(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110127
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】建設資材受発注システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20230802BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20230802BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06Q30/06 322
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022011368
(22)【出願日】2022-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】316003771
【氏名又は名称】株式会社創伝
(74)【代理人】
【識別番号】100216736
【弁理士】
【氏名又は名称】竹井 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100202706
【弁理士】
【氏名又は名称】長野 克彦
(74)【代理人】
【氏名又は名称】長野 光宏
(72)【発明者】
【氏名】高杉 正輝
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB54
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】 シンプルな構成の建設資材受発注システムを提供する。
【解決手段】 建設現場で用いられる資材を発注及び受注するための建設資材受発注システムであって、
発注者の通信端末にインストールされる、発注アプリケーションプログラムと、
前記発注アプリケーションプログラムからの発注情報を受信するサーバと、を備え、
前記発注アプリケーションプログラムは、
発注する資材を特定する資材特定手段と、
発注する前記資材を受け取る日時及び場所を特定する配送先特定手段と、を有し、
前記資材特定手段は、発注可能な資材の情報を複数の階層に分けて前記発注者の通信端末に表示する、
建設資材受発注システム。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設現場で用いられる資材を発注及び受注するための建設資材受発注システムであって、
発注者の通信端末にインストールされる、発注アプリケーションプログラムと、
前記発注アプリケーションプログラムからの発注情報を受信するサーバと、を備え、
前記発注アプリケーションプログラムは、
発注する資材を特定する資材特定手段と、
発注する前記資材を受け取る日時及び場所を特定する配送先特定手段と、を有し、
前記資材特定手段は、発注可能な資材の情報を複数の階層に分けて前記発注者の通信端末に表示する、
建設資材受発注システム。
【請求項2】
前記配送先特定手段は、位置情報を前記サーバに送信することにより、発注する前記資材を受け取る場所を特定可能である、
請求項1に記載の建設資材受発注システム。
【請求項3】
受注者の通信端末にインストールされる、受注アプリケーションプログラムをさらに備え、
前記発注アプリケーションプログラムは、前記受注アプリケーションプログラムを利用する受注者とコミュニケーションを取るためのコミュニケーション手段をさらに有する、
請求項1又は請求項2に記載の建設資材受発注システム。
【請求項4】
前記コミュニケーション手段は、画像データを前記受注アプリケーションプログラムに送信可能である、
請求項3に記載の建設資材受発注システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設資材受発注システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、実用新案登録第3216948号公報(特許文献1)がある。この公報には、「機器の部品を誤りなく迅速に発注することができる機器の部品受発注システム」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
システムが複雑なものとなり、該システムを容易に導入できないおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、
建設現場で用いられる資材を発注及び受注するための建設資材受発注システムであって、
発注者の通信端末にインストールされる、発注アプリケーションプログラムと、
前記発注アプリケーションプログラムからの発注情報を受信するサーバと、を備え、
前記発注アプリケーションプログラムは、
発注する資材を特定する資材特定手段と、
発注する前記資材を受け取る日時及び場所を特定する配送先特定手段と、を有し、
前記資材特定手段は、発注可能な資材の情報を複数の階層に分けて前記発注者の通信端末に表示する、
建設資材受発注システム。
【0006】
前記配送先特定手段は、位置情報を前記サーバに送信することにより、発注する前記資材を受け取る場所を特定可能である、
建設資材受発注システム。
【0007】
受注者の通信端末にインストールされる、受注アプリケーションプログラムをさらに備え、
前記発注アプリケーションプログラムは、前記受注アプリケーションプログラムを利用する受注者とコミュニケーションを取るためのコミュニケーション手段をさらに有する、
建設資材受発注システム。
【0008】
前記コミュニケーション手段は、画像データを前記受注アプリケーションプログラムに送信可能である、
建設資材受発注システム。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シンプルな構成の建設資材受発注システムを提供できる。
上述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図6】発注者端末に複数の発注可能な資材情報を表示した画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
建設現場で用いられる資材を発注及び受注するための建設資材受発注システム1の例を説明する。
図1は、建設資材受発注システム1の構成図である。
建設資材受発注システム1は、複数の発注者端末102、複数の受注者端末103、複数の配送者端末104、を備え、それぞれがネットワークを介してサーバ101に接続されている。なお、ネットワークは有線、無線を問わず、それぞれの端末はネットワークを介して情報を送受信することができる。
【0012】
建設資材受発注システム1のそれぞれの端末やサーバ101は、例えば、スマートフォン、タブレット、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)などの携帯端末でもよいし、メガネ型や腕時計型、着衣型などのウェアラブル端末でもよい。また、据置型または携帯型のコンピュータや、クラウドやネットワーク上に配置されるサーバでもよい。あるいは、これらの複数の端末の組合せであってもよい。例えば、1台のスマートフォンと1台のウェアラブル端末との組合せが論理的に一つの端末として機能し得る。またこれら以外の情報処理端末であってもよい。
【0013】
発注者端末102は、建設資材を発注する発注者が使用する端末である。
受注者端末103は、建設資材の発注を受注する受注者が使用する端末である。
配送者端末104は、発注及び受注された建設資材を発注者に配送する配送者が使用する端末である。
サーバ101は、上記それぞれの端末から、発注、受注又は配送を行うにあたって必要となる様々な情報の入力を受け付け、これらを補助記憶装置202の中に記憶する。
【0014】
建設資材受発注システム1のそれぞれの端末やサーバは、それぞれオペレーティングシステムやアプリケーション、プログラムなどを実行するプロセッサと、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置と、ICカードやハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、ネットワークカードや無線通信モジュール、モバイル通信モジュール等の通信制御部と、タッチパネルやキーボード、マウス、音声入力などの入力を受け付ける入力装置と、モニタやディスプレイ等の出力装置と、を備える。なお、出力装置は、外部のモニタやディスプレイ、プリンタ、機器などに、出力するための情報を送信する装置や端子であってもよい。
【0015】
主記憶装置には、各種プログラムやアプリケーションなど(モジュール)が記憶されており、これらのプログラムやアプリケーションをプロセッサが実行することで全体システムの各機能要素が実現される。なお、これらの各モジュールは集積化する等によりハードウェアで実装してもよい。また、各モジュールはそれぞれ独立したプログラムやアプリケーションでもよいが、1つの統合プログラムやアプリケーションの中の一部のサブプログラムや関数などの形で実装されていてもよい。
本明細書では、各モジュールが、処理を行う主体(主語)として記載をしているが、実際には各種プログラムやアプリケーションなど(モジュール)を処理するプロセッサが処理を実行する。
【0016】
補助記憶装置には、各種データベース(DB)が記憶されている。「データベース」とは、プロセッサまたは外部のコンピュータからの任意のデータ操作(例えば、抽出、追加、削除、上書きなど)に対応できるようにデータ集合を記憶する機能要素(記憶部)である。データベースの実装方法は限定されず、例えばデータベース管理システムでもよいし、XMLなどのテキストファイルでもよい。
【0017】
図2は、サーバ101のハードウェア構成の例である。
サーバ101は、例えばクラウド上に配置されたサーバで構成される。
主記憶装置201には、管理モジュール211が記憶されており、当該プログラムをプロセッサ203が実行することでサーバ101の各機能要素が実現される。
【0018】
管理モジュール211は、サーバ101の補助記憶装置202に記憶された発注情報及び資材情報を発注者端末102、受注者端末103又は配送者端末104に表示する。
【0019】
補助記憶装置202は、発注情報DB221及び資材情報DB222のデータベースを備える。
発注情報DB221は、発注者端末102から受信した後述する発注情報を格納するテーブルを備える。
資材情報DB222は、受注者が提供可能な資材の情報を格納するテーブルを備える。
【0020】
図3は、発注者端末102のハードウェア構成の例である。
発注者端末102は、例えばスマートフォンで構成される。
主記憶装置301には、資材特定モジュール311(資材特定手段)及び配送先特定モジュール312(配送先特定手段)を含む発注アプリケーションプログラム310が記憶(インストール)されており、これらのプログラムをプロセッサ303が実行することで発注者端末102の各機能要素が実現される。
発注者端末102には、カメラ部306及び発注者端末102における位置情報を取得するための位置情報取得部307も備えている。なお、位置情報とは、衛星からの信号を使用するGPS(グローバルポジショニングシステム/全地球測位システム)を利用して位置を特定する情報である。
【0021】
資材特定モジュール311は、発注者が発注(購入を希望)する資材を特定する。
配送先特定モジュール312は、特定した資材を受け取る日時及び場所を特定し、特定した情報をサーバ101へと送信する。
補助記憶装置302の発注者端末DB321は、例えばカメラ部306で撮影された発注する資材の画像データ等である。
【0022】
図4は、受注者端末103のハードウェア構成の例である。
受注者端末103は、例えば据置型コンピュータで構成される。
主記憶装置401には、資材特定モジュール411、配送先特定モジュール412、及び受注管理モジュール413を含む受注アプリケーションプログラム410が記憶(インストール)されており、これらのプログラムをプロセッサが実行することで受注者端末103の各機能要素が実現される。
【0023】
資材特定モジュール411は、発注者に代わって発注者が発注する資材の情報を特定する。
配送先特定モジュール412は、発注者に代わって特定した資材を発注者が受け取る日時及び場所を特定し、特定した情報をサーバ101へと送信する。
受注管理モジュール413は、発注者から送信された発注情報を表示し、当該発注情報を配送者端末へ送信する。
【0024】
図5は、配送者端末104のハードウェア構成の例である。
配送者端末104は、例えばスマートフォンで構成される。
主記憶装置501には、配送管理モジュール511が記憶されており、これらのプログラムやアプリケーションをプロセッサが実行することで配送者端末104の各機能要素が実現される。
配送管理モジュール511は、サーバ101の補助記憶装置202に記憶された発注情報を配送者端末104の出力装置505に表示する。
【0025】
ここで、発注者端末102の発注アプリケーションプログラム310が実施する資材発注フローを説明する。
発注アプリケーションプログラム310における資材特定モジュール311は、受注者が提供可能な資材の情報を複数の階層に分けて発注者端末102の出力装置305に表示する。
【0026】
具体的には、資材情報DB222に格納された、受注者が提供可能な資材情報に含まれる資材は、大分類カテゴリ、及び1つの該大分類カテゴリに属する小分類カテゴリが付与されている。例えば、大分類カテゴリである「釘」には、複数の小分類カテゴリ(発注する資材を特定する具体的な名称)である、例えば「コンクリート釘」「鉄スクリュー釘」又は「フィニッシュネイル」などが属している。
すなわち、資材特定モジュール311は、最初に、受注者が提供可能な資材情報のうちの複数の大分類カテゴリを発注者端末102の出力装置305に表示する。
【0027】
図6は、発注者端末102の出力装置305が複数の大分類カテゴリAの情報を表示した画面の例である。
【0028】
次いで、資材特定モジュール311は、発注者によりいずれかの大分類カテゴリが選択された場合には、選択された大分類カテゴリに属する複数の小分類カテゴリの情報を表示する。同様に、発注者によりいずれかの小分類カテゴリが選択された場合には、発注する資材が特定された状態となる。
【0029】
なお、資材特定モジュール311は、受注アプリケーションプログラム410を利用する受注者とコミュニケーションを取るためのコミュニケーション手段をさらに有していている(受注者端末における資材特定モジュール411においても同様のコミュニケーション手段を有する)。具体的には、資材特定モジュール311は、発注者端末102の出力装置305に、受注者とコミュニケーション(本例においてはチャット)を取ることを希望する「チャット開始」を選択できるように表示してもよい(
図6には図示せず)。当該「チャット開始」が選択されることで、資材特定モジュール311は発注者と受注者とがコミュニケーションを取ることができるチャット画面を表示する。当該コミュニケーション手段においては、メッセージに限らず画像データの送受信も可能に構成されている。資材特定モジュールは、チャット画面を、発注資材を特定するための画面と同時に表示してもよい。
【0030】
コミュニケーション手段を有することにより、発注したい資材の名称が分らず、発注したい資材を特定できない場合などに、発注者は受注者とコミュニケーションを取ることが可能となるため、発注者による発注資材の特定をより円滑に行うことができる。
【0031】
発注者によりいずれかの小分類カテゴリが選択された場合には、次いで、発注アプリケーションプログラム310における配送先特定モジュール312は、発注者が資材を受け取る日時及び場所の情報を入力するための情報入力画面を発注者端末102の出力装置305に表示する。
【0032】
受け取り日時について、配送先特定モジュール312は、具体的な日付又は時間帯を発注者が選択できるように表示してもよく、発注者が自由に配送希望日時情報を記述するための情報入力フォームを表示してもよく、また、具体的な日時を特定せずにできる限り早く配送を希望するために「即配送」を選択できるように表示してもよい。
【0033】
受け取り場所について、配送先特定モジュール312は、配送先住所を記述するための情報入力フォームを表示してもよく、発注者端末102の位置情報を提供することにより配送先の場所を特定することを希望する「位置情報提供」を選択できるように表示してもよい。「位置情報提供」が選択された場合には、配送先特定モジュール312は位置情報取得部307により位置情報を取得する。
【0034】
発注者により受け取り日時及び場所の情報が入力された場合には、最後に、配送先特定モジュール312は、特定した資材、及び特定した受け取り日時及び場所の情報をサーバ101に送信することにより、発注(資材発注フロー)が完了する。
【0035】
その後、受注アプリケーションプログラム410における受注管理モジュール413により、受注者端末103の出力装置405に、発注者端末102から送信された発注情報を表示し、受注者が当該発注情報を確認した後に、配送者が有する配送者端末104に当該発注情報を送信する。最後に、配送者端末104における配送管理モジュール511が、発注情報を配送者端末104の出力装置505に表示し、配送者が当該発注情報に基づき資材を配送する。
【0036】
なお、発注者に代わって受注者が、受注者端末103の受注アプリケーションプログラム410(資材特定モジュール411及び配送先特定モジュール412)により、発注者が発注を希望する資材の特定、及び受け取り日時及び場所の特定及びこれらの情報のサーバ101への送信を行ってもよい。
【0037】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0038】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記憶媒体に置くことができる。
【符号の説明】
【0039】
1 :建設資材受発注システム
101 :サーバ
102 :発注者端末
310 :発注アプリケーションプログラム
311 :資材特定モジュール
312 :配送先特定モジュール
103 :受注者端末
410 :受注アプリケーションプログラム
411 :資材特定モジュール
412 :配送先特定モジュール
413 :受注管理モジュール
104 :配送者端末