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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110543
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B09B 5/00 20060101AFI20230802BHJP
   B02C 23/08 20060101ALI20230802BHJP
   C08J 3/12 20060101ALI20230802BHJP
   B08B 5/02 20060101ALI20230802BHJP
   B09B 3/35 20220101ALI20230802BHJP
   B29B 17/04 20060101ALI20230802BHJP
   B02C 19/18 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
B09B5/00 Q
B02C23/08 A ZAB
C08J3/12 A
B08B5/02 Z
B09B3/35
B29B17/04
B02C19/18 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022012057
(22)【出願日】2022-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】本間 陽輔
(72)【発明者】
【氏名】近藤 雅之
【テーマコード(参考)】
3B116
4D004
4D067
4F070
4F401
【Fターム(参考)】
3B116AA21
3B116AA46
3B116AB01
3B116AB44
3B116BB22
3B116BB32
3B116BB62
3B116BB77
3B116CD33
3B116CD42
3B116CD43
4D004AA07
4D004AB01
4D004AB02
4D004CA02
4D004CA13
4D004CA40
4D004CB12
4D067EE02
4D067EE12
4D067EE50
4D067GA16
4D067GA20
4D067GB03
4F070AA71
4F070AB26
4F070DA41
4F070DA45
4F070DA55
4F401AA27
4F401AC10
4F401AC11
4F401CA02
4F401CA13
4F401CB32
4F401CB33
4F401FA11X
(57)【要約】
【課題】容器に好適な洗浄装置を提供することにある。
【解決手段】洗浄装置100において、ホルダ40が容器300を支持した状態で、抽斗20が筐体10内で下方に移動する。その過程で、カッタ50は、容器300を上下方向7に沿って切断し二分割する。左分割体306及び右分割体307がガイド60により下方へと案内される過程で、左分割体306及び右分割体307の内面が前向きとなるように展開される。噴射部80は、内面が前向きの左分割体306及び右分割体307を支持部70が支持した状態で液体を噴射する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上向きの第1開口を有する筐体と、
上記第1開口を通じて上記筐体に対して上下に移動可能であって、上下方向と交差する前向きの第2開口及び下向きの第3開口を有する抽斗と、
上記抽斗内において被洗浄容器を支持するホルダと、
上記筐体内に収納された状態の上記抽斗内に位置しており、前向きに沿って歯先が延びるカッタと、
上記カッタの刃先より下方であって、上記カッタの刃先に対して、前向き及び上下方向と交差する左右方向の両側に位置しており、上記カッタにより切断された上記被洗浄容器の分割体の内面が前向きとなるように上記分割体の各々を案内するガイドと、
内面が前向きの上記分割体を支持する支持部と、
上記支持部に支持された上記分割体の内面に液体を噴射する噴射部と、を備える洗浄装置。
【請求項2】
上記ガイドは、上記カッタの刃先に対して左右方向の両側で上記カッタの刃先よりも下方の位置から下向き及び前後方向に拡がる複数の第1傾斜面を有しており、上記複数の第1傾斜面の間の左右方向における距離は、下方に向かうにつれて拡がっており、
上記ガイドは、上記複数の第1傾斜面と接続しており、下方に向かうにつれて前向きに迫り出す複数の第2傾斜面と、を有する請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
上記ガイドは、
上記第1傾斜面において前端且つ下端の位置から左右方向に突出する返し板を更に有する請求項2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
上記噴射部は、後向きに液体を噴射する複数のノズルであって、当該複数のノズルは、上下方向及び左右方向に並んでおり、
上記洗浄装置は、コントローラを更に備えており、
上記コントローラは、上記複数のノズルのうち、上側に位置するノズルから下側に位置するノズルへと液体の噴射を順次切り替える請求項1から3のいずれか記載の洗浄装置。
【請求項5】
上記支持部に支持された上記分割体が上下方向及び左右方向に占める範囲を示す信号を出力するセンサを更に備えており、
上記コントローラは、上記複数のノズルのうち、上記センサの出力信号が示す範囲に対応する上記ノズルから液体を噴出させる請求項4に記載の洗浄装置。
【請求項6】
上記抽斗は、左右方向に対向する第1内面及び第2内面を有しており、
上記ホルダは、
上記第1内面から左右方向の一方向きに延びる第1筒体と、
上記第1筒体内に収容される第1バネと、
上記第1筒体の延出端に左右方向にスライド可能に設けられ、左右方向の一方向きに上記第1バネに付勢される第1挟持部材と、
上記第2内面から左右方向の他方向きに延びる第2筒体と、
上記第2筒体内に収容される第2バネと、
上記第2筒体の延出端に左右方向にスライド可能に設けられて上記第1挟持部材と対向しており、左右方向の他方向きに上記第2バネに付勢される第2挟持部材と、を有する請求項1から5のいずれかに記載の洗浄装置。
【請求項7】
上記抽斗が下向きに移動する過程で、上記第1挟持部材及び上記第2挟持部材が上下方向において上記刃先より下方に達したことにより、上記第1バネが上記第1挟持部材を付勢する力に抗して上記第1挟持部材に左右方向の他方向きに移動させるとともに、上記第2バネが上記第2挟持部材を付勢する力に抗して上記第2挟持部材を左右方向の一方向きに移動させるリリース機構を更に備える請求項6に記載の洗浄装置。
【請求項8】
上記支持部は、上記ノズルと対向しており、吸引により上記分割体を支持する吸引面を有する請求項4又は5に記載の洗浄装置。
【請求項9】
前後方向において上記吸引面と対向しない第1位置、及び前後方向において上記吸引面と対向する第2位置に移動可能な押さえ部材と、
上記抽斗が下向きに移動されることにより、上記押さえ部材を上記第1位置から上記第2位置へと移動させる連動機構と、を更に備える請求項8に記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現状、プラスチック製容器包装向けのリサイクル識別表示マークが付された特定容器包装は、資源ごみとして廃棄することが求められている。しかし、特定容器包装に内容物が残っていると、資源ごみとして廃棄できない。特許文献1には、特定容器包装の処理装置100が記載されている。処理装置100において、特定容器包装は、ホッパ90に投入された後、2組みの回転カッタA,Bを有する切断処理部10へと案内される。切断処理部10は、回転カッタA,Bにより特定容器包装を細かく切断してプラスチック片にする。切断処理部10には、回転カッタA,Bに向けて複数の洗浄液噴射ノズル31が設けられている。洗浄液噴射ノズル31は、プラスチック片に付着する内容物を洗い落とすために、洗浄液を回転カッタA,Bに向けて噴射する。プラスチック片は、切断処理部10から容体41へと落下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-059130号公報(図1図4参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、プラスチック片が切断処理部10から容体41に向けて落下する過程で、回転カッタA,Bに向けて洗浄液噴射ノズル31から洗浄液が噴射される。しかし、この構成では、プラスチック片に付着する内容物に洗浄液が当たらない場合がある。また、プラスチック片に付着する内容物に洗浄液が当たったとしても、洗浄液(即ち、噴流)によりプラスチック片が吹き飛ばされるため、プラスチック片に付着する全ての内容物がプラスチック片から洗い落とされるとは限らない。
【0005】
また、特定容器包装の中には、マヨネーズ、ケチャップ、練りからしや練りわさび等を内容物とするチューブ状又はボトル状の容器がある。これら容器内を人の手で洗浄するのは非常に手間である。また、容器は、少なくない量の内容物が残った状態で廃棄されることが多いため、特許文献1に記載の洗浄装置100では、容器の内容物を洗い落とすのは非常に難しい。
【0006】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、容器に好適な洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明に係る洗浄装置は、上向きの第1開口を有する筐体と、上記第1開口を通じて上記筐体に対して上下に移動可能であって、上下方向と交差する前向きの第2開口及び下向きの第3開口を有する抽斗と、上記抽斗内において被洗浄容器を支持するホルダと、上記筐体内に収納された状態の上記抽斗内に位置しており、前向きに沿って歯先が延びるカッタと、上記カッタの刃先より下方であって、上記カッタの刃先に対して、前向き及び上下方向と交差する左右方向の両側に位置しており、上記カッタにより切断された上記被洗浄容器の分割体の内面が前向きとなるように上記分割体の各々を案内するガイドと、内面が前向きの上記分割体を支持する支持部と、上記支持部に支持された上記分割体の内面に液体を噴射する噴射部と、を備える。
【0008】
上記構成によれば、被洗浄容器をホルダで支持した状態で抽斗が筐体内で下方に移動する過程で、被洗浄容器は、カッタの刃先により上下方向に沿って切断されて、二分割される。各分割体がガイドにより下方へと案内される過程で、各分割体の内面が前向きとなるようにガイドにより展開される。噴射部は、内面が前向きの各分割体を支持部が支持した状態で液体を噴射することにより、被洗浄容器の内面が洗浄される。これにより、被洗浄容器の内容物を良好に洗い落とすことができる。
【0009】
(2) 上記ガイドは、上記カッタよりも下方の位置から下向きに且つ左右方向にそれぞれ拡がる第1傾斜面と、上記第1傾斜面とそれぞれ接続しており、下方に向かうにつれて前向きに迫り出す第2傾斜面と、を有する。
【0010】
上記構成によれば、第1傾斜面及び第2傾斜面により被洗浄容器の分割体の向きを変える。即ち、分割体の向きを変えるためにモータを使用する必要がない。これにより、洗浄装置の製造コストが抑制される。
【0011】
(3) 上記ガイドは、上記第1傾斜面において前端且つ下端の位置から左右方向に突出する返し板を更に有する。
【0012】
上記構成によれば、返し板により、分割体が回転し過ぎないようにする。
【0013】
(4) 上記噴射部は、後向きに液体を噴射する複数のノズルである。上記複数のノズルは、上下方向及び左右方向に並んでいる。上記洗浄装置は、コントローラを更に備えている。上記コントローラは、上記複数のノズルのうち、上側に位置するノズルから下側に位置するノズルへと液体の噴射を順次切り替える。
【0014】
ノズルからの液体(即ち、噴流)により、被洗浄容器の内容物は、吹き飛ばされる。上記処理によれば、下側のノズルが上側のノズルより後に液体を噴射するように制御される。そのため、上方に吹き飛ばされる内容物の量が低減し、当該内容物が被洗浄容器に再付着することが抑制される。
【0015】
(5) 上記洗浄装置は、上記支持部に支持された上記分割体が上下方向及び左右方向に占める範囲を示す信号を出力するセンサを更に備えている。上記コントローラは、上記複数のノズルのうち、上記センサの出力信号が示す範囲に対応する上記ノズルから液体を噴出させる。
【0016】
被洗浄容器の内面に当たらない液体の噴射が抑制される。
【0017】
(6) 上記抽斗は、左右方向に対向する第1内面及び第2内面を有している。上記ホルダは、上記第1内面から左右方向の一方向きに延びる第1筒体と、上記第1筒体内に収容される第1バネと、上記第1筒体の延出端に左右方向にスライド可能に設けられ、左右方向の一方向きに上記第1バネに付勢される第1挟持部材と、上記第2内面から左右方向の他方向きに延びる第2筒体と、上記第2筒体内に収容される第2バネと、上記第2筒体の延出端に左右方向にスライド可能に設けられて上記第1挟持部材と対向しており、左右方向の他方向きに上記第2バネに付勢される第2挟持部材と、を有する。
【0018】
上記構成によれば、ホルダは、異なるサイズの被洗浄容器を支持できる。即ち、洗浄装置は、異なるサイズの被洗浄容器を洗浄できる。
【0019】
(7) 上記洗浄装置は、上記抽斗が下向きに移動する過程で、上記第1挟持部材及び上記第2挟持部材が上下方向において上記刃先より下方に達したことにより、上記第1バネが上記第1挟持部材を付勢する力に抗して上記第1挟持部材に左右方向の他方向きに移動させるとともに、上記第2バネが上記第2挟持部材を付勢する力に抗して上記第2挟持部材を左右方向の一方向きに移動させるリリース機構を更に備える。
【0020】
リリース機構により、被洗浄容器の分割体は、ホルダから離れてガイドにより下方に案内される。
【0021】
(8) 上記支持部は、上記ノズルと対向しており、吸引により上記分割体を支持する吸引面を有する。
【0022】
上記構成によれば、被洗浄容器が吸引面に吸引されるため、被洗浄容器がノズルと正対した状態が維持される。
【0023】
(9) 上記洗浄装置は、前後方向において上記吸引面と対向しない第1位置、及び前後方向において上記吸引面と対向する第2位置に移動可能な押さえ部材と、上記抽斗が下向きに移動されることにより、上記押さえ部材を上記第1位置から上記第2位置へと移動させる連動機構と、を更に備える。
【0024】
上記構成によれば、押さえ部材により被洗浄容器を吸引面に押し付けるため、吸引面は、被洗浄容器を吸引し易い。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、チューブ状容器に好適な洗浄装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】(A)は、抽斗20が装着位置402にある場合の洗浄装置100を示す斜視図、(B)は、抽斗20が筐体10から抜去された状態の洗浄装置100を示す斜視図。
図2】洗浄装置100の筐体10の内部構成を示す斜視図。
図3】(A)は、ホルダ40の正面図、(B)は、同図(A)の線IIIB-IIIBに沿う横断面を上方から見た断面図。
図4】洗浄装置100の構成を示すブロック図。
図5】(A)は、支持部70の正面図、(B)は、噴射部80の後面図。
図6】(A)は、図5(A)の線VIA-VIAに沿う横断面を左方から見た図、(B)は、図5(A)の線VIB-VIBに沿う縦断面を右方から見た図。
図7】(A)は、抽斗20が装着位置402にあるときの左押さえ部714、左連動機構715、右押さえ部716及び右連動機構717の正面図、(B)は、抽斗20が装着位置402にあるときの左押さえ部714及び左連動機構715の左側面図。
図8】(A)は、抽斗20の上端が第5位置408にあるときの左押さえ部714及び左連動機構715の左側面図、(B)は、係合片7153が左ギヤ7142の歯に当接するときの左押さえ部714及び左連動機構715の左側面図。
図9】(A)は、左押さえ棒7141が第2位置405にあるときの左押さえ部714及び左連動機構715の左側面図、(B)は、左押さえ棒7141が第2位置405から第1位置404に移動したときの左押さえ部714及び左連動機構715の左側面図。
図10】(A)は、リリース機構120の上面図、(B)は、リリース機構120の正面図。
図11】抽斗20が装着位置402にあるときのリリース機構120の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る洗浄装置100について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、洗浄装置100(図1参照)が使用可能に設置面200に設置された使用姿勢を基準として上下方向7が定義される。ゴミ溜め30がある側を前方として前後方向8が定義され、洗浄装置100を前方から見て左右方向9が定義される。上下方向7、前後方向8及び左右方向9は、互いに直交している。
【0028】
[洗浄装置100の概要,容器300]
図1に示されるように、洗浄装置100は、容器300(被洗浄容器の一例)の内側を洗浄するための装置であって、筐体10、抽斗20、及びゴミ溜め30を備えている。容器300は、プラスチック製容器包装向けのリサイクル識別表示マークが付された特定容器包装の一種である。容器300は、柔軟性のある樹脂材料で作製され、チューブ状又はボトル状の形状である。容器300は、首部301、胴部302、及び底部303を有しており、半固形状の内容物を貯留する。首部301の先端には、内容物を絞り出すための絞り口304が形成されている。首部301の外周面には、キャップ(図示せず)を取り付けるための螺子305が形成されている。胴部302の先端は、首部301の末端に連続している。底部303は、胴部302の末端を閉じている。内容物は、典型的には、ケチャップ、マヨネーズ、ねりからし又はねりワサビである。
【0029】
[筐体10]
筐体10は、概ね直方体形状であり、上壁11及び前壁12を有している。上壁11には、上向きの開口13(第1開口の一例)が形成されている。前壁12の下端付近には、前向きの開口14が形成されている。開口13,14は、矩形形状である。
【0030】
図1(A)には、縦中心面4が示されている。縦中心面4は、前壁12の左右方向9における中心を通過し、上下方向7及び前後方向8の双方に平行な仮想的な面である。以下、「左右対称」という用語は、縦中心面4を基準として左右方向9に対称であることを意味する。
【0031】
[抽斗20]
抽斗20は、ユーザにより開口13を通じて筐体10内で上下方向7に移動させられる。具体的には、抽斗20は、開口13から筐体10内に挿入され、筐体10内で下方に移動させられて、筐体10内の装着位置402(図1(A)の位置)に到達する。抽斗20は、装着位置402から上方に移動させられて、開口13から抜去される(図1(B)参照)。
【0032】
図2に示されるように、抽斗20は、概ね直方体形状の箱体であり、複数の外壁として、上壁21、後壁22、左壁23及び右壁24を有している。上壁21、後壁22、左壁23及び右壁24により、容器300を収容するための空間25が形成される。抽斗20の前端は、前向きの開口26(第2開口の一例)になっている。抽斗20の下端は、下向きの開口27(第3開口の一例)になっている。開口26,27は、抽斗20の前下隅で連続している。開口26,27は、破線で示されている。図1(A)に示されるように、上壁21は、抽斗20が装着位置402にあるとき、上壁11に対し段差無く互いに平行になる。
【0033】
以下、「抽斗20」という用語は、特に断り書きが無い場合には、筐体10に挿抜される際の姿勢の抽斗20を意味する。
【0034】
[ゴミ溜め30]
図2に示されるように、ゴミ溜め30は、概ね直方体形状の箱体であり、複数の外壁により、洗浄後の容器300を資源ごみとして収容するための空間を区画する。図2に示されるように、ゴミ溜め30の上端は、上向きの開口31になっている。ゴミ溜め30は、ユーザにより、開口14(図1参照)を通じて筐体10内で前後方向に移動させられ、筐体10から抜去される。
【0035】
[洗浄装置100の内部構成]
洗浄装置100は、図3に示されるように、抽斗20内に、ホルダ40(図3参照)を備えている。洗浄装置100は、筐体10(図1参照)内に、カッタ50、ガイド60、支持部70及び噴射部80(図2参照)を備えている。
【0036】
[ホルダ40]
図3に示されるように、ホルダ40は、空間25おいて上壁21付近に位置しており、容器300(図1(B)参照)を支持する。具体的には、ホルダ40は、左筒体41、左バネ42、左挟持部材43、及び左ゴムシート44を有している。なお、左バネ42は、図3(A)には示されていない。
【0037】
左筒体41は、左壁23において右向きの内面231から延出する。左筒体41は、左右方向9において内面231よりも縦中心面4に近い位置まで延びている。左筒体41には、図3(B)に示されるように、内周面413が形成されている。内周面413は、左右方向9に沿う軸芯(図示せず)を有する。左筒体41の右端は、板状のストッパ411により閉塞される。ストッパ411には、貫通孔412が形成されている。貫通孔412は、内周面413の軸芯と同軸であり、内周面413より小径である。
【0038】
左バネ42は、内周面413の内側に、内周面413と同軸となるように配置される。左バネ42は、内周面413と概ね同径の圧縮コイルバネである。
【0039】
左挟持部材43は、左ロッド431及び左当接部材432を有している。左ロッド431において左側の第1部分433は、左バネ42の右端に固定される。左ロッド431において、第1部分433より右側の第2部分434は、貫通孔412より僅かに小径である。第2部分434は、貫通孔412を通じてストッパ411よりも右方に突出している。第2部分434の右端には、左当接部材432が取り付けられている。左ゴムシート44は、左当接部材432の右端に貼り付けられている。左ゴムシート44は、左バネ42が自然長である場合に、縦中心面4より若干左方に位置する。
【0040】
ホルダ40は、右筒体45、右バネ46、右挟持部材47、及び右ゴムシート48を更に有している。右筒体45、右バネ46、右挟持部材47、及び右ゴムシート48は、左筒体41、左バネ42、左挟持部材43、及び左ゴムシート44と左右対称であるため、それぞれの説明を控える。
【0041】
左ゴムシート44及び右ゴムシート48の間の左右方向9における間隔の最小値は、洗浄装置100により洗浄可能な容器300の首部301の最小径より小さい。
【0042】
[カッタ50]
図1(B)に示されるように、カッタ50は、上向きの刃先51を有している。刃先51は、上下方向7において開口13の真下で、開口13の前端及び後端の間で縦中心面4(図1(A)参照)に沿って前後方向8に延びる。図4に示されるように、カッタ50は、超音波カッタであり、例えばセラミック製の振動子52を更に有している。振動子52は、コントローラ90(後述)の制御下で電圧が印加されると、刃先51を振動させるための超音波を発生する。
【0043】
[ガイド60]
図2に示されるように、ガイド60は、左側壁61、右側壁62、後面63、左第1傾斜面64、左第2傾斜面65、左返し板66、右第1傾斜面67、右第2傾斜面68、及び右返し板69を有する。
【0044】
左側壁61は、縦中心面4(図1参照)よりも左方で縦中心面4と平行に拡がる薄い隔壁である。詳細には、左側壁61は、上下方向7には開口13(図1参照)の直下から下方へと拡がり、前後方向8には開口13の前端及び後端の間で拡がる。左側壁61の後端は、開口13の後端から前方に、抽斗20の後壁22の厚さ分だけ離れている。
【0045】
右側壁62は、左側壁61と左右対称である。後面63は、左側壁61及び右側壁62の後端同士を接続し、上下方向7及び左右方向9に平行な面である。
【0046】
左側壁61の左側面は、開口13(図1参照)の左端から右方に、抽斗20の左壁23から離れている。後面63は、開口13の後端から前方に、抽斗20の後壁22の厚さ分だけ離れている。これにより、抽斗20は、左側壁61、右側壁62及び後面63の外側でこれらに沿って上下方向7に移動可能になる。左側壁61及び右側壁62には、抽斗20とともに上下方向7に移動する左筒体41及び右筒体45と干渉しないように、左切り欠き612及び右切り欠き621が形成されている。
【0047】
左第1傾斜面64(第1傾斜面の一例)は、上下方向7において、前後方向8に延びる刃先51の直下から下向きに拡がる。左第1傾斜面64は、上下方向7において上方の位置ほど左右方向9においてカッタ50の刃先51の近くに位置し、下方の位置ほど左右方向9においてカッタ50の刃先51から離れて位置する。左第1傾斜面64は、下寄りの位置では、平面視で、左第2傾斜面65の右辺から前方に向かって延びつつ左方に向かうように円弧状に湾曲する湾曲部641になっている。
【0048】
左第2傾斜面65(第2傾斜面の一例)は、左右方向9において左側壁61及び左第1傾斜面64の間に位置する平坦面である。左第2傾斜面65は、上下方向7において上方の位置ほど前後方向8において左側壁61の後端(即ち、後面63)の近くに位置し、下方の位置ほど左側壁61の前端の近くに位置する。即ち、左第2傾斜面65は、下方の位置ほど前方に迫り出すように傾斜している。
【0049】
左返し板66は、前方からの平面視で略三角形状であり、左側壁61の前端から右方に向かって延出している。左返し板66は、上下方向7において上方の位置ほど左右方向9において左側壁61の前端の近くに位置し、下方の位置ほど左側壁61の前端から離れて位置する。左返し板66の右下隅は、左第1傾斜面64の左下隅よりも左方に離れている。
【0050】
左側壁61、左第1傾斜面64、左第2傾斜面65、及び左返し板66は、容器300の左分割体306(図2参照)を、支持部70に案内する左ガイド溝を区画する。
【0051】
右第1傾斜面67、右第2傾斜面68、及び右返し板69は、左第1傾斜面64、左第2傾斜面65、及び左返し板66とそれぞれ左右対称であり、容器300の右分割体307(図2参照)を、支持部70へと案内する右ガイド溝を区画する。
【0052】
[支持部70]
図2に示されるように、支持部70は、左吸引面71、左底面72、右吸引面73、右底面74、中央隔壁75、及び傾斜面76を有している。
【0053】
左吸引面71は、左第2傾斜面65及び左返し板66の下端から下方に延出し、上下方向7及び左右方向9に拡がる。左吸引面71は、前方からの平面視で略矩形形状である。左吸引面71の左右方向9における中央部には、図5(A)に示されるように、上下方向7に延びる前向きの左吸排気口711が形成されている。
【0054】
図2に示されるように、左底面72は、平面視で略矩形形状を有しており、左吸引面71の下端から前方に延出し、前後方向8及び左右方向9に拡がっている。左底面72には、少なくとも1つの左排水口721が形成されている。
【0055】
図5(A)に示されるように、右吸引面73は、左吸引面71と左右対称でよく、左吸排気口711に左右対称な右吸排気口731を有する。右底面74は、左底面72と左右対称でよい。右底面74には、少なくとも1つの右排水口741が形成されている。左排水口721及び右排水口741は、設置面200に設けられている排水管(図示せず)と連通する。
【0056】
中央隔壁75は、左右方向9において、左吸引面71及び右吸引面73の間を仕切り、左底面72及び右底面74の間を仕切る。
【0057】
傾斜面76は、左底面72及び右底面74の各前端から前斜め下方に延出し、筐体10のゴミ溜め30の上方に至る。
【0058】
[噴射部80]
図2に示されるように、噴射部80は、略直方体形状の筐体81を有しており、左吸引面71及び右吸引面73の前方に位置する。筐体81は、上下方向7及び左右方向9に拡がる矩形状の後面をノズル面82として有している。ノズル面82は、図5(B)に示されるように、互いに左右対称な左領域83及び右領域84を有する。左領域83には、複数の左ノズル85が上下方向7及び左右方向9に並んでいる。各左ノズル85は、後ろ向きの噴射口を有しており、コントローラ90の制御下で、自身の噴射口から後方へと洗浄液(液体の一例)を噴射する。右領域84には、複数の左ノズル85と左右対称に複数の右ノズル86が設けられている。なお、図5(B)では、単一の左ノズルに参照符号「85」を付しており、単一の右ノズルに参照符号「86」を付している。
【0059】
[左センサ712,右センサ713]
洗浄装置100は、図5(A)に示されるように、複数の左センサ712、及び複数の右センサ713を更に備えている。なお、図5(A)では、単一の左センサに参照符号「712」を付しており、単一の右センサに参照符号「713」を付している。複数の左センサ712は、左吸引面71において、左吸排気口711を除く領域に設けられる。複数の左センサ712の各々は、複数の左ノズル85のいずれかと前後方向8において対向している。複数の右センサ713は、複数の左センサ712と左右対称に設けられる。左センサ712及び右センサ713の各々は、反射型の超音波センサである。各超音波センサは、前方に向けて超音波を発信し、前方にある物体からの反射波を受信する。複数の左センサ712及び複数の右センサ713の各々は、超音波の発信から反射波の受信までの時間をTOF(Time Of Flight)方式により測定し、測定結果を示す信号(以下、「TOF信号」と称する。)をコントローラ90に出力する(図4参照)。
【0060】
[左ダクト111,左ポンプ112,右ダクト113,右ポンプ114]
図6(A)に示されるように、支持部70の後面77には、互いに左右対称な左吸排気口78及び右吸排気口79が形成されている。洗浄装置100は、図6(A)に示されるように、左ダクト111、左ポンプ112、右ダクト113、及び右ポンプ114を備えている。左ダクト111は、左吸排気口711及び左吸排気口78を、空気が流通可能に接続する。実施形態では、左ダクト111は、前後方向8に延びている。左ポンプ112は、吸排気両用ポンプであり、左ダクト111に設けられる。左ポンプ112は、コントローラ90の制御下で、自身の前方及び後方のいずれか一方から空気を吸い込み、いずれか他方へ排出する。左ポンプ112の前方から空気を吸い込む場合、左ダクト111には、左吸排気口711から左吸排気口78への方向の空気流が発生する。左ポンプ112の後方から空気を吸い込む場合、左ダクト111には、左吸排気口78から左吸排気口711への方向の空気流が発生する。右ダクト113は、左ダクト111と左右対称でよく、右ポンプ114は、左ポンプ112と比較すると右ダクト113に設けられる点で相違するだけであるため、それぞれの詳説を控える。
【0061】
[左押さえ部714,左連動機構715,右押さえ部716,右連動機構717]
図7図9に示されるように、洗浄装置100は、左押さえ部714、左連動機構715、右押さえ部716、及び右連動機構717を更に備える。
【0062】
左押さえ部714及び左連動機構715は、互いに協働して、ガイド60から左底面72(図6参照)に落下した左分割体306を左吸引面71に押し付ける。
【0063】
左押さえ部714は、左押さえ棒7141、左ギヤ7142、及び左アーム7143を有している。
【0064】
左押さえ棒7141は、左吸引面71と対向しない第1位置404(図7参照)、及び左吸引面71と対向する第2位置405(図9(A)参照)に移動可能であって、左右方向9に延びている。図7に示されるように、第1位置404では、左押さえ棒7141は、上下方向7において左吸引面71の下端付近に位置し、前後方向8において左吸引面71及び左領域83(図5(B)参照)の間に位置する。図9(A)に示されるように、第2位置405では、左押さえ棒7141は、上下方向7において左吸引面71の上端付近に位置し、前後方向8において第1位置404より左吸引面71の近くに位置する。
【0065】
図7に示されるように、左ギヤ7142は、上下方向7において、装着位置402の抽斗20が有する左壁23の下端より下方に位置する。左ギヤ7142は、左ロッド7151(後述)の直ぐ前方で、左ロッド7151と対向している。この位置で、左ギヤ7142は、左右方向9に平行な軸芯周りに回転可能に筐体10(図1参照)に支持されている。左ギヤ7142の外周面の特定領域(以下、「第1特定領域」と称する。)からは複数の歯が突出している。第1特定領域は、左押さえ棒7141が第1位置404にあるときの左ギヤ7142の外周面において後端から上端までの領域である(図7(B)参照)。
【0066】
左アーム7143は、左押さえ棒7141の左端、及び左ギヤ7142の所定位置の間で直線的に延びる。所定位置は、左押さえ棒7141が第1位置404にあるときの左ギヤ7142の外周面の前端付近である(図7(B)参照)。左アーム7143の一方端及び他方端は、左押さえ棒7141及び左ギヤ7142にそれぞれ固定されている。
【0067】
左連動機構715は、左押さえ部714と協働して、左分割体306を左吸引面71に押し付けるために、左ロッド7151、複数の突起7152及び複数の係合片7153を有している。
【0068】
左ロッド7151は、抽斗20の左壁23と一体であり、左壁23の下端から下方に延びている。
【0069】
複数の突起7152は、左ロッド7151の前面からは前方へ突出しており、上下方向7に間隔をあけて並んでいる。
【0070】
複数の係合片7153は、可撓性を有する樹脂シート等からなる。複数の係合片7153は、図7(B)の二点鎖線の円内に示されるように、左ロッド7151の前面から複数の突起7152の下面に沿って延びており、複数の突起7152の前面より前方に突出する。各係合片7153は、上下方向7に薄くなるように左ロッド7151に固定されているが、突起7152には固定されていない。また、抽斗20が装着位置402にあるとき、最も上側に位置する係合片7153は、上下方向7において左ギヤ7142の下端よりも若干下方に位置する。最も下側の係合片7153は、最も上側に位置する係合片7153から所定距離だけ下方に位置する。所定距離は、左ギヤ7142の外周面において歯が形成される範囲に対応する。また、各係合片7153の前端は、左ギヤ7142の歯に当接するが、各突起7152は、左ギヤ7142の歯先に当接しないように、各係合片7153及び各突起7152の寸法は選ばれている。
【0071】
[リリース機構120]
図10に示されるように、リリース機構120は、左係止部121、左紐122、左筒体123、左バネ124、左ロッド125、左突上ピン126、及び左突起127を備えている。なお、都合上、リリース機構120の構成は、図10以外には示されていない。
【0072】
図10(A)において、左係止部121は、左当接部材432の前端から前方に突出する小片である。左係止部121には、左右方向9に貫通する貫通孔が形成されている。
【0073】
左紐122の一方端は、左係止部121の貫通孔を通じて、左係止部121に固定される。左紐122の他方端は、抽斗20の内面231において左係止部121の左方に固定される。左紐122の長さは、左バネ42(図3参照)が自然長であるときに、最も弛みが少なくなるように選ばれている。
【0074】
左筒体123は、抽斗20の内面231において左筒体41(図3参照)よりも下方の位置で上下方向7に延びている。左筒体123の内周面128は、上下方向7に沿う軸芯を有している。左筒体123の上端は、板状のストッパ129により閉塞され、左筒体123の下端は、板状のストッパ1210により閉塞される。ストッパ1210には、内周面128と同軸で内周面128より小径の貫通孔が形成されている。
【0075】
左バネ124は、内周面128により形成される空間に位置し、内周面128と概ね同径の圧縮コイルバネである。
【0076】
左ロッド125は、左バネ124の下端に固定されており、ストッパ1210の貫通孔を通じてストッパ1210よりも下方へと延びている。
【0077】
左突上ピン126は、第1部分1212、及び第2部分1213を有している。
【0078】
図10(B)に示されるように、第1部分1212は、左紐122の真下に位置する。第1部分1212は、左右方向9において左筒体123より右方に位置する。この位置で、第1部分1212は、上下方向7に沿って延びる。左突上ピン126が左突起127に当接していない場合に、第1部分1212は、上下方向7において第3位置406に位置する。第3位置406では、第1部分1212の上端は、左紐122よりも下方に位置し、第1部分1212の下端は、左筒体123の下端から下方に離れている。
【0079】
図11に示されるように、筐体10が装着位置402にある場合に、第1部分1212は、抽斗20内で第3位置406から第4位置407へと移動する。第4位置407では、第1部分1212の上端は、左紐122よりも上方に位置し、第1部分1212の下端は、左筒体123の下端より若干下方に位置する。
【0080】
図10図11に示されるように、第2部分1213は、第1部分1212の下端、及び左ロッド125の下端の間で左右方向9に延びている。第2部分1213の右端は、第1部分1212の下端に固定されており、第2部分1213の左端は、左ロッド125の下端に固定されている。
【0081】
左突起127は、左側壁61に固定されており、左右方向9において左側壁61及び内面231の間に位置する。左突起127は、第2部分1213の真下に位置する。抽斗20が装着位置402に移動する過程で、左突起127には、第2部分1213が上方から当接する。これにより、左突起127は、左バネ124が左ロッド125を下方に付勢する力に抗して、左突上ピン126を第3位置406(図10(B)参照)から第4位置407(図11参照)に移動させる。第4位置407に到達する過程で、左突上ピン126の上端は、左紐122を上方に突き上げる。その結果、左バネ42が左当接部材432を右方に付勢する力に抗して、左当接部材432は、左紐122により左方へと引っ張られて移動する。
【0082】
リリース機構120は更に、右係止部131、右紐132、右筒体133、右バネ134、右ロッド135、右突上ピン136、及び右突起137を備えている。右係止部131、右紐132、右筒体133、右バネ134、右ロッド135、右突上ピン136、及び右突起137は、左係止部121、左紐122、左筒体123、左バネ124、左ロッド125、左突上ピン126、及び左突起127と左右対称であるため、それぞれの説明を省略する。
【0083】
[コントローラ90、及びその他の構成]
図4に示されるように、洗浄装置100は、コントローラ90、電源スイッチ91、及び接触センサ92を更に備える。
【0084】
コントローラ90は、CPU及びメモリを有している。CPUは、メモリに予め記憶される制御プログラムを、メモリに確保されている作業領域を用いつつ実行する。
【0085】
電源スイッチ91は、図1に示されるように、例えば筐体10の前壁12に位置しており、ユーザ操作に応じてコントローラ90に信号(以下、「操作信号」と称する。)を出力する。
【0086】
接触センサ92は、抽斗20が装着位置402に到達したことに応じてコントローラ90に信号(以下、「位置信号」と称する。)を出力する。
【0087】
[洗浄装置100の動作]
以下、洗浄装置100の動作について説明する。
【0088】
コントローラ90は、電源スイッチ91から操作信号を受信したことに応じて、カッタ50、左センサ712、右センサ713、及び接触センサ92に、不図示の電源回路を通じて駆動電圧を与える。これにより、カッタ50において、振動子52は超音波を発振し、刃先51は振動し始める。左センサ712及び右センサ713の各々は、前方に向けて超音波を出射し始める。左センサ712の混信を避けるため、コントローラ90は、個々の左センサ712を時分割で動作させる。左底面72に左分割体306(図5(A)参照)が無い場合、各左センサ712からのTOF信号は、略同一距離を示す。それに対し、左分割体306が有る場合、左分割体306の直後に位置する左センサ712からのTOF信号は、他の左センサ712からのTOF信号とは異なる距離を示す。複数の右センサ713は、複数の左センサ712と同様に制御される。
【0089】
ユーザは、容器300の絞り口304を空間25内で上向きにした状態で、首部301を左ゴムシート44及び右ゴムシート48の間で前方から後方へと押し込む。首部301の後方への移動に応じて、左バネ42が左挟持部材43を右方に付勢する力に抗して、左挟持部材43は左方へとスライド移動する。右挟持部材47は、左挟持部材43とは逆に右方へとスライド移動する。これにより、ホルダ40は、左挟持部材43及び右挟持部材47により容器300を抽斗20の空間25内で支持する。
【0090】
次に、ユーザは、抽斗20を開口13から筐体10内に挿入する。その後、ユーザは、抽斗20を、筐体10内で装着位置402(図1(A)の位置)に向けて下方へと移動させる。装着位置402に移動する過程で、ホルダ40により支持される容器300の底部303は、振動する刃先51に上方から到達する。刃先51は、容器300に対して上方に相対移動しつつ、振動子52からの超音波により振動しながら底部303、胴部302及び首部301を順次切断する。これにより、カッタ50は、容器300を、左分割体306及び右分割体307(図2参照)に分割する。左分割体306の内面は、刃先51により切断された直後は左向きである。
【0091】
ガイド60、支持部70及び噴射部80の各々は、左右対称な形状を有する。そのため、以下では、ガイド60、支持部70及び噴射部80の各々において、縦中心面4より左側の構成の作用や機能について説明し、右側については説明を簡素化又は省略する。
【0092】
容器300は、左分割体306に分割される過程で、底部303及び胴部302の順番で、左第1傾斜面64及び左第2傾斜面65に当接する。左第1傾斜面64の湾曲部641は、前方に向かって延びつつ左方へと円弧状に湾曲し、左第2傾斜面65は、下方に向かって延びつつ前方へと迫り出している。このような形状により、ガイド60は、左第1傾斜面64及び左第2傾斜面65により左分割体306を案内しつつ、左分割体306に、湾曲部641により左斜め後ろ向きの当接力を加え、左第2傾斜面65により前斜め上向きの当接力を加える。その結果、左分割体306は、湾曲部641及び左第2傾斜面65に当接した後に、上方からの平面視で時計回りに回転させられて、右斜め前方に向けられる。左返し板66は、左第1傾斜面64及び左第2傾斜面65の下端付近で左分割体306の外面に左方から当接する。これにより、左分割体306が回転し過ぎて、左分割体306がホルダ40から脱落することを防止する。
【0093】
上下方向7において、左挟持部材43及び右挟持部材47が刃先51を上方から下方へと通過する過程で、左突起127に第2部分1213が上方から当接することで左突起127は、左突上ピン126を第3位置406から第4位置407へと移動させる。第4位置407に到達する過程で、左突上ピン126の上端が左紐122を上方に突き上げることにより、左挟持部材43は、左紐122により左方へと引っ張られて移動する。右挟持部材47は、左挟持部材43と略同じタイミングで右方に移動する。これにより、リリース機構120は、左分割体306及び右分割体307を、左挟持部材43及び右挟持部材47の間からリリースする。
【0094】
左分割体306は、左挟持部材43及び右挟持部材47の間からリリースされ、且つ左第1傾斜面64及び左第2傾斜面65を通過した後、支持部70の左底面72上へと落下する。支持部70は、左底面72により左分割体306の底部303に当接し、左分割体306の内面が右斜め前方を向いた状態で支持する。支持部70は、左吸引面71及び中央隔壁75により左分割体306が倒れないように支持する。
【0095】
コントローラ90は、左センサ712の各々からのTOF信号に基づいて、左分割体306が左吸引面71の前方に位置することを認識したことに応じて、電源回路を通じて左ポンプ112に駆動電圧を与える。左ポンプ112は、駆動電圧により駆動されて前方から空気を吸い込む。
【0096】
抽斗20が装着位置402に移動する過程で、抽斗20の上端は、図8(A)に示されるように、装着位置402より上方の第5位置408に到達する。抽斗20が第5位置408にあるとき、左分割体306は、左底面72により支持されている。抽斗20の上端が第5位置408の通過した後、左連動機構715において最も下側の係合片7153が、左ギヤ7142において最も後ろ側の歯に上方から当接する。係合片7153は、突起7152の下面に沿っているため、左ギヤ7142の歯に上方から当接する場合には、殆ど撓むことなく左ギヤ7142の軸芯を基準として左方からの平面視で反時計回りに回転させる。以降、図8(B)に示されるように、抽斗20の下方への移動に応じて、左連動機構715における係合片7153が順次左ギヤ7142の歯に上方から当接することで、左ギヤ7142を回転させる。これにより、左押さえ棒7141は、図9(A)に示されるように、第1位置404(図7参照)から第2位置405へと移動する。左押さえ棒7141は、第2位置405へと移動する過程で、左分割体306の切断面に前方から当接して、左分割体306を後方へと左吸引面71に当接するまで移動させる。上記の通り、左ポンプ112は、前方から空気を吸い込んでいるため、左分割体306を左吸引面71に吸着させる。
【0097】
図9(B)に示されるように、左連動機構715における最も上位の係合片7153が左ギヤ7142の歯に上方から当接した後、いずれの係合片7153も左ギヤ7142の歯に係合しなくなる。その結果、左押さえ棒7141は、自重により第2位置405(図9(A)参照)から第1位置404に戻る。
【0098】
コントローラ90は、接触センサ92からの位置信号により、抽斗20が装着位置402に到達したことを認識すると、左センサ712の各々からのTOF信号により、左分割体306の直後に位置する左センサ712を特定する。これにより、上下方向7及び左右方向9において左分割体306が占める領域(以下、「第2特定領域」と称する。)が特定される。コントローラ90は更に、第2特定領域内に位置する複数の左ノズル85の内、最も上側の左ノズル85から下側に位置する左ノズル85へと順次切り替えながら洗浄液を噴射する。
【0099】
コントローラ90は、最も下側に位置する左ノズル85から洗浄液を噴射させた後、電源回路を通じて左ポンプ112に駆動電圧を与える。左ポンプ112は、駆動電圧により駆動されて後方から空気を吸い込んで前方に排出することにより、左ダクト111の左吸排気口711から空気を吐出させる。この空気流により、左分割体306には前方への力が加わり、傾斜面76(図2参照)を滑り落ちて、ゴミ溜め30内に開口31から落下する。
【0100】
[洗浄装置100の作用効果]
実施形態の洗浄装置100によれば、噴射部80は、内面が前向きの左分割体306及び右分割体307を支持部70が支持した状態で、前方から洗浄液を噴射する。これにより、左分割体306及び右分割体307の内面が洗浄される。これにより、容器300の内容物を良好に洗い落とすことができる。
【0101】
実施形態では、左第1傾斜面64及び左第2傾斜面65の形状と、左押さえ部714及び左連動機構715により、左分割体306の向きを右向きから前向きに変える。右第1傾斜面67及び右第2傾斜面68の形状と、右押さえ部716及び右連動機構717により、右分割体307の向きを左向きから前向きに変える。即ち、分割体の向きを変えるためにモータを使用する必要がない。これにより、洗浄装置100の製造コストが抑制される。
【0102】
左ノズル85及び右ノズル86からの洗浄液(即ち、噴流)により、左分割体306及び右分割体307の内容物は、吹き飛ばされる。実施形態では、左ノズル85及び右ノズル86の各々において、下側に位置するものは、上側に位置するものより後に洗浄液を噴射する。そのため、上方に吹き飛ばされる内容物の量が低減し、当該内容物が容器300に再付着することが抑制される。
【0103】
また、全ての左ノズル85のうち、第2特定領域に位置する左ノズル85だけが洗浄液を噴射する。右ノズル86も同様である。そのため、左分割体306及び右分割体307の内面に当たらない洗浄液の噴射が防止される。
【0104】
[変形例]
実施形態では、左センサ712及び右センサ713は、超音波センサであるとして説明した。しかし、これに限らず、左センサ712及び右センサ713としては、赤外線センサや光センサ等、物体を検出可能なセンサを適用可能である。
【符号の説明】
【0105】
100・・・洗浄装置
10・・・筐体
13,26,27・・・開口
20・・・抽斗
40・・・ホルダ
41,45・・・左筒体,右筒体
42,46・・・左バネ,右バネ
43,47・・・左挟持部材,右挟持部材
50・・・カッタ
51・・・刃先
60・・・ガイド
64,65・・・左第1傾斜面,左第2傾斜面
66,69・・・左返し板,右返し板
67,68・・・右第1傾斜面,右第2傾斜面
70・・・支持部
71,73・・・左吸引面,右吸引面
80・・・噴射部
85,86・・・左ノズル,右ノズル
90・・・コントローラ
120・・・リリース機構
231・・・内面
300・・・容器
306,307・・・左分割体,右分割体
712,713・・・左センサ,右センサ
714,716・・・左押さえ部,右押さえ部
715,717・・・左連動機構,右連動機構
図1
図2
図3
図4
図5
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図9
図10
図11