;再生可能なエネルギー蓄積システム;連続電力供給;エネルギー貯蔵システム、バックアップ電源システム、およびこれらの組み合わせが含まれ得る。かかるシステムは、車両、例えば、自動車、トラック、単車、全地形対応車、フォークリフト、ゴルフカート、ハイブリッド自動車、ハイブリッド電
気自動車用電池、電気自動車、アイドリングストップ(「ISS」)車、水容器、電気人力車用電池、電気三輪車および電動自転車用電池をさらに含み得る。
【0179】
添付されている特許請求の範囲の組成物および方法は、特許請求の範囲のいくつかの態様の説明として意図されている、本明細書に記載されている具体的な組成物および方法によって範囲が限定されず、機能的に等価である任意の組成物および方法は、特許請求の範囲内にあることが意図される。組成物および方法の種々の変更は、本明細書に示され記載されているものに加えて、添付されている特許請求の範囲内にあることが意図される。さらに、本明細書に開示されているある特定の代表的な組成物および方法工程のみを具体的に記載しているが、当該組成物および方法工程の他の組み合わせもまた、具体的に列挙されていなくても、添付されている特許請求の範囲内にあることが意図される。そのため、工程、要素、構成要素、または構成成分の組み合わせは、本明細書またはそれ以下に明確に言及されてよいが、工程、要素、構成要素、および構成成分の他の組み合わせも、明確に記述されていなくても含まれる。用語「含む(comprising)」およびその変形は、本明細書において使用されているとき、用語「含む(including)」およびその変形と同義で使用され、オープンな非限定用語である。用語「含む(comprising)」および「含む(including)」は、種々の実施形態を説明するために本明細書において使用されているが、用語「から本質的になる」および「からなる」は、本発明のより具体的な実施形態を提供するために「含む(comprising)」および「含む(including)」の代わりに使用されてよく、これらもまた開示される。例におけるものの他に、または別途記述されている場合、成分、反応条件、ならびに明細書および特許請求の範囲において使用されているものなどを表す全ての数字は、特許請求の範囲の均等論を限定する企図としてではなく、最低限で理解されるべきであり、有効桁数および通常の四捨五入のアプローチを鑑みて解釈されるべきである。
【0180】
少なくとも選択の実施形態によると、本明細書に開示されているまたは提供されている態様または目的は、新規または改良されたセパレータ、電池セパレータ、高性能液式電池セパレータ、電池、セル、ならびに/または、かかるセパレータ、電池セパレータ、高性能液式電池セパレータ、セル、および/もしくは電池の製造および/もしくは使用の方法である。少なくともある特定の実施形態によると、本開示または発明は、高性能液式電池用の新規または改良された電池セパレータを対象とする。また、低減されたER、改良された穿刺強度、改良されたセパレータCMD穿剛性、改良された酸化抵抗、低減されたセパレータ厚さ、低減された基本重量、ならびにこれらの任意の組み合わせを有する方法、システム、および電池セパレータが本明細書に開示されている。少なくとも特定の実施形態によると、本開示または発明は、高性能液式電池用の改良されたセパレータであって、低減されたER、改良された穿刺強度、改良されたセパレータCMD穿剛性、改良された酸化抵抗、低減されたセパレータ厚さ、低減された基本重量、またはこれらの任意の組み合わせを有する、上記セパレータを対象とする。少なくともある特定の実施形態によると、低減されたER、改良された穿刺強度、改良されたセパレータCMD穿剛性、改良された酸化抵抗、低減されたセパレータ厚さ、低減された基本重量、ならびにこれらの任意の組み合わせを含むまたは示すセパレータが提供される。少なくともある特定の実施形態によると、平板電池、管状電池、車両用SLI用の電池用途、および、HEV ISS用途、ディープサイクル用途、ゴルフカーまたはゴルフカートおよび電気人力車用電池、充電部分状態(「PSOC」)で動作する電池、インバータ電池;ならびに、再生可能なエネルギー源のための蓄電池、ならびにこれらの任意の組み合わせにおけるセパレータが提供される。
【0181】
本発明は、その精神および本質的な特質から逸脱することなく、他の形態で具現化されてよく、したがって、本発明の範囲を示すとして、上記の明細書よりもむしろ、添付されている特許請求の範囲が参照されるべきである。開示されている方法およびシステムを実
施するために使用され得る構成要素が開示されている。これらおよび他の構成要素は本明細書に開示されており、これらの構成要素の組み合わせ、サブセット、相互作用、群などは、これらのそれぞれ種々の個々および集合的組み合わせの具体的参照が明確には開示されていない場合があるが、それぞれが、全ての方法およびシステムについて本明細書に具体的に企図および記載されていることが理解される。このことは、限定されないが、開示されている方法における工程を含めた、この用途の全ての態様に適用される。そのため、実施され得る種々のさらなる工程が存在する場合、これらのさらなる工程は、それぞれ、開示されている方法のいずれの具体的な実施形態または実施形態の組み合わせによって実施されてもよいことが理解される。
【0182】
構造および方法の上記に書かれている詳細な説明は、説明のみの目的で提示されている。例は、最良の形態を含めた例示的な実施形態を開示するために、また、当業者が、任意のデバイスまたはシステムを作製および使用すること、任意の組み込まれた方法を実施することを含めて本発明を実施することを可能にするためにも使用される。これらの例は、排他的であること、または本発明を開示されている正確な工程および/もしくは形態に限定することは意図されておらず、また、多くの変更および変形が上記の教示に鑑みて可能である。本明細書に記載されている特徴は、いずれの組み合わせで組み合わされてもよい。本明細書に記載されている方法の工程は、物理的に可能であるいずれのシークエンスで実施されてもよい。本発明の特許可能な範囲は、添付されている特許請求の範囲によって定義されており、当業者が思い付く他の例を含んでいてよい。かかる他の例は、特許請求の範囲の逐語的言語と異ならない構造的要素を有するとき、または特許請求の範囲の逐語的言語と非実質的相違を有する等価の構造的要素を含むとき、特許請求の範囲内にあることが意図される。
【0183】
添付されている特許請求の範囲の組成物および方法は、特許請求の範囲のいくつかの態様の説明として意図されている、本明細書に記載されている具体的な組成物および方法によって範囲が限定されない。機能的に等価である任意の組成物および方法は、特許請求の範囲内にあることが意図される。組成物および方法の種々の変更は、本明細書に示され記載されているものに加えて、添付されている特許請求の範囲内にあることが意図される。さらに、本明細書に開示されているある特定の代表的な組成物および方法工程のみを具体的に記載しているが、当該組成物および方法工程の他の組み合わせもまた、具体的に列挙されていなくても、添付されている特許請求の範囲内にあることが意図される。そのため、工程、要素、構成要素、または構成成分の組み合わせは、本明細書またはそれ以下に明確に言及されてよいが、工程、要素、構成要素、および構成成分の他の組み合わせも、明確に記述されていなくても含まれる。
【0184】
明細書および添付されている特許請求の範囲において使用されているとき、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈が別途明らかに指示しない限り、複数の指示対象を含む。範囲は、「約」もしくは「およそ」1つの特定の値から、および/または「約」もしくは「およそ」別の特定の値までとして本明細書において表され得る。かかる範囲が表されているとき、別の実施形態は、当該1つの特定の値から、および/または当該他の特定の値までを含む。同様に、値が先行詞「約」を使用して近似値として表されているとき、かかる特定の値は、別の実施形態を形成することが理解されよう。範囲のそれぞれの終点は、他の終点と関係して、および他の終点から独立しての両方において有意であることがさらに理解されよう。「任意選択的な」または「任意選択的に」は、続いて記載されている事象または状況が起こっても起こらなくてもよいこと、および、当該記載が、上記事象または状況が起こる場合および起こらない場合を含むことを意味する。
【0185】
この明細書の詳細な説明および特許請求の範囲を通して、語「含む(comprise
)」および当該語の変形、例えば、「含む(comprising)」および「含む(comprises)」は、「含むが限定されない」を意味し、例えば、他の添加剤、構成要素、整数、または工程を排除することを意図していない。用語「から本質的になる(consisting essentially of)」および「からなる(consisting of)」は、本発明のより具体的な実施形態を提供するために「含む(comprising)」および「含む(including)」の代わりに使用されてよく、これらもまた開示される。「例示的な」または「例えば(for example)」は、「の例」を意味し、好ましいまたは理想的な実施形態の示唆を伝えることは意図していない。同様に、「例えば(such as)」は、制限的な意味ではなく、説明的または例示的な目的で使用される。
【0186】
記述されている場合以外に、幾何学形状、寸法、ならびに明細書および特許請求の範囲において使用されているものなどを表す全ての数字は、特許請求の範囲の均等論を限定する企図としてではなく、最低限で理解されるべきであり、有効桁数および通常の四捨五入のアプローチを鑑みて解釈されるべきである。
【0187】
別途定義されない限り、本明細書において使用されている全ての技術的および科学的用語は、開示されている発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書において列挙されている公開公報、およびこれらが列挙している材料は、参照により具体的に組み込まれる。
【0188】
加えて、本明細書に例示的に開示されている本発明は、本明細書に具体的に開示されていないいずれの要素の非存在下でも実用され得る。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質膜を備える電池セパレータであって、0.060g/m2以下の量のナトリウムを含む電池セパレータ。
【請求項2】
ナトリウムが0.020~0.060g/m2の量で存在する、請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項3】
前記多孔質膜が、充填された多孔質膜であるか、
前記多孔質膜が、シリカを充填された多孔質膜であるか、
前記多孔質膜が、固体リブ、別個の破断リブ、連続リブ、不連続リブ、不連続ピーク、不連続突起、角度付きリブ、傾斜リブ、線状リブ、前記多孔質膜の縦方向に長手方向に延在しているリブ、前記多孔質膜の幅方向に側方に延在しているリブ、前記セパレータの幅方向に横方向に延在しているリブ、別個の歯状物、歯状リブ、鋸歯状物、鋸歯状リブ、狭間胸壁、狭間胸壁状リブ、曲面リブ、連続正弦波状リブ、不連続正弦波状リブ、S形状リブ、連続ジグザグ鋸歯様リブ、破断された不連続ジグザグ鋸歯様リブ、溝、チャネル、テクスチャ領域、エンボス、ディンプル、円柱、小型円柱、多孔質、非多孔質、交差リブ、小型リブ、交差小型リブ、およびこれらの組み合わせからなる群から、1つまたは複数選択されるリブを含むか、
前記多孔質膜が、その一方の面から垂直に延在するリブと、そのもう一方の面から水平に延在するリブとを含むか、または、
前記多孔質膜が、1質量%~50質量%のゴムおよび/もしくはラテックスを含む、
請求項1に記載の電池セパレータ。
【請求項4】
正極側および負極側の一方または両方に導電層を備える電池セパレータ。
【請求項5】
前記導電層が、接着剤、熱溶融、塗装を含む手段によって前記電池セパレータ上に設けられるか、
前記導電層が、鉛、金、アンチモン、ヒ素、亜鉛、バリウム、ベリリウム、リチウム、マグネシウム、ニッケル、アルミニウム、銀、スズ、およびこれらの組み合わせ合金、もしくは炭素繊維、黒鉛、カーボンナノチューブ、バックミンスターフラーレン(もしくはバッキーボール)、もしくはこれらの組み合わせを含むか、
前記導電層が、ストリップ、スクリーン、箔、糸、ワイヤ、もしくはコーティングを含むいずれかの形態であるか、または、
前記電池セパレータが、スリーブ、ラップ、エンベロープ、ハイブリッドエンベロープ、S-織物セパレータ、もしくは側部折り畳みを備えるセパレータのいずれかである、
請求項4に記載の電池セパレータ。
【請求項6】
正極と、
前記正極に隣接する負極と、
少なくとも一部が前記正極と前記負極との間に配置された、請求項1~5のいずれか1項に記載のセパレータと、
前記正極の少なくとも一部、前記負極の少なくとも一部、および前記セパレータの少なくとも一部を浸漬している電解質と、
を含む、充電部分状態で作動する鉛酸電池。
【請求項7】
50%~99%の間の放電深度で作動するか、または1%~50%の間の放電深度で作動する、請求項6に記載の鉛酸電池。
【請求項8】
前記正極、前記負極、および前記セパレータのうちの少なくとも1つに隣接するマットをさらに含む鉛酸電池であって、
前記マットが、ガラス繊維、合成繊維、シリカ、少なくとも1つの性能向上添加剤、ラテックス、天然ゴム、合成ゴム、およびこれらの組み合わせからなる群のうちの1つを選択的に含むか、または、
前記マットが、不織布、織物、メッシュ、フリース、ネット、およびこれらの組み合わせからなる群のうちの1つを選択的に含む、
請求項6に記載の鉛酸電池。
【請求項9】
前記電池が、
運転中、静止中、エネルギー蓄積システム用途において、
再生可能なエネルギー蓄積システム用途において、
連続電力供給用途において、
エネルギー貯蔵システム用途において、バックアップ電源用途において、サイクリング用途において、およびこれらの組み合わせからなる群のうちの1つにおいて作動するか、または、
前記電池が、平板電池、液式鉛酸電池、高性能液式鉛酸電池(「EFB」)、ディープサイクル電池、ゲル電池、吸収性ガラスマット(「AGM」)電池、管状電池、インバータ電池、車両用電池、始動照明点火(「SLI」)車用電池、アイドリングストップ(「ISS」)車用電池、自動車用電池、トラック用電池、単車用電池、全地形対応車用電池、フォークリフト電池、ゴルフカート電池、ハイブリッド電気自動車用電池、電気自動車用電池、水容器用電池、電気三輪車用電池、電気人力車用電池、および電動自転車用電池からなる群から選択される、
請求項6に記載の鉛酸電池。
【請求項10】
正極と、
前記正極に隣接する負極と、
少なくとも一部が前記正極と前記負極との間に配置された、請求項4または5に記載の電池セパレータと、
前記正極の少なくとも一部、前記負極の少なくとも一部、および前記セパレータの少なくとも一部を浸漬している電解質と、
を含む、充電部分状態で作動する鉛酸電池。
【請求項11】
前記電池が、
運転中、静止中、エネルギー蓄積システム用途において、
再生可能なエネルギー蓄積システム用途において、
連続電力供給用途において、
エネルギー貯蔵システム用途において、バックアップ電源用途において、サイクリング用途において、およびこれらの組み合わせからなる群の1つにおいて作動する、
請求項10に記載の鉛酸電池。
【請求項12】
前記電池が、平板電池、液式鉛酸電池、高性能液式鉛酸電池(「EFB」)、ディープサイクル電池、ゲル電池、吸収性ガラスマット(「AGM」)電池、管状電池、インバータ電池、車両用電池、始動照明点火(「SLI」)車用電池、アイドリングストップ(「ISS」)車用電池、自動車用電池、トラック用電池、単車用電池、全地形対応車用電池、フォークリフト電池、ゴルフカート電池、ハイブリッド電気自動車用電池、電気自動車用電池、水容器用電池、電気三輪車用電池、電気人力車用電池、および電動自転車用電池からなる群から選択される、
請求項10に記載の鉛酸電池。