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特開2023-11072EUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011072
(43)【公開日】2023-01-23
(54)【発明の名称】EUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 1/84 20120101AFI20230116BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20230116BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20230116BHJP
【FI】
G03F1/84
G01N21/956 A
H01L21/66 J
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021144093
(22)【出願日】2021-09-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0086358
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521390752
【氏名又は名称】イソル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】リ,ドン グン
【テーマコード(参考)】
2G051
2H195
4M106
【Fターム(参考)】
2G051AA56
2G051AB02
2G051BA05
2G051BB05
2G051CA06
2G051CB01
2G051CB05
2G051CC09
2G051DA06
2H195BD01
2H195BD13
2H195BD14
2H195BD18
2H195BD22
2H195BD25
2H195BD26
4M106AA09
4M106BA05
4M106BA07
4M106CA38
4M106DB02
4M106DB08
4M106DJ18
4M106DJ38
(57)【要約】      (修正有)
【課題】EUVブランクマスクの欠陥を検出し、ウェーハパターン工程における欠陥を最小化しまたは発生させないように、不良転写を改善させること。
【解決手段】検査装置を用いてEUVブランクマスクの欠陥の位置座標、信号強度値を含む欠陥情報を検出する第1ステップと、EUV顕微鏡を用いて、EUVマスクによりウェーハに形成すべきパターン情報を取得し、取得された欠陥情報及びパターン情報を用いてエアリアルイメージ情報を検出する第2ステップと、エアリアルイメージ情報を用いてEUVマスクによりウェーハに露光する際に、EUVマスクに存在する欠陥がウェーハに転写されるか否かを検出する第3ステップと、ウェーハへの転写により欠陥が小さくなるかまたは消えるように、EUVマスクの位置を調整するか、EUVマスクを他のものと交換するか、により、ウェーハに形成すべきパターンの欠陥を改善すr第4ステップと、を含んで構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
EUVブランクマスクの欠陥を検出する検出方法において、
検査装置を用いて前記EUVブランクマスクの欠陥情報を検出するが、欠陥の位置座標及び信号強度値を含む欠陥情報を検出する第1ステップと、
EUV顕微鏡を用いて、前記EUVマスクによりウェーハに形成すべきパターン情報を取得し、前記第1ステップで取得された欠陥情報及び前記パターン情報を用いてエアリアルイメージ情報を検出する第2ステップと、
前記第2ステップで取得されたエアリアルイメージ情報を用いて、前記EUVマスクによりウェーハに露光する際に、前記EUVマスクに存在する欠陥がウェーハに転写されるか否かを検出する第3ステップと、
前記第3ステップで検出された欠陥によるウェーハへの転写の有無により、当該欠陥が小さくなるかまたは消えるように、前記EUVマスクの位置を調整するか、前記EUVマスクを他のものと交換するか、新たなEUVブランクマスクを用いてEUVマスクを製造して用いることにより、ウェーハに形成すべきパターンの欠陥を改善させてパターンを形成する第4ステップと、を含んで構成されることを特徴とするEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法。
【請求項2】
前記第1ステップは、
前記EUVブランクマスクの欠陥情報を検出するための検査装備として、ArF(193nm)波長の光及びArF光学系で構成されるか、EUV(13.5nm)波長の光及びEUV反射光学系で構成された顕微鏡により、前記EUVマスクの欠陥情報を検出し、
前記顕微鏡は、暗視野(Dark-field)方式のイメージング法を用いて、前記EUVブランクマスクの欠陥情報を検出することを特徴とする請求項1に記載のEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法。
【請求項3】
前記第2ステップは、
波長13.5nmのEUV光及びEUV光学系を用い、明視野(bright-field)方式のイメージング法を用いて、前記エアリアルイメージ情報を検出することを特徴とする請求項1に記載のEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法。
【請求項4】
前記EUV光学系は、
EUV反射光学系が用いられた顕微鏡の構造、ゾーンプレートレンズ(Zoneplate lens)の透過光学系が含まれた顕微鏡の構造、全視野(Full-field)イメージング方式の顕微鏡の構造、走査型のイメージング方式の顕微鏡の構造のうちから選ばれたいずれか一つの顕微鏡の構造を有するEUV光学系を用いてエアリアルイメージ情報を検出することを特徴とする請求項3に記載のEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法。
【請求項5】
前記第2ステップは、
前記エアリアルイメージ情報の検出のために、フォーカス位置及びデフォーカス位置のそれぞれ一つのイメージを取得するか、二つのデフォーカス位置において、それぞれエアリアルイメージ情報を検出し、
前記エアリアルイメージ情報についての振幅値及び位相値を計算し、
前記振幅値及び位相値を用いて、前記エアリアルイメージのフォーカス(二つのフォーカス)別のエアリアルイメージを再構成し、
フォーカス別の振幅値及び位相値をウェーハに露光すべき前記それぞれのフォーカス別のパターンに加え、
前記EUVブランクマスクの欠陥の振幅値及び位相値が加えられたフォーカス別のパターンに対して、ウェーハ露光機の光学条件(シグマ及び開口数(Numerical Apertu、NA))によりエアリアルイメージの計算を行い、
前記計算により、ウェーハ面のエアリアルイメージ内に欠陥が転写されるか否かを検出することを特徴とする請求項1に記載のEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法。
【請求項6】
前記第2ステップは、
前記エアリアルイメージ情報を測定するために、強度値のみをフォーカス及びデフォーカスで測定し、前記強度値の平方根の値を振幅値として用い、
前記測定されたフォーカス及びデフォーカスのエアリアルイメージを、それぞれのビームが伝播または逆伝播したものとして用い、
前記エアリアルイメージを伝播させるためには、エアリアルイメージの振幅値及び位相値を用い、
前記エアリアルイメージの位相値は、前記両イメージ間の伝播または逆伝播により、それぞれのエアリアルイメージの測定値が振幅値を満足する位相値を繰り返し過程により再構成し、
前記エアリアルイメージ間の伝播及び逆伝播は、有限差分伝播(Finite Difference propagation、FDP)法で計算されることを特徴とする請求項1に記載のEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法。
【請求項7】
前記第2ステップは、
前記エアリアルイメージ情報の検出のために、フォーカス位置及びデフォーカス位置のそれぞれ一つの画像を取得するか、二つのデフォーカス位置において、それぞれのエアリアルイメージ情報を検出し、
検出された前記エアリアルイメージによる二つ以上のエアリアルイメージについての振幅値及び位相値を計算し、
前記EUVブランクマスクの欠陥のエアリアルイメージを形成する振幅値及び位相値をウェーハに露光すべきパターンに加え、
前記EUVブランクマスクの欠陥のエアリアルイメージに振幅値及び位相値が加えられたフォーカス別のパターンに対して、ウェーハ露光機の光学条件(シグマ及びNA)によりエアリアルイメージの計算を行い、
前記計算により、ウェーハ面のエアリアルイメージ内のEUVブランクマスクの欠陥によるパターンのサイズを測定し、
パターンサイズの誤差が基準値に対して大きいかあるいは小さいかを確認し、これにより、欠陥の転写性の有無を判断することを特徴とする請求項1に記載のEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EUVブランクマスク(EUV Blank mask)の欠陥(defect)検出を用いてウェーハ欠陥を改善する方法に係り、さらに詳しくは、半導体素子の製造工程中に極端紫外線(Extreme Ultraviolet、EUV)露光工程を用いた微細パターンの形成の際に用いられるEUVマスクの原材料に相当するEUVブランクマスクの不良を検出して、露光工程時、それを改善させることができる、EUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、業界では、半導体を製造する際に、波長13.5nmのEUV光を用いる極端紫外線リソグラフィ(Extreme ultraviolet lithography:EUVリソグラフィ)を用いている。EUV光は、波長が以前のArF露光装置が持つ193nmよりも短く、さらに微細化したパターンを形成することにより、半導体回路の集積度や性能を大いに改善させることができるという長所があるものの、EUV光が空気中で全て吸収されるので、露光光学系の全ての部品と、回路の原版に相当するマスクと、回路を描き込むウェーハとが全て真空中に存在することになり、既存の透過型のマスクは、EUV光がマスク物質により吸収されるので、反射型のEUVマスクを用いなければならないという短所があった。
【0003】
反射型のEUVマスクは、ウェーハに転写されるパターンの原版となり、EUV光を反射させるためにMoとSiで構成された多層膜を有している。ウェーハに露光される原版回路は、EUVマスクでEUV光を反射させる多層膜ミラーの上に、光を吸収させる物質であるアブソーバーを用いて刻まれる。
【0004】
EUVマスクは、EUVブランクマスク(EUVマスク原材料)を用いて製造するようになるが、EUVブランクマスクは、EUV光を反射させる多層膜の上にEUV光を吸収させるアブソーバーがある構造であり、このようなEUVブランクマスクを用いて、アブソーバー層により半導体回路に応じたパターンを形成する過程がEUVマスクの製造過程である。
【0005】
EUVリソグラフィ過程において、原版のEUVマスクを用いて数十万枚の回路が刻まれたウェーハを繰り返して生産することになるが、EUVマスク内に欠陥があれば、かなり大量のウェーハが不良となってしまう。しかも、このような欠陥が、原材料であるEUVブランクマスクの多層膜内に存在すれば、それを位相欠陥といい、修正が不可能であると知られている。
【0006】
このため、全体のウェーハの不良率を下げるためには、欠陥のないEUVマスクを製造しなければならず、特に、EUVブランクマスクの欠陥のない原材料が使用されなければならない。しかし、現実的に、EUVブランクマスクの欠陥をなくすことは、低い収率により費用が多くかかるので、欠陥があっても、EUVマスクの製造工程において、アブソーバーパターンの下に欠陥を隠し、最大限多くの欠陥を有した安価なEUVブランクマスクを使えるようにする技術が用いられてきている。
【0007】
しかしながら、既存に、EUVブランクマスクの欠陥を検出し、このような検出器から提供する欠陥情報におけるサイズ及び位置の不正確性のため、欠陥をパターンの下に隠す技術の効率が著しく落ちるという問題がある状況であった。
【0008】
これを解消するための技術によるEUVブランクマスクの欠陥を検出する方法が、図1に示されている。既存の技術は、ブランク検査機で検出された欠陥の位置及びサイズについての情報が不正確であり、パターン形成の際に、ウェーハへの転写性の有無の判断が不正確であって、最終欠陥が転写されることにより、欠陥によるウェーハの不良を発生させている。
【0009】
したがって、このような問題を解消するために、欠陥情報を正確に把握し、その欠陥がウェーハにどうように転写されるかを検出して、欠陥を改善させることが切望されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国登録特許10-1811306号公報
【特許文献2】韓国登録特許10-0875569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記した問題点を解決するための本発明は、EUVブランクマスクの原材料に起因したEUVマスクの欠陥を検出し、これにより、ウェーハパターン工程における欠陥を最小化しまたは発生させないように、不良転写を改善させることを目的とする。
【0012】
このため、本発明は、EUVブランクマスクで検出された欠陥情報を用いて、ウェーハに転写性の有無を判断することにより、それによる欠陥を最小化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記した目的を達成するための本発明は、EUVブランクマスクの欠陥を検出する検出方法において、検査装置を用いてEUVブランクマスクの欠陥情報を検出するが、欠陥の位置座標及び信号強度値を含む欠陥情報を検出する第1ステップと、EUV顕微鏡を用いて、前記EUVマスクによりウェーハに形成すべきパターン情報を取得し、前記第1ステップで取得された欠陥情報及び前記パターン情報を用いてエアリアルイメージ情報を検出する第2ステップと、前記第2ステップで取得されたエアリアルイメージ情報を用いて、前記EUVマスクによりウェーハに露光する際に、前記EUVマスクに存在する欠陥がウェーハに転写されるか否かを検出する第3ステップと、前記第3ステップで検出された欠陥によるウェーハへの転写の有無により、当該欠陥が小さくなるかまたは消えるように、前記EUVマスクの位置を調整するか、前記EUVマスクを他のものと交換するか、新たなEUVブランクマスクを用いてEUVマスクを製造して用いることにより、ウェーハに形成すべきパターンの欠陥を改善させてパターンを形成する第4ステップと、を含んで構成される。
【0014】
また、前記第1ステップは、前記EUVブランクマスクの欠陥情報を検出するための検査装備として、ArF(193nm)波長の光及びArF光学系で構成されるか、EUV(13.5nm)波長の光及びEUV反射光学系で構成された顕微鏡により、前記EUVマスクの欠陥情報を検出し、前記顕微鏡は、暗視野(Dark-field)方式のイメージング法を用いて、前記EUVブランクマスクの欠陥情報を検出する。
【0015】
また、前記第2ステップは、波長13.5nmのEUV光及びEUV光学系を用い、明視野(bright-field)方式のイメージング法を用いて、前記エアリアルイメージ情報を検出する。
【0016】
また、前記EUV光学系は、EUV反射光学系が用いられた顕微鏡の構造、ゾーンプレートレンズ(Zoneplate lens)の透過光学系が含まれた顕微鏡の構造、全視野(Full-field)イメージング方式の顕微鏡の構造、走査型のイメージング方式の顕微鏡の構造のうちから選ばれたいずれか一つの顕微鏡の構造を有するEUV光学系を用いてエアリアルイメージ情報を検出する。
【0017】
また、前記第2ステップは、前記エアリアルイメージ情報の検出のために、フォーカス位置及びデフォーカス位置のそれぞれ一つのイメージを取得するか、二つのデフォーカス位置において、それぞれエアリアルイメージ情報を検出し、前記エアリアルイメージ情報についての振幅値及び位相値を計算し、前記振幅値及び位相値を用いて、前記エアリアルイメージのフォーカス(二つのフォーカス)別のエアリアルイメージを再構成し、フォーカス別の振幅値及び位相値をウェーハに露光すべき前記それぞれのフォーカス別のパターンに加え、前記EUVブランクマスクの欠陥の振幅値及び位相値が加えられたフォーカス別のパターンに対して、ウェーハ露光機の光学条件(シグマ及び開口数(Numerical Apertu、NA))によりエアリアルイメージの計算を行い、前記計算により、ウェーハ面のエアリアルイメージ内に欠陥が転写されるか否かを検出することを特徴とする。
【0018】
また、前記第2ステップは、前記エアリアルイメージ情報を測定するために、強度値のみをフォーカス及びデフォーカスで測定し、前記強度値の平方根の値を振幅値として用い、前記測定されたフォーカス及びデフォーカスのエアリアルイメージを、それぞれのビームが伝播または逆伝播したものとして用い、前記エアリアルイメージを伝播させるためには、エアリアルイメージの振幅値及び位相値を用い、前記エアリアルイメージの位相値は、前記両イメージ間の伝播または逆伝播により、それぞれのエアリアルイメージの測定値が振幅値を満足する位相値を繰り返し過程により再構成し、前記エアリアルイメージ間の伝播及び逆伝播は、有限差分伝播(Finite Difference propagation、FDP)法で計算される。
【0019】
また、前記第2ステップは、前記エアリアルイメージ情報の検出のために、フォーカス位置及びデフォーカス位置のそれぞれ一つの画像を取得するか、二つのデフォーカス位置において、それぞれのエアリアルイメージ情報を検出し、検出された前記エアリアルイメージによる二つ以上のエアリアルイメージについての振幅値及び位相値を計算し、前記EUVブランクマスクの欠陥のエアリアルイメージを形成する振幅値及び位相値をウェーハに露光すべきパターンに加え、前記EUVブランクマスクの欠陥のエアリアルイメージに振幅値及び位相値が加えられたフォーカス別のパターンに対して、ウェーハ露光機の光学条件(シグマ及びNA)によりエアリアルイメージの計算を行い、前記計算により、ウェーハ面のエアリアルイメージ内のEUVブランクマスクの欠陥によるパターンのサイズを測定し、パターンサイズの誤差が基準値に対して大きいかあるいは小さいかを確認し、これにより、欠陥の転写性の有無を判断することを特徴とする。
【0020】
また、前記EUV顕微鏡は、高出力のフェムトセカンドレーザーをガスセルに集束させるための平面ミラー及び球面ミラーを含む高出力レーザー出力部と、前記レーザー出力部から出力された光からコヒーレントEUV光源の生成のためのガスセルを含むコヒーレントEUV光源生成部と、前記EUVマスクが位置され、前記反射型のEUVマスクをX軸またはY軸方向に移動させる移動部と、前記EUV光源生成部から出力される光を前記EUVマスクに照射するための多数の光学系と、前記移動部の上部に位置され、集束された前記干渉EUV光のうち、透過された1次回折光が、反射型のEUVマスクの一部の領域により反射される場合、反射された前記干渉EUV光のエネルギーを検出する検出部と、を含んで構成されている。
【0021】
また、エアリアルイメージ情報を検出するために、フォーカス位置及びデフォーカス位置のそれぞれ一つのイメージを取得するか、二つのデフォーカス位置において、それぞれのエアリアルイメージ情報を検出するとき、前記デフォーカスイメージは、「+」デフォーカスイメージ及び「-」デフォーカスイメージをそれぞれ取得することを特徴とする。
【0022】
また、前記第4ステップの後は、前記EUV顕微鏡により、ウェーハに形成されたパターンの欠陥の転写の有無を測定するステップをさらに含んで構成されている。
【0023】
また、前記エアリアルイメージ情報を取得するEUV顕微鏡は、前記EUVマスクにより半導体ウェーハに露光する際に用いられる露光機の波長値と入射角、開口数(N/A)及び照明系における条件と同じ条件のEUV顕微鏡が使用される。
【発明の効果】
【0024】
このように構成されて作用される本発明は、半導体ウェーハ工程において、EUVブランクマスクに存在する欠陥によるウェーハへの転写性の有無(欠陥による転写)を判断する際に、欠陥レビュー工程を用いて、不良の転写を改善することができる効果を奏する。
【0025】
したがって、EUVブランクマスクを用いたEUVマスクパターンの形成前、予め欠陥の転写性の有無が正確に予測可能であるので、前記欠陥を特定のパターンの下に隠すか、パターンに応じた欠陥が含まれているEUVブランクマスクを選択するか、新たなEUVマスクを製造することにより、EUVブランクマスクの欠陥に起因するウェーハの欠陥を改善させて、結果的に工程効率性を著しく増大させることができるという長所がある。
【0026】
すなわち、本発明による工程を経て、EUVブランクマスクの欠陥の位置情報、サイズ、位相情報を全て検出することができるので、正確な欠陥情報の検出が可能である。
【0027】
これらのEUVブランクマスク欠陥回避技術の改善は、EUVマスクの生産収率やEUVブランクマスクの適切な使用に伴う生産コストの節減を図ることができるという大きな利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】従来技術に係るEUVブランクマスクの欠陥によるウェーハの欠陥が発生した過程を説明した図である。
図2】本発明に係るEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法のフローチャートである。
図3】本発明に係るEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法において、欠陥検出に使用されるEUV走査型顕微鏡の概略図である。
図4】本発明に係るEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法において、エアリアルイメージの取得過程を示す図である。
図5】本発明に係るEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法において、エアリアルイメージの取得の他の例を示す図である。
図6】本発明に係るEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法を用いて、パターンと結合されたエアリアルイメージを示す図である。
図7】本発明に係るEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法を用いて、パターンと結合された他のエアリアルイメージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付された図面を参照して、本発明に係るEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法について詳述する。
【0030】
本発明に係るEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法は、EUVブランクマスクの欠陥を検出する検出方法において、検査装置を用いてEUVブランクマスクの欠陥情報を検出するが、欠陥の位置座標及び信号強度値を含む欠陥情報を検出する第1ステップと、EUV顕微鏡を用いて、前記EUVマスクによりウェーハに形成すべきパターン情報を取得し、前記第1ステップで取得された欠陥情報及び前記パターン情報を用いてエアリアルイメージ情報を検出する第2ステップと、前記第2ステップで取得されたエアリアルイメージ情報を用いて、前記EUVマスクによりウェーハに露光する際に、前記EUVマスクに存在する欠陥がウェーハに転写されるか否かを検出する第3ステップと、前記第3ステップで検出された欠陥によるウェーハへの転写の有無により、当該欠陥が小さくなるかまたは消えるように、前記EUVマスクの位置を調整するか、前記EUVマスクを他のものと交換するか、新たなEUVブランクマスクを用いてEUVマスクを製造して用いることにより、ウェーハに形成すべきパターンの欠陥を改善させてパターンを形成する第4ステップと、を含んで構成される。
【0031】
本発明に係る技術は、EUVマスクの製造に使用される原材料に相当するEUVブランクマスクに起因したEUVマスクの欠陥を検出し、これにより、ウェーハパターン工程における欠陥を最小化しまたは発生させないように、不良転写を改善させることを、その目的とする。このため、本発明は、EUVブランクマスクの欠陥を検出し、その欠陥がウェーハパターン工程において転写されるか否かを判断して、欠陥が転写されることをなくしまたは最小化するか、転写に欠陥が影響を及ぼさない他のEUVマスクと交換して転写するか、欠陥転写を回避するために、新たなEUVマスクを製造してウェーハにパターニングを行うことにより、欠陥の転写を防止しまたは最小化させ、生産効率を著しく向上させることができることを主な特徴とする。
【0032】
すなわち、本発明は、前記EUVブランクマスクの欠陥を回避するための技術として、大いに三つの過程で構成され、第一、欠陥を検出する過程と、第二、前記検出された欠陥から13.5nmの光でエアリアルイメージ情報を検出する過程と、第三、前記エアリアルイメージ情報の測定により再構成された欠陥情報及び生成したEUVマスクのパターン情報を用いて、ウェーハ面にパターン欠陥が転写されるかを判断する過程とで、それぞれ構成されている。
【0033】
図2は、本発明に係るEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法のフローチャートである。
【0034】
前述したように、EUVブランクマスクの欠陥がウェーハに転写されることを改善するために、EUVブランクマスクの欠陥検出、エアリアルイメージの取得、転写性の有無に対する判断で、それぞれ構成されている。
【0035】
これを具体的に説明すると、まず、第1ステップ(S100)において、検査装置を用いて、EUVブランクマスクの欠陥情報を検出するが、前記の欠陥情報は、欠陥の位置座標及び欠陥の信号強度値を含む。
【0036】
EUVブランクマスクに存在する欠陥情報における位置座標情報及び欠陥の強度値を検出するために、光学装備の顕微鏡を使用する。前記検査装備に相当する顕微鏡は、好ましくは、ArF(193nm)の波長の光及びArF光学系で構成されるか、EUV(13.5nm)波長の光及びEUV反射光学系で構成される顕微鏡を使用して、前記EUVブランクマスクの欠陥情報を検出する。このとき、前記顕微鏡は、暗視野方式のイメージング法を用いて欠陥情報を検出する。
【0037】
したがって、EUVブランクマスクに起因したEUVマスクの欠陥を、前記第1ステップ(S100)により検査装置で検出した後、ここで、検出された欠陥の位置情報及び強度情報を、ウェーハへの転写の有無を判断する情報として活用する。
【0038】
次に、第2ステップ(S200)工程により、EUV顕微鏡を用いて、前記EUVマスクによりウェーハに形成すべきパターンの情報を取得し、前記第1ステップ(S100)で取得した欠陥情報及び前記パターン情報を用いて、エアリアルイメージ情報を検出する。
【0039】
前記エアリアルイメージ情報は、前記第1ステップ(S100)で検出された欠陥情報を用いて、その欠陥が露光工程において転写されるか否かを判断するためのイメージ情報に相当する。
【0040】
前記エアリアルイメージ情報の測定過程では、それを行うために、EUV(13.5nm)光及びEUV光学系を用いた顕微鏡構造の測定装置を用い、前記エアリアルイメージ情報の測定過程は、明視野方式のイメージング法を用いて、欠陥のフォーカスによりイメージを測定することを特徴とする。
【0041】
前記エアリアルイメージを測定するために、図4乃至図7においてさらに具体的に後述するが、簡単に説明すれば、前記EUVブランクマスクの欠陥のエアリアルイメージ情報を、フォーカス別(フォーカス、デフォーカス)に二つ以上を測定する。これは、フォーカシングイメージのみを測定する場合、欠陥の強度情報のみが検出されるので、フォーカス値及びデフォーカス値をそれぞれ検出して、欠陥の振幅値及び位相値をそれぞれ取得することができるからである。
【0042】
前記測定されたフォーカス別(フォーカス、デフォーカス)のエアリアルイメージ情報及びビームの進行モデルを用いて、前記エアリアルイメージ情報の振幅値及び位相値を計算し、EUVブランクマスク欠陥のエアリアルイメージの振幅値及び位相値を計算するとき、それぞれのエアリアルイメージの強度情報を境界条件として用いて、ビームの進行は、有限差分伝播を用いる方法を使用する。
【0043】
前記EUVブランクマスク欠陥の再構成されたフォーカス別の位相値及び振幅値を、ウェーハに露光すべきパターンに加え、前記欠陥の位相値及び振幅値が加えられたフォーカス別のパターンに対して、ウェーハ露光機の露光条件(シグマ及びNA)によりエアリアルイメージの計算を行い、前記ウェーハのエアリアルイメージの計算により、ウェーハ面に欠陥が転写されるかを確認し、転写性の有無の判断により、欠陥の転写回避ができる方向へEUVマスクのパターンを移動させて露光することにより、欠陥情報が転写されることを防止することができる。
【0044】
また、前記第2ステップで取得したエアリアルイメージ情報を用いて、EUVマスクによりウェーハに露光する際に、前記EUVマスクに存在する欠陥が、ウェーハに転写されるか否かを検出する第3ステップ(S300)を行う。
【0045】
前記第3ステップで検出された欠陥の転写の有無により、その欠陥が小さくなりまたは消えるように、前記EUVマスクの位置を調整するか、前記EUVマスクを他のものと交換するか、または前記EUVマスクを再製造することにより、新たなEUVマスクを用いて、ウェーハの上に形成すべき欠陥を改善するウェーハにパターンを形成する第4ステップ(S400)である。
【0046】
前記第4ステップは、前記第1ステップ乃至第3ステップにおいて、欠陥による転写不良を防止するために、マスクの位置調整、マスクの交換、転写の有無による新規なマスクの製造により、ウェーハ露光工程を行うことで、欠陥転写の問題を事前に防止することができる。
【0047】
本発明では、EUVブランクマスクの欠陥情報を検出し、エアリアルイメージ情報を検出するために、露光機と同じ条件(波長等)を有するEUV走査型の顕微鏡を使用する。
【0048】
図3は、本発明に係るEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法において、欠陥検出に使用されるEUV走査型顕微鏡の概略図である。
【0049】
本発明において、EUVブランクマスクのエアリアルイメージ情報を取得するための装備としては、EUV走査型の顕微鏡により測定する。本発明に係る前記EUV走査型の顕微鏡装置は、本出願人の出願した発明による、韓国特許出願第10-2019-0044228号(発明の名称:走査型のEUVマスクのパターンイメージ測定装置)である。
【0050】
前記EUV顕微鏡について簡単に説明すれば、高出力のフェムトセカンドレーザーをガスセルに集束させるための平面ミラー2及び球面ミラー3を含む高出力レーザー出力部1と、前記レーザー出力部から出力された光からコヒーレントEUV光源の生成のためのガスセル4及びガス供給ライン5を含むコヒーレントEUV光源生成部と、前記EUV生成光から高出力のレーザービームを除去するためのピンホール6、グラフェンフィルター7、Zrフィルタ8と、上部に反射型のEUVマスクが位置され、前記反射型のEUVマスクをX軸またはY軸方向に移動させる移動部16と、干渉EUV光の収差を補正し、EUV光をゾーンプレートレンズに接続させるX線球面ミラー10と、前記移動部と前記X線球面ミラーとの間に位置され、反射された前記干渉EUV光を前記反射型のEUVマスクの一部領域に接続させるゾーンプレートレンズ12と、前記ゾーンプレートレンズとX線球面ミラーとの間に位置され、X線球面ミラーにより接続されるビームを、前記ゾーンプレートレンズに誘導するために反射させるX線平面ミラー11と、前記移動部の上部に位置され、接続された前記干渉EUV光のうち1次回折光のみを透過させるオーダーソーティングアパーチャ(OSA)13と、前記移動部の上部に位置し、集束された前記干渉EUV光のうち、透過した1次回折光が反射型のEUVマスクの一部の領域により反射される場合、反射された前記干渉EUV光のエネルギーを検出する検出部17と、を含んで構成されている操作型のEUVマスクのパターンイメージ測定装置である。
【0051】
前記EUV顕微鏡装置の構成は一例であって、光学系の構成は、光学的特性に応じて様々に設計及び変更され得ることは言うまでもなく、これに限定されるものではない。
【0052】
このように構成された前記EUV走査型顕微鏡では、ウェーハ露光機と同じ条件を有するEUV波長の光源を用いて、EUVマスクのパターンを測定して取得することができる。
【0053】
図4は、本発明に係るEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法において、エアリアルイメージの取得過程を示す図である。
【0054】
前記エアリアルイメージ情報を検出するためにフォーカス位置及びデフォーカス位置のそれぞれ一つの画像を取得するか、二つのデフォーカス位置において、それぞれのエアリアルイメージ情報を検出して、前記エアリアルイメージ情報についての振幅値及び位相値を計算する。
【0055】
ここで、前記デフォーカスイメージは、「+」デフォーカスイメージ及び「-」デフォーカスイメージをそれぞれ取得するが、これは、EUVマスクを用いて、露光工程で発生し得る条件に合わせるために、ブラス及びマイナスのデフォーカスイメージを取得することである。
【0056】
前記振幅値及び位相値を用いて、前記エアリアルイメージのフォーカス(二つのフォーカス)別のエアリアルイメージを再構成し、フォーカス別の振幅値及び位相値をウェーハに露光される前記それぞれのフォーカス別のパターンに加え、欠陥の振幅値及び位相値が加えられたフォーカス別のパターンに対して、ウェーハ露光機の光学条件(シグマ及びNA)によりエアリアルイメージの計算を行い、前記計算により、ウェーハ面のエアリアルイメージ内の欠陥が転写されるか否かを検出する。
【0057】
図5は、本発明に係るEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法において、エアリアルイメージの取得の他の例を示す図である。
【0058】
前記エアリアルイメージ情報を測定するために、強度値のみをフォーカス及びデフォーカスで測定し、前記強度値の平方根の値を振幅値として用い、前記測定されたフォーカス及びデフォーカスのエアリアルイメージを、それぞれのビームが伝播または逆伝播したものとして用い、前記エアリアルイメージを伝播させるためには、エアリアルイメージの振幅値及び位相値を用い、前記エアリアルイメージの位相値は、前記両イメージ間の伝播または逆伝播により、それぞれのエアリアルイメージの測定値が振幅値を満足する位相値を繰り返し過程により再構成し、前記エアリアルイメージ間の伝播及び逆伝播は、有限差分伝播(Finite Difference propagation、FDP)法で計算される。
【0059】
図6は、本発明に係るEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法を用いて、パターンと結合されたエアリアルイメージを示す図であり、図7は、他のエアリアルイメージを示す図である。
【0060】
エアリアルイメージ情報の検出のために、フォーカス位置及びデフォーカス位置のそれぞれ一つのイメージを取得するか、二つのデフォーカス位置において、それぞれのエアリアルイメージ情報を検出し、検出された前記エアリアルイメージによる二つ以上のエアリアルイメージ情報の振幅値及び位相値を計算し、前記欠陥のエアリアルイメージを形成する振幅値及び位相値をウェーハに露光すべきパターンに加え、欠陥のエアリアルイメージに振幅値及び位相値が加えられたフォーカス別のパターンに対して、ウェーハ露光機の光学条件(シグマ及びNA)によりエアリアルイメージ情報の計算を行い、前記計算により、ウェーハ面のエアリアルイメージ内の欠陥によるパターンサイズを測定し、パターンサイズの誤差が基準値に対して大きいかあるいは小さいかを確認し、これにより、欠陥の転写性の有無を判断する。
【0061】
図6は、検出された欠陥を有するEUVマスクにより転写したときのウェーハのパターンサイズの誤差範囲基準(任意の基準)を外れなかった状態であり、これは、その欠陥により転写されても、ウェーハ露光過程において不良を生じないものである。図7は、検出された欠陥により転写されたときの誤差を外れた転写の形態を示すものであり、これは、不良として発生したものである。
【0062】
このように、本発明では、EUVブランクマスクの欠陥情報を検出し、エアリアルイメージ情報と一緒に分析して、転写時の誤差の範囲を外れているか否かを事前に読み取ることができ、これにより、欠陥発生の有無、すなわち、転写の有無により発生する誤差範囲に基づいて、マスクの位置調整、交換、マスクの製造によって、欠陥によるウェーハの不良率を最小化させることができる。
【0063】
このように構成される本発明は、半導体ウェーハ工程において、EUVブランクマスクに存在する様々な欠陥のウェーハへの転写性の有無を判断する際に、欠陥レビュー工程を用いて、不良の転写を改善することができる効果を奏する。
【0064】
したがって、EUVブランクマスクを用いたEUVマスクパターンの形成前、予め欠陥の転写性の有無が正確に予測可能であるので、欠陥を特定のパターンの下に隠すか、パターンに応じた欠陥が含まれているEUVブランクマスクを選択するか、新たなEUVマスクを製造することにより、EUVブランクマスクから発生する欠陥を改善させることにより、結果的に工程効率性を著しく増大させることができるという長所がある。
【0065】
このようなEUVブランクマスク欠陥回避技術の改善は、EUVマスクの生産収率やEUVブランクマスクの適切な使用に伴う生産コストの節減を図ることができるという大きな利点がある。
【0066】
以上、本発明の原理を例示するための好適な実施形態について説明して図示したが、本発明は、このように図示かつ説明されたような構成及び作用に限定されるものではない。かえって、添付された請求の範囲の思想及びカテゴリを逸脱しない範囲内で、本発明の様々な変更及び修正が可能であることが、当業者にとって理解されるであろう。したがって、このような全ての適切な変更や修正、均等物も、本発明の範囲に属するものとみなされるべきである。
【符号の説明】
【0067】
S100 第1ステップ
S200 第2ステップ
S300 第3ステップ
S400 第4ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-11-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
EUVブランクマスクの欠陥を検出する検出方法において、
検査装置を用いて前記EUVブランクマスクの欠陥情報を検出するが、欠陥の位置座標及び信号強度値を含む欠陥情報を検出する第1ステップと、
前記EUVブランクマスクに形成すべきパターン情報を取得し、前記第1ステップで取得された欠陥情報及び前記パターン情報を用いてエアリアルイメージ情報を検出する第2ステップと、
前記第2ステップで取得されたエアリアルイメージ情報を用いて、前記EUVブランクマスクから作った前記EUVマスクによりウェーハに露光する際に、前記EUVマスクに存在する欠陥がウェーハに転写されるか否かを検出する第3ステップと、
前記第3ステップで検出された欠陥によるウェーハへの転写の有無により、当該欠陥が小さくなるかまたは消えるようにして、ウェーハに形成すべきパターンの欠陥を改善させてパターンを形成する第4ステップと、を含んで構成され
前記第2ステップは、
前記エアリアルイメージ情報の検出のために、フォーカス位置及びデフォーカス位置のそれぞれ一つのイメージを取得するか、二つのデフォーカス位置において、それぞれエアリアルイメージ情報を検出し、
前記エアリアルイメージ情報についての振幅値及び位相値を計算し、
前記振幅値及び位相値を用いて、前記エアリアルイメージのフォーカス(二つのフォーカス)別のエアリアルイメージを再構成し、
フォーカス別の振幅値及び位相値をウェーハに露光すべき前記それぞれのフォーカス別のパターンに加え、
前記EUVブランクマスクの欠陥の振幅値及び位相値が加えられたフォーカス別のパターンに対して、ウェーハ露光機の光学条件(シグマ及び開口数(Numerical Apertu、NA))によりエアリアルイメージの計算を行い、
前記計算により、ウェーハ面のエアリアルイメージ内に欠陥が転写されるか否かを検出することを特徴とするEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法。
【請求項2】
EUVブランクマスクの欠陥を検出する検出方法において、
検査装置を用いて前記EUVブランクマスクの欠陥情報を検出するが、欠陥の位置座標及び信号強度値を含む欠陥情報を検出する第1ステップと、
前記EUVブランクマスクに形成すべきパターン情報を取得し、前記第1ステップで取得された欠陥情報及び前記パターン情報を用いてエアリアルイメージ情報を検出する第2ステップと、
前記第2ステップで取得されたエアリアルイメージ情報を用いて、前記EUVブランクマスクから作った前記EUVマスクによりウェーハに露光する際に、前記EUVマスクに存在する欠陥がウェーハに転写されるか否かを検出する第3ステップと、
前記第3ステップで検出された欠陥によるウェーハへの転写の有無により、当該欠陥が小さくなるかまたは消えるようにして、ウェーハに形成すべきパターンの欠陥を改善させてパターンを形成する第4ステップと、を含んで構成され、
前記第2ステップは、
前記エアリアルイメージ情報を測定するために、強度値のみをフォーカス及びデフォーカスで測定し、前記強度値の平方根の値を振幅値として用い、
前記測定されたフォーカス及びデフォーカスのエアリアルイメージを、それぞれのビームが伝播または逆伝播したものとして用い、
前記エアリアルイメージを伝播させるためには、エアリアルイメージの振幅値及び位相値を用い、
前記エアリアルイメージの位相値は、前記両イメージ間の伝播または逆伝播により、それぞれのエアリアルイメージの測定値が振幅値を満足する位相値を繰り返し過程により再構成し、
前記エアリアルイメージ間の伝播及び逆伝播は、有限差分伝播(Finite Difference propagation、FDP)法で計算されることを特徴とするEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法。
【請求項3】
EUVブランクマスクの欠陥を検出する検出方法において、
検査装置を用いて前記EUVブランクマスクの欠陥情報を検出するが、欠陥の位置座標及び信号強度値を含む欠陥情報を検出する第1ステップと、
前記EUVブランクマスクに形成すべきパターン情報を取得し、前記第1ステップで取得された欠陥情報及び前記パターン情報を用いてエアリアルイメージ情報を検出する第2ステップと、
前記第2ステップで取得されたエアリアルイメージ情報を用いて、前記EUVブランクマスクから作った前記EUVマスクによりウェーハに露光する際に、前記EUVマスクに存在する欠陥がウェーハに転写されるか否かを検出する第3ステップと、
前記第3ステップで検出された欠陥によるウェーハへの転写の有無により、当該欠陥が小さくなるかまたは消えるようにして、ウェーハに形成すべきパターンの欠陥を改善させてパターンを形成する第4ステップと、を含んで構成され、
前記第2ステップは、
前記エアリアルイメージ情報の検出のために、フォーカス位置及びデフォーカス位置のそれぞれ一つの画像を取得するか、二つのデフォーカス位置において、それぞれのエアリアルイメージ情報を検出し、
検出された前記エアリアルイメージによる二つ以上のエアリアルイメージについての振幅値及び位相値を計算し、
前記EUVブランクマスクの欠陥のエアリアルイメージを形成する振幅値及び位相値をウェーハに露光すべきパターンに加え、
前記EUVブランクマスクの欠陥のエアリアルイメージに振幅値及び位相値が加えられたフォーカス別のパターンに対して、ウェーハ露光機の光学条件(シグマ及びNA)によりエアリアルイメージの計算を行い、
前記計算により、ウェーハ面のエアリアルイメージ内のEUVブランクマスクの欠陥によるパターンのサイズを測定し、
パターンサイズの誤差が基準値に対して大きいかあるいは小さいかを確認し、これにより、欠陥の転写性の有無を判断することを特徴とするEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法。
【請求項4】
前記第1ステップは、
前記EUVブランクマスクの欠陥情報を検出するための検査装備として、ArF(193nm)波長の光及びArF光学系で構成されるか、EUV(13.5nm)波長の光及びEUV反射光学系で構成された顕微鏡により、前記EUVマスクの欠陥情報を検出し、
前記顕微鏡は、暗視野(Dark-field)方式のイメージング法を用いて、前記EUVブランクマスクの欠陥情報を検出することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法。
【請求項5】
前記第2ステップは、
波長13.5nmのEUV光及びEUV光学系を用い、明視野(bright-field)方式のイメージング法を用いて、前記エアリアルイメージ情報を検出することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法。
【請求項6】
前記EUV光学系は、
EUV反射光学系が用いられた顕微鏡の構造、ゾーンプレートレンズ(Zoneplate lens)の透過光学系が含まれた顕微鏡の構造、全視野(Full-field)イメージング方式の顕微鏡の構造、走査型のイメージング方式の顕微鏡の構造のうちから選ばれたいずれか一つの顕微鏡の構造を有するEUV光学系を用いてエアリアルイメージ情報を検出することを特徴とする請求項に記載のEUVブランクマスクの欠陥検出によるウェーハ欠陥の改善方法。