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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011008
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】クレーン操作システム
(51)【国際特許分類】
   B66C 13/00 20060101AFI20230113BHJP
【FI】
B66C13/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188224
(22)【出願日】2022-11-25
(62)【分割の表示】P 2018005087の分割
【原出願日】2018-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】中野 久彦
(57)【要約】
【課題】死角の地点であっても、正確かつ安全に物を置くことができるクレーン操作システムを提供する。
【解決手段】本実施形態によるクレーン操作システムは、荷物を吊り上げて移動させるクレーンの先端部に設置可能であり、該クレーンの先端部の位置を測定する測位装置を備えている。無人航空機は、測位装置で測定されたクレーンの先端部の位置に従って航行する。第1カメラは、無人航空機に設けられ、荷物の下方を撮像する。モニタは、第1カメラで撮像された画像を表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を吊り上げて移動させるクレーンの先端部の位置に従って航行する無人航空機と、
前記無人航空機に設けられ、前記荷物の下方を撮像する第1カメラと、
前記第1カメラで撮像された画像を表示するモニタと、
前記クレーンを制御するコントローラと、
前記コントローラから出力される操作信号を送信する送信器と、
前記操作信号と前記クレーンの動作との対応関係を格納する記憶部とを備え、
前記第1カメラは、前記無人航空機に設けられ、前記荷物の下方を撮像し、
前記モニタは、前記第1カメラで撮像された画像を表示し、
前記無人航空機は、前記操作信号に対応する前記クレーンの動作を前記対応関係から認識し、該クレーンの動作に基づいて前記クレーンの先端部の位置に従って航行し、前記クレーンの伸縮方向へ該クレーンの伸縮速度に合わせて移動する、クレーン操作システム。
【請求項2】
前記無人航空機は、前記クレーンの先端部の位置からほぼ等しい距離を維持しながら航行する、請求項1に記載のクレーン操作システム。
【請求項3】
前記クレーンの先端部に設置可能な第1センサであり、前記第1センサとその周辺に存在する物体との間の距離を測定するセンサと、
前記第1センサとその周辺に存在する物体との間の距離が閾値未満になったときに警告を発生するアラーム装置と、をさらに備えた請求項1または請求項2に記載のクレーン操作システム。
【請求項4】
前記クレーンに巻き取りまたは巻き戻し可能に架設されたケーブルと、
前記ケーブルに設けられたフックと、
前記フックに設けられた第2カメラと、をさらに備えた請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のクレーン操作システム。
【請求項5】
前記無人航空機に設置可能な第2センサであり、前記第2センサとその周辺に存在する物体との間の距離を測定する第2センサをさらに備え、
前記無人航空機は、前記第2センサとその周辺に存在する物体との間の距離が閾値未満になったときに、該距離が閾値以上となるように一旦逆方向に移動する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のクレーン操作システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、クレーン操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
クレーンを用いて物を吊り上げて移動させる際、オペレータはクレーンの操作室でクレーンの操作を行う。このため、オペレータからは見えない死角に物を移動させる場合、オペレータの他に、誘導者がオペレータからも死角からも見える位置で合図を送る必要がある。
【0003】
しかし、誘導者の合図があっても、オペレータ自身からは死角の地点を充分に把握することは困難である。この場合、オペレータは、視覚による空間認識ができないため、正確かつ安全に物を置くことが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-013890号公報
【特許文献2】特開2015-139158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
死角の地点であっても、正確かつ安全に物を置くことができるクレーン操作システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態によるクレーン操作システムは、荷物を吊り上げて移動させるクレーンの先端部に設置可能であり、該クレーンの先端部の位置を測定する測位装置を備えている。無人航空機は、測位装置で測定されたクレーンの先端部の位置に従って航行する。第1カメラは、無人航空機に設けられ、荷物の下方を撮像する。モニタは、第1カメラで撮像された画像を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態によるクレーン操作システム1の構成例を示す概念図。
図2】第1実施形態によるクレーン操作システム1の構成例を示すブロック図。
図3】第2実施形態によるクレーン操作システム1の構成例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態によるクレーン操作システム1の構成例を示す概念図である。図2は、第1実施形態によるクレーン操作システム1の構成例を示すブロック図である。
【0010】
クレーン操作システム1は、荷物を吊り上げて移動させるクレーン機構に取り付けられるシステムであり、例えば、クレーン車、クレーン船等に配置されたクレーン機構に取り付けることができる。図1および図2には、一例としてクレーン車100が示されている。
【0011】
クレーン車100は、クレーン110と、操作室120と、コントローラ125と、フック130と、ケーブル135とを備えている。クレーン110は、アーム状のジブを、伸縮、旋回、あるいは、傾斜移動(上下移動)可能となっている。フック130は、ケーブル135によってクレーン110の先端部E1から吊られており、荷物を取り付けることができる。フック130は、ケーブル135を巻取ったりあるいは巻戻したりすることによって、荷物を鉛直上方向または鉛直下方向へ移動させることができる。ケーブル135は、クレーン110の先端部E1に架設されており、リール(図示せず)に巻き取りまたは巻き戻しできるように設けられている。ケーブル135の巻き取りにより、フック130は上方へ移動し、ケーブル135の巻き戻しにより、フック130は下方へ移動する。コントローラ125は、クレーン110およびフック130を制御する。オペレータは、操作室120においてコントローラ125を操作することによって、クレーン110および/またはフック130の位置を移動させることができる。これにより、クレーン車100は、フック130に取り付けられた荷物を、クレーン110またはフック130の届く範囲において任意の位置に移動させることができる。
【0012】
クレーン操作システム1は、GPS受信機10と、ドローン20と、カメラ30と、モニタ40とを備えている。測位装置としてのGPS受信機10は、クレーン110の先端部E1に設置することができ、GPS衛星からの電波を受信して自己の位置を特定する。
GPS受信機10は、クレーン110の先端部E1に固定配置されているので、GPS受信機10の位置は、クレーン110の先端部E1の位置にほぼ等しい。即ち、GPS受信機10は、クレーン110の先端部E1の位置を測定していると言ってもよい。
【0013】
無人航空機としてのドローン20は、GPS受信機10で測定されたクレーン110の先端部E1の位置に従って航行する。例えば、図2に示すように、ドローン20は、GPS受信機10から或る方向D1に、或る距離DTだけ離れた状態を維持するように航行する。GPS受信機10に対するドローン20の相対的な方向D1およびGPS受信機10とドローン20との間の相対的な距離DTは、任意に設定可能である。オペレータは、クレーン110の動作を阻害せず、かつ、先端部E1の近傍を航行するように、GPS受信機10またはドローン20を予め設定する。例えば、ドローン20は、GPS受信機10の所定位置に対して略水平方向に、GPS受信機10から1~3メートルの距離だけ離れて航行するように設定されてもよい。これにより、ドローン20は、クレーン110が静止しているときには、先端部E1に対して所定方向D1に、先端部E1から所定距離DTだけ離れた位置に相対的に静止した状態で航行する。また、クレーン110が動作した場合でも、ドローン20は、先端部E1に対してほぼ同一の位置を維持しつつ、先端部E1の移動に追従して先端部E1の近傍を航行する。即ち、ドローン20は、クレーン110に対する相対位置がほぼ不変となるように設定される。勿論、クレーン110に対するドローン20の相対位置は、変化するように設定されてもよい。例えば、クレーン110の先端部E1の位置が高いほど、距離DTを大きくし、先端部E1の位置が低いほど、距離DTを小さくしてもよい。これにより、先端部E1の位置が高いときには、ドローン20がクレーン110に接触することを回避し、先端部E1の位置が低いときには、ドローン20は、荷物の置き場所に接近してカメラ30でその場所を詳細に撮像することができる。
【0014】
GPS受信機10またはドローン20の設定は、GPS受信機10またはドローン20を直接設定してもよい。あるいは、GPS受信機10またはドローン20の設定は、GPS受信機10および/またはドローン20と無線通信可能に接続されたリモートコントローラ50を用いて行ってもよい。この場合、オペレータは、操作室120に居ながらリモートコントローラ50を操作することによってGPS受信機10および/またはドローン20を遠隔で設定することができる。この設定の変更は、ドローン20の航行中であってもよい。例えば、クレーン110の操作中にGPS受信機10に対するドローン20の相対位置を変更したい場合に、オペレータは、リモートコントローラ50を用いてドローン20の相対位置を調整することができる。この場合、クレーン操作システム1は、リモートコントローラ50をさらに備える。
【0015】
カメラ(第1カメラ)30は、ドローン20に搭載されており、クレーン110で吊り上げられている荷物の下方を撮像するように配置される。クレーン110が荷物を下ろす際には、カメラ30は、荷物を下ろす場所を撮像することができる。ドローン20は先端部E1に対して所定方向に所定距離だけ離れて航行するので、カメラ30は、クレーン110の動作に合わせて移動する荷物の下方を、クレーン110の動作に追従して継続的に撮像する。
【0016】
カメラ30は、リモートコントローラ50と無線通信可能に接続されていてもよい。この場合、例えば、リモートコントローラ50は、カメラ30の撮像方向または焦点位置を調節してもよい。これにより、オペレータは、GPS受信機10に対するドローン20の相対位置を変更することなく、カメラ30による撮像位置や焦点を調節することができる。
【0017】
モニタ40は、クレーン車100の操作室120内に設けられ、カメラ30と無線通信可能に接続されている。モニタ40は、例えば、カメラ30とWiFiを介して接続されている。これにより、カメラ30で撮像された画像はモニタ40に表示され得る。モニタ40は、例えば、タッチパネル式ディスプレイであってもよい。モニタ40において、GPS受信機10に対するドローン20の位置を設定可能にしてもよい。モニタ40には、GPS受信機10に対するドローン20の相対位置を示してもよい。クレーン110のオペレータは、モニタ40の画像やドローン20の相対位置を参照することで、クレーン110で吊り上げられている荷物の下方の状態を確認しながら、クレーン110を操作することができる。
【0018】
従って、例えば、クレーン車100の近傍にある荷物300を、壁200の反対側へ移動させる場合、オペレータは、直接目視で確認しながら荷物を吊り上げた後、壁200の反対側へ移動させ、その荷物を下ろす。このとき、オペレータにとって壁200の反対側の領域は、死角領域Dとなっている。従って、オペレータは、操作室120から壁200の反対側を直接目視することができない。尚、壁200は、例えば、工事現場の周囲に設けられた遮音壁や防塵壁等でよい。
【0019】
しかし、本実施形態によるクレーン操作システム1では、ドローン20がクレーン110の先端部E1に追従して移動し、カメラ30が荷物300の下方を撮像する。即ち、カメラ30は、荷物300の下方の死角領域Dを撮像し、その画像をモニタ40に表示させる。オペレータは、荷物300の下方の死角領域Dを、操作室120に居ながらモニタ40で確認することができる。つまり、オペレータは、死角領域Dを直接目視することはできないものの、カメラ30およびモニタ40を介して死角領域Dを間接的に目視することができる。これにより、オペレータは、壁200の反対側の死角領域Dの所定の位置に、荷物300を正確かつ安全に移動させ置くことができる。その結果、誘導者をオペレータからも死角からも見える位置に配置する必要がない。これにより、人件費削減に繋がる。
【0020】
また、ドローン20は、GPS受信機10に対して所定方向D1に所定距離DTだけ離隔して自律的に航行する。従って、オペレータは、ドローン20をほとんど意識することなくクレーン110の操作に集中することができる。
【0021】
尚、GPS受信機10をフック130に配置して、フック130の位置に従ってドローン20を航行させてもよい。
【0022】
また、GPS受信機10がクレーン110の高さ位置を正確に検出することができない場合、クレーン110の先端部E1に高さセンサ65を設けてもよい。高さセンサ65は、ドローン20と無線通信可能に接続されており、クレーン110の先端部E1の高さを検出してドローン20に送信する。ドローン20は、高さセンサ65からの測定値に従って高さ方向に移動する。これにより、ドローン20は、クレーン110の先端部E1とほぼ等しい高さを維持しながら航行することができる。
【0023】
(変形例1)
変形例1によるクレーン操作システム1は、クレーン110の先端部E1に設置可能な近接センサ60と、操作室120内に設置可能なアラーム装置70とをさらに備えている。近接センサ60とアラーム装置70とは互いに無線通信可能に接続されている。
【0024】
近接センサ(第1センサ)60は、自己とその周辺に存在する物体との間の距離を測定する。近接センサ60は、例えば、磁気センサ、光学センサ、音響センサ等でよい。もし、近接センサ60と物体との間の距離が閾値未満になった場合には、近接センサ60は、その警告信号をアラーム装置70へ送信し、アラーム装置70が警告を発生する。アラーム装置70は、例えば、ランプやスピーカでよい。もし、近接センサ60と物体との間の距離が閾値未満になった場合には、アラーム装置70としてのランプが点灯し、あるいは、アラーム装置70としてのスピーカが警告音を発する。
【0025】
例えば、オペレータがクレーン110を操作しているときに、近接センサ60(先端部E1)と電線400との間の距離が閾値未満になった場合、近接センサ60が電線400を検出し、アラーム装置70が警告を発生させる。これにより、オペレータは、クレーン110の先端部E1が電線400に近付いたことを知ることができる。
【0026】
また、近接センサ60は、コントローラ125と接続され、近接センサ60と物体との間の距離が閾値未満になった場合に警告信号をコントローラ125にも送信する。コントローラ125は、近接センサ60から警告信号を受けたときに、クレーン110の先端部E1がそれ以上上方へ移動しないようにクレーン110の動作を制限する。例えば、オペレータがクレーン110を上方へ移動させようとしたり、延ばそうとしたときに、コントローラ125は、クレーン110にロックを掛ける。一方、オペレータがクレーン110を下方へ移動させようとしたり、縮めようとしたときには、クレーン110はその操作に従って動作する。近接センサ60と電線400との間の距離が閾値以上になった場合には、警告信号は解除される。これにより、オペレータは、クレーン110の先端部E1の上方にある電線等の物体を左程気にすること無く、クレーン110の操作に意識を集中することができる。
【0027】
アラーム装置70は、モニタ40に組み込んでもよい。この場合、モニタ40がアラーム装置としての機能も兼ね備える。
【0028】
(変形例2)
変形例2によるクレーン操作システム1は、クレーン110のフック130に設けられたカメラ(第2カメラ)80をさらに備えている。カメラ80は、カメラ30と同様に、モニタ40および/またはリモートコントローラ50と無線通信可能に接続されている。
カメラ80は、フック130から下方を撮像しており、その画像をモニタ40に表示させることができる。これにより、オペレータは、ドローン20から撮像した画像だけでなく、フック130から撮像した画像もモニタ40で確認しながらクレーン110を操作することができる。
【0029】
(変形例3)
変形例3によるクレーン操作システム1は、ドローン20に設けられた近接センサ(第2センサ)67をさらに備えている。近接センサ67は、自己とその周辺に存在する物体との間の距離を測定する。近接センサ67は、例えば、磁気センサ、光学センサ、音響センサ等でよい。ドローン20の周辺に障害物があった場合、ドローン20は、その障害物を避けながら航行する必要がある。従って、もし、近接センサ67と物体(障害物)との間の距離が閾値未満になった場合には、近接センサ67は、警告信号をドローン20のコントローラ(図示せず)へ送信する。ドローン20は、近接センサ67から警告信号を受けたときに、一旦逆方向に移動して警告信号を解除する。そして、ドローン20は、近接センサ67から警告信号を受けないように、物体との距離を閾値以上に維持しつつ、物体を迂回するように移動する。これにより、ドローン20は、障害物を回避しながら、クレーン110の先端部E1に追従することができる。
【0030】
(第2実施形態)
第1実施形態によるクレーン操作システム1では、ドローン20は、GPS受信機10および/または高さセンサ65からの信号に基づいて自律的に航行する。これに対し、第2実施形態によるクレーン操作システム1では、ドローン20は、コントローラ125によるクレーン110の操作信号に基づいて自律的に航行する。
【0031】
図3は、第2実施形態によるクレーン操作システム1の構成例を示すブロック図である。第2実施形態によるクレーン操作システム1は、コントローラ125からクレーン110の操作信号をドローン20へ送信する送信器90をさらに備えている。送信器90は、WiFi等を用いてドローン20と無線通信可能に接続されている。尚、第2実施形態では、GPS受信機10は設けられていなくてもよい。
【0032】
第2実施形態によるクレーン操作システム1では、ドローン20は、コントローラ125からクレーン110の操作信号を受け取り、その操作信号に基づいて航行する。例えば、オペレータは、コントローラ125を操作してクレーン110を伸縮させ、旋回させ、あるいは、傾斜させる。このとき、コントローラ125は、操作信号をクレーン110とともに、ドローン20にも送信する。
【0033】
ドローン20は、操作信号とクレーン110の動作との対応関係を示すテーブルを記憶部25に予め格納している。ドローン20は、操作信号を受けると、その操作信号に対応するクレーン110の動作を該テーブルから認識し、クレーン110の先端部E1に追従するように移動する。例えば、操作信号がクレーン110を或る速度で伸縮させることを示している場合、ドローン20は、クレーン110の伸縮方向へクレーン110の伸縮速度に合わせて移動する。尚、クレーン110の伸縮方向は、初期位置に対して、それまでの操作信号における旋回角度の累積、および、傾斜角度の累積から分かる。
【0034】
第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同様でよい。従って、第2実施形態によるクレーン操作システム1でも、ドローン20は、クレーン110の先端部E1の位置に追従して航行することができる。その結果、第2実施形態は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、変形例1~変形例3は、第2実施形態に組み合わせてもよい。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0036】
1 クレーン操作システム、10 GPS受信機、20 ドローン、30 カメラ、40
モニタ、50 リモートコントローラ、60 近接センサ、65 高さセンサ、67 近接センサ、70 アラーム装置、80 カメラ、90 送信器 100 クレーン車、110 クレーン、120 操作室、125 コントローラ、130 フック、135 ケーブル、10 GPS受信機
図1
図2
図3