(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110168
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】車両用収納装置
(51)【国際特許分類】
B60R 7/04 20060101AFI20230802BHJP
B60N 3/00 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
B60R7/04 Z
B60N3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022011433
(22)【出願日】2022-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】309018445
【氏名又は名称】明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083091
【弁理士】
【氏名又は名称】田渕 経雄
(74)【代理人】
【識別番号】100141416
【弁理士】
【氏名又は名称】田渕 智雄
(72)【発明者】
【氏名】江口 徳亨
【テーマコード(参考)】
3B088
3D022
【Fターム(参考)】
3B088CA01
3D022CA07
3D022CB01
3D022CC03
3D022CC08
3D022CC25
3D022CD17
(57)【要約】
【課題】省スペース化を図るとともに、コストダウンを図ることができる、車両用収納装置の提供。
【解決手段】収納スペースSに縦置き状態のスマートフォンPの少なくとも下端部を収納可能なホルダ本体20を有するため、スマートフォンPを縦置き状態で収容保持できる。よって、スマートフォンPが平置きされて保持される場合に比べて、平面視での収納スペースSの省スペース化を図ることができる。また、サポート30が1つのみ設けられているため、サポート30がスマートフォンPの幅方向の両側に設けられている等、複数設けられる場合に比べて、部品点数を削減してコストダウンを図ることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルダ本体と、サポートと、サポート付勢バネと、を有し、
前記ホルダ本体は、底壁と側壁を備える収納部を有しており、該収納部の内側のスペースである収納スペースが、上方に開放しており、上下方向と直交する断面形状が長方形状となっており、縦置き状態のスマートフォンの少なくとも下端部を収納可能となっており、
前記サポートは、回動軸部を有しており、該回動軸部まわりに前記ホルダ本体に上下方向に回動可能に支持されており、前記収納スペースに突出して該収納スペースに収納される縦置き状態のスマートフォンの上下方向中間部を支持可能となっており、
前記サポート付勢バネは、前記サポートを前記ホルダ本体に対して前記収納スペースへの突出量が大となる方向である上方に回動付勢しており、
前記サポートは、1つのみ設けられており、前記収納スペースに収納される縦置き状態のスマートフォンの上下方向中間部を、断面長方形状の前記収納スペースの短手方向一側から他側に押圧して支持しており、前記収納スペースに突出しているときにおける該収納スペースへの突出方向の先端面が、平面視で前記サポートの幅方向中央側かつ前記収納スペースへの突出量が小となる方向に傾斜している、車両用収納装置。
【請求項2】
前記ホルダ本体には、前記収納スペースに接近離反する方向に延びる長孔が設けられており、
前記サポートの回動軸部は、前記長孔に挿入されており、
前記サポートは、前記回動軸部が前記長孔内を該長孔の長手方向に移動することで、前記ホルダ本体に対して前進位置と該前進位置よりも前記収納スペースへの突出量が小となる後退位置とに可動とされている、請求項1記載の車両用収納装置。
【請求項3】
前記長孔は、前記サポートが前記後退位置にあるときに前記回動軸部の下方への移動を許容する下方延長部を有する、請求項2記載の車両用収納装置。
【請求項4】
前記サポート付勢バネは、前記サポートを、前記後退位置から前記前進位置側に付勢する、請求項2または請求項3記載の車両用収納装置。
【請求項5】
前記サポートが前記サポート付勢バネの付勢力に抗して押し下げられたときに、該サポートを前記ホルダ本体に対して保持するロック装置を、さらに有する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の車両用収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォン等の収納物を収納可能な車両用収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,2は、スマートフォンを平置きして保持できる車両用収納装置を開示している。
【0003】
しかし、特許文献1,2に開示される技術では、スマートフォンが平置きれて保持されるため、平面視で比較的大きな収納スペースが必要になり、装置の平面視における省スペース化を図ることが困難である。
【0004】
上記問題点を解消できる技術として、特許文献3に開示される技術がある。特許文献3は、スマートフォンを縦置き(長手方向が上下方向となる置き方)にして、平面視での収納スペースの省スペース化を図る技術を開示している。
【0005】
しかし、上記特許文献3開示の技術では、収納スペースに収納されるスマートフォンの上下方向中間部を支持するサポートが、スマートフォンの幅方向の両側に設けられているため、部品点数を削減してコストダウンを図る点で改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-236477号公報
【特許文献2】特開2013-237343号公報
【特許文献3】特開2020-055360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、省スペース化を図るとともに、コストダウンを図ることができる、車両用収納装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) ホルダ本体と、サポートと、サポート付勢バネと、を有し、
前記ホルダ本体は、底壁と側壁を備える収納部を有しており、該収納部の内側のスペースである収納スペースが、上方に開放しており、上下方向と直交する断面形状が長方形状となっており、縦置き状態のスマートフォンの少なくとも下端部を収納可能となっており、
前記サポートは、回動軸部を有しており、該回動軸部まわりに前記ホルダ本体に上下方向に回動可能に支持されており、前記収納スペースに突出して該収納スペースに収納される縦置き状態のスマートフォンの上下方向中間部を支持可能となっており、
前記サポート付勢バネは、前記サポートを前記ホルダ本体に対して前記収納スペースへの突出量が大となる方向である上方に回動付勢しており、
前記サポートは、1つのみ設けられており、前記収納スペースに収納される縦置き状態のスマートフォンの上下方向中間部を、断面長方形状の前記収納スペースの短手方向一側から他側に押圧して支持しており、前記収納スペースに突出しているときにおける該収納スペースへの突出方向の先端面が、平面視で前記サポートの幅方向中央側かつ前記収納スペースへの突出量が小となる方向に傾斜している、車両用収納装置。
(2) 前記ホルダ本体には、前記収納スペースに接近離反する方向に延びる長孔が設けられており、
前記サポートの回動軸部は、前記長孔に挿入されており、
前記サポートは、前記回動軸部が前記長孔内を該長孔の長手方向に移動することで、前記ホルダ本体に対して前進位置と該前進位置よりも前記収納スペースへの突出量が小となる後退位置とに可動とされている、(1)記載の車両用収納装置。
(3) 前記長孔は、前記サポートが前記後退位置にあるときに前記回動軸部の下方への移動を許容する下方延長部を有する、(2)記載の車両用収納装置。
(4) 前記サポート付勢バネは、前記サポートを、前記後退位置から前記前進位置側に付勢する、(2)または(3)記載の車両用収納装置。
(5) 前記サポートが前記サポート付勢バネの付勢力に抗して押し下げられたときに、該サポートを前記ホルダ本体に対して保持するロック装置を、さらに有する、(1)~(4)のいずれか1つに記載の車両用収納装置。
【0009】
上記(1)の車両用収納装置では、つぎの効果を得ることができる。
ホルダ本体が、収納スペースに縦置き状態のスマートフォンの少なくとも下端部を収納可能となっているため、スマートフォンを縦置き状態で収納保持できる。よって、スマートフォンが平置きされて保持される場合に比べて、スマートフォンを縦置き(長手方向が上下方向となる置き方)にして、平面視での収納スペースの省スペース化を図ることができる。
【0010】
また、サポートが1つのみ設けられているため、サポートがスマートフォンの幅方向の両側に設けられている等、複数設けられる場合に比べて、部品点数を削減してコストダウンを図ることができる。
【0011】
また、サポートの、収納スペースに突出しているときにおける収納スペースへの突出方向の先端面が、平面視でサポートの幅方向中央側かつ収納スペースへの突出量が小となる方向に傾斜しているため、サポートが1つのみしか設けられていない場合であっても、縦置きされて収納されるスマートフォンをサポートでサポートの幅方向中央側にセンターリング化させることができる。これにより、収納スペースに収納されるスマートフォンを所定の狙った位置に位置させることができ、非接触式の充電ユニットが装置に設けられる場合に、充電ユニットによってスマートフォンを安定して充電することができる。
【0012】
また、サポートの、収納スペースに突出しているときにおける収納スペースへの突出方向の先端面が、平面視でサポートの幅方向中央側かつ収納スペースへの突出量が小となる方向に傾斜しているため、サポートが収納スペースに収納される縦置き状態のスマートフォンの上下方向中間部を断面長方形状の収納スペースの短手方向一側から他側に押圧して支持する場合であっても、サポートでスマートフォンの幅方向両端部またはその近傍のみを支持でき、サポートがスマートフォンの画面に当たることを抑制できる。
【0013】
上記(2)の車両用収納装置では、つぎの効果を得ることができる。
サポートが回動軸部まわりにホルダ本体に上下方向に回動可能に支持されているため、収納スペースに収納されているスマートフォンを収納スペースから抜くときに、サポートが突っ張りスマーフォンが抜けにくくなるおそれがある。しかし、本発明では、サポートがホルダ本体に対して前進位置と後退位置とに可動とされているため、サポートを前進位置から後退位置側に移動させながらスマートフォンを収納スペースから抜くことができる。よって、サポートが突っ張ってスマートフォンが抜けにくくなることを抑制できる。
【0014】
上記(3)の車両用収納装置では、つぎの効果を得ることができる。
長孔が、サポートが後退位置にあるときに回動軸部の下方への移動を許容する下方延長部を有するため、長孔が下方延長部を有していない場合に比べて、サポートが後退位置にあるときに回動軸部を長孔の下方延長部に進入させることでサポートの突出方向先端を上方に移動させることができる。よって、サポートが突っ張ってスマートフォンが抜けにくくなることを効果的に抑制できる。
【0015】
上記(4)の車両用収納装置では、つぎの効果を得ることができる。
サポート付勢バネが、サポートを、後退位置から前進位置側に付勢するため、サポート付勢バネとは異なる別の付勢バネを用いてサポートを後退位置から前進位置側に付勢する場合に比べて、部品点数を削減できコスト低減できる。
【0016】
上記(5)の車両用収納装置では、つぎの効果を得ることができる。
サポートがサポート付勢バネの付勢力に抗して押し下げられたときに、該サポートをホルダ本体に対して保持するロック装置を有するため、サポートを押し下げられた状態にて保持できる。そのため、装置をスマートフォン以外の小物類を収納するための小物入れとして使用する際に、サポートが邪魔になることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明実施例の車両用収納装置の分解斜視図である。
【
図2】本発明実施例の車両用収納装置の、スマートフォン等の収納物が収納されていないフリー状態にあるときにおける斜視図である。
【
図3】本発明実施例の車両用収納装置の、スマートフォンが収納されている状態における斜視図である。
【
図4】本発明実施例の車両用収納装置の、サポートがロック装置によって押し下げられた位置に保持されている状態における斜視図である。
【
図5】本発明実施例の車両用収納装置の、サポートがロック装置によって押し下げられた位置に保持されている状態における、
図4とは異なる方向から見たときの斜視図である。
【
図8】本発明実施例の車両用収納装置の、収納スペースに収納されているスマートフォンを収納スペースから抜くときにおける断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照して、本発明実施例の車両用収納装置10を説明する。なお、図中、UPは上方を示す。
【0019】
本発明実施例の車両用収納装置(以下、単に装置ともいう)10は、特に限定されるものではないが、たとえば、車両のインストルメントパネル、コンソールボックス(パネル)、アームレスト、ドアトリム等の車両の内装部材(図示略)に設けられている。
【0020】
装置10は、市販のスマートフォンPを収納可能なスマートフォンホルダとして使用可能なだけでなく、鍵、タバコ、駐車券等の小物類を収容保持可能な小物入れとしても使用可能である。装置10は、
図1に示すように、ホルダ本体20と、サポート30と、サポート付勢バネ40と、ロック装置60と、を有する。
【0021】
ホルダ本体20は、たとえば樹脂製である。ホルダ本体20は、ベース21と、カバー23と、を有する。
【0022】
ベース21は、車両の図示略の内装部材に固定されている。ベース21は、固定される車両の内装部材に一体に形成されていてもよく、別体に形成されて固定して取付けられていてもよい。ベース21は、底壁22aと側壁22bを備える収納部22を有する。収納部22の内部スペースである収納スペースSは、上方に開放しており、縦置き状態のスマートフォンP(
図3)の少なくとも下端部を収納可能となっている。なお、「縦置き」とは、スマートフォンPの長手方向が上下方向となる置き方である。
【0023】
収納スペースSは、収納部22の上端部(ホルダ本体20の上端部、装置10の上端部)にある開口22cを通って上方に開放されている。収納スペースSは、上下方向と直交する断面形状が長方形状(略長方形状を含む)となっており、下方(収納スペースSの奥)に行くにつれて断面積が小とされている。収納スペースSの最奥部における短手方向(幅方向)長さは、スマートフォンPの厚みより僅かに大で、スマートフォンPの長手方向の長さおよび長手方向と直交する幅方向の長さより小とされている。収納スペースSの最奥部における長手方向長さは、スマートフォンPの幅方向長さより僅かに大で、スマートフォンPの長手方向長さより小とされている。収納スペースSの開口22c(上端部)における短手方向長さは、収納スペースSの最奥部における短手方向長さより大となっており、スマートフォンPの厚みより大で、スマートフォンPの長手方向長さおよび幅方向長さより小とされている。収納スペースSの開口22cにおける長手方向長さは、収納スペースSの最奥部における長手方向長さより大となっており、スマートフォンPの幅方向長さより大で、スマートフォンPの長手方向長さより小とされている。
したがって、収納スペースSには、スマートフォンPを縦置き状態でのみ収納可能であり、平置き状態または横置き状態のスマートフォンPは収納不可能である。
【0024】
収納部22の側壁22bの周方向の一部には、側壁22bを貫通する側方開口22b1が設けられている。側壁開口22b1は、サポート30が収納スペースSに出入りするために設けられており、1つのみ設けられている。側壁開口22b1は、収納部22の側壁22bのうち収納スペースSの短手方向の一側壁部分に設けられている。
【0025】
カバー23は、ベース21と別体に形成されてベース21に固定して取付けられている。ただし、カバー23はベース21に一体に形成されていてもよい。カバー23は、側壁開口22b1を塞ぐようにして配置される。このため、収納スペースSに収納される収納物が側壁開口22b1を通って装置10から脱落することが抑制されている。カバー23は、サポート30とサポート付勢バネ40が組付けられたユニット状態で、ベース21に固定して取付けられる。
【0026】
カバー23には、カバー23の上端部(ホルダ本体20の上端部、装置10の上端部)(その近傍を含む)に、収納スペースSに接近離反する方向に延びる長孔23aが設けられている。長孔は溝といってもよい。長孔23aは、サポート30が後述する後退位置30dにあるときにのみサポート30の回動軸部31の下方への若干量の移動を許容する下方延長部23a1を有している。
【0027】
サポート30は、たとえば樹脂製であり、1つのみ設けられている。サポート30は、収納スペースSに突出して収納スペースSに収納される収納物の側面を支持するために設けられる。すなわち、サポート30は、収納スペースSに収納される縦置き状態のスマートフォンPの上下方向中間部を支持可能である。
【0028】
サポート30は、
図6に示すように、サポート付勢バネ40の付勢力に抗して変位させられていないフリー状態にあるとき、ベース21の側壁開口22b1の上縁22b2に当接しており、収納スペースSの上端部(その近傍を含む)で収納スペースSの短手方向の一側から他側に向って突出している。このため、サポートは、収納スペースSに収納される縦置き状態のスマートフォンPの上下方向中間部を、断面長方形状の収納スペースSの短手方向一側から他側に押圧して支持可能である。
【0029】
サポート30は、カバー23に上下方向に回動可能に支持される回動軸部31を有している。回動軸部31は、カバー23の長孔23aに挿入されており、長孔23a内で上下方向に回動可能であるとともに、長孔23aの長手方向に移動可能とされている。
【0030】
サポート30は、
図2、
図5に示すように、回動軸部31がカバー23に回動可能に支持されるため、回動軸部31まわりにカバー23(ホルダ本体20)に上下方向に回動可能に支持されている。サポート30は、後述する前進位置30cにあるとき、ホルダ本体20に対して上下方向に回動することで、突出位置30a(
図2)と該突出位置30aから押し下げられた押下位置30b(
図5)とに回動可能である。突出位置30a(
図2)は、サポート30の側面視で水平(略水平を含む)となり収納スペースSへの突出量が最大となる位置である。また、押下位置30b(
図5)は、突出位置30aから下方に回動してサポート30の上面32が収納スペースSの側面の一部となる位置(サポート30の上面32がサポート30の周囲にある収納部22の側壁22bと面一(略面一を含む)となる位置)である。
【0031】
図6に示すように、サポート30は、回動軸部31が長孔23a内を長孔23aの長手方向に移動可能であるため、カバー23(ホルダ本体20)に対して前進位置30cと該前進位置30cよりも収納スペースSへの突出量が小となる後退位置30dとに移動可能とされている。サポート30は、長孔23aが下方延長部23a1を有しているため、後退位置30dにあるときにのみ、回動軸部31が下方延長部23a1に進入することにより、突出位置30aにおける延び姿勢よりも若干量だけ突出方向先端を上方に移動させることができるようになっている。
【0032】
図7に示すように、サポート30は、収納スペースSに突出しているときにおける収納スペースSへの突出方向の先端面33が、平面視でサポート30の幅方向中央側かつ収納スペースSへの突出量が小となる方向に傾斜している。先端面33の傾斜は、サポート30の幅方向両外側端部のみ等、サポート30の幅方向中央部を除く先端面33部分のみに形成されていてもよいが、サポート30の幅方向で先端面33の全域(略全域を含む)にわたって形成されていることが望ましい。幅方向サイズが異なる種々のスマートフォンの全てに比較的容易に対応できるからである。
【0033】
図6に示すように、サポート付勢バネ40は、1つのみ設けられており、たとえばトーションスプリングである。ただし、サポート付勢バネ40は、図示はしないが、引張スプリング、圧縮スプリング、コンストンスプリング等であっていてもよい。サポート付勢バネ40の一端は、カバー23に引掛けられており、サポート付勢バネ40の他端は、サポート30に引掛けられている。
【0034】
サポート付勢バネ40は、サポート30を、ホルダ本体20に対して、押下位置30bから突出位置30a側に(収納スペースSへの突出量が大となる方向である上方に)回動付勢する。また、サポート付勢バネ40は、サポート30を、ホルダ本体20に対して、後退位置30dから前進位置30c側に(収納スペースSへの突出量が大となる方向に)付勢する。
【0035】
図5に示すように、ロック装置60は、前進位置30cにあるサポート30がサポート付勢バネ40の付勢力に抗して押下位置30bまで押し下げられた状態にあるときに、サポート30をホルダ本体20に対して押下位置30bに保持する装置である。ロック装置60は、装置10をスマートフォンP以外の収納物を収納する小物入れとして使用するときに、サポート30が邪魔になることを抑制するために設けられる。ロック装置60は、公知のハートカムロック装置などで構成されていてもよく、サポート30とホルダ20の一方に係合部を設けて他方に該係合部が係合可能な係合受け部を設けることで構成されていてもよい。
【0036】
つぎに、本発明実施例の作用、効果を説明する。
(A)収納スペースSに縦置き状態のスマートフォンPの少なくとも下端部を収納可能なホルダ本体20を有するため、スマートフォンPを縦置き状態で収容保持できる。よって、スマートフォンPが平置きされて保持される場合に比べて、スマートフォンPを縦置き(長手方向が上下方向となる置き方)にして、平面視での収納スペースSの省スペース化を図ることができる。
【0037】
(B)サポート30が1つのみ設けられているため、サポート30がスマートフォンPの幅方向の両側に設けられている等、複数設けられる場合に比べて、部品点数を削減してコストダウンを図ることができる。
【0038】
(C)サポート30の、収納スペースSに突出しているときにおける収納スペースSへの突出方向の先端面33が、平面視でサポート20の幅方向中央側かつ収納スペースSへの突出量が小となる方向に傾斜しているため、サポート30が1つのみしか設けられていない場合であっても、縦置きされて収納されるスマートフォンPをサポート30でサポート30の幅方向中央側(収納スペースSの長手方向の中央側)にセンターリング化させることができる。これにより、収納スペースSに収納されるスマートフォンPを所定の狙った位置に位置させることができ、非接触式の充電ユニット50(
図6)が装置に設けられる場合に、該充電ユニット50によってスマートフォンPを安定して充電することができる。
【0039】
(D)サポート30の、収納スペースSに突出しているときにおける収納スペースSへの突出方向の先端面33が、平面視でサポート20の幅方向中央側かつ収納スペースSへの突出量が小となる方向に傾斜しているため、サポート30が収納スペースSに収納される縦置き状態のスマートフォンPの上下方向中間部を断面長方形状の収納スペースSの短手方向一側から他側に押圧して支持する場合であっても、サポート30でスマートフォンPの幅方向両端部またはその近傍のみを支持でき、サポート30がスマートフォンPの画面に当たることを抑制できる。
【0040】
(E)サポート30が回動軸部31まわりにホルダ本体20に上下方向に回動可能に支持されているため、収納スペースSに収納されているスマートフォンPを収納スペースSから抜くときに、サポート30が突っ張りスマーフォンPが抜けにくくなるおそれがある。しかし、本発明では、サポート30がホルダ本体20に対して前進位置30cと後退位置30dとに可動とされているため、サポート30を前進位置30cから後退位置30d側に移動させながらスマートフォンPを収納スペースSから抜くことができる。よって、サポート30が突っ張ってスマーフォンPが抜けにくくなることを抑制できる。また、サポート30(特に回動軸部31)が破損することを抑制できる。
【0041】
(F)長孔23aが、サポート30が後退位置30dにあるときに回動軸部31の下方への移動を許容する下方延長部23a1を有するため、長孔23aが下方延長部23a1を有していない場合に比べて、サポート30が後退位置30dにあるときに回動軸部33を長孔23aの下方延長部23a1に進入させることでサポート30の突出方向先端を上方に移動させることができる。よって、サポート30が突っ張ってスマートフォンPが抜けにくくなることを効果的に抑制できる。
【0042】
(G)サポート付勢バネ40が、サポート30を、後退位置30dから前進位置30c側に付勢するため、サポート付勢バネ40とは異なる別の付勢バネを用いてサポート30を後退位置30dから前進位置30c側に付勢する場合に比べて、部品点数を削減できコスト低減できる。
【0043】
(H)サポート30がサポート付勢バネ40の付勢力に抗して押し下げられたときに、サポート30をホルダ本体20に対して保持するロック装置60を有するため、サポート30を押し下げられた状態、すなわち押下位置30bにて保持できる。そのため、装置10をスマートフォンP以外の小物類を収納するための小物入れとして使用する際に、サポート30が邪魔になることを抑制できる。
【0044】
以上、本発明実施例では、収納スペースSの上下方向と直交する断面形状が長方形状となっており、収納スペースSには、縦置き状態のスマートフォンPのみを収納可能であり、平置き状態または横置き状態のスマートフォンPは収納不可能となっている場合を説明したが、収納スペースSの上下方向と直交する断面形状を変える、または大型化させることで、装置10をカップホルダ等として機能させてもよい。
【符号の説明】
【0045】
10 車両用収納装置
20 ホルダ本体
21 ベース
22 収納部
22a 底壁
22b 側壁
22b1 側方開口
22c 開口
23 カバー
23a 長孔
30 サポート
30a 突出位置
30b 押下位置
30c 前進位置
30d 後退位置
31 回動軸部
32 上面
33 先端面
40 サポート付勢バネ
50 充電ユニット
60 ロック装置
P スマートフォン
S 収納スペース