(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110076
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 9/00 20060101AFI20230801BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20230801BHJP
H04W 48/18 20090101ALI20230801BHJP
H04W 48/16 20090101ALI20230801BHJP
【FI】
H04M9/00 H
H04W88/06
H04W48/18 113
H04W48/16 134
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094978
(22)【出願日】2023-06-08
(62)【分割の表示】P 2019126282の分割
【原出願日】2019-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】冠野 欣也
(72)【発明者】
【氏名】早川 武
(57)【要約】
【課題】携帯情報端末が存在する状況に適した通信を実行する技術を提供する。
【解決手段】携帯情報端末500の第2通信方式通信部542は、携帯情報端末500が第1領域の内あるいは外に存在するかを判定する。制御部550は、携帯情報端末500が第1領域の内に存在すると判定した場合、第1領域と少なくとも一部と重複する第2領域に設けられたシステムに関する第1情報を取得すれば、システムから第1情報に続く第2情報を取得する。制御部550は、携帯情報端末500が第1領域の外に存在すると判定した場合、第1情報を取得すれば、第1情報に関する情報を報知する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置の制御方法であって、
本端末装置が第1領域の内あるいは外に存在するかを判定するステップと、
本端末装置が前記第1領域の内に存在すると判定した場合、前記第1領域と少なくとも一部と重複する第2領域に設けられたシステムに関する第1情報を取得すれば、前記システムから前記第1情報に続く第2情報を取得するステップと、
本端末装置が前記第1領域の外に存在すると判定した場合、前記第1情報を取得すれば、前記第1情報に関する情報を報知するステップと、
を備える制御方法。
【請求項2】
前記第1情報は、第1通信方式により取得され、
前記第2情報は、前記第1通信方式とは異なる第2通信方式であって、かつ前記第1領域の内において使用可能な第2通信方式により取得される、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記判定するステップは、前記第2通信方式を使用可能である場合、本端末装置が前記第1領域の内に存在すると判定する、
請求項2に記載の制御方法。
【請求項4】
前記第1情報は、前記システムにおける呼出に応じて前記第2情報を取得可能にするアプリケーションを起動させるための起動要求である請求項1から3のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項5】
前記第1情報に関する情報は、前記呼出があった旨に関する情報を含み、
前記第2情報は、前記呼出に応じた音声情報である請求項4に記載の制御方法。
【請求項6】
前記第1情報は、前記第2領域の状態についての情報を含む請求項1から5のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信技術に関し、特に通信の転送を制御する制御方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターホンシステムにおいて、来訪者による玄関子機からの呼出に対して居住者が居室親機で応答すると、玄関子機と居室親機とが通話状態になる。居住者が居室親機の近くにいない場合であっても居住者による応答を可能にするために、居室親機は、玄関子機からの呼出を受信すると、携帯情報端末を呼び出す(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯情報端末が複数種類の通信方式に対応する場合、携帯情報端末が存在する状況に適した通信の実行が望まれる。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、携帯情報端末が存在する状況に適した通信を実行する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の制御方法は、端末装置の制御方法であって、本端末装置が第1領域の内あるいは外に存在するかを判定するステップと、本端末装置が第1領域の内に存在すると判定した場合、第1領域と少なくとも一部と重複する第2領域に設けられたシステムに関する第1情報を取得すれば、システムから第1情報に続く第2情報を取得するステップと、本端末装置が第1領域の外に存在すると判定した場合、第1情報を取得すれば、第1情報に関する情報を報知するステップと、を備える。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、携帯情報端末が存在する状況に適した通信を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1(a)-(c)は、実施例1に係る通信システムの構成を示す図である。
【
図2】
図1(a)-(c)の玄関子機、居室親機、通信装置の構成を示す図である。
【
図3】
図1(a)-(c)の携帯情報端末の構成を示す図である。
【
図4】
図3のモニタに表示される画面を示す図である。
【
図5】
図2の通信装置による通信手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図6(a)-(b)は、実施例2に係る通信システムの構成を示す図である。
【
図7】実施例2に係るモニタに表示される画面を示す図である。
【
図8】実施例2に係る携帯情報端末による通信手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施例1)
本開示を具体的に説明する前に、概要を述べる。実施例1は、集合住宅、戸建住宅等の施設に設置されたインターホンシステムにおける玄関子機から居室親機への呼出要求に応じて、玄関子機と携帯情報端末との通信を実行させる通信システムに関する。携帯情報端末は、例えば、LTE(Long Term Evolution)等の携帯電話システム(以下、「第1通信方式」という)に対応するとともに、無線LAN(Local Area Network)(以下、「第2通信方式」という)に対応する。ここでは、第1通信方式は施設の内でも外でも使用可能であるが、第2通信方式は施設内において使用可能であり、施設外において使用不可能であることを想定する。
【0011】
玄関子機と携帯情報端末との通信では、音声が伝送されるとともに、映像が伝送されることもあるので、通信帯域および通信料金を考慮すると、施設内において第2通信方式を使用し、施設外において第1通信方式を使用することが好ましい。一方、玄関子機からの呼出がなされてから、玄関子機と携帯情報端末との通信が開始されるまでの期間は短い方が好ましい。これらに対応するために、本実施例に係る通信システムは、玄関子機からの呼出がなされてから、玄関子機と携帯情報端末との接続がなされるまでの処理に第1通信方式を使用する。また、玄関子機と携帯情報端末とが接続されてから、携帯情報端末が施設内に存在すれば第2通信方式が使用され、携帯情報端末が施設外に存在すれば第1通信方式が使用される。
【0012】
図1(a)-(c)は、通信システム1000の構成を示す。通信システム1000は、インターホンシステム10、ルータ400、アクセスポイント410、ネットワーク420、起動サーバ430、基地局装置440、SIP(Session Initiation Protocol)サーバ450、携帯情報端末500を含む。インターホンシステム10は、玄関子機100、居室親機200、通信装置300を含む。ここでは、居室親機200と通信装置300が別の装置として示されるが、居室親機200が通信装置300を含むことによって、これらは一体化されてもよい。また、インターホンシステム10において、通信装置300は任意の構成であり、通信装置300を含むものをインターホンシステム10としてもよいし、通信装置300を含まないものをインターホンシステム10としてもよい。インターホンシステム10、ルータ400、アクセスポイント410は、施設20に設置され、ネットワーク420、起動サーバ430、基地局装置440、SIPサーバ450は、施設20の外部に設置される。施設20は、例えば戸建て住宅、マンション等の集合住宅、オフィスや工場等の建物である。
【0013】
玄関子機100は、施設20の入口の外側に設置されたインターホンである。玄関子機100は、例えば、戸建住宅の玄関先(住宅の外側)に設置される。また、玄関子機100は、集合住宅におけるロビーインターホンあるいはドアホン子機であってもよい。玄関子機100に備えられた呼出ボタンは、来訪者が来訪した際に押し下げられる。玄関子機100は、有線あるいは無線の専用回線によって居室親機200に接続される。
【0014】
居室親機200は、施設20内に設置される。居室親機200は、専用回線経由で玄関子機100を接続するとともに、通信装置300を接続する。玄関子機100からの呼出に応じて、居住者等のユーザが居室親機200の応答ボタンを押し下げると、玄関子機100と居室親機200との間において来訪者とユーザの会話が可能になる。本実施例におけるユーザは、玄関子機100からの呼出に応答するために、携帯情報端末500も使用可能である。
【0015】
携帯情報端末500は、例えば、スマートフォン、タブレット端末であり、ユーザに携帯されて施設20の内外を移動可能である。また、携帯情報端末500は、第1通信方式と第2通信方式に対応する無線通信機能を有する。第1通信方式は、例えば、携帯電話システム、無線MAN(Metropolitan Area Network)であり、第2通信方式は、例えば、無線LANである。さらに、携帯情報端末500は、インターホンシステム10における呼出に応答するためのアプリケーションプログラム(以下、「呼出アプリケーション」という)を実行可能である。
【0016】
携帯情報端末500と玄関子機100との通信を可能にするために、居室親機200には通信装置300が接続され、通信装置300にはルータ400が接続される。通信装置300は、居室親機200側の通信インタフェースと、ルータ400側の通信インタフェースとの間の変換を実行する。ルータ400は、施設20内のアクセスポイント410を接続するとともに、施設20外のネットワーク420も接続する。アクセスポイント410は、第2通信方式による通信を実行することによって、施設20内において携帯情報端末500と通信可能な無線装置である。ここで、アクセスポイント410との間で第2通信方式による通信が可能な領域を第1領域と呼ぶ場合、インターホンシステム10が設置される施設20は第2領域と呼ばれる。本実施例において第1領域と第2領域とは一致しているとするが、これらは少なくとも一部が重複していればよい。
【0017】
ネットワーク420は、有線あるいは無線あるいはそれらの組合せにより形成されており、例えば、インターネットである。ネットワーク420には、起動サーバ430、基地局装置440、SIPサーバ450が接続される。起動サーバ430は、携帯情報端末500におけるアプリケーション、例えば、呼出アプリケーションを外部から起動させるためのサーバである。起動サーバ430は、例えばAPNS(Apple Push Notification Service)あるいはFCM(Firebase Cloud Messaging)の機能を有する。基地局装置440は、第1通信方式による通信を実行することによって、施設20の内外において携帯情報端末500と通信可能な無線装置である。SIPサーバ450は、居室親機200と携帯情報端末500との間でセッションを確立したり、あるいは切断したりするサーバである。
【0018】
以下では、
図1(a)-(c)に加えて、
図2、
図3を使用しながら、通信システム1000の構成および動作を説明する。ここでは、(1)インターホンシステム10の基本動作、(2)居室親機200と携帯情報端末500との接続動作、(3)玄関子機100と施設20内の携帯情報端末500との通信動作、(4)玄関子機100と施設20外の携帯情報端末500との通信動作の順に説明する。
【0019】
(1)インターホンシステム10の基本動作
図2は、玄関子機100、居室親機200、通信装置300の構成を示す。玄関子機100は、処理部110、操作部130、通信部140を含み、処理部110は、撮像部112、マイク114、スピーカ116、モニタ118、IF部120を含む。居室親機200は、処理部210、操作部230、通信部240、制御部250を含み、処理部210は、マイク214、スピーカ216、モニタ218、IF部220を含む。通信装置300は、第1通信部340、第2通信部342、制御部350、記憶部360を含む。居室親機200が通信装置300を含むことによってこれらが一体化されている場合、通信部240と第1通信部340は共通であってもよく、制御部250と制御部350も共通であってもよい。玄関子機100が例えばドアホン子機の場合、撮像部112およびモニタ118の少なくとも一方を備えていないものであってもよい。例えば、モニタ118を備えず、撮像部112を備えるものであってもよい。
【0020】
玄関子機100の操作部130は、来訪者の操作を受けつけるためのユーザインタフェースであり、例えば呼出ボタンである。操作部130が来訪者によって押し下げられると、操作部130は、呼出要求を通信部140に出力する。また、操作部130が来訪者によって押し下げられると、処理部110が動作する。
【0021】
撮像部112は、来訪者を撮影するためのものであり、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の固体撮像素子を備える。当該固体撮像素子は光電変換した映像信号をIF部120に出力する。IF部120は、撮像部112からの映像信号に対して種々の信号処理を実行する。種々の信号処理には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。IF部120は、信号処理を実行した映像信号(以下、これもまた「映像信号」という)を通信部140に出力する。
【0022】
マイク114とスピーカ116は、来訪者が居住者と通話するためのユーザインタフェースである。マイク114は来訪者の声を集音し、電気信号に変換してIF部120に出力する。スピーカ116は、IF部120からの電気信号を再生して音声出力する。IF部120は、マイク114からの電気信号を受けつけ、これを伝送するための形式の信号(以下、「音声信号」という)に変換する。IF部120は、音声信号を通信部140に出力する。一方、IF部120は、通信部140から音声信号を入力し、音声信号を電気信号に変換する。IF部120は、電気信号をスピーカ116に出力する。
【0023】
モニタ118は、メッセージ等を表示する。なお、メッセージは、LED(Light Emitting Diode)等で表示されてもよい。例えば、予めメッセージ毎にLED等の発光部が配置されており、いずれかが点灯することによって、メッセージが伝えられる。IF部120は、通信部140からメッセージ信号を入力し、メッセージ信号をモニタ118に出力する。なお、メッセージ信号は、玄関子機100において生成されてもよい。通信部140は、専用回線による通信機能を有し、居室親機200との間の通信を実行する。具体的に説明すると、通信部140は、前述の呼出要求、映像信号、音声信号、メッセージ信号を居室親機200との間で送受信するが、送受信される信号はこれらに限定されない。
【0024】
居室親機200の通信部240は、専用回線による通信機能を有し、玄関子機100の通信部140との間の通信を実行する。また、通信部240は、通信装置300の第1通信部340との間の通信も実行する。そのため、通信部240は、玄関子機100と通信装置300との間の通信を中継可能である。通信部240には制御部250が接続され、制御部250は居室親機200の動作を制御する。制御部250にはIF部220、操作部230が接続され、IF部220にはマイク214、スピーカ216、モニタ218が接続される。ここで、マイク214、スピーカ216、IF部220、操作部230は、マイク114、スピーカ116、IF部120、操作部130と同様に構成される。モニタ218は、玄関子機100の撮像部112において撮像された映像を表示する。
【0025】
制御部250は、通信部240を介して玄関子機100からの呼出要求、映像信号、音声信号を受けつける。制御部250は、呼出要求を受けつけると、IF部220を介してスピーカ216から呼出音を出力させる。これに続いて、制御部250は、IF部220を介してモニタ218に、映像信号を再生した映像を表示させるとともに、IF部220を介してスピーカ216から、音声信号を再生した音声を出力させる。呼出音を聞いたユーザが操作部230を操作することによって呼出に応答した場合、制御部250は、通信部240に対して、玄関子機100との間の通信を実行させる。その結果、通信部140と通信部240との間で、映像信号、音声信号が通信されることによって、玄関子機100を操作する来訪者と、居室親機200を操作するユーザとの間の通話が実行される。
【0026】
(2)居室親機200と携帯情報端末500との接続動作
これまでの説明において、ユーザは居室親機200を操作して、玄関子機100からの呼出に応答している。一方、ユーザは携帯情報端末500を操作して、玄関子機100からの呼出に応答することも可能である。玄関子機100を第1端末装置と呼ぶ場合、携帯情報端末500は第2端末装置と呼ばれる。玄関子機100と携帯情報端末500との通信を実行するために、通信装置300は、居室親機200と携帯情報端末500との接続処理を実行する。居室親機200の制御部250は、通信部240を介して玄関子機100からの呼出要求、映像信号、音声信号を受けつけると、通信部240を介して通信装置300に呼出要求を送信させる。
【0027】
通信装置300の第1通信部340は、居室親機200の通信部240と通信可能である。第1通信部340は、呼出要求を通信部240から受信する。これは、玄関子機100からの呼出要求を受信することに相当する。第1通信部340は制御部350に接続されており、制御部350には第2通信部342も接続される。第2通信部342は
図1(a)のルータ400と通信可能であるとともに、ルータ400を介して、アクセスポイント410、ネットワーク420とも通信可能である。
【0028】
制御部350は、通信装置300の動作を制御するとともに、第1通信部340と第2通信部342との間において信号のフォーマットを変換する。制御部350は、第1通信部340から呼出要求を受けつけると、携帯情報端末500において実行される呼出アプリケーションの起動を要求するための信号(以下、「起動要求」という)を生成する。起動要求には、通信装置300を識別するための識別情報が含まれるとともに、呼出アプリケーションを識別するための識別情報が含まれる。また、起動要求の宛先は、起動サーバ430に設定される。ここで、識別情報、宛先とされる起動サーバ430の情報は、記憶部360に記憶される。制御部350は、起動要求を第2通信部342に出力し、第2通信部342は、制御部350から受けつけた起動要求を送信する。
【0029】
起動要求は、
図1(a)の経路P1に沿って、ルータ400、ネットワーク420を経由して起動サーバ430に送られる。起動サーバ430は、通信装置300からの起動要求を受信する。起動サーバ430は、PUSHサーバの機能(以下、「第1機能」という)を有するとともに、APNSあるいはFCMの機能(以下、「第2機能」という)を有する。起動サーバ430は、機能毎に別のサーバとして構成されてもよいし、1つのサーバとして構成されてもよい。
【0030】
起動サーバ430は、第1機能として、通信装置300の識別情報と携帯情報端末500の識別情報との対応関係が示されたテーブルを有する。これは、施設20に設置された通信装置300と、呼出の転送対象となる携帯情報端末500との対応関係が示されたテーブルといえる。テーブルでは、1つの通信装置300の識別情報に対して、複数の携帯情報端末500の識別情報が対応づけられてもよい。起動サーバ430は、起動要求から、通信装置300の識別情報を抽出し、テーブルを参照することによって、通信装置300の識別情報に対応づけられた携帯情報端末500の識別情報を取得する。
【0031】
起動サーバ430は、第2機能として、起動要求から、呼出アプリケーションの識別情報を抽出する。起動サーバ430は、第1機能において取得した識別情報の携帯情報端末500における呼出アプリケーションを起動させるための信号(以下、これもまた「起動要求」という)を送信する。起動要求は、インターホンシステム10における呼出に応じて呼出アプリケーションを起動させるための信号であり、起動要求には、呼出アプリケーションの識別情報が含まれる。起動要求は、
図1(a)の経路P2に沿って、ネットワーク420、基地局装置440を介して携帯情報端末500に送られる。
【0032】
図3は、携帯情報端末500の構成を示す。携帯情報端末500は、処理部510、第1通信方式通信部540、第2通信方式通信部542、制御部550、記憶部560を含み、処理部510は、マイク514、スピーカ516、モニタ518、IF部520、操作部530を含む。第1通信方式通信部540は、第1通信方式による通信を実行し、
図1(a)の基地局装置440と通信可能である。第2通信方式通信部542は、第2通信方式による通信を実行し、
図1(a)のアクセスポイント410と通信可能である。第1通信方式通信部540と第2通信方式通信部542には制御部550が接続され、制御部550は携帯情報端末500の動作を制御する。制御部550にはIF部520と記憶部560が接続され、IF部520にはマイク514、スピーカ516、モニタ518、操作部530が接続される。ここで、マイク514、スピーカ516、IF部520は、マイク114、スピーカ116、IF部120と同様に構成される。モニタ518と操作部530は、例えば、タッチパネルディスプレイとして一体的に構成されてもよい。
【0033】
第1通信方式通信部540は、第1通信方式により起動サーバ430からの起動要求を受信する。制御部550は、第1通信方式通信部540から起動要求を受けつけると、起動要求に含まれた呼出アプリケーションの識別情報を抽出する。制御部550は、呼出アプリケーションの識別情報をもとに、記憶部560に記憶された呼出アプリケーションを起動させる。制御部550において実行される呼出アプリケーションは、携帯情報端末500をSIPサーバ450に登録させるための信号(以下、「登録信号」という)を第1通信方式通信部540から送信させる。登録信号には、携帯情報端末500の識別情報と、携帯情報端末500のアドレスとが含まれる。アドレスの一例はIP(Internet Protocol)アドレスである。登録信号は、
図1(a)の経路P3に沿って、基地局装置440、ネットワーク420を介してSIPサーバ450に送られる。
【0034】
図1(a)のSIPサーバ450は、携帯情報端末500からの登録信号を受信する。SIPサーバ450は、登録信号をもとに、起動サーバ430により呼出アプリケーションが起動された携帯情報端末500を登録する。その際、SIPサーバ450は、例えば、登録信号に含まれた携帯情報端末500の識別情報と携帯情報端末500のアドレスとの組合せを記憶する。
【0035】
図2の通信装置300の制御部350は、携帯情報端末500を呼び出すための信号(以下、「呼出信号」という)を生成する。呼出信号には、携帯情報端末500の識別情報が含まれる。また、呼出信号の宛先は、SIPサーバ450に設定される。制御部350は、呼出信号を第2通信部342に出力し、第2通信部342は、制御部350から受けつけた呼出信号を送信する。呼出信号は、
図1(a)の経路P4に沿って、ルータ400、ネットワーク420を介してSIPサーバ450に送られる。
【0036】
図1(a)のSIPサーバ450は、通信装置300からの呼出信号を受信する。SIPサーバ450は、受信した呼出信号から携帯情報端末500の識別情報を抽出する。SIPサーバ450は、記憶した組合せから、抽出した携帯情報端末500の識別情報に対応した携帯情報端末500のアドレスを取得する。SIPサーバ450は、取得したアドレスを宛先として、呼出信号を携帯情報端末500に転送する。呼出信号には、通信装置300の識別情報、通信装置300のアドレスが含まれる。呼出信号は、
図1(a)の経路P5に沿ってネットワーク420、基地局装置440を介して携帯情報端末500に送られる。
【0037】
図3の携帯情報端末500の第1通信方式通信部540は、SIPサーバ450からの呼出信号を受信する。制御部550は、第1通信方式通信部540から呼出信号を受けつけると、呼出信号に含まれた通信装置300の識別情報、通信装置300のアドレスを抽出する。制御部550において実行される呼出アプリケーションは、通信装置300からの呼出をユーザに知らせるための画面を生成し、画面をモニタ518に表示させる。
【0038】
図4は、モニタ518に表示される画面を示す。表示領域600には、例えば、「呼出がありました」のような呼出を知らせるためのメッセージが表示される。また、表示領域600の下方には、通話ボタン610と終了ボタン620が示される。通話ボタン610は、通話を開始する場合にユーザが選択すべきボタンであり、終了ボタン620は、通話を開始しない場合あるいは通話を終了する場合にユーザが選択すべきボタンである。
図3に戻る。ユーザが通話ボタン610あるいは終了ボタン620に触れることによって、操作部530は、ユーザからの指示を受けつける。具体的に説明すると、操作部530は、通話ボタン610が触れられた場合に呼出に対する応答の指示を受けつけ、終了ボタン620が触れられた場合に呼出に対する応答拒否の指示を受けつける。操作部530は、受けつけた指示を制御部550に出力する。
【0039】
制御部550は、応答の指示を受けつけた場合、応答信号を生成する。応答信号の宛先は、SIPサーバ450に設定される。制御部550は応答信号を第1通信方式通信部540に出力し、第1通信方式通信部540は応答信号を送信する。応答信号は、
図1(a)の経路P6に沿って基地局装置440、ネットワーク420を介してSIPサーバ450に送られる。
図1(a)のSIPサーバ450は、携帯情報端末500からの応答信号を受信すると、応答信号を通信装置300に送信する。その際、応答信号には携帯情報端末500のアドレスが含まれる。応答信号は、
図1(a)の経路P7に沿ってネットワーク420、ルータ400を介して通信装置300に送られる。
【0040】
図2の通信装置300の第2通信部342は、SIPサーバ450からの応答信号を受信する。第2通信部342は、応答信号を制御部350に出力する。制御部350は、第2通信部342から応答信号を受けつけると、応答信号から携帯情報端末500のアドレスを抽出する。その結果、通信装置300と携帯情報端末500は互いのアドレスを取得するので、制御部350は、携帯情報端末500との接続が完了したと判定する。制御部350は、携帯情報端末500との接続完了を知らせるための通知(以下、「完了通知」という)を第1通信部340から居室親機200に送信させる。
【0041】
居室親機200の通信部240は、通信装置300からの完了通知を受信する。通信部240は、完了通知を制御部250に出力する。制御部250は、通信部240からの完了通知を受けつけると、通信装置300による居室親機200と携帯情報端末500との接続完了を認識する。制御部250は、接続完了を認識した後、通信部240に対して、玄関子機100からの映像信号、音声信号を通信装置300へ送信させるとともに、通信装置300からの音声信号を玄関子機100へ送信させる。つまり、制御部250は、通信部240に対して、玄関子機100と通信装置300との間の中継処理を実行させる。
【0042】
(3)玄関子機100と施設20内の携帯情報端末500との通信動作
図1(b)において携帯情報端末500が施設20に存在する場合、アクセスポイント410は、第2通信方式により携帯情報端末500と接続している。その際、携帯情報端末500では、
図3の第2通信方式通信部542が使用される。アクセスポイント410は、接続している携帯情報端末500の情報を保持する。
【0043】
図2の通信装置300の制御部350は、第2通信部342を介して、
図1(b)のアクセスポイント410に対して、接続している装置の情報の送信を要求する。アクセスポイント410は、ルータ400を介して通信装置300に、接続している装置の情報を送信する。
図2の通信装置300の制御部350は、第2通信部342を介して、アクセスポイント410に接続している装置の情報を受けつける。この処理は、通信装置300と携帯情報端末500との接続が完了した場合になされてもよいし、通信装置300と携帯情報端末500との接続完了に関係なくなされてもよい。
【0044】
制御部350は、受けつけた情報に携帯情報端末500が含まれている場合、第2通信方式による携帯情報端末500との通信が可能であると判定するとともに、受けつけた情報から、携帯情報端末500の第2通信方式を使用する際のアドレスを取得する。これに続いて、制御部350は、第2通信部342と携帯情報端末500との間で、ルータ400、アクセスポイント410を経由する経路を設定する。つまり、制御部350は、玄関子機100と携帯情報端末500との通信に第2通信方式を使用させる。
【0045】
図1(b)のように、玄関子機100からの音声信号、映像信号は、経路P8に沿って、居室親機200、通信装置300、ルータ400、アクセスポイント410を介して携帯情報端末500に送られる。また、携帯情報端末500からの音声信号は、経路P8に沿って、アクセスポイント410、ルータ400、通信装置300、居室親機200を介して玄関子機100に送られる。その結果、玄関子機100を操作する来訪者と、携帯情報端末500を操作するユーザとの第2通信方式を使用した通信が可能になる。その際、
図4に示される表示領域600には、来訪者の映像が表示されてもよい。
【0046】
(4)玄関子機100と施設20外の携帯情報端末500との通信動作
図1(c)において携帯情報端末500が施設20に存在しない場合、アクセスポイント410は、第2通信方式により携帯情報端末500と接続していない。アクセスポイント410は、接続していない携帯情報端末500の情報を保持しない。
図2の通信装置300の制御部350は、前述のごとく、第2通信部342を介して、
図1(b)のアクセスポイント410に接続している装置の情報を受けつける。制御部350は、受けつけた情報に携帯情報端末500が含まれていない場合、第2通信方式による携帯情報端末500との通信が不可能であると判定する。これに続いて、制御部350は、第2通信部342と携帯情報端末500との間で、ルータ400、ネットワーク420、基地局装置440を経由する経路を設定する。つまり、制御部350は、玄関子機100と携帯情報端末500との通信に第1通信方式を使用させる。
【0047】
図1(c)のように、玄関子機100からの音声信号、映像信号は、経路P8’に沿って、居室親機200、通信装置300、ルータ400、ネットワーク420、基地局装置440を介して携帯情報端末500に送られる。また、携帯情報端末500からの音声信号は、経路P8’に沿って、基地局装置440、ネットワーク420、ルータ400、通信装置300、居室親機200を介して玄関子機100に送られる。その結果、玄関子機100を操作する来訪者と、携帯情報端末500を操作するユーザとの第1通信方式を使用した通信が可能になる。
【0048】
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0049】
以上の構成による通信システム1000の動作を説明する。
図5は、通信装置300による通信手順を示すフローチャートである。第2通信部342は、第1通信方式により携帯情報端末500からの応答信号をSIPサーバ450経由で受信する(S10)。アクセスポイント410を介して第2通信方式による携帯情報端末500との通信が可能である場合(S12のY)、制御部350は第2通信方式を使用した玄関子機100と携帯情報端末500との通信を実行させる(S14)。アクセスポイント410を介して第2通信方式による携帯情報端末500との通信が可能でない場合(S12のN)、制御部350は第1通信方式を使用した玄関子機100と携帯情報端末500との通信を実行させる(S16)。
【0050】
本開示の実施例によれば、呼出信号に対する応答信号を第1通信方式により受信するので、第1通信方式だけを使用して応答信号の受信までの処理を実行できる。また、第1通信方式だけを使用して応答信号の受信までの処理が実行されるので、応答信号の受信までの期間を短くできる。また、第2通信方式による通信が可能であれば、玄関子機100と携帯情報端末500との通信に第2通信方式を使用させるので、第2通信方式を優先的に使用して通信を実行できる。また、第2通信方式を優先的に使用して通信が実行されるので、携帯情報端末500が存在する状況に適した通信を実行できる。
【0051】
また、第2通信方式による通信が不可能であれば、玄関子機100と携帯情報端末500との通信に第1通信方式を使用させるので、第2通信方式が使用不可能でも通信を実行できる。また、第1通信方式を使用して通信が実行されるので、携帯情報端末500が存在する状況に適した通信を実行できるまた、起動サーバ430を使用して携帯情報端末500の呼出アプリケーションを起動させるとともに、SIPサーバ450経由で携帯情報端末500との間で呼出信号と応答信号を送受信するので、携帯情報端末500との接続を実行できる。
【0052】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の通信システム(1000)は、第1端末装置からの呼出要求を受信する第1通信部(340)と、第1通信部(340)において呼出要求を受信すると、呼出信号を送信する第2通信部(342)と、第2通信部(342)から送信した呼出信号に対して、第2端末装置からの応答信号を第1通信方式により第2通信部(342)が受信した場合、第1通信方式とは異なった第2通信方式による第2端末装置との通信が可能であれば、第1端末装置と第2端末装置との通信に第2通信方式を使用させる制御部(350)とを備える。制御部(350)は、第2端末装置からの応答信号を第1通信方式により第2通信部(342)が受信した場合、第2通信方式による第2端末装置との通信が不可能であれば、第1端末装置と第2端末装置との通信に第1通信方式を使用させる。
【0053】
第2通信部(342)は、第1通信部(340)において呼出要求を受信すると、第2端末装置におけるアプリケーションを起動させる起動サーバ(430)に起動要求を送信するとともに、起動サーバ(430)によりアプリケーションが起動された第2端末装置がアドレスを登録するSIP(Session Initiation Protocol)サーバ(450)経由で第2端末装置に呼出信号を送信し、第2通信部(342)は、呼出信号を受信した第2端末装置からの応答信号をSIPサーバ(450)経由で受信してもよい。
【0054】
第1端末装置は、インターホンシステム(10)の玄関子機(100)であり、第2端末装置は、移動可能な携帯情報端末(500)であってもよい。
【0055】
(実施例2)
次に、実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と同様に、施設に設置されたインターホンシステム10における玄関子機100から居室親機200への呼出要求に応じて、玄関子機100と携帯情報端末500との通信を実行させる通信システム1000に関する。実施例1では、第1通信方式を使用して居室親機200と携帯情報端末500を接続してから、施設20内であれば第2通信方式が使用され、施設20外であれば第1通信方式が使用される。その際、第2通信方式を使用可能であるか否かは通信装置300において判定される。一方、実施例2では、第2通信方式を使用可能であるか否かは携帯情報端末500において判定される。実施例2に係る玄関子機100、居室親機200、通信装置300、携帯情報端末500の構成は
図2、
図3と同様のタイプである。ここではこれまでとの差異を中心に説明する。
【0056】
図6(a)-(b)は、通信システム1000の構成を示す。ここでは、(1)携帯情報端末500における呼出アプリケーションの起動、(2)玄関子機100と施設20内の携帯情報端末500との通信動作、(3)施設20外の携帯情報端末500の動作の順に説明する。
【0057】
(1)携帯情報端末500における呼出アプリケーションの起動
実施例1と同様に、
図2の居室親機200の制御部250は、通信部240を介して玄関子機100からの呼出要求、映像信号、音声信号を受けつけると、通信部240を介して通信装置300に呼出要求を送信させる。これに応じて、通信部240は、玄関子機100からの呼出要求を通信装置300に転送する。通信装置300の第1通信部340は、呼出要求を通信部240から受信する。制御部350は、第1通信部340から呼出要求を受けつけると起動要求を第2通信部342に出力し、第2通信部342は、制御部350から受けつけた起動要求を送信する。
【0058】
起動要求は、
図6(a)の経路P1に沿って、ルータ400、ネットワーク420を経由して起動サーバ430に送られる。起動サーバ430は、通信装置300からの起動要求を受信する。起動サーバ430は、起動要求をもとに、宛先となる携帯情報端末500を特定する。起動サーバ430は、特定した携帯情報端末500に起動要求を送信する。起動要求は、
図6(a)の経路P2に沿って、ネットワーク420、基地局装置440を介して携帯情報端末500に送られる。
【0059】
図3の携帯情報端末500の第1通信方式通信部540は、起動サーバ430からの起動要求を受信する。制御部550は、第1通信方式通信部540から起動要求を受けつけると、呼出アプリケーションの識別情報をもとに、記憶部560に記憶された呼出アプリケーションを起動させる。
【0060】
(2)玄関子機100と施設20内の携帯情報端末500との通信動作
図3の携帯情報端末500の第2通信方式通信部542は、
図6(b)のアクセスポイント410に接続可能であるか否かを判定する。例えば、第2通信方式通信部542は、アクセスポイント410に設定されたSSID(Service Set Identifier)の信号を受信していれば、アクセスポイント410に接続可能であると判定する。一方、第2通信方式通信部542は、アクセスポイント410に設定されたSSIDの信号を受信していなければ、アクセスポイント410に接続可能でないと判定する。このような判定は定期的になされる。第2通信方式通信部542は判定結果を制御部550に出力する。ここで、アクセスポイント410と通信可能である場合、つまり第2通信方式を使用可能である場合は、携帯情報端末500が施設20の内に存在することに相当する。
【0061】
制御部550において実行される呼出アプリケーションは、第2通信方式通信部542から受けつけた判定結果がアクセスポイント410に接続可能を示している場合、登録信号を第1通信方式通信部540から送信させる。登録信号は、
図6(b)の経路P3に沿って、基地局装置440、ネットワーク420を介してSIPサーバ450に送られる。SIPサーバ450は、携帯情報端末500からの登録信号を受信すると、登録信号をもとに携帯情報端末500を登録する。
【0062】
図2の通信装置300の制御部350は、呼出信号を第2通信部342に出力し、第2通信部342は、制御部350から受けつけた呼出信号を送信する。呼出信号は、
図6(b)の経路P4に沿って、ルータ400、ネットワーク420を介してSIPサーバ450に送られる。
図1(a)のSIPサーバ450は、通信装置300からの呼出信号を受信する。SIPサーバ450は、呼出信号を携帯情報端末500に転送する。呼出信号は、
図6(b)の経路P5に沿ってネットワーク420、基地局装置440を介して携帯情報端末500に送られる。
【0063】
図3の携帯情報端末500の第1通信方式通信部540は、SIPサーバ450からの呼出信号を受信する。制御部550が第1通信方式通信部540から呼出信号を受けつけると、制御部550において実行される呼出アプリケーションは、通信装置300からの呼出をユーザに知らせるための画面を生成し、画面をモニタ518に表示させる。この画面は
図4と同様である。制御部550は、応答の指示を受けつけた場合、応答信号を第1通信方式通信部540に出力し、第1通信方式通信部540は応答信号を送信する。応答信号は、
図6(b)の経路P6に沿って基地局装置440、ネットワーク420を介してSIPサーバ450に送られる。
図6(b)のSIPサーバ450は、携帯情報端末500からの応答信号を受信すると、応答信号を通信装置300に送信する。応答信号は、
図6(b)の経路P7に沿ってネットワーク420、ルータ400を介して通信装置300に送られる。
【0064】
図2の通信装置300の第2通信部342は、SIPサーバ450からの応答信号を受信する。制御部350は、携帯情報端末500との接続が完了したと判定する。制御部350は、完了通知を第1通信部340から居室親機200に送信させる。居室親機200の通信部240は、通信装置300からの完了通知を受信する。制御部250は、通信部240からの完了通知を受けつけると、制御部250は、通信装置300による居室親機200と携帯情報端末500との接続完了を認識する。これにより、制御部250は、通信部240に対して、玄関子機100と通信装置300との間の中継処理を実行させる。
【0065】
通信装置300の制御部350は、第2通信部342と携帯情報端末500との間で、ルータ400、アクセスポイント410を経由する経路を設定する。つまり、制御部350は、玄関子機100と携帯情報端末500との通信に第2通信方式を使用させる。
図6(b)のように、玄関子機100からの音声信号、映像信号は、経路P8に沿って、居室親機200、通信装置300、ルータ400、アクセスポイント410を介して携帯情報端末500に送られる。また、携帯情報端末500からの音声信号は、経路P8に沿って、アクセスポイント410、ルータ400、通信装置300、居室親機200を介して玄関子機100に送られる。
【0066】
(3)施設20外の携帯情報端末500の動作
図3の携帯情報端末500の第2通信方式通信部542は、
図6(b)のアクセスポイント410に接続可能であるか否かを判定する。ここで、アクセスポイント410と通信不可能である場合、つまり第2通信方式を使用可能でない場合は、携帯情報端末500が施設20の外に存在することに相当する。制御部550において実行される呼出アプリケーションは、第2通信方式通信部542から受けつけた判定結果がアクセスポイント410に接続不可能を示している場合、起動要求に関する情報として、玄関子機100からの呼出があった旨に関する情報をユーザに知らせるための画面を生成し、画面をモニタ518に表示させる。
【0067】
図7は、モニタ518に表示される画面を示す。表示領域600には、例えば、「来客がありました」のような呼出があった旨に関するメッセージが表示される。一方、
図4の場合とは異なり、表示領域600の下方に通話ボタン610と終了ボタン620が示されない。
図3に戻る。制御部350は、画面をモニタ518に表示させると処理を終了する。ここで、ユーザが所定の契約を結んでいる場合、制御部350は、実施例1のように第1通信方式を使用して、居室親機200との接続を実行してもよい。その際、所定の契約を結んでいないユーザに対して、制御部350は、所定の契約を促すための画面を生成して、モニタ518に表示してもよい。
【0068】
以上の構成による通信システム1000の動作を説明する。
図8は、携帯情報端末500による通信手順を示すフローチャートである。第1通信方式通信部540が第1通信方式により起動要求を受信する(S100)と、制御部550は呼出アプリケーションを起動する(S102)。第2通信方式を使用可能であれば(S104のY)、制御部550において実行される呼出アプリケーションは、第2通信方式通信部542における第2通信方式を使用して玄関子機100との通信を実行する(S106)。第2通信方式を使用可能でなければ(S104のN)、制御部550において実行される呼出アプリケーションは、呼出があった旨のメッセージをモニタ518に表示する(S108)。
【0069】
本実施例によれば、施設20の内に存在すると判定した場合、インターホンシステム10に関する第1情報を取得すれば、インターホンシステム10から第1情報に続く第2情報を取得するので、施設20の内に存在すると第2情報を取得できる。また、施設20の内に存在すると第2情報が取得されるので、携帯情報端末500が存在する状況に適した通信を実行できる。また、第1領域の外に存在すると判定した場合、第1情報を取得すれば、第1情報に関する情報を報知するので、第2情報の取得を不要にできる。また、第2情報の取得が不要にされるので、携帯情報端末500が存在する状況に適した通信を実行できる。
【0070】
また、第1情報は、第1通信方式により取得され、第2情報は、第1通信方式とは異なる第2通信方式であって、かつ第1領域の内において使用可能な第2通信方式により取得されるので、2つの通信方式を切りかえて使用できる。また、第2通信方式を使用可能である場合、本携帯情報端末500が第1領域の内に存在すると判定するので、判定精度を向上できる。また、第1情報は起動要求であるので、呼出アプリケーションを起動させて、当該呼出アプリケーションを実行できる。また、第1情報に関する情報は、呼出があった旨に関する情報を含むので、呼出があったことをユーザに知らせることができる。また、第2情報は、呼出に応じた音声情報であるので、玄関子機100との間で通話を実行できる。
【0071】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示の別の態様は、制御方法である。この方法は、携帯情報端末(500)の制御方法であって、本携帯情報端末(500)が第1領域の内あるいは外に存在するかを判定するステップと、本携帯情報端末(500)が第1領域の内に存在すると判定した場合、第1領域と少なくとも一部と重複する第2領域に設けられたインターホンシステム(10)に関する第1情報を取得すれば、インターホンシステム(10)から第1情報に続く第2情報を取得するステップと、本携帯情報端末(500)が第1領域の外に存在すると判定した場合、第1情報を取得すれば、第1情報に関する情報を報知するステップと、を備える。
【0072】
第1情報は、第1通信方式により取得され、第2情報は、第1通信方式とは異なる第2通信方式であって、かつ第1領域の内において使用可能な第2通信方式により取得される。
【0073】
判定するステップは、第2通信方式を使用可能である場合、本携帯情報端末(500)が第1領域の内に存在すると判定する。
【0074】
第1情報は、インターホンシステム(10)における呼出に応じて第2情報を取得可能にするアプリケーションを起動させるための起動要求であってもよい。
【0075】
第1情報に関する情報は、呼出があった旨に関する情報を含んでもよい。第2情報は、呼出に応じた音声情報であってもよい。
【0076】
第1情報は、第2領域の状態についての情報を含んでもよい。
【0077】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0078】
本実施例1、2の任意の組合せも可能である。本変形例によれば、組合せによる効果を得ることができる。
【0079】
本実施例1、2において、通信システム1000は、インターホンシステム10を含む。しかしながらこれに限らず例えば、通信システム1000は、HEMS(Home Energy Management System)等の電力管理システムを含んでもよい。その際、インターホンシステム10における呼出要求の代わりに、電力管理システムにおける異常通知をもとに、携帯情報端末500に対する接続が実行される。ここで、インターホンシステム10と電力管理システムは管理システムとしてまとめられてもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
【0080】
本実施例1、2において、玄関子機100と携帯情報端末500との通信が開始する前に、携帯情報端末500に対して起動要求あるいは呼出信号が送信される。しかしながらこれに限らず例えば、施設20に設置されたセンサにより検知された状態についての情報であってもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
【符号の説明】
【0081】
10 インターホンシステム、 20 施設、 100 玄関子機(第1端末装置)、 110 処理部、 112 撮像部、 114 マイク、 116 スピーカ、 118 モニタ、 120 IF部、 130 操作部、 140 通信部、 200 居室親機、 210 処理部、 214 マイク、 216 スピーカ、 218 モニタ、 220 IF部、 230 操作部、 240 通信部、 250 制御部、 300 通信装置、 340 第1通信部、 342 第2通信部、 350 制御部、 360 記憶部、 400 ルータ、 410 アクセスポイント、 420 ネットワーク、 430 起動サーバ、 440 基地局装置、 450 SIPサーバ、 500 携帯情報端末(第2端末装置)、 510 処理部、 514 マイク、 516 スピーカ、 518 モニタ、 520 IF部、 530 操作部、 540 第1通信方式通信部、 542 第2通信方式通信部、 550 制御部、 560 記憶部、 1000 通信システム。