(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110683
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】アスファルトフィニッシャ及び路面加熱装置
(51)【国際特許分類】
E01C 19/48 20060101AFI20230802BHJP
【FI】
E01C19/48 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022012274
(22)【出願日】2022-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】000181354
【氏名又は名称】鹿島道路株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100169960
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴光
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 泰
(72)【発明者】
【氏名】野田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】平藤 雅也
【テーマコード(参考)】
2D052
【Fターム(参考)】
2D052AA03
2D052AC01
2D052AD03
2D052BD11
2D052CA09
2D052DA25
(57)【要約】
【課題】新設されるアスファルト合材と既設舗装端部との舗装ジョイントを簡便に密着性良く仕上げることができるアスファルトフィニッシャ及び該アスファルトフィニッシャに用いられる路面加熱装置を提供する。
【解決手段】アスファルトフィニッシャ1は、アスファルト合材を敷き均す被施工面に隣接する既設舗装端部を加熱する路面加熱ヒータ71と、アスファルトフィニッシャ1の走行を検知する走行検知センサ73と、走行検知センサ73がアスファルトフィニッシャ1の走行を検知したときに、路面加熱ヒータ71を起動するヒータコントローラ7aと、を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面加熱装置を備えているアスファルトフィニッシャであって、
前記路面加熱装置は、
アスファルト合材を敷き均す被施工面に隣接する既設舗装端部を加熱する路面加熱ヒータと、
前記アスファルトフィニッシャの走行を検知する走行検知センサと、
前記走行検知センサが前記アスファルトフィニッシャの走行を検知したときに、前記路面加熱ヒータを起動するコントローラと、
を備えていることを特徴とするアスファルトフィニッシャ。
【請求項2】
前記走行検知センサは、前記アスファルトフィニッシャの舗装に伴うスクリードの振動を検知する振動検知センサであることを特徴とする請求項1に記載のアスファルトフィニッシャ。
【請求項3】
前記路面加熱装置は、前記既設舗装端部の温度を測定する温度センサをさらに備え、
前記コントローラは、前記走行検知センサが前記アスファルトフィニッシャの走行を検知するとともに前記温度センサが測定した前記既設舗装端部の温度が所定の下限値を下回ったときに、前記路面加熱ヒータを起動することを特徴とする請求項1又は2に記載のアスファルトフィニッシャ。
【請求項4】
前記コントローラは、前記走行検知センサが前記アスファルトフィニッシャの走行を検知しないとき、又は前記温度センサが測定した前記既設舗装端部の温度が所定の上限値を上回ったときに、前記路面加熱ヒータを停止することを特徴とする請求項3に記載のアスファルトフィニッシャ。
【請求項5】
前記路面加熱ヒータは、前記アスファルトフィニッシャの車体に着脱自在に構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のアスファルトフィニッシャ。
【請求項6】
アスファルトフィニッシャに装着可能な路面加熱装置であって、
アスファルト合材を敷き均す被施工面に隣接する既設舗装端部を加熱する路面加熱ヒータと、
前記アスファルトフィニッシャの走行を検知する走行検知センサと、
前記走行検知センサが前記アスファルトフィニッシャの走行を検知したときに、前記路面加熱ヒータを起動するコントローラと、
を備えていることを特徴とする路面加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスファルトフィニッシャ及びアスファルトフィニッシャに用いられる路面熱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
新設道路舗装又は道路修繕工事において、既設舗装が切削された箇所に、アスファルト合材(As合材)を所定の幅及び厚みに敷き均すアスファルトフィニッシャが知られている。
【0003】
特許文献1には、車体20と、車体20に設けられて被施工面を加熱する電気式の加熱装置80と、車体20に設けられて加熱装置80により加熱された被施工面にアスファルト合材を供給するスプレッダ50と、車体20に設けられてスプレッダ50により被施工面に供給されたアスファルト合材を敷均すスクリード60とを備えるアスファルトフィニッシャ10が開示されている。加熱装置80は、車体20に対向する防水層の温度を約50度程度まで上昇させて防水層とレベリング層との接着性を改善する。なお、符号は特許文献1のものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したアスファルトフィニッシャ1における敷設作業において、被施工面に隣接する既設舗装端部の温度が低い場合、新設されるアスファルト合材と既設舗装との境界(以下、「舗装ジョイント」という)の密着性が悪くなり、ジョイント部が開きひび割れ等の舗装破損が生じるおそれがあった。
【0006】
また、作業者が既設舗装端部をプロパンバーナーで加熱することもあるが、ガスバーナーの点火・消火を作業者自ら行う必要があり、過加熱により既設舗装端部に炭化損傷が生じたり、加熱が不十分で密着性に影響がでるおそれがあった。
【0007】
そこで、舗装ジョイントを簡便に密着性良く仕上げするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係るアスファルトフィニッシャは、路面加熱装置を備えているアスファルトフィニッシャであって、前記路面加熱装置は、アスファルト合材を敷き均す被施工面に隣接する既設舗装を加熱する路面加熱ヒータと、前記アスファルトフィニッシャの走行を検知する走行検知センサと、前記走行検知センサが前記アスファルトフィニッシャの走行を検知したときに、前記路面加熱ヒータを起動するコントローラと、を備えている。
【0009】
また、本発明に係る路面加熱装置は、アスファルトフィニッシャに装着可能な路面加熱装置であって、路面加熱ヒータと、前記アスファルトフィニッシャの走行を検知する走行検知センサと、前記走行検知センサが前記アスファルトフィニッシャの走行を検知したときに、前記路面加熱ヒータを起動するコントローラと、を備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、新設されるアスファルト合材と既設舗装端部との舗装ジョイントを簡便に密着性良く仕上げすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係るアスファルトフィニッシャの平面図及び側面図。
【
図3】舗装ジョイントを加熱する手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明する。なお、以下では、構成要素の数、数値、量、範囲等に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも構わない。
【0013】
また、構成要素等の形状、位置関係に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含む。
【0014】
また、図面は、特徴を分かり易くするために特徴的な部分を拡大する等して誇張する場合があり、構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
【0015】
<アスファルトフィニッシャの構成>
図1に示すように、本実施形態に係るアスファルトフィニッシャ1は、車体2と、ホッパ3と、スクリュー4と、スクリード5と、スクリード昇降装置6と、を備えている。
【0016】
車体2は、一対の前輪21及び一対の後輪22を備えており、前後に進行可能に構成されている。一対の前輪21は操舵輪であり、車体2の前後方向の前側の下部に設けられている。また、一対の後輪22は駆動輪であり、車体2の前後方向の後側の下部に設けられている。
【0017】
ホッパ3は、車体2の前後方向の前側に設けられており、車体2の幅方向に開閉可能に構成されている。ホッパ3は、全開状態でダンプなどの図示しない運搬車から投入されるアスファルト合材を受け入れる。また、ホッパ3は、投入されたアスファルト合材が減少すると閉じて、ホッパ3の内壁付近に存在するアスファルト合材をホッパ3の中央に集める。ホッパ3に投入されたアスファルト合材は、コンベア31によって前後方向の後方に搬送され、スクリュー4に供給される。
【0018】
スクリュー4は、その延伸方向が車体2の幅方向と略平行になるように車体2の後端に設けられている。スクリュー4は、車体2の幅方向に沿った長さ(スクリュー4の幅)が既設舗装の一部を切削して新たにアスファルト合材が敷き均される被施工面の幅寸法に応じて設定されており、コンベア31により供給されたアスファルト合材を幅方向に撒き広げる。
【0019】
スクリード5は、スクリュー4より前後方向の後方に配置されている。スクリード5は、スクリード本体51と、右延長スクリード52と、左延長スクリード53と、を備えている。
【0020】
スクリード本体51は、車体2の後方に固定されており、右延長スクリード52及び左延長スクリード53を格納可能に構成されている。
【0021】
右延長スクリード52は、スクリード本体51に対して幅方向の右側に伸縮可能に設けられ、左延長スクリード53は、スクリード本体51に対して幅方向の左側に伸縮可能に設けられている。右延長スクリード52及び左延長スクリード53は、被施工面の幅寸法に応じて、伸縮量が任意に調整可能である。すなわち、スクリード5は、通常では、車体2の幅と略同じ長さであり、施工時には、車体2の幅よりも長く伸びてスクリュー4により撒き広げられたアスファルト合材を被施工面に向けて振動等により締固めながら押し付けて敷き均す。
【0022】
右延長スクリード52の右側端には、右サイドプレート54が設けられている。右サイドプレート54は、前後方向に沿って延伸されて、その後端部が右延長スクリード52に連結されている。右サイドプレート54は、スクリュー4により幅方向の右側に撒き広げられたアスファルト合材を受け、右延長スクリード52の前方にアスファルト合材(As合材)を抱える。なお、平面から視て右サイドプレート54が被施工面の右端に位置決めされるように、右延長スクリード52がスクリード本体51に対して伸縮する。
【0023】
左延長スクリード53の左側端には、左サイドプレート55が設けられている。左サイドプレート55は、前後方向に沿って延伸されて、その後端部が左延長スクリード53に連結されている。左サイドプレート55は、スクリュー4により幅方向の左側に撒き広げられたアスファルト合材を受け、左延長スクリード53の前方にアスファルト合材(As合材)を抱える。なお、平面から視て左サイドプレート55が被施工面の左端に位置決めされるように、左延長スクリード53がスクリード本体51に対して伸縮する。
【0024】
スクリード5は、スクリード昇降装置6によって支持されている。スクリード昇降装置6は、左右一対のレベリングアーム61と、左右一対のスクリードリフトシリンダ62と、左右一対の牽引点(ピボット)63と、を備えている。
【0025】
レベリングアーム61の前端部は、牽引点63を介して車体2に接続されている。また、レベリングアーム61の後端部は、スクリードリフトシリンダ62に支持されている。レベリングアーム61の後端には、スクリード本体51が連結されている。そして、スクリード昇降装置6は、スクリードリフトシリンダ62及び牽引点63を用いて、スクリード5を支持する一対のレベリングアーム61を牽引しながら昇降させる。これにより、アスファルトフィニッシャ1の進行に伴って、スクリード5の前方に抱えられたアスファルト合材は、振動しながら牽引されるスクリード本体51、右延長スクリード52及び左延長スクリード53によって敷き均されるとともに被施工面に圧密される。
【0026】
アスファルトフィニッシャ1は、路面加熱装置7を備えている。路面加熱装置7は、自動でオンオフ切替可能に構成され、被施工面に隣接する既設舗装端部を加熱して既設舗装に含まれるアスファルトを軟化させる。路面加熱装置7は、左右一対の路面加熱ヒータ71と、LPガスボンベ72と、走行検知センサ73と、路面加熱装置7を制御するヒータコントローラ7aと、を備えている。
【0027】
路面加熱ヒータ71は、車体2の左右にそれぞれ設けられ、ステー74を介して車体2に吊設されている。ステー74は、車体2に対して機械的に着脱自在に構成されている。路面加熱ヒータ71は、平面から視て右サイドプレート54、左サイドプレート55の前方に配置されて既設舗装端部と重なるように位置決めされている。なお、路面加熱ヒータ71による既設舗装端部の上昇温度は、路面加熱ヒータ71からの輻射熱及び既設舗装端部に対する路面加熱ヒータ71の通過時間に応じるため、既設舗装端部が炭化損傷しない範囲で適切な温度となるように、路面加熱ヒータ71の取付高さや温度又はアスファルトフィニッシャ1の移動速度が適宜調整される。
【0028】
LPガスボンベ72は、車体2上に設けられており、路面加熱ヒータ71にLPガスを供給する。
【0029】
走行検知センサ73は、例えば、スクリード5に着脱自在に構成されて、スクリード5に装着されて施工時に常に起動されるアスファルト合材締固め用のタンパ又はバイブレータの振動を検知することによりアスファルトフィニッシャ1の走行を検知可能な振動検知センサである。
【0030】
なお、走行検知センサ73は、上述した振動検知センサに限定されるものではなく、車体2からの各種電気信号により車体2の走行を検知するもの、前輪21又は後輪22の回転を検知するもの、外付けホイールにより車体2の走行を検知するもの、GNSS測位により車体2の走行を検知するもの等であっても構わない。また、走行検知センサ73に代えて、路面を撮影する画像データに画像処理を施して路面の動きを検知することにより車体2の移動を検知するものであっても構わない。
【0031】
ヒータコントローラ7aは、例えば、CPU、メモリ等により構成される。なお、ヒータコントローラ7aの機能は、ソフトウェアを用いて制御することにより実現されても良く、ハードウェアを用いて動作することにより実現されても良い。
【0032】
図2に示すように、路面加熱ヒータ71は、前後方向に沿って並設された複数個(
図2では3つ)の加熱室75と、加熱室75の後方に設けられて既設舗装端部の温度を非接触で測定する温度センサ76をそれぞれ備えている。
【0033】
加熱室75の下面は、略矩形状の開口枠から成る。各加熱室75には、LPガスボンベ72に電磁バルブ77を介して接続されたノズル78と、ノズル78から放出されるLPガスを着火させるスパークプラグ79と、を備えている。電磁バルブ77の開閉制御及びスパークプラグ79の点火制御は、ヒータコントローラ7aにより行われる。
【0034】
アスファルトフィニッシャ1の動作は、AFコントローラ8によって制御される。AFコントローラ8は、アスファルトフィニッシャ1を構成する構成要素をそれぞれ制御するものである。AFコントローラ8は、例えば、CPU、メモリ等により構成される。なお、AFコントローラ8の機能は、ソフトウェアを用いて制御することにより実現されても良く、ハードウェアを用いて動作することにより実現されても良い。
【0035】
AFコントローラ8には、図示しない入力部や表示部が電気的に接続されている。作業者は、表示部により表示された各情報を確認しつつ、入力部を操作してアスファルトフィニッシャ1を構成する構成要素の設定を変更することができる。
【0036】
<舗装ジョイント加熱手順>
次に、路面加熱装置7による舗装ジョイントを加熱する手順について、
図3に基づいて説明する。
【0037】
まず、ヒータコントローラ7aを起動させ、路面加熱装置7をスタンバイモードに移行させる(ステップS1)。路面加熱装置7のスタンバイモードでは、LPガスボンベ72に接続された電磁バルブ77が閉になる。
【0038】
次に、ヒータコントローラ7aは、路面加熱装置7の自動起動条件が具備されているか否かを判定する(ステップS2)。路面加熱装置7の自動起動条件とは、走行検知センサ73がアスファルトフィニッシャ1の走行を検知するとともに、温度センサ76が測定した既設舗装端部の温度が予めヒータコントローラ7aに記憶された温度範囲(例えば、100~150度)の下限を下回っている状態(未加熱状態)をいう。
【0039】
路面加熱装置7の自動起動条件が具備されていない場合には(ステップS2でNo)、路面加熱装置7はスタンバイモードを維持する。一方、路面加熱装置7の自動起動条件が具備されている場合には(ステップS2でYes)、ヒータコントローラ7aは、電磁バルブ77を開にしてノズル78からLPガスを加熱室75に向けて放出させた状態で、スパークプラグ79に通電して火花放電させることにより、LPガスが着火されて既設舗装端部を加熱する(ステップS3)。なお、スパークプラグ79による火花放電は、連続的又は断続的に行われる。
【0040】
次に、ヒータコントローラ7aは、路面加熱装置7の自動停止条件が具備されているか否かを判定する(ステップS4)。路面加熱装置7の自動停止条件とは、走行検知センサ73がアスファルトフィニッシャ1の走行を検知しない(アスファルトフィニッシャ1が停止した)、又は温度センサ76が測定した既設舗装端部端部の温度が予めAFコントローラ8に記憶された温度範囲の上限を上回っている状態(過加熱状態)をいう。
【0041】
路面加熱装置7の自動停止条件が具備されていない場合には(ステップS4でNo)、路面加熱装置7は既設舗装端部の加熱を維持する。一方、路面加熱装置7の自動停止条件が具備されている場合には(ステップS4でYes)、ヒータコントローラ7aは、電磁バルブ77を閉にして加熱室75へのLPガスの放出を停止させて消火し、既設舗装端部の加熱を停止する(ステップS5)。
【0042】
このようにして、本実施形態に係るアスファルトフィニッシャ1は、路面加熱装置7を備えているアスファルトフィニッシャ1であって、路面加熱装置7は、アスファルト合材を敷き均す被施工面に隣接する既設舗装端部を加熱する路面加熱ヒータ71と、アスファルトフィニッシャ1の走行を検知する走行検知センサ73と、走行検知センサ73がアスファルトフィニッシャ1の走行を検知したときに、路面加熱ヒータ71を起動するヒータコントローラ7aと、を備えている構成とした。
【0043】
この構成によれば、アスファルトフィニッシャ1の走行中に路面加熱ヒータ71が既設舗装端部を加熱することにより、既設舗装端部が過剰に昇温されて炭化損傷することを抑制するとともに、既設舗装端部に含まれるアスファルトが軟化されて新設のアスファルト合材との密着性が向上して、舗装ジョイントを簡便且つ見栄え良く密着仕上げすることができる。
【0044】
また、本実施形態に係るアスファルトフィニッシャ1は、走行検知センサ73が、アスファルトフィニッシャ1の舗装に必ず伴うスクリード5の振動を検知する振動検知センサである構成とした。
【0045】
この構成によれば、走行検知センサ73は、複雑な構成を要することなく、舗装に伴って必ず生じるスクリード5のタンパ又はバイブレータの振動を検知してアスファルトフィニッシャ1の走行を検知することができる。
【0046】
また、本実施形態に係るアスファルトフィニッシャ1は、路面加熱装置7が、既設舗装の温度を測定する温度センサ76をさらに備え、ヒータコントローラ7aが、走行検知センサ73がアスファルトフィニッシャ1の走行を検知するとともに温度センサ76が測定した既設舗装端部の温度が所定の下限値を下回ったときに、路面加熱ヒータ71を起動する構成とした。
【0047】
この構成によれば、アスファルトフィニッシャ1が走行中であって既設舗装端部が十分に昇温されていないときに、路面加熱ヒータ71による加熱を行うことにより、既設舗装端部との密着性を向上することができる。
【0048】
また、本実施形態に係るアスファルトフィニッシャ1は、ヒータコントローラ7aが、走行検知センサ73がアスファルトフィニッシャ1の走行を検知しないとき、又は温度センサ76が測定した既設舗装端部の温度が所定の上限値を上回ったときに、路面加熱ヒータ71を停止する構成とした。
【0049】
この構成によれば、アスファルトフィニッシャ1が停車したとき又は既設舗装端部が十分に加熱されたときには、路面加熱ヒータ71による加熱を停止することにより、既設舗装端部の炭化損傷を防止することができる。
【0050】
また、本実施形態に係るアスファルトフィニッシャ1は、路面加熱ヒータ71が、車体2に着脱自在な構成とした。
【0051】
この構成によれば、アスファルトフィニッシャ1の機種によることなく、路面加熱ヒータ71を設置することができる。
【0052】
また、本実施形態に係る路面加熱装置7は、アスファルトフィニッシャ1に装着可能な路面加熱装置7であって、アスファルト合材を敷き均す被施工面に隣接する既設舗装端部を加熱する路面加熱ヒータ71と、アスファルトフィニッシャ1の走行を検知する走行検知センサ73と、走行検知センサ73がアスファルトフィニッシャ1の走行を検知したときに、路面加熱ヒータ71を起動するヒータコントローラ7aと、を備えている構成とした。
【0053】
この構成によれば、アスファルトフィニッシャ1の走行中に路面加熱ヒータ71が既設舗装端部を加熱することにより、既設舗装端部が過剰に昇温されて炭化損傷することを抑制するとともに、既設舗装端部に含まれるアスファルトが軟化されて新設のアスファルト合材との密着性が向上して、舗装ジョイントを簡便に密着性良く仕上げることができる。
【0054】
また、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り、上記以外にも種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【符号の説明】
【0055】
1 :アスファルトフィニッシャ
2 :車体
21 :前輪
22 :後輪
3 :ホッパ
31 :コンベア
4 :スクリュー
5 :スクリード
51 :スクリード本体
52 :右延長スクリード
53 :左延長スクリード
54 :右サイドプレート
55 :左サイドプレート
6 :スクリード昇降装置
61 :レベリングアーム
62 :スクリードリフトシリンダ
63 :牽引点
7 :路面加熱装置
7a :ヒータコントローラ
71 :路面加熱ヒータ
72 :LPガスボンベ
73 :走行検知センサ
74 :ステー
75 :加熱室
76 :温度センサ
77 :電磁バルブ
78 :ノズル
79 :スパークプラグ
8 :AFコントローラ