(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110583
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】バッテリケース
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20190101AFI20230802BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20230802BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20230802BHJP
H01M 10/6551 20140101ALI20230802BHJP
【FI】
B60K1/04
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/6551
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022012122
(22)【出願日】2022-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】林 克樹
(72)【発明者】
【氏名】宇野 貴昭
【テーマコード(参考)】
3D235
5H031
【Fターム(参考)】
3D235AA02
3D235BB36
3D235CC15
3D235DD35
3D235FF09
3D235HH26
5H031KK01
(57)【要約】
【課題】バッテリの放熱を促進する。
【解決手段】バッテリケースは、車両の下部に搭載されるよう構成され、ケース部と、第1及び第2放熱部とを備える。ケース部は、車両の車幅方向において対面する第1及び第2側部を有し、第1及び第2側部の間に少なくとも1つの電池セルが配置されるよう構成される。第1及び第2放熱部は、第1及び第2側部の各々に設けられる。第1及び第2放熱部の各々は、車両における車幅方向の端部又はその付近に位置する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の下部に搭載されるよう構成されたバッテリケースであって、
前記バッテリケースが前記車両に搭載された際に前記車両の車幅方向において対面する第1及び第2側部を有し、前記第1及び第2側部の間に少なくとも1つの電池セルが配置されるよう構成されたケース部と、
前記第1及び第2側部の各々に設けられる第1及び第2放熱部と、を備え、
前記第1及び第2放熱部の各々は、前記車両における前記車幅方向の端部又はその付近に位置する
バッテリケース。
【請求項2】
請求項1に記載のバッテリケースであって、
前記第1及び第2放熱部の各々は、前記車両における前記車幅方向の端部側に突出し、衝撃を吸収するよう構成された複数の突出部を有する
バッテリケース。
【請求項3】
請求項2に記載のバッテリケースであって、
前記複数の突出部の少なくとも一部における先端を含む部分は、当該突出部の突出方向とは異なる方向に曲がる先端部として構成されている
バッテリケース。
【請求項4】
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載のバッテリケースであって、
前記複数の突出部の少なくとも一部は、扁平な形状であり、当該突出部の突出方向に直交する断面が前記車両の前後方向に対し傾斜するか、又は、曲がった形状となるよう構成されている
バッテリケース。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載のバッテリケースであって、
前記第1放熱部は、前記第1側部を挟んで前記電池セルの電極に対面するよう構成されており、
前記第2放熱部は、前記第2側部を挟んで前記電池セルの電極に対面するよう構成されている
バッテリケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に搭載され、バッテリを収容するバッテリケースに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒートシンクを備える車載用のバッテリが知られている。一例として、特許文献1の可搬バッテリは、車両における車幅方向の端部に搭載されると共に、車両への搭載時には、ヒートシンクにおけるフィンが、車両の側面に向かって突出した状態となる。これにより、車両の走行により生じる走行風がフィンに当り易くなり、ヒートシンクによる放熱が促進される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、バッテリの大型化等に伴い、特許文献1に開示された技術では、バッテリの放熱が不十分となる恐れがある。
本開示の一態様では、バッテリの放熱を促進することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、車両の下部に搭載されるよう構成されたバッテリケースであって、ケース部と、第1及び第2放熱部と、を備える。ケース部は、バッテリケースが車両に搭載された際に車両の車幅方向において対面する第1及び第2側部を有し、第1及び第2側部の間に少なくとも1つの電池セルが配置されるよう構成される。第1及び第2放熱部は、第1及び第2側部の各々に設けられる。第1及び第2放熱部の各々は、車両における車幅方向の端部又はその付近に位置する。
【0006】
上記構成によれば、バッテリケースが搭載された車両の走行により生じる風(以後、走行風)が、第1及び第2放熱部に衝突し易くなり、第1及び第2放熱部が冷却され易くなる。したがって、バッテリの放熱を促進できる。
【0007】
本開示の一態様では、第1及び第2放熱部の各々は、車両における車幅方向の端部側に突出し、衝撃を吸収するよう構成された複数の突出部を有してもよい。
上記構成によれば、車両における車幅方向の端部(以後、側面)に物体が衝突した際、複数の突出部により衝撃を吸収できる。このため、電池セルの損傷を抑制することができる。
【0008】
本開示の一態様では、複数の突出部の少なくとも一部における先端を含む部分は、当該突出部の突出方向とは異なる方向に曲がる先端部として構成されていてもよい。
上記構成によれば、車両の側面に物体が衝突した際、複数の突出部に加えられた衝撃を、先端部が曲がる方向に逃がすことができる。このため、該衝撃が、バッテリケースに収容されている電池セルに加えられるのを抑制できる。
【0009】
本開示の一態様では、複数の突出部の少なくとも一部は、扁平な形状であり、当該突出部の突出方向に直交する断面が車両の前後方向に対し傾斜するか、又は、曲がった形状となるよう構成されていてもよい。
【0010】
上記構成によれば、複数の突出部の間に形成された隙間を走行風が通過する際に、走行風が各突出部に衝突し易くなる。このため、複数の突出部からの放熱が促進される。
本開示の一態様では、第1放熱部は、第1側部を挟んで電池セルの電極に対面するよう構成されていてもよい。第2放熱部は、第2側部を挟んで電池セルの電極に対面するよう構成されていてもよい。
【0011】
上記構成によれば、電池セルの電極を良好に冷却できる。このため、電池セルを好適に冷却でき、電池セルの劣化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】バッテリにおける車両の側面付近の部分の説明図である。
【
図4】第2放熱部における複数の突出部を、車幅方向に視認した際の説明図である。
【
図5】変形例の第1放熱部における複数の突出部を、前後方向に視認した際の説明図である。
【
図6】変形例の第1放熱部における複数の突出部を、前後方向に視認した際の説明図である。
【
図7】変形例の第1放熱部における複数の突出部を、前後方向に視認した際の説明図である。
【
図8】変形例の第2放熱部における複数の突出部を、車幅方向に視認した際の説明図である。
【
図9】変形例の第2放熱部における複数の突出部を、車幅方向に視認した際の説明図である。
【
図10】変形例の第2放熱部における複数の突出部を、車幅方向に視認した際の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0014】
[1.バッテリの構成]
本実施形態のバッテリ1は、例えばEV等の車両に搭載される(
図1、2参照)。バッテリ1は、例えば、該車両を走行させるためのモータに電力を供給しても良いし、モータ以外の部品に電力を供給しても良い。また、バッテリ1は、EV以外の車両に搭載されても良い。
【0015】
バッテリ1は、バッテリケース2と、複数の電池セル3とを備え、車両の下部に搭載される。本実施形態では、バッテリ1は、一例として、車両における底部を構成する部分の内部に配置される。具体的には、バッテリ1は、車両における座席の下方のフロアを構成するフロアパネル52と、車両の底面を構成する底面パネル53との間に配置されていても良い(
図3参照)。また、バッテリ1は、例えば、荷室のフロアを構成するフロアパネルと底面パネルとの間や、エンジンやモータ等の部品の配置空間のフロアを構成するフロアパネルと底面パネルとの間に配置されても良い。この他にも、バッテリ1は、例えば、車両の底面に設けられても良いし、バッテリ1の一部が車両の底面から露出した状態で、車両の下部に搭載されても良い。
【0016】
[2.バッテリケース]
バッテリケース2は、積層された複数の板状の電池セル3を収容する(
図1、2参照)。バッテリケース2は、ベーパーチャンバ20(換言すれば、ケース部)と、第1及び第2放熱部24、25と、バスバー27と、アッパーカバー28とを備える。
【0017】
ベーパーチャンバ20は、放熱部材として構成されており、熱伝導性の高い材料により構成されている。ベーパーチャンバ20は、第1及第2側部21、22と、底部23とを備える。
【0018】
底部23は、バッテリケース2の下面を構成する長方形の板状の部位であり、バッテリ1の車両搭載時には、底部23の短手方向が車両の前後方向に一致すると共に、底部23の長手方向が車幅方向(換言すれば、左右方向)に一致する。
【0019】
第1及び第2側部21、22は、底部23における長手方向の両端に設けられた、上方に突出する矩形の壁状の部位である。第1及び第2側部21、22は、底部23における短手方向の一端から他端まで広がる。また、バッテリ1の車両搭載時には、第1及び第2側部21、22は、それぞれ、車両のボディの車幅方向の端部(以後、車両の側面50、51とも記載)の付近に位置し、車幅方向に対面する(
図3参照)。
【0020】
そして、底部23の上面には、バッテリケース2に収容されている積層された複数の電池セル3が載置され、該複数の電池セル3は、第1及び第2側部21、22の間に位置する。
【0021】
第1及び第2放熱部24、25は、それぞれ、第1及び第2側部21、22における車両の側面側の面(以後、外周面)に設けられる。第1及び第2放熱部24、25の各々(以後、単に放熱部とも記載)は、放熱フィンとしての機能と、衝撃吸収部材としての機能とを有する複数の突出部4を備える。なお、第1及び第2放熱部24、25の詳細については、後述する。
【0022】
バスバー27は、第1及び第2側部21、22における車幅方向の中央側に位置する面に設けられ、第1及び第2側部21、22の間に配置された複数の電池セル3の各電極に当接する。
【0023】
アッパーカバー28は、矩形の板状の部位である。アッパーカバー28は、底部23に対面するように配置され、底部23に配置された複数の電池セル3を上方から覆う。
[3.電池セル]
電池セル3は、本体部30と、正極31と、負極32とを備える(
図1、2参照)。
【0024】
本体部30は、長方形状の板状の部位であり、内部に電解液等が収容される。
正極31及び負極32は、それぞれ、本体部30における長手方向の両端(換言すれば、本体部30における短辺を形成する部分)に設けられる。
【0025】
そして、バッテリ1の車両搭載時において、バッテリケース2に収容された複数の電池セル3は、本体部30の長手方向が車両の車幅方向に一致すると共に、短手方向が上下方向に一致し、車両の前後方向に積層された状態となる。
【0026】
この時、各電池セル3の正極31及び負極32は、それぞれ、ベーパーチャンバ20の第1及び第2側部21、22に設けられた各バスバー27に当接する。そして、各電池セル3の正極31は、第1側部21及びバスバー27を挟んで第1放熱部24に対面し、負極32は、第2側部22及びバスバー27を挟んで第2放熱部25に対面する。
【0027】
[4.放熱部の詳細]
ここで、車両の前方に向かって右側、左側を、それぞれ、単に右側、左側と記載する。バッテリ1の車両搭載時において、第1放熱部24における上述した複数の突出部4は、車両における右側の側面50の付近に位置する(
図3参照)。そして、該複数の突出部4は、第1側部21の外周面から、該右側の側面50に向かって突出する。
【0028】
本実施形態では、一例として、複数の突出部4の先端は、車両の側面の一部を形成するロッカー54及びEA材55の付近に位置する。なお、ロッカー54とは、車両のボディにおける左右のドアの下側に設けられるフレーム状の部材である。また、EA材55は、ロッカー54の下方に位置し、衝突時の衝撃を吸収するよう構成される。無論、これに限らず、複数の突出部4の先端は、ロッカー54及び/又はEA材55に当接していても良い。
【0029】
また、第2放熱部25における上述した複数の突出部4もまた、第1放熱部24の複数の突出部4と同様に構成され、車両における左側の側面51の付近に位置し、第2側部22の外周面から、該左側の側面51に向かって突出する。
【0030】
また、本実施形態では、一例として、放熱部における複数の突出部4は、第1及び第2側部21、22の外周面の全域にわたって、上下方向及び前後方向に行列状に並んで配置される(
図4参照)。また、各突出部4は、平面状に広がる扁平な部位(換言すれば、板状の部位)であり、根元から先端まで車両の車幅方向に真っ直ぐに突出すると共に、その突出方向に直交する断面は、前後方向に真っ直ぐに延びる。各突出部4を扁平な形状とすることで、好適な強度が得られる。また、各突出部4は、内部に空隙を有する扁平な中空の部位であってもよい。
【0031】
そして、上述したように、放熱部における複数の突出部4は、放熱フィンとしての機能を有しており、複数の突出部4を介して複数の電池セル3の放熱が行われる。また、複数の突出部4は、さらに、衝撃吸収部材としての機能を有する。具体的には、複数の突出部4は、ベーパーチャンバ20等よりも剛性が低く、車両の側面50、51への衝突が生じた際には、複数の突出部4が変形することで衝撃を吸収する。なお、複数の突出部4は、熱伝導率が高く、剛性の低い材料(例えば、アルミ等)により構成されるのが好適である。
【0032】
[5.放熱部の変形例]
第1及び/又は第2放熱部24、25において、複数の突出部4における先端を含む部分である先端部40は、当該突出部4の突出方向とは異なる方向に曲がっていても良い。
【0033】
具体的には、例えば、放熱部の各突出部4における先端部40は、下側又は上側に屈曲していても良い(
図5、6参照)。また、例えば、放熱部における上下方向の中央よりも上側に位置する各突出部4では、先端部40は上側に屈曲し、下側に位置する各突出部4では、先端部40は下側に屈曲していても良い(
図7参照)。
【0034】
この他にも、放熱部の各突出部4における先端部40は、下側又は上側に湾曲していても良い。また、例えば、放熱部における複数の突出部4のうちの一部において、先端部が曲がっていても良い。
【0035】
また、第1及び/又は第2放熱部24、25において、各突出部4は、その突出方向に直交する断面が、車両の前後方向に対し傾斜するように真っ直ぐに延びるよう形成されていても良い(
図8参照)。
【0036】
また、放熱部の各突出部4の該断面は、曲がった形状であっても良い。具体的には、例えば、
図9に示すように、該断面は、一例として2か所で湾曲するように形成されていても良い。また、例えば、
図10に示すように、該断面は、一例として1箇所で屈曲するよう構成されており、該断面における後側の端部を含む部分が下側に屈曲していても良いし、反対に、該部分が上側に屈曲していても良い。無論、該断面における湾曲又は屈曲する箇所の数は、適宜定められ得る。
【0037】
また、例えば、放熱部における複数の突出部4のうちの一部において、その突出方向に直交する扁平な断面が、上述したように、該断面が車両の前後方向に対し傾斜していても良いし、曲がった形状であっても良い。
【0038】
この他にも、放熱部の各突出部4は、例えば、円柱状や角柱状の形状であっても良い。また、放熱部は、異なる形状の突出部4を有していても良い。また、各突出部4は、行列状に限らず、様々な態様で並んでいても良い。
【0039】
[6.効果]
(1)上記実施形態によれば、第1及び第2放熱部24、25における複数の突出部4は、車両の側面の付近に設けられている。このため、走行風が複数の突出部4に衝突し易くなり、複数の突出部4が冷却され易くなる。したがって、バッテリの放熱を促進できる。
【0040】
(2)また、第1及び第2放熱部24、25では、複数の突出部4により放熱が行われるため、例えば、熱電素子やファン等を用いる場合に比べ、大型化を抑制できる。また、電力を消費すること無くバッテリ1を冷却できるため、例えば、バッテリ1が搭載される車両がEVである場合には、車両の走行距離が増加するよう促すことができる。
【0041】
(3)また、複数の突出部4は、衝撃吸収機能を有する。このため、車両の側面に物体が衝突した際、複数の突出部4により衝撃を吸収でき、電池セル3の損傷を抑制できる。
(4)また、第1及び第2放熱部24、25は、それぞれ、各電池セル3の電極31、32に対面するよう構成されている。このため、バスバー27及び各電池セル3の電極31、32を良好に冷却できる。したがって、電池セルの劣化を抑制し、電池セルを長持ちさせることができる。
【0042】
(5)また、複数の突出部4の先端部40を曲がった形状とすることで、車両の側面に物体が衝突した際、複数の突出部4に加えられた衝撃を、先端部40が曲がる方向に逃がすことができる。具体的には、このとき、複数の突出部4からベーパーチャンバ20に対し、先端部40が曲がる方向とは反対の方向に向かう力が加えられ、衝突による衝撃が電池セル3に向かうのを抑制できる。このため、該衝撃が電池セル3に加えられるのを抑制できる。
【0043】
(6)また、扁平な複数の突出部4を、断面が前後方向に対し傾斜するか、又は、曲がった形状となるよう構成することで、走行風が各突出部4に衝突し易くなる。特に、
図9、10のようにして、複数の突出部4を、突出方向に直交する断面が湾曲又は屈曲した形状とすることで、走行風が複数の突出部4の間を通過する際に乱流が発生し、より一層、走行風が各突出部4に衝突し易くなる。このため、複数の突出部4からの放熱が促進される。
【0044】
[7.他の実施形態]
(1)上記実施形態の放熱部は、複数の突出部4に替えて、異なる放熱部材を備えていても良い。この場合、放熱部材は、複数の突出部を有していなくても良いし、衝撃吸収機能を有していなくても良い。
【0045】
(2)また、上記実施形態では、車両の前後方向に積層された板状の複数の電池セル3がバッテリケース2に収容されるが、バッテリケース2には、様々な向きに積層された複数の電池セル3が収納され得る。また、バッテリケース2には、単一の電池セル3が収納されても良い。
【0046】
(3)上述したように、上記実施形態のバッテリ1は、車両のフロアパネル52と底面パネル53との間に限らず、車両の底面に搭載され得る。具体的には、バッテリケース2のアッパーカバー28が車両の底面パネル53に接合され、ベーパーチャンバ20と、第1及び第2放熱部24、25とが露出した状態で、上記実施形態と同様にしてバッテリ1が車両に搭載され得る。この時、第1及び第2放熱部24、25は、それぞれ、車両における車幅方向の端部に位置する。より詳しくは、放熱部における複数の突出部4の先端が、車両における車幅方向の端部に位置する。
【0047】
(4)また、上記実施形態のバッテリケース2において、放熱部材として構成されたベーパーチャンバ20に替えて、複数の電池セル3を収容するための様々なケース部が用いられ得る。
【0048】
(5)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【符号の説明】
【0049】
1…バッテリ、2…バッテリケース、20…ベーパーチャンバ、21、22…第1及び第2側部、24、25…第1及び第2放熱部、27…バスバー、3…電池セル、30…本体部、31…正極、32…負極、4…突出部、40…先端部、50、51…車両の側面。