(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110222
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】防災用車両
(51)【国際特許分類】
E06B 3/48 20060101AFI20230802BHJP
B60J 5/04 20060101ALI20230802BHJP
B62D 33/04 20060101ALI20230802BHJP
E05D 15/28 20060101ALI20230802BHJP
E05D 15/26 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
E06B3/48
B60J5/04 V
B62D33/04 C
E05D15/28
E05D15/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022011526
(22)【出願日】2022-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】000215822
【氏名又は名称】帝国繊維株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【弁理士】
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】多田 洋一
(72)【発明者】
【氏名】大保寺 哲也
【テーマコード(参考)】
2E015
2E034
【Fターム(参考)】
2E015AA03
2E015CA12
2E015DA05
2E015EA02
2E015FA01
2E034HA02
2E034JA01
2E034JB03
2E034JC03
2E034KA03
(57)【要約】
【課題】車両側壁の開口部を開閉する扉の周囲の設計レイアウトの制限を抑制し、車両外方または車両内部の扉の開閉スペースが少なくても全開可能な防災用車両を提供する。
【解決手段】第1折り戸分割体41と第2折り戸分割体42とを有する折り戸本体40と、折り戸開閉機構60と、を備える。第1折り戸分割体41は、折り戸本体40の閉位置で車両外側となる第1外側面41bと車両内側となる第1内側面41cとを有する。第2折り戸分割体42は、折り戸本体40の閉位置で車両外側となる第2外側面42bと車両内側となる第2内側面42cとを有する。折り戸開閉機構60は、第1折り戸分割体41の第1内側面41cと第2折り戸分割体42の第2内側面42cとを対向させるとともに第1折り戸分割体41の第1外側面41bと車両側壁31の外側面とを対向させるように、折り戸本体40を折り畳むことにより、開口部32を開口させるように構成された。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両側壁に設けられた矩形状の開口部を開閉する折り戸本体と、前記折り戸本体を折り畳んで前記開口部を開口させる折り戸開閉機構と、を備えた防災用車両であって、
前記折り戸本体は、前記開口部を形成する周壁に対し第1ヒンジ部によって鉛直軸心まわりに回動自在に取り付けられる第1折り戸分割体と、前記第1折り戸分割体の回動先端部に対し第2ヒンジ部によって鉛直軸心まわりに回動自在に取り付けられる第2折り戸分割体と、を有し、
前記第1折り戸分割体は、前記折り戸本体の閉位置で車両外側となる第1外側面と車両内側となる第1内側面とを有し、
前記第2折り戸分割体は、前記折り戸本体の閉位置で車両外側となる第2外側面と車両内側となる第2内側面とを有し、
前記折り戸開閉機構は、前記第1折り戸分割体の前記第1内側面と前記第2折り戸分割体の前記第2内側面とを対向させるとともに前記第1折り戸分割体の前記第1外側面と前記車両側壁の外側面とを対向させるように、前記折り戸本体を折り畳むことにより、前記開口部を開口させるように構成された、
ことを特徴とする防災用車両。
【請求項2】
前記第2折り戸分割体は、前記第1折り戸分割体よりも水平方向の幅が大きく形成され、前記第2折り戸分割体の前記第2内側面には、前記第2折り戸分割体の回動先端部に延びるハンドル部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の防災用車両。
【請求項3】
前記折り戸開閉機構は、前記開口部よりも車両内側、かつ、前記開口部を形成する矩形状の前記周壁の水平部近傍に設けられる取付ベースと、前記第2折り戸分割体の上下方向端部に車両内側に突出するように設けられた固定アーム部材と、一端部が前記固定アーム部材の先端部に鉛直軸心まわりに回動自在に連結されるとともに他端部が前記取付ベースに鉛直軸心まわりに回動自在に連結される可動アーム部材と、を有している、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の防災用車両。
【請求項4】
前記開口部より車両内側には、部屋が形成され、
前記折り戸本体の下側に設けられた前記折り戸開閉機構は、前記折り戸本体の閉位置において前記固定アーム部材および前記可動アーム部材が前記部屋の床部の下方に隠れるように、構成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の防災用車両。
【請求項5】
前記可動アーム部材は、前記折り戸本体および前記折り戸開閉機構を平面視した場合に、前記第1ヒンジ部のヒンジ軸と前記第2ヒンジ部のヒンジ軸とを直線状に結ぶ仮想アーム部材の長さと等しくなるよう設定され、
前記固定アーム部材は、前記可動アーム部材と前記仮想アーム部材とが平行になる長さに設定されている、
ことを特徴とする請求項3または4に記載の防災用車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、救助活動や消火活動に必要な機材を搭載した防災用車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、火災や事故、地震等の自然災害が発生した際、救助活動や消火活動を行うために必要な機材を搭載した防災用車両が使用されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の防災用車両は、運転席を備える前部キャビンと、隊員待機室となる後部キャビンとを備え、両者の間で隊員が相互に往来可能とされている。また、この防災用車両では、前部キャビンと後部キャビンのそれぞれの車両側壁に、隊員乗降用の扉が設けられている。後部キャビンの扉は、隊員が乗降しやすいように幅広のものが採用されており、1枚物となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような幅広で一枚物の後部キャビンの扉は、引き戸式にした場合、後部キャビンの扉が取り付けられる開口部に対して車両前方側の前部キャビンの扉に開位置で干渉したり、当該開口部より車両後方側に設けた機材積載庫の扉に開位置で干渉したりするという問題点があった。そのため、後部キャビンの扉周囲の設計レイアウトに制限があった。また、後部キャビンの扉をヒンジ開閉の外開き式にした場合、扉の回動先端部が車両外方に大きく突出することにより、車両外方近傍に壁があると扉を全開にできないという問題点があった。また、後部キャビンの扉をヒンジ開閉の内開き式にした場合には、扉の大きな開閉動作が機器に干渉しないようにするため後部キャビン内部の設計レイアウトが制限されるという問題点があった。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両側壁の開口部を開閉する扉について、当該扉周囲の設計レイアウトの制限を抑制し、車両外方または車両内部の扉の開閉スペースが少なくても全開可能な防災用車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、第1の発明は、車両側壁に設けられた矩形状の開口部を開閉する折り戸本体と、前記折り戸本体を折り畳んで前記開口部を開口させる折り戸開閉機構と、を備えた防災用車両であって、前記折り戸本体は、前記開口部を形成する周壁に対し第1ヒンジ部によって鉛直軸心まわりに回動自在に取り付けられる第1折り戸分割体と、前記第1折り戸分割体の回動先端部に対し第2ヒンジ部によって鉛直軸心まわりに回動自在に取り付けられる第2折り戸分割体と、を有し、前記第1折り戸分割体は、前記折り戸本体の閉位置で車両外側となる第1外側面と車両内側となる第1内側面とを有し、前記第2折り戸分割体は、前記折り戸本体の閉位置で車両外側となる第2外側面と車両内側となる第2内側面とを有し、前記折り戸開閉機構は、前記第1折り戸分割体の前記第1内側面と前記第2折り戸分割体の前記第2内側面とを対向させるとともに前記第1折り戸分割体の前記第1外側面と前記車両側壁の外側面とを対向させるように、前記折り戸本体を折り畳むことにより、前記開口部を開口させるように構成された、ことを特徴とする。
【0007】
第1の発明は、防災用車両の車両側壁に設けられた開口部を開閉する折り戸本体について、従来のような一枚物の扉ではなく、第1折り戸分割体と第2折り戸分割体とを備えた折り戸式にしている。また、第1の発明は、第1折り戸分割体の第1内側面と第2折り戸分割体の第2内側面とを対向させるとともに第1折り戸分割体の第1外側面と車両側壁の外側面とを対向させるように、折り戸本体を折り畳むことにより、開口部を開口させるように構成されている。これにより、例えば後部キャビンの開口部を開閉する扉として本発明の折り戸本体を採用した場合には、引き戸式で一枚物の扉と比較して、開口部より車両前方側や車両後方側に折り戸本体が大きく張り出すことなく、当該開口部を全開にすることができる。これにより、折り戸本体が後部キャビンの開口部より車両前方側の前部キャビンの扉に干渉したり、後部キャビンの扉より車両後方側の機材積載庫の扉に干渉したりするということがなく、折り戸本体周囲の設計レイアウトの制限を抑制することができる。
【0008】
また、第1の発明の折り戸本体は外開き式であり、開口部を形成する周壁に対し第1ヒンジ部によって鉛直軸心まわりに回動する第1折り戸分割体と、第1折り戸分割体の回動先端部に対し第2ヒンジ部によって鉛直軸心まわりに回動する第2折り戸分割体とによって開口部が開閉されるようになっているので、一枚物の扉と比較して、折り戸本体を閉位置から開位置へ動作させる際に折り戸本体を車両外方および車両内方に大きく突出させないようにできる。これにより、車両外方または車両内部の折り戸本体の開閉スペースが少なくても折り戸本体を全開可能な防災用車両となる。
【0009】
第2の発明では、第1の発明において、前記第2折り戸分割体は、前記第1折り戸分割体よりも水平方向の幅が大きく形成され、前記第2折り戸分割体の前記第2内側面には、前記第2折り戸分割体の回動先端部に延びるハンドル部が設けられている、ことを特徴とする。
【0010】
第2の発明によれば、第1折り戸分割体の第1内側面と第2折り戸分割体の第2内側面とを対向させるとともに第1折り戸分割体の第1外側面と車両側壁の外側面とを対向させて開口部を開状態にした際に、第2折り戸分割体の第2内側面が、すべて第1折り戸分割体の第1内側面で覆われないようにできる。すなわち、車両内側から開位置の折り戸本体を見た場合に、第2折り戸分割体の第2内側面の回動先端部が露出するようにできる。そして、この露出部分にハンドル部が設けられていることにより、折り戸本体を開位置から閉位置へ動かす際、第2折り戸分割体のハンドル部を持って容易に折り戸本体を動かすことができる。
【0011】
第3の発明では、第1または第2の発明において、前記折り戸開閉機構は、前記開口部よりも車両内側、かつ、前記開口部を形成する矩形状の前記周壁の水平部近傍に設けられる取付ベースと、前記第2折り戸分割体の上下方向端部に車両内側に突出するように設けられた固定アーム部材と、一端部が前記固定アーム部材の先端部に鉛直軸心まわりに回動自在に連結されるとともに他端部が前記取付ベースに鉛直軸心まわりに回動自在に連結される可動アーム部材と、を有している、ことを特徴とする。
【0012】
第3の発明によれば、折り戸本体を開位置または閉位置に動かす際、可動アーム部材が取付ベースを中心とした円弧を描くように動くので、可動アーム部材の一端部に連結される固定アーム部材の先端部が、取付ベースを中心とした円弧を描くように動かされる。これにより、第2折り戸分割体の回動先端部の回動範囲が制限されるので、第2折り戸分割体の回動先端部が車両外方に大きく突出することなく、スムーズに折り戸本体を開位置または閉位置に動かすことができる。
【0013】
第4の発明では、第3の発明において、前記開口部より車両内側には、部屋が形成され、前記折り戸本体の下側に設けられた前記折り戸開閉機構は、前記折り戸本体の閉位置において前記固定アーム部材および前記可動アーム部材が前記部屋の床部の下方に隠れるように、構成されている、ことを特徴とする。
【0014】
第4の発明によれば、折り戸本体の第2折り戸分割体よりも固定アーム部材や可動アーム部材が車両内側に突出しているにもかかわらず、部屋内部において隊員や機材が固定アーム部材や可動アーム部材に干渉することを防ぐことができる。これにより、車両内部において隊員の活動スペースや機材の収納スペースを確保することができる。また、隊員の足が固定アーム部材や可動アーム部材に引っかかるのを防止することができる。
【0015】
第5の発明では、第3または第4の発明において、前記可動アーム部材は、前記折り戸本体および前記折り戸開閉機構を平面視した場合に、前記第1ヒンジ部のヒンジ軸と前記第2ヒンジ部のヒンジ軸とを直線状に結ぶ仮想アーム部材の長さと等しくなるよう設定され、前記固定アーム部材は、前記可動アーム部材と前記仮想アーム部材とが平行になる長さに設定されている、ことを特徴とする。
【0016】
第5の発明によれば、可動アーム部材と、仮想アーム部材と、それらの両端部を連結する部分によって、四節リンク機構を形成することができる。これにより、折り戸本体を開位置または閉位置に動かす際、第2折り戸分割体の第2外側面と車両側壁の外側面とが平行な状態を保ったまま、折り戸本体を動かすことができる。これにより、第2折り戸分割体が全体にわたって車両外方に大きく突出することなく、スムーズに折り戸本体を開位置または閉位置に動かすことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る防災用車両によれば、車両側壁の開口部より車両前方側や車両後方側に折り戸本体が大きく張り出すことなく、当該開口部を全開にすることができる。これにより、折り戸本体が後部キャビンの開口部より車両前方側の前部キャビンの扉に干渉したり、後部キャビンの開口部より車両後方側の機材積載庫の扉に干渉したりするということがなく、折り戸本体の周囲の設計レイアウトの制限を抑制することができる。また、折り戸本体を閉位置または開位置に動作させる際に折り戸本体を車両外方および車両内方に大きく突出させないようにできる。これにより、車両外方または車両内部の折り戸本体の開閉スペースが少なくても折り戸本体を全開可能な防災用車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る防災用車両の側面図である。
【
図2】
図1から折り戸本体を開位置にした防災用車両の側面図である。
【
図3】折り戸本体の車両側方から視た正面図である。
【
図5】折り戸分割体を示す側面図であって、(a)は第1折り戸分割体の左側面図、(b)は第2折り戸分割体の断面右側面図である。
【
図6】折り戸本体が閉位置にある状態の折り戸本体および折り戸開閉機構の平面図である。
【
図7】折り戸本体が開閉途中にある状態の折り戸本体および折り戸開閉機構の平面図である。
【
図8】折り戸本体が開位置にある状態の折り戸本体および折り戸開閉機構の平面図である。
【
図9】折り戸本体の上下に設けられた折り戸開閉機構を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態に係る防災用車両について、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
図1には、本発明の一実施形態に係る防災用車両1が示されている。本実施形態の防災用車両1は、救助活動や消火活動を行うために必要な機材を搭載し、火災や事故、地震等の自然災害が発生した際に現場へ急行する車両である。防災用車両1は、運転席を備える前部キャビン2と、隊員待機室となる後部キャビン3と、後部キャビン3の後方に設けられて各種機材を収納する積載庫4と、を備えている。
【0021】
前部キャビン2の車両側壁には、前部扉2aが設けられている。また、後部キャビン3の車両側壁31には、矩形状の開口部32が設けられており、この開口部32は、折り戸本体40によって開閉されるようになっている。
図1では、折り戸本体40が閉位置とされている。
図2は、折り戸本体40を開位置にした防災用車両1の側面図が示されている。このように、折り戸本体40は、開口部32に対して車両前方側へ折り畳まれることによって開位置にされるようになっている。開口部32より車両内側には、隊員席が設けられた部屋34が形成されている。折り戸本体40の下方には、ウインチ等の各機器の収納部へアクセス可能にするために、下端部を中心に上下回動自在な機器収納扉35が設けられている(
図9参照)。
【0022】
図3は、折り戸本体40の車両側方から視た正面図であり、
図4は、折り戸本体40の背面図である。
図1~
図4に示すように、折り戸本体40は、開口部32を形成する周壁33に対し第1ヒンジ部46によって鉛直軸心まわりに回動自在に取り付けられる第1折り戸分割体41と、第1折り戸分割体41の回動先端部に対し第2ヒンジ部47によって鉛直軸心まわりに回動自在に取り付けられる第2折り戸分割体42と、を有している。第1折り戸分割体41は、上部に第1窓部41aを有している。第1折り戸分割体41は、折り戸本体40の閉位置で車両外側となる第1外側面41bと車両内側となる第1内側面41cとを有している。第2折り戸分割体42は、上部に第2窓部42aを有している。第2折り戸分割体42は、折り戸本体40の閉位置で車両外側となる第2外側面42bと車両内側となる第2内側面42cとを有している。
【0023】
図5において、(a)は第1折り戸分割体41の左側面図、(b)は第2折り戸分割体42の断面右側面図を示している。
図3~
図5に示すように、第1折り戸分割体41は、正面視において上下方向を長手方向とする矩形状となっている。また、第1折り戸分割体41の第1内側面41cは、上下方向に概ね平面状となっている。第1折り戸分割体41の第1外側面41bは、上下方向の中央部および下部が平面形状となっているが、当該中央部より上方は、緩やかな曲面形状となっており、第1折り戸分割体41の厚みが上方にいくにつれて減少するような形状となっている。第1折り戸分割体41に取り付けられる第1ヒンジ部46は、第1外側面41bが平面形状となっている部分に、複数設けられている。本実施形態の第1ヒンジ部46は、上下方向に所定の間隔をあけて3つ設けられている。第1ヒンジ部46は、開口部32の矩形状の周壁33のうち、車両前方側の鉛直部33b(
図6参照)に取り付けられている。
【0024】
第2折り戸分割体42は、正面視において上下方向を長手方向とする矩形状となっている。第2折り戸分割体42は、第1折り戸分割体41よりも水平方向の幅が大きく形成されている。また、第2折り戸分割体42の第2内側面42cは、上下方向に概ね平面状となっている。第2折り戸分割体42の第2外側面42bは、上下方向の中央部および下部が平面形状となっているが、当該中央部より上方は、緩やかな曲面形状となっており、第2折り戸分割体42の厚みが上方にいくにつれて減少するような形状となっている。折り戸本体40の閉位置において、隣り合う第2外側面42bと第1外側面41bに段差が生じないように、第2折り戸分割体42と第1折り戸分割体41とが互いに連結されている。また、折り戸本体40の閉位置において、隣り合う第2内側面42cと第1内側面41cに段差が生じないように、第2折り戸分割体42と第1折り戸分割体41とが互いに連結されている。
【0025】
第2折り戸分割体42の上部には、
図4に示すように、上側ドアキャッチ48が設けられている。この上側ドアキャッチ48は、折り戸本体40を開位置から閉位置に動かした際に、周壁33の上側の水平部33a(
図2参照)に設けられた図示省略の被係合部に係合して折り戸本体40がロック状態になるように構成されている。上側ドアキャッチ48の被係合部に対する係合状態を解除するために、第2折り戸分割体42の内部には、上側アクチュエータ部51が設けられている。
【0026】
第2折り戸分割体42の下部には、下側ドアキャッチ49が設けられている。この下側ドアキャッチ49は、折り戸本体40を開位置から閉位置に動かした際に、周壁33の下側の水平部33aに設けられた図示省略の被係合部に係合して折り戸本体40がロック状態になるように構成されている。下側ドアキャッチ49の被係合部に対する係合状態を解除するために、第2折り戸分割体42の内部には、下側アクチュエータ部52が設けられている。
【0027】
第2折り戸分割体42の第2外側面42bには、
図3に示すように、外側ハンドル部43が設けられている。車両外方から折り戸本体40を開閉する際には、隊員は外側ハンドル部43を操作して折り戸本体40を開閉するようになっている。第2折り戸分割体42の内部であって外側ハンドル部43に対応する位置には、外側ハンドルセンサ53が設けられている。
【0028】
第2折り戸分割体42の第2内側面42cには、
図4に示すように、内側第1ハンドル部44が設けられている。内側第1ハンドル部44は、第2折り戸分割体42の上下方向中央部であって、第2ヒンジ部47の近傍に設けられている。車両内側から閉位置の折り戸本体40を開ける際には、隊員は内側第1ハンドル部44を操作して折り戸本体40を開くようになっている。第2折り戸分割体42の内部であって内側第1ハンドル部44に対応する位置には、内側ハンドルセンサ54が設けられている。
【0029】
上述の上側アクチュエータ部51、下側アクチュエータ部52、外側ハンドルセンサ53および内側ハンドルセンサ54は、図示省略の制御部と接続されている。この制御部は、外側ハンドル部43または内側第1ハンドル部44が操作されたということを外側ハンドルセンサ53または内側ハンドルセンサ54により検知して、上側アクチュエータ部51および下側アクチュエータ部52を動かし、上側ドアキャッチ48および下側ドアキャッチ49のロックを解除するようになっている。
【0030】
また、第2折り戸分割体42の第2内側面42cにおいて、第2折り戸分割体42の上下方向中央部であって、内側第1ハンドル部44の上方には、第2折り戸分割体42の幅方向全体にわたって長形凹部42dが形成されている。長形凹部42dには、長形凹部42dに沿って第2折り戸分割体42の幅方向に延びるように、管状の内側第2ハンドル部45が設けられている。内側第2ハンドル部45は、第2折り戸分割体42の回動先端部まで延びるように形成されている。
【0031】
上述の構造の折り戸本体40は、第1折り戸分割体41の第1内側面41cと第2折り戸分割体42の第2内側面42cとが対向され、また第1折り戸分割体41の第1外側面41bと車両側壁31の外側面とを対向させるように、折り畳まれることによって、開口部32が開口されるようになっている。折り戸本体40の第2折り戸分割体42は、第1折り戸分割体41よりも水平方向の幅が大きく形成されているので、折り戸本体40が折り畳まれた状態では、
図4の矢印Aの領域部分が開口部32の周壁33の鉛直部33bから開口部32の中央側へはみ出た状態になっている。また、折り戸本体40の第2折り戸分割体42が折り畳まれた状態では、回動先端部まで延びた内側第2ハンドル部45の一部が露出している。そのため、折り戸本体40が折り畳まれた状態となる折り戸本体40の開位置から折り戸本体40を閉位置まで動かす際には、隊員は内側第2ハンドル部45を掴んで折り戸本体40を動かすことが可能となっている。なお、折り戸本体40の開位置では、車両内側から見た場合、内側第1ハンドル部44は第1折り戸分割体41によって覆われた状態となっている。
【0032】
本実施形態では、折り戸本体40の折り畳みを行わせる機構として、折り戸開閉機構60が設けられている。折り戸開閉機構60は、折り戸本体40の上部と下部にそれぞれ設けられている。
図6は、折り戸本体40が閉位置にある状態の折り戸本体40および折り戸開閉機構60の平面図である。
図7は、折り戸本体40が開閉途中にある状態の折り戸本体40および折り戸開閉機構60の平面図である。
図8は、折り戸本体40が開位置にある状態の折り戸本体40および折り戸開閉機構60の平面図である。また、
図9は、折り戸本体40の上下にそれぞれ設けられた折り戸開閉機構60を示す側面図である。
図6~
図8において、右側が車両前方側となっている。
図6~
図9に示すように、折り戸開閉機構60は、取付ベース65と固定アーム部材63と可動アーム部材64とを有している。
【0033】
取付ベース65は、開口部32よりも車両内側、かつ、開口部32を形成する矩形状の周壁33の水平部33a近傍に設けられている。
【0034】
固定アーム部材63は、第2折り戸分割体42の上下方向端部において車両内側に突出するように設けられている。より具体的には、第2折り戸分割体42の上側取付軸部61に上側の固定アーム部材63の基端部が固定されている。また、第2折り戸分割体42の下側取付軸部62に下側の固定アーム部材63の基端部が固定されている。固定アーム部材63の基端部が固定されている場所は、
図4の矢印Aの領域部分である。すなわち、折り戸本体40の閉位置において第2折り戸分割体42のうち開口部32の周壁33の鉛直部33bから開口部32の中央側へはみ出る部分の上下に固定アーム部材63の基端部が固定されている。固定アーム部材63の先端部は、第2折り戸分割体42の第2内側面42cに対して垂直に延びている。
【0035】
可動アーム部材64は、その一端部が固定アーム部材63の先端部に鉛直軸心まわりに回動自在に連結されるとともに他端部が取付ベース65に鉛直軸心まわりに回動自在に連結されている。より具体的には、固定アーム部材63の先端部と可動アーム部材64の一端部とは、第1連結軸部66によって回動自在に互いに連結されている。また、可動アーム部材64の他端部と取付ベース65とは、第2連結軸部67によって回動自在に互いに連結されている。
【0036】
可動アーム部材64は、折り戸本体40および折り戸開閉機構60を平面視した場合に、第1ヒンジ部46のヒンジ軸46aと第2ヒンジ部47のヒンジ軸47aとを直線状に結ぶ仮想アーム部材71の長さと等しくなるよう設定されている。固定アーム部材63は、可動アーム部材64と仮想アーム部材71とが平行になる長さに設定されている。
【0037】
第2折り戸分割体42の上側に設けられた折り戸開閉機構60は、
図9に示すように、折り戸本体40の閉位置において、車両側壁31の内側面に取り付けられた上側取付用部材68によって全体が覆われている。すなわち、第2折り戸分割体42の上側の上側取付軸部61に取り付けられた固定アーム部材63と、当該固定アーム部材63に連結される可動アーム部材64と、当該可動アーム部材64に連結される取付ベース65が、上側取付用部材68の内部に収納されるようになっている。このうち取付ベース65は、上側取付用部材68の内壁面に固定されている。上側取付用部材68のうち、上側取付軸部61と対向する面側については、車両前後方向に延びる上側スリット部68aが形成されている。この上側スリット部68aからは、折り戸本体40の開閉動作に伴って固定アーム部材63および可動アーム部材64が出没自在となっている。
【0038】
第2折り戸分割体42の下側に設けられた折り戸開閉機構60は、第2折り戸分割体42の閉位置において、固定アーム部材63および可動アーム部材64が部屋34の床部36の下方に隠れるように、構成されている。より具体的には、床部36は上段部36aと下段部36bとを有しており、このうち下段部36bの下方に下側取付用部材69が設けられている。そして、折り戸本体40の閉位置において、下段部36bと下側取付用部材69とで囲われた領域には、第2折り戸分割体42の下側の下側取付軸部62に取り付けられた固定アーム部材63と、当該固定アーム部材63に連結される可動アーム部材64と、当該可動アーム部材64に連結される取付ベース65が収納されるようになっている。このうち取付ベース65は、下段部36bと下側取付用部材69の内壁面に固定されている。下段部36bおよび下側取付用部材69のうち、下側取付軸部62と対向する面側については、車両前後方向に延びる下側スリット部69aが形成されている。この下側スリット部69aからは、折り戸本体40の開閉動作に伴って固定アーム部材63および可動アーム部材64が出没自在となっている。
【0039】
次に、上述の構成の折り戸本体40および折り戸開閉機構60の動作について説明する。まず、
図6に示すように、折り戸本体40が開口部32を閉鎖状態にしている折り戸本体40の閉位置では、第1折り戸分割体41と第2折り戸分割体42は一直線状に並んでいる。折り戸本体40の上側の折り戸開閉機構60における固定アーム部材63と可動アーム部材64は、上側取付用部材68の内部に収納状態となっている。また、折り戸本体40の下側の折り戸開閉機構60における固定アーム部材63と可動アーム部材64は、床部36の下段部36bの下方に収納状態となっている。第1ヒンジ部46のヒンジ軸46aと第2ヒンジ部47のヒンジ軸47aとを直線状に結ぶ仮想アーム部材71は、可動アーム部材64と平行状態にあり、仮想アーム部材71の方が可動アーム部材64よりも車両外側に位置している。可動アーム部材64が連結される取付ベース65と、ヒンジ軸47aとは、車両前後方向に少し離れた位置にある。可動アーム部材64の第1連結軸部66は、第2連結軸部67よりも車両内側にある。
【0040】
図6の閉位置から折り戸本体40を開動作させる際には、隊員が車両外方から外側ハンドル部43を掴んで第2折り戸分割体42を引っ張るか、車両内側から内側第1ハンドル部44を掴んで第2折り戸分割体42を押すかのどちらかを行う。このとき、外側ハンドルセンサ53または内側ハンドルセンサ54によって外側ハンドル部43または内側第1ハンドル部44が操作されたことが検知され、上側アクチュエータ部51および下側アクチュエータ部52が駆動される。これにより、上側ドアキャッチ48および下側ドアキャッチ49のロックが解除されて、折り戸本体40が開動作可能となる。隊員によって折り戸本体40が開動作されると、可動アーム部材64は、取付ベース65を中心として車両前方側へ回動する。
【0041】
折り戸本体40の開動作中は、
図7に示すように、可動アーム部材64と仮想アーム部材71とは平行な状態を維持したまま車両前方へ回動する。第1折り戸分割体41は、ヒンジ軸46aを中心に車両前方へ回動される。一方、第2折り戸分割体42は、閉位置での傾きを維持しつつ(第2外側面42bと車両側壁31の外側面とが平行な状態を維持しつつ)、ヒンジ軸47aを中心に回動される。第2折り戸分割体42が、閉位置での傾きを維持しつつ回動されるのは、可動アーム部材64と、仮想アーム部材71と、それらの両端部を連結する部分によって、四節リンク機構が形成されているからである。このようにして、第1折り戸分割体41および第2折り戸分割体42が車両前方側へ移動しつつ、第1折り戸分割体41と第2折り戸分割体42との間のヒンジ軸47aを頂点とする角度が小さくなっていき、折り戸本体40が折り畳まれていく。
【0042】
折り戸本体40の開位置では、
図8に示すように、第1折り戸分割体41の第1内側面41cと第2折り戸分割体42の第2内側面42cとを対向させて第1折り戸分割体41と第2折り戸分割体42とが重ね合わせ状となる。また、第1折り戸分割体41の第1外側面41bと車両側壁31の外側面とを対向させて第1折り戸分割体41と車両側壁31とが重ね合わせ状となる。この開位置では、第2折り戸分割体42は、開口部32の周壁33の鉛直部33bから開口部32の中央側へ少しはみ出た状態になっている。また、このはみ出た部分には、回動先端部まで延びた内側第2ハンドル部45の一部が露出している(
図4の矢印Aの領域部分)。車両内側から開位置の折り戸本体40を閉動作させる場合には、隊員は、当該露出した内側第2ハンドル部45を掴んで折り戸本体40を閉動作させる。折り戸本体40の閉動作では、開動作とは反対の動きが行われる。
【0043】
以上のとおり、本実施形態に係る防災用車両1によれば、矩形状の開口部32を開閉する折り戸本体40を備え、折り戸本体40は、開口部32を形成する周壁33に対し第1ヒンジ部46によって鉛直軸心まわりに回動自在に取り付けられる第1折り戸分割体41と、第1折り戸分割体41の回動先端部に対し第2ヒンジ部47によって鉛直軸心まわりに回動自在に取り付けられる第2折り戸分割体42と、を有し、第1折り戸分割体41は、折り戸本体40の閉位置で車両外側となる第1外側面41bと車両内側となる第1内側面41cとを有し、第2折り戸分割体42は、折り戸本体40の閉位置で車両外側となる第2外側面42bと車両内側となる第2内側面42cとを有し、折り戸開閉機構60は、第1折り戸分割体41の第1内側面41cと第2折り戸分割体42の第2内側面42cとを対向させるとともに第1折り戸分割体41の第1外側面41bと車両側壁31の外側面とを対向させるように、折り戸本体40を折り畳むことにより、開口部32を開口させるように構成されている。
【0044】
折り戸本体40は、従来のような一枚物の扉ではなく、第1折り戸分割体41と第2折り戸分割体42とを備えた折り戸式になっている。これにより、引き戸式で一枚物の扉と比較して、開口部32より車両前方側や車両後方側に折り戸本体40が大きく張り出すことなく、開口部32を全開にすることができる。これにより、折り戸本体40が後部キャビン3の開口部32より車両前方側の前部キャビン2の前部扉2aに干渉したり、後部キャビン3の開口部32より車両後方側の積載庫4のシャッター扉4aに干渉したりするということがなく、折り戸本体40の周囲の設計レイアウトの制限を抑制することができる。また、一枚物の扉と比較して、折り戸本体40を閉位置から開位置へ動作させる際に折り戸本体40を車両外方および車両内方に大きく突出させないようにできる。これにより、車両外方または車両内部の折り戸本体40の開閉スペースが少なくても折り戸本体40を全開にできる。
【0045】
また、本実施形態では、第2折り戸分割体42は、第1折り戸分割体41よりも水平方向の幅が大きく形成され、第2折り戸分割体42の第2内側面42cには、第2折り戸分割体42の回動先端部に延びる内側第2ハンドル部45が設けられている。これにより、折り戸本体40の開位置では、第2折り戸分割体42の第2内側面42cが、すべて第1折り戸分割体41の第1内側面41cで覆われないようにできる。すなわち、車両内側から開位置の折り戸本体40を見た場合に、第2折り戸分割体42の第2内側面42cの回動先端部が露出するようにできる。そして、この露出部分に内側第2ハンドル部45が設けられていることにより、折り戸本体40を開位置から閉位置へ動かす際、第2折り戸分割体42の内側第2ハンドル部45を持って容易に折り戸本体40を動かすことができる。
【0046】
また、本実施形態では、折り戸開閉機構60は、開口部32よりも車両内側、かつ、開口部32を形成する矩形状の周壁33の水平部33a近傍に設けられる取付ベース65と、第2折り戸分割体42の上下方向端部に車両内側に突出するように設けられた固定アーム部材63と、一端部が固定アーム部材63の先端部に鉛直軸心まわりに回動自在に連結されるとともに他端部が取付ベース65に鉛直軸心まわりに回動自在に連結される可動アーム部材64と、を有している。これにより、折り戸本体40を開位置または閉位置に動かす際、可動アーム部材64が取付ベース65を中心とした円弧を描くように動くので、可動アーム部材64の一端部に連結される固定アーム部材63の先端部が、取付ベース65を中心とした円弧を描くように動かされる。これにより、第2折り戸分割体42の回動先端部の回動範囲が制限されるので、第2折り戸分割体42の回動先端部が車両外方に大きく突出することなく、スムーズに折り戸本体40を開位置または閉位置に動かすことができる。
【0047】
また、本実施形態では、車両側壁31の開口部32より車両内側には、部屋34が形成され、折り戸本体40の下側に設けられた折り戸開閉機構60は、折り戸本体40の閉位置において固定アーム部材63および可動アーム部材64が部屋34の床部36の下方に隠れるように、構成されている。これにより、折り戸本体40の第2折り戸分割体42よりも固定アーム部材63や可動アーム部材64が車両内側に突出しているにもかかわらず、部屋34の内部において隊員や機材が固定アーム部材63や可動アーム部材64に干渉することを防ぐことができる。これにより、車両内部において隊員の活動スペースや機材の収納スペースを確保することができる。また、隊員の足が固定アーム部材63や可動アーム部材64に引っかかるのを防止することができる。
【0048】
また、本実施形態では、可動アーム部材64は、折り戸本体40および折り戸開閉機構60を平面視した場合に、第1ヒンジ部46のヒンジ軸46aと第2ヒンジ部47のヒンジ軸47aとを直線状に結ぶ仮想アーム部材71の長さと等しくなるよう設定され、固定アーム部材63は、可動アーム部材64と仮想アーム部材71とが平行になる長さに設定されている。これにより、可動アーム部材64と、仮想アーム部材71と、それらの両端部を連結する部分によって、四節リンク機構を形成することができる。これにより、折り戸本体40を開位置または閉位置に動かす際、第2折り戸分割体42の第2外側面42bと車両側壁31の外側面とが平行な状態を保ったまま、折り戸本体40を動かすことができる。これにより、第2折り戸分割体42が全体にわたって車両外方に大きく突出することなく、スムーズに折り戸本体40を開位置または閉位置に動かすことができる。
【0049】
今回、開示した実施形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。本発明の技術的範囲は、前記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【0050】
例えば、上記実施形態では、折り戸本体40の上下にそれぞれ折り戸開閉機構60が設けられていたが、本発明はこれに限らず、折り戸本体の上側または下側のいずれか一方のみに折り戸開閉機構を設けてもよい。また、本実施形態では、第2折り戸分割体42は、第1折り戸分割体41よりも水平方向の幅が大きく形成されていたが、本発明はこれに限らず、第1折り戸分割体と第2折り戸分割体の幅を同じ大きさに設定してもよい。また、本実施形態では、可動アーム部材64は、仮想アーム部材71の長さと等しくなるよう設定され、可動アーム部材64と仮想アーム部材71とが平行になるように設定されていたが、これを平行ではないものに変更してもよい。また、折り戸開閉機構は、本実施形態の折り戸開閉機構60のような固定アーム部材63や可動アーム部材64を使用した機構ではなく、他の構造の機構を採用してもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、後部キャビン3の車両側壁31に開口部32が設けられ、その開口部32を開閉するために折り戸本体40および折り戸開閉機構60を採用したが、本発明はこれに限らず、同じ構造の折り戸本体および折り戸開閉機構を前部キャビンの扉や積載庫の扉として採用してもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 防災用車両
3 後部キャビン
31 車両側壁
32 開口部
33 周壁
33a 水平部
33b 鉛直部
34 部屋
36 床部
40 折り戸本体
41 第1折り戸分割体
41b 第1外側面
41c 第1内側面
42 第2折り戸分割体
42b 第2外側面
42c 第2内側面
44 内側第1ハンドル部
45 内側第2ハンドル部(ハンドル部)
46 第1ヒンジ部
46a ヒンジ軸
47 第2ヒンジ部
47a ヒンジ軸
60 折り戸開閉機構
63 固定アーム部材
64 可動アーム部材
65 取付ベース
66 第1連結軸部
67 第2連結軸部
71 仮想アーム部材