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  • 特開-切削加工データ解析システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110515
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】切削加工データ解析システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/4063 20060101AFI20230802BHJP
   G05B 19/18 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
G05B19/4063 L
G05B19/18 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022012014
(22)【出願日】2022-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 匠
(72)【発明者】
【氏名】西川 司
(72)【発明者】
【氏名】滝本 大介
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 尚登
【テーマコード(参考)】
3C269
【Fターム(参考)】
3C269AB03
3C269AB05
3C269BB05
3C269EF39
3C269KK08
3C269MN07
3C269MN08
3C269MN29
3C269QB03
(57)【要約】
【課題】エアカット区間を精度良く特定可能な切削加工データ解析システムを提供する。
【解決手段】切削加工データ解析システム1は、加工負荷の時系列データを解析する解析部23を備える。解析部23は、閾値設定部24と、エアカット判定部25とを有する。閾値設定部24は、早送り指令に後続する切削送り指令の開始点、又は、直前の切削送り指令と連続していない切削送り指令の開始点を区切り位置として、切削加工工程を複数の加工区間に区切り、時系列データにおいて複数の加工区間それぞれの開始点に対応する加工負荷の値に基づいてエアカット判定閾値を複数の加工区間ごとに設定する。エアカット判定部25は、時系列データにおいて加工負荷が複数の加工区間ごとのエアカット判定閾値より低い区間をエアカット区間として判定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切削加工装置の主軸に対する早送り指令及び切削送り指令が記述された加工プログラムに従って前記主軸に取り付けられた工具により被加工物に切削加工工程が実行されたときの前記主軸に作用する加工負荷の時系列データを取得する取得部と、
前記時系列データを解析する解析部と、
を備え、
前記解析部は、
前記早送り指令に後続する前記切削送り指令の開始点、又は、直前の前記切削送り指令と連続していない前記切削送り指令の開始点を区切り位置として、前記切削加工工程を複数の加工区間に区切り、前記時系列データにおいて前記複数の加工区間それぞれの前記開始点に対応する前記加工負荷の値に基づいてエアカット判定閾値を前記複数の加工区間ごとに設定する閾値設定部と、
前記時系列データにおいて前記加工負荷が前記複数の加工区間ごとの前記エアカット判定閾値より低い区間をエアカット区間として判定するエアカット判定部と、
を有する、
切削加工データ解析システム。
【請求項2】
前記解析部は、前記切削加工工程に含まれる前記エアカット区間の個々の時間、前記切削加工工程に含まれる前記エアカット区間の合計時間、前記切削加工工程の総時間に対する前記エアカット区間の個々の時間の割合、及び前記切削加工工程の総時間に対する前記エアカット区間の合計時間の割合のうち少なくとも1つをエアカット評価値として算出する評価値算出部を有する、
請求項1に記載の切削加工データ解析システム。
【請求項3】
前記解析部は、前記エアカット評価値に基づいて、前記切削加工工程の前工程における前記被加工物に対する加工精度を評価する前工程評価部を有する、
請求項2に記載の切削加工データ解析システム。
【請求項4】
前記解析部は、前記エアカット評価値に基づいて、前記被加工物の寸法精度を評価する被加工物評価部を有する、
請求項2に記載の切削加工データ解析システム。
【請求項5】
前記取得部は、複数種類の前記加工プログラムに従って前記切削加工工程が実行されたときの前記時系列データを取得し、
前記解析部は、複数の前記時系列データを解析する、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の切削加工データ解析システム。
【請求項6】
前記解析部は、所定の評価期間における前記被加工物の加工数と前記エアカット評価値とに基づいて、前記複数種類の加工プログラムごとに改善優先度を設定する優先度設定部を有する、
請求項5に記載の切削加工データ解析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、切削加工データ解析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、NC(Numerical Control)プログラムに従って、被加工物を所望の形状に加工する切削加工装置が知られている。NCプログラムには早送り指令及び切削送り指令が記述されており、被加工物の切削加工工程は、早送り指令に従った早送り区間と、切削送り指令に従った加工区間とに分けられる。
【0003】
ここで、加工区間には工具が被加工物を切削しないエアカット区間が含まれており、エアカット区間が長いほど被加工物の加工に時間を要する。
【0004】
特許文献1では、切削送り指令が出力された時をエアカット区間の始点とし、かつ、工具にかかる負荷が急上昇した時をエアカット区間の終点とすることによってエアカット区間を特定する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際出願2015/029218号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の手法では、工具にかかる負荷が急上昇した時をエアカット区間の終点としているため、切削加工工程中に複数の加工区間が含まれている場合には、最初の加工区間に含まれるエアカット区間しか特定することができない。
【0007】
本開示は、エアカット区間を簡便かつ精度良く特定可能な切削加工データ解析システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る切削加工データ解析システムは、取得部と、解析部とを備える。取得部は、切削加工装置の主軸に対する早送り指令及び切削送り指令が記述された加工プログラムに従って主軸に取り付けられた工具により被加工物に切削加工工程が実行されたときの主軸に作用する加工負荷の時系列データを取得する。解析部は、時系列データを解析する。解析部は、閾値設定部と、エアカット判定部とを有する。閾値設定部は、早送り指令に後続する切削送り指令の開始点、又は、直前の切削送り指令と連続していない切削送り指令の開始点を区切り位置として、切削加工工程を複数の加工区間に区切り、時系列データにおいて複数の加工区間それぞれの開始点に対応する加工負荷の値に基づいてエアカット判定閾値を複数の加工区間ごとに設定する。エアカット判定部は、時系列データにおいて加工負荷が複数の加工区間ごとのエアカット判定閾値より低い区間をエアカット区間として判定する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、エアカット区間を精度良く特定可能な切削加工データ解析システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る切削加工データ解析システムの機能を示すブロック図である。
図2】加工負荷の時系列データの一例と切削加工工程の内容とを示す模式図である。
図3】切削加工データ解析方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(切削加工データ解析システム1の構成)
本実施形態に係る切削加工データ解析システム1の機能について図面を参照しながら説明する。図1は、切削加工データ解析システム1の機能を示すブロック図である。図2は、加工負荷の時系列データの一例と切削加工工程の内容とを示す模式図である。
【0012】
切削加工データ解析システム1は、切削加工装置10と、切削加工データ解析装置20とを備える。切削加工データ解析システム1における切削加工装置10の数は特に制限されず、1以上であればよい。
【0013】
[切削加工装置10]
切削加工装置10は、機械本体11と、CNC(Computer Numerical Control)制御部12とを備える。
【0014】
機械本体11は、被加工物(いわゆる、ワーク)Wを所望の形状に切削加工する。切削加工には、穴あけ加工、フライス加工及び旋削加工などが含まれる。
【0015】
機械本体11は、テーブル14と、工具15と、主軸16とを有する。
【0016】
テーブル14上には、被加工物Wが載置される。工具15は、被加工物Wの加工に用いられる。工具15は、主軸16に取り付けられる。主軸16は、回転駆動する。工具15は、テーブル14上に載置された被加工物Wに対して相対移動する。工具15は、テーブル14が移動することによって、或いは、主軸16が移動することによって、被加工物Wに対して相対移動する。
【0017】
工具15の種類(以下、「工具種類」と略称する。)は、被加工物Wに対して行われる加工内容に応じて適宜選択される。よって、切削加工装置10では、通常、複数種類の工具15が用いられる。工具種類としては、例えば、フライス、エンドミル、ドリル、リーマ、タップ、ボーリング、カッタなどが挙げられるが、これらには限られない。
【0018】
CNC制御部12は、NC(Numerical Control)プログラムに従ってCNC制御部12を制御することによって、工具15による被加工物Wに対する切削加工工程を実行する。NCプログラムは、本開示に係る加工プログラムの一例である。
【0019】
NCプログラムには、早送り指令(q1、q2、q3,q4…)と切削送り指令(p1、p2、p3、p4…)とが記述されている。早送り指令とは、被加工物Wに対して工具15を所定の早送り速度で離接させるための指令である。切削送り指令とは、工具15により被加工物Wを所定の切削送り速度で切削するための指令である。
【0020】
被加工物Wの切削加工工程は、図2に示すように、早送り指令に従った早送り区間と、切削送り指令に従った加工区間とに分けられる。加工区間には、工具15が被加工物Wを切削せずに空転するエアカット区間が含まれる。
【0021】
CNC制御部12は、被加工物Wの加工が完了すると、被加工物Wの加工データを生成する。加工データには、早送り指令及び切削送り指令が記述されたNCプログラムと、主軸16に作用する加工負荷の時系列データとが含まれる。主軸16に作用する加工負荷は、例えば主軸16に取り付けられるトルクセンサによって取得される。
【0022】
CNC制御部12は、生成した加工データを切削加工データ解析装置20に送信する。
【0023】
[切削加工データ解析装置20]
切削加工データ解析装置20は、ネットワークを介して切削加工装置10と相互通信可能である。切削加工データ解析装置20の機能は、サーバによって達成することができる。サーバは、クラウドサーバであってよい。
【0024】
切削加工データ解析装置20は、取得部21と、記憶部22と、解析部23とを有する。
【0025】
取得部21は、切削加工装置10から加工データ(NCプログラム及び加工負荷の時系列データ)を取得する。取得部21は、取得した加工データを記憶部22に記憶させる。取得部21は、加工データを取得するたびに、新たに取得した加工データを記憶部22に記憶させる。
【0026】
解析部23は、記憶部22の加工データを参照して、加工データに含まれる加工負荷の時系列データを解析する。解析部23は、閾値設定部24と、エアカット判定部25と、評価値算出部26と、前工程評価部27と、被加工物評価部28とを有する。
【0027】
閾値設定部24は、記憶部22の加工データを参照して、切削加工工程を加工区間と早送り区間とに区切る。具体的には、閾値設定部24は、早送り指令に後続する切削送り指令の開始点、又は、直前の切削送り指令と連続していない切削送り指令の開始点を区切り位置として、切削加工工程を複数の加工区間に区切る。直前の切削送り指令と連続していない切削送り指令とは、切削送り速度及び目標座標点のうち少なくとも一方が直前の切削送り指令と異なるものを意味する。
【0028】
図2に示す例では、切削加工工程が、第1乃至第4加工区間に区切られている。第1加工区間は、早送り指令q1に後続する切削送り指令p1の開始点S1から始まる区間である。第2加工区間は、早送り指令q2に後続する切削送り指令p2の開始点S2から始まる区間である。第3加工区間は、直前の切削送り指令p2と連続していない切削送り指令p3(≠p2)の開始点S3から始まる区間である。第4加工区間は、早送り指令q3に後続する切削送り指令p4の開始点S4から始まる区間である。なお、図2では、各切削送り指令の終了点において各加工区間が終了することとされている。
【0029】
閾値設定部24は、時系列データにおいて複数の加工区間それぞれの開始点に対応する加工負荷の値に基づいてエアカット判定閾値を各加工区間に設定する。図2に示す例では、第1加工区間の開始点S1に対応する加工負荷の値に基づいて第1エアカット判定閾値TH1が第1加工区間に設定され、同様に第2乃至第4加工区間それぞれについても第2乃至第4エアカット判定閾値TH2~TH4が設定されている。
【0030】
エアカット判定閾値は、工具15が被加工物Wを切削せずに空転しているか否かを判定可能な値に設定される。例えば、エアカット判定閾値は、開始点に対応する加工負荷の値より僅かに(例えば、各加工区間における最大加工負荷の数パーセント)大きな値に設定することができる。開始点に対応する加工負荷とは、開始点における加工負荷、又は、開始点から所定時間(例えば、2~3秒)の間の加工負荷の平均値である。
【0031】
エアカット判定部25は、時系列データにおいて加工負荷が各加工区間のエアカット判定閾値より低い区間をエアカット区間として判定する。図2に示す例では、第1加工区間の序盤、第3加工区間の序盤、第4加工区間の序盤及び中盤にエアカット区間が存在している。
【0032】
以上のように、早送り指令に後続する切削送り指令の開始点、又は、直前の切削送り指令と連続していない切削送り指令の開始点を区切り位置とする各加工区間にエアカット判定閾値を設定することによって、切削加工工程に複数の加工区間が含まれている場合であっても全てのエアカット区間を簡便かつ精度良く特定することができる。
【0033】
評価値算出部26は、切削加工工程に含まれるエアカット区間の分量(多さ)を示すエアカット評価値を算出する。エアカット評価値としては、切削加工工程に含まれるエアカット区間の個々の時間、切削加工工程に含まれるエアカット区間の合計時間、切削加工工程の総時間に対するエアカット区間の個々の時間の割合、及び、切削加工工程の総時間に対するエアカット区間の合計時間の割合のうち少なくとも1つを用いることができる。
【0034】
評価値算出部26は、算出したエアカット評価値を記憶部22に記憶させる。
【0035】
前工程評価部27は、エアカット評価値に基づいて、切削加工工程の前工程における被加工物Wに対する加工精度を評価する。前工程とは、切削加工工程よりも前に行われる工程であって、被加工物Wを形成(例えば、鍛造)するための工程である。
【0036】
前工程評価部27は、例えば、切削加工工程の総時間に対するエアカット区間の合計時間の割合をエアカット評価値として用いる場合、エアカット評価値が所定値(例えば、10%)未満の場合を「良」と評価し、エアカット評価値が所定値以上の場合を「不良」と評価する。これによって、前工程における加工精度の改善要否を簡便に判断することができる。
【0037】
また、前工程評価部27は、1つのNCプログラムについて複数のエアカット評価値が記憶部22に記憶されている場合、複数のエアカット評価値のばらつきを示す指標(例えば、標準偏差)を算出する。ばらつきを示す指標に基づいて、前工程における加工精度ばらつきの改善要否を簡便に判断することができる。
【0038】
被加工物評価部28は、エアカット評価値に基づいて、被加工物Wの寸法精度を評価する。被加工物評価部28は、例えば、切削加工工程の総時間に対するエアカット区間の合計時間の割合をエアカット評価値として用いる場合、エアカット評価値が所定値(例えば、10%)未満の場合を「良」と評価し、エアカット評価値が所定値以上の場合を「不良」と評価する。これによって、前工程における寸法精度の改善要否を簡便に判断することができる。
【0039】
また、被加工物評価部28は、1つのNCプログラムについて複数のエアカット評価値が記憶部22に記憶されている場合、複数のエアカット評価値のばらつきを示す指標(例えば、標準偏差)を算出する。算出されたばらつきを示す指標に基づいて、前工程における寸法精度ばらつきの改善要否を簡便に判断することができる。
【0040】
(切削加工データ解析方法)
切削加工データ解析システム1における切削加工データ解析方法について図面を参照しながら説明する。図3は、切削加工データ解析方法を示すフローチャートである。
【0041】
ステップS1において、取得部21は、切削加工装置10から加工データを取得する。
【0042】
ステップS2において、閾値設定部24は、加工データ(NCプログラム及び加工負荷の時系列データ)を参照して、切削加工工程を複数の加工区間に区切る。この際、閾値設定部24は、早送り指令に後続する切削送り指令の開始点、又は、直前の切削送り指令と連続していない切削送り指令の開始点を区切り位置とする。
【0043】
ステップS3において、閾値設定部24は、時系列データにおいて複数の加工区間それぞれの開始点に対応する加工負荷の値に基づいてエアカット判定閾値を各加工区間に設定する。
【0044】
ステップS4において、エアカット判定部25は、エアカット判定閾値から、時系列データにおいて加工負荷が各加工区間のエアカット判定閾値より低い区間をエアカット区間として判定する。
【0045】
ステップS5において、評価値算出部26は、切削加工工程に含まれるエアカット区間の分量を示すエアカット評価値を算出する。
【0046】
ステップS6において、前工程評価部27及び被加工物評価部28は、エアカット評価値に基づいて、切削加工工程の前工程における被加工物Wに対する加工精度及び寸法精度を評価する。
【0047】
(実施形態の変形例)
本開示は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
【0048】
(変形例1)
上記実施形態において、切削加工装置10は、1つのNCプログラムに従って被加工物Wに切削加工工程を実行することとしたが、複数種類のNCプログラムに従って切削加工工程を実行してもよい。
【0049】
この場合、取得部21は、NCプログラムごとに加工データ(加工負荷の時系列データを含む)を切削加工装置10から取得して記憶部22に記憶させる。解析部23は、記憶部22を参照して、NCプログラムごとに加工負荷の時系列データを解析することによって、複数種類のNCプログラムごとにエアカット区間を特定する。解析部23は、NCプログラムごとにエアカット評価値を算出する。
【0050】
解析部23は、各NCプログラムに改善優先度を設定する優先度設定部を有することが好ましい。優先度設定部は、所定の評価期間における被加工物Wの加工数とエアカット評価値とに基づいて、加工プログラムごとに改善優先度を設定する。
【0051】
具体的には、優先度設定部は、被加工物Wの加工数が多いほど、また、エアカット評価値が高いほど改善優先度を高く設定する。これによって、複数種類のNCプログラムのうち、どのNCプログラムから改善すべきか不明である場合に改善順序を簡便に決定することができる。
【0052】
なお、以上の説明では、1つの切削加工装置10において複数種類のNCプログラムが用いられることとしたが、切削加工データ解析装置20に接続された複数の切削加工装置10において別々のNCプログラムが用いられる場合であっても同様の処理を行うことができる。
【0053】
(変形例2)
上記実施形態において、切削加工データ解析装置20の機能はサーバによって達成することができることとしたが、これに限られない。切削加工データ解析装置20の機能の少なくとも一部は端末装置によって達成することができる。端末装置は、切削加工装置10に取り付けられていてもよい。
【0054】
(変形例3)
上記実施形態において、切削加工データ解析装置20は、切削加工装置10から取得した加工データを一旦記憶した後に解析することとしたが、切削加工装置10から加工データを取得しながら当該加工データを解析してもよい。この場合、加工区間開始点の特定、エアカット判定閾値の設定、及びエアカット区間の特定を含む一連の解析が、加工データの取得とともにリアルタイムで実行される。
【符号の説明】
【0055】
1 切削加工データ解析システム
10 切削加工装置
11 機械本体
12 CNC制御部
14 テーブル
15 工具
16 主軸
20 切削加工データ解析装置
21 取得部
22 記憶部
23 解析部
24 閾値設定部
25 エアカット判定部
26 評価値算出部
27 前工程評価部
28 被加工物評価部
図1
図2
図3