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  • 特開-内装部材 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110230
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】内装部材
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/08 20060101AFI20230802BHJP
【FI】
B60R13/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022011536
(22)【出願日】2022-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002424
【氏名又は名称】ケー・ティー・アンド・エス弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴史
【テーマコード(参考)】
3D023
【Fターム(参考)】
3D023BA01
3D023BA02
3D023BA03
3D023BB01
3D023BB02
3D023BB12
3D023BB17
3D023BD01
3D023BD04
3D023BD12
3D023BE05
3D023BE06
3D023BE09
(57)【要約】
【課題】新規の内装部材を提供する。
【解決手段】本開示に係る内装部材は、第1層と、第2層と、突出部と、第3層と、壁部と、拡張空間と、を備える。第1層は、意匠面を有する。第2層は、第1層の意匠面と反対側に配置され、吸音および/または制振材料を含む。突出部は、第1層または第2層のいずれか一方から突出し、第1層または第2層のいずれか他方に接する。第3層は、第2層を挟んで第1層と反対側に配置され、第2層に向けて貫通する貫通孔を有する。壁部は、第2層と第3層のいずれか一方または両方に設けられ、積層方向に沿う。拡張空間は、壁部と第2層と第3層とで区画され、第3層の一部に貫通孔の開口を含む。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
意匠面を有する第1層と、
前記第1層の前記意匠面と反対側に配置され、吸音および/または制振材料を含む第2層と、
前記第1層または前記第2層のいずれか一方から突出し、前記第1層または前記第2層のいずれか他方に接する突出部と、
前記第2層を挟んで前記第1層と反対側に配置され、前記第2層に向けて貫通する貫通孔を有する第3層と、
前記第2層と前記第3層のいずれか一方または両方に設けられ、積層方向に沿う壁部と、
前記壁部と前記第2層と前記第3層とで区画され、前記第3層の一部に前記貫通孔の開口を含む拡張空間と、
を備える、
内装部材。
【請求項2】
前記壁部は、前記第3層から前記第2層に向けて延出する、
請求項1に記載の内装部材。
【請求項3】
前記突出部は、前記第1層に設けられ、前記第1層から前記第2層に向けて突出する、
請求項2に記載の内装部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、内装部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、異なる材料を含む複数の層状部材を重ねて一体とした内装部材が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-096342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の内装部材は、隣り合う層状部材の間にレゾネータを設けて、振動を低減する。しかし、このような内装部材では、騒音や振動を低減するとともに、手触りに偏りが生じることを防止できる構造を備えることが好ましい。特許文献1は、このような点については開示していない。本開示の課題は、新規の内装部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る内装部材は、第1層と、第2層と、突出部と、第3層と、壁部と、拡張空間と、を備える。第1層は、意匠面を有する。第2層は、第1層の意匠面と反対側に配置され、吸音および/または制振材料を含む。突出部は、第1層または第2層のいずれか一方から突出し、第1層または第2層のいずれか他方に接する。第3層は、第2層を挟んで第1層と反対側に配置され、第2層に向けて貫通する貫通孔を有する。壁部は、第2層と第3層のいずれか一方または両方に設けられ、積層方向に沿う。拡張空間は、壁部と第2層と第3層とで区画され、第3層の一部に貫通孔の開口を含む。
【0006】
この内装部材によれば、第1層と第2層の間に突出部が設けられるとともに、第2層と第3層の間に貫通孔を含む拡張空間が設けられる。これにより、第1層と第2層の間に振動の減衰構造が、第2層と第3層の間にはレゾネータが設けられる。このため、内装部材は、レゾネータと減衰構造によって、振動を減衰させることができる。さらに、この内装部材によれば、意匠面を有する第1層に続いて第2層が配置される。これにより、内装部材の手触りに偏りが生じることを防止することができる。この結果、内装部材は、騒音を低減し手触りを向上させることができる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、新規の内装部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態における内装部材の斜視図。
図2】本開示の実施形態における内装部材のA-A断面を示す断面図。
図3】本開示の実施形態における内装部材の基材の一部を示す概略図。
図4】本開示の他の実施形態における内装部材の基材の一部を示す概略図。
図5】本開示の実施形態における内装部材の製造方法を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本開示の実施形態における内装部材1の概略を示した斜視図である。図1における上下方向(積層方向の一例)Hは、紙面上方を上側、下方を下側とするが、実際の重力方向とは必ずしも一致しない。図2は、図1のA-A断面における内装部材1の断面の概略を示した断面図である。
【0010】
図1および図2に示すように、内装部材1は、積層方向Hと、積層方向Hと交差する幅方向Wと奥行方向Dと、に所定の長さを有する。本実施形態の内装部材1は、略直方体形状に形成されて、車両の車室の意匠の一部を構成する内装用の意匠部品として使用される。具体的には、内装部材1は、車両のエンジンルームと車室との間で、表皮層2の表面22が車室の内部に臨んで配置される。これに限らず内装部材1の形状は、用途目的に合わせて種々様々な大きさおよび形状に形成可能である。
【0011】
内装部材1は、表皮層(第1層の一例)2と、中間層(第2層の一例)4と、基材(第3層の一例)6と、を備える。表皮層2と中間層4と基材6は、積層方向Hに重ねられて接着され、一体とされる。積層方向Hは、表皮層2と中間層4と基材6とが重なる方向である。本実施形態では、内装部材1は、積層方向Hの大きさが40mmから80mm程度である。内装部材1は、積層方向Hの大きさが10mmから150mm程度であってもよく、用途目的に合わせて変更可能である。
【0012】
表皮層2は、意匠面21を有する。意匠面21は、表皮層2の表面22であり、車室に臨んで配置される。本実施形態では、意匠面21は、合皮素材を含んで形成され、車室の内装の意匠の一部を構成する。これに限らず、意匠面21は、車両の内装意匠に合わせて種々様々な材料を適用するとともに、シボやステッチ等の意匠を施すことができる。
【0013】
中間層4は、表皮層2の意匠面21と反対側に配置され、吸音および/また制振材料を含む。本実施形態では、中間層4は、幅方向Wおよび奥行方向Dにおいて、表皮層2と略同一の形状である。また、中間層4は、積層方向Hの大きさが2mmから10mm程度である。さらに、中間層4の積層方向Hの大きさは、1mmから100mm程度であってもよい。中間層4は、発泡体を含む多孔質体、例えばウレタン、フェルト、不織布、ゴムスポンジ等を含み、騒音や振動を減衰する吸音材料または制振材料の少なくとも一方、または、両方として作用する。
【0014】
基材6は、中間層4を挟んで表皮層2の反対側に配置される。本実施形態では、基材6は、幅方向Wおよび奥行方向Dにおいて、表皮層2および中間層4と略同一の形状である。また、基材6は、積層方向Hの大きさが1mmから5mm程度である。基材6は、樹脂を含み、表皮層2や中間層4に比べて剛性が大きい硬質素材である。基材6は、内装部材1を設置する箇所の意匠にあわせて曲面を含んで構成されてもよい。これにより、内装部材1の全体を様々な意匠にあわせた形状とすることができる。
【0015】
図3は、本開示の実施形態における基材6の一部を拡大し、概略を示した斜視図である。図2および図3に示すように、基材6は、貫通孔61を有する。貫通孔61は、積層方向Hに沿って基材6の裏面62から表面63まで、中間層4に向けて貫通する。本実施形態では、貫通孔61は、直径が1mmから3mm程度である。さらに、貫通孔61の直径は、0.5mmから10mm程度であってもよい。貫通孔61は、基材6に少なくとも1つ設けられる。本実施形態では、貫通孔61は、基材6に複数設けられ、幅方向Wおよび奥行方向Dにおいて、所定の間隔を開けて規則的に満遍なく均等に配置される。また、本実施形態では、貫通孔61は、幅方向Wおよび奥行方向Dにおいて、互いの間隔が10mmから30mm程度となるように規則的に配置される。さらに、貫通孔61の互いの間隔は、5mmから50mm程度であってもよい。貫通孔61の互いの間隔は、後述する壁部8を含む板状部材81の大きさに併せて、種々様々に変更可能である。
【0016】
図2および図3に示すように、内装部材1は、さらに、壁部8と、拡張空間10と、突出部12と、を備える。
【0017】
壁部8は、中間層4と基材6のいずれか一方または両方に設けられ、積層方向Hに沿って延びる面である。本実施形態では、壁部8は、基材6に一体に設けられて、基材6の表面63から中間層4に向けて延出する板状部材81の一部である。また、壁部8は、基材6を、表面63から積層方向Hに沿って掘り込んだ凹形状の一部であってもよい。
【0018】
図2および図3に示すように、壁部8を含む板状部材81は、基材6の表面63から、積層方向Hに沿って中間層4に向けて延出し、所定の厚みの略四角形の断面形状を含む。本実施形態では、板状部材81は、幅方向Wおよび奥行方向Dにおいて、一辺が10mmから40mm程度の略正方形に形成される。さらに、板状部材81は、一辺の大きさが5mmから50mm程度の略正方形に形成されてもよい。これにより、壁部8は、幅方向Wおよび奥行方向Dにおいて、一辺の大きさが10mmから30mm程度の略正方形の区画された空間を形成する。さらに、壁部8は、一辺の大きさが4mmから40mm程度の略正方形に区画された空間を形成してもよい。板状部材81と壁部8の大きさと形状は、貫通孔61および後述する拡張空間10の容積に併せて、種々様々に変更可能である。
【0019】
板状部材81は、基材6の表面63に複数設けられ、幅方向Wおよび奥行方向Dにおいて、所定の間隔を開けて満遍なく均等に配置される。本実施形態では、板状部材81は、幅方向Wおよび奥行方向Dにおいて、互いの間隔が1mmから10mm程度となるように規則的に配置される。板状部材81が配置される間隔は、貫通孔61と後述する拡張空間10の容積に併せて、種々様々に変更可能である。これに限らず、板状部材81は、基材6の表面63に互いの間隔を変えて配置されてもよい。
【0020】
板状部材81の先端は、中間層4の裏面42に押し付けられて接触する。すなわち、壁部8の先端は、中間層4の裏面42に接触する。これにより、壁部8は、幅方向Wおよび奥行方向Dにおいて、中間層4と基材6の間の空間を、板状部材81を挟んで壁部8を含む内側と外側とを区画することができる。
【0021】
拡張空間10は、壁部8と中間層4と基材6とで区画された、中間層4と基材6の間の空間である。拡張空間10は、壁部8を含む板状部材81の先端と中間層4の裏面42の間で隙間なく密着する。一方で、拡張空間10は、基材6の一部に一つの貫通孔61の開口を含む。すなわち、一つの拡張空間10は、一つの貫通孔61の開口を含む。本実施形態では、積層方向Hに沿った平面視において、拡張空間10の略中心に貫通孔61が配置される。拡張空間10は、中間層4と基材6の間で、貫通孔61の開口によって内装部材1の外部と連通する、概ね閉じた空間である。前述の通り、本実施形態では、内装部材1はエンジンルームと車室の間に配置されるとともに、表皮層2が車室を臨んで配置される。したがって、貫通孔61の中間層4と反対側の開口は、エンジンルームに向かって開口する。
【0022】
これにより、拡張空間10は、貫通孔61とともに、中間層4と基材6との間にレゾネータを構成する。このため、内装部材1は、拡張空間10の容積と貫通孔61の容積に基づいて、特定の周波数を減衰することができる。これにより、内装部材1は、エンジンルームで生じる音を、中間層4と基材6の間で、低減することができる。この結果、内装部材1は、エンジンルームから車室に伝わる騒音を低減することができる。
【0023】
拡張空間10と貫通孔61によって構成されるレゾネータは、拡張空間10と貫通孔61の容積を変更することで、任意の周波数を減衰させることができる。本実施形態では、拡張空間10および貫通孔61によって構成されるレゾネータは、主に1600Hz付近の周波数を減衰させる。これにより、内装部材1は、内装部材1が配置される車室内での会話明瞭度を向上させることができる。
【0024】
本実施形態では、拡張空間10の容積は、壁部8を含む板状部材81の形状によって任意に設定可能である。例えば、拡張空間10の容積は、板状部材81が基材6の表面63から突出する長さを変更することによって、変更することができる。また、拡張空間10の容積は、板状部材81によって形成される略四角形の断面積を変更することによって、変更することもできる。さらに、拡張空間10の容積は、板状部材81の断面形状を略四角形に限らず変更することによって、変更することもできる。一方、貫通孔61の容積は、基材6の積層方向Hの大きさを変更したり、貫通孔61の直径を変更することによって、変更することができる。
【0025】
複数の拡張空間10と貫通孔61は、中間層4と基材6との間で、連続して配置される。本実施形態では、拡張空間10と貫通孔61は、幅方向Wおよび奥行方向Dにおいて、所定の間隔を開けて規則的に満遍なく均等に配置される。拡張空間10と貫通孔61で構成されるレゾネータは、幅方向Wおよび奥行方向Dにおいて、互いの間隔が10mmから15mm程度となるように規則的に配置される。さらに、拡張空間10と貫通孔61で構成されるレゾネータの互いの間隔は、5mmから50mm程度であってもよい。拡張空間10と貫通孔61で構成されるレゾネータは、レゾネータの容積や内装部材の大きさや形状に併せて、種々様々に変更可能である。これにより、中間層4と基材6の間に、複数のレゾネータを配置することができる。この結果、内装部材1は、騒音が発生する位置によらず、エンジンルームから車室に伝わる騒音を低減することができる。
【0026】
突出部12は、表皮層2または中間層4のいずれか一方から突出し、表皮層2または中間層4のいずれか他方に接する。表皮層2または中間層4のいずれか一方から突出した突出部12は、表皮層2または中間層のいずれか他方に、少なくとも点接触すればよい。本実施形態では、突出部12は、表皮層2に設けられ、表皮層2から中間層4に向けて突出し、先端が中間層4の表面41に接触する半球状の突起である。突出部12は、積層方向Hにおける大きさが1mmから3mm程度である。さらに、突出部12の積層方向Hにおける大きさは、0.5mmから5mm程度であってもよい。また、突出部12の形状は、これに限らず、柱状で先端が面接触するものや、幅方向Wや奥行方向Dのいずれか一方、または、両方に延びたリブ状であってもよく、形状は種々様々に変更可能である。本実施形態では、突出部12は、表皮層2と同一の材料で、表皮層2と一体に形成される。
【0027】
突出部12は、表皮層2の裏面23に複数設けられ、幅方向Wおよび奥行方向Dにおいて、所定の間隔を開けて規則的に満遍なく均等に配置される。本実施形態では、突出部12は、幅方向Wおよび奥行方向Dにおいて、互いの間隔が10mmから15mm程度となるように規則的に配置される。さらに、突出部12の互いの間隔は、5mmから30mm程度であってもよい。突出部12が配置される間隔は、突出部12の積層方向Hにおける大きさや形状と併せて、種々様々に変更可能である。
【0028】
図3に示すように、突出部12は、積層方向Hと交差する幅方向Wまたは奥行方向Dにおいて、壁部8を含む板状部材81の先端と中間層4の裏面42とが接する箇所Pから離間して配置される。すなわち、本実施形態では、積層方向Hに沿った平面視において、突出部12の先端と中間層4とが接触する箇所Nと、板状部材81の先端と中間層4の裏面42とが接する箇所Pとは、互いにずれて配置される。これにより、積層方向Hに沿って力を加えた場合に、突出部12が板状部材81によって押し返されることを防ぐことができる。このため、内装部材1の表皮層2の手触りを、突出部12の配置によらず均一にすることができる。この結果、手触りの良い内装部材1を提供することができる。
【0029】
さらに、本実施形態では、積層方向Hに沿った平面視において、突出部12は、貫通孔61と略同じ位置に配置される。これに限らず、突出部12は、その数や配置を種々に変更可能である。積層方向Hに沿った平面視において、一つの拡張空間10に対して突出部12が複数個含まれて配置されてもよい。
【0030】
次に、図4を用いて本開示の他の実施形態の内装部材1について説明する。図4は、本開示の他の実施形態における基材60の概略を示した斜視図である。なお、本実施形態の説明においては、図1から図3に示す実施形態の内装部材1と異なる点のみを説明する。
【0031】
図4に示すように、本実施形態では、壁部80を含む板状部材801が連続して基材6に設けられる。すなわち、板状部材801は、幅方向Wおよび奥行方向Dに沿って延び、それらが交差することによって、壁部80に区画された拡張空間10が形成される。拡張空間10は、板状部材801を挟んで、幅方向Wおよび奥行方向Dに連続して繰り返し配置される。これにより、拡張空間10と貫通孔61によって構成されるレゾネータの数を増やすことができる。
【0032】
これに限らず、拡張空間10と貫通孔61によって構成されるレゾネータは、中間層4と基材6の間に、連続もしくは不連続に設けられてもよいし、幅方向Wおよび奥行方向Dの任意の箇所に配置されてもよい。また、拡張空間10と貫通孔61は、すべて同じ容積のレゾネータとして構成してもよいし、異なる容積の複数のレゾネータとして構成してもよい。
【0033】
次に、図5を用いて本開示の実施形態における、内装部材1の製造方法について説明する。図5に示すように、本開示の内装部材1の製造方法は、準備工程S1と、位置合わせ工程S2と、接合工程S3と、を備える。
【0034】
準備工程S1では、表皮層2と、中間層4と、基材6と、を用意する。基材6は、予め壁部8を含む板状部材81を一体に設ける。また、表皮層2は、予め突出部12を一体に設ける。
【0035】
位置合わせ工程S2では、積層方向Hに沿って、下方から基材6、中間層4、表皮層2の順番で、重ねて配置する。ここで、基材6は、壁部8を含む板状部材81が中間層4に臨むように配置する。さらに、表皮層2は、積層方向Hに沿った平面視において、突出部12が、基材6の板状部材81と重ならないようにずらして配置する。
【0036】
接合工程S3では、表皮層2と中間層4と基材6とを一体に接合し、内装部材1とする。接合の方法は、常温環境で表皮層2を中間層4および基材6に被せる方法や、接着材を用いて接合す方法のほか、加熱して一部を溶融させた状態で圧着させる方法など種々様々な方法を適用可能である。
【0037】
また、本実施形態では、表皮層2と中間層4と基材6を同時に接合したが、本開示はこれに限定されない。すなわち、表皮層2と中間層4を予め接合した後で基材6と一体とする、あるいは、基材6と中間層4を予め接合した後で表皮層2と一体とする、などの製造方法を適用可能である。これに限らず、位置合わせ工程S2と接合工程S3の実施においては、内装部材1の用途や形状に応じて種々様々な工法を採用することができる。
【0038】
以上説明した通り、本開示によれば、新規の内装部材を提供することができる。
【符号の説明】
【0039】
1:内装部材 2:表皮層(第1層) 21:意匠面 4:中間層(第2層)
6:基材(第3層) 61:貫通孔 8:壁部 10:拡張空間 12:突出部
H:積層方向
図1
図2
図3
図4
図5