(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110565
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】間仕切り装置
(51)【国際特許分類】
E04B 2/74 20060101AFI20230802BHJP
【FI】
E04B2/74 561G
E04B2/74 561A
E04B2/74 561D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022012092
(22)【出願日】2022-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】小塩 亜衣子
(72)【発明者】
【氏名】服部 真二
(72)【発明者】
【氏名】居嶋 正幸
(72)【発明者】
【氏名】島本 昌晃
(57)【要約】
【課題】手軽に取り付け及び使用可能な間仕切り装置を提供すること。
【解決手段】間仕切り装置1は、室内の壁面200に取り付けられる支持部2と、一端が支持部2に回転可能に連結され、支持部2に対して折り畳み可能なアーム部3と、アーム部3に保持され、空間を間仕切り可能な間仕切り部材50と、を備える。間仕切り部材50は、巻き取り可能なシート状部材であり、アーム部3は、シート状部材を巻き取る軸部35を有することが好ましい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の壁面に取り付けられる支持部と、
一端が前記支持部に回転可能に連結され、前記支持部に対して折り畳み可能なアーム部と、
前記アーム部に保持され、空間を間仕切り可能な間仕切り部材と、を備える、間仕切り装置。
【請求項2】
前記間仕切り部材は、巻き取り可能なシート状部材であり、
前記アーム部は、前記シート状部材を巻き取る軸部を有する、請求項1に記載の間仕切り装置。
【請求項3】
前記支持部は、前記壁面に設けられ略水平方向に延びるレール部に移動可能に係合する、請求項1又は2に記載の間仕切り装置。
【請求項4】
前記アーム部は、
一端が前記支持部に回転可能に連結され、前記支持部に対して折り畳み可能な第1アーム部と、
前記第1アーム部の他端に一端が回転可能に連結され、前記第1アーム部に対して折り畳み可能な第2アーム部と、を有し、
前記間仕切り部材は、
前記第1アーム部に保持される第1間仕切り部材と、
前記第2アーム部に保持される第2間仕切り部材と、を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の間仕切り装置。
【請求項5】
前記アーム部は、
前記第2アーム部の他端に一端が回転可能に連結され、前記第2アーム部に対して折り畳み可能な第3アーム部をさらに有し、
前記間仕切り部材は、
前記第3アーム部に保持される第3間仕切り部材をさらに有する、請求項4に記載の間仕切り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、間仕切り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内等の空間で、必要な時にのみ空間を仕切りたい場合がある。このような場合に、空間が方形となるように四枚のスクリーンを天井部に取り付け、このスクリーンを昇降させることにより他の空間からスクリーン内の空間を仕切る間仕切り装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スクリーンを天井部に取り付けるための工事が必要となり、手軽に取り付けることが難しかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、室内の壁面に取り付けられる支持部と、一端が前記支持部に回転可能に連結され、前記支持部に対して折り畳み可能なアーム部と、前記アーム部に保持され、空間を間仕切り可能な間仕切り部材と、を備える、間仕切り装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態の間仕切り装置を開いた状態を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態の間仕切り装置を開く途中の状態を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態の間仕切り装置を折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【
図4A】第2実施形態の間仕切り装置の使用例の模式図である。
【
図4B】第2実施形態の間仕切り装置の使用例の模式図である。
【
図5A】第3実施形態の間仕切り装置の使用例の模式図である。
【
図5B】第3実施形態の間仕切り装置の使用例の模式図である。
【
図6】第4実施形態の間仕切り装置の使用例の模式図である。
【
図7A】第5実施形態の間仕切り装置の使用例の模式図である。
【
図7B】第5実施形態の間仕切り装置の使用例の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の第1実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。間仕切り装置1は、室内の壁面200の上部に設けられたレール部としての吊レール4に取り付けられ、室内の空間を仕切る装置である。
【0008】
先に、吊レール4について説明する。
図1に示すように、吊レール4は、室内の壁面200に、長押のように配置され、使用される。吊レール4は、後述する間仕切り装置1を折り畳み可能にするために、二本の吊レール4が上下に並んで配置されている。吊レール4は、レール本体41と、溝部42と、を有する。
【0009】
レール本体41は、壁面200の上部に延設され、略水平方向に延びて配置される長尺の部材である。レール本体41は、室内側に面する表面41aと、壁面200に当接する裏面41bと、上面41dと、下面41cと、を有する。溝部42は、レール本体41の上面41d及び下面41cから、レール本体41の上下方向の中央側に向かって窪む凹部により構成される。溝部42は、レール本体41の延出方向に沿って延びて形成される。
【0010】
次に間仕切り装置1について説明する。
図1に示すように、間仕切り装置1は、支持部2と、アーム部3と、ロールスクリーン5と、を有する。
【0011】
支持部2は、室内の壁面200の上部に取り付けられ、後述するアーム部3及びロールスクリーン5の荷重を支持する部材である。支持部2は、
図1~
図3に示すように、二本配置されている吊レール4の上側に一つ、下側に一つ、取り付けられている。支持部2は、基台部21と、スライドレール22と、スライド連結部23と、接続部24と、を有する。
【0012】
基台部21は、略水平方向に延びるように配置される長尺の部材である。基台部21は、壁面200側が開放された断面視略コの字状の形状を有する。詳細には、基台部21は、室内側表面211と、基台部側壁部212と、係合端部213とを有し、室内側表面211が略コの字の底面側に位置する。基台部側壁部212は、室内側表面211の上端及び下端から壁面200に向かって延びる。係合端部213は、基台部側壁部212の先端から互いに向かって近づくように屈曲し、コの字の開口を閉じる方向に延びる。係合端部213は、吊レール4の上下の端部に形成される溝部42に係合する。これにより基台部21は、吊レール4をスライド可能に取り付けられ、支持部2が吊レール4に移動可能に係合する。
【0013】
スライドレール22は、基台部21の室内側表面211に固定される。スライドレール22は、基台部21と反対に室内側が開放された断面視略コの字状の形状を有する。スライドレール22は、凹部220を有し、凹部220は、スライド底面部221及び一対のスライド側壁部222で構成される。スライド底面部221は、基台部21の室内側表面211に当接して固定され、基台部21に沿って延びる。スライド側壁部222は、スライド底面部221の上端及び下端から、室内側に向かって起立する。スライド底面部221及びスライド側壁部222の内面には、後述するスライド連結部23と係合可能な連結レールが配置されている。
【0014】
スライド連結部23は、縦長の部材であり、一端が、スライドレール22の凹部220内に係合しながらスライドする。スライド連結部23は、他端が後述するアーム部3に接続され、支持部2とアーム部3が接続される端部の近傍を、斜めに連結する。スライド連結部23は、凹部220内の連結レールに係合可能なスライド部材231が設けられており、スライド部材231が凹部220内を移動する。
【0015】
接続部24は、後述するアーム部3を回転可能に接続する部分であり、固定部241と、ヒンジ部242と、を有する。固定部241は、基台部21に固定される。ヒンジ部242は、固定部241の端部に設けられた円筒状の軸通孔と、軸通孔内を挿通するとともにアーム部3を接続する軸部とを有し、アーム部3を支持部2に対して回転可能に接続する。
【0016】
アーム部3は、一端が支持部2に回転可能に連結され、支持部2に対して折り畳み可能な長尺の部材である。第1実施形態では、アーム部3は、第1アーム部31及び第2アーム部32を有する。第1アーム部31は、支持部2に連結される。第2アーム部32は、一端が第1アーム部31の他端に回転可能に連結され、第1アーム部31に対して折り畳み可能に接続される。アーム部3は、上段に配置された支持部2に接続されたアーム部3の第2アーム部32と、下段に配置された支持部2に接続されたアーム部3の第2アーム部32とが、開いた状態で隣接するように配置されている。詳細には、
図1に示すように、上段に配置された第2アーム部32の端部と、下段に配置された第2アーム部32の端部とは、上下にずれるとともに左右方向に部分的に重なっている。
【0017】
第1アーム部31及び第2アーム部32のそれぞれは、アーム本体33と、アーム接続部36と、凹部34と、軸部としてのアーム軸部35と、アームスライド連結部38と、を有する。
【0018】
アーム本体33は、
図2~
図3に示すように、支持部2に対して折り畳み可能に配置される長尺の部材である。凹部34は、アーム本体33における、アーム部3を折り畳む際に内側になる面に形成される。凹部34の構成は、スライドレール22の凹部220の構成と同様である。凹部34は、断面視略コの字状の形状を有し、アーム底面部341及び一対のアーム側壁部342を有する。凹部34には、スライド連結部23の他端が接続される。
図1に示すように、第1アーム部31と支持部2との連結においては、スライド連結部23の一端がスライドレール22の凹部220を移動する一方、スライド連結部23の他端は、凹部34内に固定されている。アーム部3の凹部34とスライドレール22の凹部220とをスライド連結部23がスライドすることで、アーム部3を支持部2に対して安定して開閉することができる。
【0019】
アーム接続部36は、第1アーム接続部361と、第2アーム接続部362と、を有する。第1アーム接続部361は、第1アーム接続部本体3611と、回転軸部3612とを有する。第1アーム接続部本体3611は、第1アーム部31の支持部2側の端部に配置され、支持部2と連結される部品である。第1アーム接続部本体3611は、
図3に示すように、第1アーム部31を支持部2に対して折り畳んだときに、支持部2と第1アーム部31とが重なるとともに、折り畳んだ第1アーム部31と支持部2との間に、後に説明する折り畳んだ第2アーム部32を配置可能な厚さを有する。回転軸部3612は、支持部2の接続部24におけるヒンジ部242と同芯に軸部が挿通し、第1アーム部31を支持部2に対して回転可能に連結する。
【0020】
第2アーム接続部362は、第2アーム接続部本体3621と、回転軸部3622と、を有する。第2アーム接続部本体3621は、第1アーム部31の第2アーム部32側の端部に配置され、第2アーム部32と連結される部品である。第2アーム接続部本体3621は、
図1に示すように、第2アーム部32を開いた状態では、第1アーム部31の端部から突出している。第2アーム接続部本体3621は、
図3に示すように、第2アーム部32を第1アーム部31に対して折り畳んだ時に、重なった第1アーム部31と第2アーム部32との厚さを足した分の厚みを有する。回転軸部3622は、第2アーム接続部本体3621の第2アーム部32側に配置される。回転軸部3622は、第2アーム部32の一端側に形成された軸孔と同芯に軸部が挿通し、第2アーム部32を第1アーム部31に対して回転可能に連結する。
【0021】
アームスライド連結部38は、支持部2のスライド連結部23と同様の部品である。第1アーム部31と第2アーム部32との連結においては、第1アーム部31の凹部34内に後述するアームスライド連結部38の一端がスライド可能に連結され、他端が第2アーム部32の凹部34内に固定されている。アームスライド連結部38が凹部34内をスライドすることで、第2アーム部32を第1アーム部31に対して安定して開閉することができる。
【0022】
アーム軸部35は、アーム本体33と略平行に延び、アーム本体33の下側に配置される。アーム軸部35は、後述する間仕切り部材50を巻き取るパイプ状の部材である。アーム軸部35はアーム本体33に対して巻き取り動作のため、回転可能に配置される。アーム軸部35は、ブラケット35aを介してアーム本体33に固定されている。
【0023】
ロールスクリーン5は、アーム部3に設けられ、必要に応じて昇降することでアーム部3の下方に配置される空間を仕切る。ロールスクリーン5は、アーム軸部35と、間仕切り部材50と、昇降機構54と、を有する。
【0024】
間仕切り部材50は、アーム部3に保持され、室内の空間を仕切ることが可能な部材である。間仕切り部材50は、具体的にはシート状部材であり、剛性の低い布状の素材で構成される。間仕切り部材50は、アーム軸部35を回転させることで下垂させたり巻き取ったりすることが可能に巻き掛けられている。間仕切り部材50には、アーム軸部35を回転させるための操作紐55が設けられており、操作紐55を操作することで間仕切り部材の昇降操作が行われる。間仕切り部材50は、第1アーム部31に保持される第1間仕切り部材51と、第2アーム部32に保持される第2間仕切り部材52と、を有する。昇降機構54は、アーム軸部35の内部に配置されるコイルばねや軸受け等を含み、操作紐55と連動してアーム軸部35を回転させる。昇降機構54は公知の機構を用いてよい。
【0025】
図1~
図3を参照して、間仕切り部材50の使用方法について説明する。
図3に示すように、間仕切り装置1を使用しないときは、第2アーム部32を第1アーム部31の内面側に沿うように折り畳んだ状態で、第1アーム部31を支持部2に沿うように折り畳んである。折り畳み状態では、間仕切り部材50はアーム軸部35に巻かれて、アーム部3の下方に配置されている。
図2に示すように、使用時には、第1アーム部31を支持部2に対して略垂直方向になるように開く。
図2では、まだ第2アーム部32が第1アーム部31に対して折り畳まれた状態である。
図2の状態から、
図1に示すように、第2アーム部32を第1アーム部31に対して略垂直に、支持部2に対向するように開く。開いた後で、第1アーム部31及び第2アーム部32に設けられている間仕切り部材50を、アーム軸部35を回転させて下垂させる。これにより、室内の空間を仕切ることができる。
【0026】
第1実施形態によれば、以下の効果が奏される。間仕切り装置1を、室内の壁面200に取り付けられる支持部2と、一端が支持部2に回転可能に連結され、支持部2に対して折り畳み可能なアーム部3と、アーム部3に保持され、空間を間仕切り可能な間仕切り部材50と、を含んで構成した。間仕切り部材50が、壁面200に取り付けられた支持部2に連結されたアーム部3に保持されているので、間仕切り部材50を天井に取り付ける等、大規模な工事を行わなくても支持部2を壁面200に取り付けるだけで間仕切り部材50を配置することができる。
【0027】
第1実施形態によれば、間仕切り部材50を、巻き取り可能なシート状部材により構成し、アーム部3を、シート状部材を巻き取るアーム軸部35を含んで構成した。シート状部材の間仕切り部材50をアーム部3のアーム軸部35に巻き取って収納することができる。このため、屏風等と違い、片付けに場所を移動させる必要がなく、空間の仕切りを容易に行うことができる。また、巻き取りの長さを調節することで、部分的に開口したりすることもできる。
【0028】
第1実施形態によれば、支持部2を、壁面200に設けられ略水平方向に延びる吊レール4に移動可能に係合させた。支持部2が吊レール4に沿って移動可能に構成されているので、間仕切り装置1を展開させる位置を室内で移動させることが可能になる。
【0029】
第1実施形態によれば、アーム部3を、一端が支持部2に回転可能に連結され、支持部2に対して折り畳み可能な第1アーム部31と、第1アーム部31の他端に一端が回転可能に連結され、第1アーム部31に対して折り畳み可能な第2アーム部32と、を含んで構成した。間仕切り部材50を、第1アーム部31に保持される第1間仕切り部材51と、第2アーム部32に保持される第2間仕切り部材52と、を含んで構成した。第1アーム部31と第2アーム部32を有するアーム部を、開いた状態で第2アーム部32の端部が隣接するように取り付けることで、間仕切り装置1により仕切られる空間が一面を壁面200、三面を間仕切り部材50で囲われた方形の空間とすることができる。これにより、部屋に近い閉じられた空間を形成することができるので、利便性が高まる。
【0030】
本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。アーム部の数や配置は、自由に設計してよい。
図4A及び
図4Bには、第2アーム部32の回転可能な範囲を略180度に構成した第2実施形態に係る間仕切り装置1Aを模式的に示す。第2実施形態では、アーム部3を、一本のみ壁面200に取り付ける。
図4A及び
図4Bに示すように、第2アーム部32Aを開く方向を変更することで、同じ室内空間内の滞在領域を変更することができる。説明の便宜のため、滞在領域には、椅子6を図示している。例えば、勉強する空間と、遊ぶ空間等へ変更することができる。一本のアーム部3を略L字状に開く構成により、広いリビングと勉強や仕事の区間に分けたり、店舗等で更衣室を仕切ったり、オフィス等で電話をする空間等を自在に区切ることができる。さらに、略L字型に開くアーム部3Aを複数配置して、それぞれをL字型に開くように配置すれば、自習室や図書館等で、一人で使用する空間を複数形成することも可能になる。
【0031】
図5A及び
図5Bは、支持部2に対して第1アーム部31Bのみを接続した第3実施形態に係る間仕切り装置1Bを模式的に示す。
図5Aに示すように、第3実施形態では、背面側が開口となるものの、より簡易な方法で大きな空間を複数の個人空間に分けることが可能となる。例えば、テーブル7が壁面200に対して連続して配置されているような飲食店でも、隣席との仕切りを容易に設置することができる。
【0032】
図5Bに示すように、垂直方向に延びる二つの壁面200にそれぞれアーム部3Bを一本配置してもよい。入隅部で壁面200に取り付けたアーム部Bと、他方の壁面200に取り付けたアーム部3Bとを、二つで略L字型となるように開いて空間を仕切ってもよい。
図5Bの配置によれば、壁面200にかかる荷重が第1アーム部31Bのみで済む。このため、壁面200への負荷を低減することができ、壁面200の強度が高くない場合に好適である。
【0033】
図6は、第1アーム部31Cに対して、2本の第2アーム部32Bが接続された第4実施形態に係る間仕切り装置1Cを模式的に示す。第4実施形態によれば、室内自体が狭い場合に、容易に空間を仕切ることが可能になる。
【0034】
図7A及び
図7Bは、第5実施形態に係る間仕切り装置1Dを模式的に示す。間仕切り装置1Dでは、第2アーム部32Dの他端に一端が回転可能に連結され、第2アーム部32Dに対して折り畳み可能な第3アーム部37が設けられている。第3アーム部37は、第3間仕切り部材53を保持している。
図7A及び
図7Bでは、隣接して配置された第1アーム部31D及び第2アーム部32Dを、一本の第3アーム部37で連結するように構成されている。第3アーム部37は、第2アーム部32Dの他端に設けられた第3アーム接続部363により、第2アーム部32Dに接続される。第3アーム接続部363の構成は、第2アーム接続部362と同様である。
【0035】
図7Bに示すように、正面視で一方側に配置されている第1アーム部31D及び第2アーム部32Dの間の第2アーム接続部362と、他方側に配置されている第1アーム部31D及び第2アーム部32Dの間の第2アーム接続部362とを、互いに近づくように第1アーム部31D及び第2アーム部32Dを畳む。これにより、壁面200を一面とする方形の作業空間をワンタッチで閉じたり開いたりすることができる。なお、第5実施形態の変形例として第3アーム部37を二本設け、それぞれの第2アーム部32Dに連結してもよい。間仕切り装置1Dを設置する空間が広く、壁面200の強度が高い場合、アーム部を構成する部品の数を増やすことで、空間を仕切る構成を多様にすることができる。
【0036】
上記実施形態では、間仕切り部材50は、アーム軸部35に固定された構成を説明した。しかし、間仕切り部材は、アーム軸部に対して簡易に脱着可能に取り付けてもよい。脱着可能な間仕切り部材を、複数の寸法で用意し、必要に応じて間仕切り部材のシートの丈や、アーム軸部に沿う方向の長さを変えたものを付け替えるように構成してもよい。
【0037】
第1実施形態では、間仕切り装置1を吊レール4に取り付けている構成を説明した。しかし、間仕切り装置は、壁面に固定してもよい。第2~第5実施形態の説明において、間仕切り装置を吊レールに設置しているか、壁面に固定しているかについて明記していないが、いずれであってもよい。吊レールに、電線を設けて、通電可能な通電吊レールとしてもよい。吊レールを通電吊レールにより構成することで、間仕切り部材がモーターで巻き取られる場合等に、電力の供給が容易になる。
【0038】
間仕切り装置は、間仕切り部材により仕切られた空間を照らすように、照明装置を有していてもよい。間仕切り装置が照明装置を有している場合に、照明装置は、LED電球を電線に接続したものであってよい。吊レールを通電吊レールとした場合には、照明への電力の供給が容易となって利便性が高まる。
【符号の説明】
【0039】
1 間仕切り装置、 2 支持部、 3 アーム部、 4 吊レール(レール部)、 31 第1アーム部、 32 第2アーム部、 35 軸部(アーム軸部)、 37 第3アーム部、 50 間仕切り部材、 51 第1間仕切り部材、 52 第2間仕切り部材、 53 第3間仕切り部材、 200 壁面