IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 積水ハウス株式会社の特許一覧

特開2023-110488基礎ベース型枠および基礎ベース型枠の製造方法
<>
  • 特開-基礎ベース型枠および基礎ベース型枠の製造方法 図1
  • 特開-基礎ベース型枠および基礎ベース型枠の製造方法 図2
  • 特開-基礎ベース型枠および基礎ベース型枠の製造方法 図3
  • 特開-基礎ベース型枠および基礎ベース型枠の製造方法 図4
  • 特開-基礎ベース型枠および基礎ベース型枠の製造方法 図5
  • 特開-基礎ベース型枠および基礎ベース型枠の製造方法 図6
  • 特開-基礎ベース型枠および基礎ベース型枠の製造方法 図7
  • 特開-基礎ベース型枠および基礎ベース型枠の製造方法 図8
  • 特開-基礎ベース型枠および基礎ベース型枠の製造方法 図9
  • 特開-基礎ベース型枠および基礎ベース型枠の製造方法 図10
  • 特開-基礎ベース型枠および基礎ベース型枠の製造方法 図11
  • 特開-基礎ベース型枠および基礎ベース型枠の製造方法 図12
  • 特開-基礎ベース型枠および基礎ベース型枠の製造方法 図13
  • 特開-基礎ベース型枠および基礎ベース型枠の製造方法 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110488
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】基礎ベース型枠および基礎ベース型枠の製造方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/01 20060101AFI20230802BHJP
   E04G 11/06 20060101ALI20230802BHJP
   E04G 17/14 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
E02D27/01 C
E04G11/06 A
E04G17/14 B
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022011972
(22)【出願日】2022-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】志水 洸介
(72)【発明者】
【氏名】松原 由幸
【テーマコード(参考)】
2D046
2E150
【Fターム(参考)】
2D046BA11
2D046BA16
2D046BA17
2E150AA19
2E150HC00
2E150HC03
2E150MA52X
(57)【要約】
【課題】簡単に製造できる、基礎ベース型枠および基礎ベース型枠の製造方法を提供する。
【解決手段】基礎ベース型枠20は、基礎のベースを形成するための型枠である。基礎ベース型枠20は、シート材の折り曲げ構造を有する型本体21を備える。型本体21は、ベースの上部を形成する上型部22と、ベースの下部を形成する部分であって上型部22に交差するように繋がる下型部23と、折れ目40を有して上型部22から下型部23にわたって連続して延びる折曲部24と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎のベースを形成するための基礎ベース型枠であって、
シート材の折り曲げ構造を有する型本体を備え、
前記型本体は、前記ベースの上部を形成する上型部と、
前記ベースの下部を形成する部分であって前記上型部に交差するように繋がる下型部と、
折れ目を有して、前記上型部から前記下型部にわたって連続して延びる折曲部と、を備える、
基礎ベース型枠。
【請求項2】
前記折曲部は、前記上型部に設けられる第1折曲部と、前記第1折曲部と反対折りであって前記下型部に設けられる第2折曲部と、を有し、
前記第1折曲部は、谷折構造または山折構造を有する、
請求項1に記載の基礎ベース型枠。
【請求項3】
前記型本体は、複数の前記折曲部を有し、
複数の前記折曲部は、前記折れ目に交差する横方向に連続するように繋がる、
請求項1または2に記載の基礎ベース型枠。
【請求項4】
前記型本体は、複数の前記折曲部を有し、
複数の前記折曲部は、前記折れ目に交差する横方向に平坦部を介して繋がる、
請求項1または2に記載の基礎ベース型枠。
【請求項5】
前記型本体の上端部には、可撓性の上側取付部が設けられる、
請求項1~4のいずれか一項に記載の基礎ベース型枠。
【請求項6】
前記型本体の上端部には、切欠部が設けられる、
請求項1~4のいずれか一項に記載の基礎ベース型枠。
【請求項7】
前記型本体の下端部には、可撓性の下側取付部が設けられる、
請求項1~6のいずれか一項に記載の基礎ベース型枠。
【請求項8】
前記型本体の表面および裏面の少なくとも一方には、補強シートが設けられる、
請求項1~7のいずれか一項に記載の基礎ベース型枠。
【請求項9】
前記型本体の上端部には、可撓性の上側取付部が設けられ、
前記型本体の下端部には、可撓性の下側取付部が設けられ、
前記型本体の表面および裏面の少なくとも一方には、可撓性シートが設けられ、
前記可撓性シートは、前記上側取付部および前記下側取付部の少なくとも一方を含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の基礎ベース型枠。
【請求項10】
前記型本体の表面および裏面の少なくとも一方には、補強パネルが設けられ、
前記補強パネルは、前記型本体の前記折れ目の間の面部に取り付けられる、
請求項1~9のいずれか一項に記載の基礎ベース型枠。
【請求項11】
前記型本体の表面および裏面の少なくとも一方には、補強部材が設けられ、
前記補強部材は、前記折れ目に取り付けられる、
請求項1~10のいずれか一項に記載の基礎ベース型枠。
【請求項12】
前記型本体は、生分解性部材により構成される、
請求項1~11のいずれか一項に記載の基礎ベース型枠。
【請求項13】
前記生分解性部材は、段ボールである、
請求項12に記載の基礎ベース型枠。
【請求項14】
基礎のベースを形成するための基礎ベース型枠の製造方法であって、
型本体を構成するシート材に折れ線を付ける第1工程と、
前記折れ線に沿って前記シート材を折る第2工程と、を含み、
前記折れ線は、少なくとも、第1折れ線と、前記第1折れ線と一直線に繋がる第2折れ線と、を有し、
前記第1折れ線および前記第2折れ線の一方は、前記シート材の表面に設けられ、
前記第1折れ線および前記第2折れ線の他方は、前記シート材の裏面に設けられる、
基礎ベース型枠の製造方法。
【請求項15】
さらに、前記第1工程の後、かつ、前記第2工程の前に行われる、中間工程を含み、
前記中間工程では、可撓性シートの一部が前記シート材の上端または下端から出るように、前記可撓性シートを前記シート材に貼り付け、前記可撓性シートにおいて上端部と下端部とを残すように前記可撓性シートの中間部を取る、
請求項14に記載の基礎ベース型枠の製造方法。
【請求項16】
さらに、前記第1工程の後、かつ、前記第2工程の前に行われる、中間工程を含み、
前記中間工程では、可撓性シートの一部が前記シート材の上端または下端から出るように、前記可撓性シートを前記シート材の全体に貼り付ける、
請求項14に記載の基礎ベース型枠の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基礎ベース型枠および基礎ベース型枠の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の基礎の一例として、ベースと立ち上がり部とを有する基礎が知られている。ベースは、フーチングとも呼ばれる。このような基礎の型枠は、立ち上がり型枠と、基礎ベース型枠とを有する。基礎ベース型枠は、例えば、樹脂によって構成される(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08-4025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の基礎ベース型枠は、成形金型によって製造される。このため、基礎ベース型枠に製造に手間を要する。このような点で、基礎ベース型枠および基礎ベース型枠の製造方法に改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記課題を解決する基礎ベース型枠は、基礎のベースを形成するための基礎ベース型枠であって、シート材の折り曲げ構造を有する型本体を備え、前記型本体は、前記ベースの上部を形成する上型部と、前記ベースの下部を形成する部分であって前記上型部に交差するように繋がる下型部と、折れ目を有して、前記上型部から前記下型部にわたって連続して延びる折曲部と、を備える。
【0006】
この構成によれば、基礎ベース型枠は、シート材の折り曲げ構造を有する。このような構造のため、成形金型によって製造する場合に比べて、基礎ベース型枠を簡単に製造できる。
【0007】
(2)上記(1)に記載の基礎ベース型枠において、前記折曲部は、前記上型部に設けられる第1折曲部と、前記第1折曲部と反対折りであって前記下型部に設けられる第2折曲部とを有し、前記第1折曲部は、谷折構造または山折構造を有する。第1折曲部と第2折曲部とが同じ折り構造である場合、上型部と下型部との交差部分において第1折曲部の折れ目と第2折曲部の折れ目とを連続させることができない。この点、上記構成によれば、第1折曲部の折れ目と第2折曲部の折れ目とを連続させることができる。これによって、型本体の強度を高くできる。
【0008】
(3)上記(1)または(2)に記載の基礎ベース型枠において、前記型本体は、複数の前記折曲部を有し、複数の前記折曲部は、前記折れ目に交差する横方向に連続するように繋がる。この構成によれば、横方向に密に折曲部が配置されるため、型本体の強度を向上できる。
【0009】
(4)上記(1)または(2)に記載の基礎ベース型枠において、前記型本体は、複数の前記折曲部を有し、複数の前記折曲部は、前記折れ目に交差する横方向に平坦部を介して繋がる。この構成によれば、横方向に間隔をあけて折曲部が配置されるため、基礎のベースにおいて基礎の材料であるコンクリートの未充填を少なくできる。
【0010】
(5)上記(1)~(4)のいずれか一つに記載の基礎ベース型枠において、前記型本体の上端部には、可撓性の上側取付部が設けられる。この構成によれば、型本体の折れ目を保持した状態で、立ち上がり型枠の下枠部に沿うように上側取付部を変形させることができる。
【0011】
(6)上記(1)~(4)のいずれか一つに記載の基礎ベース型枠において、前記型本体の上端部には、切欠部が設けられる。
この構成によれば、型本体の上端部を立ち上がり型枠の下枠部に配置する場合に、型本体の切欠部に立ち上がり型枠の縦リブが入るように型本体を配置できる。したがって、型本体の上端部を加工することなく、縦リブを有する立ち上がり型枠に型本体の上端部を簡単に配置できる。また、基礎ベース型枠は、折曲部によって伸縮構造を有するため、立ち上がり型枠の縦リブの位置に切欠部を簡単に位置合わせできる。
【0012】
(7)上記(1)~(6)のいずれか一つに記載の基礎ベース型枠において、前記型本体の下端部には、可撓性の下側取付部が設けられる。この構成によれば、型本体の折れ目を保持した状態で、地盤の溝の底面に沿うように下側取付部を変形させることができる。
【0013】
(8)上記(1)~(7)のいずれか一つに記載の基礎ベース型枠において、前記型本体の表面および裏面の少なくとも一方には、補強シートが設けられる。この構成によれば、型本体の強度を向上できる。
【0014】
(9)上記(1)~(4)のいずれか一つに記載の基礎ベース型枠において、前記型本体の上端部には、可撓性の上側取付部が設けられ、前記型本体の下端部には、可撓性の下側取付部が設けられ、前記型本体の表面および裏面の少なくとも一方には、可撓性シートが設けられ、前記可撓性シートは、前記上側取付部および前記下側取付部の少なくとも一方を含む。この構成によれば、可撓性シートによって、型本体を補強する構造と、上側取付部および下側取付部の少なくとも一方の構造とが構成される。このため、基礎ベース型枠の製造効率を向上できる。
【0015】
(10)上記(1)~(9)のいずれか一つに記載の基礎ベース型枠において、前記型本体の表面および裏面の少なくとも一方には、補強パネルが設けられ、前記補強パネルは、前記型本体の前記折れ目の間の面部に取り付けられる。この構成によれば、型本体の面部の変形を抑制できる。
【0016】
(11)上記(1)~(10)のいずれか一つに記載の基礎ベース型枠において、前記型本体の表面および裏面の少なくとも一方には、補強部材が設けられ、前記補強部材は、前記折れ目に取り付けられる。この構成によれば、型本体の折れ目を補強できる。
【0017】
(12)上記(1)~(11)のいずれか一つに記載の基礎ベース型枠において、前記型本体は、生分解性部材により構成される。この構成によれば、基礎ベース型枠を地中に埋めた状態で放置したときに、基礎ベース型枠を分解させることができる。
【0018】
(13)上記(12)に記載の基礎ベース型枠において、前記生分解性部材は、段ボールである。この構成によれば、基礎ベース型枠を地中に埋めた状態で放置したときに、基礎ベース型枠を分解させることができる。
【0019】
(14)上記課題を解決する基礎ベース型枠の製造方法は、基礎のベースを形成するための基礎ベース型枠の製造方法であって、型本体を構成するシート材に折れ線を付ける第1工程と、前記折れ線に沿って前記シート材を折る第2工程と、を含み、前記折れ線は、少なくとも、第1折れ線と、前記第1折れ線と一直線に繋がる第2折れ線と、を有し、前記第1折れ線および前記第2折れ線の一方は、前記シート材の表面に設けられ、前記第1折れ線および前記第2折れ線の他方は、前記シート材の裏面に設けられる。この構成によれば、成形金型を使用することなく、基礎ベース型枠を簡単に製造できる。
【0020】
(15)上記(14)に記載の基礎ベース型枠の製造方法は、さらに、前記第1工程の後、かつ、前記第2工程の前に行われる、中間工程を含み、前記中間工程では、可撓性シートの一部が前記シート材の上端または下端から出るように、前記可撓性シートを前記シート材に貼り付け、前記可撓性シートにおいて上端部と下端部とを残すように前記可撓性シートの中間部を取る。この構成によれば、シート材の上端に可撓性の上側取付部を設けることと、シート材の下端に可撓性の下側取付部を設けることとの2つの作業を1つの作業工程で行うことができる。
【0021】
(16)上記(14)に記載の基礎ベース型枠の製造方法は、さらに、前記第1工程の後、かつ、前記第2工程の前に行われる、中間工程を含み、前記中間工程では、可撓性シートの一部が前記シート材の上端または下端から出るように、前記可撓性シートを前記シート材の全体に貼り付ける。この構成によれば、シート材に可撓性の上側取付部および下側取付部の少なくとも一方を設けることと、補強のためにシート材に可撓性シートを設けることとの2つの作業を1つの作業工程で行うことができる。
【発明の効果】
【0022】
本開示の基礎ベース型枠および基礎ベース型枠の製造方法は、基礎ベース型枠を簡単に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】施工中の基礎の模式図である。
図2】第1実施形態について、立ち上がり型枠の支持具の斜視図である。
図3】第1実施形態について、基礎の型枠の斜視図である。
図4】第1実施形態について、基礎ベース型枠の斜視図である。
図5】シート材の平面図である。
図6】基礎ベース型枠の製造方向において、可撓性シートが取り付けられたシート材の平面図である。
図7】基礎ベース型枠の製造方向において、可撓性シートの一部が除去されたシート材の平面図である。
図8】第2実施形態について、型本体の展開図である。
図9】第3実施形態について、基礎ベース型枠の斜視図である。
図10】第4実施形態について、基礎ベース型枠の斜視図である。
図11】第5実施形態について、上から見た型本体の部分平面図である。
図12】第6実施形態について、上から見た型本体の部分平面図である。
図13】第6実施形態について、可撓性シートの平面図である。
図14】第1実施形態の基礎ベース型枠の変形例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第1実施形態>
図1図7を参照して、第1実施形態に係る基礎ベース型枠20および基礎ベース型枠20の製造方法を説明する。
【0025】
<基礎の型枠>
図1は、地盤Gに埋まった状態の基礎1の型枠10を示す。基礎1の型枠10は、基礎1を形成するために地盤Gに形成された溝5に設置される。基礎1の型枠10の下部は、溝5に設置された状態で土によって埋められる。
【0026】
図1に示されるように、基礎1の型枠10は、立ち上がり型枠11と、基礎ベース型枠20と、を備える。立ち上がり型枠11は、基礎1の立ち上がり部3を形成するために使用される型枠である。基礎ベース型枠20は、基礎1のベース2を形成するために使用される型枠である。基礎1の型枠10は、さらに支持具12を備える。支持具12は、溝5の底面6から所定高さの位置に立ち上がり型枠11を支持する。
【0027】
図2に示されるように、支持具12は、支持ベース部13と、支持ベース部13に設けられる2個の突出支持部14とを有する。2個の突出支持部14は、支持ベース部13に支持具12の長手方向DLに間隔をあけて配置される。支持具12は、支持具12の長手方向DLが溝5の幅方向DWに沿うように溝5に配置される。支持具12は、溝5が延びる方向に間隔をあけて配置される。立ち上がり型枠11は、間隔をあけて配置される2個の支持具12に渡るように配置される。
【0028】
<基礎ベース型枠>
図3に示されるように、基礎ベース型枠20は、側面から見て、立ち上がり型枠11の下に配置される。基礎ベース型枠20は、平面視で、立ち上がり型枠11の外側に配置される。
【0029】
基礎ベース型枠20の上端部20Aは、立ち上がり型枠11の下枠部11Bに結合される。基礎ベース型枠20の下端部20Bは、溝5の底面6に接触する。基礎ベース型枠20は、基礎ベース型枠20が溝5に設置された状態で、溝5の延長方向から見て、上端部20Aと下端部20Bとを結ぶ直線Lに対して外方に膨らむ形状を有する。
【0030】
図4に示されるように、基礎ベース型枠20は、型本体21を備える。
型本体21は、シート材60の折り曲げ構造を有する。シート材60の折り曲げ構造は、シート材60の折り曲げによって形成される構造である。
型本体21は、基礎1のベース2の上部を形成する上型部22と、基礎1のベース2の下部を形成する下型部23と、折曲部24と、を備える。
【0031】
下型部23は、上型部22に交差し、かつ、上型部22に繋がる。横方向DXから見て、上型部22と下型部23との間の内側の角度A1は、90度よりも大きい(図1参照)。横方向DXは、折れ目40に直交する方向である。
【0032】
図1に示されるように、上型部22は、型枠10を溝5に設置した状態において、第1水平面H1に対して外方に向かって下方に傾斜する。第1水平面H1は、上型部22の折れ目40(例えば、第1折れ目41)の上端から外方に水平に延びる面として定義される。
【0033】
図1に示されるように、下型部23は、型枠10を溝5に設置した状態において、第2水平面H2に対して外方に向かって下方に傾斜する。第2水平面H2は、下型部23の折れ目40(例えば、第2折れ目42)の上端から外方に水平に延びる面として定義される。第2水平面H2に対する下型部23の傾斜角度A3は、第1水平面H1に対する上型部22の傾斜角度A2よりも大きい。
【0034】
図4に示されるように、折曲部24は、折れ目40を有する。折曲部24は、上型部22から下型部23にわたって連続して延びる。折れ目40は、平面視で、上型部22の上端から下型部23の下端まで直線に延びる。
【0035】
折曲部24は、上型部22に設けられる第1折曲部25と、下型部23に設けられる第2折曲部26と、を有する。第1折曲部25は、谷折構造または山折構造を有する。第2折曲部26は、第1折曲部25と反対折りの構造を有する。型本体21は、複数の折曲部24を有する。複数の折曲部24は、折れ目40に交差する横方向DXに連続するように繋がる。
【0036】
折曲部24の一例を説明する。
第1折曲部25は、山折構造を有する。第1折曲部25は、山折構造を構成する第1面部31と第2面部32とを有する。第1折曲部25は、第1折れ目41を有する。第1折れ目41は、第1面部31と第2面部32とが交差する部分を示す。複数の第1折曲部25は、横方向DXに並ぶ。
【0037】
隣接する2個の第1折曲部25において、一方の第1折曲部25の第1面部31は、他方の第1折曲部25の第2面部32に繋がる。2個の第1折曲部25の間には、谷折構造が構成される。2個の第1折曲部25の間には、谷折構造の第1境界折れ目45が設けられる。第1境界折れ目45は、第1折れ目41よりも長い。
【0038】
第2折曲部26は谷折構造を有する。第2折曲部26は、谷折構造を構成する第3面部33と第4面部34とを有する。第2折曲部26は、第2折れ目42を有する。第2折れ目42は、第3面部33と第3面部33とが交差する部分を示す。第2折れ目42は第1折れ目41に繋がる。
【0039】
複数の第2折曲部26は、横方向DXに並ぶ。隣接する2個の第2折曲部26において、一方の第2折曲部26の第3面部33は、他方の第2折曲部26の第4面部34に繋がる。2個の第2折曲部26の間には、山折構造が構成される。2個の第2折曲部26の間には、山折構造の第2境界折れ目46が設けられる。第2境界折れ目46は、第1境界折れ目45に繋がる。第2境界折れ目46は、第2折れ目42よりも短い。
【0040】
第3面部33は、第3折れ目43を介して第1折曲部25の第1面部31に繋がる。第3面部33と第1面部31とは、第3折れ目43を介して山折構造で繋がる。第3折れ目43は、第1折れ目41の下端と第3面部33側の第2境界折れ目46の上端とを繋ぐように延びる。
【0041】
第4面部34は、第4折れ目44を介して第1折曲部25の第2面部32に繋がる。第4面部34と第2面部32とは、第4折れ目44を介して山折構造で繋がる。第4折れ目44は、第1折れ目41の下端と第4面部34側の第2境界折れ目46の上端とを繋ぐように延びる。
【0042】
基礎ベース型枠20は、さらに、取付構造を有する。型本体21の上端部21Aには、可撓性の上側取付部51が設けられる。上側取付部51は、横方向DXにおいて型本体21の上端部21Aの一方端から他方端に亘って設けられる。上側取付部51は、型本体21に接着剤で固定される。上側取付部51は、立ち上がり型枠11に取り付けられる部分である。
【0043】
上側取付部51は、可撓性シート62によって構成される。可撓性シート62は、折り曲げ可能であり、かつ、柔軟性を有する。さらに、可撓性シート62は、高い靭性を有する。さらに、可撓性シート62は、生分解性を有してもよい。可撓性シート62として、布、金網シート、樹脂シート、紙シート、が挙げられる。
【0044】
型本体21の下端部21Bには、可撓性の下側取付部52が設けられる。下側取付部52は、溝5の底面6に固定される部分である。下側取付部52は、横方向DXにおいて下端部21Bの一方端から他方端に亘って設けられる。下側取付部52は、型本体21に接着剤で固定される。下側取付部52は、可撓性シート62によって構成される。可撓性シート62の例は、上記に挙げたものと同じである。下側取付部52は、上側取付部51と異なる可撓性シート62によって構成されてもよい。
【0045】
型本体21は、生分解性部材により構成されてもよい。生分解性部材は、土壌微生物によって分解される。生分解性部材として、紙、段ボール、生分解性プラスチックが挙げられる。一例では、型本体21は、段ボールで構成される。
【0046】
<基礎の型枠の構築>
図1を参照して、基礎1の型枠10の構築方法を説明する。
鉄筋19が組まれた状態において、複数の支持具12を溝5に沿って間隔をあけて配置する。次に、複数の支持具12に渡るように、複数の支持具12に立ち上がり型枠11を配置する。このとき、溝5の幅方向DWにおいて互いに対向するように2個の立ち上がり型枠11を配置する。鉄筋19は、2個の立ち上がり型枠11の間に配置される。
【0047】
次に、基礎1の型枠10を配置する。
図3に示されるように、基礎ベース型枠20の上側取付部51を立ち上がり型枠11の下枠部11Bに配置する。このとき、上側取付部51を下枠部11Bの全体に接触するように配置する。下枠部11Bの面積に対して上側取付部51の面積が大きい場合、上側取付部51の一部を折り畳む。下枠部11Bにおいて縦リブ11Cが立っている部分では、縦リブ11Cの側面に沿うように上側取付部51を折る。そして、固定器具15によって、上側取付部51を下枠部11Bに固定する。
【0048】
固定器具15は、板部材16と、突っ張り棒17と、を有する。板部材16は、下枠部11Bに配置された上側取付部51の上に配置される。上側取付部51は、下枠部11Bと板部材16とによって挟まれる。突っ張り棒17は、下枠部11Bと、立ち上がり型枠11の横リブ11Dとの間に入るように構成される。上側取付部51が下枠部11Bと板部材16とによって挟まれた状態において、突っ張り棒17の下端を板部材16に当てるとともに、突っ張り棒17の上端を横リブ11Dに当てる。このようにして、突っ張り棒17を板部材16と横リブ11Dとの間に押し込む。これによって、上側取付部51が下枠部11Bに固定される。
【0049】
次に、基礎ベース型枠20の下側取付部52を溝5の底面6に配置する。そして、下側取付部52をビス8によって溝5の底面6に固定する。以上のように、基礎ベース型枠20は、上端部20Aと下端部20Bとにおいて固定される。
【0050】
<基礎ベース型枠の製造方法>
図5図7を参照して、基礎ベース型枠20の製造方法を説明する。この例では、山折構造の第1折れ目41と谷折構造とを有する基礎ベース型枠20が製造される。基礎ベース型枠20の製造方法は、第1工程、第2工程および中間工程を有する。中間工程は、第1工程の後、かつ、第2工程の前に行われる。中間工程は、型本体21に、上側取付部51および下側取付部52を設ける工程である。
【0051】
事前に、型本体21を構成するシート材60を準備する。例えば、生分解性部材から構成されるシート材60を用意する。一例では、シート材60として段ボールを用意する。シート材60は、矩形に構成される。シート材60は、第1端縁61Aと、第1端縁61Aの反対側の第2端縁61Bと、第3端縁61Cと、第3端縁61Cと反対側の第4端縁61Dと、を有する。第1端縁61A、第3端縁61C、第2端縁61B、および、第4端縁61Dは、この順に繋がることによって、シート材60の周縁が構成される。
【0052】
図5に示すように、第1工程において、シート材60に折れ線70を付ける。折れ線70は、シート材60を折り易くするための線である。折れ線70は、凹部として構成される。
【0053】
折れ線70は、少なくとも第1折れ線71と第2折れ線72とを有する。第1折れ線71は、第1折れ目41に対応する線である。第1折れ線71は、シート材60の裏面(表面60Aの反対側の面)に設けられる。第1折れ線71は、第1端縁61Aから延びる。第1折れ線71は、第1端縁61Aの反対側の端部71Aを有する。
【0054】
第2折れ線72は、第2折れ目42に対応する線である。第2折れ線72は、シート材60の表面60Aに設けられる。第2折れ線72は、平面視で、第1折れ線71と一直線に繋がる。第2折れ線72は、第2端縁61Bから延びる。複数の第1折れ線71および複数の第2折れ線72は、横方向DXに、等間隔に配置される。
【0055】
折れ線70は、さらに、第3折れ線73~第6折れ線76を有する。第3折れ線73は、第3折れ目43に対応する線である。第3折れ線73は、第1折れ線71の端部71Aと、表面60Aからみて第2折れ線72の左側の第6折れ線76(後述参照)の端部76Aと、を繋ぐ。第3折れ線73は、シート材60の裏面に設けられる。
【0056】
第4折れ線74は、第4折れ目44に対応する線である。第4折れ線74は、第1折れ線71の第1端と、表面60Aからみて第2折れ線72の右側の第6折れ線76(後述参照)の端部76Aと、を繋ぐ。第4折れ線74は、シート材60の裏面に設けられる。
【0057】
第5折れ線75は、第1境界折れ目45に対応する線である。第5折れ線75は、隣り合う2個の第1折れ線71から等距離のところに設けられる。第5折れ線75は、第1折れ線71に平行に設けられる。第5折れ線75は、シート材60の表面60Aに設けられる。第5折れ線75は、シート材60の第1端縁61Aから延びる。
【0058】
第6折れ線76は、第2境界折れ目46に対応する線である。第6折れ線76は、隣り合う2個の第2折れ線72から等距離のところに設けられる。第6折れ線76は、第2折れ線72に平行に設けられる。第6折れ線76は、シート材60の裏面に設けられる。第6折れ線76は、平面視で、第5折れ線75と一直線に繋がる。第6折れ線76は、シート材60の第2端縁61Bから延びる。第6折れ線76は、第2端縁61Bの反対側の第6端を有する。
【0059】
図6に示されるように、中間工程では、可撓性シート62の一部がシート材60の上端または下端から出るように、可撓性シート62をシート材60に貼り付ける。一例では、シート材60の所定部分に予め接着剤を塗布する。その後、シート材60に可撓性シート62を貼り付ける。
【0060】
次に、図7に示されるように、可撓性シート62において上端部62Aと下端部62Bとを残すように可撓性シート62の中間部62Cを取る。例えば、カッターまたはハサミによって可撓性シート62から中間部62Cを切り取る。
【0061】
第2工程において、折れ線70に沿ってシート材60を折る。具体的には、次のようにシート材60を折る。表面60A側に山折構造となるようにシート材60を第1折れ線71で折る。表面60A側に谷折構造となるようにシート材60を第2折れ線72で折る。表面60A側に山折構造となるようにシート材60を第3折れ線73で折る。表面60A側に山折構造となるようにシート材60を第4折れ線74で折る。表面60A側に谷折構造となるようにシート材60を第5折れ線75で折る。表面60A側に山折構造となるようにシート材60を第6折れ線76で折る。
【0062】
本実施形態の作用を説明する。
樹脂成形の基礎ベース型枠が知られている。樹脂成形の基礎ベース型枠は、成形金型製作に費用がかかる。また、成形金型が必要であるため、新たな形状の基礎ベース型枠が必要となったときから基礎ベース型枠の完成までに時間を要するといった課題がある。
【0063】
この点、本実施形態の基礎ベース型枠20は、成形金型を必要としない。基礎ベース型枠20は、シート材60の折り曲げによって形成できる。このように基礎ベース型枠20の形成が簡単である。このため、新たな形状の基礎ベース型枠20が必要となったときに、短期間で、基礎ベース型枠20を作ることができる。
【0064】
また、基礎ベース型枠20の型本体21は、上型部22と下型部23とを有する。上型部22は、下型部23に交差するように繋がる。上型部22と下型部23との間には横方向DXに延びる屈曲構造が構成される。さらに、折曲部24は、上型部22から下型部23にわたって連続して延びる。このように、型本体21は、上型部22と下型部23との間の屈曲構造に、折曲部24が交差する構造を有する。これによって、型本体21は、上下方向および奥行方向に強い構造となる。このため、型本体21は、上下方向および奥行方向に加わる土圧に耐えることができる。ここで、奥行方向は、平面視で、型本体21の上端から下端に向かう方向として定義される。
【0065】
本実施形態の効果を説明する。
(1)基礎ベース型枠20は、型本体21を備える。型本体21は、シート材60の折り曲げ構造を有する。型本体21は、ベース2の上部を形成する上型部22と、ベース2の下部を形成する下型部23と、折曲部24と、を備える。下型部23は、上型部22に交差するように繋がる。折曲部24は、折れ目40を有し、かつ、上型部22から下型部23にわたって連続して延びる。
【0066】
この構成によれば、基礎ベース型枠20は、シート材60の折り曲げ構造を有する。このような構造のため、成形金型によって製造する場合に比べて、基礎ベース型枠20を簡単に製造できる。
【0067】
(2)折曲部24は、上型部22に設けられる第1折曲部25と、下型部23に設けられる第2折曲部26とを有する。第2折曲部26は、第1折曲部25と反対折りの構造を有する。第1折曲部25は、谷折構造または山折構造である。
【0068】
第1折曲部25と第2折曲部26とが同じ折り構造である場合、上型部22と下型部23との交差部分において第1折曲部25の折れ目40と第2折曲部26の折れ目40とを連続させることができない。この点、上記構成によれば、第1折曲部25の折れ目40と第2折曲部26の折れ目40とを連続させることができる。これによって、型本体21の強度を高くできる。
【0069】
(3)型本体21は、複数の折曲部24を有する。複数の折曲部24は、折れ目40に交差する横方向DXに連続するように繋がる。この構成によれば、横方向DXに密に折曲部24が配置されるため、型本体21の強度を向上できる。
【0070】
(4)型本体21の上端部21Aには、可撓性の上側取付部51が設けられる。この構成によれば、型本体21の折れ目40を保持した状態で、立ち上がり型枠11の下枠部11Bに沿うように上側取付部51を変形させることができる。
【0071】
樹脂成形の型本体である場合、立ち上がり型枠11の縦リブ11Cに合わせて型本体の上端部に切欠きを設ける必要がある。このような作業は非常に手間を要する。この点、上側取付部51は、可撓性を有するため、立ち上がり型枠11の下枠部11Bの縦リブ11Cに沿うように上側取付部51を変形させることができる。このように、切欠きを設ける必要がない。このため、上側取付部51を立ち上がり型枠11の下枠部11Bに固定し易い。
【0072】
(5)型本体21の下端部21Bには、可撓性の下側取付部52が設けられる。この構成によれば、型本体21の折れ目40を保持した状態で、地盤Gの溝5の底面6に沿うように下側取付部52を変形させることができる。
【0073】
(6)型本体21は、生分解性部材により構成される。この構成によれば、基礎ベース型枠20を地中に埋めた状態で放置したときに、基礎ベース型枠20を分解させることができる。
【0074】
(7)型本体21は、段ボールにより構成される。この構成によれば、基礎ベース型枠20を地中に埋めた状態で放置したときに、基礎ベース型枠20を分解させることができる。
【0075】
(8)基礎ベース型枠20の製造方法は、型本体21を構成するシート材60に折れ線70を付ける第1工程と、折れ線70に沿ってシート材60を折る第2工程と、を含む。折れ線70は、第1折れ線71と、第1折れ線71と一直線に繋がる第2折れ線72と、を有する。第1折れ線71および第2折れ線72の一方は、シート材60の表面60Aに設けられ、第1折れ線71および第2折れ線72の他方は、シート材60の裏面に設けられる。この構成によれば、成形金型を使用することなく、基礎ベース型枠20を簡単に製造できる。
【0076】
(9)基礎ベース型枠20の製造方法は、中間工程を含む。中間工程では、可撓性シート62の一部がシート材60の上端または下端から出るように、可撓性シート62をシート材60に貼り付ける。この後、可撓性シート62において上端部62Aと下端部62Bとを残すように可撓性シート62の中間部62Cを取る。この構成によれば、シート材60の上端に可撓性の上側取付部51を設けることと、シート材60の下端に可撓性の下側取付部52を設けることとの2つの作業を1つの作業工程で行うことができる。
【0077】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る基礎ベース型枠20について説明する。本実施形態の基礎ベース型枠20において第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0078】
図8は、型本体21の展開図である。図8に示されるように、本実施形態では、型本体21の表面21Cおよび裏面21D(図1参照)の少なくとも一方には、補強シート78が設けられる。例えば、補強シート78は、上述の可撓性シート62によって構成される。
【0079】
一例では、補強シート78としての可撓性シート62は、上側取付部51および下側取付部52を含んでもよい。型本体21の表面21Cおよび裏面21Dの一方に、可撓性シート62が設けられる。この場合、可撓性シート62は、可撓性シート62の一部がシート材60の上端または下端から出るように、可撓性シート62をシート材60の全体に貼り付けられる。これによって、型本体21の上端部21Aには、可撓性の上側取付部51が設けられる。型本体21の下端部21Bには、可撓性の下側取付部52が設けられる。
【0080】
型本体21の表面21Cおよび裏面21Dの両面に、可撓性シート62が設けられてもよい。この場合、型本体21の靭性が向上する。
【0081】
可撓性シート62は、型本体21の中央部に貼り付けられる部分と、上側取付部51とだけを含んでもよい。可撓性シート62は、型本体21の中央部に貼り付けられる部分と、下側取付部52とだけを含んでもよい。
【0082】
本実施形態の基礎ベース型枠20の製造方法は、次のような中間工程を含む。中間工程は、第1工程の後、かつ、第2工程の前に行われる。第1工程および第2工程は、第1実施形態と同じである。
【0083】
中間工程では、シート材60の全体に接着剤を塗布する。この後、可撓性シート62の一部がシート材60の上端または下端から出るように、可撓性シート62をシート材60の全体に貼り付ける。接着剤は、可撓性シート62に塗布されてもよい。また、接着剤は、シート材60および可撓性シート62の両方に塗布されてもよい。
【0084】
本実施形態の効果を説明する。
(1)基礎ベース型枠20において、型本体21の表面21Cおよび裏面21Dの少なくとも一方には、補強シート78が設けられる。この構成によれば、型本体21の強度を向上できる。
【0085】
(2)型本体21の表面21Cおよび裏面21Dの少なくとも一方には、可撓性シート62が設けられる。可撓性シート62は、上側取付部51および下側取付部52の少なくとも一方を含む。この構成によれば、可撓性シート62によって、型本体21を補強する構造と、上側取付部51および下側取付部52の少なくとも一方の構造とが構成される。このため、基礎ベース型枠20の製造効率を向上できる。
【0086】
(3)基礎ベース型枠20の製造方法は、中間工程を有する。中間工程では、可撓性シート62の一部がシート材60の上端または下端から出るように、可撓性シート62をシート材60の全体に貼り付ける。この構成によれば、シート材60に可撓性の上側取付部51および下側取付部52の少なくとも一方を設けることと、補強のためにシート材60に可撓性シート62を設けることとの2つの作業を1つの作業工程で行うことができる。
【0087】
<第3実施形態>
第3実施形態に係る基礎ベース型枠20について説明する。本実施形態の基礎ベース型枠20において第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0088】
本実施形態の基礎ベース型枠20は、第1実施形態の基礎ベース型枠20から上側取付部51および下側取付部52を除いたものである。この場合、型本体21の上端部21Aが立ち上がり型枠11の下枠部11Bに固定される。
【0089】
立ち上がり型枠11は、1または複数の縦リブ11Cを有する(図3参照)。縦リブ11Cは、立ち上がり型枠11の上枠部11Aと下枠部11Bと接続する。立ち上がり型枠11の下枠部11Bに型本体21の上端部21Aを固定する場合、縦リブ11Cは、上端部21Aの固定の邪魔になる。型本体21の上端部21Aを下枠部11Bの上に配置するためには、上端部21Aにおいて縦リブ11Cに当たる部分を切り取る必要がある。
【0090】
図9に示されるように、本実施形態では、型本体21の上端部21Aには、切欠部80が設けられている。切欠部80は、立ち上がり型枠11の縦リブ11Cが入るように構成されている。
【0091】
このため、型本体21の上端部21Aを立ち上がり型枠11の下枠部11Bに配置する場合に、型本体21の切欠部80に立ち上がり型枠11の縦リブ11Cが入るように、型本体21を配置できる。したがって、型本体21の上端部21Aを加工することなく、縦リブ11Cを有する立ち上がり型枠11に型本体21の上端部21Aを簡単に配置できる。また、基礎ベース型枠20は、折曲部24によって伸縮構造を有するため、立ち上がり型枠11の縦リブ11Cの位置に切欠部80を簡単に位置合わせできる。
【0092】
<第4実施形態>
図10を参照して、第4実施形態に係る基礎ベース型枠20について説明する。本実施形態の基礎ベース型枠20において第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。第1実施形態では、複数の折曲部24は横方向DXに連続して繋がる。これに対して、本実施形態では、複数の折曲部24は、横方向DXに平坦部84を介して繋がる。平坦部84は、第1平坦部85および第2平坦部86を有する。
【0093】
折曲部24の一例を説明する。折曲部24は、第1折曲部25と、第2折曲部26とを有する。第1折曲部25は、山折構造を有する。複数の第1折曲部25は、第1平坦部85を介して横方向DXに並ぶ。第1平坦部85は、上端から下端にかけて傾斜する。第1平坦部85は、第1折れ目41と同じように傾斜する。
【0094】
第2折曲部26は、谷折構造を有する。複数の第2折曲部26は、第2平坦部86を介して横方向DXに並ぶ。第2平坦部86は、上端から下端にかけて傾斜する。第2平坦部86は、第2折れ目42と同じように傾斜する。
【0095】
この構成によれば、横方向DXに間隔をあけて折曲部24が配置されるため、基礎1のベース2において基礎1の材料であるコンクリートの未充填を少なくできる。
【0096】
<第5実施形態>
図11を参照して、第5実施形態に係る基礎ベース型枠20について説明する。本実施形態の基礎ベース型枠20において第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0097】
型本体21の表面21Cおよび裏面21D(図1参照)の少なくとも一方には、補強パネル90が設けられる。補強パネル90の例として、樹脂パネル、金属パネル、木製パネルが挙げられる。補強パネル90は、型本体21の折れ目40の間の面部30に取り付けられる。
【0098】
補強パネル90は、第1面部31、第2面部32、第3面部33、および、第4面部34の少なくとも1つに設けられる。この構成によれば、型本体21の面部30の変形を抑制できる。
【0099】
本実施形態では、型本体21は、補強パネル90として、第1補強パネル91と、第2補強パネル92とを備える。補強パネル90は、隣接する2個の面部30に亘るように設けられてもよい。
【0100】
例えば、第1補強パネル91は、隣り合う2個の第1折曲部25について、一方の第1折曲部25の第1面部31と、他方の第1折曲部25の第2面部32とに亘るように設けられる。第2補強パネル92は、1つの第2折曲部26について、第3面部33と第4面部34とに亘るように設けられる。このように、隣接する2個の面部30に亘るように補強パネル90が設けられることによって、2個の面部30の間の結合を強くできる。
【0101】
また、隣接する2個の面部30に亘るように補強パネル90が設けられる場合において、上型部22において補強される2個の面部30に選択が、下型部23において補強される2個の面部30の選択に対して横方向DXにおいて面部30の1個分だけ、ずれている。この構成によれば、型本体21の縦方向に亀裂が入ることによって、型本体21が分断されることが抑制される。
【0102】
<第6実施形態>
図12および図13を参照して、第6実施形態に係る基礎ベース型枠20およびその製造方法について説明する。本実施形態の基礎ベース型枠20およびその製造方法において第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0103】
型本体21の表面21Cおよび裏面21D(図1参照)の少なくとも一方には、補強部材93が設けられる。補強部材93は、折れ目40に取り付けられる。一例、補強部材93は、山折構造の折れ目40に設けられる。この例では、補強部材93は、第1折れ目41、第3折れ目43、第4折れ目44および第2境界折れ目46に設けられる。補強部材93の例として、金属ワイヤ、樹脂ロープ、および、繊維ロープが挙げられる。この構成によれば、型本体21の折れ目40を補強できる。このような型本体21は、折れ目40がつけられたシート材60に、補強部材93を有する可撓性シート62(図13参照)を貼り付けて、次いで、折れ目40に沿って折ることによって、形成される。
【0104】
<変形例>
上記実施形態は、基礎ベース型枠20および基礎ベース型枠20の製造方法が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。基礎ベース型枠20および基礎ベース型枠20の製造方法は、上記実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変形例を示す。
【0105】
図14に示されるように、基礎ベース型枠20において、上側取付部51に切欠部94が設けられてもよい。切欠部94は、立ち上がり型枠11の縦リブ11Cが入るように構成されている。このような切欠部94が設けられることによって、縦リブ11Cに沿うように上側取付部51を折り畳む手間を省くことができる。上側取付部51は、可撓性シート62により構成されているため、簡単に切欠部94を設けることができる。
【0106】
第1実施形態の基礎ベース型枠20は、山折構造の第1折曲部25を有し、谷折構造の第2折曲部26を有する。これに対して、基礎ベース型枠20は、谷折構造の第1折曲部25を有し、山折構造の第2折曲部26を有してもよい。
【符号の説明】
【0107】
DX…横方向、1…基礎、2…ベース、20…基礎ベース型枠、20A…上端部、20B…下端部、21…型本体、21A…上端部、21B…下端部、21C…表面、21D…裏面、22…上型部、23…下型部、24…折曲部、25…第1折曲部、26…第2折曲部、30…面部、40…折れ目、51…上側取付部、52…下側取付部、60…シート材、60A…表面、62…可撓性シート、62A…上端部、62B…下端部、62C…中間部、70…折れ線、78…補強シート、80…切欠部、84…平坦部、90…補強パネル、93…補強部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2023-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎のベースを形成するための基礎ベース型枠であって、
シート材の折り曲げ構造を有する型本体を備え、
前記型本体は、前記ベースの上部を形成する上型部と、
前記ベースの下部を形成する部分であって前記上型部に交差するように繋がる下型部と、
折れ目を有して、前記上型部から前記下型部にわたって連続して延びる折曲部と、を備え、
前記折曲部は、前記上型部に設けられる第1折曲部と、前記第1折曲部と反対折りであって前記下型部に設けられる第2折曲部と、を有し、
前記第1折曲部は、谷折構造または山折構造を有する、
基礎ベース型枠。
【請求項2】
前記型本体は、複数の前記折曲部を有し、
複数の前記折曲部は、前記折れ目に交差する横方向に連続するように繋がる、
請求項1に記載の基礎ベース型枠。
【請求項3】
前記型本体は、複数の前記折曲部を有し、
複数の前記折曲部は、前記折れ目に交差する横方向に平坦部を介して繋がる、
請求項1に記載の基礎ベース型枠。
【請求項4】
前記型本体の上端部には、可撓性の上側取付部が設けられる、
請求項1~3のいずれか一項に記載の基礎ベース型枠。
【請求項5】
前記型本体の上端部には、切欠部が設けられる、
請求項1~3のいずれか一項に記載の基礎ベース型枠。
【請求項6】
前記型本体の下端部には、可撓性の下側取付部が設けられる、
請求項1~5のいずれか一項に記載の基礎ベース型枠。
【請求項7】
前記型本体の表面および裏面の少なくとも一方には、補強シートが設けられる、
請求項1~6のいずれか一項に記載の基礎ベース型枠。
【請求項8】
前記型本体の上端部には、可撓性の上側取付部が設けられ、
前記型本体の下端部には、可撓性の下側取付部が設けられ、
前記型本体の表面および裏面の少なくとも一方には、可撓性シートが設けられ、
前記可撓性シートは、前記上側取付部および前記下側取付部の少なくとも一方を含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の基礎ベース型枠。
【請求項9】
前記型本体の表面および裏面の少なくとも一方には、補強パネルが設けられ、
前記補強パネルは、前記型本体の前記折れ目の間の面部に取り付けられる、
請求項1~8のいずれか一項に記載の基礎ベース型枠。
【請求項10】
前記型本体の表面および裏面の少なくとも一方には、補強部材が設けられ、
前記補強部材は、前記折れ目に取り付けられる、
請求項1~9のいずれか一項に記載の基礎ベース型枠。
【請求項11】
前記型本体は、生分解性部材により構成される、
請求項1~10のいずれか一項に記載の基礎ベース型枠。
【請求項12】
前記生分解性部材は、段ボールである、
請求項11に記載の基礎ベース型枠。
【請求項13】
基礎のベースを形成するための基礎ベース型枠の製造方法であって、
型本体を構成するシート材に折れ線を付ける第1工程と、
前記折れ線に沿って前記シート材を折る第2工程と、
前記第1工程の後、かつ、前記第2工程の前に行われる、中間工程と、を含み、
前記折れ線は、少なくとも、第1折れ線と、前記第1折れ線と一直線に繋がる第2折れ線と、を有し、
前記第1折れ線および前記第2折れ線の一方は、前記シート材の表面に設けられ、
前記第1折れ線および前記第2折れ線の他方は、前記シート材の裏面に設けられ、
前記中間工程では、可撓性シートの一部が前記シート材の上端または下端から出るように、前記可撓性シートを前記シート材に貼り付け、前記可撓性シートにおいて上端部と下端部とを残すように前記可撓性シートの中間部を取る、
基礎ベース型枠の製造方法。
【請求項14】
基礎のベースを形成するための基礎ベース型枠の製造方法であって、
型本体を構成するシート材に折れ線を付ける第1工程と、
前記折れ線に沿って前記シート材を折る第2工程と、
前記第1工程の後、かつ、前記第2工程の前に行われる、中間工程と、を含み、
前記折れ線は、少なくとも、第1折れ線と、前記第1折れ線と一直線に繋がる第2折れ線と、を有し、
前記第1折れ線および前記第2折れ線の一方は、前記シート材の表面に設けられ、
前記第1折れ線および前記第2折れ線の他方は、前記シート材の裏面に設けられる、
前記中間工程では、可撓性シートの一部が前記シート材の上端または下端から出るように、前記可撓性シートを前記シート材の全体に貼り付ける、
基礎ベース型枠の製造方法。