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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110691
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】スピーカ
(51)【国際特許分類】
   H04R 9/02 20060101AFI20230802BHJP
【FI】
H04R9/02 102B
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022012285
(22)【出願日】2022-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】595030217
【氏名又は名称】ウエタックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100183232
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 敏行
(72)【発明者】
【氏名】植木 正孝
(72)【発明者】
【氏名】植木 正春
【テーマコード(参考)】
5D012
【Fターム(参考)】
5D012BB03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】音圧を増加させることができるスピーカを提供する。
【解決手段】スピーカ1は、ベースとしての外装ケース2と、ベースに取り付けられた磁気回路部3と、磁気回路部を覆う振動部41と、振動部に接続され、振動部と磁気回路部との間に位置するボイスコイル5と、を備える。磁気回路部は、柱部312及び柱部の振動部とは反対側の端部に設けられた第1フランジ部311を有する第1ヨーク31と、ボイスコイルを挿入するための隙間が第1ヨークとの間に生じるように、柱部の振動部側の端部の周囲に設けられた第2ヨーク32と、第1フランジ部と第2ヨークとで挟まれた第1磁石33と、ボイスコイルに向かう磁束が増えるように、柱部及び第2ヨークの少なくとも一方に対して第1フランジ部とは反対側に配置された第2磁石34とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベースに取り付けられた磁気回路部と、
前記磁気回路部を覆う振動部と、
前記振動部に接続され、前記振動部と前記磁気回路部との間に位置するボイスコイルと
を備え、
前記磁気回路部は、
柱部と、前記柱部の前記振動部とは反対側の端部に設けられたフランジ部とを有する第1ヨークと、
前記ボイスコイルを挿入するための隙間が前記第1ヨークとの間に生じるように、前記柱部の前記振動部側の端部の周囲に設けられた第2ヨークと、
前記フランジ部と前記第2ヨークとで挟まれた第1磁石と、
前記ボイスコイルに向かう磁束が増えるように、前記柱部及び前記第2ヨークの少なくとも一方に対して前記フランジ部とは反対側に配置された第2磁石と
を有する、スピーカ。
【請求項2】
請求項1に記載のスピーカにおいて、
前記第2磁石は、前記ボイスコイルの径方向外側に配置されている、スピーカ。
【請求項3】
請求項2に記載のスピーカにおいて、
前記第2磁石は、前記ボイスコイルの軸方向において前記第1磁石と重なっている、スピーカ。
【請求項4】
請求項1に記載のスピーカにおいて、
前記第2磁石は、前記ボイスコイルの径方向内側に配置されている、スピーカ。
【請求項5】
請求項1に記載のスピーカにおいて、
前記第2磁石は、前記ボイスコイルの径方向外側に配置されている第3磁石と、前記ボイスコイルの径方向内側に配置されている第4磁石とを有する、スピーカ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のスピーカにおいて、
前記振動部は、前記ベース、前記磁気回路部、及び前記ボイスコイルを収容する筒体であり、
前記ベースは、前記筒体の径方向の一方側に位置する第1端部と、前記筒体の径方向の他方側に位置する第2端部とを有し、
前記第1端部は、前記筒体の径方向の一方側の内周面に固定され、
前記第2端部は、前記筒体の径方向の他方側の内周面に固定されている、スピーカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、水中スピーカなどのスピーカに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スピーカとしては、特許文献1(特許第3057039号公報)に開示されているものがある。このスピーカは、振動板と、一端が振動板に取り付けられたアルミ管と、このアルミ管の他端側の外周面に巻き付けられたコイルと、磁気回路部とを備えている。
【0003】
前記磁気回路部は、第1ヨークと、第1ヨークよりも振動板に近い第2ヨークとを有している。この第1ヨークと第2ヨークとの間には、コイルに向かう磁束を発生させる磁石が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3057039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のスピーカでは、コイルに音声信号を供給したとき、コイルが軸方向に振動する。このとき、前記コイルの加振力に応じて音圧が定まるが、この音圧については増加の余地がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、音圧を増加させることができるスピーカを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様のスピーカは、
ベースと、
前記ベースに取り付けられた磁気回路部と、
前記磁気回路部を覆う振動部と、
前記振動部に接続され、前記振動部と前記磁気回路部との間に位置するボイスコイルと
を備え、
前記磁気回路部は、
柱部と、前記柱部の前記振動部とは反対側の端部に設けられたフランジ部とを有する第1ヨークと、
前記ボイスコイルを挿入するための隙間が前記第1ヨークとの間に生じるように、前記柱部の前記振動部側の端部の周囲に設けられた第2ヨークと、
前記フランジ部と前記第2ヨークとで挟まれた第1磁石と、
前記ボイスコイルに向かう磁束が増えるように、前記柱部と前記第2ヨークとの少なくとも一方に対して前記フランジ部とは反対側に配置された第2磁石と
を有する。
【0008】
前記態様によれば、第1磁石により形成される磁束と、第2磁石により形成される磁束とが足し合わされる。そのため、前記磁気回路部が第2磁石を有さない場合と比べて、ボイスコイルの軸方向の振動に寄与する磁束が増加する。従って、ボイスコイルの加振力を上げて、音圧を増加させることができる。
【0009】
一態様のスピーカでは、
前記第2磁石は、前記ボイスコイルの径方向外側に配置されている。
【0010】
前記態様によれば、第2磁石がボイスコイルの径方向外側に配置されるので、スピーカの軸方向の大きさが増加することを抑制することができる。
【0011】
また、前記ボイスコイルの径方向外側に第2磁石を配置することにより、第2磁石の径方向の大きさをボイスコイルの外径よりも大きくすることができる。従って、前記ボイスコイルの径方向内側に第2磁石を配置する場合と比べて、ボイスコイルの軸方向の振動に寄与する磁束を増やすことができる。
【0012】
一態様のスピーカでは、
前記第2磁石は、前記ボイスコイルの軸方向において前記第1磁石と重なっている。
【0013】
前記態様によれば、ボイスコイルの軸方向において第1磁石に第2磁石を重ねない場合と比べて、ボイスコイルの加振力を効果的に上げることができる。
【0014】
一態様のスピーカでは、
前記第2磁石は、前記ボイスコイルの径方向内側に配置されている。
【0015】
前記態様によれば、第2磁石がボイスコイルの径方向内側に配置されるので、スピーカの軸方向の大きさが増加することを抑制することができる。
【0016】
また、前記ボイスコイルの径方向内側に第2磁石を配置することにより、ボイスコイルの径方向外側の空きスペースが小さくなるのを抑制することができる。従って、前記ボイスコイルの径方向外側における設計の自由度を広げることができる。
【0017】
一態様のスピーカでは、
前記第2磁石は、前記ボイスコイルの径方向外側に配置されている第3磁石と、前記ボイスコイルの径方向内側に配置されている第4磁石とを有する。
【0018】
前記態様によれば、第3磁石がボイスコイルの径方向外側に配置され、かつ、第4磁石がボイスコイルの径方向内側に配置されるので、第3磁石及び第4磁石の一方だけを配置する場合と比べて、ボイスコイルの軸方向の振動に寄与する磁束を増やすことができる。
【0019】
一態様のスピーカでは、
前記振動部は、前記ベース、前記ボイスコイル、及び前記磁気回路部を収容する筒体であり、
前記ベースは、前記筒体の径方向の一方側に位置する第1端部と、前記筒体の径方向の他方側に位置する第2端部とを有し、
前記第1端部は、前記筒体の径方向の一方側の内周面に固定され、
前記第2端部は、前記筒体の径方向の他方側の内周面に固定されている。
【0020】
前記態様によれば、第1端部及び第2端部の固定により、振動部の内部から振動部をベースで支持して、振動部を補強することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のスピーカは、ボイスコイルに向かう磁束が増えるように、第2ヨークに対して前記フランジ部とは反対側に第2磁石を配置するので、音圧を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の第1実施形態に係るスピーカの縦断面図である。
図2図1に示すスピーカの磁気回路部及びボイスコイルと、磁気回路部及びボイスコイルに生じる磁束とを模式的に拡大して示し、その他の部分を省略した部分拡大図である。
図3】本開示の第2実施形態に係るスピーカの縦断面図である。
図4図3に示すスピーカの磁気回路部及びボイスコイルと、磁気回路部及びボイスコイルに生じる磁束とを模式的に拡大して示し、その他の部分を省略した部分拡大図である。
図5】本開示の第2実施形態の第1変形例に係るスピーカの縦断面図である。
図6】本開示の第2実施形態の第2変形例に係るスピーカの縦断面図である。
図7】本開示の第3実施形態に係るスピーカの縦断面図である。
図8図7に示すスピーカの磁気回路部及びボイスコイルと、磁気回路部及びボイスコイルに生じる磁束とを模式的に拡大して示し、その他の部分を省略した部分拡大図である。
図9】本開示の第3実施形態の第1変形例に係るスピーカの縦断面図である。
図10】本開示の第3実施形態の第2変形例に係るスピーカの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示に係る実施の形態及びその変形例について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
(第1実施形態)
図1は、本開示の第1実施形態に係るスピーカ1の縦断面図である。
【0025】
(スピーカ1の構成)
スピーカ1は、ベースの一例としての外装ケース2と、磁気回路部3と、蓋部4と、ボイスコイル5とを備える。このスピーカ1は、例えば、水深10mで使用可能な水中スピーカである。
【0026】
外装ケース2は、開口容器状に形成されている。外装ケース2は、周壁部21と、底部22とを有する。周壁部21は、底部22と一体に形成され、一端部が底部22の周縁部に連なっている。周壁部21の他端部側の内周面には、後述するねじの頭部を収容可能な凹部21aが複数設けられている。外装ケース2は、耐熱性を有し、経年変化しにくい材料で形成される。本実施形態では、外装ケース2は、ステンレス鋼で形成されているが、例えば、銅、アルミニウム、又は硬質耐熱樹脂(例えば、耐熱プラスチック)で形成されるようにしてもよい。
【0027】
磁気回路部3は、後述する第1弾性部材61を介して外装ケース2に取り付けられて、大部分が外装ケース2に収容されている。磁気回路部3は、第1ヨーク31と、第2ヨーク32と、第1磁石33と、第2磁石34とを有する。より詳しくは、磁気回路部3は、後述する蓋部4の振動板41に覆われている。磁気回路部3と蓋部4との間には、後述するボイスコイル5が位置している。磁気回路部3には、スピーカ1の外部の電気信号線8が電気的に接続されている。
【0028】
第1ヨーク31は、フランジ部の一例としての第1フランジ部311と、柱部312と、第2フランジ部313とを有する。この第1ヨーク31は、例えば、強磁性体又は常磁性体で形成されている。
【0029】
柱部312は、筒状に形成されており、ボイスコイル5の中心軸に対して平行な中心軸を有している。柱部312は、蓋部4の振動板41側とは反対側に、すなわち、外装ケース2の底部22側に第1端部312aを有する一方、蓋部4の振動板41側に第2端部312bを有している。
【0030】
第1フランジ部311は、円環状に形成されている。第1フランジ部311は、柱部312の第1端部312aに設けられ、柱部312の外径よりも大きい外径を有している。この第1フランジ部311の第1表面311aは、外装ケース2の底部22に対向する。一方、第1フランジ部311の第1表面311aとは反対側の第2表面311bは、ボイスコイル5に対向する。
【0031】
第2フランジ部313の外径は、第1フランジ部311の外径よりも小さいが、第1フランジ部311と同様の形状を有する。すなわち、第2フランジ部313は、円環状に形成されている。第2フランジ部313は、柱部312の第2端部312bに設けられ、柱部312の外径よりも大きい外径を有している。第2フランジ部313は、第1表面313aが蓋部4の振動板41側を向くように、かつ、第2表面313bが外装ケース2の底部22側を向くように、蓋部4の振動板41と外装ケース2の底部22との間に配置されている。
【0032】
また、第1ヨーク31には、第1ヨーク31の軸方向の一端面から第1ヨーク31の軸方向の他端面に達する貫通孔31hが設けられている。この貫通孔31hは、柱部312の中心軸方向に沿って延びて、柱部312の内周面で画定されている。
【0033】
第2ヨーク32は、ボイスコイル5を挿入するための隙間が第1ヨーク31との間に生じるように、第2フランジ部313の周囲に設けられている。別の言い方をすると、第2ヨーク32は、第2フランジ部313を取り囲むように円環状に形成され、第2フランジ部313の外径よりも大きい内径を有している。第2ヨーク32の外径は、第1ヨーク31の第1フランジ部311の外径よりも大きくなるように設定されている。第2ヨーク32の第1表面32aは、蓋部4の振動板41側に配置されている。一方、第2ヨーク32の第1表面32aとは反対側の第2表面32bは、外装ケース2の底部22側に配置されている。第2ヨーク32も、第1ヨーク31と同様に、例えば、強磁性体又は常磁性体で形成されている。第2ヨーク32は、第1弾性部材61を介して、外装ケース2の周壁部21に取り付けられている。
【0034】
第1磁石33は、第1フランジ部311と第2ヨーク32とで挟まれている。より詳しくは、第1磁石33は、円環状に形成されている。第1磁石33の内径は、第2ヨーク32の内径よりも大きくなるように設定されている。一方、第1磁石33の外径は、第1ヨーク31の第1フランジ部311の外径と略同じになるように設定されている。第1磁石33の磁極は、全周に亘って第1フランジ部311側がN極であり、全周に亘って第2ヨーク32側がS極である。第1磁石33のN極は、第1フランジ部311の第2表面311bに固定されている。一方、第1磁石33のS極は、第2ヨーク32の第2表面32bに固定されている。
【0035】
第2磁石34は、第2ヨーク32に対して第1フランジ部311とは反対側に配置されると共に、第2ヨーク32に取り付けられている。より詳しくは、第2磁石34は、円環状に形成され、内周面が隙間を介してボイスコイル5の一部に対向している。第2磁石34は、ボイスコイル5の軸方向において第1磁石33と重なっている。第2磁石34の磁極は、全周に亘って第2ヨーク32側がS極であり、全周に亘って蓋部4の振動板41側がN極である。第2磁石34のS極は、第2ヨーク32の第1表面32aに固定されている。一方、第2磁石34のN極は、蓋部4内の空間に面している。
【0036】
このような構成の磁気回路部3が、第1弾性部材61を介して外装ケース2の周壁部21に取り付けられている。
【0037】
蓋部4は、外装ケース2の開口を塞ぐように外装ケース2に取り付けられて、外装ケース2との間に密閉空間を形成している。より詳しくは、蓋部4は、振動部の一例としての振動板41と、この振動板41を保持する保持枠42とを有する。
【0038】
振動板41は、弾性変形可能な皿状に形成されている。本実施形態では、振動板41は、ステンレス鋼で形成されているが、例えば、鋼鉄、チタン、アルミニウム、タイル材、木材、又は耐熱型樹脂(例えば、樹脂にカーボンなどを混合した混合樹脂)で形成されるようにしてもよい。あるいは、振動板41は、弾性を有する部材で形成されるようにしてもよい。振動板41は、スピーカ1が予め定められた音圧を生じさせられるように、任意の厚さを有する。振動板41の中央部には、後述する接続部材451が接続されている。
【0039】
保持枠42は、円筒状に形成され、振動板41の周囲に設けられている。この保持枠42の一端部と周壁部21の他端部との間において隙間が生じないように、保持枠42が周壁部21に取り付けられている。この保持枠42の他端部の内周面と振動板41の周縁部との間において隙間が生じないように、振動板41の周縁部が保持枠42の他端部の内周面に接続されている。
【0040】
接続部材451は、有蓋筒状に形成されている。接続部材451の外周縁部には、溝部451aが設けられている。接続部材451は、振動板41の磁気回路部3に対向する面の中央部にねじ留めによって取り付けられている。本実施形態では、振動板41と接続部材451とのような接触を点接触と呼ぶ。
【0041】
ボイスコイル5は、振動板41と磁気回路部3との間に位置している。より詳しくは、ボイスコイル5は、振動板41に接続部材451を介して接続されている。ボイスコイル5は、ボビン部51と、コイル部52とを有する。
【0042】
ボビン部51は、筒状に形成されている。ボビン部51は、例えば、紙又はアルミニウムで形成されている。ボビン部51の軸方向の一端部は、接続部材451の溝部451aに嵌め込まれて固定されている。ボビン部51の軸方向の他端部は、第1ヨーク31の第2フランジ部313と第2ヨーク32との間の隙間に位置している。
【0043】
コイル部52は、ボビン部51の他端部側の外周面に螺旋状に巻き付けられている。コイル部52は、スピーカ1の外部から電気信号線8を介して入力された電気信号に応じて通電される。コイル部52も、第1ヨーク31の第2フランジ部313と第2ヨーク32との間の隙間に位置している。
【0044】
また、スピーカ1は、第1弾性部材61と、第2弾性部材62と、圧縮ばね71とを備える。
【0045】
第1弾性部材61は、第2ヨーク32を保持している。この第1弾性部材61は、円環状の本体部611と、本体部611の外周縁部から底部22側に延びる複数の腕部612とを有する。本体部611は、第2ヨーク32に取り付けられている。複数の腕部612は、それぞれ、外装ケース2の周壁部21に取り付けられている。より詳しくは、第1弾性部材61の複数の腕部612の先端側には、それぞれねじが取り付けられている。これらのねじの頭部は、それぞれ周壁部21の複数の凹部21aに収容されている。前記各ねじの頭部は、各凹部21aに接着剤で固定されている。本実施形態では、第1弾性部材61は、リン青銅で形成されているが、例えば、ステンレス鋼、鋼鉄、又は耐熱型樹脂(例えば、樹脂にカーボンなどを混合した混合樹脂)で形成されるようにしてもよい。
【0046】
第2弾性部材62は、接続部材451と一体に形成されている。より詳しくは、第2弾性部材62の接続部材451側の一端部は、接続部材451の外周縁部に接続されている。第2弾性部材62の保持枠42側の他端部は、複数のスペーサ63を介して第2ヨーク32の第1表面32aに接続されている。すなわち、第2弾性部材62は、間接的に第1弾性部材61と接続している。本実施形態では、第2弾性部材62は、リン青銅で形成されているが、例えば、ステンレス鋼、鋼鉄、耐熱型樹脂(例えば、樹脂にカーボンなどを混合した混合樹脂)で形成されるようにしてもよい。
【0047】
複数のスペーサ63は、第2ヨーク32の周方向に所定の間隔をあけて配置されている。より詳しくは、複数のスペーサ63は、それぞれ第2ヨーク32の第1表面32aに接続されている。
【0048】
圧縮ばね71は、圧縮ばね71の中心軸がボイスコイル5の中心軸と平行となるように、接続部材451と第1ヨーク31との間に挟まれている。より詳しくは、圧縮ばね71は、接続部材451と柱部312との間に挟まれている。圧縮ばね71は、接続部材451と柱部312とのそれぞれに接着剤で固定されている。これにより、例えば、スピーカ1が外部から水圧を受けて、振動板41がスピーカ1の内部に押し込まれた場合に、圧縮ばね71にはボイスコイル5の軸方向に沿って働く復元力が生じるので、圧縮ばね71が磁気回路部3を外装ケース2の底部22側に付勢する。
【0049】
(スピーカ1の動作)
本実施形態では、第1磁石33及び第2磁石34により、それぞれ後述する第1磁束331及び第2磁束341が形成されている。スピーカ1の外部から電気信号線8を介して電気信号を入力すると、図示しない処理回路における処理結果に応じた電気信号がボイスコイル5のコイル部52に供給される。このとき、ボイスコイル5のコイル部52が第1磁束331及び第2磁束341中に配置されているので、ボイスコイル5に対して磁束密度に比例するローレンツ力が作用する。このローレンツ力がボイスコイル5を軸方向に振動させる加振力であり、ボイスコイル5と、ボイスコイル5に接続部材451を介して接続されている蓋部4の振動板41とを振動させ、音圧を生じさせる。例えば、低周波音波振動を生じさせることで10Hzから400Hzの低周波音域において音圧を生じさせる場合、磁気回路部3の質量を予め適切に設定することによりボイスコイル5と磁気回路部3とが共振する。また、例えば、ボイスコイル5と磁気回路部3とが共振するとき、ボイスコイル5の軸方向における磁気回路部3の振動が大きくなり、スピーカ1内部の空気を流動させる。
【0050】
図2は、図1に示すスピーカ1の磁気回路部3に生じる磁束を模式的に示す部分拡大図である。
【0051】
図1及び図2に示すように第1磁石33及び第2磁石34が配置されている場合、図2に示すように、第1磁石33により形成される第1磁束331と第2磁石34により形成される第2磁束341とが足し合わされる。そのため、磁気回路部3が第2磁石34を有さない場合と比べて、ボイスコイルの軸方向の振動に寄与する磁束が増加する。
【0052】
従って、本実施形態のスピーカ1は、磁気回路部3が第2磁石34を有さない場合と比べて、ボイスコイルの加振力を例えば20%上げて、音圧を増加させることができる。
【0053】
また、第2磁石34がボイスコイル5の径方向外側に配置されるので、スピーカ1の軸方向の大きさが増加することを抑制することができる。
【0054】
また、ボイスコイル5の径方向外側に第2磁石34を配置することにより、第2磁石34の径方向の大きさをボイスコイル5の外径よりも大きくすることができる。従って、ボイスコイル5の径方向内側に第2磁石を配置する場合と比べて、ボイスコイル5の軸方向の振動に寄与する磁束を増やすことができる。
【0055】
また、第2磁石34がボイスコイル5の軸方向において第1磁石33と重なっているので、ボイスコイル5を軸方向に振動させる加振力を効果的に上げることができる。
【0056】
また、ボイスコイル5に邪魔されることなく、第2磁石34の交換を容易に行うことができる。
【0057】
また、スピーカ1が外部から水圧を受けたとき、振動板41が凹み、接続部材451とボイスコイル5とが外装ケース2側に移動する。このとき、第1ヨーク31と接続部材451との間に圧縮ばね71を配置しているので、前記水圧が低下すれば、接続部材451とボイスコイル5とを圧縮ばね71の付勢力で所定の位置に復帰させることができる。
【0058】
また、接続部材451とボイスコイル5とが外装ケース2側に移動したとき、圧縮ばね71が磁気回路部3を外装ケース2の底部22側に付勢することにより、磁気回路部3とボイスコイル5との相対位置関係を維持しやすく、ボイスコイル5が受けるローレンツ力の低下を抑えることができる。そのため、スピーカ1が発する音圧の低下を抑えることができる。
【0059】
また、振動板41の厚さ又は材料を調整することで、スピーカ1から予め定められた音圧を生じさせることができる。
【0060】
また、ボイスコイル5は、第2弾性部材62などを介して磁気回路部3に接続されているので、ボイスコイル5の固有振動数が低くなる。従って、スピーカ1から生じる音圧のうち、低音域の音圧を増加させることができる。
【0061】
また、ボイスコイル5と磁気回路部3とが共振することにより、スピーカ1内部の空気の流動を促進することができる。その結果、ボイスコイル5付近に熱が籠もることを抑制することができる。
【0062】
(第2実施形態)
本開示の第2実施形態に係るスピーカ201は、第2磁石234がボイスコイル5の径方向内側に配置され、第2弾性部材262が接続部材451とは別体で形成されている点で、第1実施形態と異なっている。また、圧縮ばね71が削除されている点で、第1実施形態と異なっている。なお、第2実施形態では、第1実施形態と同一部分に同一参照番号を付して説明を省略し、第1実施形態と異なる点について説明する。
【0063】
図3は、本開示の第2実施形態に係るスピーカ201の縦断面図である。
【0064】
第2磁石234は、ボイスコイル5の径方向内側に配置されている。より詳しくは、第2磁石234は、ボイスコイル5の径方向内側において、柱部312に対して第1フランジ部311とは反対側に配置されると共に、柱部312の第2端部312b側の端面と第2フランジ部313の第1表面313aとに取り付けられている。第2磁石234は、外周面が隙間を介してボイスコイル5の一部に対向している。第2磁石234の磁極は、全周に亘って柱部312側又は第2フランジ部313側がN極であり、全周に亘って蓋部4の振動板41側がS極である。第2磁石234のN極は、柱部312の第2端部312b側の端面と第2フランジ部313の第1表面313aとに接触している。一方、第2磁石234のS極は、蓋部4内の空間に面している。
【0065】
第2弾性部材262は、接続部材451と別体に形成され、接続部材451及び複数のスペーサ63に接続されている。第2弾性部材262は、接続部材451に固定されている円環状の本体部2621と、本体部2621の外周縁部からスペーサ63側に延びる複数の腕部2622とを有する。複数の腕部2622は、本体部2621とは反対側の端部の各々が各スペーサ63を介して第2ヨーク32の第1表面32aに接続されている。
【0066】
図4は、図3に示すスピーカ201の磁気回路部203に生じる磁束を模式的に示す部分拡大図である。
【0067】
図3及び図4に示すように第1磁石33及び第2磁石234が配置されている場合、図4に示すように、第1磁石33により形成される第1磁束331と第2磁石234により形成される第2磁束2341とが足し合わされる。そのため、磁気回路部3が第2磁石234を有さない場合と比べて、ボイスコイルの軸方向の振動に寄与する磁束が増加する。
【0068】
(第1変形例)
本開示の第2実施形態の第1変形例に係るスピーカ1201は、周壁部21及び底部1222で第1外装ケース1202が構成されている点と、第1外装ケース1202を覆うように第2外装ケース1223が設けられている点と、パッド1243が蓋部1204に設けられている点とで、第1実施形態又は第2実施形態と異なっている。なお、本変形例では、第1実施形態又は第2実施形態と同一部分に同一参照番号を付して説明を省略し、第1実施形態又は第2実施形態と異なる点について説明する。
【0069】
図5は、本開示の第2実施形態の第1変形例に係るスピーカ1201の縦断面図である。
【0070】
本開示の第2実施形態の第1変形例に係るスピーカ1201は、ベースの一例としての第1外装ケース1202と、第2外装ケース1223と、磁気回路部203と、蓋部1204と、ボイスコイル5とを備える。
【0071】
第1外装ケース1202は、開口容器状に形成されている。第1外装ケース1202は、周壁部21と、底部1222とを有する。周壁部21は、底部1222と一体に形成され、一端部が底部1222の周縁部に連なっている。周壁部21の他端部側の内周面には、ねじの頭部を収容可能な凹部21aが複数設けられている。底部1222には、複数の貫通孔1202hが設けられている。
【0072】
第2外装ケース1223は、開口容器状に形成されている。第2外装ケース1223は、第1外装ケース1202を覆うように配置されている。第2外装ケース1223は、第2外装ケース1223の内側と外側との間で空気を流通可能にする空気孔9を有する。空気孔9には、既知の高分子材料が設けられている。第2外装ケース1223は、第1外装ケース1202と共に空間を画定している。この画定された空間と第1外装ケース1202の内側空間との間において、複数の貫通孔1202hを介して空気が流通可能である。
【0073】
蓋部1204は、第1外装ケース1202の開口及び第2外装ケース1223の開口を塞ぐように第1外装ケース1202及び第2外装ケース1223に取り付けられている。より詳しくは、蓋部1204は、振動部の一例としての振動板1241と、振動板1241を保持する保持枠1242と、振動板1241に設けられているパッド1243とを有する。
【0074】
振動板1241は、弾性変形可能な板状に形成されている。振動板1241は、ステンレス鋼で形成されているが、例えば、鋼鉄、チタン、アルミニウム、タイル材、木材、又は耐熱型樹脂(例えば、樹脂にカーボンなどを混合した混合樹脂)で形成されるようにしてもよい。あるいは、振動板1241は、弾性を有する部材で形成されるようにしてもよい。振動板1241は、スピーカ1201が予め定められた音圧を生じさせられるように、任意の厚さを有する。振動板1241の中央部には、接続部材451が接続されている。
【0075】
保持枠1242は、円筒状に形成されている。この保持枠1242の一端部と周壁部21の他端部との間において隙間が生じないように、保持枠1242が周壁部21に取り付けられている。この保持枠1242の他端部と振動板1241の周縁部との間において隙間が生じないように、振動板1241の周縁部が保持枠1242の他端部に接続されている。
【0076】
パッド1243は、振動板1241に対して接続部材451とは反対側に配置され、振動板1241に接続されている。このパッド1243は、スピーカ1201の使用時、ユーザの皮膚に接触する。
【0077】
このように構成されるスピーカ1201は、例えば、振動板1241の振動がパッド1243などを介してユーザの蝸牛に伝えることができる骨伝導スピーカとして機能する。また、例えば、送受信器などの無線機器を使用して防水ワイヤレススピーカとして機能する。
【0078】
(第2変形例)
本開示の第2実施形態の第2変形例に係るスピーカ2201は、外装ケース2202に水を検知する水センサ2281が取り付けられている点と、外装ケース2202に制御部2282と、電源部2283とが収容されている点とで、第1実施形態、第2実施形態、又は第2実施形態の第1変形例と異なっている。なお、本変形例では、第1実施形態、第2実施形態、又は第2実施形態の第1変形例と同一部分に同一参照番号を付して説明を省略し、第1実施形態、第2実施形態、又は第2実施形態の第1変形例と異なる点について説明する。
【0079】
図6は、本開示の第2実施形態の第2変形例に係るスピーカ2201の縦断面図である。
【0080】
本開示の第2実施形態の第2変形例に係るスピーカ2201は、ベースの一例としての外装ケース2202と、磁気回路部203と、振動板2241と、ボイスコイル5と、水センサ2281と、制御部2282と、電源部2283とを備える。
【0081】
外装ケース2202は、魚の形状を模擬して形成されている。
【0082】
磁気回路部203は、外装ケース2202に収容されて、外装ケース2202に取り付けられている。より詳しくは、磁気回路部203は、外装ケース2202と後述する振動板2241とで画定される密閉空間に収容されている。磁気回路部203には、後述する制御部2282の電気信号線2208が電気的に接続されている。
【0083】
振動板2241は、魚状の頭側から尾側に向かって凸となるように形成されている。本実施形態では、振動板2241は、ステンレス鋼で形成されているが、例えば、鋼鉄、チタン、アルミニウム、タイル材、木材、又は耐熱型樹脂(例えば、樹脂にカーボンなどを混合した混合樹脂)で形成されるようにしてもよい。あるいは、振動板2241は、弾性を有する部材で形成されるようにしてもよい。振動板2241は、スピーカ2201が予め定められた音圧を生じさせられるように、任意の厚さを有する。振動板2241の中央部には、接続部材451が接続されている。
【0084】
水センサ2281は、外装ケース2202の外面に取り付けられている。水センサ2281は、制御部2282に接続され、スピーカ2201が水中に位置していることを検知可能である。
【0085】
制御部2282は、外装ケース2202の内部において磁気回路部203及び電源部2283と電気的に接続されている。制御部2282は、例えば、メモリに記憶された音の信号をCPU(中央処理装置)においてD/A(デジタル・アナログ)変換して、アンプからボイスコイル5へ出力する。水センサ2281によりスピーカ2201が水中に位置していることを検知したとき、制御部2282は、例えば、魚の群れが餌を食べている際の音を発するようにスピーカ2201を制御する。
【0086】
このように構成されるスピーカ2201は、例えば、低周波音波振動を生じさせることで10Hzから400Hzの低周波音域において音圧を生じさせる場合、磁気回路部203の質量を予め適切に設定することによりボイスコイル5と磁気回路部203とを共振させることで音波式の集魚音を発する疑似餌ルアーとして機能する。
【0087】
本実施形態のスピーカによれば、以下の作用効果を奏する。
【0088】
第2磁石234がボイスコイル5の径方向内側に配置されるので、スピーカ201の軸方向の大きさが増加することを抑制することができる。
【0089】
また、ボイスコイル5の径方向内側に第2磁石234を配置することにより、ボイスコイル5の径方向外側の空きスペースが小さくなるのを抑制することができる。従って、ボイスコイル5の径方向外側における設計の自由度を広げることができる。
【0090】
また、第2磁石234は、ボイスコイル5の大径化を阻害しない。従って、ボイスコイル5の大径化でボイスコイル5の加振力を上げることが容易となる。
【0091】
また、本実施形態の変形例によれば、空気孔9には、既知の高分子材料が設けられて空気を流通可能にする。従って、スピーカ1201が水圧、土圧、気圧、又は温度の影響を受けても、スピーカ1201が膨張又は収縮することを抑制することができる。
【0092】
(第3実施形態)
本開示の第3実施形態に係るスピーカ301は、外装ケース302の周壁部321が第1周壁部321a及び第2周壁部321bを有し、底部322が空気孔9を有し、磁気回路部303の第2磁石334が第3磁石35及び第4磁石36を有する点で、第1実施形態、第2実施形態、第2実施形態の第1変形例、又は第2実施形態の第2変形例と異なっている。また、本開示の第3実施形態に係るスピーカ301は、第3弾性部材64と、棒部材72とが更に設けられ、振動板3041が保持枠を介さずに周壁部321に取り付けられている点で、第1実施形態及び第2実施形態と異なっている。更に、本開示の第3実施形態に係るスピーカ301は、圧縮ばね71が設けられている点で、第2実施形態と異なっている。なお、第3実施形態では、第1実施形態、第2実施形態、第2実施形態の第1変形例、又は第2実施形態の第2変形例と同一部分に同一参照番号を付して説明を省略し、第1実施形態、第2実施形態、第2実施形態の第1変形例、又は第2実施形態の第2変形例と異なる点について説明する。
【0093】
図7は、本開示の第3実施形態に係るスピーカ301の縦断面図である。
【0094】
周壁部321は、第1周壁部321a及び第2周壁部321bを有する。
【0095】
第1周壁部321aは、円筒状に形成され、ボイスコイル5の軸方向に平行な方向における中間部から一端部に亘って、ボイスコイル5の径方向の内側に向かって突出するように構成されている。
【0096】
第2周壁部321bは、円筒状に形成され、第1周壁部321aのボイスコイル5の径方向の内側に向かって突出した箇所のボイスコイル5側に並んで配置されている。第1周壁部321aは、底部322と一体に形成されている。第1周壁部321a及び第2周壁部321bの一端部は、それぞれ底部322の周縁部に連なっている。
【0097】
底部322は、スピーカ301の内部と外部との間で互いに空気を流通させる空気孔9を有する。空気孔9には、既知の高分子材料が設けられている。
【0098】
磁気回路部303の第2磁石334は、ボイスコイル5の径方向外側に配置されている第3磁石35と、ボイスコイル5の径方向内側に配置されている第4磁石36とを有する。
【0099】
第3磁石35は、第2ヨーク32に対して第1フランジ部311とは反対側に配置されると共に、第2ヨーク32に取り付けられている。より詳しくは、第3磁石35は、円環状に形成され、内周面が隙間を介してボイスコイル5の一部に対向している。第3磁石35は、ボイスコイル5の軸方向において第1磁石33と重なっている。第3磁石35の磁極は、全周に亘って第2ヨーク32側がS極であり、全周に亘って後述する振動板3041側がN極である。第3磁石35のS極は、第2ヨーク32の第1表面32aに接触している。一方、第3磁石35のN極は、振動板3041内の空間に面している。
【0100】
第4磁石36は、ボイスコイル5の径方向内側に配置されている。より詳しくは、第4磁石36は、ボイスコイル5の径方向内側において、柱部312に対して第1フランジ部311とは反対側に配置されると共に、柱部312の第2端部312b側の端面と第2フランジ部313の第1表面313aとに取り付けられている。より詳しくは、第4磁石36は、円環状に形成され、外周面が隙間を介してボイスコイル5の一部に対向している。第4磁石36の磁極は、全周に亘って柱部312側又は第2フランジ部313側がN極であり、全周に亘って振動板3041側がS極である。第4磁石36のN極は、柱部312の第2端部312b側の端面と第2フランジ部313の第1表面313aとに接触している。一方、第4磁石36のS極は、振動板3041内の空間に面している。
【0101】
振動板3041は、弾性変形可能な板状に形成されている。振動板3041は、外装ケース302の開口を塞ぐ蓋を兼ねている。振動板3041の周縁部は、周壁部321の他端部との間において隙間が生じないように、周壁部321に取り付けられている。本実施形態では、振動板3041は、セラミックで形成されているが、例えば、ステアタイト、ステンレス鋼、アルミニウム、硬質耐熱樹脂で形成されるようにしてもよい。あるいは、振動板3041は、耐熱性を有するプラスチックで形成されるようにしてもよい。振動板3041の厚さは、水圧又は土圧によってスピーカ301に数100kgの外力が作用する場合でも、例えば、スピーカ301が10dB以上の音圧を生じさせることができるように、例えば、2mm以上の厚さにしてもよい。
【0102】
柱部312の貫通孔31h及び圧縮ばね71の内側には、棒部材72が配置されている。棒部材72は、棒部材72の中心軸がボイスコイル5の中心軸に平行となるように配置されている。棒部材72は、蓋部4側の一端部が接続部材451に取り付けられている。例えば、水深10m付近の水中で振動板3041がスピーカの外部から水圧を受けて、振動板3041がスピーカ301の内部に押し込まれた場合に、棒部材72は、外装ケース302の底部322側に移動する。
【0103】
第3弾性部材64は、柱部312の貫通孔31hを覆うようにして、柱部312の一端部側の端面に取り付けられている。第3弾性部材64には、棒部材72の他端部が取り付けられている。すなわち、第3弾性部材64は、接続部材451と共に、棒部材72を挟んでいる。例えば、水深10m付近の水中でスピーカ1が外部から水圧を受けて、振動板3041がスピーカ301の内部に押し込まれた場合に、第3弾性部材64は、取り付けられている棒部材72が底部322側に移動するので、外装ケース302の底部322側に移動する。そのため、第3弾性部材64に取り付けられている磁気回路部303は、外装ケース302の底部322側に移動する。
【0104】
(スピーカ301の動作)
図8は、図7に示すスピーカ301の磁気回路部303に生じる磁束を模式的に示す部分拡大図である。
【0105】
本実施形態では、第1磁石33により、第1磁束331が形成され、第3磁石35及び第4磁石36により第3磁束351及び第4磁束361が形成されている。図7及び図8に示すように第1磁石33と第3磁石35及び第4磁石36とが配置されている場合、図8に示すように、第1磁石33により形成される第1磁束331と第3磁石35及び第4磁石36により形成される第3磁束351及び第4磁束361とが足し合わされる。そのため、前記磁気回路部が第3磁石及び第4磁石を有さない場合と比べて、ボイスコイルの軸方向の振動に寄与する磁束が増加する。このとき、ボイスコイル5に向かう磁束の磁束密度は、磁気回路部に配置されている磁石が第1磁石のみの場合と比べて、例えば、40%以上増加する。また、増加した前記加振力によりスピーカ301の出力音量を、例えば、6dB以上増加させ、好ましくは、10dB以上増加させ、より好ましくは、12dB以上増加させることができる。
【0106】
(第1変形例)
本開示の第3実施形態の第1変形例に係るスピーカ2301は、外装ケース2302の周壁部2321と底部2322とがねじ留めされ、周壁部2321と底部2322との間をシールするOリング2374が設けられ、第2弾性部材2362がボイスコイル5の中間部に接続され、棒部材2372が棒部材2372の軸周りに正逆回転可能であって、棒部材2372と関連する支持板2373が配置されている点で、第1実施形態、第2実施形態、第2実施形態の第1変形例、第2実施形態の第2変形例、又は第3実施形態と異なっている。また、空気孔9が削除されている点で第3実施形態と異なっている。なお、本変形例では、第1実施形態、第2実施形態、第2実施形態の第1変形例、第2実施形態の第2変形例、又は第3実施形態と同一部分に同一参照番号を付して説明を省略し、第1実施形態、第2実施形態、第2実施形態の第1変形例、第2実施形態の第2変形例、又は第3実施形態と異なる点について説明する。
【0107】
図9に、第3実施形態の第1変形例を示す。この変形例は、第1実施形態、第2実施形態、第2実施形態の第1変形例、又は第2実施形態の第2変形例にも適用され得る。図9は、第3実施形態の第1変形例に係るスピーカ2301の縦断面図である。図9では、電気信号線8の図示を省略している。
【0108】
周壁部2321は、一端部と中間部がボイスコイル5の径方向の内側に向かって突出するように構成され、中間部の方が一端部よりもボイスコイル5の径方向の内側に向かって突出している。中間部は、底部2322との対向面を有する。周壁部2321は、周壁部2321の一端部に、後述するOリング2374を収容する凹部を有する。
【0109】
底部2322は、周壁部2321にねじ留めされている。底部2322は、底部2322の周縁部に、周壁部2321の一端部に設けられた凹部と対になってOリング2374を収容する凹部を有する。
【0110】
シール部材の一例としてのOリング2374は、周壁部2321の凹部と底部2322の凹部とに収容され、周壁部2321の一端部と底部2322の周縁部との間をシールするように設けられている。
【0111】
第2弾性部材2362は、接続部材451と別体に形成され、磁気回路部3とボイスコイル5とに接続されている。より詳しくは、第2弾性部材2362のボイスコイル5側の一端部は、ボイスコイル5の軸方向におけるボビン部51の中間部451bに接続されている。第2弾性部材2362の磁気回路部3側の他端部は、複数のスペーサ63を介して第2ヨーク32の第1表面32aに接続されている。
【0112】
圧縮ばね71は、接続部材451と後述する棒部材2372の振動板3041側の端面との間に挟まれている。圧縮ばね71は、接続部材451に接着剤で取り付けられている。
【0113】
棒部材2372は、振動板3041側の一端部がフランジ状に形成され、圧縮ばね71と摺動可能に当接している。棒部材2372は、底部2322側の他端部に雄ねじ部が設けられている。棒部材2372は、棒部材2372の軸周りに正逆回転可能である。
【0114】
磁気回路部303と底部2322との間には、堅い円板状に形成され、周壁部2321の中間部の底部2322との対向面に取り付けられた支持板2373が配置されている。支持板2373には、支持板2373の径方向の中央部に棒部材2372の雄ねじ部と関わり合う雌ねじ部が設けられている。
【0115】
これにより、棒部材2372は、棒部材2372の軸周りに正逆回転回動させると、棒部材2372の雄ねじ部と支持板2373の雌ねじ部とが関わり合うことにより、ボイスコイル5の軸方向に進退移動しつつ、圧縮ばね71を介して振動板3041を支持することができる。
【0116】
(第2変形例)
本開示の第3実施形態の第2変形例に係るスピーカ1301は、振動部1341がベース1302と、磁気回路部303と、ボイスコイル5とを収容する点で、第1実施形態、第2実施形態、第2実施形態の第1変形例、第2実施形態の第2変形例、第3実施形態、又は第3実施形態の第1変形例と異なっている。また、空気孔9が削除されている点で第3実施形態と異なっている。なお、本変形例では、第1実施形態、第2実施形態、第2実施形態の第1変形例、第2実施形態の第2変形例、第3実施形態、又は第3実施形態の第1変形例と同一部分に同一参照番号を付して説明を省略し、第1実施形態、第2実施形態、第2実施形態の第1変形例、第2実施形態の第2変形例、第3実施形態、又は第3実施形態の第1変形例と異なる点について説明する。
【0117】
図10に、第3実施形態の第2変形例を示す。この変形例は、第1実施形態、第2実施形態、第2実施形態の第1変形例、第2実施形態の第2変形例、又は第3実施形態の第1変形例にも適用され得る。図10は、第3実施形態の第2変形例に係るスピーカ1301の縦断面図である。図10では、電気信号線8の図示を省略している。
【0118】
スピーカ1301は、振動部1341と、ベース1302と、磁気回路部303と、ボイスコイル5とを備える。
【0119】
振動部1341は、ベース1302と、磁気回路部303と、ボイスコイル5とを収容する筒体である。振動部1341は、スピーカ1301の外装ケースを兼ねている。振動部1341は、弾性変形可能に形成されている。振動部1341は、軸方向の両側の端部に筒体の開口を閉塞する図示しない蓋部材を有する。すなわち、磁気回路部303は、振動部1341により形成される密閉空間に収容されている。
【0120】
ベース1302は、振動部1341の筒体の径方向の一方側に位置する第1端部1302aと、振動部1341の筒体の径方向の他方側に位置する第2端部1302bとを有する。本変形例において、ベース1302は、振動部1341の筒体の径方向に、第1端部1302a及び第2端部1302bとは別の第3端部1302cを更に有する。ベース1302の第1端部1302aは、振動部1341の筒体の径方向の一方側の内周面1341aに固定されている。ベース1302の第2端部1302bは、振動部1341の筒体の径方向の他方側の内周面1341aに固定されている。本変形例において、ベース1302の第3端部1302cは、振動部1341の筒体の径方向の一方側及び他方側とは異なる内周面1341aに固定されている。接続部材451は、振動部1341の筒体の径方向において、ベース1302の第3端部1302cとは反対側の振動部1341の筒体の内周面1341aに取り付けられている。
【0121】
本実施形態のスピーカによれば、以下の作用効果を奏する。
【0122】
第1実施形態と比べて、ボイスコイル5に向かう磁束が更に増えるように第1磁石33の磁極、第3磁石35の磁極、及び第4磁石36の磁極を配置するので、第1実施形態と比べて、ボイスコイル5の加振力を更に上げて、音圧を増加させることができる。前記配置により、第2実施形態と比べて、ボイスコイル5の加振力を例えば10%上げて、音圧を増加させることができる。
【0123】
また、第3磁石35がボイスコイル5の径方向外側に配置されるので、スピーカ301の軸方向の大きさが増加することを抑制することができる。
【0124】
また、ボイスコイル5の径方向外側に第3磁石35を配置することにより、第3磁石35の径方向の大きさをボイスコイル5の外径よりも大きくすることができる。従って、ボイスコイル5の径方向内側に第3磁石を配置する場合と比べて、ボイスコイル5の軸方向の振動に寄与する磁束を増やすことができる。
【0125】
また、第4磁石36がボイスコイル5の径方向内側に配置されるので、スピーカ301の軸方向の大きさが増加することを抑制することができる。
【0126】
また、ボイスコイル5の径方向内側に第4磁石36を配置することにより、ボイスコイル5の径方向外側の空きスペースが小さくなるのを抑制することができる。従って、ボイスコイル5の径方向外側における設計の自由度を広げることができる。
【0127】
また、第3磁石35及び第4磁石36により、磁気回路部303の径方向外側の部分と、磁気回路部303の径方向内側の部分との重量差を低減することができる。
【0128】
また、第3磁石35及び第4磁石36により、磁気回路部303の重量を増加させて共振周波数を調整し、低音を出すことが容易になる。
【0129】
また、例えば、水深10m付近の水中でスピーカ301が外部から水圧を受けたとき、圧縮ばね71と、棒部材72と、第3弾性部材64とが磁気回路部303を外装ケース302の底部322側に付勢することにより、磁気回路部303とボイスコイル5との相対位置関係を維持しやすく、ボイスコイル5が受けるローレンツ力の低下を抑えることができる。そのため、スピーカ301が発する音圧の低下を抑えることができる。
【0130】
また、底部322がスピーカ301の内部と外部との間で互いに空気を流通させる空気孔9を有することにより、例えば、地上においてスピーカ301が高温の外気に触れることでスピーカ301の内部の空気が膨張しても、空気孔9を介してスピーカ301の内部の空気をスピーカ301の外部に排出することができる。
【0131】
また、本実施形態の変形例によれば、圧縮ばね71を介して振動板3041を支持する棒部材2372がボイスコイル5の軸方向に進退移動することにより、例えば、水深10mよりも深い水中でスピーカ2301が外部から水圧を受けたときに、振動板3041が外圧によってスピーカ2301の内部に向けて折れ曲がって破損することを抑制することができる。
【0132】
また、本実施形態の変形例によれば、ベース1302の第1端部1302a及び第2端部1302bが振動部1341の内周面1341aに固定されることにより、振動部1341の内部から振動部1341をベース1302で支持して、振動部1341を補強することが可能である。そのため、例えば、水深100mよりも深い水中においてスピーカ1301を使用することができる。
【0133】
前記実施形態及び変形例では、第2磁石34又は第3磁石35をボイスコイル5の軸方向において第1磁石33と重なるように配置したが、例えば、第2磁石34又は第3磁石35をボイスコイル5の径方向外側に、ボイスコイル5の軸方向において第1磁石33と重ならないように配置してもよい。
【0134】
前記実施形態及び変形例では、第1フランジ部311及び第2フランジ部313を柱部312の中心軸周りの周方向の全周に亘ってそれぞれ設けたが、周方向の一部に設けてもよい。
【0135】
前記実施形態及び変形例では、第1磁石33、第2磁石34、第2磁石234、第3磁石35、及び第4磁石36は、それぞれ円環状に形成されているが、角環状でもよい。
【0136】
前記実施形態及び変形例では、ボイスコイル5の径方向内側に配置された第2磁石234又は第4磁石36を柱部312の第2端部312b側の端面と第2フランジ部313の第1表面313aとに取り付けたが、柱部312の第2端部312b側の端面と第2フランジ部313の第1表面313aとの少なくとも一方にのみ取り付けてもよい。
【0137】
前記実施形態及び変形例では、振動板41と接続部材451とは、点接触して取り付けられているが、前記点接触における接触面積よりも広い面接触で取り付けられるようにしてもよい。振動板と接続部材との接触面積を変化させると、共振点を変化させることができる。例えば、このようなスピーカを水面又は地中に設置する場合には、振動板と接続部材とを面接触させてもよい。
【0138】
前記実施形態及び変形例では、圧縮ばね71は、接続部材451、又は柱部312に接着剤で固定されているが、接着剤を使用せずに当接させるようにしてもよい。
【0139】
前記実施形態及び変形例では、スピーカ1201は、皮膚に接触することで頭蓋骨を振動させて音を伝えることができる骨伝導スピーカとして機能するが、木材、石膏板、ベニヤ材、鉄板、タイルなどで形成されている壁に取り付けて、骨伝導スピーカ又はリラクゼーション振動音響スピーカとして機能するようにしてもよい。
【0140】
前記実施形態及び変形例では、スピーカ2201は、低周波音波振動により音波式の集魚音を発する疑似餌ルアーとして機能するが、魚が疑似餌ルアーから遠ざかるように音波式の忌避音を発する疑似餌ルアーとして機能してもよい。また、本発明に係るスピーカは、低周波音波振動により、例えば、葉物野菜の水耕栽培に使用してもよい。
【0141】
前記実施形態及び変形例では、スピーカ2201は、磁気回路部203を備えるが、磁気回路部303を備えるようにしてもよい。また、スピーカ2201を配置する水深に応じて、棒部材72及び第3弾性部材64を更に備えてもよい。このように構成することで、スピーカ2201をより深い水深で使用することができる。
【0142】
前記実施形態及び変形例では、圧縮ばね71は、接続部材451に接着剤で取り付けられ、棒部材2372に摺動可能に当接しているが、接続部材451に摺動可能に当接し、棒部材2372に接着剤で取り付けられるようにしてもよい。
【0143】
前記実施形態及び変形例では、本発明に係るスピーカが様々な用途に対応し得ることを示したが、それらの他にも、携帯電話、スマートフォン、トランシーバー、パーソナルコンピュータ、サウナルーム用の壁板又は天井板スピーカ、浴槽バスタブケース床振動スピーカ、ベンチスピーカ、車載用の側面又は天井スピーカ、一般音響スピーカ、又はマッサージ機など、種々の機器又はマイクとしても利用できる。本発明に係るスピーカは、耐圧性、耐水性、又は防水性が求められる環境における使用に適する。
【0144】
前記実施形態及び変形例では、スピーカは、水中スピーカとして機能するが、陸上で使用するスピーカとして機能してもよい。
【0145】
なお、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
【符号の説明】
【0146】
1 スピーカ
2 外装ケース
3 磁気回路部
5 ボイスコイル
31 第1ヨーク
32 第2ヨーク
33 第1磁石
34 第2磁石
35 第3磁石
36 第4磁石
41 振動板
201 スピーカ
203 磁気回路部
234 第2磁石
301 スピーカ
302 外装ケース
303 磁気回路部
311 第1フランジ部
312 柱部
312a 第1端部
312b 第2端部
313 第2フランジ部
331 第1磁束
334 第2磁石
341 第2磁束
351 第3磁束
361 第4磁束
1201 スピーカ
1202 第1外装ケース
1223 第2外装ケース
1241 振動板
1301 スピーカ
1302 ベース
1302a 第1端部
1302b 第2端部
1302c 第3端部
1341 振動部
1341a 内周面
2201 スピーカ
2202 外装ケース
2241 振動板
2341 第2磁束
3041 振動板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-03-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベースに弾性部材を介して取り付けられた磁気回路部と、
前記磁気回路部を覆う振動部と、
前記振動部に接続され、前記振動部と前記磁気回路部との間に位置するボイスコイルと
を備え、
前記磁気回路部は、
柱部と、前記柱部の前記振動部とは反対側の端部に設けられたフランジ部とを有する第1ヨークと、
前記ボイスコイルを挿入するための隙間が前記第1ヨークとの間に生じるように、前記柱部の前記振動部側の端部の周囲に設けられた第2ヨークと、
前記フランジ部と前記第2ヨークとで挟まれた第1磁石と、
前記ボイスコイルに向かう磁束が増えるように、前記柱部及び前記第2ヨークの少なくとも一方に対して前記フランジ部とは反対側に配置された第2磁石と
を有し、
前記ベースは、前記磁気回路部を取り囲む周壁部を有し、
前記弾性部材は、前記第2ヨークに取り付けられた本体部と、前記本体部の外周縁部から突出して前記ベースの前記周壁部に取り付けられた複数の腕部とを有する、スピーカ。
【請求項2】
請求項1に記載のスピーカにおいて、
前記第2磁石は、前記ボイスコイルの径方向外側に配置されている、スピーカ。
【請求項3】
請求項2に記載のスピーカにおいて、
前記第2磁石は、前記ボイスコイルの軸方向において前記第1磁石と重なっている、スピーカ。
【請求項4】
請求項1に記載のスピーカにおいて、
前記第2磁石は、前記ボイスコイルの径方向内側に配置されている、スピーカ。
【請求項5】
請求項1に記載のスピーカにおいて、
前記第2磁石は、前記ボイスコイルの径方向外側に配置されている第3磁石と、前記ボイスコイルの径方向内側に配置されている第4磁石とを有する、スピーカ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のスピーカにおいて、
前記振動部は、前記ベース、前記磁気回路部、及び前記ボイスコイルを収容する筒体であり、
前記ベースは、前記筒体の径方向の一方側に位置する第1端部と、前記筒体の径方向の他方側に位置する第2端部とを有し、
前記第1端部は、前記筒体の径方向の一方側の内周面に固定され、
前記第2端部は、前記筒体の径方向の他方側の内周面に固定されている、スピーカ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のスピーカにおいて、
前記ボイスコイルは、蓋状の接続部材を介して前記振動部に接続されており、
前記第1ヨークと前記接続部材の間には、前記ボイスコイルの中心軸に対して中心軸が平行に位置するように圧縮ばねが取り付けられている、スピーカ。
【請求項8】
請求項7に記載のスピーカにおいて、
前記第1ヨークは、前記柱部の軸方向に延びる貫通孔を有し、
前記貫通孔内には、前記ボイスコイルの軸方向に延びる棒部材が配置されており、
前記棒部材の一端部は、前記接続部材に取り付けられ、前記棒部材の他端部は、前記貫通孔の前記振動部とは反対側を覆うように前記磁気回路部に配置された弾性部材に取り付けられている、スピーカ。
【請求項9】
請求項7に記載のスピーカにおいて、
前記第1ヨークは、前記柱部の軸方向に延びる貫通孔を有し、
前記貫通孔内には、前記ボイスコイルの軸方向に延びる棒部材が配置されており、
前記棒部材の一端部には、前記圧縮ばね及び前記接続部材を介して前記振動部を支持するフランジが設けられ、前記棒部材の他端部は、前記貫通孔の前記振動部とは反対側を覆うように前記ベースに配置された支持板に取り付けられている、スピーカ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の一態様のスピーカは、
ベースと、
前記ベースに弾性部材を介して取り付けられた磁気回路部と、
前記磁気回路部を覆う振動部と、
前記振動部に接続され、前記振動部と前記磁気回路部との間に位置するボイスコイルと
を備え、
前記磁気回路部は、
柱部と、前記柱部の前記振動部とは反対側の端部に設けられたフランジ部とを有する第1ヨークと、
前記ボイスコイルを挿入するための隙間が前記第1ヨークとの間に生じるように、前記柱部の前記振動部側の端部の周囲に設けられた第2ヨークと、
前記フランジ部と前記第2ヨークとで挟まれた第1磁石と、
前記ボイスコイルに向かう磁束が増えるように、前記柱部及び前記第2ヨークの少なくとも一方に対して前記フランジ部とは反対側に配置された第2磁石と
を有し、
前記ベースは、前記磁気回路部を取り囲む周壁部を有し、
前記弾性部材は、前記第2ヨークに取り付けられた本体部と、前記本体部の外周縁部から突出して前記ベースの前記周壁部に取り付けられた複数の腕部とを有する。