(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110781
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】包装システム、シート折システム及びシート折包装システム
(51)【国際特許分類】
B65B 35/50 20060101AFI20230802BHJP
B65H 5/02 20060101ALI20230802BHJP
B65H 5/06 20060101ALI20230802BHJP
B65H 9/12 20060101ALI20230802BHJP
B65H 9/06 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
B65B35/50
B65H5/02 N
B65H5/06 F
B65H5/06 J
B65H9/12
B65H9/06
B65H5/02 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022012432
(22)【出願日】2022-01-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 本願の発明に係る装システム、シート折システム及びシート折包装システムの構成を備えた装置(紙折・包装連結機、オートフォールドラッピングシステム)を展示会に出展することを、株式会社デュプロが、令和4年1月13日に同社ウェブサイトにて公開した。 本願の発明に係る装システム、シート折システム及びシート折包装システムの構成を備えた装置(紙折機+フィルム包装機)を展示会「page2022」に出展する紹介記事の掲載依頼を、株式会社デュプロが、令和4年1月7日及び令和4年1月19日に送付した。 本願の発明に係る装システム、シート折システム及びシート折包装システムの構成を備えた装置(紙折機+フィルム包装機)を展示会「JAPAN PACK2022」に出展する紹介記事の掲載依頼を、株式会社デュプロが、令和3年12月21日及び令和4年1月7日に送付した。
(71)【出願人】
【識別番号】000109727
【氏名又は名称】株式会社デュプロ
(72)【発明者】
【氏名】坂本 利浩
(72)【発明者】
【氏名】干潟 誠司
(72)【発明者】
【氏名】中村 良之
【テーマコード(参考)】
3E054
3F049
3F102
【Fターム(参考)】
3E054AA01
3E054FA07
3E054FB01
3E054FB13
3E054GA01
3E054GA07
3E054GB01
3E054GC05
3E054GC07
3E054GC08
3E054JA04
3F049DA02
3F049DA12
3F049EA24
3F049EA29
3F049LA15
3F049LB01
3F102AA18
3F102AB01
3F102BA07
3F102DA05
3F102EA03
3F102EA10
3F102FA08
(57)【要約】
【課題】包装手段の上流側から順次搬送される板状材である用紙を複数枚まとめた状態で包装処理を行うことができる、包装システムを提供する。
【解決手段】紙折機100のスタッカーベルト82で順次搬送される用紙を、上ベルト駆動ローラ203及び下ベルト駆動ローラ204からなるローラ対によって形成される中継搬送受入ローラニップで滞留させ、複数枚重ねたシート束の状態で二つの中継搬送ベルト(201、202)によって包装機300に向けて搬送する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装対象受入部から受け入れた板状材を包装材で包装して包装物を作成する包装手段を備える包装システムにおいて、
複数部の板状材を順次搬送する第一搬送部と、
前記第一搬送部を搬送されてきた板状材を停止させ、後続の板状材を重ねて板状材束を形成する滞留部と、
前記滞留部で形成された前記板状材束を前記包装手段の前記包装対象受入部に向けて搬送する第二搬送部と、を備えることを特徴とする包装システム。
【請求項2】
請求項1の包装システムにおいて、
前記滞留部は、前記第一搬送部を搬送されてきた板状材の先端に当接し、一旦停止させ、後続の板状材が追い付くことで板状材を積層状態として前記板状材束を形成するストッパを備え、
前記ストッパの停止状態よって所定部数の板状材が積層された前記板状材束が形成されると、前記ストッパの停止状態を解除するとともに、前記第二搬送部による搬送を開始するように制御する制御手段とを備えることを特徴とする包装システム。
【請求項3】
請求項2の包装システムにおいて、
前記第一搬送部に搬送されてきた板状材の先端を、そのニップに導くように配置されたローラ対を有し、
前記ローラ対は、回転状態と停止状態とを切替可能で、前記停止状態のときには、前記第一搬送部に搬送されてきた板状材が前記ニップで突き当たって停止する前記ストッパとして機能し、前記回転状態のときには、前記ニップで板状材を挟持搬送する前記第二搬送部として機能することを特徴とする包装システム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかの包装システムにおいて、
前記第一搬送部は、先行して搬送する板状材の上方の面の一部に、後続して搬送する板状材が重なる半重ね状態で板状材を搬送することを特徴とする包装システム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかの包装システムにおいて、
前記第一搬送部の上流側に、板状材に対して所定の処理を行う上流側処理部を備えることを特徴とする包装システム。
【請求項6】
請求項5の包装システムにおいて、
上記上流側処理部が前記第一搬送部に前記所定の処理後の板状材を排出する排出間隔が、
前記滞留部で前記板状材束を形成する板状材同士の排出間隔よりも、前記板状材束を形成する最後の板状材と次の前記板状材束を形成する最初の板状材との間の排出間隔の方が長いように排出間隔を制御する排出間隔制御手段を備えることを特徴とする包装システム。
【請求項7】
請求項4の構成を備える請求項6の包装システムにおいて、
前記排出間隔制御手段は、前記上流側処理部から排出された板状材が、前記第一搬送部で前記半重ね状態となる所定の排出間隔で排出するとともに、
前記板状材束を形成する所定の部数の板状材を前記半重ね状態とした後、その次に前記上流側処理部から排出する板状材が、先行して排出された板状材に対して重ならないように排出間隔を制御することを特徴とする包装システム。
【請求項8】
請求項5乃至7の何れかの包装システムにおいて、
前記上流側処理部は、前記板状材束を形成する板状材の所定部数を取得する所定部数取得手段を有することを特徴とする包装システム。
【請求項9】
請求項5乃至8の何れかの包装システムにおいて、
前記上流側処理部は、シート材に折処理を行うシート折手段であることを特徴とする包装システム。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れかの包装システムにおいて、
前記包装手段は、供給方向に連続するシート状の包装材を供給する第一供給部及び第二供給部と、
前記第一供給部から供給される前記包装材である第一包装材と前記第二供給部から供給される前記包装材である第二包装材との間に包装対象物を挟むとともに前記第一包装材と前記第二包装材とを接合することで前記包装対象物を包装する包装処理を行う包装処理部を備えることを特徴とする包装システム。
【請求項11】
給送部に載置されたシート材に折処理を施し、排出部に排出するシート折手段を備えるシート折システムにおいて、
前記排出部から排出される複数枚のシート材を順次搬送する第一搬送部と、
前記第一搬送部を搬送されてきたシート材を停止させ、後続のシート材を重ねてシート束を形成する滞留部と、
前記滞留部で形成された前記シート束を下流側に向けて搬送する第二搬送部と、を備えることを特徴とするシート折システム。
【請求項12】
給送部に載置されたシート材に折処理を施し、排出部に排出するシート折手段と、
包装対象受入部から受け入れたシート材を包装材で包装して包装物を作成する包装手段と、を備え、
前記排出部から排出される複数枚のシート材を順次搬送する第一搬送部と、
前記第一搬送部を搬送されてきたシート材を停止させ、後続のシート材を重ねてシート束を形成する滞留部と、
前記滞留部で形成された前記シート束を前記包装手段に向けて搬送する第二搬送部と、を備えることを特徴とするシート折包装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装システム、シート折システム及びシート折包装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙束等の板状材を包装フィルム等の包装材で包装する包装装置が知られている。
特許文献1には、板状材の表裏を樹脂フィルムシートで挟み、板状材の周囲の四辺において、樹脂フィルムシート同士を溶着して包装する包装処理を行う包装装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-74977号公報
【特許文献2】特開2021-001073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の包装装置で複数部の板状材を同時に包装しようとすると、同時に包装する板状材を重ねた状態で同時に包装装置の挿入部に挿入する必要がある。
この種の包装装置を特許文献2に記載のようなシート折装置の下流側に配置し、折り処理がなされたシート材を板状材として包装処理する場合、シート折装置から順次搬送されてくるシート材を一枚ずつ包装することは可能である。しかし、順次搬送されてくるシート材を複数枚重ねて包装することは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、包装対象受入部から受け入れた板状材を包装材で包装して包装物を作成する包装手段を備える包装システムにおいて、複数部の板状材を順次搬送する第一搬送部と、前記第一搬送部を搬送されてきた板状材を停止させ、後続の板状材を重ねて板状材束を形成する滞留部と、前記滞留部で形成された前記板状材束を前記包装手段の前記包装対象受入部に向けて搬送する第二搬送部と、を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、包装手段の上流側から順次搬送される板状材を複数部まとめた状態で包装処理を行うことができる、という優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】紙折制御部を中心とする電気的接続関係の概略を示すブロック図。
【
図7】単数枚包装モードのときの紙折機からブリッジへの用紙の搬送状態の説明図。
【
図8】複数枚包装モードのときの紙折機からのブリッジに向かう用紙の搬送状態の説明図。
【
図9】複数枚包装モードのときのブリッジに到達した後の用紙の搬送状態の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0009】
以下、本発明に係るシート折包装システムの一実施形態について説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係るシート折包装システムとしての紙折包装システム500の正面図である。
図1に示す紙折包装システム500は、紙折機100と、中継搬送装置であるブリッジ200と、包装機300とを備える。紙折機100は、給紙棚6に載置された用紙に折処理を施し、折処理排出部に排出する。ブリッジ200は、折処理排出部に排出された折処理後の用紙を受け取り、包装機300に向けて搬送する。包装機300は、ブリッジ200から受け渡された折処理後の用紙を樹脂フィルムで包装して包装物を作成し、包装物トレイ304に排出する。
以下、紙折機100、ブリッジ200及び包装機300のそれぞれについて説明する。
【0011】
まず、紙折機100について
図1及び
図2を用いて説明する。
図2は、折り畳み対象となる用紙Pが積載された状態の紙折機100を
図1と同じ方向から見た概略構成図である。
図1及び
図2に示すように、紙折機100は、折り畳み対象となる用紙Pを送り出す給紙部2と、給紙部2から送り出された用紙Pを折り畳む折処理部4と、折処理部4で折り畳まれた用紙Pが排紙される排紙部3とを備える。また、紙折機100の各構成部品を保持するフレーム5として、前フレーム5aと後フレーム5bとを備える。紙折機100の上面の一部を構成する前フレーム5aの上面には、ユーザーが所定の操作入力を行うための操作パネル10が設けられている。
【0012】
操作パネル10は、スタートボタン、ストップボタン及びテストボタン等の各種ボタンと、タッチパネル101と、を備える。
【0013】
給紙部2は、用紙Pが積載される給紙棚6と、給紙棚6を昇降させる昇降駆動機構と、エア吐出機構8と、給送機構7とを備える。エア吐出機構8は、給紙棚6に積載された用紙P同士を互いに分離させるためのエアを吐出するものであり、給送機構7は、分離された用紙Pのうち最上位の用紙Pを送り出すものである。
【0014】
給送機構7は、エアサクション式の機構である。給紙棚6は、紙折機100のフレーム5に対して上下に昇降可能に支持されている。
給紙棚6には、積載された用紙Pの幅方向の位置がずれることを防止する一対のサイドガイド50と、用紙Pの長さ方向の位置がずれることを防止するエンドフェンス12とを備える。一対のサイドガイド50は、給紙棚6に積載された用紙Pのサイズに応じて、用紙幅方向のセンターラインを中心に対称移動可能に構成され、用紙束の幅方向の両端面にそれぞれ当接して用紙Pの幅方向の移動を規制する。エンドフェンス12は、用紙束を後方(給紙部2における用紙搬送方向上流側、
図2中の左側)から支持して、用紙Pの長さ方向(用紙搬送方向)の移動を規制する。(以下、紙折機100の給紙棚6に載置された用紙Pが、紙折機100からブリッジ200を通って包装機300に受け渡され、包装機300の包装物トレイ304に排出されまでの用紙Pが搬送される方向を「搬送方向」という。
【0015】
給送機構7は、給送ベルト14とサクションダクト16とを備える。給送ベルト14は、不図示の駆動モータからの駆動が伝達されることで、用紙搬送面(下面)が用紙搬送方向(
図2中の右方向)に移動するように回転駆動する。サクションダクト16には、エア吸引用のファンが内蔵され、そのファンが回転することにより、給送ベルト14の用紙搬送面近傍に設けられたサクションダクト16の吸引用開口部からエアが吸引される。吸引用開口部からエアを吸引しながら、所定の用紙給送タイミングで給送ベルト14を駆動することで、給紙棚6に積載された用紙束のうち最上位の用紙Pを給送ベルト14の用紙搬送面に吸着させ、用紙Pを給送することができる。
【0016】
エア吐出機構8は、給紙棚6の給送方向前方(用紙搬送方向下流側)に設けられている。エア吐出機構8は、給紙棚6に積載された用紙束の前端部に向けてエアを吹き出し、その用紙束の上層部の用紙Pを浮上させるとともに、浮上した用紙P同士を分離して給紙性能を高めるものである。エア吐出機構8には、用紙束の前端面に対してエアを吐出するための複数のエア吐出口が設けられている。エア吐出機構8には、ファンまたはブロアなどのエアフロー発生部に接続されており、このエアフロー発生部が作動することにより、エア吐出口からエアが吹き出される。これにより、給紙棚6に積載された用紙束を構成する用紙Pのうち、給送ベルト14の用紙搬送面に近い用紙P同士の間隔を開けることができ、用紙Pの分離性を向上させ、給紙性能を高めることができる。
給送機構7としては、エアサクション式の機構に限らず、給紙ローラを用いたフリクション式の機構でもよい。
【0017】
折処理部4は、入口ローラ対18と、四つの折部ローラ20(20a~20d)と、内部に搬送路(23,28)を形成する二つの折込板(36,40)とを備える。排紙部3は、スタッカーローラ81と、スタッカーベルト82と、排紙補助ガイド板83と、を有する排紙搬送機構24を備える。スタッカーベルト82は、幅方向(
図2中の紙面に直交する方向)に複数本(実施形態では2本)配置された無端ベルトである。スタッカーベルト82は後述するスタッカーベルト駆動モータ180から駆動が伝達されることで、
図2中の時計回り方向に駆動回転し、スタッカーローラ81は、スタッカーベルト82に接触して従動回転する。スタッカーローラ81は、スタッカーベルト82上に排出された用紙Pを押さえ、用紙Pの搬送を補助する部材であり、排紙補助ガイド板83は、紙折機100の搬送方向下流端に到達した用紙を押さえる部材である。
【0018】
四つの折部ローラ20のうち、第一折部ローラ20aと第二折部ローラ20bとは当接または近接対向し、第一折込板36に向けて用紙Pを受け入れる折部受入ローラ対を形成する。第二折部ローラ20bと第三折部ローラ20cとは当接または近接対向し、先端側が第一折込板36に進入した用紙Pに対して一回目の折りを施すとともに、第二折込板40に向けて搬送する第一折ローラ対を形成する。第三折部ローラ20cと第四折部ローラ20dとは当接または近接対向し、先端側が第二折込板40に進入した用紙Pに対して二回目の折りを施すとともに、排紙部3に向けて用紙Pを搬送する第二折ローラ対を形成する。
【0019】
第一折込板36は、第一折込搬送路23と第一折ストッパ25とを直方体形状の第一折込板筐体34に収容した構成である。また、第二折込板40は、第二折込搬送路28と第二折ストッパ32とを直方体形状の第二折込板筐体38に収容した構成である。
【0020】
図2中の二点鎖線「PR」は、用紙Pの搬送経路の一部を示している。
給紙部2から送り出された用紙Pは、入口ローラ対18によって折処理部4の機構に向けて搬送される。
入口ローラ対18を通過した用紙Pは、折部受入ローラ対を形成する第一折部ローラ20aと第二折部ローラ20bとによって挟持搬送され、第一折込搬送路23に進入する。第一折込搬送路23の所定位置には第一折ストッパ25が停止している。このため、第一折込搬送路23に進入した用紙Pの先端が第一折ストッパ25に当接すると、用紙Pはそれよりも搬送方向前方(第一折込搬送路23の奥側)に進むことができなくなる。
【0021】
先端が第一折ストッパ25に突き当たった後も、折部受入ローラ対による用紙Pの搬送動作が継続されるため、用紙Pにおける折部受入ローラ対よりも下流側、且つ、第一折込搬送路23よりも上流側に位置する部分に撓みが生じる。この撓みが生じた部分が先頭となって、第一折ローラ対を形成する第二折部ローラ20bと第三折部ローラ20cとの間に巻き込まれ、挟持搬送されることで、撓みが生じた部分が第一の折位置となって用紙Pに一つ目の折目が形成される。
【0022】
一つ目の折目が形成された用紙Pは、第一折ローラ対を通過した後、そのまま排紙部3に排紙されるか、二つ目の折目が形成される。第一折ローラ対のニップ部の出口側には経路切替ガイド30(経路切り替え部材)が配置されており、不図示の駆動源によって経路切替ガイド30を移動させ、位置を変更する。これにより、用紙Pの搬送経路を、第二折ローラ対のニップ部に向かう経路と、第二折込板40内の第二折込搬送路28に向かう経路との何れかの経路に切り替えることができる。
【0023】
経路切替ガイド30が第一折ローラ対のニップ部の出口を覆う遮蔽位置にある状態では、第一折ローラ対のニップ部を通過して二つ折りにされた用紙Pがそのまま排紙部3へと導かれる。
一方、経路切替ガイド30が第一折ローラ対のニップ部の出口を覆わない待機位置にある状態では、第一折ローラ対のニップ部を通過して二つ折りにされた用紙Pは、第二折込搬送路28に進入する。
【0024】
図2に示すように、第一折込搬送路23と同様に、第二折込搬送路28の所定位置には第二折ストッパ32が停止している。このため、第二折込搬送路28に進入した用紙Pの先端(一つ目の折目の部分)が第二折ストッパ32に当接すると、用紙Pはそれよりも搬送方向前方(第二折込搬送路28の奥側)に進むことができなくなる。
先端が第二折ストッパ32に突き当たった後も、第一折ローラ対による用紙Pの搬送動作が継続されるため、用紙Pにおける第一折ローラ対よりも下流側、且つ、第二折込搬送路28よりも上流側に位置する部分に撓みが生じる。この撓みが生じた部分が先頭となって、第二折ローラ対を形成する第三折部ローラ20cと第四折部ローラ20dとの間に巻き込まれ、挟持搬送されることで、撓みが生じた部分が第二の折位置となって用紙Pに二つ目の折目が形成される。二つ目の折目が形成された用紙Pは、第二折ローラ対を通過した後、排紙部3に排紙される。
排紙部3に排紙された用紙Pは、スタッカーベルト82上に載置され、スタッカーベルト82の駆動回転によって排紙方向(
図2中の右方向)に搬送され、スタッカーベルト82とスタッカーローラ81との当接部を通過し、スタッカーベルト82の搬送方向下流側端部に到達する。
【0025】
このように、経路切替ガイド30を待機位置に位置させることで、用紙Pに対して三つ折りや四つ折りの折処理を施すことが可能となる。
折処理を施す際には、三つ折りや四つ折りといった折りの種類や折面(用紙Pにおける折目によって仕切られた複数の領域)の長さが所望のものとなるように、第一折込搬送路23における第一折ストッパ25の位置と、第二折込搬送路28における第二折ストッパ32の位置とを設定する必要がある。
【0026】
図3は、紙折機100の紙折制御部1を中心とする電気的接続関係の概略を示すブロック図である。紙折制御部1は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM等を有する。紙折制御部1には、入力装置110の各種スイッチを介した操作入力、給紙処理用センサ120及び折処理用センサ130を含む各検出センサからの検出信号が入力される。入力装置110は、フレーム5の上面に設けられた操作パネル10として設けられている。折処理用センサ130は、超音波式給紙エラーセンサ51、光学式給紙エラーセンサ52、排紙エラーセンサ54、第一ストッパ位置センサ90及び第二ストッパ位置センサ91等を含む。
【0027】
操作パネル10は、ユーザーの操作入力を受付ける操作部であり、紙折制御部1は、操作パネル10からの入力内容を受付けるとともに、その入力内容や各種センサからの入力内容に基づいて、給送機構7や折処理部4等を制御する制御手段である。
【0028】
紙折制御部1は、各種スイッチやセンサからの入力に基づいて給紙制御や折り制御のための所定の演算処理を実行する。そして、紙折制御部1は、給送機構7を作動する給紙作動アクチュエータ140、折処理部4を作動する折処理作動アクチュエータ150等に制御指令信号を出力する。
折処理作動アクチュエータ150は、入口ローラ対18や折部ローラ20(20a~20d)を駆動するローラ駆動モータ152や第一ストッパ移動モータ70、第二ストッパ移動モータ71等を含む。また、紙折制御部1は、各処理の設定画面や進行状況を表示装置160に表示させる。表示装置160は、フレーム5の上面にタッチパネル101として設けられている。
また、紙折制御部1は、排紙部3のスタッカーベルト82を作動するスタッカーベルト駆動モータ180にも制御指令信号を出力する。
【0029】
図2に示すように、入口ローラ対18と折部受入ローラ対(20a,20b)との間には、給紙エラーを検出する超音波式給紙エラーセンサ51及び光学式給紙エラーセンサ52が設けられている。超音波式給紙エラーセンサ51及び光学式給紙エラーセンサ52は、入口ローラ対18と折部受入ローラ対との間の用紙搬送路である折部受入搬送路53を通過する用紙Pの有無と、通過する用紙Pの重送発生の有無とを検出する。
紙折制御部1は、給紙部2から給紙した旨の信号を受け取ると、その受信から予め設定された給紙時間内に超音波式給紙エラーセンサ51及び光学式給紙エラーセンサ52の両方または一方により用紙Pが検出されなければ、空送りが発生したと判定する。給紙時間内に用紙Pが検出されると、超音波式給紙エラーセンサ51及び光学式給紙エラーセンサ52の一方または両方の出力に応じて重送発生の有無を判定する。
紙折制御部1は、超音波式給紙エラーセンサ51及び光学式給紙エラーセンサ52の両方または一方が用紙Pの前端を検知してから、用紙通過時間(用紙Pの全長に応じて予め設定された時間)が経過してもその検出状態が継続した場合には、ジャムが発生したと判定する。
【0030】
第二折ローラ対(20c,20d)のニップ部の出口近傍(排紙搬送機構24の上流部)には、排紙エラーを検出するための排紙エラーセンサ54が設けられている。排紙エラーセンサ54は、第二折ローラ対のニップ部から排出トレイ26へ向けて排出される用紙Pの通過を検出する。紙折制御部1は、用紙Pが超音波式給紙エラーセンサ51または光学式給紙エラーセンサ52を通過してから排紙到達時間(用紙Pの全長及び折処理の条件に応じて予め設定された用紙Pが排紙部3に到達するまでの時間)が経過しても、排紙エラーセンサ54によって用紙Pが検出されなければ、ジャムが発生したと判定する。また、紙折制御部1は、排紙エラーセンサ54が用紙Pを検出してから排紙通過時間(用紙Pの全長及び折処理の条件に応じて予め設定された折処理後の用紙Pが任意の位置を通過するのに要する時間)が経過しても、排紙エラーセンサ54による用紙Pの検出状態が継続した場合にも、ジャムが発生したと判定する。
【0031】
上述した「排紙到達時間」や「排紙通過時間」については、折処理での折りの種類が二つ折りと三つ折りの何れであるか等、折処理の条件に応じて設定値を異ならせてもよい。また、「給紙時間」、「用紙通過時間」、「排紙到達時間」及び「排紙通過時間」の各設定時間に変えて、搬送モータの回転数を示すそれぞれの設定パルス数を設定し、設定パルス数に基づいて各搬送エラーを判定してもよい。
【0032】
図2に示すように、第一折込板36は、第一折込板筐体34に第一折込機構60を収容し、第二折込板40は、第二折込板筐体38に第二折込機構61を収容する。第一折込機構60及び第二折込機構61は、ステッピングモータからなる第一ストッパ移動モータ70及び第二ストッパ移動モータ71をそれぞれ備える。紙折制御部1が第一ストッパ移動モータ70及び第二ストッパ移動モータ71の駆動量を制御することで、第一折ストッパ25及び第二折ストッパ32の停止位置が変動し、用紙Pに対する折り方を変更することができる。
【0033】
紙折機100としては、公知のシート折装置を用いることができる。例えば、特許文献2に記載のシート折装置は上述した実施形態の紙折機100と同様の構成を備える。また、実施形態の紙折機と同様の構成に限るものではなく、例えば、特開2021-172482号公報に記載されたシート折装置のように、折ローラ対のニップ部にシート材を押込む折ナイフ等の押込部材を備えるシート折装置であってもよい。
紙折機100としては、電源投入時やエラー発生時に、インターネット等の外部通信回線を使って紙折機100の稼働情報やエラー情報を外部装置に送信可能としてもよい。外部装置に送信する稼働情報としては、紙折機100の紙折動作の回数を示す累積カウンタや折り方毎の累積カウンタ、エラー情報(エラーの種類や回数)等が挙げられるが、これに限るものではない。さらに、外部装置より外部通信回線を通じて、故障の修理方法、制御プログラムのバージョンアップ情報等を取得可能としてもよい。さらに、紙折制御部1の制御プログラムの更新プログラムを外部通信回線を通じて、管理サーバからダウンロードできる構成としてもよい。紙折制御部1と外部通信回線とを接続する回線としては、LANケーブル等の有線回線でもよいし、Wifi等の無線回線でも良い。
【0034】
次に、ブリッジ200について説明する。
図4は、ブリッジ200の概略説明図である。
図4では、ブリッジ200の搬送方向上流側に配置される紙折機100の搬送方向下流端部近傍と、ブリッジ200の搬送方向下流側に配置される包装機300における搬送方向上流側端部近傍とを図中に示している。
【0035】
図4に示すように、ブリッジ200は、中継搬送上ベルト201と中継搬送下ベルト202とを備える。中継搬送上ベルト201は、上ベルト駆動ローラ203、上ベルトテンションローラ205、上ベルト従動ローラ207及び上ベルト出口ローラ209によって張架され、上ベルト駆動ローラ203が回転駆動することで、
図4中の反時計回り方向に無端移動する。中継搬送下ベルト202は、下ベルト駆動ローラ204、下ベルトテンションローラ206、下ベルト従動ローラ208及び下ベルト出口ローラ210によって張架され、下ベルト駆動ローラ204が回転駆動することで、
図4中の時計回り方向に無端移動する。
また、上ベルト出口ローラ209と下ベルト出口ローラ210とが二つの中継搬送ベルト(201、202)を挟んで当接する中継搬送出口ニップの近傍には、中継搬送出口センサ253(
図4では図示省略)を備える。中継搬送出口センサ253は、中継搬送出口ニップの近傍での用紙Pの有無を検知することで、ブリッジ200の出口での用紙Pの通過を検出する。
【0036】
図3に示すように、ブリッジ200の作動を制御する中継搬送制御部250は、紙折機100の紙折制御部1と電気通信可能となっており、中継搬送制御部250は、紙折制御部1から入力される制御指令信号に基づいて中継搬送ベルト駆動モータ251の駆動を制御する。また、包装機300のエラー信号や満杯信号等を受信する包装機信号受信部252やブリッジ200内での紙詰まり等のエラーを検出する中継搬送出口センサ253等から送信される信号に基づいて、上流側の紙折機100の紙折制御部1に停止信号等を送信する。中継搬送ベルト駆動モータ251が駆動すると、上ベルト駆動ローラ203と下ベルト駆動ローラ204とが駆動回転し、中継搬送上ベルト201及び中継搬送下ベルト202が無端移動する。
中継搬送ベルト駆動モータ251の駆動タイミングとしては、紙折機100での紙折処理開始後は連続的に駆動し続けるように駆動を制御してもよいし、所定のタイミング毎に駆動と停止とを繰り返すように駆動を制御してもよい。
【0037】
図4に示すように、上ベルト駆動ローラ203と下ベルト駆動ローラ204とは、二つのベルト(201、202)を挟んで当接し、中継搬送受入ローラニップを形成する。中継搬送受入ローラニップに対して搬送方向上流側(
図4中の左側)には、中継搬送受入上ガイド211と中継搬送受入下ガイド212とを備える。
【0038】
紙折機100の排紙部3に排紙され、スタッカーベルト82の搬送方向下流側端部に到達した用紙Pは、スタッカーベルト82から中継搬送受入下ガイド212に受け渡される。その後、排紙補助ガイド板83に押さえられながら中継搬送受入上ガイド211と中継搬送受入下ガイド212との間に案内されて、用紙Pの先端が中継搬送受入ローラニップに到達する。このとき、二つの中継搬送ベルト(201、202)が無端移動している場合は、用紙Pは二つの中継搬送ベルト(201、202)に挟持搬送され、包装機300に受け渡される。二つの中継搬送ベルト(201、202)が無端移動していない場合は、用紙Pの先端が中継搬送受入ローラニップに突き当たって停止する。その後、中継搬送ベルト駆動モータ251が所定のタイミングで駆動開始し、二つの中継搬送ベルト(201、202)が無端移動を開始することで、用紙Pは二つの中継搬送ベルト(201、202)に挟持搬送され、包装機300に受け渡される。
【0039】
中継搬送ベルト駆動モータ251を連続駆動しない構成としては、紙折制御部1から受信した排紙条件に基づいて、駆動と停止とを繰り返す構成としてもよい。また、中継搬送受入ローラニップにおける用紙Pの有無を検知する用紙検知センサを設け、この用紙検知センサが用紙Pを検知すると中継搬送ベルト駆動モータ251を駆動し、用紙Pを検知していないときには中継搬送ベルト駆動モータ251の駆動を停止する構成としてもよい。
【0040】
ブリッジ200は、搬送方向下流端近傍に、出口外装上板213と出口外装下板214とを備える。そして、上ベルト出口ローラ209と下ベルト出口ローラ210とは、出口外装上板213と出口外装下板214とによって形成される下流側に突き出した部分に配置されている。
【0041】
次に、包装機300について説明する。
図5は、包装機300の概略説明図であり、
図6は、包装機300の斜視説明図である。
包装機300は、包装対象物である折処理後の用紙P(
図6では、一例として外三つ折りの用紙Pを示している)を二つのフィルムロールR(R1、R2)から供給される二枚のフィルムF(F1、F2)で挟んで溶着部340で溶着することで包装物を作成するものである。さらに、包装機300は、上フィルムロールR1から供給される上フィルムF1にミシン目を入れるミシン目形成手段であるミシン目形成部350を備える。
【0042】
ブリッジ200の出口外装上板213と出口外装下板214とによって形成される下流側に突き出した部分が、包装機300の包装受入部302の内側に入り込む配置となるようにブリッジ200と包装機300とが設置される。この配置により、ブリッジ200の二つの中継搬送ベルト(201、202)によって搬送され、中継搬送出口ニップを通過した用紙Pは、包装機300内に挿入される。
【0043】
挿入された用紙Pは、その上側の上フィルムロールR1と、下側の下フィルムロールR2から引き出された各々のフィルムF(F1,F2)に、上面側と下面側とを挟まれた状態で包装機300内を
図6中の矢印「α」方向に搬送されるとともに、用紙Pの周囲のフィルムFが熱溶着されて包装され、包装物の状態で包装排出口309から排出されて包装物トレイ304に順次積載される。
【0044】
包装機300の上面の幅方向の一端側には、包装操作パネル345が設けられている。包装操作パネル345は包装機300を操作するためのユーザーの各種入力を受付ける入力部として機能し、かつ包装機300内の各種情報を表示する表示部として機能する。包装機300の上面の幅方向の他端側には、包装機300に電源を投入する電源スイッチ346が設けられている。
【0045】
図5では、包装受入部302が包装機300の左側形成されている。包装受入部302の内側には、溶着切断ヒータ305、前後端溶着受台344、サイド溶着ヒータ341、サイド溶着受台342、包装上搬送ベルト334及び包装下搬送ベルト335等から構成される溶着部340を備える。包装上搬送ベルト334は、上搬送上流側プーリ321と上搬送下流側プーリ338とに張架され、包装下搬送ベルト335は、下搬送上流側プーリ322と下搬送下流側プーリ336とに張架される。
【0046】
包装受入部302の内側は、通常、シャッター303で塞がれている。シャッター303はシャッター支点303aを中心に回動可能であり、不図示の付勢手段により
図5中の時計方向に付勢されているため、シャッター303の下端はその下方に設けられた前後端溶着受台344に圧接した状態となっている(付勢手段を設けず、自重により圧接するようにしてもよい)。このシャッター303は用紙Pが挿入されるとき、用紙Pの先端によって
図3中の反時計方向に回転し、前後端溶着受台344との間に隙間ができる。用紙Pはその隙間に入って
図3中の右方向にさらに挿入される。
【0047】
前後端溶着受台344の上方には溶着切断ヒータ305が配置されている。溶着切断ヒータ305は不図示の駆動機構により、
図2に示す待機位置と、下端が前後端溶着受台344に到達した溶着位置との間を移動可能に構成されている。溶着切断ヒータ305は熱伝導率が良好で軽量のアルミニウムあるいはアルミニウム合金で形成され、下端形状が鋭角に形成されている。溶着切断ヒータ305には不図示のラバーヒータが焼き付け固着されており、このラバーヒータに通電することにより溶着切断ヒータ305を加熱することができる。また、溶着切断ヒータ305の温度を計測するためのサーミスタが取り付けられている。
【0048】
図5に示すように、溶着切断ヒータ305の上方には上フィルムロールR1が、下方には下フィルムロールR2が配置されている。以下、上フィルムロールR1について説明するが、下フィルムロールR2の構成とその支持構造も上フィルムロールR1と同一である。
【0049】
上フィルムロールR1は上紙管R1aに長尺のフィルム(上フィルムF1)を巻回したものである。上紙管軸306Aは上紙管R1aを内面側から同軸に支持している。上フィルムF1は図示手前側から奥側に向かう方向(以下幅方向という)に幅を有し、上紙管R1aも上フィルムF1と同一の幅を有する。その幅は、包装受入部302から挿入される用紙Pの短辺の幅方向の長さ(A4サイズの用紙の場合は210[mm])よりも若干長く形成されている。
【0050】
上フィルムロールR1の端面に幅方向に隣接して、上フィルムロールR1の端面と平行な板状に形成された上紙管ガイド307Aが立設されている。上紙管ガイド307Aには上端から下方に向かって延びる上ガイドスリット307aAが形成され、この上ガイドスリット307aAに上紙管軸306Aが挿通されている。さらに上フィルムロールR1を下方から支持する上フィルム支持ローラ308Aが設けられている。
【0051】
上紙管ガイド307Aは上フィルムロールR1の幅方向の両サイドに同形状のものが立設している。上紙管軸306Aの支持輪が上紙管R1aの内周面を支持することにより、上紙管軸306Aと上フィルムロールR1とが同軸となるように支持している。上紙管軸306Aは、二枚の上紙管ガイド307Aの間隔よりも幅方向に長く形成され、その両端部が上ガイドスリット307aAに挿通されている。上フィルムロールR1の残量が減少してロール径が小さくなると、上紙管軸306Aの位置が下降するが、上フィルムロールR1の外周面が上フィルム支持ローラ308Aに接触した状態を維持する構成である。
【0052】
包装機300は、下フィルムロールR2においても上フィルムロールR1における上紙管軸306A、上紙管ガイド307A及び上フィルム支持ローラ308Aと同様の構成として、下紙管軸306B、下紙管ガイド307B及び下フィルム支持ローラ308Bを備える。
【0053】
上フィルムロールR1からは上フィルムF1が引き出され、上第一フィルムガイド331及び上第二フィルムガイド332に掛けられて、その先端が溶着切断ヒータ305の下方に位置している。下フィルムロールR2からは下フィルムF2が引き出され、下フィルムガイド333に掛けられて、その先端が溶着切断ヒータ305の下方に位置している。そして上下二つのフィルム(F1、F2)は先端同士が予め前回の包装処理で溶着され、溶着ラインFxを形成した状態になっている。
また、上第二フィルムガイド332から溶着切断ヒータ305の下方に向かう上フィルムF1を出口外装上板213の上面がガイドする構成としてもよい。
【0054】
溶着切断ヒータ305及び前後端溶着受台344の図示右方には、包装受入部302から挿入された用紙Pをフィルム(F1、F2)とともに搬送する包装上搬送ベルト334及び包装下搬送ベルト335を備える。包装上搬送ベルト334及び包装下搬送ベルト335はともに幅方向に二本ずつ配置され、その間隔は、用紙Pの幅(図中X軸方向の長さ)よりも短く構成されているので、包装上搬送ベルト334は用紙Pを上方から、包装下搬送ベルト335は用紙Pを下方から挟み、図示右方に搬送できるようになっている。包装下搬送ベルト335が掛けられている一方のプーリである下搬送下流側プーリ336には、歯付ベルト、歯付プーリ、ギヤ等で構成された下ベルト駆動伝達機構337を介して搬送モータM1から駆動力が付与されている。また、包装上搬送ベルト334が掛けられている一方のプーリである上搬送下流側プーリ338にも、上ベルト駆動伝達機構(図示省略)を介して搬送モータM1から駆動力が付与されている。すなわち搬送モータM1が回転すると、包装上搬送ベルト334及び包装下搬送ベルト335の両方に駆動力が付与され、二つの搬送ベルト(334、335)が無端移動する。
【0055】
包装上搬送ベルト334の幅方向の両サイド(幅方向の外側)にそれぞれ一個ずつ、計二個のサイド溶着ヒータ341を備える。また、包装下搬送ベルト335の幅方向の両サイド(幅方向の外側)でサイド溶着ヒータ341のそれぞれと対向する位置に、それぞれ一個ずつ、計二個のサイド溶着受台342を備える。サイド溶着ヒータ341及びサイド溶着受台342は、それぞれ、包装上搬送ベルト334及び包装下搬送ベルト335の搬送方向に沿って長く形成されている。
【0056】
二つのサイド溶着ヒータ341の各々も溶着切断ヒータ305と同様に、ラバーヒータが焼き付け固定された軽量のアルミニウムあるいはアルミニウム合金で形成され、下端形状が鋭角に形成されている。また、温度を計測するためのサーミスタも取り付けられている。
【0057】
二つのサイド溶着ヒータ341の幅方向の間隔は、用紙Pの幅よりも長く、且つ、二つのフィルム(F1、F2)の幅よりも短く構成されている。そして二つのサイド溶着ヒータ341はともに、不図示の駆動機構により、下端がサイド溶着受台342に到達するまで下降することができる。このような構成により、用紙Pの幅方向の両サイドで、フィルム(F1、F2)を溶着できる。
【0058】
サイド溶着ヒータ341及びサイド溶着受台342の
図5中の右方には、用紙Pを包装した包装物を排出する包装排出口309が形成されている。包装受入部302から包装排出口309までの用紙Pの搬送経路には、用紙Pの先端または後端を検知できるように、溶着切断ヒータ305の搬送方向の上流側に第一センサD1を備え、溶着切断ヒータ305に対して搬送方向下流側に第二センサD2を備える。さらに、包装排出口309の近傍に第三センサD3を備える。
【0059】
包装機300では、三個所のセンサ(D1、D2、D3)によって、包装対象物である用紙Pが検知された検知信号に基づいて、溶着切断ヒータ305及びサイド溶着ヒータ341を上下動させるヒータアクチェータと、搬送モータM1と、不図示の二つのブレーキ機構とを、所定のタイミングに基づいて駆動制御する。ブレーキ機構は、二つのフィルムロールR(R1、R2)のそれぞれの外周に当接するフィルム支持ローラ308(308A,308B)の回転に対してブレーキをかける機構である。
【0060】
用紙Pが包装受入部302から挿入され、第一センサD1が用紙Pの先端を検知すると、二つのブレーキ機構のブレーキを解除するとともに、搬送モータM1の駆動を開始する。これにより、挿入された用紙Pによって溶着ラインFxが押された二つのフィルム(F1、F2)が、それぞれのフィルムロール(R1、R2)から巻き出される。
【0061】
溶着ラインFxを押しながら装置内に進入した用紙Pは、二つのフィルム(F1、F2)に挟まれた状態で、上搬送上流側プーリ321と下搬送上流側プーリ322とが包装上搬送ベルト334と包装下搬送ベルト335とを挟んで当接する包装搬送ベルト入口ニップに進入する。包装搬送ベルト入口ニップに進入した用紙Pは、包装上搬送ベルト334と包装下搬送ベルト335とによって挟持搬送される。この搬送力によって、二つのフィルム(F1、F2)が引っ張られ、それぞれのフィルムロール(R1、R2)からさらに巻き出される。
【0062】
ブリッジ200の中継搬送出口ニップから包装機300の包装搬送ベルト入口ニップまでの距離は、紙折機100による折処理後の用紙Pの搬送方向の長さ(以下、「仕上り長さ」という)の最小値よりも短い距離となっている。
例えば、紙折機100による折処理が可能な用紙Pの長さの最小値が、4つ折りで182.0[mm]、2つ折りで105.0[mm]の場合、仕上り長さの最小値は、4つ折りで45.5[mm]、2つ折りで52.5[mm]となる。この場合、4つ折りでの最小値である45.5[mm]が、仕上り長さの最小値である。そして、このような紙折機100を用いる場合、中継搬送出口ニップから包装搬送ベルト入口ニップまでの距離が、45.5[mm]よりも短くなるように設定する。これにより、包装機300内に位置する用紙Pに対して、何れかの搬送手段で搬送力を付与することが可能となり、包装機300内での紙詰まりを防止できる。
【0063】
また、中継搬送出口ニップから包装搬送ベルト入口ニップまでの距離としては、仕上り長さと同じ長さであると、押し込むフィルムが抵抗となり、包装搬送ベルト入口ニップで十分に用紙Pを挟持できないことがある。このため、中継搬送出口ニップから包装搬送ベルト入口ニップまでの距離が、仕上り長さの最小値の80[%]以下となるように各部を配置することが望ましい。
【0064】
二つのフィルムに挟まれた状態の用紙Pが、包装上搬送ベルト334及び包装下搬送ベルト335によって
図5中の右方へ搬送され、第二センサD2が用紙Pの後端を検知してから所定時間後に、搬送モータM1を停止し、その後、二つのブレーキ機構のブレーキをONにする。次に、搬送モータM1を停止することで包装上搬送ベルト334及び包装下搬送ベルト335を停止させ、ヒータアクチェータを駆動させることで溶着切断ヒータ305及びサイド溶着ヒータ341を下降する。溶着切断ヒータ305及びサイド溶着ヒータ341を下降して待機位置から溶着位置に移動し、溶着切断ヒータ305と前後端溶着受台344との間、及び、サイド溶着ヒータ341とサイド溶着受台342との間に、二つのフィルム(F1、F2)を挟み、二つのフィルム(F1、F2)を熱溶着する。
【0065】
その後、サイド溶着ヒータ341を待機位置まで上昇させ、搬送モータM1の駆動を再開し、包装上搬送ベルト334及び包装下搬送ベルト335による用紙Pの搬送が再開される。このとき、用紙Pの上流側では溶着切断ヒータ305が溶着位置にあるため、この溶着位置で二つのフィルム(F1、F2)が切断される。これらの動作により、用紙Pの後端側と両サイドでフィルム(F1、F2)が溶着され、後端側はその溶着位置で切断された包装物が作成される。用紙Pの前端側は前回の包装処理の際に予め二つのフィルム(F1、F2)が溶着されて溶着ラインFxを形成しているため、これと合わせて用紙Pの周囲が溶着密閉された包装物が作成される。
【0066】
包装物が作成された後も、搬送モータM1は駆動を継続し、包装物を形成する用紙Pの後端の通過を第三センサD3が検知すると、搬送モータM1の駆動を停止するとともに、溶着切断ヒータ305を待機位置まで上昇させる。後端が第三センサD3の検知位置を通過した用紙Pは包装物の状態で包装排出口309から排出され、包装物トレイ304に積載される。
【0067】
次に、ミシン目形成部350について説明する。
図5及び
図6に示すように、ミシン目形成部350は、ミシン刃311を備えるミシン刃ユニット310と、ミシン刃対向ローラ317とを備える。
ミシン刃対向ローラ317は、
図5及び
図6に示すように、上紙管ガイド307Aの一部であって、搬送方向下流側に突き出した対向ローラ保持部370に対して、対向ローラ回転軸317aを中心に回転可能に支持されている。
ミシン刃ユニット310は、包装機300の本体の筐体の上面に固定されたユニット保持ケーシング371に取り付けられている。
ミシン刃ユニット310は、下部ケーシング315と上部ケーシング316とを備え、回転式ミシン刃であるミシン刃311の一部と、ミシン刃311を回転可能に保持するミシン刃保持レバー312の一部とがケーシングから露出する構成である。
【0068】
ミシン刃保持レバー312は、レバー回動軸313を中心に回動可能に下部ケーシング315に保持されている。ミシン刃ユニット310内に配置されたミシン刃加圧バネ314は、一端が下部ケーシング315に固定され、他端一端がミシン刃保持レバー312に固定されている。ミシン刃加圧バネ314が圧縮しようとする付勢力によって、ミシン刃保持レバー312が、レバー回動軸313を中心に
図5中の反時計回り方向に回転する力が作用する。これにより、ミシン刃保持レバー312に保持されたミシン刃311がミシン刃対向ローラ317に加圧するように接触する。
【0069】
ミシン刃311は、ミシン刃保持レバー312を回動させることで、ミシン刃対向ローラ317に対して接離可能である。ミシン刃ユニット310は、ミシン刃311がミシン刃対向ローラ317から離間した状態でミシン刃保持レバー312の位置を固定する不図示のレバーロック機構を備える。ミシン刃保持レバー312における下部ケーシング315からケーシングの外部に突き出したレバー操作部を下方に押し下げることで、ミシン刃311がミシン刃対向ローラ317から離間し、レバーロック機構によってミシン刃保持レバー312の位置が固定される。不図示のロック解除レバーを操作すると、レバーロック機構による位置の固定が解除され、ミシン刃加圧バネ314の付勢力によってミシン刃保持レバー312が回転し、ミシン刃311がミシン刃対向ローラ317に加圧接触する。
このように、ミシン刃保持レバー312及びロック解除レバーを操作することで、ミシン刃311をミシン刃対向ローラ317に対して手動で接離することができる。
【0070】
包装機300では、上フィルムロールR1を装着する際には、ミシン刃保持レバー312のレバー操作部を押し下げて、ミシン刃311をミシン刃対向ローラ317から離間させた状態で固定する。そして、装着する上フィルムロールR1から引き出した上フィルムF1をミシン刃対向ローラ317に掛け回し、上フィルム支持ローラ308Aとの対向部で挟んで、上第一フィルムガイド331及び上第二フィルムガイド332に掛け回すようにして、上フィルムロールR1を装着する。
フィルムロールRを装着した直後の上フィルムF1の先端と下フィルムF2の先端とは溶着ラインFxが形成されていないため、上フィルムF1の先端と下フィルムF2の先端とをセロハンテープ等の接合手段によって接合する。そして、溶着ラインFxを形成するために、少なくとも一回はテスト用の包装対象物を挿入して、テスト包装を行う。
【0071】
フィルムロールRを装着した後、ロック解除レバーを操作すると、ミシン刃311がミシン刃対向ローラ317に加圧接触し、円周上に刃部と溝部とが交互に形成されたミシン刃311の刃部がミシン刃対向ローラ317に掛け回された上フィルムF1に孔を開ける。
この状態で、包装対象物である用紙Pが包装機300に挿入され、上フィルムロールR1から上フィルムF1が引き出されることで、ミシン刃対向ローラ317及びミシン刃311が連れ回る。回転するミシン刃311によって、上フィルムF1の移動方向に平行な破線状のミシン目が上フィルムF1に形成される。
【0072】
ミシン刃311によってミシン目が形成された上フィルムF1は、上フィルム支持ローラ308Aと上フィルムロールR1との挟持部を通過し、上第一フィルムガイド331及び上第二フィルムガイド332に案内されて、溶着切断ヒータ305及びサイド溶着ヒータ341によってフィルムF同士の溶着を行う溶着部に到達する。そして、溶着部に到達した二つのフィルムF(F1、F2)の間に用紙Pを挟んで、二つのフィルムFを溶着することで、表面にミシン目を有する包装物を作成し、包装排出口309から排出し、包装物トレイ304に積載する。
【0073】
上述したように、紙折機100、ブリッジ200及び包装機300を備える紙折包装システム500では、紙折機100の給紙棚6に載置した用紙Pに対して、紙折機100で折処理を行い、包装機300で包装処理を行うまでを自動で行うことができる。また、二つ折り、三つ折り、4つ折り、観音折り、片袖折り等の用紙Pの折り方によって仕上り長さが異なる。しかし、包装機300は包装対象となる用紙Pの長さに応じた位置で搬送方向後端側の溶着を行うことができる。このため、紙折機100で用紙Pの折方を変更しても包装機300の設定を変更することなく用紙Pの仕上り長さに応じた包装物を作成することができる。
【0074】
本実施形態の紙折包装システム500は、折処理後の用紙Pを一枚ずつ包装する単数枚包装モードと、複数枚重ねて包装する複数枚包装モードとを選択することができる構成となっている。
【0075】
図7は、単数枚包装モードのときの紙折機100からブリッジ200への用紙Pの搬送状態を示す説明図である。
【0076】
単数枚包装モードでは、スタッカーベルト82は
図7中の矢印「A」で示す方向に連続的に無端移動し、二つの中継搬送ベルト(201、202)は
図7中の矢印「B」で示す方向に連続的に無端移動する。
単数枚包装モードでは、スタッカーベルト82の表面移動速度が、給紙部2が用紙Pを送り出す給紙間隔の時間で、仕上り長さ分よりも長い距離を表面移動する速度となるように、給紙タイミングまたはスタッカーベルト駆動モータ180の速度を制御する。
これにより、
図7に示すように、スタッカーベルト82上に連続的に排紙される用紙Pが互いに重ならないように、且つ、先行する用紙Pの後端と、後続する用紙Pの先端とに間隔が空く状態で搬送することができる。
【0077】
重なりがない状態で、中継搬送受入ローラニップに到達した用紙Pは、連続的に表面移動する二つの中継搬送ベルト(201、202)で挟持搬送され、一枚ずつ包装機300に受け渡されて、折処理後の用紙Pが一枚ずつフィルムFで包装された包装物を作成できる。
【0078】
図8及び
図9は、複数枚包装モードのときの紙折機100からブリッジ200への用紙Pの搬送状態を示す説明図である。特に、
図8は、複数枚包装モードのときの紙折機100からのブリッジ200に向かう用紙Pの搬送状態を示し、
図9は、複数枚包装モードのときのブリッジ200に到達した後の用紙Pの搬送状態を示す。
【0079】
複数枚包装モードでは、スタッカーベルト82は
図8及び
図9中の矢印「A」で示す方向に連続的に無端移動する。一方、二つの中継搬送ベルト(201、202)は、
図9(b)に示す矢印「B」で示す方向の無端移動と、停止とを繰り返す。
複数枚包装モードでは、スタッカーベルト82の表面移動速度が、給紙部2が用紙Pを送り出す給紙間隔の時間で、仕上り長さ分よりも十分に短い数センチの距離を表面移動する速度となるように、給紙タイミングまたはスタッカーベルト駆動モータ180の速度を制御する。
これにより、
図8に示すように、スタッカーベルト82上に排紙される用紙Pが、先行する用紙Pの上方に面の一部が重なる状態で排出される。そして、スタッカーベルト82上では、先行して搬送される用紙Pの上流側の部分で、その上に次の用紙Pが重なったうろこ状の状態で複数枚の用紙Pが搬送される。
【0080】
また、複数枚包装モードでは、同時に包装する用紙Pの枚数を使用者が予め入力しておき、入力された枚数の給紙が行われると、給紙部2からの給紙を停止し、紙折機100はアイドリング状態となる。
図8及び
図9では、同時に包装する用紙Pの枚数が三枚のときを示しているが、これに限るものではない。
【0081】
図8(a)に示すように、スタッカーベルト82上でうろこ状に重ねられた三枚の用紙Pは、スタッカーベルト82の表面移動によって、ブリッジ200に向けて搬送される。そして、
図8(b)に示すように、三枚のうち最初にスタッカーベルト82上に排出された第一の用紙P1の先端が中継搬送受入ローラニップに到達し、突き当たる。スタッカーベルト82がさらに表面移動することで、第一の用紙P1の搬送方向上流側のスタッカーベルト82に接触している部分に搬送力が付与されるため、第一の用紙P1は撓んだり、スタッカーベルト82に対して滑ったりする。
第一の用紙P1が突き当たったあとも、後続の第二の用紙P2及び第三の用紙P3にはスタッカーベルト82により搬送力が付与されるため、それぞれの先端が中継搬送受入ローラニップに突き当たるまで、搬送され、
図9(a)に示すように、三枚の用紙Pが中継搬送受入ローラニップに突き当たり、の搬送方向下流側端部が揃った用紙束Pbを形成する。
【0082】
同時に包装する複数枚の用紙Pの最後の一枚の用紙P(
図8及び
図9では第三の用紙P3)の先端が中継搬送受入ローラニップに到達したタイミングで、中継搬送ベルト駆動モータ251を駆動する。本実施形態では、同時に包装する複数枚の用紙Pの最後の一枚の用紙Pを給紙して、給紙を停止した1秒後に中継搬送ベルト駆動モータ251を駆動している。
中継搬送ベルト駆動モータ251を駆動すると、二つの中継搬送ベルト(201、202)は、
図9(b)に示す矢印「B」で示す方向に無端移動し、三枚の用紙Pが重なった用紙束Pbは、二つの中継搬送ベルト(201、202)で挟持搬送される。そして、用紙束Pbの状態で包装機300に受け渡されて、折処理後の用紙Pが複数枚(三枚)重なった用紙束PbがフィルムFで包装された包装物を作成できる。
【0083】
中継搬送ベルト駆動モータ251の駆動開始後、中継搬送出口センサ253が用紙束Pbの後端の通過を検知すると、中継搬送制御部250は中継搬送ベルト駆動モータ251の駆動を停止し、紙折制御部1に給紙再開のトリガーとなる信号を送信する。
【0084】
単数枚包装モードと複数枚包装モードとで給紙タイミングを異ならせる構成であれば、単数枚包装モードと複数枚包装モードとでスタッカーベルト82の表面移動速度を異ならせる必要がなくなる。詳しくは、複数枚包装モードのときには、スタッカーベルト82上でさしみ状の用紙Pを形成できる排紙速度となるように給紙間隔を短くする。一方、単数枚包装モードのときには、スタッカーベルト82上で用紙P同士が重ならず、間隔を置いて搬送されるような排紙速度となるように給紙間隔を長くする。
【0085】
ここで複数枚包装モードでの制御について説明する。
複数枚包装モードが選択され、同時に包装する用紙Pの枚数が設定され、スタート操作が行われると、紙折機100は、紙折制御部1は、設定された枚数の用紙Pを一枚ずつ給紙し、折処理を行う。これにより、スタッカーベルト82上に、折処理後の用紙Pが、設定された枚数のさしみ状に並べられ、ブリッジ200に向けて搬送される(
図8)。
【0086】
設定された枚数の最後の一枚の用紙Pを給紙すると、紙折制御部1は、給紙部2からの給紙を停止して、紙折機100をアイドリング状態とするとともに、その一秒後に、中継搬送制御部250に中継搬送開始の信号を送信する。中継搬送開始の信号を受信した中継搬送制御部250は、中継搬送ベルト駆動モータ251の駆動を開始する。これにより、二つの中継搬送ベルト(201、202)が無端移動を開始し、中継搬送受入ローラニップで滞留した複数枚の用紙Pが重なった用紙束Pb(
図9(a)の状態)を、包装機300に向けて搬送する(
図9(b))。
【0087】
その後、中継搬送出口センサ253が用紙束Pbの後端の通過を検知すると、中継搬送制御部250は中継搬送ベルト駆動モータ251の駆動を停止し、紙折制御部1に給紙再開の信号を送信する。給紙再開の信号を受信した紙折制御部1は、再び設定された枚数の用紙Pを一枚ずつ給紙し、折処理を行う。このような制御を繰り返すことで、折処理が施された複数枚の用紙Pを重ねて包装した包装物を連続的に作成することができる。
【0088】
また、複数枚包装モードでは、スタッカーローラ81がスタッカーベルト82に接触するスタックニップから中継搬送受入ローラニップまでの距離が、仕上り長さに対して、-5[mm]から+10[mm]の範囲となるようにスタッカーローラ81の位置を調節することが望ましい。スタッカーローラ81の位置が上記範囲から外れると、さしみ状が崩れて良好に用紙束Pbを形成できない場合があった。これに対して、スタッカーローラ81の位置を上記範囲に設定することで、さしみ状を維持した状態の複数枚の用紙Pを中継搬送受入ローラニップに送り込み、中継搬送受入ローラニップで良好に用紙束Pbを形成できることを確認した。スタッカーローラ81の位置としては、自動で調整できる構成としてもよいし、手動で調整してもよい。
【0089】
本実施形態の紙折包装システム500では、紙折機100及びブリッジ200に対して包装機300が移動可能な構成となっている。このような構成では、包装機300とブリッジ200とを有線回線等によって物理的に接続していると、包装機300を移動させたときに通信回線が断線するおそれがある。これに対して、紙折包装システム500は、
図1に示すように、包装機300が備える発光器347と、ブリッジ200が備える包装機信号受信部252(受光器)とによって光無線通信回線を行う構成となっている。この構成により、有線回線等によって物理的に接続する構成に比べて、包装機300を移動させたときに通信回線が断線することを抑制できる。
【0090】
また、
図1に示すように、包装機300は包装物トレイ304が満載に近い状態であることを検知する満載検知センサ348を備える。満載検知センサ348は、装置外部に赤外線を照射し、検知範囲に位置する遮蔽物で反射した赤外線を受信することで検知範囲の遮蔽物の有無を検知する。包装機300から排出された包装物が包装物トレイ304に積載され、包装物トレイ304が満載に近い状態となると、満載検知センサ348は、その検知範囲に遮蔽物(包装物)が存在することを検知し、包装機300の制御部に検知範囲に遮蔽物が存在することを伝える信号を発する。この信号を受信した包装機300の制御部は、上述した光無線通信回線を通じて中継搬送制御部250に満載信号を発し、満載信号を受信した中継搬送制御部250は、紙折制御部1に満載信号を発し、給紙部2からの給紙を停止させる。
満載検知センサ348としては、包装物トレイ304の載置面の上方の所定の高さに包装物が到達したことを検知できるものであれば、赤外線を用いたものに限らない。
【0091】
光無線通信回線を用いる構成としては、発光パターンの点滅の組み合わせによって、満載信号以外の情報も送信できるようにしてもよい。
【0092】
本構成例での包装機300の状態と発光器347の発光パターンとの組合せは以下の通りである。
・点灯:準備ができた状態(包装処理可能信号)
・消灯:準備ができていない状態(電源が入っていない、予熱中、ロール交換中、エラー発生中等)。
・点滅:満載検知センサ348が満載検知。
【0093】
包装機信号受信部252が受信した発光パターンと紙折制御部1による制御との組合せは以下の通りある。
・点灯:紙折機100及びブリッジ200の準備が整えば紙折処理を実行。
・受光無し:すぐに装置停止。
・点滅:給紙済みの用紙Pに対しては折処理を継続し、それ以降の給紙動作は停止し、折処理を行った用紙Pをブリッジ200及び包装機300に搬送して装置停止。
【0094】
光無線通信回線としては、本実施形態では可視光線を用いているが、IRDA等の赤外線通信を採用してもよい。
【0095】
包装機300としては、公知のものを使用することができ、例えば、特開2017-074975号公報に記載のものを用いることができるが、これに限るものではない。
包装機300としては、電源投入時やエラー発生時に、インターネット等の外部通信回線を使って包装機300の稼働情報やエラー情報を外部装置に送信可能としてもよい。外部装置に送信する稼働情報としては、包装機300の包装動作の回数を示す累積カウンタ、エラー情報(エラーの種類や回数)等が挙げられるが、これに限るものではない。さらに、外部装置より外部通信回線を通じて、故障の修理方法、制御プログラムのバージョンアップ情報等を取得可能としてもよい。さらに、包装機300の制御部の制御プログラムの更新プログラムを外部通信回線を通じて、管理サーバからダウンロードできる構成としてもよい。包装機300と外部通信回線とを接続する回線としては、LANケーブル等の有線回線でも良いし、Wifi等の無線回線でも良い。
また、上述した包装機300は、被包装物である用紙Pを横方向に搬送する間に包装材である樹脂フィルムで包装する横型搬送の構成であるが、本発明に係るシート折包装システムで用いることができる包装手段は、これに限るものではない。例えば、特開2016-037302号公報に記載の包装装置のように、被包装物を上方から下方に向けて搬送する間に、包装する縦型搬送の構成でもよい。また、包装材はフィルムに限るものではなく、紙等の他の包装材を用いてもよい。
【0096】
上述した実施形態では、紙折機100で折処理後の用紙Pを包装機300で包装する構成について説明したが、紙折機100としては折処理を行わない通紙モードを備えていてもよい。通紙モードで紙折機100を通過した用紙Pは折られていない状態で包装機300に受け渡され包装物を作成される。包装機300と同様の構成を備える従来の包装装置では、包装対象物を手差しで行っていたが、紙折包装システム500の紙折機100で通紙モードを使用することで、折処理を行わない用紙Pの包装処理を自動で連続的に行うことができる。
さらに、紙折機100を通紙モードとするときも、通紙処理後の用紙Pを一枚ずつ包装する単数枚包装モードと、複数枚重ねて包装する複数枚包装モードとを選択することができる構成となっている。
【0097】
包装機300のような包装装置を用いて、紙折機100のようなシート折装置で折り処理が施されたシート材を包装する場合、従来は、ユーザーが、シート折装置の給送部に包装対象となる折処理前のシート材を手で載置し、シート折装置の折処理をスタートさせる。その後、シート折装置の排出部に排出された折処理後のシート材を手で回収し、包装装置の挿入口から挿入する。このように、シート折装置の給送部への載置した後、シート折装置の排出部からシート材の回収し、さらに、包装装置の挿入口への挿入をユーザーが手で行うことはユーザーにとって負担となる。
これに対して、本実施形態の紙折包装システム500では、紙折機100の排紙部3に排紙された用紙Pをブリッジ200を用いて自動で包装機300に取り込み包装処理を行う。このため、折処理後、そのまま包装処理を行いたいユーザーの負担を軽減することができる。
【0098】
なお、ブリッジ200のような包装装置に板状材を給送する構成であれば、包装処理の前工程に折り処理を行う場合に限らず、処理後の板状材を順次排出する板状材処理装置の下流側に配置することで、板状材処理装置で処理した板状材の包装処理を行いたいユーザーの負担を軽減できる。
【0099】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
【0100】
〔態様1〕
態様1は、包装受入部302等の包装対象受入部から受け入れた用紙P等の板状材をフィルムF等の包装材で包装して包装物を作成する包装機300等の包装手段を備える紙折包装システム500等の包装システムにおいて、複数部の板状材を順次搬送するスタッカーベルト82等の第一搬送部と、第一搬送部を搬送されてきた板状材を停止させ、後続の板状材を重ねて用紙束Pb等の板状材束を形成する中継搬送受入ローラニップ等の滞留部と、滞留部で形成された板状材束を包装手段の包装対象受入部に向けて搬送する二つの中継搬送ベルト(201、202)等の第二搬送部と、を備えることを特徴とする包装システムである。
これによれば、包装手段の上流側から順次搬送される板状材を複数部まとめた状態で包装処理を行うことができる。これは、同じ印刷内容の印刷物を複数枚まとめて包装する場合や、印刷内容の異なる印刷物を複数枚まとめて包装する場合に用いることができる。
上述した実施形態では、滞留部は搬送されてくる板状材の先端に突き当たる部材を備え、第二搬送部での搬送時にはこの突き当たりを解除する構成であったが、滞留部としては板状材の先端が突き当たる部材を備える構成に限らない。
たとえば、第一搬送部から搬送されてきた板状材を収容部に落下させ、収容部内で板状材を重ねて板状材束を形成し、収容部内の板状材束を第二搬送部に向けて移動させる移動部材を設ける構成でもよい。移動部材としては、収容部材内を移動して板状材束を押し出す押し出し部材を挙げることが出来るが、これに限るものではない。
【0101】
〔態様2〕
態様2は、態様1の包装システムにおいて、滞留部は、第一搬送部を搬送されてきた板状材の先端に当接し、一旦停止させ、後続の板状材が追い付くことで板状材を積層状態として板状材束を形成する上ベルト駆動ローラ203及び下ベルト駆動ローラ204等のストッパを備え、ストッパの停止状態よって三枚等の所定部数の板状材が積層された板状材束が形成されると、ストッパの停止状態を解除するとともに、第二搬送部による搬送を開始するように制御する中継搬送制御部250等の制御手段とを備えることを特徴とする包装システムである。
これによれば、ストッパで先行する板状材を停止させ、後続の板状材を追いつかせることで、順次搬送される板状材を用いて滞留部で板状材束を形成することができる。そして、順次搬送されてくる板状材を複数部重ねた状態で包装物を作成する構成を実現できる。
【0102】
〔態様3〕
態様3は、態様2の包装システムにおいて、第一搬送部に搬送されてきた板状材の先端を、中継搬送受入ローラニップ等のそのニップに導くように配置された上ベルト駆動ローラ203及び下ベルト駆動ローラ204からなるローラ対等のローラ対を有し、ローラ対は、回転状態と停止状態とを切替可能で、停止状態のときには、第一搬送部に搬送されてきた板状材がニップで突き当たって停止するストッパとして機能し、回転状態のときには、ニップで板状材を挟持搬送する第二搬送部として機能することを特徴とする包装システムである。
これによれば、第二搬送部を形成するローラ対を停止状態とすることで、順次搬送されてくる板状材をローラ対に突き当て複数部重ねた板状材束を作成し、その後、ローラ対を回転状態とすることで、板状材束を包装手段に送ることができ、順次搬送されてくる板状材を複数部重ねた状態で包装物を作成する構成を実現できる。
【0103】
〔態様4〕
態様4は、態様1乃至3の何れかの態様に係る包装システムにおいて、第一搬送部は、先行して搬送する板状材の上方の面の一部に、後続して搬送する板状材が重なるさしみ状等の半重ね状態で板状材を搬送することを特徴とする包装システムである。
これによれば、半重ね状態で順次搬送されてくる板状材を複数部重ねた状態で包装物を作成する構成を実現できる。また、半重ね状態で搬送し、先端を突き当てて板状材束を形成することで、順次搬送される板状材の第一搬送部に供給された順番を崩すことなく下から順に積層された状態と板状材束を形成することができる。
【0104】
〔態様5〕
態様5は、態様1乃至4の何れかの包装システムにおいて、第一搬送部の上流側に、板状材に対して折処理等の所定の処理を行う紙折機100等の上流側処理部を備えることを特徴とする包装システムである。
これによれば、上流側処理部で所定の処理がされ、順次搬送されてくる板状材を複数部重ねた状態で包装物を作成する構成を実現できる。
上流側処理部としては、紙折機100のようなシート折装置に限るものではなく、板状材を順次排出する装置であればよい。例えば、特開2019-048725号公報に記載された製本システムでもよい。この場合、包装手段で包装する対象の板状材は、冊子であり、ベルトスタッカに順次搬送される冊子を滞留部で滞留させて冊子束を形成し、包装手段で包装する態様となる。
【0105】
〔態様6〕
態様6は、態様5の包装システムにおいて、上流側処理部が第一搬送部に所定の処理後の板状材を排出する排出間隔が、滞留部で板状材束を形成する板状材同士(第一の用紙P1と第二の用紙P2、または、第二の用紙P2と第三の用紙P3)の排出間隔よりも、板状材束を形成する最後の板状材(第三の用紙P3)と次の板状材束を形成する最初の板状材(第一の用紙P1)との間の排出間隔の方が長いように排出間隔を制御する紙折制御部1等の排出間隔制御手段を備えることを特徴とする包装システムである。
これによれば、先に包装手段に送るべき板状材束とともに、後続の板状材束に含めるべき板状材が包装手段に搬送されることを防止し、板状材の混入を防止できる。
【0106】
〔態様7〕
態様7は、態様4の構成を備える態様6の包装システムにおいて、排出間隔制御手段は、上流側処理部から排出された板状材が、第一搬送部で前記半重ね状態となる所定の排出間隔で排出するとともに、板状材束を形成する所定の部数の板状材を半重ね状態とした後、その次に上流側処理部から排出する板状材が、先行して排出された板状材に対して重ならないように排出間隔を制御することを特徴とする包装システムである。
これによれば、一つの板状材束を形成する複数の板状材からなる半重ね状態の中に、次の板状材束に含めるべき板状材が混入することを防止できる。
【0107】
〔態様8〕
態様8は、態様5乃至7の何れかの包装システムにおいて、上流側処理部は、板状材束を形成する板状材の所定部数(用紙束Pbを形成する用紙Pの所定枚数、実施形態では三枚)を取得する操作パネル10等の所定部数取得手段を有することを特徴とする包装システムである。
これによれば、ユーザーが入力した所定部数を包装システムの所定部数取得手段が取得することによって、複数枚の用紙P等の複数部の板状材をまとめた状態で包装処理を行う際に、ユーザーの所望の枚数をまとめて包装することが可能となる。
【0108】
〔態様9〕
態様9は、態様5乃至8の何れかの包装システムにおいて、上流側処理部は、シート材に折処理を行う紙折機100等のシート折手段であることを特徴とする包装システムである。
これによれば、折処理が施されたシート材を板状材として包装することができ、シート材の折り処理から包装処理までを自動で行うことができる。さらに、シート折手段で一枚ずつ折られて順次排出される折処理後のシート材を複数枚まとめて包装することができる。
【0109】
〔態様10〕
態様10は、態様1乃至9の何れかの包装システムにおいて、包装手段は、供給方向に連続するシート状のフィルムF等の包装材を供給する上フィルムロールR1等の第一供給部及び下フィルムロールR2等の第二供給部と、第一供給部から供給される包装材である上フィルムF1等の第一包装材と第二供給部から供給される包装材である下フィルムF2等の第二包装材との間に包装対象物(用紙束Pb等)を挟むとともに第一包装材と第二包装材とを溶着する等の接合することで包装対象物を包装する包装処理を行う溶着部340等の包装処理部を備えることを特徴とする包装システムである。
これによれば、二枚の連続するシート状の包装材で包装対象物である板状材束を挟んで、二枚の包装材を接合することで板状材束を包装することができる。また、連続するシート状の包装材を板状材束の長さに合わせて接合・切断して包装物を作成することで、板状材束の長さに合わせた包装材を用意することなく、板状材束の長さに対して適切な長さの包装物を作成することができる。
【0110】
〔態様11〕
態様11は、給紙部2等の給送部に載置された用紙P等のシート材に折処理を施し、排紙部3等の排出部に排出する紙折機100等のシート折手段を備える紙折包装システム500等のシート折システムにおいて、排出部から排出される複数枚のシート材を順次搬送するスタッカーベルト82等の第一搬送部と、第一搬送部を搬送されてきたシート材を停止させ、後続のシート材を重ねて用紙束Pb等のシート束を形成する中継搬送受入ローラニップ等の滞留部と、滞留部で形成されたシート束を下流側に向けて搬送する二つの中継搬送ベルト(201、202)等の第二搬送部と、を備えることを特徴とするシート折システムである。
これによれば、シート折手段で折処理が行われ、順次排出されるシート材を、複数枚まとめた状態で第二搬送部の下流側に供給することが可能となる。
【0111】
〔態様12〕
態様12は、給紙部2等の給送部に載置された用紙P等のシート材に折処理を施し、排紙部3等の排出部に排出する紙折機100等のシート折手段と、包装受入部302等の包装対象受入部から受け入れたシート材をフィルムF等の包装材で包装して包装物を作成する包装機300等の包装手段と、を備え、排出部から排出される複数枚のシート材を順次搬送するスタッカーベルト82等の第一搬送部と、第一搬送部を搬送されてきたシート材を停止させ、後続のシート材を重ねて用紙束Pb等のシート束を形成する中継搬送受入ローラニップ等の滞留部と、滞留部で形成されたシート束を包装手段に向けて搬送する二つの中継搬送ベルト(201、202)等の第二搬送部と、を備えることを特徴とするシート折包装システムである。
これによれば、シート折手段で折処理が行われ、順次排出されるシート材を、複数枚まとめた状態で第二搬送部の下流側の包装手段に供給することができ、シート折手段で一枚ずつ折られて順次排出される折処理後のシート材を複数枚まとめて包装することができる。
【0112】
〔態様13〕
態様13は、態様1乃至10の何れかの包装システムにおいて、第一搬送部を搬送されてきた板状材を、第二搬送部によって一部ずつ包装手段に向けて搬送する単数包装モードと、板状材を重ねて板状材束を形成した状態で包装手段に向けて搬送する複数包装モードと、を選択可能であることを特徴とする包装システムである。
【0113】
〔態様14〕
態様14は、給紙部2等の給送部に載置された用紙P等のシート材に折処理を施し、排紙部3等の排出部に排出する紙折機100等のシート折手段と、包装受入部302等の包装対象受入部から受け入れたシート材をフィルムF等の包装材で包装して包装物を作成する包装機300等の包装手段と、を備え、前記包装手段は、二枚のフィルムF等の包装材で用紙Pまたは用紙束Pb等の包装対象物を挟み、包装対象物に対して搬送方向下流側と搬送方向上流側とで二枚の包装材を接着(熱溶着等)して包装対象物を二枚の包装材で包装する構成であり、包装対象物の搬送方向上流側の端部が包装材を接着する接着部(溶着切断ヒータ305と前後端溶着受台344とが接触する部分)を通過したことを検出した検出結果(第二センサD2の検知結果)に基づいて、包装対象物に対して搬送方向上流側での二枚の包装材の接着動作を実行することを特徴とするシート折包装システムである。
シート折装置では、シートの折り方によって、仕上り長さが異なる。このため、シートの折り方によって包装材の長さを変更しないと、折処理後のシート材に対して包装材が大きすぎたり、シート材が包装材に入りきらなかったりする。一方、仕上り長さに応じて包装材の長さを変更するために、包装処理で使用する包装材の大きさを予め変更したり、包装材同士を接着する接着部の位置を移動させたりする構成では、シート材の折り方の変更の度に、包装装置側での設定を大きく変更する必要がある。
これに対して、態様13の構成のように、包装対象物である折処理のシート材の搬送方向上流側端部が接着部を通過したことを検出した検出結果に基づいて搬送方向上流側の接着動作を実行する構成であれば、折り方の変更によって仕上り長さが変わっても包装装置側の設定を変更することなく、仕上り長さに応じた長さの包装物を作成することができる。
【0114】
〔態様15〕
態様15は、態様14のシート折包装システムにおいて、接着部は、二枚の包装材の接着と切断とを行う接着溶着部であり、シート材の搬送方向上流側での二枚の包装材の接着と切断とを行うことで、包装材における切断された位置に対して上流側の接着された部分が、次に搬送されてくる包装対象物の搬送方向下流側におけ二枚の包装材が接着された部分となることを特徴とするシート折包装システムである。
これによれば、搬送方向における一箇所の接着部で、包装対象物に対する搬送方向下流側と上流側との接着を行う包装が可能となる。
【0115】
〔態様16〕
態様16は、態様14または15のシート折包装システムにおいて、包装材は樹脂製のフィルム部材であり、接着部は二枚のフィルム部材を重ねて加熱することで溶着することを特徴とするシート折包装システムである。
【符号の説明】
【0116】
1:紙折制御部
2:給紙部
3:排紙部
4:折処理部
5:フレーム
6:給紙棚
7:給送機構
10:操作パネル
20:折部ローラ
36:第一折込板
40:第二折込板
81:スタッカーローラ
82:スタッカーベルト
100:紙折機
101:タッチパネル
200:ブリッジ
201:中継搬送上ベルト
202:中継搬送下ベルト
203:上ベルト駆動ローラ
204:下ベルト駆動ローラ
250:中継搬送制御部
300:包装機
302:包装受入部
304:包装物トレイ
305:溶着切断ヒータ
341:サイド溶着ヒータ
500:紙折包装システム
F1 :上フィルム
F2 :下フィルム