(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110332
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/155 20200101AFI20230802BHJP
F21L 4/00 20060101ALI20230802BHJP
F21L 19/00 20060101ALI20230802BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230802BHJP
H05B 47/165 20200101ALI20230802BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20230802BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230802BHJP
F21Y 115/20 20160101ALN20230802BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20230802BHJP
【FI】
H05B47/155
F21L4/00 423
F21L19/00
F21L4/00 424
F21S2/00 210
H05B47/165
H05B47/16
F21Y115:10
F21Y115:20
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022011705
(22)【出願日】2022-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】石丸 晋也
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 裕
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA01
3K273BA07
3K273BA14
3K273BA16
3K273CA01
3K273CA02
3K273CA03
3K273DA02
3K273DA03
3K273DA07
3K273FA03
3K273FA04
3K273FA10
3K273FA14
3K273FA25
3K273FA36
3K273FA41
3K273GA25
3K273HA18
(57)【要約】
【課題】照明装置の商品性を高める。
【解決手段】透光部材12は、光源11から出射された光の通過を許容する。コントローラ13は、光源11の発光量を変動させる。透光部材12は、光拡散性を有しており、かつマンセル表色系におけるマンセルバリューが10未満の明度を有している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から出射された光の通過を許容する透光部材と、
前記光源の発光量を変動させるコントローラと、
を備えており、
前記透光部材は、光拡散性を有しており、かつマンセル表色系におけるマンセルバリューが10未満の明度を有している、
照明装置。
【請求項2】
前記透光部材の明度は一様である、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記透光部材は、第一明度を有する第一部分と、当該第一明度よりも低い第二明度を有する第二部分とを含んでおり、
前記第二部分は、前記第一部分よりも前記光源から離れている、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記発光量をランダムに変動させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記コントローラは、1/fゆらぎを伴って周期的に変化するように前記発光量を変化させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記光源は、複数の光源を含んでおり、
前記複数の光源の少なくとも一つの発光量と発光色の少なくとも一方を調節するコントローラを備えている、
請求項1から5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
携帯可能に構成されている、
請求項1から6のいずれか一項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光源として火を用いる携帯可能な照明装置として、ランタンが知られている。特許文献1は、光源として電球を用いたランタンを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、照明装置の商品性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための一態様は、照明装置であって、
光源と、
前記光源から出射された光の通過を許容する透光部材と、
前記光源の発光量を変動させるコントローラと、
を備えており、
前記透光部材は、光拡散性を有しており、かつマンセル表色系におけるマンセルバリューが10未満の明度を有している。
【0006】
光源から出射された光が光拡散性と比較的高い明度を有する透光部材を通過する場合、光源に近い位置と光源から遠い位置との間で通過に伴う光量の減衰度の差が小さい。したがって、透光部材の全体が一様な輝度で発光する外観を呈する。結果として、光源の発光量が変動しても、透光部材全体の輝度が一様に変動することになる。
【0007】
他方、上記のように構成された透光部材を光源から出射された光が通過する場合、光源に近い位置と光源から遠い位置との間で透光部材の通過に伴う光量の減衰度の差が大きくなる。すなわち、光源に近い部分の輝度と光源から遠い部分の輝度の差(コントラスト)が大きくなる。
【0008】
このような状況で光源の発光量が変動すると、透光部材に占める高輝度領域の面積と低輝度領域の面積の比が変動し、炎の揺らぎのような外観を提示できる。これにより、光源として火を用いているかのような外観を、実際に火を用いることなくユーザに提供できる。また、少なくとも一つの光源の発光量を変動させれば炎の揺らぎを模倣できるので、多数の光源を用意して複雑な光量制御を行なう必要はなく、構成の複雑化に伴うコスト上昇を抑制できる。したがって、照明装置の商品性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係るランタンの外観を例示している。
【
図3】
図1のランタンにおける透光部の外観を例示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図面を参照しつつ、実施形態例について以下詳細に説明する。以下の説明に用いられる各図面においては、各要素を認識可能な大きさとするために縮尺が適宜変更されている。
【0011】
図1は、一実施形態に係るランタン10の外観を例示している。ランタン10は、ユーザにより携帯可能に構成されている。ランタン10は、照明装置の一例である。
【0012】
ランタン10は、光源11を備えている。光源11は、電球でもよいし、半導体発光素子でもよい。半導体発光素子の例としては、発光ダイオード、レーダダイオード、EL(electroluminescent)素子などが挙げられる。光源11の色温度は適宜に定められうるが、6000K以下であることが好ましく、2500K以下であることがさらに好ましい。
【0013】
ランタン10は、透光部材12を備えている。透光部材12は、光源11から出射された光の通過を許容するように構成されている。透光部材12は、光拡散性を有するように形成されている。光拡散性は、透光部材12の外側から光源11を視認できない程度に定められている。
【0014】
透光部材12は、マンセル表色系において規定されているマンセルバリューが10未満の明度を有するように形成されている。より好ましくは、マンセルバリューが1以上9.5以下の明度を有するように形成されている。
【0015】
例えば、透明な基材に光拡散材と着色材を混ぜて成形することにより、透光部材12が形成されうる。基材の例としては、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどが挙げられる。光拡散材の例としては、ペルノックス株式会社製のSD-522-2などが挙げられる。着色材の例としては、玄々化学工業株式会社製のバンチャクZ1シリーズが挙げられる。例えば、同シリーズにおけるレッド、イエロー、スミクロ、およびブラックが混合されることにより調色がなされうる。
【0016】
図2に例示されるように、ランタン10は、コントローラ13を備えている。コントローラ13は、光源11の発光量を変動させるように構成されている。
【0017】
光源から出射された光が光拡散性と比較的高い明度を有する透光部材を通過する場合、光源に近い位置と光源から遠い位置との間で通過に伴う光量の減衰度の差が小さい。したがって、透光部材の全体が一様な輝度で発光する外観を呈する。結果として、光源の発光量が変動しても、透光部材全体の輝度が一様に変動することになる。
【0018】
他方、上記のように構成された透光部材12を光源11から出射された光が通過する場合、光源11に近い位置と光源11から遠い位置との間で透光部材12の通過に伴う光量の減衰度の差が大きくなる。すなわち、光源11に近い部分の輝度と光源11から遠い部分の輝度の差(コントラスト)が大きくなる。
【0019】
このような状況で光源11の発光量が変動すると、
図3に例示されるように、透光部材12に占める高輝度領域の面積と低輝度領域の面積の比が変動し、炎の揺らぎのような外観を提示できる。これにより、光源として火を用いているかのような外観を、実際に火を用いることなくユーザに提供できる。また、少なくとも一つの光源の発光量を変動させれば炎の揺らぎを模倣できるので、多数の光源を用意して複雑な光量制御を行なう必要はなく、構成の複雑化に伴うコスト上昇を抑制できる。したがって、ランタンの商品性を高めることができる。
【0020】
一例として、透光部材12は一様な明度を有するように形成されうる。この場合、透光部材12の製造コストの上昇を抑制できる。
【0021】
しかしながら、明度が光源11からの距離に応じて変化するように透光部材12が形成されてもよい。例えば
図1に示されるように、少なくとも第一明度を有する第一部分121と第二明度を有する第二部分122を含むように透光部材12が形成されうる。第二明度は、第一明度よりも低い。第二部分122は、第一部分121よりも光源11から離れた位置に形成される。このような構成によれば、前述した輝度のコントラストをより強調できる。
【0022】
コントローラ13は、光源11の発光量をランダムに変動させるように構成されうる。ここで用いられる「ランダムに変動させる」という表現は、発光量の変動量をランダムにすることと、発光量を変動させるタイミングをランダムにすることの少なくとも一方を含む意味である。このような構成によれば、より自然な炎の動きを模倣できる。
【0023】
あるいは、コントローラ13は、光源11の発光量を規則的に変化させてもよい。例えば、発光量が正弦波状に変化するように制御がなされてもよいし、人の心拍を模擬した波形に基づいて発光量が変化するように制御がなされてもよい。これに加えてあるいは代えて、コントローラ13は、光源11の発光量の変化周期に規則性を持たせてもよい。例えば、変化周期が1/fゆらぎを伴うように制御がなされうる。この場合、リラクゼーション効果を伴う炎の表現を提供できる。
【0024】
図2に例示されるように、光源11は、複数の光源を含みうる。この場合、複数の光源は、ランタン10について規定される対称軸Aについて対称的に配置されることが好ましい。本例においては、対称軸Aは、筒形状を有する透光部材12の中心を上下方向に延びている。これにより、発光時における透光部材12の外観を、観察方向に依らず一様にしやすくなる。
【0025】
あるいは、複数の光源11の発光量を敢えて相違させてもよい。これにより観察方向によって見え方が異なる自然な炎の外観を模倣できる。
【0026】
コントローラ13は、複数の光源11の少なくとも一つの発光量と発光色の少なくとも一方を調節可能に構成されている。調節は、コントローラ13により自動的になされてもよいし、ユーザインタフェース14を通じて入力される指示に応じて行なわれてもよい。ユーザインタフェース14の例としては、機械式スイッチ、タッチセンサ、音声認識装置、ジェスチャ認識装置などが挙げられる。
【0027】
このような構成によれば、観察される炎の大きさや色をより自然に変化させたり、ユーザの好みに合わせて変化させたりすることができる。
【0028】
なお、ここで用いられている「調節」という表現は、基準となる発光量を変化させることを意味しており、前述した「変動」とは区別される。すなわち、コントローラ13は、「調節」された発光量を基準にして当該発光量を「変動」させる処理を実行する。これにより調節された大きさや色を有する炎の揺らぎが模倣される。
【0029】
これまで説明した各種の機能を有するコントローラ13は、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムがプリインストールされた記憶素子を備えたマイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの専用集積回路によって実現されうる。
【0030】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示にすぎない。上記の実施形態に係る構成は、本発明の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
【0031】
光源11、透光部材12、およびコントローラ13は、必ずしも携帯可能な照明装置に搭載されることを要しない。火に照らされる状況を演出するための設備や施設に設置される適宜の照明装置にも搭載されうる。
【符号の説明】
【0032】
10:ランタン、11:光源、12:透光部材、121:第一部分、122:第二部分、13:コントローラ