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特開2023-110739情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110739
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230802BHJP
   G09B 5/02 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
G06Q50/10
G09B5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022012349
(22)【出願日】2022-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保田 博
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
【Fターム(参考)】
2C028BA00
2C028BB01
2C028BC05
5L049CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】利用者によるリフレクションに対して適切にフィードバックを最適化する情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】入力者装置と、閲覧者装置と、情報処理装置とが、通信可能に接続される情報処理システムにおいて、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。収集部131は、リフレクション情報と、リフレクションに対して閲覧者が応答したフィードバック情報とを含む対話の履歴情報を収集する。検出部132は、フィードバックが入力者によって評価された評価結果と、対話の履歴情報とに基づいて、対話のパターンを検出する。選択部134は、新たにリフレクションが入力された場合に、新たに入力された新規リフレクションと、検出部により検出された対話のパターンとに基づいて、新規リフレクションを閲覧した閲覧者による応答として推奨される推奨フィードバックを選択する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活動に対する振り返りであるリフレクションを入力した入力者と、前記リフレクションを閲覧した閲覧者との間での対話を支援する情報処理装置であって、
前記リフレクションを示すリフレクション情報と、前記リフレクションに対して前記閲覧者が応答したフィードバックを示すフィードバック情報とを含む対話の履歴情報を収集する収集部と、
前記フィードバックが前記入力者によって評価された評価結果と、前記履歴情報とに基づいて、対話のパターンを検出する検出部と、
新たにリフレクションが入力された場合に、新たに入力された新規リフレクションと、前記検出部により検出された対話のパターンとに基づいて、前記新規リフレクションを閲覧した閲覧者による応答として推奨される推奨フィードバックを選択する選択部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記リフレクション情報には、
前記リフレクションを構成する構成項目として、所定の設問に対する前記入力者の意見と、前記意見の根拠となる前記入力者の経験と、前記経験で生じた前記入力者の感情と、前記感情の根拠となる前記入力者の価値観とが含まれ、
前記フィードバック情報には、
前記フィードバックの内容を示すテキスト情報と、前記フィードバックの内容の種別を示す情報とが含まれる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記フィードバックのうち、所定の評価結果が与えられた対象フィードバックを示すフィードバック情報と、前記対象フィードバックに対応するリフレクションを示すリフレクション情報との組を学習データとして、前記構成項目に関する情報と、前記対象フィードバックを示すフィードバック情報との関係性が学習された学習結果に基づいて、前記対話のパターンを検出する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記関係性として、前記入力者の属性と前記閲覧者の属性とに基づく関係性に応じた前記対話のパターンを検出する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記対話のパターンに対応する前記構成項目から推定される状態遷移であって、前記入力者に関する状態の理想的な変化を示す状態遷移が定義された理想モデルを取得する取得部をさらに有し、
前記選択部は、前記新規リフレクションを示すリフレクション情報と、前記理想モデルと、前記対話のパターンとに基づいて、前記推奨フィードバックを選択する
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得部は、前記構成項目のうち感情と価値観とから推定される、理想的な状態遷移であって、前記入力者の状態と前記閲覧者の状態との関係性に応じて前記感情と前記価値観との組が段階的に分類される状態遷移を示す理想モデルを取得し、
前記選択部は、前記新規リフレクションを示すリフレクション情報と、前記理想モデルとの照合により、前記新規リフレクションを入力した入力者である対象入力者の状態と、前記新規リフレクションを閲覧する閲覧者である対象閲覧者の状態との関係性が、前記理想モデルにおける状態遷移のいずれの段階であるかを特定し、特定した段階と、前記対話のパターンとに基づいて、前記推奨フィードバックとして、前記対象閲覧者による応答として推奨される推奨フィートバックを選択する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記選択部は、前記対話のパターンのうち、前記特定した段階に対応付けられる組であって、前記感情と前記価値観との組を構成項目として含むパターンを前記推奨フィードバックとして選択する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
活動に対する振り返りであるリフレクションを入力した入力者と、前記リフレクションを閲覧した閲覧者との間での対話を支援する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記リフレクションを示すリフレクション情報と、前記リフレクションに対して前記閲覧者が応答したフィードバックを示すフィードバック情報とを含む対話の履歴情報を収集する収集工程と、
前記フィードバックが前記入力者によって評価された評価結果と、前記履歴情報とに基づいて、対話のパターンを検出する検出工程と、
新たにリフレクションが入力された場合に、新たに入力された新規リフレクションと、前記検出工程により検出された対話のパターンとに基づいて、前記新規リフレクションを閲覧した閲覧者による応答として推奨される推奨フィートバックを選択する選択工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
活動に対する振り返りであるリフレクションを入力した入力者と、前記リフレクションを閲覧した閲覧者との間での対話を支援する情報処理装置が実行する情報処理プログラムであって、
前記リフレクションを示すリフレクション情報と、前記リフレクションに対して前記閲覧者が応答したフィードバックを示すフィードバック情報とを含む対話の履歴情報を収集する収集手順と、
前記フィードバックが前記入力者によって評価された評価結果と、前記履歴情報とに基づいて、対話のパターンを検出する検出手順と、
新たにリフレクションが入力された場合に、新たに入力された新規リフレクションと、前記検出手順により検出された対話のパターンとに基づいて、前記新規リフレクションを閲覧した閲覧者による応答として推奨される推奨フィートバックを選択する選択手順と
を情報処理装置に実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、経験を学習に変える経験学習を支援する仕組みが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-228130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、利用者によるリフレクションに対して適切にフィードバックできるようフィードバックを最適化することができるとは限らない。
【0005】
例えば、上記の従来技術では、経験したイベントに対する体験者の感情面および能力発揮面の振り返り評価における指標の履歴に基づき、体験者の感情面および能力発揮面の履歴を分析することで、体験者がその分析結果を閲覧できるよう制御しているに過ぎない。
【0006】
このようなことから、上記の従来技術は、利用者によるリフレクションに対して適切にフィードバックできるようフィードバックを最適化する点において改善の余地があると考えられる。
【0007】
そこで、本発明では、利用者によるリフレクションに対して適切にフィードバックできるようフィードバックを最適化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、活動に対する振り返りであるリフレクションを入力した入力者と、前記リフレクションを閲覧した閲覧者との間での対話を支援する情報処理装置であって、前記リフレクションを示すリフレクション情報と、前記リフレクションに対して前記閲覧者が応答したフィードバックを示すフィードバック情報とを含む対話の履歴情報を収集する収集部と、前記フィードバックが前記入力者によって評価された評価結果と、前記履歴情報とに基づいて、対話のパターンを検出する検出部と、新たにリフレクションが入力された場合に、新たに入力された新規リフレクションと、前記検出部により検出された対話のパターンとに基づいて、前記新規リフレクションを閲覧した閲覧者による応答として推奨される推奨フィードバックを選択する選択部とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、活動に対する振り返りであるリフレクションを入力した入力者と、前記リフレクションを閲覧した閲覧者との間での対話を支援する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、前記リフレクションを示すリフレクション情報と、前記リフレクションに対して前記閲覧者が応答したフィードバックを示すフィードバック情報とを含む対話の履歴情報を収集する収集工程と、前記フィードバックが前記入力者によって評価された評価結果と、前記履歴情報とに基づいて、対話のパターンを検出する検出工程と、新たにリフレクションが入力された場合に、新たに入力された新規リフレクションと、前記検出工程により検出された対話のパターンとに基づいて、前記新規リフレクションを閲覧した閲覧者による応答として推奨される推奨フィートバックを選択する選択工程とを含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様に係る情報処理プログラムは、活動に対する振り返りであるリフレクションを入力した入力者と、前記リフレクションを閲覧した閲覧者との間での対話を支援する情報処理装置が実行する情報処理プログラムであって、前記リフレクションを示すリフレクション情報と、前記リフレクションに対して前記閲覧者が応答したフィードバックを示すフィードバック情報とを含む対話の履歴情報を収集する収集手順と、前記フィードバックが前記入力者によって評価された評価結果と、前記履歴情報とに基づいて、対話のパターンを検出する検出手順と、新たにリフレクションが入力された場合に、新たに入力された新規リフレクションと、前記検出手順により検出された対話のパターンとに基づいて、前記新規リフレクションを閲覧した閲覧者による応答として推奨される推奨フィートバックを選択する選択手順とを情報処理装置に実行させるための情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、例えば、利用者によるリフレクションに対して適切にフィードバックできるようフィードバックを最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理の具体例を説明する説明図である。
図4図4は、リフレクションを構成する構成項目の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャートである。
図6図6は、実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
[実施形態]
〔1.はじめに〕
組織運営では、社員の自律性(例えば、社員の自律的な思考や行動)を育て、これを生かすことで、新たな価値を創造してゆくことが重要であると考えられている。例えば、社員自身が自律的に気付きを得て行動を起こすことで経験を積み、経験を学習に変えることで、学びを組織の知見とすることは、組織開発においてとりわけ重要であると考えられる。
【0015】
本発明は、上記事情に着目してなされたものであって、その目的とするところは、人材開発と組織開発とをつなげ、組織学習活性化を支援するサービスを提供することにある。例えば、本発明では、日々の活動に対する振り返り/内省である「リフレクション」を起点とする「対話」のフレームワークを活用し、個人のアップデートと、チームあるいは組織のアップデートとを支援するサービスを提供するものである。
【0016】
以下では、係るサービス(自律型人材育成サービス)を「サービスSA」とし、サービスSAを実現するための情報処理(実施形態に係る情報処理)について詳細に説明する。
【0017】
〔2.システム構成〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理を実現するためのシステムの構成を説明する。図1は、実施形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。図1には、実施形態に係る情報処理システムの一例として、情報処理システム1が示される。
【0018】
図1の例では、情報処理システム1には、入力者装置10と、閲覧者装置20と、情報処理装置100とが含まれる。また、入力者装置10と、閲覧者装置20と、情報処理装置100とは所定のネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。
【0019】
入力者装置10は、活動に対する振り返りであるリフレクションを入力する際に、入力者によって利用される情報処理端末である。入力者装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。
【0020】
また、入力者装置10には、情報処理装置100との間での情報の送受信を実現するためのアプリケーションが導入されていてよい。また、係るアプリケーションは、情報処理装置100にアクセスするための専用のアプリケーションとして実装されてもよいし、ブラウザなどの汎用的なアプリケーションであってもよい。例えば、入力者は、係るアプリケーションに対応する所定の画面を介して、リフレクションを示すリフレクション情報を入力することができる。
【0021】
また、リフレクションに対応する活動としては、所定の組織内での活動が挙げられる。所定の組織内での活動とは、例えば、会社組織での日常的な業務や、会社組織での特定のプロジェクトを遂行するためのプロジェクト業務等が挙げられる。もちろん、リフレクションに対応する活動は、係る例に限定されない。
【0022】
閲覧者装置20は、入力者によって入力されたリフレクションを閲覧する際に、閲覧者によって利用される情報処理端末である。閲覧者装置20は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等により実現される。
【0023】
また、閲覧者装置20にも、情報処理装置100との間での情報の送受信を実現するためのアプリケーションが導入されていてよい。そして、係るアプリケーションは、情報処理装置100にアクセスするための専用のアプリケーションとして実装されてもよいし、ブラウザなどの汎用的なアプリケーションであってもよい。例えば、閲覧者は、係るアプリケーションに対応する所定の画面を介して、リフレクション情報を閲覧することができる。
【0024】
以下では、情報処理装置100にアクセスするためのこのアプリケーションを「アプリAP」と表記する。
【0025】
情報処理装置100は、サービスSAを提供し、実施形態に係る情報処理を実現するための中心的な装置である。例えば、情報処理装置100は、活動に対する振り返りであるリフレクションを入力した入力者と、リフレクションを閲覧した閲覧者との間での対話を支援する情報処理装置である。
【0026】
なお、入力者装置10および閲覧者装置20を、サービスSAを利用する利用者の近くでエッジ処理を行うエッジコンピュータとするなら、情報処理装置100は、例えば、クラウド側で処理を行うクラウドコンピュータであってよい。すなわち、情報処理装置100は、サーバ装置であってよい。
【0027】
ここで、サービスSAを利用する利用者とは、リフレクションを入力する入力者、および、リフレクションを閲覧する閲覧者を指し示す。例えば、利用者は、自身の活動を振り返ることでリフレクションを入力する場合もあれば、他者が入力したリフレクションを閲覧する場合もある。よって利用者は、入力者にも閲覧者にもなり得る。
【0028】
また、入力者の一例としては会社組織に属する社員個人が挙げられ、閲覧者の一例としては会社組織の代表的な人物(例えば、入力者の所属チームにおけるチームリーダー、入力者の所属部署における部署長等)が挙げられる。このようなことから、入力者と閲覧者との間には、例えば、部下と上司という関係が成立していてよい。もちろん、入力者と閲覧者との関係は、係る例に限定されない。例えば、入力者を会社組織における特定の1社員とすると、閲覧者はこの会社組織における他の社員であってよい。
【0029】
また、このようなことから、情報処理システム1は、図1に示すように、会社組織ごとに分けられてよい。例えば、図1の例では、情報処理システム1には、サービスSAに加盟する任意の会社組織Xnごとに、会社組織Xnに対応するシステム1nが含まれる例が示される。係る例によれば、システム1nには、会社組織Xnに対応する入力者装置10-nと、会社組織Xnに対応する閲覧者装置20-nとが含まれる。
【0030】
ここで、任意の会社組織Xnの一例として、会社組織X1を例に挙げると、情報処理システム1には、図1に示すように、会社組織X1に対応するシステム11が含まれてよい。また、図1の例によれば、システム11には、会社組織X1に属する1社員(例えば、役職を有しない一般社員)によってリフレクションの入力に用いられる入力者装置10-1と、会社組織X1に属する他の社員(例えば、役職を有する代表社員)によってリフレクションの閲覧に用いられる閲覧者装置20-1とが含まれる。
【0031】
〔3.情報処理装置の構成〕
ここからは、図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置100について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。図2に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0032】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、入力者装置10、閲覧者装置20との間で情報の送受信を行う。
【0033】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、履歴情報データベース121と、対話パターンデータベース122とを有する。
【0034】
(履歴情報データベース121について)
履歴情報データベース121は、入力者により入力されたリフレクションを示すリフレクション情報と、リフレクションに対して閲覧者が応答したフィードバックを示すフィードバック情報とを含む対話の履歴情報を記憶する。
【0035】
例えば、活動を振り返らせるための所定の質問に対する利用者の回答(すなわち、リフレクション)を対話の開始とすると、次に、リフレクションに対するフィードバックが他者によって応答されることで対話が進み、リフレクションを入力した利用者は、最終的に、このフィードバックを評価する。
【0036】
このように、リフレクションと、フィードバックとによって、入力者と閲覧者との間で行われる一連のやり取りを1つの対話とする。そうすると、履歴情報データベース121では、係る1つの対話を識別する対話IDによって、対話IDで識別される対話の中で入力されたリフレクション(リフレクション情報)と、リフレクションに対して応答されたフィードバック(フィードバック情報)とが管理されてよい。
【0037】
例えば、履歴情報データベース121では、対話IDごとに、当該対話IDに対してリフレクション情報とフィードバック情報とが対応付けられた情報で記憶されてよい。
【0038】
なお、後に図3で説明するが、リフレクション情報には、フレクションを構成する構成項目として、所定の質問に対する入力者の意見と、意見の根拠となる入力者の経験と、経験で生じた入力者の感情と、感情の根拠となる入力者の価値観とが含まれてよい。
【0039】
また、フィードバック情報には、フィードバックの内容を示すテキスト情報とが含まれる。フィードバックの内容を示すテキスト情報とは、リフレクションに応じて閲覧者がフィードバックしたコメントであるフィードバックコメントである。また、フィードバック情報には、フィードバックコメントがどのような種別のコメントであるかを示す種別情報も含まれてよい。
【0040】
(対話パターンデータベース122について)
対話パターンデータベース122は、後述する検出部132により検出された対話のパターンに関する情報を記憶する。
【0041】
例えば、対話パターンデータベース122では、対話パターンを識別するパターンIDごとに、当該パターンIDに対して対話のパターンを示すパターン情報が対応付けられた情報で記憶されてよい。
【0042】
(制御部130について)
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、実施形態に係る情報処理プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0043】
図3に示すように、制御部130は、収集部131と、検出部132と、取得部133と、選択部134と、提供部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0044】
(収集部131について)
収集部131は、活動に対する振り返り評価(あるいは内省)としてのリフレクションが入力されることに応じて、リフレクションを示すリフレクション情報を収集する。また、収集部131は、リフレクションに対して閲覧者が応答したフィードバックを示すフィードバック情報を収集する。具体的には、収集部131は、リフレクションと、フィードバックとによって、入力者と閲覧者との間で行われる一連のやり取りである対話の履歴情報を収集する。つまり、収集部131は、リフレクション情報と、フィードバック情報とを含む対話の履歴情報を収集する。
【0045】
また、収集部131は、対話の履歴情報を履歴情報データベース121に蓄積する。例えば、収集部131は、対話ごとに、当該対話を識別する対話IDを払い出し、払い出した対話IDを用いて、履歴情報データベース121において対話の履歴情報を管理する。
【0046】
リフレクション情報には、リフレクションを構成する構成項目として、所定の設問に対する入力者の意見、意見の根拠となる入力者の経験、経験で生じた入力者の感情、または、感情の根拠となる入力者の価値観のいずれかが含まれてよい。
【0047】
フィードバック情報には、フィードバックの内容を示すテキスト情報、または、フィードバックの内容がどのような種別に属するものであるかを示す種別情報のいずれかが含まれてよい。
【0048】
(検出部132について)
検出部132は、フィードバックが入力者によって評価された評価結果と、対話の履歴情報とに基づいて、対話のパターンを検出する。
【0049】
例えば、検出部132は、フィードバックのうち、所定の評価結果が与えられた対象フィードバックを示すフィードバック情報と、対象フィードバックに対応するリフレクションを示すリフレクション情報との組を学習データとして、構成項目に関する情報と、対象フィードバックを示すフィードバック情報との関係性が学習された学習結果に基づいて、対話のパターンを検出する。
【0050】
例えば、検出部132は、入力者の属性と、閲覧者の属性との関係性に応じた対話のパターンを検出してよい。また、検出部132は、対話のパターンとして、リフレクションと、フィードバックとの関係性に応じたパターンを検出してよい。例えば、検出部132は、入力者の属性と閲覧者の属性とに基づく関係性であって、リフレクションとフィードバックとの間での関係性に応じた対話パターンを検出してよい。
【0051】
また、検出部132は、検出したパターンを対話パターンデータベース122に格納する。
【0052】
(取得部133について)
取得部133は、対話のパターンに対応する構成項目から推定される状態遷移であって、入力者に関する状態の理想的な変化を示す状態遷移が定義された理想モデルを取得する。具体的には、取得部133は、構成項目のうち感情と価値観とから推定される、理想的な状態遷移であって、入力者の状態と閲覧者の状態との関係性に応じて感情と価値観との組が段階的に分類される状態遷移を示す理想モデルを取得する。理想モデルの詳細については、図3で説明する。
【0053】
(選択部134について)
選択部134は、新たにリフレクションが入力された場合に、新たに入力された新規リフレクションと、検出部132により検出された対話のパターンとに基づいて、新規リフレクションを閲覧した閲覧者による応答として推奨される推奨フィードバックを選択する。
【0054】
例えば、選択部134は、新規リフレクションを示すリフレクション情報と、理想モデルと、対話のパターンとに基づいて、推奨フィードバックを選択する。例えば、選択部134は、新規リフレクションを示すリフレクション情報と、理想モデルとの照合により、新規リフレクションを入力した入力者である対象入力者の状態と、新規リフレクションを閲覧する閲覧者である対象閲覧者の状態との関係性が、理想モデルにおける状態遷移のいずれの段階であるかを特定する。そして、選択部134は、特定した段階と、対話のパターンとに基づいて、推奨フィードバックとして、対象閲覧者による応答として推奨される推奨フィートバックを選択する。一例として、選択部134は、対話のパターンのうち、特定した段階に対応付けられる組であって、感情と価値観との組を構成項目として含むパターンを推奨フィードバックとして選択してよい。
【0055】
(提供部135について)
提供部135は、選択部134により選択された推奨フィードバックを対象閲覧者に提供する。例えば、提供部135は、対象閲覧者に対して選択可能な状態に制御された推奨フィードバックを提供してよい。
【0056】
〔4.情報処理の具体例〕
続いて、図2で説明した各処理部の間で実現される実施形態に係る情報処理の具体例について、図3を用いて説明する。
【0057】
図3は、実施形態に係る情報処理の具体例を説明する説明図である。図3では、図1に示す情報処理システム1に含まれる会社組織Xnごとのシステム1nのうち、会社組織X1に対応するシステム11を例に情報処理を説明する。
【0058】
すなわち、図3の例では、会社組織X1に属する利用者の間で対話が行われることに応じた情報処理を説明する。より具体的には、会社組織X1に属する任意の一般社員Rxと、一般社員Rxを管理する役割(例えば、リームリーダーや上司等)を有する任意の代表社員Fyとの間で行われる対話DLzを例に挙げて、実施形態に係る情報処理を説明する。
【0059】
また、対話DLzは、会社組織X1での業務を振り返らせるための所定の質問に対して一般社員Rxがリフレクションを入力することに応じて、代表社員Fyがコメントをフィードバックすることで進行し、このコメントに対して一般社員Rxが評価することで終了するものとする。また、このようなことから、図3の例では、一般社員Rxが入力者に相当し、代表社員Fyが閲覧者に相当する。
【0060】
なお、図3の例において、任意の一般社員Rxを特定の1の一般社員に区別表記する場合には、「x」に対して所定の数値を適用することにする。例えば、図3には、一般社員Rxの一例として、一般社員R11、U12、U13等が示される。
【0061】
また、図3の例では、「x」を用いて一般社員Rxを区別表記することに応じて、属性Ax、リフレクション情報RLx等も区別表記する場合がある。例えば、図3には、属性Axの一例として一般社員R11に対応する属性A11、リフレクション情報RLxの一例として一般社員R11に対応するリフレクション情報RL11等が示される。
【0062】
また、図3の例において、任意の代表社員Fyを特定の1の代表社員に区別表記する場合には、「y」に対して所定の数値を適用することにする。例えば、図3には、代表社員Fyの一例として、代表社員F21、F22、F23等が示される。
【0063】
また、上記例に従い、「y」を用いて代表社員Fyを区別表記することに応じて、属性Ay、フィードバック情報FBy等も区別表記する場合がある。例えば、図3には、属性Ayの一例として代表社員F21に対応する属性A21、フィードバック情報FByの一例として代表社員F21に対応するフィードバック情報FB21等が示される。
【0064】
なお、図3には、「x」および「y」に所定の数値を適用することで、上記例以外にも各種情報を区別表記する例が示されるが、上記例に倣って説明可能であるため、その詳細については省略する。
【0065】
また、図3の例では、対話DLzの「z」に対して所定の数値を適用することで、対話DLzを特定に対話として区別表記する場合もある。
【0066】
まず、図3のステップS1について説明する。ステップS1では、収集部131は、対話DLzの履歴情報を収集する。
【0067】
図3には、一般社員Rxと代表社員Fyとの間で対話DLzが行われた例が示されている。
【0068】
例えば、一般社員Rxは、アプリAPを介して、会社組織X1での業務を振り返らせるための所定の質問を確認したとする。係る場合、一般社員Rxは、自身の業務を振り返ることで、その業務を自己評価したリフレクションをアプリAP内の所定の画面に入力する。また、係る入力に応じて、対話DLzが開始されることとなる。
【0069】
図3の例によれば、リフレクションとして実際に入力される情報であるリフレクション情報RLxには、リフレクションを構成する構成項目として、意見OPxと、経験EXxと、感情EMxと、価値観VAxとが含まれてよい。つまり、一般社員Rxは、リフレクション情報として、意見OPxと、経験EXxと、感情EMxと、価値観VAxとを入力してよい。
【0070】
図3に示されるように、アプリAPでは、一般社員Rxに対して意見OPxおよび経験EXxを自由入力させる方式が採用されてよい。一方、アプリAPでは、感情EMxおよび価値観VAxについては、選択形式で入力させる方式が採用されてよい。
【0071】
ここで、図4を用いて、構成項目の具体例を説明する。図4は、リフレクションを構成する構成項目の一例を示す図である。
【0072】
まず、意見OPxとは、業務を振り返らせるための所定の質問に対する回答に相当するものであってよい。係る質問は、会社組織Xnに応じた独自のものが採用されてもよいし、会社組織Xnに拘わらず共通のものが採用されてもよい。
【0073】
経験EXxとは、意見OPxの背景にある実体験や、実体験から得られた知識であってよい。
【0074】
感情EMxとは、経験EXx(実体験や知識)に紐づく感情であってよい。
【0075】
価値観VAxとは、感情EMxを生むきっかけとなった、大切にしていること、好きなこと、嫌いなこと等であってよい。
【0076】
また、図4には、意見OPxとして実際に自由入力される内容の一例と、経験EXxとして実際に自由入力される内容の一例と、感情EMxとして選択される内容の一例と、価値観VAxとして選択される内容の一例とが示される。
【0077】
そして、図4の例によれば、質問に応じて「営業メンバーが主体性を発揮し、会社や顧客により良い影響を与えている状態を作りたい。」といった内容の意見OPxが入力される場合がある。また、意見OPxの背景にある経験EXxとして「社内や顧客から1番始めに自分を想像してもらえることで、仕事の選択肢やチャレンジの幅が増えたため。」が入力される場合がある。
【0078】
さらに、図4の例によれば、経験EXx(実体験や知識)に紐づく感情EMxとして「楽しみ」、「満足」、「興奮」等が選択される場合がある。また、感情EMxを生むきっかけとなった、大切にしていること、好きなこと、嫌いなこと等の価値観VAxとして「決断力」、「成長」、「責任」等が選択される場合がある。
【0079】
図3の説明に戻る。ここまで、一般社員Rxが質問に応じてリフレクション情報RLxを入力する例を示したが、一般社員Rxは、自身の属性Axを示す属性情報も入力してよい。一般社員Rxに対応する属性Axとは、例えば、一般社員Rxの年齢、性別、趣味、所属部署、役職等であってよい。
【0080】
これまでの例によれば、一般社員Rxは、リフレクション情報RLxと属性Axとを含むリフレクションを入力してよい。
【0081】
次に、代表社員Fyは、一般社員Rxにより入力されたリフレクション情報RLxを閲覧すると、一般社員Rxによるリフレクションに対して所定の情報をフィードバックする。例えば、代表社員Fyは、リフレクション情報RLxに対する所感を示すコメントCMyと、コメントCMyがどのような種別KDyのコメントであるかを示す情報とをフィードバックする。以下では、一般社員Rxに対してフィードバックされる情報として、コメントCMyを示すテキスト情報と、コメントCMyの種別KDyを示す種別情報とを含む情報をフィードバック情報FByとする。
【0082】
フィードバック情報FByは、リフレクション情報RLxに対して、閲覧者である代表社員Fyが応答したフィードバックを示す情報である。
【0083】
また、代表社員Fyは、フィードバックするだけでなく、自身の属性Ayを示す属性情報も入力してよい。代表社員Fyに対応する属性Ayとは、例えば、代表社員Fyの年齢、性別、趣味、所属部署、役職等であってよい。
【0084】
続いて、一般社員Rxは、代表社員Fyによってフィードバック情報FByが入力されると、代表社員Fyによるフィードバックを評価する。例えば、一般社員Rxは、フィードバック情報FByに含まれるコメントCMyが自身に役立つ内容であったか否か等の観点から、「良い」または「悪い」等を用いてコメントCMyを評価する。なお、評価の仕方は、係る例に限定されない。
【0085】
このように、一般社員Rxが評価した時点で、一連の対話DLzは終了されてよい。そうすると、収集部131は、対話DLzが開始されてから終了されるまでにおいて、一般社員Rxと代表社員Fyとの間でやり取りされた情報を取得する。具体的には、収集部131は、一般社員Rx側のリフレクションに関する情報として、属性Axおよびリフレクション情報RLxの組を取得し、代表社員Fy側のフィードバックに関する情報として、属性Ayおよびフィードバック情報FByの組を取得する。また、収集部131は、一般社員Rxによる評価結果(例えば、「良い」または「悪い」)を示す評価EVxも取得する。
【0086】
また、収集部131は、対話DLzを識別する対話IDに対して、リフレクションに関する情報およびフィードバックに関する情報を対応付ける。そして、収集部131は、対応付けた情報を対話DLzの履歴情報として履歴情報データベース121に蓄積する。
【0087】
例えば、一般社員R11と、代表社員F21との間で対話DL1が行われたとする。係る場合、収集部131は、一般社員R11側のリフレクションに関する情報として、属性A11およびリフレクション情報RL11-1の組を取得し、代表社員F21側のフィードバックに関する情報として、属性A21およびフィードバック情報FB21-1の組を取得する。
【0088】
そして、収集部131は、対話DL1を識別する対話ID「DL1」に対して、属性A11と、リフレクション情報RL11-1とを対応付ける。また、収集部131は、対話ID「DL1」に対して、属性A21と、フィードバック情報FB21-1とを対応付ける。
【0089】
また、一般社員R12と、代表社員F22との間で対話DL2が行われたとする。係る場合、収集部131は、一般社員R12側のリフレクションに関する情報として、属性A12およびリフレクション情報RL12-2の組を取得し、代表社員F22側のフィードバックに関する情報として、属性A22およびフィードバック情報FB22-2の組を取得する。
【0090】
そして、収集部131は、対話DL2を識別する対話ID「DL2」に対して、属性A12と、リフレクション情報RL12-2とを対応付ける。また、収集部131は、対話ID「DL2」に対して、属性A22と、フィードバック情報FB22-2とを対応付ける。
【0091】
また、一般社員R12と、代表社員F22との間で、対話DL2とは別の対話DL3が行われたとする。係る場合、収集部131は、一般社員R12側のリフレクションに関する情報として、属性A12およびリフレクション情報RL12-3の組を取得し、代表社員F22側のフィードバックに関する情報として、属性A22およびフィードバック情報FB22-3の組を取得する。
【0092】
そして、収集部131は、対話DL3を識別する対話ID「DL3」に対して、属性A12と、リフレクション情報RL12-3とを対応付ける。また、収集部131は、対話ID「DL3」に対して、属性A22と、フィードバック情報FB22-3とを対応付ける。
【0093】
また、1人の一般社員Rxにより入力されたリフレクションに対して、複数の代表社員Fxがフィードバックする場合がある。つまり、1人の一般社員Rxに対応する1つの対話DLzにおいて、複数の代表社員Fxが参加する場合がある。このようなケースとして、例えば、一般社員R13と、代表社員F23およびF24との間で対話DL4が行われたとする。係る場合、収集部131は、一般社員R13側のリフレクションに関する情報として、属性A13およびリフレクション情報RL13-4の組を取得し、代表社員F23側のフィードバックに関する情報として、属性A23およびフィードバック情報FB23-4の組を取得する。また、収集部131は、代表社員F24側のフィードバックに関する情報として、属性A24およびフィードバック情報FB24-4の組を取得する。
【0094】
そして、収集部131は、対話DL4を識別する対話ID「DL4」に対して、属性A13と、リフレクション情報RL13-4とを対応付ける。また、収集部131は、対話ID「DL4」に対して、属性A23と、フィードバック情報FB23-4とを対応付ける。また、収集部131は、対話ID「DL4」に対して、属性A24と、フィードバック情報FB24-4とを対応付ける。
【0095】
このようにして、収集部131は、対話DLzが行われるたびに、対話DLzの履歴情報を収集し、収集した履歴情報を履歴情報データベース121に蓄積してゆく。上述した対話DL1、DL2、DL3およびDL4それぞれに対応する履歴情報の一例については、図3において次に説明するステップS2に示される。
【0096】
ステップS2では、検出部132は、フィートバックされたコメントCMyに対する一般社員Rxによる評価EVx(例えば、「良い」または「悪い」)と、対話DLzの履歴情報とに基づいて、対話DLzのパターンを検出する。例えば、検出部132は、対話DLzの履歴情報が十分に蓄積された場合に、対話のパターンを検出する処理を行ってよい。
【0097】
例えば、検出部132は、コメントCMyのうち、良評価が与えられた対象コメントCMy(対象フィードバック)を含むフィードバック情報FByと、このフィードバック情報FByに対応する対話DLzに含まれるリフレクション情報RLxとを、対話DLzの履歴情報から抽出する。なお、ここで、抽出されるリフレクション情報RLxは、対象コメントCMyがフィードバックされる元となったリフレクションを示すものであってよい。
【0098】
ここで、対話DL1において、フィードバック情報FB21-1に含まれるコメントCM21に対して、一般社員R11が良評価していたとする。係る場合、検出部132は、対話ID「DL1」に紐付けられる情報を抽出する。例えば、検出部132は、属性A11およびリフレクション情報RL11-1の組と、属性A21およびフィードバック情報FB21-1の組とを抽出する。
【0099】
また、対話DL2において、フィードバック情報FB22-2に含まれるコメントCM22に対して、一般社員R12が良評価していたとする。係る場合、検出部132は、対話ID「DL2」に紐付けられる情報を抽出する。例えば、検出部132は、属性A12およびリフレクション情報RL12-2の組と、属性A22およびフィードバック情報FB22-2の組とを抽出する。
【0100】
また、対話DL3において、フィードバック情報FB22-3に含まれるコメントCM22に対して、一般社員R12が良評価していたとする。係る場合、検出部132は、対話ID「DL3」に紐付けられる情報を抽出する。例えば、検出部132は、属性A12およびリフレクション情報RL12-3の組と、属性A22およびフィードバック情報FB22-3の組とを抽出する。
【0101】
一方、対話DL4において、フィードバック情報FB23-4に含まれるコメントCM23に対して、一般社員R13が悪評価していたとする。また、フィードバック情報FB24-4に含まれるコメントCM24に対しても、一般社員R13が悪評価していたとする。係る場合、検出部132は、対話ID「DL4」に紐付けられる情報を抽出しない。
【0102】
上記例によると、検出部132は、対話DL1、対話DL2および対話DL3それぞれについて抽出した情報を学習データとして、対話DLzのパターンを検出する。具体的には、検出部132は、対話DL1について抽出した組を1つの学習データセットとする。また、検出部132は、対話DL2について抽出した組を1つの学習データセットとする。また、検出部132は、対話DL3について抽出した組を1つの学習データセットとする。そして、検出部132は、学習データセットに基づいて、構成項目に関する情報と、対象コメントCMyとの関係性を学習する。例えば、検出部132は、学習データセットに基づいて、構成項目に関する情報と、対象コメントCMyとの関係性として、一般社員Rxの属性Axと、代表社員Fyの属性Ayとに基づく関係性を学習することができる。
【0103】
例えば、検出部132は、どのような属性Axの一般社員Rxに対して、どのような属性Ayの代表社員Fyがフィードバックすると、良評価が得られる傾向にあるかを学習してよい。また、検出部132は、一般社員Rxによるどのような構成項目のリフレクション情報RLxに対して、どのようなコメントCMyがフィードバックされると、良評価が得られる傾向にあるかを学習してよい。
【0104】
つまり、検出部132は、どのような属性Axの一般社員Rxによる、どのような構成項目のリフレクション情報RLxに対して、どのような属性Ayの代表社員FyによるどのようなコメントCMyがフィードバックされると、良評価が得られる傾向にあるかを学習してよい。
【0105】
また、検出部132は、学習データに基づいて、良評価が得られる可能性の高いキーワードとして重要キーワードを類推することで、どのような重要キーワードを含むコメントCMyがフィードバックされると、良評価が得られる傾向にあるかを学習してもよい。他の例として、検出部132は、重要キーワードに関連する関連キーワードのうち、どのような関連キーワードを含むコメントCMyがフィードバックされると、良評価が得られる傾向にあるかを学習してもよい。
【0106】
そして、検出部132は、学習結果から得られた傾向を対話DLzのパターンとして検出してよい。図3には、検出部132が、対話DLzのパターンを6つ検出した例が示される。具体的には、検出部132が、対話DLzパターンPT1、PT2、・・・PT6を検出した例が示される。
【0107】
なお、学習処理は、検出部132以外によって行われてもよい。例えば、情報処理装置100は、モデルに対して学習データに基づく関係性を学習させることで、対話DLzのパターンに関する情報を出力するモデルを生成する生成部を有してもよい。係る場合、検出部132は、生成部により生成されたモデルを用いて、対話DLzのパターンを検出してよい。他の例として、情報処理システム1には、学習処理を行う専用の学習器が含まれていてもよく、係る場合には、検出部132は、学習器により生成されたモデルを用いて、対話DLzのパターンを検出してよい。
【0108】
続いて、ステップS3について説明する。ステップS2により対話DLzがパターン化された場合には、ステップS3が行われてよい。ステップS3では、取得部133は、理想モデルを取得する。図3には、取得部133が理想モデルMDを取得する例が示される。
【0109】
ここで、図3の例を用いて、理想モデルMDについてより詳細に説明する。理想モデルMDは、対話DLzのパターンに対応する構成項目から推定される状態遷移であって、一般社員Rx(入力者)に関する状態の理想的な変化を示す状態遷移が定義されたモデルである。より具体的には、理想モデルMDは、構成項目のうち感情と価値観とから推定される、理想的な状態遷移であって、一般社員Rx(入力者)の状態と代表社員Fy(閲覧者)の状態との関係性に応じて感情と価値観との組が段階的に分類される状態遷移を示すモデルである。
【0110】
図3の例によれば、理想モデルMDは、第1フェーズPH1、第2フェーズPH2、第3フェーズPH3、第4フェーズPH4、第5フェーズPH5という5段階に分類されており、第1フェーズPH1から第5フェーズPH5へと段階が進むほど、一般社員Rxの状態と代表社員Fyの状態との関係性がより理想的なものへと近づいてゆくことを指し示している。
【0111】
第1フェーズPH1では、感情EX♯1と価値観VA♯1との組によって、会社組織(代表社員Fy)の状態「受容」と、入力者(一般社員Rx)の状態「自己開示」とが対応付けられている。係る例は、会社組織が入力者を「受容」している状態では、入力者が「自己開示」の状態にあることが、感情EX♯1と価値観VA♯1との組から推定されることを意味する。
【0112】
第2フェーズPH2では、感情EX♯2と価値観VA♯2との組によって、会社組織の状態「信頼」と、入力者の状態「自己肯定」とが対応付けられている。係る例は、会社組織が入力者を「信頼」している状態では、入力者が「自己肯定」の状態にあることが、感情EX♯2と価値観VA♯2との組から推定されることを意味する。
【0113】
第3フェーズPH3では、感情EX♯3と価値観VA♯3との組によって、会社組織の状態「承認」と、入力者の状態「自己分析」とが対応付けられている。係る例は、会社組織が入力者を「承認」している状態では、入力者が「自己分析」の状態にあることが、感情EX♯3と価値観VA♯3との組から推定されることを意味する。
【0114】
第4フェーズPH4では、感情EX♯4と価値観VA♯4との組によって、会社組織の状態「期待」と、入力者の状態「自立」とが対応付けられている。係る例は、会社組織が入力者を「期待」している状態では、入力者が「自立」の状態にあることが、感情EX♯4と価値観VA♯4との組から推定されることを意味する。
【0115】
第5フェーズPH5では、感情EX♯5と価値観VA♯5との組によって、会社組織の状態「協創」と、入力者の状態「自律・貢献」とが対応付けられている。係る例は、会社組織が入力者と「協創」している状態では、入力者が「自律・貢献」の状態にあることが、感情EX♯3と価値観VA♯3との組から推定されることを意味する。
【0116】
なお、取得部133は、感情と価値観とに基づき理想モデルMDを生成することで、これを取得してよい。例えば、取得部133は、ステップS2で検出された対話DLzのパターン(パターンPT1~PT6)に対応する意見OPxおよび価値観VAxに基づく推定により、理想モデルMDを生成してよい。
【0117】
一方で、理想モデルMDは、例えば、人手によって生成されてもよい。
【0118】
続いて、ステップS4について説明する。ステップS2により対話DLzがパターン化され、また、ステップS3により理想モデルMDが取得されている状態において、ステップS4が行われてよい。ステップS4では、選択部134は、閲覧者による応答として推奨される推奨フィードバックを選択し、提供部135は、選択された推奨フィードバックを閲覧者に提供する。
【0119】
図3には、一般社員R15(対象入力者)と代表社員F25(対象閲覧者)との間で、新たな対話DL5が行われようとしている場面が示される。
【0120】
例えば、一般社員R15は、アプリAPを介して、会社組織X1での業務を振り返らせるための所定の質問を確認したとする。係る場合、一般社員R15は、自身の業務を振り返ることで、その業務を自己評価したリフレクションをアプリAP内の所定の画面に入力する。このように新たなリフレクションが入力されることで、新たな対話DL5が開始されると、選択部134は、一般社員R15によって新たに入力されたリフレクションである新規リフレクションを示すリフレクション情報RL15-5と、一般社員R15の属性A15を示す属性情報とを取得する。
【0121】
なお、図3では付図示であるが、リフレクション情報RL15-5には、構成項目として、一般社員R15による意見OP15と、経験EX15と、感情EM15と、価値観VA15とが含まれる。また、一般社員R15の属性A15は、例えば、一般社員Rxの年齢、性別、趣味、所属部署、役職等であってよい。
【0122】
このような状態において、ステップS4では、選択部134は、新規リフレクションを示すリフレクション情報RL15-と、理想モデルMDと、対話DLzのパターンPT1~PT6とに基づいて、代表社員F25による応答として推奨される推奨フィードバックを選択する。
【0123】
ステップS4をステップS4-1と、S4-2とに分けてより詳細に説明する。ステップS4-1では、選択部134は、リフレクション情報RL15-5と、理想モデルMDとの照合により、一般社員R15の状態と代表社員F25の状態との関係性が理想モデルMDで定義される状態遷移(すなわち第1フェーズPH1~第5フェーズPH5)においていずれのフェーズであるかを特定する。以下では、選択部134が、第3フェーズPH3を特定したものとして説明する。
【0124】
ステップS4-2では、選択部134は、ステップS4-1で特定したフェーズである第3フェーズPH3と、対話DLzのパターンPT1~PT6とに基づいて、対象閲覧者である代表社員F25による、対象入力者である一般社員R15に対する応答として推奨される推奨フィードバックを選択する。具体的には、選択部134は、対話DLzのパターンPT1~PT6のうち、第3フェーズPH3に対応付けられる組であって、感情♯3および価値観♯3の組が構成項目として取り扱われているパターンを特定する。そして、選択部134は、特定したパターンを推奨フィードバックとして選択する。例えば、選択部134は、特定したパターンで示されるフィードバックコメントを推奨フィードバックとして選択してよい。
【0125】
例えば、選択部134は、パターンPT1に対応するフィードバックコメントCM(PT1)と、パターンPT2に対応するフィードバックコメントCM(PT2)と、パターンPT3に対応するフィードバックコメントCM(PT3)とを選択したものとする。係る場合、提供部135は、フィードバックコメントCM(PT1)と、フィードバックコメントCM(PT2)と、フィードバックコメントCM(PT3)とを、推奨フィードバックとして代表社員F25に提供する。
【0126】
例えば、提供部135は、フィードバックコメントCM(PT1)、フィードバックコメントCM(PT2)、フィードバックコメントCM(PT3)のうち、いずれか1つを選択可能に制御した状態でこれらをアプリAPを介して提供してよい。
【0127】
なお、フィードバックコメントCM(PT1)、フィードバックコメントCM(PT2)、フィードバックコメントCM(PT3)のうち、より最適であると推定されものを選択部134が選択することで、提供部135は、この最適なフィードバックコメントを代表社員F25に代わって応答してもよい。つまり、情報処理装置100は、対象閲覧者に代わって動的にフィードバックしてもよい。
【0128】
ここで、図3の例によると、代表社員F25は、フィードバックコメントCM(PT2)を選択し、選択したフィードバックコメントCM(PT2)を含むフィードバック情報FB25-5を入力したとする。なお、フィードバック情報FB25-5には、代表社員F25の属性A25を示す属性情報も含まれてよい。
【0129】
また、代表社員F25によってフィードバック情報FB25-5が入力されると、一般社員R15は、フィードバック情報FB25-5に含まれるコメントCM(PT2)を評価する。
【0130】
このように、一般社員R15が評価した時点で、一連の対話DL5は終了されてよい。そうすると、収集部131は、対話DL5が開始されてから終了されるまでにおいて、一般社員R15と代表社員F25との間でやり取りされた情報を取得する。具体的には、収集部131は、一般社員R15側のリフレクションに関する情報として、属性A15およびリフレクション情報RL15-5の組を取得し、代表社員F25側のフィードバックに関する情報として、属性A25およびフィードバック情報FB25-5の組を取得する。また、収集部131は、一般社員R15による評価結果(例えば、「良い」または「悪い」)を示す評価EV15も取得する。このようにして、収集部131は、新たに行われた対話DL5についても、その履歴情報を取得することで、取得した履歴情報が今後のパターン検出に利用されるよう制御してよい。
【0131】
〔5.処理手順〕
続いて、図5を用いて、実施形態に係る情報処理の手順について説明する。図5は、実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャートである。なお、図5では、図3の例を適宜採用して情報処理の流れを説明する。
【0132】
まず、収集部131は、対話DLzの履歴情報を収集する(ステップS501)。例えば、収集部131は、一般社員Rxと代表社員Fyとの間で対話DLzが行われることに応じて対話DLzの履歴情報を取得する。そして、収集部131は、取得した対話DLzの履歴情報を履歴情報データベース121と蓄積させてゆくことで、対話DLzの履歴情報を収集する。
【0133】
対話DLzの履歴情報では、1つの対話DLzを識別する対話IDによって、一般社員Rxの属性Axおよびリフレクション情報RLxの組と、代表社員Fyの属性Ayおよびフィードバック情報FByの組とが管理されてよい。また、フィードバック情報FByに含まれるフィードバックコメントCMyに対する一般社員Rxの評価EVxも対話IDによって管理されてよい。
【0134】
次に、検出部132は、対話DLzのパターンを検出する検出処理を行ううえで十分な量の対話DLzの履歴情報が収集できているか否かを判定する(ステップS502)。例えば、検出部132は、定期的にこのような判定を行ってよく、対話DLzの履歴情報が不足している場合には(ステップS502;No)、検出処理を行ううえで十分な量の履歴情報が収集されるまで待機する。
【0135】
一方、検出部132は、検出処理を行ううえで十分な量の履歴情報が収集された場合には(ステップS502;Yes)、一般社員Rxによる評価EVxと、対話DLzの履歴情報とに基づいて、対話DLzのパターンを検出する(ステップS503)。例えば、検出部132は、コメントCMyのうち、良評価が与えられた対象コメントCMy(対象フィードバック)を含むフィードバック情報FByと、このフィードバック情報FByに対応する対話DLzに含まれるリフレクション情報RLxとを、対話DLzの履歴情報から抽出する。そして、検出部132は、抽出した情報を学習データとして、一般社員Rxの属性Axと代表社員Fyの属性Ayとに応じた関係性であって、構成項目に関する情報(例えば、意見OPx、経験EXx、感情EMx、価値観VAx、重要キーワード、あるいは、関連キーワード等)と、対象コメントCMyとの関係性を学習する。そして、検出部132は、学習結果に基づいて、対話DLzのパターンを検出する。
【0136】
次に、取得部133は、対話DLzのパターンに基づき生成された理想モデルMDを取得する(ステップS504)。
【0137】
このような状態において、選択部134は、新たな対話DLzのためのリフレクションである新規リフレクションが入力されたか否かを判定する(ステップS505)。選択部134は、新規リフレクションが入力されていないと判定している間は(ステップS505;No)、新規リフレクションが入力されるまで待機する。
【0138】
一方、選択部134は、新規リフレクションが入力されたと判定できた場合には(ステップS505;Yes)、新規リフレクションを閲覧する人物が出現するまで待機し、新規リフレクションを閲覧する人物の出現により対象閲覧者を検出できた場合には、ステップS506に移行する。
【0139】
例えば、選択部134は、新規リフレクションを示すリフレクション情報RLxと、理想モデルMDと、対話DLzのパターンとに基づき、新規リフレクションに対して対象閲覧者が応答すべきフィードバックコメントを選択する(ステップS506)。
【0140】
そして、提供部135は、選択部134により選択されたフィードバックコメントを推奨フィードバックとして対象閲覧者に提示する(ステップS507)。
【0141】
〔6.まとめ〕
これまでの説明によれば、情報処理装置100は、入力者によるリフレクションに対して、閲覧者が適切な内容をフィードバックできるようフィードバックを最適化することができる。この結果、入力者は、自律的に気付きを得て行動を起こそうとするモチベーションを高められることになるため、より多くの経験を積み、そして、経験を学習に変えることができるようになる。また、入力者が属する組織は、入力者による学びを知見とすることで、その知見を運営に生かすことで組織開発してゆくことができるようになる。
【0142】
〔7.ハードウェア構成〕
次に、実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成例について説明する。図6は、実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。図6を参照すると、情報処理装置100は、例えば、プロセッサ801と、ROM802と、RAM803と、ホストバス804と、ブリッジ805と、外部バス806と、インターフェース807と、入力装置808と、出力装置809と、ストレージ810と、ドライブ811と、接続ポート812と、通信装置813と、を有する。なお、ここで示すハードウェア構成は一例であり、構成要素の一部が省略されてもよい。また、ここで示される構成要素以外の構成要素をさらに含んでもよい。
【0143】
(プロセッサ801)
プロセッサ801は、例えば、演算処理装置または制御装置として機能し、ROM802、RAM803、ストレージ810、またはリムーバブル記録媒体901に記録された各種プログラムに基づいて各構成要素の動作全般またはその一部を制御する。
【0144】
(ROM802、RAM803)
ROM802は、プロセッサ801に読み込まれるプログラムや演算に用いるデータなどを格納する手段である。RAM803には、例えば、プロセッサ801に読み込まれるプログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータなどが一時的または永続的に格納される。
【0145】
(ホストバス804、ブリッジ805、外部バス806、インターフェース807)
プロセッサ801、ROM802、RAM803は、例えば、高速なデータ伝送が可能なホストバス804を介して相互に接続される。一方、ホストバス804は、例えば、ブリッジ805を介して比較的データ伝送速度が低速な外部バス806に接続される。また、外部バス806は、インターフェース807を介して種々の構成要素と接続される。
【0146】
(入力装置808)
入力装置808には、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、およびレバーなどが用いられる。さらに、入力装置808としては、赤外線やその他の電波を利用して制御信号を送信することが可能なリモートコントローラ(以下、リモコン)が用いられることもある。また、入力装置808には、マイクロフォンなどの音声入力装置が含まれる。
【0147】
(出力装置809)
出力装置809は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD、または有機ELなどのディスプレイ装置、スピーカ、ヘッドホンなどのオーディオ出力装置、プリンタ、携帯電話、またはファクシミリなど、取得した情報を利用者に対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置である。また、本実施形態に係る出力装置809は、触覚刺激を出力することが可能な種々の振動デバイスを含む。
【0148】
(ストレージ810)
ストレージ810は、各種のデータを格納するための装置である。ストレージ810としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)などの磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどが用いられる。
【0149】
(ドライブ811)
ドライブ811は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体901に記録された情報を読み出し、またはリムーバブル記録媒体901に情報を書き込む装置である。
【0150】
(接続ポート812)
接続ポート812は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)、RS-232Cポート、または光オーディオ端子などのような外部接続機器902を接続するためのポートである。
【0151】
(通信装置813)
通信装置813は、ネットワークに接続するための通信デバイスであり、例えば、有線または無線LAN、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カード、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または各種通信用のモデムなどである。
【0152】
(リムーバブル記録媒体901)
リムーバブル記録媒体901は、例えば、DVDメディア、Blu-ray(登録商標)メディア、HD DVDメディア、各種の半導体記憶メディアなどである。もちろん、リムーバブル記録媒体901は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード、または電子機器などであってもよい。
【0153】
(外部接続機器902)
外部接続機器902は、例えば、プリンタ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、またはICレコーダなどである。
【0154】
なお、実施形態に係る記憶部120は、ROM802やRAM803、ストレージ810によって実現される。また、プロセッサ801によって実現される実施形態に係る制御部130が、収集部131と、検出部132と、取得部133と、選択部134と、提供部135とを実現する各制御プログラム(例えば、実施形態に係る情報処理プログラム)を、ROM802やRAM803などから読み出し実行する。
【0155】
〔8.その他〕
上記した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、手動的に行われてもよい。また、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、公知の方法で自動的に行われてもよい。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られるものではない。
【0156】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されなくともよい。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られない。また、各構成要素は、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成してもよい。また、上記してきた各処理は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて実行されてもよい。
【0157】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0158】
1 情報処理システム
10 入力者装置
20 閲覧者装置
100 情報処理装置
120 記憶部
121 履歴情報データベース
122 対話パターンデータベース
130 制御部
131 収集部
132 検出部
133 取得部
134 選択部
135 提供部
図1
図2
図3
図4
図5
図6