(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110182
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】生産管理システム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20230802BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20230802BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022011465
(22)【出願日】2022-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 信一
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
【Fターム(参考)】
3C100AA29
3C100AA38
3C100AA56
3C100BB12
3C100BB14
3C100BB15
3C100BB33
5L049CC04
(57)【要約】
【課題】管理者や作業者が処理設備による処理進行状況を容易に把握できる生産管理システムを提供する。
【解決手段】設備管理システム1の表示処理装置32は、第一軸を時計時刻または連続する複数の処理サイクルを1つの処理サイクルグループとして処理サイクルグループの処理開始からの経過時間を表し、かつ、第二軸を処理サイクルのそれぞれにおけるサイクル開始からの経過時間を表す表示グラフテンプレートD1~D7を格納する。表示グラフテンプレートD1~D7に、処理サイクルのそれぞれの開始から終了までの処理実行区間を区別してグラフィカル表示させ、第一軸のうち対応する処理サイクルの処理実行区間の座標値に、第二軸の座標値として処理サイクルのそれぞれのサイクル所要時間をグラフィカル表示させる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標タクトで施すように設定された処理サイクルを順次実行するように構成された処理設備と、
表示装置と、
前記処理設備の処理進行状況を表す表示データを前記表示装置にグラフィカル表示する処理を実行するように構成された表示処理装置と、
を備え、
前記表示処理装置は、
前記表示装置に表示させる表示グラフテンプレートであって、第一軸を時計時刻または連続する複数の前記処理サイクルを1つの処理サイクルグループとして前記処理サイクルグループの処理開始からの経過時間を表し、かつ、前記第一軸に交差する方向の第二軸を前記処理サイクルのそれぞれにおけるサイクル開始からの経過時間を表す前記表示グラフテンプレートを格納し、
前記処理サイクルのそれぞれが開始したときの、前記時計時刻または前記処理サイクルグループの処理開始からの経過時間を取得し、
前記表示グラフテンプレートに、前記処理サイクルのそれぞれの開始から終了までの処理実行区間を、前記第一軸において前記処理サイクルのそれぞれを区別してグラフィカル表示させ、
前記処理サイクルのそれぞれの開始からの経過時間であるサイクル所要時間を取得し、
前記表示グラフテンプレートに、前記第一軸のうち対応する前記処理サイクルの処理実行区間の座標値に、前記第二軸の座標値として前記処理サイクルのそれぞれの前記サイクル所要時間をグラフィカル表示させる、設備管理システム。
【請求項2】
前記第一軸の表示時間スケールと前記第二軸の表示時間スケールとは、異なるスケールに設定される、請求項1に記載の設備管理システム。
【請求項3】
前記表示処理装置は、前記表示グラフテンプレートに、前記処理サイクルのそれぞれを1つの連続線を用いてグラフィカル表示させ、
前記連続線は、前記処理サイクルのそれぞれにおける開始時刻に対応する前記第一軸の座標値および前記第二軸の座標値により表される2次元座標値を起点とし、前記処理サイクルの経過に伴って前記第一軸の座標値および前記第二軸の座標値により表される2次元座標値を終点とする線である、請求項1または2に記載の設備管理システム。
【請求項4】
前記表示処理装置は、前記表示グラフテンプレートに、前記処理サイクルのそれぞれを複数のプロット点を用いてグラフィカル表示させ、
複数の前記プロット点は、
前記処理サイクルのそれぞれにおける開始時刻に対応する前記第一軸の座標値および前記第二軸の座標値により表される2次元座標値である起点プロット点と、
前記処理サイクルの経過に伴って前記第一軸の座標値および前記第二軸の座標値により表される2次元座標値の経過プロット点と、
を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の設備管理システム。
【請求項5】
前記処理設備は、並行に処理可能な複数の部分処理のそれぞれを実行する複数の部分処理機器を備えて構成され、複数の前記部分処理機器の前記部分処理により前記処理サイクルを実行するように構成され、
前記表示処理装置は、
前記部分処理機器のそれぞれの前記部分処理が終了したときの、前記第一軸の座標値および前記第二軸の座標値である終了プロット点を取得し、
前記表示グラフテンプレートに、前記終了プロット点をグラフィカル表示させる、請求項3または4に記載の設備管理システム。
【請求項6】
前記処理サイクルは、
前記処理設備が前記処理サイクルの前回処理済み対象物を搬出した時をサイクル開始とし、前記処理設備が前記処理サイクルの今回処理済み対象物を搬出した時をサイクル終了とする、
前記処理設備が前記処理サイクルの今回処理対象物を搬入した時をサイクル開始とし、前記処理設備が前記処理サイクルの次回処理対象物を搬入した時をサイクル終了とする、
前記処理設備が前記処理サイクルの今回処理対象物を搬入した時をサイクル開始とし、前記処理設備が前記処理サイクルの今回処理済み対象物を搬出した時をサイクル終了とする、
のいずれか1つである、請求項1~5のいずれか1項に記載の設備管理システム。
【請求項7】
前記表示処理装置は、さらに、
前記処理サイクルのそれぞれにおいて前記処理設備が停止したときの、前記時計時刻または前記処理サイクルグループの処理開始からの経過時間を取得し、
前記表示グラフテンプレートに、前記処理設備が停止してから停止解除されるまでの停止区間をグラフィカル表示させる、請求項1~6のいずれか1項に記載の設備管理システム。
【請求項8】
前記第二軸は、前記処理サイクルのそれぞれにおけるサイクル開始からの経過時間を表すと共に、前記処理サイクルのそれぞれにおける前記処理設備の停止からの経過時間を表し、
前記表示処理装置は、さらに、
前記処理サイクルのそれぞれにおいて前記処理設備が停止してからの経過時間である停止時間を取得し、
前記表示グラフテンプレートに、前記第一軸のうち前記処理設備の停止区間の座標値に、前記第二軸の座標値として前記処理設備の前記停止時間をグラフィカル表示させる、請求項7に記載の設備管理システム。
【請求項9】
前記表示処理装置は、前記停止区間を、前記処理サイクルの前記処理実行区間を表す表示属性とは異なる表示属性にて表示させる、請求項7または8に記載の設備管理システム。
【請求項10】
前記表示処理装置は、
複数の停止要因のそれぞれについて、前記処理設備が停止したときの、前記時計時刻または前記処理サイクルグループの処理開始からの経過時間を取得し、
前記表示グラフテンプレートに、前記停止要因ごとに異なる表示属性にて、前記処理設備の前記停止区間をグラフィカル表示させる、請求項7~9のいずれか1項に記載の設備管理システム。
【請求項11】
複数の前記停止要因は、
前記処理設備に前記処理サイクルの対象物が搬入されてこない状態である対象物未搬入状態、
前記処理設備の後工程に、前記処理サイクルの処理済み対象物を搬出できない状態である対象物搬出不可状態、
前記処理設備が起動されていない状態である設備未稼働状態、
の少なくとも2つを含む、請求項10に記載の設備管理システム。
【請求項12】
前記表示グラフテンプレートは、前記第二軸と平行な方向または前記第一軸および前記第二軸に交差する方向である第三軸を、前記処理サイクルの累積処理実行数として表し、
前記表示処理装置は、さらに、
前記処理サイクルの前記累積処理実行数を取得し、
前記表示グラフテンプレートに、前記第一軸のうち前記処理サイクルのそれぞれの座標値に、前記第三軸の座標値として前記累積処理実行数をグラフィカル表示させる、請求項1~11のいずれか1項に記載の設備管理システム。
【請求項13】
前記表示処理装置は、さらに、
前記第一軸で表される前記時計時刻または前記処理サイクルグループの処理開始からの経過時間に対応した前記処理サイクルの処理計画数を取得し、
前記第一軸のうち前記処理サイクルのそれぞれの座標値に、前記第三軸の座標値として前記処理計画数を、前記累積処理実行数とは異なる表示属性にてグラフィカル表示させる、請求項12に記載の設備管理システム。
【請求項14】
前記表示処理装置は、さらに、
取得した前記処理サイクルの前記累積処理実行数、および、前記累積処理実行数の処理に要した実処理時間に基づいて、目標累積処理数に達する到達予測時刻を演算し、
前記目標累積処理数および前記到達予測時刻に基づいて、前記第一軸のうち前記到達予測時刻の座標値における前記第三軸の座標値が前記目標累積処理数となるように、グラフィカル表示させる、請求項12または13に記載の設備管理システム。
【請求項15】
前記表示処理装置は、取得した前記処理サイクルの前記累積処理実行数、および、前記累積処理実行数の処理に要した実処理時間に基づいて、1回の前記処理サイクル当たりの平均処理時間を演算し、現在以降の前記処理サイクルを前記平均処理時間で処理したと仮定した場合の前記到達予測時刻を演算する、請求項14に記載の設備管理システム。
【請求項16】
前記表示処理装置は、取得した前記処理サイクルの前記累積処理実行数、および、前記目標タクトに基づいて、現在以降の前記処理サイクルを前記目標タクトで処理したと仮定した場合の前記到達予測時刻を演算する、請求項14に記載の設備管理システム。
【請求項17】
さらに、前記到達予測時刻に基づいて、自動的に処理計画を更新する、または、更新された前記処理計画を通知するように構成された後処理装置を備える、請求項14~16のいずれか1項に記載の設備管理システム。
【請求項18】
前記表示処理装置は、前記累積処理実行数を、階段状連続線または折れ線によるグラフィカル表示させる、請求項12~17のいずれか1項に記載の設備管理システム。
【請求項19】
さらに、
前記処理設備の処理状況を撮影する撮影装置と、
前記処理サイクルの所要時間が閾値を超える場合に、前記撮影装置により撮影された撮影データを格納する撮影データ格納装置と、
を備える、請求項1~18のいずれか1項に記載の設備管理システム。
【請求項20】
前記撮影データ格納装置は、前記撮影装置により撮影された撮影データに、前記表示データを関連付けて格納する、請求項19に記載の設備管理システム。
【請求項21】
前記表示処理装置は、サーバまたはクラウド上に構成され、
前記表示装置は、前記表示処理装置とネットワークを構成し、前記表示処理装置との通信により取得した前記表示データを表示するように構成されている、請求項1~20のいずれか1項に記載の設備管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、生産状況を可視化する手法として、ガントチャートを用いてグラフィカル表示することが知られている。ガントチャートは、例えば、横軸に時刻を表し、1つの作業対象物を1つの横棒として表すことにより作業対象物ごとに区別して表示する。従って、管理者や作業者は、ガントチャートにより、作業の進捗状況を把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一定の目標タクトで施すように設定された処理サイクルを順次実行するような処理設備の処理進行状況を管理者または作業者が把握するために、表示装置に処理進行状況をガントチャートにて表示することができる。この場合、例えば、横軸を時刻とし、各処理サイクルの開始から完了まで時間を1つの横棒にて表示することができる。さらに、処理時間が目標タクト以内である場合と、処理時間が目標タクトを超えた場合とで、各横棒を色分け表示することにより、管理者および作業者は、いつ実施された処理サイクルにて問題が生じたかを容易に把握することができる。
【0005】
この種の表示方法において、管理者または作業者が、目標タクトを超えた処理サイクルが目標タクトからどの程度超えているのかを視覚的に把握するためには、当該処理サイクルを表す横棒の長さが、目標タクトの横棒の長さよりどの程度長いかを比較することが必要となる。そのため、管理者や作業者は、目標タクトからどの程度超えているのかを直感的に把握しにくいという課題がある。
【0006】
また、目標タクトを超えるような処理サイクルの発生頻度が低い場合には、表示装置の表示画面に、多数の処理サイクルを同時に表示した状態で、目標タクトを超える処理サイクルを把握できることが望まれる。しかし、表示画面において1つの処理サイクルを表す横棒の長さは短くなるため、視覚的に目標タクトとの比較をすることは容易ではない。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、管理者や作業者が処理設備による処理進行状況を容易に把握できる生産管理システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、目標タクトで施すように設定された処理サイクルを順次実行するように構成された処理設備と、
表示装置と、
前記処理設備の処理進行状況を表す表示データを前記表示装置にグラフィカル表示する処理を実行するように構成された表示処理装置と、
を備え、
前記表示処理装置は、
前記表示装置に表示させる表示グラフテンプレートであって、第一軸を時計時刻または連続する複数の前記処理サイクルを1つの処理サイクルグループとして前記処理サイクルグループの処理開始からの経過時間を表し、かつ、前記第一軸に交差する方向の第二軸を前記処理サイクルのそれぞれにおけるサイクル開始からの経過時間を表す前記表示グラフテンプレートを格納し、
前記処理サイクルのそれぞれが開始したときの、前記時計時刻または前記処理サイクルグループの処理開始からの経過時間を取得し、
前記表示グラフテンプレートに、前記処理サイクルのそれぞれの開始から終了までの処理実行区間を、前記第一軸において前記処理サイクルのそれぞれを区別してグラフィカル表示させ、
前記処理サイクルのそれぞれの開始からの経過時間であるサイクル所要時間を取得し、
前記表示グラフテンプレートに、前記第一軸のうち対応する前記処理サイクルの処理実行区間の座標値に、前記第二軸の座標値として前記処理サイクルのそれぞれの前記サイクル所要時間をグラフィカル表示させる、設備管理システムにある。
【発明の効果】
【0009】
表示処理装置によって表示装置に表示される表示グラフテンプレートは、第一軸と、第一軸に交差する方向の第二軸とを表す。第一軸は、時計時刻を表す場合と、連続する複数の処理サイクルを1つの処理サイクルグループとして当該処理サイクルグループの処理開始からの経過時間を表す場合との少なくとも一方である。第二軸は、処理サイクルのそれぞれにおけるサイクル開始からの経過時間を表す。つまり、第一軸も第二軸も、時間を表す。
【0010】
そして、表示処理装置は、表示グラフテンプレートに、処理サイクルのそれぞれの開始から終了までの処理実行区間を、第一軸において処理サイクルのそれぞれを区別してグラフィカル表示させる。つまり、表示処理装置は、時間を表す第一軸において、どの時間帯に、どの処理サイクルが実施されたかを把握できるようにグラフィカル表示する。例えば、処理サイクルに要する時間に応じて、第一軸において処理サイクルのそれぞれが占める時間長さが異なることになる。
【0011】
さらに、表示処理装置は、第一軸のうち対応する処理サイクルの処理実行区間の座標値に、第二軸の座標値として処理サイクルのそれぞれのサイクル所要時間をグラフィカル表示させる。つまり、表示処理装置は、第一軸および第二軸を複合的に用いることにより、処理サイクルのそれぞれのサイクル所要時間を把握できるようにグラフィカル表示する。例えば、サイクル所要時間に応じて、第二軸の表示時間スケールを調整することができる。
【0012】
従って、管理者や作業者は、表示装置に表示された表示グラフテンプレートにおける第一軸により、時間の経過において複数の処理サイクルの処理進行状況を把握することができる。さらに、第二軸は、処理サイクルのそれぞれにおけるサイクル開始からの経過時間を表す。そのため、管理者や作業者は、表示装置に表示された表示グラフテンプレートの第一軸の各座標値における第二軸の座標値を視認することにより、処理サイクルのそれぞれの所要時間を把握することができる。
【0013】
また、目標タクトを超えるような処理サイクルの発生頻度が低い場合などにおいて、表示装置の表示画面に、多数の処理サイクルを同時に表示した状態とする。このような場合において、表示画面における第一軸の表示時間スケールを長時間としたとしても、第二軸の表示時間スケールを第一軸に連動させる必要性はないため、第二軸の座標値の表示時間スケールを変更せずに、第一軸の座標値の表示時間スケールを変更することができる。従って、第二軸の座標値を把握することにより、目標タクトとの比較が容易となる。
【0014】
以上のごとく、上記態様によれば、管理者や作業者が処理設備による処理進行状況を容易に把握できる生産管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】設備管理システムの機能ブロック構成を示す図である。
【
図3】設備管理システムを構成する表示処理装置の機能ブロック構成を示す図である。
【
図4】設備管理システムを構成する表示装置に表示させる第一表示形式を示し、全ての処理サイクルが正常である場合を示す図である。
【
図5】表示装置に表示させる第一表示形式の表示グラフテンプレートにおいて、処理サイクルが正常と異常とが含まれる表示データがグラフィカル表示された図である。
【
図6】第一表示形式の表示グラフテンプレートで表示させるための表示処理装置による表示データ生成処理を示すフローチャートである。
【
図7】第一表示形式の表示グラフテンプレートにおいて表示データのグラフィカル表示内容の生成過程を示す図である。
【
図8】表示装置に表示させる第二表示形式の表示グラフテンプレートにおいて表示データがグラフィカル表示された図である。
【
図9】第二表示形式の表示グラフテンプレートで表示させるための表示処理装置による表示データ生成処理を示すフローチャートである。
【
図10】
図8に示す第二表示形式の表示グラフテンプレートにおける表示データの一部が選択操作された場合に、撮影データを表示するための画像画面が表示された状態を示す図である。
【
図11】表示装置に表示させる第三表示形式の表示グラフテンプレートにおいて表示データがグラフィカル表示された図である。
【
図12】第三表示形式の表示グラフテンプレートで表示させるための表示処理装置による表示データ生成処理を示すフローチャートである。
【
図13】第三表示形式の表示グラフテンプレートにおいて表示データのグラフィカル表示内容の生成過程を示す図である。
【
図14】表示装置に表示させる第四表示形式の表示グラフテンプレートにおいて表示データがグラフィカル表示された図である。
【
図15】表示装置に表示させる第五表示形式の表示グラフテンプレートにおいて表示データがグラフィカル表示された図である。
【
図16】第五表示形式の表示グラフテンプレートで表示させるための表示処理装置による表示データ生成処理を示すフローチャートである。
【
図17】第六表示形式の表示グラフテンプレートで表示させるための表示処理装置による表示データ生成処理を示すフローチャートである。
【
図18】第六表示形式の表示グラフテンプレートにおいて表示データのグラフィカル表示内容の生成過程を示す図である。
【
図19】表示装置に表示させる第七表示形式の表示グラフテンプレートにおいて表示データがグラフィカル表示された図である。
【
図20】第七表示形式の表示グラフテンプレートにおいて表示データのグラフィカル表示内容の生成過程を示す図である。
【
図21】設備管理システムを構成する表示処理装置の後処理装置の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態)
1.設備管理システム1の構成
設備管理システム1の構成について
図1を参照して説明する。設備管理システム1は、工場2内に設置された処理ライン設備11、工場2内に設置された表示装置12、管理装置3、ユーザ端末4などを備えて構成される。
【0017】
処理ライン設備11は、自動車などの車両、工作機械などの産業機械、これらを構成する部品を生産するための設備、各種対象物Wの検査を行う設備などである。特に、処理ライン設備11は、大量の対象物Wに対して順次処理を実行することができるように構成されている。
【0018】
処理ライン設備11は、対象物Wを搬送する搬送装置21、対象物Wに対して各処理工程を実行する複数の処理設備22,23、撮影装置24,25を備える。搬送装置21は、処理の対象物Wを各工程エリアAr1,Ar2に順次搬送することができ、かつ、各工程エリアAr1,Ar2にて対象物Wに対する処理を実行するために対象物Wを所定位置に位置決めすることができる。搬送装置21は、工程ごとに独立して対象物Wを搬送するように構成することもできるし、複数の工程を一体的にして複数の対象物Wを同時に搬送するように構成することもできる。
【0019】
処理設備22,23は、組立ロボット、溶接ロボット、搬送ロボット、加工ロボット、工作機械、検査機器など、種々の自動化機器により構成されている。本形態においては、複数の処理設備22,23は、処理ライン設備11を構成する場合を例に挙げる。この他に、複数の処理設備22,23のそれぞれは、独立した設備として用いることもできる。
【0020】
本形態において、複数の処理設備22,23のそれぞれは、工程エリアAr1,Ar2のそれぞれに配置されており、搬送装置21により搬入される対象物Wに対して、設定された処理サイクルを実行する。そして、複数の処理設備22,23のそれぞれは、次に搬入される対象物Wに対して、同一の処理サイクルを実行する。つまり、複数の処理設備22,23のそれぞれは、予め設定された処理サイクルを順次実行するように構成されている。
【0021】
ここで、本形態において、1つの処理サイクルは、例えば、以下の3つのいずれか1つにより定義される。第一の処理サイクルは、処理設備22,23が処理サイクルの前回処理済み対象物Wを搬出した時をサイクル開始とし、処理設備22,23が処理サイクルの今回処理済み対象物Wを搬出した時をサイクル終了とする。第二の処理サイクルは、処理設備22,23が処理サイクルの今回処理対象物Wを搬入した時をサイクル開始とし、処理設備22,23が処理サイクルの次回処理対象物Wを搬入した時をサイクル終了とする。第三の処理サイクルは、処理設備22,23が処理サイクルの今回処理対象物Wを搬入した時をサイクル開始とし、処理設備22,23が処理サイクルの今回処理済み対象物Wを搬出した時をサイクル終了とする。特に、本形態では、第一の処理サイクルを採用する。
【0022】
そして、処理サイクルは、一定の目標タクトで施すように設定されている。例えば、目標タクトを60秒とした場合、処理設備22,23は、搬入される対象物Wに対して処理サイクルを60秒で実行した後に次工程に搬出し、次に搬入される対象物Wに対しても同様に行う。
【0023】
工程エリアAr1に配置された処理設備22は、例えば、並行に処理可能な複数の部分処理のそれぞれを実行する複数の部分処理機器22a,22b,22cを備えて構成されている。そして、処理設備22は、複数の部分処理機器22a,22b,22cの部分処理により、処理設備22に設定された処理サイクルを実行するように構成されている。
【0024】
処理設備22を構成する複数の部分処理機器22a,22b,22cは、例えば、次のような処理を実行する。部分処理機器22aが、部品を搬送すると共に所定の溶接位置に部品を位置決めした状態とし、部分処理機器22bが、位置決めされた当該部品をベース部材に溶接する処理を行い、部分処理機器22cが、別の部位における組付溶接処理を行う。なお、各部分処理機器22a,22b,22cは、上記の処理に限られず、種々の処理を実行するようにしても良い。また、処理設備22は、1つの機器により構成されるようにしても良い。
【0025】
工程エリアAr2に配置された処理設備23も、同様に、並行に処理可能な複数の部分処理のそれぞれを実行する複数の部分処理機器23a,23b,23cを備えて構成されている。そして、処理設備23は、複数の部分処理機器23a,23b,23cの部分処理により、処理設備23に設定された処理サイクルを実行するように構成されている。
【0026】
撮影装置24は、工程エリアAr1に配置されており、処理設備22の処理状況を撮影する。撮影装置24は、動画を取得する方が好適ではあるが、静止画を取得するようにしても良い。撮影装置24は、処理設備22を構成する複数の部分処理機器22a,22b,22cの動作を確認できるように配置されている。撮影装置24は、1台設置しても良いし、複数台設置しても良い。撮影装置25は、工程エリアAr2に配置されており、処理設備22の処理状況を撮影する。撮影装置25は、工程エリアAr1に配置された撮影装置24と同様の処理を行う。
【0027】
表示装置12は、工場2内に設置されており、処理ライン設備11を構成する複数の処理設備22,23のそれぞれの処理進行状況を表す表示データをグラフィカル表示する。表示装置12は、工場2内の管理者や作業者が視認することができるように、例えば大型モニタにより構成されている。
【0028】
管理装置3は、設備管理システム1のサーバとして機能し、処理ライン設備11を管理するための装置である。管理装置3は、処理計画データを格納しており、処理設備22,23による処理進行状況、処理設備22,23自体の状態などを管理している。さらに、管理装置3は、処理設備22,23の処理進行状況を表す表示データを表示装置12にグラフィカル表示するための処理を実行する。
【0029】
管理装置3は、例えば、クラウド上に設置されている。そして、管理装置3は、処理ライン設備11を構成する各機器21~25、および、表示装置12とネットワークを構成している。従って、処理ライン設備11を構成する各機器21~25と管理装置3、および、表示装置12と管理装置3とは、通信によりデータ送受が可能となる。特に、表示装置12は、管理装置3との通信により取得した表示データを表示するように構成されている。
【0030】
なお、本形態では、管理装置3は、サーバとして機能し、複数の機能を実行することとした。この他に、管理装置3は、サーバとしての機能を有する装置と、表示装置12にグラフィカル表示するための処理を行う装置とを別々に設けることもできる。表示装置12にグラフィカル表示するための処理を行う装置は、サーバとは別のクラウド上に構成しても良いし、サーバとは別の装置であって工場2内に設置されたLANネットワークなどを構成するようにしても良い。
【0031】
ユーザ端末4は、管理者や作業者であるユーザが所有する端末である。ユーザ端末4は、管理装置3とネットワークを構成しており、通信により管理装置3からの通知を受けることができる。また、ユーザ端末4は、表示装置12におけるグラフィカル表示内容と同様の内容を表示することもできる。ユーザ端末4は、例えば、Webブラウザなどを用いて、Webサーバとしての管理装置3に接続することにより、処理設備22,23の処理進行状況を表す表示データをグラフィカル表示することができる。
【0032】
2.管理装置3の構成
管理装置3の構成について
図2を参照して説明する。管理装置3は、少なくともプロセッサおよび記憶装置を備えて構成される。そして、
図2に示すように、管理装置3は、計画データ格納装置31、表示処理装置32、撮影データ格納装置33、後処理装置34を備えて構成される。プロセッサは、表示処理装置32の一部、後処理装置34を備え、記憶装置は、計画データ格納装置31、表示処理装置32の一部、および、撮影データ格納装置33を備える。なお、管理装置3を構成する各装置31~34は、それぞれ独立した装置を構成しても良いし、一体的な装置を構成しても良い。
【0033】
計画データ格納装置31は、処理設備22,23により実行する処理計画のデータを格納する。処理計画は、例えば、処理サイクルを実行する目標数(目標累積処理数と称する)と、処理完了目標日時とを含む。
【0034】
表示処理装置32は、処理設備22,23の処理進行状況に関するデータを取得し、処理設備22,23の処理進行状況を表す表示データを表示装置12にグラフィカル表示する処理を実行するように構成されている。つまり、表示処理装置32は、ネットワークを構成する表示装置12に対して通信により表示データを出力することにより、表示装置12に表示データを表示させる。
【0035】
表示処理装置32は、さらに、計画データ格納装置31に格納されている処理計画のデータを用いて、表示装置12にグラフィカル表示する処理を実行する。また、表示処理装置32は、撮影装置24,25による撮影データと表示データとの関連付け処理を行う。表示処理装置32は、例えば、異常時のみにおける撮影データと表示データとの関連付け処理を行うようにしても良い。異常時とは、例えば、処理サイクルの所要時間が閾値Thを超える場合などとする。閾値Thは、目標タクトに設定しても良いし、目標タクトとは異なる時間に設定しても良い。後者の場合、閾値Thは、目標タクトより長い時間に設定される。ただし、閾値Thは、任意に設定することができ、目標タクトより短い時間に設定することもできる。
【0036】
撮影データ格納装置33は、撮影装置24,25により撮影された撮影データを格納する。さらに、撮影データ格納装置33は、撮影データに、表示処理装置32により生成された表示データを関連付けて格納する。関連付け処理は、上述したように、例えば、異常時について行われる。そこで、撮影データ格納装置33は、異常時における撮影データを格納しており、さらに、異常時における撮影データと表示データとを関連付けて格納する。例えば、撮影データ格納装置33は、一旦全ての撮影データを格納した後に、関連付けられた撮影データのみを残し、関連付けられていない撮影データは削除する処理を行うようにしても良い。
【0037】
後処理装置34は、表示処理装置32による処理結果に基づいて、計画データ格納装置31に格納されている処理計画のデータを自動的に更新したり、更新された処理計画を対象者に通知したりするように構成されている。
【0038】
3.表示処理装置32の構成
表示処理装置32の構成について
図3を参照して説明する。表示処理装置32は、少なくともプロセッサおよび記憶装置を備えて構成される。表示処理装置32は、表示グラフテンプレート格納部41、データ取得部42、表示形式設定部43、表示データ生成部44を備えて構成される。プロセッサは、データ取得部42、表示形式設定部43、表示データ生成部44を備え、記憶装置は、表示グラフテンプレート格納部41を備える。
【0039】
表示グラフテンプレート格納部41は、表示装置12に表示するための表示形式を表す表示グラフテンプレートを格納する。表示グラフテンプレートの形式は、予め設定されたグラフィカルな表示形式である。表示グラフテンプレートの形式は、後述するように、例えば、第一表示形式~第七表示形式などを含む。ただし、表示グラフテンプレート格納部41に格納される表示グラフテンプレートの形式は、第一表示形式~第七表示形式の中から選択された1つのみとしても良い。また、表示グラフテンプレート格納部41に格納される表示グラフテンプレートの形式は、第一表示形式~第七表示形式を任意に複合的に表示した形式とすることもできる。
【0040】
データ取得部42は、現在時刻を取得する。現在時刻は、表示処理装置32自身が有している現在時刻情報を用いることもできるし、処理設備22,23が有している現在時刻情報を用いることもできる。また、データ取得部42は、現在時刻に代えて、連続する複数の処理サイクルを1つの処理サイクルグループとして、処理サイクルグループの処理開始からの経過時間を取得するようにしても良い。例えば、1日に、100個の対象物Wに対して処理サイクルを実行することが計画されている場合に、100個の対象物Wに対する処理サイクルを、1つの処理サイクルユニットとする。この場合、データ取得部42は、当該100個の対象物Wのうち1個目の対象物Wの処理開始からの経過時間を取得することになる。
【0041】
また、データ取得部42は、処理設備22,23のそれぞれから、処理サイクルを開始したことを表す信号を取得する。つまり、データ取得部42は、処理設備22,23のそれぞれにおいて、処理サイクルのそれぞれが開始したときの時計時刻を取得することができる。また、データ取得部42は、時計時刻に代えて、処理サイクルのそれぞれが開始したときの、処理サイクルグループの処理開始からの経過時間を取得するようにしても良い。
【0042】
さらに、データ取得部42は、処理設備22,23のそれぞれにおいて、処理サイクルのそれぞれの開始からの経過時間であるサイクル所要時間を取得する。例えば、データ取得部42は、処理サイクルを開始したことを表す信号、処理サイクルを開始した時の時計時刻、および、現在の時計時刻から、サイクル所要時間を取得することができる。
【0043】
ここで、処理設備22,23は、種々の事由によって処理サイクルを停止することがある。停止要因は、例えば、対象物未搬入状態、対象物搬出不可状態、設備未稼働状態などがある。対象物未搬入状態は、処理設備22,23に処理サイクルの対象物Wが搬入されてこない状態である。対象物搬出不可状態は、処理設備22,23の後工程に、処理サイクルの処理済み対象物Wを搬出できない状態である。設備未稼働状態は、処理設備22,23が起動されていない状態である。停止要因には、上記の他に、処理設備22,23の構成に応じた要因が存在する。
【0044】
そして、データ取得部42は、処理設備22,23のそれぞれから、処理設備22,23が停止したことを表す信号を取得する。つまり、データ取得部42は、処理設備22,23のそれぞれが停止したときの時計時刻を取得することができる。また、データ取得部42は、時計時刻に代えて、処理設備22,23のそれぞれが停止したときの、処理サイクルグループの処理開始からの経過時間を取得するようにしても良い。
【0045】
さらに、データ取得部42は、処理設備22,23のそれぞれにおいて、処理設備22,23のそれぞれの停止からの経過時間である停止時間を取得する。特に、データ取得部42は、複数の停止要因のそれぞれについて、処理設備が停止したときの停止時間を取得する。例えば、データ取得部42は、停止要因ごとに処理設備22,23が停止したことを表す信号、処理設備22,23が停止したときの時計時刻、および、現在の時計時刻から、停止要因ごとの停止時間(停止状態が継続している期間)を取得することができる。
【0046】
さらに、データ取得部42は、処理設備22,23のそれぞれにおいて、処理サイクルの累積処理実行数を取得する。例えば、100個の対象物Wに対して処理サイクルを実行する計画であるとき、処理設備22が、当該100個の対象物Wのうち現在30個目を処理しているとする。この場合、処理設備22による累積処理実行数は、29個となる。処理設備22,23のそれぞれは、処理サイクルの実行回数である累積処理実行数を格納している。そこで、データ取得部42は、処理設備22,23のそれぞれから、累積処理実行数を取得することができる。
【0047】
表示形式設定部43は、表示グラフテンプレート格納部41に格納されている表示グラフテンプレートのうち、表示装置12に表示する表示形式を設定する。表示形式設定部43は、管理者または作業者によって設定される。なお、表示形式設定部43は、管理者または作業者が表示装置12やユーザ端末4における入力処理によって、表示形式を設定することもできる。
【0048】
表示データ生成部44は、表示グラフテンプレート格納部41に格納されている表示グラフテンプレート、データ取得部42により取得したデータ、および、表示形式設定部43にて設定された表示形式に基づいて、表示グラフテンプレートにグラフィカル表示するための表示データを生成する。表示データは、表示形式に応じて異なる。表示データの詳細は、後述する。
【0049】
表示データ生成部44は、表示グラフテンプレートおよび表示データを、ネットワークを構成する表示装置12に通信により出力する。そして、表示データ生成部44は、表示グラフテンプレートおよび表示データを表示装置12にグラフィカル表示させる。表示装置12に表示された表示グラフテンプレートおよび表示データは、管理者および作業者が視認することができる。
【0050】
また、表示データ生成部44は、表示データを生成することに加えて、撮影データ格納装置33に表示データと生成した表示データとの関連付け処理を行い、撮影データ格納装置33に関連付けたデータを格納する。さらに、表示データ生成部44は、後処理装置34が処理サイクルの異常時に所定の処理を実行するために、生成した表示データを後処理装置34に出力する。
【0051】
4.第一表示形式D1
第一表示形式D1の表示グラフテンプレート、および、表示データ生成部44による第一表示形式D1のデータ生成処理について
図4~
図7を参照して説明する。
図4および
図5は、第一表示形式D1の表示グラフテンプレートに、表示データ生成部44により生成された表示データを表示している。
【0052】
図4および
図5に示すように、第一表示形式D1の表示グラフテンプレートは、第一軸としての横軸を、時計時刻を表す。さらに、第一表示形式D1の表示グラフテンプレートは、第一軸において、括弧内の数字として、処理サイクルグループの処理開始からの経過時間を表す。ただし、第一軸は、時計時刻のみを表しても良いし、処理サイクルグループの処理開始からの経過時間のみを表しても良い。
【0053】
第一表示形式D1の表示グラフテンプレートは、第一軸に交差する方向の第二軸としての縦軸を、処理サイクルのそれぞれにおけるサイクル開始からの経過時間、すなわちサイクル所要時間を表す。ここで、サイクル所要時間の目標タクトは、60秒である場合を例にあげる。例えば、サイクル所要時間が異常を表す閾値Thは、目標タクトである60秒に設定されている。ただし、上述したように、閾値Thは、目標タクトとは異なる時間に設定することができる。
【0054】
また、第一軸(横軸)の表示時間スケールと第二軸(縦軸)の表時間スケールとは異なるスケールに設定されている。例えば、
図4においては、第一軸(横軸)の10分を表す長さは、第二軸(縦軸)の100秒程度を表す長さに等しい。このように、第二軸(縦軸)は、第一軸(横軸)に比べて、単位長さを表す時間が短い時間に設定されている。
【0055】
全ての処理サイクルが目標タクトの60秒で処理された場合には、
図4に示すような表示データとなる。
図4において、処理サイクルのそれぞれが、1つの傾斜連続線(直線)51を用いて表示されている。従って、
図4において、8時00分から8時10分までの10分間に、10回の処理サイクルが実行されていることを表している。
【0056】
図4において、傾斜連続線51の左下端が、処理サイクルの開始時刻に対応し、傾斜連続線51の右上端が、処理サイクルの終了時刻に対応する。つまり、
図4の第一軸(横軸)において、1つの処理サイクルが開始されて、当該処理サイクルを実行している間、時計時刻が進んでいることを表している。そして、傾斜連続線51は、当該処理サイクルが終了した時点で、終点となり、次の処理サイクルの開始位置に遷移している。このように、第一表示形式D1において、処理サイクルのそれぞれの開始から終了までの処理実行区間を、傾斜連続線51により表示している。つまり、第一表示形式D1において、処理サイクルのそれぞれの開始から終了までの処理実行区間を、第一軸(横軸)において処理サイクルのそれぞれを区別してグラフィック表示している。
【0057】
さらに、
図4において、第二軸(縦軸)がサイクル所要時間を表しているため、処理サイクルのそれぞれの開始に対応する傾斜連続線51の左下端が、第二軸においてゼロ(0)の座標値を示す。また、処理サイクルのそれぞれの終了に対応する傾斜連続線51の右上端が、第二軸において60秒の座標値を示す。このように、第一表示形式D1において、第一軸(横軸)のうち対応する処理サイクルの処理実行区間の座標値に、第二軸(縦軸)の座標値としての処理サイクルのそれぞれのサイクル所要時間をグラフィカル表示している。
【0058】
つまり、
図4に示すように、傾斜連続線51は、処理サイクルのそれぞれにおける開始時刻に対応する第一軸(横軸)の座標値および第二軸(縦軸)の座標値により表される2次元座標値を起点とする。さらに、傾斜連続線51は、処理サイクルの経過に伴って第一軸の座標値および第二軸の座標値により表される2次元座標値を終点とする。つまり、時間が経過するにつれて、傾斜連続線51が伸長する。
【0059】
なお、
図4において、1つの傾斜連続線51と、次の傾斜連続線51とが、接続線(縦線)により接続されている。ただし、接続線は、表示しないようにしても良い。つまり、傾斜連続線51のみにより表示するようにしても良い。この場合、複数の処理サイクルのそれぞれを表す傾斜連続線51が断続的に表示される状態となる。
【0060】
図5においては、一部の処理サイクルが目標タクトを超えている。傾斜連続線52,53,54の箇所が、目標タクトを超えたタイミングである。傾斜連続線52で表される処理サイクルは、サイクル所要時間が100秒を超えている。そして、傾斜連続線52で表される処理サイクルは、閾値Thを超えているため、異常と判定されるレベルである。傾斜連続線52で表される処理サイクルは、8時10分頃に、100秒程度を要した処理となる。
【0061】
ここで、第一軸(横軸)および第二軸(縦軸)は、どちらも時間を表すため、傾斜連続線52で表される第一軸における処理実行区間も、第二軸におけるサイクル所要時間も、他の傾斜連続線51に比べて長くなっている。そして、第二軸は、第一軸よりも、単位長さを表す時間が短い時間に設定されている。従って、傾斜連続線52のように、サイクル所要時間が目標タクトの2倍程度となった場合に、第二軸の増幅長さは、第一軸の増幅長さよりも非常に大きい。従って、傾斜連続線52で表される処理サイクルが、どの程度の目標タクトよりも長く要したかを視覚的に容易に把握できる表示となる。
【0062】
傾斜連続線53で表される処理サイクルは、サイクル所要時間が60秒より僅かに長い程度である。この場合、傾斜連続線53で表される処理サイクルは、閾値Thを超えているため、異常と判定されるレベルである。傾斜連続線53で表される処理サイクルは、目標タクトより僅かに長くなった程度であるにも関わらず、第二軸において、視覚的に容易に把握できる表示となっている。
【0063】
仮に、
図5において、閾値Thが二点鎖線(90秒程度)で表す時間に設定されている場合、傾斜連続線53で表される処理サイクルは、二点鎖線で表す閾値Thを超えていないため、異常とは判定されないレベルとなる。このように、設定される閾値Thに応じて、目標タクトを超えた全てを異常と判定することもできるし、目標タクトを超えている場合であっても超過時間が短い場合には異常と判定しないようにもできる。
【0064】
傾斜連続線54で表される処理サイクルは、サイクル所要時間が180秒付近にまで達している。従って、傾斜連続線54で表される処理サイクルは、閾値Thを超えているため、異常と判定されるレベルである。傾斜連続線54で表される処理サイクルが、極めて異常であることが、視覚的に容易に把握できる表示となっている。
【0065】
表示データ生成部44が、
図4および
図5に示すように、第一表示形式D1の表示グラフテンプレートに表示データを表示するための処理について、
図6を参照して説明する。
図6に示すように、表示データ生成部44は、生成処理を開始した時または前回処理を行った時から所定周期を経過したか否かを判定し(S1)、経過していなければ、所定周期を経過するまで待機する(S1:No)。表示データ生成部44は、所定周期を経過した場合(S1:Yes)、今回の周期において新たな処理サイクルが開始したか否かを判定する(S2)。
【0066】
新たな処理サイクルが開始されていた場合には(S2:Yes)、表示データ生成部44は、処理サイクルの開始時刻X0を取得する(S3)。続いて、表示データ生成部44は、新たな処理サイクルの開始からの経過時間Yiをリセットする。つまり、経過時間Y0=0となる(S4)。そして、処理をリターンする。
【0067】
S2において、新たな処理サイクルが開始されていなければ(S2:No)、現在の処理サイクルが進行中であることになる。この場合、表示データ生成部44は、処理サイクルの進行中における現在時刻Xiを取得し(S5)、処理サイクルの開始からの経過時間Yiを取得する(S6)。
【0068】
続いて、表示データ生成部44は、開始位置の2次元座標値(X0,Y0)から、現在位置の2次元座標値(Xi,Yi)までの1つの傾斜連続線51~54を生成し、表示グラフテンプレートにグラフィカル表示させる処理を実行する(S7)。つまり、傾斜連続線51~54は、処理サイクルにおける開始時刻X0に対応する第一軸の座標値(X0)および第二軸の座標値(Y0=0)により表される2次元座標値(X0,0)を起点とする。さらに、傾斜連続線51~54は、処理サイクルの経過に伴って第一軸の座標値(Xi)および第二軸の座標値(Yi)により表される2次元座標値(Xi,Yi)を終点する線となる。そして、処理をリターンする。
【0069】
ここで、S5~S7の処理は、次の処理サイクルが開始されるまで、繰り返し実行される。次の処理サイクルが開始される直前が、今回の処理サイクルが終了したタイミングとなる。従って、次の処理サイクルが開始される直前の周期における2次元座標値(Xi,Yi)が傾斜連続線51~54のそれぞれの終点となる。
【0070】
表示データ生成部44による処理を実行した場合の傾斜連続線51~54の生成過程について、
図7を参照して説明する。
図7(a)に示すように、
図6のS3、S4の処理により、新たな処理サイクルの開始時刻X
0における座標値P0(X
0,0)が決定される。
【0071】
続いて、
図7(b)に示すように、
図6のS5,S6により、処理サイクルの進行中における座標値P1(X
1,Y
1)が決定される。続いて、
図7(c)に示すように、
図6のS7により、P0(X
0,0)とP1(X
1,Y
1)とを接続する傾斜連続線51~54が生成される。さらに続いて、
図7(d)に示すように、
図6のS5,S6により、処理サイクルの進行中における座標値P2(X
2,Y
2)が決定される。続いて、
図7(e)に示すように、
図6のS7により、P0(X
0,0)とP2(X
2,Y
2)とを接続する傾斜連続線51~54が生成される。なお、
図7(e)は、P0(X
0,0)とP1(X
1,Y
1)とを接続する傾斜連続線51~54が既に生成されている状態であることから、P1(X
1,Y
1)とP2(X
2,Y
2)とを接続する傾斜連続線51~54が追加的に生成されることと同義である。
【0072】
5.第二表示形式D2
第二表示形式D2の表示グラフテンプレート、および、表示データ生成部44による第二表示形式D2のデータ生成処理について
図8~
図10を参照して説明する。
図8は、第二表示形式D2の表示グラフテンプレートに、表示データ生成部44により生成された表示データを表示している。
【0073】
第二表示形式D2の表示グラフテンプレートにおける第一軸は、第一表示形式D1と実質的に同様である。ただし、
図8においては、第一軸は、時計時刻のみを表し、処理サイクルグループの処理開始からの経過時間を表していない。第二表示形式D2の表示グラフテンプレートにおける第二軸は、第一表示形式D1と同様に、サイクル所要時間を表す。加えて、第二表示形式D2の表示グラフテンプレートにおける第二軸は、処理サイクルのそれぞれにおける処理設備22,23が停止してからの経過時間である設備停止時間を表す。つまり、第二軸は、サイクル所要時間と設備停止時間とを兼用している。
【0074】
図8においては、細実線にて、処理サイクルのそれぞれの開始から終了までの処理実行区間、および、処理サイクルのそれぞれのサイクル所要時間を表している。さらに、
図8には、第二表示形式D2の表示グラフテンプレートの第一軸に、処理設備22,23が停止から停止解除までの停止区間をグラフィカル表示している。さらには、第二表示形式D2の表示グラフテンプレートに、第一軸のうち処理設備22,23の停止区間の座標値に、第二軸の座標値として処理設備22,23の停止時間をグラフィカル表示している。
【0075】
停止時間の表示方法は、サイクル所要時間の表示方法と同様である。つまり、処理設備22,23が停止した状態が、傾斜連続線61,62,63を用いて表示されている。1つの傾斜連続線61,62,63の左下端が、処理設備22,23が停止した時刻に対応し、傾斜連続線61,62,63の右上端が、処理設備22,23の停止が解除された時刻に対応する。つまり、
図8の第一軸において、処理設備22,23が停止して、停止している間、時計時刻が進んでいることを表している。このように、第二表示形式D2において、処理設備22,23が停止してから停止解除するまでの停止区間を、第一軸にグラフィック表示している。
【0076】
さらに、
図8において、第二軸が停止時間を表しているため、処理設備22,23が停止した時刻に対応する傾斜連続線61,62,63の左下端が、第二軸においてゼロ(0)の座標値を示す。また、処理設備22,23の停止が解除された時刻に対応する傾斜連続線61,62,63の右上端における第二軸の座標値が、停止時間となる。このように、第二表示形式D2において、第一軸のうち処理設備22,23の停止区間の座標値に、第二軸の座標値として処理設備22,23の停止時間をグラフィカル表示している。
【0077】
つまり、
図8に示すように、傾斜連続線61,62,63は、処理設備22,23が停止した時刻に対応する第一軸の座標値および第二軸の座標値により表される2次元座標値を起点とする。さらに、傾斜連続線61,62,63は、処理設備22,23の停止状態の経過に伴って第一軸の座標値および第二軸の座標値により表される2次元座標値を終点とする。時間が経過するにつれて、傾斜連続線61,62,63が伸長する。
【0078】
本形態において、処理設備22,23の停止要因は、例えば、対象物未搬入状態、対象物搬出不可状態、設備未稼働状態などがある。そこで、
図8において、各停止要因を、A,B,Cとして、停止要因ごとに異なる表示属性にて、グラフィカル表示している。また、処理設備22,23が停止してから停止解除されるまでの停止区間は、処理サイクルの処理実行区間を表す表示属性とは異なる表示属性にて表示される。
【0079】
表示データ生成部44が、
図8に示すように、第二表示形式D2の表示グラフテンプレートに処理設備22,23の停止に関する表示データを表示するための処理について、
図9を参照して説明する。
図9に示すように、表示データ生成部44は、生成処理を開始した時または前回処理を行った時から所定周期を経過したか否かを判定し(S11)、経過していなければ、所定周期を経過するまで待機する(S11:No)。表示データ生成部44は、所定周期を経過した場合(S11:Yes)、今回の周期において、処理設備22,23が停止したか否かを判定する(S12)。
【0080】
処理設備22,23が停止した場合には(S12:Yes)、表示データ生成部44は、処理設備22,23の停止時刻Xa0を取得する(S13)。続いて、表示データ生成部44は、処理設備22,23が停止してからの経過時間Yaiをリセットする。つまり、停止経過時間Ya0=0となる(S14)。そして、処理をリターンする。
【0081】
S12において、今回の周期において、処理設備22,23が停止していなければ(S12:No)、現在、処理設備22,23が停止中であるか否かを判定する(S15)。処理設備22,23が停止していなければ、処理をリターンする(S15:No)。停止中である場合には(S15:Yes)、表示データ生成部44は、処理設備22,23の停止中における現在時刻Xaiを取得し(S16)、処理設備22,23が停止してからの経過時間Yaiを取得する(S17)。
【0082】
続いて、表示データ生成部44は、停止したときの2次元座標値(Xa0,0)から、現在位置の2次元座標値(Xai,Yai)までの1つの連続線(傾斜連続線61~63)を生成し、表示グラフテンプレートにグラフィカル表示させる処理を実行する(S18)。つまり、傾斜連続線61,62,63は、処理設備22,23が停止した時刻Xa0に対応する第一軸の座標値(Xa0)および第二軸の座標値(Ya0=0)により表される2次元座標値(Xa0,0)を起点とする。さらに、傾斜連続線61,62,63は、処理設備22,23が停止してからの経過に伴って第一軸の座標値(Xai)および第二軸の座標値(Yai)により表される2次元座標値(Xai,Yai)を終点とする。そして、処理をリターンする。
【0083】
このとき、表示データ生成部44は、処理設備22,23の停止を表す表示属性は、処理サイクルを表す表示属性とは異なる表示属性にて、グラフィカル表示させる。さらに、表示データ生成部44は、停止要因ごとに異なる表示属性にて、グラフィカル表示させる。表示属性には、線種(実線、破線、一点鎖線、波線など)、線の太さ、色、輝度、点滅状態などを含む。
【0084】
ここで、
図2および
図3に示す撮影データ格納装置33には、サイクル所要時間が閾値Thを超える場合に、撮影装置24,25により撮影された撮影データを、表示データと関連付けて格納している。
【0085】
そこで、表示データ生成部44は、上記の処理に加えて、次の処理を実行する。操作者が、表示装置12の表示されている表示データのうち、サイクル所要時間が閾値Thを超えている処理サイクルを選択する。そうすると、表示データ生成部44は、操作者による当該操作を取得する。
【0086】
続いて、表示データ生成部44は、取得した操作対象の処理サイクルに関連付けて格納された撮影データを、撮影データ格納装置33から取得する。続いて、表示データ生成部44は、取得した撮影データを表示装置12に出力する。そうすると、
図10に示すように、表示装置12には、操作対象の処理サイクルの撮影データ70が表示される。なお、
図10においては、撮影データ70が動画である場合を示すが、複数の静止画データとしても良い。この場合、表示装置12には、例えば、複数の静止画データがサムネイル表示される。
【0087】
6.第三表示形式D3
第三表示形式D3の表示グラフテンプレート、および、表示データ生成部44による第三表示形式D3のデータ生成処理について
図11~
図13を参照して説明する。
【0088】
本形態においては、
図1を参照して説明したように、処理設備22は、複数の部分処理機器22a~22cを備えて構成されている。部分処理機器22a~22cは、並行に処理可能な複数の部分処理のそれぞれを実行する。従って、複数の処理設備22を構成する複数の部分処理機器22a~22cは、終了するタイミングが同時とはならず、異なる場合がある。処理設備23についても同様である。
【0089】
そこで、
図11に示すように、第三表示形式D3の表示グラフテンプレートに、処理サイクルのそれぞれにおいて、複数の部分処理機器22a~22cのそれぞれの部分処理が終了したときの終了プロット点81,82,83をグラフィカル表示する。
図11において、処理サイクルのそれぞれにおける白丸が、複数の部分処理機器22a~22cのそれぞれの部分処理が終了したときの終了プロット点81,82,83である。
【0090】
表示データ生成部44が、
図11に示すように、第三表示形式D3の表示グラフテンプレートに表示データを表示するための処理について、
図12を参照して説明する。
図12において、S21~S27の処理は、第一表示形式D1にて説明した
図6におけるS1~S7の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0091】
S27に続いて、表示データ生成部44は、複数の部分処理機器22a~22cのいずれかの部分処理が終了したか否かを判定し(S28)、全ての部分処理が終了していなければ(S28:No)、処理をリターンする。一方、いずれかの部分処理が終了している場合には(S28:Yes)、表示データ生成部44は、終了プロット点(Xi,Yi)の表示させる処理を実行する(S29)。そして、処理をリターンする。つまり、表示データ生成部44は、S28の処理により、複数の部分処理機器22a~22cのそれぞれの終了プロット点81,82,83が、第三表示形式D3の表示グラフテンプレートに表示される。
【0092】
表示データ生成部44による処理を実行した場合の傾斜連続線51~54および終了プロット点81,82,83の生成過程について、
図13を参照して説明する。
図13(a)~
図13(d)は、第一表示形式D1にて説明した
図7(a)~
図7(d)と同様である。
【0093】
ここで、座標値P2(X
2,Y
2)が1つの部分処理機器22aによる終了時であるとする。このとき、
図13(e)に示すように、
図12のS27により、P0(X
0,0)とP2(X
2,Y
2)とを接続する傾斜連続線51~54が生成される。さらに、
図12のS29により、P2(X
2,Y
2)が終了プロット点81~83として生成される。
【0094】
7.第四表示形式D4
第四表示形式D4の表示グラフテンプレート、および、表示データ生成部44による第四表示形式D4のデータ生成処理について
図14を参照して説明する。
図14は、第四表示形式D4の表示グラフテンプレートに、表示データ生成部44により生成された表示データを表示している。
【0095】
第四表示形式D4の表示グラフテンプレートにおける第一軸及び第二軸は、第一表示形式D1と実質的に同様である。第四表示形式D4の表示グラフテンプレートは、さらに、
図14の右縦軸としての第三軸を有する。第三軸は、第二軸と平行な方向の軸としている。従って、第四表示形式D4の表示グラフテンプレートは、2次元座標系となる。ただし、第三軸は、第一軸および第二軸に交差する方向としても良い。この場合、第四表示形式D4は、3次元座標系となる。
【0096】
第四表示形式D4の表示グラフテンプレートは、第三軸を、処理サイクルの累積処理数として表す。累積処理数とは、対象の処理サイクルを開始したときからの累積数である。累積処理数には、実際に処理した累積処理実行数と、計画としての処理計画数とを含む意味で用いる。
【0097】
図14において、累積処理実行数91を、実線にてグラフィカル表示している。詳細には、累積処理実行数91を、階段状連続線にてグラフィカル表示している。ただし、累積処理実行数91は、折れ線によりグラフィカル表示しても良い。さらに、
図14において、処理計画数92を、破線にてグラフィカル表示している。処理計画数92は、全ての処理サイクルが目標タクトにて処理された場合の累積処理数である。処理計画数92も、累積処理実行数91と同様に、折れ線によりグラフィカル表示しても良い。
図14に示すように、処理サイクルが目標タクトからずれるたびに、累積処理実行数91と処理計画数92とのずれが大きくなっていく。
【0098】
この場合、表示データ生成部44は、処理設備22,23から処理サイクルの開始および終了の信号を取得するため、処理サイクルの回数をカウントすることにより、処理サイクルの累積処理実行数91を取得することができる。そして、表示データ生成部44は、
図14に示すように、第四表示形式D4の表示グラフテンプレートに、第一軸のうち処理サイクルのそれぞれの座標値に、第三軸の座標値として累積処理実行数91をグラフィカル表示させる。
【0099】
さらに、表示データ生成部44は、時計時刻または処理サイクルグループの処理開始からの経過時間と、目標タクトを取得することにより、処理サイクルの処理計画数92を取得することができる。または、表示データ生成部44は、計画データ格納装置31から、処理サイクルの処理計画数92を取得するようにしても良い。そして、表示データ生成部44は、
図14に示すように、第四表示形式D4の表示グラフテンプレートに、第一軸のうち処理サイクルのそれぞれの座標値に、第三軸の座標値として処理計画数92をグラフィカル表示させる。そして、表示データ生成部44は、累積処理実行数91と処理計画数92とを、異なる表示属性にてグラフィカル表示させる。なお、
図14には、累積処理実行数91および処理計画数92を表示するようにしたが、累積処理実行数91のみを表示するようにしても良い。
【0100】
8.第五表示形式D5
第五表示形式D5の表示グラフテンプレート、および、表示データ生成部44による第五表示形式D5のデータ生成処理について
図15および
図16を参照して説明する。
図15は、第五表示形式D5の表示グラフテンプレートに、表示データ生成部44により生成された表示データを表示している。
【0101】
第五表示形式D5の表示グラフテンプレートは、第四表示形式D4の表示グラフテンプレートと同様である。
図2に示す計画データ格納装置31は、処理設備22,23により実行する処理計画のデータを格納する。処理計画は、例えば、処理サイクルを実行する目標数(目標累積処理数NEと称する)と、処理完了目標日時とを含む。
【0102】
そこで、
図15において、第五表示形式D5の表示グラフテンプレートに、目標累積処理数NEに達するまでの予測推移93,94がグラフィカル表示されると共に、目標累積処理数NEに達する到達予測時刻T1,T2が表示される。
【0103】
第一予測推移93は、処理サイクルの累積処理実行数、および、累積処理実行数の処理に要した実処理時間に基づいて、1回の前記処理サイクル当たりの平均処理時間を演算し、現在以降の処理サイクルを平均処理時間で処理したと仮定した場合の推移である。そして、第一到達予測時刻T1は、第一予測推移93の場合における到達予測時刻である。
【0104】
第二予測推移94は、処理サイクルの累積処理実行数、および、目標タクトに基づいて、現在以降の処理サイクルを目標タクトで処理したと仮定した場合の推移である。そして、第二到達予測時刻T2は、第二予測推移94の場合における到達予測時刻である。
【0105】
この場合の表示データ生成部44の処理について
図16を参照して説明する。表示データ生成部44は、累積処理実行数を取得する(S31)。続いて、表示データ生成部44は、累積処理実行数の処理に要した実処理時間を取得する(S32)。
【0106】
続いて、表示データ生成部44は、実処理時間を用いて、目標累積処理数NEに達する第一到達予測時刻T1を演算する(S33)。つまり、表示データ生成部44は、処理サイクルの累積処理実行数、および、累積処理実行数の処理に要した実処理時間に基づいて、1回の処理サイクル当たりの平均処理時間を演算する。そして、表示データ生成部44は、現在以降の処理サイクルを平均処理時間で処理したと仮定した場合の到達予測時刻T1を演算する。
【0107】
続いて、表示データ生成部44は、目標タクトを用いて、目標累積処理数NEに達する第二到達予測時刻T2を演算する(S34)。つまり、表示データ生成部44は、処理サイクルの累積処理実行数、および、目標タクトに基づいて、現在以降の処理サイクルを目標タクトで処理したと仮定した場合の到達予測時刻T2を演算する。
【0108】
続いて、表示データ生成部44は、第一到達予測時刻T1に関する表示処理を実行する(S35)。詳細には、表示データ生成部44は、目標累積処理数NEおよび第一到達予測時刻T1に基づいて、表示グラフテンプレートの第一軸のうち第一到達予測時刻T1の座標値における第三軸の座標値が目標累積処理数NEとなるように、第一予測推移93をグラフィカル表示させる。
【0109】
続いて、表示データ生成部44は、第二到達予測時刻T2に関する表示処理を実行する(S36)。詳細には、表示データ生成部44は、目標累積処理数NEおよび第二到達予測時刻T2に基づいて、表示グラフテンプレートの第一軸のうち第二到達予測時刻T2の座標値における第三軸の座標値が目標累積処理数NEとなるように、第二予測推移94をグラフィカル表示させる。
【0110】
ただし、表示データ生成部44は、第一予測推移93を表示し、第二予測推移94の表示を行わないようにしても良い。また、表示データ生成部44は、第二予測推移94を表示し、第一予測推移93の表示を行わないようにしても良い。
【0111】
9.第六表示形式D6
第六表示形式D6の表示グラフテンプレート、および、表示データ生成部44による第六表示形式D6のデータ生成処理について
図17および
図18を参照して説明する。第一表示形式D1~第五表示形式D5の表示グラフテンプレートには、処理サイクルのそれぞれを、傾斜連続線51~54によりグラフィカル表示するようにした。この他に、複数のプロット点を用いてグラフィカル表示するようにしても良い。
【0112】
この場合の表示データ生成部44は、
図17に示すように、生成処理を開始した時または前回処理を行った時から所定周期を経過したか否かを判定し(S41)、経過していなければ、所定周期を経過するまで待機する(S41:No)。表示データ生成部44は、所定周期を経過した場合(S41:Yes)、今回の周期において新たな処理サイクルが開始したか否かを判定する(S42)。
【0113】
新たな処理サイクルが開始されていた場合には(S42:Yes)、表示データ生成部44は、処理サイクルの開始時刻X0を取得する(S43)。続いて、表示データ生成部44は、新たな処理サイクルの開始からの経過時間Yiをリセットする。つまり、経過時間Y0=0となる(S44)。続いて、表示データ生成部44は、処理サイクルのそれぞれにおける開始時刻X0に対応する第一軸の座標値(X0)および第二軸の座標値(Y0=0)により表される2次元座標値(X0,0)である起点プロット点の表示処理を実行する(S45)。そして、処理をリターンする。
【0114】
S42において、新たな処理サイクルが開始されていなければ(S42:No)、現在の処理サイクルが進行中であることになる。この場合、表示データ生成部44は、処理サイクルの進行中における現在時刻Xiを取得し(S46)、処理サイクルの開始からの経過時間Yiを取得する(S47)。
【0115】
続いて、表示データ生成部44は、現在位置の2次元座標値(Xi,Yi)である経過プロット点の表示処理を実行する(S48)。そして、処理をリターンする。つまり、S48の処理により、表示データ生成部44は、処理サイクルの経過に伴って、第一軸の座標値(Xi)および第二軸の座標値(Yi)により表される2次元座標値(Xi,Yi)の経過プロット点を表示する。
【0116】
表示データ生成部44による処理を実行した場合の起点プロット点および経過プロット点の生成過程について、
図18を参照して説明する。
図18(a)に示すように、
図17のS43、S44の処理により、新たな処理サイクルの開始時刻X
0における座標値P0(X
0,0)が決定される。そして、第六表示形式D6の表示グラフテンプレートに、座標値P0(X
0,0)を起点プロット点として、例えば黒丸印などによるグラフィカル表示される。
【0117】
続いて、
図18(b)に示すように、
図17のS46,S47により、処理サイクルの進行中における座標値P1(X
1,Y
1)が決定される。そして、第六表示形式D6の表示グラフテンプレートに、座標値P1(X
1,Y
1)を経過プロット点として、例えば黒丸印などによるグラフィカル表示される。
【0118】
さらに続いて、
図18(c)に示すように、次のループ処理における
図17のS46,S47により、処理サイクルの進行中における座標値P2(X
2,Y
2)が決定される。そして、第六表示形式D6の表示グラフテンプレートに、座標値P2(X
2,Y
2)を次の経過プロット点として、例えば黒丸印などによるグラフィカル表示される。このように、1つの処理サイクルが終了するまで、処理サイクルの経過に伴って、経過プロット点が次々とグラフィカル表示される。
【0119】
10.第七表示形式D7
第七表示形式D7の表示グラフテンプレート、および、表示データ生成部44による第七表示形式D7のデータ生成処理について
図19および
図20を参照して説明する。
図19は、第七表示形式D7の表示グラフテンプレートに、表示データ生成部44により生成された表示データを表示している。
【0120】
図19に示すように、第七表示形式D7の表示グラフテンプレートには、処理サイクルのそれぞれが、長方形図形101,102,103,104として表示される。長方形図形101,102,103,104の横幅が、第一軸における処理サイクルの開始から終了までの処理実行区間を表す。長方形図形101,102,103,104の縦長さが、第二軸におけるサイクル所要時間を表す。
【0121】
第七表示形式D7の表示グラフテンプレートにおいて、表示データ生成部44は、処理サイクルの時間経過に伴って、長方形図形101,102,103,104の横幅(第一軸方向の幅)を大きくするように変化させつつ、縦長さ(第二軸方向の長さ)を長くするように変化させるように表示しても良い。また、表示データ生成部44は、処理サイクルの終了したタイミングで、当該処理サイクルに対応する長方形図形101,102,103,104を表示するようにしても良い。
【0122】
表示データ生成部44による処理を実行した場合の長方形図形101,102,103,104の生成過程について、
図20を参照して説明する。
図20(a)に示すように、新たな処理サイクルの開始時刻X
0における座標値P0(X
0,0)が決定される。続いて、
図20(b)に示すように、処理サイクルの進行中における座標値P1(X
1,Y
1)が決定される。続いて、
図20(c)に示すように、P0(X
0,0)とP1(X
1,Y
1)とを対角とする長方形図形101,102,103,104が生成される。
【0123】
さらに続いて、
図20(d)に示すように、処理サイクルの進行中における座標値P2(X
2,Y
2)が決定される。続いて、
図20(e)に示すように、P0(X
0,0)とP2(X
2,Y
2)とを対角とする長方形図形101,102,103,104が生成される。このように、処理サイクルの時間経過に伴って、長方形図形101,102,103,104の横幅および縦長さが伸長する。
【0124】
11.他の表示形式
上記の第一表示形式D1~第七表示形式D7において、横軸と縦軸を入れ替えることもできる。さらに、第一表示形式D1~第七表示形式D7のうちの複数の表示形式を複合的に適用することもできる。
【0125】
12.後処理装置の処理
後処理装置34の処理について
図21を参照して説明する。
図21に示すように、後処理装置34は、表示データ生成部44による処理結果を取得して、後処理対象の要否判定を行う(S51)。例えば、後処理装置34は、到達予測時刻T1,T2を取得して、到達予測時刻T1,T2が計画よりも所定時間以上遅延しているか否かを判定し、遅延している場合に後処理が必要であると判定する。
【0126】
続いて、後処理が必要であると判定された場合には(S52:Yes)、後処理装置34は、計画データ格納装置31に格納されている処理計画のデータを自動的に更新する(S53)。サイクル所要時間が目標タクトよりも大幅に遅延することによって、処理サイクルを継続する際に計画よりも大幅に遅延してしまう場合に、計画そのものを更新して、実際の状況に適合させた処理計画のデータを作成する。
【0127】
続いて、処理計画のデータが更新された場合に、後処理装置34は、予め登録されている対象者に通知を行う(S54)。通知内容は、例えば、処理計画が更新されたことを含むようにする。通知を受けた対象者は、例えば、更新された処理計画に応じた行動をとることができる。S52において、後処理が必要でない場合には、処理を終了する(S53:No)。
【0128】
13.効果
上述した設備管理システム1は、目標タクトで施すように設定された処理サイクルを順次実行するように構成された処理設備22,23と、表示装置12と、処理設備22,23の処理進行状況を表す表示データを表示装置12にグラフィカル表示する処理を実行するように構成された表示処理装置32とを備える。
【0129】
表示処理装置32の表示グラフテンプレート格納部41が、表示装置12に表示させる表示グラフテンプレートD1~D7を格納する。表示グラフテンプレートD1~D7の第一軸(例えば、横軸)は、時計時刻、または、連続する複数の処理サイクルを1つの処理サイクルグループとして処理サイクルグループの処理開始からの経過時間を表す。表示グラフテンプレートD1~D7の第二軸(例えば、縦軸)は、第一軸に交差する方向の軸であって、処理サイクルのそれぞれにおけるサイクル開始からの経過時間を表す。
【0130】
表示処理装置32のデータ取得部42が、処理サイクルのそれぞれが開始したときの、時計時刻または処理サイクルグループの処理開始からの経過時間を取得する。そして、表示処理装置32の表示データ生成部44が、表示グラフテンプレートD1~D7に、処理サイクルのそれぞれの開始から終了までの処理実行区間を、第一軸において処理サイクルのそれぞれを区別してグラフィカル表示させる。
【0131】
また、表示処理装置32の表示データ生成部44は、処理サイクルのそれぞれの開始からの経過時間であるサイクル所要時間を取得する。そして、表示処理装置32の表示データ生成部44は、表示グラフテンプレートに、第一軸のうち対応する処理サイクルの処理実行区間の座標値に、第二軸の座標値として処理サイクルのそれぞれのサイクル所要時間をグラフィカル表示させる。
【0132】
このように、表示処理装置32によって表示装置12に表示される表示グラフテンプレートD1~D7は、第一軸と、第一軸に交差する方向の第二軸とを表す。第一軸は、時計時刻を表す場合と、連続する複数の処理サイクルを1つの処理サイクルグループとして当該処理サイクルグループの処理開始からの経過時間を表す場合とのいずれか1つである。第二軸は、処理サイクルのそれぞれにおけるサイクル開始からの経過時間を表す。つまり、第一軸も第二軸も、時間を表す。
【0133】
そして、表示処理装置32の表示データ生成部44は、表示グラフテンプレートD1~D7に、処理サイクルのそれぞれの開始から終了までの処理実行区間を、第一軸において処理サイクルのそれぞれを区別してグラフィカル表示させる。つまり、表示処理装置32の表示データ生成部44は、時間を表す第一軸において、どの時間帯に、どの処理サイクルが実施されたかを把握できるようにグラフィカル表示する。例えば、処理サイクルに要する時間に応じて、第一軸において処理サイクルのそれぞれが占める時間長さが異なることになる。
【0134】
さらに、表示処理装置32の表示データ生成部44は、第一軸のうち対応する処理サイクルの処理実行区間の座標値に、第二軸の座標値として処理サイクルのそれぞれのサイクル所要時間をグラフィカル表示させる。つまり、表示処理装置32の表示データ生成部44は、第一軸および第二軸を複合的に用いることにより、処理サイクルのそれぞれのサイクル所要時間を把握できるようにグラフィカル表示する。例えば、サイクル所要時間に応じて、第二軸の表示時間スケールを調整することができる。
【0135】
従って、管理者や作業者は、表示装置12に表示された表示グラフテンプレートにおける第一軸により、時間の経過において複数の処理サイクルの処理進行状況を把握することができる。さらに、第二軸は、処理サイクルのそれぞれにおけるサイクル開始からの経過時間を表す。そのため、管理者や作業者は、表示装置12に表示された表示グラフテンプレートの第一軸の各座標値における第二軸の座標値を視認することにより、処理サイクルのそれぞれの所要時間を把握することができる。
【0136】
また、目標タクトを超えるような処理サイクルの発生頻度が低い場合などにおいて、表示装置12の表示画面に、多数の処理サイクルを同時に表示した状態とする。このような場合において、表示画面における第一軸の表示時間スケールを長時間としたとしても、第二軸の表示時間スケールを第一軸に連動させる必要性はないため、第二軸の座標値の表示時間スケールを変更せずに、第一軸の座標値の表示時間スケールを変更することができる。従って、第二軸の座標値を把握することにより、目標タクトとの比較が容易となる。以上より、管理者や作業者が処理設備による処理進行状況を容易に把握できる。
【0137】
また、第一軸の表示時間スケールと第二軸の表示時間スケールとは、異なるスケールに設定されている。これにより、複数の処理サイクルの処理進行状況、処理サイクルのそれぞれのサイクル所要時間の状況を、容易に把握することができる。
【0138】
また、表示処理装置32の表示データ生成部44は、表示グラフテンプレートD1~D5に、処理サイクルのそれぞれを1つの連続線51~54を用いてグラフィカル表示させる。連続線51~54は、処理サイクルのそれぞれにおける開始時刻に対応する第一軸の座標値および第二軸の座標値により表される2次元座標値を起点とする線である。そして、連続線51~54は、処理サイクルの経過に伴って、第一軸の座標値および第二軸の座標値により表される2次元座標値を終点とする線である。これにより、連続線51~54を視認することにより、複数の処理サイクルの処理進行状況をリアルタイムで容易に把握できると共に、処理サイクルのそれぞれのサイクル所要時間を容易に把握できる。
【0139】
また、表示処理装置32の表示データ生成部44は、表示グラフテンプレートD6に、処理サイクルのそれぞれを複数のプロット点を用いてグラフィカル表示させる。複数のプロット点は、処理サイクルのそれぞれにおける開始時刻に対応する第一軸の座標値および第二軸の座標値により表される2次元座標値である起点プロット点を含む。さらに、複数のプロット点は、処理サイクルの経過に伴って、第一軸の座標値および第二軸の座標値により表される2次元座標値の経過プロット点を含む。このように複数のプロット点により表示する場合においても、連続線51~54と同様の効果を奏する。
【0140】
また、処理設備22,23は、並行に処理可能な複数の部分処理のそれぞれを実行する複数の部分処理機器22a~22c,23a~23cを備えて構成される。そして、複数の部分処理機器22a~22c,23a~23cの部分処理により、処理サイクルを実行するように構成される。
【0141】
このとき、表示処理装置32の表示データ生成部44は、部分処理機器22a~22c,23a~23cのそれぞれの部分処理が終了したときの、第一軸の座標値および第二軸の座標値である終了プロット点を取得する。そして、表示処理装置32の表示データ生成部44は、表示グラフテンプレートD3に、終了プロット点をグラフィカル表示させる。これにより、処理サイクルのそれぞれにおいて、部分処理機器22a~22c,23a~23cのそれぞれの部分処理が終了したタイミングを、容易に把握できる。
【0142】
また、表示処理装置32の表示データ生成部44は、処理サイクルのそれぞれにおいて処理設備22,23が停止したときの、時計時刻または処理サイクルグループの処理開始からの経過時間を取得する。そして、表示処理装置32の表示データ生成部44は、表示グラフテンプレートD2に、処理設備22,23が停止してから停止解除されるまでの停止区間をグラフィカル表示させる。これにより、サイクル所要時間が目標タクトよりも長時間を要している場合に、原因を容易に把握することができる。
【0143】
また、表示グラフテンプレートD2の第二軸は、処理サイクルのそれぞれにおけるサイクル開始からの経過時間を表すと共に、処理サイクルのそれぞれにおける処理設備22,23の停止からの経過時間を表す。そして、表示処理装置32の表示データ生成部44は、処理サイクルのそれぞれにおいて処理設備22,23が停止してからの経過時間である停止時間を取得する。表示処理装置32の表示データ生成部44は、表示グラフテンプレートD2に、第一軸のうち処理設備22,23の停止区間の座標値に、第二軸の座標値として処理設備22,23の停止時間をグラフィカル表示させる。これにより、処理設備22,23の停止時間を把握することができ、サイクル所要時間が遅延している原因を容易に把握できる。
【0144】
さらに、表示処理装置32の表示データ生成部44は、停止区間を、処理サイクルの処理実行区間を表す表示属性とは異なる表示属性にて表示させる。このように、表示属性を異ならせることにより、容易に把握することができる。
【0145】
また、表示処理装置32の表示データ生成部44は、複数の停止要因のそれぞれについて、処理設備22,23が停止したときの、時計時刻または処理サイクルグループの処理開始からの経過時間を取得する。そして、表示処理装置32の表示データ生成部44は、表示グラフテンプレートD2に、停止要因ごとに異なる表示属性にて、処理設備22,23の停止区間をグラフィカル表示させる。これにより、サイクル所要時間が目標タクトよりも長時間を要している場合に、停止要因の種類を容易に把握することができる。
【0146】
また、表示グラフテンプレートD4は、第二軸と平行な方向または第一軸および第二軸に交差する方向である第三軸を、処理サイクルの累積処理実行数91として表す。そして、表示処理装置32の表示データ生成部44は、処理サイクルの累積処理実行数91を取得し、表示グラフテンプレートD4に、第一軸のうち処理サイクルのそれぞれの座標値に、第三軸の座標値として累積処理実行数91をグラフィカル表示させる。これにより、複数の処理サイクルの処理進行状況、処理サイクルのそれぞれのサイクル所要時間の状況に加えて、累積処理実行数91を同時に把握することができる。
【0147】
さらに、表示処理装置32の表示データ生成部44は、第一軸で表される時計時刻または処理サイクルグループの処理開始からの経過時間に対応した処理サイクルの処理計画数92を取得する。そして、表示処理装置32の表示データ生成部44は、第一軸のうち処理サイクルのそれぞれの座標値に、第三軸の座標値として処理計画数92を、累積処理実行数91とは異なる表示属性にてグラフィカル表示させる。これにより、複数の処理サイクルの処理進行状況、処理サイクルのそれぞれのサイクル所要時間の状況に加えて、累積処理数についての計画と実績を同時に把握できる。
【0148】
また、表示処理装置32の表示データ生成部44は、取得した処理サイクルの累積処理実行数91、および、累積処理実行数91の処理に要した実処理時間に基づいて、目標累積処理数NEに達する到達予測時刻T1,T2を演算する。そして、表示処理装置32の表示データ生成部44は、目標累積処理数NEおよび到達予測時刻T1,T2に基づいて、第一軸のうち到達予測時刻T1,T2の座標値における第三軸の座標値が目標累積処理数NEとなるように、グラフィカル表示させる。これにより、将来の状況を容易に把握することができる。
【0149】
また、表示処理装置32の表示データ生成部44は、取得した処理サイクルの累積処理実行数91、および、累積処理実行数91の処理に要した実処理時間に基づいて、1回の処理サイクル当たりの平均処理時間を演算し、現在以降の処理サイクルを平均処理時間で処理したと仮定した場合の第一到達予測時刻T1を演算する。これにより、実績に応じた将来の状況の予測を容易に把握できる。
【0150】
また、表示処理装置32の表示データ生成部44は、取得した処理サイクルの累積処理実行数91、および、目標タクトに基づいて、現在以降の処理サイクルを目標タクトで処理したと仮定した場合の第二到達予測時刻T2を演算する。今後が理想的な状況で進行した場合の将来の状況の予測を容易に把握できる。
【0151】
また、後処理装置34が、到達予測時刻T1,T2に基づいて、自動的に処理計画を更新する、または、更新された前記処理計画を通知するように構成された後処理装置を備える。これにより、処理サイクルの処理進行状況に応じた対処方法を実行できる。
【0152】
また、表示処理装置32の表示データ生成部44は、累積処理実行数91を、階段状連続線または折れ線によるグラフィカル表示させる。これにより、累積処理実行数91を容易に把握できる。
【0153】
また、設備管理システム1は、処理設備22,23の処理状況を撮影する撮影装置24,25と、処理サイクルの所要時間が閾値Thを超える場合に、撮影装置24,25により撮影された撮影データを格納する撮影データ格納装置33とを備える。これにより、処理サイクルのサイクル所要時間が長時間を要している場合の状況を検証することができる。
【0154】
特に、撮影データ格納装置33は、撮影装置24,25により撮影された撮影データに、表示データを関連付けて格納する。これにより、表示装置12において、サイクル所要時間が妄評タクトよりも長時間を要している処理サイクルを選択することにより、撮影データを直ちに確認することができる。
【0155】
また、表示処理装置32は、サーバまたはクラウド上に構成される。そして、表示装置12は、表示処理装置32とネットワークを構成し、表示処理装置32との通信により取得した表示データを表示するように構成されている。これにより、複数の表示装置12に対して、同一の表示データを表示することができる。
【符号の説明】
【0156】
1 設備管理システム
12 表示装置
32 表示処理装置
22,23 処理設備
D1~D7 表示グラフテンプレート