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特開2023-1101発光装置及び照明装置、並びに発光装置の制御方法
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  • 特開-発光装置及び照明装置、並びに発光装置の制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001101
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】発光装置及び照明装置、並びに発光装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/20 20200101AFI20221222BHJP
   H05B 47/155 20200101ALI20221222BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20221222BHJP
   H05B 45/375 20200101ALI20221222BHJP
【FI】
H05B45/20
H05B47/155
H05B47/16
H05B45/375
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098269
(22)【出願日】2022-06-17
(31)【優先権主張番号】P 2021101882
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 力
(72)【発明者】
【氏名】堺 圭亮
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273QA07
3K273QA10
3K273RA13
3K273SA08
3K273SA09
3K273SA35
3K273SA45
3K273SA46
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA08
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA40
3K273TA49
3K273TA62
3K273UA17
3K273UA19
3K273UA22
3K273UA27
3K273UA28
(57)【要約】
【課題】所望の色温度を有する光を出射するようにユーザが選択可能な発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置1は、供給される第1電流の電流量に応じて、出射される第1波長を有する第1光の光量が変化する第1LED群11と、第1電流の電流量に対応する情報である電流量情報を記憶する記憶部53と、記憶部53に記憶された電流量情報が示す第1電流を、第1LED群に供給する通常照明動作を開始させる処理部55とを有し、処理部55は、所定の第1操作が行われた場合、第1電流を所定のパターンで変化させながら第1LED群11を発光させる選択照明動作を開始させ、処理部55は、選択照明動作中に、所定の第2操作が行われた場合、当該第2操作が行われたときの第1電流に対応する情報を電流量情報530として記憶部53に記憶する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される第1電流の電流量に応じて、出射される第1波長を有する第1光の光量が変化する第1LED群と、
前記第1電流の電流量に対応する情報である電流量情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記電流量情報が示す前記第1電流を、前記第1LED群に供給する通常照明動作を開始させる処理部と、を有し、
前記処理部は、所定の第1操作が行われた場合、前記第1電流を所定のパターンで変化させながら前記第1LED群を発光させる選択照明動作を開始させ、
前記処理部は、前記選択照明動作中に、所定の第2操作が行われた場合、当該第2操作が行われたときの前記第1電流に対応する情報を電流量情報として前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
供給される第2電流の電流量に応じて、出射される第2波長を有する第2光の光量が変化する第2LED群を更に有し、
前記電流量情報は、前記第1電流及び前記第2電流の電流量の比率に対応する情報である点灯比率情報を含み、
前記処理部は、所定の第1操作が行われた場合、前記第1電流及び前記第2電流を所定のパターンで変化させながら前記第1LED群及び前記第2LED群を発光させる選択照明動作を開始させ、
前記処理部は、前記選択照明動作中に、前記第2操作が行われた場合、前記第2操作が行われたときの前記第1電流及び前記第2電流に対応する情報を前記点灯比率情報として前記記憶部に記憶する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記電流量情報は、第1電流及び前記第2電流の合計の電流量に対応する情報である供給電流量情報を含み、
前記処理部は、所定の第1操作が行われた場合、前記第1電流及び前記第2電流を所定のパターンで変化させながら前記第1LED群を発光させる選択照明動作を開始させ、
前記処理部は、前記選択照明動作中に、前記第2操作が行われた場合、前記第2操作が行われたときの前記第1電流に対応する情報を前記供給電流量情報として前記記憶部に記憶する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
入力電圧が入力される入力端子を更に有し、
前記処理部は、前記入力端子に印加される入力電圧に基づいて、前記第1操作及び前記第2操作が行われたか否かの判定を行う、請求項2又は3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記選択照明動作では、前記所定のパターンで前記比率を変化させる動作が、所定の周期毎に繰り返される、請求項2又は3に記載の発光装置。
【請求項6】
供給される第3電流の電流量に応じて、出射される第3波長を有する第3光の光量が変化する第3LED群を更に有し、
前記選択照明動作において、前記比率は、前記第1光、前記第2光及び前記第3光を混色した出射光の色度が黒体軌跡上を遷移するように変化する、請求項2に記載の発光装置。
【請求項7】
前記選択照明動作において、前記比率は、前記第1光、前記第2光及び前記第3光を混色した出射光の色度が黒体軌跡を挟んで遷移するように変化する、請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記選択照明動作において、前記比率は、前記第1光、前記第2光及び前記第3光を混色した出射光の色度が、色度図上において、前記第1光、前記第2光及び前記第3光の座標を結線した三角形の相似形上を遷移するように変化する、請求項6に記載の発光装置。
【請求項9】
商用電源から交流電圧が入力され、入力された交流電圧を整流して直流電圧を生成する電源装置と、
前記電源装置から直流電圧が入力電圧として入力され、光を出射する発光装置と、を有し、前記発光装置は、
供給される第1電流の電流量に応じて、出射される第1波長を有する第1光の光量が変化する第1LED群と、
前記第1電流の電流量に対応する情報である電流量情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記電流量情報が示す前記第1電流を、前記第1LED群に供給する通常照明動作を開始させる処理部と、を有し、
前記処理部は、所定の第1操作が行われた場合、前記第1電流を所定のパターンで変化させながら前記第1LED群を発光させる選択照明動作を開始させ、
前記処理部は、前記選択照明動作中に、所定の第2操作が行われた場合、当該第2操作が行われたときの前記第1電流に対応する情報を電流量情報として前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項10】
供給される第1電流の電流量に応じて、出射される第1波長を有する第1光の光量が変化する第1LED群と、
前記第1電流の電流量に対応する情報である電流量情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記電流量情報が示す前記第1電流を、前記第1LED群に供給する通常照明動作を開始させる処理部と、を有し、
前記処理部は、
前記処理部は、所定の第1操作が行われた場合、前記第1電流を所定のパターンで変化させながら前記第1LED群を発光させる選択照明動作を開始させ、
前記処理部は、前記選択照明動作中に、所定の第2操作が行われた場合、当該第2操作が行われたときの前記第1電流に対応する情報を電流量情報として前記記憶部に記憶する、
処理を実行する、ことを特徴とする発光装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置及び照明装置、並びに発光装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電源スイッチを瞬時にオンオフされる一時停止制御を所定の回数に亘って繰り返すことによって、所定時間以上のオフ期間を経て電源スイッチがオンになったときに、オフ直前の輝度及び色温度で点灯する照明装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載される照明装置は、一時停止制御に従って、第1LED群及び第2LED群の一方のLED群を点灯させて他方のLED群を消灯させることで、異なる色温度を有する2種類の光を出射することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015―79766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される照明装置は、波長が異なる第1LED群及び第2LED群の一方のLED群のみを点灯させることで異なる色温度を有する2種類の光を出射できるが、所望の特性を有する光を出射するようにユーザが選択することは容易ではない。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するものであり、所望の特性を有する光を出射するようにユーザが選択可能な発光装置及び照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る発光装置は、供給される第1電流の電流量に応じて、出射される第1波長を有する第1光の光量が変化する第1LED群と、第1電流の電流量に対応する情報である電流量情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された電流量情報が示す第1電流を、第1LED群に供給する通常照明動作を開始させる処理部と、を有し、処理部は、所定の第1操作が行われた場合、第1電流を所定のパターンで変化させながら第1LED群を発光させる選択照明動作を開始させ、処理部は、選択照明動作中に、所定の第2操作が行われた場合、当該第2操作が行われたときの第1電流に対応する情報を電流量情報として記憶部に記憶する。
【0007】
また、本発明に係る発光装置は、供給される第2電流の電流量に応じて、出射される第2波長を有する第2光の光量が変化する第2LED群を更に有し、電流量情報は、第1電流及び第2電流の電流量の比率に対応する情報である点灯比率情報を含み、処理部は、所定の第1操作が行われた場合、第1電流及び第2電流を所定のパターンで変化させながら第1LED群及び第2LED群を発光させる選択照明動作を開始させ、処理部は、選択照明動作中に、第2操作が行われた場合、第2操作が行われたときの第1電流及び第2電流に対応する情報を点灯比率情報として記憶部に記憶することが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る発光装置では、電流量情報は、第1電流及び第2電流の合計の電流量に対応する情報である供給電流量情報を含み、処理部は、所定の第1操作が行われた場合、第1電流及び第2電流を所定のパターンで変化させながら第1LED群を発光させる選択照明動作を開始させ、処理部は、選択照明動作中に、第2操作が行われた場合、第2操作が行われたときの第1電流に対応する情報を供給電流量情報として記憶部に記憶することが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る発光装置は、入力電圧が入力される入力端子を更に有し、処理部は、入力端子に印加される入力電圧に基づいて、第1操作及び第2操作が行われたか否かの判定を行うことが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る発光装置は、選択照明動作では、所定のパターンで比率を変化させる動作が、所定の周期毎に繰り返されることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る発光装置は、供給される第3電流の電流量に応じて、出射される第3波長を有する第3光の光量が変化する第3LED群を更に有し、選択照明動作において、比率は、第1光、第2光及び第3光を混色した出射光の色度が黒体軌跡上を遷移するように変化することが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る発光装置は、選択照明動作において、比率は、第1光、第2光及び第3光を混色した出射光の色度が黒体軌跡を挟んで遷移するように変化することが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る発光装置は、選択照明動作において、比率は、第1光、第2光及び第3光を混色した出射光の色度が、色度図上において、第1光、第2光及び第3光の座標を結線した三角形の相似形上を遷移するように変化することが好ましい。
【0014】
さらに、本発明に係る照明装置は、商用電源から交流電圧が入力され、入力された交流電圧を整流して直流電圧を生成する電源装置と、電源装置から直流電圧が入力電圧として入力され、光を出射する発光装置と、を有し、発光装置は、供給される第1電流の電流量に応じて、出射される第1波長を有する第1光の光量が変化する第1LED群と、第1電流の電流量に対応する情報である電流量情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された電流量情報が示す第1電流を、第1LED群に供給する通常照明動作を開始させる処理部と、を有し、処理部は、所定の第1操作が行われた場合、第1電流を所定のパターンで変化させながら第1LED群を発光させる選択照明動作を開始させ、処理部は、選択照明動作中に、所定の第2操作が行われた場合、当該第2操作が行われたときの第1電流に対応する情報を電流量情報として記憶部に記憶する。
【0015】
さらに、本発明に係る発光装置の制御方法は、供給される第1電流の電流量に応じて、出射される第1波長を有する第1光の光量が変化する第1LED群と、第1電流の電流量に対応する情報である電流量情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された電流量情報が示す第1電流を、第1LED群に供給する通常照明動作を開始させる処理部と、を有し、処理部は、処理部は、所定の第1操作が行われた場合、第1電流を所定のパターンで変化させながら第1LED群を発光させる選択照明動作を開始させ、処理部は、選択照明動作中に、所定の第2操作が行われた場合、当該第2操作が行われたときの第1電流に対応する情報を電流量情報として記憶部に記憶する。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る発光装置及び照明装置では、所望の特性を有する光を出射するようにユーザが制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態に係る照明装置のブロック図である。
図2図1に示す電源装置の回路図である。
図3図1に示す発光装置の回路図である。
図4図3に示す第1分圧抵抗及び第3分圧抵抗を示す図である。
図5図3に示す比率変化パターン情報に対応するパターンを示す図である。
図6図3に示す比率変化パターン情報に対応するパターンに従って第1電流、第2電流及び第3電流の電流量の比率を変化させたときに出射される光の色度変化を示す図である。
図7図3に示す制御回路により実行される電流比率決定処理のフローチャートである。
図8】第2実施形態に係る発光装置の回路図である。
図9図8に示す変比率化パターン情報に対応するパターンに従って第1電流、第2電流及び第3電流の電流量の比率を変化させたときに出射される光の色度変化の第1態様を示す図である。
図10図8に示す比率変化パターン情報に対応するパターンに従って第1電流、第2電流及び第3電流の電流量の比率を変化させたときに出射される光の色度変化の第2態様を示す図である。
図11】第1変形例に係る照明装置の回路図である。
図12図11に示す比率変化パターン情報に対応するパターンに従って第1電流及び第2電流の電流量の比率を変化させたときに出射される光の色度変化を示す図である。
図13】第2変形例に係る発光装置の斜視図である。
図14図13に示す発光装置の回路図である。
図15図14に示す制御回路により実行される電流調整決定処理のフローチャート(その1)である。
図16図14に示す制御回路により実行される電流調整決定処理のフローチャート(その2)である。
図17図15及び16に示す電流調整決定処理の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明に係る発光装置及び照明装置について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0019】
(第1実施形態に係る発光装置及び照明装置の構成及び機能)
図1は、第1実施形態に係る照明装置のブロック図である。
【0020】
照明装置100は、電源装置101と、発光装置1とを有する。電源装置101は、商用電源102から電源スイッチ103を介して100又は200Vの商用の交流電圧VACが入力され、入力された交流電圧VACを整流して直流電圧VDを生成する。電源装置101は、生成した直流電圧VDを一対の電力配線104及び105を介して発光装置1に出力する。
【0021】
図2は、電源装置101の回路図である。
【0022】
電源装置101は、フューズ111と、整流回路112と、平滑コンデンサ113と、チョークコイル114と、降圧回路115とを有し、商用電源102から入力される交流電圧VACを整流して直流電圧VDを生成する。
【0023】
フューズ111は、整流回路112の入力側に配置され、商用電源102から過電流が入力されたときに、商用電源102と整流回路との間の電気的な接続を遮断する。整流回路112は、ブリッジ整流回路であり、商用電源102から入力された交流電圧VACを全波整流して、全波整流された整流電圧を生成する。平滑コンデンサ113は整流回路112によって生成された整流電圧を平滑化し、チョークコイル114は平滑コンデンサ113によって平滑化された整流電圧から高調波成分を除去して直流電圧を生成する。降圧回路115は、チョークコイル114から入力される直流電圧を降圧して、発光装置1に供給される直流電圧VDを生成する。
【0024】
図3は、発光装置1の回路図である。
【0025】
発光装置1は、電源供給回路10と、第1LED群11と、第2LED群12と、第3LED群13と、基準電圧生成回路20と、第2電流制御回路30と、第3電流制御回路35と、電圧検出回路40と、制御回路50とを有する。発光装置1は、一対の端子対である第1端子T1及び第2端子T2に電源装置101から直流電圧VDが入力電圧として印加される。
【0026】
電源供給回路10は、第1供給抵抗10aと、供給ツェナーダイオード10bと、供給トランジスタ10cと、供給コンデンサ10dと、第2供給抵抗10eを有する。供給ツェナーダイオード10bの降伏電圧は、例えば5.6Vである。電源供給回路10は、第2電流制御回路30及び第3電流制御回路35が有する第2コンパレータ33及び第3コンパレータ38、電圧検出回路40並びに制御回路50の電源電圧Vddを生成する。
【0027】
第1供給抵抗10aの一端は第1端子T1に接続され、第1供給抵抗10aの他端は供給ツェナーダイオード10bのカソード及び供給トランジスタ10cのベースに接続される。供給ツェナーダイオード10bのアノードは第2端子T2に接続される。供給トランジスタ10cのコレクタは第1端子T1に接続され、供給トランジスタ10cのエミッタは供給コンデンサ10dの一端に接続される。供給コンデンサ10dの他端は第2端子T2に接続される。第2供給抵抗10eは、供給コンデンサ10dに並列接続される。
【0028】
電源供給回路10は、供給コンデンサ10dを充電することにより、電源電圧Vddを第2電流制御回路30及び第3電流制御回路35が有する第2コンパレータ33及び第3コンパレータ38、電圧検出回路40並びに制御回路50に供給する。電源電圧Vddの電圧レベルは、一例では5Vである。
【0029】
第1LED群11は、直列接続された複数の第1発光素子14により形成された3つの第1発光素子列15を含む。複数の第1発光素子14のそれぞれは、例えば青色である第1色に対応する第1波長を有する第1光を出射する発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)ダイである。第1発光素子列15に含まれる第1発光素子14の数は、1又は2以上でもよく、第2発光素子列17の数は1、2又は4以上であってもよい。第1LED群11は、供給される第1電流I1の電流量に応じて、出射される第1波長を有する第1光の光量が変化する。
【0030】
第2LED群12は、直列接続された複数の第2発光素子16により形成された3つの第2発光素子列17を含む。複数の第2発光素子16のそれぞれは、第1色である青色と異なる第2色、例えば赤色に対応する第2波長を有する第2光を出射するLEDダイである。第2発光素子列17に含まれる第2発光素子16の数は、1又は2以上でもよく、第2発光素子列17の数は1、2又は4以上であってもよい。また、第2発光素子16は、青色の光を出射するLEDダイと、LEDダイが出射した青色の光を赤色に変換するEu2+(ユーロピウム)固溶のCaAlSiN3蛍光体等の光変換材が含有され、且つ、LEDダイを封止する封止材とを有する発光素子であってもよい。第2LED群12は、供給される第2電流I2の電流量に応じて、出射される第2波長を有する第2光の光量が変化する。
【0031】
第3LED群13は、直列接続された複数の第3発光素子18により形成された3つの第3発光素子列19を含む。複数の第3発光素子18のそれぞれは、第1色である青色及び第2色である赤色の双方と異なる第3色、例えば緑色である第3色に対応する第3波長を有する第3光を出射するLEDダイである。第1発光素子列15に含まれる第1発光素子14の数は、1又は2以上でもよく、第1発光素子列15の数は1、2又は4以上であってもよい。また、第3発光素子18は、青色の光を出射するLEDダイと、LEDダイが出射した青色の光を黄色に変換するYAG(Yttrium Aluminum Garnet)等の光変換材が含有され、且つ、LEDダイを封止する封止材とを有する発光素子であってもよい。第3LED群13は、供給される第3電流I3の電流量に応じて、出射される第3波長を有する第3光の光量が変化する。
【0032】
基準電圧生成回路20は、第1検出抵抗21と、第2抵抗対22と、第3抵抗対23とを有する分圧回路である。基準電圧生成回路20は、第2LED群12に流れる第2電流I2及び第3LED群13に流れる第3電流I3の電流値を制御するために使用される第2基準電圧V2及び第3基準電圧V3を生成する。第2電流I2及び第3電流I3は、電流値が第1LED群11に流れる第1電流I1の電流値に対して所定の比率となるように、制御される。第1検出抵抗21は、数Ω程度の抵抗値を有する抵抗素子であり、一端が第1LED群11に接続され、他端が接地される。第1検出抵抗21は、両端に印加される電圧を第1基準電圧V1として検出する。
【0033】
第2抵抗対22は、可変抵抗である第1分圧抵抗24と、第2分圧抵抗25とを有し、第1検出抵抗21に並列接続される。第1分圧抵抗24の一端は第1検出抵抗21の一端と共に第1LED群11に接続され、第1分圧抵抗24の他端は第2分圧抵抗25の一端に接続される。第2分圧抵抗25の他端は、第1検出抵抗21の他端と共に接地される。第1分圧抵抗24及び第2分圧抵抗25のそれぞれの抵抗値は、数kΩ程度であり、第1検出抵抗21の抵抗値よりも大きい。
【0034】
第3抵抗対23は、可変抵抗である第3分圧抵抗26と、第4分圧抵抗27とを有し、第1検出抵抗21及び第2抵抗対22に並列接続される。第3分圧抵抗26の一端は第1検出抵抗21及び第1分圧抵抗24の一端と共に第1LED群11に接続され、第3分圧抵抗26の他端は第4分圧抵抗27の一端に接続される。第4分圧抵抗27の他端は、第1検出抵抗21及び第2分圧抵抗25の他端と共に接地される。第3分圧抵抗26及び第4分圧抵抗27のそれぞれの抵抗値は、数kΩ程度であり、第1分圧抵抗24及び第2分圧抵抗25と同様に第1検出抵抗21の抵抗値よりも大きい。
【0035】
図4は、第1分圧抵抗24及び第3分圧抵抗26を示す図である。
【0036】
第1分圧抵抗24及び第3分圧抵抗26は、抵抗体200、第1端子201、第2端子202、第3端子203、一例では11個である複数のスイッチ204及び入力端子205により一体化される。抵抗体200は、例えばニッケルクロム合金等の高抵抗の導電体であり、第2分圧抵抗25に接続される第1端子201が一端に配置され、第4分圧抵抗27に接続される第2端子202が他端に配置される。複数のスイッチ204のそれぞれは、例えばnMOSFETであり、第1LED群11に接続される第3端子203にドレインが接続され、抵抗体200にソースが接続され、制御回路50に接続される入力端子205にゲートが接続される。第1分圧抵抗24及び第3分圧抵抗26の抵抗値は、オンするスイッチ204の位置に応じて連続的に変更する。
【0037】
基準電圧生成回路20は、第1分圧抵抗24と第2分圧抵抗25との接続部の電圧を、第2抵抗対22により分圧された分圧電圧である第2基準電圧V2として第2電流制御回路30に出力する。また、基準電圧生成回路20は、第3分圧抵抗26と第4分圧抵抗27との接続部の電圧を、第3抵抗対23により分圧された分圧電圧である第3基準電圧V3として第3電流制御回路35に出力する。
【0038】
第2電流制御回路30は、第2スイッチ31と、第2検出抵抗32と、第2コンパレータ33とを有する。第2スイッチ31は、nMOSFETであり、一端であるドレインが第2LED群12に接続され、他端であるソースが第2検出抵抗32の一端に接続され、制御端子であるゲートが第2コンパレータ33の出力端子に接続される。第2検出抵抗32の他端は、接地される。第2コンパレータ33の第1入力端子は、第1分圧抵抗24の他端及び第2分圧抵抗25の一端に接続され、第2基準電圧V2が入力される。第2コンパレータ33の第2入力端子は、第2検出抵抗32の一端に接続され、第2検出抵抗32の両端の電圧である第2検出電圧VD2が入力される。
【0039】
第3電流制御回路35は、第3スイッチ36と、第3検出抵抗37と、第3コンパレータ38とを有する。第3スイッチ36は、nMOSFETであり、一端であるドレインが第3LED群13に接続され、他端であるソースが第3検出抵抗37の一端に接続され、制御端子であるゲートが第3コンパレータ38の出力端子に接続される。第3検出抵抗37の他端は、接地される。第3コンパレータ38の第1入力端子は、第3分圧抵抗26の他端及び第4分圧抵抗27の一端に接続され、第3基準電圧V3が入力される。第3コンパレータ38の第2入力端子は、第3検出抵抗37の一端に接続され、第3検出抵抗37の両端の電圧である第3検出電圧VD3が入力される。
【0040】
電圧検出回路40は、第1電圧検出抵抗41と、第2電圧検出抵抗42と、第3電圧検出抵抗43と、第1電圧検出コンデンサ44と、第2電圧検出コンデンサ45と、第3電圧検出コンデンサ46とを有する。電圧検出回路40は、電圧検出ツェナーダイオード47と、電圧検出トランジスタ48とを更に有する。電圧検出ツェナーダイオード47の降伏電圧は、例えば24Vである。電圧検出回路40は、直流電圧VDが電圧検出ツェナーダイオード47の降伏電圧である所定のしきい値電圧まで降下したことを検出する。
【0041】
第1電圧検出抵抗41の一端は、第1端子T1に接続され、第1電圧検出抵抗41の他端は電圧検出ツェナーダイオード47のカソードに接続される。第2電圧検出抵抗42の一端は電圧検出ツェナーダイオード47のアノード及び第1電圧検出コンデンサ44の一端に接続され、第2電圧検出抵抗42の他端は電圧検出トランジスタ48のベース及び第2電圧検出コンデンサ45の一端に接続される。第3電圧検出抵抗43の一端は供給ツェナーダイオード10bのコレクタに接続され、電源電圧Vddが供給され、第3電圧検出抵抗43の他端は電圧検出トランジスタ48のコレクタ及び第3電圧検出コンデンサ46の一端に接続される。第1電圧検出コンデンサ44、第2電圧検出コンデンサ45及び第3電圧検出コンデンサ46の他端、並びに電圧検出トランジスタ48のエミッタは接地される。
【0042】
直流電圧VDが電圧検出ツェナーダイオード47の降伏電圧であるしきい値電圧まで低下すると、電圧検出トランジスタ48にエミッタ電流が流れなくなり、第3電圧検出コンデンサ46が充電される。第3電圧検出コンデンサ46が充電されることで、第3電圧検出コンデンサ46の電圧レベルが電源電圧Vddまで上昇する。一方、直流電圧VDが電圧検出ツェナーダイオード47の降伏電圧まで上昇すると、電圧検出トランジスタ48にエミッタ電流が流れ、第3電圧検出コンデンサ46が放電され、第3電圧検出コンデンサ46の電圧レベルはゼロになる。電圧検出回路40は、直流電圧VDがしきい値電圧まで降下したときに立ち上がり、直流電圧VDがしきい値電圧まで上昇したときに立ち下がるパルス信号を生成する。
【0043】
制御回路50は、マイクロコントロールユニット(Micro Control Unit、MCU)等の半導体装置である。制御回路50は、入力部51と、出力部52と、記憶部53と、計時部54と、処理部55とを有し、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の電流量の比率を制御する。制御回路50は、商用電源102から電力が供給されないとき、一例では二次電池である不図示の制御電源から電力が供給される。
【0044】
入力部51は、電圧検出回路40の第3電圧検出コンデンサ46の一端に電気的に接続され、直流電圧VDがしきい値電圧まで低下し且つ直流電圧VDがしきい値電圧まで上昇することで生成されるパルス信号が入力される。
【0045】
出力部52は、第1分圧抵抗24及び第3分圧抵抗26に電気的に接続され、オンするスイッチ204を示す制御信号を入力端子205に出力する。出力部52から出力される制御信号は、複数のスイッチ204の何れか1つをオンし、他のスイッチ204をオフすることを示す。
【0046】
記憶部53は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子を備える。記憶部53は、処理部55での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、制御プログラム及びデータ等を記憶する。例えば、記憶部53は、発光装置1から出射される光の色度に対応する第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の電流量の比率がユーザによって選択される電流比率決定処理を処理部55が実行するための電流比率決定プログラムを記憶する。電流比率決定プログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて制御記憶部122にインストールされてもよい。
【0047】
また、記憶部53は、点灯比率情報530及び比率変化パターン情報531を記憶する。点灯比率情報530は、制御回路50に電源電圧Vddが印加されたときに第1LED群11、第2LED群12及び第3LED群13に供給される第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の電流量の比率に対応する情報である。具体的には、点灯比率情報530は、制御回路50に電源電圧Vddが印加されたときに選択されるスイッチ204の番号である。
【0048】
比率変化パターン情報531は、処理部55が電流比率決定処理を実行するときに、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の電流量の比率を変化させる所定のパターンを示す情報である。
【0049】
図5は比率変化パターン情報531に対応するパターンを示す図であり、図6は比率変化パターン情報531に対応するパターンに従って第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の電流量の比率を変化させたときに出射される光の色度変化を示す図である。図5において、選択されるスイッチ204の番号を示し、縦軸は第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3のそれぞれの電流比率〔%〕を示す。図5において、三角形印は第1LED群11に流れる第1電流I1を示し、四角形印は第2LED群12に流れる第2電流I2を示し、ひし形印は第3LED群13に流れる第3電流I3を示す。
【0050】
番号「1」のスイッチ204が選択されるとき、第1電流I1が10%であり、第2電流I2及び第3電流I3が45%である。選択されるスイッチの番号が増えるに従って、第1電流I1は増加し、第2電流I2は減少し、番号「11」のスイッチ204が選択されるとき、及び第3電流I3が45%になり、第2電流I2が10%になる。
【0051】
図6において、双方向矢印で示されるように、比率変化パターン情報531に対応するパターンは、スイッチ204の何れも選択されたときに出射される光の色度が黒体軌跡BBL上を遷移するように設定される。
【0052】
計時部54は、例えばタイマーであり、計時開始信号が入力されることに応じて、待機時間の計測を開始し、待機時間が経過した際に経過信号を出力する。
【0053】
処理部55は、第1分圧抵抗24と第3分圧抵抗26との間の抵抗比率を制御する。
【0054】
第1端子T1及び第2端子T2のそれぞれは、電源装置101に接続され、電源装置101から直流電圧VDが印加される。第1端子T1及び第2端子T2の間にことに直流電圧VDが印加されることに応じて、第1LED群11、第2LED群12及び第3LED群13のそれぞれに第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3が供給される。
【0055】
図7は、制御回路50により実行される電流比率決定処理のフローチャートである。図7に示す電流比率決定処理は、予め記憶部53に記憶されているプログラムに基づいて、主に処理部55により、制御回路50の各要素と協働して実行される。
【0056】
まず、処理部55は、ユーザが電源スイッチ103をオン操作したか否かを判定する(S101)。処理部55は、ユーザが電源スイッチ103をオン操作したと判定する(S101-YES)まで待機する。処理部55は、ユーザが電源スイッチ103をオン操作したと判定する(S101-YES)と、電源装置101から発光装置1に直流電圧VDが印加される。発光装置1に直流電圧VDが印加されると、電源供給回路10から制御回路50に電源電圧Vddが印加され、処理部55は、処理を開始する。
【0057】
次いで、処理部55は、記憶部53に記憶される回数情報に対応する回数を「1」増加する(S102)。処理部55は、「1」を示す回数情報を記憶部53に記憶する。次いで、処理部55は、一時停止制御が実行された回数が、一例では3回である所定の選択回数に一致するか否かに基づいて、所定の第1操作が行われたか否かを判定する(S103)。処理部55は、記憶部53に記憶される回数情報を参照して、所定の第1操作が行われたか否かを判定する。処理部55は、回数情報に対応する回数が選択回数に一致するときに、第1操作が行われたと判定する(S103-YES)。また、処理部55は、回数情報に対応する回数が選択回数に一致しないときに、第1操作が行われていないと判定する(S103-NO)。
【0058】
処理部55は、第1操作が行われていないと判定する(S103-NO)と、記憶部53に記憶される点灯比率情報530を読み出す(S104)。次いで、処理部55は、S103の処理で読み出された点灯比率情報530に記憶されるスイッチ204の番号を示す制御信号を入力端子205に出力する(S105)。処理部55は、ユーザが電源スイッチ103をオン操作すると、記憶部53に記憶された点灯比率情報530が示す比率で、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3を、第1LED群11~第3LED群13にそれぞれ供給する通常照明動作を開始させる。処理部55が制御信号を入力端子205に出力することにより、点灯比率情報530に対応する比率により第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3が第1LED群11と、第2LED群12と、第3LED群13に流れ、発光装置1は光を出射する。
【0059】
次いで、処理部55は、ユーザが電源スイッチ103をオフ操作したか否かを判定する(S106)。処理部55は、ユーザが電源スイッチ103をオフ操作することによりパルス信号の立ち上がりエッジが検出されたときに、オフ操作されたと判定する。処理部55は、ユーザが電源スイッチ103をオフ操作したと判定する(S106-YES)まで、待機する。
【0060】
次いで、処理部55は、ユーザが電源スイッチ103をオフ操作したと判定する(S106-YES)と、待機時間の計時開始を指示する(S107)。処理部55は、計時部54に計時開始信号を出力し、計時開始信号が入力された計時部54は、待機時間の計時を開始する。
【0061】
次いで、処理部55は、ユーザが電源スイッチ103をオン操作したか否かを判定する(S108)。処理部55によってユーザが電源スイッチ103をオン操作したと判定される(S108-YES)と、処理はS102に戻る。
【0062】
次いで、処理部55は、ユーザが電源スイッチ103をオン操作していないと判定する(S108-NO)と、一例では2秒である所定の待機時間が経過したか否かを判定する(S109)。処理部55は、計時部54から経過信号が入力されたとき、待機時間が経過したと判定する(S109-YES)。一方、処理部55は、計時部54から経過信号が入力されていないとき、待機時間が経過していないと判定する(S109-NO)。
【0063】
処理部55によって待機時間が経過していないと判定される(S109-NO)と、処理はS107に戻る。以降、処理部55によってユーザが電源スイッチ103をオン操作していないと判定され(S108-NO)、且つ、待機時間が経過したと判定される(S109-YES)まで、S107及びS108の処理が繰り返される。また、処理部55によってユーザが電源スイッチ103をオン操作したと判定される(S108-YES)と、S102~S108の処理が繰り返される。S102~S108の処理が繰り返されることによって、入力電圧がしきい値電圧まで降下してから所定の待機時間に入力電圧がしきい値電圧まで上昇してから再度降下する動作が繰り返される。一方、処理部55によって待機時間が経過したと判定される(S109-YES)と、処理は終了する。
【0064】
処理部55は、S102~S108の処理が所定の回数に亘って繰り返されて、第1操作が行われたと判定する(S103-YES)と、記憶部53に記憶される点灯比率情報530を初期化する(S110)。例えば、点灯比率情報530は、初期化されると、番号「1」に対応する情報を記憶する。次いで、処理部55は、S109の処理で初期化された点灯比率情報530に記憶されるスイッチ204の番号を示す制御信号を入力端子205に出力する(S111)。
【0065】
次いで、処理部55は、ユーザが電源スイッチ103をオフしたか否かに基づいて、所定の第2操作が行われたか否かを判定する(S112)。処理部55は、パルス信号の立ち上がりエッジが検出されたときに、第2操作が行われたと判定する(S112-YES)。処理部55は、パルス信号の立ち上がりエッジが検出されないときに、第2操作が行われていないと判定する(S112-NO)。処理部55は、第2操作が行われていないと判定する(S112-NO)と、変更パターン情報531を参照して、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の比率を変更して、出射される光の色度を変更する(S113)。処理部55は、第2操作が行われたと判定する(S112-YES)まで、S112及びS113の処理を繰り返すことで、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の比率を周期的に変更する選択照明動作を実行する。
【0066】
例えば、処理部55は、番号「1」のスイッチ204から番号「11」のスイッチ204まで順番に選択することで、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の比率を変化させてもよい。処理部55が番号「1」のスイッチ204から番号「11」のスイッチ204まで所定の周期毎に順番に選択するとき、第1電流I1の電流量の比率は単調増加し、第2電流I2の電流量の比率は単調減少する。
【0067】
また、処理部55は、番号「11」のスイッチ204から番号「1」のスイッチ204まで順番に選択することで、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の比率を変化させてもよい。処理部55が番号「11」のスイッチ204から番号「1」のスイッチ204まで所定の周期毎に順番に選択するとき、第1電流I1の電流量の比率は単調減少し、第2電流I2の電流量の比率は単調増加する。
【0068】
また、処理部55は、番号「1」のスイッチ204から番号「11」のスイッチ204まで所定の周期毎に順番に一方向に選択する処理を繰り返してもよい。また、処理部55は、番号「1」のスイッチ204から番号「11」のスイッチ204まで所定の周期毎に順番に往復するように選択する処理を繰り返してもよい。
【0069】
処理部55は、第2操作が行われたと判定する(S112-YES)と、電源スイッチ103がオフされたときの第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の比率を示す情報を点灯比率情報530として記憶する(S114)。次いで、処理はS107に進む。以降、処理部55によって待機時間が経過したと判定される(S109-YES)まで、S102~S109の処理が繰り返される。
【0070】
(第1実施形態に係る発光装置の作用効果)
発光装置1は、所定のパターンでLED群に供給される電流の比率を変化させる選択照明動作を、電源スイッチ103がオフ操作するまで繰り返し実行することで、所望の色温度を有する光を出射するようにユーザが選択することができる。
【0071】
また、発光装置1は、選択照明動作を所定の周期毎に繰り返すので、所望の色温度を有する光を選択するために、ユーザが電源スイッチ103をオフ操作するタイミングを決定し易い。
【0072】
また、発光装置1は、選択照明動作において、第1電流I1の電流量の比率を単調増加又は単調減少するので、ユーザは、選択照明動作の間、発光装置1から出射される光を連続して色温度が変化する光として視認することができる。
【0073】
また、発光装置1は、第1光、第2光及び第3光を混色した出射光の色度が黒体軌跡上を遷移するように変化するので、黒体軌跡に沿った所望の色温度を有する光をユーザが選択できる。
【0074】
また、発光装置1は、ユーザによって電源スイッチ103を瞬時にオンオフされる一時停止制御の回数が選択回数に一致するか否かに基づいて開始指示が入力されたか否かを判定するので、ユーザは、簡易な操作で開始指示を発光装置1に入力できる。
【0075】
また、発光装置1は、ユーザによって電源スイッチ103がオフされたか否かに基づいて停止指示が入力されたか否かを判定するので、ユーザは、簡易な操作で停止指示を発光装置1に入力できる。
【0076】
(第2実施形態に係る発光装置の構成および機能)
図8は、第2実施形態に係る発光装置の回路図である。
【0077】
発光装置2は、第1電流制御回路60及び制御回路70を基準電圧生成回路20及び制御回路50の代わりに有することが発光装置1と相違する。また、発光装置2は、電流センサ65を有することが発光装置1と相違する。第1電流制御回路60、電流センサ65及び制御回路70以外の発光装置2の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された発光装置1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0078】
第1電流制御回路60は、第1スイッチ61と、第1基準抵抗62と、第1コンパレータ63とを有する。第1スイッチ61は、nMOSFETであり、一端であるドレインが第1LED群11に接続され、他端であるソースが第1基準抵抗62の一端に接続され、制御端子であるゲートが第1コンパレータ63の出力端子に接続される。第1基準抵抗62の他端は、第2検出抵抗32及び第3検出抵抗37の他端と共に接地される。第1コンパレータ63の第1入力端子と、第2コンパレータ33及び第3コンパレータ38の第1入力端子は、制御回路70に接続される。第1コンパレータ63の第2入力端子は、第1基準抵抗62の一端に接続され、第1基準抵抗62の両端の電圧である第1検出電圧VD1が入力される。
【0079】
電流センサ65は、例えば電流検出アンプ等の電流センサであり、第1端子T1と第1LED群11、第2LED群12及び第3LED群13との間に配置される。電流センサ65は、第1LED群11~第3LED群13に流れる第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3を含む検出電流IDを検出し、検出した検出電流IDを対応する電圧情報として制御回路70に出力する。
【0080】
制御回路70は、記憶部73を記憶部53の代わりに有することが制御回路50と相違する。記憶部73は、点灯比率情報730及び比率変化パターン情報731を点灯比率情報530及び比率変化パターン情報531の代わりに記憶する。点灯比率情報730及び比率変化パターン情報731以外の制御回路70の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された制御回路50の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0081】
点灯比率情報730は、制御回路50に電源電圧Vddが印加されたときに第1LED群11、第2LED群12及び第3LED群13に供給される第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の電流量の比率に対応する情報である。具体的には、点灯比率情報730は、制御回路70に電源電圧Vddが印加されたときに、第1電流制御回路60、第2電流制御回路30及び第3電流制御回路35に出力される第1基準電圧V1、第2基準電圧V2及び第3基準電圧V3である。
【0082】
比率変化パターン情報731は、比率変化パターン情報531と同様に、処理部55が電流比率決定処理を実行するときに、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の電流量の比率を変化させる変化パターンを示す。
【0083】
図9は比率変化パターン情報731に対応するパターンに従って第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の電流量の比率を変化させたときに出射される光の色度変化の第1態様を示す図である。
【0084】
図9において、双方向矢印で示されるように、比率変化パターン情報731に対応するパターンは、黒体軌跡BBLの延伸方向に沿って黒体軌跡BBLを中心に黒体軌跡BBLを挟むように3回に亘って遷移するように設定される。
【0085】
図10は比率変化パターン情報731に対応するパターンに従って第1電流I1、第2電流I2、及び第3電流I3の電流量の比率を変化させたときに出射される光の色度変化の第2態様を示す図である。
【0086】
双方向矢印で示されるように、比率変化パターン情報731に対応するパターンは、第1光、第2光及び第3光を混色した出射光の色度が、色度図上において、第1光、第2光及び第3光の座標を結線した三角形の相似形上を遷移するように設定される。
【0087】
(実施形態に係る発光装置の変形例)
発光装置1は、ユーザが所定の選択回数に亘って一時停止制御することで、選択照明動作を開始するが、実施形態に係る電源装置は、所定の第1操作が行われたときに選択照明動作を開始してもよい。例えば、実施形態に係る電源装置は、選択照明動作を開始することを示す開始指示信号を外部装置から受信することに応じて、選択照明動作を開始してもよい。
【0088】
また、発光装置1は、ユーザが電源スイッチをオフ操作することに応じて、点灯比率情報を記憶部53に記憶するが、第1操作と異なる所定の第2操作が行われたときに、点灯比率情報を記憶部53に記憶してもよい。例えば、実施形態に係る電源装置は、選択照明動作を停止することを示す停止指示信号を外部装置から受信することに応じて、点灯比率情報を記憶部53に記憶してもよい。
【0089】
また、発光装置1は、第1LED群11~第3LED群13の3つのLED群を有するが、実施形態に係る電源装置は、少なくとも2つのLED群を有していればよい。例えば、実施形態に係る電源装置は、白色に対応する第4波長を有する第4光を出射する発光素子を含む第4LED群を有してもよい。実施形態に係る電源装置は、白色に対応する第4波長を有する第4光を出射する第4LED群を有することで、図9及び10に示す色度変化をより容易に実現することができる。
【0090】
また、発光装置1及び2は、電圧検出回路40によって生成されるパルス信号によって第1操作及び第2操作が行われたか否かを判定するが、実施形態に係る発光装置は、商用電源102から交流電圧VACが印加されなくなることを検出する回路を有すればよい。
【0091】
また、発光装置1及び2は、基準電圧生成回路20、第2電流制御回路30、第3電流制御回路35及び第1電流制御回路60によって、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3を制御する。しかしながら、実施形態に係る発光装置は、LED群に所望の電流を供給する電流供給回路、又はLED群に所望の電圧を印加する電圧印加回路によって第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3を制御してもよい。
【0092】
図11は、第1変形例に係る発光装置を含む照明装置の回路図である。
【0093】
照明装置200は、電源装置201及び発光装置3を電源装置101及び発光装置1の代わりに有することが照明装置100と相違する。電源装置201及び発光装置3以外の照明装置200の構成要素の構成及び機能は、照明装置100の構成要素の構成及び機能同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0094】
電源装置201は、チョークコイル114から出力される直流電圧を発光装置3に出力する出力配線202を有することが電源装置101と相違する。出力配線202以外の電源装置201の構成要素の構成及び機能は、電源装置101の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0095】
発光装置3は、第3LED群13及び第3電流制御回路35を有さないことが発光装置2と相違する。また、発光装置3は、制御回路75、電圧検出回路80、第1電流制御回路81及び第2電流制御回路82を制御回路50、第2電流制御回路40、103及び第1電流制御回路60の代わりに有することが発光装置2と相違する。制御回路75、電圧検出回路80、第1電流制御回路81及び第2電流制御回路82以外の発光装置3の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された発光装置2の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0096】
電圧検出回路80は、一端が出力配線202に接続される第1分圧抵抗80aと、第1分圧抵抗80aに直列接続される第2分圧抵抗80bとを有し、チョークコイル114から出力される直流電圧を分圧して、制御回路75に出力する。
【0097】
第1電流制御回路81及び第2電流制御回路82は、一例では第1LED群11及び第2LED群12に所望の電流を供給する電流制限回路であり、他の例では第1LED群11及び第2LED群12に所望の電圧を印加するDC-DC回路等の電圧規定回路である。
【0098】
制御回路75は、記憶部78を記憶部73の代わりに有することが制御回路70と相違する。記憶部73は、点灯比率情報780及び比率変化パターン情報781を点灯比率情報730及び比率変化パターン情報731の代わりに記憶する。点灯比率情報780及び比率変化パターン情報781以外の制御回路75の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された制御回路70の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0099】
点灯比率情報780は、制御回路50に電源電圧Vddが印加されたときに第1LED群11及び第2LED群12に供給される第1電流I1及び第2電流I2の電流量の比率に対応する情報である。点灯比率情報780は、制御回路75に電源電圧Vddが印加されたときに、第1電流制御回路81及び第2電流制御回路82に出力される制御情報である。例えば、第1電流制御回路81及び第2電流制御回路82が電流制限回路であるとき、点灯比率情報780は、第1LED群11及び第2LED群12に供給する電流に対応する制御情報である。また、第1電流制御回路81及び第2電流制御回路82がDC-DC回路であるとき、点灯比率情報780は、DC-DC回路が有するスイッチのオンオフの比率を示す通流率αである。
【0100】
比率変化パターン情報781は、処理部55が電流比率決定処理を実行するときに、第1電流I1及び第2電流I2の電流量の比率を変化させるパターンを示す。
【0101】
図12は比率変化パターン情報781に対応するパターンに従って第1電流I1及び第2電流I2の電流量の比率を変化させたときに出射される光の色度変化を示す図である。
【0102】
双方向矢印で示されるように、比率変化パターン情報781に対応するパターンは、第1光、及び第2光を混色した出射光の色度が、色度図上において、一例では色温度が2500K及び6500Kである黒体軌跡BBL上の2点の間を直線状に遷移するように設定される。
【0103】
また、発光装置1~3は、電源スイッチ103を操作することによってオンオフされる照明装置100に搭載されるが、実施形態に係る発光装置は、例えばUSB(登録商標)ケーブルを介してコンピュータ等の電子機器に接続されてもよい。
【0104】
また、発光装置1~3は、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の電流量の比率を変化させて出射光の色度を変化させる調色処理である電流比率決定処理を実行する。しかしながら、実施形態に係る発光装置は、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3のそれぞれの電流量に対応する情報である電流量情報を変化させて出射光の特性を所定のパターンで変化させる処理を実行してもよい。例えば、実施形態に係る発光装置は、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の合計の電流量を変化させて出射光の光量を変化させる調光処理である供給電流量決定処理を電流比率決定処理に代えて実行してもよい。また、実施形態に係る発光装置は、電流比率決定処理及び供給電流量決定処理の双方を実行してもよい。
【0105】
図13は、第2変形例に係る発光装置の斜視図である。
【0106】
発光装置4は、コネクタ120と、ケーブル121と、筐体122と、ボタン123と、発光面124とを有する。発光装置4は、USB(登録商標)コネクタであるコネクタ120及びケーブル121を介して筐体122の内部に配置される回路に直流電圧VDCが供給され、ボタン123が押下されることに応じて発光面124から光を出射する。
【0107】
図14は、発光装置4の回路図である。
【0108】
発光装置4は、制御回路56を制御回路50の代わりに有すると共に、電圧検出回路40を有さないことが発光装置1と相違する。また、発光装置4は、DCDCドライバ90を有することが発光装置1と相違する。なお、図14において、電源供給回路10は省略される。制御回路56、DCDCドライバ90以外の発光装置4の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された発光装置1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。なお、第1LED群11、第2LED群12及び第3LED群13のそれぞれに含まれる第1発光素子14、第2発光素子15及び第3発光素子16の直列数は、印加される電圧に応じて適宜設定される。
【0109】
DCDCドライバ90は、昇降圧回路等のDC-DC変換回路であり、制御回路56から電流制御信号が入力されることに応じて、直流電圧VDCを昇降圧することで、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の合計の電流量ITOTALを制御する。DCDCドライバ90の回路構成は、よく知られているので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0110】
制御回路56は、記憶部57、計時部58及び処理部59を記憶部53、計時部54及び処理部55の代わりに有することが制御回路50と相違する。記憶部57、計時部58及び処理部59以外の制御回路56の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された制御回路56の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。制御回路56は、コネクタ120が電子機器に接続されることに応じて、コネクタ120及びケーブル121を介して電子機器から電力が供給される。
【0111】
記憶部57は供給電流量情報570及び電流量変化パターン情報571を有することが記憶部53と相違する。供給電流量情報570は、制御回路57に電源電圧Vddが印加されたときに第1LED群11、第2LED群12及び第3LED群13に供給される第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の合計の電流量ITOTALを示す情報である。具体的には、供給電流量情報570は、DCDCドライバ90に出力される電流制御信号に対応する電流を示す情報である。
【0112】
電流量変化パターン情報571は、処理部59が電流比率決定処理を実行するときに、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の合計の電流量ITOTALを変化させる所定のパターンを示す情報である。電流量変化パターン情報571は、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の合計の電流量ITOTALが単調増加するように規定されてもよく、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の合計の電流量ITOTALが単調減少するように規定されてもよい。また、電流量変化パターン情報571は、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の合計の電流量ITOTALが単調増加及び単調減少を繰り返すように規定されてもよい。
【0113】
計時部58は、押下時間計時信号が入力されることに応じて、押下時間の計測を開始し、長押し時間が経過した際に長押し信号を出力すると共に、第1操作が行われたことに応じて検出期間の計測を開始し、検出期間が経過した際に期間経過信号を出力する。
【0114】
図15は制御回路56により実行される電流調整決定処理のフローチャート(その1)であり、図16は制御回路56により実行される電流調整決定処理のフローチャート(その2)である。図15及び16に示す電流調整処理は、予め記憶部57に記憶されているプログラムに基づいて、主に処理部59により、制御回路56の各要素と協働して実行される。
【0115】
まず、処理部59は、ボタン123が押下されたか否かを判定する(S201)。処理部59によってボタン123が押下されたと判定される(S201―YES)まで、(S201)の処理が繰り返される。
【0116】
処理部59は、ボタン123が押下されたと判定する(S201-YES)と、供給電流量情報570に対応する電流を示す電流制御信号をDCDCドライバ90に出力する。また、処理部59は、点灯比率情報530に記憶されるスイッチ204の番号を示す制御信号を入力端子205に出力する。DCDCドライバ90に電流制御信号が入力されることに応じて、第1LED群11、第2LED群12及び第3LED群13のそれぞれに含まれる第1発光素子14、第2発光素子15及び第3発光素子16は発光する。処理部59は、基準電圧生成回路20は、基準電圧生成回路20から入力される基準電流IMAINを参照して第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の合計の電流量ITOTALをフィードバック制御する。
【0117】
次いで、処理部59は、ボタン123が短押されるオフ操作が実行されたか否かを判定する(S202)。処理部59は、ボタン123が押下されたことを検知したときに計時部54に押下時間計時信号を出力する。計時部54は、押下時間計時信号が入力されることに応じて押下時間の経時を開始する。処理部59は、ボタン123が押下されなくなったことを検知したときに、長押し時間が経過したことを示す長押し信号が計時部54から入力されていないときに、オフ操作が実行されたと判定する(S202-YES)。処理部59によってオフ操作が実行されたと判定される(S202-YES)と、処理部59は、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の合計の電流量ITOTALがゼロであることを示す電流制御信号をDCDCドライバ90に出力し、電流調整決定処理は終了する。
【0118】
処理部59は、オフ操作が実行されていないと判定する(S202-NO)と、ボタン123が長押される第1操作が行われたか否かを判定する(S203)。処理部59は、ボタン123が押下されたことを検知したときに計時部54に押下時間計時信号を出力する。計時部54は、押下時間計時信号が入力されることに応じて押下時間の経時を開始する。処理部59は、ボタン123が押下されなくなったことを検知したときに、長押し時間が経過したことを示す長押し信号が計時部54から入力されているときに、第1操作が行われたと判定する(S203-YES)。処理部59によって第1操作が行われたと判定される(S203-YES)まで、S202~S203の処理が繰り返される。
【0119】
処理部59は、第1操作が行われたと判定する(S203-YES)と、選択モード取得処理を実行する(S204)。処理部59は、計時部54によって計時される第1操作が行われた後の所定の検出期間においてボタン123が押下された回数を、選択するモードを示す選択モード情報として取得する。
【0120】
次いで、処理部59は、S204の処理で取得した選択モード情報が、供給電流量決定処理、電流比率決定処理、供給電流量決定処理及び電流比率決定処理の双方の処理、並びにその他のモードの何れかが選択されたことを示すか否かを判定する(S205)。供給電流量決定処理は調光選択モードとも称され、電流比率決定処理は調色選択モードとも称され、供給電流量決定処理及び電流比率決定処理の双方の処理は調光調色選択モードとも称される。処理部59は、ボタン123が2回押下されたことをS204の処理で取得した選択モード情報が示すとき、調光選択モードが選択されたことを選択モード情報が示すと判定する。処理部59は、ボタン123が3回押下されたことをS204の処理で取得した選択モード情報が示すとき、調色選択モードが選択されたことを選択モード情報が示すと判定する。処理部59は、ボタン123が4回押下されたことをS204の処理で取得した選択モード情報が示すとき、調光調色選択モードが選択されたことを選択モード情報が示すと判定する。処理部59は、ボタン123が1回又は4回以上押下されたことをS204の処理で取得した選択モード情報が示すとき、調光選択モード、調色選択モード及び調光調色選択モードの何れも選択モードも選択されなかったことを選択モード情報が示すと判定する。
【0121】
S205の処理において、処理部59は、調光選択モードが選択されたことを選択モード情報が示すと判定すると、供給電流量情報570を初期化する(S206)。次いで、処理部59は、S206の処理で初期化された供給電流量情報570に記憶される電流を示す電流制御信号をDCDCドライバ90に出力する(S207)。
【0122】
次いで、処理部55は、ボタン123が押下されたか否かに基づいて、第2操作が行われたか否かを判定する(S208)。処理部55は、ボタン123が押下されたときに、第2操作が行われたと判定する(S208-YES)。処理部55は、ボタン123が押下されていないときに、第2操作が行われていないと判定する(S208-NO)。処理部59は、第2操作が行われていないと判定する(S208-NO)と、電流量変化パターン情報を参照して、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の合計の電流量ITOTALを変更して、出射される光の光量を変更する(S209)。処理部59は、第2操作が行われたと判定する(S208-YES)まで、S208及びS209の処理を繰り返すことで、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の合計の電流量ITOTALを周期的に変更する選択照明動作を実行する。
【0123】
処理部59は、第2操作が行われたと判定する(S208-YES)と、ボタン123が押下されたときの第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の合計の電流量ITOTALを示す情報を供給電流量情報570として記憶する(S210)。次いで、処理はS202に進む。以降、処理部59によって処理部59によってオフ操作が実行されたと判定される(S202-YES)まで、S202~S203の処理が繰り返される。
【0124】
S205の処理において、処理部59は、調色選択モードが選択されたことを選択モード情報が示すと判定すると、点灯比率情報530を初期化する(S211)。S211~S215の処理は、S110~S114の処理と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。S211~S215の処理が終了すると、処理はS202に進む。
【0125】
S205の処理において、処理部59は、電流比率決定処理及び電流比率決定処理が選択されたことを選択モード情報が示すと判定すると、供給電流量情報570を初期化する(S216)。次いで、処理部59は、点灯比率情報530を初期化する(S217)。次いで、処理部59は、S207の処理と同様に電流制御信号をDCDCドライバ90に出力する(S218)。次いで、処理部59は、S111と同様に制御信号を入力端子205に出力する。
【0126】
次いで、処理部59は、S208の処理と同様に、ボタン123が押下されたか否かに基づいて、第2操作が行われたか否かを判定する(S220)。処理部59は、第2操作が行われていないと判定する(S220-NO)と、変更パターン情報531を参照して、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の比率を変更して、出射される光の色度を変更する(S221)。次いで、処理部59は、電流量変化パターン情報571を参照して、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の合計の電流量ITOTALを変更して、出射される光の光量を変更する(S222)。処理部59は、第2操作が行われたと判定する(S220-YES)まで、S220~S222の処理を繰り返すことで、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の比率及び合計の電流量ITOTALを周期的に変更する選択照明動作を実行する。
【0127】
処理部59は、第2操作が行われたと判定する(S220-YES)と、電源スイッチ103がオフされたときの第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の比率を示す情報を点灯比率情報530として記憶する(S223)。次いで、処理部59は、ボタン123が押下されたときの第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の合計の電流量ITOTALを示す情報を供給電流量情報570として記憶する(S224)。以降、処理部59によって処理部59によってオフ操作が実行されたと判定される(S202-YES)まで、S202~S203の処理が繰り返される。
【0128】
S205の処理において、処理部59によって調光選択モード、調色選択モード及び調光調色選択モードの何れも選択モードも選択されなかったことを選択モード情報が示すと判定されると、処理はS202に進む。以降、処理部59によって処理部59によってオフ操作が実行されたと判定される(S202-YES)まで、S202~S203の処理が繰り返される。
【0129】
図17は、図15及び16に示す電流調整決定処理の概要を示す図である。図17(a)はS208及びS209の処理に対応する調光選択モードを示し、図17(b)は213及びS214の処理に対応する調色選択モードを示し、図17(c)はS221~S223の処理に対応する調光調色選択モードを示す。
【0130】
処理部59は、検出期間においてユーザによってボタン123が2回クリックされると、調光選択モードが選択されたと判定し、発光面124から出射される光の光量を単調に変化させて、ユーザに好適な光量を選択可能に視認させる。処理部59は、発光面124から出射される光の光量を変化させる間に、ユーザによってボタン123がクリックされると、ボタン123がクリックされたときの光量を記憶する。
【0131】
処理部59は、検出期間においてユーザによってボタン123が2回クリックされると、調光選択モードが選択されたと判定し、発光面124から出射される光の光量を単調に変化させて、ユーザに好適な光量を選択可能に視認させる。処理部59は、発光面124から出射される光の光量を変化させる間に、ユーザによってボタン123がクリックされると、ボタン123がクリックされたときの光量を示す供給電流量情報570を記憶する。
【0132】
処理部59は、検出期間においてユーザによってボタン123が3回クリックされると、調色選択モードが選択されたと判定し、発光面124から出射される光の色度を単調に変化させて、ユーザに好適な色度を選択可能に視認させる。処理部59は、発光面124から出射される光の色度を変化させる間に、ユーザによってボタン123がクリックされると、ボタン123がクリックされたときの色度を示す点灯比率情報530を記憶する。
【0133】
処理部59は、検出期間においてユーザによってボタン123が4回クリックされると、調光調色選択モードが選択されたと判定し、発光面124から出射される光の光量及び色度を単調に変化させて、ユーザに好適な光量及び色度を選択可能に視認させる。処理部59は、発光面124から出射される光の光量及び色度を変化させる間に、ユーザによってボタン123がクリックされると、ボタン123がクリックされたときの光量及び色度を示す供給電流量情報570及び点灯比率情報530を記憶する。
【0134】
なお、発光装置4では、ボタン123が長押される第1操作は、第1発光素子14~第3発光素子16が発光する間に実行されるが、実施形態に係る発光装置では、第1操作は、第1発光素子14~第3発光素子16が発光していないときに実行されてもよい。
【0135】
実施形態に係る発光装置は、以下の態様であってもよい。
(1)供給される第1電流の電流量に応じて、出射される第1波長を有する第1光の光量が変化する第1LED群と、
供給される第2電流の電流量に応じて、出射される第2波長を有する第2光の光量が変化する第2LED群と、
第1電流及び第2電流の電流量の比率に対応する情報である点灯比率情報を記憶する記憶部と、
記憶部に記憶された点灯比率情報が示す比率で、第1電流及び第2電流を、第1LED群及び第2LED群にそれぞれ供給する通常照明動作を開始させる処理部と、を有し、
処理部は、所定の第1操作が行われた場合、比率を所定のパターンで変化させながら第1LED群及び第2LED群を発光させる選択照明動作を開始させ、
処理部は、選択照明動作中に、所定の第2操作が行われた場合、当該第2操作が行われたときの比率に対応する情報を点灯比率情報として記憶部に記憶する、
ことを特徴とする発光装置。
(2)入力電圧が入力される入力端子を更に有し、
処理部は、入力端子に印加される入力電圧に基づいて、第1操作及び第2操作が行われたか否かの判定を行う、(1)に記載の発光装置。
(3)選択照明動作では、所定のパターンで比率を変化させる動作が、所定の周期毎に繰り返される、(1)又は(2)に記載の発光装置。
(4)選択照明動作において、第1電流の電流量の比率は、単調増加又は単調減少する、(1)~(3)の何れか一つに記載の発光装置。
(5)供給される第3電流の電流量に応じて、出射される第3波長を有する第3光の光量が変化する第3LED群を更に有し、
処理部は、第1電流、第2電流及び第3電流の電流量の比率を制御する、(1)~(4)の何れか一つに記載の発光装置。
(6)選択照明動作において、比率は、第1光、第2光及び第3光を混色した出射光の色度が黒体軌跡上を遷移するように変化する、(5)に記載の発光装置。
(7)選択照明動作において、比率は、第1光、第2光及び第3光を混色した出射光の色度が黒体軌跡を挟んで遷移するように変化する、(6)に記載の発光装置。
(8)選択照明動作において、比率は、第1光、第2光及び第3光を混色した出射光の色度が、色度図上において、第1光、第2光及び第3光の座標を結線した三角形の相似形上を遷移するように変化する、(6)に記載の発光装置。
(9)入力電圧がしきい値電圧まで降下したことを検出する電圧検出回路を更に有し、
第1操作では、入力電圧がしきい値電圧まで降下してから所定の待機時間に入力電圧がしきい値電圧まで上昇してから再度降下する動作が、所定の選択回数に亘って繰り返される、(2)~(8)の何れか一つに記載の発光装置。
(10)商用電源から交流電圧が入力され、入力された交流電圧を整流して直流電圧を生成する電源装置と、
電源装置から直流電圧が入力電圧として入力され、光を出射する発光装置と、を有し、電源装置は、
供給される第1電流の電流量に応じて、出射される第1波長を有する第1光の光量が変化する第1LED群と、
供給される第2電流の電流量に応じて、出射される第2波長を有する第2光の光量が変化する第2LED群と、
第1電流及び第2電流の電流量の比率に対応する情報である点灯比率情報を記憶する記憶部と、
電源装置から入力電圧が印加された時に、記憶部に記憶された点灯比率情報が示す比率で、第1電流及び第2電流を、第1LED群及び第2LED群にそれぞれ供給する通常照明動作を開始させる処理部と、を有し、
処理部は、所定の第1操作が行われた場合、比率を所定のパターンで変化させながら第1LED群及び第2LED群を発光させる選択照明動作を開始させ、
処理部は、選択照明動作中に、所定の第2操作が行われた場合、当該第2操作が行われたときの比率に対応する情報を点灯比率情報として記憶部に記憶する、
ことを特徴とする照明装置。
(11)供給される第1電流の電流量に応じて、出射される第1波長を有する第1光の光量が変化する第1LED群と、
供給される第2電流の電流量に応じて、出射される第2波長を有する第2光の光量が変化する第2LED群と、
第1電流及び第2電流の電流量の比率に対応する情報である点灯比率情報を記憶する記憶部と、
記憶部に記憶された点灯比率情報が示す比率で、第1電流及び第2電流を、第1LED群及び第2LED群にそれぞれ供給する通常照明動作を開始させる処理部と、を有し、
処理部は、
所定の第1操作が行われた場合、比率を所定のパターンで変化させながら第1LED群及び第2LED群を発光させる選択照明動作を開始させ、
選択照明動作中に、所定の第2操作が行われた場合、当該第2操作が行われたときの比率に対応する情報を点灯比率情報として記憶部に記憶する、
処理を実行する、ことを特徴とする発光装置の制御方法。
【符号の説明】
【0136】
1~4 発光装置
11 第1LED群
12 第2LED群
13 第3LED群
20 基準電圧生成回路
30 第2電流制御回路
35 第3電流制御回路
50、59、70、75 制御回路
60 第1電流制御回路
90 DCDCドライバ
100、200 照明装置
101、201 電源装置
102 商用電源
103 電源スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17