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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110280
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】アダプタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 31/02 20060101AFI20230802BHJP
   H01R 31/06 20060101ALN20230802BHJP
【FI】
H01R31/02 C
H01R31/06 P
H01R31/06 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022011630
(22)【出願日】2022-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】390005049
【氏名又は名称】ヒロセ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】山口 良規
(57)【要約】
【課題】端子が圧入される分岐アダプタにおいて、ケーブルコネクタ及びアダプタの嵌合状態の信頼性が向上する技術を提供する。
【解決手段】ハウジング10と、ハウジング10によって保持される端子20と備えるアダプタであって、端子20は、接触部21と、接触部21の反対側に延びた接触部22,23とを有し、ハウジング10は、嵌合凹部11と、嵌合凹部11の反対側に開口した嵌合凹部12,13とを有し、端子20は、嵌合凹部11の内部において接触部21が突出した状態で配設されるとともに、嵌合凹部12,13の内部においてそれぞれ接触部22,23が突出した状態で配設され、ハウジング10は、端子20の接触部21に沿って突出した突起部15を有し、ケーブルコネクタ2が嵌合するとき、ケーブルコネクタ2のハウジング5の端部が突起部15の端面に当接して停止するように構成されている。
【選択図】図5B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに圧入され、前記ハウジングによって保持される端子と、を備えるアダプタであって、
前記端子は、第1のコネクタ側に延びた第1の接触部と、前記第1の接触部の反対側に延びた複数の第2の接触部とを有し、
前記ハウジングは、前記第1のコネクタ側に開口した第1の嵌合凹部と、前記第1の嵌合凹部の反対側に開口した複数の第2の嵌合凹部とを有し、
前記端子は、前記第1の嵌合凹部の内部において前記第1の接触部が突出した状態で配設されるとともに、前記複数の第2の嵌合凹部の内部においてそれぞれ前記第2の接触部が突出した状態で配設され、
前記ハウジングは、前記第1の嵌合凹部の内部において前記端子の前記第1の接触部に沿って前記第1の嵌合凹部の内部面から開口側に突出した突起部を有し、
前記第1のコネクタが前記第1の嵌合凹部に嵌合するとき、前記第1のコネクタのハウジングの端部が前記突起部の端面に当接して停止するように構成されている、アダプタ。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記突起部の両側に、前記端子を圧入する治具の先端部が挿入されるのに充分な形状の溝を有する、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項3】
前記端子の平面方向における前記第2の接触部の幅は、前記端子の平面方向における前記第1の接触部の幅と同じである、請求項1又は2に記載のアダプタ。
【請求項4】
前記端子の平面方向における前記突起部の幅は、前記端子の平面方向における前記第1の接触部の幅より広い、請求項1~3のいずれか1項に記載のアダプタ。
【請求項5】
前記端子は、前記第1の接触部が前記端子の本体部に結合される部分において、曲線状に拡がる結合部を有し、
前記端子の平面方向における前記突起部の幅は、前記端子の平面方向における前記結合部の最大幅より広い、請求項1~4のいずれか1項に記載のアダプタ。
【請求項6】
前記第1及び第2の嵌合凹部において、複数の前記端子が等間隔に配設され、
前記第1の嵌合凹部において、複数の前記突起部が、複数の前記端子の各々の間に設けられている、請求項1~5のいずれか1項に記載のアダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アダプタに関し、特に、1つの電線を複数の電線に分岐するアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
1つの電線を複数の電線に分岐するアダプタ(分岐アダプタ又は分岐コネクタ)として、例えば、3個の相手側コネクタをT字方向から嵌合させ、それらの相手側コネクタにそれぞれ繋がるケーブル同士を電気的に接続させる分岐コネクタがある(例えば、特許文献1参照)。また、1個の相手側コネクタを一方から嵌合させ、2個の相手側コネクタを他方から嵌合させてケーブル同士を電気的に接続させる分岐コネクタがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-45631号公報
【特許文献2】特開2019-153382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の分岐アダプタ又は分岐コネクタにおいて、ハウジング形成後に、ハウジング内に端子を圧入して組み立てる場合、端子圧入の作業性が良好ではなく、また、ケーブルコネクタを嵌合する際の作業効率や位置決め精度が良好ではなかった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、本発明の1つの目的は、端子が圧入される分岐アダプタにおいて、ケーブルコネクタ及びアダプタの嵌合状態の信頼性が向上する技術を提供することにある。
【0006】
また、本発明の他の目的は、端子が圧入される分岐アダプタにおいて、治具を使用して端子を圧入する際、作業効率が向上する技術を提供することにある。
【0007】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願において開示される実施例のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0009】
すなわち、代表的な実施例によるアダプタは、ハウジングと、前記ハウジングに圧入され、前記ハウジングによって保持される端子と、備え、前記端子は、第1のコネクタ側に延びた第1の接触部と、前記第1の接触部の反対側に延びた複数の第2の接触部とを有し、前記ハウジングは、前記第1のコネクタ側に開口した第1の嵌合凹部と、前記第1の嵌合凹部の反対側に開口した複数の第2の嵌合凹部とを有し、前記端子は、前記第1の嵌合凹部の内部において前記第1の接触部が突出した状態で配設されるとともに、前記複数の第2の嵌合凹部の内部においてそれぞれ前記第2の接触部が突出した状態で配設され、前記ハウジングは、前記第1の嵌合凹部の内部において前記端子の前記第1の接触部に沿って前記第1の嵌合凹部の内部面から開口側に突出した突起部を有し、前記第1のコネクタが前記第1の嵌合凹部に嵌合するとき、前記第1のコネクタのハウジングの端部が前記突起部の端面に当接して停止するように構成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本願において開示される実施例のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0011】
(1)ハウジングの嵌合凹部の奥に突起部を有するため、ケーブルコネクタをアダプタに嵌合する際、ケーブルコネクタの端部がアダプタのハウジング内の突起部の端面に当接してケーブルコネクタが停止して固定されるので、位置決めが容易になり、ケーブルコネクタ及びアダプタの嵌合状態が安定し信頼性が向上する。
【0012】
(2)アダプタのハウジング内の突起部の両側に溝が設けられているので、治具を使用して端子を圧入する際、突起部の端面の奥まで押し込むことができ、端子を正規位置に確実に圧入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】本発明の一実施形態に係るアダプタ及びケーブルコネクタの構成を示す斜視図である。
図1B】本発明の一実施形態に係るアダプタ及びケーブルコネクタの構成を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るアダプタ及びケーブルコネクタの嵌合後の状態を示す側面図である。
図3図2のアダプタ及びケーブルコネクタの構成においてハウジング部分を取り除いた図である。
図4A】本発明の一実施形態に係るアダプタ及びケーブルコネクタの構成を示す正面図である(ケーブルを省略)。
図4B図4AのA-A切断面における断面図である。
図5A】本発明の一実施形態に係るアダプタの構成を示す正面図である。
図5B図5AのC-C切断面における断面図である。
図5C図5AのD-D切断面における断面図である。
図6】本発明の一実施形態に係るアダプタのハウジングの構成を示す断面斜視図である。
図7】本発明の一実施形態に係るアダプタの端子の構成を示す斜視図である。
図8A】本発明の一実施形態に係るアダプタに端子を圧入する過程(圧入途中)を示す断面図である(図5AのD-D切断面に相当)。
図8B】本発明の一実施形態に係るアダプタに端子を圧入する過程(圧入完了)を示す断面図である(図5AのD-D切断面に相当)。
図9A】本発明の一実施形態に係るアダプタに端子を圧入する過程(圧入途中)を示す断面図である(図5AのC-C切断面に相当)。
図9B】本発明の一実施形態に係るアダプタに端子を圧入する過程(圧入完了)を示す断面図である(図5AのC-C切断面に相当)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0015】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0016】
図1A及び図1Bは、本発明の一実施形態に係るアダプタ及びケーブルコネクタの構成を示す斜視図である。図2は、アダプタ及びケーブルコネクタの嵌合後の状態を示す側面図であり、図3は、図2のアダプタ及びケーブルコネクタの構成においてハウジング部分を取り除いた図である。図4Aは、アダプタ及びケーブルコネクタの構成を示す正面図であり、図4Bは、図4AのA-A切断面における断面図である。なお、図4A及び図4Bでは、ケーブルを省略している。図5Aは、アダプタの構成を示す正面図であり、図5Bは、図5AのC-C切断面における断面図であり、図5Cは、図5AのD-D切断面における断面図である。図6は、アダプタのハウジングの構成を示す断面斜視図である。なお、図6は、図5Cの断面図から端子を省略した図に相当する。図7は、アダプタの端子の構成を示す斜視図である。
【0017】
まず、図1A及び図1Bにより、本実施形態によるアダプタ及びケーブルコネクタの構成を説明する。本実施形態によるアダプタ1は、1つの電線を複数の電線に分岐する分岐アダプタ(又は分岐コネクタ)である。本実施形態では、1つの電線を2つの電線に分岐する例を示すが、これに限定されるものではなく、1つの電線を3つ以上の電線に分岐するものであってもよい。また、本実施形態では、一例として7本のケーブル7を並列配列して、それぞれのケーブルを分岐しているが、これに限定されるものではなく、1本のケーブルのみでもよく、または2本~6本、8本以上の複数本のケーブルを並列配列するものであってもよい。
【0018】
図1A及び図1Bに示すように、本実施形態では、7本のケーブル7が接続された1個のケーブルコネクタ2(第1のコネクタ)が、アダプタ1の嵌合凹部11に嵌合し、2個のケーブルコネクタ3,4(複数の第2のコネクタ)が、アダプタ1の2つの嵌合凹部12,13に嵌合することにより、ケーブル7の各電線が2つに分岐されて電気的に接続される。なお、分岐の数は、3つ以上であってもよく、嵌合凹部12,13は、3つ以上であってもよい。
【0019】
図1A図7で示すように、アダプタ1は、ハウジング10、及びハウジング10内の複数の端子20(図3等参照)を備えている。複数の端子20のそれぞれは、アダプタ1の組み立て工程においてハウジング10に圧入されてハウジング10によって保持される。ハウジング10は、樹脂などの絶縁性材料で形成される。端子20は、金属などの導電性材料の薄平板にプレス加工(打ち抜き加工)を行い形成される。ハウジング10は、ケーブルコネクタ2側(Y1方向)に開口した嵌合凹部11(第1の嵌合凹部)、及び嵌合凹部11の反対側のケーブルコネクタ3,4側(Y2方向)に開口した複数(2つ以上)の嵌合凹部12,13(第2の嵌合凹部)を有する。そして、ケーブルコネクタ2が嵌合凹部11に嵌合し、ケーブルコネクタ3が嵌合凹部12に嵌合し、ケーブルコネクタ4が嵌合凹部13に嵌合することで、ケーブルコネクタ2の複数の電線が、それぞれ分岐してケーブルコネクタ3,4の複数の電線にそれぞれ電気的に接続される。
【0020】
図1Bに示すように、ケーブルコネクタ2及びケーブルコネクタ3,4は、それぞれ同じ形状を有し、互換性を有する。ケーブルコネクタ2,3,4は、それぞれハウジング5、及び端子6(図3等参照)を備えている。ケーブルコネクタ2,3,4のハウジング5は、それぞれ、アダプタ1の嵌合凹部11,12,13内に挿入されてアダプタ1と嵌合する嵌合部51を備え、嵌合部51の先端部分には、端子6が組み込まれる複数の孔52が設けられている。孔52の中に配置された端子6が、アダプタ1の端子20と接触し、ケーブルコネクタ2,3,4とアダプタ1が電気的に接続される。また、ハウジング5のケーブル7側には、アダプタ1及びケーブルコネクタ2,3,4の嵌合・抜去のロック・解除に使用されるロック操作部53及びロック爪54が設けられている。
【0021】
図3及び図7に示すように、アダプタ1の複数の端子20のそれぞれは、端子20の本体部27中央からケーブルコネクタ2側(Y1方向)に延びた接触部21(第1の接触部)、端子20の本体部27端部から接触部21の反対側(ケーブルコネクタ3,4側、Y2方向)に延びた複数の接触部22,23(第2の接触部)、及びアダプタ組み立て工程においてキャリアに連結される2個のキャリア連結部24,25を有する。ケーブルコネクタ2,3,4とアダプタ1の嵌合時に、接触部21がケーブルコネクタ2の端子6に嵌合し、接触部22,23がケーブルコネクタ3,4の端子6に嵌合し、ケーブルコネクタ2とケーブルコネクタ3が電気接続され、ケーブルコネクタ2とケーブルコネクタ4が電気接続され、ケーブルコネクタ3とケーブルコネクタ4が電気接続される構造となっている。ケーブルコネクタ2、ケーブルコネクタ3、及びケーブルコネクタ4は、いずれが電気信号の入力となってもよく、出力となってもよい。また、接触部21は、ハウジング10の嵌合凹部11内に位置し、接触部22,23は、それぞれ嵌合凹部12,13内に位置する。
【0022】
また、端子20のキャリア連結部25には、端子20をハウジング10に圧入する際の誤挿入を防止するための誤挿入防止部26が設けられている。本実施形態では、2個のキャリア連結部24,25が設けられているが、1個のみであってもよい。また、誤挿入防止部26が無くてもよい。端子20の本体部27の両側(Z12方向)には、端子20をハウジング10に圧入して固定する際、ハウジング10の内壁面に食い込んで端子20をハウジング10に固定するための圧入突起28が設けられている。また、端子20は、接触部21が端子20の本体部27に結合される部分において、曲線状(R状)に拡がる結合部29を有する。
【0023】
端子20は、嵌合凹部11の内部において接触部21が突出した状態で配設されるとともに、複数の嵌合凹部12,13(第2の嵌合凹部)の内部においてそれぞれ接触部22,23が突出した状態で配設される。端子20の平面方向(Z12方向)における接触部22,23の幅(W2)は、端子20の平面方向(Z12方向)における接触部21の幅(W1)と同じである。
【0024】
ハウジング10は、嵌合凹部11の内部において端子20の接触部21に沿って嵌合凹部11の内部面14から開口側(Y1側)に突出した突起部15を有する。ケーブルコネクタ2が嵌合凹部11に嵌合するとき、ケーブルコネクタ2のハウジング5の端部55が突起部15の端面16に当接してケーブルコネクタ2が停止するように構成されている。突起部15の端面16は、端子20の本体部27の嵌合口側(Y1方向)の端面30より、嵌合口側(Y1方向)に位置する。突起部15の端面16が、本体部27の端面30より嵌合口側に位置するため、ケーブルコネクタ2を嵌合する際、ケーブルコネクタ2の端部55が端子20に接触することはない。
【0025】
また、ハウジング10は、突起部15のZ12方向の両側に、端子20を圧入する治具8の先端部が挿入されるのに充分な溝17を有する。溝17は、ハウジング10に端子20を圧入するときに必要なものである。また、ハウジング10は、端子20を圧入する際、端子が挿入される端子挿入空間18を有する。ハウジング10のX12方向の両端部には、ケーブルコネクタ2,3,4のロック爪54が係合してロックするためのロック孔19が設けられている。
【0026】
図5Bに示すように、Z12方向における突起部15の幅(W3)は、Z12方向における接触部21の幅(W1)より広く、突起部15が接触部21の一部及び結合部29を覆い隠すようになっている。Z12方向における突起部15の幅(W3)は、端子20のZ12方向における結合部29の最大幅より広い。また、嵌合凹部11及び嵌合凹部12,13において、複数の端子20が等間隔(X12方向)に並列して配設され、嵌合凹部11において、複数の突起部15が、複数の端子20の各々の間に等間隔で設けられている。
【0027】
次に、図8A図9Bにより、アダプタ1の組み立て工程において、端子20をハウジング10に圧入する方法を説明する。図8A図9Bは、本発明の一実施形態に係るアダプタに端子を圧入する過程を示す断面図であり、図8A及び図9Aは仮保持状態を示し、図8B及び図9Bは圧入後(正規位置)を示す。なお、図8A及び図8Bは、図5Cに対応し、図9A及び図9Bは、図5Bに対応する。
【0028】
アダプタ1に端子20を圧入するとき、治具8を使用する。治具8は、ハウジング10の嵌合凹部11内に挿入可能な凸部82を有し、凸部82はX12方向に長い形状を有し、複数の端子(本実施形態では7個)がX12方向に配列され、凸部82によって複数の端子20の接触部21が挟持される。そして、治具8を使用して、Y1側からハウジング10の端子挿入空間18に端子20を挿入する。そして、治具8でY2方向に端子20を押し込み、ハウジング10内に端子20を圧入する。図8A及び図9Aは、端子20の仮固定位置を示す。さらに、端子20を設計上の正規位置まで押し込んで圧入工程が完了する。図8B及び図9Bは圧入が完了した端子の正規位置を示す。治具8を使用して端子20を圧入する際、ハウジング10の突起部15の両側に溝17があるので、治具8の先端部81が突起部15の端面16に当接することなく、端子20を奥の方まで押し込むことができる。
【0029】
したがって、本実施形態のアダプタによれば、ハウジングの嵌合凹部の奥に突起部を有するため、ケーブルコネクタをアダプタに嵌合する際、ケーブルコネクタの端部がアダプタのハウジング内の突起部の端面に当接してケーブルコネクタが停止して固定されるので、位置決めが容易になり、ケーブルコネクタ及びアダプタの嵌合状態が安定し信頼性が向上する。
【0030】
また、アダプタのハウジング内の突起部の両側に溝が設けられているので、治具を使用して端子を圧入する際、突起部の端面の奥まで押し込むことができ、端子を正規位置に確実に圧入することができる。これにより、端子圧入の作業効率が向上する。
【0031】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、携帯情報端末、自動車周辺機器、パーソナルコンピュータなどの電子機器に利用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 :アダプタ
2 :ケーブルコネクタ
3 :ケーブルコネクタ
4 :ケーブルコネクタ
5 :ハウジング
6 :端子
7 :ケーブル
8 :治具
10 :ハウジング
11 :嵌合凹部
12 :嵌合凹部
13 :嵌合凹部
14 :内部面
15 :突起部
16 :端面
17 :溝
18 :端子挿入空間
19 :ロック孔
20 :端子
21 :接触部
22 :接触部
23 :接触部
24 :キャリア連結部
25 :キャリア連結部
26 :誤挿入防止部
27 :本体部
28 :圧入突起
29 :結合部
30 :端面
51 :嵌合部
52 :孔
53 :ロック操作部
54 :ロック爪
55 :端部
81 :先端部
82 :凸部
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B